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「プーチン万歳!」ハイチの抗議デモ、
アメリカ国旗を燃やし、ロシアの介入を求める

‘Long live Putin!’ Haiti opposition protesters burn US flag, demand Russian intervention
RT World News 2019年2月17日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年3月2日)

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/news/451673-haiti-putin-burning-us-flag/


ロシア大統領ウラジミール・プーチンの写真を掲げるポルトープランスのデモ隊 © AFP / Hector Retamal

カリブ最貧国ハイチが混沌の淵に沈み込んでいる。 エリート層の汚職が原因だ。 街頭ではデモ隊が、この国には一度も足を踏み入れたことのない人物に大声で助けを求めている。 その人物とはウラジミール・プーチンだ。

「打倒アメリカ!プーチン万歳!」と約200人のデモ隊が金曜日、首都のポルトープランスで気勢を上げた。 プーチンの顔写真を掲げる人もいた。

デモ隊はアメリカの国旗に火をつけ、アメリカ政府が国民から不人気なジョブネル・モイーズ大統領政府と繋がりがあることを非難した。 2016年の選挙で大統領に選出されたモイーズを人々はアメリカの操り人形と呼んでいる。 彼が政権を維持できているのは、ひとえにアメリカが国際的な圧力をかけることを渋っているからだ。 


ハイチの抗議参加者ブロンソンが、アメリカ国旗を燃やす。2月15日© AFP / Hector Retamal

「このデモが象徴しているのはアメリカ人との完全な決別です。 我々はアメリカの占領で嫌というほど苦しんできました。 もう限界です」とブロンソンを名乗るデモ参加者がAFP記者に語った。 彼がアメリカ国旗に火をつけた。
Also on rt.com US piles pressure on Venezuela… but remains mute on Haiti anti-govt unrest

ハイチはアメリカ政府のがんじがらめの影響下にある。 外部の世界に少しでも関心を持ってもらえるならば、とブロンソンはハイチからは遠く離れた強国に、自国から必死の呼びかけを行った。

「ロシア、ベネズエラ、そして中国に、ハイチが現在置かれた悲惨な状況を是非とも見てほしいのです」とはブロンソンの心からの声だ。

略奪と死者を出した衝突

この小規模なデモを常軌を逸したふざけたパフォーマンスと扱いたい気持ちにもなるが、この抗議行動は、笑い事ではすまされない急速な危機の拡大に国際的な関心を引きつける役目を果たした。


警官が群衆に発砲する、ポルトープランス© AFP / Hector Retamal

2月7日以来、高層ビルはないが、人口の密集した首都ポルトープランスはほぼ常態化した散発的なデモで揺れている。 ポルトープランスは2010年の壊滅的な地震からまだ十分には復興していない。 デモ隊の要求は政府退陣だ。   

バリケードが主要道路を封鎖している。 私的ビジネスも学校などの公的機関も、その活動は断続的だ。 食料、飲料水、そして燃料の供給が減少しているので、略奪が当たり前になっている。


デモ隊はロシア国旗を掲げ、プーチン支持のスローガンを唱える© AFP / Hector Retamal

警察は催涙ガスや銃弾を繰り返し使用し、デモ隊を追い散らしている。 デモ隊の標的の一つは大統領府であり、外国大使館だ。 少なくとも6人が衝突で死亡している。 西側の主要な国は自国民にハイチ出国の指示を出した。 また100人を超えるカナダ人旅行者は緊急避難の対象となった。 

盗まれた義援金

危機に火がついたのは長年に亘る横領が発覚したからだ。 ベネズエラが行った石油価格減額プログラムから得られた20億ドルが横領された。 そのプログラムは、死者十万人を超えた地震の後遺症に苦しむハイチのためにものだった。 かくして、その犯人を大きな権限を持った人物から探す段取りなのだが、ハイチだけは周辺国の中にあっても、より危機的な街頭情勢があることもあり、ハイチ高官を監視することはほとんどできていない。

いずれにしても、20億ドルなど国際的な基準からすれば些細なものだ。 アメリカは防衛費として20億ドルを毎日使っている。 だが、人口110万人のほぼ3分の2が一日2.5ドル以下で暮らしている国では些細とは言えない。


去年の9月、就任式で共に笑うモイーズ(左端)とセアン© Reuters / Andres Martinez Casares

沈黙することでかえって周囲の注目を集めた一週間が経過すると、Moise と首相のジャン=ヘンリー・セアンは大衆に語りかけた。 この週末に放映された演説でセアンは、長期間問題となっている貧富格差、統治力の低さ、そして汚職は悪い、と言いながら、デモ参加者には暴力を控えるよう強く説得し、特にアメリカ国旗を燃やしたことを非難した。

Also on rt.com Haiti govt summons US official to explain Trump’s ‘s***hole’ remark – report


しかし、その演説で、アメリカ政府から言葉だけではない実際の後ろ盾が、追い詰められたハイチ政府に与えられるかどうかがはっきりしたわけではない。 ウソか本当か、トランプがハイチを「クソ国家」のリストに載せたというのは有名な話だからだ。 アメリカは2010年に有益な支援と難民避難所を提供した。 しかし、貴重な資源をほとんど持たず、明らかに戦略的に意味のない国に融資する気はほとんどない。 他方ハイチの経済は全面的にアメリカへの輸出に依存したままである。 その割合は全体の90%。 そしてアメリカからの送金がGDPで大きな割合を占めている。


ガソリンに行列を作るハイチ人、 土曜日ポルトープランスで© AFP / Ivan Alvarado

それで、地理的には離れているロシア政府と中国政府に満腔のSOSを送っているわけだが、ハイチの運命が上向くか、下降するかは、アメリカの行く末と切り離すことはできないだろう。
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