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EU、ロシア、中国は、イラン石油制裁を避ける計画する。新しい銀行システムが米ドル貿易を回避する

The EU, Russia, China Plan to Avert Iran Oil Sanctions: New Banking Architecture, Bypass US Dollar Trade

F.ウィリアム・エングダール
グローバル・リサーチ 2018年10月24日
(翻訳:新見明 2018年11月6日)
<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/eu-russia-china-plan-avert-iran-oil-sanctions/5657865

フェデリカ・モゲリーニは、イタリアの政治家。現欧州委員会副委員長兼欧州連合外務・安全保障政策上級代表。

トランプ政権の一方的な解体政治が、意図したものとは反対の結果をもたらしているのも当然だ。ワシントンがイラン核合意を破棄し、11月4日時点でイランと石油取引をする国々に厳しい制裁を加える決定は、EU、ロシア、中国、イラン、その他を協力させる新たな道を作っている。合法的に米ドル石油取引を避けて、アメリカの制裁を避けるために特別目的事業体(SPV)を創設すると、ブリュッセル官僚が近ごろ宣言したことは、世界経済でドル支配体制の終焉の始まりを意味しているかもしれない。

10月17日テヘランで行われたドイツ・イラン2国間協議の報告によると、イランに石油輸出させ続けるいわゆる特別目的事業体の仕組みは、その翌日に実行され始めるということだ。9月末にEU外交政策主任のフェデリカ・モゲリーニは、そのような独立した貿易ルートを作る計画を正式に認め、次のように述べた。

「どの主権国家も組織も、他国の誰かが貿易を許可するなどということを受け入れられない。」

特別目的事業体(SPV)計画は、冷戦時代アメリカの経済制裁を回避するために用いられたソ連のバーター(物々交換)システムをモデルとしていると言われている。つまりイラン石油は、お金を使わないで他の商品と交換するという方法でなされるだろう。この特別目的事業体(SPV)合意には、EU、イラン、中国、ロシアが加わると言われている。

EUから出た様々な報告によれば、新しい特別目的事業体(SPV)計画は、アメリカ財務省制裁を避けることができる複雑なバーター(物々交換)システムを含んでいる。例えば、イランは原油をフランス企業に出荷し、SPVを通して銀行のようにクレジットを集めることができる。それからそのクレジットは、逆方向に出荷された製品のイタリア製造業者に、イタリアの人手や通常の銀行システムを通した資金を使わずに、支払うこともできます。多国間のヨーロッパ諸国に支援された金融媒体が、イランとの取引に興味がある企業や、イランの取引相手との取引を扱うために設立されるだろう。どのような取引もアメリカにはわからない。そしてドルよりもユーロやイギリスポンドが用いられるだろう。

それは、ワシントンがイランへの全面的な経済戦争と呼んだものに対する並々ならぬ返答だ。その経済戦争とは、もし11月4日以降イランとの取引を継続するなら、ヨーロッパ中央銀行やブリュッセル基盤のSWIFT銀行間支払いネットワークに制裁を課すと脅しているものだ。1945年以降の西欧とワシントン間の関係では、そのような攻撃的な手段は見られなかった。アメリカの経済制裁があって、EU政策グループは大きな見直しを迫られている。

新しい銀行組織

その謎めいた発案の素地は、6月に「ヨーロッパ、イラン、その経済主権:アメリカの制裁に応える新たな銀行組織」と題するレポートで提出されていた。そのレポートの著者は、イラン人エコノミストのエスファンダール・バトマンケリジ とアクセル・ヘルマンというロンドン基盤のシンク・タンクELN(ヨーロッパ指導者ネットワーク)の政策フェローである。

その報告は、新たな組織は二つの重要な要素を持つべきだと提案している。まず、特別目的事業体(SPV)と結びついたイランやEUの商業銀行間の媒介として指定されている「ゲートウェイ・バンク」*に基づくということだ。二つ目の要素として、外国資産管理EU事務所(EU-OFAC)によって監督されているということだ。それは、同じアメリカ財務省をモデルとしているが、EU・イラン貿易を阻止せず、合法的に便宜を与えるのに使える。他の機能の中で提案されたEU-OFACは、そのような貿易をする企業にしかるべき努力をする証明メカニズムを作り出すことを試みるだろう。そして「EUのイラン貿易や投資に取り組む企業の法的保護を強めるだろう。」 
*[訳注]ゲートウェイ・バンク
      ゲートウェイ【gateway】とは2つ以上のネットワークやデータベ
      ースをつなぐコンピューターのこと。ゲートウェイ・バンクとはそ
     れらを用いたオンライン銀行のことか。

SPV(特別目的事業体)は、この指定されたゲートウェイ・バンクを使う計画に基づいている。つまりゲートウェイ・バンクは、アメリカでのビジネスをしておらず、イランとのビジネスに焦点を当てているので、ワシントンの「二次制裁」によって影響されないEUの銀行のことである。それらには、選定された国有ドイツ・ランデスバンクスや一定のスイス民間銀行を含む。例えば、イランとの金融取引を行う事のみに設立されたヨーロッパ・イラン・ハンデスバンク(EIH)のような銀行である。さらにEU官僚と結びついた一定のイランの銀行が加わる。

READ MORE:How the EU Is Helping Iran Skirt U.S. Sanctions. Sets Up Countervailing Financial Entity
EUは、どのようにイランがアメリカの制裁を回避するのを助けているか。対抗する金融組織の設立


最終結果がどうなろうとも、イランに対するトランプ政権の好戦的な行動は、主要国家を究極的に協力させている。それは、負債にふくれあがったアメリカ政府が、事実上の世界の暴君として他国を犠牲にして融資させてきたドル支配権の崩壊を究極的に意味する。

EU、ロシア、中国・・・

最近ニューヨークの国連総会中に、フェデリカ・モゲリーニは、SPV(特別目的事業体)は石油を含むイランの輸出に関連した支払いを容易にするように計画されたと述べた。もちろん関連会社がEU法の下で正当なビジネスを実行するかぎりだが。中国とロシアもSPVに含まれている。トルコ、インド、その他の国々もこれから加わる可能性がある。

予想されたようにワシントンは直ちに反応した。国連でアメリカ国務大臣で元CIA長官のマイク・ポンペオは、イランの反対会合に対して、EUの計画に邪魔され、実に落胆させられたと述べた。とりわけ彼は次のように述べた。

「これは地域や世界の平和と安全にとって最も反生産的な手段の一つである」と。

はたしてイランに対するワシントンの経済戦争計画は、地域や世界の平和や安全を促進するために計画されたのだろうか?

アメリカ抜きのSWIFT(国際銀行間通信協会)

アメリカ財務省金融戦争の最も残忍な武器の一つは、ブリュッセル基盤のSWIFT民間銀行をイランが使用できないようにする力である。それは2012年にワシントンがEUにSWIFTに従うように圧力をかけて、破壊的な結果をもたらした。それは世界中に警告を与えた重大な先例である。
  [訳注]核合意成立前の2012年、アメリカはイランへの締め付けを
     一層徹底するためにSWIFTに対して「イランを追放しろ」と
     圧力をかけています。 ... まずEUもアメリカに同調するこ
       とが必要だと主張しています。
      https://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1602G_W2A310C1MM0000/

米ドルが国際貿易と金融取引の圧倒的な支配通貨であるという事実は、世界の残りの銀行や企業にたいしてワシントンに巨大な権力を与えている。それは金融上の中性子爆弾に匹敵するものである。それはまだ決まってはいないが、まさに変化しようとしているかもしれない。

2015年に中国は、CIPS(クロスボーダー・インターバンク決済システム、または中国国際決済システム)を公表した。CIPSは元々SWIFTに変わる将来中国基盤の代替物とみなされていた。それはクロスボーダーRBM決済や貿易における参加者に、手形交換や支払いを提供するものになる。残念ながら中国の株式市場危機が、北京に計画を縮小させた。インフラの骨格がそこにあるにもかかわらず。

他の地域では、2017年後半以降ロシアと中国はドルを回避する二国間の支払いシステムの可能性を議論した。中国のユニオンペイ・システムや、カルタ・ミールとして知られるロシアの国内決済システムは直接結びつけられるだろう。

ごく最近主要EU政策立案サークルは、1944年以降には前例がないそのような考えに共鳴している。8月、イランとの石油や他の貿易を阻止する一方的なアメリカの行動に言及して、次のように述べた。

ヨーロッパは、アメリカが我々の頭越しに、我々を犠牲にして活動することを許すべきではない。そのため我々が、アメリカから独立した決済チャンネルを打ち立てて、ヨーロッパの自治を強めることが肝心である。それはヨーロッパ金融ファンドや独立したSWIFTシステムをつくることだ。

ドル帝国のひび割れ

EUがワシントンに、イランとの貿易問題でどれほど挑戦するかはまだはっきりしていない。考えられることはワシントンがNSAや他の手段を用いて、EU・イラン・ロシア・中国SPV(特別目的事業体)貿易を暴露することができることである。

ドイツ外相の最近の声明に加えて、フランスは、EU経済を二次制裁のような不当な治外法権的制裁から絶縁する手段を作り出すため、イランSPV(特別目的事業体)拡大を議論している。二次制裁は、EU企業にドルを使わせず、アメリカでビジネスが出来ないようにすることである。フランス外務省のスポークスマン、アグネス・フォン・デア・ムフルは、イランとの貿易を企業が継続できるようにすることに加えて、SPVは「このケースに限らずEUのための経済的自治の道具を作り出すだろう」と述べた。それはヨーロッパ企業を将来、不当な治外法権的制裁の影響から守る長期的な計画である。

もしこれがEUの新生SPVの場合だったら、それはドル帝国に大きな裂け目を作り出すことになる。イラン核合意交渉に関わったことのある元オバマ政権国務省官僚ジャレット・ブランは、SPVやその実施に言及して次のように述べた。

「決済メカニズムの動きが、アメリカ制裁力を長期的に劣化させる扉を開けることになる。」

現在EUは、ロシアに対する制裁のように、アメリカの一方的経済戦争や治外法権的制裁に対して感情をあらわにした言辞や不平を大声で言い立てた。しかし今日まで本物の代替物を作り出す有力な決意は不透明である。それは中国やロシアに関しても同様である。信じられないほどひどいイランに対するアメリカの制裁は、最終的に1945年ブレトンウッズ以来保たれてきた世界経済のドル支配の終焉の始まりを意味するのだろうか。

私自身の感覚では、どのような形であれSPVが、あるブロックチェーンや分散型台帳技術*の著しい技術的利点を利用しない限り(それはアメリカ基盤のXRPやリップルに似ており、日々の国際決済を安全に、しかも瞬時に世界的に行う事が出来る)、たいしたことはできない。ヨーロッパのITプログラマーがそのようなものを開発する専門技術がないわけではない。もちろんロシアもそうである。とうとう主要なブロックチェーン企業の一つが、ビタリク・ブテリンという名のロシア生まれのカナダ人によって作られた。ロシア議会はデジタル通貨に関する新しい法律を作っているところだ。ロシア銀行が未だ頑強に反対しているにもかかわらず。中国人民銀行は、国家暗号通貨チャイナコインを急速に開発し、試験している。ブロックチェーン技術はよく誤解されている。それが新たな「南海泡沫事件」*とはほど遠いと見るべきだが、ロシア中央銀行のような政府サークルでさえ誤解している。国境を越えて価値を移動する国家管理の決済システムの可能性が、全面的に暗号化され、安全であり、国家間のさらなる文明化した秩序ができるまでの、一方的な制裁や金融戦争に対抗する短期的な妥当な答えである。
[訳注]南海泡沫事件(英語: South Sea Bubble)は、1720年に
      グレートブリテン王国(イギリス)で起こった投機ブーム
       による株価の急騰と暴落、およびそれに続く混乱を指
       すが、主に損害を蒙ったのはフランスであった。ロバート
       ・ウォルポールがこの混乱を収拾、政治家として名をあ
       げる契機となった。バブル経済の語源になった事件で
       ある。 (ウィキペディアより)
[訳注]ブロックチェーンと分散型台帳技術
     Distributed Ledger Technology(DLT)は、Blockchain技
      術を含む分散台帳を実現するための技術の総称。
       Distributed Ledger(分散台帳,共有台帳とも呼ばれます)
      は、中央管理者も集中型データストレージも存在しない分
      散型台帳のこと。分散手帳を構成するにはP2Pネットワー
      クと、ノード間の複製が確実に行われるコンセンサスアル
      ゴリズム*1が必要となる。このような台帳は公開また
      は非公開のブロックチェーンシステムで実装することがで
      きる。しかし、すべての分散台帳がブロックチェーンという
      わけではない。ブロックチェーンは、分散台帳の要件をみ
      たす技術のうちの一タイプにすぎない。
       DLTは国際決算において、2016年ごろから試験的に導入
      してみる銀行が増えてきている
(Hatena Blogより)

ウィリアム・エングダールは戦略リスク・コンサルタントであり、講演者である。彼はプリンストン大学で政治学の学位を得て、石油や地政学のベストセラー本の著者でもある。オンライン誌New Eastern Outlookにもっぱら寄稿し、この記事もそこで書かれたものである。彼はグローバル・リサーチの常連寄稿者でもある。
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「シリアの子どもたちを助けてほしい!」ーある母親の血の叫びー

White Helmets stealing children for 'chemical attack' theater in Idlib
ベネッサ・ビーリー
RT Op-Ed   2018年9月17日
(翻訳: 寺島メソッド翻訳グループ 2018年9月28日)
<記事原文> https://www.rt.com/op-ed/438645-children-kidnapped-idlib-syria/


ベネッサ・ビーリーは独立調査ジャーナリスト・写真家
である。彼女は21su Century Wireの副編集長である。


誘拐されたシリア人少年の家族:ワハア、モハメッド・イブラヒム、ロットフェ、ハムザ© Vanessa Beeley

「子どもたちに平和を!子どもたちに遊びを!シリアの子どもたちを『もてあそぶ』のはやめなさい!」これは自分の子どもをテロ集団とホワイト・ヘルメットに奪われ、シリア北西部の都市イドリブに監禁されているある母親の言葉だ。

私がワファに会ったのは彼女の自宅で、夫のモハメド・イブラヒムと二人の息子ハムザ(9歳)、ロットフェ(14歳)も一緒だった。ワファとモハメドは二人とも弁護士で、出会いは同じ大学だった。ワファはしっかりした語り口で、その表情も拉致された11歳の息子アーメドを不安に思う気持ちを振り払うかのように、希望に満ち、楽天的だ。

「アーメドは生まれた時から言葉が不自由だったのです」と彼女は私に語った。「それで拉致されたのだと思っています。抗議も抵抗もできないからです。」

アーメドは1年前自宅からほんの200メートルのところでテロ集団に拉致された。その自宅がどこにあるかは彼女と彼女の家族の安全を守るため、ここで明示することはしない。アーメドが他の子どもたちと一緒にイドリブで拘束されていることはわかっている。その居場所が定期的に変更されるという情報は、未だにイドリブから出られない友人たちや家族からもたらされた。


家族から提供されたアフメドのコラージュ写真© Vanessa Beeley

2018年8月30日、シリア政府の外務大臣ワリード・ムアレム声明を発表した。アメリカの連合軍から資金援助されたホワイト・ヘルメットが44人の子どもたちを拉致し、イドリブにおける化学兵器を使った攻撃の映像を作成するために、その「小道具」として使おうとしている、というものだ。ホワイト・ヘルメットは、仏英米のシリア侵略を早めるためのシナリオを作り出してきた歴史がある。

2018年4月、ドゥーマが化学兵器で攻撃されたという彼らの最新の作り話は化学兵器禁止機関(OPCW)の中間報告によって信頼性に欠けるとされた。シリア政府が、人殺しジャイシュ・アル・イスラム狂信者集団からドゥーマを解放する最後の瞬間にサリンを使用したという扇情主義者たちの言説は、この中間報告の調査結果によって斥けられた。OPCWが採取したサンプルで見つかった塩素成分は家庭で使われるどんな製品からでも抽出できるもので、シリア政府が塩素を使用したという結論にはまったくならなかった。西側メディアと各国政府はOPCWのこの調査結果を無視し、イドリブにおける「化学攻撃」があったとする偽旗をまたもや準備している。そうすればシリア政府がイドリブのテロ掃討作戦中に、シリアに対してさらなる違法な攻撃を仕掛けることができるからだ。   


ドゥーマ神経ガス攻撃に関するOPCW(化学兵器禁止機関)の報告:欧米イデオローグにとっておぞましい見解

ワッファがいちばん恐れるのは、息子のアーメドが他の拘束された子どもたちと一緒に、「化学攻撃」映像の出演者として利用される可能性があることだ。

ワッファの言葉:「アーメドが拉致された時、私は仕事を辞めました。6ヶ月ほど前、友人がトルコからイドリブに来ました。シリアとトルコの国境を越える時、友人は車を止め休憩しました。彼らの息子はアーメドをよく知っています。アーメドの意思伝達の方法は特別です。自分を知っている人ならとても認識しやすい音を出します。友人の息子はアーメドがこの音を出すのを耳にしたのです。彼はアーメドが近くにいるよ、と両親に告げました。」

アーメドのこの存否に関わる話を語る時、ワッファの声は震えた。少なくとも彼は生きている。ワッファとその家族がこの情報を告げられた直後、イドリブ市の東にあるサラキブで、塩素ガス攻撃疑惑が起こった。 

この攻撃疑惑についてOPCWが最近公表した報告の結論はこうだ:
    
「塩素は、機械的な衝撃を与えて円筒から放出されるのだが、それは2018年2月サラキ
    ブのアルタリル近郊で化学兵器として使われた可能性が高い。」


しかし、「現地調査委員会(FFM)」はサラキブに入れないでいる。 この地域を占拠している「穏健的」狂信派に処刑されたり、拉致される危険性があるためだ。 その代わり彼らが全面的に依拠したのは、ホワイト・ヘルメットなどのような信憑性に乏しいニュースソースによってもたらされる「オープンソース[勝手に偽造できる]」の証言や証拠だった。

「サラキブで化学攻撃があったという複数の情報が伝わった直後、アーメドを拘束しているグループから電話がありました。電話口の男が言うには、アーメドを拉致した理由がなくなった、たぶん近々帰宅させるだろう、というものでした」とワッファが私に告げた。

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イドリブの孤児を使って「化学兵器攻撃」の映像を作るホワイト・ヘルメット ― ロシア軍


アーメドを拘束している人間を知っているのか、と私は彼女に訊いた。

「サラキブの事件の直後、何とかイドリブを脱出した数名の女性が私のところへ来ました。彼女たちの話によると、『アル-ナスラ・フロント(シリア駐留のアルカイダ)』が子どもたちを担当しており、ホワイト・ヘルメットが手を貸しているという。私がこのことを報告すると、ホワイト・ヘルメットは私を「シャビーハ[亡霊]」と糾弾しました。「シャビーハ」と言われることは武装グループに捕まれば、死刑宣告も同然です。」 

ワッファにはもうひとり妹がイドリブにいて、その妹が彼女に直接か、ロシアとシリアの間にある人道的回廊地帯を経由してイドリブを離れる人に情報を伝えることができる。この回廊地帯を使ってイドリブ解放の地上戦が始まる前に民間人を避難させることになっている。

「アブアルドゥフール回廊は再び開通するでしょう。しかし、わかっていますが、テロ集団はこの回廊を使ってイドリブを脱出する市民に300,000シリアドル(600$)を請求しています。みんな着の身着のままで脱出するのです。それなのに、この怪物たちは『自由』と『民主主義』をもたらすのだ、と言います。」 

ワッファはイドリブを占拠する外国人戦闘員をこんな風に描写した:
    
「イドリブにいる大半の人は外国人戦闘員を避けます。彼らは非常に過激で危険だか
らです。妹が私に話してくれたのですが、数日前彼女は自分の地区でウイグルの子ど
もたち前を歩いたのだそうです。子どもたちは妹のスカートの裾が高すぎるとなじ
り始めました。ホワイト・ヘルメットも同じだと人々は見ています。彼らは外国
人です。そしていい報酬を得ています。 外国人過激派のように金があります。イ
ドリブの人たちはほとんど子どもたちを学校に行かせていません。ホワイト・ヘル
メットに拉致されることを恐れているからです。」
  

ワッファの説明ではホワイト・ヘルメットは子どもたちを無事帰還させるのに金は要求しないということだった。彼女の家族の話によれば、金を要求することは紛争初期の武装グループのやり方だったそうだ。

「どうして金を要求しないのか? 子どもたちを別の目的で使いたいからです。彼らは自分たちを疑問視する人間を『シャビーハ[亡霊]』と呼びます。西側には自分たちのイメージをクリーンにしておきたいからです。彼らは『人道主義者』ではありません。制服を来たテロリストです。それしか言いようがありません。」

ワッファがひどく恐れているのは、これらのホワイト・ヘルメットを含むアメリカと連携している代理人たちが、事前に映像化しておいた毒ガス攻撃と報道されている出来事にアーメドがもう使われているかもしれない、ということだ。その目的は、シリア政府軍のイドリブ解放作戦が本当に始まったらすぐに、シリア政府とその同盟国を犯罪者扱いにすることにある。 

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「10日前、ある女性が私に会いに来ました。イドリブから到着したばかりでした。 彼女はアーメドが写った1枚の写真を私に見せてくれました。彼はまだ生きていて他の多くの子どもたちと一緒に拘束されているわ、とはっきり言いました。彼女の言葉によれば、攻撃の映像をどの場所で撮影するかによって、ホワイト・ヘルメットは子どもたちをあちこち移動させるのだそうです。子どもたちの拘置場所は常に刑務所です。息子が病気になってないか、怖がっていないか、とても心配です。息子は言葉が話せないのです。まちがいなくアーメドの顔は彼らが作成したビデオ映像や報告のひとつに映しだされるでしょう」とワッファは語った。

私たちがアーメドについて話をしていると、彼の弟のハムザがひどく衝撃を受け、だんだん興奮状態になってきた。

「アーメドの話をするといつもこうなんです。兄がいなくなって、彼の心の中はめちゃくちゃになっています」とワッファは説明した。「今までは、こういったことがあったので、アーメドのことばかり気遣ってきました。でも、これからハムザをもっと守ってあげるつもりです。」

インタビューの間、ワッファは取り乱すこともなく言葉使いにも説得力があった。彼女はあれこれの事実を、熟慮しながら、客観的に語ってくれた。彼女の息子は拉致された。シリアでもっとも残虐な過激派のいくつかのグループに拘束されている。ワッファは気丈でどっしりと構え、恐怖や同情などの感情を一切寄せつけなかった。終始誇り高く、物腰も柔軟だった。アーメドの父親のモハンメド・イブラヒムはさらに物静かで控えめだった。しかし夫婦や子どもたちとの強い絆があるのは明らかだった。この家族は、アーメドがこの試練を切り抜け、自分たちのところに絶対戻ってくるという希望と決意でひとつになっているのだ。 

「イドリブが解放されれば、政府軍は必ずアーメドを私たちのもとに連れてきてくれるでしょう。政府軍は息子を救出してくれます」。ワッファが初めて怒りとイライラの表情を見せたのは、私がこんな要請をした時だった。あなたの祖国は「穏やかな」占領状態にあるのだけれど、実際はどうなのか西側の人たちに詳しく話してみてほしい、と。

「私たちは声を出せません。私たちは忘却されたシリアの民です。誰も耳を傾けてくれません。あの怪物たちは私たちを殺しています。子どもたちを殺しています。私たちの命を盗み、私たちの祖国を破壊しています。そんなことを世界に向かって私たちが語っても誰も耳を傾けてくれません。「穏健派」は自由も民主主義ももたらしません。彼らがもたらすのは流血と恐怖と喪失感だけです。イドリブから彼らの存在をきれいさっぱり無くしてほしい。西側の国々は自分たちが送り込んだテロリストたちを私たちの国から外へ連れ出してほしい。こんな仕打ちを受けるような悪事を私たちは何もしていません。なんで息子が苦しまなければいけないのですか、何のために?お願いですから、こんなことは終わりにして!2011年以前の平和な生活に私たちを戻して!」

この家族に別れを告げようとする直前、私は、ワッファがこのインタビューの中でもっとも力強いメッセージを発したところを映像に収めた。

    
「子どもたちに平和を! 子どもたちに遊びを! シリアの子どもたちを『もてあそぶ』のはやめなさい!」


シリアでは、ますます多くの子どもたちが確実に死に追いやられる戦争に利用されている。こんなことは狂気じみている。ワッファが要求しているのは、西側の人たちがこの事実を認識し、西側諸国の手先となっている狂信派やホワイト・ヘルメット手にかかってシリアの子どもたちがこれ以上苦しまないよう、できることはみんなやってほしい、ということだ。私たちは彼女の心からの要請に耳を傾けるべきだし、その要請に沿った行動を起こすべきだ。私たちが何もしなければ、アーメドや彼と同じ苦しみの道を辿らせてしまう可能性のある他の子どもに、とき遅しとなってしまう。 

サウジアラビアがイエメンで遂行する汚れた戦争と西欧の共謀

'As crimes pile up, they become invisible': Western complicity in Saudi Arabia's dirty war in Yemen

RT 2018年6月16日

<記事原文>https://www.rt.com/op-ed/429962-saudi-arabia-yemen-west/
(翻訳:大手山茂、新見明 2018年8月4日)


ジョン・ワイトは様々な新聞やウェブサイトに寄稿している。インディペンダント、モーニング・スター、ハフィントン・ポスト、カウンターパンチ、ロンドン・プログレスィブ・ジャーナル、フォーリン・ポリシー・ジャーナルなど。


サウジ主導のイエメン空爆で破壊された家を見つめるイエメン女性たち。2018年6月6日イエメン© Hani Al-Ansi / Global Look Press •

西側諸国が共犯となってイエメンに山のような苦難の数々をもたらしている。その姿はサウジアラビアの残虐の実行代理人であることを満天下に曝している。

3年間の過酷な紛争の連続で人口2,740万人のうち2,220万人が人道的支援を必要としている。1,700万人が食料不安、1,480万人が基礎的な医療が受けられていない、450万人の子どもたちが栄養失調で苦しんでいる。また290万人の人が国内での居場所をなくしている。死者は約1万人、負傷者は約5万人に上っている。

紛争の結果、イエメンは同時に「確認されたケースとしては現代における最大のコレラ感染」に直面している。このコレラ感染はサウジアラビアがイエメン西部にあるコレラ治療センターを爆撃したことによる他考えられない。フランスのNGO「国境なき医師団」がこの施設での作業を引き上げたからだ。

だが、この途方もないスケールの人的災害にもかかわらず、サウジアラビアに率いられたスンニ派連合の戦争はただ継続しているだけではない。攻撃が強化され、空、陸、海からの大規模な攻勢がとどまることなくフーシ派が支配する紅海の港湾都市ホデイダを襲っている。このホデイダ市は食料、医薬品、そして他の欠くことのできない人道的支援を周囲から遮断されたイエメンに搬入する残された最後の拠点のひとつなのだ。
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サウジ主導の連合軍が、イエメンで国境なき医師団の新たに建設された施設を爆撃する。

アムネスティ・インターナショナルによれば、
    「ホデイダ港は基礎的な必要品の80%を輸入に頼っている国にとっては命綱だ。この命綱的な供給を断ち切ることはすでに世界最悪の人道的危機状態になっているイエメンをさらに劣悪な状況に追い込むことになるだろう」 かくして「ホデイダ港への攻撃は何十万という市民へ壊滅的打撃を持つ可能性がある。それはホデイダ市にとどまらず、イエメン全土に及ぶものだ。」

アラビア半島の南端に位置するイエメンは中東の最貧国で、1人当たりGDPは紛争前でもたった1,400ドルしかなかった。

アブド・ラッボ・マンスール・ハーディー大統領がイエメンの国際的に承認された政府の元首となっている。 しかしながら、合法的な指導者にはよくあることだが、ハーディーは現在亡命生活を送っている。
ハーディ大統領は、前任者アリー・アブドッラー・サーレハの後を受け、2011年の大統領選で単独候補して大統領に選出された。サーレハは「アラブの春」のとどまることを知らない抗議運動の高まりの前に自ら権力を放棄したのだった。サーレハは1978年から北イエメンの指導者だったが、その後1990年に南北イエメンが統一されるとイエメン共和国大統領職に就いた。

前大統領サーレハの統治は汚職や国有資産の不正運用疑惑にまみれていた。彼自身は少数派のフーシ派と連携したが、このフーシ派こそ前述した「アラブの春」の抗議運動の中で彼を追放する役割を演じた。その後2015年にハーディ政権へのフーシ派の反乱が始まった。

フーシ派反乱の理由は、ハーディが大統領職に就くにあたって少数のシーア派が自治権を拡大することを容認しなかったからだった。サーレハがフーシ派に殺されたのは2017年末で、サーレハが反乱軍との関係を絶ち、イエメンの将来についてサウジアラビアと対話することの意欲を言明した後だった。
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何十万にが死の危機に。人道援助グループがサウジ連合軍に、イエメン市民を救うように懇請する
我々がイエメンで抱えている問題は、ご覧の通り、アラブの基準で言っても容易ならざる危機だ。

イエメンは長い間、サウジアラビアによる抑圧的なアラビア半島支配に痛めつけられてきた。この支配は、リヤドの原理主義的なワッハーブ派イデオロギーを奉じており、フーシ派反乱を焚きつけている面もある。ハーディ大統領は、サウジアラビアの操り人形だからだ。

フーシ派反乱はイエメン国民の大っぴらで広範な支持は受けていないにしても、それなりの共感を得ているという話もある。それはイエメンの首都サナアやホデイダのような港湾都市を含め他の都市中心部をうまく支配できていることから推し量れる。

もっと視野を広げると、この紛争は現在も進行中であるイランとサウジアラビア間の地域代理戦争の一部とも考えられる。2015年のフーシ派反乱の発端からリヤドの主張はこうだ、「フーシ派はイランの代理人であり、そのことで自分達の行動の正当性を得ているのだ」と。 しかし、2015年ベテランの中東特派員パトリック・コクバーンの記事によると、このリヤドの主張は「広く見ればプロパガンダないし誇張」ということになる。

3年後の現在2018年、イラン軍の関与は確実だ。フーシ派に武器を提供し、複数の情報によると軍事顧問も派遣している。かくしてサウジアラビアが2015年イランの関与があると虚偽の主張をしてイエメンへ武力介入したことが逆にその虚偽の主張を現実化させてしまったことになる。

西側諸国が共犯となってイエメン国民を大量虐殺し、苦しみを押しつけている話に戻ると、これほどあからさまで民主主義の仮面を装った偽善の例は過去に例がない。実際、アメリカ、イギリス、サウジアラビアが長く同盟関係を結んでいるということは、人権と民主主義の守護者を自認するアメリカ、イギリス両政府が嫌というほど繰り返す自慢話にもメスが入ることになる。
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US senators urge Pentagon to fully disclose its role in Saudi-led war in Yemen
オバマ政権に始まり、トランプ政権下で強化されたこの野蛮な紛争へのアメリカの関与は、①アメリカ軍による空襲(アメリカ政府によれば、標的はアルカイダとイスラム国)、②兵糧、情報など戦闘に関係しない支援が反フーシ派とサウジアラビア主導の連合軍に提供されたこと、などだ。もちろんサウジアラビアへアメリカの武器が販売されていることも忘れているわけではない。それはアメリカ武器輸出の50%以上を占めている。

この間、ペンタゴンの正式発表(2017)によればアメリカの地上軍はイエメンにも駐留し、再度その正当性の根拠を対アルカイダと対イスラム国(IS、旧ISIS)作戦従事に置いている。

イエメンにおけるサウジアラビアの戦争遂行努力を支えるイギリス政府の役割について、イギリスの武器販売はリヤド政府が周辺地域へ強大な力を示せるかどうかの鍵となっている。 その金額は2015年以降だけで46億ポンド(=60億米ドル)に上る。アメリカの場合と同様サウジアラビアはイギリス武器販売の最大市場であり、長年その状態が続いている。

2017年運動家達はイギリス政府を相手取ってイギリスが武器をサウジアラビアに売却するのは違法だとの訴訟を起こした。売却した武器の一部がイエメン市民を殺傷するために使用されているというのが主張だ。2017年、紛争におけるイギリスの役割が武器販売に限定されないことが明らかになった。デイリー・メ-ル紙に掲載された話は、「クロスウェイ作戦」というこれまで秘密にされてきた軍事作戦の詳細を語っている。その作戦では、50人のイギリス軍事顧問が紛争に派遣予定のサウジ軍を訓練していることも書かれている。

この驚くべき事実の発覚に応えてイギリス保守党議員であり前国際開発大臣だったアンドリュー・ミッチェルが激しく非難し、それはイエメンの人々の苦難にイギリスが「恥ずべき加担」をしている証拠だと語った。この苦難の規模を考えるなら、まっとうな考えをもった人ならだれも、ミッチェルの意見に同意すると思われる。

イエメンにおける戦争は汚れた戦争だ。それは西側諸国に支えられ、聖職者独裁を標榜はしているがその実サウジアラビアの泥棒政権によって遂行されている。劇作家ベルトルト・ブレヒトの語ったことは正しい。「犯罪は積み重なると見えなくなる。」

拷問、飢餓、処刑: 東グータの市民がテロリスト支配下の生活を語る

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Torture, starvation, executions: Eastern Ghouta civilians talk of life under terrorist rule
エバ・バートレット
2018.6.10

エバ・バートレットはガザ地区やシリアでの経験が豊かなフリーランスのジャーナリストで、人権活動家でもある。彼女の著作はブログ"Gaza"で読むことができる。


先週私が書いたのは、、化学兵器でグータ市民を攻撃したというのは証拠のない主張であると、グータ市民が私に話してくれたことです。そして彼らはテロリストによる犯罪やホワイト・ヘルメットの役割についても話してくれました。

サラフィー主義テロリストグループ、ジャイシュ・アル=イスラムは、企業メディアのよって親切にも「反逆者」と呼ばれていますが、シリアで自由や人権のために戦ってはいない。東グータをそれ以前に支配していた他のテロリストグループとも違う。

(さらに読む「爆心地のシリア市民は、化学兵器のでっち上げを暴露する」)

ジャイシュ・アル=イスラムは、爆撃に対してシリア市民を人間の盾として利用し、檻に閉じ込め、拘束したのであった。ジャイシュ・アル=イスラムは市民をミサイルや迫撃砲で攻撃し、1万人以上を殺したテロリストグループの仲間だった。

その地域を占拠しているファイラク・アル=ラーマンと他のテロリスト派閥は、恐怖政治で人々を支配し、男や女を斬首し、人々を餓死させた。

ジャイシュ・アル=イスララム:餓死と刀による処刑

私が東グータとダマスカスのすぐ南のホルジレ難民センター(今はほとんどがグータからの人々)を訪れた時、私はジャイシュ・アル=イスラムやその他の勢力下の生活や、なぜ市民が飢えに苦しまねばならなかったのかについて最初に尋ねた。答えは、私や他の人が東アレッポやマダヤやアル=ワエルで聞いたように、テロリストたちが援助物資を盗み、食料全てを管理していたからだ。そして普通の人々では買えないような不当な値段で売っていた。

サバ・アル=ムシュレフは、ハンムリエやザマルカのテロリストが子供達に対して非情であり、彼女の子供達が、食料が豊富なテロリスト指導者のゴミから腐肉をあさっていたことを話してくれた。

ホルジレ難民キャンプで、ジャイシュ・アル=イスララムの残虐さを語るサバ・アル=ムシュレフ

「私はザマルカに住んでいました。子供達は飢えでほとんど死にかけていました。私の娘は栄養失調で、皮膚は黄色くなりました」とサバは私に話してくれました。「私は娘を診療所へ連れて行きましたが、そこでは薬がないと言うのです。『娘は死にかけています。どうしたらいいですか』と私が言うと、診療所はドゥーマ市民だけのものだと言うのです。私はザマルカの代表者のところに行って頼みました。『どうか子供達のために何かしてください。子供達は飢えていて、二日間何も食べていないんです』。彼は『ここにあるものは、ザマルカ市民用だけです。あなたはマージ・アル=スルタンから来ました。』あなた方の代表者のところに行きなさい。ここにはあなた方のための援助物資はありません」と言われたことを私に話してくれました。

私がサバと話していたとき、彼女は東グータ地区から来た他の3人と一緒にいました。彼らの証言は止めどなく、みんなが体験した恐怖についてありったけを話してくれた。

28歳のドゥーマ出身マームード・スーリマン・キャレドは、ジャイシュ・アル=イスラムによる拘束や拷問について話した。

ホルジレでマームード・スーリマン・キャレドは拘束や拷問について話てくれた。

「私が夜に買い物に出かけたとき、彼らは私を尋問しました。彼らは私が政府軍の手伝いをしていて、体制のために働いていると疑ったのです。彼らは私をアル=タウバー刑務所に連れて行きました。そこで彼らは私を拷問したのです。彼らは私を椅子に縛り付け、手やつま先に電気ショックを与えたのです。彼らは2本の線を私のつま先に結びつけ、それからもう一方の端をインバーターに結びつけ、私に電気ショックを与えたのです。彼らは何か白状するまでそれを続けました。私は白状しませんでした。私は自白することなど何もありませんから、自白しませんでした。彼らは2日間わたしを拷問しました。彼らがしたことは、私をひどい近視にしたことです。わたしの目に電気が走ったように感じました。」

キャレドは、ドゥーマで見た処刑のことを話してくれました。「彼らはトラックで23ミリマシーンガン(対空)を持ってきて、頭を吹き飛ばしたのです。そのあと彼らはシリア軍が彼を殺したと非難しました」。携帯の写真は、椅子に座っている頭部のない男でした。銃撃の残骸さえなかった。

「ジャイシュ・アル=イスララムは食料を安く売ったために、彼の頭を吹き飛ばしたのです。彼らは高値で売りつけたかったからです。だから人々は貧しいままで、彼らのためにトンネルを掘ったり、彼らの戦闘に参加させられるのです。」

今年5月2日カフル・バトナでは、通りは日常の生活で賑わっていて、清掃作業をしていたり、電気工事作業員が町の電力を復旧させていました。シャワルマ*を売る店の外で、ムータズ・アル=アフダルは、お米を売ったかどでジャイシュ・アル=イスララムに15日間拘留されたことを話してくれました。
(*訳注:肉を、鉄串に突き刺した状態で直火で焼き、薄く切ったものを生地で包んだレパントの食べ物)
カフル・バトナでムータズ・アル=アフダル

「彼らは我々の商品を没収して、我々を投獄したのです。彼らの統制下でしか誰も仕事をすることが許されません。」
刀で処刑することや、子供や大人の誘拐のことや、臓器をなくして戻ってきたものもいることを彼は話してくれました。

「私たちは小さな町に住んでいます。人々は話し始めました。一人の子供がここで誘拐されました。もう一人がそこで・・・。誘拐された人たちの中には、彼らの臓器が取り去られていた人もいたのです。一人の子供は埋められ、納屋でわらに覆われて死んでいました。彼はまだ生きているのに、縛られ、わらで覆われていました。誰がやったかわかりません」とグータから来たほかの市民は臓器泥棒のことを話してくれました。

さらに私はムハンマド・シェイカーに出会いました。彼は中央のロータリーを指して、そこでテロリストの処刑が行われたことを話してくれました。

テロリストが市民を処刑したカフル・バトナ広場を示すムハンマド・シェイカー

「彼らはよく人々をここに連行してきて処刑したのです。ときどき刀で、また銃で。彼らにとってはごくありふれたことでした。今シリア軍がここに来てからは、人々は歩き回ったり、自由に移動することができます。しかし以前は、道路には誰も見かけることはありませんでした。」

広場近くのアイスクリーム店で、アブダラ・ダルボウもそんな処刑を見かけたと言いました。彼は抗議行動のことも話してくれました。

「私たちは何度もテロリストに抗議しました。私たちは飢えていて、彼らは我々を殺していたからです。抗議しているとき、ときどき彼らは我々を銃撃しました。彼らは私たちを殺しました。彼らは私たちを本当に殺したのです」。シリア政府は我々にそんなことはしませんでした。軍隊がここに入ってきたとき、彼らは私たちにパンを配ってくれました。それより前には、私たちは写真でしかパンを見たことがなかったのです。

4月9日私はドゥーマを歩いていると、手押し車でオレンジを売っているヤーヤ・ムハンマド・ハモに会いました。私がジャイシュ・アル=イスラム支配下の生活はどうでしたかと尋ねると、彼は答えてくれました。「飢え、飢え、飢えだ。もし彼らに宗教があるなら、そんな宗教などくそくらえ。宗教はみんなを飢えさせはしない。」

テロリストは自分たちを餓死させると、ドゥーマのヤーヤ・モハメド・ハーモは語った

青果売りの男たちに化学兵器について尋ねたところ、一斉にノーの答えが返ってきた。そしてドゥーマに送られてくる援助物資についても話してくれた。年配の男の人が語気を強めて語ったことは、ドゥーマにはたくさんの食料があり、5年は十分暮らせるが、それをテロリストたちは奪ってしまったのだという。

私がドゥーマに入るとき見た農場についても聞いてみた。その答えは、ジャイシュ・アル=イスラムが農地も家畜もすべてを支配したという。一人の若者が私に語ってくれたことは、テロリストがバスでドゥーマを離れる前に、動物はすべて撃ち殺したという。

男たちは、のどをかき切るジェスチャーをしながら処刑について話してくれた。一人の若者は、別の殺害について説明してくれた。処刑者は人の口にピストルを当てて、引き金を引いたという。

「テロリズムとは、文字通り恐怖政治のことなのだ」と屋台売りのトウフィク・ザーラは話してくれた。

ホワイト・ヘルメットは好意的どころか、テロリストと共謀していた。

ホワイト・ヘルメットは人々を助けていたかどうかという私の質問に、ザーラは答えてくれた。

「市民防衛はテロリストグループのためだけ、ただ彼らのためだけ、ジャイシュ・アル=イスラムのためだけに活動した」。これは通りの店で働いているマフムド・マフムド・アル=ハムリが繰り返し言ったことでした。「ホワイト・ヘルメットは市民防衛と呼ばれています。彼らは市民のためと言われていますが、それは逆です。彼らはジャイシュ・アル=イスラムのために活動していたのです」と言った。

カフル・バトナでシャワルマ露天商のムータズ・アル=アフダルは、「ジャイシュ・アル=イスラムは、ある日ホワイト・ヘルメットをかぶって私たちを攻撃してきました。翌日ヘルメットが残っていました」と話してくれました。アイスクリーム売りの若者アブダラは、一般市民がホワイト・ヘルメットに近づくことができないので、何も知らないと答えました。

カフル・バトナのムタズ・アル=アグダール

それ自体奇妙なことだ。ホワイト・ヘルメットの狙いが、市民を救済することとされていて、またホワイト・ヘルメットのセンターがドゥーマやザマルカやサクバにあるのだから。

ホルジレ難民センターのマルワ-ン・クレイシェは、ホワイト・ヘルメットについてたくさん語ってくれた。

ホルジレ難民センターのマルワーン・クレイシェは、ホワイト・ヘルメットの攻撃について語ってくれた。

「3・4年前グータにやってきた最初の市民防衛メンバーは外国からやってきました。彼らはアラブ人ではなく、アラビア語も話しませんでした。彼らはテロリストの防衛隊でした。彼らはしばしばテロを行いました。彼らはたくさんのお金を持っており、市民防衛隊に加わって、人々を攻撃するのにそのお金を使いました。

ホワイト・ヘルメットがどこかへ行きたいと思ったとき、テロリストはよく彼らと行動を共にして、彼らのために道を開けさせました。彼らが偽旗攻撃をする場所に到着した瞬間、彼らは10個の発煙弾を投げ、ひどい煙を出して、何も見えなくしました。彼らはしばしば人々を射撃しました。そして煙がなくなったあとで、彼らは撮影を始めます。彼らは銃弾が空になるまで撃ちまくって人々を殺すので、一言もしゃべることはできませんでした。

サクバのホワイト・ヘルメットセンター

もし誰かの腕の血管が切れたら、彼らは直ちに切断して、傷口を縫います。その間に撮影するのです。もし誰かの足が弾丸やガラスなどで傷ついたら、最初の治療は切断でした。」

クレイシェの切断に関する話は、サクバから来たハナディ・シャクルの話とも一致した。彼女は、ジャイシュ・アル=イスラムに加わった夫が彼女を辞めさせるまで1年間看護婦として働いていた。

サクバの兵器工場

「ややひどい怪我の場合はいつでも、この人は切断しなければならないと彼らはよく言いました。我々は薬の供給が不足している、だから切断が一番よい選択だとよく言いました。彼らは人々を治療しなかったのです。ほんの少しの治療ですむ人でさえ、彼らはよく切断するだけだったのです。」

医薬品の欠如という主張は、東アレッポの時のように嘘であることがわかりました。サクバの地下病院だけでも、医薬品や盗まれた医療機器がいっぱいある部屋を私は見ました。シリアのジャーナリストは、東グータの他の場所でもそのような貯蔵庫があることを報告していました。

ハナディ・シャクルによれば、「運び込まれる医療食料援助は、すべて消えてしまいます。彼らはそれを売り、お金にするのです。すべてはテロリスト指導者の懐に入ってしまった」ということです。

東グータが解放されていた時、企業メディアは虐殺の偽情報を掻き立てるのに忙しかった。ちょうど企業メディアがアレッポが解放される時も偽情報を流していたように。彼らはテロリスト支援者から流される話を作り出し、いつもシリア政府を飢餓のかどで責めるのだ。そして東グータを占拠していた過激派グループの犯罪やテロリズムをごまかそうとしてしていたのだ。

実際、逮捕者の犯罪やシリア軍に解放された時の開放感について、グータ市民は言うことはたくさんあった。しかし企業メディアはそれには興味を示さず、そんな話は彼らの政権転覆にはふさわしくないのだ。
(翻訳:新見明)
<記事原文>https://www.rt.com/op-ed/429349-syrians-tell-terrorists-white-helmets/

<新見コメント>------------------------
東グータで化学兵器が使われたという偽情報のことを、何度かこのブログでも紹介してきた。そしてホワイトヘルメットが欧米・反政府勢力の偽の情報発信源になっていることも明らかになっている。
「テロリストの実行可能性が、東グータ化学兵器工場で明らかになる」
 http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-39.html

しかし欧米メディアでは、未だにアサド政権が化学兵器を使って、シリア住民を虐殺しているという情報が、ホワイトヘルメットを使って流されている。そしてホワイトヘルメットはアメリカNED(全米民主主義基金)から税金を使って資金援助されているという情報もある。

櫻井ジャーナル2018.06.16
 「アル・カイダ系集団と一心同体の白ヘルに米政権は660万ドルを払い続けると宣言」
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201806160001/

この翻訳記事は、著者が実際に解放された東グータに入り、住民から聞き取った情報ということで、生々しく、しかも真実味がある。

支援物資が全てテロリスト指導者に渡ってしまって、しかもその支援物資を高く売りつけてもうける。医薬品はたくさんあるのに、すぐ切断するだけの治療であったりする。極めつけは偽情報がどう作られるかも具体的に語られている。

「彼らが・・到着した瞬間、10個の発煙弾を投げ、ひどい煙を出して、何も見えなくししました。・・・そして煙がなくなった後で、彼らは撮影を始めます」と偽情報が作成場面が語られています。

日本のメディアが、現場から直接取材しておらず、欧米情報の受け売りであることは、この記事をよむとよくわかる。

なお登場するアラビア語の氏名については、できるだけ調べたり、アラビア語を勉強していた後輩に聞いたりしたが、まだ不正確な点があることをご容赦願いたい。

元ピンクフロイドのメンバー、コンサートで「ホワイト・ヘルメット」を批判



元ピンクフロイドのメンバー、イギリス人歌手ロジャー・ウォーターズは、今はソロシンガーとして活動している。その彼が、問題のシリア人グループ「ホワイト・ヘルメット」をバルセロナのコンサートで批判した。「彼らはジハード主義者やテロリストのための宣伝活動をしているにすぎない」と。

この批判スピーチはウォーターズ自身が、金曜日バルセロナのコンサートでしたものだ。それはちょうど米英仏が「ホワイト・ヘルメット」の情報のみに依拠してシリアへの攻撃を準備していたときだ。この1週間前、「ホワイト・ヘルメット」は、シリア政府の科学兵器攻撃直後のものだとする写真や映像を公表した。その写真や映像に出てくるダマスカス近郊のドゥーマの町は、「イスラム軍」と呼ばれる武装グループに占領されていた。

コンサートの聴衆に向かって「ドゥーマや化学兵器攻撃疑惑についてステージで話してくれとの要請があった」とウォーターズは語った。ウォーターズは「この要請者と自分との間には、シリア情勢について大きな意見の違いがある」と述べた。

「ホワイト・ヘルメットは、ジハード主義者やテロリストのためのプロパガンダを作るだけのフェイク(偽)組織だ。それが私の考えだ。私たちの考えは違っている」と彼は説明した。拍手する聴衆がビデオからもわかる。

ウォーターズは、ホワイト・ヘルメットの「大義」をなぜ支持できないかを説明した。「もし我々がホワイト・ヘルメットやその周辺の宣伝に耳を傾けるようなことがあれば、自分達の政府がやろうとしているシリア人民への爆弾投下の後押しを奨励することになる。これは人類として、私たちがとんでもない誤りを犯すことにつながる」と彼は述べた。

さらに、「我々がすべきなのは、人々の頭上に爆弾を落としに行くようなことを止めるよう、自分達の政府に説得しに行くことだ。そして少なくとも必要な調査を全部やり終え、本当に何が起こっているのか、きちんとした理解ができるまで爆撃はやめるように説得すべきだ。何故なら今は、プロパガンダの方が本当の現実より重要視されるような世界だからだ」と彼は続けた。

ウォーターズは会場の人々に、「国境を越え、宗教を越え、国籍を越え」共に手を携えて、地球をもっといい場所にしよう、と呼びかけた。

「ホワイト・ヘルメット」はシリアの各地で活動し、「民間防衛組織」を自称している。彼らは種々の武装グループの指揮下にあり、その中にはシリア中央政府に対立する筋金入りイスラム主義者も含まれる。そしてアメリカやイギリスなどいくつかの西欧諸国からも資金を得ている。このグループは、西側メディアから広く賞賛され、彼らを扱ったドキュメンタリーはアカデミー賞さえ受賞した。

公開処刑の手助けをしたり、偽の救出作戦を実行するなど,ホワイト・ヘルメットに雇われた者たちによる疑念を呼ぶ行為が、これまでにも何度か発覚してきた。彼らのいわゆる「救出作戦」は本当の目的を隠蔽するためのものにすぎないと批判されるゆえんである。つまり「彼らの行為は、シリア政府に敵対する勢力に有利となるような写真や映像を捏造し、シリア政府軍に敵対する軍事行動に正当性を与えようとするものだ」と言う批判である。政府軍が「聖戦士」たちから奪還した地域の住民も、そのような批判を支持している。
    (翻訳:大手山茂、新見明)

<記事原文>
https://www.rt.com/uk/424247-roger-waters-white-helmets/

<新見コメント>ーーーーーーーーーーーーーーーー
元ピンク・フロイドのメンバー、ロジャー・ウォーターズが、公演で堂々と「ホワイト・ヘルメット」を批判する姿は、我が日本の芸能界ではなかなか見られないことです。イギリスが、アメリカやフランスと共に、「化学兵器」を口実にシリア爆撃に参加している時に、このような発言ができるイギリス人歌手がいることともに、このような記事を載せるRT(Russia Today)にも感心させられます。

なおピンク・フロイドに関しては寺島隆吉『国際理解の歩き方』(pp.27-29)にも書かれていることを、寺島先生から指摘していただき、読み直してみました。1990年に寺島先生がヨーロッパHOBO(浮浪者)の旅をしていたとき、ちょうどベルリンの壁崩壊が1989年11月9日のことですから、壁崩壊後にベルリンでピンク・フロイドの公演に出会ったことになります。

この翻訳は、大手山茂が最初に翻訳し、私が見直してから載せたものです。その際、寺島隆吉先生からも助言をいただき修正を加えました。このように新たな翻訳者が加わることによって、このサイトもさらに充実してくるのではないかと思います。