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東京オリンピックはロックダウン中で、ファンもいない。フェアプレーもない。雰囲気もない。これは金メダル級の大失敗。


ファンもいない。フェアプレーもない。雰囲気もない。ロックダウン中の東京オリンピックはきっと金メダル級の大失敗。

<記事原文 寺島先生推薦>

No fans, no fair play, no atmosphere… the Planet Lockdown Olympics will be a gold medal flop

Russia Today 論説面

2021年7月21日

ロバート・ブリッジ(Robert Bridge)著


<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2021年7月30日


 COVIDと奇妙なルール変更のおかげで、2020東京五輪はひどく興ざめなイベントに終わるだろう。これまでの五輪で見られたような、世界各国からの激しい熱意もなく。悲しいことだが、こんな茶番なら中止にした方がよかった。延期するだけじゃなくて。

 たぶんそれが損害を抑える最後の砦だったのだろうが、国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長は、東京はオリンピックを迎えるのに「これまでになくよく準備ができている都市だ」と評した。それは聖火リレーの点火式が行われるほんの数時間前のことだった。

 悲しいことだが、この会長の発言を真に受ける人はほとんどいないだろう。というのも、開会式の一般参観が禁止されたからだ。それは日本がCOVIDの症例数の急増を受けて緊急事態宣言を出したからだ。オリンピック選手村で、検査の結果ウイルスに対して陽性となったのはほんの一握りだった。COVIDの検査で陰性を出すのも種目のひとつになったのかしら?

 冗談はさておき、覚えておくべきことは、オリンピックの成功は、選手の参加はもちろんのこと、観客の存在も大事な鍵となるということだ。そうだ、歴史的な栄光の瞬間を生で目撃する観客の存在が不可欠なのだ。

 少し時間をかけて、オリンピックでもっとも思い出に残るシーンを思い出してみて欲しい。それは開会式だ。何千もの選手がそれぞれの国の風習や習慣を表す運動着を身にまとい、それを見る観客たちが感極まって歓声を上げるあの開会式。

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Two-thirds of Japanese don’t believe Olympics organizers can pull off safe games, poll shows after Covid-19 found among athletes

 いや、このような名シーンは次の機会にとっておこう。東京五輪では見ることができないのだから。もちろん、開会式は行われる予定だ。しかし、選手と観客の間で作られるそんな華麗な瞬間は落胆や敗北感という気持ちで置き換えられることになるだろう。どんな敏腕なTV局の職人でもその隙間は埋められないだろう。

 もちろん、努力する余地は残っている。NBCユニバーサル局の計画によると、放送予定である7000時間ほどのオリンピックの中継において、実況担当者たちに「視聴者たちが観客がいないことを(放送技術の力で)感じさせないようにで きるかどうかが勝負だ」と伝えているようだ、とCNBCは報じている。

 もちろん何万ものファンがいないことに気づかない人など誰もいないだろう!おそらく以下のような「人工的の血」と呼べるものを映像に挿入しようとするだろう。例えば、観客に見せかけるため、映像技術を使って観客席にデジタルボードを並べるやり方だ。 それはNFLやメジャーリーグが昨年採った手法だ。放送に人工的な歓声を加えることにより、「観客たちの声」を再現するという手法もある。それともNBC局はハリウッドに要請して、製作番組にまばゆい特殊効果をつけてもらおうとしているのだろうか?どんな手段を採ったとしても、よっぽど効果的な方法を取らなければ、家で観戦する視聴者(消費者)たちを空っぽの競技場の映像にとめおくことはできないだろう。そんな中で、孤独な選手たちが高跳びや、やり投げなどの競技の準備のために、短パンを整えている。

 結局、代表的なスポーツイベントであるオリンピックの醍醐味はそこなのだ。地球上で最も優れた運動選手たちが、公平な条件のもと夢の舞台で競技する姿を見ることが醍醐味なのだ。しかし今回のオリンピックでは、観客がいないことだけではなく、もうひとつ抜けてしまっていることがあるのだ。それは公平性だ。今、国際オリンピック委員会は、大きな一歩を踏み出している。具体的には、ニュージーランドのもとは男性であったが、性転換を行ったローレル・ハバード選手に、女子の重量上げ種目への参加を認めたのだ。この決定は、男性として生まれた人は、科学的な措置を行ったとしても、強さやスピードの点において女性よりも優位であるという科学的に証明された事実にも関わらず行われたのだ。


This is Kuinini ‘Nini’ Manumua, the woman who was ultimately displaced by inclusion of Laurel Hubbard.

She’s 21, and it would have been her first Olympics. pic.twitter.com/l8RH0q0njz

— Emma Hilton (@FondOfBeetles) June 21, 2021



 この決定に同意する人々の主張によれば、性転換を行った運動選手も、男性ホルモンであるテストステロンの量を人工的に低く抑えることで、女性たちとまじって公平に競技に参加できる、としている。この説に従えば、その選手はずっとテストを受け続けなければならないことになりそうだ。一流の雑誌である「英国スポーツ医学誌」の或る研究によれば、 「性転換して女性になった人はテストステロンを抑制する措置を取ってから1年経っても、生まれつき女性である人と比べて、平均9%走る速度が速いことがわかった。なおこのテストステロン抑制措置は、国際陸上競技連盟が、性転換者が女性種目に出場する際に推奨している」とのことだ。

 発達生物学者であり、大学講師でもあるエマ・ヒルトン氏はこう明言している。「性転換してから5年たち、かなり前に睾丸を除去した[性転換して女性になった]人も、生まれつきの女性と比べれば、筋肉量はずっと多いし、力もずっと強いままだ」と。 [注:睾丸の除去は以前とは違い、今は国際オリンピック委員会から要求されていない。除去せずとも、テストステロンホルモンの量が規定値以内に抑制されていれば良いことになっている]

 ハバードを女性競技に入れることを認めたことで、どれくらいのファンがオリンピックに背を向けたかは分からないが、少なくとも落胆した米国民がここに1人いる。私は、今年のオリンピックは見ないことにした。今年というか、この先ずっと・・の可能性もある。

 個人的な意見だが、性転換を行った人たちだけが出られる競技種目を別に設定するのがいいと思う。そうすれば生まれつきの女性が競技に参加する権利は侵害されないだろう。しかしもちろんそんな提案をすれば、「インクルーシブ(包摂)主義」 を標榜している左派たちから怒りの総攻撃を喰らうだろう。いっぽうロシアの選手団は、東京オリンピックでは自国の国旗や国歌のもとで競技することが許されなくなる状況におかれることが考えられている。それはドーピング問題に対する不必要に厳しい罰のせいだ。それなのに男性の身体能力を備えた選手が、女性種目に自由に参加できる権利を得ている。こんなことが起こるなんて、国際オリンピック委員会の内部が正常に機能していないことがはっきりと分かる。

 さて、ミス・ハバードや誰かが競技で勝ち進んだ後の式典はどうなるのだろう?過去のオリンピックと同様に、勝ち進んだ選手たちは表彰台に上り、国旗が掲揚され、国歌が鳴り響くなか、金・銀・銅メダルを授与されるだろう。 しかし今年は、コロナへの恐怖心が世界中で蔓延し、地球規模で1平方インチごとに都市封鎖措置が取られている状況なので、ソーシャル・ディスタンスを守るため、メダル授与者が勝者たちの首にメダルを掛けられなくなるだろう。その勝者たちというのは、地球上で最も健康で、最も身体能力があると認められた人々であるはずなのに。つまり今回勝者たちは、自分で自分の首にメダルを掛けざるを得なくなる、ということだ。

 国際オリンピック委員会のバッハ会長はこう語っている。「メダルは、盆の上にのせて渡され、自分でメダルを首に掛けることになります。必ず確認されるべきことは、メダルを盆の上に乗せる人は接触予防手袋を着用し、メダリストがそのメダルに触れた人が誰もいないと確信できるようにすることです」

 おそらく当然のことになるのだろうが、これまでよく見られていた、勝者たちがおどけて金メダルに齧り付いている写真を今回は目にすることはなくなるだろう。

 人との接触や、人が触ったものが激しく避けられている今の恐ろしい空気の中で、選手村に「性行為禁止ベッド」が設置されたというウワサ(後に反駁されたが)がまことしやかに伝わったのも
「さもありなん」事態だ。


Beds to be installed in Tokyo Olympic Village will be made of cardboard, this is aimed at avoiding intimacy among athletes

Beds will be able to withstand the weight of a single person to avoid situations beyond sports.

I see no problem for distance runners,even 4 of us can do😂 pic.twitter.com/J45wlxgtSo

— Paul Chelimo🇺🇸🥈🥉 (@Paulchelimo) July 17, 2021



 さて、反駁されていないもうひとつのウワサがある。それは1年延期された今回の東京オリンピックが、史上最悪のオリンピックのひとつになるのでは、というウワサだ。チケット販売の件だけ取り上げても、日本は約8億ドルの損益を出すことになる。しかしそんな損益は、ホテルや、レストランやサービス業界の損益と比べたら、屁みたいなものだ。 もちろん冷蔵庫に貼りつけるマグネットや、記念Tシャツ産業が出した損益の大きさについては、触れないでおこう。

 ただし差し迫った災害が起こりそうな最も不吉な兆候は、今週日本の代表的な自動車製造会社であるトヨタ自動車が、五輪期間中にテレビコマーシャルを流さないと発表したことだろう。 それは日本の国民がオリンピックを応援しようという気持ちに欠けていることを受けてのことだ。私には、その理由の一つに観戦を禁止したことがあると思える。 そのことでオリンピックの雰囲気が損なわれてしまってこんな負の反応が出てしまっているのではないだろうか。トヨタ以外の風見鶏のような調子の良いスポンサーたちが、オリンピックと関わりがあると思われることを恐れて、トヨタの後を追って非常口から逃げ出すことがあるかどうか、この先も注視が必要だろう。

 個人的な意見を言わせてもらえば、私は東京が世界各国からの選手団を、両手を広げて、ハグさえしそうな勢いで出迎える場面を見たかった。とんでもなく高い生存率を誇るこんなウイルスに必要以上にビビってしまって、歓迎ムードを台無しにするのではなくて・・・

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Games OVER? Tokyo chief refuses to rule out LAST-MINUTE CANCELATION of Covid-hit Olympics

 紀元前490年、マラトンの戦いの後、ピリッヒデスという名のギリシャの伝令兵が、マラトンからアテネまで、ペルシャ軍に対するギリシャ軍勝利の一報を伝えるべく走ったと言われている。ピリッヒデスは激しい走りを終えて、「おお、我が軍は勝利した!」と伝えたのち、激しい疲労感のため倒れ込み死んでしまったと言われている。 彼のこの業績は、非常な驚嘆をよぶものであった。というのもピリッヒデスは約一日で80キロもの道のりを走り切ったからだ。この故事から「マラソン」ということばが、オリンピックで行われるひとつの競技の名として、今でも使われている 。

 さて東京オリンピックが行われる今この時、世界は「勝者」になったと言えるのだろうか?近代オリンピックマラソン競技参加者は、マスクを付けて競技に参加させられるのだろうか?最終的には違った展開になるかもしれないが、 史上ずっとスポーツの定義とされてきた「英雄的行為」や「勇気」という概念が、今回はウイルスへの大きな恐怖のせいで影に追いやられている。(私に言わせれば、これは恐怖ではない。ただの臆病だ)。 こんな敗北感に包まれたベールは、オリンピックを創設した 古代ギリシャ人たちには似合わないベールだっただろう。



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