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元ピンクフロイドのメンバー、コンサートで「ホワイト・ヘルメット」を批判



元ピンクフロイドのメンバー、イギリス人歌手ロジャー・ウォーターズは、今はソロシンガーとして活動している。その彼が、問題のシリア人グループ「ホワイト・ヘルメット」をバルセロナのコンサートで批判した。「彼らはジハード主義者やテロリストのための宣伝活動をしているにすぎない」と。

この批判スピーチはウォーターズ自身が、金曜日バルセロナのコンサートでしたものだ。それはちょうど米英仏が「ホワイト・ヘルメット」の情報のみに依拠してシリアへの攻撃を準備していたときだ。この1週間前、「ホワイト・ヘルメット」は、シリア政府の科学兵器攻撃直後のものだとする写真や映像を公表した。その写真や映像に出てくるダマスカス近郊のドゥーマの町は、「イスラム軍」と呼ばれる武装グループに占領されていた。

コンサートの聴衆に向かって「ドゥーマや化学兵器攻撃疑惑についてステージで話してくれとの要請があった」とウォーターズは語った。ウォーターズは「この要請者と自分との間には、シリア情勢について大きな意見の違いがある」と述べた。

「ホワイト・ヘルメットは、ジハード主義者やテロリストのためのプロパガンダを作るだけのフェイク(偽)組織だ。それが私の考えだ。私たちの考えは違っている」と彼は説明した。拍手する聴衆がビデオからもわかる。

ウォーターズは、ホワイト・ヘルメットの「大義」をなぜ支持できないかを説明した。「もし我々がホワイト・ヘルメットやその周辺の宣伝に耳を傾けるようなことがあれば、自分達の政府がやろうとしているシリア人民への爆弾投下の後押しを奨励することになる。これは人類として、私たちがとんでもない誤りを犯すことにつながる」と彼は述べた。

さらに、「我々がすべきなのは、人々の頭上に爆弾を落としに行くようなことを止めるよう、自分達の政府に説得しに行くことだ。そして少なくとも必要な調査を全部やり終え、本当に何が起こっているのか、きちんとした理解ができるまで爆撃はやめるように説得すべきだ。何故なら今は、プロパガンダの方が本当の現実より重要視されるような世界だからだ」と彼は続けた。

ウォーターズは会場の人々に、「国境を越え、宗教を越え、国籍を越え」共に手を携えて、地球をもっといい場所にしよう、と呼びかけた。

「ホワイト・ヘルメット」はシリアの各地で活動し、「民間防衛組織」を自称している。彼らは種々の武装グループの指揮下にあり、その中にはシリア中央政府に対立する筋金入りイスラム主義者も含まれる。そしてアメリカやイギリスなどいくつかの西欧諸国からも資金を得ている。このグループは、西側メディアから広く賞賛され、彼らを扱ったドキュメンタリーはアカデミー賞さえ受賞した。

公開処刑の手助けをしたり、偽の救出作戦を実行するなど,ホワイト・ヘルメットに雇われた者たちによる疑念を呼ぶ行為が、これまでにも何度か発覚してきた。彼らのいわゆる「救出作戦」は本当の目的を隠蔽するためのものにすぎないと批判されるゆえんである。つまり「彼らの行為は、シリア政府に敵対する勢力に有利となるような写真や映像を捏造し、シリア政府軍に敵対する軍事行動に正当性を与えようとするものだ」と言う批判である。政府軍が「聖戦士」たちから奪還した地域の住民も、そのような批判を支持している。
    (翻訳:大手山茂、新見明)

<記事原文>
https://www.rt.com/uk/424247-roger-waters-white-helmets/

<新見コメント>ーーーーーーーーーーーーーーーー
元ピンク・フロイドのメンバー、ロジャー・ウォーターズが、公演で堂々と「ホワイト・ヘルメット」を批判する姿は、我が日本の芸能界ではなかなか見られないことです。イギリスが、アメリカやフランスと共に、「化学兵器」を口実にシリア爆撃に参加している時に、このような発言ができるイギリス人歌手がいることともに、このような記事を載せるRT(Russia Today)にも感心させられます。

なおピンク・フロイドに関しては寺島隆吉『国際理解の歩き方』(pp.27-29)にも書かれていることを、寺島先生から指摘していただき、読み直してみました。1990年に寺島先生がヨーロッパHOBO(浮浪者)の旅をしていたとき、ちょうどベルリンの壁崩壊が1989年11月9日のことですから、壁崩壊後にベルリンでピンク・フロイドの公演に出会ったことになります。

この翻訳は、大手山茂が最初に翻訳し、私が見直してから載せたものです。その際、寺島隆吉先生からも助言をいただき修正を加えました。このように新たな翻訳者が加わることによって、このサイトもさらに充実してくるのではないかと思います。
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公権力によるキング暗殺50周年

Paul Craig Roberts、January 19, 2016


ケネディ大統領暗殺の下手人とされたオズワルド  暗殺されたマーチン・ルーサー・キング・ジュニア
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アメリカによる全ての偽装攻撃や暗殺と同様、1968年のマーチン・ルーサー・キングの暗殺も隠蔽された。

 キングの事件では、犯人だとされたジェームズ・アール・レイは、でっち上げられた身代わりだった。ジョン・F・ケネディ大統領の場合は、オズワルドが、ロバート・ケネディの場合シーハン・シーハンがそうだったのと同様だ。

 コレッタ夫人を初めとしてキング家の人々は、証拠に注意を払った他のあらゆる人々と同じく、自分たちが事実を隠蔽され、犯人とされた人物名だけを手渡されたことも気づいていた。

 真実を明らかにしようとする長年の取り組みの結果、キング家の人々は、刑事訴訟では勝てないことが分かっていたので、なんとか民事訴訟で証拠を明るみに出そうとした。
 
 その結果、本当の証拠に直面した陪審員団は、一時間しかかからずに、マーチン・ルーサー・キングが政府機関を含んだ陰謀によって殺害されたと結論づけた。

 その詳細については、以下の記事に述べられているので、時間のある方は是非とも参照していただきたい。

*MLK ASSASSINATED BY US GOVT: King Family civil trial verdict
「キングはアメリカ政府によって暗殺された:キング家の訴えによる民事裁判の判決」
http://washingtonsblog.com/2014/01/mlk-assassinated-us-govt-king-family-civil-trial-verdict.html*Court Decision, U.S. "Government Agencies" Found Guilty in Martin Luther King's Assassination
「判決、キング暗殺でアメリカの『政府機関員』が有罪だと認められた」
http://www.globalresearch.ca/court-decision-u-s-government-agencies-found-guilty-in-martin-luther-kings-assassination/5320024
 マーチン・ルーサー・キングは、ジョン・F・ケネディ同様、ワシントンの支配者=国家安保体制の被害妄想による犠牲者だった。

 キングは当時わずか39歳で、公民権指導者としての立場を確立していた。だがFBIは確信していた。キングは共産主義者とつながっており、彼が率いていた運動は国家安全保障の脅威に発展しかねないと。

 当時のアメリカでは、公民権を強調することはアメリカ批判を意味していた。多くの人々が、アメリカ批判と共産主義者の主張を混同していた。アメリカを批判するのは主として共産主義者たちだったからだ。

 そしてここに、アメリカの欠点を指摘する日の出の勢いの指導者がいた。キング牧師である。そしてベトナム戦争に対しても反対の声をあげはじめていた。

 マーチン・ルーサー・キングの殺害に対するワシントンの対応は、彼の名を冠した国民の祝日「キング牧師記念日」(1月の第3月曜日)を創設することだった。ちなみに、キング牧師の誕生日は1月15日である。

 自分の機関員によって殺害された人物を、政府が讃えるということは、誰がキングを殺したかという議論を終わらせ、厄介な問題を処分するのに賢明な方法だった。

 ではケネディ大統領の場合は、どうだったのか。暗殺されるに至ったケネディの「罪状」は次のとおりだ。

 ケネディは、ライマン・レムニッツァー大将の作成したキューバ政権転覆計画「ノースウッズ作戦」を拒否し、CIAのキューバ侵略計画に反対し、キューバ・ミサイル危機をめぐってソ連と紛争を起こすためのレムニッツァーの計画を拒絶し、統合参謀本部議長としてのレムニッツァーを排除した。そして冷戦を和らげるべくフルシチョフとこっそり交渉した。

 こうした結果、「軍安保複合体」の連中はケネディに恨みもち、かつ確信した。ケネディは共産主義に対して甘く、米国にとって安全保障上の脅威になったと。

 ここで「ノースウッズ」という作戦に着目してほしい。この作戦は、アメリカの旅客機を撃墜することだったのだ。その目的は、カストロに責任転嫁してキューバ政府を転覆することだった。搭乗しているアメリカ国民を殺戮しても彼らは平気だったのだ。これがアメリカなのだ。

 この最高機密とされていた「ノースウッズ作戦」は、1997年に公表された。ウォーレン委員会によるジョン・F・ケネディ暗殺の調査およびその後の委員会調査が不十分だとして、そのはるか後に設置された「暗殺記録審査委員会」によるものだった。

 この作戦計画は、1962年に、統合参謀本部によってケネディ大統領に提出されたもので、ペンタゴンの計画は、アメリカの旅客機を撃墜し、アメリカ国民を殺戮することだった。
 その目的は、カストロに責任転嫁して、キューバに政権転覆を実現する侵略のために国民の支持を作り出すことだった。

 ケネディ大統領はその報告書を拒否した。
 その決断は、「ケネディはいったい共産主義に対して立ち上がる力と信念をもっているのか」という国家安保体制、CIAやペンタゴンのケネディに対する疑念を強めた。
https://en.wikipedia.org/wiki/Operation_Northwoods

 とこで、ケネディ暗殺では、シークレット・サービス自体が策謀に引き込まれていた。暗殺場面のフィルムを見ると、警備をするシークレット・サービスの要員が、致命的な銃撃の直前に、大統領の自動車から離れるよう命じられていたことが分かるからだ。

 ジョン・F・ケネディを殺害した政府工作員が誰だったのかを、司法長官だった弟のロバート・ケネディは知っていた。だからロバート・ケネディは、次期大統領に立候補して、殺害された兄の計画を暴露し、その犯人を処罰する途上にあった。

 もしロバート・ケネディが大統領になってれば、国家安保体制の機関員が告訴され有罪判決を受けていただろう。そして“CIAをバラバラに解体する”という彼の願いは達成されていたであろう。だが彼も暗殺された。

 ケネディ大統領の暗殺を調査するウォーレン委員会は、犯人とされたオズワルドが単なる身代わりだったことを理解していた。
 しかし委員会はまた次のことも理解していた。冷戦の真っただ中で暗殺の真実をアメリカ国民に話してしまうことは、国家の安全保障に対する国民の信頼を破壊してしまうだろうと。だから委員会は隠蔽以外の代案はないと考えたのだ。

 こうしてウォーレン委員会にたいする不満が第2の調査につながった。今回はアメリカ下院の暗殺に関する特別委員会によるものだった。この報告は、JFK暗殺から16年後の1979年に公開されたが、やはり多くが隠蔽されたままだった。
 しかし、この特別委員会は認めざるを得なかった。陰謀が現に存在し、狙撃犯は1人以上だったということを。そして「陰謀の可能性に関するウォーレン委員会とFBIの調査には重大な欠陥があった」ということを。
http://www.archives.gov/research/jfk/select-committee-report/part-1c.html

 まっとうな批判を国家反逆罪と混同することはよくあることだ。そう遠くない昔、オバマが任命したキャサリン・サンステイーンはこう述べた。
 「アメリカ国民が騙されていたと知る前に、9/11真実運動はFBIによる潜入捜査をうけ、信用を落とされた。そして国民は戦争と、市民的自由の喪失を受け入れた」
 国土安全保障省長官ジャネット・ナポリタノはこう述べた。
 「国土安全保障省の焦点はテロリストから“国内過激派”に変わった」
 彼女が長官としての職を辞任し、カリフォルニア大学の学長になる前のことだ。彼女の言う「国内過激派」とは、戦争に反対する人々、環境保護主義者、そして政府を批判する人々を含んでいた。

 歴史を通して、思慮に富んだ人々は、真実が政府の敵であること、政府の大半は私物化されていることを理解している。
 私的権益のために政府を利用する小さな集団によって政府は支配されているのだ。政府が公共の利益のために働いているという考え方は、アメリカの大変な欺瞞の一つだ。
 こうした権益の邪魔をする人々は、決して優しく扱われない。だからこそ、ジョン・F・ケネディ とマーチン・ルーサー・キングは殺害されたのだ。こうしてケネディの弟、ロバート・ケネディも殺害された
─────────────────────────────────────────────
<註1> 
 キング暗殺の民事裁判の判決が出された後におこなわれた記者会見のようすを下記資料から知ることができる。とりわけ興味深いのコレッタ夫人の挨拶です。
*Assassination Trial – Full Transcript.pdf「民事裁判の全体像」
http://www.thekingcenter.org/sites/default/files/Assassomation%20Trial%20-%20Full%20Transcript.pdf*Assassination Trial – Family Press Conference.pdf「キング一家の記者会見」
http://www.thekingcenter.org/sites/default/files/Assassination%20Trial%20-%20Family%20Press%20Conference.pdf
<註2> 
 櫻井ジャーナル(2018/04/06)はキング暗殺に関して、次のような興味ある事実を紹介しています。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201804060000/ <ロン・ポール元下院議員によると、当時、キング牧師の顧問たちは牧師に対してベトナム戦争に焦点を当てないよう懇願していたという。そうした発言はジョンソン大統領との関係を悪化させると判断したからだが、牧師はそうしたアドバイスを無視したのである。
 大統領の意思には関係なく、戦争に反対し、平和を望む人々をアメリカの支配システムは危険視している。例えば、FBIが1950年代にスタートさせた国民監視プロジェクトのCOINTELPRO、CIAが1967年8月に始めたMHケイアスも、ターゲットはそうした人々だった。
 MHケイアスによる監視が開始された1967年はキング牧師がリバーサイド教会でベトナム戦争に反対すると宣言、またマクナマラ国防長官の指示で「ベトナムにおける政策決定の歴史、1945年-1968年」が作成された年でもある。
この報告書の要旨、つまり好戦派にとって都合の悪い部分を削除したものをニューヨーク・タイムズ紙は1971年6月に公表した。いわゆる「ペンタゴン・ペーパーズ」である。
 この報告書を有力メディアへ渡した人物はダニエル・エルズバーグだが、エルズバーグはその後、宣誓供述書の中でキング牧師を暗殺したのは非番、あるいは引退したFBI捜査官で編成されたJ・エドガー・フーバー長官直属のグループだと聞いたことを明らかにしている。>
                    (翻訳:寺島美紀子)
<記事原文>
http://www.paulcraigroberts.org/2016/01/19/martin-luther-king-paul-craig-roberts/

Paul Craig Roberts、January 19, 2016



テロリストの実行可能性が、東グータ化学兵器工場で明らかになる

RT Home/Op-ed/

シャーマイン・ナルワニ


シャーマイン・ナルワニは中東地政学のコメンテーターであり分析家です。彼女は元オックスフォード大学アントニー校の上級研究員です。またコロンビア大学国際関係論の修士号をとっています。シャーマインは、多くの出版物に寄稿しています。アル・アクバル英語版、ニューヨークタイムズ、ガーディアン、アジア・タイムズonline、Salon.com、USA Today、ハフィントン・ポスト、アルジャジーラ英語版、BTICS Postその他。彼女のツイッターは@snarwaniでフォローできます。

RT 2018年3月16日

(@Sharmine Narwani)

シリアにおける化学兵器使用をめぐる論争は、何年にもわたって悪意に満ちていて、激しくなっている。しかし今週、東グータで発見された化学兵器工場は、この議論を根本的に変えるものだ。

去年の12月、ワシントンDCの米軍格納庫でニッキ・ヘイリー国連大使は,イェメンのフーシ派反乱軍とイランの軍事的共謀の証拠として、大きな金属パイプを展示しました。その写真は全欧米メディアの一面を飾りました。そしてアメリカが演出した大きなパイプは、何も証明していないという反対意見をかき消した。

今週シリア・アラブ軍(SAA)はシフォウニエとドゥーマ間の東グータの農地を解放した。そこでサウジ支援のイスラムテロリストが運営する優れた化学兵器工場を発見した。その工場の調査を明らかにした欧米報道は一つだけではなかった。

© Sharmine Narwani

しかしメディアの無関心は不思議である。たとえアメリカ当局が、化学兵器使用を口実にシリアへの軍事攻撃に青信号を出しているとしてもだ。アメリカの非難は証明されておらず、かなり議論のあるところだ。他のグループは、反政府軍がシリアに米軍介入を引き入れるために化学兵器を利用しているとするのと主張している。

だから恐らく、シリアの主要戦闘震源地域のすぐそばで発見された化学兵器工場は、特に不思議なことではないので、一方の側によって無視されたのだろう。結局一方だけがシリアで化学兵器を使っているということになる。だから一方がこの工場が発見されたとき沈黙を守ったということだ。

化学兵器工場は、現在の前戦から数十メートル離れているだけで、ついこの間の月曜日に解放されたばかりだ。工場は農地に囲まれ、この隠れ家は最も見つけにくいものだった。欧米メディアが「飢餓の包囲攻撃」と呼ぶ戦場に散在するのは、小麦、グリーピース、ソラマメ、ヒヨコマメの畑である。建物自体には砲弾の跡があり、残骸が散らばっている。私がシフォウニエを通り過ぎて見た数多くの建物や、戦争が荒れ狂っている東グータの他の町も同様に荒れ果てている。
>
SAA(シリア・アラブ軍)によれば、化学兵器工場のいくつかの区域で、これらの塩素容器が壁に沿って並べられている(写真右)。化学物質の棚が工場の二階に点在している(写真左)。(© Sharmine Narwani )

しかし内部の光景は驚くべきものである。二階の部屋は、電気機器がぎっしりと、地下は大型ボイラーが整備され、棚には化学薬品があふれ、隅には青や黒の容器が積み上げられ(塩素が入っていると言われる)、化学図表、本、ビーカー、ガラス瓶、試験管など普通の理科系学生にはおなじみのももある。また別の片隅には、たくさんのパイプ型のロケット弾、つまり明らかにある種の軍事兵器が置かれている。

工場の二階には一つの際だったものがある。それは真新しい外観で、正面に"Hill-rom Medaes Medplus Air Plant"と書かれている。ざっとグーグルを検索すると、すぐいくつかの興味深い事実が出てくる。それはある種の空気またはガスのコンプレッサーである。それはアメリカ製の製品で、2015年この機械がサウジアラビアから提供されたものである。


工場の主要階にあるアメリカ製のヒル・ロム空気・ガスコンプレッサー機械
(© Sharmine Narwani )

壁に貼られた数字のリストと電話延長コードは、この地域と工場がサウジが支援するテロリストグループ、ジャイシュ・アル・イスラムによって管理されていたことが確認できる。ジャイシュ・アル・イスラムの政治指導者モハンマド・アロウシュはかつて国連のジュネーブ会談に反政府派交渉団の代表として招かれた。

サウジは、シリアの戦場へ装備や兵器を流していることを、この紛争中に何度も現場を押さえられてきた。つまり、サウジの末端使用者だけが使うことを意図した売買である。ヒル-ロム・コンプレッサーはほとんどの欧米化学装備と同様、厳格な制裁法によってシリアに売られることが禁止されてきた。たとえ軍事目的でなかったとしても、そのような多くの製品は、アメリカ当局では「両義的使用」技術と考えられている。

兵器工場を視察したシリア係官は、その施設で、明らかに問題となる製品を指摘しただけである。彼らはそこに24時間居ただけで、その意図がまだ十分解明されていなかった。彼らは青と黒の金属容器を調べ、塩素を発見した。つまりシリアの戦場で、少しずつ繰り返し使われ、広く国際的非難を引き起こした物質である。

これは化学兵器工場なのか。それとも爆発物のように戦争で使われた物質を作る化学工場にすぎないのか。

たとえこの工場で禁止されていない化学兵器が作られたとしても、その発見は化学兵器の非難合戦で形勢を逆転させるものだ。欧米が支援し、湾岸諸国が財政支援するイスラム戦闘員が、戦場で化学兵器を作る能力を持っていることは今や反論の余地がない。それは欧米メディアが言うような簡易施設ではない。この工場は戦闘員が外国製の設備を集め、生産ラインを作り出し、入手困難な成分を作っていることを証明している。

戦闘員が、化学兵器を生産する能力や連携や技術設備を欠いているとはもはや言えない。

工場地下のボイラーは上の階にパイプを通して加圧・圧縮装置とつながっている。

テロリストと化学兵器

テロリストがイラクやシリアの戦場で、低レベルで簡単な化学兵器を使っているという証拠はたくさんある。

イラク反乱軍による即席爆発装置(IED)でサリン神経ガスが使用されたことは、2004年以来メディアで、さらに詳しくはCIAによって実証されてきた。

また同じ年に、塩素即席爆発装置(IED)がイラクで最初に使われた。しかし2007年になって、攻撃的な化学兵器戦争がアンバール州やイラクのその他の地域でアルカイダによって開始された。そのときの自爆攻撃で塩素爆弾が使われた。

はるか10年前かそこらである。2016年イギリス情報分析IHS紛争調査会社の報告によると、イスラム国(それはイラクのアルカイダから進化したもの)は塩素や硫黄マスタードガスを含む化学兵器を使用したという。シリアやイラク両方で、少なくとも52回使用された。

シリアでは紛争が2012年に始まった。それはアルカイダ系のアルヌスラ戦線がその国の唯一の塩素生産工場を奪取したときだ。それはサウジとのベンチャービジネス工場で、アレッポの東に位置していた。ダマスカスは国連に直ちに警告を発した。「テロリストグループはシリア人に対して化学兵器を使用する可能性がある。・・・有毒な塩素工場を支配したので。」

多くのロケット弾/工場の兵器は、製造された物質が戦争で使われるために作られたことを示している。(© Sharmine Narwani)

3カ月後シリア紛争で最初の化学兵器事件として考えられるのは、26人(その大部分がシリア兵士で、16人)が、アレッポのカーン・アサル村で塩素攻撃とされるものによって殺された事件だ。翌日シリア政府は、国連にその攻撃の調査を要求した。2・3日後ダマスカスの北東のアドラでもう一つの化学兵器とされる事件があった。それはサラケブの攻撃とその後の8月のグータへと続く。それらは、ほとんど米軍攻撃を引き起こした化学兵器事件である。グータでヨルダンの現場リポーターがインタビューした証人は、サウジが戦闘員に化学兵器を与え、いくつかがたまたま爆発させられたと語った。

2013年5月、トルコ当局は、4.5リブラ[=ポンド]のサリンガスを所持していた12人のヌスラ戦線兵士を逮捕した。トルコメディアはテロリストの目標について様々な報道を行った。それらの一つは、そのグループがその物質をヌスラの本拠地シリアに戻す計画をしていたというものだ。

6月にアルカイダ細胞メンバーはイラク当局に逮捕された。彼らはサリンやマスタードガスを研究し、製造するために使われていた二つのバグダッド工場を襲撃した。当局が語るところでは、アルカイダ兵士は、致死性化学兵器の製造に必要な前駆物質や製造方法を持っているという。

等々いろいろあるが、東グータの工場の話に戻ろう。

工場の所有者であるサウジ支援のジャイシュ・アル・イスラムは、2016年アレッポ近くのシェイク・マクスードで、クルド人に対する迫撃砲攻撃で有毒ガスを使用したことを認めた。「衝突の間にジャイシュ・アル・イスラム団の一人が、この種の衝突で禁じられている兵器を使用した」とそのグループは化学兵器攻撃に関する声明で述べた。その中で犯人には責任があると主張した。

その声明は一面では正しい。それはそのグループが化学兵器を所有していることを確認できるからだ。

(さらに読む)
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(© Nawrouz Uthman) シリアのイスラミスト・グループ、ジャイシュ・アル・イスラムはアレッポでクルド人に対して禁止された兵器の使用を認める。


誰が化学兵器で得をするのか?

2012年半ば、シリア政府は化学兵器を持っていることを認めた。しかしこれらは「外敵の侵略」に対してのみ使用され、決してシリア人には使用されない、と述べられた。

この声明はジャイシュ・アルイスラムの声明と同じ懐疑論と見られるが、一つの点で違いがある。どう考えても化学兵器は、政治的にも軍事的にも、この7年間の戦争でシリア政府を利するものではないということだ。だからシリア政府は一方的に化学兵器計画を認め、アメリカ・ロシアの監視の下ですすんで放棄することにしたのだ。

シリアの戦場で使われた化学兵器の量は、戦争の範囲や暴力性と比較して,取るに足らないものである。なぜ数ダースの人間を殺すだけのために非常に挑発的な兵器を使用するのか。もっと無害な仕事ができる伝統兵器を使うことができるのに。

そしてなぜ国際社会すべての怒りを買ってまで、またさらなる孤立を招いてまでして、リスクを冒す必要があるのか。あなたが一番望むことが、わずかな日数であなた方の軍事基地を壊滅できる外国の介入を避けることであるときにだ。

手がかりになるのは、シリア紛争を通して「大虐殺」や「化学兵器攻撃」が、兵士達が後退したり、膠着状態に陥ったときにほとんど行われているということだ。または国連安保理会議のような重要な出来事が起こるときだ。

体がけいれんして、呼吸をしようとあえいでいる子どもたちの恐ろしい場面によって、国際社会を刺激して、非難させ、制裁させ、敵に爆撃させる絶好の機会になってしまう。
アル・シホウニエ農場の化学兵器工場で何が発見されようが実は問題ではない。工場の占有者がアルヌスラであろうが、ジャイシュ・アルイスラムであろうが、ISであろうが、それらの二つが現在東グータで軍事行動を行っている。彼らが化学兵器使用の推理小説に最後の手がかりを与えてくれた。彼らは絶えずシリアで化学兵器を使う動機をもっている。そして今や我々は、彼らが化学兵器の手段や能力も持っていることを見ることができるのだ。
(翻訳 新見明)
<記事原文>
https://www.rt.com/op-ed/421515-ghouta-syria-chemical-weapons/

<新見コメント>ーーーーーーーーーーーーーーーーー

前回の二つの記事(イギリス、シリア)に続いて、今回も再度シリア情勢を扱ったRTの記事を「寺島メソッド翻訳NEWS」に載せました。
シャーマイン・ナルワニ「テロリストの実行可能性が東グータ化学兵器工場で明らかになる」

欧米メディアのシリア政府犯行説に反論する記事をたくさん読みましたが、その中でも、この記事は反政府軍の化学兵器工場が発見されたことを伝えくれていて、重要であるので翻訳しました。

記事の中で次の点が強調されていました。
      (1)東グータの反政府派の拠点で化学兵器工場が発見されたこと。
    (2)工場の中のコンプレッサーはアメリカ製で、2015年サウジアラビアから提
      供 されたものである。
     (3)イスラム戦闘員は、欧米が支援し、湾岸諸国が財政支援していて、戦場
       で化学兵器を作る能力がある。
     (4)イギリスの情報分析調査会社IHSによると、イスラム国は、塩素や硫黄
      マスタードガスを含む化学兵器を、少なくとも52回シリアやイラクで使用
        した。
     (5)2012年半ば、シリア政府は化学兵器を持っていることを自ら認めた。し
      かし、政治的にも軍事的にも役に立たないとして、アメリカ・ロシアの監視の
      下に進んで放棄することにした。
     (6)「大虐殺」や「化学兵器攻撃」は、兵士達が後退させられたり、膠着状態
      に陥ったときにほとんど使われる。

だから、東グータを政府軍がほとんど制圧しようとしているときに、国際社会の非難を浴びる「化学兵器攻撃」を政府軍がする必要があるのか。それはイスラム国が崩壊し、クルドとの連携も微妙になってきた欧米勢力が、再攻撃するためのプロパガンダと考える方が筋が通っている。

4月14日未明の米英仏のミサイル攻撃について、「櫻井ジャーナル2018.4.17」を見てみよう。アメリカ国防省発表によると105発すべてが命中したとしている。
    バルザール化学兵器研究開発センター(76機)
    ヒム・シンシャー化学兵器貯蔵施設   (22機)
     ヒム・シンシャー化学兵器(?)        (7機)

しかし、これらの化学兵器施設はアメリカ・ロシアの監視下で撤去され、アメリカに運び去られたではないのか。

一方、ロシア国防省発表では次のようになる。
    ダマスカス国際空港   (4機、全て撃墜)
     アル・ドゥマイル軍用空港(12機、全て撃墜)
    パリー軍用空港     (18機、全て撃墜)
    サヤラト軍用空港    (12機、全て撃墜)
     メゼー軍用空港     (9機、うち5機を撃墜)
     ホムス軍用空港     (16機、うち13機を撃墜)
    バザーやザラマニ地域  (30機、うち7機を撃墜)

しかもこれら105機のうち71機をシリア政府軍が打ち落とした可能性が高いという。「今日程度の攻撃なら、シリア軍だけで対抗できることを示した」と櫻井ジャーナルは書いている。

ロシアは攻撃があれば、発射した戦艦などに攻撃を加えると警告していた。そのような自体になれば米ロの全面戦争になる。そうならなかったことに一安心するが、アルカイダ系武装集団ジャイシュ・アル・イスラムの幹部モハマド・アルーシュは「失望した」と表明している。今後も米英仏はこの「失敗」にあきらめることなく次の手を考えてくるだろう。

安倍晋三は、シリア攻撃の後すぐにアメリカ支持表明をした。2013年、イラクで大量破壊兵器があると言って米軍の侵略戦争にいち早く支持表明をしたのは小泉純一郎だった。そして自衛隊を戦闘地域ではないとしてサマワに派遣し、アメリカの侵略戦争に荷担していった。

今回も戦争が激化すれば、日本も参加を求められるだろう。安倍晋三は国内の支持率低下を食い止めるためにも、喜んで自衛隊を参加させるだろう。これが「積極的平和主義」の本質だ。

ジョージ・オーウェルの言葉を思いだそう。
    
    War is peace.        戦争は平和である。
    Freedom is slavery.   自由は隷従である。
    Ignorance is strength. 無知は力である。

                              『1984年』より




攻撃されたとされるドゥーマ地区で、化学兵器の痕跡なし---ロシア軍

RT  Home/World News/

 2018年4月9日


(URLより)
子どもを洗浄している写真。4月7日東グータのドゥーマで化学兵器攻撃がなされたと、ホワイト・ヘルメットとシリア反政府グループが主張している。写真は偽装されたものだとロシア軍は言う。

ロシア軍は、「攻撃」の標的とされたと言われるシリアのドゥーマを捜索した後、化学兵器使用の痕跡を見つけられなかった。そしてホワイト/ヘルメットによって投稿された犠牲者の写真はフェイクであるとロシア防衛省は語った。

化学兵器攻撃が起こなわれたとされる東グータ地区ドゥーマを、放射線、化学、細菌戦の専門家は、医師等と共に、月曜日に詳しく調べた、とシリアのためのロシア和解センターは声明で述べた。

(さらに読む)
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資料写真:シリア、東グータ地区、反乱軍地域ドゥーマで見られるシリア兵たち、2018年3月28日。
アマール・サファジャラニ・モスクワは、ドゥーマの化学兵器攻撃は「フェイク・ニュース」だと、シリアに対する介入を警告している。


専門家達はその地域を調査した後、「化学物質使用の痕跡は見つからなかった」と声明を出した。医療専門家達は地域の病院も訪れたが、化学兵器中毒の兆候を示す患者を見つけられなかった。「これらすべての事実が示していることは、・・・ホワイト・ヘルメットの主張とは異なり,化学兵器はドゥーマの町では使われなかった」ということだ。そして攻撃について最初に報道した問題の「市民防衛」グループにも言及した。

「ホワイト・ヘルメットによってなされたすべての非難は、化学兵器攻撃の犠牲者を示すとされる写真と同様、もう一つのフェイク・ニュースにすぎず、停戦を中断させる企てである」と和解センターは語った。

土曜日、ホワイト・ヘルメットを含む反乱軍系のグループは、シリア政府が東グータのドゥーマで化学兵器攻撃を実行し、何十人もの市民を襲ったと非難した。報道は西欧ですでに怒りの渦を引き起こしている。アメリカとEUは、事件をダマスカスとモスクワの責任にして猛烈に非難した。ドナルド・トランプ大統領は慌ただしく、その攻撃を「心ない」残虐行為であり、理由なき人道的大惨事で、「大きな代償が払われることになる」と警告した。

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、ドゥーマ避難前に、兵士やその家族を運ぶバスの近くに立っているシリア軍兵士。2018年3月25日、シリア、ダマスカス、ジョバール郊外のハラスタ高速道路で。© Omar Sanadiki
「トランプが撤退を考えているとき、シリアは自国民にガス攻撃を加えるのか?」、とジャーナリストはドゥーマの化学兵器攻撃を疑問視する。


シリアとロシアは、その非難を退け、その報道をフェイク・ニュースと呼び、過激派を支援し、シリア軍に対する攻撃を正当化することを狙いとする報道だと非難した。月曜日の早朝、イスラエルの戦闘機はホムス州のシリアT-4空軍基地を攻撃した、とロシア防衛省は述べた。イスラエルはその攻撃についてコメントを出していない。この攻撃前に、多くのイスラエル政府高官が、化学兵器攻撃に対抗してシリアを攻撃するためアメリカを訪れていた。

トランプは、24~48時間以内に可能なシリア攻撃を決定すると約束した。まだ何も「棚上げになっている」わけではない。これより前にも、アメリカ国防長官ジェームズ・マティスは、アメリカはダマスカスに対して軍事攻撃の可能性を排除しないと述べていた。

ホワイト・ヘルメットは、戦争に巻き込まれたシリア人を救う最初のボランディア団体であると主張している。彼らは欧米メディアで注目を集め、2016年アレッポの戦いで有名になった。ホワイト・ヘルメットはもっぱら都市の反政府軍支配地域で活動して、西欧で最も広く使われる情報や視覚資料源の一つとなっている。

しかしアレッポの地元の人々が、RTのムラド・ガズディエフに語ったところでは、ホワイト・ヘルメットは反乱軍と密接な関係を保っていて、「自分たちだけののため」に活動していると言う。地元の目撃者たちはまた、「活動家たち」が人道援助を略奪すると非難した。そしてその援助は市に入ってくると、住民にカメラの前で偽の反政府声明を読ませ、代わりに食料をもらえることになっていると言う。
                                                 (翻訳:新見 明)
<記事原文>
https://www.rt.com/news/423627-russian-military-checks-chemical-douma/

<新見コメント>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ついに米英仏、化学兵器を口実にシリアを攻撃

「攻撃されたとされるドゥーマ地区で、化学兵器の痕跡なし---ロシア軍」
                   RT  2018年4月9日
「未確認:スクリパル事件で使われた神経剤がロシアで作られたかどうか、ポートン・ダウンの科学者は確認できない」     RT 2018年4月3日

上記二つのRTの記事をブログ「寺島メソッド翻訳NEWS」に連続でアップしました。
新聞やテレビのニュースを見ているだけでは決して知ることができない記事です。

先日の朝日新聞のデジタル記事(2018.4.8)では「アサド政権が東グータ地区で化学兵器使用?呼吸困難で11人死亡。救助組織が疑い指摘」という大見出しのあと、小さく「政権側は”偽情報”として否定」と書かれている。しかし「人権監視団によると・・・シリアでの化学兵器の使用をめぐっては、国連が2016年に、アサド政権が14年と15年の過去2回、化学兵器を使ったと結論づける調査報告書を発表。その後も、東グータ地区での政権軍による塩素ガスなどの化学兵器使用の疑いが浮上している」(下線は筆者)と一方の側の主張は大きく取り上げられているが、否定しているシリア政府・ロシア側の主張は一切載せられていない。

また東京(中日)新聞(2018.4.11朝刊)では、「七年に及ぶシリア内戦はアサド政権の軍事的優位が確定し、化学兵器に頼る必然性は低い」としながらも、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチを引用しながら「2013年8月~18年2月に化学兵器による攻撃が85件発生し、50件以上にアサド政権が関与したという。東グータでは2月下旬にも塩素ガス弾が使用された疑いがあるが、政権側は一貫して否定、反体制派の”自作自演”と主張する」(下線は筆者)と、両論併記のように見えて、実はヒューマン・ライツ・ウォッチの発表が大きく取り上げられている。

これらの記事を読んだ読者は、どちらか結論を下していないが、シリア政府やロシアの犯罪行為が人権監視団やヒューマン・ライツ・ウォッチを引用して大きく書かれていて、ロシア・シリア政府悪者説に流されてしまう。巧妙な情報操作だ。それらの情報源はいつもホワイト・ヘルメットや国際人権団体など、欧米メディアがいつも利用する偏った情報源で満ちあふれている。シリア政府やロシア側の主張は「否定している」としか書かれていない。

朝日、中日(東京)新聞は、国内問題で「森友学園、加計学園」問題を鋭く批判していても、こと海外ニュースになると欧米通信社の受け売りか、欧米メディアを読んで書いているとしか思われないニュースばかりだ。

cui bono(誰が得をするのか)の視点から、これらの事件を見ると、プーチンが大統領選挙で76%の得票で信任を得ているときに、どうして元二重スパイを殺す必要があるのだろうか。またシリアの東グータでほとんど政府軍が制圧しようとしているときに、どうして世界から批判を浴びてまで化学兵器を使う必要があるのだろうか。どちらもシリア政府、ロシアを悪者にするのに都合のいい偽旗作戦(フェイク・ニュース)ではないか。私たちは常に新聞を批判的に読む力を身につけなければならない。

前回オリンピックがアメリカのNBSの放映権に牛耳られている記事をこのブログに載せましたが、平昌オリンピックでロシアが国家ぐるみのドーピングということで証拠もなしに参加を認められませんでした。これはリオ・オリンピックでもあったことであり、さらにこれから行われるFIFAのロシア大会でもこの大会を握りつぶす動きがあると、下記サイトで書かれている。
https://www.rt.com/op-ed/422796-world-cup-russia-boycott/

そして全体の結論はロシアやシリアのアサド政権を悪魔化して、戦争を仕掛ける口実にしているわけだ。これまでのアメリカ・NATOは、イラクに大量破壊兵器があると偽情報を流し侵略した。ウクライナにおいても合法的に選ばれたヤヌコービッチ大統領をネオナチのクーデターで政権転覆させ、95%以上の賛成住民投票でロシア編入をしたのにロシア侵略説を流している。リビアでは、アフリカ・ディナール金貨を流通させようとしてドル支配体制への脅威となった。だから米・NATOはアルカイダ系勢力を使い、カダフィを殺し、アフリカで最も豊かな国を壊滅状態にしたのだ。また前回このブログに載せた北朝鮮問題などすべてを総合すると、アメリカのロシア・中国包囲網の一環としてメディアを使ってプロパガンダしている構図を見なければならない。 

また「櫻井ジャーナル2018.4.12」によると、昨年4月、化学兵器使用を口実にアメリカ海軍の2駆逐艦(ポーターとロス)から59機の巡航ミサイル(トマホーク)をシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射している。今年になってさらに駆逐艦ドナルト・クックをロシア海軍基地近くのシリア沖に移動させ、さらに駆逐艦ポーターも同じ海域に配備されると言われている。哨戒機のP-8Aポセイドンや原子力潜水艦がシリア沖へ向かい、5月には空母ハリー・S・トルーマンを中心とする艦隊がシリア沖に到着する予定だ。

それに対して、ロシア海軍はシリア沖で4月11日から艦隊演習を実施すると伝えられている。つまり米ロ衝突の危機は目前に迫っているということだ。

米ロ衝突がシリアで始まるかもしれないと言うときに、日本人は、欧米メディアのプロパガンダに洗脳されていては、アメリカの「民主主義」の戦いに動員されてしまう可能性があるのです。現に北朝鮮危機を契機に自衛隊は米軍と共同行動をとり、戦争の準備態勢に入っているのだから。

安倍政権にとっては憲法改正のチャンスと受け取っているだろう。しかし私たちは、「集団的自衛権」か「自主防衛」かの対立でなく、非戦、反戦の立場から憲法改正の動きを止めていかなければいけない。アメリカの一極支配に与しないという立場を鮮明にしなければ、真の平和への道はないだろう。

ポートン・ダウンの科学者は確認できず:スクリパル事件で使われた神経剤がロシアで作られたかどうか

RT Business News
 2018年4月3日



画像/Global Look Press

イギリスの科学者達は、ロシアが神経剤A-234(「ノビチョク」とも)を作ったかどうか証明できなかった。そのノビチョクは、セルゲイ・スクリパルとユリア・スクリパルをソールズベリーで毒殺するために使われたとされている。

モスクワが、その攻撃には無関係だと主張した数週間後、高度秘密陸軍基地ポートン・ダウンの科学者達は、そのサンプルをロシアと結びつけることができないとした。しかしテレサ・メイ政府は繰り返しクレムリンを非難し、ロシアに制裁を課した。それには外交官23人の追放が含まれている。



ポートン・ダウンの防衛科学技術研究所(DSTL)所長ゲーリー・アイケンヘッドはスカイニュースに語った。「我々はそれがノビチョクであることを確認できた。それは軍用レベルの神経剤であった。」

「我々は正確な出所を確認できなかったが、科学的情報を政府に提出した。そして政府は結論を出すために、他の多くの資料をそのとき利用した。」

二重スパイのセルゲイ・スクリパルズと33歳の彼の娘は、3月4日ウィルシアの公園のベンチで倒れているのを発見された。

ダウニング街(イギリス政府)は直ちにロシアを非難し、多くの厳しい制裁リストを挙げた。最も厳しいものは30年にも及ぶ。ヨーロッパ諸国はイギリスに説得されて、外交官を追放し、彼らをモスクワに帰還させるように求められた。

今、科学者達はロシアとの関連を確定できないと言っている、とアイトケンヘッドは付け加えた。「この特殊な神経剤が何であるかという科学的証拠を与えるのが我々の仕事であり、それが特殊な族(ノビチク)であり、軍事用であることを確認した。しかしそれがどこで作られたかを述べることは我々の仕事ではない。」

ノビチョクの解毒剤はわかっておらず、二人のスクリパルに誰が投与したのかはわからないと、アイトケンヘッドは述べた。その物質は「きわめて複雑な方法で作り出され、国家レベルの能力で可能なものである」と彼は示唆した。

OPCW(化学兵器禁止機構)は、ロシアの要請で委員会が午前中にハーグで開かれたと述べた。

(さらに読む:ロシアはスクリパル事件でOPCWに13の質問をした)

ロンドンのロシア大使、アレクサンダー・ヤコベンコは、ロシアは情報を知らされていないと繰り返し述べた。

ロシアは、テストできるようにサンプルを求め、調査が許されるべきだと主張した。しかしヤコベンコによれば、大使はイギリスの報道を通じた情報しか得られていないと述べた。

<記事原文>
https://www.rt.com/uk/423075-porton-down-skripal-proof/