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ボリビア、社会主義者新大統領の下、アメリカの支配に抗して南米地域連合に再加入

<記事原文 寺島先生推薦>

Bolivia rejoins Latin American regional blocs opposing US sway under new socialist president
RT ワールドニュース

2020年11月21日


<記事翻訳 寺島メソッド翻訳ニュース>

2021年1月10日


 ボリビアのルイス・アルセ新大統領は、地域統合を目指す3つの主要ブロックへ再加盟した。これは、これら3つの左派系連合からの離脱を目指した前「暫定」政権の動きを180°転回させるものだ。

 追放された指導者エボ・モラレス氏の後継者であり盟友でもあるアルセ氏の政権は、ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(スペイン語の頭文字をとってCELAC)、南米諸国連合(UNASUR)、ボリバル同盟(ALBA)の3つのグループへの「メンバー国としての完全な参加」を更新すると述べた。これら3つのグループはいずれもメンバー国間の政治的経済的協力を追求する。

 「暫定政権が下した決定、つまり前述した統合地域にボリビアが参加することを停止するという決定は、純粋に政治的利害に反応したものであって、ボリビア人民の統合的な使命とはほとんど何の関係もない」とボリビア外務省は金曜日に発表した声明で語った。この声明はモラレス氏が昨年政権から解任された後、ジェニーン・アネス氏暫定大統領が取った行動についてのものだ。



 アネス氏は、政治的危機と2019年大統領選挙における不正行為の疑惑の中で大統領に就任した。その結果、最終的にはモラレス氏の大統領辞任と、身の安全を懸念してボリビアから飛行機で脱出という結果になった。保守派のアネス氏はすぐに社会主義的な方向性と決別し、中道左派の上記3つのグループから脱退した。

 しかし、今年の大統領選で、アネス氏は第1回投票であっさり敗北。アルセ氏が勝利し、モラレス氏の政党である社会主義運動(MAS)に政権の主導権を戻った。

 
ALSO ON RT.COM

NYTimes embodies sour grapes in writeup of Bolivia’s ex-president Morales’ ‘triumphant return’ after election overturns coup

 
 ボリビアが再加盟したこの3つの地域組織は、主に現在進行中のベネズエラの政治・経済危機とワシントンからの自治を求める声が大きく関係した分裂で大きな傷を受けている。ワシントンから自立する願望もあり、そういったことが原因で、近年、3つの地域組織の一部で足並みが乱れてきている。

 かつてこの地域の12カ国で構成されていたUNASUR(南米諸国連合)は、その指導力と方向性をめぐる論争の中で、その後、加盟国のほとんどが脱退した。2017年、かつての加盟国であるアルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、パラグアイ、ペルーの6カ国は、ベネズエラの混乱に対処することを目的に、他の数カ国とともに米国の支援を受けたリマ・グループを結成した。この6カ国は1年後UNASURを脱退、加盟国を半減させたが、リマ・グループを通じて、ベネズエラのマドゥロ大統領に対して非常に批判的な姿勢をとり、マドゥロ政権を「違法な社会主義政権」非難している

 エクアドルとウルグアイがこの1年間でUNASURから脱退、ボリビアも、アネス氏が権力の座に登り詰めると、同様に脱退した。このグループは3カ国( ガイアナ、スリナム、ベネズエラ)だけになったが、ボリビアの復帰で11月20日(金)に4カ国になった。

ALSO ON RT.COM

‘OAS misled public’: MIT study finds ‘NO evidence of fraud’ in Bolivian election that saw Evo Morales ousted in military coup

 一方、CELAC(ラテンアメリカ・カリブ諸国共同 体)はラテンアメリカの32カ国で構成されており、一部の参加国からは、ボリビアの大統領選挙での不正行為疑惑(現在はその信憑性が疑われている)をいち早く支持した米国が設立し、米国に本部を置く米州機構(OAS)に代わるものと見られている。CELACの設立はブラジルの元左翼大統領ルーラ・ダ・シルバ氏が主導していたが、ブラジルは今年初め、保守派のジャイル・ボルソナロ政権が、CELACはベネズエラなどで「民主主義の擁護」に失敗したと発言したことを受けてこの組織を脱退した。

  2004年にベネズエラとキューバによって設立され、10カ国に拡大したボリバル同盟(ALBA)は、貿易障壁の撤廃とラテンアメリカ諸国間の経済的結束の促進を目的としており、2003年にアメリカ政府が提案した南北アメリカ横断の自由貿易圏案と同様の機能を果たしている。米州自由貿易地域として知られていたこの不毛な取引は、モラレス氏によって「アメリカ大陸の植民地化を合法化するための合意」として破棄され、それに代わりボリビアは2006年にALBAに加盟することとなった。

ALSO ON RT.COM

The coup didn't take: Socialists’ victory in Bolivia shows more unity than foreign meddlers would like

 10月のアルセ氏選挙勝利は、米国に友好的なアネス政権への反発との見方が強い。そしてこのことはモラレス氏が祖国に帰還し、社会主義運動(MAS)の左派的政策への回帰へ道を開くことになる。ワシントンは2019年のモラレス氏追放を全面的に応援していたが、米国務省は先月、まるでその気持ちのないアルセ氏勝利祝福声明を発表した。

 

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体制転覆の終わり – ボリビアと世界で


<記事原文 寺島先生推薦>

Ending Regime Change – In Bolivia and the World


メデア・ベンジャミンとニコラス・J・S・デイヴィス

グローバルリサーチ、2020年10月29日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>


 米国と米国が支援する米州機構(OAS)が、ボリビア政府を転覆するため暴力的な軍事クーデターを支援して1年も経たないうちに、ボリビアの人々は「社会主義運動(MAS)」を再び選んで、政権を取り戻した。 

 米国が支援する「政権転覆」の長い歴史の中で、統治方法を指図する米国の試みを、民主的に断固拒否する人々や国はめったにない。クーデター後のジャニーン・アニェス暫定大統領は、クーデターにかかわったためボリビアで起訴される可能性があるので、自分やその他の人々のために350人分の米国ビザを要求したと伝えられている。

  米国とOAS[米州機構]がボリビアのクーデターを支援するために行った2019年の不正選挙の話は、完全にその虚偽が暴かれた。MAS [社会主義運動]の支持者は主に田舎のボリビア先住民なので、MAS右派や新自由主義を支持する裕福な都市住民よりも、投票用紙の回収や集計に時間がかかるのだ。

 投票が農村部から集まるにつれて、MASへの投票数が増えてくる。ボリビアの選挙結果におけるこの予測可能で普通のパターンが、2019年の不正選挙の証拠であるといって、OAS[米州機構]は、先住民のMAS[社会主義運動]の支持者に対してひどい暴力を振るったが、結局、暴力行為を行った責任は、OASそのものの権威を失墜させることとなった。

  ボリビアでの米国支援によるクーデターの失敗が、今回のボリビアのより民主的な結果につながったことは意味深い。米国国内では外交政策をめぐり、帝国の指令に抵抗する国々の政変を強いるために、軍事的、経済的、政治的武器の兵器庫を配備する権利、あるいは義務さえあると考えられているのが普通である。



 実際この考え方が、本格的な戦争(イラクやアフガニスタンのように)、クーデター(2004年のハイチ、2009年のホンジュラス、2014年のウクライナ)、秘密戦争と代理戦争(ソマリア、リビア、シリア、イエメンなど)、懲罰的経済制裁(キューバ、イラン、ベネズエラなど)のいずれかにつながった。それらすべては、標的にされた国々の主権を犯し、それ故、国際法に違反している。

  米国がどんな政権転覆を行ったとしても、これらの米国の介入は、それらの国の人々にとっても、過去の無数の国々の人々にとっても、これまで生活をより良くするものではなかった。ウィリアム・ブラムの1995年の名著『キリング・ホープ:第二次世界大戦以来の米軍とCIAの介入』は、1945年から1995年までの50年間で55回の米政権転覆作戦を一覧にしている。ブルムの詳細な説明が明らかにしているように、これらの作戦のほとんどは、ボリビアのように、普通選挙で選ばれた政府を権力から追放する米国の試みであり、米国の支援を受けた独裁政権に置き換えることであった。例えば、イランのシャー、コンゴのモブツ、インドネシアのスハルト、チリのピノチェト将軍などの独裁政権もそうである。

  標的となった政府が暴力的で抑圧的な政府であっても、米国の介入は通常、さらに大きな暴力につながる。アフガニスタンのタリバン政府を追放してから19年の間、米国はアフガニスタンの戦闘機や民間人に8万発の爆弾とミサイルを投下し、数万人の「殺害または逮捕」をする夜間襲撃を行い、その戦争で数十万人のアフガニスタン人が死亡した。

  2019年12月、ワシントン・ポスト紙は、この暴力のいずれもアフガニスタンに平和や安定をもたらす本物の戦略に基づいていないことを国防総省の文書で公表した。今、米国の支援を受けたアフガニスタン政府は、何十年もの戦争が拒んできた実行可能で平和的な未来を、アフガニスタンとその国民に提供できるのは政治的解決だけであるとして、この「終わりなき」戦争を終わらせるため政治的権力を分担する計画について、ついにタリバンと和平交渉に入った。

  リビアで米国とNATOとアラブ首長国連邦が、密かな侵略とNATOの空爆に支援された代理戦争を開始してから9年経ったあと起こったのは、恐ろしいソドミー[訳注:旧約聖書中で神に滅ぼされた町の腐敗と退廃]と長年の反植民地指導者ムアンマル・カダフィ暗殺であった。それはリビアを様々な代理戦争部隊間の混乱と内戦へと導いた。それら代理戦争部隊は、カダフィ打倒のために、米国とその同盟国が結託し、武装させ、訓練したのだ。

 英国の議会調査によると、「民間人を保護するための限定的な介入は、軍事的手段による政権交代のご都合主義政策に陥った」ことが判明し、それによって、「政治的・経済的崩壊、民兵間および部族間の戦争、人道的危機と移民危機、広範囲にわたる人権侵害、カダフィ政権の兵器の地域全体への拡散、そして北アフリカにおけるIS(イスラム国)の成長」につながった。

 リビアで戦う諸派閥は現在、恒久的な停戦を目的とした和平交渉に取り組んでいる。国連特使によると「リビアの主権を回復するために、可能な限り早期に国政選挙を行う」というが、その主権を破壊したのがNATOの介入である。

  バーニー・サンダース上院議員の外交政策顧問マシュー・ダスは、我々の歴史で最終的にこの血にまみれた章のページをめくることができるように、次の米政権に9・11後の「テロとの戦い」の包括的な見直しをすることを求めた。

 ダスは、国連憲章とジュネーブ条約の「第二次世界大戦後に米国も起草にかかわった国際人道法」に基づいて、この20年間の戦争を総括する独立委員会の創設を求めている。彼は、この見直しで、「米国が軍事的暴力を使用する際の条件と法的権限について、活発な国民的議論」が起こることを願っている。

  このような見直しはますます必要とされているのだが延び延びになっている。というのは、その見直しは、この20年間の戦争が、米国の「政権転覆」作戦の大規模なエスカレーションを隠蔽するように設計されたものだ、という現実に直面せざるを得ないからだ。そして、当初から「テロとの戦い」は、アルカイダの台頭や9月11日の犯罪とは無関係の世俗的な政府によって治められていた国々に対するものであったからだ。

 2001年9月11日の午後、国防総省の会議で政策担当高官のスティーブン・カンボーンが取ったメモは、ラムズフェルド国防長官が直ちに情報を得るために彼の出した指令をまとめたものである。そのメモは、「UBL[オサマ・ビン・ラディン]だけでなく、同時にS.H.[サダム・フセイン]を攻撃するのにふさわしいかどうかを判断せよ。大規模に攻撃せよ。すべてを一掃せよ。9・11に関係していようがいまいが」、という内容だった。

  恐ろしい軍事的暴力と大量の犠牲者を出して、その結果生じた世界的なテロによる統治は、世界中に偽政府を作った。それらは、米国の行動が排除した政府よりも腐敗し、正当ではなく、自国の領土とその国民を守ることができないことを証明した。そして、米帝国の意図したとおりに強化されず、拡大せず、これらの軍事的、外交的、財政的強制が違法かつ破壊的に行使されたため逆効果になった。そして徐々に変化する多極化世界において、米国はこれまで以上に孤立し、無力となった。

  今日、米国、中国、欧州連合(EU)は、経済と国際貿易の規模はほぼ等しいが、それら全てを合わせても、世界経済対外貿易の半分以下である。冷戦の終わりにアメリカの指導者が望んでいたように、今日の世界を経済的に支配する力はどの帝国にもないし、冷戦時代のようにライバル帝国間の二極対立によって分断されてもいない。これが私たちがすでに今住んでいる多極化世界であり、それは将来いつかは出現するかもしれない多極化世界ではない。

  この多極化世界は、新たな合意を作り出し、前進している。つまり、や通常兵器をはじめ、気候変動危機や、女性と子どもの権利に関する最も重要な共通問題の合意づくりである。米国は、国際法違反と多国間条約を拒否することによって、アメリカの政治家が求める確かな世界のリーダーとはなれず、世界の除け者となっている。

  ジョー・バイデンは、彼が選ばれた場合、アメリカの国際的なリーダーシップを回復すると言っているが、それは言うは易く、行うは難しいことだろう。アメリカ帝国は、20世紀前半に経済力と軍事力で、ルールに基づく国際秩序を利用して国際的なリーダーとなり、第二次世界大戦後の国際法のもとで全盛を極めた。しかし、米国は冷戦と冷戦後の勝利至上主義を通じて徐々に悪化し、今では「力は正義だ」や「私のやり方に従うか、嫌なら出て行け」の教義で、世界を脅かしてもがいている、退廃的な帝国になった。

  2008年にバラク・オバマが当選したとき、世界の多くはブッシュ、チェイニー、そして「テロとの戦い」をアメリカの政策の「新たな標準」というよりも、「例外的」と見なしていた。オバマは、いくつかのスピーチと、「平和の大統領」を待ち望む世界の絶望的な希望を託されてノーベル平和賞を受賞した。しかし、オバマ、バイデン、テロの火曜日*、キルリスト*の8年間、そしてトランプ、ペンス、ケージの子供たち*、中国との新冷戦の4年間は、ブッシュとチェイニーの下で見られたアメリカ帝国主義の暗黒面が、例外ではなかったという世界最悪の懸念を確認することとなった。

<訳注>  [テロの火曜日 --- オバマ大統領は、火曜日夕方必ずCIAのブレナンに暗殺指令を出した。]

 [キルリスト --- 米ニューヨーク タイムズによれば、オバマは毎週火曜日の朝、ホワイトハウスの危機管理室で殺人の作戦会議を行う(参照リンク)。

そこでは、学校の卒業アルバムのように、テロリストの写真と簡単な説明が並べられた
書類がオバマに提出される。そしてオバマは、彼らの殺害に承認を与えるのだ。この書類はメディアによって「キル リスト(殺害リスト)」と呼ばれている。]

[ケージの子どもたち・・・ アメリカ南部国境地帯で、不法移民の家族から引き離して収容する劣悪な施設の子どもたち(伊吹太歩の世界の歩き方:人権派の人殺し、本当は怖いオバマ大統領)より]

  アメリカのやり損なった政権転覆と戦争の中で、侵略や軍事介入の最も具体的な証拠は、米軍産複合体が依然としてアメリカに続く次の10カ国を合わせたより多くを支出していることである。もちろんこの多額の出費は、アメリカを防衛するため必要となる額を過剰に上回っている。

引用


  はっきりしていることは、我々は、平和を望むならば、爆撃を止め、隣国を制裁したり、他国の政府を打倒しようとすることを止めることだ。米軍をほとんど撤退させ、世界中の軍事基地を閉鎖することだ。そして、我々の軍隊と軍事予算を、本当に我が国を守るために必要なものに減らし、世界侵略の違法な戦争を行わないことだ。

 抑圧的な体制を打倒するために大衆運動を構築し、失敗した新自由主義体制の複製ではない新しい統治モデルの構築に格闘している世界の人々のために、我々は、ホワイトハウスに誰が入っても、アメリカの意志を他国に押し付けようとする政府を阻止しなければならないのだ。

  米国の支援を受けた政権転覆に対するボリビアの勝利は、我々の新しい多極化世界で湧き上がる人民権力の確認であり、米国を帝国後の未来に移行させる闘争は、米国民の利益にもなっている。故ベネズエラの指導者ウーゴ・チャベスがかつてベネズエラを訪問中の米国代表団に語ったように、「帝国を克服するために米国内の抑圧された人々と協力すれば、私たちは自分自身を解放するだけでなく、マーティン・ルーサー・キングが語る人々をも解放するだろう」と述べた。

*
メデア・ベンジャミンは、平和のためのCODEPINKの共同創設者であり、いくつかの本の著者である。「不当な王国:(米・サウジの連携の背後)」と、「イランの内側:(イランのイスラム共和国の本当の歴史と政治)」など。

ニコラス・J・S・デイヴィスは独立系ジャーナリストで、CODEPINKの研究者であり、「ブラッド・オン・アワ・ハンズ血まみれた我々の手:(アメリカのイラク侵攻と破壊)」の著者。

 

「我々は、必要と思えば誰にでもクーデターを仕掛ける」――注目の起業家イーロン・マスク氏はネット上で、ボリビアのエヴォ・モラレス前大統領の追放を冗談めかして煽り立てた


<記事原文 寺島先生推薦>
‘We will coup whoever we want’: Elon Musk sparks online riot with quip about overthrow of Bolivia’s Evo Morales

RT ワールド・ニュース
2020年7月25日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2020年8月20日
‘We will coup whoever we want’: Elon Musk sparks online riot with quip about overthrow of Bolivia’s Evo Morales

 Tesla & SpaceX社のCEOであるイーロン・マスク氏がツイッターを炎上させたのは、自分の会社の利益のためであれば政権交代作戦を実行することに何の異論もない、と受け取れるような発言をしてからだ。しかし、マスク氏の発言は明らかに冗談だとする者もいた。

 この挑発的なコメントをする前に、億万長者の実業家イーロン・マスク氏は、低迷するアメリカ経済を後押しするために、さらなる政府の景気刺激法案を作成しても「国民の最善の利益にはならない」だろう、と示唆していた。

 これに納得できないコメンテーターは反論した。「何が人々の利益にならなったかあなたは分かっているのでしょう?アメリカ政府がボリビアのエヴォ・モラレスに対するクーデターを組織したのは、あなたがボリビアのリチウムを手に入れられるようにするためだったのですよ」、と。

 マスク氏は、この非難に動じる様子もなく反論した。「我々は必要と思えば誰にでもクーデターを仕掛ける!頭を冷やしたらいい」と答えた。その後のツイートで彼は、テスラ社はオーストラリアからリチウムを調達していると述べた。

 この投稿でツイッターは大炎上することになった。ジャーナリストのマックス・ブルメンタール氏は、マスク氏の無恥なツイートは、「ボリビアのリチウム・クーデターを実質的に正当化することになる」と主張した。

 「再生可能」エネルギーの中心人物であるイーロン・マスク氏はボリビア・リチウム・クーデターを実質的に正当化するほんの数ヶ月前、リチウムが豊富なブラジルにあるテスラ社工場前でのボルソナロ・ブラジル大統領との会談を予定していた。



 マスク氏があれこれ考えていることを「軽率」であり、「残酷で殺人者的な発想」と表現している評者もいる。「その歯に衣着せない言い方がさわやか」との認識も隠してはいないが。

 誰もがこのテスラ社CEOの声明を額面通りに受け止めているわけではない。マスク氏の発言は明らかに冗談だと言う人もいるからだ。ただし、悪乗りが過ぎてはいるが。

 「冗談のつもりなのだろう。それにしてもこれは本当にひどい。アメリカに支援された軍事クーデターが起きると苦しむのは無辜の人々なのだ。その人たちの苦しみを何とも思わないのか?」との返信があった。

 ボリビアのエヴォ・モラレス前大統領は、昨年11月に選挙の不正行為を告発されて辞任し、国外に逃れた。モラレス前大統領はRTとのインタビューで、今回の事件を「クーデター」と呼び、ボリビアの埋蔵リチウム(世界最大級)を産業界の搾取に委ねる右派の指導者の就任を狙ったものだと語った。

ALSO ON RT.COM

Bolivian coup was all about the lithium & OAS had a hand in it, ousted president Morales tells RT

 2019年11月の初め、ボリビアはドイツの企業ACI Systems Alemania(ACISA)との大規模なリチウムプロジェクトを中断した。テスラ社がオーストラリアからリチウムを受け取っているのは事実だが、テスラ社はACISAの顧客リストに入っているとも言われている。

アルゼンチンの社会運動が食糧主権を提案

<記事原文>

Argentine Social movements, Ciudad Futura and the Frente Patria Grande, proposed a food sovereignty plan that promotes the creation of a public food company to ensure the access to food to vulnerable sections of the society.

INTERNATIONALIST 360°
2020年5月12日




 前右翼政府によって引き起こされ、COVID-19のパンデミックによって悪化した飢餓と貧困の状況に直面し、Ciudad Futura(Future City)とthe Frente Patria Grande(Front for Great Homeland)のようなアルゼンチンの社会運動は、食糧主権計画を提案している。これらの運動は、歴史的に無視されてきた社会階層への食糧アクセスを確保するために、公共食品会社の設立を可能にする法律を推進しようとしている。

 マウリシオ・マクリ前大統領の右翼政権による新自由主義的な経済政策により、アルゼンチンは史上最悪の不況に陥った。国際通貨基金(IMF)の政策に沿って実施された緊縮財政によって引き起こされた社会経済危機により、アルゼンチンの人口の50%以上が深刻な影響を受けた。国の通貨の切り下げ、失業率の上昇、貧困、ホームレスの増加、激烈なインフレ、そして政府の適切な政策の欠如により、アルゼンチンの人口の大部分が基本的な食糧にアクセスできない状況に陥った。

 COVID-19パンデミックの拡がりは、緊急事に政府がきちんと効率的な食糧支援システムを保証するために大きな課題がまだ残っていることを明らかにした。

強制的かつ予防的な社会的隔離措置が行われている間に、必要不可欠な食料品の価値が合理的な正当性もなく高騰した。社会運動は、価格高騰の主な原因は仲介業者にあると主張した。

 これらの運動に関わっている指導者たちの説明によると、経済力の集中と少数の流通業者や生産者が価値連鎖を独占しているため、ほとんどの場合、国家は被害者となり、高い代償を払わなければならないとのことだ。

 この状況に直面した社会運動は、仲介業者の排除も目的とした公的な食品会社の企画案を提案した。

 与党左翼連合Frente de Todos(Front for all)のフェデリコ・ファジオリ全国副代表は、この企画案を支持し、地方議会だけでなく下院でも法案を提出すると述べた。「我々は、国民が食糧を手にする権利を保証し、投機を抑制し、我々の主権を取り戻すために、ナショナル・フード・カンパニーの創設を奨励する法案を国会と地方議会で提出するつもりだ 」とファジオリは述べた。



 Frente de Todos と Frente Patria Grandeに属するフェデリコ・ファジオリは、下院で国立食品会社のための法案を提出する。

 これらの社会的指導者たちは、その第一歩として、地方に分別的な工場創設を推進しなければならない、と述べた。そしてこれらの工場は原則的には中小規模の食品生産者のネットワークと連携して、そこから一括して食品を買い上げる、とのことだ。これにより、仲介業者や価格規制者がいなくなるため、最終的な価格が下がると指摘している。さらに、この制度は地域の生産者を支援し、支援の範囲を確実に拡大することになるだろう。

 Frente Patria Grandeの指導者たちは、社会運動、大衆経済出身の労働者、協同組合、中小生産者、国家、地方そして市の行政府などがパブリック・フード・カンパニーの設計に参加することを明らかにした。

 また、同法の原案では、パブリック・フード・カンパニーの運営に2つの段階が設けられることになっているも告知された。第一段階では、小麦粉、米、豆類、麺類、ハーブ、砂糖、油、シリアル、ドライフルーツ、調味料など、保存が容易な10の必須品目に焦点を絞る。この段階では、食品は自社ブランドで工場から出荷され、施設、学校、公民館向けの卸売りと、直接消費者向けに特別にデザインされた栄養ボックスに入った小売の2つの形態で市場に出回ることになるが、その中には果物や野菜などの他の食品も含まれる。第二段階では、乳製品や肉類などの冷凍食品を取り入れる予定である。

このプロジェクトには、the Frente Patria Grandeの社会活動家フアン・グラボイス氏、Ciudad Futuraからはフアン・モンテベルデ氏、カレン・テップ議員とペドロ・ピトゥ・サリナス議員、フェデリコ・ファジョリ下院議員とイタイ・ハグマン下院議員、ブエノスアイレスのオフェリア・フェルナンデス議員からの支援がある。

 現職のアルベルト・フェルナンデス大統領は就任以来、マクリスモ運動が生み出した社会経済危機を逆転させるための対策を継続的に講じてきた。2019年12月には、同国の飢餓対策として「フードプラン」を開始した。この構想の下、政府は貧困層の市民に200万枚のフードカードを配布し、それで月4000ペソ相当の基本的な食料品を無料で購入することができた。


米国はベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を麻薬テロの容疑で起訴

<記事原文 寺島先生推薦>Washington brings NARCO-TERRORISM charges against Venezuelan President Nicolas Maduro

RT World News 2020年3月26日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年4月21日
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米国はベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を「麻薬テロ」の容疑で起訴した。この手口は、おなじみの手口だ。パナマの指導者マヌエル・ノリエガが30年前の米国侵攻前に同様の容疑で痛い目にあっている。
マドゥロとベネズエラ政府や軍の現および元当局者の14名は、3月26日、フロリダ、ニューヨークおよびワシントンDCの裁判所から起訴された。司法省によると、マドゥロとその一味は、コロンビアのゲリラと共謀し、空路と海路を使って、薬物を米国の海岸に輸送し、米国にコカインを「ばらま」いたそうだ。




「マドゥロ政権は腐敗と犯罪で溢れている」。ウィリアム・バー検事総長は3月26日の記者会見で述べた。「この秘密組織は麻薬で私腹を肥やしており、こんなことは終わらせなければならない」。

バー検事総長は、麻薬押収の証拠を出さなかったが、米国当局が、中央アメリカで行われている違法取引を確認したと主張した。

国務省はマドゥロに1,500万ドルの懸賞金をかけ、ベネズエラの政治および軍事指導者5名についての情報提供に対してそれぞれ最大1,000万ドルの報酬金を用意した。
国家元首を起訴するとは、大胆な行為だ。しかし、米国は1年以上かけて、マドゥロを権力から取り除こうとしている。ベネズエラの反体制派のリーダーであるフアン・グアイドが昨年1月に「暫定大統領」を宣言した後、米国政府はすぐに、グアイドをベネズエラの正当な指導者として認めた。マドゥロ政府に対する一連の制裁措置が続き、軍事行動が噂されたこともあった。

しかし、マドゥロは、警察と軍隊からの忠誠を保ち、カラカスで引き続き権力を握っている。

ALSO ON RT.COM Venezuela FM rebukes Washington for barring emergency repatriation flight for 800+ citizens ‘stranded’ in US amid Covid-19 crisis


米国がマドゥロを捕まえて処刑するチャンスはほとんどない。バー検事総長は、「司法省は、ベネズエラの指導者を逮捕するためなら、どんな手段もとる」と言っていたが。ベネズエラの反体制派に、マドゥロをとらえさせる手立ても限られていて、バー検事総長は、ただこう述べた。「米国当局が、旅行中のマドゥロと同伴者を捕まえることも可能だ。しかし、世界的なCovid-19大流行のいま、それは、考えにくい。」

米国は、マドゥロ以前に一人だけ、現職の国家元首を起訴したことがある。1989年の、パナマの指導者マヌエル・ノリエガだ。マドゥロと同様に、米国は、ノリエガをパナマの正当な指導者だと認めていなかった。

 一時は、米国の同盟者であったノリエガだが、最終的には、1989年にパナマに侵攻した米国の特殊部隊により拘束され、3年後にマイアミ州の法廷で起訴された。
3月26日、バー検事総長は、マドゥロ大統領を逮捕するために軍事行動を起こすかどうか聞かれたが、その質問には答えなかった。

「ボリビアのクーデターは、リチウム資源を狙う
米州機構(OAS)の策略」と語るモラレス大統領

Bolivian coup was all about the lithium & OAS had a hand in it, ousted president Morales tells RT

RT/ Home/World News/  2019年11月21日

(翻訳: 寺島メソッド翻訳グループo.n. 2019年12月12日)

<記事原文>寺島先生推薦  
Bolivian coup was all about the lithium & OAS had a hand in it, ousted president Morales tells RT

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ボリビアから追放された大統領エボ・モラレスはRTに対し、米州機構 (OAS) が彼の追放に重要な役割を果たしたことと、ボリビアには大量のリチウムが埋蔵されていることがクーデターを後押ししたと述べた。

モラレスは大統領再選を果たした直後の今月初め、ボリビアから逃れた。反対派は選挙は不正だったと主張し、モラレスは再投票を提案したが、彼は警察と軍の支持を失い、メキシコに亡命を求めた。

モラレスは、南米に残っている少数の左派指導者の一人であり、ラファエル・コレア前エクアドル大統領とのスペイン語での対談で、ワシントンDCを拠点とする南北アメリカの右派寄りの州の集まりである米州機構(OAS)が彼の失脚にからんでいると主張した。

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10月のボリビア選挙に関するOASの報告について、「どこにも不正があるとは書かれていませんでした」と彼は述べた。 報告は投票所での「選挙違反」を指摘しているが、他の専門家グループからはそれとは矛盾する報告が複数ある。

OASの報告書が公表された後、モラレスは、OASの事務総長ルイス・アルマグロに連絡を試みたが、返答はなかったと振り返っている。彼の側近に対して、モラレスは「もしあなたが報告書を見直さなければ、あなたはこの報告書でボリビアに火をつけ、死者を出す事態を招くだろう」というアルマグロへのメッセージを伝えている。

ALSO ON RT.COM Bolivia coup ended a period of stability the country hadn't seen for over 180 years, Evo Morales tells Rafael Correa on RT


彼の予測は正確だった。彼の追放以降、モラレスの国ボリビアは抗議と暴動によって麻痺し、彼の支持者と機動隊との間の小競り合いで30人以上が死亡した。デモ参加者は警察の人権侵害を非難しており、ボリビアの暫定政府は国を平和にするために迅速な選挙を導入する法案を提出した。

「OASは決定を下し、そして出された報告書は専門家の報告には基づかず、政治的決定が基礎となっている」と彼は付け加えた。

モラレスは、彼に対するクーデターは、ボリビアのリチウム埋蔵量―世界最大のものの一つ―を産業による搾取に開放する右翼指導者を任命することを目的としていたと続けた。リチウムは電気自動車や長寿命バッテリーの製造に不可欠であり、モラレスは国の経済的将来を確保するためにリチウムの採取の国有化を計画していた。

電気自動車のバッテリーにリチウムを使用しているTeslaは、モラレスの亡命後、株価が上昇した。およそ9億トンと推定されるボリビアのリチウム資源を何とか確保できた一連の企業は、相当の利益を上げることができる。Bloombergは昨年、2025年までに世界の(リチウム)需要が倍増するだろうと報じた。

「暗殺未遂」を確信する追放されたモラレスボリビア大統領

記事原文<寺島先生推薦>
Assassination attempt’: Bolivia’s Morales is certain helicopter malfunction was bid to kill him

翻訳<寺島メソッド翻訳グループo.n. 2019年12月>



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追放されたボリビアのエボ・モラレス大統領は、先月移動中のヘリコプターで発生した機械的故障は「暗殺未遂」であり、事故ではないことに「疑いの余地はない」と語った。

エクアドル元指導者ラファエル・コレアが聞き役となったRTスペインの独占インタビューの中で、モラレスは、事故は明らかに尾部ローターの機械的欠陥で、彼が新しい道路の開通式に向かう途中で起こったことだと言った。

「最初は事故かと思ったが、今では暗殺未遂だったことに何の疑いも持っていない。」

モラレスは、右派の軍事クーデターで追放された後、先週メキシコに亡命するためボリビアを脱出した。 
彼の言葉によると、1日に何度も、たとえ悪天候の中でも、ヘリコプターを使っていたが、今回のような出来事は一度も起きていない、とのことだ。

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この社会主義指導者モラレスは、最近「完全に変わった」と彼が言う空軍司令官ホルヘ・ゴンサロ・テルセロス・ララに、「暗殺未遂」の容疑をかけた。
  また、クーデターの指導者ルイス・フェルナンド・カマチョは、同日、ボリビア国民はすぐに「エボの転落を目撃する」ことになる、そしてそれは「ビデオに撮影されるだろう」と宣言していた。

「私たちがその夜の墜落事故を生き延びた、というニュースが入った時、大統領が墜落事故で死ぬことを期待していた人々は失望した」と彼は言った。その後数日のうちに、警察が街頭の抗議者たちに加わり始めたと、モラレス氏は振り返る。

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土曜日にチモレを訪れた際、モラレスが語ったこと:一人の警官から、彼を拘束すれば「5万ドルが提供されるという数え切れないほどのメッセージ文書や電話の呼びかけ」を見せられた、という内容。
この警官は彼に用心を促し、警備を倍増して首都ラパスに戻るよう警告したとモラレスは語った。

水曜日、モラレスは、今回のクーデターと、自称「暫定大統領」のジャニン・アニェスが武力で政権を握った後に、彼の追放に抗議したボリビア先住民を警察が虐殺したことに介入し非難するよう国連に求めた。

ボリビアでのクーデター:モラレス大統領はなぜ追放されたのか?

<記事原文>寺島先生推薦
Bolivia’s coup: Morales toppled not due to his failures, but due to his success

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループo. 2019年12月16日)

https://www.rt.com/op-ed/473560-bolivia-coup-morales-resources/
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© Global Look Press / Jair Cabrera Torres

モラレスの追放に至った状況、および外国政府がその追放に何らかの役割を果たしたかどうかについては疑問が残っている。 しかし、近年の歴史を見れば、「ボリビアには豊かな天然資源があるから」ということがその疑問への答えの一部になるかもしれない。

一人のボリビア軍将校が、ほとんど誰もいない部屋で、ベニ地区の上院議員ジャニーヌ・アネス・チャベスの肩に大統領サッシ(たすき)を掛けた。 彼女は最近の国政選挙には出馬していない。 熱心なキリスト教政治家として、彼女は聖書を式典に持ち込み、今回のボリビアにおけるクーデター体制を固めた。

一方、10月20日の投票の勝者であるエボ・モラレスは追放先のメキシコに到着するところだった。彼はジャニーヌ・アネス・チャベスを大統領に仕立て、クーデターは起きていないと主張する同じ軍将校達によって追放された。
不正選挙の申し立てに対する混乱を鎮めるために選挙のやり直しを呼びかけた後、モラレスは大統領を辞任した。 軍と警察のトップは彼に辞任を「持ちかけて」いた。もっともそれはモラレスの左翼「社会主義運動(MAS)」党の活動家と選挙管理人を保護できなかったあとのことだが。

確かに、モラレスの追放に至った状況については多くの疑問があるが、それがどのように起こったのか、なぜ起こったのかについては以前より明らかになってきている。
最初に見なければならないのは、彼が大統領職、そしてボリビアから追放された経緯だ。

エクアドルのレニン・モレノは、緊縮財政をめぐる大規模な抗議に直面したため、グアヤキルへの短い移動はあったが、カロンデレト宮殿に今でも居続けている。 
一方、チリ大統領セバスチャン・ピネラは、3週間以上の大規模な連日の抗議で支持率が9%に下がったにも関わらず、権力にしがみついている。

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チリとエクアドルの最近の例でわかるのは、政府が転覆されるのは必ずしも街頭の群衆の数によるというわけではないことだ。 一方、米国の同盟者であるモレノとピネラは、それぞれ自国の軍隊の支援を受けたが、モラレスはそうではなかった。

モラレスの政府が倒れた理由は、失政があったからというのではなく、むしろその政策が成功したからだ。
モラレス執政下のボリビアは、格差の是正、女性の立場を向上させる重要な獲得物、などなど、実質的にすべての社会的指標における目を見張る実績のために、多数のオブザーバーや色々な組織から賞賛されていた。

元コカ栽培農夫だったエボ・モラレスのリーダーシップの下、ボリビアは何十年も達成できないでいた政治的安定のレベルについに到達した。 それにもかかわらず、モラレスは数日のうちに国外に追放された。
ボリビア経済は、その左翼的、民族主義的傾向に沿ってきちんと強化されてきた。
最初の任期の早い段階で、エボはボリビアの天然ガスを国有化した。 ボリビアの天然ガスの埋蔵量はベネズエラに次いで、南アメリカで2番目に多い。 これにより、政府はそのインフラストラクチャーだけでなく、ボリビア国民のための支出を開始することができた。

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モラレスの社会主義政府は、国の資源の管理をめぐる企業との数多くの戦いに巻き込まれ、しばしば影響を受けた企業に何らかの形の補償をする必要は生じたが、ボリビアの経済に悪影響を与えなかったことは明白だった。

モラレスの政府は、その成功の大部分を天然ガス(繰り返しになるが、これは国有化されている)に負っているが、経済の多様化を目指しており、リチウムを国の経済の将来の鍵として注目していた。 リチウムは電気自動車に不可欠であり、ボリビアにはそれが大量にある。 (ボリビア人に言わせれば)世界の総埋蔵量の4分の3以上だ。

リチウムにはこういう価値があるにもかかわらず、投資家たちに課された条件は資源を確保するには厳しいものだった。 ただ、ドイツのACISAとTBEA GroupやChina Machinery Engineeringなどの中国企業はやがてボリビアの国営リチウム企業Yacimientos de Litio Bolivianos(YLB)と契約を結ぶことにはなったが。

しかし、モラレスは、強制辞任のわずか1週間前に、いろいろな抗議があったためウユニ塩原でのACIとの取引をキャンセルした。 ACISAの社長は、11月6日のドイツ経済相への手紙で、驚いたが、「リチウムプロジェクトが再開されることを確信している」と述べた。 

一部の人々にとって、中国資本の参入を含め、リチウムに対するエボの立ち位置が彼を追い出した理由になっている。

この時点では憶測以上には出ないかもしれないが、ボリビアにおける資源を支配するため、長期に亘る様々な介入が裏舞台で展開されていたことを指摘する人downloadもいる。
「ボリビアは非常に豊かで、新しい電池を作るために必要な材料の70パーセントを持っていると言われている。 世界におけるエネルギー事情の変化が起こっていることは、誰でも知っていることだ」とウルグアイの前大統領であるホセ・ムジカは述べた。

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「証拠がないからだれも非難はしないが、歴史があるから不信感を持ってしまうのだ。」
それほど遠くない歴史は、ムジカの疑惑の根拠を明確に裏付けている。
米国国際開発庁と民主主義国家基金(NED)は、ボリビアの野党グループとNGOに、サンタクルスでの暴力的な反政府抗議行動を含む不安定化の取り組みの一環として、何百万ドルもの資金を長い間投じてきた。 サンタクルスには市民委員会のリーダーであり、熱狂的クリスチャンであるルイス・フェルナンド・カマチョが拠点を置いている。

モラレスに辞任を「持ちかけた」ボリビア治安部隊の2人のトップ-警察署長のウラジミール・カルデロンとボリビア軍のウィリアムズ・カリマン司令官-もまた、悪名高い「アメリカンスクール」の卒業生であり、近年アメリカでそれぞれ大使館付き警部官そして武官として務めている。 米国は、中南米の軍人および警察官を資産として確保していることを何ら秘密にしなくなった。

現在、西半球の最も反動的なリーダー(訳注:トランプ大統領)と市場からの好意的な反応を考えると、モラレスを追い払う動きで外国政府と国際資本が果たした正確な役割をどうこう言っても意味がない。

ボリビアの社会主義指導者エボ・モラレスは、自分の国ボリビアをそれに服従させることを拒否したが故に、経済的および政治的利益グループの怒りを招いたのだ。 そしてそういう人間がどうなるか、のひとつの実例に、今彼はさせられている。

By Pablo Vivanco


アメリカが誘導した新自由主義の悪夢から覚醒するチリ

Chile awakens from US-induced neoliberal nightmare

RT Home/Op-ed/ 30 Oct, 2019 16:00

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/op-ed/472221-chile-protests-neoliberal-nightmare-us/

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年11月)


Anti-government protest in Santiago, Chile October 28, 2019 © REUTERS/Henry Romero

原文URL https://www.rt.com/op-ed/472221-chile-protests-neoliberal-nightmare-us/
 
  10月になると、驚くべき敗北が南米のアメリカと同盟関係にある国々にもたらされた。 それはアメリカが南米に悪意を持って押しつけたモデルの失敗でもあった。 

「僕はバルパライソ(訳注:チリ中部の都市)の行進に参加していたんだ。 人がいっぱいいた。 本当に平和的な行進だったけど、国会から約2ブロックの所に来ると、警察が待っていた」と、筆者の兄(弟)アルフレドが音声メッセージで語っている。 

「ここでは抗議する権利なんかない。 何ができるかって? 闘い続けなければならないのさ。」  何十万という抗議する人々が、警察の激しい抑圧行動にも拘わらず、チリの街頭に途切れることなくあふれ出る様子を見ると、高ぶる神経と喜びの感覚を抑えるのは難しかった。 


ALSO ON RT.COM Chile withdraws as APEC summit host after weeks of anti-government protests


不安な気持ちを抱いた国内外のチリ人はこんなメッセージを受け取っていた。 少なくとも、チリの各都市の大通りや広場を埋め尽くす河のような人波の映像は見ていた。 多くの人々は、この間の国政のあり方に一致団結してNO!の声が上げられる様子を見て、自分達の主張の正しさを確認した。 同時に、軍が街頭で巡回する様子に、抜きがたい恐怖心も持っていた。 無防備なデモ隊に実弾が発射されたり、とても暴徒には見えない歩行者の頭を警棒で割ったり、警察は、と言えば学生達をまとめて、家の外に出さないようにしていたのだ。
チリでこんな光景が展開したのは、これが初めてではない。
米国の支援を受けたアウグスト・ピノチェトの暴虐な軍事体制によって、国の構造改革の基礎はシカゴから呼び入れられた「フリー・マーケット」信奉者たちのイメージの中に置かれた。 ピノチェト将軍のクーデターが起こるまで、チリは、「奇跡」とまで呼ばれたことを為し遂げていたのだ。 民間部門は生活のあらゆる領域に入り込んでいたし、社会主義体制下のいろいろな法的、倫理的束縛から自由だった。 だが経済的には1930年代以来という不況に見舞われていた。 GDPは14.3%の下落、4人に1人が失業状態だった。 

右翼クーデターの血塗られた後遺症から第一波のチリ人が脱出した後、私の家族と同じような家族は、1980年代における第二波の大規模な国外移住の集団となった。 職を求めて国を離れたのだ。 

チリ人が、1988年、投票でピノチェトの支配を終了させた時、はっきりしていたのは、これで国からの抑圧はお仕舞いになるだろうという期待があったことだ。 同様にピノチェト体制の下で作られた政府機関、法律、そして規範に変化が生じるだろうという期待もあった。 しかし、その後約30年間の文民政権(その内20年間は「左翼」と言われる政権だった)で国民が知ったのは、豊かになってきたとは言うけれど、それは自分達には無縁だった、ということだ。


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クラウディオ・ブラーボ(チリ代表チームとマンチェスター・シティFCのゴールキーパー)が今回デモが始まってから数日、次のようなツィートをしている:

    「彼らは我々の水も電気もガスも教育も健康も年金も医療も道路も森もアタカマ塩原
も氷河も交通も民間に売ってしまった。 他にもあるのか? これだけでも十分すぎるじゃないか? 我々は少数者のためのチリなんか望んでいない。」

ブラーボ(本来左翼とは言い難い)が表明したこの気持ちは、街頭デモの情況とそれに参加した人々の気持ちを集約していた。
ピノチェット独裁体制後のチリ政治指導層の総意はピノチェットと企業が設定した新自由主義国家の運営を継続することだった。 その後ろ盾として米国政府があった。 公共サービスの民営化や規制緩和はもちろんピノチェット体制下で始まったことだが、キリスト教民主党や、チリ社会党や、他の党派から成る「コンセルタシオン」は、こういった政策にブレーキをかけたり、転換させる動きをすることはほとんどなかった。 多くの点で新自由主義の流れを継続させたのである。 

抗議行動がサンチャゴ市の地下鉄から始まったことは偶然でも何でもない。 サンチャゴ市における高速鉄道である地下鉄は、官民連携の下、次々と建設され、出来上がった地下鉄網の民営化は社会主義者だったミシェル・バチェレ大統領の下で始まった。 

セバスチャン・ピニエラ政権が地下鉄料金の値上げを発表した時、それは「有識者会議」の決定だから、ということが根拠とされた。 地下鉄利用者には、「いつもより早起きして、帰宅時間を遅らせれば、ラッシュ時料金を払わなくて済む」という言葉が投げつけられた。 

この「パンが食べられないのならケーキを食べたら」的なテクノクラートの仮面を被った国民の現状への無知、そして党派を問わずあらゆる政治家達の恥知らずな腐敗もあり、それらが国民の日々抱える生活のフラストレーションを刺激した。 そしてついにはこの怒りが最高潮に達したのだ。

セバスチャン・ピニエラ右翼政権は、この怒りに対して急遽「処方箋」を提示。 無意味な内閣改造やわずかばかりの最低賃金や年金の増額である。 しかしこういった施策では不十分で、事態はもっとその先を行き、もはやそんなことで国民の気持ちが収まることはないだろう。
街頭でチリの人々が口にしているのは、「30セント(運賃の値上げ分)が問題じゃない!」 新自由主義体制下の「この30年が問題なんだ!」 それをアメリカ政府とその腰巾着達が、モデルとして前に押し進めし、力尽くで国外に輸出した。 


ALSO ON RT.COM Protesters in Chile disrupt lithium mines with road blockade amid growing anti-government demonstrations


アメリカの企業は、その利害の繋がりを長い年月チリに持っている。 それが主要な理由の一つとなって、1973年のクーデターと独裁政権の支援にアメリカ政府が関わり、チリでアメリカ資本が投入される場を回復することになった。 このアメリカ企業のチリにおける利害が、この地域におけるチリの政治的役割の中核になっている。 律儀に喧伝されるアメリカ企業の利害とチリ歴代政府が推し進める新自由主義のモデルは切っても切れない関係にある。 それはまたアメリカ政府の外交政策の諸原則(ベネズエラ政府転覆の企てや同国の石油への関心を隠そうともしないことなどに見て取れる)とも横並びになっている。

30年以上も経過して、大多数のチリ人は、やっと、新自由主義モデルから覚醒し、このモデルは宣伝されているようなものではないことを世界に向けて語った。 チリの街頭で起こっていることは、新自由主義への弔鐘だ。 銃口を向けて産み出された新自由主義施策への弔いの鐘が、まさにそれが産み出されたその場所で鳴っているのだ。

だが南米でチリだけがこの闘いの戦場になっているわけではない。

10月上旬、エクアドルではレニン・モレノ政権によって施行された緊縮政策に反対する大規模な抗議デモが行われた。 この緊縮政策はアメリカに支配されたIMF(国際通貨基金)との合意事項に基づいている。 10月下旬には、ボリビアでエボ・モラレスが4期目の大統領当選を果たした。 さらに、アルゼンチンではアメリカと連携していた現職マウリシオ・マクリ大統領が1期目で驚きの敗北を被った。


ALSO ON RT.COM Confirmed as winner, Bolivia’s Morales invites international community for election audit after opposition says vote was rigged


チリでのこの動きを、第二の「ピンクの潮流」とか、その種の流れとして括るには時期尚早かもしれないが、はっきりしているのは、サンチャゴの街頭だけには止まらない何か大きなものが起こっていることである。 これは南米のアメリカ政府と同盟関係を結んでいる国々と、彼らが南米諸国の国民に無理矢理押しつけようとしてきたモデルにとっては悪いニュースだ。

By Pablo Vivanco

社会運動家を守るために、コロンビア中で計画された抗議活動

Protests planned across Colombia in defense of social leaders

By Zoe PC
Internationalist 360°投稿

2019年7月26日 

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年9月22日)

<記事原文>Peoples Dispatch
https://peoplesdispatch.org/2019/07/26/protests-planned-across-colombia-in-defense-of-social-leaders/


 2016年以降に暗殺されたコロンビアの社会運動の指導者800人の中の数名

今日,7月26日、コロンビアの社会運動の指導者や人権活動家たちの命を守ろうと、何十万人もの人々がコロンビアで100以上の町と国外30以上の町でのデモに参加することになっている。行動は“We defend peace”運動によって呼びかけられたもので、いま起こっているこれらのグループに対する大虐殺を広く知らせることと、コロンビア政府がこの件に関心を示さず、何の対策も打たないことを糾弾することを目的としている。
 
コロンビアの人権団体は、2016年以降800人を超える社会運動家や人権活動家、コロンビア革命軍(FARC)の元兵士とその家族が暗殺されたとしている。加えて、何千人もが殺害脅迫や嫌がらせをうけ、何百人もがでっち上げの罪で牢屋に入れられ、数十人が暗殺されかけてなんとか生き延びている。昨年、多くの大衆運動がさまざまな社会分野で行われたが、軍隊により厳しく取り押さえられ、重傷者や死亡者さえ出している

だれが犠牲者なのか?

暗殺の犠牲者の大部分は、国レベルの中心指導者や幹部ではない。ほとんどは地方レベルの指導者だ。つまり、地方レベルの指導者は、地方の有力者達の経済や支配モデルを直接脅かすからだ。地方の有力者たちは自分の影響下に私兵団や犯罪組織を持っているのだ。

例えば、多くの犠牲者は、違法な農作物をなくそうという国家プログラムなどに参加したり推奨したりする人たちだ。そのプログラムはFARC[コロンビア革命軍]と政府間で結ばれたハバナ和平協定を通じて創設され、小規模農家に、コカや違法作物の栽培をやめ、持続可能な別の作物の栽培に移行させることを目的としている。しかし、栽培作物を変えることは、麻薬取引が経済活動の中心になっている私兵団や犯罪組織が生計をたてているので、大きなさまたげとなる。

それ以外の被害者は、土地変換プログラムに基づいて、土地の所有を主張する人たちだ。そのプログラムは、被害者援助法によって2011年に創設され、立ち退きや暴力などにより土地を奪われた人に土地を返還する仕組みを作り上げているものだ。

FARCが2016年に武装解除したとき、FARCが支配していた領土が開放され、それが武装勢力同士の闘争の種になった。それ以降、多くの地域では、武装解除したとされていた私兵団が再結成され、土地の支配権をめぐっての領土争いが増加した。

先住民とアフリカ系住民のコミュニティも、地域社会活動委員会(Community Action Boards)や環境保全者、都市部の地域のまとめ役や人権保護組織のメンバーと同様、厳しくターゲットにされている。FARCの元戦闘員について言えば、最近の調査で2016年11月のハバナ和平協定締結以降、127人を超える元戦闘員が暗殺されたことが明らかになっている。

多くの暗殺事件において、指導者達や組織は以前から武装勢力から脅迫を受けていることを糾弾してきたが、政府当局は脅迫をまともに取り上げず、取り上げたとしても、痛ましいくらい乏しい防御体勢しかとらない。最近、EFE(スペインの通信社)との談話で、イバン・ドゥケ大統領は、「社会運動の指導者を守るのは難しい」とまで言っている。


7月20日、野党議員が国会期間中に暗殺された社会運動の指導者達の写真をかざしている

6月21日に、9才の息子の目の前で、暗殺された、34才のマリア・デル・ピラ-・フルタード事件は、コロンビア社会を動かした。6月1日、地域の指導者達とともに、フルタードは、地域で活動する自警団の一つであるコロンビア自警軍連合(AGC)の発行するパンフレットに攻撃の的として掲載された。地域の人権団体が政府にそのパンフレットのことを警告したのに、コロンビア当局は、パンフレットは偽物だと主張した。フルタードが自宅の外で亡くなってからほんの20日後に、彼女が殺されたことを公にした人権活動家は、止むことのない殺害脅迫のせいで避難を余儀なくされた。

コロンビアの社会運動や組織の現在の状況は、人道主義の危機であり、生きる権利や、コロンビアの平和構築を求める権利への脅威であるといっていいだろう。活動家たちは、防御手段を改善することだけではなく、コロンビアが変わることを求めて闘う者たちが組織的に殺されているが、その裏にある根本的な要因に有効な対策をうちだすことを政府に要求してきた。

今日、社会運動の窓口である人民会議は、運動について以下のような声明を明らかにした。
「人民の命や自然を犠牲にして、自分の利益のことだけを考えている独裁的で特権階級のための政権に、都市部や地方で対抗する者が殺されているだけではない。
社会運動やそのプロセス、組織を撲滅すべく、ごくつつましく活動している活動家さえも、合法的に抗議することが罪と見なされて、脅迫や暗殺の的になっている。
人権擁護活動や環境保全活動に対する非難、それと、何百万もの人々を退去させ、文無しにさせる巨大プロジェクトも止むことはない」と。

*[訳注] (コロンビア内戦を知るいい資料がないので、全体像を知る上でハフィントンポストのブログを転載しておきます。この翻訳ではコロンビア内政問題を扱っていますが、現在コロンビアが、アメリカのベネズエラのマドゥーロ政権打倒計画に加担し、傀儡のグアイドを支援しようとしていることは公然の事実です。しかも、コロンビア大統領サントスが、この翻訳記事のように内政を弾圧しながら、2016年ノーベル平和賞を受賞するとは考えられないことです。---- 新見)

コロンビア、左翼ゲリラと和平合意--半世紀に及ぶ内戦の行方は国民投票の結果次第
(2016年08月26日) 記事執筆者:原貫太

南米コロンビアで、歴史的な瞬間が訪れた。  
コロンビア政府と左翼ゲリラ組織である「コロンビア革命軍」(Fuerzas Armadas Revolucionarias de Colombia/以下FARC)は今月24日、半世紀以上に及んだ内戦の終結に向けた和平交渉について最終合意に達したと発表した。4年にわたって交渉を続けてきた両者は、キューバの首都ハバナで共同声明を発表。調停役を務めたキューバ代表によって、「コロンビア政府とFARCは、内戦の終結と安定して持続的な平和の構築に関する、最終的で完全、かつ決定的な最終合意に到達したことを宣言する。」と読み上げられた。
コロンビア内戦は、アメリカ大陸における大規模な紛争としては最後のものとなっていた。この内戦では推定22万人が死亡、数万人が行方不明になったほか、500万人もの人々が避難民になったと言われている。
  
キューバ革命を見本とした左翼ゲリラ組織1959年にキューバ革命が起こると、それに影響を受けて中南米諸国では反政府左翼ゲリラ組織の結成が相次いだ。FARCもその内の一つであり、結成は1964年。キューバ革命を見本として、農地改革や富の再分配を目指して武装闘争を展開した。
台頭初期の勢力はわずかだったものの、その後麻薬組織と協力関係を築く事で勢力を拡大。最盛期には約2万人を擁し、国土の3分の1を支配していた。アメリカへのコカインの密輸で数百万ドル規模を稼いでいるとも言われており、また身代金を目的にした誘拐にも多数関与した。
しかしながら、2002年に就任したアルバロ・ウリベ元大統領は力によるFARCの掃討を掲げ、アメリカの支援を受けてFARCの掃討を本格化。複数の幹部の死亡や戦闘員の多数離脱などによって組織は弱体化し、現在のFARC構成員は7000人まで減少したと考えられている。
  
コロンビア政府によるFARCへの譲歩か200ページにわたる合意文書には、停戦実施、FARCの政治参加、人権侵害の容疑者や戦争犯罪者に対する裁判などについてが盛り込まれたが、これにはコロンビア政府によるFARCへの譲歩も伺える。
FARCは推定7000人の戦闘員を、ジャングルなどの野営地から国連によって設営されている武装解除キャンプへと移動させる。武装解除したゲリラ兵には月給200ドルが支給されると共に、今後政府の職業訓練事業に参加し、社会復帰への道を歩み始めることになる。
今後FARCは政党として活動することになり、助成金も受け取ることになる。また、2026年までの期間、FARCの設立する政党には10席の議席を確保することが合意文書には盛り込まれている。
紛争中に行われた人権侵害や戦争犯罪を裁くための特別裁判所の設立も予定されており、大量殺戮や拷問、レイプといった凶悪罪には最大で20年の懲役が課される。一方で、比較的軽度な犯罪に関しては恩赦が与えられる事になっており、和平合意を促進させるためのFARC側への配慮が見られる。
  
内戦の最終解決に向けた大きな課題--国民は納得するのか?
今回の和平合意が政治的な合法性を持つか否かは、10月2日に予定されている国民投票の結果次第だ。コロンビアのサントス大統領はテレビ演説にて、「長い戦闘を終わらせる歴史的な合意を支持するかは、全てのコロンビア人の手にかかっている。」と国民に対して呼びかけ、和平合意に対して賛成票を投じるよう求めた。
国民投票における賛成票が有権者全体の13%以上を構成した上で、過半数の人々が賛成票を投じれば今回の和平合意は発効となる。しかしながら、現地の世論調査会社によると、今年6月時点では74%の人々が賛成票を投じるとみられている一方で、多くの人々が投票の棄権を行うとも考えられており、その割合が65%に到達する恐れも出ている。これでは国民投票の正当性が確保されるとは言えず、サントス政権にとっては大きな問題となるだろう。
この背景の一つとしては、和平合意の内容に対する国民の疑念や反感が挙げられる。近年では「麻薬を手掛けているテロ集団と化した」とまで批判を受けているFARCに対して、コロンビア政府が大きく譲歩している点などはその理由だろう。加えて、停滞するコロンビア経済とそれに伴う食糧価格の高騰、また高い犯罪率などに対して大した打開策を打ち出せていないサントス政権に対する国民からの不人気も、この一因を担っているかもしれない。今年2月の時点では、国民の64%がサントス政権を支持していなかった。
また、コロンビア元大統領2人が10月の国民投票で反対票を投じる意向を表しており、当然の事ながらFARCや今回の和平合意に否定的な見方を取るその他の一部の国民も、反対票を投じることが予想される。その上、野党は軍事的なFARCの壊滅こそが、内戦の唯一の解決策であると主張しており、コロンビア内戦の最終的な解決に向けて、楽観視することは出来ないだろう。
https://www.huffingtonpost.jp/kanta-hara/colombia-civilwar_b_11716616.html

ビデオ:マヌエル・セラヤ大統領インタビュー
「クーデターがホンジュラスを地獄に変えた」
アメリカによる政権転覆10周年

Video: ‘The Coup Turned Honduras into Hell’: Interview with President Manuel Zelaya on the 10th Anniversary of Overthrow by the US

マヌエル・セラヤとアニヤ・パランピル

グローバル・リサーチ 2019年7月4日

グレーゾーン 2019年7月1日

(翻訳:新見明 2019年7月24日)

<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/coup-turned-honduras-hell-interview-president-manuel-zelaya-10th-anniversary-overthrow-us/5682633



グレーゾーンのアニヤ・パランピルによる、ホンジュラス大統領マヌエル・セラヤの独占インタビュー。彼を倒したアメリカ支援の右翼軍事クーデターの10周年で。

インタビューのテーマは、極端な暴力、麻薬売買、経済不況、移民危機、フアン・オルランド・エルナンデス、ウィキリークス、ベネズエラ、その他。

全インタビューの書き起こしは以下に

***

アニヤ・パランピル:大統領、お越しくださってありがとうございます。あなたが見事にホンジュラス大統領に選ばれましたが、その地位をアメリカ支援のクーデターで追いやられて10年になります。その時以来アメリカは何を成し遂げ、あなたの国をどう変えたのでしょうか。

マヌエル・セラヤ*1:社会契約、それを我々は共和国憲法、国の憲法と呼ぶのですが、その社会契約が壊されたとき、次に来るものは必然的に強者の法(適者生存)です。犯罪、殺人、拷問。いつも反対派に対して強者の側が勝ちます。

それでホンジュラス人民が犠牲になりました。権力を持った側はアメリカの支援があったからです。アメリカはクーデターで大きな利益をえました。そして犯罪の受益者が主要な容疑者であると言われる刑法の原則です。

アメリカはどのように利益を得ているのか。アメリカは、ほとんど完全にホンジュラスを支配しています。米州機構(OAS)を通じて司法を支配しています。アメリカ南方軍を通じて安全保障を支配しています。経済を支配しているのはIMF、世銀、米州開発銀行(IDB)を通してです。

アメリカはホンジュラスの大手メディアを支配しています。大手メディアの意見に大きな影響力を持っています。多くの教会に資金援助しています。教会は北アメリカのNGOから基金を得ています。そしてアメリカはホンジュラスのNGOに資金援助しています。アメリカは国家権力を支配しているのです。

このように、ホンジュラスのような貧しい国の決定にかなり介入してきます。支配者達は保護を受けているので、全てを北アメリカに捧げます。



アニヤ・パランピル:最近の平均的ホンジュラス人への影響はどうでしょう。

マヌエル・セラヤ:貧困は増大しました。人々はさらに貧しくなっています。貧困率は既に住民の70%を超えています。犯罪は増加しました。麻薬取引も増加しました。アメリカ国務省の報告によれば、クーデター後のホンジュラスの麻薬取引はほぼ2倍になりました。さらにその報告は、ホンジュラスは「麻薬取引天国」になったといっています。

対外債務は増加しました。彼らが私を銃口で追い出したとき、対外債務は30億ドルでした。今10年たって、140億ドルになりました。それでこの国は経済成長の欠如、投資の欠如、人権侵害の深刻な問題を抱えています。

では一つだけ証拠を出しましょう。アメリカに向かう[移民]キャラバンは、ホンジュラスからです。アメリカ支援のクーデターが、ホンジュラスを地獄に変えたからです。

アニヤ・パランピル:この状況はどうなんですか。この10年で、何があなたのリブレ党の発展に貢献したのですか。

マヌエル・セラヤ:私達はクーデターに対する反対党です。そしてこの10年間、クーデターを実行した人々が支配してきました。彼らはクーデター派の落とし子です。

アニヤ・パランピル:そしてこのことが、ここでの社会運動を強化することにつながったのですか。

マヌエル・セラヤ:そうですね、社会運動は党派的政治理由では成長しません。それらは電気が民営化され、電気代を支払うことができないから成長したのです。それらは民営化されたのです。そして問題は、それらは私企業のものになっただけではありません。私企業は効率がいいのですが、値段が高いのです。

支配者にとって最も居心地がいいことは、「安全保障は、私達のためにアメリカ南方軍によって管理されるだろう」ということです。「兵士達は私のために国内の安全を守ってくれるだろう。」「そして私企業は私のためにお金をどうにかしてくれるだろう」。だから、支配者は何をするのか。何もしない。ただ儲けを彼の手下に配るだけです。

アニヤ・パランピル:ホアン・オルランド・エルナンデス(JOH)とはどんな人物ですか。そしてなぜ、クーデター後10年の今、街頭で混乱が再燃し、フアン・オルランド・エルナンデスの退陣を要求しているのですか。

マヌエル・セラヤ:彼(JOH)はクーデターの子です。彼は重大なパーソナリティ障害があります。例えば、私は大統領でした。そして私は街頭を歩いていました。そして人々は私を迎え入れてくれました。そして彼らは私に言うのです。「やあ、メル!やあ、大統領!」と。しかし、彼(JOH)は装甲自動車で、ヘリコプターで行くのです。彼(JOH)は大勢の保安要員と共に行動するのです。

私の考えでは、彼は精神障害を抱えているのではないか。彼は大統領である事は、たいしたことだと思っている。そして牧師がやってきて、彼は神に選ばれたと告げる。だからさらに悪くなる。そして彼は現実とかけ離れた人物のように行動し始めるのです。

人々は、飢えのため抗議しているのです。そして政治のためにも抗議していると思うのです。そして彼は、アメリカや右派、保守支配階級が聞きたくなるようなスピーチをアメリカに向かって話すのです。「ホンジュラスでは、テロがある。[ベネズエラ大統領ウゴ・]チャベスの輩が、ホンジュラスにいるのだ。そして彼らは我々に影響を与え、麻薬取引をしているのだ」と。

彼は精神病を病んでいると思う。

アニヤ・パランピル:では、腐敗の告発についてはどうですか。私が今日話したホンジュラス人の何人かは、JOHはホンジュラスで最も裕福な人間の一人だ、と話してくれました。

マヌエル・セラヤ:腐敗は蔓延しています。彼らは社会の保安システムを壊しました。ご覧なさい、不法な政府をどのように維持しているかを。人々を買収するのです。もしそれらが合法なら、彼らは買収する必要はないのです。それらは社会契約の成果なのですから。

しかしクーデターがあるときは、不正行為があります。だから彼らは自分たちが生きながらえるためには、制度を腐敗させる必要があるのです。アメリカがクーデターを支援していることは、独裁者を支援していることになるのです。

アニヤ・パランピル:ホンジュラス人たちはこうも語ってくれました。ほんの少数の家族グループが、産業や特にメディア部門で、国の大部分を支配しているのです。クーデターにおける、またあなたが言う独裁制を維持するためのメディアの役割について話していただけますか。

マヌエル・セラヤ:それが資本主義が機能するやり方なのです。アメリカやフランスやどこでも。資本主義はたった一つの原則に基づいています。つまり、富の蓄積です。それがここで、また世界中で機能しているやり方なのです。

多国籍[企業]の少数エリートが、彼らのために儲けてくれる国の人々と結びついているのです。彼らはビジネスをし、そしてそのビジネスが、彼らのための安全を保障する必要をつくり出すのです。

READ MORE:Action Alert: NYT Claims US Opposed Honduran Coup It Actually Supported
(さらに読む)「抜け目ない行動:ニューヨーク・タイムズの主張:アメリカはホンジュラスのクーデターに反対したが、実際はアメリカが支援していた。」


彼らは競争を許容しない。私は、ウゴ・チャベスのベネズエラから、石油を輸入しました。そして彼らは自分たちの合意を維持しなければならないと主張したのです。だから彼らはベネズエラを受け入れなかった。それがクーデターの背後にある動機の一つでした。

アニヤ・パランピル:そして当時のアメリカ大使チャールズ・フォードがあなたに話していたと思うのです。「あなたが、これをすることは許されない」と。まるで彼が外国大使として、こうする権利があるかのように話していました。

マヌエル・セラヤ:アメリカは忠告する。もしあなた方が従わないなら、報復手段によって応える、と。アメリカ大統領ジョージ・W・ブッシュはそう私に言った。ジョン・ネグロポンテは私にそう言った。フォード米大使は私にそう言った。そして他の政府役人も。

ブッシュが私にこう言った。「あなたはウゴ・チャベスと関係を持つことはできない」と。ブッシュの国務副長官ジョン・ネグロポンテも私にこう話した。「もしあなたがALBA(ボリバル同盟)*2に署名するなら、アメリカと問題が生じることになる」と。

だが、私はALBAに署名した。そして私は、もし機会があるなら、もう一度署名するだろう。なぜなら、それはホンジュラスの発展に役立つからだ。

私はブラジルから支援が必要だった。ベネズエラからも、アメリカからも、ヨーロッパからも支援が必要だった。我々はアメリカだけに頼るわけにはいかない。アメリカは、自分の利益しか考えないからだ。アメリカは一つの国にすぎない。

アニヤ・パランピル:ウィキリークスの意義についてコメントをいただきたい。あなたの国の歴史において、もちろんその地域においても。エクアドル政府の助力の面で、ジュリアン・アサンジに現在起こっていることをどう思われますか。

マヌエル・セラヤ:ジュリアン・アサンジは、今日、明日、そして永遠に、世界の自由の象徴です。彼は将来、偉大な予言者のような人になるでしょう。当時彼らは、ずっと抑圧されていました。そして後に彼らはシンボルとなりました。ジュリアン・アサンジもそうなるでしょう。

ジュリアン・アサンジは秘密のない、開かれた世界、自由な世界を宣言したのです。もちろん彼は今日の[権力]側に影響を及ぼしました。しかし将来、私や他の世代も、アサンジの例に倣うでしょう。

アニヤ・パランピル:フォード大使の話に戻りましょう。彼がここの大使館の仕事を終えた後、彼はアメリカ南方軍(SOUTHCOM)の仕事につきました。軍隊です。米軍があなたに起こったことに対してどのように中立であり得るか、またあなたが追放された後、国内での米軍の存在がどのように増大してきたかについて話していただけますか。

マヌエル・セラヤ:[ホンジュラスの]兵士は、スクールオブアメリカ*3で訓練されています。全ての訓練はアメリカと共に行われます。兵士達にとって彼らの人生の目標はアメリカ海兵隊のようになることであり、アメリカの兵士のようになることなのです。
  
そしてここでアメリカは軍隊と警察を支配している。彼らは、アメリカがさせたいことをしている。彼らは占領軍なのです。

アニヤ・パランピル:私はこの地域、特にニカラグアについて少し話したい。彼(ダニエル・オルテガ)が去年直面したアメリカ支援のクーデターの試みについてどう思われますか。今月で、ニカラグア政府がアメリカ支援の体制転覆作戦を打ち破ってから1年になると思うのですが。

マヌエル・セラヤ:私が[クーデターの後]戻るとき、私はホンジュラスへ帰る試みを何度かしました。ワシントンからホンジュラスへ戻るとき、私は着陸できませんでした。軍隊が私を阻止したからです。だから私はニカラグア国境のラス・マノスから戻らなくてはなりませんでした。その時、私は密かにブラジル大使館に入りました。2年後、私はドミニカ共和国からニカラグアへ、ニカラグアからホンジュラスへ戻ったのです。


                                 (訳者挿入地図)
[
ニカラグア大統領]ダニエル・オルテガを倒そうとするアメリカとの関連で、以前1980年代にも既に同様のことが行われました。アメリカはニカラグアと闘うためにここホンジュラスのコントラを武装させました。その時以来、私はいつもニカラグア人と闘おうとするここホンジュラスのアメリカ占領に抗議しました。そして人々は[今日]、オルテガ政府に賛成投票をしたのです。彼は選挙で選ばれました。

今、アメリカは彼を倒すことはできていません。今、彼は強固です。今、オルテガは多くの人民の支持があります。そして彼らが過去にホンジュラスから支援したようには、オルテガを倒すことができると私は思いません。

アニヤ・パランピル:あなたは、あなたのリブレ党とサンディニスタ運動*4はどう関連していますか。そしてサンディニスタ運動からどんな教訓を得ましたか。

マヌエル・セラヤ:それらは二つの異なった歴史的局面です。サンディニズモは、軍隊の下士官から発展し、20世紀初頭に山にこもった。そして彼は、サンディニスタ国民解放戦線(FSLN)と呼ばれる反帝国主義勢力の党を創設した。この党は闘いに勝利し、ソモサ独裁政権を倒した。そして今は民主的に組織されて、権力を維持している。

我々(ホンジュラスのリブレ党)は、武力闘争から出てきた党ではない。我々は戦争から出てきた党ではない。我々は革命的で、民主的な、しかも平和的な運動から生まれたのです。クーデターに反対して。そしてクーデターを支援する人々に反対して。アメリカはクーデターを支援した。

アニヤ・パランピル:私はあなたの個人的は政治的進化についてお伺いしたい。どうしてかというと、あなたが選挙で選ばれたとき、あなたは中道左派的運動をする党の一員と考えられていたが、今は社会主義について語っておられる。何故あなたは変わったのか、そして今、あなたは自分をどのように位置づけますか。

マヌエル・セラヤ:実際は中道右派です。(中道左派ではない)。それは進化です。なぜなら右派は終わったからだ。彼らは武器を持ち、クーデターをし、汚職や詐欺をし続けている。

人類の未来は社会主義であらねばならない。あなたは社会的存在です。アリストテレスは、我々は理性的な存在だといっています。人間は理性的な動物です。しかし現在、人間は全般的に社会的な存在であると思います。社会なしには男も女も生きながらえることができません。我々が考え、感じることは全て、我々の社会環境と関連しています。

だから人類はどこへ向かって歩んでいくべきなのか。個人主義へか、利己主義へか。個人的利害へか、または社会的利害へか。人類は、社会的利害へ向かって歩んでいかなければなりません。

人類の未来は社会主義者です。我々は1万年か、それ以上戦い続けなければならないかもしれない。しかし将来、もし人類が社会的に進歩しなかったら、我々は洞窟で生きることになるかもしれません。適者生存の法則に従って。人間は発展し、進歩して、社会的になっているのです。

私は進歩的政治哲学の中で育ちました。しかし今、私は新しい政治に進化しました。最初リベラルで、親社会主義でしたが、今は民主社会主義者です。

アニヤ・パランピル:あなたは、「ピンクの潮」*5、特にベネズエラのウゴ・チャベスの政府からどのような影響を受けましたか。


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画像:マヌエル・セラヤ+ウゴ・チャベス

マヌエル・セラヤ:そですね、まずどのようにして兵士のチャベスが、社会主義者になったかを問わなければならないでしょう。もしあなたがこの説明を見つけるなら、どうやって地主の私が、資本主義者から社会主義者になったかを説明できるでしょう。それは精神の高まりです。それは人間への確信です。

資本主義は、非常に野蛮です。資本主義は人類の未来ではありません。もし資本主義が人類の未来であるなら、人類は破壊されます。人類は打ち負かされます。資本主義は失敗する運命にあるのです。地球も同様です。

人類の未来は社会的でなければなりません。簡単です。お金ではないのです。商業ではないのです。人類を導くのは単に経済活動ではないのです。いや、それらは社会に従属するべきなのです。

私企業が存在するのはいいでしょう。私的イニシアティブがあるのもいいでしょう。資本がある事もいいでしょう。しかし資本が世界を指図することはよくないのです。いや、資本を導くのは世界であるべきなのです。これは逆転させた世界です。

私が、国の最高の政府の地位に就いたとき、ホンジュラスのような小さな国でさえ、その時私は学びました。資本を扱うには、資本を人民主権に従属させるほかないのです。資本は存在し続けるでしょうが、それは人民の主権に基づく計画に従属させるべきなのです。

人民の声は神の声です。それを信じなければいけません。

アニヤ・パランピル:クーデター当時、チャベスのように、あなたの国で 憲法制定会議のプロセスを追求していました。ここでの国家の特性を変えるために。なぜそれが、ここのオリガルヒやアメリカ政府を脅かしているとお考えですか。

マヌエル・セラヤ:問題はうまく公式化されていない。トーマス・ジェファーソンを知っているでしょう。ジョージ・ワシントンを知っているでしょう。彼らはアメリカ合衆国を、憲法と共につくり出した。

どうしてチャベスのことを言及するのか。チャベスは21世紀の人です。ジェファーソンとワシントンは1776年の人です。アメリカ独立戦争は反帝国主義、反大英帝国との闘いだった。彼らは憲法制定議会をつくり出した。そしてアメリカには憲法があります。憲法制定議会を発明したのはチャベスではないのです。それはジェファーソンとワシントンです。だからなぜ国家が形成される方法を恐れる必要があるのでしょうか。

社会的協定が破られたとき、貧困があり、多くの飢餓があり、多くの人が困っていて、大多数が経済的、社会的状況に我慢できないとき、憲法の対話に戻らなければならない。これは社会の基本事項だ。

アメリカの中ではクーデターはない。いや、そこの大統領たちは、いつ何時殺されるかもしれない状況に備えなければならない。ここではクーデターがある。そしてこれらのラテンアメリカの国々では、170回クーデターがあった。そしてそれらの大部分はアメリカによって支援されていた。

そして契約が破られたときどうしますか。憲法制定議会から始めるのです。

アニヤ・パランピル:あなたがクーデターに直面しているとき、マドゥーロはベネズエラの外務大臣でした。そしてあなたは当時彼と緊密に連携していました。彼をどう思いましたか。ニコラス・マドゥーロの印象はどうでしたか。そして今ベネズエラで起こっていることをどう思われますか。

マヌエル・セラヤ:二つのことがあります。一つはチャベスは私を救出しなかった。チャベスはホンジュラスのような極右の国に見向きもしなかったでしょう。ホンジュラスはアメリカによってほとんど支配されていましたから。そして今は嘗てよりさらにひどいです。そして私は、中道右派である大統領でしたが、チャベスは一度も私を救出しなかった。

私はチャベスに手をさしのべた。私はそれをはっきりさせなければいけない。チャベスは一度もホンジュラスに興味を示さなかった。これはアメリカのオットー・ライッヒ、ロバート・キャメロン、ロジャー・ノリエガのような右翼活動家の発明だ。私はチャベスにここに来て私達を助けるように納得させなければならない。石油やALBA同盟やペトロカリブ*6などで。

*6ペトロカリブ
   英語から翻訳-ペトロカリブは、優先支払いの条件で石油を購入するための、
   多くのカリブ海諸国とベネズエラの石油同盟です。同盟は2005年6月29日
   にベネズエラのプエルトラクルスで始まりました。 2013年、ペトロカリブは、
   石油を超えて経済協力を促進するために、アメリカのボリバル同盟との
   連携に合意した。 ウィキペディア(英語)


二つ目に、ニコラス・マドゥーロ、そう彼は根っからの社会主義者だ。彼は労働者で、労働者階級出身だ。資本から搾取されてきた階級の出身だ。労働力を売る階級の出身だ。そして資本家が喜ぶような権利を拒否する。彼はチャベスのような社会主義者だ。

そしてさらに、チャベスによって始められたボリバル革命は社会主義的確信をもってニコラス[・マドゥーロ]に受け継がれた。そして彼は偉大な能力と、感受性と、良心を持って指導している。

彼らは、それをあなた方にわからせたくない。しかしニコラス[・マドゥーロ]は大きな国際的威信のあるラテンアメリカの指導者なのです。

アニヤ・パランピル:私達はクーデターから10年がたちました。一歩一歩他の進歩的な政府が摘み取られ、アメリカの手先に戻っています。我々がいつか進歩的政府がラテンアメリカに戻ってくる日を見る希望はどうやったら訪れるのでしょうか。

マヌエル・セラヤ:どの帝国も永遠ではありません。永遠の神のみが例外です。アメリカは第二次世界大戦の終結以来、世界の多くを支配しました。しかしそれは深刻な矛盾を抱えています。かなり大きな貧困層を抱えた国なのです。国内的に深刻な矛盾を抱えているのです。

そしていつか近いうちに、北アメリカの支配階級は、世界で生き残るためには、軍事費を減らし、医療や健康保険や教育やよりよい生活を人民に与えなければならないでしょう。いつか彼らは世界の兵隊であること、つまり世界の警察である事が、彼らか考えるほど多くの利益をもたらさないことがわかるようになるでしょう。

そしてある日彼らは、軍事独裁より民主的国家のほうがいいことがわかるようになるだろう。彼らが変わるとき、それは遅すぎないことを願おう。

世界は拍手するだろう。そして一方彼らが我々の国にファシストや、独裁者を据え付ける帝国主義的秩序を植え付けている。私達の川や海や森や大地や労働者階級から搾取する超国家企業を据え付けている。その時彼らは彼らは非難され、それは私達の国には適さない行いだと言われるだろう。

私は北アメリカの人々に反対する理由は何もない。まして北アメリカの社会に反対する理由もない。私はリンカーンやケネディやジェファーソンやワシントンを称える。彼らはアメリカを代表してきた。しかし私が非難するのは、我々のような小さな国対する帝国主義的行いである。

民主主義を強化するのではなく、アメリカは軍事独裁を強化している。そしてそれが我々の国を貧困にして、移民がアメリカに移動しているのです。そして移民がアメリカに移動すると、彼らは不平をこぼし始める。

*

アニヤ・パランピルは、ワシントンDCを拠点とするジャーナリストである。彼女は以前デイリー・プログレッシブ・アフタヌーンニュース番組の「RTアメリカへの質問」でホストを務めたこともある。彼女は数々のドキュメンタリーをつくり、報道した。その中には朝鮮半島やパレスチナからの現場報告もある。

The original source of this article is The Grayzone
Copyright © Manuel Zelaya and Anya Parampil, The Grayzone, 2019

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[訳注1:エマヌエル・セラヤ]
2009年にクーデターで国外に追われたホンジュラスのセラヤ大統領が本国に帰還した時のインタビューです。ホンジュラスは1980年代、レーガン政権によるニカラグアのサンディニスタ政権転覆計画の拠点となり、中米ではコスタリカとならんで対米関係を重視する国とされていました。セラヤ大統領も就任当時は前体制を踏襲していましたが、2007年の原油高騰をきっかけにそれまでの親米路線を転換し、2008年、ベネズエラ主導の石油価格協定ペトロカリベ(Petrocaribe)と米州ボリバル代替構想(ALBA)に加盟すると発表 しました。

ホンジュラスは世界でも最貧国の1つで、国連の2011年度人間開発指数も179カ国・地域中121位、 外務省の資料によると一日1ドル以下で暮らす人口割合は14.9% となっています。セラヤ大統領は2008年に最低賃金を引き上げ、国内の富裕層との対立を深めていました。セラヤはこのインタビューの中で、当時の駐ホンジュラス米大使ロレンスの前任者チャールズ・フォードがクーデターの中心人物だとしています。米国務省が関与していた可能性は高いとみられています。(桜井まり子)
   Democracy Now Japan より http://democracynow.jp/video/20110531-4
   (ここでセラヤのインタビュー映像も見られる)


[訳注2:米州ボリバル同盟(ALBA)] 後藤政子

2004年にベネズエラとキューバの合意により成立したラテンアメリカの地域協力機構。アメリカ主導の米州自由貿易圏(FTAA)構想がラテンアメリカ諸国の経済社会状況の悪化や多国籍企業による経済支配を招いているとして、ボリバル思想に基づき、公正と平等を原則とした地域の協力と連帯により持続的経済社会発展を目指す。(中略)

単に経済統合だけではなく、貧困問題解決や下層大衆の復権、加盟国間の経済的社会的格差の是正も目的としている。加盟国はベネズエラのほか、キューバ、ボリビア、ニカラグア、ドミニカ、エクアドル、セントビンセント・グレナディーン、アンティグア・バーブーダ。ホンジュラスはセラヤ政権時代に加盟したが、ロボ現政権下の10年1月に国会において脱退を決定した。09年10月には域内の決済通貨として米ドルに代えて域内通貨スクレ(sucre)を創設することが決定され、10年1月末から使用が始まった。
https://imidas.jp/genre/detail/D-117-0020.html


[訳注3:スクールオブアメリカ、西半球安全保障協力研究所(旧「アメリカ陸軍米州学校」)]
1946年、在パナマのアメリカ南方軍本部内にSOAとして置かれる。親米ゲリラに拷問技術・尋問法などの教育を施し、西半球すなわち中央アメリカ、南アメリカで親米軍事政権・独裁政権と、「反米」左翼政権の転覆を支援した。“修了者”たちは「反米」運動・レジスタンス運動の有力指導者の暗殺に関わったとされ、SOAも“School of Assassin”(暗殺学校)と蔑まれた。ただし、卒業後に反米路線に転じた者もいる。

2001年1月、ラテンアメリカ諸国の軍幹部に訓練を施す名目で、ジョージア州フォート・ベニングに移転、機関名も改められた。(中略) なお、「研究所」と改称しただけで、その存在目的はSOA当時と全く変わっていないとされている。   (ウィキペディアより)


[訳注4:サンディニスタ運動]

ニカラグアの革命運動の呼称。正式名称はサンディニスタ民族解放戦線(FSLN)で,1934年に暗殺された革命家サンディーノA.C.Sandinoにちなむ。キューバ革命の影響を受け,1961年カルロス・フォンセカ(1976年暗殺)の指導のもとに独裁的支配を続けてきたソモサ体制に反対して起こった。国境地帯や山岳部でのゲリラ活動を主としていたが,1974年ごろには反ソモサの動きが広まった。1978年ホアキン・チャモロの暗殺を契機に支持基盤が広がってソモサ体制を揺るがし,大規模な軍事攻撃やゼネストで1979年7月A.ソモサを亡命に追い込み,民族再建政府を樹立。革命政府は土地改革,識字運動,ソモサ家の財産没収などの政策を実行。1980年代に入るとアメリカが経済援助を停止し,反革命派(コントラ)を支援し,経済封鎖を続けた。1984年総選挙でD.オルテガが大統領に就任,非同盟,混合経済などをうたった新憲法が発布される。1988年コスタリカ大統領アリアスの和平提案が中米5ヵ国の大統領によって調印されたが,完全には実行されず,長引く戦闘の重圧と経済疲弊の中で行われた1990年の総選挙で反サンディニスタ側のチャモロ女史が勝利。
(コトバンクより) https://kotobank.jp/word/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%8B%E3%82%B9%E3%82%BF%E9%81%8B%E5%8B%95-838791


オルテガ政権の復活
 1990年の総選挙ではサンディニスタは多数を取れず政権を失うことになった。その後、中道・保守政権が三期続いたが、汚職が広がり、格差が拡大して再び左派政権への期待が強まり、2006年11月の大統領選挙でダニエル=オルテガが16年ぶりに大統領に復帰した。アメリカはここでも選挙に干渉し、オルテガが当選すれば経済援助を停止すると脅したが、国民は内戦中にアメリカの経済封鎖に耐えた経験からその脅しに屈しなかった。<伊藤千尋『反米大陸』2007 集英社新書 p.25-26>
 オルテガ大統領は、ラテンアメリカ諸国で反米姿勢を明確にしているキューバのカストロ、ベネズエラのチャベス、エクアドルのコレア、ボリビアのモラレスなどと協力態勢を組んでいる。
(世界史の窓より) https://www.y-history.net/appendix/wh1703-079_1.html


[訳注5:ピンクタイド]
「ピンクの潮流」、又は「左傾化」という言葉は、現代の21世紀の政治分析でメディアなどで使用され、ラテンアメリカの民主主義における左翼政権への転換の波を表している。新自由主義から離脱したこの経済モデルの変化は、より進歩的な経済政策への動きを表しており、数十年にわたって不平等が続いたラテンアメリカの民主化の潮流である。
                    ウィキペディア(英語版より翻訳)


[訳注6:ペトロカリブ] フラッシュ217  2014年12月26日

ベネズエラの援助力低下で危惧されるカリブ海諸国の財政破綻
内多 允     (一財)国際貿易投資研究所 客員研究員

ベネズエラでは1999年2月に就任したチャベス大統領が、国内政治と外交関係にわたって、過去の歴代政権と大きく異なる政策を展開した。その政策の特徴は社会主義体制の構築と、米国が主導する市場経済体制に批判的な各国との関係強化であった。ベネズエラが反米的な立場の各国との連携を強化する手段として、石油収入を活用した。チャベス大統領は国内の石油資源を独占している国営石油会社(PDVSA)が輸出から得た外貨収入を、反米的な立場をとる諸国への経済支援に投入した。チャベス大統領のこのような外交姿勢は中南米で2000年代に顕著になった米国を除外した地域統合の推進にも影響を与えた。米国流のネオリベラリズムでは貧困や経済格差の解決に、貢献しないという批判の高まりも米国への批判を高めた。チャベスの外交も、米国を外した中南米の統合推進を重視した。

その具体例として、Petrocribe(以下、英語発音のペトロカリブと表記)を本稿で取り上げる。ペトロカリブはベネズエラの石油(原油と石油製品)をカリブ諸国に優遇的な価格で供給する石油協力機構の名称である。これらの機構を利用してベネズエラはカリブ地域(一部は中米諸国も含む)との関係を強化した。

しかし、近年はベネズエラが反米同盟のネットワークを構築する上で、活用してきた石油収入が減少していることによって、その外交戦略の前途が危惧されている。原油の国際相場の下落が、ベネズエラ経済の停滞に拍車をかけている。ベネズエラ原油の平均価格(1バレル当たり)は2012年平均103.42ドルが、2014年(12月1日―19日平均)には51.26ドルに50%も低下した(表1)。

このような状況を反映してカリブ諸国が依存度を高めているベネズエラからの低金利融資による外貨供給の打ち切りも取り沙汰されている。ベネズエラの経済援助の断絶が、カリブ諸国の財政破綻を招きかねない事態を国際金融界も警戒している。
http://www.iti.or.jp/flash217.htm

フアン・グアイドはアメリカの「でっち上げ」―――
アメリカはどのようにベネズエラのクーデター指導者を
つくり出したのか

The Making of Juan Guaidó: How the US Regime Change Laboratory Created Venezuela’s Coup Leader

The Grayzone(Investigative journalism and news website focusing on war and empire
Venezuela  グレーゾーン 2019年2月20日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年6月11日)

<記事原文>
https://consortiumnews.com/2019/01/29/the-making-of-juan-guaido-us-regime-change-laboratory-created-venezuelas-coup-leader/
フアン・グアイドは、ワシントンの政権転覆指導者エリートたちが10年かけて作り上げた産物だ。グアイドは、 民主主義の優れた推進者としてのポーズを取っているが、暴力的な不安定化路線の最前線に何年もその身を置いていた。


ダン・コーエンとマックス・ブルーメンソール

「暫定大統領」を自ら宣言した1月22日以前、フアン・グアイドの名前を耳にしたベネズエラ人は5人に1人もいなかった。 ほんの数ヶ月前、フアン・グアイドは35歳になったばかりだ。 政治的には極右の泡沫集団の中でもぱっとしない存在だった。 この泡沫集団が深く関わってぞっとするような暴力的街頭行動が引き起こされた。 反対派が支配的な国民議会内で所属政党の中ですら、序列としては中程度の人物だった。 この国民会議は、現在、ベネズエラ憲法に規定された「法廷侮辱罪」の宣告を現在受けている。 

しかし、アメリカ副大統領のマイク・ペンスから一本の電話があると、グアイドは自らをベネズエラ大統領と宣言した。 アメリカ政府からベネズエラの指導者とのお墨付きを得ると、それまで無名で政治的にもおよそ「指導者」とは言い難いところいた彼が、突然国際的な舞台に躍り出た。 原油埋蔵量世界一の国ベネズエラの指導者をアメリカが選び出したというわけだ。  

こういったアメリカ政府の意向に呼応して、ニューヨーク・タイムズの編集局はグアイドをマドゥロに対する「信頼できる対抗馬」と持ち上げた。 「ベネズエラを前進させる新鮮な行動スタイルとビジョン」を備えた人物だ、と。 ブルームバーグの編集局は「民主主義の復活」を追求する人物として、彼を手放しで褒め称えた。 ウォールストリート・ジャーナルは、グアイドが「新しい民主的な指導者」だと明言した。 また、カナダ、欧州の少なからぬ国々、イスラエル、そして「リマ・グループ」として知られる一群の右翼ラテンアメリカ政府は、グアイドをベネズエラの合法的指導者として承認した。 

どこの馬の骨ともわからないような人物に見えたグアイドだが、実は、10年以上前からアメリカ政府配下のエリート集団が手がける「政権転覆工場」で念入りに仕込まれて出来上がった「製品」なのだ。 右翼学生活動家の幹部らと共に、グアイドは訓練・養成され、①ベネズエラの社会主義志向政府の弱体化、②ベネズエラの不安定化、そして③いつか権力を掌握する、ことを目指していた。 ベネズエラの政治世界では取るに足らない人物だったグアイドだが、何年にも亘って、彼は「自分は使える人間だ」と、ワシントンの権力中枢に密かに売り込んでいた。



「フアン・グアイドはこういった状況のために創作されたキャラクターです」とマルコ・テルーギはグレイゾーンのインタビューに答えてくれた。 マルコ・テルーギはアルゼンチンの社会学者で、ベネズエラ政治の編年史家としては一流の仕事をしている。 「すべて『工場の論理』で動いています。 グアイドはいくつかの要素を組み合わせた合成品のようなものです。 そうして出来上がったキャラクターとして、彼は嘲笑の対象になったり、やっかいな人物との間を揺れ動きます。 それがウソ偽りのないところです」 

ディエゴ・セケラは、ベネズエラのジャーナリストで、ミッション・ヴェルダトという調査報道メディアにも記事を書いているが、同じ意見だ。 「グアイドはベネズエラ国内より国外で名前が知られています。 特に、アイビー・リーグのエリート大学や、ワシントンの複数のサークルで。 そこで名前が売れた人物ですから、彼が右翼であることは予測がつきます。 また政権転覆計画に忠実な人間と考えられています」との意見を、ディエゴ・セケラはグレイゾーンのインタビューで述べた。 

グアイドは今日、民主主義回復の顔として売り出されているが、政治的な経歴としてはベネズエラで最も過激な反政府グループの最も暴力的な分派メンバーだった。 その最先頭に立って数々の不安定化作戦を展開していた。 このグループのベネズエラ国内での信頼度は低く、ひどく弱体化した反対勢力をばらばらにした責任もあると考えられている。

「こういった過激派リーダー達は世論調査でたった20%の支持率しか得ていない」とベネズエラの優れた世論調査員であるルイ・ヴィンセント・レオンは書いている。 レオンの記事に依れば、グアイドのグループの支持が広まらないのは、国民の大半が「戦争を望んでいないからだ。『国民が望んでいるのは問題の解決』だ」という。 しかし、これこそまさにアメリカがグアイドを選んだ理由である。  アメリカが彼に期待しているのは、ベネズエラに民主主義を!などではない。 過去20年間、アメリカの覇権に抵抗する防波堤となってきたこの国を崩壊させて欲しいのだ。  グアイドは取って付けたように登場したが、それはベネズエラにおける強固な社会主義の実験を破壊しようとする20年越しのアメリカの計画が、その頂点に達したことを示している。

「トロイカ独裁国体制」を標的に

1998年にウゴ・チャベスが大統領に当選して以来、アメリカはベネズエラとその膨大な埋蔵原油への支配回復を目指して闘った。 チャベスの社会主義的計画が実行されると、国富の再分配が行われ、何百万という国民を貧困状態から引き上げることにつながった。 しかし、それはまた国に危険を招くことでもあった。 

2002年、ベネズエラの右翼反対勢力は、一時、チャベスを追放した。 アメリカの支援と承認を受けてのことだ。 だが軍は、大規模な民衆行動の後、チャベスを大統領職に復帰させた。 ブッシュ(子)やバラク・オバマの政権を通して、チャベスは数多くの暗殺の陰謀を生き抜いてきた。 しかし、2013年、ガンの病に倒れた。 彼の後継者のニコラス・マドゥロは三回命を狙われた。 

トランプ政権は、時を置かず、ベネズエラをアメリカ政府による政権転覆リストのトップに引き上げた。 ベネズエラは「トロイカ独裁国体制」のリーダーだとのらく印を押して。 昨年、トランプの国家安全保障チームはベネズエラ軍の高級将校達を使い、軍事政権を樹立させようとしたが、それは失敗した。

ベネズエラ政府に依れば、アメリカは「コンスティテューション(憲法)作戦」というコードネームの陰謀にも関与していた。 この作戦ではミラフローレス大統領宮殿でマドゥロを捕縛することになっていた。 さらに、「アルマゲドン作戦」と呼ばれる陰謀では、2017年7月の軍事パレードで彼を暗殺することになっていた。 それから1年ほどして、亡命中の右翼反対勢力はカラカスの軍事パレードでドローン爆弾を使ってマドゥロを暗殺しようとしたが、失敗した。 

こういった陰謀の10年以上も前に、右翼反対勢力の学生グループが一本釣りされ、既述のアメリカが資金援助する「政権転覆訓練所」の訓練を受け、ベネズエラ政府の転覆と新自由主義的秩序の回復を目指した。

「幾多のカラー革命の種を蒔いた『革命輸出』グループ」の訓練

2005年10月5日、チャベスの人気が頂点に達し、広範囲な社会主義的プログラムをベネズエラ政府が計画していたころ、5人のベネズエラ「学生指導者達」がセルビアのベオグラードに到着、反乱のための訓練が始まった。

学生達がベオグラードに来たのは、CANVAS(「非暴力的行動と戦略応用センター」)のベネズエラ枠からであった。 CANVASの基金は、その大半が「全米民主主義基金」から出ている。 「全米民主主義基金」は政権転覆を促すアメリカ政府の主力部隊としての機能を果たすCIAの出先機関だ。 また、「共和党国際研究所」や「全米民主国際研究所」のような派生機関でもある。 「陰のCIA」として知られる情報会社ストラトフォーのリークされた部内メールに依れば、CANVASは「1999年から2000年にかけての反ミロシェビッチ闘争で、CIAからも資金と訓練指導を受けていた可能性がある。」

を意味する「オトポール」は、学生集団として反政府運動を組織し、ついにはスロボダン・ミロシェビッチを打倒したことで世界的な名声を博した。 ハリウッドばりの広報宣伝も行われた。 

この政権転覆の専門家たちが小さな核となって、活動を展開していた。 その理論的支柱は「クラウゼヴィツの非暴力版」と言われた故ジーン・シャープである。 シャープは、前アメリカ国防情報局(DIA)の分析官であったロバート・ヘルヴェイ大佐との共同作業で、多面的な形態の抗議運動を武装化する戦略的な青写真を描いた。 その標的は、アメリカの一極支配に抵抗する国々である。  


Otpor at the 1998 MTV Europe Music Awards

オトポールを支援したのは、「全米民主主義基金」、「アメリカ合衆国国際開発庁(USAID)」、そしてジーン・シャープが立ち上げた「アルベルト・アインシュタイン研究所」だった。 オトポールを訓練した中心人物の一人であるシシナ・シクマンは、「オトポールはCIAから直接資金援助を受けることすらある」と、かつて語っていた。

前述した「影のCIA」とも言われる情報会社ストラトフォーのスタッフがリークしたメールに依れば、ミロシェビッチを権力の座から追放した後、「オトポールの幹部連中は成長し、スーツ姿となり、CANVASを構想した。 つまり、「革命輸出」グループに変身し、幾多のカラー革命の種を蒔いたのだ。

ストラットフォーのリークメールが明らかにしたのは、CANVASは2005年に「その関心をベネズエラに向けた」ということだ。 それは東ヨーロッパ全体に広まった親NATO勢力による政権転覆作戦につながった反政府運動を訓練した後のことだ。 

CANVASの訓練プログラムを観察して、ストラットフォーはその暴徒的行動の意図を驚くほどに率直に語ってみせた。 「成功するかどうかは、全く保証の限りではない。 また、学生運動はほんの端緒に過ぎない。 これからどれほどの年月がかかるかわからないが、ベネズエラに革命のきっかけを与える努力をしてゆくのだ。 そうは言ってもCANVASの訓練者達は自ら『バルカンの殺戮者達』で経験を積んでいる。」 彼らが手にしたスキルは真っ当なものではない。 学生達がベネズエラの5つの大学で同時デモを繰り広げる様子を見れば、訓練は終了し、実戦が始まったことは明らかだ。

「ジェネレーション2007」政権転覆要員の誕生

「実戦」は2年後、2007年に始まった。 グアイドがカラカスにあるアンドレ・ベロ・カソリック大学を卒業した年だ。 彼はワシントンDCに移り、ジョージ・ワシントン大学で管理・政策運営のプログラムを受講した。 指導教官はラテンアメリカにおける最高の自由主義経済学者の一人であるベネズエラ人ルイス・エンリケ・ベリーズバイティア。 ベリーズバイティアは「国際通貨基金」(IMF)の常任理事を務めたことがあり、チャベスが追放した旧寡頭政権下で10年以上ベネズエラのエネルギー部門を担当した。 

その年、ベネズエラ政府が「ラジオ・カラカス・テレビ」(RCTV)の免許更新を認めなかった後、グアイドは、反政府デモを主導する手助けをした。 個人が所有するこのテレビ局は2002年のウゴ・チャベスに対するクーデターで中心的な役割を果たした。 RCTVは反政府デモを煽り立て、反対派が行った暴力行為を政府支持者の仕業だと虚偽の情報を流し、クーデターが企てられている間、政府寄りの報道を禁止した。 RCTVや他のオリガルヒ(寡頭政治の支配者)が所有するテレビ・ラジオ局が、失敗に終わったクーデターを推し進める時に果たした役割は、有名なドキュメンタリー『放映されない革命』において、時系列で記録された。 

同年、2007年、これらの学生達はチャベスの『21世紀の社会主義』のための憲法国民投票を妨害したことを声高に自慢した。 『21世紀の社会主義』とは「ベネズエラの政治的、社の再組織化のための法的枠組みを設定し、新しい経済発展のための前提条件として組織化された市町村に直接的な権限を与えること」を約束している。 

RCTVや国民投票を巡る抗議運動から、アメリカの支援を受けた政権転覆活動に特化した幹部集団が生まれた。 彼らは自らを「ジェネレーション2007」と名乗った。 

「ジェネレーション2007」の訓練を担当したストラットフォーとCANVASは、グアイドの協力者であり、リバタリアン的な考えを持つ政治的オルグのヨン・ゴイコエチェアを、憲法国民投票を失敗させる「キーパーソン」であるとした。 翌年、ゴイコエチェアはそれまでの奮闘に対して、ケイトー研究所の「ミルトン・フリードマン自由促進賞」が授与された。 副賞は50万ドル。 彼はその金を即座に自分の政治的ネットワークにつぎ込んだ。



フリードマンとは、もちろん、悪名高い「シカゴボーイズ」のゴッドファーザー的人物であった。 この「シカゴボーイズ」をチリの独裁的軍事政権指導者アウグスト・ピノチェトが、自国に導き入れ、過激な「ショックドクトリン」型緊縮財政諸政策を実行した。 ついでながら、ケイトー研究所とはワシントンに本拠を持つ、リバタリアン派のシンクタンクで、創設者はコーク兄弟である。 この二人が共和党への献金では上位2位を占め、ラテンアメリカ全域の右翼勢力への積極的な支援者になった。

ウィキリークスが公表した2007年のメールは、在ベネズエラ米大使であるウィリアム・ブラウンフィールドが国務省、国家安全保障会議(NSC)、そしてアメリカ国防総省南方軍に配信したものだ。 このメールで、彼は「『ジェネレーション2007』が、政治的課題を設定することに手慣れたベネズエラ大統領に、有無を言わさず(過剰)反応」させたことを賞賛している。 「突出したリーダー」としてブラウンフィールドが名前を挙げているのは、フレディ・ゲバラ と ヨン・ゴイコエチェアの二人だ。 ヨン・ゴイコエチェアについては「市民の自由をきちんと擁護できる学生の一人」と賞賛している。

ケイトー研究所などのリバタリアン的な考えに染まったオリガルヒ(寡頭政治派)や、アメリカ政府のソフトパワー的な装いを凝らした組織から潤沢な資金を得て、ベネズエラの過激派集団「ジェネレーション2007」はオトポール戦術を街頭行動で繰り広げた。 その際、下に示したようなロゴをこの集団の目印とした。


“Galvanizing public unrest…to take advantage of the situation and spin it against Chavez”
「大衆の不安を煽り立て、情況を有利に、そしてそれを反チャベスの運動へ!」

2009年、「ジェネレーション2007」の若い活動家達は、それまで見たこともないような挑発的なデモを敢行した。 公道でズボンを下げ、突拍子もないゲリラ的な演劇戦術を展開したのだ。 それはジィーン・シャープが政権転覆マニュアルでその輪郭を描いたものをなぞったものだ。 「ジェネレーション2007」は、JAVUと呼ばれる、自分達と同じような脚光を浴びた若者集団の一人が逮捕されたことに抗議するデモを組織していた。 大学人ジョージ・シッカリエロ・マーハーの著書『コミューンの形成』からの引用:

JAVUという極右グループは「その資金を様々な米国政府関係機関から集めた。 
その資金を使い、過激な反政府街頭行動を繰り広げたため、急速にその評判を
落とすことになった。」 

そのビデオは手に入らないが、その中心的な参加者の一人がグアイドだと、多くのベネズエラ人は認めている。 その告発の真偽は確認されていないが、たとえそうだとしても、決してあり得なくはない。 尻を丸出しにしたデモ隊はグアイドが属する「ジェネレーション2007」の中核メンバーであり、彼らのトレードマーク「Resistencia! Venezuela」のTシャツを着ている。 その写真は下に。


Is this the ass that Trump wants to install in Venezuela’s seat of power?

その年、2009年、グアイドは、また趣向を変えて、公の場に登場した。 彼の属する「ジェネレーション2007」が培ってきた反チャベスのエネルギーをまとめる政治グループを立ち上げたのだ。 そのグループは「民衆の意志」と呼ばれ、指導者はレオポルド・ロペス。 プリンストン大学で教育を受けた右派の扇動的指導者。 「全米民主主義基金」プログラムに深い関わりを持ち、ベネズエラでも最も富裕なある地域(カラカス市)の首長に選出されている。 ロペスは、ベネズエラ初代大統領の直系として、ベネズエラ貴族主義の顔だった。 また、アメリカに本拠を置く「人権財団」の創設者であるトール・ハルヴォルセンはいとこにあたる。 この「人権財団」は、アメリカが政権転覆を狙う国々で、アメリカの支援を受けながら反政府活動をする活動家達のための宣伝業務を行う場として、実質的には機能している。

ロペスとアメリカの利害はきちんと一致しているが、ウィキリークスが発表したアメリカ外交電報では、彼の常軌を逸した傾向が強調されていて、それは延いては「民衆の意志」という組織を泡沫的な組織にしてしまうだろうという。 ひとつの電報に記されたロペスの人物評として「反政府グループ内でも非協調的で...傲岸で執念深く、強い権力志向を持っていると言われることが多い」と描かれている。 他の電報で強調されているのは、彼が街頭での武闘作戦に強いこだわりを持っていることと、彼の「非妥協的なアプローチ」だ。 それがベネズエラの民主的組織の統一と参加を最優先する他の反政府グループ・リーダーとの軋轢となっている。


Popular Will founder Leopoldo Lopez cruising with his wife, Lilian Tintori

2010年までに、「民衆の意志」とそれを背後で支援する国外の諸組織は、数十年に一度という規模でベネズエラを襲った大干ばつを利用することにした。 大量の電力不足がこの国を直撃したのはこの水不足のせいだった。 水は水力発電所には不可欠なものだ。 

グアイドと彼が率いる反政府グループの主要な助言組織であるストラットフォーとCANVASは、到底まともとも取れないような計画を立案した。 ボリバル革命の心臓部に短剣を突き刺すような計画だ。 この企みの成功はベネズエラの電力システムの70%を、早ければ2010年4月までに、壊滅できるかどうかにかかっていた。 

「これは分岐点になり得る。 電力システムが動かなくなれば、チャベスには貧困層を守る手立てがほとんどないからだ」とストラットフォーの内部文書にはきちんと書かれている。 「おそらく国民の不安に火をつけるインパクトになるだろう。 これまでどの反政府グループがやろうとしてもできなかったことだ。 その時点で、ある反政府グループに動いてもらうことが最善となるだろう。 この情勢を活用し、「反チャベス!」と「国民へ必要物資を!」の運動へと舵を切らせるのだ」

この時点までにベネズエラの反政府勢力は、年間4,000万ドルから5,000万ドルという驚くべき額の資金をUSAID(アメリカ合衆国国際開発庁)や全米民主主義基金から受け取っている。 これはスペインのシンクタンクFRIDE機構の報告だ。 この反政府勢力は巨額の預金を持っていて、その口座の大半は国外に置かれていた。

ストラットフォーの描いたシナリオがうまくいかなかったこともあり、「民衆の意志」の活動家とその同調者達は、非暴力の仮面をかなぐり捨て、ベネズエラの国情を不安定化させるような過激な計画に加わった。

暴力的不安定化路線へ

ベネズエラ保安局が入手し、前司法大臣ミゲル・ロドリゲス・トレスが公表したメールに依れば、2010年11月、グアイド、ゴイコエチェア、そして他数名の学生活動家達は、メキシコにある“フィエスタ・メヒカナ”と呼ばれるホテルで5日間の秘密訓練に参加した。 この訓練はベオグラードに本拠があるオトポールが運営したものである。 オトポールは政権転覆の訓練士集団でアメリカ政府の支援を受けている。 この秘密訓練は、メールに依れば、オットー・ライヒの承認を受けていた。 オットーは狂信的な反カストロ派キューバ人亡命者で、ブッシュ(子)政権下の国務省と前コロンビア大統領で右翼アルバロ・ウリベの下で仕事をしていた。 これもメールに記載されていることだが、この秘密訓練でグアイドと参加していた学生活動家達は、断続的で長期的な暴力的街頭行動を通して混沌状態を創り出し、ウゴ・チャベス大統領を放逐する計画を密かに練った。

石油産業の表看板である3人の人物、Gustavo Torrar、Eligio Cedeño、Pedro Burelliがこの訓練の運営費用52,000ドルを支払ったと言われる。 Torrarは自称「人権活動家」であり「知識人」だ。 彼の弟Reynaldo Tovar Arroyoはメキシコで石油・ガスを扱う民間企業Petroquimica del Golfoのベネズエラにおける代表だ。 この民間企業はベネズエラと契約を結んでいる。

Cedeñoは、彼の立場としては亡命ベネズエラ人ビジネスマンであり、アメリカへの亡命を申請している。 そしてペドロ・ブレリはJPモルガンの元重役であり、以前ベネズエラの国営石油会社PDVSAの取締役を務めていた。 彼は1998年ウゴ・チャベスが大統領になるとPDVSAを辞めた。 現在はジョージタウン大学に開設されている「ラテンアメリカ・リーダーシップ計画」の諮問委員会に席を置いている。

Burelliは、自分がこの秘密訓練に関わりを持ったとするメールはでっち上げだと主張し、それを証明するため、私立探偵を雇うこともした。 この私立探偵は、グーグルの記録を見て、ブレリのものだとされるメールが発信されたことは一度もない、と言明している。 

だが今日ブレリは自分の願望を大っぴらにし、ベネズエラの現大統領ニコラス・マドゥロが追放され、さらにはリビヤの指導者ムアンマル・カダフィがNATOに支援された民兵達にされたように、街頭に引き出され、銃剣が肛門に突き刺されるところを見たい、と広言している。



更新:ブレリはこの記事が公開されると本サイト「Grayzone」とコンタクトを取り、自分が「フィエスタ・メヒカーナ」策略に関わった経緯を明確にしたいと言った。 ブレリは「この『秘密訓練』は合法的な活動だ。 ただ、ホテルの名前は違っている」と語った。

オトポールがこの秘密訓練の取りまとめを行っているのか、と聞いても彼は、オトポール/CANVASの仕事は「気に入っている」と述べるだけだった。 また自分はそれに資金提供しているわけではないが、「その動きを見守り、オトポール/CANVASが指揮している活動に参加することをいろいろな国の活動家達に勧めている」

これもBurelliの言葉:「アルベルト・アインシュタイン研究所は何千人もの人間の訓練を公然とベネズエラで実施した。 ジーン・シャープの哲学を幅広く研究し、それを自分のものとしたのだ。 そして、恐らくは、こういった動きがあるおかげでベネズエラでの闘いが内戦に転化しなくて済んでいる」

ホテル「フィエスタ・メヒカーナ」での策略とされているものが、別の不安定化計画へと流れていった。 これはベネズエラ政府が出した一連の文書で明らかになったものだ。 2014年5月、ベネズエラ政府はニコラス・マドゥロを狙った暗殺策謀の詳細を示す文書を公開した。 この文書で反チャベスの強硬派マリア・コリーナ・マチャド(現在米上院議員マルコ・ルビオの懐刀)が名指しで、この暗殺策謀の指導者とされている。 マチャドは全米民主義基金から資金援助を受けたグループSumateの創設者として、反政府集団の国際的な紐帯として動いている。 2005年にはブッシュ(子)大統領を訪問した。 


Machado and George W. Bush, 2005

「今が努力を結集すべき時です。 必要な呼びかけを行い、資金を調達し、マドゥロを抹殺するのです。 そうすれば他の連中は散り散りになります」と書いたメールをマチャドは、2014年、元ベネズエラ外交官のディエゴ・アリアに送った。

マチャドは別のメールで、マドゥロ暗殺計画をアメリカのコロンビア大使ケビン・ウィタカーが承認してくれていると述べている。 「私はもう決断しています。 この闘いを継続し、マドゥロ政権を放逐し、世界の友人達にこの成果を示すのです。 サン・クリストバル市(カラカスから南西約600キロ、タチラ州の州都。反政府運動の震源地でその鎮圧のため数千人の軍が派遣された)に出向き、OAS(米州機構)の前にこの身を晒しても怖いものは何もありません。 ケビン・ウィタカーが支援を再確認してくれています。 そしてこの新しい方策に目を向けてくれました。 我々はマドゥロ政権よりも強大な小切手帳を所持し、OASという国際的安全保障の輪を砕きます。 

グアイドは率先してバリケードへ

2014年2月、学生デモ隊は亡命しているオリガルヒのために突撃部隊として暴力的なバリケードをベネズエラ全土に構築した。 これは反政府勢力が支配する区域を暴力的な要塞にするもので「ガリンバス」として知られている。 国際的なメディアは、この激動を自然発生的な抗議運動で、マドゥロ政権の強権支配に抗するものと描きだしているが、この顛末を指揮しているのは「民衆の意志」であるという証拠は十分あった。

「学生デモ隊の誰一人自分達の大学のTシャツは着ていませんでした。 みんな『Popular Will(民衆の意志)』か『Justice First(まず、正義を)』のTシャツを着ていました」と語ってくれたのは、その時ガリンバスに参加していた人物だった。 「みんな学生集団だったかもしれません。 でも学生自治会は反政府政党の傘下にあり、学生達を指導していました。」

中心人物は誰だったのか、の質問にこのガリンバス参加者は「ええ、ありのまま申し上げれば、 そういう人たちが今政治家になっています」と答えた。

43名前後の人が2104年のガリンバスで死亡した。 3年後、またガリンバスが勃発し、公共インフラの大量破壊があり、政府支持者達が殺害され、そして126名の死者(多くはチャベス派)が死亡した。 政府支持者達が、武装ギャングたちに生きたまま火をつけられたケースもいくつかあった。

グアイドは直接2014年のガリンバスに参加していた。 実際彼は、自分がヘルメットとガスマスクを被り、マスクとヘルメット姿で高速道路を封鎖していたデモ隊に取り囲まれている様子を映したビデオをツイートしている。 このデモ隊は警官隊と激しく衝突していた。 「ジェネレーション2007」に自分が参加していたことを匂わせながら、グアイドは「2007年のことは忘れない。 我々は『学生諸君!』と宣言した。 今我々は『抵抗だ!抵抗だ!』と声を大にして言おう」と宣言した。 

グアイドはこのツイートを消去している。 民主主義のチャンピオンとしての自分のイメージへの気遣いがあったことは明らかだ。



2014年2月12日、この年のガリンバスが最盛期に達した時、グアイドは「民衆の意志」と「まず正義を」の集会でロペスと同じ演壇に立った。 政府に対する激しい非難の長広舌の中で、ロペスは群衆に、検事総長ルイザ・オルテガ・ディアスの事務所に行進するよう強く呼びかけた。 すぐに、ディアスの事務所は、それを焼失させようとする武装したギャング達に攻撃された。 彼女は「周到に計画された暴力行為」として非難した。


Guaido alongside Lopez at the fateful February 12, 2014 rally

2016年テレビに登場したグアイドは「グアヤ」(ガリンバスのひとつの戦術で、鋼鉄線を道路に広げ、バイクに乗った人間に怪我を負わせたり、殺そうとしたりする)で死者が出たことを「神話」だと切り捨てた。 彼のコメントは死者が出るかもしれない戦術をごまかしている。 現にサンチャゴ・ペドロサのような武器を持たない市民達を殺したし、エルビス・デュランという名前の男性を斬首した。 他にもたくさんある。 

こういった人命を無視する冷淡さは、彼の所属する「民衆の意志」党が、多くの大衆の目にそういう組織だとの見方をされることになろう。 それはマドゥロ政権に反対する多くの人々にとってもそうだ。 

「民衆の意志」の取り締まり

暴力と政治的な分極化がベネズエラ全土で拡大するにつれ、政府はその動きを扇動した「民衆の意志」のリーダー達を抑える行動を始めた。

フレディ・ゲバラは、国民会議副議長であり、「民衆の意志」のナンバー2、2017年の街頭暴動の中心的リーダーだった。 その果たした役割のことで裁判にかけられそうになると、彼はチリ大使館に逃げ込んだ。 現在もそのままである。

レスター・トレドは、スリア州選出「民衆の意志」党議員。 2016年9月ベネズエラ政府から指名手配される。 罪状はテロへの資金提供と暗殺謀議だった。 これらの計画は元コロンビア大統領アラバロ・ウリベも加わってのことだと言われている。 トレドはベネズエラを逃亡して、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、米政府支援のフリーダム・ハウス、スペイン議会、そしてヨーロッパ議会へ講演旅行をした。

カルロス・グラーフは、オトポールの訓練を受けた「ジェネレーション2007」のメンバーでもある。 「民衆の意志」の指導者で2017年6月逮捕された。 警察に依れば、彼は釘、強力プラスチック爆弾と起爆装置の入ったバッグを所持していた。 2017年12月27日に釈放された。  

レオポルド・ロペスは、長年「民衆の意志」のリーダーであり、現在、自宅監禁されている。 2014年のガリンバスで13人が死亡したことについて重要な役割を果たしたことを告発されている。 アムネスティはロペスを「良心の囚人」として賞賛した。 彼が刑務所から自宅へ移されたことを「十分な措置ではない」として非難した。 一方、ガリンバスの犠牲者の家族はロペスに対する罪状をもっと増やしてほしいとする請願書を発表。 

ヨン・ゴイコエチアは、コーク兄弟の広告塔で、2016年に治安部隊が逮捕した。 車に1キロの爆発物を積んでいたとされる。 ニューヨークタイムズの論説には、ゴイコエチアが「捏造された」罪状に抗議し、投獄されたのは単に「共産主義から自由な民主的社会への夢」を持っているため、との言い分を載せている。 2017年11月に釈放された。



デイヴィド・スモランスキイは、オトポールの最初の訓練を受けた「ジェネレーション2007」のメンバーでもある。 カラカス市南東部の裕福な郊外住宅地自治体の選挙(2013年)でベネズエラ史上最年少の首長となった。 しかし、最高裁はその地位を剥奪、懲役15ヶ月の判決を下した。 暴力的なガリンバス策謀に責任があるとされたためである。

逮捕されそうになると、スモランスキイは髭をそり落とし、サングラスをかけ、密かにブラジルに入国した。 扮装は神父姿で、手にはバイブル、首にはロザリオをかけている。 彼の現在の住まいはワシントンDC。 米州機構事務総長のルイス・アルマグロに一本釣りされ、ベネズエラの移住者、難民の危機問題に対処するグループを指導している。

今年の7月26日、スモランスキイは「心のこもった再会」と称する会合をエリオット・エイブラムスと持った。 エリオット・エイブラムスと言えば、イラン-コントラの重大事件で有罪とされ、トランプがベネズエラへの特使として送り込んだ人物だ。 エイブラムスの悪評は、1980年代のニカラグア、エルサルバドル、そしてグアテマラで右翼の暗殺部隊を武装化する秘密政策を統括したことを巡ってのものだ。



マチャドは更なる暴力的な脅しをマドゥロにがなり立てた。 もし「命が惜しいなら、マドゥロは自分がもう終わっていることを理解すべきだ」と言明している。

捨て駒

「民衆の意志」は不安定化暴力路線で壊滅し、少なからぬ民衆グループが離反し、運動のリーダーシップの多くは亡命先か監禁状態ですることになった。 グアイドは比較的マイナーな人物だったし、国民議会の輪番制の副議長として9年の任期の大半を過ごしただけだ。 ベネズエラで最も人口が少ない州の一つから声を上げ、グアイドは2015年の選挙で二位となった。 得票率は26%で、辛うじて国民議会の席を確保できた。 実際彼が知られているのはその顔というより、彼の尻だったのかもしれない。 

グアイドは反政府が主流を占める国民議会議長として知られているが、別に投票で選ばれた訳ではない。 国民議会内の民主統一会議を構成する反政府派の4つの政党が議長を輪番制にすることを決めていた。 「民衆の意志」の番だったが、創設者のロペスは自宅監禁の状態だった。 二番手のゲバラはチリ大使館に逃避。 順番ではフアン・アンドレ・メヒアなる人物が次に来るはずだったが、現在やっと明らかになった理由で、フアン・グアイドが議長に選出された。 

「グアイドが頭角を現したことには階級的な理由があります」との見方を示したのは、ベネズエラの分析家のセケラである。 「メヒアは上流階級の人間です。 ベネズエラで最も高額な学費を取る私大のひとつで学んでいます。 グアイドと同じようなやり方で彼を民衆に売り出すことは簡単にはいかないでしょう。 一つには、グアイドの顔つきが、ほとんどベネズエラ人がそうであるように、スペイン人との混血であることです。 いかにも民衆派という雰囲気があります。 同時に、彼はメディアで過剰に取り上げられることはありませんでした。 それ故、どのようにその人物像を作り上げることも可能だったのです」

2018年12月、グアイドは密かに国境を抜け、ワシントン、コロンビア、そしてブラジルへ物見遊山的な視察旅行に出かけた。 マドゥロ大統領就任式で大規模なデモを行う計画を調整することが目的だった。 マドゥロ就任宣誓式の前夜、米副大統領マイク・ペンスとカナダ外相のクリスティア・フリーランドの二人はグアイドに電話で支援の確約をした。 

一週間後、マルコ・ルビオ上院議員、マリオ・ディアズ・バラート下院議員(いずれもフロリダに本拠を置く右翼キューバ亡命ロビー出身の議員)がトランプ大統領とペンス副大統領とホワイトハウスで会合を持った。 二人の要請でトランプは、グアイドが自分を大統領と宣言すれば、それを支持することに同意した。 

国務長官マイク・ポンペオは、1月10日、個人的にグアイドと会った。 これはウォールストリート紙の記事だ。 しかし、ポンペオは、1月25日の記者会見でグアイドの名前を正しく発音できず、 彼を「フアン・グイド」と呼んだ。



1月11日までにウィキペディアのグアイドのページは37回の編集し直しがあり、以前無名だった人物がアメリカ政府の政権転覆野望のための1枚の絵画になっているイメージを創り出す苦労に焦点が当てられている。 結局、このページの編集の監修はウィキペディアのエリート「司書」会議に委ねられた。 この会議は彼を「異議を唱えられた」ベネズエラ大統領と記載した。 

グアイドの人物像ははっきりしないものだったかもしれない。 しかし、彼の急進主義と日和見主義はアメリカ政府の必要性を満たすものだった。 「その駒がなかったのだ」とトランプ政権のある官僚はグアイドについて語った。 「彼という駒が我々の戦略に必要で、それは完全にぴったりと収まった」

元在ベネズエラ米大使のブラウンフィールドがニューヨークタイムズに熱く語ったこと:「彼は、軍と警察に明確な合図を送り、天使の味方で、善良な人間の側にいてもらいたいとの願望を口にする初めての反政府派リーダーだ」 

しかし、グアイドの「民衆の意志」党はガリンバスという突撃隊を形成し、警官と一般市民の死亡事件を引き起こした。 自分が街頭暴動に参加したことを吹聴すらしている。 そして、現在、軍警察関係者の心を捉えるためにはこの血塗られた歴史の消し去る必要性が出てきた。 

1月21日、クーデターが本当に始まる一日前に、グアイドの妻は軍に反マドゥロで立ち上がるよう求めたビデオメッセージを送った。 彼女の演説はぎこちなく、人の心を打つものではなかった。 グアイドの政治家としての限界をはっきりさせるものとなった。 

グアイドは直接的な支援を待つ間も、彼の有り様は以前と何ら変わるところはない。 つまり、利己的な外部勢力の操りに人形なのだ。 「今回の一連の出来事が失敗に終わり、彼が破滅しようと焼け死のうと問題ではありません。 アメリカ人にとって彼は消耗品です」と、セケラは今回のクーデターの首謀者であるグアイドについて語った。

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マックス・ブルメンソールは受賞ジャーナリストで、本の著者でもあります。その中にはベストセラーの『共和党のゴモラ』、『ゴリアテ』、『51日戦争』、『残虐性という支配』がある。彼は一連の出版物に記事を書いたり、多くのビデオレポートや、「ガザの虐殺」などいくつかのドキュメンタリーもある。ブルーメンソールは2015年「The Crayzone」を創設し、アメリカの永続的な戦争状態や、その国内における影響に光を当てるジャーナリスト活動をしている。

ダン・コーエンはジャ-ナリストであり、映画制作者である。彼はイスラエル-パレスチナからビデオレポートや印刷物を配信している。ダンはRTアメリカの通信員でもある。彼のツイートは@DanCohen3000である。

ベネズエラ危機をねつ造し、不安定化工作から
介入の機会を窺うアメリカ

US is manufacturing a crisis in Venezuela so that there is chaos and 'needed' intervention

RT / Home / Op-ed 2019年3月29日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年5月22日)

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/op-ed/455081-manufactured-crisis-venezuela-us-intervention/


エバ・バーレットはフリーランスのジャーナリストで人権活動家。ガザ地区やシリアを中心に活動する。彼女の記事はブログ「In Gaza」で見られる。


政府支持の大集会、3月16日、カラカス© Eva Bartlett

ベネズエラは、現在アメリカの標的となっている。大規模な不安定化を引き起こし、傀儡政権を樹立しようとしている。

アメリカは、過去何年にも亘って、ベネズエラに対して経済戦争を仕掛けてきた。 国力を弱体化させる様々な制裁措置があった。 医薬品を購入するための国の資金力が著しく低下した。 また、バスや救急車等などに必要な交換部品すら買えなくなった。 経済戦争だけではない。 プロパンガンダ戦も途切れることはなかった。 大手メディアからアメリカの有力議員までそれに関わりを持ってきた。

ベネズエラへの「飛行をアメリカ人パイロットが拒否している」というのがAPの記事(2019年3月18日)だ。 アメリカン航空がすべてのベネズエラ便をキャンセルしたというこの記事の中には「安全上の不安」や「世情不安」という言葉もある。 

3月9日、私が搭乗予定だったマイアミ-カラカス便(アメリカン航空)は、カラカス空港には着陸用の電源が十分でないということを理由にキャンセルされた。 奇妙なことに、私は翌日コパ航空に搭乗したが、カラカス空港への着陸には何の問題もなかった。 コパ航空のスタッフの話では、前日の便もちゃんと着陸できた、とのことだ。 

ベネズエラ便のキャンセルの話は、マルコ・ルビオ、マイク・ペンス、ジョン・ボルトン、そして以前は無名で大統領でもなかったフアン・グアイドの声高なツイートをもっともらしく思わせることになる。 

私は3月10日以降、カラカスのあちらこちらを回った。 しかし、大手メディアが伝える「世情不安」などどこにもなかった。 カラカスの市内を歩いて回った。 たいていは一人で。 しかし、身に危険を感じることはなかった。 大手メディアは西側の人々に、ベネズエラでは突然の異常事態への準備をしておくべきだ、と懲りもせず語り続けている。 



事実として、2010年に私が半年過ごしたベネズエラと、今のベネズエラにほとんど差はない。 ただ、ハイパーインフレはあきれるほどひどくなっている。 2010年以降今回の再訪まで私はベネズエラに足を運んではいない。 その間の極右反政府勢力街頭暴力行為を見てはいない。 「ガリンバス」と呼ばれる暴力的街路封鎖、というのがその実態だ。 反政府勢力は人を火あぶりにしたこともある。 他にも人に暴力を振るったり、安全を損ねるような行動があった。

だから、私が思うに、アメリカン航空がベネズエラへのフライトを取りやめたことは、別に安全とか保安上の問題が絡んでいるわけではない。 政治的なものだ。 ありもしない人道危機という空洞化した言説ますます軌を一にしている。 これは前国連特別報告者アルフレッド・ゼイヤスも言っていることだ。 

この14年間ベネズエラに住んでいるポール・ドブソンというジャーナリストに、こんなことが以前にあったかどうか聞いてみた。 あったとのことだ。 しかも、ほぼ同じような状況で。 

2017年7月30日新憲法制定のための制憲議会選挙が行われた時だ。 エア・フランス、ユナイテッド航空やアメリカン航空を含む大手航空会社やのヨーロッパ便が、「保安上の理由」を掲げ、運航をキャンセルした。 大半の便は選挙の4日後運航を再開したが、一部は2週間後にまでずれ込んだ。

そこで、「保安上の理由」があったのか、ポールに質問した。

「ベネズエラで6ヶ月続いていた暴力的街路封鎖(「ガリンバス」)が終結するころでした。 反政府勢力は、どうして6ヶ月前にとか、2ヶ月前にその活動を止めなかったのでしょうか?  「ガリンバス」を止めたのは選挙前日です。 選挙に影響を与えようとしたことは明らかです。 国際的な視線も気にしていました。 この日特別な保安上の理由など皆無でした。 過去6ヶ月にはいくらでもありました。 ですから、実際のところ、何かちゃんとした理由があって活動を止めたわけではありません。 そして選挙を巡るたくさんの問題を引き起こすことになりました。」 



アメリカは危機をねつ造するが、ベネズエラ国民の反応は冷静

2月23日、以前はほとんど名前も知られず、アメリカに後押しされたフアン・グアイドと名乗る人物がベネズエラ大統領を宣言した1ヶ月後、ベネズエラ-コロンビア国境で線香花火的な混乱があった。 アメリカが支援物資トラックをベネズエラに断固運び込むと言ったのだ。

支援トラックは、同日、放火されたが、それはコロンビア側の覆面をした若者達がやったことだ。 西側大手メディアやキューバ系下院議員のマルコ・ルビオの言っていることに耳を傾ければ、ひょっとしたベネズエラ軍が攻撃したものではないかと思うかもしれない。 

もしアメリカの口先だけで言っているに過ぎない心配が、ほんとうに心からの心配であるなら、キューバ、中国、ロシア、そしてその他の国々と同じようにすることもできた。 つまり、国連や赤十字のような適切なチャンネルを通して支援を送ることができるということだ。 アメリカは複数のトラックを強引にベネズエラ国境越えさせようとしたが、それは人目を引くための安っぽいプロパンガンダだったことが分かっている。 それ以上でもそれ以下でもない。

数週間後、突然、まるで狙い定めたかのように、全国的な停電が6日間続いた。 それはベネズエラのインフラとライフラインの大半に影響を与えた。 同じことを、ガザに住むパレスチナ人が少なくとも2006年以来経験している。 この年イスラエルはガザ地区唯一の発電所を爆撃している。 しかも、修理に必要な部品の輸入も許していない。 私はガザに住んでいた時、1日16時間から22時間、何ヶ月も続く停電に慣れた。ほぼ毎日ある18時間以上の停電は今でもガザで続いている。 しかし、それは以前も今も、政権転覆のやからが怒ったりする類いの話ではない。  



この停電についての西側メディアの報道は、タブロイド版ばりのものだった。 何の証拠もなくこの停電で300人の死者が出たと伝え、ベネズエラの人々がカラカスのグアイレ川の泉から水を汲んでいる様子を、汚濁した下水を汲んでいると報道した。 略奪の記事もあった。 (略奪はマラカイボ市の西境では実際起きたが、カラカスでは起きていない。ただし、地方の報道されていない出来事は別だ) そして、総じてマドゥロ政権をすべてのことに責任があると非難している。 

ベネズエラの独立系調査ニュースサイトの「ミッション・ベルダード」のジャーナリストと話をして分かったことだが、略奪の一つはマルカイボ市のショッピングモールで起こった。 しかし、略奪されたのは電子機器であって食料ではない。 別の略奪品は、報道に依れば、ビールとソフトドリンクだった。 人道的危機にある飢えた人々の行動としては奇妙だ。

私がカラカス市現地に入ったのは停電になって3日後。照明の消えたビル、人っ子一人いない通り、そして4日目以降の給水車やATMでの長蛇の列は別にして、他に混乱した様子は全くなかった。 それどころか、私が自分の目で見て確認したのは、ベネズエラの人々が力を合わせ、停電の厳しい影響を何とか切り抜けてゆく姿だった。

私がベネズエラ都市農業省で知ったことの一つに、停電中に野菜や作物をどのように病院や学校に搬入したか、ということがある。 それだけではない。 戦争や偽ニュースの雨風の中にあって、都市農業がどれほど頑張っているかも知った。 一般住宅地に隣接する円形の区画で若い男女が作業に従事し、あふれんばかりのレタス、ハーブ、ビーツ、ほうれん草、そして胡椒を収穫していた。 さらに、まだ作付け段階の区画もあった。 


ベネズエラ北中部バラガス州の最大都市であるカティア・ラ・マール市ファブリシオ・オヘーダのコミューンはカラカス市の西方にあり、100万人を越すバリオ(最貧層の居住地)だが、住民達の話によれば、数年前17トンの収穫があったと言う。 そしてそれを平均市場価格の30-50%安い価格でコミューンに売ったのだ。 

コミューンの指導者の一人の言葉によれば、ウサギを飼育して手頃で入手し易いタンパク源にしているのだと言う。

「私たちは、頑張ってこういったものを自力生産し、コミューン・共同体の役に立てようと思います。 そうしてアメリカが仕掛けている経済戦争に対抗しているのです」と彼は語った。

2日前、ラス・ブリサスにあるカラカス・バリオを訪問して、コレクティヴォ(人民組織)の長であるJaskeherryにコミューン・共同体どうやって停電を切り抜けたのか質問した。 


「該当地域のすべてのコレクティヴォには不測の事態に対応して、人民に支援を与えるべく、自己組織化できる計画がありました。 私の家の冷蔵庫は強力な貯蔵庫と連携しています。 コミューン社会が肉をここに運んでくれ、私はそれを自分の家の冷蔵庫に貯蔵したのです。 約300家族がその恩恵を被りました。 すべてのコミューン・共同体には独自のコレクティヴォ組織があり、同じような支援の活動をしています」 

同じ場所でさらに別の数人から聞いた話だが、混乱が起きない一つの理由は、ベネズエラ人はアメリカ仕掛けの危機に何度も対処した経験があるので、そんな時でも取り乱さなくなった、ということだ。 それはベネズエラ国内を攪乱させ、それをアメリカ介入の口実にしようと企んでいる輩を確実に落胆させただろう。 

ねつ造された貧困。 政府からの支援もあるし、政府への支援もある

私は、カラカスの中産下層階層が住む区域とチャカオと、中産上層階級が住むチャカオとアルティミラ区域の大小スーパーマーケットをいくつか訪ねてみた。 食料はある。 贅沢品も。 ただし、贅沢品はベネズエラの貧困層には手が届かない。

また、棚には何の商品も置かれていない店もある、と言われている。 しかし、まだ私はそんな店を目撃したことはない。 民間企業の方針として商品を買いだめし、ありもしない物資の不足を創り出そうとしたことはよく知られている。 この企業には最大手のポーラーという食品製造会社も含まれている。 

ポーラーのCEOで反政府派の支持者達は、前回の選挙でJaskeherryにマドゥロ対立候補として立候補することを望んだ。 

食料が枯渇しているという話が一旦語られると、こんどは西側主流メディアがそれに尾ひれをつけて報道を続ける。 「人道的危機」もしかり。 最貧層を支援するため、政府はCLAP(=Local Committees of Supply and Production)と呼ばれる食料箱を低価格で配達することを率先して始めた。 コミューン共同体は、この取り組みで、ベネズエラ最貧層6百万の家庭に政府支援食料を配分している。

このシステムは完璧というわけではない。 食料箱がなかなか届かないコミューン共同体もある、という話を聞いた。 しかし、それは地方レベルでの腐敗があったり、コミューン共同体の個人が公正ないしは平等な配分をしていないから、とのことだ。 昨日インタビューをしたCLAPの配分作業に従事している女性も同じ事を言っていた。 

キューバ系アメリカ人の上院議員マルコ・ルビオのような性急な政治家と、自分の考えを持たない主流メディアは、マドゥロ大統領への支持はほぼ皆無、と一生懸命主張している。 しかし、大規模な大統領支持の集会と最近の影をひそめた反対派集会を見れば、その主張には根拠がないことがわかる。

3月16日、2時間、私は「反帝国主義-ベネズエラ政府支持」のデモでベネズエラ人と一緒に歩いた。 映像を撮り、彼らと話をし、選挙で選出された大統領への支持の言葉を次から次へと耳にした。


デモの参加者の多く、あるいは大半はカラカス市の最貧困層コミューン共同体の出身だった。 彼らは肌の色が黒いアフリカ系ベネズエラ人で、主流メディアにその声が取り上げられることはほとんどない。 彼らがマドゥロ政権とボリバル革命の熱心な支持者だから、というのはほぼ間違いない。 

主流メディアのベネズエラ報道をどう感じているか、という私の質問に、現実を描いていない、というのが人々の答えだった。「でっち上げ。 みんなウソ。 全部ウソ。 私たちが認める大統領はニコラス・マドゥロだけ。 フアン・グアイドなどという男はすぐにでも逮捕してほしい」

若い税専門弁護士の話:

「我々がこのデモに参加しているのは、我々の(ボリバル)プロジェクトを支えるためです。 戦争は望みません。 国民のために薬が欲しいのです。 いかなる政府も薬が購入できなくなるような経済制裁はやめて欲しい。 今は国民が必要とする物資を搬入することがとても難しいのです」

まだ大勢が集まっているデモを離れ、私はカラカス市の東部区域へと向かった。 ツイッターで3つないし4つ反対派行動があると地元のジャーナリストが私に語ってくれたどれかに顔を出せないかと思ったからだ。 しかしそんな動きは皆無だった。 

数日後、私はベジャス・アルテス地下鉄駅に行った。 ここでも反政府行動が起きる、との情報が乱れ飛んでいたからだ。 しかし、そんな動きはどこにもなかった。 結局のところ、国民議会の正面で、15人から20人のきちんとした身なりの男女の映像を撮った。 彼らは周辺でぶらぶら立っているだけだった。 反対声明の発表も聞かれず、その動きもなかった。 結局のところ、大半の人間はセキュリティを通り抜け、建物の中に入っていった。 反対声明もなく、その動きもなかった。 彼らからの暴力も彼らに向けられた暴力もなかった。

大人数の政府支持者たちがバイクで到着した。 近くにいた男性が語ってくれたのは、バイクに乗ったこれら男女は平穏状態を維持するために来た、とのことだ。 反対派は挑発行動も口にしており、政府支持バイク部隊はその挑発行動を起こさせないだろう、とも。 (この言葉は先ほどの地元のジャーナリストの言葉とも一致する。 反対派ならびに政府支持者のツイッターでもその趣旨の投稿があった)

カラカス市を一望するアヴィラ山から、タンカーが長い列となって山の泉水を満タンにしているところを目にした。 それはカラカス市周辺、そして市外のたくさんの病院に供給するものだ。

「ベネズエラをコントロールしているのは外国の影響ではない」と言いくるめるアメリカの反語的偽善

アメリカは力ずくで、自分達の影響力を外側からベネズエラに行使してきた。 何年にも亘って。 ワニの空涙を流すアメリカがベネズエラの人々を思っているなどと口先だけで言っても、ベネズエラの人々には何の利益もない。 西側主流メディアの大半は、アメリカがベネズエラに課している非倫理的な経済制裁の多方面にわたる弊害を一言も述べない。

1月下旬、国連人権問題専門家のイドリス・ジャザリはアメリカの経済制裁を非難し、「それはベネズエラ政府の転覆を目指したもの」であり、「軍事的であれ、経済的であれ、強制力を使って主権国家の転覆を求めることは絶対許されない」と明確に非難した。

これに加え、アメリカは最近50億USドルを差し押さえたとウエブサイト「Venezuelanalysis」は伝えている。 この金は医薬品と医薬品を生産するための原材料を購入するためのものだった。 これ以前にもアメリカは多数のベネズエラ資産を凍結している。 明らかに、これらは将来の操り人形大統領としてアメリカが育てあげたフアン・グアイドのための措置だった。

何ら驚くべきことではないが、 ジョン・ボルトンは最近またまたネズエラを脅迫し、トランプが言った「すべての選択肢が用意されている」というセリフを繰り返している。 軍事的介入の脅しだ。 まるで幻覚状態にあるかのように、外国の影響力とベネズエラについてくだを巻き、帝国主義者モンローの主義がまだ死んでいない、などと御託を並べ続けている。

3月中旬に行われたアメリカ平和評議会代表との会合において、ベネズエラ外相ホルヘ・アレアサはあからさまな米国の敵対的リーダーシップについて語った。

「あなた達の政権は『すべての選択肢が用意されている』などということをほぼ毎日口にしています。 そして、軍事的な選択もカードに入っている、というわけです。 だったら、私たちとしてはそれにたいする備えをしなければなりません。

私たちは新特使のエリオット・エイブラムスに言いました。 「クーデターは失敗だ。 で、これからどうしますか?」と。 彼は何となく頷き、こう言いました、『まあ、長い目で見ています。 次は貴国の経済が崩壊することを心待ちにしているということになります』」

マドゥロが、同じ代表団との会合で次のように私たちに語った。

「私たちは外国の軍事介入を望んでいません。 ベネズエラ人は国が独立していることにとても強い誇りを持っています。 トランプ大統領周辺の人々、例えばジョン・ボルトン、マイク・ポンペオ、マルコ・ルビオ、エリオット・エイブラムスなどですが、彼らは毎日毎日ツイッターでベネズエラについて投稿しています。 アメリカやアメリカ人についてではありません。 ベネズエラのことが気になって仕方がないのです。 もう病気と言ってもいいほどです。 極めて危険です。 私たちとしてはそれを糾弾し、止めさせなければなりません」

© Eva Bartlett

私は、シリアを巡って振りまかれた戦争プロパガンダや帝国主義者のレトリックについて過去8年間広範な著述活動をしてきたので、こういった病的なこだわりはよくわかる。 国連特別報告者のアルフレッド・デ・ゼイヤスも最近のインタビューで次のように語っている:

「もし、(あなたたちメディアが)マドゥロを腐敗した人物と呼べば、人々は次第に『あいつは、きっとどこか腐敗しているに違いない』と信じるようになるでしょう。 しかし、1980年代、90年代のベネズエラでは腐敗が蔓延していたことをマスメディアに思い起こさせる人はだれもいません。 チャベス以前、マドゥロ以前のことです。 現在の報道はマドゥロに焦点が絞られています。 マドゥロ政権の転覆が目的だからです」

現在はシリア。 過去にはリビア、イラクなどがあった。 いつも同じ事の繰り返し。 アメリカが支配したいと思う国のリーダー達を悪魔化だ。 馬鹿げたレトリックが毎日企業メディアから噴出される。 言うことはほとんど同じ。 ソーシャルメディア上で反帝国主義的な見方を辛辣な言葉で精力的に述べようものなら、 まるで待っていたかのようにそれをネット上でやみくもに攻撃する輩がいる。 一番気がかりなのは、個人への危害や政府を犯罪視することを意図したテロ行為だ。 

悲しいことに、アメリカは、過去8年間同盟国と一緒にシリアに対して行ってきた同じ汚い戦術を、恥も外聞もなく、取ろうとしているようだ。 テロリストを背後で操ったり、連携したりしてベネズエラを攻撃しようとしている。 実際、昨晩この原稿を仕上げようとしていた時、電気が消えた。 今もベネズエラ全土の多くの地域で停電状態が続いている。

今週初め、ロドリゲス情報相はツイッターで、「今回の停電はグリ水力発電所が攻撃されたため」と発表した。 この発電所はベネズエラの水力発電と電力発送を担う中心的なエリアである。

今日までに、電気はカラカスで一部復旧した。

今日の午後、オートバイに乗せてもらい、少し時間をかけてカラカスのペタレ地区を回った。 ペタレ地区と言えば、ラテン・アメリカ最大の「スラム街」として知られ、バリオ(居住区)が延々と連なる。 カラカス市の中でも最貧地区のひとつであり、最も危険な場所だ。 オートバイに乗せてもらいながら、主流メディアがあると主張する「人道的危機」を捜した。 だが、あったのは野菜、果物、チキン、そして基礎食料品だった。 私が足を運んだところはすべてそうだ。 カラカス市の中心広場から山沿いにあるバリオ(居住区)まで。 7月5日現在の話だが。




カラカス市を見下ろすアヴィラ山の山裾で、オートバイに乗りながら見かけたのだが、ところどころ列を作って水差しで泉の水を集めている人たちがいた。 停電で給水に影響が出たからだ。 またタンクローリー車が何台も連なっていた。 これは市当局が手配したものであり、軍も参加して都市部、郡部へ水を供給することになっている。

ベネズエラ政府は、3月7日の停電も今週の停電も背後にはアメリカがいる、と非難した。 3月の停電については、送電網に対する①サイバー的、②電磁波的、③物理的攻撃の組み合わせだと言明した。(同様の攻撃をアメリカはイランの送電網に行う秘密の計画を持っていると言われている) 今週の停電はグリ発電施設に対する直接的物理的攻撃であり、3箇所の変電施設が炎上した。

明らかにこういった攻撃の目的は、多くの苦しみと鬱屈した気持ちを人々に植え付けることで、カオス(混沌)が存在し、アメリカの介入が「必要だ」という情況を創り出すことだ。

混乱状態は起こっていない。 国民はそれをきっぱり拒否している。

アビー・マーチン:ベネズエラから手を引け

Abby Martin: Hands Off Venezuela

テレスールEnglishさんの投稿

グローバル・リサーチ 2019年2月5日

(翻訳:新見明 2019年3月5日)

<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/video-abby-martin-hands-off-venezuela/5667673?utm_campaign=magnet&utm_source=article_page&utm_medium=related_articles



最初ベネズエラに行って私はわかった。
どれほどメディアが実際の現場について私達に嘘をついているかを。

アメリカ政府とそのプロパンダ機関は言う。
そこでは大量飢餓と国内不安がアメリカの介入を求めていると。

彼らは意図的に重要な事実について話さない。
アメリカ経済制裁によって、国内の私企業と国外からなされた壊滅的な経済戦争についてだ。

トランプの経済制裁はベネズエラ経済を弱体化させた。
去年だけで60億ドルに上る。
そして制裁は貧困層や労働者階級にひどく影響を及ぼす。

その戦略は人々を飢えさせ、屈服させるのだ。
そして皮肉にもその人道危機をさらなる介入の口実に使うのだ。

何百万人の人々がマドゥーロ追放を要求している、と彼らは言う。

しかし彼らは意図的に見せない。人々がマドゥロを支持し、彼に投票し、また
通りに出て犯罪的なクーデターの試みに抗議しているのを。

クーデターはグアイドが憲法を復活させる民主主義だと言う。
去年大統領選挙が行われたばかりの国で、自分を大統領だと宣言している。

私達は以前こんなプロパガンダの台本を見たことがある。
ラテンアメリカでも中東でも、
そしてそれは実際に同じ戦争犯罪人によって行われてきた。

ジョンボルトンはイラク戦争で、
エリオット・エイブラムズはグアテマラの大虐殺の手助けをしたのだ。

いわゆる自由報道という名の下に、100万人のイラク人が、嘘で塗り
固められた戦争で死んだのだ。

全ての進歩派と反介入主義者は、ベネズエラの兄弟、姉妹と連帯しなけれ
ばならない。
彼らの主権を守るため、彼らに自分たちの未来を決定させるために、
アメリカの制裁と介入から解き放たれて。

私達はこう呼ばなければならない。それは血に飢えたトランプ政権による、違
法なクーデターだと。

ラテンアメリカの独立した国を転覆させ、石油を簒奪しようとする違法な軍事クーデターだと。

トランプは既にアメリカが軍事介入をして、彼らの石油を略奪すると脅している。
何百万人の命が危険にさらされているのだ。

今や、アメリカのもう一つの石油戦争に反対するために、皆さんの声を必要としているのです。

ベネズエラから手を引け!

ビデオ:本当の人道支援、
ベネズエラの国が支援する地域市場

Video: The Real Humanitarian Aid: Inside Venezuela’s State-subsidized Communal Markets

マックス・ブルーメンソール

グローバル・リサーチ 2019年2月25日

(編集:新見明 2019年3月4日)

<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/video-the-real-humanitarian-aid-inside-venezuelas-state-subsidized-communal-markets/5669654
The Grayzone’s Max Blumenthal toured open air markets in Caracas full of food and supplies subsidized by the Venezuelan government, which debunk the “humanitarian crisis” lie spread by corporate media.



「グレーゾーン」のマックス・ブルメンソールが『カラカスの屋外市場を訪れたが、国が支援する食料や供給品であふれていた。そして企業メディアによって広められている「人道危機」の正体を暴く。


*

READ MORE:Video: Abby Martin: Hands Off Venezuela
ビデオ:アビー・マーチン:ベネズエラから手を引け


The original source of this article is The Grayzone Project

Copyright © Max Blumenthal, The Grayzone Project, 2019

「プーチン万歳!」ハイチの抗議デモ、
アメリカ国旗を燃やし、ロシアの介入を求める

‘Long live Putin!’ Haiti opposition protesters burn US flag, demand Russian intervention
RT World News 2019年2月17日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年3月2日)

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/news/451673-haiti-putin-burning-us-flag/


ロシア大統領ウラジミール・プーチンの写真を掲げるポルトープランスのデモ隊 © AFP / Hector Retamal

カリブ最貧国ハイチが混沌の淵に沈み込んでいる。 エリート層の汚職が原因だ。 街頭ではデモ隊が、この国には一度も足を踏み入れたことのない人物に大声で助けを求めている。 その人物とはウラジミール・プーチンだ。

「打倒アメリカ!プーチン万歳!」と約200人のデモ隊が金曜日、首都のポルトープランスで気勢を上げた。 プーチンの顔写真を掲げる人もいた。

デモ隊はアメリカの国旗に火をつけ、アメリカ政府が国民から不人気なジョブネル・モイーズ大統領政府と繋がりがあることを非難した。 2016年の選挙で大統領に選出されたモイーズを人々はアメリカの操り人形と呼んでいる。 彼が政権を維持できているのは、ひとえにアメリカが国際的な圧力をかけることを渋っているからだ。 


ハイチの抗議参加者ブロンソンが、アメリカ国旗を燃やす。2月15日© AFP / Hector Retamal

「このデモが象徴しているのはアメリカ人との完全な決別です。 我々はアメリカの占領で嫌というほど苦しんできました。 もう限界です」とブロンソンを名乗るデモ参加者がAFP記者に語った。 彼がアメリカ国旗に火をつけた。
Also on rt.com US piles pressure on Venezuela… but remains mute on Haiti anti-govt unrest

ハイチはアメリカ政府のがんじがらめの影響下にある。 外部の世界に少しでも関心を持ってもらえるならば、とブロンソンはハイチからは遠く離れた強国に、自国から必死の呼びかけを行った。

「ロシア、ベネズエラ、そして中国に、ハイチが現在置かれた悲惨な状況を是非とも見てほしいのです」とはブロンソンの心からの声だ。

略奪と死者を出した衝突

この小規模なデモを常軌を逸したふざけたパフォーマンスと扱いたい気持ちにもなるが、この抗議行動は、笑い事ではすまされない急速な危機の拡大に国際的な関心を引きつける役目を果たした。


警官が群衆に発砲する、ポルトープランス© AFP / Hector Retamal

2月7日以来、高層ビルはないが、人口の密集した首都ポルトープランスはほぼ常態化した散発的なデモで揺れている。 ポルトープランスは2010年の壊滅的な地震からまだ十分には復興していない。 デモ隊の要求は政府退陣だ。   

バリケードが主要道路を封鎖している。 私的ビジネスも学校などの公的機関も、その活動は断続的だ。 食料、飲料水、そして燃料の供給が減少しているので、略奪が当たり前になっている。


デモ隊はロシア国旗を掲げ、プーチン支持のスローガンを唱える© AFP / Hector Retamal

警察は催涙ガスや銃弾を繰り返し使用し、デモ隊を追い散らしている。 デモ隊の標的の一つは大統領府であり、外国大使館だ。 少なくとも6人が衝突で死亡している。 西側の主要な国は自国民にハイチ出国の指示を出した。 また100人を超えるカナダ人旅行者は緊急避難の対象となった。 

盗まれた義援金

危機に火がついたのは長年に亘る横領が発覚したからだ。 ベネズエラが行った石油価格減額プログラムから得られた20億ドルが横領された。 そのプログラムは、死者十万人を超えた地震の後遺症に苦しむハイチのためにものだった。 かくして、その犯人を大きな権限を持った人物から探す段取りなのだが、ハイチだけは周辺国の中にあっても、より危機的な街頭情勢があることもあり、ハイチ高官を監視することはほとんどできていない。

いずれにしても、20億ドルなど国際的な基準からすれば些細なものだ。 アメリカは防衛費として20億ドルを毎日使っている。 だが、人口110万人のほぼ3分の2が一日2.5ドル以下で暮らしている国では些細とは言えない。


去年の9月、就任式で共に笑うモイーズ(左端)とセアン© Reuters / Andres Martinez Casares

沈黙することでかえって周囲の注目を集めた一週間が経過すると、Moise と首相のジャン=ヘンリー・セアンは大衆に語りかけた。 この週末に放映された演説でセアンは、長期間問題となっている貧富格差、統治力の低さ、そして汚職は悪い、と言いながら、デモ参加者には暴力を控えるよう強く説得し、特にアメリカ国旗を燃やしたことを非難した。

Also on rt.com Haiti govt summons US official to explain Trump’s ‘s***hole’ remark – report


しかし、その演説で、アメリカ政府から言葉だけではない実際の後ろ盾が、追い詰められたハイチ政府に与えられるかどうかがはっきりしたわけではない。 ウソか本当か、トランプがハイチを「クソ国家」のリストに載せたというのは有名な話だからだ。 アメリカは2010年に有益な支援と難民避難所を提供した。 しかし、貴重な資源をほとんど持たず、明らかに戦略的に意味のない国に融資する気はほとんどない。 他方ハイチの経済は全面的にアメリカへの輸出に依存したままである。 その割合は全体の90%。 そしてアメリカからの送金がGDPで大きな割合を占めている。


ガソリンに行列を作るハイチ人、 土曜日ポルトープランスで© AFP / Ivan Alvarado

それで、地理的には離れているロシア政府と中国政府に満腔のSOSを送っているわけだが、ハイチの運命が上向くか、下降するかは、アメリカの行く末と切り離すことはできないだろう。

「もう誰も戦争を支持しない!」
アメリカ人が、米主導のベネズエラ介入に反対デモ

‘Zero support for another war’: Americans march to prevent US-led intervention in Venezuela

RT World News 2019年2月24日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年3月1日)

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/news/452287-americans-support-venezuela-march/

‘Zero support for another war’: Americans march to prevent US-led intervention in Venezuela
© Flickr / Joe Catron

ニコラス・マドゥロ政権は自国民のためにいろいろな無料施策を実施している。アメリカ政府の人道支援など足元にも及ばないほどの規模だ、と反戦活動家サラ・フラウンダースはRTに、アメリカ主導のベネズエラ介入を糾弾した。

アメリカ主導の介入に反対する活動家たちは土曜日、150ものデモを世界中で組織して、「庶民は、外国への介入に反対している」との意思表明をした。集会は全米各地で開催されている、とフラウンダースは語った。彼女は、ニューヨーク市で開かれた「ベネズエラ戦争反対」集会に参加してきたところだった。

「今日のベネズエラでは、600万以上の家族に、最低これさえあれば生きてゆける物資の詰まったバスケットが毎週供給されています。アメリカの食料配給プログラムとは遙かに規模が違うのです」とフラウンダースは語った。

「また戦争をすることに賛成するか、いや、どんな戦争にだって賛成する労働者は一人だっていません。 アメリカの軍国主義が最大の原因となって、ここアメリカでは貧困や、貧富の格差や、権利剥奪が起きているのです」と、著名な作家であり、反戦活動家でもあるフラウンダースは説明した。 そしてアメリカが介入するならば、ラテンアメリカは全域が「炎の嵐に包まれてしまう」と警告した。


© Reuters / Eduardo Munoz


アメリカ人は、他国への内政干渉はどんなことがあっても駄目だと反対しているのに、アメリカのメディアは、マドゥロ政権が今にも崩壊するかのように「言語道断で、思い上がった仮定」の下で報道活動を展開している。大半のベネズエラ人は、現政府の社会主義的政策を支持している、とフラウンダースは語った。 


「ベネズエラ国民とマドゥロ大統領は、どんなことがあっても絶対抵抗するという決意を示している。その決意があるから、政府が何を言おうが、人々は自分たちの判断で行動する」とフラウンダースは語った。

イギリスのロック・ミュージシャンでピンクフロイドの共同創立者であるロジャー・ウォーターズは、ツイッターでベネズエラ支持のビデオを配信した。 短い映像の中で、長年アメリカの干渉主義外交政策を批判してきたロジャー・ウォーターズは「We Shall Overcome」の歌の一部を演奏した。 彼はこの配信より前にも、西側が支援するベネズエラのための「人道的コンサート」を批判していた。


集会は、同時に、オタワ、ベルリン、ローマ、シドニーそしてその他の場所で開かれた。しかしそれらの各国政府は、アメリカが背後で操るベネズエラ国内の反対勢力に、あからさまな支持を表明しているのだ。抗議行動はインドや韓国を含むアジア諸国でも展開された。 

マドゥロ大統領は街頭に出てアメリカの介入に反対しているアメリカ人に感謝の言葉を述べた。 そして、自ら車を運転して撮影した映像で、カラカス市中は「平穏」、「静寂」であることを配信した。

Otpol(オトポール)の台本どおり、
ベネズエラ反政府勢力が「兵士にバラを!」作戦

‘Straight out of the Otpor playbook’: Venezuelan opposition gears up to fight soldiers with roses

RT World News(2019年2月24日)

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年3月1日)

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/news/452262-venezuela-protest-roses-propaganda/

‘Straight out of the Otpor playbook’: Venezuelan opposition gears up to fight soldiers with roses
ベネズエラ反政府派向けの、花を摘んだトラックが到着する© Twitter / Dan Cohen

ベネズエラの反政府勢力はテレビ放映用の準備を進めているようだ。何箱もの花をトレーラーに積んでデモ隊へ搬送した。おそらくはコロンビア国境を警護するベネズエラ兵士たちを懐柔する意図があるのだろう。 

ベネズエラとコロンビアの国境付近では、今、外国の支援物資の搬入をめぐる騒ぎがエスカレートしている。反対派のリーダーであるフアン・グアイドはアメリカの支援物資をコロンビア側からベネズエラに運び込むと約束した。 一方、ニコラス・マドゥロ大統領は国境を閉鎖し、前線に軍隊を配備した。マドゥロは、アメリカの支援物資は「屑」であり、軍事侵略の前触れだと彼は言った。

散発的な衝突が、デモ隊とベネズエラ軍との間で土曜日の早朝、何回か起こった。その後、コロンビア側にいる反対派デモ隊は、戦術を「愛の爆弾」作戦に変えようとしているようだ。 

ジャーナリストのダン・コーエンのレポートでは、トレーラーに積まれたバラが、コロンビア側の国境に向かっている、とのことだ。橋を渡ってベネズエラへ行こうとするデモ隊に、このバラは渡されるのだろう。 

「ジーン・シャープのオトポール作戦{訳注}そのままだ」と指摘したのは独立系ジャーナリストのマックス・ブルーメンソールだ。ブルーメンソールの記事によると、シャープの著作にはメディア受けがいい、非暴力革命に関するものがいくつかあり、「オトポール(抵抗)!」がアメリカの資金援助を受けた反政府抵抗運動であって、21世紀への変わり目のころ、オトポールはセルビアで活動していたことなどに言及している。

人々の視線にどう映るかは重要だ。そして、クーデターは醜いものだ。だから、「バラを兵士に!」のような一般受けする写真を作り上げることを、グアイドやワシントンで彼を支援する者達が必要としているのだ。

1967年、ベトナム反戦運動で撮られた「兵士に花を」の伝説的な写真© Wikipedia


(訳注:Otpolオトポール)「櫻井ジャーナル」(2019年2月23日)に、オトポールについてしっかりした位置づけがなされていたので、引用します。
(「ベネズエラ国民の多数派に支持されていない人物を使って米国は侵略を試みている」)

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 しかし、現在のベネズエラ軍がアメリカ支配層の思い通りに動く気配は見られない。そこで東ヨーロッパで使われた「カラー革命」の手法を採用したようだ。

 アメリカ支配層が大統領を名乗らせているグアイドは2007年にアメリカのジョージ・ワシントン大学へ留学、新自由主義を信奉している人物。政権を奪取した暁には私有化を推進、国営石油会社のPDVSAをエクソンモービルやシェブロンへ叩き売るつもりだと言われている。

 本ブログでも書いたことだが、グアイドがアメリカへ留学する2年前、アメリカ支配層は配下のベネズエラ人学生5名をセルビアへ送り込んだ。

 セルビアにはCIAから資金が流れ込んでいるCANVASと呼ばれる組織が存在しているが、そこでベネズエラの学生は訓練を受けている。

 CANVASを生み出したオトポール(抵抗)!はスロボダン・ミロシェビッチの体制を倒すため、アメリカ支配層などによって1998年に作られた組織。運動の目的はごく少数の富豪による富の独占だ。

 こうした組織は民主化、人権、人道といった耳触りの良い用語を使うが、実態は逆。一種のイメージ戦略だが、この戦略を始めたのはロナルド・レーガン政権の時代だった。1983年1月にレーガン大統領が署名したNSDD 77が始まりだと考えられている。

 その前、1982年6月にレーガン大統領はイギリス下院の本会議でプロジェクト・デモクラシーという用語を使ったが、これはイメージ戦略の名称でもある。「民主主義」という旗を掲げながらアメリカの巨大資本にとって都合の悪い国家、体制を崩壊させようというのだ。いわゆるレジーム・チェンジ。国内での作戦はプロジェクト・トゥルースと名づけられた。その延長線上にカラー革命はある。

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「ベネズエラ人道支援ライブ」はペテンだ!
ロジャー・ウォーターズは非難する

‘Nothing to do with aid or democracy’: Roger Waters slams ‘humanitarian’ concert for Venezuela


RT World News 2019年2月20日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年2月25日)

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/news/451877-roger-waters-branson-aid-concert-venezuela/


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‘Nothing to do with aid or democracy’: Roger Waters slams ‘humanitarian’ concert for Venezuela
© Global Look / Franklin Jacome

「ピンクフロイド」の元リーダーロジャー・ウォーターズは、ヴァージングループの大御所リチャード・ブランソンが計画しているベネズエラ支援コンサートを、ペテンとして激しく非難している。 同時に、このコンサートに集うファンや演奏家たちが「いつの間にか、結果的にベネズエラ現体制転覆の道に迷い込まされる」と警告している。 

ブランソンの「ベネズエラ支援ライブ」コンサートは「ベネズエラ国民の要求とは何の関係もない、民主主義とは何の関係もない、自由とは何の関係もない、支援とは何の関係もない」とウォーターズは火曜日に配信されたビデオで言明した。 


音楽家でもあり政治活動家でもあるウォーターズは、西側メディアが、ベネズエラを社会主義が創り出した人道的危機の犠牲者であるかのように描き出すその語り口を激しく非難した。ニコラス・マドゥロ大統領政権下で、「内戦なんか、どこにもない。暴力も、殺人も、独裁らしき気配も、反対派の大量投獄、報道規制も」、何もない、とウォーターズは、カラカスの「現地にいる」彼の友人たちの言葉を引き合いに出しながら語った。

「ベネズエラ支援ライブ」は金曜日、コロンビアとの国境にあるククタ市で行われる。ブランソンの発表によれば、1億ドルの資金集めを目標とし、社会主義がもたらした欠乏で苦しむベネズエラ人のために食料や医薬品を購入するとのこと。しかし、アメリカの経済制裁のせいで、ベネズエラ人は苦しんでいるのだという方が正しい。

ウォーターズは、ブランソン個人についてあれこれ言うことは避けたが、「ベネズエラへの的外れな同情心をこれ見よがしにヴァージン航空のTシャツに張り付けることで」この大物企業家はアメリカのプロパガンダを受け入れたことになる、と主張している。ブランソンのスポークスマンはナショナル・ポストに語った。アメリカは何もこれに関わっていない。このコンサートは、政治的声明ではない、と。
Venezuelan military rejects Trump threats, reiterates loyalty to Maduro


アメリカが背後で操るベネズエラの体制転覆は予定していたほど順調には進んでいない。ベネズエラの軍隊が今でもマドゥロへの忠誠を誓っているからだ。 国民会議の指導者フアン・グアイドが一ヶ月前に自分を「暫定大統領」と宣言した後もそれは変わらない。月曜日、アメリカのドナルド・トランプ大統領はスピーチで、ベネズエラ軍はグアイドの指示に従わなければ、「すべてを失う」との警告を発した。 

ウォーターズは自分のスピーチの締めくくりとして、友人でもあり同じ音楽仲間でもあるピーター・ガブリエルにアメリカの策略に引っかからないよう警告した。アメリカが背後で操る体制転覆が過去どんな展開になったのか、忘れたのか!との言葉も添えて。

ベネズエラを守るために、力の結集を!

Mobilize and Defend Venezuela!

アンドレ・ベルチェック

グローバル・リサーチ 2019年1月25日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年2月25日)

<記事原文>https://www.globalresearch.ca/mobilize-defend-venezuela/5666514


新しい事態だが、手口は新しくない。その意図はどこまでも邪悪で、相手のとどめを刺さずにはおかない。アメリカが考え出し、ベネズエラに、今、適用しようとしている最新型のクーデターのことだ。


もちろん、クーデターやクーデター未遂事件の数々は「西側の十八番(おはこ)」と言ってもいいだろう。アメリカやイギリス、そして他の帝国主義諸国が世界中の数知れない不運な国々に対して使ってきた手口だ。ラテンアメリカでは、基本的にその被害を被らなかった国は皆無だ。ドミニカ共和国からチリ、そしてアルゼンチンなど。アジアではインドネシアからタイまで。中東ではイランからエジプト、シリアまでの国だ。ある国で人々が、社会主義者、共産主義者、反植民地主義者、あるいは単に自国民のために奉仕すると決意した真っ当な候補者たちに敢然と投票した時、西側は賄賂を使って当該国のエリートや軍人を手配し、選出された政府、あるいは革命政府を放逐し、残忍で自分たちの言いなりになる体制を据えるのが常だった。数千人、時には数百万人の死者が出た。それでも帝国はどこ吹く風だった。自分たちの思い通りになればいいだけの話なのだ。

西側が、自由を愛するほぼすべての国民に対してテロ活動をする方式は、そのパターンがはっきりしていた。

しかし、今回、西側がベネズエラに対してやろうとしていることは、これまでのパターンとは少し違う。そしてやり方が全く極端なのだ。マドゥロ大統領や彼の同調者たちに向けられた敵対活動は、過去にあったような「良心の呵責」とか、表面的な「改良案」を一切かなぐり捨てている。 誰が世界の真の支配者であるのか、誰が「統括」しているのか、を正気とは思えない言葉使いで示せるとでも思ったのか。 これが、「西側民主主義の最善の形」なのだ!と。

過去、アメリカはチャベスを放逐しようとした。ベネズエラ国民を飢えさせ、医療体系を崩壊させ、そしてマドゥロの暗殺も試みた。 その結果、食料の「不足」が生じ、トイレットペーパーすら無くなった。アメリカはラテンアメリカの飼い犬たちに命令を下し、ベネズエラ革命に敵対させた。

さて、最新の動きだ。アメリカ政府はベネズエラ社会主義共和国の内部にいる一人の裏切り者に白羽の矢を立てた。その人物はアメリカのお気に入りで、フアン・グアイドという名の「裏切り要員」だ。(短期間ベネズエラ国会の議長を務めていた)その彼をアメリカは「承認」し、「ベネズエラ暫定大統領」に祭り上げたのだ。

言うまでもないが、グアイドが初めて自らを、不遜にも、ベネズエラ大統領と宣言したのとほぼ時を同じくして、彼はベネズエラ最高裁に召喚され、国会議長としての資格を否定された。よって、彼のことは今後「前議長」と呼ぶことにしよう。

しかし、西側主流メディア宣伝キャンペーンはギアをトップに加速させ、一夜にして、メディアとしての節操を完全に欠いた存在に堕してしまった。その結果、この最高裁の判決についての情報を西側主流メディアから得ることはほぼ不可能状態になっている。西側メディア以外に情報源を求めるしかない。

その「非西側メディア」から。イラン・タスニム紙、2019年1月22日の報道:

    「月曜日、ベネズエラ最高裁長官マイケル・モレノは、フアン・グアイドが、
     反対派が主導する国会議長の資格を欠くとの最高裁判断を下した、
     との内容の声明を発表した。」

そしてRT(Russia Today)前日の記事:

    「反対派の開催した集会で、ニコラス・マドゥロ大統領選出には違
    法性がある、との宣言がされていた数日後、ベネズエラ最高裁は、
    国会が成立させたすべての法案は無効であるとの宣言を発し
     た。」

また、ベネズエラの外相ホルヘ・アレアサがグアイドに対して、2019年1月21日、辛辣な言葉を投げかけている:

    「この男をごらんなさい。ベネズエラで彼を知っている人は誰もいません。
      街で『フアン・グアイドは誰?』」と聞いてごらんなさい。誰も知りません。
     それなのに、アメリカに後押しされ、自分が新大統領だ、などと言おう
     としています」

実際、彼はそのことを口にした! 2019年1月23日、カラカスにおいて、彼は大勢の支持者の前で自らを「暫定大統領」と宣言したのだ。 

その翌日、トランプ大統領はベネズエラの暫定大統領として「彼を承認した」。カナダも追随した。フランスも同様だった。もっともフランスは二流国だが、帝国主義そして新植民地主義強国としては活力を増してきている。次に来るのは例のアメリカの操り人形「米州機構(OAS)」だ。ブラジル、コロンビアなど、図抜けたファシズム体制を取る国々だ。

今日、世界はきれいに二分されている。 中国、ロシア、イラン、トルコ、シリア、南アフリカ、ボリビア、キューバ、メキシコ、ウルグアイ、そして他の多くの国々がしっかりとマドゥロ大統領の合法的な革命政府の側についているからだ。

対決は不可避である。

ベネズエラは、すべてのアメリカ外交官国外退去を命じ、アメリカ政府とのすべての外交関係を断絶した。アメリカは外交官国外退去命令には従わず、現ベネズエラ政府は「違法」な存在である、と宣言した。

これは宣戦布告にも匹敵する流れだ。 アメリカはベネズエラが独立国であることを認めようとしない。アメリカはベネズエラ国民に誰が真の大統領であるかを告げる権利を保持している!アメリカが認めるのは、西半球と地球全体に対して自国が持つ究極の支配権だけ。国際法は憎悪の対象でしかない。 

やることは子供じみており、傲慢で、凶暴であり、現実離れしている しかし、それが現実に起こっていることだ。もしその動きを、他でもない、ここベネズエラで止めなければ、この新しい型の「クーデター拡大作戦」と地球独裁の強制は世界の他のすべての地域に広がるかもしれない。



「新しい要素」はたくさんあるが、現在のベネズエラ情勢は、相当程度、「シリア侵略シナリオ」と似通っている。タス通信、2019年1月24日の記事。執筆者はベネズエラの駐ロシア大使カルロス・ラファエル・ファリア・トルトサ: 

「ベネズエラ当局は、アメリカがシリア版『亡命政府』をベネズエラで画策しようとしていることは承知している。アメリカのマイケル・ペンス副大統領がベネズエラの現政府打倒を呼びかけたが、その後、マドゥロ大統領はアメリカとの外交関係断絶を決定し、アメリカ外交官が72時間以内に国外退去するよう求めた。これは言語道断の干渉に対してわが国大統領が勇気を持って示した適切な対応だ。他国が自国の国内問題に意見を述べることを許す国はどこにもない。(政府の)放逐を呼びかけるなど論外だ。」

「この後の手順も分かっている。アメリカは、(自分たちの動きで)ベネズエラに二つの政府があることを正当化するだろう。 それはベネズエラの兄弟国であるシリアのバシャル・アサド大統領とその人民に対して行なったことだ。 アメリカは亡命政府をでっち上げ、その結果多大な損害と様々な人的被害を引き起こし、同国のインフラは壊滅状態となった。」

ベネズエラ政府は、自国生存のための戦いをしながら、ロシア政府に直接救援を求めるだろうか? シリアは何年も前にそうした。 まだ、確かなことはわからない。 だが、その可能性は確実に存在する。 ベネズエラはロシア、イラン、中国、キューバ、そして他の社会主義ないしは自立した国々から支援を増やしてもらうことが頼りなのだ。

ベネズエラが生き残るには、西側への依存をすべて断ち切るしかない。それもすぐに。アメリカ政府はベネズエラ政府に更なる経済制裁や、まさかと思うが石油禁輸の脅しもかけている。

パニックになる理由は一切ない。マドゥロ政権は早急に、そして万全な国の再編しなければならない。NATO圏外には、喜んでベネズエラの石油を購入、そして/あるいは、ベネズエラのインフラや産業に公正な投資をしようとする国がたくさんある。ロシア、イラン、中国、トルコが最重要国だが、他にもたくさんの国がある。  

ベネズエラ庶民の苦痛を緩和する新しい戦略が必要だ。この戦略も、同様に、「西側支配圏外」から考え出さなければならない。ラテンアメリカ以外であることは言わずもがなである。 ラテンアメリカは野蛮なヨーロッパ人の子孫であるエリート層で知られ、彼らは一貫して連帯する気持ちや勇気に欠け、西側の支配を受け入れるばかりだ。(今日における南アメリカ最大の英雄であるユーゴ・チャベスは統一した、誇りある、社会主義者のラテンアメリカを建設しようとして死んだ。その結果、多くの卑屈なラテンアメリカの国々は、陰で彼を中傷し、唾を吐きかけるほどの敵意を持っていた。キューバはソ連崩壊後どの国からも見捨てられた。結局、中国によって救済されることになった。 

ベネズエラには力の結集が必要だ。ベネズエラは戦わなければならない。国の生存のために。すべての同盟国が団結し、ベネズエラを守る準備せよ。シリアと同様に。

ベネズエラが苦しみ、格闘しているのは人類のためであって、自国のためだけではない。彼らが唱えるのはチャベスの名前と社会主義だ。

2019年1月24日のスプートニク紙は報道した。ロシアは同盟国ベネズエラの味方である。ロシアはアメリカがベネズエラ問題に軍事介入することに警告を発している。そんなことをすれば、大惨事になるだろう、と。
ロシアの外務副大臣セルゲイ・リャブコフは木曜日に語った。

    「ベネズエラ情勢の推移を見て気づくのは、アメリカを含むグループ
    国が米州機構(OAS)などに舞台を移し、我々の同盟国である
    ベネズエラに対して一段と圧力を強めようとする気配である。それも、
    また新たな口実を取り繕って・・・だが、我々は友人国であるベネ
     ズエラを常に支援してきたし、今後もそうするだろう。ベネズエラは
     ロシアの戦略的パートナーなのだ。」

今ベネズエラで起きているような攪乱作戦で国土を荒廃させられたシリアの公的通信社SANAが、ベネズエラの合法政府支持のメッセージを配信した。

    「シリア・アラブ共和国は、アメリカが極端に走り、ベネズエラ・ボリバル
      共和国の諸問題に露骨な干渉をしていることを強く非難する。 それ
     はすべての国際的規範や国際法に対する目に余る違反であり、 ベネ
     ズエラの主権への恥知らずな攻撃である」とシリア外務省消息筋は木曜
     日に語った。

消息筋はさらに、アメリカが世界各地で採用している破壊的政策と国際的な合法性の無視が世界で起きている様々な緊張事態や不安定状態の背後にある主な理由となっている、と述べた。

シリア・アラブ共和国はアメリカの露骨な干渉を断固拒否することを確認し、ベネズエラ国指導層、そしてその人民との全面的な連携体制を新たにしてベネズエラの主権を守り、アメリカ政府の敵対的な企みを挫くこととする・・・」

過去、各国は西側の放つテロ行為を何かどうしようもないものと考えてきた。しかし、今では事情が変化している。ロシア、キューバとシリア、イランと中国、そして今度はベネズエラが屈服することを拒否している。「テロリスト達との交渉」はない、とすら言っている。

「中東のスターリングラード」と私が記述したことのあるシリア北部の町アレッポは、毅然と振る舞い、戦い、抵抗し、邪悪な敵どもを敗退させた。さて、「ラテンアメリカのレーニングラード」とも言うべきカラカスは現在包囲網の中にあり、飢餓状態にある。しかし、外国の侵略と反逆者集団と戦う決意を固めている。

世界中の人民は力を結集して戦う必要がある。何としても! ファシズム打倒!ベネズエラを守ろう!

*
アンドレ・ベルチェックは、哲学者、小説家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は多くの国の戦争や紛争を報道してきた。最近の著作は『革命的楽観主義、西欧のニヒリズム』、革命小説『オーロラ』、ベストセラーとなった政治的ノンフィクション『帝国の嘘を暴く』である。彼のその他の本は、『ルワンダの謀略を見よ』はルワンダとCRCongoについての革新的ドキュメンタリーである。そしてチョムスキーとの対話フィルム『欧米テロリズムについて』もある。ベルチェックは、現在東アジア、中東を基盤に、世界中で活動している。彼のウェブサイト、ツイッターにも接続できる。

道徳的恥辱: 欧州議会が世界に法の支配を説く、
そしてベネズエラの合法性を破壊する

‘Moral disgrace’: EU Parliament lectures world on rule of law, then destroys legality in Venezuela

RT Op-ed 2019年2月1日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年2月12日)

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/op-ed/450348-eu-parliament-venezuela-legal/


ジョン・ラフランドは、オクスフォード大学から哲学博士号授与され、パリやローマの大学で教えている。彼は歴史家であり、国際問題の専門家

Juan Guaido © Reuters / Rayner Pena

ジョン・ラフランドが暴く欧州議会の嘘! フアン・グアイドの「ベネズエラ暫定大統領」宣言は憲法違反!

フランスからの衝撃的ニュース! マリン・ル・ペン氏がフランスの新大統領に! マクロン体制がフランスの政治状況を危機的状態に落ち込ませた後、ル・ペン氏が、金曜日、コンコルド宮殿で、正式なフランス大統領に就任した。 この就任式には少数の「黄色いベスト」の群衆が特別に招集され、テレビカメラの報道もあった。

ル・ペン氏は、フランス第五共和政の憲法第7条を根拠に、エマヌエル・マクロンがもはや大統領職にはないことを宣言した。 もちろん、政府と民間の業務、警察や軍隊はすべて平常通り機能しており、マクロン氏のエリゼ宮殿での執務もいつも通り。 ル・ペン氏は資金面でも疑惑があり、調査の対象となっている。 しかし、彼女はロシアと中国から公式の承認を得ているので、フランスの合法的な大統領に就任した。 

もちろん、こんな架空の話は馬鹿げている。 しかし、同じように馬鹿げているのは、1月31日欧州議会が投票でフアン・グアイドをベネズエラの大統領として承認したことであり、それはドナルド・トランプ米大統領が彼を大統領として承認した1週間後のことだった。 


EU parliament urges member states to recognize Guaido as Venezuela’s interim president

実際、欧州議会がグアイドを大統領として承認する賛成投票をすることは、マリン・ル・ペンをフランス大統領として承認すること以上に常軌を逸している。 マリン・ル・ペンと違って、フアン・グアイドはベネズエラ大統領選で候補者になったこともない。 大統領に選出されるどころか、数週間前まで誰一人彼のことを耳にした人はいなかった。 ベネズエラ国内ですらそうだったのだ。  

欧州議会の決議は、トランプ大統領の1月23日のグアイド「承認」より、実際、劣悪なものだ。 欧州議会の4つのグループが、まずはそれぞれ別個に動き、後で共同決議に同意する段取りだった。 法律用語で書かれた文案の策定に取りかかり、それには、フアン・グアイドは「ベネズエラ憲法第233条により」合法的な大統領である、と述べられている。 

欧州議会のこのグアイド承認の動き、そして共同決議が100人あまり以外の欧州議会議員によって投票されたこと、この二つのことは集団思考の持つ力の驚くべき事例だ。 いや、誠実さの完全な欠如と言うべきか。 ベネズエラ憲法第233条を読んだことがあれば、その条項にそんなことが書いてあるなどと結論することは誰一人できないはずだ。 

真逆なのだ。 第233条に依れば、フアン・グアイドが、1月23日カラカスの公衆広場で自分を大統領と宣言する猿芝居を演じたことは、憲法違反であることははっきりしている。

ベネズエラ憲法第233条のような条項はだいたいどの国の憲法にもある。 この条項は大統領が自分の責務を果たしていない、果たすことができない場合のことを扱っている。

次の6つの場合において、大統領は任期途中で職を解かれることがある。
① 大統領が死亡した場合
② 大統領が辞職した場合
③ 最高裁の判決で大統領が職を解かれる場合
④ 大統領が身体的あるいは精神的に大統領職を遂行できない場合。 ただし、国民議会と最高裁が有効と認める正式な医学的措置が事前に必要。
⑤ 大統領が自ら職務を放棄した場合
⑥ 大統領が国民投票によって弾劾された場合

Venezuelan opposition leader Juan Guaido (L) and President Nicolas Maduro (R) © (L/R) REUTERS / Carlos Garcia Rawlins We must avoid mistake of Libya: Italian deputy FM speaks out against Venezuela regime change

どれ一つとして合致するものはない。 マドゥロ大統領は辞職もしていなければ、死んでもいないし、職務遂行に不具合があると判断されたわけでもない。 裁判所あるいは国民によって弾劾されてもいない。 もっとある。 第233条はさらに続き、大統領職が空位になった時その権限を誰が引き継ぐのかが書かれている。 誰が権限を引き継ぐのか? 第233条の規定ではそれは副大統領ということになっている。 今回にあてはめれば、 デルシー・ロドリゲス女史ということになる。 国民議会議長(グアイド)ではない。

国民議会議長が権限を引き継ぐ唯一のケースは大統領が就任していない場合だけだ。 マドゥロは2013年以来ずっと大統領職にある。 だから、そうでないと言うことは土台無理がある。 2期目の就任も1月10日、最高裁判事立ち会いの下、行われている。

欧州議会の中のマドゥロ反対派、例えば、スペイン国民党保守派から派遣された議員団代表のエステバン・ゴンザレス・ポンズなどは、1月10日に行われた大統領就任式は無効だった、と主張している。 その根拠として挙げているのが、1月24日に欧州議会議長に送付された公開書簡だ。 その中でポンズ氏はベネズエラ憲法第231条を引用している:「選出された候補者は、国民議会で宣誓することによって、憲法が定める任期の最初の年の1月10日に大統領の職務権限を付与される。」

ポンズ氏の言葉をそのまま受け止めれば、マドゥロの大統領就任はほんとうに無効だったと信じてしまうかもしれない。 しかし、ポンズ氏のウソを示すことは簡単だ。彼は同じ第231条には次の文が続くのだが、それを引用していない。 それはこうだ。「何らか前後の理由があり、大統領に選出された者が国民議会で宣誓できない場合は最高裁判所で就任の宣誓をするものとする。」

だから、欧州議会のスペイン議員団が憲法違反だと主張するマドゥロ大統領就任の形式は、実際は、ベネズエラ憲法で明確に規定されたものなのである。

US Secretary of State Mike Pompeo (R) shakes hands with Britain's Foreign Secretary Jeremy Hunt before their meeting at the State Department in Washington. REUTERS / Yuri Gripas Deadline for Venezuela, extension for Brexit: Jeremy Hunt’s odd concept of democracy

本人も知らない訳はないのだが、マドゥロが国民議会で宣誓できなかったのには十分すぎる「前後の理由」があり、ポンズ氏はそのことも含め読み手に隠そうとした。 つまり、2017年には国民議会の選挙不正があり、議会は解散になった。 最高裁が無効と宣言した選挙で選出された議員が国民議会のメンバーとなっていたからだ。 蛇足ながら、こと選挙に関して議論が起これば、最高裁が憲法の守り手ということになる。

他の場合はすべて、例えばポーランドやハンガリーなどのように、欧州議会のメンバーは、その判断に完全な自立性を求められるべきで、もし憲法違反と見なせば、会議の決定であってもそれを覆す権利を要求することが通常である。

対照的に、ベネズエラについて、欧州議会議員は全く反対の議論を展開する。つまり、欧州議会は、その決議において、(解散した)国民議会がベネズエラにおける唯一の合法的機関だと宣告したのだ。 つまりそれは最高裁判所に合法性は全くないと宣告したことになる。

はっきりしているのは、ベネズエラに深刻な政治危機があり、それは普通選挙によって選出された大統領と、彼に反対する議会内政治支配階級との間で展開しているということだ。 ベネズエラにとっては国外に位置する強国がそのような問題に干渉することは、政治的に愚かしいことであり、 ちなみに、国際法上は完全に違法だ。 そればかりではない。 欧州議会のような機関が法の支配を尊重する必要性を世界にレクチャーしながら、法的言語を使って他国のケースの合法性云々についてウソ八百を並べ立て、法遵守の基本を破壊することになれば、モラルから言っても恥知らずな行為だ。



緊迫するベネズエラ情勢―――アメリカはどう動くか?

Make Latin America Great Again? On the REAL chances of a US invasion of Venezuela

ミハイル・コーダ・レノックはRTの軍事コメンテーター。彼は退役大佐で、ロシア軍作戦参謀本部長でもあった。

RT Op-ed 2019年2月3日

(翻訳: 寺島メソッド翻訳グループ 2019年2月 10日)

<記事原文>(寺島先生推薦)https://www.rt.com/op-ed/450511-usa-venezuela-invasion-khodarenok/


© Reuters / Carlos Barria

ベネズエラの危機に関して、アメリカのトランプ大統領は、「軍事的選択」も可能性の中にあると語った。 だが、アメリカは本当に攻撃の準備を進めているのであろうか?

確かに、これくらいの規模の軍事侵略作戦を計画し、実行することはアメリカ軍にとって困難なことではない。 別にホンデュラスのソト・カノ空軍基地、キューバのグアンタナモ湾海軍基地、そしてサン・ホワン(プエルトリコ)のフォート・ブキャナン基地を使うまでもないかもしれない。

フロリダからベネズエラの首都カラカスまでたった2、000kmの距離しかないのだ。 こんな距離は現在のアメリカ軍にとって何の問題にもならない。 カリブ海に点在する上記の基地のどこかに一時着陸の必要性があったとしても。

アメリカ軍は、陸軍、海兵隊、海軍、空軍、そして沿岸警備隊から成る。 選択はどれでもかまわない。 何なら、いくつかの選択を組み合わせてもいい。 装備も、必要な機具、そして十分訓練された、経験豊富な兵士が揃っているのだから、作戦に何の支障もないだろう。 
米海軍輸送司令部は、必要な資財と兵站を目的地に輸送する十分すぎる能力を備えている。

だから、机上の話としても、きわめて現実的な話としても、アメリカ軍は一日もかけずにこの作戦を計画し、さらに数日もあれば、兵力を現地で待機、あるいは臨戦態勢に置くことは可能だろう。 結局、アメリカはベネズエラ軍を一週間以内に壊滅させることができると思う。

兵士一人ひとりの勇敢さはこの場合役に立たない。 ベネズエラの兵士たちが自分の祖国にどんな熱い思いを持っていても、だ。戦争の基本的な法則は間違いなく貫徹し、兵力を上回った方が勝利を収めるだけだ。 

言い換えれば、ベネズエラ軍がアメリカの侵略にほんとうに抵抗できる可能性はきわめて小さい。 それに、アメリカ政府はそういった侵略作戦をカリブ海域で何回か経験していることもある。
 

Reagan meeting with Congress on the invasion of Grenada in the Cabinet Room, 25 October 1983 © Wikipedia
レーガン、グレナダ侵攻で議会と会合、1983年10月25日、閣議室にて。

例を挙げよう。 1983年のグレナダ侵略だ。 コードネームは「押さえ切れない憤怒作戦」。 まず、東カリブ海諸国機構の声明があった。 グレナダで血のクーデターがあり、革命的指導者だったモーリス・ビショップが処刑されたことに対して出されたものだ。 レーガン政権は、すかさず軍事介入に乗り出した。 グレナダに在住するアメリカ人の安全確保のための軍事介入だと、その動機の一部を説明した。 侵略軍の構成は、①アメリカレインジャー部隊、②第82空挺師団パラシュート部隊、③アメリカ海兵隊、④陸軍デルタ・フォース、⑤アメリカ海軍特殊部隊、だった。 この作戦はアメリカが、ものの四日で勝利を収めた。

1989年にはパナマ侵略もあった。 この時も、グレナダ侵略の場合と同じように、アメリカは35、000人の在住アメリカ市民安全確保を理由に行動した。 さらに、「民主主義の回復」させることも理由に加えた。 1965年のドミニカ内戦への介入を挙げてもいい。 これは最初はアメリカ市民の救助活動として始まったが、次にそれは大規模な「パワー・パック作戦」に転じ、フランシスコ・カーマニョ政府放逐を目指した。 明らかにアメリカはラテンアメリカの国々の「民主主義回復」の豊富な経験を有している。

<アメリカは同じことは繰り返さない>
今回、アメリカがベネズエラで、直接的軍事介入に乗り出さないことは、ほぼ確実だ。 ベネズエラの上空が、ある日、第82空挺部隊のパラシュートや、第101空挺部隊のヘリコプターの白い斑点で覆われることはないだろうし、ベネズエラの砂浜が、アメリカ海外遠征軍兵士の軍靴で踏み潰されることも恐らくないだろう。 繰り返しになるが、軍事行動のきっかけとしてグレナダ侵略のような古典的シナリオが採用されることはまずあり得ない。

何よりも、そんなことをすればアメリカにとって最も望ましくない結果になる可能性がでてくる。 ベネズエラの民衆が結束して外国の介入に正面から対決することもあり得るからだ。

、その影響が世界に広がることはアメリカがどうしても避けたいことだ。 

さらに、ベネズエラ国土の複雑な地形だ。 軍事行動には実際向かない。 ジャングルを占領することは不可能だ。 アメリカ人はベトナム戦争でそのことは熟知している。 アメリカは絶対にあらゆる権謀術数をベネズエラに仕掛けることはあっても、爆撃や空対地ミサイル攻撃をすることは、まずない。

US Marine Corps LAV-25 in Panama © Wikipedia

しかし、ユーゴスラビアで重要なインフラを破壊するために、ミサイル攻撃をしたような作戦を、ベネズエラで繰り返す可能性はある。 

どう考えてもあり得るのは、アメリカがマドゥロ大統領を追い落とすために、種々の情報作戦を含んだ最新テクノロジーを駆使することだ。 その目的達成のために、アメリカはサイバー司令部と心理作戦グループの力を使える。 

これに関して、アメリカが二つの主要目的を目指して動く、と仮定することはあながち的外れでもない。 まず、マドゥロ体制の行政的、軍事的指揮系統を完全に寸断し、現政権の信頼性に致命的な損傷を与える。 同時に、反マドゥロ勢力に、情報、組織増強、そして資金などを含んだ必要な支援を行う。 この二つのことをアメリカは行おうとするだろう。

アメリカがベネズエラで真っ先にやろうとするのは、軍隊の高官たちを反対勢力の側に就かせ、その脅威を中和化することだ。 これは、もちろん、イラクでの経験が役に立つだろう。 その経験の一部をアメリカは現在の情勢に適用することになるだろう。

ベネズエラの将軍や将官たちは、恐らくすでにアメリカからの接触を受け、マドゥロを見捨てることと引き換えに、誘惑に富んだ申し出を呈示されているはずだ。

今後非常事態が起こった場合、アメリカは、レインジャー部隊、グリーン ベレー、海軍特殊部隊、特殊戦航空団などの特別部隊をベネズエラに派遣することは疑いない。それらは多くの任務を遂行するために使われ、協力しないベネズエラ・ボリバル共和国の指導者を抹殺する。


© Reuters / Miraflores Palace / Handout

アメリカが、ニコラス・マドゥロ大統領と対峙する怪しげなラテンアメリカ諸国と連携する可能性がある。 さしあたっての候補はコロンビアとブラジルだ。 この二国は共同して国境検問所を押さえることができるし、人道的支援船が近づけないよう、ベネズエラの一部を海上封鎖することができる。 

結局のところ、アメリカ軍がこれからやろうとすることは、言うことを聞かないマドゥロ大統領の基盤を弱体化させるために大規模なミサイル攻撃や爆撃をただやればいい、というのとは大分様相を異にしている。

ベネズエラにおけるアメリカの体制転覆:証拠文書

US Regime Change in Venezuela: The Documented Evidence

トニー・カタルッチ

グローバル・リサーチ 2019年1月25日

(翻訳:新見 明 2019年2月7日)

<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/us-regime-change-venezuela-documented-evidence/5666500

ラテンアメリカ国家ベネズエラは、アメリカとその同盟国によって危険な不安定化工作に直面している。彼らは反対派ホアン・グアイドを「大統領」と認め、現在のベネズエラ大統領ニコラス・マドゥーロをもはや認めないと宣言した。


それに対してマドゥーロ大統領は、アメリカ外交要員に国外退去するよう求めた。

抗議側と反抗議側双方が街頭行動を行い、心理的政治的主導権を握ろうとしていると報じられた。

なぜベネズエラなのか

アメリカ国務長官マイク・ポンペオによれば、ワシントンが突然ベネズエラに関心を抱くのは、ベネズエラ人民の苦しみのためであるという。

「ポンペオはベネズエラのマドゥーロに退陣を迫り、軍隊の支援を促す」というロイターの記事で次のように主張している。

   声明でポンペオは「ワシントンは、野党指導者ホアン・グアイドを支援する。彼は
   臨時政府を樹立し、選挙を準備している」と述べた。

   「ベネズエラの人々は、ニコラス・マドゥーロの悲惨な独裁政治の下で長く苦し
   んできた。」我々はマドゥーロに退陣を求め、ベネズエラ人民の意思を反映
   する正当な指導者をもとめる」とポンペオは述べた。

実のところ、ワシントンの介入の動機は、石油輸出国機構(OPEC)によれば、ベネズエラは世界最大の石油埋蔵量が証明されており、サウジアラビアよりも多く、全OPEC生産のほぼ4分の1になるからだ。

アメリカは必ずしもエネルギー分野でこの石油を必要としていない。しかしアメリカ主導の一極支配体制を維持するために、大量の炭化水素がある国を支配するか、無力化することが、発展途上国が求める世界の多極化を阻止することになる。つまり再登場した世界的勢力ロシアとか、新たに登場した世界的勢力中国に導かれる多極世界を阻止することである。



ベネズエラは、巨大な石油埋蔵量から生み出される富によって安定した政治秩序を維持し、ワシントンの現在の国際秩序に対抗する多極的な世界に依拠しているので、ウォールストリートやワシントンにとっては我慢ならないのだ。そしてアメリカは莫大な時間やエネルギーやお金や資源を使って、まずユーゴ・チャベス大統領を2002年のクーデターで倒そうとし、そして今はマドゥーロ大統領を倒そうとしている。

アメリカのベネズエラへの介入

欧米メディアでさえ、アメリカがベネズエラの反対派に資金援助することによって内政に長く介入してきたことを認めている。



イギリスのインディペンダント紙の最近の記事「ベネズエラ将軍はマデゥーロへの忠誠を誓い、アメリカに介入しないように警告する」でも認めている。(強調あり)

   アメリカは、ラテンアメリカやベネズエラで民主的に選ばれた政府に介入し、
   マドゥーロ氏やチャベス氏の選ばれた政府を弱体化しようとしてきた長い
   歴史がある。

   その試みのいくつかは、NED(米国民主主義基金)のような組織を通じて反対
   派グループに資金を流すことであった。また単なるプロパガンダであること
   もあった。

   ワシントンの経済・政策研究センターの共同代表マーク・ワイズブロットは、
   過去20年間、カラカスの政権を変えることがアメリカが追求する政策で
   あった、と述べた。トランプ氏によるグアイド氏の承認は、政府を葬り去ろ
   うとする最も明確な試みであった。

米国民主主義基金(NED)の現在のウェブページでは、ベネズエラ政治のあらゆる面で、介入のための膨大な資金援助が認められる。

◾地民主派の戦略的能力の構築
◾ 結束力ある戦略的コミュニケーション
◾ 人権活動犠牲者の擁護
◾ 機敏なコミュニケーション手段の開発
◾ 地元と国家の政策対話を通して市民の啓発
◾ 人道的援助救済の促進
◾ 包括的公共政策改革パッケージの策定
◾ シナリオ立案、戦略分析の促進
◾ 民主主義と自由市場を守るため小企業の促進
◾ ベネズエラにおける民主的統治の改善
◾ 地方の民主的統治の改善
◾ 指導者の強化と社会政治参加
◾ 人権条件の監視
◾ 人権状態の監視
◾ 司法と公共サービスへのアクセス促進
◾ チェック・アンド・バランス制度の促進
◾ 市民ジャーナリズムの促進
◾ 市民参加と表現の自由の促進
◾ 民主的統治の促進
◾ 民主的価値の促進
◾ 対話と和解の促進
◾ 結社の自由の促進
◾ 表現の自由と情報へのアクセスの促進
◾ 人権の改善
◾ 独立メディアの促進
◾ 政治的関与と主張の促進
◾ 法による統治の推進

確かにアメリカは実質的にあらゆる反対派作戦に資金援助している。メディアや司法関係から洗脳や政治計画まで、そして経済の妨害や「人権」活動まで援助していて、アメリカが資金援助する扇動者を逮捕から守るために支援が行われている。

READ MORE:US Regime Change in Venezuela: The Truth Is Easy if You Follow the Money Trail. The Opposition is Pro-Washington, Not “Pro-Democracy”
さらに読む:ベネズエラにおける体制転覆:お金の移動を追跡すれば、真実は簡単にわかる。反対派は親ワシントンで、「親民主主義」ではない。


アメリカの体制転覆の試みのある時点で、NED資金前線のスマテ(参加という意味)は、チャベス大統領に対して国民投票を組織さえしたが、チャベスが勝利した。2006年ワシントンポストの記事「チャベス政府はアメリカの資金援助を調査する」でそれを認めている。

   [スマテ]は2004年チャベスが勝利したリコール国民投票を組織して、政府
   や選挙制度を声高々に批判した。

記事はまた次のことも認めている。

   USAIDは 補助金を管理するメリーランドの「開発代替株式会社」を雇って
   いたが、多くのベネズエラ受益者を好評することを拒否した。それらは、彼
   らが脅迫されたり迫害されたりする恐れがあるからと言って。 

アメリカ政府の膨大なベネズエラ介入が、意図的に秘密にされている。スマテの活動は、全国民投票でさえアメリカ資金を使用し、アメリカの指示で動かされていることを認めている。

マリア・コリナ・マチャドは、ベネズエラ選挙監視グループといわれるスマテの創設者で、アメリカNEDに資金援助されている。2002年にクーデターでユーゴ・チャベス大統領追放を試みたが失敗した。その時、マリア・コリナ・マチャドは大統領ジョージ・ブッシュと会っている。

全米民主主義基金(NED)と他の組織は平行して活動していて、その中には金融犯罪者ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティ基金も含まれている。ソロスはベネズエラの制度、統治、法律を書き直し、それをアメリカが支援する傀儡体制と行政システムに置き換えようとしている。

アメリカの支援は、反対派をつくる広範な試みに限定されず、反対派幹部指導者を援助する特別な試みも含まれている。

2004年、漏洩したアメリカ国務省資料「カプリレスの地位とスマテ事件」が明らかにしていることは、NEDの資金援助はそのときでさえ進行中で、アメリカ国務省は、NEDの資金前線スマテが関わった明白な反逆罪で起訴されていて、支援を求められていることだ。それはまた、アメリカ国務省が反対派幹部指導者エンリケ・カプリレス・ラドンスキーを支援していることを証明している。

カプリレスは、レオポルド・ロペスと共に、ホアン・グアイドの助言者として仕えている。ホアン・グアイドは今アメリカ国務省の約2000万ドルの支援を与えられていることは明かだ。

ベネズエラ経済を麻痺させるアメリカの試み

ロイターの記事「ポンペオは、ベネズエラのグアイドを支援する地域ブロック形成を促す」で次のように主張している。

   ポンペオはベネズエラへの人道的支援として2000万ドルを約束した。そこで
   は経済崩壊、ハイパーインフレーション、食料・医薬品不足のため何百万人
   の人々が国外へ逃れている。

この支援の逆説的性質は、アメリカが意図的に経済崩壊やハイパーインフレーションや食料・医薬品不足を引き起こすことであった。とりわけまずチャベス大統領政府を、次に今マドゥーロ政権を傷つけ、不安定化することだった。

アメリカ国務省は、特にベネズエラ中央銀行(PDF)やベネズエラ石油S.A.(PdVSA)への制裁を狙った。ベネズエラ国有石油・ガス会社は金融を制限され、送金を阻止されている。一方、アメリカとOPEC同盟国は、世界石油価格を一致して下げる行動をとった。それはベネズエラ石油基盤の経済を麻痺させるためだけでなく、イランやロシアを含む他の反米勢力を狙ったものだ。



欧米メディアは繰り返し、アメリカの制裁はベネズエラ当局だけを狙ったものであると主張するが、ワシントンポスト自体「ベネズエラの石油は、マドゥーロにアメリカに対抗する力を与えない」という記事で次のように認めている。(強調あり)

   「現金を生む石油輸出の75%はアメリカ向けである」と元ラテンアメリカの
   CIA要員であるスコット・モデルは言った。ベネズエラはかなりの原油量を
   主要な外交同盟国であるロシアや中国に輸出していが、それらの利益
   のほとんどは、過去の負債を支払うために使われている。彼らはそこか
   ら現金を得られない。「彼らは資金難で絶望的だ。」とモデルは述べた。

その記事はまたこう述べている。

   Citgo(シットゴー)の所有権は、長くアメリカとベネズエラ間の緊張の源
   であった。2017年8月トランプ政権は配当の本国送還を阻止する行政命
   令に署名した。そしてベネズエラ当局への制裁がCitgoをますます困難
   な立場に置くこととなった。
     [訳注:Citgo(シットゴー )は、アメリカ合衆国内で営業する石油関連企業。
     ベネズエラ国営石油会社の傘下にある。ガソリン、潤滑油、その他石油
    製品を製造販売している。(ウィキペディア)


   ベネズエラ国営石油会社(PDVSA)のほぼ半分の株が、ベネズエラ政府が
   ロシア・エネルギー巨大企業ロスネフチから2016年に借りた15億ドルの負
   債の担保として使われた。外国債権者はそれら負債を埋め合わせるため
   Citgoの一部を取得する可能性もある。
     [訳注:PDVSA(ベネズエラ国営石油会社)
     ペトロレオスは、ベネズエラの石油会社である。ベネズエラ政府の100%
     出資会社であるため、日本
     ではベネズエラ国営石油公社、またはベネズエラ石油公団とも表記さ
     れる。] (ウィキペディア)


   モデルは、アメリカ政府が会社自体を差し押さえるべきかどうかという議論
   がアメリカにあると言った。これに反対する者もいて、Citgoはマドゥーロ後
   のベネズエラに有効な資産で、病んだ国の「石油経済の回復」を助けるも
   のだと言う。

明らかに、ベネズエラ石油から収益能力を麻痺させるために、かなりの努力が払われてきたが、アメリカメディアやインタビューした人々でさえ、アメリカはどこまでやっていいかわからないという。一旦、厳しい制裁がなくなった時、残っている、損なわれていないインフラが、病んだ国の「石油経済回復」をベネズエラに与えることも認めている。

経済戦争の他の例では、ベネズエラの大量の金がイギリスで押さえられていて、イギリスは金をベネズエラ政府に戻すことを拒否している、とニューヨークタイムズは報道した。

ベネズエラ国内で、アメリカ支援の反対派グループを通じて行われる企ては、人為的に欠乏を引き起こす一定の必需品に焦点を当てている。一方、富裕層や地主に雇われた武装ギャングは、国家に保護された農民や産業の価格や供給や需要をさらに悪化させるように破壊活動をしている。

ワシントンポストの記事「ベネズエラの逆説:人々は飢えているが、農民は人々を食わせることができない」で、武装ギャングは単なる「犯罪者」だと述べている。それは情報は豊富だが、矛盾したベネズエラ分析になっている。

「ベネズエラ分析」の記事「紛争地のベネズエラの農民は立ち退く気はない」は、富裕層の地主から返還を求められた土地を使って、農産物を生産する農民達の努力を描いている。しかし、彼らは傭兵から狙われ、攻撃され追い払われている。別の場合には富裕層のオリガルヒは、食物生産に使われる農地の支配を強固にするため裁判所から利権を確約してもらうことも可能だ。

ベネズエラ政府はとてつもない経済戦争に直面していて、それを埋め合わせるためにますます価格統制や緊急手段に訴えているが、さほどうまくいっていない。

経済不安定化は、アメリカの体制転覆の主要な要素である。それはイラク、リビア、シリア、イラン、北朝鮮、ロシアに対するワシントンの過去・現在の紛争のあらゆる面で見られる。それらの国は、一連の「人権」犯罪に集中したり、アメリカの安全保障に対する脅威をねつ造されて攻撃された。



逆に、元米国務長官ヒラリー・クリントンでさえ認めているが、サウジアラビアのような国々は、「その地域でISILや他の原理主義スンニ派に対して密かに財政的・兵站の支援を与えている」。そして彼らが地上で最悪の人権侵害を行っていることは疑うべくもないが、彼らは制裁を免れるばかりか、国際法や人権侵害への非難を免れているのだ。

この著しい対照は、狙われた国々に対するアメリカの制裁の真実の政治的動機の本質を実証するのに役立つが、それは大衆の支持を得るために、薄っぺらな論理的見せかけで粉飾されているのだ。

ロシアや中国のような強力な国でさえ、世界金融のドル支配体制に対する代替をつくり出すのに何年も必要とされるのに、ベネズエラのような国は、すでに何十年にもわたってアメリカによって扇動された混乱で不安定化され、制裁や経済戦争に直面し、ひどく堪え忍ばなければならなくなっているのだ。そして今は別のアメリカ支援の秘密クーデターの試みにも直面している。

「社会主義」ではなく、帝国主義

ベネズエラは巨大な石油埋蔵量が証明されている。ベネズエラは公然とアメリカによって政権転覆が予定されている。そして政権に対抗する現在の反対派が、ワシントンによってベネズエラの利益のためでなく、ワシントンの利益のために資金援助されていることを証明する証拠資料がある。

制裁と経済戦争はベネズエラを狙っている。ちょうどアメリカが、政権転覆し、侵略し、破壊した、もしくは政権転覆し破壊しようとしている多くの他の国々で行ったのと同じように。

アメリカ支援のさまざまな体制転覆に対して、ベネズエラも例外的な難しいパズルでは決してない。

ベネズエラ危機を訴える試みは「社会主義」によって急に引き起こされたものではない。たとえアメリカの政権転覆を証明するおびただしい証拠を無視するとしても 、「社会主義」のせいにするのは、なお合点がいかない。

中国も社会主義で、実際は共産主義だが、かなりの程度中央計画経済で、国有企業である。中国は地上で最も大規模な高速鉄道ネットワークを持っており、人間を軌道に乗せる能力がある宇宙計画があり、世界で2番目の大きな経済である。

逆に、アメリカはたった1マイルの高速鉄道ももっておらず、現在はロシア連邦に宇宙飛行士を軌道に打ち上げてもらっている。そして非現実的な世界支配に向けた野望で世界最大の経済をただ浪費している。

「社会主義」とか「資本主義」であることよりも、国の成功とか失敗の要因がたくさんあることは明白である。例えそれらの用語が実際どんなことを意味しようとも。ベネズエラにとって、その失敗はアメリカ帝国主義の直接的かつ明白な攻撃の結果である。そしてアメリカの介入を暴露し、跳ね返すことによってのみ、ベネズエラの未来は逆転できる。

*

この記事はもともと著者のブログ Land Destroyer Reportで発表されたものである。

トニー・カタルッチはバンコクを拠点に売る地政学研究者で作家である。特にオンライン・マガジン“New Eastern Outlook” に寄稿しこの記事もそこで書かれたものである。かれはグローバル・リサーチの常連寄稿者である。

体制転覆と立法府議長:
ナンシー・ペロシ 対 自称ベネズエラ大統領フアン・グアイド

Regime Change and Speakers of the Legislature: Nancy Pelosi vs. Juan Guaido, Self-Proclaimed President of Venezuela

ミシェル・チョスドフスキー教授

グローバル・リサーチ 2019年1月25日

(翻訳: 新見明 2019年1月29日)

<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/regime-change-and-speakers-of-the-legislature-nancy-pelosi-vs-juan-guaido-self-proclaimed-president-of-venezuela/5666439


フアン・グアイド


ベネズエラ国会議長で多数派(民主統一会議)の指導者フアン・グアイドは、トランプ大統領によって民主主義の名の下に(自称)ベネズエラ暫定大統領に是認された。

今日、私(ドナルド・トランプ)は公式に、ベネズエラ国会議長フアン・グライドをベネズエラ暫定大統領と認める。ベネズエラ人民に選ばれた唯一の正当な政府機関である国会は、憲法に則りニコラス・マドゥーロを違法であると宣言する。そして大統領職は空席である。(ホワイトハウス、トランプ声明、2019年1月23日)

READ MORE:Attack Venezuela? Trump Can’t Be Serious!
さらに読む「ベネズエラを攻撃する?トランプはまともじゃあない。」


ナンシー・ペロシ

 
トランプの決定は、軍事介の入脅しとアメリカにあるベネズエラ資産の凍結と相まって、アメリカ外交の犯罪的本質を裏付けている。言うまでもなく欧米メディアはトランプの決定を支持した。

危険な大統領だ。主権国家の大統領を好き勝手に決め手はいけない。誰かを置き換えて下院議長を暫定大統領に指名してはいけない。

しかし今まで検討されなかった事が他にもある。

ホワン・グアイドによる国会議長の地位は(憲法的な見地から)、アメリカ下院議長と多数派民主党の指導者ナンシー・ペロシの地位に幾分比較できる。

ナンシー・ペロシは、アメリカ大統領継承順位で、副大統領マイク・ペンスに次いで2番目に当たる。(憲法第25条修正条項、そして1947年大統領継承条例で制定された3USCコード)

対照的に、ベネズエラ国会議長ホアン・グアイドは(大統領継承に関して)暫定的に短期間ではあるが、ベネズエラ大統領職に就くだろう。ベネズエラ憲法233条で表明されるているように、30日以内に新たな大統領選挙をもつことは未決定である。

ホアン・グアイドをベネズエラの大統領にする手続きを承認することによって、トランプはパンドラの箱を開けたことになった。それは自分の大統領職に跳ね返ってくる可能性があるのだ。

トランプによるホアン・グアイド国会議長の承認は、ナンシー・ペロシが一夜にして合法的に暫定アメリカ大統領に置き換えられることと同じ事である。ドナルドにとっては、かなり恐ろしい話である。

ベネズエラにとってホワン・グアイドは、アメリカにとってナンシー・ペロシと同じことである。マドゥーロ大統領の反対派は国会を牛耳っている。トランプ大統領の反対派は下院を牛耳っている。

ばかげた話ではないか。もしアメリカの政治家とか外国の大統領が、下院議長であり、下院多数派の指導者であるナンシー・ペロシを、アメリカの暫定大統領に要求するなどということがことが起こったら、どんなことになるか想像願いたい。不可解ではないのか。

これまでのところ、ナンシー・ペロシを含むアメリカ議会は、トランプのホアン・グアイドを暫定大統領承認を自制している。

アメリカは、「貧困と恐怖」でラテンアメリカ移民を出した責任がある――チョムスキー

中米移民
US responsible for ‘misery & horrors’ forcing people to flee Latin America – Chomsky

RT world News 2018年11月28日

(翻訳: 寺島メソッド翻訳グループ 2019年1月26日 )

<記事原文>(寺島先生推薦)
https://www.rt.com/news/445071-chomsky-us-responsible-for-migrants/


中米からの移民キャラバンがメキシコ国境の壁越しに覗いている。サンディゴ、国境野外公園にで© Reuters / REUTERS/Lucy Nicholson/File Photo


ドナルド・トランプはメキシコ国境にいる移民たちに催涙ガスの使用を許容しているが、人々の尊崇を集める言語学者ノーム・チョムスキーは、「歴代のアメリカ大統領が中南米の状態を悪化させた張本人であり、そのため人々が逃げ出さなければならない」と語っている。

デモクラシー・ナウのインタビューに答えて、チョムスキーはアメリカ政府を非難した。 「アメリカ政府が事態を劣悪な状態にしたので、一部の中南米の住民たちは、今よりまともな生活を!と必死になっているのだ。」

来月90歳を迎える著名な言語学者チョムスキー教授は、大量の移民キャラバンがホンデュラスからのもので、それには理由があることに注意を促した。

彼の説明によれば、2009年の軍事クーデターでホンデュラスの「穏健な改革派大統領」が追放され、オバマ政権はその動きを非難する
ことはしなかった、という。

「軍事政権の下で不正な選挙が行われたのです。 西半球全域から、そして、ほぼ世界全域から激しい糾弾の声が上がりました。 しかし、アメリカは糾弾しませんでした。 オバマ政権は、ホンデュラスがこの選挙を実施して、民主主義に歩みを進めたなどと言って、賞賛したのです。 

「現在、ホンデュラスの人々が国内の悲惨さや恐怖から逃避しているのは、私たちの国アメリカに責任があります」、とチョムスキーは語った。

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グアテマラやエルサルバドルから人々が移民となって逃げ出していることにも理由がある、と彼は付け加えた。 この二国はホンデュラスと同様、「歴史を遡れば、アメリカの過酷な支配下にありました。 1980年代以降はとくにそうです。」

さらに説明を続け、「信じられない『茶番』が起こっています。 貧しく、悲惨な状態にある人々が、アメリカに押しつけられた恐怖と
抑圧から逃げ出しています。それに対して何千人という軍隊が国境に派遣されようとしているのです」、と語った。
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トランプ政権は、多くのアメリカ人を震え上がらせるような「派手な宣伝キャンペーン」を張り巡らし、中東のテロリストたちが今にもアメリカを侵略に来るぞ、そのテロリストたちが移民の一団の中に入り込んでいる、と信じ込ませようとしている、というのがチョムスキーの説明だ。 
さらに、この動きの全体を見ると、レーガン政権の時のことが思い起こされる、とも。レーガンは1980年代半ば、恐るべきレトリックを使って、ニカラグア政府と戦うゲリラへの支持を得ようとした。 

7千人以上の移民が、現在、何とかアメリカへ入国しようとしている。 その内約6千人がメキシコのティフアナ市にある体育施設に寝泊まりしている。一方、約1千人が、日曜日、ティフアナ近くの国境の塀を急襲しようとした。 国境線が一時閉鎖された後のことだ。国境警備隊は催涙ガスを配備した。これはトランプが支持していた動きだ。  

「催涙ガスは極力限定的に使っています。 危険性はまったくありません」、とトランプ大統領は遊説先のミシシッピー州で語った。

大量移民がローマ帝国を滅ぼす。アメリカ帝国も同様か?

Mass migration brought down the Roman Empire. Can it bring down the American Empire?

John Wight
ジョン・ワイトは、様々な新聞やウェブサイトに寄稿している。インディペンデント紙、モーニング・スター、ハフィントン・ポスト、カウンターパンチ、ロンドン・プログレシブ・ジャーナル、フォーリン・ポリシー・ジャーナルなど。

RT Op-ed 2018年11月1日
(翻訳: 新見明 2018年11月21日)
<記事原文>https://www.rt.com/op-ed/442864-american-empire-migrant-caravan/


© Getty Images

中央アメリカからアメリカに北に向かっている移民キャラバンは、旧世界が死につつあり、新しい闘いが生まれているさらなる証拠である。

古代世界が我々に教えてくれることがたくさんある。その最も顕著な教訓は、大量移民というものは、紛争、社会崩壊、または極端な貧困の産物であるが、それが最も強力な帝国を破壊することができるということである。

ローマを考えてみよう。その軍隊は千年のあいだ巨像のように古代世界を支配した。そしてその偉大で残酷な、そして最も華々しい名前は、シーザー、ポンペイウス、アウグストス、ネロ、ハドリアヌス、ウェスパシアヌス、コンスタンチヌスなど、いまだ何千年が過ぎたにもかかわらず畏怖と驚嘆の念を引き起こす。

その最盛期、ローマは、イタリア半島からはるか西ヨーロッパに到り、北アフリカや中東にまでわたり、その帝国が歴史のページから消されうると主張することは愚の骨頂だったはずだ。

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© Reuters / Eric ThayerAmerican breakdown: Uncle Sam pays an overdue visit to the psychiatrist couch
アメリカの崩壊:精神科医を訪れるのが遅すぎたアンクル・サム。


しかしローマが消滅したのは476年だった。西ローマ帝国として当時知られていたものは、ついにゲルマン民族からなる蛮族の度重なる侵入に屈服し、ついに崩壊に到った。

ローマの権力の象徴である帝国の正服、王冠、紫のマントは、当時帝国の東半分を支配していたコンスタンチノープル(イスタンブール)に追いやられた。それは何百年もの歴史の幕を下ろし、どんな帝国も経済力や軍事力にも関わらす、永続することはないことを確認することとなった。

実際、ローマの崩壊はなかなかやって来なかった。帝国は奴隷制や貢ぎ物や略奪を下に成り立っていたが、その矛盾があまりに大きかったので、克服できなくなっていた。ローマの支配下では、何百万人が貧困と惨めさの中で暮らしていて、彼らがエリートの汚れきった富や虚飾を支えていたので、ますます維持できなくなった。

ここまでは、多少理解いただけたのではないか。

威圧と支配と過度の搾取に基づいた経済システムは抵抗を引き起こす。それがまた、帝国を維持するために、さらなる軍隊の派遣に到る。それはさらなる抵抗を刺激するだけで、それによって不安定化する。この不安定化が、自国民や他国民の大量移動をを引き起こすのだ。

要するに、これがローマを終焉させたことだ。我々の時代は、変化の初期段階であり、多くの難民危機が明らかに徐々に増加していて、欧米ヘゲモニーの基礎を次第に切り崩している。2015年の難民危機は、ヨーロッパを苦しめ、未だ解決されておらず、重大な問題である。そして後に述べる移民キャラバンは、現在中央アメリカからメキシコを通ってアメリカ国境に向かっている。

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中央アメリカの移民はアメリカに向かう。2018年10月21日、メキシコ。Ciudad Hidalgo © Global Look Press / Ivan Sanchez 共和党も民主党も大声で吠え、かみつくが、移民キャラバンは進む。


ここで我々は急いで寄り道をして、陰謀論を見に身にまとっている輩のことを考えてみよう。彼らの多くが、意識を高めるのでなく、狂気を高めている。

移民キャラバンが、ソロスに資金援助された芸当であるとか、アメリカの中間選挙前段階の民主党の計画であるという考えは、ばかげていなくとも無意味である。何世代にもわたってアメリカの軍国主義や経済支配のために、中米の人々が被ってきた苦悩は、途方もないものであり続けている。だから犠牲者達の活動を拒否することは、尊厳を拒否することに等しい。

移民キャラバンが発生したホンジュラスで、2009年にクーデターが起こった。そのクーデターで民主的に選ばれたマヌエル・セラヤの左翼政権を転覆させるのに成功した。

クーデターはロメオバスケス・ベラスケス将軍に率いられた。彼は悪名高いアメリカ陸軍米州学校(スクール・オブ・アメリカ)の卒業生だ(今は西半球安全保障協力研究所と2001年に改名)。中南米からの何千という軍事・保安要員が、第二次世界大戦以来そこで拷問、暗殺、鎮圧の訓練を受けてきた。

アメリカ外交の専門家スティーブン・ズネスズ教授によれば、ホンジュラスのクーデターは、オバマが見守る中、ヒラリー・クリントンが国務長官の地位にあるとき起きた。それは「恐ろしい抑圧と、何万にもの難民が安全を求めて逃亡するといううなぎ登りの殺害率の時期を導くこととなった。」

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FILE PHOTO © Instagram / US ArmyMigrants, militias, protesters & drug cartels: Pentagon braces for explosive clash at Mexico border
ペンタゴンはメキシコ国境で爆発的衝突に備える。


ズネスは控え目に、ワシントンのクーデターへの関与を言っていないが、その後の合法的大統領の地位回復をはっきり拒否していることは、我々が知るべきあるあらゆる事を物語っている。その計画では、遅れた地域の諸国家を、帝国の完全子会社化されたものと何世紀にもわたって見てきた。

だから移民キャラバンが北に向かって進んでいるとき、ワシントンのドナルド・トランプ大統領はそれを侵略といい、5000人の軍隊を国境に配備した。ホワイトハウスのどの住人も大昔から不正をしても居直ってきた。トランプを見ていると、ローマ時代の哲学者セネカの言葉が特に思い浮かぶ。「貪欲にとって、あらゆる自然は小さすぎる。」

家や権力や地位や名声の貪欲が、トランプのあらゆる策略をつき動かし、決定する。それは病んだ社会の兆候であり、彼を生み出した文化的価値である。それは移民キャラバンに責任がある価値観であり、やがて帝国の没落を生み出す価値観である。ローマが支配した世界のように。

たとえ国のプロパガンダが逆の報道をしようとも、アメリカの大量の貧困層と抑圧された人々が、彼ら自身の支配者階級よりも、この移民キャラバンの人々とははるかに共通点があることは否定できない。彼らが置かれ続けている危うい状態が解放に到らないように、彼らが決してこの事実を理解しないように仕組まれているのだ。それはこの大陸でも世界全体でも当てはまることは言うまでもない。

次期大統領ロペス・オブラドールはメキシコを停滞から救い出せるか?

Can President-elect Lopez Obrador pull Mexico out of slumber?

アンドレ・ベルチェック
RT Home//Op-ed 2018年10月6日
(翻訳:新見明 2018年11月3日)
<記事原文>https://www.rt.com/op-ed/440491-mexico-future-obrador-us/

アンドレ・ベルチェックは哲学者、小説家、映画制作者、調査ジャーナリストである。彼は多くの国の戦争や紛争を報道してきた。彼の最近の三つの著作は、革命的小説『オーロラ』と二つの政治的ノンフィクションのベストセラー作品、『帝国のウソを暴く』と『欧米帝国主義との闘い』である。彼のその他の著作はここで見られる。アンドレは、テレスール・テレビやアル-アヤディーンのために映画を制作している。ベルチェックは、ラテンアメリカ、アフリカ、オセアニアで過ごした後、現在は東アジアや中東を拠点にして、世界中で仕事を続けている。彼のウェッブサイトやツイッターを参照。



何十年もの停滞と腐敗、そしてアメリカへの致命的な依存状態にあって、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドールは、多くの庶民からも知識人からも、メキシコの最後のチャンスと考えられている。

二つの重要なニュースが、北アメリカ中に行き渡っている。まずアメリカ大統領ドナルド・トランプは、当選した左派大統領アンドレアス・マヌエル・ロペス・オブラドールの就任式に出席しないこと。そして、そう、いろいろな対立と意見の相違にもかかわらず、NFTAに変わる新しい交渉が合意したこと。それはUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)と呼ばれる。

逆説的に、もしオブラドールが選挙公約の少なくとも半分でも実現させようとすると、必然的にメキシコはアメリカやカナダと衝突せざるを得ないだろう。アメリカはメキシコの80%輸出を吸収している。多くのメキシコの知識人は、彼らの国はこれまで、北における「ビッグ・ブラザー」の植民地にすぎなかったと考えている。カナダの鉱山会社はメキシコの自然資源を残虐に搾取している。そして地元政治家や議員と結びつきほ、とんど無防備な先住民を苦しめている。

何十年もの停滞と腐敗のあと、メキシコは劇的で本質的な変化を準備している。それは今度は赤旗と革命歌の下にやってくるのではなく、チェス・プレーヤーの注意深く計算された、正確な動きで行われると多くの者が言っている。

天才のみが打ち破ることができる。ひどい虐殺行為なしで、アメリカの致命的な支配なしで。そして選ばれたオブラドール大統領がまさにそんな指導者なのだと多くの者は思っている。

© Andre Vltchek

「ポーカーのプレーヤーではなく、チェスのプレーヤー」

左派指導者の勝利にもかかわらず、メキシコは「険悪なムード」である。何十年もの不況や腐敗やアメリカへの致命的な依存はきわめて否定的な影響を国に与えてきた。

ジョン・アッカーマンは、メキシコに帰化したUNAM(メキシコ国立自治大学)の伝説的学者であるが、コヨアカンで私たちが会ったとき次のように説明した。

「これは長年待ちに待ったことだ。ラテンアメリカ中で大きな変革があったが、メキシコは違った。メキシコは、1946年PRI(制度的革命党)が創設されて以来変わっていない。教育、健康保険、社会システムに対する重要な対策、インフラなど、彼はこれらすべてを改革すると約束している。労働者階級の人々の言葉で。彼は組合民主主義に大きな関心を示している。それは革命の真の手段となる。組合は国の民主的な参加を作り出すために使われ得る。」

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Mexico chooses new left -leaning president who may give US 'sleepless' nights選ばれたメキシコ大統領マヌエル・ロペス・オブラドールは2018年7月1日勝利を祝う。© Pedro Pardo
メキシコはアメリカに「眠れない」夜を与えるかもしれない新たな左翼大統領を選ぶ。


オブラドールはフィデルでもチャベスでもないことに我々は同意する。彼はプラグマティックで、メキシコがアメリカに隣接していることがいかに危険かわかっている。いろんな政府がアメリカによって転覆させられた。そしてすべての社会主義的システムは頓挫させられ、うち破られた。

アッカーマン教授は指摘する。「オブラドールはトランプのようなポーカー・プレーヤーではなく、チェス・プレーヤーなのだ。」

彼は極めてすぐれた学識がある。彼自身もそうだが、彼の妻も著名な左翼家族入間・サンドバル・バレステロスからでた才能豊かなメキシコの学者である。彼女は間もなくオブラドール政権の公共行政大臣に就任するだろう。そして彼女はメキシコの風土病である腐敗と闘うことになるだろう。これは疑いものなくその国の最も重要な仕事の一つになるだろう。

メキシコはOECDメンバー国の中で極貧層と超富裕層の経済格差が二番目にもっとも激しい国である。政府によれば2016年、メキシコ人1億2200万人の中で約5,340人が貧困層であった。

犯罪は放置されたままで、腐敗も野放しだ。メキシコのNGOシチズン・ウォッチ・ドッグのSeguridad Justicia y Pazによると世界の高犯罪率10都市の5都市がメキシコにある。ロス・カボス(1位)、アカプルコ(3位)、チジュアナ(5位)、ラ・パス(6位)、シウダー・ビクトリア(8位)。

約46万人の子供たちがメキシコの麻薬組織にリクルートされている(次期オブラドール政府公共安全相による)。メキシコ警察は絶望的に腐敗し、機能不全であり続けている。

アメリカ・メキシコの壁建設© Andre Vltchek

困窮はいたるところに

古きアシエンダ*の一つである優雅さや様式は、ユカタン半島のジャングル中で失われた。約20年前この場所の近くで、私は自ら流浪の身において、小説を書きながら暮らしていたものだ。ユカタンは貧しく、保守的で、伝統的であった。しかしその村の極貧の中にあっても誇りと威厳があった。
   [訳注]アシエンダ制
   アシエンダとは、かつてのスペイン領のラティフンディオの一
   形態で、特にメキシコ、中米の一部、アンデス諸国で一般的
   にみられた伝統的な大農園を指す。ラプラタ地域ではエスタ
   ンシアとも呼ばれた。アシエンダの所有者は、アセンダードや
   パトロンと呼ばれた。ブラジルにおけるこれに似た形態はファ
   ゼンダと呼ばれる。 (ウィキペディアより)

物事は劇的に変化したが、よくなったわけではない。今やむき出しの貧困がいたるところにある。ハシエンダからちょうど2キロのところにテモゾンという昔ながらの田舎家の屋根には穴が開いている。そして多くの住民はすでにそこを見捨ててしまった。人々は飢えてはいない、まだ。しかしそれはユカタンでは、まだコミュニティとか連帯という大切な感覚があるためである。

セノーラ・コンスエロ・ロドリゲスとドン・アルフレド・ロペス・チャム© Andre Vltchek

ドン・アルフレド・ロペス・チャムはシフンチェン村に住んでいる。彼の家の屋根は半分なくなっている。彼は目が見えない。彼は全く貧乏だ。私は彼に尋ねた。私が去ってから、ここの暮らしはどうですかと。彼はただ絶望的にうなずいた。
「あなたは私の家を見たでしょう。あなたは想像できるはずです。私は全然修繕できません。何年も仕事がありません。それに私は年を取っています。」

彼の隣人であるセノーラ・コンスエーロ・ロドリゲスが割り込んできた。彼女は率直で、たくましく、心の良い未亡人でいつも鶏の群れに囲まれている。

「御覧なさい。彼は本当に文無しですよ!ほら、私たちは困っている人を助けようとしているのですが、私たち自身が文無しに近いのです。2・3年前、政府は私たちの家の修繕を手伝いに何人かを派遣しました。しかし彼らは二度とやって来ませんでした。」

理論上、メキシコは無償の教育や医療が受けられる。しかし実際はそれは政府を握っていて、よい民間企業の仕事を持っている人々だけだ。次期大統領AMLO(オブラドール)はそれらすべてを改革すると約束している。しかし国中の人々はセノーラ・コンスエーラを含め懐疑的でる。

「もしわれわれが病気にかかったら、仕事の保険がなかったら支払いをしなければならない。そして我々のほとんどが、ここでは安定した仕事はないのです。」

ここの人々は新しい政府を信頼していますか。彼女は肩をすくめ、「さて、どうかしら」と言う。

これは私が至る所で聞いたことだ。この巨大で豊かな潜在力がある国の海岸から海岸で。それは世界で15番目の経済力がある国だ。しかしほとんど興奮はない。大多数の人々は「待って、やり口を見てみよう」という構えだ。

ドン・ルディ・アルバレス© Andre Vltchek

ドン・ルディ・アルバレスは、ユカタンの豪華ホテルの一つで20年以上働いてきたが、将来について警戒しながらも楽観的である。「多国籍企業で永久の仕事を持っている我々でさえ、大きな夢を抱くことはできません。そして私は息子の一人を大学で法学を勉強するために送り出すことができます。しかしそれ以上大きな夢はもてません。私の家族は車やその他の贅沢をする余裕はありません。オブラドール(AMLO)が書てくれることを希望します。ここでは多くの人々思いは、ユカタンが観光客に「マヤのディズニーランド」として売り出されています。我々の文化をほとんど尊重することなく。」

メキシコは西半球でアメリカに次いで2番目に観光客の多い国です。しかし観光客からの収入はめったに地元の人々の生活をよりよくしません。

© Andre Vltchek

犯罪と麻薬戦争が唯一の懸念材料ではない。オアハカの先住民の歴史的都市の中心では、軍隊が政府宮殿に入るのを阻止している。なぜか?多国籍企業による先住民の強制退去や、活動家の失踪と無法な殺害に対して抗議する落書きのためだ。

リゼッタさんは、宮殿の真正面にテントをはって抗議する多くの人たちと暮らしてきたが、「9年間私たちには家がありません。民兵と政府軍がやってきて、我々をサン・ジュアン・コパーラの住居から追い出したのです。殺された人々もいます。女性はレイプされ、多くが失踪しました。私たちは正義を求めてここにいるのです」と説明した。彼女は私に傷跡を見せてくれた。

「最近、警官がやって来て、私の携帯を壊し、それから私の腕を傷つけたのです・・・」

マヌエル・アルバレス・ブラボイン・オアハカの写真の中央に、レオさん(名前のみ教えてくれた)は断言した。「それらの人々に起こったことはひどいものです。考えてみてください。家にいて突然だれかが武装してやって来て、追い出されたのです。多国籍企業、特にカナダの企業が、この国の鉱山の約80%を支配しているのです。人々は、特に先住民は残虐に扱われています。メキシコはスペインの植民地主義にひどく苦しめられましたが、事態はあまりよくなったとは思っていません。私たちは自分たちの国をしっかり治めることができていないのです。」

グアダラハラの社会の家© Andre Vltchek

そして新しいオブラドール政権だって?レオと彼の同僚は少しだけ楽観的である。

「彼が本質的問題に敢えて手を付けるかどうか確かではない。つまり、この国の北への依存問題や、貧富の恐ろしい格差、つまりヨーロッパ人の子孫と先住民からなる大多数との格差である。それは今日まで至る所に見られる。西欧人と彼らの会社がやってきて、彼らがしたいことをする。ところが先住民には何も残されていない。」

しかし他の多くは希望を捨てていない。AMLO(オブラドール)の左翼モレノ党はすぐにPT(労働党)や保守の社会結集党との連立を行うだろう。メキシコがキューバやベネズエラの道を歩むことはないだろう。しかしボリビアモデルはかなりありうる。それは静かな革命であり、きわめて進歩的で真に社会主義的憲法(それははるか1916年までさかのぼる)に基づいた革命である。

ユカタンの壊れた屋根 © Andre Vltchek

メキシコの学者イグナシオ・カストゥエーラはカリフォルニアのクレアモント大学で教えているが、こう説明する。「オブラドールは彼が達成したいと思うことのいくつかを実行するため、いくつかの党派と連合しなければならないと思う。個人だけでは国の問題を解決できない。彼の周りに多くのが結集して欲しい。それが起これば意義深い変革がもたらされるだろう。アメリカ政治と企業の長年の陰が大きな影響を発揮し続けるだろう。」

ティフアナで私はひどい困窮状態を見ている。私は労働者に週55米ドル相当しか支払わない多国籍企業を訪れる。私はなんとかして暴力団地域に入る。そしてアメリカが二つの国の間に重苦しい壁を建設している。

壁に向かうスラ・レティシア© Andre Vltchek

私はスラ・レティシアの話を何時間も聞く。彼女は壁からほんの1メートルのところに住んでいる。

「彼らは我々の土地を分断している。そしてここに住んでいる多くの生き物を傷つけている。また自由に循環している水をも遮っている。」

「これらは全てかつてはメキシコであった。北アメリカ人が我々からいくつかの州を盗んだ。いま彼らはこの壁を建設している。私は何度かこの国を訪れた。そしていいですか。私たちの全ての問題点にもかかわらず、私は今いるところが好きです。こちら側が!」

それから夜遅く、私が聞くのは、北から南まで、東から西まで自分の国を知っている男の話である。私達は小さなカフェに座っている。サイレンが近くで鳴っている。また殺人がちょうど起こったところだ。彼は私を真正面に見て、ゆっくりと話す。

「メキシコは壁を背にしています。この状況は続きません。アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール、これは私達の最後のチャンスです。私達は彼の元に結集します。私達は彼を助けます。もし彼が約束したことを行えば素晴らしいことだ。そしてメキシコは変わり、繁栄します。もしそうならなかったら、私達は武器を取るしか他に選択はないのです。」

ラテン・アメリカの「犯罪人」に対するトランプの行動は大陸を戦争に導きかねない


RTルセフ・インタビュー
ブラジル前大統領ジルマ・ルセフ

ベネズエラを含む南アメリカの政治に介入しようとするワシントンの試みは「極めて危険」で、「内戦にいたるかも知れない」と、前ブラジル大統領ジルマ・ルセフはRTに語った。彼女はさらに、アメリカは既に中東において誤りを犯し、イスラム国を強化することになった(ISは前のISIS, ISIL)、と付け加えた。

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