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米国はこれまでどのように細菌兵器を開発、製造、使用してきたか(2) 原題:細菌兵器の地政学的配備

<記事原文>The Geopolitical Deployment of Biological Weapons
By Larry Romanoff
Global Reaserch, February 10, 2020
https://www.globalresearch.ca/the-geopolitical-deployment-of-biological-weapons/5703005

現在、グローバルリサーチの原文はみつかりません。もとの英文をご覧になりたい方は、以下を参照してください。

https://nationandstate.com/2020/02/16/the-geopolitics-of-biological-weapons-part-2-efficiency-deployment/

<記事翻訳 山田昇司・寺島美紀子>


 
 通常戦と同様に、軍事基地、攻撃兵器および運搬システムを潜在的な敵にできるだけ物理的に近い場所に配置することによって、細菌戦の開始がかなり容易になることは明らかである。これが、米国がおよそ1,000カ所も米軍基地を海外に設置している理由のひとつである。そうして米軍は世界のどこでも30分以内に敵を攻撃できる能力を確保している。同様の戦略が細菌戦にも適用されることは明らかである。ただ、米軍はこれらの研究所の多くを外国では「健康・安全保障インフラ」と婉曲的に定義している。

 これらの外国の細菌施設の多くが「極秘(最高機密)」として分類されていることを知るのは恐ろしいことである。それらが建設されている国の地方自治体でさえ、知識や管理の範囲を超えているからである。また、エボラ出血熱の発生はすべて、アフリカにあるこれらの有名な(極秘の)米国細菌兵器研究所のすぐ近くで発生したことを知ると恐ろしい。

 数年前、米国の科学者が、1918年に約5000万人の死者を出したスペイン風邪ウイルスを再現したときには大きな恐怖が走った。彼らはこれに成功するまでに9年間を費やし、今では大量のこのウイルスがジョージア州アトランタにある高セキュリティの政府研究施設に保管されている。最近では、科学者たちは致死性の高いH5N1鳥インフルエンザウイルスの変異型超株を作り出した。このウイルスは人に直接感染し、少なくとも50%の死亡率があった。パンデミックになれば数億人が死亡する可能性があるので2005年には世界中に恐怖が広がった。

 2013年半、世界で最も著名な科学者50人以上が、ロッテルダムのエラスムス医療センターのロン・フーシェ博士らの研究を厳しく批判した。彼らが人間にとってはるかに危険なH5N1鳥インフルエンザウイルスの変異品種を開発してきたからだ。科学者たちは、この研究はウイルスが人間の間で完全に伝染するように設計されており、明らかに民間と軍事の両方の機能を持っていると批判した。この遺伝子操作されたインフルエンザは世界人口の半数を死亡させることもできる。意図的に死亡させるのだ。米軍はこの研究に4億ドル以上の資金を提供していた。


朝鮮戦争

 朝鮮戦争の間、そして戦後、中国は、米軍が中国と北朝鮮の両方に対して細菌兵器を使用しているというかなりの数の証拠を提出した。25人以上の米兵捕虜が中国の主張を支持し、中国北東部全域と北朝鮮のほぼ全域に、炭疽菌、黄熱病を媒介する蚊やノミなどの昆虫、さらにはコレラ菌を染みこませた宣伝ビラまでばらまかれていたということを、非常に詳細に裏づける証拠を提供した。米政府は直ちに、これらの違法行為を内部告発した兵士たちを反政府的煽動行為の罪で起訴して黙らせるように大きな圧力をかけ、彼らの弁護士たちには罪名を示さずに報復すると脅すことすらした。捕虜となった元兵士たちを黙らせるようとする必死の試みとして、米軍は最後にはCIAに頼んで、最近発見された「メトラゾール」という危険な薬を使った長期治療を彼らに施し、朝鮮での活動の記憶を完全に消し去ろうとした。兵士たちがその過程で精神を破壊されたことは明白だ。

 
 Grobal Researchは2015年9月7日、デイビット・スワンソンによる記事を発表した。この記事は、北朝鮮に腺ペストを氾濫させようとした米国の試みについて、いくつかの詳細な情報を提供した。この記事は次のような文で始まる。「これは約63年前に起きたことだが、米国政府は嘘をつくのを止めていないし、一般的には米国外でしか知られていないので、私はこれをニュースとして扱うつもりだ」と。

 すべての点で正しい。カーティス・ルメイが北朝鮮のほぼすべての家を爆撃して北朝鮮の民間人全員を絶滅させようと真剣に取り組んだだけではなく、米国人が北朝鮮と中国の両方に炭疽菌やコレラ、脳炎、腺ペストを媒介する昆虫や物体を投下したことを示す、議論の余地のない証拠がある。その数は膨大で、今なお新たなものが出てきている。(26)

 それから2012年9月10日のことだが、ロサンゼルス・タイムズ紙は、医師たちが「ハンタ菌の謎を今なお解明しようとしている」という話題を取り上げた記事を掲載した。このウイルスは致死性の高い病原体で1993年に米国で初めて確認されてから20年が経とうとしていた。(101) そのときウイルスは先住民インディアンだけを攻撃したように見えた。感染がユタ、アリゾナ、ニューメキシコ、コロラドの4州に集中していたからだ。彼らは突然、呼吸器系の問題を発症し、数時間以内に死亡することがよく起こった。彼らの大半はある日「気分がすぐれない」と訴え、次の日には死亡した。原因はよくわからず謎めいた病原体のせいではないかと思われた。ところが、「幸運な手掛かり」がテレビ画面から得られた。テレビである医師が「この症状は1950年代に韓国で米軍がウイルスを使用するのを見ていたときに起こった現象と非常に似ている」と語ったからだ。検査の結果、その原因は当時、韓国軍を襲ったハンタ菌の変種がであることが明らかになった。(27)

 そのウイルスは当時も注目を集めていた。というのも、米軍の一部が韓国で偶然それに感染し、大半の兵士が急死したからだ。当時の公開報告から消された2つの事実がある。ひとつは、このウイルスは北朝鮮人と中国人をより多く攻撃したこと、ふたつめは、このハンタ菌はアメリカ人が石井四郎軍医と彼の731部隊からから受け継いだ細菌兵器庫にあったウイルスの1つだったということである。日本はウイルス研究では米国や西側の同盟国よりも何年も先を行っており、1930年代後半までに致死性ハンタ菌を分離していた。多くの証言によると、それは日本人によって中国で使われ、その後、米国人によって中国と北朝鮮に対して使われた。この兵器化された材料の一部は貯蔵庫から漏れ出て、米国と韓国の兵士も自分自身の悪行の報いを受けたということだ。


米国の対キューバ細菌戦争

 よく知られている(米国外で)米国が行った細菌兵器プログラムのひとつは、キューバへの数十年に及ぶ大規模な攻勢である。その期間の長さは注目に値する。米軍とCIAはこの細菌攻撃を非常に頻繁に行ったので、首都ハバナには、この小国に対する長年の細菌戦争の実質的な証拠を提供する博物館があるほどだ。ジェフリ・セント・クレア氏はこれらの出来事のいくつかをある記事(2013年)で次のように述べている。:(28)

 「西半球で最初にアフリカ豚コレラの症例が記録されたのは1971年のキューバだった。50万頭以上の豚が死亡した。キューバは米国がそのウイルスを国内に持ち込んだと非難した。後にCIA工作員は、自分がパナマにいた亡命キューバ人にウイルスを届け、その亡命者がキューバに運んだことを認めた。そのニュースは公開されたが、米国のメディアはそれを無視した。1981年、フィデル・カストロはキューバでのデング熱の発生はCIAの仕業だと非難した。発熱により88人の子供を含む188人が死亡した。1988年、エドゥアルド・アロセナという亡命キューバ人指導者は、1980年にいくつかの細菌をキューバに持ち込んだことを認めた。ジャガイモ、ヤシの木や他の作物を殺す昆虫であるアザミウマが発生したこともあった。アザミウマは1996年12月12日にキューバに初めて現れ、その後は米国政府の散布飛行機が島上空を低空飛行したときに見つかった。米国は国連による事件の調査をもみ消すことができた。」

 これはキューバに対する米国の細菌攻撃のほんの一部である。1979年にワシントンポスト紙は、キューバ農業に対してCIAの細菌戦部門が行ってきた、米国の細菌戦プログラムに関する報告を発表した。その攻撃は少なくとも1962年以降ずっと行われてきた。そして1980年には、米国はロシア系民族を標的とする細菌種を発見したと考え、「ソビエトに対して使用される細菌をキューバに運ぶ」という任務を帯びた船をフロリダからキューバに出した。そして最近では、1996年と1997年に、キューバ政府は米国が非合法の「偵察飛行」中にキューバの作物に病原菌を散布するという細菌戦争を再び行ったとして非難した。また、キューバのミサイル危機のときは、米国がキューバでの使用を想定して大量の化学兵器と生物兵器を軍用機に搭載していたことも明確な報道があった。

 アメリカの細菌戦争への取り組みはキューバだけでなく、中南米では少なくとも他のいくつかの国でも開始され、何種類ものウイルス性病原体、癌、化学物質が関与している。セント・クレア氏は、先述の記事でニカラグアの首都マナグアで発生したデング熱の発生にも言及し「約5万人が重症化し、多くの人が死亡した。細菌攻撃はサンディニスタ政府に対するCIAの戦争中に実行され、感染爆発はアメリカ人がマナグアで行った一連の低空「偵察飛行」の直後に起こった」と書いている。

 米国メディアは情報漏洩がないように腐心しているのだが、それにもかかわらず、米軍がハイチをある種の「年中が解禁日」の生物学実験場としていることはいくつかの情報筋から判断して間違いない。ハイチ住民は想像できるほとんど全ての実験でその対象物にされている。さらに非難されるべきことは「ボート・ピープル」になるという間違いを犯したハイチ人への処遇である。「ボート・ピープル」とはハイチにある米国病理学研究所から逃れて小型ボートで米国に流れ着く難民である。米国政府は彼らのほとんどをモルモットや実験用ネズミの代用とするためにプエルトリコに移送する。彼らはそこで米国議会やメディアの視野から消えてしまうので、複数の報告によれば、強制収容所に入れられて母国ハイチではできないあらゆる「科学的試験」の材料とされる。最近の1980年のある事例では、この収容所にいる何百人ものハイチ人男性は米軍の医師によって未知のホルモンを繰り返し注射され、女性のような乳房を持つようになった。古い記録を見ると、ハイチ人男性が同様の実験をフロリダにある公的立入り禁止の軍事基地でも受けていることがわかる。

 キューバだけでなく、南米諸国の指導者の間でほとんど同時に癌が発生するという奇妙な事例があり、偶然にも、それぞれの場合において、米国が嫌悪し、他のいくつかの手段によって殺害されかかった国家指導者が感染するのである。例えば、ベネズエラの大統領であるフーゴ・チャベス、アルゼンチンの大統領であるクリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネ、ブラジルの大統領のディルマ・ルセフ、パラグアイのフェルナンド・ルーゴ、そしてブラジルの元大統領である。これらの癌についてブラジルの元大統領ルラはインタビューでこう語っている。

 「確率の法則を適用しても、ラテン・アメリカの一部の指導者に起こっていることを説明することは非常に困難です。それは少なくとも奇妙です。いや、それどころか明らかに奇妙です。」


第二次大戦のときにあった細菌戦に関する日米の秘密取引

 1932年に日本軍が中国東北部に侵攻したとき、石井四郎軍医(当時は陸軍中将)は悪名高い細菌兵器実験を開始した。実験はハルビン近郊の地区にあった防疫給水部の施設内で行われた。これは後に「731部隊」として知られるようになる。。彼はマスタードガスなどの有毒ガスから始め、その後、航空機を使って腺ペストで汚染された綿やもみ殻を中国中部の各地に散布した。彼の部隊は日本の占領に抵抗している中国人を集め、生きたままの生体解剖を含めて残虐な医療実験を無制限に行った。ニューヨークタイムズは、ある日本人医師がそこでの体験を語った一例を報告している。

 「私は胸から腹まで切開しました。彼はものすごい叫び声をあげて、苦しそうに顔を歪めていました。彼は想像も絶するような大声を立てて、とても恐ろしく叫んでいました。しかし、ついに彼の息は止まった。これが私たち外科医の日課でした。こんな経験は初めてだったので、本当に印象に残っています。(29)

 石井と彼の部下は、最初は炭疽菌、コレラ菌、腸チフス菌、破傷風菌、赤痢菌、梅毒菌、腺ペスト菌などの病原体を患者に感染させ、次に、その患者がまだ生きているうちに解剖・分析し、最後には死体を火葬した。米軍医総監部の推定によると、このようにして58万人の中国人が殺害された。日本で最も優秀な医師たちによる残虐行為であった。(30)

 戦争が終わって、日本の敗戦が明らかになり、中国からの退避が必要となったとき、石井は拘留されていた中国人全員の殺害とその遺体の焼却を命じた。それから人体実験の痕跡をすべて隠すために731施設全体を爆薬で破壊した。当時の在日連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサー元帥は、石井と731部隊の全幹部と密約を結び、米軍の研究のために細菌戦や生体解剖に関するすべての記録を米軍に譲渡させ、その見返りに、彼らの行為が存在したことを示す全ての証拠を完全に隠蔽し、彼らが戦争犯罪の訴追を免れることを約束した。(31)

 石井は1万ページを超える「研究成果」を一挙に米軍に渡し、その後、米国は日本の歴史書を書き直した。日本人による中国での大量虐殺が、日本だけでなく世界でも知られていないのはそのためだ。米軍はそうやって歴史を改ざんし、一方で化学・生物兵器や人体実験の方法に関する専門知識と手法をたくさん手に入れた。それは後に、朝鮮やベトナム、さらには中南米、それどころか米国民にも広く適用されることになった。

 1947年5月6日、マッカーサーはワシントンに次のように書き送った。「追加のデータ、石井からのいくつかの証言は、情報が諜報チャンネルで保持されて「戦争犯罪」の証拠として使用されることはないと関係する日本人に知らせることでおそらく得られるであろう」。731部隊ではロシア人に対しても同じことを行っていたので、生物学的犯罪でソ連軍に逮捕され、1949年のハバロフスク戦争犯罪裁判にかけられた日本人もいたが、米国は自分たちの活動を隠蔽するために、日本人生存者の証言とロシアの戦争犯罪裁判のすべてを「共産主義者のプロパガンダ」として却下した。(32)(33)

 米国政府と軍は、石井と彼の部下を起訴から完全に免責しただけでなく、彼ら全員を米国に連れて行き、米国の軍事基地に密かに駐留させ米軍からの給与を与えていた。石井は長年にわたりフォートデトリックにある米軍の細菌兵器学校で何度も客員講師を務め、数十年後にはメリーランド大学で生物学研究の教授および監督者として高収入のポストを与えられた。米軍は、1995年になってようやく、細菌戦争と人体実験に関する研究と引き換えに、これらの日本の医師や医学者に免責特権、秘密の身分、高給の仕事を提供したことを認めた。またこれらの人々は米国政府の「秘密プロジェクト」への協力を求められて、米軍だけでなく、CDC、米国国務省、軍事情報機関、CIA、および米国農業省にも採用された。

終章

 細菌戦争の実験のごく初期から、米国の政治家や軍事指導者、CIAの幹部は癌に罹患させる方法を開発することに興味があることを隠そうとはしなかった。彼らはそれを自分たちが気に入らない他国の国家指導者を殺害する方法のひとつとして考えていたからだ。だからこの方法を全くあり得ないこととして否定することはできない。他の国々の約150人の政治指導者を暗殺したという米国の記録もこの主張の正しさを証明するだろう。

 「細菌兵器の魅力は、非常に効率的な大量殺戮が可能なだけでなく、銃撃戦争と比較してかなり費用対効果が高いことだ。同様に、遺伝子兵器はウイルスに感染した昆虫やバクテリアを使ったり、GM種子に組み入れたりと、さまざまな方法で分散させることができる。これらの兵器は検出および特定が困難であり、治療法やワクチンの開発には何年もかかることが多い。」

 製薬業界の内部告発者として著名なレナード・ホロウィッツ博士は、ある専門家の話を引用して、細菌兵器攻撃は計画されていると述べている。

 「自然発生のように見せるために、精妙な手際のよさでやるわけです。そうすると、相手国は対応が遅れ、意思決定もできない思考停止の状態に追い込まれます。細菌兵器テロの疑いがあっても、それを証明するのは困難です。反証するのも同様に難しい。物理的な武器の移動経路は追跡することができますが、昆虫に由来するウイルスの起源を追跡することはほとんど不可能です。」

 別の著者は、感染性細菌の放出が適切な手順で行われたときは、診断と治療は難しくなるだろうと指摘し、さらにこの種の細菌戦争はその起源を辿ることができず、「神の行為」と見なされる可能性があると述べている。

 最近発生した多くの病気は、細菌兵器が使われた可能性があると考えられている。エイズ、SARS、MERS、鳥インフルエンザ、豚インフルエンザ、ハンタウイルス、ライム病、西ナイルウイルス、エボラ出血熱、ポリオ(シリア)、口蹄疫、湾岸戦争症候群、ジカ熱などがそれである。

 西側のマスメディアはこれらすべてを無視し、歴史のこの部分全体を検閲で削除した。その情報はインターネット上でも削り取られ、GoogleとBingで真実を見つけることはもはやできない。繰り返しになるが、言論の自由は誰がマイクを握っているかに完全に依存している。

Notes

(26) https://www.globalresearch.ca/u-s-drops-fleas-with-bubonic-plague-on-north-korea/5474089
(27) https://www.latimes.com/archives/la-xpm-2012-sep-10-la-me-hantavirus-mystery-20120911-story.html
(28) https://www.counterpunch.org/2013/09/03/germ-war-the-us-record-2/
(29) https://www.nytimes.com/1995/03/18/opinion/the-crimes-of-unit-731.html
(30) https://www.cs.amedd.army.mil/borden/Portlet.aspx?ID=66cffe45-c1b8-4453-91e0-9275007fd157
(31)https://ahrp.org/conspiracy-of-denial-complicity-of-u-s-government-in-japans-fabricated-history-decades-of-willful-national-amnesia/
(32) https://medium.com/@jeff_kaye/department-of-justice-official-releases-letter-admitting-u-s-amnesty-of-unit-731-war-criminals-9b7da41d8982
(33)
https://www.latimes.com/archives/la-xpm-1988-12-18-me-1014-story.html
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米国はこれまでどのように細菌兵器を開発、製造、使用してきたか(1)原題:生物兵器:時宜を得た役立つ事実の概要

<記事原文>
Biological Weapons : A Useful and Timely Factual Overview
By Larry Romanoff
Global Reaserch, February 07, 2020
<記事翻訳 山田昇司 寺島美紀子>
2020年5月7日


 米国政府とその多くの機関、教育・保健機関は、何十年にもわたって細菌戦に関する集中的な研究をおこなってきたが、多くの場合、人種に標的を絞った病原菌に強く焦点を当ててきた。
  
 米国議会への報告の中で、国防総省は、人工的に細菌兵器をつくるプログラムには、致死性のないウイルスを改造して致死性のものにすることや、治療やワクチン接種ができないように細菌兵器の免疫を変更する遺伝子工学が含まれていることを明らかにした。その報告はまた、国防総省が当時、数十の米国の大学を含むおよそ130の細菌兵器研究施設を運営していたこと、また国外には、米国議会や裁判所の管轄外にある施設が多数あることも認めている。

 このことは長いあいだ秘密ではなかった。国防総省の細菌戦委員会による1948年の機密報告書では主な利点は次のように述べられていた。

 「銃や爆弾であれば意図的な攻撃がおこなわれたことをだれも疑わない。しかし...伝染病が混雑した都市全体を襲った場合は、そこで細菌戦が仕掛けられているのかどうかを、況んやだれが細菌戦を仕掛けているのかを知る術は全くない。」うまく行けば、ほんの少量の病原菌で「標的とした対象地域内の人口のかなりの部分が殺されたり、無力化されたりする可能性がある」とも述べている。(1)(2)

 1956年の米陸軍の操作マニュアルには、生物化学戦争は米軍戦略の不可欠な運用部分であり、いかなる方法でも制限されておらず、議会はその使用に関して軍に「先制攻撃」権限を与えていたと明確に述べられている。1959年、議会は、軍が有したこの先制攻撃権限を削除しようしたが、ホワイトハウスによって拒まれた。その後、生物化学兵器への支出は7500万ドルから3億5,000万ドルにまで増加した。これは1960年代初頭においては莫大な金額であった。(3)

 
 
 米国防長官ロバート・マクナマラ(上の画像)は1960年代に150個の極秘細菌兵器プログラムを実行した。細菌兵器の実験が実施され、住民には何も知らせずに実地試験があった。試験は外国で行われることもあったが、大半はアメリカ市民に対して行われた。マクナマラ米国防長官は統合参謀本部に対して、この細菌兵器を敵国に対して「可能な限りすべてに適用する」ことを、総合的な「生化学的兵器の抑止力」に関する一貫した計画において検討することを命じた。その計画にはコストの見積もりや「国際的な政治的影響評価」も含まれていた。(4)(5)

 2000年にはアメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)(6)(7)が「米国防衛の再建」と題した報告書を作成した。そこには国益のためには過激で好戦的な右翼的政策をとるという野望が書き込まれていた。新世紀プロジェクトの報告書は、それ自体を「世界的における米国の覇権を維持し、米国の原則と利益に沿った国際安全保障秩序を形成するための青写真」と呼んだ。報告書の執筆者は彼らの大量虐殺の考え方をあからさまに述べられている:

 特定人種の遺伝子を「標的にする」ことができる細菌戦の高度の形態は、細菌戦を政治的に有用なツールに変えるかもしれない。


細菌兵器研究機関



 メリーランド州フォートデトリックにある米陸軍感染症医学研究所は、細菌戦争に関する研究をおこなう軍の主要施設である。広さは8万㎡である。1980年代半ばまでに、フォートデトリックのこの細菌兵器部門には年間1億ドル近くの資金が投入されていたが、これはたくさんの部門の1つにすぎない。

 日本が中国を侵略していたとき、石井四郎軍医(731部隊)の大成功の1つは、ペストやその他の致死性病原体に感染したノミやマダニを大量生産し、民間人に散布する方法を開発したことだった。米軍はそこから昆虫を武器化する方法を学んだ。そしてライム病に感染したマダニを繁殖させて秘密のプラムアイランド細菌実験所(ニューヨーク州)から拡散した。またこれは、コレラや黄熱病に感染した蚊とノミを繁殖させて中国と北朝鮮に散布した米国のプログラムの源でもあり、米国が自国民に与えた蚊プログラムももちろんそうだ。

 この石井四郎の人体実験研究を基礎にして、米軍は昆虫学戦争施設を造り、最初は、昆虫による細菌兵器でロシアとソ連を攻撃する計画を準備していた。この施設は黄熱病に感染した蚊を1か月に1億個の生産できるように設計され、その生産物は米国の大部分の地域で誰も知らぬ間に散布された。米軍ではよくあることだが、1950年代と1960年代に始まるこれらのプロジェクトには「プロジェクトBig Buzz」や「プロジェクトBig Itch」や「Mayday作戦」のような子供じみた称号が与えられた。(8)(9)(10)しかし、実際は、数十億匹の昆虫を生産して致死性の病原体に感染させ、次にそれらを軍需品に装填して航空機またはミサイルでロシアに散布する計画の実現可能性を知るための予備実験だった。

 1981年3月の米国陸軍の報告で、執筆者の1人は「黄熱病に感染した蚊を都市に攻撃するのにどれだけ多くの(またはどれほど少ない)費用がかかるかを知れば驚くだろう。"死の費用対効果" という便利なチャートもある!」と書いている。1968年にユタ州の米軍実験施設ダグウェイの近くで起こった羊の大量死事件いわゆる、「ダグウェイ羊事件」もまた注目に値する。(11)

 1956年には米軍化学部隊が「Drop Kick作戦」(12)を行った。これは広大な地域に感染した昆虫を散布する様々な方法をテストするために立案された。東海岸のほとんどを含む米国本土のさまざまな地域で実行された。1960年代の「プロジェクトSHAD」では細菌戦に対して米軍艦がどう対応するかが検討された。その後、2000年には「プロジェクトBacchus」があった。これは炭疽菌の生産施設を外国で気づかれないように建設することができるかどうかを判断するための企画だった。もちろん同様の企画は他にもあったが、どれもこれもふざけた命名で、全て感染した昆虫や他の致命的な病原体を民間人へ散布することを検討するために設計されものであった。それらは極秘扱いだった。なぜなら、その企画は国内法に違反しており、国際法および他の国々が米国と誠実に署名した多くの兵器条約にも違反していたからだ。

 米軍にはフォートデトリックの他にも、インディアナ州ビーゴに細菌兵器工場がある。これは病原菌に特化した大規模な生産施設で1ヶ月に27万5000個のボツリヌス菌爆弾や100万個の炭疽菌爆弾が生産できた。ビーゴ工場の発酵タンクには25万ガロン(約100万リットル)は貯蔵されており、報告によれば、これは世界で飛び抜けて大きい細菌大量生産施設であった。

 この工場は最近、大きくなったのではない。ビーゴ工場は第二次世界大戦中にすでにフル操業している炭疽菌工場だった。最初の注文の1つは、1944年のウィンストン・チャーチルから発注された50万個の炭疽菌爆弾だったが、彼はこの注文を「これは第一弾の発注だ」と述べた。ビーゴ工場は、最終的には「抗生物質の製造」のために製薬会社ファイザーに引き渡され、1950年代半ばにパインブラフ兵器工場の新しい最先端の設備に取って代わられた。(13)(14)(15)

 デイリー・ニューズ紙は2005年9月24日、米陸軍が炭疽菌の大量購入を計画していることを詳述した記事を掲載した。この記事は、細菌兵器戦争の禁止、とくに軍事的乱用の防止を目的とする国際NGO「サンシャイン・プロジェクト」の責任者であるエドワード・ハモンド氏が発見した一連の契約書に関するものであり、その文書はユタ州にある米軍ダグウェイ実験施設から漏洩したものだった。その契約書は、炭疽菌の大量生産や他の細菌物質の「相当量」の生産について、様々な企業に入札を求めていた。ある契約書では、入札企業は「1,500リットルの量で(炭疽菌を)成長させる能力と意志を持たなくてはならない」、および不特定の他の細菌剤を「3,000リットル単位で生産できなければならない」と明記していた。(16)(17)

 ある国の軍隊が致死性の病原体を何百万リットルの量で生産しているなら、自国が細菌戦には従事していないと偽るのはもう止めたほうがいい。軍がこれらを「無害な」病原菌だと主張したところで何の慰めにもならない。なぜなら、(1)致死性のそれほど高くない病原菌を生産することができる施設であれば、どこでも容易に致死性のものを生産することができ、(2)「無害な」炭疽菌など存在しないからである。

 「防衛的な」生物戦プログラムと「攻撃的な」細菌兵器プログラムとの間には実質的な違いはない。何百万リットルもの炭疽菌が製造されているときに、それが正当防衛であると主張することは、たとえ愚か者であってもできないだろう。米政府説明責任局でさえ、これらのプログラムに関する1994年の報告書の中で、米軍細菌戦防衛プログラムは「多数の部門、部局、研究班、細菌情報班などを含んでいるが、それらはいかなる意味においても "防衛"とは無関係で、本質的に戦闘的で攻撃的な軍事プログラムであった」と述べている。3,000ℓも入る複数の壺で炭疽菌や他の「病原菌」の生産契約入札をしている人たちがいるにもかかわらず、米国民は「自国は細菌兵器を使ったことがない」と確信させられている。米国では人を騙すプロパガンダに満ちあふれている。公式の軍事医学教科書であってもその例外ではない。

 フォートデトリックのほかにも、米軍が細菌兵器の開発のためだけに建設した実験場や施設があり、その中には、細菌兵器の初期の実験場として造られたミシシッピー州ホーン島実験場や、米軍がそこから地域住民の半数にライム病を流失させたニューヨーク州プラム島細菌研究所がある。

 このプラム島の施設の一部は敵国の食糧供給を破壊する可能性のある致死性の病原体の開発と試験のためだけに設計されていた。米国が北朝鮮で試みた細菌戦で用いたのはこの方法だ。口蹄疫の致命的な菌株もこの研究の成果の1つである。米国人は後にこの成果を英国ポートン・ダウンにいた仲間の変質者と共有し有効活用した。さらに、「野菜破壊酸」と呼ばれるものを含む爆弾の開発・試験・製造も行われた。これは穀類や穀物、ほとんどの栽培作物を破壊することができる爆弾だった。最近の鳥インフルエンザや豚インフルエンザの流行の多くは、プラム島で開発された病原体に起因するものではないかと、私は強く疑っている。

 米軍医総監が発行した『細菌戦の医学的側面』(2007)という教科書には「アーカンソー州パインブラフに大規模な生産機関を設立した」ことが書かれており、そこには「最新の実験室...微生物の大規模発酵・濃縮・貯蔵・兵器化を可能にする方法」を特徴とする新しい施設が備わっている。

 その教科書は、また、1951年までに米国が初めて細菌兵器、対農作物爆弾、「対人」兵器を製造し、これらすべてを「兵器化・備蓄」したことも認めている。さらに、CIAが「秘密工作のためにコブラ毒とサキシトキシンを含む毒素を使って」独自に「兵器を開発した」という記述もある。ただ、情報公開されたときに、残念ながら「それらの開発と配置に関するすべての記録は1972年に破棄された」と述べている。(18)

 また米軍は性病の兵器化も試み、「グアテマラ梅毒プロジェクト」のような茶番劇を引き起こした。そのとき何千人もの人が梅毒に感染して死亡した。米軍の公式発表は、その犯罪性を認めながらも、薬をテストするという慈善目的だったという話に強くこだわっている。命を救ったはずの薬(ペニシリン)を意図的に与えられなかった何千人もの人々に対してどうしてそんなことが言えるのだろうか。(19)

 米軍は、民衆を殺害する細菌を見つけることにだけ必死になっているようではなさそうだ。彼らは国家の食料供給を破壊する方法にも等しく関心を持っている。敵国の食用植物の全体を破壊する方法を試すために、作物や植物を壊滅させる物質を放出したことが他に(少なくとも)数十回はあったと告白している。2012年、日本のメディアは、米軍が、1960年代と1970年代初頭にかけて沖縄と台湾で、作物を殺す特定DNAを持つ細菌兵器を実験したこと、また米国本土内でもこれらの兵器のいくつかを試したことを暴露した。それはベトナムでも使われた。エージェントオレンジは、言われていたような枯葉剤としてでは決してなく、ベトナムの稲作全体を破壊し、土壌を十分に汚染して再び作物が成長できないように開発されたものであった。


Notes

(1) www.nasonline.org/about-nas/history/archives/collections/cbw-1941-1948.html
(2) https://www.baltimoresun.com/news/bs-xpm-2004-08-01-0408010004-story.html
(3)https://usacac.army.mil/sites/default/files/misc/doctrine/CDG/cdg_resources/manuals/fm/fm27_10.pdf
(4)http://archive.vva.org/archive/TheVeteran/2006_03/featureSHAD.htm
(5)https://rielpolitik.com/2016/08/07/cover-up-project-shad-deception-in-open-waters
(6) https://www.loc.gov/item/lcwa00010308
(7)https://www.sourcewatch.org/index.php/Project_for_the_New_American_Century
(8)https://blackthen.com/operation-big-itch-operation-drop-kick-fleas-infected-mosquitoes-dropped-black-towns/
(9) https://military.wikia.org/wiki/Operation_Big_Itch
(10)http://self.gutenberg.org/articles/operation_may_day
(11)https://military.wikia.org/wiki/Dugway_sheep_incident(This article has many useful references)
(12)https://military.wikia.org/wiki/Operation_Drop_Kick
(13)https://www.thenation.com/article/bioterrorism-hits-home/
(14)https://libcom.org/files/Churchill%20and%20Poison%20Gas.pdf
(15)https://forum.axishistory.com/viewtopic.php?t=232989
(16)https://www.newscientist.com/article/dn8044-us-army-plans-to-bulk-buy-anthrax/
(17)https://www.newscientist.com/article/mg18725184-800-us-army-plans-to-bulk-buy-anthrax/
(18) Medical Aspects of Biological Warfare; https://repository.netecweb.org/items/show/325
(19)https://www.cbsnews.com/news/guatemala-syphilis-experiments-in-1940s-called-chillingly-egregious/

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