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「ベネズエラ人道支援ライブ」はペテンだ!
ロジャー・ウォーターズは非難する

‘Nothing to do with aid or democracy’: Roger Waters slams ‘humanitarian’ concert for Venezuela


RT World News 2019年2月20日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年2月25日)

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/news/451877-roger-waters-branson-aid-concert-venezuela/


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‘Nothing to do with aid or democracy’: Roger Waters slams ‘humanitarian’ concert for Venezuela
© Global Look / Franklin Jacome

「ピンクフロイド」の元リーダーロジャー・ウォーターズは、ヴァージングループの大御所リチャード・ブランソンが計画しているベネズエラ支援コンサートを、ペテンとして激しく非難している。 同時に、このコンサートに集うファンや演奏家たちが「いつの間にか、結果的にベネズエラ現体制転覆の道に迷い込まされる」と警告している。 

ブランソンの「ベネズエラ支援ライブ」コンサートは「ベネズエラ国民の要求とは何の関係もない、民主主義とは何の関係もない、自由とは何の関係もない、支援とは何の関係もない」とウォーターズは火曜日に配信されたビデオで言明した。 


音楽家でもあり政治活動家でもあるウォーターズは、西側メディアが、ベネズエラを社会主義が創り出した人道的危機の犠牲者であるかのように描き出すその語り口を激しく非難した。ニコラス・マドゥロ大統領政権下で、「内戦なんか、どこにもない。暴力も、殺人も、独裁らしき気配も、反対派の大量投獄、報道規制も」、何もない、とウォーターズは、カラカスの「現地にいる」彼の友人たちの言葉を引き合いに出しながら語った。

「ベネズエラ支援ライブ」は金曜日、コロンビアとの国境にあるククタ市で行われる。ブランソンの発表によれば、1億ドルの資金集めを目標とし、社会主義がもたらした欠乏で苦しむベネズエラ人のために食料や医薬品を購入するとのこと。しかし、アメリカの経済制裁のせいで、ベネズエラ人は苦しんでいるのだという方が正しい。

ウォーターズは、ブランソン個人についてあれこれ言うことは避けたが、「ベネズエラへの的外れな同情心をこれ見よがしにヴァージン航空のTシャツに張り付けることで」この大物企業家はアメリカのプロパガンダを受け入れたことになる、と主張している。ブランソンのスポークスマンはナショナル・ポストに語った。アメリカは何もこれに関わっていない。このコンサートは、政治的声明ではない、と。
Venezuelan military rejects Trump threats, reiterates loyalty to Maduro


アメリカが背後で操るベネズエラの体制転覆は予定していたほど順調には進んでいない。ベネズエラの軍隊が今でもマドゥロへの忠誠を誓っているからだ。 国民会議の指導者フアン・グアイドが一ヶ月前に自分を「暫定大統領」と宣言した後もそれは変わらない。月曜日、アメリカのドナルド・トランプ大統領はスピーチで、ベネズエラ軍はグアイドの指示に従わなければ、「すべてを失う」との警告を発した。 

ウォーターズは自分のスピーチの締めくくりとして、友人でもあり同じ音楽仲間でもあるピーター・ガブリエルにアメリカの策略に引っかからないよう警告した。アメリカが背後で操る体制転覆が過去どんな展開になったのか、忘れたのか!との言葉も添えて。
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ベネズエラを守るために、力の結集を!

Mobilize and Defend Venezuela!

アンドレ・ベルチェック

グローバル・リサーチ 2019年1月25日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年2月25日)

<記事原文>https://www.globalresearch.ca/mobilize-defend-venezuela/5666514


新しい事態だが、手口は新しくない。その意図はどこまでも邪悪で、相手のとどめを刺さずにはおかない。アメリカが考え出し、ベネズエラに、今、適用しようとしている最新型のクーデターのことだ。


もちろん、クーデターやクーデター未遂事件の数々は「西側の十八番(おはこ)」と言ってもいいだろう。アメリカやイギリス、そして他の帝国主義諸国が世界中の数知れない不運な国々に対して使ってきた手口だ。ラテンアメリカでは、基本的にその被害を被らなかった国は皆無だ。ドミニカ共和国からチリ、そしてアルゼンチンなど。アジアではインドネシアからタイまで。中東ではイランからエジプト、シリアまでの国だ。ある国で人々が、社会主義者、共産主義者、反植民地主義者、あるいは単に自国民のために奉仕すると決意した真っ当な候補者たちに敢然と投票した時、西側は賄賂を使って当該国のエリートや軍人を手配し、選出された政府、あるいは革命政府を放逐し、残忍で自分たちの言いなりになる体制を据えるのが常だった。数千人、時には数百万人の死者が出た。それでも帝国はどこ吹く風だった。自分たちの思い通りになればいいだけの話なのだ。

西側が、自由を愛するほぼすべての国民に対してテロ活動をする方式は、そのパターンがはっきりしていた。

しかし、今回、西側がベネズエラに対してやろうとしていることは、これまでのパターンとは少し違う。そしてやり方が全く極端なのだ。マドゥロ大統領や彼の同調者たちに向けられた敵対活動は、過去にあったような「良心の呵責」とか、表面的な「改良案」を一切かなぐり捨てている。 誰が世界の真の支配者であるのか、誰が「統括」しているのか、を正気とは思えない言葉使いで示せるとでも思ったのか。 これが、「西側民主主義の最善の形」なのだ!と。

過去、アメリカはチャベスを放逐しようとした。ベネズエラ国民を飢えさせ、医療体系を崩壊させ、そしてマドゥロの暗殺も試みた。 その結果、食料の「不足」が生じ、トイレットペーパーすら無くなった。アメリカはラテンアメリカの飼い犬たちに命令を下し、ベネズエラ革命に敵対させた。

さて、最新の動きだ。アメリカ政府はベネズエラ社会主義共和国の内部にいる一人の裏切り者に白羽の矢を立てた。その人物はアメリカのお気に入りで、フアン・グアイドという名の「裏切り要員」だ。(短期間ベネズエラ国会の議長を務めていた)その彼をアメリカは「承認」し、「ベネズエラ暫定大統領」に祭り上げたのだ。

言うまでもないが、グアイドが初めて自らを、不遜にも、ベネズエラ大統領と宣言したのとほぼ時を同じくして、彼はベネズエラ最高裁に召喚され、国会議長としての資格を否定された。よって、彼のことは今後「前議長」と呼ぶことにしよう。

しかし、西側主流メディア宣伝キャンペーンはギアをトップに加速させ、一夜にして、メディアとしての節操を完全に欠いた存在に堕してしまった。その結果、この最高裁の判決についての情報を西側主流メディアから得ることはほぼ不可能状態になっている。西側メディア以外に情報源を求めるしかない。

その「非西側メディア」から。イラン・タスニム紙、2019年1月22日の報道:

    「月曜日、ベネズエラ最高裁長官マイケル・モレノは、フアン・グアイドが、
     反対派が主導する国会議長の資格を欠くとの最高裁判断を下した、
     との内容の声明を発表した。」

そしてRT(Russia Today)前日の記事:

    「反対派の開催した集会で、ニコラス・マドゥロ大統領選出には違
    法性がある、との宣言がされていた数日後、ベネズエラ最高裁は、
    国会が成立させたすべての法案は無効であるとの宣言を発し
     た。」

また、ベネズエラの外相ホルヘ・アレアサがグアイドに対して、2019年1月21日、辛辣な言葉を投げかけている:

    「この男をごらんなさい。ベネズエラで彼を知っている人は誰もいません。
      街で『フアン・グアイドは誰?』」と聞いてごらんなさい。誰も知りません。
     それなのに、アメリカに後押しされ、自分が新大統領だ、などと言おう
     としています」

実際、彼はそのことを口にした! 2019年1月23日、カラカスにおいて、彼は大勢の支持者の前で自らを「暫定大統領」と宣言したのだ。 

その翌日、トランプ大統領はベネズエラの暫定大統領として「彼を承認した」。カナダも追随した。フランスも同様だった。もっともフランスは二流国だが、帝国主義そして新植民地主義強国としては活力を増してきている。次に来るのは例のアメリカの操り人形「米州機構(OAS)」だ。ブラジル、コロンビアなど、図抜けたファシズム体制を取る国々だ。

今日、世界はきれいに二分されている。 中国、ロシア、イラン、トルコ、シリア、南アフリカ、ボリビア、キューバ、メキシコ、ウルグアイ、そして他の多くの国々がしっかりとマドゥロ大統領の合法的な革命政府の側についているからだ。

対決は不可避である。

ベネズエラは、すべてのアメリカ外交官国外退去を命じ、アメリカ政府とのすべての外交関係を断絶した。アメリカは外交官国外退去命令には従わず、現ベネズエラ政府は「違法」な存在である、と宣言した。

これは宣戦布告にも匹敵する流れだ。 アメリカはベネズエラが独立国であることを認めようとしない。アメリカはベネズエラ国民に誰が真の大統領であるかを告げる権利を保持している!アメリカが認めるのは、西半球と地球全体に対して自国が持つ究極の支配権だけ。国際法は憎悪の対象でしかない。 

やることは子供じみており、傲慢で、凶暴であり、現実離れしている しかし、それが現実に起こっていることだ。もしその動きを、他でもない、ここベネズエラで止めなければ、この新しい型の「クーデター拡大作戦」と地球独裁の強制は世界の他のすべての地域に広がるかもしれない。



「新しい要素」はたくさんあるが、現在のベネズエラ情勢は、相当程度、「シリア侵略シナリオ」と似通っている。タス通信、2019年1月24日の記事。執筆者はベネズエラの駐ロシア大使カルロス・ラファエル・ファリア・トルトサ: 

「ベネズエラ当局は、アメリカがシリア版『亡命政府』をベネズエラで画策しようとしていることは承知している。アメリカのマイケル・ペンス副大統領がベネズエラの現政府打倒を呼びかけたが、その後、マドゥロ大統領はアメリカとの外交関係断絶を決定し、アメリカ外交官が72時間以内に国外退去するよう求めた。これは言語道断の干渉に対してわが国大統領が勇気を持って示した適切な対応だ。他国が自国の国内問題に意見を述べることを許す国はどこにもない。(政府の)放逐を呼びかけるなど論外だ。」

「この後の手順も分かっている。アメリカは、(自分たちの動きで)ベネズエラに二つの政府があることを正当化するだろう。 それはベネズエラの兄弟国であるシリアのバシャル・アサド大統領とその人民に対して行なったことだ。 アメリカは亡命政府をでっち上げ、その結果多大な損害と様々な人的被害を引き起こし、同国のインフラは壊滅状態となった。」

ベネズエラ政府は、自国生存のための戦いをしながら、ロシア政府に直接救援を求めるだろうか? シリアは何年も前にそうした。 まだ、確かなことはわからない。 だが、その可能性は確実に存在する。 ベネズエラはロシア、イラン、中国、キューバ、そして他の社会主義ないしは自立した国々から支援を増やしてもらうことが頼りなのだ。

ベネズエラが生き残るには、西側への依存をすべて断ち切るしかない。それもすぐに。アメリカ政府はベネズエラ政府に更なる経済制裁や、まさかと思うが石油禁輸の脅しもかけている。

パニックになる理由は一切ない。マドゥロ政権は早急に、そして万全な国の再編しなければならない。NATO圏外には、喜んでベネズエラの石油を購入、そして/あるいは、ベネズエラのインフラや産業に公正な投資をしようとする国がたくさんある。ロシア、イラン、中国、トルコが最重要国だが、他にもたくさんの国がある。  

ベネズエラ庶民の苦痛を緩和する新しい戦略が必要だ。この戦略も、同様に、「西側支配圏外」から考え出さなければならない。ラテンアメリカ以外であることは言わずもがなである。 ラテンアメリカは野蛮なヨーロッパ人の子孫であるエリート層で知られ、彼らは一貫して連帯する気持ちや勇気に欠け、西側の支配を受け入れるばかりだ。(今日における南アメリカ最大の英雄であるユーゴ・チャベスは統一した、誇りある、社会主義者のラテンアメリカを建設しようとして死んだ。その結果、多くの卑屈なラテンアメリカの国々は、陰で彼を中傷し、唾を吐きかけるほどの敵意を持っていた。キューバはソ連崩壊後どの国からも見捨てられた。結局、中国によって救済されることになった。 

ベネズエラには力の結集が必要だ。ベネズエラは戦わなければならない。国の生存のために。すべての同盟国が団結し、ベネズエラを守る準備せよ。シリアと同様に。

ベネズエラが苦しみ、格闘しているのは人類のためであって、自国のためだけではない。彼らが唱えるのはチャベスの名前と社会主義だ。

2019年1月24日のスプートニク紙は報道した。ロシアは同盟国ベネズエラの味方である。ロシアはアメリカがベネズエラ問題に軍事介入することに警告を発している。そんなことをすれば、大惨事になるだろう、と。
ロシアの外務副大臣セルゲイ・リャブコフは木曜日に語った。

    「ベネズエラ情勢の推移を見て気づくのは、アメリカを含むグループ
    国が米州機構(OAS)などに舞台を移し、我々の同盟国である
    ベネズエラに対して一段と圧力を強めようとする気配である。それも、
    また新たな口実を取り繕って・・・だが、我々は友人国であるベネ
     ズエラを常に支援してきたし、今後もそうするだろう。ベネズエラは
     ロシアの戦略的パートナーなのだ。」

今ベネズエラで起きているような攪乱作戦で国土を荒廃させられたシリアの公的通信社SANAが、ベネズエラの合法政府支持のメッセージを配信した。

    「シリア・アラブ共和国は、アメリカが極端に走り、ベネズエラ・ボリバル
      共和国の諸問題に露骨な干渉をしていることを強く非難する。 それ
     はすべての国際的規範や国際法に対する目に余る違反であり、 ベネ
     ズエラの主権への恥知らずな攻撃である」とシリア外務省消息筋は木曜
     日に語った。

消息筋はさらに、アメリカが世界各地で採用している破壊的政策と国際的な合法性の無視が世界で起きている様々な緊張事態や不安定状態の背後にある主な理由となっている、と述べた。

シリア・アラブ共和国はアメリカの露骨な干渉を断固拒否することを確認し、ベネズエラ国指導層、そしてその人民との全面的な連携体制を新たにしてベネズエラの主権を守り、アメリカ政府の敵対的な企みを挫くこととする・・・」

過去、各国は西側の放つテロ行為を何かどうしようもないものと考えてきた。しかし、今では事情が変化している。ロシア、キューバとシリア、イランと中国、そして今度はベネズエラが屈服することを拒否している。「テロリスト達との交渉」はない、とすら言っている。

「中東のスターリングラード」と私が記述したことのあるシリア北部の町アレッポは、毅然と振る舞い、戦い、抵抗し、邪悪な敵どもを敗退させた。さて、「ラテンアメリカのレーニングラード」とも言うべきカラカスは現在包囲網の中にあり、飢餓状態にある。しかし、外国の侵略と反逆者集団と戦う決意を固めている。

世界中の人民は力を結集して戦う必要がある。何としても! ファシズム打倒!ベネズエラを守ろう!

*
アンドレ・ベルチェックは、哲学者、小説家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は多くの国の戦争や紛争を報道してきた。最近の著作は『革命的楽観主義、西欧のニヒリズム』、革命小説『オーロラ』、ベストセラーとなった政治的ノンフィクション『帝国の嘘を暴く』である。彼のその他の本は、『ルワンダの謀略を見よ』はルワンダとCRCongoについての革新的ドキュメンタリーである。そしてチョムスキーとの対話フィルム『欧米テロリズムについて』もある。ベルチェックは、現在東アジア、中東を基盤に、世界中で活動している。彼のウェブサイト、ツイッターにも接続できる。
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崩壊の瀬戸際にあるヨーロッパ

Europe on the Brink of Collapse?

ピーター・ケーニッヒ

グローバル・リサーチ 2019年1月17日

(翻訳:新見明 2019年2月21日)

<記事原文>https://www.globalresearch.ca/europe-brink-collapse/5665679


帝国のヨーロッパ属国城は、崩れかかっている。我々のすぐ目の前で。しかしだれもそれを見ようとしない。EUは隷属国家の複合企業体だ。トランプはEUを時代遅れだと批判する。トランプは属国が自分をどう思おうと気にかけていない。彼らが崩壊するのは当然だ。彼らEU属国は、28カ国グループからなり、人口は5億人である。推定19兆ドル相当の連合経済で、アメリカとほぼ同程度の経済規模だ。しかし重要な局面では、ほとんどワシントンの命令に従ってきた。


EUはワシントンの命令で、28カ国のEUメンバーに何の危害も加えていないロシアやベネズエラやイラン、そして無数の国々に制裁を加える命令を受け入れてきた。EUは屈辱的なNATOの軍事負担を受け入れてきた。そしてモスクワや北京に向けて高度な軍事基地を作り、ロシアと中国を脅してきた。ブリュッセルの外交政策は、基本的にNATOに引っ張られているのだ。

最初から明らかなことだが、ワシントンの気まぐれなルールに従わないロシアやその他の国々に課されてきたアメリカの制裁は、直接に、又はEUを介してなされるが、ロシア以上にEUに経済的打撃を与えてきた。これは特にいくつかの南ヨーロッパ諸国に当てはまる。南ヨーロッパ諸国の経済は、他のEU諸国よりも、ロシアやユーラシアの貿易に依存してきたのだ。

「制裁」の被害は、実に面倒なことになった。トランプが一方的に(イランとの)「核合意」破棄を決定し、イランとともに、イランと取引する者はだれでも、厳しい制裁を再び課す決定をしたのだ。ヨーロッパの石油・ガス大企業は大損害を被り始めた。その時、ドイツ主導のブリュッセルが、アメリカに従えないと、ブツブツ文句を言い始めた。さらに彼らはヨーロッパ企業を、主に石油・ガス大企業を支援し、彼らがイランと行ってきた契約を続けるとさえ言い始めた。

しかしそれは遅すぎた。ヨーロッパ企業は、ブリュッセルのEU政府の弱々しく、信頼の置けない言葉に自信を失っていた。多くの企業は長期契約を破棄し、そして核合意のあと更新したイランとの契約を破棄した。ワシントンによる処罰を恐れブリュッセルの保護を期待できないためだ。問題は英仏石油大企業トタルで、供給先をイランから、もちろんワシントンが意図したアメリカにではなく、ロシアに変えたが、すでに手遅れだった。属国はゆっくりと自殺の道を歩んでいる。

人々はもううんざりしている。ヨーロッパ人の半分以上が、ブリュッセルの毒牙から抜け出たいと思っている。しかしだれも彼らに要求しない。だれも彼らの言うことをきこうともしない。そして、それが「民主主義」(原文のまま)の中心地なのだ。だから人々は、反乱を起こしていて、至る所で抗議しているのだ。様々な形で抗議行動が起こった。ドイツでも、フランス、イギリス、ベルギー、オランダ、イタリア、ハンガリー、ポーランドでもだ。リストを上げれば切りがない。そしてそれを総称して、新しいフランス革命にちなんで「イエロー・ベスト」と呼ばれているのだ。

一連のアメリカのドイツやドイツ企業への攻撃(ドイツ企業総体への攻撃)の最近のものは、、もし彼らがノルド・ストリーム2を運用するなら、ドイツ企業に制裁を課すというアメリカ大使リチャード・グレネルの最近の脅しである。ノルド・ストリーム2は1,200kmのパイプラインで、ロシアのガスをヨーロッパに運び、2019年末までに完成予定である。それは実質的に、ロシアのヨーロッパへのガス供給能力を2倍にするものだ。それに対してワシントンは、ヨーロッパに、アメリカのシェールガス・石油を買うように求めている。そして特にヨーロッパを、経済的にかつ財政的にアメリカの勢力圏に保つことを狙っている。それはワシントンからの離脱をどうしても避け、明白に、かつ論理的にロシアとの同盟を回避するためだ。この試みは、ひどい失敗に終わるだろう。様々なドイツの大臣が(ハイコ・マース外務大臣を含め)、声だかに決意を込めて、アメリカの覇権的提案に反対している。さて、諸君はワシントンの主人を喜ばせるために懸命の努力をしてきて久しい。もう従属のくびきから解き放たれるときだ。

フランスではこの1月12,13日の週末に、イエロー・ベストが、独裁者マクロンに対して9回目の抗議行動に入った。彼の緊縮政策と、少なからず彼の労働者階級に対する卑劣な傲慢さに対して立ち上がっている。最近のマクロンの公式声明は卑劣な傲慢さを証明している。(仏語より翻訳)
「あまりにも多くのフランス人は、この国が陥っている苦悩を弁明しようとする"努力"を少しもわかっていない。」

イエロー・ベストとフランス人の大多数は、マクロンの退陣しか求めていないのだ。抗議する人々は一貫してフランス内務大臣クリストフ・キャスタネによって過小評価されている。先週末の公式人数は国内5万人のデモであったが、実際の数字は少なくともその3倍はあった。フランスの公式発表はイエロー・ベスト運動は減少していると、フランスの内外で考えられているという。そうではない。逆に彼らはフランス全土でデモを展開している。マクロン体制の暴力的制圧にもかかわらず。

RTの報道では、マクロンの命令で攻撃はさらに暴力的になり、フランス市民の抗議行動を押さえるために軍に鎮圧させている。何千人もが拘束され、何百人もが警官の暴力によって負傷した。それにもかかわらず、運動は大きな民衆の支援を得て、「イエロー・ベスト」の考えはヨーロッパ中に広まっている。この広がりは、もちろん主流メディアではほとんど報道されることはない。

実際、フランス人の80%がイエロー・ベストと彼らの「市民イニシアティブ国民投票」の考えを支持している。その国民投票で、市民は一般大衆の投票によって市民が自らの法律を提案することができるようになっている。RIC(市民イニシアティブ国民投票)は、実質的にフランス議会を回避し、フランス憲法にも書かれるだろう。同様の法律は、1848年以来、スイスでも存在し、スイス市民によって定期的に運用されている。それは直接民主主義の方法で、自分たちを民主主義と呼ぶどの国も、憲法に組み入れなければならない。

イギリスは、混乱状態だ。緊縮財政に反対する人民集会によって組織された何千人かが、ロンドンの通りに出て話している。そして衰えた保守政権を置き換えるため総選挙を要求している。彼らはフランスのジレ・ジョーヌ(イエロー・ベスト)に連帯して闘っている。イギリスの多くの抗議運動もよく目につくイエロー・ベストを着用している。

これは、これまで長く続いき、益々大きくなる「ブレグジット」の大失敗と直接関係している。つまりイエスかノーか、そしてどうやってという点で。この時点で、イギリスの将来がどうなるか誰にもわからない。プロパガンダと反プロパガンダは、人々をさらに混乱させる運命にあり、混乱した人々はたいてい「現状」にしがみつきたくなる。ある欧州議会メンバーによって組織された親「残留」プロパガンダの動きさえある。想像してみよう!主権について話そう。ブリュッセルが、ブリュッセルの命令下で残留したいかどうか、イギリス人に決定させることができないとするなら。

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デイビット・キャメロン?ヨーロッパにとどまるか、離脱するか?勝利か笑劇か?


ああ、イギリス人は大きく別れている。しかしまた、外国のプロパガンダによって揺り動かされた段階は過ぎた。イギリス人の大多数が、2016年6月に、とりわけEU離脱の微妙な問題において明確に決定した。テレサ・メイはブレグジット過程を見事に台無しにした。多くのイギリス人は、彼女が交渉したことは、「交渉なしの離脱」よりもさらに悪いものであると感じている。このことは多分、選挙で選ばれていないEU「指導層」の黙認のもとで起こった。EU指導層は、イギリスに離脱して欲しくないし、ワシントンの厳しい注文のもとで、イギリスにEUにおける重要なアメリカの防波堤の役割を必要としているのだ。

2019年1月15日、イギリス議会は、交渉されたブレグジット状態を受け入れるか、それとも「交渉なしの」ブレグジットを選ぶのか、もしくは「リスボン条約」第5条の下でのさらなる交渉の拡大を要求するのかに関して投票するだろう。(リスボン条約は、公的な投票なしで28カ国国家元首によって導入されたが、それはEU憲法に反する導入である。)他の選択肢は、総選挙であり、そこで新しい指導者を決める。又は法律的に2年後に可能な2回目の国民投票をすることである。後者の場合、厳しい社会不安を引き起こしがちである。すでに、イギリスでしばしば見られたように残虐な警察の圧力によってである。そのような場合、ただ内乱が回避されることを望む。

何週間もわたって、イエロー・ベスト運動はベルギーやオランダに広がった。同様の理由で、緊縮財政、つまりベルギーやオランダの主権に対するEUの独裁に対して大衆の不満があるのだ。先週の土曜日、ベルギーのイエロー・ベスト運動の一人が、トラックにひかれ、殺された。当局はそれを事故として報告した。

ギリシャの場合、主流メディアの報道は、すべて「うすのろ(?)」だ。ギリシャは回復していて、ここ何年かで始めてプラス成長をして、解放された資本市場にも再投資できるようになっていると報じている。ギリシャはもはや、腹立ち紛れの悪名高いトロイカ(欧州銀行、EC委員会、IMF)に依存していないと。しかし現実は全く違っていて、ギリシャ人のほぼ3分の2は、未だ生存レベルかそれ以下の状態をさまよっている。公的健康保険には加入できず、治療も受けられず、公立学校にも行けない。何度も年金を引き下げられ、ほとんどの公共資産や公共サービスはわずかな資金で民営化された。ここ何年か、基本的に何も変わっておらず、少なくとも大多数の人々にとっては良くなっていない。トロイカは国際的にはギリシャのイメージを偽って高めるために、ギリシャの民間資本市場を開放させていて、そして洗脳された民衆に向かっては「うまくいっている、我々トロイカはよくやった」と言うのだ。

何もうまくいっていない。人々は不幸だ。不幸以下だ。彼らは怒っている。彼らはアンゲラ・メルケルの最近のアテネ訪問に対して抗議デモをした。そしてその抗議運動は警官隊によって暴力的に制圧された。これでどんなことが期待できるのか。これがヨーロッパの現状だ。意気地のない属国のかなり抑圧された状態なのだ。

1月16日水曜日、ギリシャ議会はアレクシス・ツィプラス首相に対する信任投票をするかもしれない。公式の表面的理由は、マケドニアの名称に関する論争と考えられるが、その問題は実際、ずっと以前に解決している。真の理由は、果てしない緊縮財政により長期にわたって疲弊しきった大衆の不満である。緊縮財政は、貧困層から最後の1ペニーさえ吸い取るのだ。有名なイギリスの健康ジャーナル「ランセット」によれば、ギリシャの自殺率は急上昇している。だれもそれについて語らない。ツィプラスは、信任投票で生き残れるのか。もし生き残れなかったら、早期に選挙があるのか。ツィプラスの後をだれが引き継ぐのか。「民主主義」という言葉にだまされてはいけない。ギリシャ内外のエリート層は、いかなる政策変更も許さない。その時、人民のジレ・ジョーヌ(イエロー・ベスト)が起こるかもしれない。国内不安。もうたくさんだ。

イタリアでは、五つ星運動と少数派右翼の兄弟レガ・ノルテ(北部同盟)の連立は、レガ(同盟)のマッテオ・サルビニ副首相兼国務大臣によって極右に引っ張られている。サルビニ氏が明らかに取り仕切っている。そして同盟は、ブリュッセルに強く反対しているので、ブリュッセルがイタリア予算にルール違反の罪を課そうと試みている。しかし、その同じルールが、全てのEUメンバー諸国には等しく適用されていない。例えば、マクロンはフランスのロスチャイルドの代理人だが、予算制限に関しては、特権を持っている。サルビニの反ブリュッセル、反EUスタンスは秘密ではない。彼は多くのイタリア人の支援がある。イタリアのイエロー・ベスト運動は無視できない。
 
帝国の属国城は崩れかかっている。それも静かにでさえなく。

それから、旧ソ連衛星国ハンガリーとポーランドが右翼政権に変わった。彼らは、ハンガリーの反移民政策や、ポーランドにおける司法制度整備に関する議論にブリュッセルの介入をありがたく思わない。この国の行動に賛成しようがしまいが、放っておいてくれ。両者のケースは明らかにこれらの国の主権への干渉である。ヨーロッパ司法の強い警告にもかかわらずポーランドは実際、司法改革過程で首になった判事を黙認し、復帰させた。ポーランドのNATOびいきとブリュッセルのNATOの影響力の行使は、ポーランドの決定を逆転させるかもしれない。それにもかかわらず、ハンガリーと同様、ポーランドの一般大衆の不満は強いままである。移民や司法は単なる表面上の口実である。途方もない氷山の一角である。現実はもっともっと深いレベルの問題である。これらの国々はどちらもかつてソ連によって手錠をかけられていたことを思い出させる。「自由」はブリュッセルによって、命令されるものではない。

*

私達が留意しなければならないことは、大中東や西欧世界として知られているものの組織的・意図的な不安定化と破壊の三つの局面である。洗脳された西洋人にとっては、東方、つまりロシアや中国は、同時に厳かに渡り合う挑戦者となっている。いやむしろ、ロシアや中国の軍事力や情報能力について知っている人々にとっては、じっと我慢しながら渡り合う相手である。

破壊を伴った不安定化工作が、三つの局面からなる。まず、中東から始まり、ほとんどの場合、欧米同盟国による無差別殺害によって絶望的なこの世の地獄になる。つまり、帝国の操り人形や外国人傭兵によって、何百万人が殺され、ヨーロッパを不安定化する難民の止めどない洪水となった。それが2番目の局面である。それは真っ最中である。それは私達のすぐ目の前で起きているが、私達はそれがわからない。

それはイエロー・ベストであり、緊縮財政であり、不平等の増加であり、失業であり、公共部門が金融制度のよってゼロにまで搾り取られることである。そして、警官や軍隊によって大衆運動が抑圧されることである。それは人民の惨めな無気力さを反映している。それは街頭での「もうたくさんだ」に通じている。それは全ては必要とされていたことだ。カオスが多ければ多いほどいいのだ。カオスの中の人民は容易にコントロールできるのだ。

ここで第3の局面に移る。ラテンアメリカである。それは既に3・4年前に始まっている。「民主主義」という帝国の毒牙から逃れるため、何十年も苦闘してきた国々が、帝国の裏庭で偽選挙や議会「内」クーデターによって鎮圧されてきた。南端のアルゼンチン、チリ、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイはボリビアを除いてやられてしまった。ベルー、コロンビア、エクアドル、遙か遠くのガイアナまでネオリベラリズム、つまりネオ・ナチに隠れたワシントンの支配者に牛耳られている。しかし、ベネズエラ、キューバ、ニカラグア、そして今はメキシコもまだ屈服していない。そしてこれからも屈服しないだろう。

ティエリー・メイサンは『カリブ海の来たるべき悲惨な破壊』で素晴らしい分析を書いている。ペンタゴンは、ラムズフェルド、セブロスキーの計画遂行を未だにどれほど追求しているのかを見てみよう。今度は「カリブ海諸国」の破壊を狙っている。友人とか政治的敵など考慮していないと、ティエリー・メイサンは見ている。彼は続けて予測する。経済的不安化期間かと軍事的準備期間の後、実際の作戦が、今後始まるだろう。まずベネズエラ攻撃が、ブラジル(イスラエルが支援)、コロンビア(アメリカの同盟国)、そしてガイアナ(言い換えればイギリス)によって行われる。その次にキューバやニカラグアが狙われるだろう。ジョン・ボルトンによればそれらが「暴政のトロイカ」だそうだ。

言えることは、将来この計画がどの程度実行されるかだ。最初からその野望は、崩れゆく帝国の実際の能力を超えている。

*

一つの共通分母となるものを考えると、現在の欧米金融制度が廃されねばならない問題なのである。凶暴な民間銀行である。私達は、野蛮で大破壊を引き起こし、制御不能の金融制度の中に生きている。一連の果てしない貪欲は、どんどん突き進み、堅い鋼鉄の壁にいつぶつかるかもしれない。いつかはぶつかる。それは単に時間の問題だ。詐欺的ピラミッド・システムによって限りなく絞りとられるのにうんざりして、辟易している。それはアメリカとドル支配体制によって打ち立てられている。そしてグローバル化した民間巨大銀行によって維持されている。

私達は、経済発展とは何の関係もない民間銀行システムに生きている。しかし、民間銀行システムは、我々消費者を貪欲に支配して、あらゆるものが私達がコントロールできない借金やお金の形で売られている。私達が重労働によって稼いだお金にもかかわらず。それは私達が経済と呼ぶものに付加価値を加えた事実にもかかわらず。いや、このシステムは完全に個人を尊重しない。それは銀行システムを生きながらえさせる必要があるとき、私達のお金を盗もうとさえする。それは「運用」し、基本的に横領する自由さえある。私達のお金が民間銀行に入ったら、私達はそれを管理できなくなる。そして、いいですか、よく考えてください。民間銀行はあなたや私のためにではなく、株主のためにあるのだ。しかし何百年もの教化を通して、私達はそれに慣らされていて、私達自身のお金を借りるために利息を求められ、何もしないで利益を待つに過ぎない媒介者を通してだ。それが、「当たり前」になったのだ。

それではいけない。このシステムは廃止されなければならない。早ければ早いほどよい。民間銀行は根絶され、地域の公共銀行に置き換えられる必要がある。その地域公共銀行は、地域経済の生産力に基づいた地域通貨で運転される。資源の窃盗を助け、地域社会のセーフティ・ネットを空洞化させるグローバル化概念を取り除き、進歩のための緊縮財政という外観の全てを取り除くのだ。もう私達は、もっとよく知るべきだ。進歩のための緊縮財政はない。あったことも一度もない。この詐欺的IMF-世銀概念は一度も、どこでも機能したことがない。

私達は私達のお金を脱ドル化しなければならない。私達のお金を脱デジタル化しなければならない。そして人々の成長の目的のために公共銀行システムを通じて共同出資しなければならない。現在一つの良い例がある。ノースダコタ銀行[訳注]だ。ノースダコタ銀行は、2008年とそれに続く危機を通して米ノースダコタ州を助けた。経済不況のかわりに経済成長をもたらした。アメリカの他の地域や西欧世界の失業が急上昇したのに対して、ほとんど完全雇用を成し遂げたのだ。私達は、自立した経済を背景に、自立したお金で共通の富を築く必要がある。

帝国とその属国がひどく崩壊しているので、彼らはその基礎からぐらついている。私達が当然で、「正常だ」と思ってきたこと再考すべき時だ。つまり詐欺的ペテンの通貨制度を、何の裏付けもない、経済でもない、金でさえない通貨制度を再考すべき時だ。私達は、全く名目法の紙幣で生活している。民間銀行によるマウス・クリックで作られた名目紙幣だ。そしてそれが我々を負債の奴隷とさせる。

もうたくさんだ。イエロー・ベストは理解した。彼らは詐欺を増殖させ続けるだけの「マクロン」を排除したいのだ。崩壊がだんだん大きくなっているとき、考え直し、再出発するときだ。帝国のヨーロッパ属国は、ばらばらになり、ワシントンや覇権戦争やお金製造機を奈落に落とそう。

*

この記事は元々New Eastern Outlookで発表されたもの。

ピーター・ケーニッヒはエコノミストで地政学アナリストである。彼はまた水資源や環境問題の専門家である。彼は30年以上世銀や世界保健機構(WHO)で環境や水資源分野に関して世界中で働いてきた。彼はアメリカやヨーロッパや南アメリカの大学で講義している。彼はグローバル・リサーチの常連寄稿者である。ICH, RT, Sputnik, PressTV, The 21stCentury, TeleSUR, The Vineyard of The Saker Blog, the New eastern Outlook(NEO), その他インターネットサイトにも寄稿している。彼は『内破:戦争、環境破壊、企業の貪欲に関する経済スリラー:世界の世銀30年の経験と事実に基づいたフィクション』の著者である。彼はまた『世界秩序と革命---抵抗者からのエッセー』の共著者である。彼は「グローバリゼーション研究センター」の研究員である。 


[訳注:ノースダコタ銀行は下記のサイトを参照]
 ROCKWAY EXPRESS
http://rockway.blog.shinobi.jp/%E7%B5%8C%E6%B8%88/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%80%E3%82%B3%E3%82%BF%E5%B7%9E%E3%81%AE%E5%B7%9E%E6%9C%89%E9%8A%80%E8%A1%8C%E3%81%AE%E6%88%90%E5%8A%9F%E4%BE%8B
るいネット
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=238679
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道徳的恥辱: 欧州議会が世界に法の支配を説く、
そしてベネズエラの合法性を破壊する

‘Moral disgrace’: EU Parliament lectures world on rule of law, then destroys legality in Venezuela

RT Op-ed 2019年2月1日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年2月12日)

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/op-ed/450348-eu-parliament-venezuela-legal/


ジョン・ラフランドは、オクスフォード大学から哲学博士号授与され、パリやローマの大学で教えている。彼は歴史家であり、国際問題の専門家

Juan Guaido © Reuters / Rayner Pena

ジョン・ラフランドが暴く欧州議会の嘘! フアン・グアイドの「ベネズエラ暫定大統領」宣言は憲法違反!

フランスからの衝撃的ニュース! マリン・ル・ペン氏がフランスの新大統領に! マクロン体制がフランスの政治状況を危機的状態に落ち込ませた後、ル・ペン氏が、金曜日、コンコルド宮殿で、正式なフランス大統領に就任した。 この就任式には少数の「黄色いベスト」の群衆が特別に招集され、テレビカメラの報道もあった。

ル・ペン氏は、フランス第五共和政の憲法第7条を根拠に、エマヌエル・マクロンがもはや大統領職にはないことを宣言した。 もちろん、政府と民間の業務、警察や軍隊はすべて平常通り機能しており、マクロン氏のエリゼ宮殿での執務もいつも通り。 ル・ペン氏は資金面でも疑惑があり、調査の対象となっている。 しかし、彼女はロシアと中国から公式の承認を得ているので、フランスの合法的な大統領に就任した。 

もちろん、こんな架空の話は馬鹿げている。 しかし、同じように馬鹿げているのは、1月31日欧州議会が投票でフアン・グアイドをベネズエラの大統領として承認したことであり、それはドナルド・トランプ米大統領が彼を大統領として承認した1週間後のことだった。 


EU parliament urges member states to recognize Guaido as Venezuela’s interim president

実際、欧州議会がグアイドを大統領として承認する賛成投票をすることは、マリン・ル・ペンをフランス大統領として承認すること以上に常軌を逸している。 マリン・ル・ペンと違って、フアン・グアイドはベネズエラ大統領選で候補者になったこともない。 大統領に選出されるどころか、数週間前まで誰一人彼のことを耳にした人はいなかった。 ベネズエラ国内ですらそうだったのだ。  

欧州議会の決議は、トランプ大統領の1月23日のグアイド「承認」より、実際、劣悪なものだ。 欧州議会の4つのグループが、まずはそれぞれ別個に動き、後で共同決議に同意する段取りだった。 法律用語で書かれた文案の策定に取りかかり、それには、フアン・グアイドは「ベネズエラ憲法第233条により」合法的な大統領である、と述べられている。 

欧州議会のこのグアイド承認の動き、そして共同決議が100人あまり以外の欧州議会議員によって投票されたこと、この二つのことは集団思考の持つ力の驚くべき事例だ。 いや、誠実さの完全な欠如と言うべきか。 ベネズエラ憲法第233条を読んだことがあれば、その条項にそんなことが書いてあるなどと結論することは誰一人できないはずだ。 

真逆なのだ。 第233条に依れば、フアン・グアイドが、1月23日カラカスの公衆広場で自分を大統領と宣言する猿芝居を演じたことは、憲法違反であることははっきりしている。

ベネズエラ憲法第233条のような条項はだいたいどの国の憲法にもある。 この条項は大統領が自分の責務を果たしていない、果たすことができない場合のことを扱っている。

次の6つの場合において、大統領は任期途中で職を解かれることがある。
① 大統領が死亡した場合
② 大統領が辞職した場合
③ 最高裁の判決で大統領が職を解かれる場合
④ 大統領が身体的あるいは精神的に大統領職を遂行できない場合。 ただし、国民議会と最高裁が有効と認める正式な医学的措置が事前に必要。
⑤ 大統領が自ら職務を放棄した場合
⑥ 大統領が国民投票によって弾劾された場合

Venezuelan opposition leader Juan Guaido (L) and President Nicolas Maduro (R) © (L/R) REUTERS / Carlos Garcia Rawlins We must avoid mistake of Libya: Italian deputy FM speaks out against Venezuela regime change

どれ一つとして合致するものはない。 マドゥロ大統領は辞職もしていなければ、死んでもいないし、職務遂行に不具合があると判断されたわけでもない。 裁判所あるいは国民によって弾劾されてもいない。 もっとある。 第233条はさらに続き、大統領職が空位になった時その権限を誰が引き継ぐのかが書かれている。 誰が権限を引き継ぐのか? 第233条の規定ではそれは副大統領ということになっている。 今回にあてはめれば、 デルシー・ロドリゲス女史ということになる。 国民議会議長(グアイド)ではない。

国民議会議長が権限を引き継ぐ唯一のケースは大統領が就任していない場合だけだ。 マドゥロは2013年以来ずっと大統領職にある。 だから、そうでないと言うことは土台無理がある。 2期目の就任も1月10日、最高裁判事立ち会いの下、行われている。

欧州議会の中のマドゥロ反対派、例えば、スペイン国民党保守派から派遣された議員団代表のエステバン・ゴンザレス・ポンズなどは、1月10日に行われた大統領就任式は無効だった、と主張している。 その根拠として挙げているのが、1月24日に欧州議会議長に送付された公開書簡だ。 その中でポンズ氏はベネズエラ憲法第231条を引用している:「選出された候補者は、国民議会で宣誓することによって、憲法が定める任期の最初の年の1月10日に大統領の職務権限を付与される。」

ポンズ氏の言葉をそのまま受け止めれば、マドゥロの大統領就任はほんとうに無効だったと信じてしまうかもしれない。 しかし、ポンズ氏のウソを示すことは簡単だ。彼は同じ第231条には次の文が続くのだが、それを引用していない。 それはこうだ。「何らか前後の理由があり、大統領に選出された者が国民議会で宣誓できない場合は最高裁判所で就任の宣誓をするものとする。」

だから、欧州議会のスペイン議員団が憲法違反だと主張するマドゥロ大統領就任の形式は、実際は、ベネズエラ憲法で明確に規定されたものなのである。

US Secretary of State Mike Pompeo (R) shakes hands with Britain's Foreign Secretary Jeremy Hunt before their meeting at the State Department in Washington. REUTERS / Yuri Gripas Deadline for Venezuela, extension for Brexit: Jeremy Hunt’s odd concept of democracy

本人も知らない訳はないのだが、マドゥロが国民議会で宣誓できなかったのには十分すぎる「前後の理由」があり、ポンズ氏はそのことも含め読み手に隠そうとした。 つまり、2017年には国民議会の選挙不正があり、議会は解散になった。 最高裁が無効と宣言した選挙で選出された議員が国民議会のメンバーとなっていたからだ。 蛇足ながら、こと選挙に関して議論が起これば、最高裁が憲法の守り手ということになる。

他の場合はすべて、例えばポーランドやハンガリーなどのように、欧州議会のメンバーは、その判断に完全な自立性を求められるべきで、もし憲法違反と見なせば、会議の決定であってもそれを覆す権利を要求することが通常である。

対照的に、ベネズエラについて、欧州議会議員は全く反対の議論を展開する。つまり、欧州議会は、その決議において、(解散した)国民議会がベネズエラにおける唯一の合法的機関だと宣告したのだ。 つまりそれは最高裁判所に合法性は全くないと宣告したことになる。

はっきりしているのは、ベネズエラに深刻な政治危機があり、それは普通選挙によって選出された大統領と、彼に反対する議会内政治支配階級との間で展開しているということだ。 ベネズエラにとっては国外に位置する強国がそのような問題に干渉することは、政治的に愚かしいことであり、 ちなみに、国際法上は完全に違法だ。 そればかりではない。 欧州議会のような機関が法の支配を尊重する必要性を世界にレクチャーしながら、法的言語を使って他国のケースの合法性云々についてウソ八百を並べ立て、法遵守の基本を破壊することになれば、モラルから言っても恥知らずな行為だ。



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緊迫するベネズエラ情勢―――アメリカはどう動くか?

Make Latin America Great Again? On the REAL chances of a US invasion of Venezuela

ミハイル・コーダ・レノックはRTの軍事コメンテーター。彼は退役大佐で、ロシア軍作戦参謀本部長でもあった。

RT Op-ed 2019年2月3日

(翻訳: 寺島メソッド翻訳グループ 2019年2月 10日)

<記事原文>(寺島先生推薦)https://www.rt.com/op-ed/450511-usa-venezuela-invasion-khodarenok/


© Reuters / Carlos Barria

ベネズエラの危機に関して、アメリカのトランプ大統領は、「軍事的選択」も可能性の中にあると語った。 だが、アメリカは本当に攻撃の準備を進めているのであろうか?

確かに、これくらいの規模の軍事侵略作戦を計画し、実行することはアメリカ軍にとって困難なことではない。 別にホンデュラスのソト・カノ空軍基地、キューバのグアンタナモ湾海軍基地、そしてサン・ホワン(プエルトリコ)のフォート・ブキャナン基地を使うまでもないかもしれない。

フロリダからベネズエラの首都カラカスまでたった2、000kmの距離しかないのだ。 こんな距離は現在のアメリカ軍にとって何の問題にもならない。 カリブ海に点在する上記の基地のどこかに一時着陸の必要性があったとしても。

アメリカ軍は、陸軍、海兵隊、海軍、空軍、そして沿岸警備隊から成る。 選択はどれでもかまわない。 何なら、いくつかの選択を組み合わせてもいい。 装備も、必要な機具、そして十分訓練された、経験豊富な兵士が揃っているのだから、作戦に何の支障もないだろう。 
米海軍輸送司令部は、必要な資財と兵站を目的地に輸送する十分すぎる能力を備えている。

だから、机上の話としても、きわめて現実的な話としても、アメリカ軍は一日もかけずにこの作戦を計画し、さらに数日もあれば、兵力を現地で待機、あるいは臨戦態勢に置くことは可能だろう。 結局、アメリカはベネズエラ軍を一週間以内に壊滅させることができると思う。

兵士一人ひとりの勇敢さはこの場合役に立たない。 ベネズエラの兵士たちが自分の祖国にどんな熱い思いを持っていても、だ。戦争の基本的な法則は間違いなく貫徹し、兵力を上回った方が勝利を収めるだけだ。 

言い換えれば、ベネズエラ軍がアメリカの侵略にほんとうに抵抗できる可能性はきわめて小さい。 それに、アメリカ政府はそういった侵略作戦をカリブ海域で何回か経験していることもある。
 

Reagan meeting with Congress on the invasion of Grenada in the Cabinet Room, 25 October 1983 © Wikipedia
レーガン、グレナダ侵攻で議会と会合、1983年10月25日、閣議室にて。

例を挙げよう。 1983年のグレナダ侵略だ。 コードネームは「押さえ切れない憤怒作戦」。 まず、東カリブ海諸国機構の声明があった。 グレナダで血のクーデターがあり、革命的指導者だったモーリス・ビショップが処刑されたことに対して出されたものだ。 レーガン政権は、すかさず軍事介入に乗り出した。 グレナダに在住するアメリカ人の安全確保のための軍事介入だと、その動機の一部を説明した。 侵略軍の構成は、①アメリカレインジャー部隊、②第82空挺師団パラシュート部隊、③アメリカ海兵隊、④陸軍デルタ・フォース、⑤アメリカ海軍特殊部隊、だった。 この作戦はアメリカが、ものの四日で勝利を収めた。

1989年にはパナマ侵略もあった。 この時も、グレナダ侵略の場合と同じように、アメリカは35、000人の在住アメリカ市民安全確保を理由に行動した。 さらに、「民主主義の回復」させることも理由に加えた。 1965年のドミニカ内戦への介入を挙げてもいい。 これは最初はアメリカ市民の救助活動として始まったが、次にそれは大規模な「パワー・パック作戦」に転じ、フランシスコ・カーマニョ政府放逐を目指した。 明らかにアメリカはラテンアメリカの国々の「民主主義回復」の豊富な経験を有している。

<アメリカは同じことは繰り返さない>
今回、アメリカがベネズエラで、直接的軍事介入に乗り出さないことは、ほぼ確実だ。 ベネズエラの上空が、ある日、第82空挺部隊のパラシュートや、第101空挺部隊のヘリコプターの白い斑点で覆われることはないだろうし、ベネズエラの砂浜が、アメリカ海外遠征軍兵士の軍靴で踏み潰されることも恐らくないだろう。 繰り返しになるが、軍事行動のきっかけとしてグレナダ侵略のような古典的シナリオが採用されることはまずあり得ない。

何よりも、そんなことをすればアメリカにとって最も望ましくない結果になる可能性がでてくる。 ベネズエラの民衆が結束して外国の介入に正面から対決することもあり得るからだ。

、その影響が世界に広がることはアメリカがどうしても避けたいことだ。 

さらに、ベネズエラ国土の複雑な地形だ。 軍事行動には実際向かない。 ジャングルを占領することは不可能だ。 アメリカ人はベトナム戦争でそのことは熟知している。 アメリカは絶対にあらゆる権謀術数をベネズエラに仕掛けることはあっても、爆撃や空対地ミサイル攻撃をすることは、まずない。

US Marine Corps LAV-25 in Panama © Wikipedia

しかし、ユーゴスラビアで重要なインフラを破壊するために、ミサイル攻撃をしたような作戦を、ベネズエラで繰り返す可能性はある。 

どう考えてもあり得るのは、アメリカがマドゥロ大統領を追い落とすために、種々の情報作戦を含んだ最新テクノロジーを駆使することだ。 その目的達成のために、アメリカはサイバー司令部と心理作戦グループの力を使える。 

これに関して、アメリカが二つの主要目的を目指して動く、と仮定することはあながち的外れでもない。 まず、マドゥロ体制の行政的、軍事的指揮系統を完全に寸断し、現政権の信頼性に致命的な損傷を与える。 同時に、反マドゥロ勢力に、情報、組織増強、そして資金などを含んだ必要な支援を行う。 この二つのことをアメリカは行おうとするだろう。

アメリカがベネズエラで真っ先にやろうとするのは、軍隊の高官たちを反対勢力の側に就かせ、その脅威を中和化することだ。 これは、もちろん、イラクでの経験が役に立つだろう。 その経験の一部をアメリカは現在の情勢に適用することになるだろう。

ベネズエラの将軍や将官たちは、恐らくすでにアメリカからの接触を受け、マドゥロを見捨てることと引き換えに、誘惑に富んだ申し出を呈示されているはずだ。

今後非常事態が起こった場合、アメリカは、レインジャー部隊、グリーン ベレー、海軍特殊部隊、特殊戦航空団などの特別部隊をベネズエラに派遣することは疑いない。それらは多くの任務を遂行するために使われ、協力しないベネズエラ・ボリバル共和国の指導者を抹殺する。


© Reuters / Miraflores Palace / Handout

アメリカが、ニコラス・マドゥロ大統領と対峙する怪しげなラテンアメリカ諸国と連携する可能性がある。 さしあたっての候補はコロンビアとブラジルだ。 この二国は共同して国境検問所を押さえることができるし、人道的支援船が近づけないよう、ベネズエラの一部を海上封鎖することができる。 

結局のところ、アメリカ軍がこれからやろうとすることは、言うことを聞かないマドゥロ大統領の基盤を弱体化させるために大規模なミサイル攻撃や爆撃をただやればいい、というのとは大分様相を異にしている。
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ベネズエラにおけるアメリカの体制転覆:証拠文書

US Regime Change in Venezuela: The Documented Evidence

トニー・カタルッチ

グローバル・リサーチ 2019年1月25日

(翻訳:新見 明 2019年2月7日)

<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/us-regime-change-venezuela-documented-evidence/5666500

ラテンアメリカ国家ベネズエラは、アメリカとその同盟国によって危険な不安定化工作に直面している。彼らは反対派ホアン・グアイドを「大統領」と認め、現在のベネズエラ大統領ニコラス・マドゥーロをもはや認めないと宣言した。


それに対してマドゥーロ大統領は、アメリカ外交要員に国外退去するよう求めた。

抗議側と反抗議側双方が街頭行動を行い、心理的政治的主導権を握ろうとしていると報じられた。

なぜベネズエラなのか

アメリカ国務長官マイク・ポンペオによれば、ワシントンが突然ベネズエラに関心を抱くのは、ベネズエラ人民の苦しみのためであるという。

「ポンペオはベネズエラのマドゥーロに退陣を迫り、軍隊の支援を促す」というロイターの記事で次のように主張している。

   声明でポンペオは「ワシントンは、野党指導者ホアン・グアイドを支援する。彼は
   臨時政府を樹立し、選挙を準備している」と述べた。

   「ベネズエラの人々は、ニコラス・マドゥーロの悲惨な独裁政治の下で長く苦し
   んできた。」我々はマドゥーロに退陣を求め、ベネズエラ人民の意思を反映
   する正当な指導者をもとめる」とポンペオは述べた。

実のところ、ワシントンの介入の動機は、石油輸出国機構(OPEC)によれば、ベネズエラは世界最大の石油埋蔵量が証明されており、サウジアラビアよりも多く、全OPEC生産のほぼ4分の1になるからだ。

アメリカは必ずしもエネルギー分野でこの石油を必要としていない。しかしアメリカ主導の一極支配体制を維持するために、大量の炭化水素がある国を支配するか、無力化することが、発展途上国が求める世界の多極化を阻止することになる。つまり再登場した世界的勢力ロシアとか、新たに登場した世界的勢力中国に導かれる多極世界を阻止することである。



ベネズエラは、巨大な石油埋蔵量から生み出される富によって安定した政治秩序を維持し、ワシントンの現在の国際秩序に対抗する多極的な世界に依拠しているので、ウォールストリートやワシントンにとっては我慢ならないのだ。そしてアメリカは莫大な時間やエネルギーやお金や資源を使って、まずユーゴ・チャベス大統領を2002年のクーデターで倒そうとし、そして今はマドゥーロ大統領を倒そうとしている。

アメリカのベネズエラへの介入

欧米メディアでさえ、アメリカがベネズエラの反対派に資金援助することによって内政に長く介入してきたことを認めている。



イギリスのインディペンダント紙の最近の記事「ベネズエラ将軍はマデゥーロへの忠誠を誓い、アメリカに介入しないように警告する」でも認めている。(強調あり)

   アメリカは、ラテンアメリカやベネズエラで民主的に選ばれた政府に介入し、
   マドゥーロ氏やチャベス氏の選ばれた政府を弱体化しようとしてきた長い
   歴史がある。

   その試みのいくつかは、NED(米国民主主義基金)のような組織を通じて反対
   派グループに資金を流すことであった。また単なるプロパガンダであること
   もあった。

   ワシントンの経済・政策研究センターの共同代表マーク・ワイズブロットは、
   過去20年間、カラカスの政権を変えることがアメリカが追求する政策で
   あった、と述べた。トランプ氏によるグアイド氏の承認は、政府を葬り去ろ
   うとする最も明確な試みであった。

米国民主主義基金(NED)の現在のウェブページでは、ベネズエラ政治のあらゆる面で、介入のための膨大な資金援助が認められる。

◾地民主派の戦略的能力の構築
◾ 結束力ある戦略的コミュニケーション
◾ 人権活動犠牲者の擁護
◾ 機敏なコミュニケーション手段の開発
◾ 地元と国家の政策対話を通して市民の啓発
◾ 人道的援助救済の促進
◾ 包括的公共政策改革パッケージの策定
◾ シナリオ立案、戦略分析の促進
◾ 民主主義と自由市場を守るため小企業の促進
◾ ベネズエラにおける民主的統治の改善
◾ 地方の民主的統治の改善
◾ 指導者の強化と社会政治参加
◾ 人権条件の監視
◾ 人権状態の監視
◾ 司法と公共サービスへのアクセス促進
◾ チェック・アンド・バランス制度の促進
◾ 市民ジャーナリズムの促進
◾ 市民参加と表現の自由の促進
◾ 民主的統治の促進
◾ 民主的価値の促進
◾ 対話と和解の促進
◾ 結社の自由の促進
◾ 表現の自由と情報へのアクセスの促進
◾ 人権の改善
◾ 独立メディアの促進
◾ 政治的関与と主張の促進
◾ 法による統治の推進

確かにアメリカは実質的にあらゆる反対派作戦に資金援助している。メディアや司法関係から洗脳や政治計画まで、そして経済の妨害や「人権」活動まで援助していて、アメリカが資金援助する扇動者を逮捕から守るために支援が行われている。

READ MORE:US Regime Change in Venezuela: The Truth Is Easy if You Follow the Money Trail. The Opposition is Pro-Washington, Not “Pro-Democracy”
さらに読む:ベネズエラにおける体制転覆:お金の移動を追跡すれば、真実は簡単にわかる。反対派は親ワシントンで、「親民主主義」ではない。


アメリカの体制転覆の試みのある時点で、NED資金前線のスマテ(参加という意味)は、チャベス大統領に対して国民投票を組織さえしたが、チャベスが勝利した。2006年ワシントンポストの記事「チャベス政府はアメリカの資金援助を調査する」でそれを認めている。

   [スマテ]は2004年チャベスが勝利したリコール国民投票を組織して、政府
   や選挙制度を声高々に批判した。

記事はまた次のことも認めている。

   USAIDは 補助金を管理するメリーランドの「開発代替株式会社」を雇って
   いたが、多くのベネズエラ受益者を好評することを拒否した。それらは、彼
   らが脅迫されたり迫害されたりする恐れがあるからと言って。 

アメリカ政府の膨大なベネズエラ介入が、意図的に秘密にされている。スマテの活動は、全国民投票でさえアメリカ資金を使用し、アメリカの指示で動かされていることを認めている。

マリア・コリナ・マチャドは、ベネズエラ選挙監視グループといわれるスマテの創設者で、アメリカNEDに資金援助されている。2002年にクーデターでユーゴ・チャベス大統領追放を試みたが失敗した。その時、マリア・コリナ・マチャドは大統領ジョージ・ブッシュと会っている。

全米民主主義基金(NED)と他の組織は平行して活動していて、その中には金融犯罪者ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティ基金も含まれている。ソロスはベネズエラの制度、統治、法律を書き直し、それをアメリカが支援する傀儡体制と行政システムに置き換えようとしている。

アメリカの支援は、反対派をつくる広範な試みに限定されず、反対派幹部指導者を援助する特別な試みも含まれている。

2004年、漏洩したアメリカ国務省資料「カプリレスの地位とスマテ事件」が明らかにしていることは、NEDの資金援助はそのときでさえ進行中で、アメリカ国務省は、NEDの資金前線スマテが関わった明白な反逆罪で起訴されていて、支援を求められていることだ。それはまた、アメリカ国務省が反対派幹部指導者エンリケ・カプリレス・ラドンスキーを支援していることを証明している。

カプリレスは、レオポルド・ロペスと共に、ホアン・グアイドの助言者として仕えている。ホアン・グアイドは今アメリカ国務省の約2000万ドルの支援を与えられていることは明かだ。

ベネズエラ経済を麻痺させるアメリカの試み

ロイターの記事「ポンペオは、ベネズエラのグアイドを支援する地域ブロック形成を促す」で次のように主張している。

   ポンペオはベネズエラへの人道的支援として2000万ドルを約束した。そこで
   は経済崩壊、ハイパーインフレーション、食料・医薬品不足のため何百万人
   の人々が国外へ逃れている。

この支援の逆説的性質は、アメリカが意図的に経済崩壊やハイパーインフレーションや食料・医薬品不足を引き起こすことであった。とりわけまずチャベス大統領政府を、次に今マドゥーロ政権を傷つけ、不安定化することだった。

アメリカ国務省は、特にベネズエラ中央銀行(PDF)やベネズエラ石油S.A.(PdVSA)への制裁を狙った。ベネズエラ国有石油・ガス会社は金融を制限され、送金を阻止されている。一方、アメリカとOPEC同盟国は、世界石油価格を一致して下げる行動をとった。それはベネズエラ石油基盤の経済を麻痺させるためだけでなく、イランやロシアを含む他の反米勢力を狙ったものだ。



欧米メディアは繰り返し、アメリカの制裁はベネズエラ当局だけを狙ったものであると主張するが、ワシントンポスト自体「ベネズエラの石油は、マドゥーロにアメリカに対抗する力を与えない」という記事で次のように認めている。(強調あり)

   「現金を生む石油輸出の75%はアメリカ向けである」と元ラテンアメリカの
   CIA要員であるスコット・モデルは言った。ベネズエラはかなりの原油量を
   主要な外交同盟国であるロシアや中国に輸出していが、それらの利益
   のほとんどは、過去の負債を支払うために使われている。彼らはそこか
   ら現金を得られない。「彼らは資金難で絶望的だ。」とモデルは述べた。

その記事はまたこう述べている。

   Citgo(シットゴー)の所有権は、長くアメリカとベネズエラ間の緊張の源
   であった。2017年8月トランプ政権は配当の本国送還を阻止する行政命
   令に署名した。そしてベネズエラ当局への制裁がCitgoをますます困難
   な立場に置くこととなった。
     [訳注:Citgo(シットゴー )は、アメリカ合衆国内で営業する石油関連企業。
     ベネズエラ国営石油会社の傘下にある。ガソリン、潤滑油、その他石油
    製品を製造販売している。(ウィキペディア)


   ベネズエラ国営石油会社(PDVSA)のほぼ半分の株が、ベネズエラ政府が
   ロシア・エネルギー巨大企業ロスネフチから2016年に借りた15億ドルの負
   債の担保として使われた。外国債権者はそれら負債を埋め合わせるため
   Citgoの一部を取得する可能性もある。
     [訳注:PDVSA(ベネズエラ国営石油会社)
     ペトロレオスは、ベネズエラの石油会社である。ベネズエラ政府の100%
     出資会社であるため、日本
     ではベネズエラ国営石油公社、またはベネズエラ石油公団とも表記さ
     れる。] (ウィキペディア)


   モデルは、アメリカ政府が会社自体を差し押さえるべきかどうかという議論
   がアメリカにあると言った。これに反対する者もいて、Citgoはマドゥーロ後
   のベネズエラに有効な資産で、病んだ国の「石油経済の回復」を助けるも
   のだと言う。

明らかに、ベネズエラ石油から収益能力を麻痺させるために、かなりの努力が払われてきたが、アメリカメディアやインタビューした人々でさえ、アメリカはどこまでやっていいかわからないという。一旦、厳しい制裁がなくなった時、残っている、損なわれていないインフラが、病んだ国の「石油経済回復」をベネズエラに与えることも認めている。

経済戦争の他の例では、ベネズエラの大量の金がイギリスで押さえられていて、イギリスは金をベネズエラ政府に戻すことを拒否している、とニューヨークタイムズは報道した。

ベネズエラ国内で、アメリカ支援の反対派グループを通じて行われる企ては、人為的に欠乏を引き起こす一定の必需品に焦点を当てている。一方、富裕層や地主に雇われた武装ギャングは、国家に保護された農民や産業の価格や供給や需要をさらに悪化させるように破壊活動をしている。

ワシントンポストの記事「ベネズエラの逆説:人々は飢えているが、農民は人々を食わせることができない」で、武装ギャングは単なる「犯罪者」だと述べている。それは情報は豊富だが、矛盾したベネズエラ分析になっている。

「ベネズエラ分析」の記事「紛争地のベネズエラの農民は立ち退く気はない」は、富裕層の地主から返還を求められた土地を使って、農産物を生産する農民達の努力を描いている。しかし、彼らは傭兵から狙われ、攻撃され追い払われている。別の場合には富裕層のオリガルヒは、食物生産に使われる農地の支配を強固にするため裁判所から利権を確約してもらうことも可能だ。

ベネズエラ政府はとてつもない経済戦争に直面していて、それを埋め合わせるためにますます価格統制や緊急手段に訴えているが、さほどうまくいっていない。

経済不安定化は、アメリカの体制転覆の主要な要素である。それはイラク、リビア、シリア、イラン、北朝鮮、ロシアに対するワシントンの過去・現在の紛争のあらゆる面で見られる。それらの国は、一連の「人権」犯罪に集中したり、アメリカの安全保障に対する脅威をねつ造されて攻撃された。



逆に、元米国務長官ヒラリー・クリントンでさえ認めているが、サウジアラビアのような国々は、「その地域でISILや他の原理主義スンニ派に対して密かに財政的・兵站の支援を与えている」。そして彼らが地上で最悪の人権侵害を行っていることは疑うべくもないが、彼らは制裁を免れるばかりか、国際法や人権侵害への非難を免れているのだ。

この著しい対照は、狙われた国々に対するアメリカの制裁の真実の政治的動機の本質を実証するのに役立つが、それは大衆の支持を得るために、薄っぺらな論理的見せかけで粉飾されているのだ。

ロシアや中国のような強力な国でさえ、世界金融のドル支配体制に対する代替をつくり出すのに何年も必要とされるのに、ベネズエラのような国は、すでに何十年にもわたってアメリカによって扇動された混乱で不安定化され、制裁や経済戦争に直面し、ひどく堪え忍ばなければならなくなっているのだ。そして今は別のアメリカ支援の秘密クーデターの試みにも直面している。

「社会主義」ではなく、帝国主義

ベネズエラは巨大な石油埋蔵量が証明されている。ベネズエラは公然とアメリカによって政権転覆が予定されている。そして政権に対抗する現在の反対派が、ワシントンによってベネズエラの利益のためでなく、ワシントンの利益のために資金援助されていることを証明する証拠資料がある。

制裁と経済戦争はベネズエラを狙っている。ちょうどアメリカが、政権転覆し、侵略し、破壊した、もしくは政権転覆し破壊しようとしている多くの他の国々で行ったのと同じように。

アメリカ支援のさまざまな体制転覆に対して、ベネズエラも例外的な難しいパズルでは決してない。

ベネズエラ危機を訴える試みは「社会主義」によって急に引き起こされたものではない。たとえアメリカの政権転覆を証明するおびただしい証拠を無視するとしても 、「社会主義」のせいにするのは、なお合点がいかない。

中国も社会主義で、実際は共産主義だが、かなりの程度中央計画経済で、国有企業である。中国は地上で最も大規模な高速鉄道ネットワークを持っており、人間を軌道に乗せる能力がある宇宙計画があり、世界で2番目の大きな経済である。

逆に、アメリカはたった1マイルの高速鉄道ももっておらず、現在はロシア連邦に宇宙飛行士を軌道に打ち上げてもらっている。そして非現実的な世界支配に向けた野望で世界最大の経済をただ浪費している。

「社会主義」とか「資本主義」であることよりも、国の成功とか失敗の要因がたくさんあることは明白である。例えそれらの用語が実際どんなことを意味しようとも。ベネズエラにとって、その失敗はアメリカ帝国主義の直接的かつ明白な攻撃の結果である。そしてアメリカの介入を暴露し、跳ね返すことによってのみ、ベネズエラの未来は逆転できる。

*

この記事はもともと著者のブログ Land Destroyer Reportで発表されたものである。

トニー・カタルッチはバンコクを拠点に売る地政学研究者で作家である。特にオンライン・マガジン“New Eastern Outlook” に寄稿しこの記事もそこで書かれたものである。かれはグローバル・リサーチの常連寄稿者である。
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