ヨーロッパを魅了し続ける中国の「一帯一路」だが、テクノクラートたちは悲鳴を上げている
<記事原文 寺島先生推薦>
China’s Belt and Road Continues to Win Over Europe While Technocrats Scream and Howl
出典:Strategic Culture 2021年4月20日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年6月6日

新しい開発モデルは、中央および東ユーラシアの国々、そしてギリシャとイタリアにもますます支持されており、絶望的な目で大西洋横断システムを見つめている世界中の市民に新たな希望をもたらしている。中国の李克強首相は、4月10日にクロアチアで完成した2.5キロメートルの中国製ペルジェサック橋の第1段階の竣工を祝い、クロアチアのアンドレイ・プレンコビッチ首相とともに祝賀式典に出席した。この式典は、特筆すべき勝利となった。なぜなら翌日には重要な16+1国家首脳会議が開催され、ギリシャが中国と協力を希望する中央および東欧諸国の新たな連合の最新メンバーとして加盟したからだ。この4月12日に開催された首脳会議で、ギリシャのアレクシス・ツィプラス首相は、「これは世界や地域の発展にとって非常に重要な瞬間であり」「我々は危機を乗り越え、地域および世界の新たな協力モデルを見つけなければならない」と述べた。

もちろん、ギリシャのこの同盟(現在は17+1 CEECと改名)への参加は、地理的な範囲を西に広げ、特にギリシャのピレウス港が中国とヨーロッパを結ぶ陸-海高速ルートの中心に位置し、一帯一路構想(BRI)における戦略的な東西貿易のヨーロッパへの玄関口であるため、非常に重要だ。国の存続は中国の一帯一路構想に頼ることだということをギリシャは痛いほどわかっている。なぜなら、緊縮政策、民営化、そして救済策といったEUの計画は、若者の雇用崩壊、犯罪率の急増、そして自殺という形で、死と絶望しかもたらしていないからだ。また、以下のことは誰にもわかる。つまり、ギリシャの参加は、イタリアが3月26日、イタリアが一帯一路構想に参加した直後であり、4月末に北京で行われる第2回一帯一路サミット(すでに一帯一路構想とMOU基本合意を締結した126以上の国と、数千の国際企業が参加する予定)の前触れになっていることを、だ。

17+1サミットの前に、クロアチアと中国の間で10件の追加の一帯一路関連協定が締結された。これには、鉄道路線の近代化(特にザグレブからアドリア海のリエカ港まで)、ファーウェイ社とクロアチアのテレコム社との通信協力、そして主要な港湾、道路、港湾、教育および文化の協力が含まれている。
ツィプラスが的確に指摘したように、一帯一路構想は単なる西側の覇権に対抗するためのもう一つのインフラ建設計画ではなく、むしろ「相互の発展と長期的な考え方に基づく地域および世界の協力の新しいモデル」だ。これはフランクリン・ルーズベルトの死後とそれに続く英米闇国家の権力掌握以来、西側で見られなかった原則に基づいている。
中国が2018年5月にロシア主導のユーラシア経済連合と経済・貿易協力協定を正式に締結した事実は非常に重要だ。この協定により、ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、そしてキルギスの5つの加盟国が一帯一路に直接組み込まれた。中国は既にユーラシア経済連合(EEU)において、一帯一路に関連する168のプロジェクトを含む実体経済に980億ドルを投資している。
新しい開発のモデルは、中央および東ユーラシアの国々、そしてギリシャとイタリアにますます支持されており、絶望的な目で大西洋横断システムを見つめている世界中の市民に新たな希望をもたらしている。大西洋横断システムはただ従順さを要求するだけであり、非効率なルールによる緊縮政策、ハイパーインフレを引き起こす銀行業務の実践、そして実体経済への長期的な投資の不在しかない。したがって、この新たな枠組みに対する過去数日間のBRIへのテクノクラート(技術官僚)たちの反対の動きは、既に失敗しているシステムを救おうとする愚かな試みとしか見なされていない。
テクノクラートたちは、自分たちの新世界無秩序を防衛している
BRIおよびその表看板になっている新しいウィンウィンの運営システムに対する最近の2つの対抗作戦については言及する価値がある。まず、4月11日に発表されたアメリカの海外民間投資公社(OPIC)、カナダの金融開発機構(FinDev Canada)、および欧州連合の15か国との三国同盟の形成が挙げられる。もう一つの対抗作戦は、数日前のG7会合でカナダ‐ドイツ‐フランス‐日本によって形成された「多国間主義のための同盟」だ。
OPICの社長代行兼CEOであるデイビッド・ボヒギアン(中央)が、FinDev Canadaの最高経営責任者であるポール・ラモンターニュ(右)および欧州開発金融機関(EDFI)の議長であるナンノ・クライテルプ(左)との間で覚書に署名した。
OPICは1971年に設立されたが、それをBRIに対する転覆力として活用しようとする狙いは2018年7月30日に確立された。つまり、その日、日本とオーストラリアとの間で三国同盟が形成され、太平洋地域のインフラに資金を提供することが正式に決定されたのだ。さらに、2019年4月11日には、カナダのポール・ラモンターニュ(FinDev Canadaの責任者)、EDFI(欧州開発金融機関)のナンノ・クライテルプ、そしてOPICのデイビッド・ボヒギアン社長が新たな合意に署名し、並行したインフラの資金調達メカニズムを創設した。中国に向けられた記者発表では、この同盟は「参加者間の取引、運営、および政策に関する協力を強化することになり、持続不能な国家主導モデル(中国)に対する堅固な代替手段を提供することを最優先している」と述べられている。
この署名の際、ボヒギアンは「私たちは開発金融がどのように機能すべきかの例を世界に示そうとしています」と述べ、明らかに中国の「無能」な開発金融の概念を攻撃したが、そうすることで中国の投資手法が8億人以上の貧困から直接救った事実を無視することになった。ボヒギアンが明らかに望んでいたのは、50年間のIMF-世界銀行の支配によって広まった膨大な借金奴隷制と混乱を世界が目をつぶってくれることだった。IMF-世界銀行の支配は、国家の実質的な成長を何ひとつ生み出してはいなかったのだ。アメリカのBUILD法は、OPICへの米国政府の資金を1年間で290億ドルから600億ドルに増加させたが、開発のための真剣な統合設計は提示されず、せいぜい笑いのネタになっただけだった。
BRI(一帯一路)に対する反対活動として他に言及されているのは、ドイツ・フランス・日本・カナダの「多国間主義連合」だ。カナダの外相であるクリスティア・フリーランドはフランスでの記者会見で、「カナダは正式にドイツ・フランス連合に加わり、さまざまな世界の独裁者や専制主義者による国際的な世界秩序の破壊から世界を救おうとしています」と述べた。フリーランドはここでトランプの名前は挙げなかったが、フランスのカナダ大使であるカリン・リスパルはより率直に、「トランプ氏は多国間主義を重視しない傾向にあります」と述べた。彼はCOP21からの離脱やWTO、国連、そしてNATOへの批判を引用し、カリン・リスパルは、さらに「トランプ氏が多国間主義に賛成でないからと言って、私たち(カナダ、フランス、ドイツ、そして他の多くの国々)がまだしっかりした信念を持っていないということではありません」と続けた。
この「多国間主義連合」が具体的に何であるのか、の答えはまだ出されていない。実際の政策が示されていないからだ。煙幕を取り去ってみれば、それはただの烏合の衆であり、プーチン、習近平、トランプなど「悪い人々」に向かって喚き散らしているだけのことしかやっていないように思う。彼らはグリーン・ニューディールやテクノクラート独裁の下で集団自殺を望まない人々に対して喚き散らしているのだ。
ドイツからの4月10日のウェブキャストで、シラー研究所の会長であるヘルガ・ツェップ=ラルーシュは、次のような適切な意見を述べた。「地政学は捨てなければならず、新しいシルクロードはアフリカの産業化、中東情勢の解決、アメリカ、ロシア、そして中国の間のまともな労働状況の確立のための手段です。そして、それこそ、私たちがヨーロッパに求めるものです。そして、それを実現する最良の方法は、ヨーロッパ全体が一帯一路イニシアティブと覚書を締結することです。そうすれば、世界平和を安定化させ、世界を異なる地平に導くために、これしかない最重要なこととなるでしょう」。
ロシアと中国が主導する新たな連合国が、主権、自己発展、そして「一帯一路」構想の枠組みの下での長期的な信用創出の原則を守るために戦っていることにより、巨大な希望が現れた。その中で、ロンドンとウォール街というタイタニック船が歴史の氷の水にますます速く沈み続けている状況がある。
China’s Belt and Road Continues to Win Over Europe While Technocrats Scream and Howl
出典:Strategic Culture 2021年4月20日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年6月6日

新しい開発モデルは、中央および東ユーラシアの国々、そしてギリシャとイタリアにもますます支持されており、絶望的な目で大西洋横断システムを見つめている世界中の市民に新たな希望をもたらしている。中国の李克強首相は、4月10日にクロアチアで完成した2.5キロメートルの中国製ペルジェサック橋の第1段階の竣工を祝い、クロアチアのアンドレイ・プレンコビッチ首相とともに祝賀式典に出席した。この式典は、特筆すべき勝利となった。なぜなら翌日には重要な16+1国家首脳会議が開催され、ギリシャが中国と協力を希望する中央および東欧諸国の新たな連合の最新メンバーとして加盟したからだ。この4月12日に開催された首脳会議で、ギリシャのアレクシス・ツィプラス首相は、「これは世界や地域の発展にとって非常に重要な瞬間であり」「我々は危機を乗り越え、地域および世界の新たな協力モデルを見つけなければならない」と述べた。

もちろん、ギリシャのこの同盟(現在は17+1 CEECと改名)への参加は、地理的な範囲を西に広げ、特にギリシャのピレウス港が中国とヨーロッパを結ぶ陸-海高速ルートの中心に位置し、一帯一路構想(BRI)における戦略的な東西貿易のヨーロッパへの玄関口であるため、非常に重要だ。国の存続は中国の一帯一路構想に頼ることだということをギリシャは痛いほどわかっている。なぜなら、緊縮政策、民営化、そして救済策といったEUの計画は、若者の雇用崩壊、犯罪率の急増、そして自殺という形で、死と絶望しかもたらしていないからだ。また、以下のことは誰にもわかる。つまり、ギリシャの参加は、イタリアが3月26日、イタリアが一帯一路構想に参加した直後であり、4月末に北京で行われる第2回一帯一路サミット(すでに一帯一路構想とMOU基本合意を締結した126以上の国と、数千の国際企業が参加する予定)の前触れになっていることを、だ。

17+1サミットの前に、クロアチアと中国の間で10件の追加の一帯一路関連協定が締結された。これには、鉄道路線の近代化(特にザグレブからアドリア海のリエカ港まで)、ファーウェイ社とクロアチアのテレコム社との通信協力、そして主要な港湾、道路、港湾、教育および文化の協力が含まれている。
ツィプラスが的確に指摘したように、一帯一路構想は単なる西側の覇権に対抗するためのもう一つのインフラ建設計画ではなく、むしろ「相互の発展と長期的な考え方に基づく地域および世界の協力の新しいモデル」だ。これはフランクリン・ルーズベルトの死後とそれに続く英米闇国家の権力掌握以来、西側で見られなかった原則に基づいている。
中国が2018年5月にロシア主導のユーラシア経済連合と経済・貿易協力協定を正式に締結した事実は非常に重要だ。この協定により、ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、そしてキルギスの5つの加盟国が一帯一路に直接組み込まれた。中国は既にユーラシア経済連合(EEU)において、一帯一路に関連する168のプロジェクトを含む実体経済に980億ドルを投資している。
新しい開発のモデルは、中央および東ユーラシアの国々、そしてギリシャとイタリアにますます支持されており、絶望的な目で大西洋横断システムを見つめている世界中の市民に新たな希望をもたらしている。大西洋横断システムはただ従順さを要求するだけであり、非効率なルールによる緊縮政策、ハイパーインフレを引き起こす銀行業務の実践、そして実体経済への長期的な投資の不在しかない。したがって、この新たな枠組みに対する過去数日間のBRIへのテクノクラート(技術官僚)たちの反対の動きは、既に失敗しているシステムを救おうとする愚かな試みとしか見なされていない。
テクノクラートたちは、自分たちの新世界無秩序を防衛している
BRIおよびその表看板になっている新しいウィンウィンの運営システムに対する最近の2つの対抗作戦については言及する価値がある。まず、4月11日に発表されたアメリカの海外民間投資公社(OPIC)、カナダの金融開発機構(FinDev Canada)、および欧州連合の15か国との三国同盟の形成が挙げられる。もう一つの対抗作戦は、数日前のG7会合でカナダ‐ドイツ‐フランス‐日本によって形成された「多国間主義のための同盟」だ。
OPICの社長代行兼CEOであるデイビッド・ボヒギアン(中央)が、FinDev Canadaの最高経営責任者であるポール・ラモンターニュ(右)および欧州開発金融機関(EDFI)の議長であるナンノ・クライテルプ(左)との間で覚書に署名した。
OPICは1971年に設立されたが、それをBRIに対する転覆力として活用しようとする狙いは2018年7月30日に確立された。つまり、その日、日本とオーストラリアとの間で三国同盟が形成され、太平洋地域のインフラに資金を提供することが正式に決定されたのだ。さらに、2019年4月11日には、カナダのポール・ラモンターニュ(FinDev Canadaの責任者)、EDFI(欧州開発金融機関)のナンノ・クライテルプ、そしてOPICのデイビッド・ボヒギアン社長が新たな合意に署名し、並行したインフラの資金調達メカニズムを創設した。中国に向けられた記者発表では、この同盟は「参加者間の取引、運営、および政策に関する協力を強化することになり、持続不能な国家主導モデル(中国)に対する堅固な代替手段を提供することを最優先している」と述べられている。
この署名の際、ボヒギアンは「私たちは開発金融がどのように機能すべきかの例を世界に示そうとしています」と述べ、明らかに中国の「無能」な開発金融の概念を攻撃したが、そうすることで中国の投資手法が8億人以上の貧困から直接救った事実を無視することになった。ボヒギアンが明らかに望んでいたのは、50年間のIMF-世界銀行の支配によって広まった膨大な借金奴隷制と混乱を世界が目をつぶってくれることだった。IMF-世界銀行の支配は、国家の実質的な成長を何ひとつ生み出してはいなかったのだ。アメリカのBUILD法は、OPICへの米国政府の資金を1年間で290億ドルから600億ドルに増加させたが、開発のための真剣な統合設計は提示されず、せいぜい笑いのネタになっただけだった。
BRI(一帯一路)に対する反対活動として他に言及されているのは、ドイツ・フランス・日本・カナダの「多国間主義連合」だ。カナダの外相であるクリスティア・フリーランドはフランスでの記者会見で、「カナダは正式にドイツ・フランス連合に加わり、さまざまな世界の独裁者や専制主義者による国際的な世界秩序の破壊から世界を救おうとしています」と述べた。フリーランドはここでトランプの名前は挙げなかったが、フランスのカナダ大使であるカリン・リスパルはより率直に、「トランプ氏は多国間主義を重視しない傾向にあります」と述べた。彼はCOP21からの離脱やWTO、国連、そしてNATOへの批判を引用し、カリン・リスパルは、さらに「トランプ氏が多国間主義に賛成でないからと言って、私たち(カナダ、フランス、ドイツ、そして他の多くの国々)がまだしっかりした信念を持っていないということではありません」と続けた。
この「多国間主義連合」が具体的に何であるのか、の答えはまだ出されていない。実際の政策が示されていないからだ。煙幕を取り去ってみれば、それはただの烏合の衆であり、プーチン、習近平、トランプなど「悪い人々」に向かって喚き散らしているだけのことしかやっていないように思う。彼らはグリーン・ニューディールやテクノクラート独裁の下で集団自殺を望まない人々に対して喚き散らしているのだ。
ドイツからの4月10日のウェブキャストで、シラー研究所の会長であるヘルガ・ツェップ=ラルーシュは、次のような適切な意見を述べた。「地政学は捨てなければならず、新しいシルクロードはアフリカの産業化、中東情勢の解決、アメリカ、ロシア、そして中国の間のまともな労働状況の確立のための手段です。そして、それこそ、私たちがヨーロッパに求めるものです。そして、それを実現する最良の方法は、ヨーロッパ全体が一帯一路イニシアティブと覚書を締結することです。そうすれば、世界平和を安定化させ、世界を異なる地平に導くために、これしかない最重要なこととなるでしょう」。
ロシアと中国が主導する新たな連合国が、主権、自己発展、そして「一帯一路」構想の枠組みの下での長期的な信用創出の原則を守るために戦っていることにより、巨大な希望が現れた。その中で、ロンドンとウォール街というタイタニック船が歴史の氷の水にますます速く沈み続けている状況がある。
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