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中国・パキスタン経済回廊(CPEC)により、中国とインドとの関係が緊迫化?

<記事原文 寺島先生推薦>
The China-Pakistan Economic Corridor (CPEC). Strained Relations with India?

Shahbazz Afzal著

グローバルリサーチ、2021年1月25日

 
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年2月21日

 

 2013年9月、東南アジア諸国連合サミットで、中国の習近平国家主席は、「一帯一路構想」(BRI)の構想と計画を発表した。これは、中国にとって、野心的で、広大で、入り組んだ貿易・商業網だ。そして、より広い世界への、商品、サービス、資本、人々の巨大化した相互交流である。

 間違いなく、「一帯一路構想」(BRI)は、21世紀に古代のシルクロードを復活・展開させるものだ。中国製品の交易路を再編成し、エネルギー豊かな国の天然資源への道筋を確保する。そして、これらの国々を巨大なインフラ計画と数十億ドルの投資で、根本的に変革することを目指している。アメリカのマーシャル・プランと第二次世界大戦後の西ヨーロッパの再建にある程度匹敵するが、「一帯一路構想」(BRI)は規模と構想力において、それを上回っている。構想の範囲は歴史上比類のないものだ、とも言われている。最近の報告によると、「一帯一路構想」(BRI)は90か国以上と40億人に影響を与える。

 中国・パキスタン経済回廊(CPEC)という「一帯一路構想」(BRI)旗艦計画(中国のカシュガルからパキスタンの深海港であるグワダルまで続く3000キロメートルの回廊)により、パキスタンに600億ドルを超える助成金とソフトローン投資が提供される。完成のあかつきには、中国がインド洋に到達できるようになる。パキスタンと国境を接する中国の遠隔西部地域の新疆ウイグル自治区を世界の他地域に開くだけでなく、中国を他のアジアやヨーロッパにつなぐことになる。つまり、洋上で、ヨーロッパ、アフリカ、他のアジア地域につながることになり、シンガポールやメラカ海峡を経由する海上輸送への依存を減らすことになる。

 間違いなく、パキスタンは中国「一帯一路構想」(BRI)の全体的な成功に不可欠であり、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)が失敗した場合、「一帯一路構想」(BRI)の潜在能力が十分に実現されない可能性がある。アンドリュー・スモールは、彼の見事で洞察に満ちた研究「中国・パキスタン枢軸」の中で、「パキスタンは、中国が地域大国から世界大国へと移行する上で、中心的な部分である」とさえ主張している。

 中国・パキスタン経済回廊(CPEC)の開始から将来計画までの両国の長期的な関与は、これまでの中国とパキスタンの強固な関係基盤の上に作られている。

 1950年、パキスタンは中華人民共和国を認めた最初の国の1つであった。 1972年のニクソン大統領の中国訪問を促し、同様に中国と西側の正式な関係を再構築することから、イスラム世界への主要な仲介者としての役割まで、パキスタンは、中国から重要な戦略的パートナーとしてだけでなく、「鉄の兄弟」と見なされている。この友情は、壮大なカラコルム幹線道路(1959年に建築が始まり、1979年に完成)の建設によって強化された。この幹線道路は、パキスタンと中国の新疆ウイグル自治区を結ぶ「中国・パキスタン友好幹線道路」としても知られている。

 1950年以来、パキスタンは、広範な軍事および経済計画で、中国と協力してきた。中国・パキスタン経済回廊(CPEC)は、これらの計画の最新のものと見なされている。中国は、核兵器開発の原料をパキスタンに提供してきた。-そして今日、パキスタンは、核ミサイルを持つ唯一のイスラム教国である。中国・パキスタン経済回廊(CPEC)は、インドとパキスタンの関係に影響を及ぼしている。インドは、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)を、直接の挑戦と脅威と見ている。それは、経済主導を装っているが、真の意図は、カシミール地域をめぐる、インドに対して起こり得る2方面からの正面軍事攻撃のための軍事協力だ、と見ている。さらに、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)は、中国のパキスタンへの地上アクセスを容易にし、経済発展というよりもむしろ、より大きな政治的および戦略的目標をもつものである、とも見ている


 2020年12月、「ヒンズー紙」の報道によると、中国外務省報道官は、記者会見で、最近の中国とパキスタンによる合同空軍演習は、「ニューデリーにメッセージ」を送ることを意図したものか、と問われ、訓練は両国間の「日常的な取り決め」の一部だ、と答えた。ラダックでの中国軍とインド軍の軍事対立の最中での演習であり、その懸念はもっともだ。この最近の「日常的な」合同演習は20日間続いた。中国の日刊紙「環球時報」によれば、「両国からの空軍は大規模な衝突に焦点を当てており、大規模な空中戦や大量および接近戦での軍隊の使用を含んでいる。」

 一部の観測者の議論では、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)は、インドに、外交政策の目的、安全保障戦略、貿易政策の見直しを強いている、とのことだ。そして、中国に対する地域的、世界的な経済競争相手としてのインドの驚異的な台頭、インドのカシミール政策が、中国とパキスタンをさらに近づけた可能性がある、と。

 中国とパキスタンの両国は、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)計画を弱体化させ、頓挫させようと、真剣な試みがなされている、との認識を共有している。パキスタン国内でのテロ攻撃は、数千人の命を奪い、不安定さを生み出してきた。 2020年11月、パキスタンの新聞「The Express Tribune」の報道によると、パキスタン当局は「書類を公開したが、そこには、パキスタンでのテロ行為に対するインドの支援について、議論の余地がない証拠を含んでおり」、「インドは中国・パキスタン経済回廊(CPEC)を妨害しようとしていた」とのことだ。 インドは、インドが支配するカシミール内で、パキスタンが不安をかき立てるテロリストと過激派をかくまい、支援していると非難している。

 進行する非難とその応酬は、パキスタンとインドの関係を緊張させ、不安定にしている。中国はパキスタンを最高レベルで支援し続けている。 2020年5月、インドの新聞「The Economic Times」で報道されたように、中国外務省スポークスマンの趙立堅は「我々は、いかなる時も戦略的協力パートナーである。過去69年間、この関係は変化する国際情勢の試練に耐え、岩のように堅固であった。」

 インドは、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)が頓挫することを望んでいるかもしれない。インドの多くの報道機関は、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)をめぐって、パキスタンと中国の不仲や不一致を伝えている。しかし、中国によると、パキスタンとの関係はますます強固になっている。パキスタンへの新しい中国大使である農融(ノン・ロン)は、最近、次のように述べている。「中国・パキスタン経済回廊(CPEC)は、2つの兄弟国の構想の産物である。その構想とは、数十年にわたる強力な二国間協力の絆を反映し、従来の商取引を超えたもので、全ての人にとってお互いに有利な状況となる目標を共有しているものである。」

 カシミール問題は、パキスタンとインド、中国とインドの大部分の問題の中心となってきた。この地域は3ヵ国によって分割、管理されており、パキスタンとインドはすでにカシミール地域をめぐって3度、戦争を行ってきた。

 カシミール地域を覆う絶え間ない戦争の脅威(3つの核保有国間の潜在的な軍事的発火点)にもかかわらず、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)は、2021年、急速に進展している、というのが多く専門家たちによる観測である。
 

Shahbazz Afzalは、独立作家であり、政治活動家である。

 
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米国は、チベットで中国を標的にする


<記事原文 寺島先生推薦>
US Targets China over Tibet

US Targets China over Tibet

2021‎‎ ‎年1月25日
ジャーナルNEO

著者:‎‎ブライアン・ベレティック‎



 米国議会は最近、いわゆる「チベット政策支援法(TPSA)」を可決したが、それはCOVID-19救済一括法案と、1.4兆ドルの政府支出法案に滑り込ませてであった。米国務省が出資するボイス・オブ・アメリカが「米国議会はチベットを支援する画期的な法案を可決する」という記事で伝えた。‎

‎ その記事は次のように述べている。‎

米国議会は月曜日、中国がダライ・ラマの後継者を任命しようとした場合、中国当局者に制裁を加えるなど、主要分野におけるチベットへの米国支援を増加させる法案を可決した。‎


‎ VOAはまた、次のことを報告している。‎

 
これは米国政府が、ダライ・ラマ継承を妨害する中国当局者に対して、経済制裁とビザの制裁を行うことになり、チベット自治区の首都であるラサに米国領事館を設立できないかぎり、中国政府がこれ以上米国に領事館を開設することを認めないことを、中国に要求している。‎


 VOAは、米国の動きを讃えた亡命「中央チベット政府」(CTA)の言葉を引用した。しかし、この亡命政治運動は、中国のチベット自治区内に住む実際の人々を代表できないし、そして代表していないので、この米国の支援がどれほど問題であるかについてはほとんど言及されていなかった。‎

 この法案は、米国による露骨な中国内政干渉の行為である。そして特にこのようなチベットにおける米国の干渉は半世紀以上続いてきたのだ。‎

ワシントンのチベット介入の長い歴史

 ワシントンによるこの最新の動きは、チベット介入の長く、卑劣な歴史を増大させる。‎

‎ 米国務省独自の歴史課には、1968年の文書「303委員会の覚書」がオンライン・コレクションに含まれており、「チベット作戦に関する状況報告」というタイトルで書かれている。‎

 そこでは、「政治行動、プロパガンダ、準軍事活動、情報活動」を含む「CIAのチベット計画(その一部は1956年に開始された)」について議論されている。この文書は、ダライ・ラマについてと、米国中央情報局(CIA)が彼に対して行った関わりについて言及している。‎

 また、「新しい若い指導者の核」と「チベットの大義への広範な同情」についても議論している。‎それはすべて米国政府によって意図的に設計されたチベット分離主義への幅広い投資の結果であった。

 この文書はまた、チベット独立を全面的に推進する完全なプロパガンダ・キャンペーンであることを認めている。‎

 この文書は次のように述べている。‎

 
政治活動とプロパガンダ分野において、チベット計画は、中国の政権の影響力と能力を軽減することを目的としている。それは、ダライ・ラマの指導の下、チベット人や諸外国の支援を通じて、チベット自治の概念のもとに、チベット内の政治的進展に対抗する抵抗力の創造に向けて行われる。それは、中国共産党の拡大の封じ込め-NSC 5913/1.2(秘密解除されていない資料編の6行)の最初に述べられた米国の政策目標である。‎


 そして、それはまさに米国政府が何十年も前から行ってきたことであり、最近では「チベット政策と支援法」の形で現れている。‎

 「米国民主主義のための国家基金(NED)」は、1980年代に米国政府によって創設され、毎年米国議会によって資金提供され、米国議会と米国務省が共同で監督し、チベットに関する少なくとも17のプログラムがリストアップされている。

 その中には、「国際チベット独立運動」や「自由チベットの学生たち」など、中国チベット自治区に関する分離主義を公然と推進する2つの組織が含まれている。‎

 その他の計画として、「新世代のチベット人指導者育成」や「組織活動やリーダーシップ訓練」などは、米国務省歴史課の文書に記載された計画の直接的な継続であり、1950年代と1960年代にCIAによって実施されたものである。‎

 チベットに関して以前CIAが行ってきたことを、今は米国NEDが行っているという事実は、ウィリアム・ブルムのような米国政府の外交政策の批評家による主張に対してさらなる信頼性を与える。彼は、NEDの全目的は「CIAが何十年もひそかにやってきたことを、やや公然と行うこと」であり、そしてCIAの秘密活動に関連する汚名を濯ごうとしているのです、と指摘した。

 チベットにおける米国の干渉は、アメリカ政府による中国領土内及び周辺での封じ込め、挑発、包囲、弱体化に関わるはるかに広範な戦略の一部に過ぎない。‎

 中国西部地域の新疆に関するワシントンの反中国プロパガンダ・キャンペーンは続いており、また香港での秩序回復の試みが実施されるように中国に圧力をかけようとしている。‎

 米国が支援する様々なカラー革命は、東南アジアを含む中国の緊密な同盟国の国境内、特にタイのような国々で醸成され続けている。ここ数週間、バンコクの通りの「民主化」の抗議者は、香港の反体制派グループと公然と結びつき、チベットと新疆ウイグル過激派双方の分離主義者の旗をいつも掲げ、ますます反中国的性格を帯びるようになっていた。‎

 米国上院は、タイの反政府デモ隊を公然と支持する決議を可決した。そのデモは、米国のNEDが資金援助する組織の支援を受けていて、その一部は反政府運動の中核的指導層を構成している。‎

 すべてを結びつけるのは、実際にチベットに源を発する東南アジアのメコン川沿い諸国への米国務省の介入である。VOAの記事では、次のように述べてさえいる。

・・・・TPSA(チベット支援法案)は、チベットの人権問題、環境権、宗教の自由、そして亡命民主的チベット政府の問題に取り組んでいる。またTPSAは、大規模な中国の水力発電プロジェクトが水を転用し、地域の生態系を脅かしているという、環境活動家や近隣諸国からの長年の懸念を受けて、水安全保障問題に対する地域的枠組みを求めている。‎‎

 したがって、ワシントンの反中キャンペーンの規模と様々な性格は、チベットだけに圧力をかけることに限定されていない。チベットは、中国に対する多くの相互につながった米国の圧力の一つに過ぎない。中国が反発しているように、米国とその依然として大規模で有力なメディア網は、この反応を「侵略」、さらには「領土拡張」とさえ描写しているが、ワシントンの当初の挑発とそれに続く挑発については言及をはぶいている。‎

 何世紀にもわたって断続的に統治してきたチベットに対する中国の支配は、今ほど強くはなかった。前例のないほど社会的・経済的に地域を発展させる中国の推進力によって、ワシントン政界やワシントンDCに拠点を置く分離主義チベット組織に絡みついているチベットの「独立」という概念が、消えゆくフィクションに過ぎないことがほぼ完全に明かである。‎

 ワシントンが失敗した外交政策を追い続けることに固執することは、その規模が大規模であるにもかかわらず、世界の舞台での信頼性をさらに損ない、政治的、そしておそらく経済的にさえ孤立させることになるだろう。チベットに関して中国に新たな「制裁」を実施しようとして、さらに中国との紛争の脅威をエスカレートさせるリスクさえある。‎

 問題は、アメリカ政府のハード面、ソフト面での政治力が、中国の国際関係のブランドと真に競争できるかどうかである。中国ブランドは、経済貿易、インフラプロジェクト、軍事ハードウェアの販売に基づいており、ビジネスのために必要とされるワシントンからの政治的従属がないのだ。‎

 そして、もしワシントンの外交政策が対抗できないという答えであれば、ワシントンの力が世界的に衰退し続け、中国の力がその空隙を埋め続ける中で、ワシントンは次にどのような措置を取るのだろうか。‎


ブライアン・ベレティックは、バンコクを拠点とする地政学的研究者であり、作家であり、特にオンラインマガジン‎‎「‎‎ニュー・イースタン・オマーチ」に関わっている‎‎。‎

 



 

トランプが歴史的なチベット法を承認することによって、中国とインドとの緊張が急激に高まる可能性が

<記事原文 寺島先生推薦> Tensions between China and India may soon rise as Trump approves historic Tibet Act

インフォービックス 

2020年12月29日火曜日

ウリエル・アラウホ著、国際紛争と民族紛争に関する研究者

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2021年2月5日

 ドナルド・トランプ米大統領は日曜日に歴史的なチベット法案に署名した。米国議会は12月21日にこの法案を可決した。このチベット政策支援法(TPSA)は、主要分野でチベットを支援するものだ。そして、もし中国当局自身が次期ダライ・ラマを指名しようとし、その任命がただチベット仏教徒共同体によって実行されるように、国際連携の構築を求めた場合には、中国当局に対する制裁措置の可能性さえ含んでいる。この法案は超党派の支持を得ており、チベットの首都ラサにワシントン領事館設立を許可することを要求している。最後に、この法案は、資金提供の規定の他に、チベットの環境についての安全規定があり、この問題を監視するためにより広い国際協力を求めている。

 同法はまた、インドに住むチベット人に600万ドル、チベット統治に300万ドル、奨学生交換プログラムに57万5000ドル、奨学金制度に67万5000ドル、チベットの米国特別コーディネーターに毎年100万ドルを割り当てている。この法律は台湾(この地域のもう1つのホット・トピック)にも適用され、台湾の国連機関への参加を支援している。

 中国はそのような動きを内政干渉と見なしており、米国当局に対してビザ発給禁止を課す可能性があると声明を出し、対抗した。

 1995年、中国政府は、ゲンドゥン・チューキー・ニマ(当時6歳)を逮捕した。ゲンドゥン・チューキー・ニマは、ダライ・ラマに次ぐ、チベット仏教で2番目に重要な人物であるパンチェン・ラマの生まれ変わりだと、ダライ・ラマ自身によって認められていた。ゲンドゥン・チューキー・ニマは、1995年以来、北京に拘留されたままで、彼の家族とともに非公開の場所に住んでいる。この事件に関連して、次期ダライ・ラマの選出が懸念される。現在のダライ・ラマ14世、テンジン・ギャツォは今85歳だ。中国の立場は、チベットは国内問題であり、現在のダライ・ラマ14世(インドに亡命中)は分離主義者である。ダライ・ラマは、チベット仏教徒の精神的指導者であることに加えて、インドのダラムサラに拠点を置く中央チベット亡命政権の国家元首である。

 外務省のスポークスマン、汪文潭は先週、アメリカ議会がその法案を可決した後、そのような「中国への内政干渉」は、ワシントンと北京間の「協力と二国間関係」に害を及ぼす可能性があると警告した。いっぽう、ロブサン・センゲ(中央チベット亡命政権の大統領)は、この法律はチベット人に「正義と希望」の「強力なメッセージ」を送るものだと述べた。

 現在、亡命チベット人の8万人以上がインドに居住しており、他の15万人が他国、特に米国とヨーロッパに住んでいる。

 11月23日、チベット亡命政府の長であるロブサン・センゲが、60年ぶりにホワイトハウスを訪れた。 10月、米国はロバート・デストロをチベットの人権特使に任命した。そのポストは2017年から空席であった。

  法案の環境規定は、明らかに中国のチベット地域でのプロジェクトを対象としている。引退したインド当局者のアミタブ・マトゥールは、トランプが法案に署名した今、採鉱などで環境被害を起こしている企業名をブラックリストに載せるという訴訟に、「インドも追随する時が来た」と述べた。

 チベット問題は、中国とインドの緊張を高める可能性がある。特にラダック(訳注 中国軍とインド軍の衝突がインド北部カシミール地方ラダックで深刻化している)の膠着状態後では。緊張はすでに高まっている。 12月14日、インド国防長官のビピン・ラワット将軍は、チベットで中国の開発作業が進められているが、心配の種とはならない。なぜなら、インドは「いかなる不慮の事態にも用意がある」からだ、とコメントした。

 実際、中国は、バングラデシュとインドも通過するヤルン・ツァンボ川流域のチベットに、歴史的な水力発電プロジェクトの建設を計画している。そこでの中国の活動が生態系に影響を与えるのではないか、とニューデリーは懸念している。中国によって支配されているチベット自治区の一部は、インドによって主権を主張されている。それは、カシミール地域の一部であるアクサイチン地域だ。インドは、チベット問題を交渉カードとして使ってきたと、北京からしばしば非難されてきた。

 2013年以来、北京は中国・パキスタン経済回廊インフラ・プロジェクトをすすめており、チベットは中国がパキスタン(伝統的なインドのライバル)にアクセスするためにも重要である。中国・パキスタン経済回廊は、新疆、チベット、青海を含むいわゆる西部開発計画を補完する。いくつかの点で、チベット問題は印中関係の緊張の中心にあると言うことができる。

 ジョー・バイデン次期大統領は、新BECA米印防衛協定の後、強大な米印同盟を夢見ている。そして今、そのような夢は、より現実に近づいているかもしれない。チベットに関するこの新たな展開は、チベットをより強力に支援するように、インドが圧力を受ける立場に置き、中国とインドの緊張をさらに高める可能性がある。今、インドはいわば手を括られた状態だ。もし今、ニューデリーがチベットに関して明確な立場をとれば、中国は必ず報復するだろう。しかし、万が一、QUADグループ(米国、インド、日本、オーストラリア)が、実際にアジア版NATO、またはそれに似たものになった場合、(中国はそれを恐れているのだが)、インドは近い将来、チベットに関して強力な支援を行うのに十分な権能を与えられた、と感じるのではないか?

 北京にとって、チベット(南シナ海と同様に)の権益は不可欠だ。万が一、ニューデリーが干渉した場合、北京は報復するであろう。そうすれば、緊張が高まり、おそらく新しい中印戦争にさえつながる可能性がある。運命のいたずらのごとく、1962年戦争と同じく国境問題をめぐってだ。

  バイデンは、中国とロシアの両方に、一種の「二重の封じ込め」政策を続けると予想される。しかし、バイデン政権下の米国は、主にロシアを敵対視し、ロシアを一種のならず者国家としてヨーロッパから隔離しようとしている。一方、中国に対しては、より「誠意をもって」いわば競争相手として扱っている。ただし「対抗」するインドや他の中国のライバル国とより緊密な繋がりをとりながらだが。そうだとすれば、バイデンはチベットに関して、トランプの政策から撤退することが予想されるかもしれない。しかし、議会での法案に対する超党派の支持は、「人権」と「環境配慮」の名のもとに、バイデンに後退しないように圧力をかけるであろう。したがって、トランプによるモロッコ支持(これは、トランプが後継者に贈った「別れの贈り物」と言われているものだが)と同様、バイデンはまたある意味で、彼の手が絡められていると、気付くかもしれない。

 またぞろ、米国の動きは緊張を高め、関係するすべての当事者にジレンマを生み出したかもしれない。

 

中国周辺の米軍配備図

<記事原文 寺島先生推薦>

A Map Of US Military Presence Near China


タイラー・ダーデン

ゼロ・ヘッジ
2020年12月29日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年1月16日

 最近のメディアの報道によると、パラオ共和国は米国に、フィリピン、インドネシア、マレーシア、そしてもちろん中国にも戦略的に近接したこの島パラオに、共同利用施設(基地、港、飛行場)を建設するよう要請した。これは、バンク・オブ・アメリカが大げさに指摘しているように、「太平洋における米国のアクセスを改善するだろう」。

 伝えられるところによると、この申し出は、9月初旬に国防長官のマーク・エスパーがこの島国を訪れた際に行われた。パラオ共和国は340の島(180平方マイル)で構成され、西太平洋に位置している。

 米国がパラオのこの申し出を取り上げるかどうかはまだ分からないが、とりあえず、バンク・オブ・アメリカ(B of A)の作成した太平洋、特に中国の近くにある米軍基地と軍配備地図を見てみよう。中国が米国大陸のすぐ近くに12以上の軍事的接点を持っていたら、米国市民はどのように感じるだろうか。
 
us military in pacific

アメリカ軍事産業への中国の新たな制裁は、米軍に大きな損害を与える可能性がある

<記事原文 寺島先生推薦>
  China’s new sanctions against American defence companies have the potential to cause major damage to the US military

RT 論説面 2020年10月26日

英国の作家であり、東アジアを中心とした政治と国際関係のアナリストであるトム・フォウディによる。
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>2020年12月15日



 米国の台湾への武器販売について、北京は新たな制裁措置で警告した。今のところ、この動きは象徴的だが、中国が強硬な対処を望めば、制裁を受ける企業はサプライチェーンに大打撃を受ける可能性がある。

 月曜日の午後、台湾への武器販売をめぐって、中国外務省は多くの米国企業および関係者に制裁を課すと発表した。ワシントンは先週、台湾に対して約50億ドル相当の記録的な武器販売を承認していた。

 一覧表に載せられた企業には、ロッキード・マーティン社、ボーイング・ディフェンス社、レイテオン社が含まれ、「アメリカ軍事産業複合体」としばしば称される企業の中核に及んでいる。ただし、具体的な対策は何か、どうように実施されるのか、影響はどのようなものかについては明らかではない。

 一見、これらの制裁はみせかけのように見える。それらの軍事企業は中国でのビジネスを求めてはいないため、アメリカ市場への影響はない。例外は、ボーイング社の民間部門だが、電子メールで、ボーイング社は中国市場に依然として関与していると述べている。

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A Russia-China military alliance would be a bulwark against America’s global imperialism. Is it time for Washington to panic?A Russia-China military alliance would be a bulwark against America’s global imperialism. Is it time for Washington to panic?


 他方、そのような制裁が戦略的な意味を持たないということではない。第一に、中国は米国の国防兵器製造に必要な「レア・アース」資材で圧倒的な優位性を持っており、これらの制裁が実際に行われると、兵器製造のサプライチェーンは大きな影響を受ける可能性がある。

 第二に、今回の措置がみせかけにすぎないとしても、米国の将来の行動に対して報復する可能性がある、という北京からの警告になる。

 「レア・アース」とは何か?なぜそれらが重要なのか?レア・アースは、主に電子機器、車両、そしてもちろん軍事機器を含むあらゆる種類の製造に優先的に使用される17の物資を指す。

 当然、これらの資源は、世界中の多くのサプライチェーンの基盤を形成している。中国はこの業界をほぼ完全に独占している。ある調査によると、中国は「世界のレア・アース酸化物の約85%、レア・アース金属、合金、永久磁石の約90%を生産している」とのことだ。 2018年には、アメリカのレア・アース輸入の80%までが中国からのものであった。ワシントンはこれを承知しており、不測の事態に懸命に備えようとしている。

 これの戦略的意味は非常に明確だ。米軍は、中国から輸入した材料に大きく依存して、軍事機器を製造している。北京が望めば、これらの制裁は影響を受ける企業のサプライチェーンに大打撃を与える可能性がある。

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US’ latest targeting of Chinese media to ‘curb propaganda’ is, in fact, propaganda in its purest form

 しかし、ワシントンがこの動きを大きなエスカレーションととらえ、ファーウェイ(Huawei)などの中国企業に対する厳しい報復を行うことを考慮すれば、北京が実際にそれを行うかどうかは、政治的意思の問題となる。このような動きは、特に選挙の準備段階では明らかに良い考えではなく、おそらく戦争に結びつくようなシナリオの最後の手段にすぎないであろう。そうであれば、この動きは中国が行う可能性があることについての「警告」、つまり中国は米国企業に対してより厳しく対応する準備ができているという証明、と理解する方がより正確かもしれない。

 1か月前、中国は独自の「統一リスト」を公開した。これは、輸出企業のブラックリストだ。そのブラックリストに載せられている企業との貿易や輸出が禁止される可能性がある。その企業とは、中国の国家安全保障に対する脅威であると見なされた企業だ。中国のこの動きは、米国商務省が中国企業に対して以前行ったことを意図的に反映している。このリスト設定の目的は、中国企業を差別する国、あるいは中国企業の利益を損なう国に対して、自国市場を活用することだ。

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New American military base in Pacific would show how US-China cold war is heating up fast New American military base in Pacific would show how US-China cold war is heating up fast

 これが、ボーイング・ディフェンス社をブラックリストの載せることの意味だ。その制裁措置は、商用航空機を供給し、中国で巨大なビジネスを行っているボーイング社の民間部門を慎重に回避している。しかし、ボーイング社が不可侵ではないという明確な警告だ。北京はCOMACC-919を含む独自の商用航空機を開発しようとしているため、さらに強行的になる可能性がある。

 これらすべてを考慮すると、今回の米国兵器産業に対する中国の制裁は、実際には政策までに至っていないが、今後本格的に行うことも視野に入れているという表明である。北京はまだアメリカがレア・アースに依存している現状を利用するまでに至ってないが、中国が適切であると考えるとき、米国企業に対して制裁措置をとる準備があることを明確に示している。

 一つには、台湾は、中国政府にとって大きなレッド・ラインだ。中国がその軍事演習で示したように、台湾が中国に対抗して前進しようとするならば、中国はいくつかの明確な結末を示さなければならない。しかし、極端に不安定になる手段に頼ることはない。

 北京はツールキット(工具セット)を準備しており、特に必要な場合には、それを使う用意があることを我々に知らせたいと考えている。これらの陳列された制裁は、さまざまな方法で本物の牙となる可能性がある。我々は今後注視する必要がある。

「イラク侵略後の世界では、米国が中国について語る話を信じるのは狂気の沙汰だ」ケイトリン・ジョンストン

<記事原文寺島先生推薦>
Caitlin Johnstone: In post-Iraq invasion world, it’s absolutely insane to blindly believe the US narrative on China


RT 論説面


ケイトリン・ジョンストン
メルボルンを本拠地とする独立ジャーナリスト。彼女のウェブサイトはこちら。ツイッターはこちら


<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年9月5日


私のソーシャルメディアからのお知らせがここ数日間チカチ光り続けている。それは毒のある中国に対する醜聞を煽るものたちが動画を共有しようとしてくるからだ。その動画はウイグル族のイスラム教徒が、電車に乗せられて収容所に送り込まれるところを映していることを非難する動画だ。
 
 その動画は実は古い動画で去年出回っていたものだ。しかし2020年になって魔法仕掛けのように再び登場し、みなを驚かせる新着動画のように出回っている。西側の反中国主義者たちは公的に発作的混乱状態に足を踏み入れ始めたようだ。この動きはまさに米国が南シナ海での緊張を高めている中で、ここ数年でもっとも危険で挑発的な軍事演習を実施した時期と重なる。

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