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ロシアの宇宙核兵器とナワリヌイ氏の死…米国発の心理戦が急上昇

<記事原文 寺島先生推薦>
Russian Space Nukes and Navalny’s Death… U.S. Psyops Go Ballistic
出典:Strategic Culture 2024年2月16日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月2日


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ロシアの宇宙配備核兵器に関する主張は、冗談のようなものになった。幸いなことに、その後、西側の後援を受けた反体制派アレクセイ・ナワリヌイ氏が死亡し、西側報道機関は狂乱の「反ロシア」見出しをつけることができた。

まず最初に取り上げられたのは、ロシアが宇宙配備型核兵器を開発しているとされる疑惑に関する恐怖を煽る記事だった。当初、これは米国にとって重大な国家安全保障上の脅威をもたらすものとして、まるで劇でも見てるかのような報道ぶりだった。衝撃的な報道にもかかわらず、この話はすぐに笑いものになった。一部の米国議会議員でさえ、これは「でたらめ」であり、610億ドル相当のウクライナへの新たな巨大軍事援助法案を議会に強引に可決させようとするバイデン大統領と諜報機関のあからさまな試みである、と一蹴した。

ナワリヌイ氏の話については後で触れるとして、まずはロシアの宇宙核兵器疑惑でっち上げを解析してみよう。

このドラマは水曜日(2月15日)、下院情報委員会のマイク・ターナー委員長(情報源としは信頼できない人物)がジョー・バイデン大統領に対し、「国家安全保障に対する重大な脅威」に関する情報の機密を解除するよう公に訴えたときに始まった。ターナー委員長は共和党の下院議員だが、ウクライナへの軍事援助を熱心に支援するという点で民主党の大統領府と緊密な同盟関係にある。最新法案は前日の2月13日に米上院を通過したが、多くの共和党議員が断固反対している下院で承認される可能性は低い。

ターナー情報委員会委員長の「懸念」を受けて、報道機関は米国諜報機関の匿名の情報源の話として、ロシアが宇宙上の米国の通信衛星を破壊するための核兵器を開発中であるという国家的危機が生じている、と報じた。それから大統領官邸は、その翌日の2月15日にその情報の正しさを「認め」た。それは目に余る出来レースだった。しかしバイデン政権は、人々の混乱を鎮めようとして、そのような脅威はすぐに起こることではなく、ロシアが開発中だとされる対人工衛星兵器はこれまで軌道に乗せられたことはないし、地球になんの損害も加えるものではない、と伝えた。(だとしたらいったい、この騒ぎは何だったのだろう?)。

皮肉なことに、信じられないという米議員たちの嘲笑的な発言と同じことが、クレムリンでも聞こえてきた。クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、バイデン政権がウクライナへの軍事資金援助予算案を押し通すために策略を弄しているという米議員たちと同様の評価を下した。

この法案の可決は昨年末から遅れている。バイデン政権は何カ月も議会に法案を可決するよう働きかけてきた。上院が今週ようやく法案を可決した後、バイデン大統領は下院に圧力をかけ、「歴史はあなたたちを見ている」と言った。

この法案は、ウクライナにおける「ロシアの侵略」を打ち負かす上で、実存的な重要性を持っていると称揚されている。米報道機関は(本末転倒も甚だしいが)、もし軍事援助が提供されなければ、ウクライナが敗北し、ヨーロッパ全域でロシアが暴れまわるのを防ぐために米軍が出動することになりかねない、と主張している。

米国民は、ヨーロッパ国民と同様に、ウクライナに税金と武器を途切れることなく投入することに懐疑的な見方を強めている。 世論調査によれば欧米の大多数の市民は、ネオナチが支配する政権で「民主主義を守る」という怪しげな大義のために流血の戦争を煽ることに批判的になっている。米国やヨーロッパで社会的・経済的苦境が深刻化している今、西側諸国民は、数千億ドルや数千億ユーロが死と破壊のために浪費され、さらにはウクライナ政府に巣食う腐敗分子に吸い上げられることを歯に衣を着せず発言するようになっている。

ウクライナへの610億ドルの軍事援助は、米国政府がロシアとの代理戦争というブラックホールに投げ込もうとしている最新の一片にすぎない。もうひとつの原動力は、西側資本主義の腐った中心部にある軍産複合体に、納税者が巨額の利益を助成していることだ。

ウクライナにおける米国と北大西洋条約機構(NATO)の代理戦争の失敗には大きな危機がある。キエフ政権は、優れたロシア軍の前に崩壊に直面している。

だからこそ、議会が最新の法案を可決することは、必要不可欠なのだ。そう、戦争亡者たちにとって、だ。

この法案を成立させるために、米国のディープ・ステートの支配者たちと、それに従順なバイデン・ホワイトハウスは、報道機関や諜報機関とともに、宇宙用の核兵器疑惑というやぶれかぶれな言説でロシアを悪者にしようとした。あの卑劣なロシア人め!というわけだ。

しかし、前述したように、ロシアの宇宙核兵器というつぎはぎだらけの話は茶番劇と化した。国民が操られていた、あるいは米議会議員のことばを借りれば、たぶらかされていた、というのはあまりに明白だ。心理作戦が失敗した場合、その反動はその作戦を仕掛けた側に危険が降りかかる。なぜなら、それが発覚すると手酷い周囲からの蔑みを生むからだ。バイデン政権は嘲笑の的となった。

この話が当初からまったくのデタラメであったことを示すいくつかの兆候はある。米国を拠点とする「宇宙における兵器と原子力に反対するグローバル・ネットワーク」のまとめ役であるブルース・ギャグノン氏は、この主張は馬鹿げていると言う。本論説のために当ストラテジック・カルチャーと交わした電子メールのやりとりの中で、ギャグノン氏は、ロシアはその気になれば衛星を破壊できる強力な非核運動兵器をすでに開発していると述べた。また、米国は対衛星兵器(ASAT)を保有しているとも述べた。

言い換えれば、ロシアが人工衛星を破壊するような危険な核兵器を開発する必要はないということだ。今週、米報道機関が報じた核兵器の詳細は、国民を不安にさせ、ロシアを悪のならず者国家として悪者扱いするための、不当な脚色である。

ロシアは1967年の宇宙条約の共同加盟国であり、この条約には、米国や中国、その他120カ国以上が加盟している。

ブルース・ギャグノン氏は、こう発言した。「米国が条約を守らないのに対して、ロシアは概ね条約を守ってきた長い歴史があると思います。ロシアと中国は、少なくとも過去20~30年間、毎年国連に行き、1967年の条約から外れるすべての兵器を禁止するために、宇宙空間における軍拡競争の防止(PAROS)と呼ばれる新しい条約を導入していることを覚えておいていただきたいです。いっぽう米国はいつも、新しい条約は必要ない、としてその提案を拒否しています」と。

ウクライナでの代理戦争のための追加資金獲得という最重要課題とは別に、もうひとついまおこっている大きな問題は、大成功を収めた、米国民ジャーナリスト、タッカー・カールソン氏によるロシアのウラジーミル・プーチン大統領へのインタビューの余波である。 先週、2月8日(木)木曜日にこのインタビューが放映されて以来、世界中の一般視聴回数の記録を塗り替えた。再生回数は3億回を超え、さらにいまも増え続けている。

この1対1のインタビューは、世界的な特ダネであり、プーチン大統領がウクライナ紛争全体についてロシアの見解を包括的に述べる有益な場になった、と見られた。このロシアの指導者は、米国やヨーロッパの視聴者の目には、理性的で知的、明瞭で説得力のある人物と映った。西側の喧伝によるプーチン大統領の諷刺的イメージは払拭され、西側の国民はウクライナ紛争の大きな原因について説得力を持って知らされた。つまり、米主導のNATO枢軸が、ネオナチが支配する反ロシア政権を煽動することで戦争を引き起こした、という事実だ。このインタビューの衝撃は、「ロシアの侵略」と「邪悪なプーチン」という西側の言説に壊滅的な打撃を与えた。

もっともな話だが、米国の戦争推進勢力はこの暴露に激怒した。

それゆえ、言説の主導権を奪い返し、西側諸国民を牽制するために、ロシアが宇宙核兵器を持っているという脅しのようなでっち上げ話が放たれたのである。残念ながら、この心理作戦の試みは失敗に終わり、ただの茶番として片付けられつつある。

そして渡りに船で、ナワリヌイ氏の訃報が届いた。欧米の報道機関はすぐに、彼は「プーチン政権」によって殺された、という見出しがついた報道を流した。

ナワリヌイ氏は複数の汚職の罪で19年間の禁固刑に服役していたが、金曜日(2月16日)に恐らく血栓が原因で死亡した。47歳の彼は、西側の諜報機関によって反体制派の切り札として利用され、見捨てられた。彼はお先真っ暗だった。現段階では、彼の死因は誰にもわからない。彼は今週、亡くなる2日前、刑務所で弁護士と最後に会っている。弁護士はナワリヌイ氏に何か渡したのだろうか? 既に終わっていた、この欧米の諜報員(ナワリヌイ氏)は、欧米を操っている勢力のために、最後の、究極の心理作戦に同意すれば、家族のためになると取引を持ちかけられたのだろうか? それが自らの命と引き換えだったのだろうか? 彼の獄中死は、西側報道機関にとって、言説の方向性を変え、雪崩を打ってロシア恐怖症に向かわせるまさに絶好の機会だった。

ロシアが宇宙核兵器を開発しているという突拍子もない話やナワリヌイ氏の死について言えば、「誰が得をするのか?」、どんなタイミングで起こったのか?という犯罪学者の疑問が信頼のおける取っ掛かりとなる。
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米空軍兵士、「パレスチナ解放!」と叫び、焼身自殺

<記事原文 寺島先生推薦>
US airman dies after self-immolation Gaza protest
米国のイスラエル大使館前で現役軍人が焼身自殺した
出典:RT 2024年2月26日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月2日


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© X / taliaotg


日曜日(2月25日)にワシントンのイスラエル大使館前で、ユダヤ国家(イスラエル)によるガザのパレスチナ人に対する「大量虐殺」に抗議するため、自らに火をつけた米空軍の現役隊員が死亡した。

25歳のアーロン・ブッシュネル空軍兵士が、自ら負った火傷が原因で死亡したことを、ワシントン警察が月曜日(2月26日)に確認した。

テキサス州サン・アントニオ出身のブッシュネルは、ソーシャルメディアでこの示威行動をライブ配信した。独立系ジャーナリストのタリア・ジェーンが投稿したこの事件の映像には、彼が軍服を着て、液体の入ったボトルを持ち、イスラエル大使館に向かって歩く姿が映っている。

「私はもうジェノサイドに加担するつもりはありません。私は極端な抗議行動を行おうとしているが、パレスチナで人々が植民地支配者の手によって経験してきたことに比べれば、まったく極端なことではありません。こんなことは私たちの支配階級が決定したことで普通のことになるでしょう」。

ビデオには、ブッシュネルが液体を頭からかぶり、ボトルを投げ捨て、自分に火をつける様子が映っている。彼は「パレスチナ解放!」と繰り返し叫んだ後倒れ、言葉が途絶えた。カメラには映っていないが、警察が彼に「地面に伏せろ」と怒鳴る声が聞こえる。約1分後、警官が消火器を持って現場に到着し始める。少なくとも1人の警官がブッシュネルに銃を向け、他の警官が消火する様子が映し出されている。ブッシュネルは日曜日(2月25日)に死亡したと伝えられている。

関連記事:米空軍兵士がイスラエル大使館(ワシントン)の前で焼身自殺

10月に西エルサレムとハマスの戦争が始まって以来、世界の主要都市では親イスラエル、反イスラエルの両方のデモが行なわれている。ガザの保健当局によれば、パレスチナの飛び地(ガザ)で3万人近くが死亡したという。この戦争は、ハマスの戦闘員が10月7日にイスラエル南部の村々に対して奇襲攻撃を仕掛け、1200人近くを殺害し、数百人の人質をガザに連れ帰ったことから始まった。

南アフリカは国連の国際司法裁判所(ICJ)に、イスラエルがガザで「組織的な」ジェノサイド行為を行っていると非難する申し立てを行なった。まだ最終的な判決を下していないが同裁判所は先月、イスラエルはジェノサイドを止め、ガザ市民の人道的状況を改善するための措置を講じなければならないと述べた。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ジェノサイドの申し立てを「言語道断だ」とし、ハマスの撲滅を明言した。

米国空軍士、ガザへの侵攻に反対して、ワシントンのイスラエル大使館前で焼身自殺

<記事原文 寺島先生推薦>
US airman sets himself on fire outside Israeli Embassy in Washington
報道によると、この兵士はガザで進行中の戦争に抗議していた、という
出典:RT 2024年2月25日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月1日


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2024年2月25日、ワシントンDCのイスラエル大使館前の警察官。© Celal Gunes / Anadolu / Getty Images


日曜日(2月25日)にワシントンDCのイスラエル大使館前で男性が焼身自殺を図り、重体で入院した、と同市の救急サービスが報じた。

ワシントンDC消防救急局のヴィト・マッジョーロ広報担当は記者団に対し、この男性は「命に関わる重傷」で入院している、と語った。

独立ジャーナリストのタリア・ジェーン氏は、この男が軍服を着ており、自身を「現役の米空軍隊員」だと称していることを示す事件の映像を入手したと述べた。

同氏によると、この男性は「もう虐殺には加担しない」と言い、「パレスチナを解放せよ」と叫んだ、という。このジャーナリストは、作業服を着た男性が炎に包まれている 生々しい写真を投稿した。

CNN局もこの動画を精査し、この男性は自分をアーロン・ブッシュネルだと名乗った、と報じた。ローズ・ライリー米空軍報道官は後に同局に対し、「今日の事件には現役の空軍士が関与していた」と認めた。

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関連記事:Brazil recalls ambassador from Israel

2023年10月にイスラエルがガザ地区で過激派組織ハマスに対する軍事作戦を開始した後、イスラエルの在外公館の外で親パレスチナ抗議活動が多数行なわれた。抗議活動参加者らは驚くべき民間人の死者が出ていることを強調して停戦を要求している。12月初旬には、ジョージア州アトランタのイスラエル総領事館前である男が焼身自殺した。

いっぽう、親イスラエルデモも、ワシントンD.C.やその他の都市で行なわれており、人々はハマスに殺害されたイスラエル人を悼むとともに、現在進行中の戦争の引き金となった10月7日のハマス攻撃で捕られた人質の解放を要求している。

ハマスが運営する地元当局によると、紛争開始以来、ガザでは3万人近くのパレスチナ人が殺害された。イスラエルはジェノサイドをおこなっているという非難を無視し、ハマスは民間人を人間の盾として利用しており、最終的にはガザ地区での死者の責任を負うべきだ、と主張している。



「皆殺しすべきだ」 – ガザの子どもたちに関する米国議員の衝撃的な発言

<記事原文 寺島先生推薦>
‘We should kill them all’ – US Congressman’s Shocking Comment on Gaza Children
ガザで犠牲になった子どもたちの写真に反応して、アンディ・オグレス米下院議員が「皆殺しすべきだ」と発言したことは、広範な怒りを引き起こした。
筆者:Middle East Monitor
出典:グローバル・リサーチ(Global Research) 2024年2月22日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月25日


アンディ・オグレス共和党下院議員は、議会で停戦を求めた活動家らに対して、ガザ地区のパレスチナ人の子どもたちは、「全員皆殺しすべきだと思う」と語った。



専門家らは、この衝撃的な対応は、ガザにおけるパレスチナ人に対する大量虐殺という犯罪に対する米国の責任の範囲を明確に示している、と述べた。

ソーシャルメディア活動家のサイラ・ラオ氏は、X上で次のように反応した。

アンドリュー・オグルス現職国会議員は、秘密の本音を声に出してこう言った。「我が国は全員殺すべきだと思う」と。「我々(米国)にはパレスチナ人全員を殺害(大量虐殺)する責任がある」とも。つまり、議会+バイデン+内閣全体がすべて戦争犯罪者になっているのだ。


テネシー州選出のこの共和党議員に対して、公私両面から多くの懸念の声があがっているのは、成績証明書ではすべての科目で落第したことが示されているにもかかわらず、同議員が「高等教育の学位を取得している」と述べているからだ。新聞各紙も同議員の選挙運動のための謎の資金源について疑問を抱いている。というのも、同議員が資金源についての理にかなった説明もなしに32万ドルを受け取っているからである。

物議を醸しているこの議員は以前、パレスチナ国籍保持者の米国入国を禁止する法案を提案している。

カリフォルニア州、異性間の結婚を禁止する最初の州に

<記事原文 寺島先生推薦>
California Becomes First State To Ban Heterosexual Marriage
出典:BabylonBee 2024年1月30日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月10日


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 カリフォルニア州サクラメント市―画期的な法律によって、カリフォルニア州は異性間の結婚を禁止する全米初の州となった。

 男女が聖なる婚姻で結ばれることを事実上違法とするこの歴史的な法律は、婚姻を男女以外の者同士の結びつきと定義する。

 ギャビン・ニューサム知事は、禁止令を祝う声明の中で、「今日は永遠に記憶される日になるでしょう。抑圧的な正常さの最後の名残が消え、私たちは皆、サタンが意図したとおりにゲイになれるのです」。
訳注:知事は「異性間以外の恋愛志向をもつ人々は悪魔に誑かされている」という考えを揶揄してこう発言した。

 この法律は、まだカリフォルニアに住んでいるすべての人たちによって祝福をもって迎えられました。つまり、カリフォルニア州の人々はみな、ゲイであったということだろう。

 批評家たちは、この新しい禁止令はあからさまな差別であると非難した。ニューサム知事はすぐにこの批判を否定した。「まったく違います。 異性愛は、白人の植民地支配者たちが、同性愛者としての自然な状態から人々を強制的に追い出すために考え出したものです。我が国の名門大学に進学した人なら、誰でもそのことを知っているはずです」と。

 この記事が出された時点で、カリフォルニア州議員たちは、新たな法律の成立を目指していると報じられていた。それは子どもたちを異性愛者の親から引き離し、50歳のドラァグ・クイーン*のもとで生活させるという法律だ。
*自らの性的指向要求を満たすために女装している人々のこと。

 現在、保守派の政治評論家ベン・シャピーロ氏が出したラップ曲が、オンライン上を席巻しているが、実はこの曲にはあともう2連、削除された歌詞があることをご存知だったろうか?


ロシア当局、カールソン氏がプーチン大統領に取材したことを明言

<記事原文 寺島先生推薦>
Kremlin confirms Carlson has interviewed Putin
映像は放送準備中であると、ドミトリー・ペスコフ報道官は記者団に語った
出典:RT 2024年2月7日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月9日


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FILE PHOTO. © Getty Images / Hans Neleman

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は火曜日(2月6日)に米国人ジャーナリストのタッカー・カールソン氏と会談し、取材に応じたと、クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は水曜日(2月7日)の毎日おこなわれている報道機関向け記者会見で語った。その数時間前、カールソン氏は、その映像をまもなく公開することを発表していた。

 ペスコフ報道官は、いつ人々がこのインタビューを見ることができるようになるかについては明言を避け、その内容についても言及しなかった。同報道官の指摘によると、このウクライナ紛争に対して、米国市民であるカールソン氏は親露でも親ウクライナでもない立場であり、その点が、このインタビューで焦点を当てられているところだ、とのことだった。

 同報道官の指摘によると、カールソン氏の立場は、西側報道機関において支配的な立場とは対照的であり、それが、ロシア当局が同氏の要求を認めた理由だ、とのことだった。ただしペスコフ報道官は、カールソン氏の主張の誤りも指摘した。それは、同氏が「西側報道機関は、ロシアの指導者とのインタビューを求めていない」とした点だ。

 西側の主流報道機関は、ウクライナについて「一見中立に見える見解さえ」主張できず、「すべてが一方的な立場をとっている」とペスコフ報道官は説明した。同報道官によると、ロシア側は西側報道機関と意思疎通する気は「全くない」し、西側報道機関から何か良い話が生みだされることについては懐疑的である、とのことだ。

 先日、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、「事情に詳しい関係者」からの話として、カールソン氏は木曜日(2月8日)にその動画を発表する可能性が高い、と報じた。

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関連記事:White House denies ‘ridiculous’ Tucker Carlson claims

 カールソン氏は、プーチン氏との会談を自身の動画配信プラットフォーム上で編集なしかつ無料で公開することを公約していた。同氏は、「米国民にとってロシア大統領の発言を聞くことは、重要である。というのも、米国民にとって、ウクライナの行き詰まりにより生じる利害問題は非常に高いからだ」としていた。

 同報道官は、他の欧米報道機関が、ロシア側の立場を人々に知らせる適切な仕事をしておらず、いったいなぜ米国とその同盟諸国が、ウクライナ支援に納税者の金を使っているのかについて、国民を誤解させている、と主張した。X(旧ツイッター)の所有者であるイーロン・マスク氏は、そのインタビューがプラットフォーム上で抑制されないことをカールソン氏に約束した、とペスコフ報道官は付け加えた。

 批評家たちは、カールソン氏はロシアの考えに同情的だと主張している。親ウクライナ派の元米下院議員アダム・キンジンガー氏は、Xの投稿で、カールソン氏に「裏切り者」の烙印を押し、カールソン氏がプーチン氏に雇われているかどうかを問う模擬世論調査を開始した。

関連記事: Musk responds to calls for Tucker Carlson’s arrest

 カールソン氏が自身の計画を明言する前でさえ、ネオコンの作家ビル・クリストル氏は、「我が国の代表者が、何が起きているのかを理解できるまで」カールソン氏の帰国を阻止するよう当局に促していた。

 西側諸国の政府は彼を「何としても検閲しようとするだろう」と予測したが、その理由は「西側諸国政府は自分たちで管理できない情報が流れることを恐れている」ためだ、とした。

マスク氏、タッカー・カールソン氏への逮捕要求に反応

<記事原文 寺島先生推薦>
Musk responds to calls for Tucker Carlson’s arrest
ウラジーミル・プーチン大統領を取材したジャーナリストを拘留するよう要求する者は誰でも逮捕されるべきだ、とこの億万長者は主張
出典:RT 2024年2月7日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月9日


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クラクフ(ポーランド)におけるイーロン・マスク氏。 © オマール・マルケス / Getty Images

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領にインタビューする計画をめぐって米国人ジャーナリストのタッカー・カールソン氏の逮捕を求める人は誰でも拘留されるべきである、と億万長者のイーロン・マスク氏は提案した。

 カールソン氏は先週末モスクワに到着したが、自身の訪ロの意図は、ウクライナ紛争やロシア当局と西側諸国間の緊張がより高まっていることに関するロシアの立場を、米国民に示すためだ、とした。フォックス・ニュースの元司会者である同氏は、主流報道機関が政治的な理由で全体像を提供できていないと非難し、計画されているプーチン大統領との間のインタビュー動画のX(旧ツイッター)上での配信をマスク氏が抑制しないと約束してくれた、と述べた。

 カールソン氏がロシアを訪問したことにより、同氏が帰国後、米国でどのような処遇を受けるかについての憶測が飛び交っている。マレーシアを拠点とする保守派ブロガー、イアン・マイルズ・チョン氏は、カールソン氏が「次のジュリアン・アサンジ氏になるかもしれない」と示唆し、「政治家と既成報道機関の陰謀家たち」がカールソン氏の逮捕を求めていると指摘した。

 「逮捕を呼びかける者を逮捕せよ!」マスク氏はX上の投稿でこの状況に応えた。

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関連記事:Carlson reveals Musk’s Putin interview pledge

 ウィキリークスの創始者アサンジ氏は、現在、英国内の刑務所に収監されており、米国からの身柄引き渡し要求と戦っている。米国政府は、内部告発者チェルシー・マニング氏がイラクとアフガニスタンでの米国軍事作戦に関する機密資料を入手した方法に関連した罪でアサンジ氏を起訴した。

 アサンジ氏の支持者たちは、2012年以来、アサンジ氏が完全な自由を手にできていないのは、米国とその同盟諸国が、汚い秘密を暴露したかどでアサンジ氏を迫害しているからだ、と主張している。アサンジ氏が2019年に投獄されたのは、エクアドルがアサンジ氏の政治的な亡命を取り消したことを受けてのことだった。それまでエクアドルは、アサンジ氏がロンドンのエクアドル大使館に滞在することを許可していたが、その措置の取り消しにより、英国警察に逮捕され、その後、投獄されたのだ。

 米国の著名人の中には、カールソン氏がプーチン大統領に同情を抱いており、同大統領にインタビューすることで「ロシアの喧伝」を広めようとしていると非難する者もいる。カールソン氏のモスクワ訪問の狙いがはっきりする前でさえ、ネオコンの作家ビル・クリストル氏は、米国政府に、「我が国の代表者が、何が起きているのかを理解できるまで」、カールソン氏の帰国を阻止するよう促していた。

 カールソン氏は、ロシアの指導者を好きではないと主張しているが、いま何が大事かを考えると、ウクライナ紛争やロシア側と米国側の間の緊張に関するプーチン大統領の見解を米国民が聞くことが重要だ、と述べた。同氏はまた、米国政府がプーチン大統領へのインタビューを阻止しようとしていると非難したが、ホワイトハウスのカリーヌ・ジャンピエール報道官は、そのようなカールソン氏の主張を「ばかげている」と一蹴した。

タッカー・カールソン氏、プーチン大統領との面談計画を明らかに

<記事原文 寺島先生推薦>
Tucker Carlson reveals Putin interview plans
米国民がウクライナについて無知なのは、報道機関が嘘をついていたからだ、とX上の番組の司会者カールソンは語った
出典:RT 2024年2月6日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月8日


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© X (Twitter) / @TuckerCarlson


 ウクライナ紛争は世界中の軍事的・経済的な力の均衡を再形成したが、米国の報道機関はウラジミール・ゼレンスキーに媚び、ロシア側との対話を拒否しているため、ほとんどの米国民は何も分かっていない、と元FOXニュース司会者のタッカー・カールソン氏が火曜日(2月6日)に語った。

 2023年6月にX(旧Twitter)上に自身の番組を立ち上げたカールソン氏は、モスクワからの短い動画を投稿し、今後おこなわれる予定のロシアのウラジーミル・プーチン大統領とのインタビューの背景となる理由を説明した。

 カールソン氏の主張によると、ほとんどの西側報道機関は「視聴者をだまして」おり、その方法は主に報じるべきことを意図的に報じない、というものだとのことだ。2022年に戦争が始まって以来、プーチン大統領と対話しようとする努力は持たれておらず、米国の報道機関はゼレンスキー大統領へのインタビューを装った「おべっか激励報道」を何度も実施したと同氏は付け加えた。




 「そんなものは報道とは呼べません。政府からの宣伝を垂れ流しているだけです。最も醜い種類の行為です。人を殺すための宣伝行為です」とカールソン氏は語った。

 カールソン氏によると、「誰も真実を話していないため」、英語圏の人々のほとんどは「歴史を変えるような展開」に気づいていないという。

 「おかしなことです。米国民には、自分たちが巻き込まれた戦争についてできる限りのことを知る権利があります」と同氏は付け加え、言論の自由は米国民の天賦の権利であり、誰がホワイトハウスに座ろうとも奪うことはできない、と述べた。カールソン氏は、2021年にプーチン大統領にインタビューしようとした際、米国政府が同氏のメール本文を諜報していたことを視聴者に思い出させた。

 同氏は、X上にあげられている、検閲も受けず、視聴料金も発生しないであろうインタビュー全文を読み、「奴隷ではなく自由な国民として」自分で判断するよう、米国民に促した。

 カールソン氏が初めてモスクワにいることが確認されたのは、土曜日(2月3日)のことだったが、自身の計画については口を閉ざしている。一部の著名な体制評論家らが主張した、米国への帰国禁止や投獄を求める冷静さを失した呼びかけについて問われると、同氏は「狂っている」とはねつけた。

 ロシア当局はプーチン大統領にカールソン氏との会見をさせる計画について肯定も否定もしておらず、記者団に対し、そのような約束はいずれ発表されるだろうと述べた。

 カールソン氏は米国で最も視聴率の高い夜のケーブル番組の司会者だったが、昨年4月、説明もなくフォックス社から解雇された。その後、X上で最も人気のある取材者の1人として戻ってきたが、このプラットフォーム(情報交流環境)は、マスク氏が2022年に買収するまでは、検閲を常時おこなうプラットフォームだった。

米国と同盟諸国がISISを創設し、資金を出し、武器を与えていた

<記事原文 寺島先生推薦>
US and Allies Created, Funded, Armed ISIS
筆者:クリス・カンサン(Chris Kanthan)
出典:「ワールド・アフェアーズ」ブログ(world affairs.blog) 2017年5月9日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年1月30日


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 米国とその同盟諸国がISISを支援していたという考えは、ほとんどの人たちにとっては驚愕の事実であり、多くの認知的不協和を生み出すことになろう。そんな話を聞いた直後の反応は、「ありえない」「陰謀論だ!」などといったものだろう。しかしながら、全ての議論の余地のない証拠が、私たちの眼前にひろげられている。それらを組み合わせるだけの話だ。


 ご存知のとおり、シリアのアサドを失脚させるために、米国支配者層があからさまにアルカイダやISISに武装させるわけにはいかぬ。そこで登場するのが、サウジアラビアとカタールだ。これら2国が、米国から武器を買い、シリアのテロ組織に輸送するのだ。経路は、主にトルコで、ヨルダンを経由することもある(トルコはシリアの北で国境を接し、ヨルダンはシリアの南で国境を接している)。

 米国の支配者層にいる人たちはみな、ISISに資金提供をしているサウジアラビアとカタールの役割を認識している。例えば・・・

ヒラリー・クリントンは選対委員長ジョン・ポデスタにこう書いた。「カタールとサウジアラビアは、ISISや中東の他のスンニ派過激組織に、秘密裏に資金や軍事支援をおこなっている」と。

ジョー・バイデンも、ハーバード大学での興味深い演説で、サウジアラビアとカタールについて同様の事実を明らかにした。

2009年の国務省の機密電報にはこうあった。「サウジアラビアは世界最大のテロ組織への資金提供国家である」と。

・統合参謀本部長だったマーティン・デンプシー大将は上院での聴聞会でこう語った。「多くのアラブ同盟国がISISに資金提供をしている事実を把握しています」と。

NATO司令官のウェスレイ・クラーク将軍はこう言った。「我が国の友好諸国や同盟諸国はISISに資金提供しています」と。

大統領候補のエヴァン・マクマリンはこんなツイートを投稿した。「CIAでの私の任務は、米国と協働するよう、アルカイダを説得することでした」と。

DIA(米国防情報局)の高官らが2012年の国防総省白書で警告していたのは、米国はシリアの反政府勢力への武器提供をやめるべきだ、ということだった。その理由は、シリアの反政府勢力はもともとムスリム同胞団やアルカイダ、サラフィー主義者(イスラム教スンニ派の過激思想に追従する人々)からうまれたものだから、ということだった。

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サウジアラビアがISISに提供した、爆薬や化学兵器の原料

 ISISに資金や武器を与える国々に米国が何もしないのは変ではないだろうか? 怒りも示さず、非難も浴びせず、制裁も課さず、戦争を起こしたりもしていない。実際、ISISを支援するこれらの国々は、我が国が最も親しい国々でさえある!

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ISISを同志だと思っている人々は誰か?

 もっとおかしなことだが、米国もイスラエルもISISを好意的にとらえている。その理由は、ISISがアサドに対する政権転覆工作を支援している(していた)からだ。いうまでもないことだが、イスラエルとISISのあいだによい関係があることは疑いがない。

ジョン・ケリーが国務長官として認めたのは、米国の目的にはISISをてこに使い、アサドとの交渉を優位に進めることがあるという事実だった。同じ声明においてケリーが述べたのは、米国が多額の資金と努力を費やし、アサドを失脚させようとしていたことだ。さらには、プーチンの登場により、ISISが弱体化したことについても述べた。

イスラエル防衛相がある取材で語ったところによると、ISISがイスラエルを攻撃したのは一度きりで、その際ISISが即座に謝った!という。よく考えれば、この発言はじつに様々な点において尋常ではない。多くの人が、ISISは「イスラエル諜報機関」の味方である、と言っているのは、全く不思議なことではない。

イスラエル軍の諜報機関の長官は、ある演説の中でこう語った。「イスラエルはシリア政府よりもISISの方に好感をもっています」と。

イスラエルの著名なシンクタンクは、ISISは、「イランやヒズボラに対して役に立つ存在です」と述べた。

・ゴラン高原駐在の国連査察官の報告によると、イスラエルはシリアの反乱軍に武器を与え、負傷した反政府勢力団を支援している、という。

・イスラエルの複数の新聞が2017年報じたところによると、イスラエルは永年、ゴラン高原のイスラム民兵組織に武器を与え、資金を提供してきたという。

ニューヨーク・タイムズ紙のトーマス・フリードマンは、アサドよりもISISのほうがましだ、という記事を2本書いた。(2015年と2017年)。

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ISISがイスラエル製の武器を持っていることが判明


ただし、私たちが武器を与えているのは「穏健派反政府組織」だ!!

 シリアに対する6年間にわたる攻撃の中で最大の隠蔽工作は、我が国が支援しているのは「自由を愛する」反乱軍である、というものだった。これを超えるでまかせはないだろう。以下の2点が事実であることが明白なのだから。

A.いわゆる「穏健派反政府組織」の「自由シリア軍」は、タリバンや他のサラフィー主義組織と同程度にしばしばイスラム原理主義者である。つまり、ISISと同じくらい無慈悲で暴力的な組織でしかない、ということだ。

B.穏健派反政府軍はアルカイダやISISと混じり合い、協働していた。そのことは、主流報道機関でさえ幅広く報じていた。より詳しいことは、「穏健派反政府組軍という神話」という私の記事をお読みいただきたい。

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「穏健派反政府軍」支配下の地域では、女性たちの服装に厳しい統制がかけられている

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左:シリア軍兵士の実物の心臓を食べている穏健派反政府軍。右:CIAが精査し武器を与え資金を出しているなかで最大の組織であるアル・ジンキの一員が、10歳の少年の首を斬首したところを、ソーシャル・メディア上に誇らしげに投稿した。

 しかし、想像上の「穏健派反政府軍」を口実に、何十億ドル相当の武器や何万人ものテロリストがシリアに送り込まれた。嘘ばかりつく主流報道機関でさえ、湾岸諸国からアルカイダやシリアのISISに武器が輸送され、資金が流されていることについて、何百もの詳しい記事を報道していた。

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 上記のことが、米国とその同盟諸国がシリアのISISに資金を出し、武器を与え、軍事訓練を施し、支援している説得力のある証拠だ。(ところで、なぜ米国がアルカイダやISISを支援し、必死にアサド政権を転覆させようとしているのだろうか?その理由は、石油・天然ガスのパイプラインと宗教(スンニ派とシーア派の闘争)にある。 私が書いた「シリアでの戦争の裏にある3つの動機と7つの国々」という記事をお読みいただきたい)。

 さて、他の状況証拠についても考えてみよう。これらの状況証拠からも、同じ結論に達するのだが。


点を繋げば・・・ISISを支援している状況証拠が明らかに

 ISISの誕生について深く注意を払ってみよう。つまり、ISISがどのようにして武器と資金を手にし、石油の取引をおこない、衛星放送やソーシャル・メディアを駆使し、強力になったかについてだ。そうすれば、ISISがグローバリストから多くの支援を得てきたことがはっきりと分かる。



ISIS誕生にまつわる疑わしき事実

 まず挙げられることは、イラクのアルカイダ(当初はイラクのイスラム国(ISI)、その後ISISという名称に変更)の最高指導者は、CIAの刑務所で時間をすごしたという事実だ。一番の出世頭はバグダーディーで、ISISの最高指導者になり、2番目のジュラニはシリアのアルカイダ(アルヌスラ)の最高指導者になった。リビアとまったく同じような状況だ。CIAの刑務所出のアブドゥル・ベルハジがガダフィーとの戦争を率いたのだ。

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 さらに、のちにISISに加わった多くの外国人戦闘員はCIAとつながりがあった。たとえば、ISISの司令官のオマール・シシャニは、自分がジョージア国内のCIAの「花形学生」だったと報道機関に誇らしげに語っていた。


ISISは誰にも邪魔されず拡大した

 NSA(米国家安全保障局)やCIAの優れた監視能力からすれば、ISISやアルカイダの最高指導者らの居場所をつかんでいないとは考えにくいことだ。これらのテロリストが、湾岸諸国の一国の贅沢な大邸宅に住み、そこから世界各国でのジハード作戦を監視していることは、別に驚くことではない。

 ISISに関するすべての話は、はじめから馬鹿げていた。たった一本の銃だけを手にした多くのテロリストがイラクの大きな都市をいくつも制圧できるなんて。それと同時に、これらのテロリストは決してバグダッドを攻撃することはなかった。その事実は、この戦乱が「統制された混乱」であることを物語っていた。テロリストたちは巨大な武器を所持していた。戦車や追撃法やロケットなどだ。それほど多くの戦争もせずに、だ。さらにISIS は、これらのハイテク武器の使い方をすぐに理解していた。これは米国が訓練をしたあかしだろう。のちにISISは、広大な砂漠の中を、トヨタ製のピックアップ・トラックの新車や米軍製戦車1000台以上に乗り込み全く妨害をうけずに、進軍していた。イラク空軍やサウジアラビア国内の広大な米空軍軍事基地を使えば、ISISなど簡単に排除できただろうに。

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おっと、ISISが我が国の武器を使っている

 アムネスティ・インターナショナルからの2015年の報告が、「ISISの武器のほとんどは米国製である」と指摘した際、報道機関の専門家らは言い訳と説明に終始していた。その説明によると、米軍がISISの支配地域にうっかり武器を落としてしまった、というものだった。おいおい!

 米国家安全保障局により、25億ドル以上相当の武器・軍事車両がイラクとクエートに送られたという説明のつかない事象が発生していることが明らかにされたのだが、あの件はどうなったのだろうか?
さらには、CNNが報じたISISの訓練キャンプの動画に「US」と書かれたテントがあった件は、どうなったのだろうか?

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 3年間、トルコは盗んだ石油の代価として米国製の武器をISISに売っていた。この行為は、プーチンが登場し、ISISの石油タンカーを破壊するまで続いた。タンカーは戦闘機の標的になりやすいからだ。米国がなぜおなじことをしなかったかについて問われた元CIA長官であり、ヒラリー・クリントンの支持者であるマイク・モレルは、「環境への被害を危惧したため」と答えた!こんな狂気にまみれた嘘など信頼できるはずがない。


ISISには攻撃したふり、シリア軍には本当に攻撃を加える

 オバマはシリアやイラクに何千もの爆弾を落とし続けた。2015年と2016年だけで5万発だ。爆弾一つにつき、ISISの兵士が一人死んだとすれば、ISISの戦闘員は一人も残らなかっただろう。オバマがISISに対しておこなっていた戦争が嘘だということは、このことからも明らかだ。

 米国やイスラエルは幾度となくシリア正規軍に攻撃をしかけた。そのことにより、常にISISやアルカイダを負け戦から救うことになった。(こちらこちらを参照)。

ISISやアルカイダを応援する報道機関と専門家たち


 ISISは軍における、「陽動作戦」として知られている。明らかな事実は、ハリウッドやPR活動を使って、米国・イスラエルがISISの宣伝をおこなっていたことだ。ISISはソーシャル・メディア上で広く拡散されていた。具体的には、YouTubeやフェイスブックなどだ。多くの言語で、信じられないくらい創造的(ただし気分は悪くなるが)な動画やメッセージや衛星放送を使って、西側の人々に流し、残忍な宣伝を広めていたことはすべて、西側諸国の諜報機関から幅広い支援をうけていたはっきりとした証拠だ。(穏健に政治の間違いを指摘するだけでも、フェイスブックやツイッター、YouTubeが、アカウントを閉鎖したり消したりしていることを考えてみてほしい)。

 報道機関との癒着や支配者層による露骨な宣伝の一例として、シリアのサウジアラビア人聖職者アブドラ・ムハイシーニ(ムハイスニ/ムヘイスニとも)を考えてみよう。ロサンゼルス・タイムズ紙は、彼を「スーパースター」、BBCは「カリスマ」と持ち上げている。ムハイシーニは30万人以上のフォロワーを持つツイッターのアカウントを持ち、YouTubeやテレグラムでも人気がある。衝撃的なのは、彼がシリアのテロリストであり、公然とISIS/アルカイダを支援し、幼い子どもたちを自爆テロに勧誘し、集団処刑に堂々と参加していることだ。

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 2017年7月にISISが敗北し、その首都モスルが解放されたときの主流報道機関の記事の題名は多くを物語っていた。祝福するものは誰もなく、モスルが「陥落した」と嘆く記事ばかりだった。そしてその記事で論じられていたのは、イラクがどのように復興するか、イラクが将来ISISのような組織をどのように回避するかというものではなかった。それどころか、ISISがいかにして復活するかという分析がなされていた! 超リベラルなニューヨーカー誌は、「モスル陥落。 ISISの次は何だ?」という記事を出し、保守的なウォールストリート・ジャーナル紙は、「モスル陥落はISISにとって何を意味するのか?」を重苦しく考える記事を出した。

 最後になるが、アサドがシリアで人殺しをすれば、西側諸国は嘘泣きをして、ショックを受けた振りをして、空爆をすべきだと主張する。しかしISISがヨーロッパで人殺しをすれば、政治家や報道機関は、私たちに、慣れればいい、とだけ伝える。


なぜだ。全体像はどうなっているのか?
 
 アルカイダやISISやアル・シャバブ(ソマリア)やアブ・サヤフ(フィリピン)、ボコ・ハラム(ナイジェリア)などのイスラムテロ集団はみな、グローバリストたちにとっては、都合のいい道具だ。イスラムテロ組織は、兵士たちが安い値段で手に入り、しかも獰猛に戦い喜んで死ねる兵士たちだ。数も多く、世界中からかき集めることも可能で、終わることのない戦争の傭兵として利用できるので、世界覇権を夢見る軍産複合体や裏で糸を引く人形使いたちにとって、素晴らしい組織なのだ。さらに彼らを使えば、政治論争や議会・国民の承認抜きで代理戦争を始めることもできる。そうだ。何カ国は破壊され、味方だと思っていた勢力からテロ攻撃を受け、大量のイスラム教徒移民がヨーロッパや米国に押し寄せ、社会混乱が生じるなどの事象が発生するだろうが、得られる利益からすれば、仕方のないことなのだ。これは不都合な真実であり、このことについては、「グローバリスト達とイスラム教徒テロリストたちのけがれた同盟」という私が書いた記事をお読みいただきたい。

バイデン家は犯罪一家

<記事原文 寺島先生推薦>
The Biden Crime Family
筆者:ソニア・ヴァン・デン・エンデ (Sonja van den Ende)
出典:Strategic Culture 2024年1月18日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年1月29日


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バイデン一家は本物のマフィア一族、もしくは、アメリカ史で言うところの 「モッブ(犯罪集団)」の構造を持っている、とソニア・ヴァン・デン・エンデは書いている。

2013年、ウクライナのキエフでいわゆる「マイダン・クーデター」が起きた。ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティ財団などからの資金援助で、アメリカとEUによって実行された。

ジョー・バイデン現米大統領は、オバマ政権下で副大統領を務めていた2014年以来、ウクライナのあらゆるビジネスに投資してきた。息子のハンター・バイデンとともに、彼らは儲かるビジネスを立ち上げた。これは、アメリカとEUがウクライナに傀儡政権を樹立し、ウクライナが乗っ取られた直後から可能になったことだ。ウクライナは現在、完全に西側に依存している。ウクライナでの戦争は、西側が資金を提供し、「平和のための武器」を与え、ドンバスのロシア兵とロシア語を話す自国民を殺害している。

西側に自国を乗っ取らせることを許すのは愚かなことだ。この場合は流血の戦争がその結果だ。米国とその西側の植民地であるEUは、その国に関心がなくなったり、得るものがなくなったりすると、常にその国を裏切る。過去の例で言えば、イラク、クルド人、そしてジョージ・ブッシュ・シニア大統領の下での第一次湾岸戦争でのイラクのシーア派住民殺戮を思い出してほしい。

オバマ政権下では、例えば2013年にシリアを空爆することにまだためらいがあった(もちろん、彼らはシリアをかなり破壊した)が、バイデンは戦争に突き進んでおり、彼の対立候補(トランプ)が警告したように「バイデンは我々を第三次世界大戦に追い込んでいる」。そして今まさにそれが起こっている。


ジョー・バイデンとブリズマ事件

麻薬とポルノ乱用で悪名高いジョー・バイデンの息子ハンターは、2014年のクーデター直後、ウクライナ最大のガス会社であるブリズマ(Burisma)の取締役に就任した。

ブリズマ・ホールディング株式会社(Burisma Holdings Limited)は、エネルギー探査・生産会社のグループ会社。本拠地はウクライナのキエフだが、登記はキプロスのリマソール。2002年からウクライナの天然ガス市場で活動している。

それはウクライナ最大の民間天然ガス生産会社のひとつである。ウクライナのオリガルヒ(寡頭政治家)、ミコラ・ズロチェフスキーが所有している。ウクライナは、100人以上の死者を出したマイダン革命から少し前に立ち直りつつあった。その時ヤヌコビッチ大統領は脅されてロシアに逃れた。

当時のアメリカ副大統領ジョー・バイデンは、「マイダン革命」の背後に100%いた。ハンター・バイデンに加え、ポーランドの元大統領アレクサンデル・クワシニエフスキと、アメリカの情報機関CIAの元トップも、ブリズマ・ホールディングスの取締役会に加わった。ハンター・バイデンの任務は、エネルギー・フォーラムで会社を代表し、ブリズマの月例会議に出席することだった。もちろん、ハンターは麻薬とポルノ乱用の資金を得るために、いい小遣い稼ぎになった。

ウクライナのクーデターから2ヶ月も経たない、わずか28日の間に、バイデン一家に関わる重要な出来事が起こった。2014年4月16日、バイデン副大統領は息子のビジネスパートナーであるデボン・アーチャーとホワイトハウスで会談した。その5日後、バイデン副大統領はウクライナを訪問したが、すぐにマスコミ(主流メディア)は、彼をウクライナの「なじみの顔」と評した。

訪問翌日の2014年4月22日、アーチャーはブリズマの取締役会に加わった。その6日後の2014年4月28日、英国当局はブリズマのオーナーであるミコラ・ズロチェフスキーのロンドンの銀行口座から2300万ドルを差し押さえた。その14日後の2014年5月12日、ハンター・バイデンがブリズマの取締役会に参加し、その後数年間にわたり、ハンター・バイデンとデボン・アーチャーは、取締役会に参加したことでウクライナの腐敗したオリガルヒから数百万ドルを受け取った。

2014年にキエフで起きた抗議デモは、ウクライナの腐敗に反対する「マイダン革命」として知られるようになった。そのいわゆる「革命」の後、ウクライナの政治家たちはアメリカの支援を必死に求めた。ズロチェフスキーは、ウクライナの高官たちがハンターのブリズマ取締役就任に同意し、承知していることを確認したとされる。しかし、ハンター・バイデンが理事に就任したことで、米国とウクライナの両政府高官にとって問題となり、ウクライナ政策の実施に影響を及ぼす利益相反の可能性が生じた。同じ犯罪組織に属するジョン・ケリー(現米国気候相)も、ハインツ家(ケチャップで有名)の後継者であるクリス・ハインツという義理の息子を通じて関与している。

ウクライナの検察官ビクトル・ショーキン(現在軟禁状態)はブリズマ社の件を調査していた。批評家たちは、ジョー・バイデンが息子をかばうために地位を乱用していると非難している。他方、アメリカ大統領は単に汚職官僚を権力から排除しただけだと主張している。ジョー・バイデンは息子のハンター・バイデンと自分自身を守った。ビクトル・ショーキンを解雇すべきだと公言したり、「バイデンは息子の仕事を守るためにウクライナから10億ドルの支援を見合わせると脅したりした。」

ブリズマ社への調査は行なわれていたが、この事件を隠蔽するために、ショーキン検察官の次席検察官であったヴィタリー・カスコは、ジョー・バイデンの介入時にブリズマ社は休眠状態だったと述べている。元駐ウクライナ大使のマリー・ヨバノビッチと欧州・ユーラシア担当国務次官補のジョージ・ケントは、トランプ大統領の弾劾調査において、ショーキン検察官は汚職に手を染めていたと証言した。米国とその同盟国は、彼を追放するために協調的な努力をしていた。

しかし、これだけではない。最近、2020年のアメリカ大統領選挙への干渉の可能性を調査しているアンドレイ・デルカチというウクライナの元国会議員のインタビューを通じて、当時「爆発的な証拠」を保持していたハンター・バイデンのラップトップについて報告したことが知られるようになった。イタリアのジャーナリスト、シモーナ・マンギャンテとのインタビューでデルカチは、ウクライナに対するアメリカの影響力によって、ジョー・バイデンが汚職疑惑に関与した人物を確実に見逃すことができたとほのめかした。

「米国とウクライナからロシアのために働いていると非難されているデルカチは亡命生活を送り、反汚職支援活動でやり玉に挙がっているという。バイデン一族のウクライナ関連の犯罪疑惑を暴露しようとする者は、アメリカ政府高官からモスクワの手先として日常的に排除されている、とデルカチは主張する。」

AP通信によると、ハンター・バイデンは、ルディ・ジュリアーニとトランプ元大統領の別の弁護士を訴え、2人(デルカチとトランプ)がデラウェア州のコンピューター修理店のオーナーから個人情報を入手した後、彼の個人情報に不適切にアクセスし、共有したとしている。

共和党が下院の過半数を占め、調査委員会を支配するようになった今、ハンター・バイデンへの注目は強まり、2023年9月12日以降、息子の海外事業取引をめぐってジョー・バイデンに対する弾劾調査が行われている。


さらなる刑事事件

調査の過程で判明したことは、オバマ政権はハンター・バイデンがブリズマの取締役に就いていることを知っており、それが対ウクライナ政策を効果的に実施する上で問題であったということである。さらに、この調査によって、副大統領の息子がウクライナの悪徳オリガルヒが所有するブリズマ社の取締役に就任した際、オバマ政権内の役人が警告のサインをどの程度無視していたかが明らかになった。リークされた報告書には、バイデン一家が関与した広範かつ複雑な金融取引の詳細が記されており、ウクライナの汚職防止策を支援しようとする際に米政府高官や役人が直面した板挟み状態が描かれている。ラップトップの調査結果は、後にこれを裏付けるものとなった。

もうひとつの汚職事件は、ローズモント・セネカ・パートナーズという会社だ。父親が副大統領に就任した5ヵ月後、ハンターはデボン・アーチャーや、クリストファー・ハインツと共同で投資運用会社ローズモント・セネカ・パートナーズLLCを設立した。ハインツはジョン・F・ケリー上院議員(マサチューセッツ州選出)の義理の息子で食品会社の財産を受け継いでいる。同社はメタビオータなど、さまざまな新興企業に投資している。ロシア国防省によれば、この2社はとりわけ生物兵器の製造・生産に責任を負っており、COVID-19パンデミックやウクライナ市民への実験にも(部分的に)責任があるかもしれない。生物兵器に関する一連の記事(記事の一番下に全記事へのリンクがある)はこちらでお読みください。

結論として、バイデン一族は本物のマフィア一族、つまりアメリカ史で言うところの 「モッブ(犯罪集団)」の構造を持っていると言える。息子(ハンター)をコントロールできない父親(ジョー)は、他の「モッブ」のメンバーであるデボン・アーチャーやクリス・ハインツと関わり、怪しげなビジネスを立ち上げている。こうした犯罪事件から目をそらすため、ハンター・バイデンは現在、薬物でいささか問題を起こしたが、画家になって、今は真っ当な道を歩んでいる 「正直な男」 であることをアピールしている。これが、この国(そして西側)を支配し、戦争や生と死に関する決定をしているアメリカのマフィア組織である!

自然農法や無調整牛乳は法律違反?米国は、国民の同意なし、やりたい放題の警察国家に成り下がった

<記事原文 寺島先生推薦>
Milk and the Police State: Another State/Bureaucratic Steroid Overdose in Action
著者:アンドリュー・P.ナポリターノ裁判官(Judge Andrew P. Napolitano)
出典:Global Research  2024年1月17日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年1月28日


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 先週、ペンシルベニア州ランカスター郡で、州警察と捜査当局がエイモス・ミラーさんの農場のついての捜索令状を執行した。ミラーさんは40年にわたり、混じりっけのない新鮮な乳製品と牧草で育てた牛肉を生産している。ミラーさんは一般の人々には販売しない。州の命令に従った低温殺菌も化学処理もしていない、純粋な生の乳製品が欲しいという理由でミラーさんのクラブに入会した人々だけに販売している。

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 ミラーさんのクラブの会員は、自分たちの体は自分たちのものであり、何を摂取すべきかは政府ではなく自分たちが決めることができると考えている。ミラーさんは誰にも危害を加えたとして訴えられたり、起訴されたりしたことはない。それなのにミラーさんは国が押収した製品を取り戻せていないし、不正行為があったとして起訴もされていない。国は、ミラーさんのクラブの会員がすでに代金を支払った製品を入手することも禁じている。

 以下はその裏話である。

 1776年の春、現在ミラーさんの農場がある場所からそう遠くないところで、革命の気運が高まっていた。議会はフィラデルフィアで開かれ、焦燥感に駆られていた。植民地民兵と英国軍の間で血なまぐさい小競り合いが起こり、地方は混乱していた。英国軍はさらなる兵士を送り込もうとしていた。議会は何かしなければならないと感じていた。英国からの分離独立を決議するためには、その理由を示す説得力のある文書が必要だった。

 歴史家は、当時の手紙、パンフレット、説教、エッセイ、新聞の社説、演説を読んで、武力による分離独立に賛成した入植者は全体の3分の1程度だったと推定している。しかし、その3分の1が変革の風を巻き起こした。

 目前に迫っていたのは、反乱の決定と、それを支持する説得力のある主張だった。革命の年の晩春、議会は5人の委員会を任命し、祖国から分離する理由を記した文書を作成させた。トーマス・ジェファーソンという若い委員が、この文書の起草を任された。彼は4つの草案を書き、その最終案を委員会は議会に提出した。

 議会は1776年7月2日に独立宣言を採択した。この宣言は7月4日付で採択され、署名が完了したのはその年の夏の終わりであった。採決は全会一致だった。これで13植民地は自由と独立を手に入れたのだ。

 宣言の本質は、すべての人には天賦の人権があり、いかなる政府も立法や命令によってそれを奪うことはできないということであった。これらの権利は、生命、自由、幸福を追求し守るために自由に行使することができる。それらの権利には、政府に同意することも、同意しないことも選択できる権利も含まれている。そして、政府の唯一の正当な役割は、その政府に同意した人々の権利を保護することである、と宣言は述べている。

 ジェファーソンが作り上げたこの「被支配者の同意」理論は、当時最も急進的な政府理論だった。そこには、王も支配者もなく、個人の自由を圧殺する勅令もない。ただ、被支配者の同意によって生まれ、その権利を保護することに限定された民衆政府があるだけだ。もちろん、このような政府は血みどろの戦争が終わるまで実現しなかった。

 入植者たちは国王を殺そうとしていたわけではなかった。フランス人ならすぐにそうしただろうが。入植者たちは、英国王がいなくなることを望んでいただけだった。

 しかし、真の革命は心の中で起こったのだ。つまり、政府は同意して制限されない限り正当なものではなく、政府の権力ではなく個人の自由が既定の立場であるという考えである。この理論のすべては急進派によってかき立てられ、ジェファーソンによって明確にされ、議会によって受け入れられ、血によって達成され、英国王によってしぶしぶ受け入れられたものだった。

 1783年までに、入植者らは自由になった。 個人の最大限の自由と最小限の政府という革命精神が、新生アメリカを包み込み、体現した。

 その後の顛末はどうなったのだろう?

 こんにち、エイモス・ミラーさんの米国では、地方や州、連邦段階の政府が、国民の支持さえ得られれば、どんな悪事も正し、どんな行動も規制し、どんな出来事にも課税し、どんな富も移転する権限を主張している。

 かつて、政府が存在するには被支配者の同意が必要であり、さらには政府が何をするにも被支配者の同意が必要だったのに、いまでは私たちが何をするにも政府の許可を必要とすることになってしまっている。かつては自由が保証されていたのに、いまでは自由は笑いものにされている。

 革命の戦士たちが残してくれた遺産が、反転してしまったのだ。

 建国者たちが危険を冒して達成した自由を守る、と宣誓しておきながら、公職に就いてからその宣誓を無視するというのはどういうことなのか。合法的に医療を拒否できるのに、なぜ合法的に自分の飲みたい牛乳を飲む権利を行使する選択肢を得ることができないのだろうか? ジェファーソンが記した自由の中に、選択肢を自分で選べる自由はないのだろうか?

 法律は自由を守るために書かれているのか、それとも秩序を強制するために書かれているのか? 被統治者の同意という概念は実在するのか、それとも作り物なのか? 自由は世代を経るごとに拡大しているのか、それとも縮小しているのか? 政府は本当に、私たちの自由は天賦の権利であり、個人の同意がなければその政府は正当性を欠くと考えているのだろうか? 生きている人間は誰でも、私たちがこれまでそうだったように実際に自分の政府に同意しているのだろうか? それとも、私たちが政府に同意しているというのは単なる神話なのだろうか?

 ロンドンの貴族たちによって課された税金にうんざりしていた入植者たちと同じように、私たちもまた、過保護国家の推進者らが生き方にまで口出しをするような警察国家の規制にうんざりしているのではないだろうか。警察国家とは、法律が政府から自由を守るのではなく、政府を自由から守るものである。

 エイモス・ミラーさんは、顧客が求める製品を提供する事業家として成功している。彼はまた、制御不能に陥り、正気を失った米国政府を写す鏡にもなっている。

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 政府は自由を否定する組織なのか? 政府は私たちの同意を得ているのか、いないのか? 私たちの自由は私たちの存在にとって天賦のものなのか、それともそうではないのか? 自由は実在するのか、それとも作り物なのか?

「抵抗枢軸」に対する米国が支援する「代理兵器」としてISISが復活した

<記事原文 寺島先生推薦>
Reviving ISIS: A US Sponsored “Proxy Weapon” Against the “Resistance Axis”
米国の西アジアにおける覇権に対する多方面からの攻撃に苦戦しているちょうどその時期に、世界有数のテロ組織が復活しつつあるのは偶然だろうか? さらに奇妙なことに、ISISと米当局の標的は両方とも全く同じだ。
筆者:オンライン・ニュースサイト誌 『ザ・クレイドル』(The Cradle)
出典:Global Research 2024年1月19日
   初出はThe Cradle 2024 年1月16日
<記事原文 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年1月26日


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 イラクの治安関係者らは、国内でのISISの復活を警告しているが、これはイラクとシリアの米軍基地に対するイラクの抵抗作戦の急増や、イスラエルのガザへの軍事攻撃による地域不安定の拡大とあまりにも見事に一致している。

 同テロ組織に対する勝利宣言から6年以上が経過した現在、イラク諜報機関の報告書によると、数千人のISIS戦闘員がイラク西部の2地域で米軍の保護の下、無傷の状態で出現している、という。


パズルで欠けているピース

 本誌ザ・クレイドルが精査した諜報報告書によると、最盛期のISISはイラクで3万5千人以上の戦闘員で構成されており、そのうち2万5千人が殺害され、1万人以上が単に「失踪した」という。

 あるイラク諜報機関の職員は本誌に次のように語っている。

 「2017年末、数百人のISIS戦闘員がトルコとシリアに逃亡しました。2019年にカリフだったアブー・バクル・アル=バグダーディーの死を受けて、アブドラ・カルダシュがISISの指導者に任命された後、この新カリフは組織の再編に着手しました。そして彼の追随者たちにイラクに戻るよう命じました。この組織は、シリアとの長い国境、治安上の混乱、国境の両側の勢力の多様性を利用して、再びイラク領土に侵入したのです。」

 投獄されているISIS関係者らは、イラク国境警備隊による厳格な取り締まりとサーマルカメラ(赤外線を感知して温度を計測するカメラ)などの最新技術の使用のため、国境に侵入するのは簡単な仕事ではないと認めている。

 したがって、このテロ組織に必要だったことは、国境を越えて戦闘員たちを輸送するために、これらの要塞を突破または迂回できる仲介者を特定することだった。

 イラクの治安関係者が匿名を条件に本誌に語ってくれたところによると、米国がこうした国境侵犯を可能にする上で重要な役割を果たしている、とのことだった。

 「ISIS構成員らの通過経路を確保する上で米国が支援していることを裏付けるいくつかの事象があります。それは主に国境にいるイラク軍部隊、時に人民動員部隊(PMU)を砲撃することにより、ISIS 戦闘員が国境を越えることを可能にする隙間を作る行為になります。」

 そのイラク治安関係者が付言したのは、米国のチヌーク・ヘリコプターがシリア東部からイラク西部のアンバール砂漠とイラク東部のジェベル・ハムリーンまで戦闘員を輸送しているという確認された報告があるという事実だった。

 イスラム運動、過激派組織、国際テロリズムを専門とする研究者ムニル・アディブは、ISISが復活した可能性を認め、ISISが「ここ数週間にシリアとイラクで数十回の攻撃」をおこない、民間人と兵士数十人の死者を出した、と述べた。

 アディブによれば、「ガザ戦争とロシア・ウクライナ戦争に対して国際社会の関心が生じたことが、内外の後方支援を受け続けながらISISに隊列を再編する機会を促した」という。


テロをつくり出し密かに輸送する

 ホーラン渓谷はイラク最大の渓谷で、その長さはイラクとサウジの国境からアンバール県ハディーサ市近くのユーフラテス川までの 369 キロメートルに及ぶ。その地形は、高さ 150 ~ 200 メートルのそびえ立つ崖が特徴で、谷を囲む丘陵とその周囲に広がる小さな谷が含まれる。

 この渓谷は、今も昔も州内で最も危険な治安環境にある地域のひとつだ。砂漠地帯であり、混雑した都市部から離れているため、テロ組織はここを安全な避難所として利用している。この渓谷とその周辺地域では数多くの治安事件が起きており、最も顕著なのは2013年12月にISISがイラク軍第7師団長とその補佐官、アンバール県情報局長、将校8名、兵士13名を殺害した事件である。

 イラクのハッサン・セーラム国会議員は、ホーラン渓谷からテロ戦闘員を一掃するための軍事作戦の開始を呼びかけた。同氏は当クレイドル誌に対し、「この渓谷では、数千人のISIS構成員が米国の保護のもと、民間キャンプで訓練を受けている」ことを認め、米軍が「さまざまな国籍の数百人のISIS構成員をこの地域に移送している」と指摘した。

 もちろん、米国の外交政策には、西アジアやラテンアメリカで代理武装民兵組織が創設され、しばしばこれらの組織を利用して標的国の政府を転覆させてきたという歴史的証拠が溢れている。米国政府がイスラム過激派と同盟を結ぶことに全く抵抗がないことは、アフガニスタンのムジャーヒディーンへの武装と資金提供に直接関与し、そこからタリバンとアルカイダが誕生したことからも分かっている。

 米国とISISの関係が初めからあった証拠は非常に明確に存在する。同テロ組織の創設者と第二位の指導者は、米軍が運営する収容施設であるイラク南部のキャンプ・ブッカ刑務所の囚人の中から出ていた。米国人によって捕らえられ、その後解放された高い地位に就いたテロリストの名簿は常軌を逸している。:ISIS指導者アブー・バクル・アル・バグダーディ、彼の後継者アブー・イブラーヒーム・アル=ハーシミー・アル=クラシー、アブ・モハメッド・アル・アドナニ、アブ・ムスリム・アル・トゥルクマニ、ハジ・バクル、アブ・アブドゥルラフマン・アルビラウィ、アブ・アイマン・アルイラなどだ。

 収容者に対する虐待で知られるキャンプ・ブッカは、過激派分子を一堂に集め、これらの一触即発の輩を6年間(2003年から2009年)かけてゆっくりと煮詰め、その後、現在ではしっかりした連絡網を持つ過激派組織として解き放ったのだ。

 ISISの宗教当局者らは、刑務所で過ごした時間を利用して、解放された後に囚人がテロ組織に参加する誓約を得る活動に充てたとさえ述べている。

 米国諜報機関はまた、ISISの車列がその支配下にある都市間を移動することを許可することで、間接的にテロ組織を保護した。イラクの安全保障専門家らによると、他の保護規定として、拘束されたISIS構成員に対してイラクの裁判所が下した死刑判決の執行を拒否することや、イラク西部と東部にISIS構成員のための安全な避難所を設立することも含まれていた、という。


地域戦争における米歩兵としてのISIS

 1月5日の演説で、ヒズボラ事務総長ハッサン・ナスルラは、米国がこの地域でのISIS復活を支援していると警告した。

 本誌は、レバノンにおける過激派の新たな活動、過激派とイラクやシリアの過激派との間の通信、過激派間の不審な送金活動を監視する治安情報を入手した。

 レバノン陸軍情報部も最近、治安作戦の準備をしていたレバノン人とシリア人の一団を逮捕した。

 重要なことは、このテロ活動が急増していることが、レバノンでの抵抗組織がイスラエルとの安全保障および軍事戦闘をおこなっている時期に発生しており、いつでも開戦に発展する可能性があるという点だ。また、新たなISISの活動がレバノン、シリア、イラク、イランに集中していることも注目に値する。これらの国々は、パレスチナ人の抵抗を政治的、軍事的、兵站的に支援している国々である。

 1月4日、ISISは米軍によるコッズ軍司令官カセム・ソレイマーニー暗殺記念日にイランのケルマーン市で追悼行列を狙った2件の爆破事件に対する犯行声明を正式に発表した。イスラエル当局がベイルートでハマスの幹部指導者サレハ・アル・アロウリを殺害したわずか一日後、米国とイスラエルにとって西アジア最大の敵対国であるイランを標的とした前例のない攻撃で、二重の爆発により約90人が死亡、数十人が負傷した。

 それに先立ち、2023年10月5日、ISISはシリアの都市ホムスにある士官大学の士官卒業式を無人機で攻撃し、約100人を殺害した。これらの攻撃やイラク、シリア、イラン、パキスタン、アフガニスタン、アフリカでの他の攻撃は、新鮮な兵、資金、武器が再びISIS組織の動脈に注入されていることを示している。

 匿名希望のPMU(イラクの人民動員部隊)の高官は、米軍がその地域に接近する治安部隊を攻撃することで、イラク軍がホーラン渓谷に接近するのを阻止している、と本誌に語った。「これは、この地域でISISを攻撃していたPMUの部隊を米国戦闘機が標的にしたときに起こりました」と同高官は、渓谷に数十人のISIS構成員やその他の過激派組織が存在し、そこでこれらの組織は米国から訓練を施され装備を供給されていることを確認したという諜報報告を引用しながら明らかにした。

 情報源であるアンバール作戦司令部の保安関係者らは、次の情報を確認している。

 「このテロ組織による注目に値する活動は、数週間前にイラク西部で記録されていました。ルトバ砂漠付近では、ISIS戦闘員が地下の隠れ家を掘っているところが目撃されています。情報によると、同組織は多くの場所でテロ作戦を実行中であるとのことです」と彼らは本誌に語った。

 同時に、ISISはイラク東部、サラー・アルディン州東部、ディアラ州北東部、キルクーク南部を含む三角地帯、特に地理的に困難なマクール、ハムリン、グーラ、ワディ・アル・シェイ、ザギトゥーン地域で活動を拡大している。

 覚えておくべきことは、米軍がイラクに駐留している前提は、米国がISISと戦う諸国連合の傘下にあるという事実だ。先週、イラク議会が外国軍追放を初めて可決してから4年が経ったが、イラクのムハンマド・シャーア・アル・スーダーニー首相は米軍の「不安定化」の影響を考慮し、これらの戦闘部隊の「迅速かつ秩序ある」撤退を要求した。

 米国政府は、イラクから撤退する「計画はない」と反論しただけでなく、1月14日、イラクとシリアに不法に、両国の同意なしに追加で1500人の軍隊を派兵すると発表した。

 ここでの皮肉の一つは、イラク政府がイラクからの米軍撤退の問題を提起するたびに、ISISが勢いを取り戻しているように見えることだ。

 さらに、ただの偶然とはもはや思えない事実は、再建されたこのテロ組織が標的にしている敵が、米国とイスラエルにとってこの地域で最も有能な敵と同じであることだ。その敵とは、「抵抗枢軸」だ。そして、ちょうど米国とイスラエル両国が、この枢軸からこの地域全域規模での多面的な攻撃に対応しようと苦労している今になって、ISISが復活しているのだ。

 米国と世界有数のテロ集団との間の並外れた相乗効果は、もはや無視することはできない。彼らの標的は同一であり、米政府が西アジアに対する支配力を失い始めているちょうど今、ISISが戦いに加わったばかりである。

「多様性・公正性・包括性」がアメリカン・ドリームを台無しにした

<記事原文 寺島先生推薦>
How ‘Diversity, Equity and Inclusion’ is wrecking the American dream
多様性をもつ人々を雇用しないといけないという足枷や、教育の中に「社会正義」を教える時間が入れ込まれたせいで、米国の職場から専門家が奪われている
出典:RT   2024年1月20日
筆者:ロバート・ブリッジ(Robert Bridge)
米国の作家でありジャーナリスト。著書に、『真夜中の米帝国』と『企業とそれに奉仕する政府がアメリカン・ドリームを以下に崩壊させてきたか』がある。
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年1月25日


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2023年7月2日、カリフォルニア州ロサンゼルス市での「我々人民による全国行進」行動中に旗を掲げるデモ参加者 © Frederic J. BROWN / AFP


 かつては人種や信条、性別に関わらず、最も資格のある人々が頂点に駆け上がることができるという、実力主義に基づいていた米国が、いまや割り当てによりその人の地位が決められる国に成り下がってしまった。

 米国のアイデンティティ政策の是非がちかごろ厳しく問われるようになったのは、米国を代表する大学の3名の女性学長の醜聞が広く報じられたからだった。

 その3名とは、ハーバード大学のクローディン・ゲイ、ペンシルバニア大学のリズ・マギル、マサチューセッツ工科大学のサリー・コーンブルース博士だ。いまのところ問題になっているのは、この3人がハマスとイスラエル間の戦闘のさなかに、「自身の大学の構内でジェノサイドを呼びかけることは、大学の規則違反であり、嫌がらせ行為を助長している」と言おうとしなかった点だ。

 議会前での証言ののち、3名の学長らはすぐにネット上で集中砲火を浴びたが、その中で最も激しい非難を受けたのが、私立大学初の非白人学長となったクローディン・ゲイだった。それは無理もないことだ。というのも、ゲイが自身の論文において何十段落もの箇所を盗用していたことがわかったからだ。このことにより、DEI(多様性・公正性・包括性)を重んじる傾向に非難の声が上がっていることに大きな脚光が当たることになり、さらにはゲイが非常に高い地位を得ることができたのは、学術的資格というよりは、肌の色や性別によるものだったのではないか、という批判も生じた。

 ゲイが米国で最も著名な大学の学長を勤めるに足る品格があるかどうかについての長い議論が交わされたほんの数週間後、彼女は辞任を申し出た。ただし、一学部教員に戻ることになった彼女は、年90万ドル(約1億3千万円)という膨大な報酬を受け続けることになるのだが。

 明らかにこの事例だけが、DEI(多様性・公正性・包括性)の考えのもとで、問題のある候補者らを頂点の役職につけることより生じる弊害の一例ではない。特に、法的にこのような矛盾した政策を強制している州が多いことからすればなおさらのことだ。その例を見たいのであれば、米政府で第2位の地位、つまり副大統領職にある人物のことを考慮するだけでいい。そうすれば、米国がどのような状況に陥ろうとしているかが見えるはずだ。カマラ・ハリスが多様性の確保を理由に選ばれたことは隠された内部の秘密ではない。ジョー・バイデンが選挙遊説の際にそのことを認めたのだから。「私が大統領に選ばれたならば、私の内閣も行政府も我が国が取っているのと同じ政策をとることになりますし、私もそうなるよう口を挟むつもりです。実際、副大統領には女性を選んで任命するつもりです」と。その後バイデンはさらに特定するような発言をした。「有色あるいはかつ、男性ではない性別の人が望ましいです」と彼は述べたのだ。

 さあ、じっくり考えよう。バイデンは、2020年のドナルド・トランプとの大統領選に向けた民主党代表選で1%しか得票率を取れなかった黒人女性を選んだということだ。明らかにもっと優れた資質を持つ他の候補者がいただろう。

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関連記事:US aviation safety agency hiring people with ‘severe intellectual disability’

 大統領職まであと一歩の地位について以来、どんな被害が生じてきたのかがすべて明らかになってきたにも関わらず、ハリスは自身への非難の声の高まりを一方的な報じ方と組織的な人種差別からくるものである、と吐き捨てた。ハリスは数が減りつつある支持者らに対して、「私がもし私の前の48人の副大統領のように白人男性であったとしたら、私の報じられ方は違うものになったはずです」と語ったという記事をニューヨーク・タイムズ紙は報じた。米国でもっともリベラルな報道機関である同紙がそう報じていることから明らかにわかることは、ハリスに対する否定的な態度は彼女自身が思っているよりもずっとひどい、ということだ。

 ほかにDEIのおかげで黄金のエレベーターに乗って頂点の地位に就けた人は誰だろう? レイチェル・レヴィン保健福祉庁次官で決まりだ。性転換して女性になった人物だ。レヴィンにはその任務が果たせる資質はないようだ。彼女はUSAトゥディ誌の「2022年、今年の女性」の一人に選ばれたのだが、彼女と同等、あるいは彼女よりも資質があるのに、見落とされた人は何人いただろうか? 彼らはただただ、重要項目にチェックが入らなかった、という理由だけで落とされたのだ。

 現第19代米運輸長官のピート・ブティジェッジはどうだろう? 元インディアナ州のサウス・ベンド市(人口10万3453人)の市長だったブティジェッジ(42歳)は、2015年に自身がゲイであることを宣告したことが、比較的無名の存在だったなかで、2020年の民主党大統領候補選に出馬するところまでのぼりつめた理由だったのではないか。米政界の食うか食われるかの権力争いの中で、権力の頂点への驚くべき昇進はほぼ初耳だし、ブティジェッジが知性においても明晰さにおいても非常に優秀であるという理由以外、彼が同じくらいの資質をもつ何十人もの他の候補者を飛び越えることができた説明にはならないはずだ。ブティジェッジがこんな急速な出世をとげることができた理由に、彼の性的志向がどれくらい貢献したのかが明らかになることは決してないだろうが、民主党が元市長のブティジェッジが、党が望むほど「十分ゲイではない」ことにイライラしていた時期があったことは、事実といって間違いではないだろう。

 現在、ブティジェッジ運輸庁長官管轄下にある連邦航空局は、あらたな「多様性と包括性」計画を明らかにし、「重度の知的障害」や「精神障害」を持つ人々を雇用することを発表したところだが、それはボーイング737マックス機のドアが吹っ飛び、空中での大惨事が起こる寸前になった事件が起こった数日後のことだった。そのため、包括性に走る政策に対してさらなる批判の声が高まっている。「今回対象となっている障害は、連邦政府が政策の一環として、新規採用や雇用において特に重視するとされる障害になります。そこには、聴覚障害や視覚障害、手足の先端部がない、局所麻痺、全身麻痺、てんかん、重度の知的障害、精神異常、小人症をお持ちの方々が当てはまります」と連邦航空局のウェブサイトにはある。

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関連記事:US air carrier detects loose bolts on grounded Boeing 737s

 連邦航空局はこれらの障害者がどのような仕事に就くかについては明言しておらず、フォックス・ニュースの取材への返答で、以下のような内容を示唆している。すなわち、他の被雇用者らと同様、「もちろん仕事内容によってことなりますが、厳格に資格を満たしていることが求められています」とのことだ。それでも、このような動きを批判している人々がまだ心配なのは、DEI政策を強調することで、空路の安全性が低下してしまうのではないか、という点だ。イーロン・マスクもそのような批判者のなかの一人であり、「空の安全性よりもDEI方針にのっとった雇用を重視してまで、飛行機に乗りたいですか?」というツイートを投稿した。

 しかし、過激なウォーク主義にとりこまれた人々が世間の空気を読み損ねているという事態がこれ以上なく目に入ってしまったのは、ビール製造業者のアンハイザー・ブッシュ社の広告の件だ。同社は広告塔としてソーシャル・メディア上で影響力のあるトランスジェンダーのディラン・マルバニーを登用して、同社製ビールのバドライトを褒めちぎる歌を歌わせたのだが、そのせいで、労働者階級のビール消費者の大部分にそっぽを向かれることになったのだ。あきらかに、マルバニーは、その仕事に適任ではない「男」だったのだ。

 DEI政策は医療界にも良くない影響を与えている。医学生たちが職業上要求される学習に最大限の時間を割くのではなく、今まで聞いたことのないような話題について学ぶことが強制されているからだ。例えば、「無意識の偏見」や「白人特権」などだ。ここにも、DEIが様々な職場の労働の質を下げている一例が見える。

 リチャード・ボスハルト博士は、ナショナル・レビュー誌の先日の記事で、こう書いている。「不器用な研修医から能力のある外科医にまで成長させるために、見習い訓練ができる時間は限られています。優秀な外科医を世の中へ確実に輩出させないといけないのに、単位を取るのに時間がかかるACS(米国化学学会)の手引き書が求めている反人種主義やDEIの教化の時間に縛られてしまっています。こんな状況は、よく言えば愚かで無駄、悪く言えば、私たちの患者に危険を及ぼすものです」と。

 人種や性別、性的指向に関係なく、どんな仕事にもその仕事に似合う資質がある人間がいるということは間違いのないことだ。しかし、いま米国で起こっていることは、必要とされる資質に欠けた多くの人々が、その人々の生活形式が重要な項目にチェックがつくという理由で、高い職に就いているという不適切な状況だ。あるいは、ウォーク思想に基づく新たな経文を不必要に学ぶことが強制されて、専門分野の基本知識の学習に集中できなくなっている状況だ。いずれにせよ、米国の大学や職場での理解がなかなか進んでいないのは、DEI政策が差別をなくすための活動ではなく、逆に差別の原因を作り出す主要因になっている、という事実だ。ある職への候補者の余地を減じることは、「(人種や性別に関係なく誰でもビッグになれるという)アメリカン・ドリーム」に対する巨大な侮辱になるだけではなく、職場から専門性を奪うことになってしまう。そんな社会ではなく、米国民にはもっとよい社会が必要だ。

ウクライナに監禁され亡くなった、「虐待を受けていた」米国のジャーナリストとはどんな人物なのか?

<記事原文 寺島先生推薦>
Who was the ‘tortured’ US journalist who died in Ukrainian captivity?
ゼレンスキー大統領政権の批判者だったゴンザロ・リラ氏が、ハルキウ刑務所で数ヶ月を過ごしていた。
出典:RT  2023年12月10日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年1月18日


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 米国とチリの国籍を持つ、ジャーナリストであり映像制作者でもあるゴンザロ・リラ氏がウクライナ国内の刑務所で亡くなった。リラ氏の家族が1月12日にリラ氏の死亡を報告したが、後にこのことを米国務省が確認した。

 リラ氏は2023年5月以降、公判前拘束を受けていたが、その罪状はウクライナに対するロシアの軍事作戦を正当化した点だった。1月4日にリラ氏の姉(妹)が受け取った手書きのメモをニュースサイトのグレーゾーンが父親から提供を受けたのだが、そのメモによると、10月中旬から、リラ氏は肺炎と気胸による深刻な健康問題に苦しんでいたという。ウクライナの刑務所当局がそのことを知ったのは12月22日のことであり、同当局は今後リラ氏が手術を受けることになる、としていた。

 リラ氏の父であるゴンザロ・リラ・シニア氏は、自身の息子は「虐待を受けていた」が、キエフの米国大使館は、息子を助けるために、「何もしてくれなかった」と述べた。

ゴンザロ・リラ氏とはどんな人物だったのか?

 リラ氏は、ジャーナリストであり、ブログ主であり、作家であり、ハリウッドでの勤務体験もある映像制作者でもあった。何冊かの著書を英語とスペイン語で著しており、2002年にはスパイ・スリラーものである『アクロバット』という作品を残している。さらに55歳の彼はオンライン上では、「レッド・ピル・コーチ」として知られており、男性の閲覧者向けに生活形式についての助言をおこなっていた。

 報道によると、リラ氏がウクライナに移住したのは2010年のことであり、そこでウクライナの女性と結婚したという。ブログ主であるリラ氏はウクライナ東部、ロシアとの国境からそう遠くない位置にあるウクライナ第二の都市ハルキウに住んでいた。

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関連記事:US journalist missing after attempt to flee Ukraine

 ロシアとウクライナの長年にわたるもめ事が2022年の軍事紛争に発展したのち、リラ氏はソーシャル・メディア上で積極的にこの紛争について報じ始めた。リラ氏によると、リラ氏はウクライナとウクライナ国民を愛していており、起こっているすべてのことが悲劇であるが、この戦争を引き起こした責任はゼレンスキー政権とそれを支援する西側にある、と主張していた。ブログ主であるリラ氏は、ウクライナにはロシアに勝算はなく、敗北に終わると主張していた。

 さらにリラ氏が非難していたのは、西側の報道機関がウクライナを「民主主義国家である」と報じている点であり、ウクライナ政権内の大きな腐敗について声をあげ、ゼレンスキーに反対している人々の一覧表を公開した。これらの人々は、ウクライナ当局により、「消された」と主張していた。

三度逮捕されたリラ氏

 2022年4月にリラ氏が失踪したことは、世界的に大きく報道され、ソーシャル・メディア上には、リラ氏が、ウクライナ当局を批判していることを理由に、悪名高いネオナチ団「クラケン」により拉致され、殺された可能性がある、と主張する投稿も見られた。

 しかし数週間後、リラ氏はソーシャル・メディア上に再び現れ、自身がウクライナ保安庁(SBU)に拘留されていたと投稿した。リラ氏によると、自分はおとがめなしとされ、解放されたが、自分のアカウントへのアクセスが禁じられ、ハルキウから出ないよう命じられた、とのことだった。

 リラ氏は2023年5月に再度逮捕されたが、最終的には、保釈金を支払い、公判前拘留所から解放された。その件に関してリラ氏が主張していたのは、自身が拘留所において恐喝や肉体的な虐待を受けていたということだった。

 リラ氏は7月に再び逮捕されたが、ウクライナの警察によると、リラ氏がオートバイでハンガリーに出国しようと企てていたからだという。

リラ氏の逮捕に対する米国側の反応

 米国はリラ氏の件に関してはおおむね沈黙を保っており、リラ氏によれば、拘留されていた自分を気遣ってくれたのはチリからの派遣団だけで、米国大使館は電話を「三度かけてきたが、なんの『支援』もしてくれず、空約束だけしかしてくれなかった」という。さらにリラ氏によると、万が一自分がウクライナを出国できたとしても、ウクライナに連れ戻されて終わりだろう、というのもビクトリア・ヌーランド米国務次官が、「僕が梃子でも動かない人間であることを嫌っている、つまりそう聞かされているからね」とのことだった。

 8月に、リラ氏が逮捕されたことについて聞かれたマシュー・ミラー米国務省報道官は、この件について何ら具体的な回答をおこなうことを拒み、その理由を「個人的な問題であるから」だとしていた。

 「海外在留中のすべての米国民の安全保証は、私たちが何より大切にしていることです。個人情報の問題のため、具体的な事例について多くを語ることはできませんが、米国民の身の安全を守ることが、私たちの最優先事項であることは間違いありません」とミラー報道官は当時、報道関係者に語っていた。

リラ氏の父の言い分

 収監されたジャーナリストのゴンゾラ・リラ氏の父が米国政府とウクライナとの癒着に対して、正面から批判している。自身の息子が処刑されたことの背景には、自分の息子が、ゼレンスキーの「反対派」12名が「消された」ことを勇敢にも記事に取り上げた事実が起因していると、父リラ氏は主張している。

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関連記事:Father of American journalist jailed in Ukraine blames Biden

 「それと同じことが、私の息子の身にもおこってしまったのです。私の息子はバイデン政権とその操り人形であるゼレンスキーにより殺されてしまったのです」と父リラ氏は米国のジャーナリスト、タッカー・カールソンとの対談で述べた。

 米当局とブログ主であるリラ氏が受けた辛苦との間にある関連は、もっと深い可能性がある、というのも、息子がウクライナで2度目に逮捕されたのは、「息子がジョー・バイデンとカマラ・ハリスをこき下ろした」ほんの数日後だったからだ、と父リラ氏は主張している。

 「なぜもっと以前に息子は拘留されなかったのでしょうか? 前年に解放されたあとも、息子はあの戦争に反対する非難の声を挙げ続けていたというのに」と父リラ氏は付け加えた。

 この対談には、ほかでもないスペースX社とテスラ社のイーロン・マスク最高経営責任者が関心を示した。マスク氏は、ジョー・バイデン米大統領とウクライナ側の交渉相手であるウラジーミル・ゼレンスキー大統領に対して、リラ氏の現状に関して回答するよう求め、ウクライナで米国民が拘留されるということがなぜ起こりうるのか、米国は「1000億ドル以上の支援金」を、ロシアと交戦中であるウクライナ当局に支援しているのに、という疑問の声を挙げていた。「ゼレンスキーを非難していたという理由だけ」でこのジャーナリストが処刑されることになれば、これは「重大な問題」になる、とマスク氏は12月にも語っていた。

ウクライナ側の言い分

 ウクライナ側の主張は、ウクライナがリラ氏の行動を警戒対象にしたのは正当な行為であり、ウクライナ保安庁は、このジャーナリストが「ロシアによる軍事侵攻を正当化するような、さらにはウクライナ軍に関する「偽情報」についての記事を書き、拡散してきた」という罪状があることを繰り返し指摘してきた、というものだ。リラ氏に対する最初の公聴会は12月12日に予定されている。

米国籍のゴンサロ・リラ氏、ウクライナ刑務所で医療的放置により死亡

<記事原文 寺島先生推薦>
American citizen Gonzalo Lira dies from neglect in Ukrainian prison
筆者:アレクサンダー・ルービンシュタイン(Alexander Rubinstein)
出典:ザ・グレー・ゾーン(The Grayzone)  2024年1月12日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年1月16日





 ロシア・ウクライナ戦争の著名な解説者であり、同国政府を批判する発言をしたとしてウクライナで投獄されていたゴンサロ・リラ氏が、ウクライナ当局による数週間の医療的放置の末に死亡した。

 チリ系米国民の戦争解説者ゴンサロ・リラ氏が、2024年1月11日正午直前、ハリコフの病院で死去した。ウクライナでのロシアの戦争遂行を正当化したとして告発され、8か月間投獄されていた。

 リラ氏が注目を集めたのは、2022年に独裁化が進むウクライナで批判的な発言者として登場したときだ。2023年5月に「ロシアのウクライナへの武力侵略を正当化する資料の作成と配布」の容疑で逮捕されたことは、米国の戦争資金提供に対する米国内の反対派を刺激し、ハイテク界の王イーロン・マスク氏やアメリカの政治評論家タッカー・カールソン氏らによる釈放を求める声につながった。

 リラ氏が書き、父親が当グレイゾーンに提供したメモによると、彼の死は3か月近くにわたる肺炎との闘病の末であったが、ウクライナの看守たちは死の数週間前までこの症状を無視していたようだ。リラ氏の死は、息子の医療緊急事態への介入をアメリカ大使館に数週間かけて懇願していた父親のゴンサロ・リラ・シニア氏によって明らかになった。

 当グレイゾーンが入手した電子メールによると、リラ氏は息子の病気を知った後、1月3日に大使館に介入するよう促した。同氏は米当局者らへのメッセージの中で、家族や法定代理人からの息子のリラ・ジュニア氏の健康状態に関する情報をウクライナ当局が隠蔽しようとしているようだと指摘した。父リラ氏は、「ハリコフの未決刑務所の医療監視員は息子の健康状態について情報を提供していない」とし、「息子の状態を知ってから12日が経った」と書き結んだ。


 翌日、リラ・ジュニア氏はついに病院に運ばれ、弁護士との面会を許可された。弁護人はリラ氏から自分の状況を説明する手書きのメモを受け取って面会を終えたが、これがリラ氏からの書面による最後の通信と考えられている。

 手紙には次のように書かれていた。「私は二重肺炎(両方の肺)、気胸、そして非常に重篤な浮腫(体のむくみ)を患いました。これらすべては10月中旬に始まりましたが、刑務所は無視しました。12月22日の審理で私が肺炎であることを認めただけでした。これから肺の浮腫圧を下げる手術を受ける予定ですが、そのせいで極度の息切れが起こり、最小限の活動、つまり2分間会話しただけでも気を失いそうになります」と。



 父ゴンサロ・リラ氏は、息子がウクライナの病院で適切な医療を受けられるかどうか確信が持てず、状況を監視するよう大使館に訴え続けた。翌日、父リラ氏は再び大使館に次のような手紙を書いた。「大使館には、息子が入院している間、緊密に連絡を取り合い、入院中の息子の健康状態が順調に進んでいることを確認してもらいたいです。また、入院中に息子ゴンサロの担当医師に連絡し、息子の回復状況を確認する必要があります」と。

 しかし父リラ氏の努力は無駄だった。1週間後、息子が亡くなったという知らせを受け、父リラ氏の最悪の不安が現実となった。彼は現在、息子の死について米当局とウクライナ当局を非難している。

 「息子の死に方を受け入れることができません。息子は8か月と11日間拷問され、自白を強要され、連絡が取れませんでしたが、米国大使館は息子を助けるために何もしてくれませんでした」と父リラ氏はそのニュースを発表した電子メールに書いた。

 「この悲劇の責任は独裁者ゼレンスキーにあり、もうろくしたジョー・バイデン米大統領も同意を与えている。私の痛みは耐え難いです。世界は、あの非人道的な独裁者ゼレンスキーによってウクライナで何が起こっているのかを知らなければなりません」と父リラ氏は綴った。

 世界の注目がウクライナでの西側代理戦争から(ガザへ)移る中、父リラ氏も息子の死を悲しむ何十万もの父親たちの一員となってしまった。ただし多くの人々とは異なり、父リラ氏の息子は戦場で死んだのではなく、多くの人を不名誉な運命に運命づけた戦争を非難した罪により刑務所で死んだのだ。

この一人の男で米国のふたつの大政党を打倒できるのか

<記事原文 寺島先生推薦>
Can this one man dethrone both major US parties?
ロバート・F・ケネディ・ジュニアの政策は、トランプとバイデンの政策の寄せ集めだが、多くのがらくたを除いたものだ。
筆者:ロバート・ブリッジ(Robert Bridge)
アメリカの作家、ジャーナリスト。著書に『Midnight in the American Empire, How Corporations and Their Political Servants are Destroying the American Dream(米帝国の闇:大企業とその従僕たちはいかにアメリカン・ドリームを壊したのか)』がある。
出典:RT  2023年12月6日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年1月3日


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無所属の米大統領候補ロバート・F・ケネディ・ジュニア © Eva Marie Uzcategui / GETTY IMAGES NORTH AMERICA / Getty Images via AFP


ロバート・F・ケネディ・ジュニアが米大統領選への無所属出馬を表明したとき、ワシントン政界の内外に衝撃が走った。ケネディ一族の末裔が単なるぶち壊し立候補者となるのか、それともこの政治的新人がホワイトハウスを勝ち取るだけの影響力を持つのか。

民主党と共和党が何よりも嫌うことがあるとすれば、お節介な無所属候補や第三党候補が政治的な争いに加わり、1853年以来ワシントンDCを圧政で支配してきた二大政党制を崩壊させる恐れがあることだ(1850年にホイッグ党の旗の下、ミラード・フィルモアが大統領に選出された。) ロバート・F・ケネディ・ジュニアが民主党に別れを告げ、無所属での出馬を表明したのはそのためだ。

69歳のケネディは今、アメリカの政治システムとして知られる毒蛇の穴の上で危険な綱渡りをしている。この目的を達成するために、故ロバート・F・ケネディ(1968年6月5日に暗殺された上院議員)の息子は、ジョー・バイデンとドナルド・トランプの政治手法から多くを借りている。その結果、両イデオロギー陣営の信念の寄せ集めとなり、危険な動きだが、それなりのメリットもある。

例えば、ウクライナにおけるロシアの特別軍事作戦に対するケネディの立場を考えてみよう。バイデン政権は、キエフの戦費に数億ドルを投じてインフレを煽り、米国経済を解体する鉄球を打ち込んでいるが、ケネディは、米国とNATOが西側の軍拡に対するロシアのプーチン大統領の過去の警告に耳を傾けなかったことが主な原因だと指摘している。

「2019年、俳優でコメディアンのヴォロディミル・ゼレンスキーが平和候補として出馬し、70%の得票率でウクライナ大統領選に勝利した」とケネディはX(旧ツイッター)で述べた。そしてさらに「ベンジャミン・アベロウがその素晴らしい著書『西側諸国はいかにしてウクライナに戦争をもたらしたか』で書いているように、ゼレンスキーは5つの言葉を口にするだけで、2022年のロシアとの戦争をほぼ確実に回避することができたはずだ。その言葉とは『私はNATOに加わるつもりはない(I will not join NATO.)』だ」と語った

一方、「大統領に選出されれば24時間以内にウクライナ危機を解決する」と約束したトランプも、第二次世界大戦以来ヨーロッパで最も致命的な軍事的大災害の責任を誰が引き受けるべきかに関して、ケネディと同様の立場をとっている。

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2022年10月、トランプは得意満面でこう述べた。「彼らはプーチンを愚弄した。しっかり見てみれば、私たちの国は、私たちのいわゆる指導層は彼を愚弄していることがわかる。私だったら耳を傾ける、私に言わせれば、彼らは、自分たちの主張を彼に強要しているようなものだ。そんな言い方はまったく馬鹿げている。」

ケネディとトランプは、メキシコとの有効な国境の必要性やイスラエルとの関係強化など、他の問題でも似たような立場を共有している。後者については、バイデンは親イスラエルの姿勢で痛い目に遭っている。民主党有権者の実に50%が、現在の敵対行為の責任は西エルサレムとハマスに等しくあると考えており、ほぼ同数がバイデンの戦争への対応に不支持を示しているからだ。

このような党内分裂の多くは、米国の学界に侵入した「文化的マルクス主義」の直接的な副産物であり、パレスチナの人々の立場に立って、彼らを犠牲者ととらえる見方をしている。この考え方は、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス、イルハン・オマル、アヤナ・プレスリー、ラシダ・トライブらで構成される「ザ・スクワッド(分隊)」と呼ばれる民主党の急進派によって熱烈に支持されている。

同時にケネディは、ここ最近で最も賛否が分かれた問題のひとつであるワクチンの問題、具体的にはCovid-19ウイルスのワクチン接種義務化については、多くの共和党有権者に支持されている。トランプが自身の「猛スピードで作られた」血清について延々と語り続け、その過程で彼の支持層からブーイングを浴びていたとき、ケネディは根本的に異なるアプローチをとり、疑問のある製品の安全性にだけでなく、その主要な推進者であるアンソニー・ファウチとビル・ゲイツを攻撃していた。

感染のピーク時、ケネディは『アンソニー・ファウチの真の姿:ビル・ゲイツ、巨大製薬会社、そして民主主義と公衆衛生をめぐる世界的な戦争』という本を出した。この本が100万部以上売れたという事実は、当時の国民の懐疑心と怒りがいかに高かったかを物語っている。このとき何百万人ものアメリカ人が、流行病による死か、それともワクチンの副反応による死かという、生死を分けるかもしれない問題の答えを求めて苦闘していたのだ。

ケネディは、その業績に対して好意的な評価も集めることができたが、既成メディアの大部分は、彼を「陰謀論者」として干した。ケネディの主張の中には、例えば、Covid-19がユダヤ人と中国人の集団を避けるために遺伝子操作された可能性があるというものなど、妥当性を超えているものもあると言わざるを得ないのだが。

「Covid-19。Covid-19は特定の民族を標的にしているという議論がある。Covid-19は特定の人種を特に強く攻撃する」とケネディは私的な集まりで述べた。また「Covid-19は白人と黒人を標的にしている。最も免疫があるのはアシュケナージ系ユダヤ人*と中国人だ」とも。
*東欧諸国(ドイツ、ポーランド、ロシア)に居住していた祖先をもつユダヤ人の2大グループの1つ。もう一方のグループはセファルディ系ユダヤ人と呼ばれ、こちらは北アフリカ、中東、スペインに居住した祖先をもつ。米国在住のユダヤ人は、大部分がアシュケナージ系ユダヤ人である。「eastern european jews(東欧ユダヤ人)」とも呼ばれる。(weblio)

このような突飛な見解は、ケネディをトランプ支持者である極右の狂信的取り巻きには気に入られるかもしれないが、ケネディの他の疑わしいお気に入りのプロジェクト、主に気候変動については同じことは言えない。銃規制賛成論に次いで、保守層から絶対的な反発を受ける問題だ。しかしケネディは、人為的活動による温室効果ガスが地球を熱くしているという見解を推進しただけでなく、気候変動否定派は訴追されるべきだという発言も公言している。

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2014年、気候変動の「科学を否定する」政治家について聞かれたケネディは、こう答えた。「彼らは国民の信頼を売り渡している......卑劣な人間であり、彼らを罰することができる法律があればいいと思う」。これは、民主党と共和党を問わず、多くの人が危険だと感じる意見だろう。

最後に、間違いなく民主党と共和党を最も隔てている問題である銃規制について、ケネディは武装した共和国への支持を訴えた。

ケネディは6月にあった公会堂の会合で、「憲法修正第2条の中で、銃の所有取引を減らすために意味のあることができるとは思わない。私は人々の銃を取り上げるつもりはない」、と語った。

では、有権者はこれをどう受け止めるべきか? まず第一に、ロバート・F・ケネディ・ジュニアは、彼の前にいた有名な家族の一員だったRFKやJFKと同じように、安易な政治的ポイントを得るためだけに個人的な信念を犠牲にすることのない、猛烈に勇気ある人物であるということだ。Covid-19ワクチンやウクライナ危機に関する彼の見解を見れば、それは明らかだ。

第二に、ケネディは、ジョー・バイデンとドナルド・トランプの両者が多くの荷物を抱えて大統領選に参戦していることを明らかに認識しており、それは最近の調査からも明らかだ。10月のロイター/イプソスの世論調査では、バイデンとトランプはそれぞれ35%の支持を得ており、「他の候補者に投票する」が11%、「投票しない」が9%、「誰に投票するかわからない」が9%だった。

民主党支持者の多くがバイデンに幻滅しているのは、経済が低迷していることが主な原因であり、トランプ支持者はお気に入りのオレンジマン[トランプ]につきまとうスキャンダルに嫌気がさしている。無名の無所属候補がこのような候補者に対抗して大統領選で勝利する可能性はほとんどないだろうが、ケネディは有名な一族の名前を背負って参戦することになり、それだけでも、2024年にもう一人のケネディがホワイトハウスに入る可能性が(わずかだが)ある。

衝撃的な真実:イスラムのテロ組織は、米国代理戦争に役立つ道具なのです。

<記事原文 寺島先生推薦>
SHOCKING TRUTH: USA & ISLAMIC TERRORISM – PARTNERS FOR PROXY WARS
筆者:クリス・カンサン(Chris Kanthan)
出典:「ワールド・アフェアーズ」ブログ(world affairs.blog)  2017年6月2日  
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年1月2日


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親愛なる日記さん*、この手紙をアメリカや世界の罪のない人たちに見せるわけにはいかないので、ここだけの話にしてください。私たちがイスラムのテロを受け入れなければならないと言ったら、その衝撃と怒りを想像してみてください! なぜなら、普通の人は、何が危機に瀕しているのか、エリートがより大きな利益のためにどのように「統制された混乱」に頼る必要があるのかを理解していないからです。
*日記の書き始めに使う表現。日記帳に話しかけるように綴ることから生まれた。

イスラムのテロリストは代理戦争のための素晴らしい道具なのです。彼らにはほとんど費用がかかりませんが、彼らは恐れずに戦います。彼らは、あらゆる地域紛争に持ち込まれる可能性のある世界的な資源です。また、彼らは消耗品でもあります。私たちは便利なときに彼らを利用し、不都合となれば、殺します。

この話が人々の良心に衝撃を与えるとしたら、それは人々が熱心に注意を払ってこなかったことを意味します。以下の事例を考えてみましょう。

・ニューヨーク・タイムズ紙のトーマス・フリードマンは書いています―シリアのISISを攻撃すべきではない(1)、アサドを打倒するためにISISを武装させることも検討すべきだ(2)・ジョン・ケリーは認めました―米国はISISを使ってアサドを交渉に参加させようとした(3)。 
・イスラエル軍司令官は説明しました―イスラエルはアサドよりもISISの方が好みだ(4)。
・イスラエル国防相は述べました―ISISは意図的に私たちを攻撃することはない。それは一回だけ起こったが、ISISはすぐに謝罪した(5)。なんと!
・ヒラリー・クリントンは書いています―サウジアラビアとカタールはISISに資金を提供し、武装を与えている(6)。
・ジョー・バイデン、マーティン・デンプシー将軍、ウェズリー・クラーク将軍は述べています―中東の米国の同盟国がアルカイダとISISに武器と資金を提供している(7)、(8)、(9)。
・いくつかの国務省の公電は明確に示しています―サウジアラビアが、中東の中だけでなく、世界中でもテロの資金源の第1位である(10)。

なぜ私たちは、これらのテロの資金源に対して戦争をしたり、制裁を科したりしないのか、考えたことがありますか? 私たちは彼らを非難さえしません!

米国の外交政策を支えるシンクタンク、外交問題評議会 (Council on Foreign Relations) が発表した「アルカイダを受け入れる」(11)という記事を見て、読者は何と思うでしょうか。あるいは、ヒラリー・クリントンの首席外交顧問が彼女に「アルカイダは我々の味方だ」と書いた書簡(12)なら、どうでしょうか?

このような例は他にもたくさんありますが、ちょっとタイムマシンに乗ってみましょう。


アフガニスタン、1979–1989年。私たちはソ連を倒すためにムジャヒディン*を使いました。それは良くないことだったのですか? 1980年代にメディアやハリウッドがアフガニスタンの戦闘員を美化したことを覚えていますか? アフガニスタンの反政府勢力はホワイトハウスを訪問することさえできました。
*アラビア語で「ジハード(聖戦)を遂行する者」を意味するイスラム系武闘組織。(ウィキペディア)

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ムジャヒディンの物語には、しばしば忘れられがちな2つの重要な要素があります。世界中の外国人戦闘員とイスラム原理主義者です。

1980年代には、35,000人以上のいわゆるアラブ系アフガニスタン人がロシア人と戦うために世界中からやってきました(13)。イスラム、カリフ、聖戦の概念に訴えなければ、彼らをその気にさせることはできなかったでしょう。「アラーのために戦え」は「X国のために戦え」よりはるかに効果的です。宗教を動機とする戦闘員は、死を恐れないため、戦場でも非常に役に立ちます。この考え方は自爆テロ犯を使用するために不可欠なもので、それがなければ多くの戦闘や戦争に勝利することはなかったでしょう。

私たちはまた、良い兵士を作るためには教化が不可欠であることをサウジアラビアから学びました。そこでCIAはアフガニスタンの子どもたちのために、ジハード、武器、ロシア人への憎しみの概念を紹介する巧妙な教科書を作成しました。(14)

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(それ以来、サウジアラビアは世界中のイスラム学校(マドラサ)に数十億ドルを費やしてきました。これらの学校は、将来の活動家、過激派、戦闘員の温床となっています。サウジ人は世界中で使われている教科書も印刷しています。子どもたちは、「シーア派、キリスト教徒、ユダヤ教徒を殺せ」などの愛に満ちたメッセージを学びます。(15) 世界中のサウジアラビアのモスクや説教師も、過激派のメッセージを広め続けています。)

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アフガニスタン戦争に勝利しようとしていたとき、ムジャヒディン計画は世界の他の地域でも再現できる素晴らしい戦略であることがわかりました。

アルカイダが結成されたのはそのときです。そして、それは完璧なタイミングでした。

ハリバートン社はカスピ海の近くで巨大な石油埋蔵量を発見したばかりでしたが、その周辺の国々はソ連崩壊後もすべて親ロシアでした。(16)

アメリカ国民の知らないところで、ムジャヒディンはボスニア、コソボ、アゼルバイジャン、ウズベキスタン、ダゲスタン、チェチェンなどで1990年代を通じて非常に活発に活動していました。(17) これらの戦闘員は主に三つの目的のために利用されました。

・親ロシア派の独裁者を追い出す
・石油/ガスパイプラインの建設を支援し、米軍基地の受け入れに同意してくれる親西側指導者を設置し、
・ロシアのパイプラインやその他の利益を妨害する

アゼルバイジャンでは簡単にことが進み、1993年に手先になる男を獲得しました。ジョージアは長い時間がかかりましたが、ジョージ・ソロスと彼のカラー革命は、2005年にようやく自分たちの代理人をその国に置くことに成功しました。それから1年も経たないうちに、アゼルバイジャン(カスピ海)、ジョージア、トルコを結ぶ1000マイル(1600キロ)のパイプラインが完成しました!

チェチェンでの成功は不完全でした。彼らはロシアからの独立のために奮闘していたので、多くのサウジのお金と米国の武器を持っていたムジャヒディンを喜んで歓迎しました。短期間のうちに、チェチェンの非暴力的で神秘主義的なスーフィズム*は、サウジアラビアのワッハーブ主義**に引き継がれました。
*イスラム教の神秘主義哲学
**18世紀にアラビア半島内陸のナジュドに起こったイスラム教の改革運動による宗派。サウジアラビアの国教。


アルカイダはロシアのパイプラインを爆破し始めました。ロシアは1994年にチェチェンに侵攻し、戦争に敗れて撤退しました。あの頃はニュースを見るのが楽しかった。しかし、プーチンはその3年後に首相になり、ジハード主義者に対して無慈悲な戦争を行ない、決定的に勝利し、チェチェンに彼自身の強力な指導者を据えました。(18) スーフィズムも最近大きく甦えってきて、チェチェン人は今、ワッハーブ主義とジハード主義を拒否し始めています。(19)

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アルカイダはボスニア、アルバニア、マケドニア、コソボでとても役立ちました。1990年代後半、私たちはでっち上げの告発とNATOの爆撃を使って、セルビアの親ロシア派を排除しました。

ユーラシアの中心部から離れたアフリカ、中東、アジアでは、イスラム過激主義とテロが地政学的変化の触媒として大きな役割を果たしています。

リビア、シリア、イエメン、ソマリアでは、ムスリム同胞団、アルカイダ、サラフィスト(極端で原理主義的なスンニ派に従う人々)に依存しています。

リビアでは、リビア・イスラム戦闘グループ (LIFG) 20と呼ばれるアルカイダ系列組織を活用しました。私たちはそのリーダー (Belhadj) をCIA刑務所から釈放し、彼に素敵なスーツを着せ、ジョン・マケインとの写真撮影を手配し、彼は残忍な独裁者カダフィと戦う自由の戦士になりました!

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シリアでは、アサド政権を倒すために、何万人ものアルカイダ戦闘員が世界中から飛行機で運ばれました。(21) プーチンの邪悪な介入がなければ、シリアを通るカタールのパイプラインができ、イスラエルはゴラン高原で石油を掘削していたでしょう。(22) 本当に悲惨な状況です。

サハラ以南のアフリカでは、ナイジェリアは1億7000万人の人口を擁し、石油や天然資源に恵まれた戦略的な国です。そこで登場するのが、アフリカのISISであるボコ・ハラムです。あらゆる面で非常に成功しています。また、ボコ・ハラムのおかげで、ナイジェリアの半分はシャーリア法*の下にあり、それは人々を支配するための素晴らしい道具となっています。
*イスラム教の経典コーランと預言者ムハンマドの言行(スンナ)を法源とする法律。ムスリムが多数を占める地域・イスラム世界で現行している法律である。イスラム法とも呼ばれる(ウィキペディア)

アジアでは、タイ、インドネシア、フィリピンに勝つ必要があります。彼らがいなければ、アジアの多くを中国に奪われてしまいます。シャリア法とサラフィズムがインドネシアで勢いを増しているのは良い兆候なのです。(23)

フィリピンの狂った指導者ドゥテルテは、ロシアと中国に友好的すぎました。(24) ISIS傘下のアブ・サヤフが十分な問題を起こせば、彼は人気を失い、更迭されるでしょう。彼がISISに反撃すれば、我々は国連で「人権」と「イスラム嫌悪」を叫び、制裁を加えることになるでしょう。

タイはまた、愚かにもロシアと中国の勢力圏に入ろうとしてきました。(25) さて、この平和な仏教国は、南部でスンニ/サラフィストの過激主義者に直面しています。タイの指導者は、観光産業全体が非常に脆弱であることを認識しなければなりません。ジハード主義者による爆弾や攻撃が少しでもあれば、それは深刻な影響を及ぼす可能性があります。

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最後に、ヨーロッパを見てみましょう。テロや犯罪など、大量移民には多くの問題がありますが、すべての危機はチャンスです。これを「問題-反応-解決」と呼ぶ人もいます。

つまり、テロが問題で、恐怖は反応、政府が解決策というわけです。

テロと犯罪は、EUの警察を軍事化し、欧州全体、さらにはEU軍のための「NSA*」を作るチャンスを与えてくれます。難民による財政負担は、緊縮財政を課し、無駄な福祉支出を削減することを可能にします。大量移民はまた、より均質なヨーロッパ社会をもたらすでしょう。今から20年後、フランスとドイツの間に大きな違いはなくなるでしょう。これはEUの管理がずっと容易になることを意味します。
* National Security Agency米国国家安全保障局。国防総省の情報機関。(ウィキペディア)

今後、私たちにとって最大の経済的課題は中国です。しかし、それはアキレス腱を持っています。それは、主にイスラム教徒で構成されている西方の新疆ウイグル自治区です。トルコの助けを借りて、私たちはすでに新疆ウイグル自治区で分離独立を求めるイスラム運動を起こしました。(26) 中国の「一帯一路」構想は、欧州に向かう貨物列車がこの地域を安全に通過することに大きく依存しています。中国が悪事を働き始めたら、新疆ウイグル自治区のムジャヒディンが役に立つことになるでしょう。

私たちが共通の金融、企業、経済、軍事システムの下で、北米と南米をかなりの程度まで統一するのに約60年かかりました。(ベネズエラは変わり者だが、私たちはそれにも取り組んでいます)。欧州、ロシア、中国の統一にはさらに60年かかるかもしれません。そうすれば、私たちは世界全体を統治し究極の新世界秩序を手に入れることができます。国境も壁もない。ひとつの世界。それを実現するために、貿易、金融・軍事援助、クーデター、色彩革命、制裁、戦争など、私たちの矢筒には多くの矢がありますが、イスラム・テロと原理主義は今後も不可欠な役割を果たし続けるでしょう。だからこそ、私たちは彼らを受け入れ、受け入れなければならないのです。

アメリカ帝国の崩壊、今まさに進行中

<記事原文 寺島先生推薦>
AMERICAN EMPIRE IS COLLAPSING IN REAL TIME
筆者:クリス・カンサン(Chris Kanthan)
出典:「ワールド・アフェアーズ」ブログ(world affairs.blog)
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年12月29日


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米国は、数十年にわたって放置されてきた無数の制度的問題に苦しんでいる。これらの風土病的危機のいくつかは、現在では敷物の下に掃き隠すことが難しく、また爆発的で解決困難な問題もすぐそばまで迫ってきている。衝撃的な事実は、この病気が社会の多くの分野―政治、経済、生活基盤施設、医療、外交政策、さらには個人レベルにまでも転移しているということだ。このひどく破壊された国を支えている唯一の接着剤は、米ドルが優先的な世界通貨としての地位にあることだが、それは、多極世界の台頭もあって、暗い未来に直面している。

驚くべきことに、米国では誰もこの自然落下について、その解決策を議論することはおろか、それを認めたり、考えてたりするつもりさえない。その代わりに、人々は非難ゲームに参加する。「民主党のせいだ」 ... 「共和党のせいだ」 ... 「その都市や州のせいだ」 ... 「政府のせいだ」 ... 「企業のせいだ」 ... 「個人のせいだ」 ... 「白人、黒人、メキシコ人、中国のせいだ」 ...といった調子だ。その結果はどうだ? 癌は広がり続け、米国は崩壊しつつあるローマ帝国の末期のように見える。


生活基盤施設

最近ソーシャルメディアで話題になった衝撃的なビデオ映像を紹介しよう。オハイオ州とインディアナ州を結ぶ歪んだ「くにゃくにゃ」線路で、貨物列車が悪戦苦闘している様子が映っている。

グニャグニャ線路
動画(訳註:原サイトでご覧下さい。)
出典:YouTubeビデオ。そして、その4年後の2021年には、同じ線路がYouTubeの動画に。


もちろん、最近の列車事故やオハイオ州での壊滅的な有毒化学物質の漏洩と火災は、このようなインフラ問題がなぜ深刻なのかを思い出させる良いきっかけになるはずだ。流出した化学物質は、非常に危険で発がん性のある塩化ビニルだった。伝えられるところによると、政府関係者と鉄道会社ノーフォーク・サザンの所有者は、後始末に対処するのではなく、単に火をつけることにした。ちなみに、ノーフォーク・サザンは昨年、自社株買いに100億ドルも費やしている! だから、米国の問題として、崩壊しつつあるインフラに、腐敗と企業の貪欲さも加えよう。

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全体として、米国では毎年約1500件の列車事故が発生しており、そのうち1000件以上が脱線している。「貨物鉄道は民間企業の経営だから」という言い訳はいくらでもできるが、誰も問題を解決できない。

これは列車事故の短いライブビデオだ!

脱線列車
動画(訳註:原サイトでご覧下さい。)

電車だけではない。世界で最も豊かな国と言われているアメリカでは、橋、道路、ダム、堤防がすべて崩壊している! アメリカのインフラは主に第二次世界大戦後に構築されたもので、当時のアメリカの政治家は比較的賢く、アメリカのエリートはそれほど寄生的ではなかった。

米国には45,000の構造欠陥橋がある! 起こるのが確実な災害。下の写真は崩れかけた橋の上を走る列車。

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米国では毎日、有害な化学物質の流出、倉庫や工場の火災、大規模な爆発など、悲惨な事故が発生している。アメリカは高齢化し、崩壊しつつある帝国で、庶民とはかけ離れた腐敗したエリートたちによって運営されている。

しかし、それは生活基盤施設に留まらない。アメリカ中の都市や小さな町が崩壊している。デトロイト (下の写真) のように、過去数十年間で人口の60%以上が減少し、「ゴーストシティ」と化した都市は数多くある。そして、アメリカ中の何千もの小さな町は、アメリカが 「偉大」だった1950年に戻ったように見える。そして、犯罪、麻薬、暴力、貧困、腐敗に満ちた陰鬱な都心がアメリカ中に存在する。

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沿岸部の都市を除いて、アメリカ内陸部の大部分は殺風景な様相を呈している。アメリカの脱工業化のおかげで、小さな町には実体経済も雇用もない。希望も変化もない。

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ホームレス、薬物中毒、絶望死

アメリカの脱工業化と略奪的な金融資本主義のおかげで、国民の下半分は低賃金の仕事に追われ、働いていても貧困のままであり、貯金もない。したがって、ホームレスや薬物中毒が増加していることは驚くに値しない。毎年、なんと10万人以上のアメリカ人が薬物の過剰摂取で死んでいる! そして、その数は過去20年間で5倍に増加している。あるいは、死者数はベトナム戦争全体の2倍になる。一部の社会学者は、このアメリカ特有の現象を「絶望の死」と呼んでいる。

次に、米国での違法薬物使用の統計をいくつか紹介する。100万人―ヘロイン、200万人―メタンフェタミン、1000万人―オピオイドの処方箋(!)、4000万人―コカイン。

サンフランシスコ、ニューヨーク、シアトル、ボストン、ポートランド、フィラデルフィア、ニューオーリンズなど、アメリカ各地のホームレスや薬物中毒者の写真を見てみよう。

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動画(訳註:原サイトでご覧下さい。)

アメリカはいろいろな意味で失敗した社会だ。それは経済の衰退、低賃金、搾取の兆候だ。それはまた、1960年代に始まった快楽主義、麻薬文化、極端なフェミニズムから始まった終わりのない社会的思想操作のおかげで、崩壊した家族の兆候でもある。これは、違法薬物を排除する能力のない機能不全の法執行機関か、あるいはさらに悪いことに、アメリカのエリートたちが社会に意図的に薬物を送り込んで弱者を排除し、おそらくCIAが何十年も行なってきたように、薬物取引から利益を得ているかのどちらかの兆候である。


失業、識字、健康、犯罪

アメリカ政府は雇用に関する偽の統計を発表しているが、この衝撃的な統計を考えてみてほしい。失業して仕事を探している壮年期のアメリカ人男性1人に対して、失業しているが仕事を探していない壮年期のアメリカ人男性が4人いる! これらは大恐慌以来最悪の統計だ。

ここで重要なのは、人々が仕事を探していないときは、失業統計に含まれないということだ。したがって、失業者の4/5 (80%) を無視すると、米国は、書類上は素晴らしい国に見える。この方法論がいかに馬鹿げているかを示すために、誰も働かず、誰も仕事を探さなかったらどうなるかを考えてみるとよい。バイデンはまだ「失業率は0%だ!」と言えるのだ。

しかし、これほど愚かな人がいるのに、どうしてアメリカ人は良い仕事に就けるのでしょうか? 意地悪を言って申し訳ないが、成人の半数以上が6年生以下の読み書きしかできないのに、どうして「最高の国」だと誇れるのだろうか。そう、1億3000万人のアメリカ人成人が「機能的非識字*」なのだ。
*会話や簡単な読み書きに関しては問題なく行うことができ、日常生活において登場する一定水準以上の文字・文章に対する適切な発音・音読もできるが、その内容を期待される水準まで正しく理解することができない。結果として、契約書の理解や、書籍・新聞記事の読解が完全にできておらず、社会や政治への参加に支障をきたすことがある。(ウィキペディア参照)

健康に関して言えば、アメリカは肉体的にも精神的にも非常に病んでいる国だ。人口の75%が深刻な体重の問題を抱えており、肥満 (43%)または過体重 (32%)である。

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もちろん、40年前のアメリカはこんな風ではなかった。肥満率が急上昇している。だから、医師は「病的肥満」という新しい言葉を発明しなければならなかった。

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米国は精神疾患大国でもあり、抗うつ薬や向精神薬の使用率が最も高く、合法でありながら乱用されている。10代、10代前半、幼児を含む何千万人もの人々が、脳に作用する巨大製薬会社の薬を服用している。

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なぜこんなことになるのか? 真実はこうだ。「自由」が原因なのではない。それは、巨大製薬会社が売り込んだニセ科学と、エリートたちがアメリカ人に解き放った社会的情報操作の組み合わせのせいだ。

しかし、アメリカ人は何が起こったのか理解できるほど賢くはない。アメリカのエリートたちは、「地球温暖化」や「ロシアの侵略」、「中国の脅威」についての偽の脅威を誇示しながら、自国民を殺害している。それはTikTokや気象観測気球の脅威と同類だ。

アメリカ人は彼らの略奪システムにだまされている。食品会社は、肥満、糖尿病、がん、多くの慢性疾患を引き起こす有毒な食品を販売している。その後、巨大製薬会社は、決して病気を治さない高価な薬を販売し、患者を生涯の消費者に変える。そして健康保険会社は病人が早く死ぬことを願っている。

巨大食品製造メーカー、巨大製薬会社、巨大保険会社が、ブラックロック、フィデリティ、バンガードのような同じ金融支配者によって所有されていることを、アメリカ人は気づいていない。

米国も暴力社会になった。銃乱射事件から日常の暴力まで、人々は人間性を失っている。ソーシャルメディアには、安全であるはずの場所で、アメリカ人同士が暴力を振るう動画が無数に投稿されている。学校、大学、ショッピングモール、レストラン、さらには空港でまでも起こっているのだ。凶悪な国。そして、数十年にわたるフェミニズムと「平等」のおかげで、今では少女や女性も狂った動物のように行動している。

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動画(原サイトでご覧ください。)

そして、人々が店に入って、何気なく棚から物を手に取り、立ち去ることが何度もある。そして、それは貧しい地域だけではない。(裕福な人が多い)パロアルト*のApple Storeでも、店内が混雑していた昼間に強盗が入った。そして、泥棒たちは銃やナイフを使う必要さえなかった。泥棒たちは、中に入って大声を出し、iPhoneやiPadを手に取り、逃げるだけだった。狂った社会の様相を呈している!
*カリフォルニア州の都市で、シリコンバレーの北部端にあり、スタンフォード大学やハイテク企業の本拠地(ウィキペディア)


負債の山、「ドル覇権」の終焉

このような問題があるにもかかわらず、アメリカはなぜか見栄を張り、「地球上で最も偉大な国」とか「例外的な国」という馬鹿げたスローガンを口にする。このような虚勢を張ることができるのは、米ドルが貿易と準備のための世界の優先通貨としての独特で不公平な地位にあるからだ。他の国々、特に発展途上国は、商品、商品、サービスを米ドル(または、時にはユーロ)でしか購入できないため、米国のなすがままになっている。彼らは米ドルを稼ぐために一生懸命働くか、天然資源を安売りしなければならない。そして、中東のような属国は、文字どおり米国に占領されており、石油輸出から米ドルを「リサイクル」することを余儀なくされている。リサイクルとは、米国債(債券)や米国製兵器などの購入を通じて、利益を米国市場に投資することを意味する。

そして、各国が米国に従わない場合、米国の制裁に直面することになるが、これも本質的には世界的な制裁を意味する。つまり、米国は世界に対して「キューバ、北朝鮮、イラン、ベネズエラなどとの貿易はできない。もしそんなことをしたら、米ドルは取得できなくなるぞ」と言っているのだ。例えば、米国は昨年、ロシアのウクライナ進攻後に約3000億ドル(42兆円)のロシア準備金を盗んでいる。

しかし、このマフィアのような計画は終わりに近づいている。何事も永遠には続かない。ポルトガル人、スペイン人、オランダ人、フランス人、イギリス人に、自国の通貨が世界的な地位を獲得した素晴らしい時代について聞いてみるとよい。

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世界準備通貨の歴史:1400年から現在まで

ドルの覇権はズタズタに切られる死に直面している。多くの国がドルから切り離す方法を模索している。これは世界的な革命なので、アメリカがそれを潰すのは簡単ではない。サダム・フセインがユーロで石油を売り始めたとき、彼はすぐに排除された。カダフィが金(きん)を裏付けとするアフリカ通貨の計画を発表したとき、リビアは徹底的に破壊された。

しかし、新たな脱ドル化の取り組みは、ロシア、中国、BRICSなどが主導する世界的な現象だ。電子商取引、テクノロジー、中国の台頭のおかげで、貿易と金融は民主化されつつある。

・人民元(ユアン)の国際化は多くの人が思っている以上に急速に進んでいる。
・昨年は1兆ドル以上が人民元で決済された。中国の貿易の実に15%が人民元ベースで脱ドルになった。オーストラリアやブラジルの鉄鉱石会社でさえ、支払いとして人民元を受け入れている。
・中央銀行幹部の85%が人民元をすでに保有しているか、保有に関心があると答えた。
・数日前、イラクは民間企業が中国製品を輸入し、人民元で支払うことができると発表した!
ロシアの貿易は現在、米ドルをほとんど使用していない。ロシアの輸出はほぼ一定であることを考えてほしい。米国とEUの力では、ロシアを国際的な孤立国にすることはできなかった。
・他の2大石油大国であるイランとベネズエラも、人民元で石油を売っている。
・70カ国以上が2兆円のFOREXポートフォリオ(金融資産)を保有している。
・BRICS連合は、サウジアラビア、UAE、イランを含むように拡大する準備ができている。ロシアを含め、BRICSは石油大国となり、石油元売りへの道を開くだろう。さよなら石油(ペトロ)ドル。また、商品に裏付けられた通貨を作るという話もある。
・米国の同盟国であるインドでさえ、非ドル決済でロシアとUAEから石油を購入している。

二ヶ月前(2022年12月)に習近平がサウジアラビアを訪問したとき、20人のアラブの指導者が彼と会うために飛んできた。なぜ? 中国は最大の顧客であるだけでなく、未来でもあるからだ。そこで習主席は、2025年から人民元で石油を売ることができると伝えた。

これが石油人民元(ペトロユアン)の誕生だ!

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石油人民元の誕生

世界はドルの独占と覇権に終止符を打とうとしている。興味深いことに、米国はドルを武器にすることで自らの終焉を加速させているのだ。

また、多くの国が通貨スワップ協定を利用して現地通貨での取引を開始している。食料は石油、医薬品は天然ガスといった物々交換システムもある。アラブやアフリカの一部の国は、生活基盤施設の建設と引き換えに中国に石油を売っている!

欧米の金融専門家は、中国の人民元は自由変動通貨ではないため、ドルに取って代わることはできないと叫んでいる。これらの愚か者に欠けているのは、中国人民元は世界貿易通貨でありながら、準備通貨ではないということだ。いったいどうするのか? 中国は人民元とドルの組み合わせで輸入代金を支払い、輸出国は人民元を使って中国製品を買う、ということだ! このシナリオでは、人民元は中国に戻ってきて、相手国は余分な人民元を保持する必要はない。下の図を見てほしい。

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上の例では、取引におけるドルの使用量は2/3減少している。これは米ドルの価値と米国の地政学的影響力に大きな影響を与えるだろう。

米ドルが覇権を失うとどうなるか? アメリカ人にとって悪いニュースがある。

・米ドルの価値が下がる
・インフレが起こり輸入品の価格が上昇する
・金利と住宅ローン金利が上昇する
・米政府はこれまでのように何兆ドルもの借金をすることはできず、緊縮政策を取ることになる。

ドル安を増幅させるもう一つの要因がある。債務だ。すでに32兆ドルに達しており、これは米国のGDPの120%、インドのGDPの10倍に相当する。そして、借金には利息の支払いがある。2023年には、米国の債務に対する年間利子支払額は8000億ドルを超えるだろう。

政府に債務返済のための資金がなければ、ドルを印刷するか、増税して支出を削減する必要がある。1つ目は、通貨切り下げとインフレにつながる。2番目の2つの選択は、大規模な市民/政治的不安につながるだろう。これは、反応反作用(フィードバック)による結果増幅(ループ)で起きる危機の加速度的激化(スパイラル)だ。


アメリカ帝国の末期(まつご)

ドルが弱くなり、ますます意味をなさなくなれば、アメリカの影響力は世界的に縮小するだろう。まず、米国は海外の軍事基地の多くを閉鎖したり、軍事費を削減したりせざるを得なくなる。米国の制裁の脅威がなければ、イラン、ロシア、北朝鮮、ベネズエラのような米国のかつての敵は繁栄するだろう。そして、彼らも復讐をしようとする。おそらく、海外の米軍は攻撃を受けるだろう。もしかしたらアメリカ企業への制裁があるかもしれない。想像してみてほしい。スタンダード・アンド・プアーズ社*発表の500社株価平均の半分は海外から出ているのだ。
*Standard & Poor's Corporation。アメリカの金融情報サービス会社。証券格付、投資顧問を行う。(英辞郎)

国内では厳しい緊縮財政が行われ、政府支出の削減につながる。社会保障、フードスタンプのような福祉プログラム、医療扶助、インフラ支出などは、厳しい削減に直面するだろう。今のアメリカで犯罪や暴力が悪いと思っている人は、まだ何も見えていない。

アメリカが問題を解決できるわけがない。アメリカ帝国にとって唯一の希望は、他の国々、特にヨーロッパ、ロシア、中国——世界の他の3大大国——を倒すことだからだ。これが、アメリカが決死の覚悟でウクライナ戦争を始めた理由だ。しかし、なかなかうまくいかない。米国は、米国と欧州という「国際社会」が北朝鮮と同じようにロシアに制裁を加えれば、ロシア経済が崩壊すると考えた。西側諸国は非常に失望したが、国民の80%以上が住んでいるグローバル・サウスは、もはやアメリカの独断専行を気にしていないことに気づくことになった。

アメリカはタリバンに勝てなかったし、ロシアにも勝てないだろう。ウクライナでの不必要な戦争は、アメリカの無力さを示しているだけだ。米国は腰が引けていて、ロシアと1対1の戦争を始めたり、ウクライナに強力なミサイルを供給したりすることはとてもできない。それ以上に不吉なのは、アメリカの製造能力があまりにも空洞化しており、ウクライナが必要とする基本的な弾薬を供給できないという事実である。

もう1つの地政学的競争相手である中国については、米国は中国を跪(ひざまづ)かせようとする「ターニャ・ハーディング戦略」しか持っていない。米国の対中メッセージも機能不全に陥っている。月曜日、アメリカは中国が崩壊すると喜びの声を上げ、ピーター・ザイハンのような人々がコピウム*を広めている。火曜日、アメリカは中国がアメリカの覇権と世界にとって最大の脅威であると叫んでいる。水曜日、米国は、中国は安価でローテクで低品質の製品しか作れないと主張している。木曜日、アメリカは中国のテック企業532社に制裁を科す。これは紛れもなく、純粋な精神異常と統合失調症だ。
*「cope(対処)」と「opium(阿片)」を組み合わせた造語。失敗を乗り切るために一種の「対処薬」や「アヘン」に頼っていることを示唆する言葉

アメリカには解決策がない。映画「イディアクラシー」*のような社会だが、深く二極化して暴力的な社会でもある。政治家は腐敗していて愚かで、当然のことながら、略奪的で不正な金融資本主義は大衆から血を吸うことによって生き残る。隠れた支配層は、制御不能の不安定(バブル)な集団思考から抜け出せず、いまだに世界支配を夢想している。
*2006年、米国映画。賢い者が子作りを控える一方で、知能の低い人間が野放図に子供を作り続けた結果、平均IQが低下し堕落した社会を描いた作品。(ウィキペディア参照)

しかし、現実には、協力、接続性、健全な競争が成長と繁栄の鍵となる多極化の世界に突入している。

アメリカ帝国は崩壊するだろうが、国家としてのアメリカがすぐに崩壊するとは思わない。しかし、今後10年間、このゾンビ国家は多くの悲惨さと混乱に見舞われることになるだろう。

ラムゼー・クラーク米国元司法長官からオバマ大統領への書簡(2014年11月):ウクライナでの戦争を止めよ!米露間の「平和的共存」が答えだ。

<記事原文 寺島先生推薦>
Ramsey Clark to Barack Obama: Stop the War in Ukraine! "Peaceful Coexistence" between Russia and America is the Answer
2014年11月の公開書簡:オバマ大統領、マケイン上院議員、ケリー国務長官、潘基文国連事務総長、米国議会議員、メディア関係者へ
出典:Global Reseach   2023年4月18日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年12月22日


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ラムゼー・クラークは2021年4月に死去した。
彼の遺産は永遠に生き続けるだろう。
彼は半世紀以上にわたって反戦活動家たちに刺激を与え続けてきた。
私たちはラムゼー・クラークに思いを寄せている。私は、1999年、ユーゴスラビアに対するアメリカとNATOの空爆作戦のさなかにニューヨークで初めて彼に会った。
ラムゼーは、ウクライナにおける全面戦争の危険性を十分に認識していた。
以下は、ラムゼー・クラークが2014年11月にオバマ大統領らに宛てた公開書簡で、ロシア国境への米軍・NATO軍の展開を非難している。
ラムゼー・クラークは先見の明をもって、現在起きていることを予測していた。

「ウクライナへの米国の大規模な介入と、ロシアを包囲し孤立させるための増大し続ける作戦は終わらせなければならない。よって、私は要求する。

1. 米国政府とそのすべての公式機関、秘密機関、公的機関、非公式機関が、ウクライナへのあらゆる形態の介入を直ちに停止すること。その中には、ウクライナ国内のファシスト組織や右翼組織に対するすべての物質的・政治的援助の停止が含まれる。
2. ロシア連邦に対するすべての制裁と制裁の脅しをやめること。制裁は戦争行為だからだ。
3. 米軍を東欧地域から直ちに撤退させ、NATOのロシアに対する拡張と挑発的行動を終わらせること。」

米露間の 「平和的共存」が答えだ。

ミシェル・チョスドフスキー
グローバル・リサーチ、2021年4月11日、2023年4月18日

***

オバマ大統領、マケイン上院議員、ケリー国務長官、国連潘事務総長、国会議員、メディアの皆様へ

米国の圧倒的多数の国民は、再び悲惨な戦争に引きずり込まれることに反対している。米国とNATOの軍隊がロシアの国境を越えて移動することほど危険なことはない。

クラーク 2枚目

米国の駆逐艦を黒海とバルト海に派遣し、東ヨーロッパで米国とNATOの戦争ゲームと軍隊の動きで脅かす計画を立て、ロシア連邦に制裁を課すことは、世界規模の平和への脅威である。私たちは、過去の、そして現在も続いているアメリカの戦争の代償を目の当たりにしてきた。それは、軍事企業を豊かにする一方で、対象となる国々や、ここアメリカの貧しい人々や労働者を困窮させるものだ。

米国がウクライナのファシスト勢力に長年にわたって資金を提供し、ウクライナをNATO加盟国に引き込むために、選挙で選ばれた政府[ヤヌコーヴィチ政権]を転覆させ、権力を掌握し、極右グループを警察、軍隊、国家警備隊のトップに任命したキエフの政府を承認したことは、ウクライナ国民の権利を完全に否定することに米国が加担していることを意味する。また、この地域全体に対する挑発行為でもある。

このクーデター政権に憤慨した東ウクライナと南ウクライナの人々は、違法な政権に抵抗しようとし、ドネツク人民共和国の独立を宣言し、住民投票を呼びかけている。これに対し、右派クーデター政府は、軍やその他のファシストたちにウクライナ国民を恐怖に陥れることを許している。最近の事件では、5月2日にオデッサ市で、キエフ政府に忠誠を誓うファシスト武装勢力が労働組合ビルに火を放ち、約40人が虐殺された。さらに、5月2日から3日にかけてのウクライナ軍による攻撃で、ドネツク州のスラビャンスクとクラマトルスクで23人が殺害された。

ウクライナの警察官や軍人が大量に脱走したにもかかわらず、ウクライナ南東部の活動家に対するいわゆる「反テロ」作戦は、米政府高官によるキエフ訪問の直後に開始された。ワシントンは、ウクライナの「政権交代」を実現するために50億ドルを費やし、スヴォボダ、祖国、右派セクトクターのようなファシスト、人種差別主義者、反ユダヤ主義者が支配する政権を誕生させる手助けをした。一方、アメリカは不法なクーデター政権に100億ドルもの融資を約束し、ワシントンは国際通貨基金(IMF)から170億ドルの援助と緊急総合対策を確保するために尽力した。

ウクライナへの米国の大規模な介入と、ロシアを包囲し孤立させるための増大し続ける作戦は終わらせなければならない。よって、私は要求する。

1. 米国政府とそのすべての公式機関、秘密機関、公的機関、非公式機関が、ウクライナへのあらゆる形態の介入を直ちに停止すること。その中には、ウクライナ国内のファシスト組織や右翼組織に対するすべての物質的・政治的援助の停止が含まれる。
2. ロシア連邦に対するすべての制裁と制裁の脅しをやめること。制裁は戦争行為だからだ。
3. 米軍を東欧地域から直ちに撤退させ、NATOのロシアに対する拡張と挑発的行動を終わらせること。

悲劇的なことに、アメリカもEUも、フランス、ドイツ、ポーランドの外相が仲介した2月21日のマイダン連合とヤヌコービッチ政権との妥協合意(訳注)に従わなかった。アメリカ政府は、平和、合法性、穏健さの推進者としての西側民主主義国家の名誉を守らなければならない。戦争の地獄が始まる前に、2月21日合意に立ち戻るのだ!

訳注)ヤヌコーヴィチ大統領は(2014年)2月21日に野党指導者との妥協案(ウクライナ政治危機の解決に関する合意(英語版))に署名し、改憲を約束した。また、12月に早期選挙を開催するよう呼びかけている。(ウイッキペディア)

敬具

ラムゼー・クラーク

元米国司法長官
国際行動センター(International Action Center)創設者
ニューヨーク

議員に成り立てのJ.D.バンス上院議員がウクライナ支援とイスラエル支援についての「痛ましい真実」を議会で訴えた

<記事原文 寺島先生推薦>
US senator speaks painful truth on Ukraine and Israel aid
J.D.バンス議員、米国の他国の戦争への介入にかけられたカーテンを引き上げ、何百万もの人々を犠牲にし、米国を弱らせることにしかなっていない、と批判
筆者:トニー・コックス(Tony Cox) 
米国のジャーナリストであり、ブルームバーグ紙など、いくつかの主要日刊紙での執筆や編集の経歴あり。
出典:RT 2023年11月9日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>2023年12月2日



ワシントンで今月初旬、記者らに話をしているJ.D.バンス米上院議員© Tom Williams/CQ-Roll Call, Inc via Getty Images


 オハイオ州選出の議員なりたての米国上院議員が、これまで米国議会で発言された中でもっとも強力な演説のひとつをおこなった。その内容は、米国政府の対ウクライナ政策の不誠実さと米国が世界中でおこなった何十年にもわたる軍事介入がもたらした悲惨な結果について曝露するものだった。

 それゆえに、J.D.バンスの発言が他の国会議員たちからは総じて非難され、無視されたのは何の不思議もない。その中には、同じ共和党員たちや伝統ある各報道機関も含まれていた。バンス議員が演説の最後で認めたとおり、米国政府には、米国の海外政策の失政を真摯に受け止めようという気持ちなど存在しないのだ。「本当の討論をしましょう。そんな討論はここ30年間まったくなかったのですから」とバンス議員は述べた。

 火曜日(11月7日)の上院において、バンス議員は、イスラエルに対する106億ドル(約1兆6千億円)の軍事支援を認める法律を支持する、と主張した。これは、ジョー・バイデン大統領が先月発表した緊急歳出法案で、614億ドルのウクライナ追加資金にイスラエルの支援を組み合わせるという提案に反対するものだった。民主党員及び共和党の新保守主義者たちは、バイデン大統領の1060億ドル(約16兆円)の予算案では、ロシアと戦うためのウクライナ支援とハマスと戦うためのイスラエル支援を、別々に採決するのではなく、一括して行わなければならないと主張している。


Read more: No American money left for Ukraine – USAID

 バンス議員が正しく指摘したとおり、明らかなことは、バイデンの無原則なウクライナ政策を支援する人々は、広く支持されているイスラエルへの支援にかこつけて、どんどん人気がなくなっているウクライナへの資金援助を推し進めようとしている。「私と同じあまりにも多くの数の議員がこの予算案を撤回させたいと考えています。というのも、この予算案はイスラエルを大統領のウクライナ政策の隠れ蓑にしようというものだからです。しかし、大統領のウクライナ政策は、イスラエル政策もまったくそうなのですが、討議すべき問題なのです。話をすべきなのです。損失と利益を分けて考え、それぞれ別々の政策として分析すべきです。そうすることが米国民に対して果たすべき義務なのですから」とバンス議員は述べた。

 バイデンの対ウクライナ政策に関する根本的な疑問は、旧ソ連圏のこの共和国における米国政府の本質的な戦略も含めて、これまで言及されてこなかった、とバンス議員は主張した。同議員によると、米国民が総じて伝えられてきたのは、その目的はロシアをすべてのウクライナ領内から追い出すことだ、とのことだったが、それには住民投票の結果、圧倒的多数でウクライナからの分離独立を決め、ロシアへの編入をきめた地域までもが含まれている、とした。

 「しかし、個人的に大統領自身の政権内の人々と話をすれば、それは戦略的に不可能であることを認めます。大統領の政権内の合理的に考えられる人の中で、ロシアをウクライナ領地から数インチでも追い出すことが可能だと考えている人はいません。だからこそ、ウクライナに対して、永久に無限に支援を続けるべきだとの多くの主張を、人々は正当化できないのです。というのも、このことに関する議論が誠実ではないからです」とバンス議員は述べた。

議会が米国民に真実を伝えない理由は、もしそうすれば、ウクライナへの終わることのない資金援助をもはや国民が支持しなくなることを分かっているからです。

 同上院議員はさらに、米国民はいまだに、ウクライナにいつまで資金援助し、米国政府が、いかに援助した資金が盗まれていないことを確証するかについての答えをもらっていない、とも指摘した。「2000億ドル(約32兆円)近いお金を費やしているという事実をきちんと監視しているでしょうか?さらにこの補正予算案が通れば、2000億ドルが世界で最も政府が腐敗している国のひとつに使われることになるのですよ」と同議員は問いかけた。「私たちが用途をきめたお金がすべてきちんとそのとおりに使われているか、適切に確認できているでしょうか?もちろんその答えは、バツです。というのも、これまで本当の意味での議論がこの議会の場で持たれて来なかったからです。私が思うに、米国民から、我々議員は恥ずかしく思われてしかるべきです。」


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 もちろんバンス議員の訴えは、聞く耳を持たない人々には届かなかった。火曜日(11月7日)、イスラエルだけに対する支援法案を棄却し、ウクライナと併せた支援計画の方向性を追求する審議の継続を決めた。現在私たちに伝えられている話は、ウクライナが米国民の血税による支援を受けなければ、とんでもないことになる、というものだ。米国国際開発庁 (USAID) が水曜日(11月6日)に議会に対して警告を発したが、その内容は、ウクライナに対する資金提供を国会が承認しなければ、ウクライナの経済は崩壊する、というものだった。

 ところで、USAIDという米国組織は、米国政府が、人道的支援という影に隠れて、他国の政権転覆工作を援助するために利用している組織だ。代表はサマンサ・パワーだが、この人物こそ2014年の国連米国大使時代に、ウクライナ政府による分離主義者に対する厳しい取り締まりを擁護した人物だ。これらの分離主義者は、選挙で選ばれた政府を転覆させた、米国が支援した政変に反対していた人々だった。

 言い換えれば、米国のこれまでの介入戦略が、こんにちのウクライナ危機の呼び水になっている、ということだ。ただし、このウクライナの事例は、米国政府が世界中で意図的に紛争の引き金をひく支援をしていた事例のひとつに過ぎない。一例をあげれば、ウクライナをNATOに加盟させようという米国の目論見は、明らかに超えてはならない一線に踏み込むものだった。ロシア政府が、ウクライナが西側の軍事機構に加盟することを戦争を起こすことなしに許さないことは、承知していたはずだった。


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 バイデンとNATOの従属諸国は、ロシア軍が国境を越えて侵攻するのを阻止できただろう。また、紛争開始後の数週間で、戦争を終わらせることもできただろう。ウクライナをNATOに加盟させないことにすれば、そうできたのだ。 そうならなかったのは、西側連合が紛争の激化をあからさまに望んでいたからだ。

 ミット・ロムニー共和党上院議員やダン・クレンショー共和党上院議員など、この代理戦争を支持している人々は、ウクライナでの紛争が、米国に被害を与えない形で、ロシア軍を弱体化させるという、米国にとっての好機になるという事実をあからさまに歓迎していた。

 この紛争が実際はロシアを弱くするのではなく、強くしてしまった事実があるなかで、こんな吸血鬼のような考え方には憤りを感じる。ウクライナとともにあり、自由と民主主義をまもるべきだ(実のところ、ウクライナには自由も民主主義も存在しないのだが)、と人々を説き伏せてきたのと同じ人々が、何十万人ものウクライナ国民を殺すことで、自分たちの地政学的利益を得ているのだ。

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 昨年までは一度も選挙に出馬した体験のなかった39歳の投機資本家であるバンス議員が指摘したのは、ウクライナでの大失敗は、これまで米国の長年の対外政策の大失敗の最新例の一つに過ぎない、という点だった。しかもこれらの政策は民主党も共和党も支持してきたのだ。「この30年間、米国政府は2大政党制のもとで培ってきた知恵のもとで、対外政策をとってきましたが、その対外政策の結果、我が国は1兆7千億ドル(約250兆円)の赤字を抱え、戦争に次ぐ戦争にさいなまれ、何千もの米国民を亡くし、何百万もの他国民を殺してきましたが、結局我が国が戦略的に強くなることにはつながっていません」。

 さらにバンス議員は、「私たちは、この30年における我が国の二大政党下の外交政策の常識が大きな間違いであったことを認めるべきなのです。ほんとうに我が国にとっての大惨事でした。亡くなった我が国の海兵隊や陸軍兵、海軍乗組員、空軍兵らにとっての大惨事でした。さらに我が国の財政にとっても大惨事でした。それだけではなく、全世界にとっても大惨事でした」と述べた。

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 バンス議員や私たちにとって残念なことに、このような教訓は米国政府のお品書きには記載されていない。

サンフランシスコの黙示録的な地獄絵図がTikTokの動画で話題に―逼迫した国内問題を蔑(ないがし)ろにして、他国の戦争に金を出すバイデン政権

<記事原文 寺島先生推薦>San Francisco's Post-Apocalyptic Hellscape Is on Full Display in This Viral TikTok Video
筆者:ジョン・デル・アロズ(Jon Del Arroz)サイト vPJMedia.comより
出典:ゼロ・ヘッジ 2023年11月9日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年11月26日


サンフランシスコはかつては世界で最も美しい都市のひとつだった。

 フィッシャーマンズ・ウォーフからゴールデンゲート・ブリッジまで、この街には活気ある文化を含め、あらゆるものがあった。近年、この優雅な街は、犯罪、野宿生活者、薬物使用、路上での糞尿の横行など、黙示録後のような地獄絵図へと堕落した。



 最近バズったTikTokの動画は、世界中の視聴者を恐怖に陥れ、この街がいかにひどい状態になっているかを示している。

 950ドル以下の万引き事件には警察が対応しないというこの都市の不条理な政策により、犯罪がひどくなり、大手小売店は撤退し、小売店も閉店している。犯罪者はこの政策を上手く利用して、ほとんど手筈を整えることなしでおこなう、押し込み強盗が増えている。

 サンフランシスコ・クロニクル紙は、複数の地域における今年に閉鎖の波を受けた小売業店舗の地図を発表した。ターゲット社、CVS社、スターバックスなどだ。仕事場所についても同様のことが生じており、COVID後に在宅勤務環境が整ったこともあって、企業にとっては従業員を職場に来させる利点よりも、このようにサンフランシスコが荒れ果てた状況の中、従業員を職場に来させる危険性の方を重視しつつある。

 「以前は1平方フィート(約93平方センチメートル)あたり6ドル(約900円)の家賃をもらっていたのに、今はゼロだ」とサンフランシスコのあるビル所有者はPJメディアの取材に語った。

 アカウント名freqmeekという人が投稿した、バズったこのTikTokの動画は、危険なテンダーロイン地区の光景を映し出している。

 「カリフォルニア州サンフランシスコ市テンダローイン地区で、私たちは毎日仕事に行くだけでこんな不安に直面させられています。とんでもないことですし、精神的にやられます…こんな何が起こってもおかしくない危険にさらされている状況下なのですから」とfreqmeekは字幕に記している。

 警察の光が点滅し、路上にゴミが散乱し、出入り口には野宿生活者の野営地があり、怪しげな人々がそこらじゅうをうろついている様子が映像に映し出されている。

 この光景は、ガザのような紛争地帯で見られるものであり、カリフォルニアの最も裕福な地域の中心にあるリベラルな米国の砦で見られるものではない。

 このティックトッカーは、シャツが半分破れた猫背の男性や、おそらく薬漬けの人々の横を通り過ぎ、以下のような記述を残して、疑問を呈している。

@freqmeek

San Francisco Tenderloin Area Effects of The Fentanyl Crisis and The People Affected By This Epidemic. Where is our protection ? There are so many concerns and protections in place for drug users and homeless people but what about the working class that have to pray that they make it to and from work in this environment. These are real dangers faced every single day just to be able to provide for your family . They got money for war but can’t feed the poor. These elected officials both republican and democrats continue to fail the people. No humanity.. We have a crisis right here in our backyard and we’re funding wars in other countries .. #fyp #communityleader #dreamkeeper #sf #mayorlondonbreed #govgavinnewsom #fentanylkills #fentanylcrisis #opiobsessed #anxiety #relief #mentalhealth #mentalhealthawareness #homeless #community #change #addiction #protect #humanity #safety #cityofsf #49ers #gsw #gswarriors #tragedy #crisis #epidemic #warondrugsfailure #electedofficials #sfblogger #culture #lifeinsf #mentalhealthmatters #accesstohealthcare #shaderoom #hollywood #joebiden #kamalaharris #sfpd #help #humanity #failedgovernment #politics

♬ original sound - FreqMeek


 「私たちの生活を守ってくれる手立てはどこにあるのでしょう? 薬物依存者や野宿生活者たちを心配し、守ってくれるところはたくさんあるというのに。こんな環境の中、無事であるよう祈る気持ちで職場に行き来している、労働者階級の人々に対する配慮はどうなっているのでしょうか? 毎日毎日こんな危険な目にあいながらも、家族を養うために通勤し続けているのです。戦争に使うお金はあるのに、貧しき自国民を養うお金はないのでしょうか?

 選挙で選ばれた民主党や共和党の議員たちは、人々の暮らしにずっと応えられないままです。人間の心がないのでしょうか。自分の国の中で、国民が危機に瀕しているのに、複数の外国の戦争のために税金が使われているなんて」

 この動画が投稿されたのは、ジョー・バイデンがウクライナやイスラエルなどの外国に1050億ドル(約15兆7千億円)の軍事支援をおこなうことを国民に依頼した直後のことだった。米国大統領は、サンフランシスコなど米国諸都市で起こっている危機について触れることはなく、恐怖におののく米国市民にいたわりの言葉をかけ、何らかの解決策を提示することもなかった。小売業者だけがサンフランシスコを見捨てているわけではない。記録的な数の住民たちも、この都市から脱出している。

 カリフォルニア州ギャビン・ニューサ厶知事のような政治家たちが、こんな状況になっても目を覚まさないで、緊急事態宣言を発令しないのは理解できない。いまこそそんな状況にあるのは、この動画を見れば一目瞭然なのに。

習近平との首脳会談で証明してみせたバイデンの無能さ

<記事原文 寺島先生推薦>
How Biden proved his incompetence at Xi summit
米国務長官さえ、バイデンの発言に憤慨
筆者:ブラッドリー・ブランケンシップ(Bradley Blankenship)
米国のジャーナリスト・コラム二スト・政治専門家
出典:RT   2023年11月18日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年11月24日



2023年11月16日木曜日、サンフランシスコで開催されたアジア太平洋経済協力サミットの非公開対話とワーキング・ランチに出席したジョー・バイデン大統領。© AP Photo / Godofredo A. Vásquez


 最近、当時のアルカイダ指導者であったウサマ・ビン・ラディンが2002年に発表した「米国民への手紙」がTikTokで拡散された。若い米国民らが、この手紙を再発見したようだが、この手紙を見て、明らかに米国に幻滅したようだ。その理由は、ビン・ラディンが米国について、鋭い見解を持っていたからだと思われる。少なくとも一部の若者にはそう見えているようだ。
 
 もちろん、ビン・ラディンは非常に教養のある人物であっただけでなく、かなりの量の手紙を書いていたことが判明した。中国を拠点とするソーシャル・メディア上で大きな影響力をもつダニエル・ダンブリルは、X(旧ツイッター)の閲覧者にビン・ラディンの他の手紙のひとつを紹介した。そこには、ジョー・バイデン現米国大統領について具体的に触れており、米国転覆を狙うテロリスト集団の指導者であるラディンが、バラク・オバマ大統領よりもバイデン副大統領(当時)を好んだ理由が書かれていた。

 ビン・ラディンが記していた内容は以下のとおり。「私はシェイク・サイード(彼にアッラーの慈悲がありますように)に、ひとつはパキスタン、もうひとつはアフガニスタンのバグラム近辺で2つの軍事集団を組織するよう、イリヤス(カシミール)兄弟に依頼した。この2つの組織には、オバマやペトレイアス(元CIA長官)がアフガニスタンやパキスタンを訪問する際の偵察と、その後に彼らが乗る飛行機を標的にする任務が課せられていた」。


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 「ただし、ジョー・バイデン(副大統領)、ゲイツ(国防長官)、マレン(参謀総長)、ホルブルック(オバマのアフガニスタン・パキスタン特使)の到着の知らせを受けた場合は、この4人のいずれも標的にしてはならない。標的は、オバマとペトレイアスに絞らなければならない。特にオバマを標的にする理由は、オバマが誰よりも信じ難い人物であることと、オバマが暗殺されればバイデンが残りの大統領任期を任されることになるからである。バイデンにはこの役職を引き受けられるような能力がまったくなく、バイデンが権力を握れば、アメリカは深い危機に追い込まれることが予想されるからだ」とこの書簡は結んでいる(強調は筆者)。

 「アドルフ・ヒトラーが「空は青い」と言ったなら、私はヒトラーに同意するだろう」という古い格言を思い出す。ヒトラーに同意しようがしまいが、米国の死を願おうが願うまいが、ラディンがこの書簡で述べたことが真実であることは否定できない。最近アメリカで行われたバイデンと中国の習近平国家主席との会談は、実際にこのことを世界中の聴衆の前で実証した。

 記者会見でバイデンはまず、ガザでパレスチナの軍事組織ハマスが拘束しているイスラエル人人質に関する現在進行中の秘密交渉についてベラベラしゃべった。バイデンは、この交渉はカタールが仲介しているようだと述べたが、それ以上は踏み込まなかった。というのも、アントニー・ブリンケン国務長官が首を横に振って、バイデンにそれ以上話さないよう懇願したからだ。さらに、一人の記者がバイデンに「習近平は独裁者だ」という以前バイデンがおこなった発言をいまでも支持しているかと尋ね、それに対してバイデンは、そうだ、と答えた。この発言の後、ブリンケンはカメラの前で明らかに顔をゆがめた。



 アントニー・ブリンケンは並外れた外交官ではないし、大学時代に一度だけヨーロッパに海外旅行して「文化的」になって帰ってきた金持ちの子どものような雰囲気を持っているが、ブリンケンの憤慨は事実上、すべての外交政策の専門家やコメンテーターの憤慨を集めたようなものだったといえる。外国からの来賓、しかも、超大国として世界の先頭を走っている国であり、長くても10年以内には米国をはるかに凌駕するであろう国の国家主席を面と向かって侮辱するのは、まさに愚かな行為だ。このような振る舞いを表現する言葉は他にない。
 
 しかし、これは今回の会議のより本質的な成果を示すものでもある。中国の報道関係者のなかには楽観的な人もいるし、実際、中国の国営報道機関は明るく希望に満ちた論説で溢れているが、そのような見方は明らかに現実離れしている。米中はもっと慎重に関係を管理し、競争よりも協力を求めるべきだ。しかし、そのような希望的観測は現実には通用しない。現在、米中関係は非常に悪化しており、そうでないと考えるのは甘い考えだ。

 東アジア担当の元米国情報当局者ポール・ヒアは、『ナショナル・インタレスト』誌の最近の寄稿で、この会談の結果を完璧に表現している。基本的に、これは会談に関するそれぞれの報告書を読めば明らかだが、アメリカは習近平の「連帯と協力を強化し、手を携えて世界の課題に対処し、世界の安全と繁栄を促進する」(中国側の報告書からの引用)という非常に寛大な申し出を、「何よりもまず『米中は競争関係にある』ことを強調する」ことによって拒否したのだ。

 ヒア氏は、結束よりも分裂に焦点を当てたバイデンは「主に国内の政治的聴衆、特に議会での批判者たちに向けて、中国に厳しく臨む用意があることを示そうとした」と指摘した。いっぽう、習近平のサンフランシスコでの動きについては、「主に世界の人々に向けられているように見えた。習近平は人々に、米国側の対立的な立ち振る舞い対して、中国側は合理的で協力的に対応する用意があることを示そうとした」と評した。


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 ヒア氏はさらに、習近平は、「米中関係を主に競争的なものとすることに中国側が長年反対してきたことを繰り返し指摘し、それでは両国と世界が直面している問題を解決できないと主張した」と、非常に詳しい意見を述べている。ヒア氏の結論は、「緊張と不信の根底にある核心的な原因について対処がされず、和解を阻む根本的な政治的、構造的、歴史的障害はそのまま残っている......。双方が相互融和の危険性と責任を引き受けることを望まない、あるいは引き受ける用意がない限り、両国関係の進展は止まるだろう」というものだった。

 確かに、私はヒア氏の意見に概ね同意する。しかし、明らかな事実は、米国がドナルド・トランプとジョー・バイデンというまったく無能な国家元首を大統領としてほぼ2期も擁立してしまったことだ。この2人は自分が何をしているのか分かっておらず、外交における米国の国益にとって極めて危険だ。そして、このことはみなが承知している事実なのだ。しかし、それは政治家個人の性格の問題として片付けられるものではなく、むしろこの厳格さと才能の欠如は、世界の主要国としての米国の全般的、全体的な衰退を象徴している現象だと言える。

 一言で言えば、米国はおそらく本質的には、かつて偉大だった国家になりさがり、影響力と富を大量に残しているが、冷酷なまでに利己的な財閥らによって疲弊させられている、ということだ。国益のためであろうとなかろうと、実際に決断を下すのはこれらの財閥であり、誰が大統領になるかを事実上決定するのも彼らなのだ。当然のことながら、習主席がサンフランシスコで自分の周りに居させたのはこうした財閥たちであり、それは習主席が彼らが最も重要であることを知っているからだ。そしてこれらの財閥たちからスタンディング・オベーションを受けながら話している習主席の様子をジーナ・レモンド米商務長官は悔しがって見ていた。

 しかし、念頭に置くべきことは、これらの財閥たちが、トランプ(最初だけだが)やバイデンを支持した理由は、逆説的な言い方だが、2人の無能さのためである、という事実だ。減税以外何もせず、米国の影響力を効果的に海外に及ぼすような有能な政府こそ、これら既得権者らの利益にとって最も有害なものである。とはいえ、あまり能力のない者が指導者の座に就くようなこのような政治体制は、根本的に持続不可能である。このような体制のせいで、政治的指導者層の共食いを招き、この10年間でアメリカの力が急速に低下したのだ―だからこそ、バイデンのような大うつけものでさえ、大統領執務室の近くで働けているのだ。

サンフランシスコは抱えている大問題を解決する準備をした―アメリカ人ではなく、習近平のために

<記事原文 寺島先生推薦>
San Francisco was ready to fix its main problem – not for Americans, but for Xi Jinping
主要な国際サミットを前に、ホームレスの人々がゴールデンシティの通りから突然に姿を消した
筆者:ロバート・ブリッジ(Robert Bridge)
アメリカの作家、ジャーナリスト。著書に『アメリカ帝国の真夜中―企業とそれに従属する政治的召使いはどのようにしてアメリカン・ドリームを破壊したか』がある。
出典:2023年11月14日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年11月24日


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2023年11月11日、カリフォルニア州サンフランシスコのダウンタウンにあるAPEC首脳会議本部近くのゴールデン・ゲート・ブリッジの壁画に向かって横たわるホームレス©ローレン・エリオット/AFP


今週、カリフォルニア州第4の大都市の住民は、路上にホームレスの野営地、麻薬中毒者、ポン引き、売人がいないことに驚いた。彼らが寝ている間に政治革命が起こったのか、それとも何か別のことが起こっているのか。

サンフランシスコの住民がようやく毎朝の人尿の悪臭に慣れてきた頃、現状をひっくり返そうとする清掃員が現れた。有権者の税金がようやく有効に使われ始めたということだろうか。はてさて、その真実はいかに? アジア太平洋経済協力会議 (APEC)首脳会議(11月14~16日)の開催地である民主党支持のこの都市は、世界の視線からその怪しげな側面を隠すために大きく前進した。この古いトリックは以前にも試されたことがある。

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1787年、ロシアがオスマン帝国との戦争の危機に瀕していた頃のことだが、ロシア皇后エカテリーナ二世と各国の大使はノヴォロシーヤに長期の遠征を行なった。この旅の主な目的の一つは、戦闘が始まる前にロシアの同盟国に好印象を与えることだった。そのために、ロシアの軍事指導者で政治家のグリゴリー・ポチョムキンは、ドニエプル川のほとりに「移動村」を建設したという歴史的な逸話がある。皇后と宮廷を乗せた船が現れると、ポチョムキンの手下たちは、十分な食事をとっている幸福で農民になりすまして、即席の村に住んだ。船が通過した後、村のセットは全てすぐに解体され、さらに下流に再建された。ということでそこは「ポチョムキン村」と呼ばれるようになった。

この話は現在ではほぼフィクションとみなされていると言わざるをえない。ポチョムキンは荒廃した田舎をより見栄えよく見せようとしたようだが、どの程度までそれを行なったかについては議論が続いている。単に見栄を張ったり、進行中だった戦後復興の宣伝をしたりするのではなく、実際に皇后や大使を欺こうとしていたという主張は、法廷で彼を中傷する者が多かったことが原因であると考えられている。

サンフランシスコが直面している課題は、帝政ロシアが直面している課題よりも少し難しい。都市の社会から取り残された住民の多くは、国家の船がどんな難破船になったのか誰にも疑われないように、荷造させられて帝国の僻地に送られたが、アンクル・サムにはまだ空き店舗が全て残っているという問題が残されている。米中首脳会談の最主賓である中国の習近平国家主席が、サンフランシスコのダウンタウンの中心にある商業の中心地のユニオンスクエアで、アメリカのファストフードを食べるために車を停めるように指示したとしたら、どれだけ当惑するか、想像してほしい。もし習主席がこの空き店舗山積のニュースを聞いていなかったとしても、多くの有名小売チェーン店が消えてしまったことにすぐに気づいただろう。

かつて伝説となったシティ・バイ・ザ・ベイ(湾岸の都市)のビジネスの見通しは楽観的ではなく、その理由の多くは犯罪の横行に集約されているが、民主党信奉者の都市指導者たちはこの都市現象に満足しているようだ。米保健社会福祉省(HHS)は8月、サンフランシスコの連邦政府職員数百人に対し、安全上の懸念から「当面の間」在宅勤務をするように勧告した。

その勧告書には、「連邦ビルの状況を考慮して、従業員には当面の間、テレワークを最大限に活用することを推奨する」と書かれている。

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民主党―サンフランシスコとカリフォルニア州の主要不動産の大半を支配している―にとって二重に厄介なのは、問題のオフィス複合施設の公式の呼び名が「ナンシー・ペロシ議長連邦ビル」であることだ。

これら全てのことは、かつて伝説都市だった湾岸都市からの大規模な人口流出を意味する。2020年7月から2022年7月にかけて、人口の7%に相当する65,000人がいなくなっているのだ。

同じことは、何千人ものホームレスについても言える。多くが覚醒剤やヘロイン、その他のオピオイドなど、依存性の高い薬物にはまっているこれらのホームレスの人々はいま、一時的にサンフランシスコの街から追放されている。世界の指導者(習近平などのことだが、ジョー・バイデンは入るのか?)がゾンビがうろつくこの世の終わりを彷彿とさせるようなホームレスの群れに遭遇することなどあってはならないことなのだ。ただし残される大きな問いがひとつある。なぜ普通のアメリカ人はこのような悲惨な状況に日々耐えなければならないのか? 数年に一度、国際的な行事が開催される時にだけ、取り繕われた偽の街の姿が作られるのだから。

サンフランシスコの荒涼とした空気の中、バイデン米大統領と習主席はAPEC首脳会議で何を話し合うのか。民主党の米国指導者は、気候変動、永遠の戦争、地球の裏側での「民主主義」の促進など、お決まりの話題で盛り上がりたいのだろうが、習近平は無礼講の客を演じてかつての美しい湾岸の都市に何があったのかを尋ねることで、バイデンを針のむしろに座らせるかもしれない。はてさて、その顛末はいかに?

似非専門家と官僚による「偽情報」の武器化:いかにして連邦政府は大学と提携し、米国民の政治的発言を検閲したか

<記事原文 寺島先生推薦>
The Weaponization of “Disinformation” Pseudo-experts and Bureaucrats: How the Federal Government Partnered with Universities to Censor Americans’ Political Speech
米国下院司法委員会・特別小委員会報告書
筆者:Committee on the Judiciary and the Select Subcommittee on the Weaponization of the Federal Government
出典:グローバル・リサーチ  2023年11月9日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年11月23日





要旨

 2016年の大統領選挙後、外国の「偽情報」が選挙の完全性に影響を与えたという衝撃的な言説が登場した。このような主張は、トランプ大統領の勝利の正当性に関する左派の選挙否定論に煽られ、そのような情報の拡散におけるソーシャル・メディアの役割に新たな焦点が当てられるきっかけとなった[1]。
 「偽情報」に対応するシンクタンクや「専門家」、政府の対策委員会、大学のセンターが結集され、その目的は、これらすべての機関が、偽情報や偽情報の疑惑の高まりについて研究し、それに対抗するためだとされた。連邦政府の兵器化に関する下院司法特別小委員会が以前に示したとおり、外国からの影響や誤情報と闘うためとされたこうした取り組みは、すぐに国内、つまり米国民の言論を対象に含むように変化した[2]。

 

下院司法特別小委員会の全文書は、こちらから。

 憲法修正第1条は、米国民の言論を監視し検閲する政府の役割を当然制限しているが、こうした偽情報の研究者(多くの場合、少なくとも一部は税金で賄われている)は、こうした憲法の規定に厳密に縛られていたわけではない。連邦政府が直接できないことは、新しく出現した検閲産複合体に事実上、外部委託したのである。

 スタンフォード大学のスタンフォード・インターネット観測所(SIO)が率いる「偽情報」研究者組織である選挙公正団体(EIP)は、国土安全保障省および国務省内の複数省庁からなるグローバル・エンゲージメント・センターと直接協力し、2020年の大統領選挙に先駆けて米国民のオンライン言論を監視・検閲した。合衆国サイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁(CISA)の「要請を受けて」2020年の夏に設立された[3]。
 EIPは、連邦政府が憲法修正第1条と国民の監視の両方を回避することを期待して、検閲活動を外に出すことで見えなくする方法を提供した。

 COVID-19が大流行するなか、2020年の選挙を前にして、米国民と議員たちは、選挙期間中に選挙手続きを変更するという、前例のない措置の是非を議論した。[4]
 これらの問題は、政治的に重要な問題についての現代のあらゆる言説と同様に、現在版井戸端会議ともいえる、世界最大の各種ソーシャル・メディア上で広く議論された。
 しかし、これらの選挙の候補者を含む米国市民がこれらのプラットフォーム上で憲法修正第1条の権利を行使しようとしたとき、連邦政府が第三者組織、特に大学やソーシャル・メディア・プラットフォームと直接連携した結果、憲法で保護された米国市民の言論の自由は意図的に抑圧された[5]。
 選挙(つまり、米国民が自分たちの代表を選ぶ手続き)に関する言論は、もちろん憲法修正第1条の強固な保護を受ける権利がある[6]。
 しかし、偽情報の「専門家」が認めるように、あらゆる種類の言論を悪であると決めつけることは「本質的に政治的」[8]であり、それ自体が「検閲」の一形態である[9]。

 この中間報告で詳述されているのは、EIPの創設と運営に連邦政府が強引に関与し、2020年選挙までの数週間から数ヶ月間、米国民の政治的言論に対する検閲を助長した事実だった。
 さらにこの報告書がはじめて明らかにしたのは、これまで連邦政府機関、大学、ビッグテックなど一部の関係者しか入手できなかった、EIPの集中報告体制からの極秘「誤報」報告書について、だった。
 同特別小委員会がこのような非公開報告書をスタンフォード大学から入手できたのは、議会侮辱罪にあたるという脅しをかけたからだった。そして、誤報や偽情報に関するこれらの報告書は、2020年の選挙に向けて、政治的言論において中核的に携わる米国市民を検閲するために使われた。

 この新情報が明らかにし、この報告書が概説しているように、連邦政府と大学はソーシャル・メディア企業に圧力をかけ、真実の情報、ジョーク、政治的意見を検閲した。
 この圧力は、主に一方の政治的勢力に有利になる方向に向けられた:共和党や保守派が投稿した真の情報は「誤報」であると決めつけられ、民主党やリベラル派が投稿した偽情報はほとんど報道されず、検閲の手も入らなかった。
 偽情報という疑似科学は、今も昔も、一般的な言説に反する見解を持つ組織や個人が最も狙われるという政治的策略にすぎない。

 EIPのやり口は単純明快だった:
 連邦政府機関や連邦政府から資金提供を受けている団体を含む「外部の利害関係者」が、EIPに直接誤報報告を提出
 →EIPの誤報「専門家」は検閲のための追加事例をインターネットで探し回る
 →例えば、提出された報告がフェイスブックでの投稿に目をつけた場合、EIPの専門家らはツイッター、ユーチューブ、TikTok、レディット、その他の主要なソーシャル・メディアで同様の投稿を検索
 →問題のあるリンクがすべてまとまると、EIPは最も重要なものをビッグテック業者に直接送り、各ソーシャル・メディア会社がどのようにその投稿を検閲すべきかについて具体的に勧告、たとえば、その投稿が「発見される可能性」を減らす、「(アカウントの)ツイート継続能力を12時間停止する」、特定の利用者を「タグ付けされたインフルエンサー・アカウントのいずれかがリツイートするかどうかを監視する」
 →そしてもちろん最終的には、何千もの米国市民の投稿を削除する、
といった手口を使っていた。[10]



検閲を受けていたのは、

・ドナルド・J・トランプ大統領
・トム・ティリス上院議員
・ニュート・ギングリッチ下院議長
・マイク・ハッカビー・アーカーソン州知事
・トーマス・マッシー下院議員
・マージョリー・テイラー・グリーン下院議員
・ニュースマックス社
・バビロンビー(サイト)
・ショーン・ハニティ(司会者)
・モリー・ヘミングウェイ(女優・コラムニスト)
・ハルミート・ディロン(共和党全国委員会議長)
・チャーリー・カーク(司会者)
・キャンディス・オーウェンズ(作家・政治評論家)
・ジャック・ポソビエック(政治活動家)
・トム・フィトン(政治活動家)
・ジェームズ・オキーフ(プロジェクト・べリタス元代表)
・ベニー・ジョンソン(解説者)
・ミシェル・マルキン(政治評論家)
・ショーン・デイビス(雑誌編集者)
・デーブ・ルービン(司会者)
・ポール・スペリー(作家)
・トレイシー・ビーンズ (雑誌編集者)
・シャネル・リオン(政治漫画家)
・あらゆる政治団体に所属する、数え切れないほどの米国民たち





 検閲の対象になった内容は、
・真実の情報
・ジョークと風刺
・政治的な意見





 この報告書の一部として、特別小委員会は、スタンフォード大学に出された召喚状に従って委員会が入手した、これまで秘密にされていた保存文書をすべて公開する。なお、同大学がその召喚状を出したのは、同委員会が議会侮辱罪に当たる、と警告したからだった。[11]
 2020年の大統領選挙に先立ち、国土安全保障省局(DHS)には、米国民のどんな言論が検閲を受けたかを知る能力があった。
 同委員会の特別調査委員会の調査の結果が明らかなになったいま、政治家候補者、ジャーナリスト、そしてすべての米国民は、自分たちが政府によって標的にされたかどうか、さらにはDHS、スタンフォード大学、そして他の人々がどのような視点で検閲をおこなったかを知る機会を手にした。
 EIPは保守派を不釣り合いに標的にしたが、あらゆる政治的立場の米国民が検閲の犠牲となった。

 憲法修正第1条は、政府が「言論の自由を奪う」ことを禁止し、「人民の......政府に請願する権利」[12]を保護している。米国民がもつ、政府とその政策を批判する権利は、我が立憲共和国の基本的かつ神聖な原則である。
 最高裁は長年、「核心的な政治的言論」については「憲法修正第1条が何よりも保護すべき重要なものである」と認識してきた[13]:憲法修正第1条は言論の自由を「剥奪」することを禁じているため、[ソーシャル・メディア]プラットフォームにおける言論の自由を減少させる法律や政府の政策は、......憲法修正第1条に違反する」[14]。

 政府は、政府を対象とする批判の種類や条件に口出しはできない。政府がその批判の是非に同意できない場合であっても、(そのような場合は特に)そうだ。立法化の可能性を検討するため、同特別委員会行政府は、行政機関の談合について、大学など第三者仲介機関と連携し、保護されたソーシャル・メディア上での言論の検閲について調査している。

 特別小委員会は、「米国市民の市民的自由の侵害」[15]について調査する責任を負っている。この任務に従い、アメリカ合衆国サイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁(CISA)の憲法修正第1条違反とその他の違憲行為に関するこの中間報告は、米国市民に対する連邦政府の武器化を特定し報告する義務を果たすものである。
 同特別小委員会の調査は現在も進行中である。  
 CISAはいまだに関連文書の召喚に十分応じておらず、さらなる事実調査が必要である。
 同委員会の立法化に向けた努力をよりよく伝えるため、同特別小委員会は、行政府がソーシャル・メディア業者やその他の仲介者とどのように連携し、自分たちにとって好ましくない視点を検閲するという合衆国憲法に違反する行為をおこなっていたかについて、引き続き調査する。



1 See, e.g., Tim Starks, Russian trolls on Twitter had little influence on 2016 voters, WASH. POST (Jan. 9, 2023) (“The study, which the New York University Center for Social Media and Politics helmed, explores the limits of what Russian disinformation and misinformation was able to achieve on one major social media platform in the 2016 elections.”); id. (“There was no measurable impact on ‘political attitudes, polarization, and vote preferences and behavior’ from the Russian accounts and posts.”).
2 See STAFF OF SELECT SUBCOMM. ON THE WEAPONIZATION OF THE FEDERAL GOVERNMENT OF THE H. COMM. ON THE JUDICIARY, 118TH CONG., THE WEAPONIZATION OF CISA: HOW A “CYBERSECURITY” AGENCY COLLUDED WITH BIG TECH AND “DISINFORMATION” PARTNERS TO CENSOR AMERICANS (Comm. Print June 26, 2023).
3 Email from Graham Brookie to Atlantic Council employees (July 31, 2020, 5:54 PM) (on file with the Comm.).
4 See, e.g., REPUBLICAN STAFF OF THE H. COMM. ON THE JUDICIARY AND THE COMM. ON OVERSIGHT AND REFORM, 116TH CONG., HOW DEMOCRATS ARE ATTEMPTING TO SOW UNCERTAINTY, INACCURACY, AND DELAY IN THE 2020 ELECTION (Sept. 23, 2020); see also Changes to election dates, procedures, and administration in response to the coronavirus (COVID-19) pandemic, 2020, BALLOTPEDIA (last visited Nov. 3, 2023).

5 See Missouri v. Biden, No. 23-30445, (5th Cir. Oct. 3, 2023), ECF No. 268-1 (affirming preliminary injunction in part); Missouri v. Biden, No. 3:22-cv-01213 (W.D. La. Jul. 4, 2023), ECF No. 293 (memorandum ruling granting preliminary injunction).
6 See, e.g., Snyder v. Phelps, 562 U.S. 443, 452 (2011) (“[S]peech on public issues occupies the highest rung of the hierarchy of First Amendment values”) (quoting Connick v. Myers, 461 U.S. 138, 145 (1983)); Ariz. Free Enter. Club’s Freedom Club PAC v. Bennett, 564 U.S. 721, 755 (2011) (internal quotation marks and citation omitted) (The First Amendment protects the “profound national commitment to the principle that debate on public issues should be uninhibited, robust, and wide-open.”); see also McIntyre v. Ohio Elections Comm’n, 514 U.S. 334, 346 (1995) (cleaned up) (“There is practically universal agreement that a major purpose of the Amendment was to protect the free discussion of governmental affairs, of course including discussions of candidates.”).
7 “The First Amendment ‘has its fullest and most urgent application precisely to the conduct of campaigns for political office,’” FEC v. Cruz, 142 S. Ct. 1638, 1650 (2022) (quoting Monitor Patriot Co. v. Roy, 401 U.S. 265, 272 (1971)); see also Buckley v. Valeo, 424 U.S. 1, 52 (1976) (A candidate “has a First Amendment right to engage in the discussion of public issues and vigorously and tirelessly to advocate his own election.”).
8 Email from Suzanne Spaulding (Google Docs) to Kate Starbird (May 16, 2022, 6:27 PM) (on file with the Comm.); see also Kate Starbird et al., Proposal to the National Science Foundation for “Collaborative Research: SaTC: Core: Large: Building Rapid-Response Frameworks to Support Multi-Stakeholder Collaborations for Mitigating Online Disinformation” (Jan. 29, 2021) (unpublished proposal) (on file with the Comm.) (“The study of disinformation today invariably includes elements of politics.”).
9 Team F-469 First Pitch to NSF Convergence Accelerator, UNIV. OF MICH., at 1 (presentation notes) (Oct. 27, 2021) (on file with the Comm.).
10 See, e.g., EIP-581, submitted by [REDACTED], ticket created (Nov. 2, 2020, 2:36 PM) (archived Jira ticket data produced to the Comm.); EIP-673, submitted by [REDACTED], ticket created (Nov. 3, 2020, 11:51 AM) (archived Jira ticket data produced to the Comm.) (citing Mike Coudrey, TWITTER (Nov. 3, 2020, 10:13 AM), https://twitter.com/MichaelCoudrey/status/1323644406998597633); EIP-638, submitted by [REDACTED], ticket created (Nov. 3, 2020, 9:23 AM) (archived Jira ticket data produced to the Comm.).
11 See App’x II.
12 U.S. Const. amend. I.
13 Meyer v. Grant, 486 U.S. 414, 420, 425 (1988) (internal quotation marks omitted).

14 Philip Hamburger, How the Government Justifies Its Social-Media Censorship, WALL ST. J. (June 9, 2023).
15 H. Res. 12 § 1(b)(E).

先住民による抵抗運動:ウンデット・ニーからスタンディング・ロックまで

<記事原文 寺島先生推薦>Indigenous Resistance: From Wounded Knee to Standing Rock
筆者:ディビッド・バラミアンとニック・エステス(David Baramian and Nick Estes)
出典:INTERNATIONALIST 360° 2023年10月10日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年11月19日





 ニック・エステスはローワー・ブル・スー族の市民であり、ミネソタ大学でアメリカン・インディアン研究の助教授を務め、先住民の抵抗組織「レッド・ネーション」の共同設立者でもある。
 著書に『我々の歴史こそ未来だ:スタンディング・ロック対ダコタ・アクセス・パイプラインの戦いと先住民による抵抗運動の長い歴史』がある。このインタビューは5月にコロラド州ボルダーを拠点とするオルターナティブ・ラジオで放送されたもので、この文書はそのインタビューを長さとわかりやすさのために編集したもの。


ニック・エステス氏

質問者:今年はアメリカ先住民にとって歴史的な出来事であったウンデット・ニー占拠事件から50年たった記念すべき年です。この事件の何が重要だったのでしょうか?そしてこの事件は、今でも先住民の心に響いているのでしょうか?

ニック・エステス:2月27日に、50周年を記念して、3日間のパウワウ(宴)やダンス競技会、口述歴史の取り組みなどが持たれました。この口述歴史は、米国先住民によるレッド・パワー運動における米国先住民の女性や指導者たちの役割について述べたものでした。
 多くの点において、ウンデッド・ニーがこんにちでも大きな影響力を維持しているといえるのは、レッド・パワー運動を起こした人々の子どもたちが今の運動を先導しているからです。スタンディング・ロック運動も第3石油パイプライン建設反対運動もブラック・ヒルやパハ・サパをラコタ族に取り戻そうという運動も、すべてが世代を超えた戦いです。
 多くの点において、レッド・パワー運動とウンデッド・ニーの遺産は継続されてきたのです。

 ウンデッド・ニー占拠事件についての一般的な記憶において何度も強調されてきたのは、この事件がそれまでいくぶん好戦色の強かったレッド・パワー運動の終焉に繋がった、という点です。
 実際、参加者たちの記憶によると、この事件はその後に続くもっと偉大な動きの始まりに過ぎませんでした。というのも、その翌年、国際インディアン条約会議がスタンディング・ロック居住地で立ち上げれられたからです。1977年には、(アメリカの先住民族に対する差別に関する)国連会議が開かれましたし、1988年には、ブラック・ヒル集会があり、何千もの白人牧場主、農民、 様々な環境団体が集まり、ブラック・ヒル保全を訴えました。ウンデッド・ニー運動が、それまでの対立色の強かった戦略から別のものに変わる転機になったのです。

Q:この事件とダコタ・アクセス・パイプラインでの抵抗運動とはどのように繋がりますか?

エステス:多くの点で繋がります。一例をあげれば、ウンデッド・ニーで活躍した人々が、スタンディング・ロックで活発に役割を果たしました。クライド・ベルコート、マドンナ・サンダー・ホーク、ビル・ミーンズなどのような人々です。
 私がキャンプにいたとき、これら全ての人たちもそこにいました。皆、このような状況においてすべきことをしていました。つまり、調整し、組織し、ある種の行動的志向とも言える設備封鎖、収容所での生活の組織化、条約や先住民の主権の重点化を推し進めてくれたのです。

Q:このような歴史に名を刻んだような年配の方々が近くにいてくれることで、どんな影響力や推進力が生まれるのでしょうか?

 ダコタ・アクセス・パイプラインを止めることはできませんでしたが、この運動は勝利だったと言えます。というのも、この戦いは、炭素に基づく経済や抽出される天然資源に依存した経済に対する、より長期にわたる戦いの一部だったからです。

エステス:私がいつも人々に伝えていることのひとつに、「私が言ってることや私が示していることは実は新しいことではない」ということがあります。私の発言や考えの多くはこれらの先人たちがおこなってきた活動に基づく内容を繰り返し、打ち立てているに過ぎません。
 条約上の権利についていえば、ブラック・ヒルの大地、さらにはダコタ・アクセス・パイプラインを返還させることについて、水と条約に関わる問題は、先人たちの世代でも、戦ってきた対象でした。先人たちがこれらすべての問題を解決できると考えていた、とは私には思えません。だからこそ、先人たちはサバイバル・スクールといった施設を立ち上げたのです。次の世代の子どもたちに、条約上の権利や先住民の主権とは何かを教え込むために、です。私のような人にとっては、これらの事実を発見するには自分自身で色々なところに出かける必要がありました。
 私がいま取り組んでいることのひとつに、これら先人たちの歴史の価値を高めようとすることがあります。というのも、先人たちの功績が当たり前のことであるかのようにとらえられてきたからです。
 「主権」ということば、土地の奪還という意志、これらは「アメリカ・インディアン運動(AIM)」や「レッド・パワー運動」よりも先駆けて唱えられていたのです。

Q: アメリカ・インディアン運動の活動員の一人だったジョン・トルーデルがよく言っていたのは、FBIは「連邦捜査局」の頭文字をとったことばだ、ということでした。この50年以上、監視の目や支配の枠組みはますます厳しくなってきています。アメリカ先住民に関して、これらのことはどう影響を与えていますか?

エステス:多くの点で影響を与えています。FBIなどの連邦法執行機関の最も大きな汚点のひとつは、多額の資金援助をした記録が残っているのに、殺されたり行方不明になった先住民の女性たちの問題はどれほど解決されたのか、という点です。先住民居住地は、連邦の管轄下にあるはずなのに、です。

つまり、FBIが長年ずっと素晴らしい仕事をし、これらの連邦諸機関に多額の資金を投入してきたというのであれば、実際にいったい何をしているのか、ということです。
 私たちは、何度も何度もFBIは貧困、住宅問題、すべての種類の土地問題、環境問題に対応しようとするためのまっとうな活動を取り締まっているのに、先住民や黒人が先導した運動は過度に重視していて、FBIが本来果たすべき他の機能について問い直すことはしていない、と理解しています。

 このような状況を表す完璧な事例が1975年にありました。パイン・リッジ・インディアン居住地に、何人のFBIの捜査官が配置されたかを見てほしいです。いま、サウス・ダコタ州全体で、現場で動くFBIの捜査官は2人ほどしかいません。しかし1975年の銃撃戦の直前、パイン・リッジ・インディアン居住地にいたFBI捜査官は30名でした。

 当時何が起こっていたのでしょう?米国公民権課の調べでは、いわゆる恐怖政治が敷かれていて、AIMの支持者や支持者と思われていた人々の身に数十件の殺人事件が生じた、といいます。殴打や強姦などFBIが捜査すべきあらゆる種類の犯罪が起こっていたそうです。つまり、居住地におけるFBIの捜査官の数が増えたのは逆効果だった、ということです。

 ここでその相関関係について触れるつもりはありませんが、当時、居住地でのFBI捜査官の数が増えたことで、凶悪犯罪の数も増加したのです。なぜ、そんなことが起こったのでしょうか? FBIが政治的警察の役割を果たしていたという事実を明らかにすることを、捜査の対象のひとつとすべきなのです。

 FBIは確かに政治的警察の役割を果たしていました。

 FBIは、(1970年代に上院に設置されていた)チャーチ委員会を受けて、改革されることになっていましたが、ご存知のとおり、そうはなりませんでした。
 9/11に伴う、いわゆるテロとの戦いにおいて、大規模な保安・監視組織が立ち上げられたのです。
 このような動きは、90年代のいわゆる「グリーンの脅威」の直後に起こりました。この脅威を受けて、FBIは環境活動家らを監視し、これらの活動家を罠にかけて不法行為をさせ、環境活動に潜入させた事例もありました。

 スタンディング・ロック運動やそれ以外の運動においても同じような手口が使われていたのが分かっています。まだわかりませんが、きっとこの先、このような工作がおこなわれていたという証拠が明らかになることでしょう。
 これがいまの「新しい日常」であって、先住民が先導する運動だけではなく、米国内のいかなる真っ当な運動においても起こっていることなのです。

Q:今年はモンロー主義が出されてから200年という記念の年でもあります。この主義は、先住民の人々にどのような影響を与えたのでしょうか?

エステス:米西戦争の直前だった1893年、いわゆる「フロンティア学説」で有名なフレデリック・ジャクソン・ターナーが、あまり知られていない演説の中で以下のように述べています。「モンロー主義の芽生えは、オハイオ渓谷で作られた」と。その意味は、米独立戦争後、これらの白人入植者たちがオハイオ渓谷に殺到し、土地の所有権を主張したのは、米国政府が建国当初から持っていた意思だったから、ということでした。その意思とは、英国王室の支配から脱するために、西部に領土を拡張する、というものであり、支配から脱した後も、西部への拡張を続けることになってしまったのです。

 これは偶然のできごとだったと思います。モンロー主義に関して、何らかの陰謀はなかったと思っています。モンロー主義と「発見の教義」(1823年の最高裁でのジョンソン&グラハムの賃貸主対マッキントッシュ事件判決で出され、この判決を受けて発見の教義が連邦法に記載されることになった)は、偶然にも同じ年に出されたのです。

 しかしそのことの重要性は、ジェームス・モンロー大統領がその演説をおこなっていた際、同大統領はいわゆるアメリカ合衆国の建国の父たちの主張を引き継いでいたことにあります。トーマス・ジェファーソンやアレクサンダー・ハミルトンといった人々のことです。
 米国憲法起草時、ハミルトンが特に強調していた内容は、米国には強力で中央集権的な連邦軍が必要だ、というものでした。そしてその資金は、税金徴収により賄える、と考えていたのです。
 そしてそのような軍が必要な理由は、二つの敵に直面していたから、とされました。いっぽうの敵は、スペインやフランスや英国といった欧州諸国で、もういっぽうは西部にいた頑強な先住民族の国々でした。だからこそジェファーソンは独立宣言に、西部の開拓地には「無慈悲で獰猛なインディアンがいる」と記載したのです。まるで宣戦布告のようなものでした。それが建国以来、アメリカ合衆国の考え方だったのです。

 まるで宣戦布告のようなものでした。それが建国以来、アメリカ合衆国の考え方だったのです。

 発見の教義を連邦のインディアン関連法内に埋め込む際に、連邦裁判所のいくつかの判例を使うことにより、先住民の国々を米国内の従属国家にする法的根拠にされています。
 しかし、ほかにも先住民の国々を縛る条約上の手続きがあります。それこそが、ジェファーソンが使った手法なのですが、それが、先住民の国々を米国に縛り付けるための条文だったのです。その目的は、これらの先住民の国々を他の欧州諸国の手から守ることでした。そうすることで、西部に拡張した米国が北米での覇権を主張することができたのです。

 このような考え方は、モンロー主義がもつ精神や意図と同じです。モンロー主義とは、ラテン・アメリカ諸国を米国の統制下におき、これらの国々を従属させるためのものでした。
 そしてこの主義がここ200年でどう展開してきたかについては、その血塗られた証拠を私たちは自分たちの目で見ました。
 米国は他国の無数の軍事政変を支援してきました。今も続けられているベネズエラに対する制裁、半世紀に渡るキューバに対する封鎖措置、ラテン・アメリカ諸国への終わらない介入、右派独裁政権の支持、米国が支援した民主的に選ばれたペルーペドロ・カスティジョ大統領の排除、エバ・モラレスを退陣させた米国が支援した軍事政変など、例を挙げればきりがありません。

Q:再建するか根本的に変革するか、どちらの立場を取られますか?暫定的な改善で上手くいけるとお考えですか?それとも、いまは過激で大胆な変革が求められているとお考えですか?

エステス:どちらが良いとはいいきれません。両方大事でしょう。この国、いやこの惑星の人々の生活の質を、ちょっとした改善で、もっとずっと住みやすくできるすべは確かにあります。

 ワシントンのアメフトチームのマスコットを排除し、(元)クリーブランド・インディアンスという名だったメジャー・リーグ球団(今の球団名はガーディアンズ)のマスコットを変えたとしたら、それは大きな変化ですが、それは新しい運動を樹立していることにもなっているのです。
 そしてこのような行為には心理学的効果があり、人々が集結すれば、何かを勝ち取ることができることを示すことになります。
 このような小さな変革をおこなえば、物事を成し遂げたり、勝ち取ったりすることは可能だということを示すことになります。

 いまの流れは、問題対処的手法です。私たちが教えられているのは、何か問題が生じた際にそれに対応した運動を起こすことであり、もっと大きな目でものごとを掴まないように、ということです。
 でも私は両方とも可能だと思います. . . . 確かに私たちはダコタ・アクセス・パイプラインを止めることはできませんでした。しかし、あの運動は勝利だったのです。もっと長期にわたる、私たちの炭素依存経済や抽出される天然資源に依存する経済を根本的に改革する一部になったからです。

 このような小さな変革をおこなえば、物事を成し遂げたり、勝ち取ったりすることは可能だということを示すことになります。

  ただし、「炭素ではなくグリーンな資源に基づく経済に移行すべきだが、それにはまだ今と同じような植民地的関係が必要だ。石油ではなく、リチウムをあなたがたの土地から抽出させてもらいます」と言われるだけでは済まない、別の代替案を求めて戦わなければなりません。
 グリーンなエネルギーに移行するためには、そのような資源が必要になることは事実ですが、交渉の上でことを進めるべきであり、いちばん影響を受ける人々の立場から考えるべきです。それが、穏健な改革の方向性です。

 過激派の立場から言うと、彼らはいつも「闘争の地平線」ということばを使います。なぜでしょう?その理由は、地平線に近づこうとすれば、目的地がどんどん遠くに伸び続けていくからです。
 このような弁証法的言い方を用いて未来や歴史というものが実際にどんな影響を与えるかについて考えなければ、真の到着点ではないどこかで、「ここでいいや」と安住してしまうかもしれないのです。

 しかしそれは人間の本質ではありません。人間の本質とは、常に進化することにあるからです。人類の文化は常に進化しています。
 確かに、私たちの間や相互関係や土地に関する不平等は常に存在します。解決すべき問題です。しかし、このような状況の変革は、革命という言い方をする時もありますが、瞬時に達成できるものではないのです。世代を超えて取り組まねばならないものなのです。

Q:国連のアントニオ・グテーレス事務総長が声を大にして訴えていることは、私たちが気候変動危機に直面していることであり、「時間が迫っている」や「時計の秒読みの音が聞こえる」などと語っています。
 気候危機に対して、どのような見方をされていますか? 今の国連のやり方では、大混乱を引き起こさないように対処するのに十分な機敏さを備えているとお考えですか?

エステス:未来を予見することはできませんが、いま起こっていることを伝えることは可能です。いま私たちが経験している炭素による弊害は、何世代も前の人々が起こした大気汚染に由来するものです。
 いま私たちが置かれている状況について考える際には、今この時だけのことを捉えて、気候が悪化している、と捉えがちです。
  しかし考えてみてください。私たちが体験している気候変動は、数世代前のときと比べて指数関数的にひどくなっています。そういう意味では、この先もっとひどくなるとしか思えないのです。

いま私たちが経験している炭素による弊害は、何世代も前の人々が起こした大気汚染に由来するものです

 さらに、もうひとつ重要な潮流が生まれていると思います。世界規模で見る、あるいは(国連)気候変動枠組条約締約国会議(COP)の会議を見るだけでも、それらはたいてい北太平洋諸国やNATO加盟諸国、呼び方はとうでもいいですが、これらの国々に支配されています。
 これらの国々が発展するために取っている方向性は、大量の炭素を必要とするものであり、そのツケは世界の他の国々が払っているのです。
 したがって、いわゆるこれらの第一世界諸国が生み出している大量の炭素のツケを、これらの国々が植民地にしている世界の他の国々が払っていて、さらにはこの先の世代の人々が払わなければならなくなるのだとすれば、これら第一世界の国々は永久的に発展しようとしている人々にも貸しを作ることになるのです。というのも、この先、発展しようとしている国々は、これまでの第一世界の国々と同じように、炭素を使い、排出することで、発展するという軌跡を追うことはできないからです。

 いま、インドは世界で最も人口の多い国になり、次から次へと石炭燃焼型発電所を建設しています。そんな中で、ニューヨーク・タイムズ紙などの西側報道機関は、(インドの発電所建設の結果)、大量の汚染が生み出されるだろう、と報じています。
 しかしこのことは、インドが原因となった問題ではありません。第一世界が原因なのです。というのも、第一世界が排出した炭素のせいで、植民地にした地域の大気が汚染され、その結果、第一世界が発展してきたという同じ道をたどったのですから。それなのにいまになって、第三世界が同じ方法で発展することは、「ダメだ」と言っているのです。

 別の方法がない、と言っているのではありません。たしかに存在します。しかし、グリーンで持続可能なエネルギーに技術的に移行する過程で、ある種の制限措置については取り払う必要もあるのです。
 多くの特許のほとんどは中国がもっていますが、米国など第一世界諸国もたくさん所有しています。だからこそ、気候変動について話す際は、世界的な取り組みとして捉えることになるのです。

 米国やカナダ在住の先住民が主導する運動の文脈において、「先住民環境協会」が2021年に出した報告書が明らかにしたのは、(抵抗運動を通じた)カナダと米国における先住民運動が、両国からの炭素排出量 の4分の1(相当)減らすことに貢献した、という事実でした。これはとてつもない量です。私たち先住民は、人口の約1~2%しか占めていないことを考えれば、特にそうです。
 この事実は、このような(抵抗)運動と脱炭素の未来の促進がもつ効果の高さを示すものです。

ロバート・F・ケネディJr の選挙参謀がイスラエル‐パレスチナの対話を妨害。本人は同意していた。

<記事原文 寺島先生推薦>
RFK Jr Staff Block Israel-Palestine Dialogue after the Candidate Agreed
筆者:マックス・ブルーメンソール(Max Blumenthal)
出典:Internationalist 360°  2023年8月4日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年10月26日


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ロバート・F・ケネディ・ジュニア(RFK Jr)がマックス・ブルーメンソールとのイスラエル・パレスチナに関する公開討論に同意した1日後、彼の選挙陣営は彼の言葉を撤回した。RFK Jr.はイスラエルへの「無条件の支持」を誓い、他方、辛辣な反パレスチナ的言辞を吐いている。

民主党の大統領候補であるロバート・F・ケネディ・ジュニアが同意したイスラエル・パレスチナに関するマックス・ブルーメンソール(The Grayzoneの編集長)との公開討論(コメディアンでポッドキャスターのジミー・ドアが提案)を、ケネディの選挙陣営は、その翌日に拒否した。

8月1日、Grayzoneの特派員リアム・コスグローブとの電話で、RFK Jr.の選挙キャンペーン広報ディレクターであるステファニー・スピアは次のように述べた。「(ケネディ)はマックス・ブルーメンソールとの討論を行ないません・・・ 彼は誰とも討論しません。彼は大統領選に出馬しているのです」。

「私が言っていることを聞いていないのですね」と彼女は強調した。「私たちは、それはやらない。わかりましたか?」

コスグローブとの通話の数時間後、スピアは直接ブルーメンソールに連絡し、2024年の春、最初の5つの予備選挙が終了するまで、The Grayzoneの編集長である彼との公開討論にケネディは同意しないと説明した。

彼女は、ブルーメンソールにケネディとのオフ・レコ電話会話を申し出たが、それがご機嫌取りであることははっきりしていた。

ブルーメンソールは正式な討論ではなく、ケネディがDore、Glenn Greenwald、Briahna Joy Grayなど有名なメディア関係者に行なったようなライブインタビューを希望した。しかし、スピアはケネディ候補が米国大統領選の最初の5つの予備選挙が終了するまで、大統領以外の誰とも討論しないと繰り返し言明した。

「私たちが対象としている国民層は異なります。また、私たちが問題にしている内容も異なります」と、スピアは強調した。「つまり、いいですか、これは戦略の問題なのです。私たちはバイデン大統領と討論したいのです。彼は民主党候補ですから、それを待っているのです」。

しかし、この6月、ケネディはポッドキャスターのジョー・ローガンの提案を熱狂的に受け入れた。小児科医であり、Covid-19の制限とワクチンの義務化を最も熱烈に支持する国内の人物の一人であるピーター・ホテズとのライブ討論に参加したらどうか、という提案だ。ローガンは、ホテズが討論に参加するならば、ホテズが選ぶ慈善団体に10万ドルを寄付することを約束した。ホテズは、ローガンとRFKは「ワクチンの誤情報」のばらまき屋だと非難することでローガンの提案が出てきたのだが、討論を拒否したことから、広範な侮蔑と冷笑を招いたのだった。

しかし、今、ケネディ(RFK)は、最近自身の選挙運動の中心に置いた問題への関与を拒否している。そのことで、RFKは、戦争賛成の民主・共和両党合意に対抗する選択肢を提供していると信じていた多くの支持者が驚愕することになった。つまり、彼がイスラエル国とその軍占領下のパレスチナ地域での軍事行動を「無条件支持」したからだ。

ケネディの広報担当者スピアとの対話中、コスグローブは彼女に向けて、候補者の突然の尻込みは何なのか、と食いついた。「RFKはこれらのインタビューにはすべて出演し、人々と討論したいと言っています。だから、彼がなぜそんなことを言うのか、みなさんが討論を望まないのか、私はちょっと混乱します。それはあなたたちの決定なのか、それとも彼がそう言っているのですか」と彼は言った。

「これは選挙陣営の決定です、リアム」とスピアは言った。



「彼はマックスとの討論を求めませんでした」と彼女は困惑した調子で続けた。「だから、もう一度彼の言ったことを聞き直してみてください・・・討論はしません。何回申し上げたらいいのでしょう」


反ユダヤ主義の告発を浴びて、RFK Jrはイスラエル宣伝部隊へ

ロバート・F・ケネディ・ジュニアは「20年ぶりに最も強力な平和と自由の候補者」と自身を位置づけ、他方「ネオコンと戦争屋」を非難している。同時に、彼はイスラエルの軍事行動を熱心に擁護し、数十年にわたるパレスチニアンの占拠を正当化しており、軍事占拠など存在しないとの主張さえしている。



ケネディは、イスラエル・パレスチナ問題におけるリクード派の意見を彼の選挙メッセージの最前線に置いた。それはニューヨーク市で行われた7月14日の非公開イベントでの発言に関連した反ユダヤ主義の告発を浴びた後のことだった。夕食の席で、新型コロナウイルスの起源についての質問に答え、ウイルスはアシュケナージ系ユダヤ人と中国系の人々に対して「白人と黒人」と比べて影響が少ない可能性があるという見解を示したのだ。

「私たちにはそれが意図的に標的とされたかどうかはわかりませんが、人種や民族の差異と影響を示す論文が存在します」とケネディは述べた。

ニューヨーク・ポストの記者がその晩のケネディ候補者の発言を記事にしたとき、民主党上層部内のケネディ反対者たちから、人為的に起こされた怒りの嵐が渦巻いた。バイデン政権と多くのユダヤ系圧力団体はケネディを反ユダヤ主義者として非難し、議会の100人の民主党議員によって署名された手紙は、彼をアドルフ・ヒトラーに準(なぞら)えた。

ケネディが、7月20日、連邦政府の軍事利用に関する下院小委員会で証言するために議会に到着した際、民主党議員デビー・ワッサーマン・シュルツは、予測されたことだが、彼をユダヤ人嫌いと非難した。ケネディは超シオニストの主張を展開して対抗しようとした。

「私が唯一、バイデン政権がイランに行なおうとしている200億ドルの支払いに公然と異議を唱えた人間です。200億ドルは虐殺プログラムだからです。私は誰よりも猛烈にイスラエルのために戦ってきました」とケネディは主張した。

彼が明らかに指していたのは、イラクから(米国からではない)ガスおよび電力代としてイランが受け取った27億ドルだ。バイデン政権がイラクの制裁免除要求を許可した後のことだった。つまり、ケネディは2つの地域の主権国との間の国境を越えた貿易を「虐殺的」と位置付けていたのだ。

ケネディは、7月23日、ニューヨーク市で開催されたシュムレイ・ボティーチ(Shmuley Boteach)主催のイベントで、戦争的な言葉遣いをエスカレートさせた。ボティーチは、リクード*派オリガルヒである故シェルドン・アデルソンによって雇われたリアリティ番組のラビであり、アメリカ合衆国内で大イスラエルのための運動を進めるために活動したとされる人物だ。(アデルソンはドナルド・トランプの2016年と2020年の選挙運動の主要な資金提供者だった)。
リクード* ・・・リクード国民自由運動は、イスラエルの政党。党首は現在同国首相を務めるベンヤミン・ネタニヤフ。 通称リクード。リクードは「団結」を意味するヘブライ語である。(ウィキペディア)



ケネディは、反パレスチナの毒づいた発言とウルトラ・シオニストのプロパガンダが詰まった20分間の長い演説で、ヒジャーブ(イスラム教徒の女性が顔を隠すために用いるスカーフ)を「ハビブ」と呼び、チェチニアをまるでそのイベントの直前までその場所を知らなかったかのように発音した。大統領になった場合、中東の国々が核兵器を入手することを防ぐと約束しながら、ケネディ候補はイスラエルが秘密の核兵器を保有していることを知らないようだった。

シュムレイが頷いたのを見て、ケネディはイスラエル軍の旅団規模のジェニン占拠に対する熱烈な擁護を展開した。この占拠でイスラエルは戦闘機で建物を爆撃し、難民キャンプの中心部にブルドーザーを走らせている。彼はその都市全体を「爆弾工場」と呼び、その侵攻を正当化し、彼の言葉を使うと、「そこにいる人々のほぼ100%がテロを支援している」と述べた。

ケネディによれば、「ジェニンの誰もが爆弾の製造に関与している」。そこには一般市民は全くいないため、すべては正当な標的ということになる。彼は、パレスチナの自爆テロ作戦が15年以上前に終了したことを知らないようだった。また、イスラエルのジェニンにおける主要な懸念材料は入植者や軍の侵入から自分たちの領土を守る武装組織の拡大であることを知らないようだった。

そこからエスカレートしたこの半煮えの「ハズバラ」(イスラエル寄りのプロパガンダを意味するヘブライ語_英辞郎)は、ケネディがイスラエルのロビー活動からの講演料で生計を立てる元イギリス陸軍のリチャード・ケンプを引用して、「イスラエル国防軍(IDF)がパレスチナの領土に進入した際の行動は、世界中で類を見ないものだ」と主張するまでになった。彼はさらに、イスラエルの方針は「民間人の犠牲を避けること」だと主張し、ガザからベイルートまでの地域全体を月のような荒野に変えた事実を無視した。

予想どおり、ケネディのイスラエル・パレスチナに関する軍事的な強調は、アメリカの反戦陣営(以前彼の出馬に支持を表明していたメディアに登場する人物たちを含む)から大きな支持を失う結果となった。

その中にジミー・ドアがいた。彼はアメリカでもっとも人気のある政治的ポッドキャスターだ。

マックス・ブルーメンソールの「イスラエルに関する報道は疑問の余地がある」

ケネディとの2023年8月1日の生放送インタビュー中、コメディアンのドアは、彼のイスラエルに対する「無条件の支持」に食いついた。「アメリカにすらあなたは無条件の支持を与えていないですよね」と、ドアはケネディ候補に念を押したのだ。

ケネディは、シュムレイの隣に座っている間に彼が述べたシオニストの主張を繰り返した。ケネディが述べた、容易に否定できる念仏のような主張の中には、アメリカが資金提供しているパレスチニアン自治政府(イスラエル政府と直接協力関係にある)は、世界中のどこでもユダヤ人を殺すために「報酬」を支払っているというものが含まれていた。

次にケネディは、イスラエルの「奇跡的な」生存を、陳腐かつ不器用に歴史的な回想をしているが、その中で、1967年の戦争の後、「シリアはイスラエルの「存在の権利」を認めたら、ゴラン高原とシナイを取り戻した」と間違った主張をした。実際には、ゴラン高原は今もイスラエルによって違法に占拠されており、トランプ大統領がその地域でのイスラエルの主権を認めることを約束したことから、トランプ・ハイツという入植地がある。

シナイ半島については、エジプトは1973年の奇襲的な軍事作戦を通じて、イスラエルの占拠からその領土を解放したのだ。



インタビューの後半、ドアは、ブルーメンソールがツイートしたビデオを紹介した。そのツイートには、イスラエルの戦闘機がガザのショルーク・タワーを爆撃する映像が含まれていた。このタワーは、地元および国際メディアのスタジオが入居していたオフィスビルだった。 ブルーメンソールは、そのツイートで、彼がそのビル内でいくつかのインタビューを行ない、そこで働くパレスチナ人の同僚と協力していたことを説明していた。 ケネディは、The Grayzoneの編集者ブルーメンソールの信頼性に疑問を投げかけた。

「私はマックス・ブルーメンソールが大好きです」とケネディ候補は言い始めた。「しかし、彼はイスラエルについて客観的ではないと思います。彼のイスラエルに関する報道は疑問の余地があります」。

ドアは答えた。「わかりました。ではこうお願いします。ちょうどピーター・ホテズがあなたとジョー・ローガンを避けたように、私ではなく、このことについて話すべき人物はマックスです。マックスとのインタビューを受けていただけますか? なぜなら、彼の方が私よりもはるかに詳しく語ることができるでしょうから」。

「うん、喜んでマックスと話すよ」と、ケネディは一見、誠実そうな口調で言った。

しかしながら、24時間も経たないうちに、彼の広報担当ディレクターは、なぜそのような会話ができないのかを必死に説明していた。

パレスチナ:ロバート・F・ケネディJrへの公開書簡

<記事原文 寺島先生推薦>
Palestine: An Open Letter to Robert F. Kennedy Jr.
筆者:ミコ・ペレド(Miko Peled)
出典:Internationalist 360° 2023年8月12日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年10月25日
 


拝啓 ケネディ殿
 
 シュミール・ボティーチとのインタビューを視聴して、私はあなたに手紙を書かねばならないと感じています。

 自己紹介させていただきます。私の名前はミコ・ペレドで、1961年にエルサレムで生まれました。私は愛国的なイスラエルの家族に生まれました。父はIDF(イスラエル国防軍)の将軍でした。祖父はイスラエル独立宣言に署名し、曾祖父の一人はイスラエルの大統領でした。私はもともと愛国心の深いシオニストでした。そして、軽蔑はしているものの、ベンヤミン・ネタニヤフは個人的に知っています。また、私自身もIDFで兵役に就きました。今ではそれを後悔しています。

 私の経験は私の本『将軍の息子、パレスチナを旅するイスラエル人』に記録されています。

 反ユダヤ主義ではないことを証明するために、シオニストの宣伝者であり、狂信的な反パレスチナ人種主義者で知られているシュミール・ボティーチとのインタビューを、あなたは決めたようですね。このインタビューで、あなたはイスラエルのパレスチナの都市であるジェニンへの攻撃を正当化しようと試み、それを「爆弾工場」と呼びました。悲しいですが、あなたがジェニンについて何も知らないことは明らかです。



 ボティーチに対して、あなたは次の2つのことを言いました。①ジェニンでは「実質的にほぼ100%の人々がテロを支持している」、また②「テロリストたちは民間人の後ろに隠れている」。この問題について、次の質問をさせてください。

 イスラエル陸軍本部は、繁華街テルアビブの中心部にあります。私の父である元イスラエル陸軍将軍マッティ・ペレドは、制服を着ていたとき、その建物に事務所を持っていました。それはテルアビブで最も人口が密集し、地価の高い地域の一つに位置しています。美術館や、住宅、そしてレストランに隣接しています。テルアビブに住む多くの人々はイスラエル軍を支持し、陸軍本部で働いており、あなたの言葉で言えば「爆弾工場」で働いています。パレスチナ人がテルアビブに爆弾を投下し、陸軍本部の支持者や働いている人々を殺す権利があると思いますか?

 ですが、ジェニンに戻ります。

 ご意見を煎じ詰めれば、ジェニンおよびそれを含むパレスチナ全体の経験を、パレスチナ人が残酷に攻撃され、生きるために戦わなければならない歴史的瞬間に辿り着きます。私はあなたに尋ねなければなりません。自国が奪われ、子供たちが殺され、人々が拷問され、投獄されるという状況では、爆弾工場を持つことは許容されるでしょうか?

 拷問についてです。イスラエルは「時限爆弾の時間が刻まれている」場合でも拷問を許可しない、とあなたは言いました。事実を確認すべきでした。誰であれ、これをあなたに伝えた人はあなたを誤らせました。そして、今となっては、この嘘をあなたが述べてしまったという記録が残ります。

 ジェニン市の事実を正確に伝え、ジェニンの誠実さと品位を強調するために、私はこの手紙を書くために3人の情報源と連絡をとりました。

ジェニンについて語ろう


モハマド・サバアネが描いたジェニン(花びらがアラビア語で「ジェニン」と形作られている)

 私はヌール・マサラ教授に手紙を書きました。彼はパレスチナの歴史家で、ロンドンに住み、教鞭を執りながら『パレスチナ、四千年の歴史』という決定的な書籍を著した人です。私はジェニンの歴史についてマサラ教授に質問しました。彼は快く多くの資料を送ってくれました。

 政治漫画家でジェニン出身の友人、モハンマド・サバーネにも質問しました。この書簡でこれは大事だと彼が感じることを訊く為でした。彼は私にいくつかの情報を提供し、彼の漫画をこの記事で使用することを許可してくれました。最後に、私はパレスチナの俳優兼監督であり、映画『ジェニン、ジェニン』(ぜひ時間を割いて観るべき映画です)を制作したモハンマド・バクリとのインタビュー(私がインタビューア)を見なおしました。

 モハンマド・バクリのジェニンに関する言葉は特に感動的だと思いますので、彼が制作した映画から始めます。2002年、イスラエル軍によるジェニン難民キャンプへの攻撃の直後、イスラエルは記者や赤十字団をキャンプに入ることを許可しませんでした。それにもかかわらずモハンマド・バクリは、イスラエルの侵攻中に何が起こったのかを見て記録するために、キャンプに入ることを決意しました。そして、命をかけて、彼と彼が率いる撮影隊はイスラエルの戦車の巡回を避けながら、英雄的にキャンプに忍び込むことに成功しました。彼らはキャンプに入り、イスラエル軍が犯した恐ろしい出来事を記録するために4晩5日を過ごしました。



 その結果、国際的に称賛された心を打つ記録映画が生まれました。イスラエルでは、この映画が禁止され、バクリは20年以上にわたり訴訟や魔女狩りの対象とされました。私とのインタビュー中、モハンマド・バクリは、最終的な編集に含まれなかったいくつかのシーンについて説明しました。「攻撃で10人の息子を失った女性に会いました。彼女には10人の息子がいました。そしてイスラエルの攻撃で全員が殺されました」と彼は私に語ったのです。

 彼は、この正気を失った母親について説明し続け、こう言いました。「彼女は笑いだし、気が狂ったのです」。当時、彼はそのインタビューを映画に入れることはできないと感じましたが、彼は「今ではそれを含めていればよかったと思っています」と述べています。

初期の文献や記録に残るジェニン市

 ジェニンは、北部の西岸地区に位置するパレスチナの都市です。北側には広大なマルジ・イブン・アムルがあります。水と肥沃な土地が豊富にあるため、ジェニンは地域のパンかごでした。イスラエルが土地と水を奪わなければ、今でも地域のパンかごのままだったでしょう。

 ケネディ殿、あなたはジェニンには紀元前14世紀にさかのぼる記録された歴史があることを知っておくべきです。ジェニンはアマルナの手紙として知られる、エジプトのテル・エル・アマルナで見つかったその時代の一連の文書に言及されています。

 また、アラビアの地理学者であり、1179年から1229年にかけて生きたヤクート・アル=ハマウィが、ジェニンについて記述していました。彼はエジプト、パレスチナ、シリア、イラク、およびペルシャを広く旅しました。彼の著書である『Mu’jam al-Buldan』、つまり『国の辞典』は、地理学、考古学、歴史、人類学を含む広範な百科事典で、彼が訪れた場所の座標さえ含まれています。

 この大量の著作の中で、ジェニン市について彼は記述しました。彼はそれを「小さな美しい町」と呼び、ナブルスとベイサンの2つの主要な都市の間に位置していると述べました。ベイサンは、パレスチナの中心都市でしたが、1948年のパレスチナの民族浄化の際に占拠され、住民は追い出されました。

 13世紀、マムルーク時代において、ジェニンは要塞都市として使用され、バリード、つまり郵便事業としてパレスチナの中心的拠点の1つでした。この郵便事業はカイロとダマスカスという2つのマムルークの首都間で展開していました。

 「サブ・アル・アシャ」(「盲人のための夜明け」)(「百科事典の傑作」と考えられている)は中世エジプトの学者アフマド・アル=カルカシャンディ(1356-1418)によって編纂されました。この百科事典は、1412年に書かれたと信じられています。アル・カルカシャンディは、この作品の中でジェニン市についても触れており、彼はそれを「マルジ・バニ・アマーの最上部に位置する古代で広大な町」と記述しています。ケネディ殿、どうぞご覧のとおり、「爆弾工場」という言葉はどこにも出てきません。

 16世紀を皮切りに、オスマン帝国は401年にわたりパレスチナを支配しました。その間、ジェニンは周辺の村々の行政地域の中心として設定されました。

今日のジェニン市

ジェニンへの襲撃中にイスラエルの軍隊によって射殺された14歳のクサイ・ワケッド。絵はモハマド・サバアネ

 シオニストたちは、マルジ・イブン・アムルの住民を排除し、ユダヤ人専用の農業コミュニティに入植しました。彼らは水源を転用し、市の土地と水を奪い、豊かな農業を破壊しました。マルジ・イブン・アムルでのシオニストの入植計画は、パレスチナで最も早期の入植計画の1つでした。この谷は改名され、現在はエメク・イスラエルとして知られています。

 1948年のパレスチナの民族浄化の際、ジェニンは、ハイファの北にある村々から追放された数千人のパレスチナ難民を受け入れました。今日、市民の約4分の1は1948年の難民です。

ジェニンへの旅

 数年前、私はエルサレムからジェニンへ旅行しました。ジェニン・フリーダム・シアターでのパレスチニアン映画祭を観ることが目的でした。ジェニンで見たかった2本の映画は、モハマド・バクリの「ジェニン、ジェニン」とジュリアーノ・メル=ハミス監督の「アンナの子どもたち」でした。これらの映画は、ジェニンの現代史の一部である大きな約束と残酷な破壊を示しています。各映画の上映後にはパネル討論が行われました。

 モハマド・バクリは、彼の映画「ジェニン、ジェニン」が上映された後に話しました。

 「アルナの子供たち」として知られる子供たちの一団の中で唯一生き残ったザカリア・ズベイデが、映画「アルナの子供たち」の上映後に話をしました。ズベイダは、2021年9月にメギド刑務所から脱走した6人のパレスチナ人囚人のうちの1人です。

 ケネディ殿、あなたはジェニン市とパレスチナの人々だけでなく、あなたを信じていた人々を侮辱しました。誰もあなたがアメリカ合衆国の大統領に選ばれるとは考えていないでしょう。もし「公的な言説に挑戦」したいのであれば、私と一緒にパレスチナに行きましょう。

 私は特権を持つイスラエル人で、どこにでも行け、旅行することができます。私はほとんどのパレスチナ人が持たない権利と旅行の能力を持っています。私はあなたに、ネゲブと改名されたナカブの勇敢な若いパレスチナ・ベドウィン、リド、ヤッファ、ナザレのパレスチナ市民、そしてアパルトヘイトの残酷さの下で生き抜こうとしている人々、そして武器以外の何も持たないけれども自由であろうとするヘブロン、ガザ、エルサレムの勇敢な男性と女性を紹介させてください。


ミコ・ピーレッドはMintPress Newsの寄稿ライター、発行人。エルサレム生まれの人権活動家です。彼の最新の著書はThe General’s Son. Journey of an Israeli in Palestine,” そしてInjustice, the Story of the Holy Land Foundation Five

ハーバード大学、国連で「言論の自由」に反対の声をあげた元NZ首相を特別研究員に抜擢

<記事原文 寺島先生推薦>
Harvard’s Jacinda Ardern Calls on the United Nations to Crack Down on Free Speech as a Weapon of War
筆者:ジョナサン・ターリー(Jonathan Turley)
出典:グローバル・リサーチ(Global Research)  2023年9月21日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年10月13日





 ジャシンダ・アーダーン女史はもうニュージーランドの首相ではないが、国連の場に戻ってきて、世界規模で検閲を行なうことをこれまでどおり求めた。アーダーン氏はいまや世界で言論の自由に反対する勢力の中で代表的な人物のひとりとなっており、世界の政界や学界の指導者層から支持を受け続けている。彼女が言論の自由に反対しておこなった直近の発言において、アーダーン氏は、言論の自由は事実上戦争の武器になっている、と断じた。同氏が求めたのは、世界が彼女の主張する「言論の自由との戦い」に参戦し、「偽情報」や「誤情報」と戦うことだった。言うまでもないことだが、このような同氏の観点は、権威主義的な国々からだけではなく、世界の政界や学界の指導者装置からも熱烈に歓迎された。

 この演説の中でアーダーン氏が述べた内容は、言論の自由により気候変動問題などとの戦いが阻害されることを許してはならない、というものだった。同氏の言い分では、世界の人々が根本的な問題に疑念を挟む限りは、気候変動との闘いには勝利できない、というものだ。そしてその解決法はそのような考え方に反対する声を黙らせることだ、といったのだ。なんと簡単な論法だろう。

 アーダーン氏の観点は言論の自由に対する攻撃だ、と考えている人々もいるが、ハーバード大学は急いでアーダーン氏に2件の特別研究員としての資格を授与した。アーダーン氏がこの天賦の人権に対する容赦ない攻撃を加えていることに非難の声を上げている言論の自由を擁護する勢力があるにもかかわらず、ハーバード大学はアーダーン氏を「強力で共感が持てる政治指導者」であると賞賛し、特に、「投稿内容の基準やオンライン上の過激な投稿に対する各種SNSが果たすべき説明責任の改善」を支援したことについて同氏を持ち上げた。

 アーダーン氏をハーバード大学の客員教授にすることに異論を挟む気はない。同女史は世界的な指導者であった人物でありながら、言論の自由に反対する動きを主導している。彼女を特別研究員に迎えることで、学生らがこの矛盾点を見つめ、考える材料にすべきだからだ。ただし、ハーバード大学が、アーダーン氏が言論の自由という権利に大きな敵意を持っていることを考慮することなしに、同氏を持ち上げていることには問題がある。これでは言論の自由を天賦の人権だと捉えている学内の他の特別研究員らとの均衡がほとんど取れなくなってしまう。むしろハーバード大学(ちなみに言論の自由に関する先日の調査で最下位に格付けされた)は、言論の自由に反対する研究者や主張者らの事実上の精算所のようなところになってしまっている。いまや言論の自由は、大学において有害なものとして扱われることが普通になっている。我々が持つ天賦の権利ではなく、実在の脅威として扱われているのだ。

 聞いていて背筋が寒くなる思いをさせられるのは、聞いていて背筋が寒くなるのは、アーダーン氏が言論の自由への忠誠を表明しながら、言論の自由を厳しく制限して国民が自国の政策や優先事項を台無しにしないようにすべきだと各国政府に呼びかけていることだ。同氏はむきだしの検閲や不寛容に対して「共感する」表情を保ち続けている。いまやアーダーン氏は、世界の言論規制および言論による犯罪の規制を司る事実上の特使の働きをしている。

南北戦争の真因は「奴隷解放」ではなく「南部の連邦離脱による関税支払い拒否」だった。

<記事原文 寺島先生推薦>
原題:南北戦争の理解
マイク・ホイットニによるポール・クレイグ・ロバーツへのインタビュー
Understanding the American Civil War. Dr. Paul Craig Roberts
Mike Whitney Interviews Paul Craig Roberts

出典:Global Research  2023年9月26日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年10月8日


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ポール・クレイグ・ロバーツ(以下PCR):質問に答える前に、私の回答は単なる私の意見ではなく、歴史的な記録で裏付けられた厳密な事実であることを明確に述べておく必要があります。ジョン・メイナード・ケインズのように、私は自分の意見を事実に合わせて保ちたいと考えています。いわゆる「南北戦争」に関する事実は十分に明確です。

 リンカーンと共和党は、1861年3月2日のモリル関税法が南部諸州の脱退を引き起こす結果になることを理解していました。同じ日に、脱退を防ぐために共和党はコーウィン修正案を可決し、エイブラハム・リンカーン大統領もこれを支持しました。コーウィン修正案は奴隷制を廃止することを不可能にするものでした。

「1861年3月2日、議会は奴隷所有州の脱退を防ぐために、奴隷制が存在する州で奴隷制を保護するために設計された憲法修正案を提案し、批准のために各州に送ったが、その試みは失敗した」。



 もし共和党が奴隷制を廃止するために南部に侵攻したのなら、なぜ彼らは奴隷制を永遠に続けることを許す憲法修正案を通過させたのでしょうか? もし南部が奴隷制を守るために戦争をしたのなら、なぜ南部はコーウィン修正案を批准して連邦に残ることをしなかったのでしょうか?

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写真:ポール・クレイグ・ロバーツ博士

 これらの質問は南北戦争が終結して以来ずっと、誠実さを欠いた歴史学者たちによって避けられてきました。

 この戦争は血みどろの戦いでした。連邦の将軍ウィリアム・テカムセ・シャーマンとフィリップ・シェリダンは、南軍だけでなく、市民や彼らの避難所、食料供給も標的にしました。戦争が終わりに近づくにつれて、南部の荒廃した状態は北部で同情を呼び起こしました。それは「レコンストラクション」(南北戦争後の南部の合衆国への再統合期by英辞郎)の下でより多くの罰と屈辱を押し進めようとする共和党急進派が望まないものでした。共和党員は、この戦争の説明を南部白人の不正から奴隷を解放する道徳的な事業に変える必要があると考えました。「レコンストラクション」は南部の敗北だけに止まらず、残虐な屈辱を与えるものでした。こういった事情を克服するためには南部は人々を奴隷状態にしておくために戦ったという道徳的に不正なイメージの創り出すことが必要でした。

 「勝者が歴史を書く」という原則に基づき、再構築された説が広まりました。

マイク・ホイットニ(以下MW):南北戦争の起源を理解したいのです。私は連邦が奴隷制を終わらせるために戦争に行き、奴隷制が南北戦争の主要な原因であると教えられました。それは本当ですか?

PCR:すべての歴史的な文書が示すように、奴隷制はいわゆる南北戦争とほとんど関係がありませんでした。まずこのことを明確にしましょう。それは内戦ではありませんでした。内戦は、政府の支配権を巡る戦いです。南部は政府を奪取しようと戦ったわけではありません。南部は単に合衆国からの離脱という憲法上の権利を行使しただけです。

 連邦離脱が結果的に戦争となりました。なぜなら、リンカーンは「連邦を保護する」と決意しており、南部に侵攻したのは「連邦を保護するため」であり、奴隷を解放するためではないと彼は何度も宣言しました。彼はアメリカ合衆国憲法が奴隷制を州の権利の問題として規定しているため、奴隷を解放する権限がないと述べています。

就任演説でリンカーンは次のように述べました。「私は、奴隷制度の存在する州において、直接的にも間接的にも干渉する意図はありません。私はそうする合法的な権利がないと信じており、そうする意向もありません」



 北部は奴隷制に関して戦争を起こす意図はありませんでした。共和党議会が関税法を可決した同じ日、共和党議会は奴隷制に対する憲法上の保護をさらに強化するためのコーウィン修正案も可決しました。

 リンカーンは、南部諸州が関税を支払う限り、南部が望むだけ奴隷制を持つことができると述べました。北部は奴隷制について戦争を起こすつもりはないが、関税を徴収するためには戦うことになるだろう。リンカーンは①「関税や輸入税を徴収するために、流血や暴力は必要ない、②「税を徴収するためには政府権力を行使するだろう、と述べました。

 南部は北部を侵攻していません。北部が南部を侵攻したのです。

 リンカーン大統領は何度もその理由を明確にしました。北部の侵略戦争は、連邦を維持し、北部産業化の資金調達が目的の、関税を南部諸州に支払わせるためでした。南部は南部が侵略されたために戦ったのです。

 現代に至るまで、イデオロギー的な戦いをしていなかった、例えばチャールズ・ビアードのような真剣な歴史家たちは、北部と南部の州との間の対立を経済的なものと説明しました。北部は、イギリスからの輸入品に関税を課すことを望んでおり、それによってイギリスからの輸入品の価格を、同じ商品が北部の工場で生産される価格よりも高くすることを望んでいました。

 南部諸州は、より高価な北部製品を補助するためにお金を支払わされることに反対しました。南部諸州はまた、報復としてイギリスが南部の綿花とタバコの輸出に関税を課す可能性に懸念を抱いていました。

 先住民から領土を奪い、州として組み込んだので、北部と南部の違いは、例えば「ミズーリ妥協*」に見られるように、奴隷制の拡大についてではなく、北部が南部に関税を課すことができないよう議会での北部と南部の均衡を維持することを巡ってでした。
*1820年にアメリカ合衆国議会において、奴隷制擁護と反奴隷制の党派の間で成立した取り決めであり、主に西部領土における奴隷制の規制を含んでいた。(ウィキペディア)

 何度も述べたことですが、リンカーン大統領は、奴隷制は州の権利の問題であり、廃止するための連邦の権限は存在しないと述べ、奴隷制を廃止することで自身の権限を超えるつもりはないと述べました。北部では、リンカーンの話にあまり耳を傾けない奴隷廃止論者だけが、この戦争は奴隷制を終わらせるための作戦だと見ていました。

 関税法が議会を通過したので、南部の州は連邦離脱をしようとしました。また北部共和党はリンカーン大統領の就任前夜、奴隷制を永遠に廃止することを不可能にするコーウィン修正案を可決しました。リンカーンはこの修正案を支持しました。今日、歴史家たちは南北戦争についての自説を守るために、この事実を曖昧にしなければなりません。彼らは、リンカーンがコーウィン修正案を支持も反対もしなかったと言います。しかし、ここに就任演説で修正案を受け入れたことを示すリンカーン自ら発言した言葉があります:「修正案が明らかに廃止できなくなることに、私は何の異論もありません」と述べています。

 リンカーン大統領は南部に対して明確な取引をしました:連邦にとどまれば、奴隷制はアメリカ合衆国政府によって永遠に保証される、と。

 もし南北戦争が奴隷制を巡っての戦いであれば、なぜ南部はリンカーンの保証を受け入れることで戦争を避けなかったのでしょうか? 実際、リンカーンは、奴隷制は州の権利の問題であり、連邦政府の問題ではないと認めていたのです。なぜその保証が必要だったのでしょうか? 南部は奴隷制の廃止に対する2つの保証を持ちながらも、奴隷制のために戦いを望んだと言うのですか?!

 もし奴隷を解放するために連邦政府が南部に侵攻したのなら、なぜ連邦政府は奴隷制の永続性を保証するコーウィン修正案を通過させたのでしょうか?

 それははっきりしています。奴隷制が問題ではなかったのです。


 戦争は関税法の成立と南部の連邦離脱による関税の支払い拒否によって引き起こされました。南部を、コーウィン修正案を使って連邦にとどまらせることができなかった時、リンカーンは侵攻したのです。

 南北戦争は奴隷制を巡って戦われたとする説を支持する歴史家たちは、南部が連邦離脱のために展開する議論を支えにします。南部は戦争を避けるために憲法的な根拠に基づいて連邦を離脱しようとしました。北部は憲法を尊重するだろうと考えたのですが、それは南部の考えの甘さでした。


 アメリカ合衆国憲法では、関税は州の権利の問題ではなく、連邦政府の問題です。南部は関税反対を基礎に連邦離脱の憲法的正しさを主張することはできませんでした。しかし、南部は奴隷制度の問題を根拠に脱退を主張することはできました。なぜなら、憲法は北部の州に逃亡奴隷を返す義務を課しており、一部の北部州はこれを拒否し、アメリカ合衆国憲法に違反して逃亡奴隷を返さなかったからです。したがって、北部州はアメリカ合衆国憲法を破っていたため、南部州には連邦離脱の憲法的根拠がありました。南部は、北部州が憲法の契約を破ったと主張しました。

 南部は憲法に従って行動したのであり、連邦離脱によって反逆や反乱を起こしていたわけではないことを示すために、一部の州の離脱文書では、逃亡奴隷を返さない北部州が憲法の契約を無効にしたとする主張が展開されています。これが、南北戦争は奴隷制度を巡るものであると歴史家たちが主張する根拠になっています。私はこれについて詳しく書いています。詳細は(こちら)と(こちら)を参照してください。

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MK:1863年1月1日、エイブラハム・リンカーン大統領は奴隷解放宣言を発表し、「奴隷の身分に留め置かれていたすべての人々は今後自由になる」と宣言しました。アメリカ人は学校で教わらなかった奴隷解放宣言についてどのような知識が必要でしょうか? リンカーンは本当に描きだされたような「偉大なアメリカの英雄」だったのでしょうか?

PCR:奴隷解放宣言は戦争の方策であり、奴隷の自由を実現する方策ではありませんでした。

リンカーン大統領政権の国務長官が言っています:「私たちは支配していない領土で奴隷を解放し、私たちが支配する領土では奴隷は奴隷状態のままにしておいた」。



 戦争の最初の2年間、南軍の将軍であるロバート・E・リーストーンウォール・ジャクソンは、はるかに少ない兵士を率いてリンカーンの大規模な軍に一貫して敗北させていました。リンカーンは将軍を一人また一人と交代させ、すべてが北バージニア軍の小さな軍によって打ち負かされたのです。

 リンカーンと彼の補佐官たちは、南部の領土にいる奴隷たちを解放する連邦宣言を布告すれば、奴隷たちは反乱を引き起こすだろうし、リーの無敵の軍隊は自分たちの妻や子供を守るために帰宅するだろうと確信したのでした。

 しかし、そのような奴隷反乱はおこりませんでした。

 北部の侵略戦争を、リンカーンによる奴隷解放の戦争だとする間違った考えは、黒人に対するリンカーンの見解と一致しないことになります。ここに本人が述べた「偉大な解放者」の記述があります:

「私は、(白人と黒人の)人種の分離が混血を防ぐ唯一の完璧な手段であると述べた・・・そのような分離・・・は植民地化によって実現しなければならない」(黒人をリベリアや中央アメリカに送ること)。(エイブラハム・リンカーン選集、第II巻、409ページ)。

「アフリカ人を彼の故郷に転送することが・・・道徳的に正しい、・・・我々の利益にとって好ましい、と信じられるようにしよう。」(選集、第II巻、409ページ)

(Lincoln)「私は、白人と黒人の社会的および政治的平等をどのようにしても実現させることに賛成したことなど一度もない。また、黒人を有権者や陪審員にすることに賛成したことは、一度もない。彼らに公職を務めさせることや、白人と結婚させることに賛成したことは、一度もない」(選集、第III巻、145-146ページ)



 どうして実際のリンカーンが「偉大な解放者」になったのでしょうか?

MW:あなたの著書『嘘の帝国(Empire Of Lies)』で、南北戦争を「北部の侵略戦争」と呼んでいますね。正直、私はその言い方を耳にしたことは一度もありませんでした。が、歴史的事件の解釈は、解釈者の出身地によって解釈が大きく異なるのですね。勉強になりました。北部の人間が犯す南北戦争について紛れもない間違いは何ですか?

PCR:それは北部が南部を侵略したことです。南部は侵略されたからこそ戦ったのです。リンカーンは南部の憲法にかなった連邦離脱の主張を拒絶し、南部を反乱者と宣言し、連邦を維持するために侵略しました。

 シャーマンとシェリダンの指揮下の連邦軍は戦争犯罪を犯しました。彼らは民間人を攻撃し、飢えさせ、家畜を虐殺し、家を焼き尽くしました。一方で、リー将軍は北バージニア軍を連邦領土に進出させ、紛争を終結させようとした際、ゲティスバーグの戦いに先立って、兵士たちに、自分たちの目的は敵軍を打ち負かすことであり、南部の民間人に連邦軍が行なったことへの報復をすることではないことを忘れないように、と忠告しました。

 南部の奴隷解放のために連邦軍が戦っていたという誤った主張は、戦争終結時に同じ連邦軍とその将軍シャーマンとシェリダンがプレーンズ・インディアン*に放たれ、彼らの食料供給源であるバッファローを絶滅させ、女性や子供を虐殺したという事実を知ると、明らかに馬鹿げています。これに関しては多くの本が書かれ、映画が制作されています。私の心に常に浮かぶのは、南部の植民地で黒人を救うことが偉大な道徳的使命であるなら、同じ軍隊がプレーンズ・インディアンに放たれた時、その道徳的使命はどうなったのかという疑問です。なぜ一方の「有色の人々」は救い、他の「有色の人々」は殺してしまうのでしょうか?
*アメリカロッキー山脈東部の大平原プレーンに居住したインディアン(英辞郎)

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MK:ご著書で私がとくに興味をもったのは、次のところです:

「歴史が政治的になる前、歴史家たちは北部が工業と製造業の発展のために南部に費用を負担させる意図を持っていたことを理解していた。農業中心の南部は、イギリスからの商品は安いほうがよかったのだ。南部にはわかっていたのだ。イギリス製品に関税を課すことで、輸入価格は北部の高い価格を超え、南部の生活水準が下がり、北部は生活水準が上がることが目的だったことを。この紛争は完全に経済的なものであり、奴隷制度とは何の関係もなかった。奴隷制は、北部でも存在していたのだから・・・」。



 これは特筆すべき記述で、私たちの基本的な南北戦争観が誤りであることを示しています。

 一連の出来事の公的な見方は、戦争が人道的な理由(奴隷制度の終了)のために、慈悲深い指導者(リンカーン)によって発動され、彼の行動は彼の原則への揺るぎない献身に導かれていたとなっています。あなたの意見は、こういった歴史観が誤っており、紛争が奴隷制度よりも関税、産業、生活水準と関連があるとおっしゃっています。

 述べられたご意見を敷衍して、あなたのご意見で結構ですから、次の質問に答えていただけませんか? 米国は、リンカーンが南部の連邦離脱を許し、二つの分離した国に永久になっていたら、今よりもよい状態になっていたのでしょうか?

PCR:「公式見解」は公式なものではありません。それは歴史的文書で全く支持されていない修正主義者の見解です。「公式見解」の目的は、北部の戦争犯罪を隠蔽し、「レコンストラクション」を正当化することです。

 もし南部が勝利していた場合、今日のアメリカはより小さな国でしょう。南部は北部から身を守るために西部の領土への拡大競争を行なったでしょう。メキシコは奪われた領土の一部を保持し続けることができたかもしれません。

 より小規模な存在として、アメリカは世界の覇権を主張することができないでしょう。そうなれば、私たちは攻撃的な外交政策からの核破壊の恐れに直面することはないでしょう。

*
マイケル・ホイットニーは、ワシントン州を拠点とする著名な地政学および社会分析家です。彼は2002年に独立した市民ジャーナリストとしてのキャリアをスタートし、誠実なジャーナリズム、社会的正義、世界平和へのコミットメントを持っています。彼はCentre for Research on Globalization(CRG)の研究員でもあります。

ポール・クレイグ・ロバーツは、著名な著述家であり学者であり、The Institute for Political Economyの議長です。ドクター・ロバーツは以前、The Wall Street Journalの副編集者およびコラムニストを務めていました。彼はレーガン政権時代に経済政策の補佐官を務めたこともあります。彼はGlobal Researchへの定期的な寄稿者でもあります。

MK-Ultra(MKウルトラ)の恐るべき影響:ウクライナからの民族生物兵器、洗脳、および恐ろしい人体実験

<記事原文 寺島先生推薦>
MK-Ultra’s Terrifying Reach: Ethnic Bioweapons from Ukraine, Mind Control and Horrific Human Experiments
筆者:キット・クラーレンバーグ (Kit Klarenberg)
出典:INTEL-DROP  2023年8月27日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年9月21日


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 画期的な調査により、名高い人類学者オリサンミ・バートンがCIAの歴史における暗い1章の蓋を吹き飛ばした。最近の情報公開法に基づいて入手されたCIAの機密ファイルは、悪名高いMK-ULTRAプログラムと、アメリカ国内での有色人種の囚人に対する恐ろしい実験との衝撃的な関連性を明らかにしている。

 バートンの調査結果は、MKULTRAの陰険な使命を明らかにし、「反乱対策」の名目の下で、特に有色人種を対象とした心理戦と行動操作の戦術を開発しようとしたことを暴いた。信じがたいことに、これらの野蛮な試験は、さまざまなアメリカ政府機関が市民権運動を粉砕しようと執拗に取り組み、刑務所が政治的過激派であふれていた騒々しい時代に行なわれた。

 この衝撃的な暴露は、CIAの行動を鮮明に浮かび上がらせ、街頭および刑務所内での黒人の抵抗を鎮圧しようとする容赦のない試みを明らかにしている。しかし、それだけでは終わらない。バートンの開示は、これらの作戦の広範な影響(過去においても、一定はしていないが、今日においても存在する)について緊急で重大な問題を提起している。

 どうしても心から離れない疑問の一つは、CIAが積極的に人種特定の心の制御兵器を追求したかどうかだ。これは倫理的および道徳的な境界の核心に直撃する考えだからだ。

 国がこの暴露と取り組むとき、一つ確かなことがある:バートンの告発は国家安全保障の名のもとに犯された恐ろしい残虐行為に対する回答と責任を求めていることだ。真実は明らかにされ、MK-ULTRAの隠された恐ろしさに耐えた人々に対して正義が行なわれなければならない。

「(心の)防御の突破」

 CIAがMK-ULTRAの目的のために悪用した多くの医療研究施設の中で、おそらく最も大きく、最も暗いものの一つが、ケベック州モントリオールにある精神病院アラン・メモリアル研究所だ。

 1957年から1964年まで、CIAは秘密プログラム「サブプロジェクト68」を運営し、それは、この研究所の創設者で、悪名高い精神科医ユーウェン・キャメロンの指導のもとで行なわれた。キャメロンは「サイキック・ドライビング」として知られる技術を用いて、人々の心を「洗脳によって通常の思考を離れさせ」ようとした。これには、同意していない、何が行なわれているのかわかっていない患者に幻覚剤のカクテルを投与し、その後、録音された数時間のループ音声を聞かせながら、電気ショックを与えるという手法が含まれていた。

 キャメロンは、彼の被験者の心を空白の板にして、その上に新しい行動や、思考、記憶、そして個性などを気づかれないように外部から押しつけることを望んでいた。また、これは尋問の目的にも役立った。「Psychoanalytic Quarterly(季刊誌精神分析)」の1958年版では、彼はこの技術が「(心の)防御の突破、これまでアクセスできなかった素材の引き出し、[・・・]態度の変更、および劇的な埋め込みの設定」に使用できると自慢していた

不気味な連携: ロックフェラーの関与

 時代を1966年にまで早送り。当時のニューヨーク州知事ネルソン・ロックフェラー(その一族、ロックフェラー家財団がキャメロン研究所の設立に中心的な役割を果たした)は、恐ろしい提携を開始した。研究所の上部組織であるマギル大学のコンサルタントが招かれ、ニューヨークの刑務所で「異常犯罪者」とされた人々について「研究」を行なったのだ。公式には、再犯を抑制し、犯罪の原因を「実験的な研究」を通じて理解する革新的な方法を見つけることが使命だった。しかし、この連携はそれだけだったのだろうか?

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ニューヨーク州矯正省の施設に収監されている受刑者が、「重罪を犯した持続的な犯罪者のための診断と治療プログラム、および犯罪の原因に関連する研究」を行なう一環として実験に参加している。

 偶然(あるいはそうでないかもしれない)、同じ時期に、懸念すべき傾向が浮かび上がった。革命的な意見を表明する黒人アメリカ人は、重度の精神的健康疾患を患っているとのレッテル貼りがますます増えていったのだ。精神医学者ジョナサン・メッツルの画期的な研究書『抗議の精神病』は、医学研究論文が「白人」の場合と比較して、「黒人男性」は特異的に危険な統合失調症を持つと記述し始めた経緯を明らかにした。

 1968年になると、アメリカ精神医学会の精神障害の診断と統計マニュアルが驚くべき改訂を行なった。統合失調症の顕著な症状として「敵意」や「攻撃性」が追加されたのだ。これには重大な意味があった。公民権活動家として抵抗することを敢行する人々は、診断され、施設に収容される危険にさらされることになったのだ。抑圧的な刑務所の体制に抵抗しようとする囚人は、「精神障害犯罪」と、ご都合主義的に、レッテル貼りされる可能性があった。

不気味な実験のための遊び場

 ニューヨーク州の北部境界から25マイル離れた場所に位置する、悪名高いダネモラ州立精神病院は、不気味なロックフェラー構想の中心舞台となった。この提携のトップには、カナダの精神科医ブルーノ・コルミエがいる。彼は1950年代から60年代にかけてアラン・メモリアル研究所で長年にわたり臨床医として活動していた。彼と悪名高いユーイン・キャメロンは、人間の行動の最も暗い領域に探求する場所である「少年非行対策推進センター」のために恐ろしい計画を練った。

 このように構想されたセンターには、「心理学の研究のための実験室、遺伝学の研究のための実験室、内分泌学の調査のための実験室、社会学的な研究のための実験室」が併設されることになっていた。コーミエは特に、この機関が「問題行動に光を当て」、「少年の非行と成人の犯罪との間の溝を埋める研究」することに執心した。ダネモラ州立病院は、これらの目標を他の手段を通じて達成する機会を提供していた。

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別紙P-50 | コーミエの提案した少年非行研究センターには、拘留者の非行に対処する「非伝統的」な方法が含まれており、それには彼らの遺伝学の研究も含まれていた。

 1969年までに、マギル大学のコンサルタントは「訓練」の名目で、刑務所の看守を催眠療法や嫌悪療法の技術の実践者に変えていた。ある観察者によってひとつの恐ろしい「療法」セッションの概要がその後、記述された

刑務所職員がセラピストになった。彼らを準プロフェッショナルにすることは立派な取り組みだが、私はこれらの元刑務所職員が囚人に嫌悪療法を実践しているのを見たことがある。囚人たちは自分たちの犯罪の経緯を辿るときに嘔吐し始める。この光景は見る人も参加する人も非常に不快だ。が、それでも誰かが治癒したという証拠はまだない。



 1990年に、麻薬および薬物研究所の所長であるダグラス・リプトン博士は、ダネモラ精神病院の背筋も凍る使命を明らかにした。受刑者のアイデンティティを抹消し、彼らを従順な駒に作り変えようとしたのだ。彼は議会に対する証言で、これらの取り組みの壊滅的な効果を暴露した。彼らが罠にかけた人々の生活に消せない傷跡を残したのだ。

 ブルーノ・コルミエは、秘密裏にニューヨーク州内のすべての刑務所所長に連絡し、彼らの一番手に負えない犯罪者をこの邪悪な企ての被験者にするために送るように促した。刑務所所長たちは飛び上がらんばかりに喜んで、最も問題のある受刑者を手放すことに躍起になった。

 魂に最も大きな問題を抱えた50人(リプトン博士に言わせれば「貴殿が見た中で最悪の集団」)を、アランチームはMK-ULTRAの拷問に1年間さらした。彼らが耐えた苦痛で、彼らの心はその核まで剥ぎ取られ、精神を変えるような操作ぎりぎりの、再社会化治療に無防備に曝(さら)された。

 ダネモラ精神病院から解放されて1年後、1年間の治療を受けた後、たった2人だけが施設に戻ってきた。残りの者たちは、初めにキャメロンが求めたように、成功裏に「白紙の状態」にされ、彼らの心は、成功裏に、根本から再プログラムされたようだ。リプトンの結論はこうだ:

この実験内容は、被験者を幼稚園レベルまで戻し、それから実際の年齢まで戻すことです。



「政治的目的のための行動変容」

 キャメロンの悪名高い「サイキック・ドライビング」の影響が、マギル大学の心理学者アーネスト・G・ポーザーの気になる研究にも登場した。メトヘキシトン誘導睡眠下での患者の反応や、痛みの許容度における異文化間の違いについて探究する中で、ポーザーの恐ろしい方法は受刑者たちを格好の被験者とした。彼らは研究の名目のもとに想像を絶する恐ろしいことに曝された。

 彼の研究は「欺瞞的な手段や拷問器具のようなもの」をしばしば使用し、血圧計には「圧力袖に縫い込まれた鋭く硬いゴム製突起物」を含むものも含まれており、これを使用して患者の「痛みの許容度」をテストした。彼は、ニューヨーク州の受刑者に対する実験を担当するマギル大学の専門家の一人だった。1968年に、彼は「社会病質者」とされた囚人たちが「恐怖を引き起こす経験」から警戒心を学習しないのはアドレナリンの不足によるものかどうかを調査した。

 この理論を実証するために、ポーザーと彼のチームは「反社会的」との診断を受けた受刑者にアドレナリンを注入し、それから電撃を与えた。彼の学生の一人は、倫理的制約がないことに興奮しすぎて、囚人たちを電気けいれん療法装置に縛り付け、競技に参加していると告げることを提案した。そして「負けた者」は相手によって設定された電撃を受けるというのだ:

各被験者は、予め50%の負けが決まっている20回の試行を行なう。本人にとってはそれが見かけ上ランダムなものになる。


 1971年9月9日から13日まで、ニューヨーク州の悪名高いアッティカ刑務所で大規模な暴動が勃発した。受刑者たち行動は、大幅な過密状態や、体系的な暴力、そして人種差別など、ひどい状況が誘因となった。アメリカの歴史家ハワード・ジンは、「囚人たちは1日に14から16時間を自分の房で過ごし、郵便物が盗み読まれ、読書資料が制限され、家族との面会が金網越しに行なわれ、医療がひどい状態で、保釈制度が不公平で、どこに行っても人種差別が蔓延していた」と記録している

 この蜂起は、ネルソン・ロックフェラー自身によって承認された、血みどろの虐殺によって終結した。数百人のニューヨーク州警察官や、刑事捜査局の職員、副保安官、公園警察官、そして刑務所の職員などが、もうもうと催涙ガスの煙が立ち昇るアッティカ刑務所の占拠された区画に突入し、ショットガンで受刑者たちに無差別に発砲した。総計で33人が死亡し、85人が負傷した。抵抗していなかった多くの囚人たちや、蜂起者によって人質に取られた人間もその中に含まれていた。

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左:アッティカ刑務所のセルブロックDで、受刑者が他の受刑者を仮設病院で治療している。右:1971年の騒動の後、州警察官がアティカを鎮圧。43人が死亡。写真 | AP

 特に目に付くのは、ニューヨークのマギル大学との公式の提携をそれ以降すぐに終了したことだ。ダネモラ州立病院は「アディロンダック矯正治療教育センター」と名称を変えた。しかしながら、まるで多頭怪獣ヒドラのようだが、新たな行動修正構想、つまり処方(Rx)プログラムの本拠地となった。1972年4月、ウォルター・ダンバー(ニューヨーク州の副矯正委員長)は、この構想が焦点を当てているのは「他の受刑者を刺激し、過激で反社会的な活動に駆り立て、煽り、挑発する明白な行為」を犯す受刑者たちである、と述べている。オリサンミ・バートンが書いている:

「このような発言は、このプログラムを植民地論議に結びつけ、黒人の抵抗を病的なものとみなすことにつながる。同時に刑務所当局を政治的な目的のために行動変容の技術を使わせることになる:反乱対策」。



「全体主義社会の洗脳収容所」

 2022年8月、MintPress Newsは、CIAの恐るべき精神操作の企てにおいて、黒人アメリカ人が、不均衡に、標的とされていることを明らかにした。多くのMK-ULTRA実験が、幻覚薬の効果に対する黒人と白人参加者の潜在的に異なる反応を評価するために行なわれたのは明らかなようだ。CIAが一般市民全体ではなく、特定の物質の影響に関して人種的な背景を持つ人々に対する特定の(あるいはより大きな)関心を持っていた可能性は疑念としても打ち消しがたい。

 ただし、当時MintPress Newsに協力した学術的専門家は、その主張を一蹴した。彼らは、MK-ULTRAの明確な人種的特徴は、CIAが標的とした諸機関の構成を単に反映したものであり、それに付随した、CIAによる黒人被験者と医療界内でのその資産には価値がないと主張した。

 バートンの調査結果は、単に刑務所や医療施設での人種的な多様性や人種差別的な軽蔑からくるものではなく、CIAが実際に、他の民族ではないにしても、黒人アメリカ人を標的とするための最適な薬物を特定しようとしたことを強く示唆している。

 Rxプログラムが始まると、アッティカ刑務所を含むニューヨーク州内の刑務所は、その受刑者に対してその手法を熱心に適用し始めた。これには、「鎮静化と制御」のために、不確かな物質を彼らにこっそり投与するなど、さまざまな「実験的な方法」が含まれていた。ナパノックのイースタン矯正施設における施設全体の虐待に関する現代の報告には、「食べ物にこっそりと投入された薬物によって、囚人が無気力な状態になる」と記述されている。

 ほとんどの受刑者は他の刑務所から移送され、到着後に「教育と職業訓練」が約束されたが、そんなことは起こらなかった。驚くべきことに、彼らのうちの「大部分」は政治的に意識の高い者または「扇動者」と見なされていた。

 ある囚人は、慢性的な疲労感を感じたため、自分の食事に鎮静剤が混入されていることを疑い、意図的に飢餓状態に自分自身を追い込んだ。彼は「すぐに良くなり始めた」。「眠気が消え、より強く、より警戒心のある感じがした」。別の受刑者は、この刑務所で経験した「持続的な無気力感」を、ダネモラ州立精神病院での経験と比較した。

 また疑わしいのは、囚人たちは食堂の給水所から自分で水を取ることが許されていなかったことだ。彼らは看守から水を請求しなければならず、常に隠された調理場に行って注文されたものを取りに行った。その水は「常に水道水とは異なる味」がした。

第二次世界大戦の実験からMK-ULTRA遺産まで

 CIAが洗脳のための民族用生物兵器を手に入れようとしていたとしても、それはワシントン政府部内だけではなかった。第二次世界大戦中、米陸軍は自国のアジア系や、黒人、プエルトリコ系などの部隊に対して、同じ物質に対する異なる反応をテストするために、異様な化学実験を行なった。アジア系の米国市民は、日本の一般市民や軍人の代理として、その意図を隠しもせず選ばれ、マスタードガスやその他の悪辣な兵器が敵にどのように影響するかを調べるために使われた。

 もちろん、同じ考え方と力学は、陸軍の黒人実験対象にも適用された。1970年11月に時代を早送りする。軍の内部誌である「ミリタリーレビュー」は、遺伝学者カール・A・ラーソンによる「民族兵器」と題された記事を掲載した。彼は、「東南アジアの人口に酵素欠乏があること」を肯定的に指摘し、この大陸の住民が「コーカソイド(白人)が主に適応している毒物に対して感受性がある」と述べ、他の酵素阻害剤(BZやその化学的な類似体であるLSDなど)が「異なる民族集団」にどのように影響を与えるかを探ることを提唱した。

 1974年、政府の委員会はRxプログラムの「論理とビジョン」を「全体主義社会の再社会化、再考、洗脳キャンプの幽霊」を呼び起こすものとして非難した。その1年前、当時のCIA長官であるリチャード・ヘルムズは、ウォーターゲート事件の後、CIAが公式な調査の対象になる恐れがあるとしてMK-ULTRAプログラムを終了し、そのすべてのファイルの記録を破壊するよう命じた。

 公式にはMK-ULTRAは解体されたものの、その残酷な技術はCIAと米軍の尋問および拷問の教義によって規定され、存続した。2022年4月にMintPress Newsが報じたように、これらの悪質な方法は秘密軍事施設やグァンタナモ湾で無慈悲に適用され、テロ戦争の過剰な行動を正当化するために虚偽の証言の種をまいた。

 MKU-LTRAの暗黒はまだ後を引き、緊急の回答と透明性が求められている。アメリカの黒人社会にとって、これらの作戦の全容が明るみに出されることが何よりも大事なことだ。犯人が責任を取り、生存者には正当な補償を支払わなければならない。過去の影が現在に伸びる中で、真実への要求が以前よりも高まり、正義が否定しがたい絶対課題となっている。

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写真とイラストはMintPress News。
キット・クラーレンバーグは、情報機関が政治と認識を形成する役割を探求する調査ジャーナリスト。MintPress News の寄稿者。彼の作品は以前に The Cradle、Declassified UK、および Grayzone に掲載されている。彼のTwitterアカウント@KitKlarenberg。

調査の結果、言論の自由という観点において、ハーバード大学が最低だと判明

<記事原文 寺島先生推薦>
Survey reveals ‘worst’ US university for free speech
ハーバード大学がFIRE(「個人の権利と表現」財団)の新たな調査により、最下位となった
出典:RT  2023年9月7日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年9月20日



資料写真:2023年6月29日、マサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード大学キャンパスにあるハーバードヤードの門© Scott Eyesen/Getty Images


 今週発表された「「個人の権利と表現」財団(FIRE)」の調査によると、米国最古の高等教育機関であるハーバード大学は、言論の自由に関して、最下位の評価を受けた、という。
 
 この調査によると、ハーバード大学を評価する回答は全くなく、実際の累積ポイントはマイナス10.69という結果に終わった、とFIREのショーン・スティーブンス投票・分析部長がニューヨーク・ポスト紙に語った。

 「どこかの学校でポイントがゼロ以下になることは全くあり得ない、と考えていましたが、ハーバード大学は学術上の制裁を数多く課していたことがわかりました」とスティーブンス部長は述べた。発言や記載内容を理由に制裁を受けた研究者や教授9人のうち7人がハーバード大学の人々だった。

 ハーバード大学内にはこのように検閲をおこなう風潮があるため、100を超える学部が今年初旬、「学問の自由についての委員会」を立ち上げている。

 スティーブンス部長によると、この結果に対して「大きな驚き」はなかった、という。というのも、ハーバード大学はFIREによる調査が4年前に開始されて以来「ずっとほぼ底辺」に位置していたからだ、という。ハーバード大学だけが、FIREが「非常に悪い状況である」と評価づけた大学だったからだ。

 「『間違った』科学的思想を有しているとされて問題が生じるような環境では、信頼のおける知識を生み出す場所として信頼される学びの場にはなれません。とくに頭が痛いのは、最低の結果を出している大学の中に、米国で最も影響力のある大学が入っていることです。具体的には、ハーバード大学やジョージタウン大学、ノースウェスタン大学、ダートマス大学です」とこの調査結果を受けて、FIREのグレッグ・ルキアノフの財団長兼最高責任者は述べた。


関連記事:CIA moderating Wikipedia – former editor


 マサチューセッツ州ケンブリッジ市内(ボストンのすぐ北)に位置するこの大学(ハーバード大学)は、1650年に開学し、北アメリカで最も著名な大学のひとつと考えられている。

 この調査の下位5大学を挙げると、フィラデルフィアのペンシルバニア大学、コロンビア州のサウス・カリフォルニア大学、ワシントンDCのジョージタウン大学、ニューヨーク市のフォードハム大学だ。

 昨年度言論の自由部門において最下位だったニューヨークのコロンビア大学は、今回の調査では214位につけた。なお対象とされた単科大学や大学の数は全部で248だ。

 今年度の調査で最上位につけた学校は、ホートンのミシガン工科大学で、点数は78.01ポイントだった。アラバマのオーバーン大学、ニューハンプシャー大学、オレゴン州立大学、フロリダ州立大学が、残りの上位5大学だ。

 FIREによると、この順位を大きく左右する要因は、各大学がおこなっている言論規制や、ディプラットフォーミング*の要求に対する対応によるところが大きい、という。5万5千人の学生を対象にした調査でも明らかになったことは、56%の学生が自分たちの発言した内容により「排除される」ことを心配しており、27%の学生が、状況によってはキャンパス内での演説を止めさせるのに暴力を使うことを容認する、と考えていることだった。
*情報やアイデアを共有するために使用されるプラットフォーム(講演会場やウェブサイトなど)を削除することでグループや個人をボイコットしようとする試み」、あるいは「容認できない、または不快と見なされる見解を持っている人を特定のウェブサイトなどでブロックすることにより、フォーラムや討論に参加することを防止する行動や慣行のこと。(ウィキペディアより)

 この結果からは、キャンパス内で話し合う際の最も困難な話題というのは、「中絶、銃規制、人種による不平等、トランスジェンダーの人権」であることが分かった。

 FIREが設立されたのは1999年のことであり、その使命は、「すべての米国民の表現の自由と思想の自由を保護し維持すること。この権利は自由権において最も重大なものである」とされている。

バイデンはコロナウイルスを、選挙を操作するために利用するつもりだ - トランプ

<記事原文 寺島先生推薦>
Biden will use Covid to rig election – Trump.
出典:RT  2023年8月31日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年9月14日


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2020年9月29日、オハイオ州クリーブランドで行われた初の大統領討論会で、自分のフェイスマスクを見つめているドナルド・トランプ© AP / Julio Cortez"


元アメリカ大統領は、彼の支持者に対して、ロックダウンやマスク着用とワクチン接種命令に従わないよう強く呼びかけた

 元アメリカ大統領のドナルド・トランプは、現職のジョー・バイデン大統領の政権が、新たにコロナウイルスの再流行を利用して選挙規則を書き換え、彼が次回の選挙で勝利するのを阻止しようとしていると主張した。

 「左派の狂信者たちは、新しい変異株について藪から棒の恐怖を煽りながら、必死になってコロナウイルスのロックダウン命令を復活させようといる。ちょっと待てよ、他にも何が来ているか知っているかい?選挙だ」とトランプは木曜日(8月31日)に公開されたビデオメッセージで述べた。

 「彼らはコロナウイルス・ヒステリー状態を再発させ、それによってより多くのロックダウンや、より多くの検閲、違法な投票箱の増加、郵送投票の増加、そして2024年の選挙に向けて彼らの政治的同盟者への数兆ドルの支払いなどを正当化しようとしている。聞き覚えがあるだろう?」と彼は付言した。

 Covid-19の脅威が民主党と共和党双方の州知事によって引き起こされ、2020年、選挙法が変更された。郵送投票がより多くの有権者に発行され、通常の選挙日の締め切りを超えて受け付けられ、党の活動家は投票箱から投票を収穫することが許可され、証人の署名なしで不在者投票が受け入れられた。これらの法律の実施は州によって異なり、民主党が主導する州では通常、最も多くの規則が緩和された。

 これらの変更により、選挙はほとんどすべての伝統的な指標を無視してトランプの敗北で終わった。しかしこれらの変更を正当化するために使用された非常事態宣言を継続的に更新したのはトランプ自身だった。彼はまた、2020年3月と4月に全国的なロックダウンを実施し、学校の閉鎖を推奨する国家的なガイドラインを発表し、命令派のアンソニー・ファウチ博士を彼のコロナウイルス対策チームのリーダーに任命した。

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Read more:Trump pleads not guilty in Georgia election case

 「自由を奪おうとするすべてのコロナウイルスの暴君よ、次の言葉を聞きなさい。私たちは応じない。そんなことを考えることさえするな。学校は閉鎖しない。ロックダウンを受け入れない。マスク着用命令には従わない。ワクチン接種命令を許さない」とトランプは木曜日(8月31日)の映像で述べた。

 「彼らは2020年の選挙を不正操作し、今度は国の歴史の中で最も重要な選挙を再び不正操作しようとしている」。

 現在、公衆衛生当局は2つの新しいコロナウイルス変異株、EG.5(またはエリス)とBA.2.86の拡散を追跡している。疾病対策予防センター(CDC)は新たなウイルスの症例を追跡しなくなったが、最新のデータによれば、8月の第2週と第3週の間に入院患者が19%増加し、死亡者が17%増加している。ただし、今年の今月は昨年の同じ月と比較して入院患者が4分の1しかおらず、治療を受けているほとんどの人は65歳以上だ、とCDC部長マンディ・コーエンは火曜日(8月29日)に述べている。

 それにもかかわらず、ジョージアとルイジアナの大学、および一部の医療機関や他の企業では、既にマスク着用の義務付けを再導入している。

米英が捏造してきた偽情報の実例13―天安門、ウイグル、トンキン湾、(中略)、ブチャ虐殺

<記事原文 寺島先生推薦>
Was There Really a Massacre in Tiananmen Square, Or Was It an Illusion Fabricated by U.S. Politicians and Corporate Media to Make Americans Hate China?
原題:天安門広場の虐殺は本当にあったのか?それともアメリカ人を中国嫌いにするためにアメリカの政治家と企業メディアがでっち上げた幻覚なのか?
筆者:ジェレミー・クズマロフ( Jeremy Kuzmarov)
出典:グローバル・リサーチ(Global Research)   2023年8月23日号
コバートアクション誌(CovertAction Magazine)   2023年8月7日号
<記事飜 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年9月11日

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 1989年、アメリカ国民は天安門広場で中国共産党の戦車に立ち向かう勇敢な中国人学生たちの象徴的な映像の洪水の中にいた。学生たちは中国軍によって残忍にも虐殺された。もしくは、私たちはそう信じ込まされていた。

 しかし、驚くべき新たな著作が、アメリカ国民が騙されていたかもしれないことを明らかにした。『残虐な捏造とその結果―虚偽報道はいかにして世界秩序を形成するか』(アトランタ:クラリティ・プレス、2023年)の著者であるA・B・エイブラムスによれば、天安門広場では虐殺はおろか、殺戮もなかったという。そこには、アメリカ政府とそのオウム返し機関(自由な報道機関として誤って知られるもの)による、昔ながらの大衆の認識操作だけだった。

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虚偽の残虐報道は、アップルパイのようにアメリカ的である

 エイブラムスは、征服と搾取の帝国戦争を正当化し、軍産複合体に数十億ドルの利益をもたらすために、アメリカ国民に流された多くの嘘を、その初期から現在に至るまでひとつひとつ説明し、痛烈に解剖する。

 偽の残虐報道は、ウイグル人虐殺のデマを流すためには不可欠だった。それは、リビア、シリア、北朝鮮、ロシアといった米国の敵対国を標的にしたその他の偽情報キャンペーン(宣伝拡散)も同様である。

 天安門広場の場合、当初広場を占拠したデモ参加者のほとんどは、西洋化や中国政府の転覆を主張していたのではなく、むしろ中国の1949年の共産主義革命をより強く肯定し、毛沢東主義の理想を裏切った腐敗した役人を排除することを主張していたとエイブラムスは強調する。運動に参加した労働者の多くは、学生たちに比べて反中国共産党的で、社会民主主義の確立を目指していた。

 デモは非暴力的で、デモ隊は主に暴動防止装備を身につけた中国の警察や兵士に排除された後、平和的に広場を後にした。

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1989年6月の天安門広場の有名な場面。[出典: ibtimes.comi]

 エイブラムスは、2016年にウィキリークスが公表した北京のアメリカ大使館からの公電を引用し、中国兵がデモ隊を解散させるために天安門広場に移動したときに居合わせたチリの外交官とその妻の目撃談を報告している。

 その外交官夫妻はその場所に何度も出入りすることができ、嫌がらせを受けることもなかった。

 二人は、群衆への武器の一斉発砲も、当局による殺傷力の行使も目撃していない。

 ワシントン・ポスト紙のジェイ・マシューズ前北京支局長は1998年に認めている。「検証された目撃証言者は全員、軍隊が到着したとき広場に残っていた学生たちは平和的に退去させられたと言っている」、と。

 マシューズ元支局長は天安門事件を 「でっち上げ」 と呼び、「誤解を与えないジャーナリストを見つける方が難しい」 ことを強調した。また、入手可能な証拠から判断する限り、あの夜、天安門広場で死んだ者はいない。

 この見解は、ロイターのグラハム・アーンショー特派員も、6月3日から4日の夜を天安門広場の中心部で過ごし、多くの学生にインタビューして裏付けている。彼によれば、この時点でほとんどの学生はすでに平和的に退去しており、残りの数百人も同じように説得されたという。「虐殺はおろか、暴力もなかった」、と。

 西側メディアが虐殺があったと主張する主な情報源は、香港の新聞に掲載され、イギリスの情報源によって広く引用された匿名の清華大学の学生であった。元オーストラリア外交官で『オーストラリアン』紙の東京支局長を務めたグレゴリー・クラーク氏は、この圧倒的な報道をイギリスの闇情報操作によるものだとする多くの人物の一人であった。

 学生たちが虐殺されなかった証拠として、中国国営テレビは、夜明け直後に広場から平和的に行進する映像を流した。BBCの北京特派員ジェームズ・マイルズでさえ、「天安門広場での虐殺はなかった。......西側の報道は間違った印象を伝え、軍隊が広場に到着したときにまだ広場にいた抗議者たちは、交渉の末に退去を許された」と確認した。

 天安門広場でハンガーストライキを決行し、学生デモ隊に連帯を示した侯徳健(ホウ・デジャン)はこう振り返った。 「広場で200人が死んだと言う人もいれば、2000人も死んだと言う人もいた。戦車が立ち去ろうとする学生を轢き殺したという話もあった。しかし、私はそのような光景を一切見ていない。私自身は朝の6時半まで広場にいました」。

 天安門広場で殺された人々は、広場から遠く離れた場所で、兵士と反政府武装勢力との路上戦闘で殺された。米国務省の報告によれば、反政府勢力は銃器を携帯していない人民解放軍(PLA)将校を火炎瓶で激しく攻撃し、PLAとの銃撃戦が始まる前に、多くの将校を生きたまま焼き殺し、路上で拷問した。

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広場から離れ、人民解放軍(PLA)将校に石を投げるデモ隊[出典:buzzfeednews.com]

 エイブラムスによれば、暴力的な少数派の目的は、自分たちや平和的な多数派に対する軍事的反応を誘発することであり、それによって中国共産党政府を中傷し、急進的な反政府党派の隊列を大きくする原因をつくることだった。

 挑発者たちの一部は台湾で訓練され、おそらくアメリカの諜報機関によって訓練された可能性がある[1]。最も過激なデモ指導者であるチャイ・リン*(柴 玲)は、ジーン・シャープ**と緊密に連携していたと伝えられている。シャープは、西側の影響が及ばない国の内部反体制派を利用して不安定化工作を実現するアメリカの第一人者である。
 *1966年4月15日生まれ。中華人民共和国の民主化活動家。六四天安門事件の学生指導者。
 **アメリカの政治学者。マサチューセッツ大学の名誉教授であり、ボストンのアルベルト・アインシュタイン研究所の上級研究員だった。著書『独裁体制から民主主義へ』は、世界中で広く読まれており、非暴力による民主主義革命の理論的支柱になっている。


 シャープはCIAやCIAに連なる全米民主化基金(NED)と非常に密接に連携し、ワルシャワ条約機構やソ連のヨーロッパ地域、そして「アラブの春」の中東において、同様の不安定化工作で重要な役割を果たした。


ウイグル人虐殺のデマ

 天安門事件に関する米・西側の偽情報は、中国共産党政府が新疆ウイグル自治区のウイグル族に対してジェノサイド(大虐殺)を実行したとする入念な偽情報キャンペーンの下地を作った。

 エイブラムスが指摘するように、こうした主張は、米国政府出資の反中グループに圧倒的に依存していた。彼らは、イスラム主義や分離主義の立場をとる強硬なウイグル人反体制派が牛耳っている。

 NEDは1983年の設立以来CIAと密接な関係にあり、CIAが以前は単独で行なっていたことを、より秘密裏に遂行する任務を負っていた[2]。

 反体制派の証言はしばしば矛盾しており、2010年から2018年にかけて新疆ウイグル自治区のウイグル人人口が25%増加したという事実(ジェノサイドの犠牲となった人々は、明らかに人口の減少を被っているはず)によって裏付けられた。

 欧米のメディアで強制収容所と烙印を押された収容所は、実際には物流公園、通常の拘置所、小中学校だった。

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[出典:: shapehistory.com]

 新疆で多くの時間を過ごした元ロンドン警視庁警官のジェリー・グレイは、西側の主張が彼の直接の観察とまったく食い違っていたことを回想した:

「強制収容所にウイグル人が100万人もいるなんて、まったくのでたらめだ。ウイグル人が1,100万人から1,200万人いることを忘れないでほしい。100万人のウイグル人が収容所にいるなどという根拠はまったくない。観光客向けのレストランではなく、普通のレストランだった。彼らは歌い、踊る。ウイグル人が楽しいときにすることだ。ウイグル語はとても生き生きしている。人々はその土地の言葉を話す。どの店にも、どのメニューにも、どのレストランにも、その土地の言葉が書かれていた。」

 新疆ウイグル自治区は安全で治安もよく、私が話をした人たちはみな満足しているようだ、とグレイは締めくくった。

 カナダ人ビジネスマンで、10年以上中国に滞在した中国政治の研究家ダニエル・ダンブリルも、同様の趣旨のことを述べている:

「私たちは、ウイグル人の人口が根絶されつつあると信じることを期待されている。文字どおりの意味であれ、文化的な意味であれ、馬鹿げた発言だ。中国のウイグル族は、一人っ子政策の対象にならなかったことや、2万ものモスクが建てられたこと、彼らの文字が国の通貨に表記されたこと(後に彼は、これはカナダが先住民族にしなかったことだと指摘している)、中国最大のスターはウイグル族の女性で、最近ルイ・ヴィトンのブランド宣伝大使に起用されたこと、ウイグル族の子どもたちは漢民族よりも簡単に一流大学に入学でき、食堂ではハラルフード*が用意され、キャンパス内には礼拝エリアがあることなどから、大多数の漢民族よりも急速に成長してきた。」
*イスラム教において食べることが許されている料理や食品

 過去にアメリカは、1997年から2014年にかけて行なわれたテロ攻撃で1,000人以上の中国市民を殺害し、トルコの支援を受けてシリアのアサド政権と戦った東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)を支援することで、新疆ウイグル自治区の不安を煽る手助けをしていた。

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米政権は第二次世界大戦後、2000万~3000万人を殺害してきた
ETIM(東トルキスタン・イスラム運動)の戦闘員 [【出典:archive.shine.cn]


 2018年、コリン・パウエル国務長官の元参謀長であるローレンス・B・ウィルカーソン大佐は、アフガニスタンに米軍が駐留する最大の理由は、共産主義中国の不安定化と弱体化に利用できる新疆ウイグル自治区のウイグル人武装勢力が近くにいるからだと指摘した。

 2017年以降、中国政府はウイグル人住民の過激化を防ぎ、過激化しやすい人々を社会に統合するために改善策を講じた。雇用を得たり、現代生活に対処したりするのに役立つ実践的な技能を必要としているウイグル人に教え、それによって犯罪活動やテロリズムへの誘惑を減らすための新しい機関が設立された。

 これらは、悪評高いと言われた中国共産党の再教育キャンプであったが、実際には2019年までにウイグル人の犯罪やテロを減らすことに成功した。

 FBIの内部告発者シベル・エドモンズは、西側諸国が新疆ウイグル自治区における人道的虐待の疑惑をでっち上げ、自国のメディアがこの問題を大きく取り上げ、反中感情を煽るだろうと予測していた。1950年代から国外で武装勢力を養成する同様の組織活動を展開していたチベットで、米国が過去に行なっていたのと同じように、である。

 この反中感情は、東南アジアにおけるアメリカの大規模な軍備増強と中国包囲網を正当化するのに役立った。中国は経済的成功を収め、アメリカの一極支配への挑戦を強めているため、ますます脅威になっていると見なされたのである。


歴史上の残虐行為の捏造

 エイブラムスは『残虐行為の捏造とその結果』の中で、「敵対国が特にひどい犯罪を犯していると描くことは、特にその敵対国に対して軍事行動やその他の敵対的措置を開始しようとする場合、世論や国際世論を動かし、(アメリカの)帝国主義的行動を正当化する効果的な手段を一貫して提供してきた」と書いている。

 重要な青写真が確立されたのは、第一次世界大戦中、イギリスのブライス委員会が1915年にベルギーのドイツ兵に関する嘘の残虐物語を流したときである。それは、イギリスの民衆が対戦への介入を支持するように変え、アメリカにおいて戦争への抵抗を弱めたのである。

 元駐米英国大使のジェームズ・ブライス子爵が委員長を務めたこの委員会は、ドイツ人によるベルギー人女性や少女への公開レイプや身体切除、8人のドイツ兵による2歳の子供の銃剣突きを扇情的に描いたのである。

 報告書は、ほとんどが匿名のベルギー難民の証言に基づいており、伝聞証拠がそのまま受け入れられた。

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イギリスの戦争プロパガンダ[Source: reddit.com]

 1922年にベルギーで開かれた調査委員会は、残虐行為が実行されたとされる現場での調査を行なったが、ドイツ軍の過剰行為に関する報告はひとつも確認できなかった[3]。

 CIAはブライス委員会の成功を模倣し、冷戦時代にエイブラムスが言うところの「政治的物語を操作するために、強力な世界的な情報網」を構築しようとした。

 エイブラムスは書いている。「CIAのモッキンバード作戦は、より顕著な関連作戦のひとつであり、アメリカ人ジャーナリストがCIAの指示した記事を掲載するように採用されるのを見た。それらの記事は、しばしばソ連やその同盟国を、全く捏造された情報で中傷した」、と。

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[出典:whatyouthoughtwentaway.wordpress.com]

 1962年、米国防総省と統合参謀本部(JCS)は、国内と世界の世論をキューバに敵対させる作戦を提案した。それは、フロリダのマイアミでテロ攻撃を仕掛けるというもので、キューバ政府のせいにすることができ、CIAがピッグス湾で屈辱を味わった後、米軍の侵攻を正当化することができるというものだ。

 ベトナムでは、CIAの医師トム・ドゥーリーがブライス委員会の脚本にしたがって、ベトミンが1,000人の妊婦の腹を切り、裸の司祭の睾丸を竹の棒で殴り、キリスト教の聖書を聞かせないために子供の耳に箸を突き刺したという話をでっち上げた。

 この頃CIAは、ゴ・ディン・ディエム率いる傀儡政権の樹立を進めており、ゴ・ディン・ディエムは、政治的反対勢力を組織的に一掃しようと、CIAの後ろ盾のもとで奮闘していた。

 1964年、ジョンソン政権はトンキン湾事件をでっち上げた。米艦艇が南シナ海で北ベトナムに攻撃されたとされるが、これは米軍の全面侵攻と、北ベトナム、南ベトナムの民族解放戦線(NLF)や、近隣のラオスやカンボジアの補給線を標的にした世界史上最大の空爆作戦を正当化するためのものだった。

 2002年に公開されたホワイトハウスでの録音によれば、その反響の大きさにもかかわらず、リンドン・B・ジョンソン大統領でさえ、北ベトナムがトンキン湾で攻撃を開始したという主張には強く懐疑的であったという。そして、その後の38年間の証拠を見ても、北ベトナムによる攻撃はなかったということに疑問の余地はなかった。

 1960年代を通じてベトナム戦争が長引くにつれ、米政府とCIAは米軍による大規模な残虐行為を隠蔽するために、敵による残虐行為をでっち上げ続けた。

 スティーブン・ヤング上院議員(オハイオ州選出)は、ベトナムにいたとき、CIAから、CIAはベトコン(ベトナムの共産主義者)に偽装して殺人やレイプなどの残虐行為を行ない、住民の信用を失墜させたと聞いた、と語っている。

 フィリピンでは、土地の再分配を望み、アメリカの地域構想に反対するフク族の評判を低下させるために、反乱軍(フク族)に偽装したアメリカ寄りの政府軍が村を略奪し、市民を殺害することが許されていた。

 米空軍とCIAの間で作戦を調整した米空軍将校のL.フレッチャー・プラウティは、この手法はCIAの諜報員エドワード・ランズデールの指示のもとで「フィリピンで高度な芸術の域にまで発展した」と述べ、同じ手法の多くがベトナムでも使われたと語った。


朝鮮半島での犯罪

 ベトナム戦争と同様、朝鮮戦争も残虐行為であったが、それは邪悪な共産主義者から住民を救うための「人道的介入」であった。

 この物語を制度化するために、国防総省はハンフリー・ボガートがナレーションを担当したプロパガンダ映画『朝鮮の犯罪』を後援した。

 エイブラムスは、「アメリカのメディアで広く流布された『朝鮮の犯罪』は、世間一般から見て、戦争を推進するために道徳的な要請を与えた」と書いている。

 『タイム』誌の「野蛮」と題するコラムも同様で、テジョン(太田市)での大規模な共産主義者の虐殺を記述していたが、後の調査で、アメリカと同盟を結んだ韓国軍による犯行と判明した。

 ジョセフ・マッカーシー上院議員(共和党、ウィスコンシン州選出)によって任命されたチャールズ・E・ポッター上院朝鮮人残虐行為小委員会委員長(共和党、ミシガン州選出)は、米国の敵対勢力は「文明化された人類に対して起こされた獣のような行為」の罪を犯していると強調した。

 彼は、「紅い中国人」 の看護婦が「麻酔の効果もなく、庭ばさみでGIの足の指を切り落とした」と述べ、アメリカ人捕虜は竹槍で拷問され、「小さな鉄の檻に入れられ、動物のように餓死させられ、眼窩からウジが出てきた」と主張した。

 これらの主張は、アメリカ人やイギリス人の捕虜の証言と矛盾していた。捕虜たちは、共産主義についての講義を受けなければならないことには不満を漏らしたものの、捕虜たちからはまともに扱われていたと語っていた。

 一方、北朝鮮と中国の捕虜は、米国が運営する捕虜収容所で極端な残虐行為にさらされ、収容者は革命歌を歌っただけで虐殺され、故郷への送還を放棄するよう暴力的に強要された。

 これは、米国が冷戦下で、政治経済システムが優れているとされる西側への亡命を囚人たちが望んだと主張することで、プロパガンダの効果を上げるためだった。

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朝鮮戦争中、アメリカが運営したコジェド(巨済島)収容所では、深刻な虐待が行われた。[【出典:kushibo.orgg]

 北朝鮮に対する宣伝攻勢は21世紀に入っても続き、北朝鮮を悪者にするために、これまで以上に突飛な話が作り出された。

 こうした話の多くは、CIAとまではいかなくとも、韓国から圧力を受けたり、金をもらったりした脱北者によって流布された。

 そのような脱北者の一人であるシン・ドンヒョク(申東赫)は、ワシントン・ポスト紙の特派員ブレイン・ハーデンと共著で『Escape From Camp 14: One Man's Remarkable Odyssey from North Korea to Freedom in the West(第14収容所からの脱出:北朝鮮から西側での自由への一人の男の驚くべき旅)』というベストセラーを書いたが、捏造であることが暴露された。ドンヒョクは後に、自分の話の大部分を撤回した。

 西側で12,500ドルの講演料を要求した別の脱北者、パク・ヨンミ(朴研美)は、友人の母親がハリウッド映画を見たために処刑されたという馬鹿げた主張をおこなった[5]。

 さらにもう一人、イ・スンオク(李順玉)は2004年に下院委員会で、北朝鮮の政治犯収容所でキリスト教徒が拷問され、鉄で焼き殺されるのを目撃したと証言したが、脱北者協会のチャン・インスク(張 仁淑)代表は、イが政治犯ではなかったことを直接知っていると述べた。

 エイブラムスによれば、一流のポップ歌手から将軍まで、北朝鮮の著名人が国家によって処刑されたという捏造報道は、死んだはずの人物がカメラに奇跡的に再登場することで頻繁に再報道されていた。

 2015年5月のCNNの報道は、「体制の醜い真実を明らかにする」という枠組みで、金正恩委員長が叔母の金敬姫(キム・ギョンヒ)を毒殺するよう自ら命じたとしたが、金夫人は生きており、2020年1月に公の場に姿を現した。

 エイブラムスによれば、虚偽の脱北者の証言と偏向報道は、「西側諸国では、世界で最も西洋化されていない国家に対する西洋の優位という考えを肯定するように見せかけ、自己満足を与えるために高く評価された。そして、東アジアの敵対国に対する敵対政策の口実を提供し、通常はさらなる経済制裁を含んでいる。」


湾岸戦争での捏造

 1990年10月10日、クウェートに侵攻したイラク兵が、クウェートの病院で赤ん坊を保育器から引き剥がし、床に放置して死なせたと、ナイラと名乗る15歳のクウェートの少女が米議会の人権委員会で直接に証言した。

 彼女の公聴会を後援した上院議員たちがよく知っていたように、ナイラはサウド・アル=サバ駐米クウェート大使の娘であり、イラク侵攻以来クウェートにはいなかった。

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[出典:midnightwriternews.com]

 証言の主導者は、ワシントンD.C.を拠点とする広報委員会「自由なクウェートのための市民の会」(CFK)で、クウェート政府から資金提供を受け、広報会社「ヒル+ノールトン」社と緊密に協力し、イラクに対する世界世論に影響を与え、同国に対するアメリカの軍事行動への支持を得るために活動していた。

 人権委員会の議長であるトム・ラントス(民主党、カリフォルニア州)とジョン・E・ポーター(共和党、イリノイ州)は、CFK(自由クウェートのための市民運動)から5万ドルの寄付を受け、「ヒル+ノールトン社」のワシントン本部に無料で事務所を与えられた。

 その10年後、サダム・フセインについては、大量破壊兵器(WMD)に関する有名な疑惑とともに、敵を人間シュレッダーにかけ、その残骸を魚の餌にしたという根拠のない非難を受け、さらに残虐な話が広められた。

 ウォール街の元記者ジョン・マッカーサーは、2つのペルシャ湾戦争の間に捏造された残虐なプロパガンダの一貫性について、「10年以上前と同じ連中がやっている」と指摘した。彼らは自分たちの思いどおりにするためなら、どんなことでもでっち上げる」、と述べた。


ユーゴスラビア、バルカン戦争、シリア

 1990年代のユーゴスラビアでは、アメリカの戦争プロパガンダはセルビア人指導者スロボダン・ミロシェビッチを中傷し、コソボやその他の地域で大量虐殺を実行したと根拠のない非難をすることに集中していた。

 ミロシェビッチは社会主義者で、ユーゴスラビアをまとめ、バルカン化を防ごうとしていた。

 戦争における最悪の民族浄化行為は、CIAによって計画された「嵐作戦」でクロアチア人によって実際におこなわれたものである。

 クリントン政権は、さらにコソボ解放軍(KLA)を支援した。KLAは、民族的に純粋なアルバニア人国家の樹立を目指し、セルビア人やその他の少数民族を標的としていた。

 麻薬取引からの資金に大きく依存するKLAは、米国務省から「テロ組織」の烙印を押され、NATOの北大西洋理事会からは、コソボにおける「暴力の主な起爆装置」とみなされた。

 セルビア人を「新しいナチス」として描く努力を主導したロイ・ガットマン記者は、セルビア人が強制収容所を運営し、クロアチア人やその他の犠牲者が火葬炉で焼かれ、家畜の飼料にされていると主張する記事を『ニューズデイ』紙の一面に掲載した。

 この記事は、殺害を目撃していない一人の男の証言だけを根拠としていることを証言者自身が認めた。イギリス人ジャーナリストが死の収容所とされる場所を訪れたところ、近隣の村での戦闘から逃れるために収容者たちが自ら進んでその場所に入ったという事実が判明し、反証となった。

 ガットマンは後に、シリアのバッシャール・アル=アサド政権を中傷する同様の宣伝工作で主要な役割を果たすことになる。アサド政権は2010年代初頭までに、ユーゴスラビアとセルビア人に代わって、西側諸国が戦時中の残虐行為を捏造する主な標的となっていた。

 この誹謗中傷キャンペーンには、化学ガスによる自国民への攻撃をアサド政権のせいにしようとする試みも含まれていた。しかし、それらの攻撃は、米国が支援する反政府勢力が行なったものであり、アサド政権側は全く関与していなかった。


リビア――古い脚本をなぞって

 シリアへのアメリカの軍事介入を売り込むために使われた嘘は、ムアンマル・カダフィに対してリビアで採用されたものと似ていた。カダフィは、集団レイプを実行するためにバイアグラを軍隊に提供し、大規模な虐殺を計画していた。それを阻止しなければならなかったという。

 しかし、この国で実際に虐殺が行なわれたのは、欧米とカタールが資金提供したジハード主義の反政府勢力によるもので、彼らはカダフィの打倒後、リビアの黒人を民族浄化の対象とした。

 カダフィは、反乱軍を「植民地主義者である米英のために働く裏切り者」と呼んだ。

 これらの植民地主義者たちは、2011年のリビア攻撃で大規模な戦争犯罪を犯した。カダフィ政権が始めた270億ドルの灌漑プロジェクトであり、リビアの水不足を根絶するものであったグレート・マンメイド・リバー*を爆撃した。
*「巨大人造水路」。サハラの深部にある古代の地下帯水層からリビアの海岸に高品質の淡水をもたらし、家庭用、農業、産業用の地下パイプラインのネットワーク。

 米国とその同盟国によって、またしても偽の残虐行為が、実際の残虐行為を正当化し、独立した政治的・経済的な歩みを進めようとする国家を破壊するために利用されたのである。


その他の事例――ルワンダとロシア

 エイブラムスの著書は非常に包括的だが、いくつかの重要なケースを省いている。最初はルワンダである。1994年4月、フツ族の過激派がツチ族に対して一方的に大量虐殺をおこない、世界が傍観している間に約80万人が殺害されたと糾弾された。

 しかし、1991年の国勢調査では、ルワンダには59万6千人のツチ族が住んでおり、そのうち30万人が生存していると推定されている。つまり、296,000人のツチ族がフツ族に殺されたが、残りの死者、500,000人以上がフツ族だったということになる[6]。

 研究者であるアラン・スタムとクリスチャン・ダヴェンポートが発見したことは、フツ族とツチ族が攻撃者と犠牲者の両方の役割を担っており、1994年4月に殺戮が最も多く行なわれた戦場は、ツチ族が率いるルワンダ愛国戦線(RPF)が実行した軍事作戦の急増と関係していることであった。1990年5月、そのルワンダ愛国戦線(RPF)のウガンダへの侵攻は、米英によって支援されていて、全面戦争の引き金となった。

 フツ族の残虐行為に関する誇張された主張は、後にクリントン政権とブッシュ第2政権によって、ポール・カガメ率いるルワンダのRPF政府が、表向きはフツ族の大量虐殺者を追い詰めるために武装したことにして、コンゴ民主共和国(DRC)への侵攻を正当化するために利用された。

 この侵攻は数百万人の死者を出し、ルワンダとその同盟国ウガンダ、そしてアメリカに拠点を置く多国籍企業によってコンゴの天然資源が略奪されるという結果となった。

 最後に挙げるに値する例は、米国政府が100年以上にわたって偽情報を流し続けてきたロシアである[8]。

 1917年10月のボリシェヴィキ革命後、米国議会はブライス委員会に匹敵する扇動的な公聴会を開き、ソビエト・ロシアを、歴史家フレデリック・シューマンが言うように、「文明の痕跡をすべて破壊し、国家を野蛮に戻すことを目的とした殺人狂の組織(ボリシェヴィキ)のなすがままになっている、忌まわしい奴隷が住む一種のベッドラム(精神病院)」と描いた[9]。

 ボリシェヴィキ政権(「赤軍」)の打倒を目指す旧帝国軍将校(「白軍」)を支援するためにロシアに侵攻したアメリカ遠征軍の総司令官ウィリアム・グレイブスは、しかし、ボリシェヴィキがロシア内戦で1人殺すごとに、白軍は100人殺したと述べた。

 ロバート・アイケルバーガー中佐は、赤軍ではなく白軍の残虐行為は「中世における恥辱のようなもの」だったと述べている[10]。

 今日、バイデン政権は、ロシアとの代理戦争でウクライナへの軍事支援をエスカレートさせることを正当化するために、さらにロシアの残虐行為をでっち上げるという古い脚本をなぞっている。

 2022年4月4日、バイデンは、ウクライナの町ブチャでロシア軍による市民の大量殺戮が報道されたことを受けて、ロシアのプーチン大統領を戦争犯罪人と呼び、記者団にこう語った。 「ブチャで起きたことを見ただろう。この男は残忍で、ブチャで起きていることは言語道断だ」、と。

 しかし、奇妙なことに、ブチャでロシア軍が民間人の殺害に従事しているビデオ映像はひとつもなく、ブチャで殺害された人々の大半は、ロシア軍が撤退した後、ネオナチのアゾフ大隊による掃討作戦中に殺害されたことを示す証拠がかなりある[11]。

 アメリカ政府は以前、2014年7月にウクライナ東部上空でマレーシア航空機が撃墜されたとロシアを非難していたが、現場証拠ではウクライナ空軍のみが保有する空対空ミサイルで撃墜されたことが示されている。

 ロシアに向けられた虚偽の告発は、現在我々を潜在的な核戦争の瀬戸際に追い込んでいて、その攻撃的な軍事政策への国内世論の支持を形成する上で重要な意味をもっている。歴史には多くの類似点があるが、今日の危険は以前よりもさらに大きくなっているようだ。

*
ジェレミー・クズマロフ(Jeremy Kuzmarov)は「コバート・アクション(隠密行動)」誌の編集長。オバマの終わらない戦争』(クラリティ・プレス、2019年)、ジョン・マルシアーノとの共著『ロシアが再びやってくる』(マンスリー・レビュー・プレス、2018年)など、米国の外交政策に関する4冊の著書がある。連絡先:jkuzmarov2@gmail.com

*
訳註

1. こうした指導者の中には、欧米による香港の植民地化を公然と支持する者も多く、2010年にノーベル平和賞を受賞した劉暁波は、「中国が前進するためには、少なくとも300年にわたる欧米の植民地主義が必要だった」と主張している。

2.2004年以降、NEDはウイグルの擁護団体に875万8300ドルを供与している。中国人権擁護団体ネットワーク(CHRD)もまた、新疆ウイグル自治区虐殺疑惑の主要な情報源であり、NEDを通じて米国議会から多額の資金援助を受けていた。ラジオ・フリー・アジアはCIAの放送関係のための新規企業で、西側の敵対者を中傷するために、特におかしな捏造記事を制作してきた長い歴史がある。もう一人の情報源はドイツの「学者」エイドリアン・ゼンツで、彼は福音主義的な神学教育機関だけで教鞭をとっており、査読のある学術誌に発表したことはない。

3. アメリカの特派員アーヴィン・S・コブは、メディアで報道された残虐行為の10件のうち1件は実際に行なわれた可能性があると述べた。

4. 米海軍情報部の海軍史部長代理で米海軍の上級歴史家であるエドワード・J・マロルダ博士によれば、北ベトナムの無実は「十分に立証されていた」という。

5. 朴大統領は自身のYouTubeチャンネル「Voice of North Korea」で60万人の登録者を獲得し、一貫しておかしな主張を展開し、国の崩壊と指導部の転覆が間近に迫っていると頻繁に予言する新しい動画を週に数回公開していた。2021年上半期だけでも、次のような例がある。 金正恩の妹や多くの北朝鮮の子どもたちがクリスタルメス*を常用していること、障害者やエイズ患者が処刑されたり化学兵器で実験されたりすること、金正恩が密かに同性愛者で女性の性奴隷を持っていること、などなど。
*非合法のアンフェタミン。コカインに比べ安価で持続性に富む。

6. Marijke Verpoorten, 「ルワンダ: ジェノサイドで20万人のツチが死んだという主張はなぜ間違っているのか」『アフリカの主張』2014年10月27日。

7.Genocide (New York: Monthly Review Press, 2010), 58, 132, 133. ダヴェンポートとスタムは、1996年当時ルワンダには50万6,000人のツチ族がいたという信念に基づき、殺害されたツチ族は20万人に過ぎないと指摘しているが、マライケ・フェルポールテンのような他の研究者は、50万6,000人という数字は低すぎ、ルワンダには59万6,000人ほどのツチ族がいたと指摘している。しかし、彼女の数字を受け入れたとしても、ツチ死亡者の公式合計は公式発表よりはるかに少ないだろう。

8. ジェレミー・クズマロフ、ジョン・マルシアーノ『ロシア人が再びやってくる:最初の冷戦は悲劇として、2番目は茶番として』(New York: Monthly Review Press, 2018)を参照。

9,その後、マスコミはボリシェヴィキが女性を国有化(支配)したとまで主張するセンセーショナルな記事で埋め尽くされた。

10. クズマロフとマルシアーノ『ロシア人は再びやって来る』50。

11. 元米海兵隊情報将校のスコット・リッターは、路上に横たわる死体を映した衛星画像から、これらの人々が発見される24~36時間前に殺されたことを割り出した。遺体の多くは上腕に白い布を巻いており、これはロシアへの忠誠心か、ロシア人にとって脅威ではないことを示す視覚的な指定であった

数十億ドル規模の 「指向性エネルギー兵器(DEW)」市場、軍用と 「民生用」(?) DEWはハワイで使われたのか?

<記事原文 寺島先生推薦>
Multi-Billion Dollar “Directed Energy Weapons (DEW)” Market, For Military and “Civilian Use” (?). Were DEWs Used in Hawaii?
筆者;ミシェル・チョスドフスキー (Michel Chossudovsky)
出典:グローバルリサーチ  2023年8月30日
<記事飜訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年9月4日


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 指向性エネルギー兵器(DEW)は53億ドルの好況な市場(2022年)をなし、2027年までに129億ドルに増加する予定である。この利益追求型の軍需産業市場は、レイセオン、ノースラップ・グランマン、BAEシステムズ(plc)、ボーイング、ロッキード・マーチン、L3ハリス・テクノロジーズを含む6つの「国防請負業者」によって牛耳られている。

 レイセオンによれば

「指向性エネルギー(DE)技術の開発は、ドローンの脅威に対抗するために使用される。」

 指向性エネルギー兵器にはいくつかの高度な技術がある。例えば、高エネルギー・レーザー(Hel)、高出力無線周波数兵器、音波兵器、電磁波兵器である。(詳細については、下の表「指向性エネルギー市場の呼び物」を参照)。

 指向性エネルギー兵器は主に軍事利用を目的としているが、いわゆる「非致死性」および/または「致死性の低い」指向性エネルギー兵器は、いわゆる「国土安全保障用途」にも想定されている(下表参照)。


証拠: 指向性エネルギー兵器はハワイで使用されたのか?

 画像は、荒廃と破壊の範囲と性質を確認している。(以下のビデオを参照)。

 また、発生した被害が「自然現象」によるものではないことを示唆している。

 証拠は、指向性エネルギー兵器(DEW)が使用された可能性(まだ完全に確認されていない)と破壊行為が意図的であったことを示唆している。


ビデオ: 家屋が標的に? 緑の木々は無傷のまま

 空撮映像をご覧ください。この山火事の場所はまだ確認されていない。オレゴン州南部かもしれない。[2023年8月19日]

  被害を受けていない木々の間に全焼した家屋があるのはなぜか?


ビデオ 「意図的な破壊」?

追加画像 0904

*訳者:上掲の映像は原サイトからご覧下さい。








 上記のCBSの報道は、"A Wildfire Disaster"(山火事による災害)と指摘している。

 何千もの家族が家を失い、焼け野原になった。DEW攻撃による壊滅的な影響は言及されていない。公式発表は 「自然現象」 と指摘している:

「自宅が焼け落ちた家族を呼び出して、その土地を市場価格以下で買い取ると申し出るなどということを想像できるだろうか?

 これはハワイで今、大規模に起こっているようだ。」 マイケル・スナイダー、(2023年8月17日)

***
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 軍産複合体の民間企業6社のうち、レイセオンとBAEシステムズは、米空軍のためにENMOD( 環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約)技術にも関与している。

 国際市場も盛んである。DEWは世界中に輸出されている。電磁兵器を含む様々な技術がある。

 いわゆる「国土安全保障用途」での使用には、空港保護、暴動鎮圧、インフラ保護などの「非致死的」民間用途も含まれる(下記参照)。


市民による犯罪捜査?

 これらのいわゆる 「非致死的」 あるいは 「致死的でない」 DEWは、民間企業および/または政府機関によって入手または購入可能なのか?DEWSの販売や非致死的使用は規制の対象となるのか?

 MarketandMarkets.comによると、非軍事的な 「非致死的」用途は北米市場の41.2%以上を占めている:

 「陸・空・海の安全保障のためのレーザー兵器需要の高まり、指向性エネルギー兵器の新たな開発、非致死性兵器の採用が市場を成長させる原動力となっている。」

 ハワイやアメリカ各地で起きたこの壊滅的な破壊の背後に何があるのか、市民による調査が必要である。

 私たちは今日、ハワイの人々に思いを寄せている。

 以下は、指向性エネルギー兵器市場の調査である:

 下の画像をクリックすると完全な文書にアクセスできます。

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気象兵器:「米軍による気候兵器の実験に要注意!」

<記事原文 寺島先生推薦>
Weather Warfare: “Beware the US Military’s Experiments with Climatic Warfare”
「気候兵器」は、気候変動に関する議題から除外されている。
筆者:ミシェル・チョスドフスキー教授
https://www.globalresearch.ca/author/michel-chossudovsky
出典:グローバル・リサーチ  2023年9月1日
初出:『エコロジスト』2007年12月号、グローバル・リサーチ2007年12月7日号
<記事飜訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年9月3日


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筆者による注

 「環境改変技術」とは、自然のプロセスを意図的に操作することによって、生物相、岩石圏、水圏、大気圏を含む地球、あるいは宇宙空間の力学、組成、構造を変化させる技術を指す。(環境改変技術の軍事的またはその他の敵対的使用の禁止に関する条約、国連、ジュネーブ、1977年5月18日)

 「米軍の科学者たちは、潜在的な兵器として気象システムの研究に取り組んでいる。その方法には、嵐を強化したり、地球の大気中で「大気の川」の向きを変えたりして、干ばつや洪水を引き起こすことを狙っている。(故ロザリー・バーテル)

 指向性エネルギー兵器(DEW)は53億ドル(2022年)の活況を呈しており、2027年には129億ドル(約1.6兆円)にまで拡大すると予測されている。この利益主導の軍需産業市場は、レイセオン、ノースラップ・グランマン、BAEシステムズ(plc)、ボーイング、ロッキード・マーチン、L3ハリス・テクノロジーズを含む6つの「国防請負業者」によって支配されている。

 「レイセオン社とBAEシステムズ社も米空軍に代わってENMOD技術に関与している」(ミシェル・チョスドフスキー、2023年8月)


関連記事
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「数十億ドル規模の "指向性エネルギー兵器(DEW)"市場、軍用と"民生用"(?) この兵器DEWはハワイで使われたのか?」
(ミシェル・チョスドフスキー、2023年8月30日)

***

 私は2001年、アラスカのゴコナにあるHAARPアンテナ・システムに焦点を当て、環境改変技術(ENMOD)の研究を開始した。

 HAARP施設は、高度な能力を有し、1990年代半ばから全面的に稼働していた。

 HAARPは2014年に閉鎖されたが、環境改変技術(ENMOD)の技術はこの10年間でますます複雑になり、精度も高まっている。文書の多くは機密扱いになっている。

 米国では、指向性エネルギー兵器(DEW)が、DARPA(国防高等研究計画局)や空軍研究所、海軍研究局など、国防総省に関連する複数の機関によって研究されている。

 気候、地球工学、環境改変技術(ENMOD)に関する議論に関連して、The Ecologistが最初に発表したこの記事(2007年12月7日)は、概要と歴史を提供している。また、BAEシステムズ社やレイセオン社など、HAARP開発における民間軍事請負業者の役割も確認されている。

ミシェル・チョスドフスキー 2023年8月17日

***
 地球規模の気候変動に関する議論ではほとんど語られていないが、世界の天候は現在、新世代の高度化された電磁波兵器の一部として変更することができる。アメリカもロシアも、軍事利用のために気候を操作する能力を開発してきた。

 環境改変技術(ENMOD)は、米軍によって半世紀以上にわたって実用化されてきた。米国の数学者ジョン・フォン・ノイマンは、米国防総省と連絡を取りながら、冷戦真っ只中の1940年代後半に気象改変の研究を開始し、「まだ想像もつかないような気候戦争の形態」を予見した。ベトナム戦争では、1967年に始まったポパイ計画で雲を播く技術が使われた。その目的は、モンスーン期間を長引かせ、ホーチミン・ルート沿いの敵の補給路を遮断することだった。

 米軍は、気象パターンを選択的に変化させることができる高度な能力を開発した。高周波活性オーロラ研究プログラム(HAARP)の下で完成しつつあるこの技術は、戦略防衛構想(スター・ウォーズ)の付属物である。(HAARP施設は2014年に閉鎖されたが、それ以後も、より高度な施設が開発されている)軍事的見地から見れば、HAARPは大気圏外から作動する大量破壊兵器であり、世界中の農業を不安定化させることができる。

 米空軍の文書AF2025最終報告書によれば、気象改変は 「戦争をする兵士に、敵対者を打ち負かしたり、威圧したりするための幅広い可能性のある選択肢を提供する」 ものであり、その能力は洪水、ハリケーン、干ばつ、地震の誘発にまで及ぶという:

 気象改変は、国内および国際的な安全保障の一部となり、一方的に実行される可能性がある......攻撃的および防衛的な応用が可能で、抑止力の目的で使用されることさえある。地上に降水、霧、嵐を発生させる能力、宇宙気象を修正する能力...そして人工気象を作り出すことはすべて、統合された一連の(軍事)技術の一部である」。*(『戦力増強装置としての天候:2025年の天候を支配する』)。

 1977年、国連総会は 「広範囲で、長期的、または深刻な影響を及ぼす環境改変技術の軍事的またはその他の敵対的使用」を禁止する国際条約を批准した。同条約は「環境改変技術」を「生物相、岩石圏、水圏、大気圏を含む地球、または宇宙空間の力学、組成、構造という、自然界の流れを意図的に操作することによって変化させるあらゆる技術」と定義した。

 1977年条約の内容は、1992年のリオでの地球サミットで署名された国連気候変動枠組条約(UNFCCC)で再確認されたが、軍事利用のための気象改変に関する議論は科学的タブーとなっている。

 軍事評論家はこのテーマについて無言である。気象学者はこの問題を調査せず、環境学者は京都議定書の温室効果ガス排出量にだけ注目している。軍事的・諜報的意図の一環として気候や環境が操作される可能性は、密かに知られているが、国連が支援する気候変動に関するより広範な議論の一部にはなっていない。


HAARP計画

 1992年に設立されたHAARPは、アラスカのゴコナに拠点を置き、高周波電波を通して電離層(大気の上層)に大量のエネルギーを送信する高出力アンテナ群である。その建設には米空軍、米海軍、国防高等研究計画局(DARPA)が資金を提供した。空軍研究所と海軍研究局が共同で運営するHAARPは、「電離層の制御された局所的な変化」を作り出すことができる強力なアンテナ装置である。公式ウェブサイト(www.haarp.alaska.edu)によると、HAARPは「電離層の温度に局所的な小さな変化を誘発し、HAARPの設置場所かその近くにある他の観測装置で物理的反応を研究する」ために使用される。

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HAARPのアンテナ群

 しかし、国際公衆衛生研究所(International Institute of Concern for Public Health)のロザリー・バーテル会長は、HAARPは次のように機能していると言う:

「電離層に大きな混乱を引き起こし、致命的な放射線が地球を襲うのを防ぐ保護層に、穴だけでなく長い切り傷を作ることができる巨大な熱源発生器(ヒーター)」

 物理学者のバーナード・イーストランド博士は、これを「これまでに作られた中で最大の電離層ヒーター」と呼んだ。

HAARPはアメリカ空軍によって研究計画として発表されているが、軍事文書によれば、その主な目的は、気象パターンを変化させ、通信やレーダーを混乱させることを目的とした「電離層の変形」であることが確認されている。

 ロシア下院の報告は次のように述べている:

「米国はHAARP計画の下で大規模な実験を行い、宇宙船やロケットに搭載された無線通信回線や機器を破壊し、電力網や石油・ガスパイプラインに重大な事故を引き起こし、地域全体の精神衛生に悪影響を与えることができる兵器を作ることを計画している」1*。

 アメリカ空軍から出された声明を分析すると、考えられないことが指摘されている。

世界戦争の武器として、気象パターン、通信、電力システムを秘密裏に操作し、アメリカが地域全体を混乱させ、支配することを可能にする

 気象操作は卓越した先制攻撃兵器である。敵国や「友好国」に知られることなく、経済や生態系、農業を不安定化させることができる。また、金融市場や商品市場に大混乱を引き起こすこともある。農業の混乱は、食糧援助や、アメリカや他の西側諸国からの輸入穀物への依存度を高める。

 HAARPは、HAARPの特許を所有するレイセオン社、アメリカ空軍、イギリス航空宇宙システム(BAES)の英米連携事業の一環として開発された。

 HAARP計画は、この2つの防衛大手による先端兵器システムの共同事業のひとつである。HAARP計画は、アトランティック・リッチフィールド・コーポレーション社(ARCO)の子会社であるアドバンスト・パワー・テクノロジーズ社(APTI)によって1992年に開始された。APTI(HAARP特許を含む)は1994年にARCOからE-システムズ社に売却された。E-システム社はCIAと米国防総省と契約し、「大統領が核戦争を管理できる」「ドゥームズデイ・プラン(地球最後の日計画)」を準備した。その後、レイセオン社に買収され、世界最大の諜報請負会社のひとつとなった。BAES社は、2004年に海軍研究局と契約し、HAARPアンテナ群の先進段階の開発に携わった。

 132基の高周波送信機の設置は、BAES社から米国子会社のBAEシステムズ社に委託された。7月の『Defense News』の報道によると、この計画はBAES社の電子戦部門が請け負った。9月には、HAARPアンテナ群の設計、建設、作動に対して、DARPA(国防総省高等研究計画局)から技術的業績に対する最優秀賞を受賞している。

 HAARPシステムは全面稼働しており、多くの点で既存の通常兵器や戦略兵器システムを凌駕している。軍事目的に使用されているという確たる証拠はないが、空軍の文書は、HAARPが宇宙の軍事化に不可欠な要素であることを示唆している。アンテナはすでに定期的にテストされているはずだ。

 UNFCCC(気候変動に関する国際連合枠組条約)のもと、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は「気候変動の理解に関連する科学的、技術的、社会経済的情報を評価する」任務を負っている。この任務には、環境戦争も含まれる。ジオ・エンジニアリング(地球工学)は認められているが、その根底にある軍事利用は、2,500人ほどの科学者、政策立案者、環境保護論者の専門知識と意見に基づく、何千ページにも及ぶIPCCの報告書や補足文書では、政策分析の対象にも科学的研究の対象にもなっていない。「気候兵器」は人類の未来を脅かす可能性があるが、IPCCが2007年のノーベル平和賞を受賞した報告書からは、さりげなく除外されている。

なぜ米国の「目覚めた左派」は、大当たりした児童性売春を主題とした映画に対してだんまりなのか?

<記事原文 寺島先生推薦>
Why Is America’s ‘Woke Left’ Silent Over Blockbuster Child Sex-Trafficking Film?
出典:SOTT 2023年8月7日
(初出はストラテジック・カルチャー・ファンデーション。2023年8月5日)
筆者:ロバート・ブリッジ(Robert Bridge)
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>   2023年8月27日

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 性的な児童売買に関する恐ろしい現実を取り上げた米国映画が、政治的左派から、非常に抑えた反応で迎えられている。それは次のような疑問を投げかける―この沈黙は、言葉に出すのも憚れる犯罪の共犯になる、ということなのか?

 ティム・バラードは、米国の反人身売買主義者であり、性的人身売買に反対する「地下鉄作戦(Operation Underground Railroad)」という名の非政府組織の創設者である。彼は米国国土安全保障局の元特別捜査官で、現在は政府から独立した活動をしているのだが、そのバラードが自分の人生を捧げた生きがいがハリウッド映画において不朽の名声を得ることになったのだ。その題名は、「自由の音(Sound of Freedom)」

 バラード役を演じるジム・カヴィーゼルが主役のこの映画では、バラードの実生活の、痛ましい体験に基づく筋書きが展開されている。実際にバラードは、性奴隷という悪夢から子どもたちを救出する活動をおこなっていた。映画評論家からは賛否両論が上がったが、1450万ドル(約21億円)の製作費がかかったこの映画は、1億4千ドル(約210億円)というとんでもない額の興行収入をあげ、観客からは高い好感を得た。またロッテン・トマトという映画評判サイトでは、99%という高い数値が出ているが、明らかにそれは、正当な理由があってのことだろう。

 国際労働機関の推定では、2016年に世界で人身売買の被害者が2490万人あったという。それなのに、左寄りのメディアやその他の機関は、彼らにしか分からない理由から、不思議なことにエンジェル・スタジオの製作に幕を引こうと躍起になっているように見える。




 「バラエティ誌」の記事で、オーウェン・グレイバーマンは以下のような見解を示した。「みなさんは、私もそうですが、右派の原理主義的陰謀論者ではないですよね。暗くって宗教的なサスペンス映画を見て、祭日の週末を過ごそうとは思っていないです。そうだとしても、『自由の音』という絶対に感動する映画を見るのに極端な信念は必要ありません。この映画は、私たちの時代の残酷な犯罪の一つに、本当の光を当てるものです。ハリウッドがたいがい避けてきた主題を取り上げた映画です」と。

 #MeToo運動により明らかにされた、芸能産業界内部での性的不祥事の問題が見出しを飾り続けている中で、ハリウッドが小児性愛や性的児童売買を主題にすることに対して無関心で嫌悪感さえ示しているという事実は、控えめに言っても奇妙だ。結局、この映画内で触れられているとおり、奴隷が法的に認められていた時代よりも、現在の方が性的人身売買により奴隷にされている人の数は多いのだ。そしてハリウッドの大物たちが犯した性的虐待(性行為が法的に認められている成人に対するもの)疑惑が厳しく嫌悪されているにも関わらず、米国を主導するハリウッドが性的児童売買を保護、さらにはそれに関わっている可能性があるなどというほのめかしでさえ、世間の道徳が受け入れる限界に大きく問題をなげかけることになろう。

 言うまでもないことだが、ハリウッド内部の聖地に関する無数の陰謀論には、際限がない。具体的には往年の映画監督キューブリックが見せたような秘密結社による支配や歯止めない性的不祥事などだ。ハリウッドは、カリフォルニアの太陽の下、おぞましい事件を起こしてきた。泥にまみれたその評判に付け加えるかのように、ますます多くの人々が、その多くがハリウッドに雇われた人たちなのだが、ハリウッドの高い地位にいる人々の小児性愛についての告発をおこなっている。さらには、これらの告発者の訴えが多くの報道機関や芸能界から真剣に受け止められていない事実からも、ますますその疑いが高まっている。

 ではなぜ進歩的左派が、ネットフリックスやフールー、アマゾンといった動画配信業者からペストのように避けられている『自由の音』に対して沈黙を保っているのだろうか?第1の悪役は、「人間の本性」だ。これこそが、リベラル派の哲学からするととんでもない告白なのだが、人間の全ての振る舞い、性的な本性はなおさら、進歩的な活動家たちが配置された法廷で、正当な審問のもとで裁判されることは当然である、とされている。実際、小児性愛を法的に認めたり、その罪で有罪となった人たちを恩赦すべきだという要求もあがっている。

 ステファン・カーシュナー博士は、ニューヨーク州立工科大学フレドニア校の哲学教授だが、この人物が子どもたちと大人の間の性的関係を良しとしている左派の多くの研究者(他にいるだろうか?)の中の一人だ。以下はカーシュナー博士の主張だ。「成年男性が12歳の少女と性行為を望んでいると考えてください。相手の少女もそれを望んでいるとしたらどうでしょう? 非常に標準的で広く受けいれられている視点からは、このような行為は深く誤った行為だとされています。お互いが了承している状況を無視して、このような行為を犯罪だと捉えるのは、間違っていると思います。このような行為が間違っていると考えることは、私にはよく分からないのです。間違っている考える方がおかしいと思います。この行為がなぜ間違いなのかを掘り下げて考えれば、大人と子どもの間の性行為と法で定められた強姦との違いでもありますし、道徳とは何かという基本的な原理を見つめ直すことにもなります」と。

 カーシュナー博士は、大人と子どもの間の性行為には、「進化上の利点」がある可能性があるとまで示唆し、以下のような驚愕的なことばで締めくくっている:「1歳児と性行為を持つことを間違っていると考えることさえ、私にはよく分かりません」と。

 学術界のオリンピックで負けてなるものかと、オールド・ドミニオン大学のアリン・ウォーカー助教授は、「未成年者に惹かれる人々」ということばを作って、「小児性愛」という言葉がもつ偏見を取り除こうとした。ウォーカー助教授は、 大人が子どもや幼児までをも性的欲求の対象にすることを精神錯乱の一形態であるとは捉えておらず、 自分が愛する対象を抑制できない人々に起こる事例であると捉えている。この考え方は、児童強姦を正当化する非常に病的な考え方だ。

 このような完全な狂気が漂うなか、カリフォルニア州のガビン・ニューサム知事が上院の145法案に署名したことも、もはや驚きではない。この法案は、同性の未成年と性行為をおこなった成人の罪を軽くするものだ。



 最後に述べたいことは、『自由の音』が粉砕しようとしている過激な文化的風潮のことを忘れてはならない、ということだ:LGBTQの行進、女装した男性たちが子どもたちに読み聞かせをするという ドラッグ・クイーン・ストーリー・アワー、小学校段階でのトランスジェンダーや非日常的性生活などの話し合いが全て、米国民の世論を支配するようになってきたいま、子どもたちを食い物にする人々を標的にするような映画は、大多数の人々からは嫌な映画に思われてしまっているようなのだ。この自由の国アメリカの地で、更なる出鱈目なことが起こることを想像するのは難しいが、このような狂気はまさに今、始まったばかりだ。

ロバート・F・ケネディ・Jr が、ウクライナの米国生物研究所を問題視

<記事原文 寺島先生推薦>
Kennedy comments on US biolabs in Ukraine
出典:RT  2023年8月15日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年8月24日



スクリーンショットによる © Twitter / @TuckerCarlson


国防総省は生物兵器研究のために他の国々を利用していたとロバート・F・ケネディ・Jr.がタッカー・カールソンに語る

 米軍は、2014年のキエフ・クーデター後のウクライナ政府に、生物兵器研究の一部を外部委託していた、と民主党大統領候補への出馬を宣言しているロバート・F・ケネディ・Jr.が、取材で答えた。

 「我が国がウクライナに生物研究所を保有しているのは、生物兵器開発のためです」とロバート・F・ケネディ・Jr.は、X社(前身は「ツイッター社」)上で投稿された月曜日(8月15日)の夜の番組での長時間の対談の中で、独立系ジャーナリストのタッカー・カールソンに語った。同氏の説明によると、1970年代に米国は生物兵器禁止条約に署名しているが、9/11のテロ攻撃後に採択された愛国者法により、国防総省はそのような研究の再開が許された、という。

 ケネディ・Jr.によると、生物兵器計画は、「生命科学」研究という隠れ蓑のもとに実行されてきた、という。一例をあげると、ウイルスやそれ以外の病原体に関する機能獲得実験が、アンソニー・ファウチ博士が最終監督者として実施されてきた。同博士は1984年から2022年まで国立アレルギー感染症研究所の所長を務めた人物だ。

 近代の生物兵器は、「恐ろしいもの」であり、CRISPR*のような遺伝子組み換え作業により作られている、とケネディ・Jrは述べた。さらに同氏は、2014年にこれらの「虫(bug)」が米国の複数の研究所から漏洩した際、オバマ政権は機能獲得研究を禁止したため、ファウチ博士がその研究を海外に移転させた、とも付け加えた。
*CRISPRとは「Clustered regularly interspaced short palindromic repeats」の略で、細菌のDNAにある繰り返し配列のこと。CRISPR-Cas9(クリスパー・キャスナイン)とは、DNAの二本鎖切断を原理とする遺伝子改変の道具です。部位特異的ヌクレアーゼを利用するゲノム編集方法の中でも、簡便で安価という特長がある。

 「その多くがウクライナに移転されました」とケネディ・Jr.はカールソンに語った。また、その研究の一部が中国武漢に移転された、という。武漢は、Covid-19の世界的流行の発生地と考えられている地域である。これらの研究の大部分は、国防総省やUSAID(合衆国国際開発庁)により資金提供されていたが、同氏はこの研究を「CIAの代理業」だ、とした。



 米国は、ウクライナの生物研究施設についての主張を「ロシアによる宣伝行為である」としてずっと否定してきたが、2022年の上院公聴会で国務省高官であるビクトリア・ヌーランドがその存在を明言した。国防総省は、この研究は不法でもなく、軍事目的の意図はない、と主張し続けている。

 ロシア軍は、米国がウクライナの諸施設で「生物兵器の原料」を作っていた証拠を発見した、とイゴール・キリロフ中尉が今年の上旬、モスクワで国会議員たちに証言した。


Read More: Kennedy shares opinion on key US mistake with Russia

 さらにケネディ氏がカールソンに語ったのは、米国民がウクライナでの戦争に関して「嘘をつかれて」おり、2014年のキエフでの武力政変におけるヌーランドの役割や「アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)」がNATO拡大を目指していたことを指摘し、ロシアとの戦争は、米国側がずっと計画してきたことだ、と主張した。

 ウクライナでは、「代理戦争がおこなわれていますが、その真の戦争は2つの超大国であるロシアと米国間の戦争です」とケネディは述べた。ケネディは、2022年4月に和平交渉を妨害したとして米国を非難した。米国は、当時の英国のボリス・ジョンソン首相にキエフを訪問させ、ウラジミール・ゼレンスキー政権に、和平交渉には応じないよう伝えさせていた、という。

 ケネディ氏は、その結果「35万人のウクライナ国民と4~5万人のロシア国民が亡くなりました」と述べた。

 ロバート・F・ケネディ・Jr.はジョン・F・ケネディ第35代大統領の甥であり、ロバート・ケネディの息子だ。ロバート・ケネディはJFK政権下の司法長官であり、後に上院議員となった。両兄弟とも暗殺によりこの世を去った。JFKは1963年、RFKは1968年、大統領の予備選挙中に暗殺された。ロバート・F・ケネディ・Jr.は、 民主党内の候補予定者や現職のジョー・バイデン大統領と、大統領指名候補の座をかけて争っている。

CIA がウィキペディアを管理 – 元編集者の告発

<記事原文 寺島先生推薦>
CIA moderating Wikipedia – former editor
出典:RT  2023年8月2日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年8月22日



© AFP / キリル・クドリャフツェフ


同諜報機関は10年以上にわたってオンライン百科事典を操作してきた、とラリー・サンガーは主張

 ウィキペディアは、米国のリベラル派支配層とその同盟者である諜報機関が「情報戦」を繰り広げるために使用する多くの手段のうちのひとつである、と同サイトの共同創設者ラリー・サンガーは報道関係者のグレン・グリーンウォルドに語った。

 ラリー・サンガーは、2001年に自身が創設に協力したサイト(ウィキペディア)が、左派リベラル勢力の手による「支配」の手段となっていることを嘆いたが、その中にはCIA、FBI、その他の米国諜報機関の工作員らが含まれているとした。

 「その証拠はあります。早くも2008年から、CIAとFBIのコンピューターが、ウィキペディアの編集作業に使われていたのです。これらの機関がそんな行為をその後やめた、などと思いますか?」とサンガーは述べた。

 ウィキペディアに対する CIA と FBI の活動は、2007 年にヴァージル・グリフィスというプログラミングを学んでいる学生によって初めて明らかにされた。グリフィスは、ウィキペディアの記事の編集に使用されたコンピューターの位置を追跡できるウィキスキャナーと呼ばれるプログラムを開発し、CIA、FBI、および多くの大企業や政府機関が、自分たちにとって不利な情報が掲載されたこのオンライン上の百科事典に手を加えていることを突き止めた。


READ MORE:The word for it is ‘propaganda’: Wikipedia co-founder says website has morphed into playground for rich and powerful manipulators

 
 CIAのコンピューターはイラク戦争の死傷者数を削除するために使用され、FBIのコンピューターはキューバのグアンタナモ湾にある米国刑務所の航空写真と衛星画像を削除するのに使用された。CIAのコンピューターは、当時のイランのマフムード・アフマディネジャド大統領、中国の核開発計画、アルゼンチン海軍に関する項目を含む数百件の記事の編集に使用された。
 
 一方で、より些細(ささい)な編集もおこなわれたようで、元CIA長官ウィリアム・コルビーの欄は、同元長官の経歴を書き加えるために手を加えられたようだ。

 「(これらの諜報機関は)自分たちの政策を推進するために、自分たちの政策に既に同調してくれている最も影響力のある人々に恩を売るつもりなのでしょう。あるいは自分たちの才能を(諜報)組織内で伸ばし、ウィキペディアを使った遊びを覚えた上で、自分たちがやりたいことを組織内の人々に伝えようとしているだけなのかもしれません」とサンガーはグリーンウォルドに語った。

 「諜報活動と情報戦の大部分は、ウィキペディアのようなウェブサイトを戦場にオンラインで行われているのです」とサンガーは続けた。

 今年初め、X(元ツイッター)の所有者、イーロン・マスク氏は、このプラットフォームの元幹部らがおこなっていた手口を示す大量の文書を公開した。これらの文書により明らかになったのは、彼らがFBIと結託して、FBIの隠したいコンテンツを削除したり、米軍のオンラインでの影響力行使を支援したり、複数の米情報機関に代わって 「反ウクライナの物語」 を検閲したりしていたことだった。

 メタ社(旧名フェイスブック社)のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)も、地球上最大のソーシャルメディア・プラットフォームであるフェイスブックが、FBIの直接の要請に応じて、ジョー・バイデン大統領の2020年の選挙運動に損害を与える正確な情報を検閲したことを認めている。

ワシントン・ポスト紙は未だに米国の戦争犯罪と生物兵器の使用を隠している

<記事原文 寺島先生推薦>
Washington Post Still Covers Up U.S. War Crimes And Use Of Biological Weapons
出典:Moon of Alabama   2023年7月28日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年8月15日


ワシントン・ポスト紙(下のURL)は未だに米国の戦争犯罪を隠している。(本文中の青字はWP紙の記事の引用箇所)

Seiichi Morimura, who exposed Japanese atrocities in WWII, dies at 90

森村誠一

彼の731部隊(帝国軍の秘密の生物戦部門)についての本は、日本に過去の戦争をしっかり直視させるのに役立った。

彼のお悔み欄:

日本の作家である森村誠一は、1981年の731部隊(帝国軍の秘密生物戦部門)を暴く著書によって、731部隊が第二次世界大戦中に中国占領地で数千人にわたる非道な医学実験を行った事実を日本に直視させる役割を果たした。森村誠一は90歳。7月24日、東京の病院で死亡。

 森村の本は、日本の帝国的犯罪に日本人が面と向き合わせられることが稀だった時代にもかかわらず、驚くほどほどよく売れた。

 731部隊は、当時、人間に広範な実験を行った一部のナチ医師にのみ比肩される存在だった。

日本の教科書がしばしば戦争中の日本の犯罪行為を小さく扱っていた時代に、森村氏は731部隊の数十人の元兵士に取材し、1938年に日本の医官石井四郎によって中国のハルピン市近くで遂行された作戦の詳細を、恐るべき詳細さで記録した。

表向きは防疫および浄水部門を名乗っていた731部隊は、生物戦の試験場として戦争終結まで機能した。森村氏の作品のお陰で、1980年代と1990年代に調査がさらに進展し、裁判へとつながり、その結果、その残虐行為がさらに明らかになった。

加害者には多くの立派な日本人医師が含まれていた。数千人の人々(主に中国人だが、韓国人、ロシア人、8つの異なる国籍の囚人も含まれている)は、森村氏によれば、ナチ医師ヨーゼフ・メンゲレの実験と比較される医学実験に晒されることになった。

「丸太」と呼ばれる被害者は、伝染病菌(チフス、腸チフス、コレラ、炭疽、ペスト)に感染させられた。目的は生物兵器の完成だった。一部の囚人は麻酔なしで生体解剖され、病気の効果を人体上で観察するために使用された。

「私は彼を胸から腹部まで切り裂き、彼はひどく叫び、顔は苦痛に歪みました。信じられないような音を出し、恐ろしい叫び声をあげていました。しかし、やっとそれが止まったのです」と部隊の匿名の一員が1995年にニューヨーク・タイムズ紙に語っている。彼の念頭にはペストに感染した被害者があった。「外科医たちにとっては日常の仕事でしたが、私にとっては初めてのことだったので、本当に忘れられない出来事でした」。


 何千人もの人々、おそらくそれ以上も、その部隊によって実験の末に死亡させられた。

 第二次世界大戦が終わった際、731部隊の隊員たちは彼らが犯した戦争犯罪のために裁判にかけられる予定だった。しかし、アメリカ軍は731部隊の学習成果を自身の戦争に利用する計画をしていたため、その裁判を中止した:

森村氏の本が発売された同じ年、アメリカのジャーナリスト、ジョン・W・パウエルは、「原子科学者の会報」において、アメリカ政府が731部隊の隊員たちに対して研究の記録を提供する代わりに免責を与えたことを報じた。森村氏も同様のことを述べている。長年、アメリカはその部隊の実験に関する報告を(ソ連側からの)冷戦の宣伝であるとして表に出さなかった。

 ワシントン・ポスト紙の訃報記事には、これに関して、これ以上何も書かれていない。

 読者は、その「冷戦の宣伝」というアメリカ政府の主張が真実かどうかを知らされることもなく、宙ぶらりんの状態に置かれている。

 アメリカは、もちろん、いろいろ申し立てられていたことはちゃんとやっていた。そのことを証明する文書が公開された。アメリカがやったことはそれにとどまらない。

 ワシントンポスト紙は、また、日本政府が部隊隊員たちに対する戦争犯罪裁判を妨害したとするアメリカの誤った主張を繰り返している。

しかし、アメリカの高官によると、日本政府は、加害者のアメリカ入国を禁止する戦犯者一覧に登録するというアメリカの取り組みを支えることはずっと拒んでいた。石井は1959年に喉頭がんで亡くなるまで自由の身で暮らした。ニューヨーク・タイムズ紙によれば、他の731部隊の元兵士は東京都知事、日本医師会会長、そして日本オリンピック委員会委員長になったと報じている。

 731部隊の隊員たちに免責を与えたのはアメリカ政府であって、日本政府ではない。さらに、アメリカ政府は、彼らの知識を得るために、高額の報酬すら与えている。

アメリカ政府は、人道に対する犯罪を行った高官に対して政治的免責を提供し、その実験に関する基礎資料と引き換えにした。その中には731部隊の指揮官である石井四郎も含まれていた。隠蔽作戦の間、アメリカ政府は中国で実施された人体実験の基礎資料を入手するために金銭を支払ったことが、2つの解除されたアメリカ政府の文書によって明らかにされている。

この悪名高い部隊の元隊員(匿名)に支払われた合計金額は、15万円から20万円の間だった。当時の20万円は、現在で2千万円から4千万円に相当する。


 現在の4千万円は、28万4千ドルに相当する。ないよりはあったほうがいい金額・・・

 アメリカ軍は、731部隊から得た知識を活用してさまざまな生物兵器を開発し、それらを試験するために、一説によると、人間も被験体として使用した。また、アメリカ軍は、731部隊と同様、北朝鮮および中国に対する戦争(朝鮮戦争)中にこれらの兵器を使用することもした。

 この事例を長年研究しているジェフリー・ケイは書いている:

過去数年にわたる膨大な証拠は、アメリカが1950年代初頭に北朝鮮および中国との戦争で生物兵器を使用したことを明らかにした。これは、CIA、国防省、その他の政府文書、および25人のアメリカの航空兵の告白の詳細な分析に基づいている。これからは、アメリカがどのようにしてこの作戦を遂行したのかについての検討に移る時だ。

続く物語は、空軍の操縦士が、当時朝鮮半島と東北中国で進行中のアメリカの秘密の細菌戦争作戦について、報道機関や政府関係者に知らせようと試みたが、失敗に終わったような出来事を文書化している。この軍の内部告発の試みによって、細菌戦争の告発に関する証拠が広く検討されることとなる。特に、生物兵器攻撃がどのように組織されたかについてだ。


 アメリカ政府の「冷戦の宣伝」という誤った主張を繰り返し、それを訂正せず、また日本政府が戦犯裁判を妨害したとする誤ったアメリカの発言を繰り返すことによって、ワシントン・ポスト紙は、731部隊の実験に基づくアメリカの戦争犯罪を隠している。

米国政府による国内検閲と偽情報宣伝活動へのテコ入れ2016年-2022年(第6回:最終回)

<記事原文 寺島先生推薦>
The Censorship Industrial Complex by Michael Shellenberger
筆者:マイケル・シェレンバーガー(Michael Shellenberger)  2023年3月9日
<記事翻訳  寺島メソッド翻訳グループ>  2023年8月8日


検閲産業複合体

米国政府による国内検閲と偽情報宣伝活動へのテコ入れ
2016年―2022年

マイケル・シェレンバーガー証言
連邦政府の兵器化に関する議会選択委員会

2023年3月9日

1 Executive Summary(事業計画概要)
2 The Censorship Industrial Complex Today(今日の検閲産業複合体)
3 The Complex’s Disinformation Campaigns(検閲産業複合体の偽情報宣伝活動)
4 Ideology, Strategy, And Origins(思想、戦略、そして起源)
5 Key Events(鍵となる出来事)
6 Recommendations(推奨できる対策)

* 今回は、「6 Recommendations(推奨できる対策)」です。連載の最終回です。


検閲産業複合体へ推奨できるの対策

1. 検閲産業複合体の資金供給を打ち切る

 検閲は助成金を受けている産業です。もしその資金を取り去れば、代わりに私設の寄付者、例えばOpen Society Instituteなどが空白を埋めるでしょうが、完全には補完できません。171

2. 政府高官とソーシャル・メディアの幹部との間の内容管理に関するすべてのやりとりを即時に報告することを義務付ける

 両当事者は会話を報告する法的な義務を負うべきであり、秘密の検閲を減少させる囚人のジレンマ*を作り出すべきです。
*ゲーム理論におけるゲームの1つ。お互い協力する方が協力しないよりもよい結果になることが分かっていても、協力しない者が利益を得る状況では互いに協力しなくなる、というジレンマである。各個人が合理的に選択した結果が社会全体にとって望ましい結果にならないので、社会的ジレンマとも呼ばれる。( ウィキペディア)

3. 通信品位法230条の範囲を狭める

 通信品位法230条は、ソーシャル・メディアに与えられた特別で過激な法的責任免除です。ニュースメディア機関に与えられていないのは両者に違いがあることが認識されているからです。市民は、通信品位法230条の特権には特定の責任が伴うことを要求する権利を持っています。

 特にソーシャル・メディアが合法的な独占企業であるため、これは特に当てはまります。 1996年以降、多くのことが変わりました。当時はGoogle、Facebook、Twitterのいずれも存在しませんでした。当時政府高官がソーシャル・メディア各社に対して、運営できなくなるぞ、という脅しをかけて、事実情報を秘密裏に検閲し、個人を自社のサイトから排除するよう求めることなど、だれ一人想像しませんでした。

 現行の形態での通信品位法230条は、市民の言論の自由と損害補償の権利を脅かしています。2022年のローガン・オハンドリー判決では、サンフランシスコ第9巡回裁判所が、通信品位法230条によりソーシャル・メディア企業は、「シェレンバーガー証言書、2022年3月9日、p.53過失責任」の例外事例となっているとして、ソーシャル・メディア企業に関連する通常の不法行為、契約理論を認めませんでした。2018年には、Twitterの利用規約に違反していなかったにもかかわらず、メーガン・マーフィーがトランスジェンダー活動家を生まれた性別で呼んだことにより、Twitter上から排除されました。172彼女がしたことは、Twitter社の利用規定によれば、禁止できるような違反ではありませんでした。Twitter社はその後、利用規約を変更し、遡及的に適用しました。これにより、裁判所は事実上、Twitter社が自らの契約規定に従う必要がないと判断したことになります。世界のどの企業も、アメリカ市民の言論の自由権利や、企業が引き起こす損害に対する訴訟権利を否定するような特権を持つべきではありません。

 かくして、私たちには2つの主要な改革が必要です:真の透明性と私的訴訟権。議会は、通信品位法230条があっても、極めて具体的な基準を欠いた州の不法行為法を破棄することにはならないことを明確にする必要があります。現行の通信品位法230条は、ソーシャル・メディアを、提供業者または利用者が「卑猥、猥褻、淫ら、過度に暴力的、嫌がらせ、またはその他人を不快にさせるような資料に触れたり、利用したりする善意で自主的に行った行動」に対する法的責任は問わないことになっています。「その他人を不快にさせるような」という文言は削除されるべきです。これにより、ソーシャル・メディア各社の検閲する能力があまりに広範囲に及ぶことになります。私たちが人気のない意見を表現する自由があるように、互いに侮辱する自由も持つ必要があります。それには、一部の人々が「感情を害する」と主張するあり方も含まれます。


<原註>
171 “Information Program,” Open Society Foundations, accessed Mar 8, 2023, https://www.opensocietyfoundations.org/who-we-are/programs/information-program. Shellenberger Testimony March 9, 2022 p. 68
172 Joseph Brean, “'Yeeeah it's him': Vancouver writer sues Twitter over its rule against misgendering trans people,” National Post, Feb 12, 2019, https://nationalpost.com/news/yeeeah-its-him-vancouver-writer-sues-twitter-over-its-ruleagainst-misgend

米国政府による国内検閲と偽情報宣伝活動へのテコ入れ 2016年-2022年(第5回)

<記事原文 寺島先生推薦>
The Censorship Industrial Complex by Michael Shellenberger
筆者:マイケル・シェレンバーガー(Michael Shellenberger)  2023年3月9日
<記事翻訳  寺島メソッド翻訳グループ>  2023年8月8日


検閲産業複合体

米国政府による国内検閲と偽情報宣伝活動へのテコ入れ
2016年―2022年

マイケル・シェレンバーガー証言
連邦政府の兵器化に関する議会選択委員会

2023年3月9日

1 Executive Summary(事業計画概要)
2 The Censorship Industrial Complex Today(今日の検閲産業複合体)
3 The Complex’s Disinformation Campaigns(検閲産業複合体の偽情報宣伝活動)
4 Ideology, Strategy, And Origins(思想、戦略、そして起源)
5 Key Events(鍵となる出来事)
6 Recommendations(お薦め)

* 今回は、「5 Key Events(鍵となる出来事)」です。

鍵となる出来事

2017年

国土安全保障省(DHS)が「誤情報」と戦う任務を拡大

 2017年1月、国土安全保障省は、その使命をサイバー安全確保からサイバー検閲へと静かに拡大し、「誤情報(misinformation)がアメリカの存立にかかわる国の基盤に対する「サイバー攻撃」であるとしました。2017年1月6日、ジェー・ジョンソンは国土安全保障省(DHS)の長としての最後の行動として、選挙を「国の存立にかかわる基盤」と宣言しました。「国の存立にかかわる基盤」という考えは、人工衛星やダム、連邦建物などの物理的なものから、選挙や公衆衛生宣伝活動といった取り組みにも拡張されました。これにより、DHSはワクチンの安全性についてのツィートやDHSが「misinformation(誤情報)」または単に「misleading(誤導的)」とみなす郵送投票を、検閲を正当化できるものと考えることが可能になりました。具体的には、ソーシャル・メディア各社に対して利用者の排除、投稿の削除、または拡散の防止を求めるのです。DHSは「misinformation(誤情報)」を選挙の公正な運営を危うくするもの、国家安全保障上の脅威、そして民主主義への攻撃と定義しました。

New Knowledge社がアラバマ州の共和党上院候補者に対して偽情報宣伝活動を展開

 この偽情報作戦では、アラバマ州のロイ・ムーアの偽のFacebookページが立ち上げられ、ムーアがアルコールを禁止すると主張しているかのように見せかけました。さらに、偽のロシア人トロール(ネット荒らし投稿者)をTwitterに作成し、ムーアがロシアの支持を受けているように見せようとしました。そしてジャーナリストたちはそれを真実であると報じたのです。

 ディレスタ*は、偽情報作戦を展開するアメリカン・エンタープライズ・テクノロジーズ(AET)社の取締役会に籍を置いていました。そして、その1か月後に助言を行っていたNew Knowledge社に研究主任として入社しました。
*Renée DiResta スタンフォード インターネット天文台のライター兼研究マネージャー。ディレスタは疑似科学、陰謀、テロリズム、国家主導の情報戦についての著作がある。彼女はまた、オンラインおよびソーシャル・メディアの偽情報を防ぐための継続的な取り組みについて米国議会の顧問も務めてきた。 (ウィキペディア)

 ディレスタはAET社に技術的な指導を提供し、創業者たちに財政支援者になりそうな人を紹介しました。ディレスタはワシントン・ポスト紙に対して、「AET社の事業計画の不透明さに懸念を抱き、同社との関係を断絶した」と語りました。108

 ディレスタの同僚たちがAET社やNew Knowledge社で展開していた偽情報作戦が明るみに出たのは、「プロジェクト・バーミンガム(Project Birmingham)」と呼ばれる取り組みについての自慢たらたらの12ページの報告書が、2017年12月12日の選挙3日後、ワシントン・ポスト紙によって公表された時です。その内容は以下:109「私たちは連携をとりながら巧妙な「偽旗」作戦を実行した。ムーアの宣伝活動はソーシャル・メディア上で、ロシアのボットネット*が盛り上げたものだという考えを植え付ける作戦だった。その目標は、民主党員を過激化させ、言ってもダメな共和党員(“hard Rs”)と中道派の共和党員を、「記入候補者**に投票しましょう!」と呼びかけて抑制することの2つだった」。
*悪意を持って作られ、インターネットを経由した命令によって遠隔操作されるコンピューター群をいう。(英辞郎)
**候補者名簿にないため、投票用紙に名前を記入する必要がある人(英辞郎)


 New Knowledge社はこの競争に勝利したと主張しています。それは証明しようもありませんが、投票結果は接戦であり、たった2万2000人の差でムーアが落選しました。New Knowledge社は「ダグ・ジョーンズの勝利を確保するために十分な票を動かした」と述べています。

 この動きの中に「回転ドア」があることは明白です。次はワシントン・ポスト紙の記事:「お金はマイキー・ディッカーソン(Mikey Dickerson)が運営するAET社を経由して流れた。彼はオバマ政権時に創設され、連邦政府の技術利用を向上させることが目的の米国デジタルサービス(United States Digital Service)の創設を担当した。また、元司法省特別研究員で現在は[ライド]・ホフマン( [Reid] Hoffman)氏が一部資金提供をしている技術金融会社であるInvesting in Usに所属するサラ・ハドソン(Sara K. Hudson)もこの計画に取り組んでおり、[ジョナソン]・モルガン( [Jonathon] Morgan)氏も同様だ」。110

 「12ページの報告書」は、こういった一連の動きで「モーア陣営の宣伝活動がロシアのボットネットによってソーシャル・メディア上で拡散されているという考えを植え付けた。そして、我々はそのボットネットをモーア陣営のデジタル責任者と結びつけ、彼がそのアカウントを購入したかのように見せかけたのだ」と記述している。

 この戦術には注目すべき点がたくさんあります。第一に、それは当時、トランプ大統領に対して使われていた同じ物語を誘い出したのです。ロシアが彼を支援しているというものです。すなわち、「(相手の)威信失墜」が狙いでした。それはディレスタが他の文脈では非難していたやり口です。第二に、この戦術では、実際、ディレスタが上院証言で「情報戦争」と述べることになるボットの戦術を使用していました。

 ジャーナリストたちはディレスタの関与を軽視し、冗談めかすような対応すらしました。2018年のアスペン研究所での次のやり取りをご一考ください。111

ディレスタ: 私は反ワクチンに注目しているアカウントを山ほど持っています・・・ 私の反ワクチンのアカウント、つまり、反ワクチン集団内で積極的に動くアカウントですが、(私は)それらのアカウントでただ聴いているだけ、ただ座っているだけです・・・

ニコラス・トンプソン、アトランティック紙:どれくらいのボット・アカウントを運営されているのですか?

ルネ・ディレスタ:ノー・コメント

トンプソン: この話し合いの終わりまでに、レネ・ディレスタの偽名のアカウントの完全な合計を知りたいです!

[笑い]

普通のTwitter利用者をロシアのボットであると偽りの告発をしている元FBI職員のウェブサイト

 元FBI職員のクリント・ワッツは、アメリカ政府からの資金提供を受けて、保守派をロシアのボットだと偽りの告発をするウェブサイトを作成しました。112ワッツはNew Knowledge社からも支援を受けました。113

 Twitter社のヨエル・ロス(Yoel Roth)は調査を行い、分かったのはその一覧が「合法的な右派志向のアカウントでいっぱいだということ・・・ [このダッシュボード]から導かれるほぼどんな結論も、Twitter上の保守派の会話を取り上げ、それらはロシアのものだと非難することになるでしょう」。ロスはTwitter社に対して「こんなものは認められないと宣言すべきだ」と推奨しました。しかし、ロスの上司たちは政治的にいろいろまずいことになることを恐れ、代わりに「長期的な戦略」を採ることにしました。114

2018年

ロシアの干渉についての上院情報委員会報告

 2018年、ディレスタは2016年の選挙中のロシアの影響操作に関する上院情報委員会の主任研究員でした。2018年の上院証言で、彼女はアメリカが「いちかばちかの情報戦争」に巻き込まれており、アメリカ政府と「社会全体」が外国または国内の「悪意のある物語」に対して「戦争」を仕掛けなければならないと主張しました。115

 ディレスタの2018年上院証言の芝居がかった言い方は典型的でした。検閲を!と声高に言う人たちが、証拠もなしに、繰り返し口にするのは、①偽情報の方が真実の情報よりも速く伝わる、そしてそれは、②アメリカ政府や社会全体が好ましくない意見や声を、時を移さず、広範囲に検閲することを正当化している、です。

2020年

「Election Integrity Partnership(EPI)(選挙品位協力)」

 EIPは、検閲産業複合体の芽であり、次のような2つの大学、1つの頭脳集団、そして1つのソーシャル・メディア分析会社によって設立されました。具体的には、

① スタンフォード大学インターネットオブザーバトリー、
② ワシントン大学の「Center for an Informed Public(情報に通じた大衆向けセンター)
③ アトランティック・カウンシル*法科学調査研究所
*国際関係の分野におけるアメリカのアトランティシズム思想を持つシンクタンク。1961年に設立され、国際的な政治、ビジネス、知識のリーダーたちに対するフォーラムを提供している。国際的な安全保障と世界経済の繁栄に関連する10の地域センターと機能的なプログラムを運営している。本部はワシントンD.C.にあり、アトランティック・トリーティ協会のメンバー。(ウィキペディア)
そして、
④ Graphika

 EIPは、2020年8月15日から2020年12月12日までの間に、8億5900万を超えるツイートから「誤情報の物語」に関連する2189万7364の個々の投稿を含む「誤情報の物語」を分類したと主張しています。116

 2020年6月23日に、CISA(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency サイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁)の間で正式な会議が行われ、選挙の安全を守るために誤情報を防止するEIPの主導権が正式に立ち上げられました。「DHS(米国国土安全保障省)と特にCISAが管轄権を持つ法的枠組みは、DHSがオンライン上で「誤情報」と見なすものを米国市民が投稿した時はいつでも、それは米国の、国としての存立に関わる基盤構造への「サイバー攻撃」と見なされる」というものでした。117

 EIPの指導者であるアレックス・スタモスは、EIPの目的は「政府自体乗り越えられなかった溝を埋めるため」と述べています。政府は「資金的なものとか法的権限の両方が不足していた」というのがその理由です。118EIPは、ソーシャル・メディア各社に対して検閲を求める警告を出していました。また、公には政策変更を呼び掛けていました。スタモスは、技術系諸企業がEIPの検閲協定参加に同意したことを、2020年8月26日、ニューヨーク・タイムズ紙に語りました。119。それはDHSが法的にはできないことをEIPにさせる調停ができあがったEIPとDHSの計画会議の直後のことでした。120

 スタモスは「私たちは主要ソーシャル・メディアと連絡を取り合い、双方向の対話を行っています。私たちは主要ソーシャル・メディアすべてと非常に有益な会話をしています。Facebook、Twitter、Google、Reddit・・・私たちの目標は、もし偽情報を見つけることができれば、迅速に報告し、それを削除するために彼らと協力することです。これには良い前例があります。これらの4つのソーシャル・メディアは、技術分野と足並みをそろえて研究事業を共同で進めてきました」と述べています。121

 EIP関連のすべての組織の指導者たちは、2017年から2020年の間に、ロシアによる偽物ボットや荒らしアカウントによるソーシャル・メディアでの介入が、2016年にドナルド・トランプを大統領に選出するのに役立ったという根拠のない主張をおこないました。2020年までに、上記①~④の機関は、主要なソーシャル・メディアの内容管理担当最高責任者との深く、かつ長年にわたる関係を築いていました。彼らは2017年以来、検閲に関して共同の取り組みをしてきました。122

 ソーシャル・メディア企業、DHS、そしてEIPの諸組織は、検閲の共同作業用の同時会話アプリであるJira Service Deskに取り組みました。EIPの報告によると、

① 「誤情報」の印が付いたツイートを2200万件検閲、
② 分析のために収集された8億5900万件のツイートをデータベースに収集、
③ 120人の分析者が最大20時間の交代制でソーシャル・メディアの「誤情報」を監視、
④ 15の技術部門が「誤情報」を頻繁に同時監視、
⑤ 政府と技術部門の間の平均応答時間は1時間未満、
⑥ 何十という「誤情報の物語」がソーシャル・メディア全体で規制される対象に、
そして
⑦ 数億にも上るFacebook投稿、YouTube動画、TikTok、およびツイートがひとつひとつ「誤情報」として検閲されました。123

 EIPの代表者は、自国内の検閲活動は投票の「時間、場所、そして方法」と関連するため狭い範囲で調整されていると主張し、視聴者をしばしば誤導しています。しかしこのまやかしは、EIP自体の検閲基礎資料について視聴者が何もわかっていないことに依存しています。実際、EIPの検閲の圧倒的大多数は、「非合法化」に関連しています。これは、EIP関係者が技術部門に採用させるよう圧力をかけた新しい検閲範疇であり、EIPの検閲切符の72%を占め、2千2百万件の「誤情報事件」の総容量によって測定される投稿の99%以上に相当するものです。124EIPは「非合法化」の間口を広げて定義しており、選挙の過程、結果、あるいは品位に対して「疑念を投げかける」とされる任意の発言も含んでいます。結果として、利用者が選挙の問題を単に「事件(incidents)」として投稿するだけでも、たとえ事実の報道であっても、利用規約違反になってしまうということで、事実の報道そのものが完全に禁止されていたのです。

 EIPは、政治的な物語全体を誤情報として分類し、禁止された投稿を支持する個々の米国市民の投稿を事実上誤情報として自動的に警告することで、2020年6月から11月までの5ヶ月間(そしてその後COVIDでも同様)に、全体で何億ものソーシャル・メディア(15のソーシャル・メディアに及ぶ)の投稿を分類することができました。これは、EIPが選挙統合・情報共有・分析センター(Election Integrity and Intelligence Sharing and Analysis Center:EI-ISAC)に裏から繋がる権力を持っていたためです。EI-ISACは、DHSが検閲の意思決定者に直接連絡が取れるように創られた国内偽情報の交換盤です。

アスペン研究所の研修会において先端ジャーナリストに対する「ハッキングと漏洩」を先制撃退する訓練を実施

 2020年3月31日、スタンフォード大学のサイバー政策センター(同大学のインターネット観測所を傘下に収める組織)は、オバマ政権の政治活動担当だったアンドリュー・グロットと元ジャーナリストのジャニーン・ザカリアによる報告書を公表しました。この報告書では、編集者やジャーナリストに対して「ペンタゴン文書の原則を破ること」を強く薦めているのです。この2人は何を言おうとしたのか?漏出した情報は、たとえそれが真実であっても報道すべきではない、というのが彼らの考えでした。(もし報道すれば)「ディスインフォメーション(偽情報)」に与する可能性が出てくるから、というのです。125

 ダニエル・エルスバーグによる1971年のペンタゴン文書の漏洩以来、ジャーナリストたちは一般的にひとつの規則の下で活動してきました:情報が確認されたら、それにニュース価値があると判断されれば、それを公表すること・・・しかし、今の新しい時代では、ロシアなどの外国の敵対者が政治的宣伝活動へとハッキング、情報を漏出させ、我々の民主主義を混乱させ、そして特定の候補を支持するようなことが起きています。ジャーナリストたちはこの原則を捨てなければなりません」と2人の筆者は書いています。

 スタンフォード大学サイバー政策センターの目標は明白で、ジャーナリストたちが1971年のペンタゴン文書で行ったようなことをしないようにすることでした。「新しい一連の慣行を受け入れるニュース・メディアの数が増えれば、悪意のある行為者による利用に対してアメリカの報道機関はより強靭になるでしょう」とこの報告書の筆者たちは書いています。

 筆者のグロットとザカリアは、さらに一歩先に進み、国家安全保障機関が報道を望まない事柄について報道機関が報道しないことを祝福しています。「ジャーナリストが報道を控えることは長い歴史があるが、特に国家安全保障の領域では、1958年、ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)の軍事問題担当記者ハンソン・ボールドウィンが、ドイツの基地で異常な飛行機を見つけ、後にそれが秘密の米国U-2スパイ機だと判明したが、明らかなニュース価値があるにもかかわらず、NYTはその記事を発表しなかった」とこの二人の筆者は書いています。

 二人の筆者は、実際の現実の中で、ニュース・メディアが2020年10月にハンター・バイデンのラップトップを報道する方法について説明しています。「何が起きたか? だけでなく、なぜそれが起きたのか?に焦点を当てること。クズのような電子メールやハッキングされた情報と同じくらいの量の偽情報宣伝活動を作り上げること。現在の脅威に合わせてニュース価値を変えること」。

 アスペン研究所は、記者たちのためにこれらと同じような意図を伝える不気味な研修を行いました。2020年6月25日、アスペン研究所は、ニューヨーク・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙、そしてCNNのジャーナリスト、およびTwitter社とFacebook社の検閲担当者を対象に、「卓上演習」という形で会議を開催しました。この演習では、漏洩した情報がどれほど正確であっても、それがロシアのハッキングの結果であるとみなし、そのハッキングについて記事を書くことが強調されました。ハッキングの内容ではなく、ハッキング自体に焦点を当てるように指導されたとのことです。126

 主催者はビビアン・シラー(Vivian Schiller)で、元NPRの最高責任者、元Twitter社のニュース部門の責任者、元ニューヨーク・タイムズ紙の総支配人、そして元NBC News社のデジタル部門最高責任者です。出席者にはアンドリュー・グロットとジャニーン・ザカリアもいました。彼らはジャーナリストたちに「ペンタゴン文書の原則を破るよう」訴えるスタンフォード報告書の筆者です。以下は出席者の完全な一覧です:

● ジェシカ・アシュー(Jessica Ashooh) - Redditの方針部部長
● オルガ・ベロゴロヴァ(Olga Belogolova) - Facebookの方針部管理人
● ジョン・ベネット(John Bennett) - Wikimedia Foundationの安全部部長
● ケビン・コリアー(Kevin Collier) - NBC Newsの記者
● リック・デイビス(Rick Davis) - CNNのEVP、ニュース標準と実践担当
● ナサニエル・グレイチャー(Nathaniel Gleicher) - Facebookのサイバー安全方針部責任者
● ギャレット・グラフ(Garrett Graff) - Aspen Instituteのサイバー取組部部長 ● アンディ・グロット(Andy Grotto) - スタンフォードサイバー方針センター長
● スティーブ・ヘイズ(Steve Hayes) - The Dispatchの共同創設者兼編集長
● スーザン・ヘネシー(Susan Hennessey) - Lawfareの上級編集者
● ケリー・マクブライド(Kelly McBride) - Poynter協会の副代表者
● デビッド・マクロー(David McCraw) - ニューヨーク・タイムズの副代表者兼副主任弁護士
● エレン・ナカシマ(Ellen Nakashima) - ワシントン・ポストの国家安全保障記者
● エヴァン・オスノス(Evan Osnos) - The New Yorkerの常勤記者
● ドニー・オサリバン(Donie O'Sullivan) - CNNの記者
● ディーナ・テンプル・ラストン(Dina Temple Raston) - NPRの捜査記者
● ヨエル・ロス(Yoel Roth) - Twitterのサイト品位部責任者
● アラン・ラスブリッジャー(Alan Rusbridger) - ガーディアン紙の元編集長、Facebookの監督委員会の委員
● デビッド・サンガー(David Sanger) - ニューヨーク・タイムズのチーフワシントン特派員
● ノア・シャクトマン(Noah Shachtman) - The Daily Beastの編集長
● ヴィヴィアン・シラー(Vivian Schiller) - アスペン協会の業務執行取締役
● クレア・ウォードル(Claire Wardle) - First Draft Newsの共同創設者兼管理者
● クレメント・ウルフ(Clement Wolf) - Googleの情報統合に向けた世界公共政策推進委員
● ジャニーン・ザカリア(Janine Zacharia) - スタンフォード大学客員講師

Covid検閲

実験室漏洩理論

 今回のパンデミックの大半を通して、COVID-19の拡散は中国・武漢市の武漢ウイルス研究所からの漏洩によるものという考えは退けられていました。2020年2月、ワシントン・ポスト紙の見出しです:「トム・コットンがコロナウイルスに関する誤った陰謀論を繰り返す」という見出しの記事を掲載しました。共和党の上院議員であるトム・コットンがこの考えを提起した後のことです。128 2日後、英国の医学雑誌ランセットは27人の科学者による「COVID-19が自然発生ではないとする陰謀論を強く非難する」という内容の記事を発表しました。129

 2020年9月、Facebook社は「タッカー・カールソン・トゥナイト」の番組を検閲しました。この番組では、中国人医師がCOVIDパンデミックは中国の研究所からウイルスが漏れ出た結果であると述べていました。Facebookはこの動画を「誤った情報」として決めつけ、Instagramの投稿にも同様に印を立てました。130

 今日、主流報道機関は、大流行の原因としてウイルスが動物から人間への感染(スピルオーバー)による可能性と、研究所からの漏洩による可能性が同じくらいあり得ると見なしています。

 2021年2月26日にウォール・ストリート・ジャーナル紙は、アメリカエネルギー省(DOE)が連邦捜査局(FBI)に加わり、新型コロナウイルス大流行の原因として自然な要因よりも研究所からの漏洩がより可能性が高いと結論づけたと報じました。131 そして、2021年11月には、大流行へのアメリカの対応を監督する代表的な政府公職者であるアンソニー・ファウチが、COVIDの起源について「私は完全にどんな考えも受け入れる用意ができています」と述べました。132

 実際、2015年までに、研究所からの漏洩がコロナウイルス大流行の可能な原因であるという十分な証拠がありました。133 しかし、将来において同様の間違いを回避し、公の信頼を回復するための新しい体系や保護策を誰一人発表していません。

マスク懐疑論

 2020年、ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策団員のマスク有効性を疑問視するツイートをTwitterは削除しました。134 2021年中頃、ホワイトハウス報道官のジェン・サキの発言:バイデン政権は検閲すべき「問題のある」COVID関連のFacebookへの投稿を特定している。135 YouTubeは、ハーバード大学とスタンフォード大学の科学者がフロリダ州知事に対して子どもたちにマスク着用の義務を課すべきでないという意見を表明した動画を削除しました。136 また、Facebookは元ニューヨーク・タイムズ紙のジャーナリストであるジョン・ティアニーを、子供たちのマスク着用による害の証拠を正確に報じたことを理由に検閲しました。137

2021年

DHSはその検閲権限を拡大

 ソーシャル・メディア各社に対する「内容を検閲するように」、という政府からの要求はジョー・バイデン大統領政権下で増加しています。2021年1月、選挙に対する偽情報への対応を目的として2018年に設立された「サイバー安全保障および基盤構造安全保障機関」(CISA)は、その範囲を拡大して、誤情報、偽情報、そして悪意ある情報(全般)に「柔軟に焦点を当てるようにする」としています。誤情報は意図しないものである可能性がありますが、偽情報は計画的なものと定義され、悪意ある情報は「誤導する」正確な情報も含まれることがあります。

 2021年1月、CISAは「Countering Foreign Influence Task Force(外国の影響に対抗する作業部会)」を「MDM全般に柔軟に焦点を当てようとする」「MDM」班と入れ替えました。138 この変更により、MDMの情報源はさらに国内へと向かうことになりました。監察官報告に引用された一人のCISA高官の話によると、「MDM」班は「全ての種類の誤情報に対抗し、現在の出来事に対応するようにしている」とのことです。139

 CISAの選挙安全保障構想の部長であるジェフ・ヘイルは、「政府の宣伝活動と見られないように、情報集積地」として、請負非営利団体の利用を推奨しました。140

ホワイトハウスの圧力により、FacebookとTwitterが正確なワクチン情報を検閲

 TwitterとFacebookは、ワクチン接種へのためらいを減らすためもあり、正確なCOVID情報を検閲しました。これにより、「意見の相違がある医師や他の専門家の信頼性を失わせることになりました」。この取り組みには、EIPの4人の委員が関わっており、現在は「ウィルス的拡散計画Virality Project(VP)」となっています。「2021年の春と夏に、VPは連邦、州、地方の利害関係者、市民社会の組織、および医療専門家の連合と協力して、ワクチン接種へのためらいを理解する取り組みを支援しました」とディレスタは2021年に説明している。141

 バイデン政権の高官たちは、Twitter社とFacebook社の幹部に対して、より積極的な検閲をおこなかったことを叱責しました。Twitter社は真実であるか、あるいは単に議論を呼ぶだけの「誤解を招く」と決めつけられたアカウントを多く禁止したり制限したりしました。Twitter社は、mRNAワクチンに関する査読済みの研究結果を正確に説明した医師のアカウントを一時的に停止しました。

 Facebook社は、ドナルド・トランプ大統領のCOVIDワクチンが配布されるのはすぐだ、との発言を検閲しましたが、実際にはそのとおりになりました。142これは、検閲が正確な情報の信頼を貶め、当局への不信を高める取り組みの一環として使用される例であり、検閲産業複合体が大切にしていると主張している2つの要素です。Facebook社はホワイトハウスの圧力があったため、「真実であることが多い内容」を検閲しました。2021年春、ある企業幹部が言っていますが、これは「告発すべき誤情報を含まない」が「ワクチン接種の足を引っ張る内容」でした。143ミズーリ州の州司法長官は、バイデン政権を第一修正案違反で訴えており、その電子メールを公開しました。144「ご存知のとおり、私たちはワクチン誤情報を削除することに加えて、告発すべき誤情報を含まないワクチン接種の足を引っ張る内容の爆発的拡散を減らすことに焦点を当ててきました」とFacebookの幹部(名前は伏せられています)は、書いています。145

 ミズーリ州の州司法長官のメールを読むと、当時のホワイトハウスCOVID相談役であるアンディ・スラビットに対してFacebook社が防御的な対応をしていることがはっきりわかります。「このような真実であることの多い内容は投稿の段階では許可されます。専門家から、個人の経験やワクチンに関する懸念を人々が議論できることが重要だ、との助言があるからです。しかし、それが煽情的、人騒がせ、あるいは衝撃的という枠づけをされることもあります」と、司法長官は書いています。

 Facebook社の幹部は、「これらのグループ、ページ、およびアカウントがこの感情を煽るような内容を過度に促進している場合、私たちは削除します。(この流れの)実施が進めば、この動きはさらに加速されることになります」と述べています。146

 別のホワイトハウス高官がメールでFacebook社員を厳しく叱責しました:「私たちは深刻な懸念を抱いている。Facebookでのやりとりがワクチン接種へのためらいを生み出す最大要因の一つになっている。以上」と。「ボールを隠している」という件名の攻撃的な一連のメールやり取りの中で、この高官は、Facebookが、米国議会議事堂暴動(2021年1月6日)前と「同じこと」をしている危険性があると信じていると述べています。「反乱は・・・大部分、Facebook上でその陰謀が企てられた」。147

 これらの検閲要求は、ホワイトハウスと議会が継続的に通信品位法230条を撤廃するという脅しを背景としておこなわれていました。230条は、利用者が投稿した内容に対するソーシャル・メディアの責任を免除するものです。ソーシャル・メディアは、もし230条が撤廃されれば自らの存立にとって実存的な脅威になると見なしています。この法律がなければ、ソーシャル・メディアは現在の形で存在することはできないでしょう。

 2020年以降、EIPの4人の共同創設者は、COVID関連問題に対する検閲を求めるために「ウイルス的拡散計画The Virality Project(VP)」を立ち上げました。彼らはEIPと同じくJira Service Desk検閲切符アプリを使用しました。VPはCOVID-19に関する情報に焦点を当て、EIPとまったく同じような種類の検閲をおこないました。VPは、2021年に政府担当者との連携の下、66のソーシャル・メディア上の、ウイルス的(爆発的)に拡散しているとされる「物語」を検閲したと語っています。148

アスペン研究所情報障害報告書

 2021年のアスペン研究所の報告書において、検閲産業複合体の全般的な展望を見ることができます。この報告書は、MDM(誤情報、偽情報、そして悪意ある情報)がアメリカの直面する最も深刻な危機であると実質的に主張しています。なぜなら、HDMが「他のすべての危機を悪化させているからです。この報告書は、「偽情報」から「誤情報」、「悪意ある情報」(「誤導的な物語」を防ぐという名目の下、正確な情報を検閲することを可能にする範疇)、そして「情報障害」まで継続的に拡大する枠組みの上に成り立っています。149アスペン研究所報告書は、ソーシャル・メディアの大幅に拡大された情報検閲とホワイトハウス、ソーシャル・メディアが一体となって進めている宣伝活動を呼びかけています。

気候変動とエネルギー

 検閲産業複合体は、気候変動とエネルギーに関連する内容をソーシャル・メディアが検閲するよう圧力をかけています。

 私がこんなことを言うのは、私には検閲と名誉失墜宣伝活動による攻撃が続いているという経験があるからです。この攻撃は拙著『Apocalypse Never(終末は決してない)』の上梓を告げるウイルス的(爆発的)に広まった記事を書いてから仕掛けられました。私の記事に対して、複数の頭脳集団がすぐに虚偽の「論破」を主張しました。それらの偽の論破が、Facebook社が私の投稿を今日に至るまで(気候変動に関係ない投稿も含めて)検閲する根拠となりました。Facebook社は私の申し立てを一切許しませんでした。ジャーナリストのジョン・ストッセルによる訴訟に対応して、Facebook社は彼と私に対するいわゆる「事実確認」が「意見」に過ぎず、中傷とはみなされないと告白しました。150それでも、検閲は続いています。151

 2021年、英国の医学雑誌『ランセット』が、温暖な気候は命を救うと結論した、とビョルン・ロンボーグが正確に報告したことに対して、Facebook社は検閲をおこないました。152

 Facebook社や他のソーシャル・メディア各社は、検閲対象となった人々に対して申し立て手続きを何も提供していません。ジャーナリストのジョン・ストッセルがFacebook社を訴えた後、親会社であるメタ(Meta)社は、訴訟に対する回答として、Facebook社の「事実確認」は単なる「意見」であり、中傷の告発から免責されると述べました。153


 更なる検閲の要求は続いています。バイデン政権の気候助言者であるジーナ・マッカーシーは、2022年にAxios*との取材で、「技術部門企業は特定の個人が何度も何度も偽情報を拡散することを止めなければなりません」と述べました。Axiosの記者が「気候に関する誤情報や偽情報は、公共の健康にとって脅威ではありませんか?」と尋ねると、マッカーシーは「まったくそのとおり・・・まさしく私たちが話しているのは、いろいろな危機についてであって、それは私たちの社会が、もはや大目に見る必要のないものになっています」と答えました。154
*「私たちは2017年1月にAxiosを立ち上げた際に、次の共通の信念を基礎にしました:世界は急速に変化するテーマに関するより賢明で効率的な報道が必要であるという信念です。常に私たちの視聴者を最優先に考えることを誓いました」と謳うサイト。https://www.axios.com/about

 マッカーシーは、2021年2月のテキサス州の停電の際に、天候依存型の再生可能エネルギーの不備を批判した人々を特にとりあげました。しかし、それらの批判の多くは事実でした。過去10年間、テキサス州では投資家が830億ドル以上を天候依存型のエネルギー源、主に風力タービンに注ぎ込んでいました。2月の寒波の際に、それは凍結した化石燃料工場と共に、大部分が利用できなくなりました。155その理由の一部は寒さであり、大半は風速が足りなかったというのが理由です。

 マッカーシーは、再生可能エネルギーの批判者たちは「闇の資金」を提供している化石燃料系諸会社(これは巨大タバコ産業と同じと彼女は言う)によって資金提供されていると主張しました。彼女は、批判者たちが「綺麗なエネルギーの利点」について一般市民を「欺く」ために報酬を受け取っていると主張しました。「私たちは技術部門企業に本当に参加してもらう必要があります」と彼女は述べました。再生可能エネルギーを批判することは「拒否することと同じくらいに危険です。なぜなら、私たちは急いで動かなければならないからです」。156

 しかし、テキサス州で使われている再生可能エネルギーを含め、それに対する主な批判者たちは、化石燃料産業からの資金提供を受けていません。さらに、マッカーシー自身のAxiosとのインタビューは、太陽エネルギー産業への主要な供給者である3Mがスポンサーとなっていました。3Mは、3Mの利益となるような気候とエネルギーに関する立法推進のために直接政治的圧力をかける活動をしています。157

 したがって、ウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば、マッカーシー、米国発展センター、そしてソーシャル・メディア諸企業が提案している広範な検閲枠の下では「リチウムイオン電源の技術的な限界を指摘するだけでも、『偽情報』に該当する可能性がある」と指摘されています。158

 さて、米国政府によって資金提供された組織が、私や他の人々を中傷する報告書を作成し、ソーシャル・メディアにおける私や他の人々の投稿をもっと検閲するように、と要求しました。イギリスの頭脳集団である戦略対話研究所(ISD)は、アメリカの納税者のお金を使って事実情報の検閲を求めています。国務省は2021年9月にISDに助成金を与え、「偽情報と宣伝活動に対抗する有望で革新的な技術の開発を進める」ことを推進しました。159 2022年の「気候偽情報」に関する報告書では、ISDは私や他の人々を、気候対策の「遅延」を推進している輩、と中傷しています。160これは嘘であり、原子力発電所を守る私の仕事を知るすべての人が分かっているとおり、私は「ゆっくり進む」やり方を一度も提唱したことはありません。

 戦略対話研究所(Institute for Strategic Dialogue)は、北大西洋条約機構(NATO)、パリのアメリカ大使館、大西洋評議会のデジタル操作研究室(DFRLab)、およびサイバー安全保障及び基盤構造安全保障庁(CISA)が後援したある催し物に参加した後、資金援助を受けました。

2022年

米国政府は「Disinformation Index」と「News Guard」という組織に資金提供して、好ましくないニュース・メディアから広告主を遠ざけるための活動を行っている

 政府が資金提供する検閲組織は、広告主がそれを要望するから、と検閲を正当化しています。「内容管理規制と内容政策は事業の動機にも関連しています。ソーシャル・メディアは『肥溜め』を作りたくないのです。Twitter社は4チャンネルのような場所になることを今も昔も望んでいません。なぜなら、大半の人々はそのような環境を楽しんでいないからです。だから、第一修正条項に準拠した内容あっても、ソーシャル・メディアによっては多かれ少なかれ内容管理を選択します。それは自分たちが作り上げたいと思っている類の環境と緊密に連動しています。すべての人が自由な経験を持つという考え方とは一線を画します。161

 他方、米国政府は好ましくないニュース・メディアから好ましいニュース・メディアへの広告費の流れを促進する団体に資金を提供しています。2021年に国民の税金3億ドルの予算を受け取った「全米民主主義基金National Endowment for Democracy」は、2020年に「Global Disinformation Index」という組織に23万ドルを助成しました。この組織は、ワシントン・エグザミナー、Reason、およびニューヨーク・ポスト紙を含む保守派やリバタリアン系主要メディアとの広告掲載を企業に呼びかけないよう働きかけています。162

 2021年9月、国防総省は75万ドル相当の政府契約をNewsguard*に与えました。Newsguardもまた、好ましくない出版物に対して広告主が資金提供を打ち切るよう主張している団体の一つです。163
*ニュースと情報のウェブサイトの信頼性を評価し、オンラインの誤情報を追跡するためのジャーナリズム関係サイト。(ウィキペディア)

国土安全保障省の「Desinformation Governance Board(DGB偽情報管理委員会)」の設立

 2022年4月、国土安全保障省はソーシャル・メディア上の偽情報と戦うために「DGB」を設立すると発表しました。2022年3月には、ソーシャル・メディアの幹部や他の政府機関の代表との会議で、「外国からの影響に対処する機動部隊(Foreign Influence Task Force)」を率いるFBIの職員、ローラ・デムロウは、「我々は責任を持つ報道機関の基礎構造が必要だ」と述べました。164

 「DGB」設立の発表は、一般市民から強い広範な反発を引き起こし、数週間後にバイデン政権はその計画を取り下げました。しかし、計画を完全に放棄する代わりに、国土安全保障省の各機関は独自にソーシャル・メディアを監視しています。国土安全保障省の2022年度四半期国土安全保障総括の草案によると、同省は「不正確な情報」を対象にする予定であり、それには「COVID-19大流行の起源とCOVID-19ワクチンの有効性、人種的正義、アフガニスタンからの米国の撤退、およびウクライナへの支援の本質」が含まれていました。165

2023年

Twitter文書

 アメリカ人は、新しいTwitter社主であるイーロン・マスクがTwitter 文書を提供してくれたことに感謝すべきです。予測されたことかもしれませんが、検閲産業複合体は重大な悪意ある情報、誤情報、そしておそらく偽情報を広めました。このTwitter 文書やそれを報道することに関係したジャーナリストたちについてです。マスクが私をTwitter 文書の報道担当者として直接選んだと広く報じられています。が、それは真実ではありません。バリ・ワイスが私を彼女の報道班に誘ったのです。私たちが初めて会ったとき、マスクは私が誰なのか知らないと話しました。

 私たちは(Twitter社内の)内部メールや直接の伝達文書を幅広く目を通す権限を与えられましたが、何も隠されている形跡は見つかりませんでした。私の報道の独立性については、Mother Jones誌や私の2020年の著書『終末は決してない(Apocalypse Never)』でマスクのエネルギーに関する発言を批判した数少ないジャーナリストの一人であることを指摘しておきます。マスクの他の点について何を考えようとも、彼が世界でもっとも重要なソーシャル・メディア(Twitter)の内部の仕組みを透明にしようと決断したことは前例のないことであり、公衆に検閲産業複合体のやり口を理解する機会を提供してくれました。

ディレスタとスタモスは、「外国からの偽情報」の脅威を誇張している

 2月下旬、Meta(Facebook)が第4四半期の「Adversarial Threat Report(敵からの脅威報告)」を公開した後、ディレスタは次のようにツイートしました。「興味深いFacebookの対立的な脅威レポート:4つの偽情報連携組織・・・そのいくつかはかなり大規模で、国に関連していますが、傭兵関係者(有給の運営者)もいました。大金を使って広告を出しています」。166 スタモスも同意し、「深刻な外国からの影響宣伝活動がオンライン上に続いています」と述べています。167

 以下は、Metaが記述した内容です:「ロシアによるウクライナ戦に関連したロシア起源の隠蔽活動(CIB)は急激に増加している一方で、ロシア国家が管理する報道機関によるFacebook上での公然の試みは、報告によれば、過去12ヶ月間減少している。国家が管理する報道機関は、新しい登録名を使用して他のソーシャル・メディアに移行し、自分たちのサイトへのリンクがますます丸裸になる(そして「格下げ」になる)ことを回避しようとしている。同じ期間に、隠れた影響力をもつ勢力は、インターネット全体で、大量かつ非常に低品質の宣伝活動を採用する「強引で手荒な」やり方を取り入れた」。168


 言い換えれば、ロシアは隠蔽活動を試み、大部分は失敗しており、その結果、他のソーシャル・メディアに移行し、「低品質な宣伝活動」に頼ることを余儀なくされているということです。これは、ロシア勢力について、ディレスタは「相当大規模」な取り組みであると主張し、スタモスは「深刻な」作戦と言っているのとは、全く異なる状況だと捉えられているのです。

 『Revolt of the Public(大衆の反乱)』の著者であるグリは反論しました。「『影響力』を証明せよ。基礎資料はどこにあるのか?純粋なアメリカ人の心にどのような汚染があるのか?そして、もし基礎資料がないのなら、これは『ベッドの下には共産主義者がいる』のよりもさらにばかげた言い方ではないのか?」と彼はツィートしました。169

 これに対して、スタモスは「私はあなたの本の熱狂的支持者です。あなたがこうなるのは残念です、先生・・・私は何度も何年も前から述べてきましたが、これらの宣伝活動の影響はしばしば誇張されていると思っています。特に2016年の選挙に関してはそうでした。しかし、権威主義者を自由に走らせ、彼らが印を付けた対象を人々に信じさせることは信頼性のあるソーシャル・メディアを運営する賢明な方法ではありません」と書いています。170


<原註>
108 Craig Timberg et al., “Secret campaign to use Russian-inspired tactics in 2017 Ala. election stirs anxiety for Democrats,” Washington Post, Jan 6, 2019, https://www.washingtonpost.com/business/technology/secret-campaign-to-use-russianinspired-tactics-in-2017-alabama-election-stirs-anxiety-for-democrats/2019/01/06/58803f26- 0400-11e9-8186-4ec26a485713_story.html.
109 Craig Timberg et al., “Secret campaign to use Russian-inspired tactics in 2017 Ala. election stirs anxiety for Democrats,” Washington Post, Jan 6, 2019, https://www.washingtonpost.com/business/technology/secret-campaign-to-use-russianinspired-tactics-in-2017-alabama-election-stirs-anxiety-for-democrats/2019/01/06/58803f26- 0400-11e9-8186-4ec26a485713_story.html.
110 Craig Timberg et al., “Secret campaign to use Russian-inspired tactics in 2017 Ala. election stirs anxiety for Democrats,” Washington Post, Jan 6, 2019, https://www.washingtonpost.com/business/technology/secret-campaign-to-use-russianinspired-tactics-in-2017-alabama-election-stirs-anxiety-for-democrats/2019/01/06/58803f26- 0400-11e9-8186-4ec26a485713_story.html.
111 Nicholas Thompson et al., “Anti-Social Media and The Menace of Disinformation” (panel, Aspen Institute, June 29, 2018), 6:15-6:51, https://www.youtube.com/watch?v=wpksY8w9JwI.
112 Matt Taibbi (@mtaibbi), “1.THREAD: Twitter Files #15, MOVE OVER, JAYSON BLAIR: TWITTER FILES EXPOSE NEXT GREAT MEDIA FRAUD,” Twitter post, Jan 27, 2023, 11:49 am, https://twitter.com/mtaibbi/status/1619029772977455105.
113 Sebastian Herrera, “Austin researcher makes a name – and finds controversy – in cybersecurity world, Austin American-Statesman, Feb. 15, 2019, https://www.statesman.com/story/business/technology/2019/02/15/who-is-jonathon-morganaustin-researcher-makes-name-and-finds-controversy-in-cybersecurity-world/5974403007.
114 Matt Taibbi (@mtaibbi), “1.THREAD: Twitter Files #15, MOVE OVER, JAYSON BLAIR: TWITTER FILES EXPOSE NEXT GREAT MEDIA FRAUD,” Twitter thread, Jan 27, 2023, 11:49 am, https://twitter.com/mtaibbi/status/1619029772977455105.
115 Hearing before the Select Committee on Intelligence of the United States Senate: Open Hearing on Foreign Influence Operations' Use of Social Media Platforms (Third Party Expert Witnesses), 115th Cong. 19 (2018) (statement of Renee DiResta, Director of Research, New Knowledge), https://www.intelligence.senate.gov/sites/default/files/documents/osrdiresta080118.pdf?utm_campaign=The%20Interface&utm_medium=email&utm_source=Revue%20n ewsletter. Shellenberger Testimony March 9, 2022 p. 63
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117 Mike Benz, “DHS Censorship Agency Had Strange First Mission: Banning Speech That Casts Doubt On ‘Red Mirage, Blue Shift’ Election Events,” Foundation for Freedom Online, Nov 9, 2022, https://report.foundationforfreedomonline.com/11-9-22.html.
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120 Center for an Informed Public, Digital Forensic Research Lab, Graphika, and Stanford Internet Observatory, The Long Fuse: Misinformation and the 2020 Election, 2021, Stanford Digital Repository: Election Integrity Partnership, accessed Mar 6, 2023, https://stacks.stanford.edu/file/druid:tr171zs0069/EIP-Final-Report.pdf#page=21 121 “Alex Stamos: Social Media and Digital Democracy,” Commonwealth Club of California, 2021, YouTube video, 1:02:58, https://www.youtube.com/watch?v=2kMYzqfkXaM&t=361s
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137 John Tierney, “This Article Is ‘Partly False,’” City Journal, May 17, 2021, https://www.city-journal.org/facebook-and-its-fact-checkers-spread-misinformation.
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139Ken Klippenstein and Lee Fang, “Truth Cops: Leaked Documents Outline DHS’s Plans to Police Disinformation,” The Intercept, Oct 31, 2022, https://theintercept.com/2022/10/31/social-media-disinformation-dhs
140Ken Klippenstein and Lee Fang, “Truth Cops: Leaked Documents Outline DHS’s Plans to Police Disinformation,” The Intercept, Oct 31, 2022, Shellenberger Testimony March 9, 2022 p. 65 https://theintercept.com/2022/10/31/social-media-disinformation-dhs; CISA Cybersecurity Advisory Committee, “DHS Cybersecurity Disinformation Meeting Minutes,”accessed Mar 6, 2023, https://www.documentcloud.org/documents/23175380-dhs-cybersecuritydisinformation-meeting-minutes.
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143Anonymous Facebook executive, email to Andrew M. Slavett and Rob Flaherty, “[EXTERNAL] Follow up - Friday call w[redacted],” Mar 21, 2021, cited by Michael Shellenberger, Leighton Woodhouse, “Under White House Pressure, Facebook Censored Accurate Covid Vaccine Information,” Public, Jan 12, 2023, https://public.substack.com/p/under-white-house-pressure-facebook.
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145 Anonymous Facebook executive, email to Andrew M. Slavett and Rob Flaherty, “[EXTERNAL] Follow up - Friday call w[redacted],” Mar 21, 2021, cited by Michael Shellenberger, Leighton Woodhouse, “Under White House Pressure, Facebook Censored Accurate Covid Vaccine Information,” Public, Jan 12, 2023, https://public.substack.com/p/under-white-house-pressure-facebook.
146 Anonymous Facebook executive, email to Andrew M. Slavett and Rob Flaherty, “[EXTERNAL] Follow up - Friday call w[redacted],” Mar 21, 2021, cited by Michael Shellenberger, Leighton Woodhouse, “Under White House Pressure, Facebook Censored Accurate Covid Vaccine Information,” Public, Jan 12, 2023, https://public.substack.com/p/under-white-house-pressure-facebook.
147 Rob Flaherty, email to anonymous Facebook executive, "RE: You are hiding the ball," Mar 15, 2021, cited by “Under White House Pressure, Facebook Censored Accurate Covid Vaccine Information,” Public, Jan 12, 2023, https://public.substack.com/p/under-whitehouse-pressure-facebook?utm_source=twitter&utm_campaign=auto_share&r=1ccax
148 The Virality Project, Memes, Magnets and Microchips: Narrative Dynamics around COVID-19 Vaccines, Stanford Digital Repository, Apr 26, 2022, https://purl.stanford.edu/mx395xj8490.
149 Katie Couric, Chris Krebs, and Rashad Robinson, Commission on Information Disorder: Final Report, November 2021, Aspen Institute, Nov 2021, https://www.aspeninstitute.org/publications/commission-on-information-disorder-final-report.
150 Stossel v. Meta Platforms, Inc., U.S. District Court for the Northern District of California, San Jose Division, No. 5:21-cv-07385, Reply filed by defendant Science Feedback Shellenberger Testimony March 9, 2022 p. 66 in support of motion to dismiss pursuant to California's anti-SLAPP statute, Mar 14, 2022, http://climatecasechart.com/wp-content/uploads/sites/16/casedocuments/2022/20220314_docket-521-cv-07385_reply-1.pdf.
151 Michael Shellenberger, “I Have Been Censored By Facebook For Telling The Truth About Climate Change And Extinctions,” Environmental Progress, July 7, 2020, https://environmentalprogress.org/big-news/2020/7/7/i-have-been-censored-by-facebook-fortelling-the-truth-about-climate-change-and-extinctions. John Stossel, “Here’s where the ‘facts’ about me lie — Facebook bizarrely claims its ‘fact-checks’ are ‘opinion,’” New York Post, Dec 13, 2021, https://nypost.com/2021/12/13/facebook-bizarrely-claims-its-misquote-is-opinion; John Stossel, “Government Fueled Fires,” YouTube video, Sept 22, 2020, https://www.youtube.com/watch?v=N-xvc2o4ezk.
152 Bjorn Lomborg, “The heresy of heat and cold deaths,” Bjorn Lomborg, accessed Mar 6, 2023, https://www.lomborg.com/the-heresy-of-heat-and-cold-deaths; Qi Zhao et al., “Global, regional, and national burden of mortality associated with non-optimal ambient temperatures from 2000 to 2019: a three-stage modelling study,” Lancet 5, no. 7 (July 2021), doi:10.1016/S2542-5196(21)00081-4.
153 Ted Johnson, “Joy Reid again faces defamation lawsuit over social media posts,” New York Post, July 15, 2020, https://nypost.com/2020/07/15/joy-reid-again-facesdefamation-lawsuit-over-social-media-posts; Stossel v. Meta Platforms, Inc., U.S. District Court for the Northern District of California, San Jose Division, No. 5:21-cv-07385, Reply filed by defendant Science Feedback in support of motion to dismiss pursuant to California's antiSLAPP statute, Mar 14, 2022, http://climatecasechart.com/wp-content/uploads/sites/16/casedocuments/2022/20220314_docket-521-cv-07385_reply-1.pdf.
154 “Watch: A conversation on battling misinformation,” Axios, Jun 9, 2022, https://www.axios.com/2022/05/31/axios-event-gina-mccarthy-nih-misinformation-online.
155 “Clean Energy in Texas,” American Clean Power, accessed Mar 6, 2023, https://cleanpower.org/resources/clean-energy-in-texas.
156 “Watch: A conversation on battling misinformation,” Axios, Jun 9, 2022, https://www.axios.com/2022/05/31/axios-event-gina-mccarthy-nih-misinformation-online.
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160 Jennie King et al., Deny, Deceive, Delay Vol. 2: Exposing New Trends in Climate Mis- and Disinformation at COP27, Institute for Strategic Dialogue, Jan 19, 2023, https://www.isdglobal.org/isd-publications/deny-deceive-delay-vol-2-exposing-new-trends-inclimate-mis-and-disinformation-at-cop27.
161 Renee DiResta, interview by Michael Shellenberger, transcript here: https://docs.google.com/document/d/1J8bvylZwT1zAa7iE1D3NeeudgByCHTXkeJg4bwIn8aA /edit
162 Lyssa White, “Global 2021” (list of grants), National Endowment for Democracy, Feb 11, 2022, https://www.ned.org/region/global-2021; Gabe Kaminsky, “Disinformation Inc: State Department bankrolls group secretly blacklisting conservative media,” Washington Examiner, Feb 9, 2023, https://www.washingtonexaminer.com/restoring-america/equality-notelitism/disinformation-group-secretly-blacklisting-right-wing-outlets-bankrolled-statedepartment; Gabe Kaminsky, “Disinformation Inc: Meet the groups hauling in cash to secretly blacklist conservative news,” Washington Examiner, Feb 9, 2023, https://www.washingtonexaminer.com/restoring-america/equality-not-elitism/disinformationconservative-media-censored-blacklists; National Defense Authorization Act for Fiscal Year 2022, H.R. 8282, 117th Cong. (2021), https://www.govinfo.gov/content/pkg/BILLS117hr8282rh/html/BILLS-117hr8282rh.htm.
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164Ken Klippenstein and Lee Fang, “Truth Cops: Leaked Documents Outline DHS’s Plans to Police Disinformation,” The Intercept, Oct 31, 2022, https://theintercept.com/2022/10/31/social-media-disinformation-dhs.
165 Ken Klippenstein and Lee Fang, “Truth Cops: Leaked Documents Outline DHS’s Plans to Police Disinformation,” The Intercept, Oct 31, 2022, https://theintercept.com/2022/10/31/social-media-disinformation-dhs.
166 Renee DiResta (@noUpside), “Interesting Facebook’s adversarial threat report today,” Twitter post, Feb 23, 2023, 8:22 am, https://twitter.com/noUpside/status/1628762155888648193?s=20.
167 Alex Stamos (@alexstamos), “1) Serious foreign influence campaigns continue online,” Twitter post, Feb 25, 2023, 4:37 pm, https://twitter.com/alexstamos/status/1629611621005033472?s=20.
168 Ben Nimmo, “Meta’s Adversarial Threat Report, Fourth Quarter 2022,” Meta, Feb 23, 2023, https://about.fb.com/news/2023/02/metas-adversarial-threat-report-q4-2022. 169 Martin Gurri (@mgurri), “Prove "influence". Where's the data? What pure American minds are polluted?” Twitter post, Feb 26, 2023, 11:29 am, https://twitter.com/mgurri/status/1629896414083059712?s=20.
170 Alex Stamos (@alexstamos), “I have stated multiple times, over years, that I thought the impact of these campaigns is often overstated,” Twitter post, Feb 26, 2023, 1:59 pm, https://twitter.com/alexstamos/status/1629934186089029632.

核戦争は気候変動よりも悪くない – ブリンケン国務長官の発言

<記事原文 寺島先生推薦>
Nuclear war no worse than climate change – Blinken
出典:RT  2023年7月30日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年8月5日



2023年7月17日、ワシントンDCの国務省で記者団に話すアントニー・ブリンケン国務長官© AP / Manuel Balce Ceneta


気温上昇が世界に対する最大の「存亡の脅威」であると米国の外交官の長が主張

 アントニー・ブリンケン米国務長官は、核による絶滅の脅威は気候変動の脅威ほど深刻ではないと主張した。ブリンケン氏の批判者らは、米国政府がウクライナに武器を供与することで核戦争の危険を冒していると主張している。

 ブリンケン国務長官は日曜日(7月30日)に放送された「60ミニッツ・オーストラリア」という番組に出演し、核戦争と気候変動のどちらが「人類にとってより大きな脅威」なのかと質問された。

 「どちらかを選ぶというのはできないことだと思いますが…。いま前面に出ていて、世間の懸念の中心となっている事象は確かにありますが、気候問題ほど、私たちすべてにとって存在の危機となっている問題がないことは疑いのない事実です」と同国務長官は答えた。

 さらに同国務長官は、「我々にとっては、気候問題こそが、今の時代、存続の危機となる問題なのです」と話し、さらに、「とはいえ、ロシアによるウクライナ侵攻のような国際秩序にとって深刻な問題が、現在存在しないと言っているわけではありません」とも付言した。

 7月が史上最も暑い月となる見通しであることから、国連は2040年までに石炭使用を世界で皆無にすることを含め、炭素排出削減に向けた「行動の加速」を求めている。この夏の初め、ジョン・ケリー米国大統領気候担当特使は、世界の農業形態を全面的に見直し、農業からの炭素排出を削減することを求めたが、その目的は、「今世紀中旬までに、地球の温暖化が0.5度進む」ことを回避するため、とされた。



 関連記事:ロシアの専門家は、先制核攻撃を行うという主張を集団で非難

 しかし、ウクライナではジョー・バイデン大統領政権がウクライナ軍に対する無制限の支援政策を継続している。米国とNATO同盟国はウクライナに長距離ミサイルを装備しており、現在、ウクライナ側への米国製戦闘機の供給について協議している。これは、そのような兵器はロシアと西側の間の全面戦争の可能性を劇的に高める、とロシア側が何度も警告を繰り返しているにもかかわらず、おこなわれているものだ。

 ロシア当局は今月初め、ウクライナ軍もロシアの原子力発電所を標的にする試みを繰り返しており、ウクライナとその支援諸国は「核テロ」をおこなっていると非難し、警告した。

 米国では、核紛争の差し迫った脅威についての警告は主に共和党の孤立主義派から出ている。元FOXニュース司会者のタッカー・カールソン氏とドナルド・トランプ元大統領の2人は、ウクライナ政権に対する米国の支援の停止を最も声高に訴えており、トランプ大統領は4月に、世界が歴史上「最も危険な時期」に直面しているのは、核兵器の存在と米国側の「無能な」指導者たちのせいだ、と述べた。

 トランプ大統領は3月、「この代理戦争が毎日続く中、我々は世界戦争の危険にさらされている」と述べ、この危機を回避するために「米国の政権交代を支持すべきだ」と主張した。

米国の一党独裁議会は、イラク、シリア、リビア、イエメンでの米国による緊急事態権の発動を阻止するための法案を否決

<記事原文 寺島先生推薦>
DC uniparty kills House resolutions to end US emergency powers in Iraq, Syria, Libya and Yemen
出典:ザ・グレイ・ゾーン(The Grayzone) 2023年7月20日
筆者:アレクサンダー・リュービンシュタイン(Alesander Rubinstein)
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年8月5日





 無限の力を有する権力への支持を大きく示すかのように、議会は一つの決議案を拒絶した。その法案は国家が緊急事態時に発揮できる権力の行使により、米国政府が中東各地で戦争を起こす行為を終結させることができる決議案だった。さらには、米国民を生物兵器の実験台にすることも終わらせることができる決議案でもあった。

 共和党のポール・ゴーサー議員を代表とする、何名かの共和党員議員からなる一団が、41件の「緊急事態」宣言に反対する抗議の声を上げたが、その宣言の多くは既に発令されてから何十年も過ぎている。

 ゴーサー議員の主張によると、国家緊急事態法は、その法のもとで148もの権力が行政機関に付与される「専制的なもの」だという。

 今年の7月18日、下院は、国が発動できる緊急事態権を終結させる5つの決議案を否決した。これらの緊急事態権の制定は、2003年にまで遡る。この5つの緊急事態権により影響を受けた国々は、コンゴ、イエメン、リビア、シリア、イラクだ。それぞれの決議案に対する投票においては、戦争を求めている民主党議員と共和党議員が一体となって、驚くほど多くの議員たちが、行政機関が有する緊急事態時の権力を守ろうとした。

 これらの緊急事態宣言の中でいまだに効力を有しているものには、リビアに対する戦争の認可がある。その根拠は、ムアンマル・カッザーフィーが、米国に対して緊急的な脅威を与えたからだ、とされている。ほかには、シリアに対する経済戦争を可能にしたものもある。その根拠は、シリア政府が国際的なテロ組織に資金を出したからだ、とされている。ほかにも、米大統領が、イエメンに対するサウジアラビアによる軍事侵攻を支援する権利もあるが、この戦争の結果、世界で最悪の人道的危機が生じてしまった。

 それ以外の緊急事態権をあげると、米国政府が米国民に対して生物兵器の臨床実験を行う権利もある。


緊急事態宣言時には、生物および化学兵器に関する現存の法律を一時中断できる権力を大統領が有することが記載された米国の法律


 下院の記者会見場において、ゴーサー議員は以下のような警告を発した。「悲しいことですが、私たちが立ち上がったのは、これらの5件[緊急事態宣言に関する措置]のためです。今後さらに36件の決議案を出すつもりです」と。

 「国家緊急事態宣言が出されるのは、ほとんどないことで、しかも、発令期間はごく短期間であるはずです。1976年に国家緊急事態法が成立した時には、国家機関が緊急事態宣言を何十年間も発令したままにして、他国に制裁を課すことなどは想定されていませんでした。そのような行為は、緊急事態宣言に依らずとも、議会の権限でできる内容のはずです。」

 コンゴ共和国に対する制裁措置を緩和する法案を出したのは、ローレン・ボーベルト議員だ。この法案は、2006年に出された非常権限を終結させることを目指すものだった。この非常権限は、大統領令として出されたもので、コンゴ国籍を持つ人々の財産に制裁を課すという内容だった。バイデン大統領が、この措置を延長させた根拠は、米国の外交政策に対して、「コンゴ民主共和国の現状やコンゴ民主共和国に関係する状況が、尋常ではない巨大な脅威を与え続けているから」だという。

 法律によると、国家緊急事態宣言は、6ヶ月ごとに議会から見直しを受けるものとされている。しかし、上記の5件については、これまで一度も見直しの対象になってこなかった。ボーベルト議員は、コンゴに関する緊急事態宣言が発令されてからの16年、本来であれば議会による見直しが31回行われるべきだったことを下院の場で指摘した。


 諸企業から資金提供を受けている民主党の最高位に位置するグレゴリー・ミィークス議員は、米国下院外交委員会に属しているが、同議員は、コンゴへの制裁措置を緩和すれば、ISISが、米国の銀行に自由に口座を開けるようになる、と主張した。しかし同議員は、指定されているテロ集団が、わざわざ敵国内で自分たちの軍資金を預けることを選択する理由について、説明しなかった。

 イラク戦争の従軍体験のあるエリ・クレーン議員は、イラクに対する国家緊急事態令を終わらせる決議案を支援した。この国家緊急事態令が出されたのは、2003年の米国によるイラク侵攻が始まった数ヶ月後のことだった。当時、米国はイラクが持っていたとされていた架空の大量破壊兵器を見つけるため、という表向きの理由をこじつけていた。


 この緊急事態宣言が広く非難されてきたのは、イラクの石油産業に新植民地主義的支配を行使する手段として発令されたからだ。さらには、「イラクの石油に関わる犯罪に手を染めてきた頭脳労働者たち諸企業の起訴を免除するための保証」の機会としての意味合いもあったからだ。国家緊急事態権は、バイデン政権により今年の5月に延長されることが決まった。

 ゴーサー議員とマット・ゲイツ議員は、シリアに対する緊急事態宣言を終結させることを求める決議案を共に支援した。この緊急事態宣言が出されたのは、2004年の大統領令であり、その宣言に伴いシリアに制裁が課された根拠は、シリア政府が、「テロ行為を支援」し、「大量破壊兵器やミサイル計画を追求し、米国や国際社会による、イラクを安定化させ、イラクを再建させようという努力を妨害した」ためだとされた。
 今年の5月、バイデン政権は、この緊急事態宣言を延長させた。同政権が今回、シリアに対する経済制裁を正当化した根拠は、シリアが「化学兵器を所有し、テロ組織を支援しているため、米国の国家安全保障や外交政策や経済にとって尋常ではない脅威を与える」恐れがあることだ、という。
 下院の場において、ゲイツ議員は、提出した決議案に関する、これら5件の緊急事態宣言の特徴について、以下のように述べた。「眠っている裏金が、何の透明性もなく計り知れない規模で使われているのと同じ状況が、この『シリアに対する緊急事態宣言』で起こっているのです」と。

 ゴーサー議員が提出した決議案が強調していたのは、イエメンとリビアに対する国家緊急事態宣言についてだった。毎日推定130人のイエメンの子どもたちが飢えのために亡くなっていることについて触れたゴーサー議員は、先日の記者会見で以下のように述べた。:「無情にも、イエメンに関わる緊急事態宣言が延長されましたが、この措置により食べ物や衣料や医薬品の寄付ができないままです。これらの物資により、イエメンの人々の苦しみをやわらげることが出来なくなったままなのです。理解できないのは、我が国が発令する『緊急事態』宣言の用途が、他国の人々を傷つけている、という現状です。そのせいで飢えや病気が蔓延してしまっているというのに。」

 これとは別に、リビアに対する緊急事態宣言に対する決議案についての別の記者会見において、ゴーサー議員は、以下のように述べた。:「滑稽としか言いようがないのですが、リビアに対する国家緊急事態宣言が延長された根拠は、ムアンマル・カッザーフィーにあるというのです。カッザーフィーが亡くなってもう12年になろうとしているのに、です。こんな奇妙な話があるでしょうか。」



 「2011年以来、シリアが米国の軍事的あるいは経済的な脅威になったことは一時もありません。シリアの人々には、自国の進む道を選ぶ権利があって当然です。間違った方向に導こうとする腐敗した米国の工作員らの手により、爆撃されたり、攻撃されたり、カラー革命を推し進められたりする恐れのない方向を選ぶ権利があるのです。これらの工作員は誰一人として、米国議会から承認を得ずに勝手に行動しているのですから。」

 ゴーサー議員は、米国大統領が有している、国家緊急事態宣言のもとで行使できる148件の権力は、「専制的である」とした。同議員によると、現在記録に残っていて今でも効力のある国家緊急事態宣言は41件あり、うち1件は、はるか以前の1979年に発令されたものである、という。

 ゴーサー議員は、以下のように記載した。:「どんな大統領でも、どの党に所属しているかは関係なく、全くの自由行動権を有し、特別な権力を際限なく行使するべきではありません。そのような行為は、通常時の民主主義的手続きを免除され、憲法で規定された権威を逸脱し、権力均衡を犯すものになるのですから。」

 「国家緊急事態宣言のもとで認められている権力の中に、米国民を徴兵して現役勤務させることが許されるものがいくつかあります。ひとつは、ラジオ局を押収できる権力。もうひとつは、米国民を生物・化学兵器の実験台にすることを許可する権力です。さらには、米国民の銀行口座を凍結し、それらの国民に対して、弁護士の依頼、不動産賃貸、食料品の購入にまで制限を掛けられるのです」 とゴーサー議員は下院の場で述べた。

 国家緊急事態宣言を終結させる件に関して、共和党のマイク・ローラー議員は、「緊急事態宣言のもとでの権力を有し、米国民を対象にした生物・化学兵器の人体実験をするためには、大統領令を出す必要がありますし、議会はそのような権力を行使することを否定する権力を有しています」と主張した。それでも同議員は、このようなとてつもない権力を手にする道を行政機関が有することが許される点を正当化できるような発言はできなかった。

米国政府による国内検閲と偽情報宣伝活動へのテコ入れ2016年―2022年(第4回)

<記事原文 寺島先生推薦>
The Censorship Industrial Complex by Michael Shellenberger
筆者:マイケル・シェレンバーガー(Michael Shellenberger)  2023年3月9日
<記事翻訳  寺島メソッド翻訳グループ>  2023年8月2日


検閲産業複合体

米国政府による国内検閲と偽情報宣伝活動へのテコ入れ
2016年―2022年

マイケル・シェレンバーガー証言
連邦政府の兵器化に関する議会選択委員会

2023年3月9日

1 Executive Summary(事業計画概要)
2 The Censorship Industrial Complex Today(今日の検閲産業複合体)
3 The Complex’s Disinformation Campaigns(検閲産業複合体の偽情報宣伝活動)
4 Ideology, Strategy, And Origins(思想、戦略、そして起源)
5 Key Events(鍵となる出来事)
6 Recommendations(お薦め)

* 今回は、「4  思想、戦略、そして起源」です。


4 思想、戦略、そして起源

思想   

 検閲複合体の指導者とその成員は、思想を構成する共通の基本的な信念と世界観を持っています。その思想の中心には、真実に対する非常に単純化された見方があります。つまり、真実か、真実でないか、という考え方が検閲思想を成り立たせているのです。真実か偽りかは、黒か白かと同じ構造を持っています。中間の灰色はほとんどありません。この真実/偽りの二分法は、情報/誤情報の区別の根底をなしています。

 検閲思想は、人間の意図に関しても非常に単純化された見方を持っています:人々は真実を伝える意図を持っているか、あるいは嘘をつく意図を持っているかのどちらか、というものです。この善意の意図と悪意の意図は、一方では(正しい)情報と誤情報の区別、他方では(正しい)情報と「ディスインフォメーション(偽情報)」との区別の根底にあります。なぜなら、誤情報と偽情報の唯一の違いは、人を誤誘導する意図があるかどうか、だからです。繰り返します。検閲思想では中間(灰色)の余地はほとんどありません。

 検閲産業複合体が検閲したいと考えている多くの問題は、明らかに、「真実」か「偽り」、ではありません。「malinformation(悪意情報)」という概念を用いることで、このことを検閲産業は内々認識しています。「悪意情報」とは、正確な事実が「偽りの物語(false narratives)」を通して人々を「誤導」するために使われるときに出てくるものだ、というのが検閲産業の言い分です。

 ホワイトハウスとFacebookが正確なワクチン情報を検閲することを正当化した理由は、正確な情報は「ワクチン接種のためらい(vaccine hesitancy)」につながるからだったのです。この場合、検閲は虚偽を検閲するというよりは、危険な真実を検閲することへと移行しました。この行為は根本的に民主主義に反し、アメリカの言論の自由を重んじる姿勢にとって受け入れがたいものです。

 検閲思想の持主は、検閲者は、真実と偽り、そして個人や組織の意図を、少なくとも一般の人よりはきちんと判断できると考えています。そのため、検閲思想は根本的にエリート主義的です。検閲思想の持主たちは次のことを信じています:「偽情報の専門家」(多くの人が自分をそう定義している)というのは、誤情報、偽情報、そして悪意情報の検閲請求をすることや、ソーシャル・メディア他から発せられる誤誘導情報を看破することに向いている人々のことだ。

 「偽情報の専門家」と自称することは、「真実の専門家」と自称するのと同じようなものです。それは単純で、誇大で、そして傲慢な行為です。私は検閲産業複合体全般や特定の検閲活動を正当化する文書を数百ページ読んだ経験から、その世界観はその名称(industrial complex)より有意に複雑(comlex)なものはではないことを証言できます。

 なるほど「偽情報の専門家」は、自らが真実と偽りを判断する際に他の専門家の意見に依存すると強調します。しかし、あらゆる分野の専門家たちが意見を異にする現実を考慮すると、依存する専門家の度合いが異なるということは、自分があらゆる人間的調査領域における専門家になるか、非合理的な基準(たとえば資格主義)を用いるか、どちらかになることを意味します。

 ソクラテスやプラトン以来、人類は普遍的な人間の非合理性に真剣に取り組んできました。どんな風に私たちは間違えるのか、なぜ私たちは間違えるのか、の両面からです。時間が経過すると同じような方法で私たちは何度も間違いを犯すのです。人間は神のような全知全能と賢明さは持ち合わせていません。誰もが何かについて誤って理解しています。科学は進化します。科学者たちはかつて火山が恐竜の絶滅の原因だと考え、次に大きな小惑星が原因だと考え、そして今ではその両方の組み合わせであると信じる人が多くいます。

 この(恐竜の)例が関連性をもつのは、検閲産業によって「ディスインフォメーション(誤情報)」としばしば決めつけられるものが事実ではなく、仮説であることが多いからです。例えば、COVIDが自然からではなく実験室から発生したという考えなどが挙げられます。実際、Facebookが、裁判所で正確な情報に検閲を加えた件について正当化するよう求められた際、Facebookはその検閲は「意見」をもとに行われたものであると述べています。それにもかかわらず「事実確認(fact-check)」の印を投稿された文に張り付けたと述べています。79

 検閲思想の信奉者たちは、非合理で感情的な訴えや、誤情報、偽情報、そして悪意情報(MDM)がもたらすとされる危険性の恐怖を煽ることで、これらの異議をはねつけます。彼らが疑いを持たないのは、アメリカや他の自由主義的な民主主義国家が、MDMを使って害を与えようとする仕掛け人たちとの間でインターネット上での「情報戦争」状態にある、という点です。

 ディレスタ(DiResta)*は、彼女や同僚たちが行っていることを検閲と呼ぶことに抵抗しています。「投稿文の管理は、単純な二分法の『削除する/そのままにする』ではありません。ここではFacebookの用語を使います。Facebookは『削除する(Remove)、制限する(Reduce)、情報提供する(Inform)』という枠組みを持っています。Removeは投稿文画面から消すことを意味します。Reduceは配信を制限することを意味します。そしてInformは、印が表示されることを意味します。それ以外に、ある種隙間的なものがあります。ポップアップが立ち上がるか、その下に事実確認が表示されるものです」80。私がインタビューした際、ディレスタは事実確認の印は「いかなる意味でも検閲ではない」と言っています。81
ディレスタ*・・・スタンフォード インターネット天文台のライター兼研究マネージャーです。ディレスタは疑似科学、陰謀、テロリズム、国家主導の情報戦について書いています。彼女はまた、オンラインおよびソーシャル・メディアの偽情報を防ぐための継続的な取り組みについて米国議会の顧問も務めてきた。 (ウィキペディア)

 2018年、ディレスタは次のように言いました:偽情報と戦うことは「真実を調停することでも、表現の自由の問題でもありません」。それはむしろ「サイバー空間の安全保障の問題です。現在進行中の国家安全保障の問題です。そして、この問題は市民の安全を責任に持つ政府と、製品とそれを生産する場の統合性に責任に持つ私企業との協力を通じて対処されなければなりません」。82

 しかし、偽情報と戦うことは、真実を調停することにもなりますし、表現の自由の問題にもなります。どうしてそうならないことがありましょう?何かを「偽情報」とするためには、それが単に虚偽であるだけでなく、意図的にそうであるとの判断をすでに下しています。そして、「偽情報」と決めつける(いつもとは言いませんが)ことは、しばしば、検閲申請の口実となります。

 検閲複合体の指導者たちは、すべてのMDMを検閲すべきだと主張しているわけではなく、自らの限界を認識することも多いのです。多くの指導者たちは、そんなことをするのは不可能か、基本的な表現の自由の権利に違反することになると認めるのを隠してはいません。「私たちは誤情報と偽情報のない世界に生きることは決してないでしょう。そのような世界はこれまで存在したことはないし、将来、政府が指をパチンと鳴らしてこの問題を規制してしまうこともないでしょう。なぜなら、誤情報といえども、結局は言論なのですから」とディレスタは2021年に述べています。

 むしろ、彼らの議論としては、「害をもたらす」MDMは検閲し、「違反のリピーター」は拡散を制限し、あるいはソーシャル・メディア上から消えてもらうべきだ、となります。ディレスタは「害が大きい可能性がある領域において、誤情報と偽情報にどのように対処するか」という自分の研究について述べています。83

 検閲産業複合体は、「害」についてアメリカ最高裁よりもはるかに間口の広い定義を与えています。アメリカ最高裁は、「チャプリンスキー対ニューハンプシャー州裁判(1942年)」の中で「喧嘩を売る言葉(fighting words)」を、「その発言自体が、害を与えるか即座に平和を破壊するような刺激を与える」と定義しました。84騒乱を引き起こす言葉も保護されません。85最高裁は「テルミニエロ対シカゴ市裁判(1949年)」の中で、喧嘩を売る言葉の範囲を狭めました。憲法上保護されなくなるのは、言葉が明白で眼前の危険がある場合としたのです。86, 87

 そして最高裁は、社会的な対立や不安を引き起こす発言に対して、表現の自由の非常に強い保護を確立しています。1989年に最高裁は、アメリカ国旗を焼くことが煽動行為ではないと判断しました。88そして1992年には、最高裁は「第一修正条項が不可としているからという理由で政府が言論や表現された行為を処罰することは第一修正条項が禁止している」と判示しました。89ある法学者によれば、「たとえその言葉が喧嘩を売る言葉と考えられても、もし言論規制が差別という観点に基礎があれば、第一修正条項は依然としてその言論を保護するでしょう」と述べています。90

 しかし、検閲複合体には積極的な拡大志向があり、情報環境を制御することを目指して、メディア全体の「鳥瞰」を試みています。「システム全体を監視し、システム全体の情報の拡散を理解できるようになると、介入の機会に道が開かれるのです」とディレスタは2018年にアスペン協会で説明しています。91

 検閲理論家たちのもう一つの前提は、連邦政府の宣伝活動と検閲が求められているというものです。EIP(Election Integrity Partnership)が提示する論点では、州や地方の選挙公職者がソーシャル・メディアやニュース・メディアを通じて直接市民に対して意見伝達をおこなっても、何らかの理由でそれだけでは十分でないとされます。むしろ、このような公職者は、連邦政府の資金提供を受けた大学やシンクタンクの専門家による宣伝活動と検閲の支援を必要としている、と主張していたのです。

 ディレスタと彼女の同僚たちは、COVIDや選挙以外のさまざまな問題に関連して、人々をソーシャル・メディアなどの場から消えてもらう方法を模索してきました。「例えば、いくつかのソーシャル・メディアは、選挙後に繰り返し情報を拡散する人々に対する制裁措置を導入し、その後、他の重大な害をもたらす誤情報の分野にも適用してきた」と彼女は述べています。92

 検閲産業複合体の指導者たちは、どの党派にも組しない、と主張していますが、彼らの検閲は共和党とトランプ支持者に対して強く焦点を当てています。EIP(Election Integrity Partnership)の4つの組織の指導者たちは、幅広い反ポピュリスト(大衆迎合主義者)の思想を共有しています。このような思想は、昔であれば冷戦的自由主義という正確な捉え方をされていたかも知れません。EIPがソーシャル・メディア企業に報告し、拡大抑止を通じて検閲を求めた、「誤情報拡散を繰り返す」アカウントはどれも、右翼ポピュリズムの視点を支持していました。93


戦略  

 検閲者たちの目標は、ソーシャル・メディアをますます大きく制御することです。「人々が目にする内容をどのように私たちは決めるのか?」との考えをディレスタは2018年にアスペン協会の集まりで述べています。「どの主題を推奨するか、私たちはどのように決定するのか?私たちがより戦略的に考える『推奨しないでください』リストはあるのか?」。94

 検閲複合体は、ためらうことなく、ひとつ問題から次の問題へと移ります。2020年の選挙直後、EIPの4つの組織は、選挙懐疑論を監視し、検閲することからワクチン懐疑論を監視し、検閲することに即座に舵を切り替えました。「EIPの成功と2020年の選挙の認証に続いて、SIO(Senior Intelligence Officer情報高官)は監視と分析の能力を減じました。それについては終わったと思ったからです」とディレスタは2021年に説明しています。「しかし、ほぼ直ちに、今度は政府の保健関係高官たちの誤情報と闘うための取り組みを支援する能力を再び元に戻す必要性を認識しました」。95

 検閲産業複合体は大きな目標と情報環境を制御するための国と民間の連携に向けた長期的な見通しを持っています。ディレスタは2018年12月に次のように書いています:「虚偽情報宣伝活動の問題は決して解決されないだろうとの厳しい真実がある。それは絶え間なく進化する軍拡競争だ。しかし、管理は可能であり、そして必要だ。これには、ソーシャル・メディア、独立した研究者、そして政府が戦いの同伴者として一緒に取り組む必要がある」。96

 ディレスタと彼女の同僚は繰り返し、政府機関が検閲を民間企業に委託し、しかし密接に連携することの重要性を強調しています。次は彼女の2021年の発言:「私たちは非政府組織(NGO)の能力を確立することができます。そうすることで、同時に、場合によってはその嘘を暴露するような問題を特定したり、共同体あるいは市民社会の連携で彼らの言い分を本当に信頼するような視聴者にその伝言を伝えることが可能になります」97

 ディレスタは、ソーシャル・メディアがおこなう憲法修正第一条で保護された「反論」に検閲を加えることを合法とする政府の要求を繰り返し擁護しており、また、米国政府高官の要請によるソーシャル・メディアによる検閲(Twitter文書によって明らかにされた)に対する公衆の警戒心を一蹴しています。最近の私とのポッドキャスト上の討論において、ディレスタはその警戒心は価値観の衝突ではなく、むしろ投稿記事管理に対する「不慣れさ」が原因だと主張しています。98

 新しい検閲者たちは、自分たちが必要と感じていた憲法修正第一条への侵害になるのでは、という抵抗に直面しました。そして、彼らは検閲の相当部分を民間部門に委託し、同時に政府機関、慈善的な慈善団体、非政府組織、ソーシャル・メディア、そして学術研究機関との間に出入りが自由である状態を作り出しています。

 2015年の態度を振り返って上で、レニー・ディレスタ(Renee DiResta)は次のように発言しています:「IT技術企業は政府の仕事をおこなっているように見られることを望んでいません。EFF(電子フロンティア財団)は、投稿文管理は検閲だと主張しています・・・国と民間の連携は、絶対な鍵だと思います・・・ 個人情報保護やその他の懸念を抱く一部の人々を刺激するかもしれませんが、この問題は情報戦争として扱う以外方法はないと思います」。99

 今日、検閲産業複合体はメディアと通信を世界的に支配独占しようとしていますが、その中身は、ソーシャル・メディアを新聞やテレビネットワークのような、より伝統的なニュース・メディアに変えることです。なぜなら、伝統的なニュース・メディアは、過去、国家安全保障体制をよりよく制御できていたからです。

 実際、通信品位法230条*の保護により、検閲産業複合体はソーシャル・メディアに対して、厳格な法的責任を負うことから、ニュース機関よりもはるかに大きな制御を行使する可能性があります。最終的な結果がどうであれ、進行方向は明確です:検閲産業複合体は、自分たちが「合法化されていない」と見なす意見を排除するために、言論の自由を制限し、公共の議論を狭めようとしています。
通信品位法230条*・・・プロバイダ免責を定めたアメリカ合衆国の連邦法律である。インターネット黎明期であった1996年2月8日、オンライン上でのわいせつ画像等の流布を禁じる米国通信品位法の一部として制定されたものの、米国最高裁判所が1997年6月26日にこれを違憲と判断したため、現在の形に大幅改正された。( ウィキペディア)

 検閲複合体はさまざまな戦術を用いています。その一つは、Twitter 文書やFacebook 文書に見られるように、検閲を強硬に要求することです。これはミズーリ州とルイジアナ州の司法長官が発出しました。別の戦術として、政府や慈善団体の資金を研究やソーシャル・メディアのより厳しい検閲の提唱に向けて誘導することがあります。少なくとも、News GuardとDisinformation Indexという2つの組織が具体的な作業としてこれに従事しています。

 これらの2つの戦術は相互に連動しています。新しい検閲者たちは、ソーシャル・メディアの投稿文管理の権限を、支配層の専門家やエリートにますます委ねようとする立法を求めています。他方、彼らのネットワーク内の他の者たちは、広告主の資金を、好ましくないニュース・メディア(主に保守派やリバタリアン、一部の過激な左派も含まれる)から、好ましいニュース機関(主にリベラルで支配層に友好的な進歩派)に向けて誘導しようとしています。

 さらに、政府と非政府の検閲者たちは、一方でソーシャル・メディアの通信品位法230条の保護を取り消す脅迫を行い、他方では検閲を要求しているのです。ときおり検閲者たちは、IT技術企業が屈服したのは検閲しないと「巨大な規制上の危機」が生じるから、と自慢することもあります。100

 検閲者たちは、力を合わせ、好ましくない個人をソーシャル・メディアの場から消します。これは、彼らを偽情報の「強力拡散者」と決めつけることから始まります。不満を抱いたある虚偽情報戦士が、その仕組みについて説明しました:「コグセック、DFR、またはMISPといったネット管理システムが脅威を特定すると、彼らはSlack上のチャンネルや討論団で連絡を取り合います。彼らは『この脅威仕掛け人を特定した』と言います。それだけで十分なのです。そして、構造的対応を形成するか、連携組織内の誰かが自ら応答することになります。必ずしも虚偽情報と証明されたものではありません。ときには、深い内容の意見だったり、誰かが好きな話だったり、または誰かが緩い解釈をした話だったりする場合もありますが、一般的に事実に基づいています。しかし、それが好ましくないか、活発に広まっている物語と相反している場合は、ソーシャル・メディア上で大規模な報告を行うという対抗措置を講じます」。101

 検閲産業複合体は、一部は公に向けて、もう一部は秘密裏に活動しています。公に向けた目標は、増える検閲に対して一般の人々の満足度を高めることのようです。その構成員は、動画やポッドキャスト、報告書、新聞の意見欄の記事を発表し、「虚偽情報」と「陰謀論」についての警鐘を鳴らす一方で、それらを広めることもします。ディレスタは二重の役割を果たしています。一方では、国家主導検閲をよしとする、最も歯切れのよい唱道者です。他方、国防省と、(彼女の上司スタモスの発言によると)CIAでの彼女の仕事は、公にはしませんでした。2021年、ディレスタの同僚であるアレックス・スタモスは彼女が「CIAで働いていた」と述べました。102 2021年9月、ディレスタはTwitterの検閲者の長の一人であるヨエル・ロスを、DARPAの資金提供による「ソーシャル・メディア上の情緒的な偏見」に関する研修会に参加させました。そして、彼に対してその関与を秘密にするよう依頼しています。103

 最後に、検閲産業複合体は拡大志向であり、熱い使命感を持っています。検閲対象の範疇は、わずか4年で「外国の虚偽情報」から「国内の虚偽情報」、「誤情報」、「悪意情報」、そして「悪意を持った言説」というように拡大しています。後者2つには、正確な情報も含まれる可能性があります。たとえば、2021年にバイデン政権の要請によりFacebookが検閲したCOVIDワクチン情報は正確な情報でした。104

 これらの言い回しは、アメリカの根本的な言論権の伝統にとって忌避される、全体主義的な社会的制御を連想させます。私たちは「真実は戦争の最初の犠牲者である」ということを忘れてはなりません。そして同じことが「情報戦争」にはその2倍当てはまります。

 検閲産業複合体が提唱しているものの多くは、表面から見えるものとは違います。検閲複合体は「プラットフォーム(ソーシャル・メディア)の責任と透明性に関する法案」を提唱していますが、それは「資格のある研究計画、資格のある研究者」のためだけです。この資格は、「虚偽情報の専門家」と検閲の提唱者への政府資金の分配を監督している同じ国立科学財団(NSF)によって決定されます。この提唱の下、一般市民やジャーナリスト、政策立案者は直接データを活用することができなくなります。そのため、この法案は検閲産業複合体の力を増大させるものであり、減少させるものにはなりません。105

 こんなことは、冷戦のときとは天地が逆になるほどの乖離です。冷戦時代、アメリカ政府は外国の宣伝活動を犯罪化しなかっただけでなく、むしろそれを翻訳し、ソビエト共産主義の宣伝を含むものを英語に翻訳してアメリカ人が読めるようにしていました。「私はCIAのグローバルメディア部門で働いていました」と、インターネットの政治的影響に関する書籍『The Revolt of the Public(大衆の反乱)』を著したマーティン・グリは述べています。「私たちは共産主義国から山のような資料を翻訳していたんです。プラウダ、イズヴェスチヤ、他の何でも。そして、それらを政府と公共出版の中間形態のようなものを通して発信していました。その結果、アメリカの図書館には、連邦政府によって提供されたソビエトの宣伝物がありました! それが害を及ぼすとか人々を共産主義者に変えるということは私たちの念頭にありませんでした。そして学会はそれを大いに評価していました。そのため、連邦政府は反対勢力の宣伝を翻訳して公衆に提供し、その結果を恐れてはいませんでした!」


起源

 全ての社会においてエリートは、自分たちが治める人々の同意を、意思疎通を通じて、得て、それを維持しようとします。マキャヴェリは、公衆の意見を操作するために欺瞞と心理学を指南しました。ウォルター・リップマンは1922年に、政府や産業の指導者たちがマスメディアを通じてより高度な技術を活用し、「同意を捏造」する必要性について語りました。1988年の類似した表題の書籍で、エド・ハーマンとノーム・チョムスキーが、アメリカのニュース・メディアが国家安全保障機関を盲目的に応援(ほとんど例外はなかった)する様子を記録しています。さらに30年にわたって、こういったお膳立ては機能しました。それ自体が国家安全保障機関、特に国防総省(DoD)とDARPAの産物であるインターネット1.0も同様です。

 検閲複合体は、2001年9月11日以降のテロ対策戦争に起源を持ち、2015年まで続いたアメリカ政府機関によるISIS勧誘に対する情報操作戦争に関連しています。言い換えれば、その根本には軍事的な要素があり、階層性、権威、そして欺瞞といった要素が基本的に含まれています。

 2016年に起こった2つの地殻変動的な挑戦が、戦後の自由主義秩序の背後にある思想の動機です。これらの2つの出来事とは、6月のBrexit(英国の欧州連合離脱)と11月のドナルド・トランプの大統領選出です。両方の出来事は、大西洋両側の国家安全保障指導者たちを驚愕させ、恐れさせました。多くの人々が、NATO(北大西洋条約機構)と西側同盟への政治的な脅威が、どんな安全保障上の脅威よりも大きいと公然と述べました。この結論は、2016年のトランプの選出によって劇的に強化されました。彼は繰り返しNATOを批判し、アメリカをNATOから引き上げることを仄めかしました。

 「トランプが登場したとき、伝統的な中道左派は『レジスタンス(抵抗)』に巻き込まれました。彼らは強い権限を持ち、力強い解説者であった人々です。トランプが現れたとき、彼らは反政府派になりました。政府の権威ある地位にいる人々が、大統領に対して公然と非難したり、軽蔑したのです。国内外でアメリカの利益を損なう可能性のある解説や活動を公然とおこなうこともありました」と、防衛機関の専門家が私に語りました。106

 元CIA分析官のグリは、インターネット革命によって生まれたトランプ革命へのエリートの反革命的な反発が、検閲産業複合体を推進していることに同意しています。「ある情報にフラグを立てることや、事実確認はすべて、人々が愚かで誤導されると想定してのことです。エリートたちが作り上げるプラトンが語る「守護者」という前提があります。エリートの考えでは、裕福で移動が自由できちんとものが言えるプラトンが語る「守護者」と、その他我々のような被害者になりそうな人間とに分かれます。彼らは我々を自分たちの意のままに世話をする存在と見なしています。それが彼らの民主主義の見方です。もし彼らに劇的な動きがあるとすれば、一般の人々もあなたがたエリートと同じくらい賢いと仮定することです」。107

 アメリカの国家安全保障機関と他のアメリカおよび西側のエリートたちは、ブレグジット支持者やトランプ支持者などから続々と出てきた大量の草の根、真正、国家主義的なメディアや表現に対して恐れと嫌悪の反応を示しました。そして、彼らが依存している自由主義の戦後の世界秩序を破壊される可能性が非常に現実的であると感じました。エリートたちはその後の6年間、メディア言説を彼らが支配してきた、したがって、彼らの「同意を捏造する能力」が被った打撃に対処してきました。

 私は以上すべてを私自身の自由主義的な世界秩序に対する見解としてではなく、背景情報として提供します。私は教育を受けたエリートの一員であり、自由主義的な世界秩序の恩恵を受けており、それに感謝しています。なぜなら、それは平和を維持し、貧困から人々を脱出させ、人権を拡大するのに驚くべき成果をあげているからです。最近数年間、私は安価なエネルギー、能力主義、法と秩序の柱を弱めようとする人々に反対して、西洋文明を守ってきました。私はNATOと欧州、そしてアメリカ政府がウクライナの人々のロシアの侵略に対する防衛を支援することを支持しています。

 しかし、私は間違っているかもしれません。それは、検閲産業複合体が非常に危険だと考える多くの理由の一つになっています。自由主義的な世界秩序を支持することは、権威主義者からの言論の自由を支持することから始まります。今日の検閲者が「偽情報」と呼ぶものは、ほとんどが単に「インターネット上で間違っている」というだけです。私はこれまでの人生でエネルギーや環境、野宿生活者問題、そしてコロナウイルスへの対応など、多くのことについて間違ってきました。私が他の人々よりも間違っているか、正しいかはわかりませんが、私たちが間違えることを許し、実際にはそれを奨励してくれる自由な社会に暮らしていることを喜んでいます。民主的な同意は有機的に、無秩序に、手探りで、そして時間をかけて築かれるものだからです。


<原註>
79 Editorial Board, “Facebook admits the truth: ‘Fact checks’ are really just (lefty) opinion,” New York Post, Dec 14, 2021, https://nypost.com/2021/12/14/facebook-admits-thetruth-fact-checks-are-really-just-lefty-opinion/; Stossel v. Meta Platforms, Inc., U.S. District Court for the Northern District of California, San Jose Division, No. 5:21-cv-07385, Reply filed by defendant Science Feedback in support of motion to dismiss pursuant to California's antiSLAPP statute, Mar 14, 2022, http://climatecasechart.com/wp-content/uploads/sites/16/casedocuments/2022/20220314_docket-521-cv-07385_reply-1.pdf.
80 Sam Harris, “Social Media & Public Trust: A Conversation with Bari Weiss, Michael Shellenberger, and Renee DiResta,” YouTube, Feb 1, 2023, 1:08:52 https://www.youtube.com/watch?v=tVeL5HX4uDY
81 Renee DiResta, interview by Michael Shellenberger, transcript here: https://docs.google.com/document/d/1J8bvylZwT1zAa7iE1D3NeeudgByCHTXkeJg4bwIn8aA /edit
82 Hearing before the Select Committee on Intelligence of the United States Senate: Open Hearing on Foreign Influence Operations' Use of Social Media Platforms (Third Party Expert Witnesses), 115th Cong. 19 (2018) (statement of Renee DiResta, Director of Research, New Knowledge), https://www.intelligence.senate.gov/sites/default/files/documents/osrdiresta080118.pdf?utm_campaign=The%20Interface&utm_medium=email&utm_source=Revue%20n ewsletter.
83 Renee DiResta, “Cybersecurity Summit 2021: Responding to Mis, Dis, and Malinformation” (lecture, Cybersecurity Summit 2021, Oct 2021), YouTube video, Oct 27, 2021, https://www.youtube.com/watch?v=yNe4MJ351wU.
84 Chaplinsky v. State of New Hampshire, No. 255, (US Sup. Ct. 1942) https://www.law.cornell.edu/supremecourt/text/315/568.
85 Feiner v. People of State of New York, No. 39, (US Sup. Ct. 1951) https://www.law.cornell.edu/supremecourt/text/340/315.
86 Terminiello v. City of Chicago, No. 272m (US Sup. Ct. 1949) https://www.law.cornell.edu/supremecourt/text/337/1.
87 “Clear and Present Danger,” Cornell Law School: Legal Information Institute, accessed Mar 6, 2023, https://www.law.cornell.edu/wex/clear_and_present_danger. 88 Texas, Petitioner v. Gregory Lee Johnson, No.
88-155, (US Sup. Ct. 1989) https://www.law.cornell.edu/supremecourt/text/491/397.
89 R.A.V., Petitioner, v. City of St. Paul, Minnesota, No. 90-7675 (US Sup. Ct. 1992) https://www.law.cornell.edu/supct/html/90-7675.ZO.html. Shellenberger Testimony March 9, 2022 p. 61
90 “Fighting words,” Cornell Law School: Legal Information Institute, Accessed Mar. 6, 2023, https://www.law.cornell.edu/wex/fighting_words
91 Tom Fanning et al., “Deep Dive: Cybersecurity and the Broad Geopolitical Risk of Digital Life” (lecture, Aspen Ideas Festival, Aspen Institute, 2018), YouTube video, June 27, 2018, https://www.youtube.com/watch?v=6ZQbQ3UpO8Y&t=3s.
92 Renee DiResta, “Cybersecurity Summit 2021: Responding to Mis, Dis, and Malinformation” (lecture, Cybersecurity Summit 2021, Oct 2021), YouTube video, Oct 27, 2021, https://www.youtube.com/watch?v=yNe4MJ351wU.
93 Center for an Informed Public, Digital Forensic Research Lab, Graphika, and Stanford Internet Observatory, The Long Fuse: Misinformation and the 2020 Election, 2021, Stanford Digital Repository: Election Integrity Partnership, accessed Mar 6, 2023, https://stacks.stanford.edu/file/druid:tr171zs0069/EIP-Final-Report.pdf#page=206
94 Nicholas Thompson et al., “Anti-Social Media and The Menace of Disinformation” (panel, Aspen Institute, June 29, 2018), 24:30-24:57, https://www.youtube.com/watch?v=wpksY8w9JwI.
95 Renee DiResta, “Cybersecurity Summit 2021: Responding to Mis, Dis, and Malinformation” (lecture, Cybersecurity Summit 2021, Oct 2021), YouTube video, Oct 27, 2021, https://www.youtube.com/watch?v=yNe4MJ351wU.
96 Renee DiResta, “What We Now Know About Russian Disinformation,” New York Times, Dec 17, 2018, https://www.nytimes.com/2018/12/17/opinion/russia-reportdisinformation.html.
97 Renee DiResta, “Cybersecurity Summit 2021: Responding to Mis, Dis, and Malinformation” (lecture, Cybersecurity Summit 2021, Oct 2021), YouTube video, Oct 27, 2021, https://www.youtube.com/watch?v=yNe4MJ351wU.
98 Sam Harris, “Social Media & Public Trust: A Conversation with Bari Weiss, Michael Shellenberger, and Renee DiResta,” YouTube, Feb 1, 2023, 1:08:52 https://www.youtube.com/watch?v=tVeL5HX4uDY
99 Nicholas Thompson et al., “Anti-Social Media and The Menace of Disinformation” (panel, The Aspen Institute, June 29, 2018), 13:41-15:48, https://www.youtube.com/watch?v=wpksY8w9JwI.
100 FFOSourceClips, “EIP - Bragging That They Pushed The Envelope On Censorship Policies; Threat Of Regulation,” Rumble, Oct 2022, video, 2:18, https://rumble.com/v1lzhvyeip-bragging-that-they-pushed-the-envelope-on-censorship-policies-threat-of.html.
101 Anonymous disinformation expert, telephone interview by Michael Shellenberger, March 3, 2023.
102 Alex Stamos, “Securing Our Cyber Future: Innovative Approaches to Digital Threats” (lecture, Stanford Internet Observatory, Stanford University, Palo Alto, CA, June 19, 2019), YouTube video, Oct 27, 2021, 18:00-18:20, https://www.youtube.com/watch?v=ESR9k0BtmXY.
103 Email from Renee DiResta to Yoel Roth, September 13, 2021, Subject: “DARPA ISAT workshop pre-invite.” Shellenberger Testimony March 9, 2022 p. 62
104 Michael Shellenberger and Leighton Woodhouse, “Under White House Pressure, Facebook Censored Accurate Covid Vaccine Information,” Public, Jan. 12, 2023, https://public.substack.com/p/under-white-house-pressure-facebook.
105 Platform Accountability and Transparency Act, S. 5339, 117th Cong. (2021), https://www.coons.senate.gov/imo/media/doc/bill_text_pata_act.pdf. 106 Anonymous, telephone interview by Michael Shellenberger, March 3, 2023. 107 Martin Gurri, telephone interview by Michael Shellenberger, March 2023.

検閲産業複合体:米国政府による国内検閲と偽情報宣伝活動へのテコ入れ 2016年-2022年(第3回)

<記事原文 寺島先生推薦>
The Censorship Industrial Complex by Michael Shellenberger
筆者:マイケル・シェレンバーガー(Michael Shellenberger)  2023年3月9日
<記事翻訳  寺島メソッド翻訳グループ>  2023年7月31日


検閲産業複合体

米国政府による国内検閲と偽情報宣伝活動へのテコ入れ
2016年―2022年

マイケル・シェレンバーガー証言
連邦政府の兵器化に関する議会選択委員会

2023年3月9日

1 Executive Summary(事業計画概要)
2 The Censorship Industrial Complex Today(今日の検閲産業複合体)
3 The Complex’s Disinformation Campaigns(検閲産業複合体の偽情報宣伝活動)
4 Ideology, Strategy, And Origins(思想、戦略、そして起源)
5 Key Events(鍵となる出来事)
6 Recommendations(お薦め)

* 今回は、「3  The Complex’s Disinformation Campaigns(検閲産業複合体の偽情報宣伝活動)」です。



3 検閲産業複合体の偽情報宣伝活動

 今日の検閲産業の多くの指導者や参加者は、陰謀論を含む偽情報の拡散や、正確な情報を信用できないものとして非難したり、正当な理論が陰謀論として否定されたと主張することに関与してきました。

1.トランプ・ロシア共謀陰謀説、2016年〜2019年

 検閲産業複合体の最初の大規模な偽情報宣伝活動は、ドナルド・トランプがウラジミール・プーチンそしてロシア政府と共謀して2016年の選挙を盗んだという陰謀論でした。

 ロシアのソーシャル・メディアの関わり、つまり、メールのハッキングと漏洩が2016年の選挙結果に何らかの影響を及ぼしたかについて、証拠は一切ありません。まして決定的な影響などあろうはずもありません。54 多くの中立的な分析家や民主党の戦略家たちも、ロシアのソーシャル・メディアは影響を及ぼしてはいないと信じています。55

 4つの主要な検閲組織のうち2つであるNew KnowledgeとGraphikaは、米上院情報特別委員会に、ロシアがトランプを選出したとする主張を学術論文として提出しました。彼らは、その証拠としてアメリカ国内で1,000万人がその広告を見た56ことを指摘したのです。

 「2016年のアメリカ合衆国大統領選挙に影響を及ぼしたロシアの偽情報作戦は決して終わっていない。ソーシャル・メディアを通じたロシアの介入は、・・・慢性的で広範囲に及び、識別可能な状態であり、我々は今それに積極的に対処しなければならない」57とディレスタ記者は2018年12月のニューヨーク・タイムズ紙に書いています。

 彼女の調査結果は広く尊重され、公表されました。元国家情報長官のジェームズ・クラッパーは、ロシアが選挙に影響を与えたという証拠を「驚天動地のこと」と呼びました。ペンシルバニア大学のコミュニケーション学教授であるキャサリン・ホール・ジェイミソンは、その証拠を指摘して、ロシア側の働きかけなしにトランプは大統領にならなかっただろうと結論づけました。58

 しかし、ロシアが2016年の選挙運動に何らかの影響を与えたという証拠は全くありません。ましてや、ロシアがトランプの当選に力を貸したなどというのは、一体どこからでてくるのでしょうか?ハーバード大学のバークマン・クライン・センターのロバート・ファリス、ハル・ロバーツ、そしてヨチャイ・ベンクラーは、2015年から2018年までの数百万の記事を、ネットワーク分析にかけて調査し、どのように読者がメディア報道に注目したかを測定し、内容の分析を行い、どのサイトがいつ何について書いたかを検討しました。そして、選挙で最も顕著な問題について詳細な事例研究をおこないました。「確かにロシア人の姿は見え、何かやろうとしていることも分かった。しかし、これらすべての事例において、偽情報を発信し、拡散するために重要な役割を果たしていたのは、アメリカの右翼メディアだと確認できた」とベンクラーは書いています。

 保守派の有権者は2016年において、ニュース・メディアに比べてソーシャル・メディアをあまり利用していませんでした。トランプの支持者の40%がFoxニュースを主な情報源として挙げた一方、Facebookを主な情報源としたのはわずか7%に過ぎませんでした。「ロシアが選挙を揺さぶったとする考えを広めようとする人々は、ロシアのFacebook投稿が約1億2600万人のアメリカ人に配信したという数字を引用することがよくあります。しかし、それは投稿の内容がFacebookのニュース・フィードと呼ばれる友達からの新情報が通知される欄に表示される利用者の数を指し示すものであり、実際にそれを見たかどうか、または何百もの他の投稿に埋もれて、あまり印象に残らなかったかどうかは問われません」。59さらに、ロシアの情報工作組織のページの投稿の56%は選挙後に出されたもので、25%は誰も見ていませんでした。60

 ディレスタの記事は誇張という病に冒されています。「オンライン・ソーシャル上の集団をいくつかの大きな集団に統合すれば、宣伝工作者は聞く耳を持つ視聴者を多数獲得することになる。そうなれば、何億もの人々に配信される情報を少しだけ覆い隠せばいいだけで済む。そして読んでもらいたい対象に正確に狙いを定めるのは、10年蓄積された詳細な利用者の閲覧行為の記録(広告を販売する事業で使用されてきたもの)を使えば可能であり、狙いを定めた集団に配信することは簡単で安上がりということになる(強調は筆者)」と彼女はTimes紙に書いています。61

 しかし、オンライン上で何億にもの人々に簡単かつ安価に配信できるなら、なぜもっと多くの人々がそうしないのでしょうか? なぜ政治家や企業が、視聴者に配信しようとして何千万ドルも費やさなければならないのでしょうか? なぜなら、それは簡単でも安くもないからです。製品や候補者をオンライン上で宣伝しようと試みたことがある人なら誰でも知っていることです。ロシア側があまり多くの人々に配信できなかったのはそういう理由があるからです。

 ロシアの工作員が画策したとされるDNC(民主党全国委員会)とヒラリー・クリントンの選挙対策委員長ポデスタ*の電子メールがハッキングにより漏洩した事件についてはどうなのでしょうか? ディレスタとTwitterのヨエル・ロスが、ジェイミソン教授に続いて言っていることですが、その電子メールの漏洩が知れ渡ったことで、「アクセス・ハリウッド」という番組で取り上げられた、トランプが女性の性器を掴むと豪語する様子が収められた音声記録が広まることが防がれた、というのです。「ポデスタの電子メールは、2016年10月7日にWikiLeaksによって公開された。それは「アクセス・ハリウッド」の音声記録が公開された後、1時間も経っていない。WikiLeaksがこのハッキングを公開した意図には、トランプの卑猥な発言が女性との性的不適切行為を暗示する恥ずべき話題から、明らかに、人々の注目を逸らすことがあった」とこれらのハーバードの学者たちが言っています。
* ジョン・デイヴィッド・ポデスタは、アメリカ合衆国の官僚。 シカゴ生まれ。1971年ノックス大学卒業。1976年ジョージタウン大学ローセンター修了、法務博士。1998年10月20日-2001年1月20日、ビル・クリントン政権2期目のアメリカ合衆国大統領首席補佐官。( ウィキペディア)

 しかし、この漏洩メールはほとんど影響を及ぼしませんでした。これらのハッキングされたメールは確かに人々の注目を集め、公開後の10日間で1日あたり150から400の記事が書かれましたが、それでも「アクセス・ハリウッド」音声記録からの注意を逸らすことには失敗しました。「アクセス・ハリウッド」音声記録については1日あたり2000から3000の記事が書かれたのです・・・クリントン陣営について触れた主流メディアおよび右派の国内報道の量と傾向を考慮すると、ロシアの宣伝活動が大きな違いをもたらした可能性は低いように思われます」。62

 学者やFacebookは、ロシアの影響をこんな風に極端に誇張することは、プーチンを助ける偽情報を生むことになり、少なくともプーチンに対する好意を得ようとする人々を助けることになり、アメリカ人をますます混乱させるだけだ、と警告しています。

 「ロシアの宣伝活動がアメリカ政治における偽情報の全能の源である、という考えを広めれば、私たちはまさに、彼らの次の第一目標を強化することになる:つまりそれは、混乱の種をまき散らすことだ」とハーバード大学のベンクラー教授は書いています。63

 2022年にFacebookはこう述べています。「これらの仕掛け人たちは・・・自たちが創り出す効果を誇張することに興味を持っている。だから、自分たちの支払い主になるかもしれない人たちの信頼性に磨きをかけるような知覚ハッキングに精を出すのだ」。64 それだから、外国の干渉の影響を誇張する人々は、さらに多くの経済的および政治的な動因を生み出そうとしているのかもしれません。

 これらの主張を問い詰められると、ディレスタや他の人々は、外国の干渉が起こっているという事実だけでも私たちは警戒すべきだと強調します。

 しかし、各国政府は何百年もの間、お互いの選挙に干渉してきました。1796年のアメリカ大統領選挙では、フランスが干渉しました。フランスの大使は公然と共和党を支持し、連邦主義者たちを攻撃し、アメリカとイギリスの間の貿易協定ジェイ条約(1793年の戦争の結果、締結された貿易協定)を拒否するよう、ジョージ・ワシントン大統領配下の国務長官に強く促しました。65

 アメリカ合衆国は、南ベトナムや日本、エルサルバドル、ハイチ、グアテマラ、ブラジル、イスラエル、レバノン、パナマ、イラン、ギリシャ、イタリア、マルタ、スロバキア、ルーマニア、ブルガリア、アルバニア、スリランカ、そしてフィリピンに対して秘密裏に選挙へ影響を与えようとしました。66

 私がそういう歴史的な文脈を持ち出したのは、他国の選挙への干渉を正当化するためではありません。むしろ、そのような主張は今も昔も度が過ぎていることを示したいからです。要は、一般的に有権者の意見を変えるのは難しいということです。そして、外国の仕掛け人は通常、国内の仕掛け人よりも、そのようなことを実現する能力が遥かに劣ります。国内の仕掛け人は(外国の仕掛け人より)はるかに多くのことが身に降りかかるし、自国の政界の微妙な潮流を理解しているからです。

 最後にひとつ補足します。ロシア・トランプ陰謀説の提唱者たちは自分たちが言っていることを本当に信じていたのか、それとも単に検閲の口実として使っていたのか、私にははっきりとは分かりません。

2. COVIDの実験室漏洩説の信頼性を失わせる試み、2020-2021

 2つ目の大きなアメリカ人向け偽情報宣伝活動は、2020年2月に始まりました。そして、COVIDウイルスが中国の研究所に起源を持つという仮説は「その嘘が明らかになった陰謀論」とされたのです。しかし、この仮説は、実際は、ウイルスが野生動物から人間に跳び移る理論と同じくらいの合理性はいつも持っていました。この偽情報宣伝活動は、アメリカ国立衛生研究所(NIH)長官のフランシス・コリンズとNIAID(国立アレルギー感染症研究所)のアンソニー・ファウチによって進められました。ファウチはCOVIDに対する米国政府の対応の監督者でした。入手可能な電子メールによれば、少なくとも2人の主要な研究者が、2020年2月、コリンズとファウチに対して、実験室からの漏洩は可能であり、おそらくそれが事実だ、と伝えています。コリンズとファウチは、公には実験室漏洩説を陰謀論として一蹴したものの、それが事実であることを知っていたようです。これは、米中の協力関係を傷つけることを恐れた、あるいは、オバマによる米国内での禁止を受けた後、ファウチはこの研究を武漢に移管したことで自分が動いているので、このパンデミックで自分の名前が出されることを恐れたのかもしれません。67

3. ハンター・バイデンラップトップ陰謀理論、2020-2021

 2020年に発生した3つ目の大きな偽情報宣伝活動は、ジャーナリスト、ソーシャル・メディアの幹部、そしてアメリカ人を説得することを目指していました。その宣伝活動は、ハンター・バイデンのラップトップがロシアの「ハッキングと漏洩」作戦を通じて公になったのであり、実際にはコンピュータ修理店の店主を介して公になった(ニューヨーク・ポスト紙、2020年10月14日の報道)のではない、というものでした。68

 スタンフォード・インターネット監視局は、「ペンタゴン・ペーパーズ」が1971年に公開されて以来の倫理を捨て、代わりに「ハッキングと漏洩」の実行者に焦点を当てるようニュース・メディアに呼びかける報告書を発表しました。69 アスペン協会は、2020年の夏、10月14日の公開前の数ヶ月に、FacebookとTwitterの最高の検閲担当者、およびニューヨーク・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙、CNNの国家安全保障担当記者に対して、ハンター・バイデンに関連する「ハッキングと漏洩」に関する報道を形成するための「卓上演習」を主催しました。これは「事前に反駁する(pre-bunking operation)」作戦だったのかもしれません。

 検閲産業複合体による事実情報の信憑性を失わせる最も大きな事件は、ハンター・バイデンのラップトップに対する「事前反駁(prebunking)」でした。70 情報機関(IC)の代表者による組織的な取り組みの強力な証拠があり、ニュースやソーシャル・メディア会社の上級幹部を対象に、ハンター・バイデンに関する漏洩情報を公開する前後に信憑性を失わせることを狙っていました。

 2020年、一年中をかけて、FBIやその他の法執行機関は繰り返し、Twitterのサイト統合部門の責任者(後に安全保障および信頼性の責任者となった)ヨエル・ロスに対し、ハンター・バイデンのラップトップに関する報道をロシアの「ハッキングと漏洩」作戦として一蹴するよう指導しました。次はロスが2020年12月に行った宣誓供述書からのものです:

これらの週次会議の間、連邦法執行機関は、州の仕掛け人による「ハッキングと漏洩の作戦」が2020年の大統領選挙直前の期間、おそらく10月に発生する可能性があると伝えました。これらの会議で私に伝えられたのは、情報機関が政治宣伝活動に関連する個人がハッキング攻撃の対象となると予想しており、そのハッキング攻撃で入手された素材がおそらくTwitterを含むソーシャル・メディアを通じて広められるだろうということでした。ハッキングと漏洩作戦の予想については2020年中に議論されました。また、これらの会議で、ハンター・バイデンを絡める可能性のあるハッキングと漏洩作戦についての噂があることも知りました。

 最高経営責任者のマーク・ザッカーバーグによれば、FBIは、Facebookに対しても同様のことをしました。「要するに、FBIが私たちのところに来て、『ねえ・・・高度な警戒態勢を取るべきですよ。2016年の選挙ではロシアの宣伝活動が多かったと私たちは思っています。同様の情報が投入されようとしているのです』と言ってきました」。

 それでいて、FBIがハンター・バイデンに関連するロシアのハッキングと漏洩作戦についての警告は、新しい情報に基づいているわけではありませんでした。「私たちの調査を通じて、2016年に起こったものと同様の競合する侵入は見られませんでした」とFBI捜査官のエルヴィス・チャンが2022年11月に認めています。

 確かに、Twitter社の幹部は繰り返し、ロシアの活動は非常に少ないと報告していました。例えば、2020年9月24日に、TwitterはFBIに対して、以前のロシアの協調的ハッキング試みに関連する345件の「ほとんど活動していない」アカウントを削除したと伝えました。これらのアカウントは「それほど配信は多くなく、フォロワーも少なかった」とのことです。71

 実際、Twitterの職員は定期的に、Twitter上に出た外国の影響に関する主流メディアのジャーナリストたちの主張の誤りを正していました。#dcblackout(ワシントンが停電になったという)偽情報拡散活動が外国のボットによって推進されていると示唆する記事に対して、ヨエル・ロスはエルヴィス・チャンに宛てた電子メールで、「その主張を裏付ける証拠は見当たりませんでした」と書いています。72 FBIが、共和党支持のツイートにおける外国の影響に関するワシントン・ポスト紙の記事について尋ねた際、ロスは「この記事は多くの当てこすり的な言葉遣いはあります・・・が、それが事実だという証拠は見当たりませんでした(実際、反対の方向を示す強力な証拠がたくさんありました)」と述べました。73

 FBIからTwitterへの圧力は強くなっていました。「IC(情報機関)は、(連携したものではないにしても)、私たちに対して情報をより多く共有し、API*指針を変更するように促す持続的な取り組みはずっとあります」と、Twitter社上級幹部は不平を述べました。「彼らはあらゆる手段で調査したり、圧力をかけようとしています(議会職員にひそひそと話しかけることもします)」74
*アプリケーション・プログラミング・インターフェース。ソフトウェアやアプリケーションなどの一部を外部に向けて公開することにより、第三者が開発したソフトウェアと機能を共有できるようにしてくれるもの。

 Twitter社が抵抗しても、FBIは繰り返し、Twitterが既に通常の法的経路外では共有しないと明確にしている情報をTwitterに要求しました。

 最近、Twitterのロスは技術ジャーナリストのカラ・スウィッシャーに対して、ハンター・バイデンのラップトップのニュースが出る前にロシアのハッキンググループAPT28について考えるように指導されていた、と述べました。それが実際に出た時、ロスは「APT28のハッキングと漏洩宣伝活動の警報が完全に作動した」と語りました。75

 ジム・ベーカーは元FBIの総顧問(2014年から2018年)であり、アメリカの情報機関で最も影響力のある人物の一人です。ベーカーは30年にわたり政府との往来を繰り返し、CNN、ブリッジウォーター(1400億ドルの資産運用会社)、そしてブルッキングス研究所で勤務してきました。FBIの総顧問として、ベーカーはドナルド・トランプの捜査を内部で推進する中心的な役割を果たしました。

 ベーカーはトランプの捜査に関与した唯一のFBI上級幹部ではありませんでした。トランプの捜査を開始したFBI長官ジェームズ・コミーの元副官であるドーン・バートンもTwitterに入社しました。彼女は2019年に戦略部門の部長としてTwitterに入社しました。

 2020年時点で、Twitterには元FBI職員(「Buの卒業生(Bu alumni)」)が非常に多く働いていたため、彼らはSlack上に独自の私的なチャンネルを作成し、新たにFBI出身者が入社する際の手引き資料を用意していました。76

 10月14日、ニューヨーク・ポスト紙がハンター・バイデンのラップトップの記事を公開した直後、ロスは「これは明確に私たちのハッキングされた資料方針に違反しているわけではないし、他の何かにも明確に違反しているわけではない」と述べましたが、「これにはかなり微妙な漏洩作戦が感じられる」と付言しました。77

 ロスの発言に対して、ベーカーは繰り返し、ハンター・バイデンの資料は偽造されたものであり、ハッキングされたものであり、Twitter社の方針に違反していると主張しました。ベーカーはこれを2020年10月14日と15日のメールやGoogleドキュメントに載せました。ハンター・バイデンのメールが偽造されたものか、ハッキングされたもののいずれか、とベーカーが本気で考えていたとは思えません。ニューヨーク・ポスト紙はハンター・バイデンによる署名付きの領収書の写真を掲載しており、FBIの召喚状も2019年12月にFBIがラップトップを押収したことを示しています。

 結局、午前10時まで、Twitterの幹部たちはハッキングと漏洩だという物語を信じ込んでいました。「専門家の示唆(真実らしい)は、 別々に発生したハッキングがあり、それらのハッキングされた資料がデラウェア州の修理店に魔法のように現れたラップトップに読み込まれたというものです」とロスは記述しました。78


<原註>
54 Jane Mayer, “How Russia Helped Swing The Election For Trump,” The New Yorker, Sept 24, 2018, https://www.newyorker.com/magazine/2018/10/01/how-russia-helped-toswing-the-election-for-trump.
55 See for instance, Yochai Benkler, “The Russians didn’t swing the 2016 election to Trump. But Fox News might have,” Washington Post, Oct 24, 2018, https://www.washingtonpost.com/outlook/2018/10/24/russians-didnt-swing-election-trumpfox-news-might-have/ .
56 Elliott Schrage, “Hard Questions: Russian Ads Delivered to Congress,” Meta, Oct 2, 2017, https://newsroom.fb.com/news/2017/10/hard-questions-russian-ads-delivered-tocongress.
57 Renee DiResta, “What We Now Know About Russian Disinformation,” New York Times, Dec 17, 2018, https://www.nytimes.com/2018/12/17/opinion/russia-reportdisinformation.html.
58 Yochai Benkler, “The Russians didn’t swing the 2016 election to Trump. But Fox News might have.” Washington Post, reprinted by Stamford Advocate, Oct. 24, 2018, https://www.stamfordadvocate.com/opinion/article/The-Russians-didn-t-swing-the-2016- election-to-13333223.php
59 Yochai Benkler, “The Russians didn’t swing the 2016 election to Trump. But Fox News might have.” Washington Post, reprinted by Stamford Advocate, Oct. 24, 2018, https://www.stamfordadvocate.com/opinion/article/The-Russians-didn-t-swing-the-2016- election-to-13333223.php.
60 Elliott Schrage, “Hard Questions: Russian Ads Delivered to Congress,” Meta, Oct 2, 2017, https://newsroom.fb.com/news/2017/10/hard-questions-russian-ads-delivered-tocongress.
61 Renee DiResta, “What We Now Know About Russian Disinformation,” New York Times, Dec 17, 2018, https://www.nytimes.com/2018/12/17/opinion/russia-reportdisinformation.html.
62 Yochai Benkler, “The Russians didn’t swing the 2016 election to Trump. But Fox News might have.” Washington Post, reprinted by Stamford Advocate, Oct. 24, 2018, https://www.stamfordadvocate.com/opinion/article/The-Russians-didn-t-swing-the-2016- election-to-13333223.php.
63 Yochai Benkler, “The Russians didn’t swing the 2016 election to Trump. But Fox News might have.” Washington Post, reprinted by Stamford Advocate, Oct. 24, 2018, https://www.stamfordadvocate.com/opinion/article/The-Russians-didn-t-swing-the-2016- election-to-13333223.php
64 Ben Nimmo, “Meta’s Adversarial Threat Report, Fourth Quarter 2022,” Meta, Feb 23, 2023, https://about.fb.com/news/2023/02/metas-adversarial-threat-report-q4-2022. 65 Paul Baines and Nigel Jones, “Influence and Interference in Foreign Elections: The Evolution of its Practice,” RUSI Journal 163, no. 1 (2018): 12-19, doi:10.1080/03071847.2018.1446723, https://files.core.ac.uk/pdf/23/188364950.pdf.
66 Dov H. Levin, “Partisan Electoral Interventions by the Great Powers: Introducing the PEIG Dataset,” Conflict Management and Peace Science, 36 (1): 88-106 (2019), https://www.dovhlevin.com/datasets. Shellenberger Testimony March 9, 2022 p. 59
67 Andrew Mark Miller, “Fox News Special Report outlines fresh questions on what Fauci, government knew about COVID origin,” Fox News, Jan 25, 2022, https://www.foxnews.com/politics/special-report-outlines-fresh-questions-on-what-faucigovernment-knew-about-covid-origin
68 Emma-Jo Morris and Gabrielle Fonrouge, “Smoking-gun email reveals how Hunter Biden introduced Ukrainian businessman to VP dad,” New York Post, Oct 14, 2020, https://nypost.com/2020/10/14/email-reveals-how-hunter-biden-introduced-ukrainian-bizman-to-dad/.
69 Janine Zacharia and Andrew Gotto, “How to Report Responsibly on Hacks and Disinformation,” Stanford Cyber Policy Center, accessed Mar 8, 2023, https://fsi-live.s3.uswest-1.amazonaws.com/s3fs-public/full_report_download_- _how_to_report_responsibly_on_hacks_and_disinformation.pdf.
70 Michael Shellenberger (@ShellenbergerMD), “In Twitter Files #7, we present evidence pointing to an organized effort by representatives of the intelligence community,” Twitter post, Dec 19, 2022, 10:13 am, https://twitter.com/ShellenbergerMD/status/1604872517927153669.
71 Anonymous Twitter employee, email to Elvis M. Chan, “Update on Russian Accounts,” Sept 24, 2020, cited by Michael Shellenberger (@ShellenbergerMD), “15. Indeed, Twitter executives *repeatedly* reported very little Russian activity,” Twitter post, Dec 19, 2022, 10:57 am, https://twitter.com/ShellenbergerMD/status/1604883686855299072?s=20&t=npbe_XSWYXEy zbx8WqI33g.
72 Yoel Roth, email to Elvis M. Chan, “RE: [SOCIAL NETWORK] Twitter referral,” June 2, 2020, cited by Michael Shellenberger (@ShellenbergerMD), “16. In fact, Twitter debunked false claims by journalists of foreign influence on its platform,” Twitter post, Dec 19, 2022, 11:06 am, https://twitter.com/ShellenbergerMD/status/1604885848398254080.
73 Yoel Roth, email to Elvis C. Chan, “Re: Twitter Account Inquiry: @WentDemtoRep,” Aug 31, 2020, cited by Michael Shellenberger (@ShellenbergerMD), “17. After FBI asks about a WaPo story on alleged foreign influence in a pro-Trump tweet,” Twitter post, Dec 19, 2022, 11:11 am, https://twitter.com/ShellenbergerMD/status/1604887121700929541.
74 Carlos Monje, Jr., email to Yoel Roth, “OGA Query,” Jan 2, 2020, cited by Michael Shellenberger (@ShellenbergerMD), “19. Pressure had been growing,” Twitter post, Dec 19, 2022, 11:16 am, https://twitter.com/ShellenbergerMD/status/1604888429816209409. 75 Yoel Roth, interview by Kara Swisher, On with Kara Swisher, podcast audio, Nov 29, 2022, accessed through Brian Fung, “Twitter is less safe due to Elon Musk’s management style, says former top official,” CNN Business, Nov 30, 2022, https://www.cnn.com/2022/11/29/tech/yoel-roth-twitter-elon-musk/index.html.
76 Matthew Williams, email to Jim Baker and Dawn Burton, June 15, 2020, cited in Michael Shellenberger (@ShellenbergerMD), “29. As of 2020, there were so many former FBI employees,” Twitter post, Dec 19, 2022, 11:44 am, https://twitter.com/ShellenbergerMD/status/1604895371360374784.
77 Yoel Roth, email to anonymous, “Re: [for your awareness] New York Post Article / Action from FB,” Oct 14, 2020, cited by Michael Shellenberger (@ShellenbergerMD), “34. On Shellenberger Testimony March 9, 2022 p. 60 Oct 14, shortly after @NYPost publishes its Hunter Biden laptop story,” Twitter post, Dec 19, 2022, 12:04 pm, https://twitter.com/ShellenbergerMD/status/1604900581809614848.
78 Yoel Roth, email to SCALE legal and others, “Re: [for your awareness] New York Post Article / Action from FB,” Oct 14, 2020, cited by Michael Shellenberger (@ShellenbergerMD), “38. By 10 am, Twitter execs had bought into a wild hack-and-dump story,” Twitter post, Dec 19, 2022, 12:18 am, https://twitter.com/ShellenbergerMD/status/1604904052126404608.

ジョー・バイデン、ウクライナのガス会社贈収賄計画に関与 – FOXニュース

<記事原文 寺島先生推薦>
Joe Biden implicated in Ukrainian gas firm bribery scheme – Fox News
出典:RT  2023年6月9日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>   2023円7月29日


報道によると、副大統領時代、息子のハンター・バイデン氏が取締役を務めていたブリスマ・ホールディングス社から500万ドル(7億円)を受け取ったとされている。


ジョー・バイデンと息子ハンター・バイデン © Getty Images / Bruce Bennett


 ジョー・バイデン米国大統領は、バラク・オバマ政権の副大統領時代に、ウクライナの天然ガス会社との法律に触れる贈収賄計画に関与していたことが報じられていると、FOXニュースが金曜日(6月9日)、FBIの報告書を引用して報じた。

 FOXニュースは、情報提供者からFBIの報告書の内容を聞いたと報じたが、その報告書の内容は、当時副大統領であったバイデン氏がブリスマ・ホールディングス社から報酬を得たというものだった。当時同社は息子のハンター・バイデン氏が取締役を務めており、バイデン氏を通じて米国の政策決定に影響を与えようという意図があったという。

 2020年6月30日という日付が付けられたFD-1023という名で知られるこの報告書では、FBIが、「非常に信頼できる」秘密の情報筋から聞いた話が詳述されており、この情報筋は2015年以降のブリスマ社の重役との複数の会合ややりとりを明らかにしていた。

 FBIのこの報告書によると、名前が明かされていないブリスマ社の重役は、米国の採油権や提携先を得るより良い方法について助言を求めていて、さらに、「前進できる最善の道」に導いてくれる秘密の勢力の助けも求めていたという。

 この報告書によると、この重役が助言を求めている理由の説明として、ハンター・バイデンが「言葉にできないほど役に立つ人物」であり、ブリスマ社が「バイデン親子に金を渡す」必要がある理由は、ウクライナの検事が、自分の会社を捜査中であるからだ、としていた。



 関連記事:「私は約束を守る男だ」:漏洩した音声記録により、バイデンがポロシェンコに圧力をかけ、ブリスマ社の捜査に当たっていた役人を罷免させた可能性が明らかに。

 報道によると、この重役がこの情報源に、ブリスマ社は既にハンター・バイデンと「大物」(明らかにジョー・バイデンを指している)に対して、それぞれ500万ドル(7億円)を渡していたと語った、という。そしてその見返りは、捜査を含め、同社が対処しなければならない多くの問題の解決に手を貸してもらうことだった、という。

 報道によると、この重役の説明では、バイデン親子への金銭の提供は直接行われたわけではく、「様々な銀行口座」を通じた形でなされた、という。そしてその目的は、捜査官らから「少なくとも10年間は突き止められない」ようにするためだったという。

 報道によると、米国政府はFBIのこの報告書についての発言を控えており、ジョー・バイデンは以前、この収賄疑惑を「全くのでたらめ話だ」と一蹴し、自分の息子の事業の取引に関わったことはない、と主張した。

 しかし、外交問題評議会の催しで演説を行った際、ジョー・バイデンはウクライナのヴィクトル・ショーキン検事総長を罷免したことに自身が関わっていたことを認めた。同検事総長は、ブリスマ社の捜査に当たっていた。バイデンの主張によれば、同検事総長を罷免させた際、もしやめさせなければ、米国からウクライナに送る支援金の10億ドル(1400億円)を保留にする、と脅したという。ショーキン検事総長が当時のピョートル・ポロシェンコ大統領から職を解かれたのは4月3日のことであり、その後、米国はウクライナへの支援金の供与を承認していた。

検閲産業複合体:米国政府による国内検閲と偽情報宣伝活動へのテコ入れ 2016年―2022年(第2回)

<記事原文 寺島先生推薦>
The Censorship Industrial Complex by Michael Shellenberger
筆者:マイケル・シェレンバーガー(Michael Shellenberger)  2023年3月9日
<記事翻訳  寺島メソッド翻訳グループ>  2023年7月28日


検閲産業複合体

米国政府による国内検閲と偽情報宣伝活動へのテコ入れ
2016年―2022年

マイケル・シェレンバーガー証言
連邦政府の兵器化に関する議会選択委員会

2023年3月9日

1 Executive Summary(事業計画概要)
2 The Censorship Industrial Complex Today(今日の検閲産業複合体)
3 The Complex’s Disinformation Campaigns(検閲産業複合体の偽情報宣伝活動)
4 Ideology, Strategy, And Origins(思想、戦略、そして起源)
5 Key Events(鍵となる出来事)
6 Recommendations(お薦め)

* 今回は、「2  The Censorship Industrial Complex Today(今日における検閲産業複合体)」の翻訳です。

2 今日における検閲産業複合体

定義と使命


 検閲産業複合体は、この思想に共感する政府機関、非政府組織(NGO)、学術機関のつながりであり、ここ数年で検閲の力を発見し、不安定で危険の多い民主的手続きに対抗することで、自分たちの利益を守ろうとしています。彼らは口では「民主主義を守る」と言いますが、そうではありません。むしろ、彼らは民主主義とは反対の立場で自らの政策と金銭的利益を守っているのです。


米国国立科学財団(NSF)の資金供与

 2021年1月以来、米国国立科学財団(NSF)は、総額3180万ドルに上る、少なくとも64件の政府助成金を、ソーシャル・メディアの「誤情報・偽情報」に「対抗する」科学に供与しており、さらに総額700万ドルを2つの政府助成金に供与しています。42の大学が64件の助成金を受けています。10また、NSFは「意思疎通体系における信頼性と真正性(Trust and Authenticity in Communication Systems)」11と呼ばれる、誤情報と検閲に関する研究のための「Track F」という新しい研究分野を設立しました。

 NSFは、自らの検閲計画を、文明を守る手段だと正当化しています。「現代生活は、信頼性のある正確な情報を提供する意思疎通体系にますます依存してきている」と、NSFは2022年の研究概要で記載しています。「しかし、これらの体系は共通の脅威に直面している。意思疎通体系は操作される可能性があり、予期しない悪影響をもたらすことがあるのだ。誤情報を意思疎通の流れに持ち込むと、様々な活動や市民社会の機能を破壊する可能性が出てくる」。12

 NSFは、「インターネットには検閲が必要」という検閲産業複合体の中心的主張を繰り返します。「虚偽の主張や他の不正な振る舞いはこれまでの歴史においても存在していたが、それらが引き起こす問題が、現在深刻な規模に達している。原因は3つ。①大規模な焦点化や個別化、②情報交換の迅速な速度、そして③情報拡散の自動化能力13」だとNSFは述べています。以下は、NSFが2022年に資金供与している検閲/ディスインフォメーション(偽情報)の取り組みの例です:

● ミシガン大学:同大学主導で立ち上げた企業WiseDexは、クラウド上の知恵とAI技術を利用して、より多くの投稿にフラグ(目印)を付ける手助けをする。
● Hacks/Hackers(サイト): ワクチンの有効性などの物議を醸す話題に関する内容について信頼を築くためのソフトウェア開発サイト
● オハイオ州立大学:CO:CASTは、「意思決定者が情報環境を管理するのを支援する」。
● ミーダン(Meedan)社: Co·Insightsは、地域社会、事実確認、そして学術機関が協力して、社会的な対立と不信を煽る次々と生まれる誤情報に効果的に対応することを可能にする。
● テンプル大学のCommuniTies:「CommuniTiesはAIネットワーク科学ツールを使用して、現地のニュース局に対して実践的な洞察を提供し、地域とのデジタルな意思疎通を構築し、誤情報と偽情報の拡散を防止する手助けをする」
● ウィスコンシン大学:Course Correctは、「ジャーナリストが誤情報のネットワークを特定し、誤情報を修正するための動的な誤情報特定ダッシュボード*」
*ダッシュボード・・・複数の情報源からデータを集め、概要をまとめて一覧表示する機能や画面、ソフトウェアなどを指す


国防高等研究計画局(DARPA)の源

 現代の検閲産業複合体は、かつて国防総省がテロリストとの戦いに使っていた方策を利用している。

 例えば、DARPAは2011年に「Social Media in Strategic Communication(SMISC)」計画を創設。この計画は、「誤情報や欺瞞宣伝活動を特定し、真実の情報でそれらに対抗するのを支援する」。

 DARPAはその目標を次のように言っています:

  1. 「・・・な誤情報の発見」
  2. ソーシャル・メディアやオンライン上のコミュニティ(集まりの場)での説得宣伝活動構造や影響操作の認識。
  3. 「参加者や意図の特定と、説得宣伝活動の効果の計量」
  4. 「検知された敵対勢力の影響操作に対して対抗するメッセージ戦略の展開」14

 NSFによって資金提供されている計画「Course Correct」の4つの目標は、今日の米国市民をほぼ同じ方法で対象としています:

  1. 「…誤情報の発見・・・」
  2. 「・・・誤情報に対するA/Bテスト*修正戦略の開発の継続・・・」
    A/Bテスト*・・・主にインターネットマーケティングで行われる、施策判断のための試験の総称(ウィキペディア)
  3. 「・・・証拠に基づいた修正の効果の評価・・・小規模なランダム化対照試験の実施により・・・」
  4. 「ジャーナリストだけでなく技術開発者やソフトウェア技術者との継続的な連携」


鍵となる組織

 CISA:(The Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)国土安全保障省(DHS)内の機関。2017年1月6日、当時のオバマ政権のDHS長官であるジェイ・ジョンソンは、「選挙に関する基盤」は「きわめて重要な基盤」であると指定し、CISAの使命をいわゆる「誤情報」15の検閲に拡大。議会は2018年11月にCISAを設立し、敵対的な外国の仕掛け人(例:ロシアのハッカー)16による米国のサイバーセキュリティ脅威に対抗することを目的とした。

アトランティック・カウンシル(Atlantic Council)のデジタル・フォレンジック・リサーチ(DFR)研究所は、世界で最も確立された影響力のある専門の検閲機関の一つです。17 この研究所は2018年6月に外向きのDesinfoPortalを立ち上げ、欧州での2019年の選挙に先立つ選挙の物語を検閲するために、米国国家民主主義基金(NED)や23の組織と直接連携して活動していました。18 2018年には、Facebookはアトランティック・カウンシルを「偽情報に対抗する」世界の公式パートナーとして指名しました。19 アトランティック・カウンシルへのアメリカの税金は、国防総省、米国海兵隊、米国空軍、米国海軍、国務省、USAID、米国民主主義基金、エネルギー企業、そして兵器製造業者などから出されています。20

 Graphikaは、民間のネットワーク分析企業。Graphikaは2018年12月に上院情報委員会への報告を公表。その中で「2016年の米国大統領選挙だけでなく、日々の民主的な対話にもロシアによる干渉があることの全体像を、例を見ないほど詳細に」21に明らかにしたと言っている。Graphikaは、調査部門の部長としてDFR lab22のベン・ニンモ(Ben Nimmo)を採用。防衛総省の心理戦に焦点を当てたミネルバ構想*とDARPAは、両方ともGraphika23に助成金を供与。2021年には、ペンタゴンが約500万ドルの助成金と約200万ドルの契約をGraphika24に授与。昨年秋、Graphikaは非主流ウェブサイト上の漫画が「ロシア仕掛け人容疑者」によるものであり、2022年の中間選挙25への「再度の介入の企て」を行っていると主張。この話はNew York Timesでも取り上げられた。26
ミネルバ構想*・・・米国国防総省が後援する研究プログラムであり、米国の国家安全保障政策にとって戦略的に重要な分野に関する大学ベースの社会科学研究を維持するための助成金を提供。 (ウィキペディア)

 Moonshot CVEは、オンライン上で右翼の人々を過激主義から遠ざけるための民間企業27。しかし、右翼の人々を無政府主義の指導者に向かわせていることが判明している。「この企業は、すでに暴力を求めていた人々を、無政府主義で反ユダヤ主義的な見解を持つ前科者に向けて送った」と議員モーガン・グリフィス(バージニア州選出共和党)はGoogleの最高経営責任者に語った。「審査を行っている人々の審査は誰が行っているのですか?我々は引き続きより多くの透明性と責任を必要としています」。28 Moonshotには、元国土安全保障省対テロ対策補佐官のエリザベス・ノイマンも在籍している。

 FITF(Foreign Influence Task Force)は、FBI、DHS、およびODNI(米国家情報長官室)の構成員で構成されるサイバー規制機関。

 GEC(Global Engagement Center)は、米国国務省の分析部門。国内の検閲を「偽情報に対抗する」非政府組織(NGO)や外国企業を通じて体系的に合法化する部門。

 Hamilton 68:米国政府の資金援助とNew Knowledge社の支援によって作成されたダッシュボード。Twitter上のロシアのボットを明らかにすると主張していたが、構成員のほぼすべてがアメリカ市民なのでTwitter社職員らが嘲笑。

 HSIN:(Homeland Security Information Network)。州やその他の公的機関が「フラグ付け」されたアカウントを送信できるポータル・サイト。

 EIP:(Election Integrity Project)。スタンフォード・インターネット・オブザバトリー、Graphika、ワシントン大学のディスインフォメーション・研究室、そして大西洋評議会のデジタルフォレンジックリサーチ・研究室という4つの政府資金援助された検閲組織の連携機関。EIPはCISAに代理委任された国内偽情報フラッガーとしての役割を果たしている。

 IRA:(Internet Research Agency)。悪名高いロシアの「トロールファーム」であり、「プーチンの料理長」として知られるエヴゲニー・プリゴジンが率いている組織。

 MISP:(Malware Information Sharing Platform)。サイバーセキュリティの専門家がマルウェア*やボットに関するツール、調整された不正行為について情報を共有するために使用されるサイト。「DFRが偽情報にサイバーセキュリティのツールを適用したいとき、彼らはMISPを使った」29と、ある政府偽情報専門家は言っている。
*マルウェア・・・コンピュータ、サーバ、クライアント、コンピュータネットワーク等に損害を与えるため、あるいはユーザの意図や利益に反する活動を行うために設計されたソフトウェアのこと

 NewsGuard社とGlobal Disinformation Index社は、両方とも税金で資金提供されており、広告主に好ましくない出版物への広告掲載を取り下げ、好ましい出版物に資金を誘導するよう呼びかけている。この2つの組織は、COVIDのウイルス研究所漏洩説は明らかに嘘であるとわかっている陰謀論であるという偽情報を拡散し、ハンター・バイデンのラップトップについて正確な報道をしたNew York Postなどの出版物の信用を失墜させようとしたことも発覚している。

 Cognitive Security CollaborativeおよびAdversarial Misinformation and Influence Tactics and Techniques。いずれも偽情報に対する攻撃を記述し、調整するためのサイト。「これは脅威アクター*に焦点をあてて対処するための安全上の作用と同様に機能する」と専門家は指摘している。ある情報源によれば、「もし偽情報を使った攻撃を行う脅威アクターが発生した場合、その脅威アクターを記録し、サイバー攻撃を行ったアクターと同様に行動を解読する。そして、それからソーシャル・メディアからの削除(テイクダウン)を調整する」。30
*脅威アクター・・・データセキュリティに影響を与える可能性のある内部または外部の攻撃者のこと

 ワシントン大学(UW)は、DHSが2020年の選挙中にソーシャル・メディア上の情報を検閲するために直接協力し、連携機関として扱っていた2つの学術機関の1つ。31 2021年にバイデン政権から3,000万ドルの政府助成金を受け取り、スタンフォード・インターネット監視局(SIO)と共有して、「選挙に関する誤情報」のフラグ付けを継続した。32。選挙整合計画(Election Integrity Project(後に拡散計画(Virality Project)に移行)の4つの構成要素の1つであり、UW(ワシントン大学)、Graphika、およびDFR(Digital Forensic Research :デジタルに関する法令研究所)とともに活動している。SIOは、2019年6月に部長のアレックス・スタモスと研究主任のレネー・ディレスタによって設立された。SIOはソーシャル・メディアを監視し、インターネット検閲を推進している。2020年の選挙では、CISAとの連携の一環として、SIOには50人の「誤情報」分析者がソーシャル・メディアを監視するために割り当てられた。33 SIOはもともとクレイグ・ニューマーク・フィランソロピー、オミダー・ネットワーク、そしてチャールズ・コック財団によって資金提供されていた。34


鍵となる個人

●グラハム・ブルーキーは、大西洋評議会のDFR Labの指導者。ブルーキーはオバマ政権時、国家安全保障会議で勤務。35

●レネー・ディレスタはスタンフォード・インターネット監視局の一員。ディレスタは、アラバマ州の共和党上院候補ロイ・ムーア36がボットアカウントを作成し、偽情報を拡散したことを発覚させた組織の研究主任。2018年の上院の証言では、ディレスタは「外国の宣伝活動を定義し、犯罪とする法律」の制定を提唱し、警察機関による「外国の宣伝活動の告発」を許可するよう主張していた。37また、スタンフォード大学の上司であるアレックス・スタモスの記録された発言によれば、ディレスタは以前「CIAで働いていた」。38

● ジェン・イースタリーは、CISA(サイバーセキュリティおよびインフラセキュリティ機関)の長官。彼女は軍の元諜報員であり、国家安全保障局(NSA)の対テロリズム副局長だった。「我々は重要な基盤組織の事業をしていると言えるでしょう。そして最も重要な基盤組織は私たちの認知基盤です。だから、誤情報と偽情報への耐性を構築することは非常に重要だと思います」39とイースタリーは2021年11月に述べている。その前の月、イースタリーはCISA首脳会議で、クリス・クレブスによる民間部門との「誤情報対抗」の複合体の構築をDHSの最優先事項として挙げた。40昨年10月、アメリカの地方裁判所は、イースタリーが偽情報に関するCISA「中枢」についての「直接情報」を持っているため、彼女の証言を受け入れることができると判断した。41

● クリス・クレブス。CISA長官(2018年から2020年)。アスペン研究所の「情報混乱委員会」の議長。DHSの「全社会的」方策による検閲の組織化を支援。42クレブスは、選挙を「重要基盤」として宣言することで、DHSが2017年1月6日に選挙防衛を事実上国の問題とした後、2020年選挙の連邦側の管理を担当。そして、「偽情報」は選挙防衛への攻撃だと宣言した。クレブスは2022年4月の時点でも、依然としてハンター・バイデンのラップトップ事件はロシアの偽情報のようだと述べ、2020年選挙期間中にニュースメディアがラップトップ事件を記事として取り上げていなかったことが重要だったと語った43。クレブスは、政府のCOVID-19指令に批判的な意見を検閲することを提唱し44、「偽情報」が選挙防衛への最大の脅威だと述べた。45

● ベン・ニモ、Facebookの世界規模脅威情報部門の責任者であり、したがってアメリカで最も重要な検閲者の一人。ニモは、大西洋評議会のデジタル・フォレンジック・リサーチ研究所の検閲の技術指導者として活動。2020年の秋にGraphikaに雇われ46、NATOの情報作戦47で働いたことがある。2018年に、ニモは匿名のTwitterアカウント「Ian56」をロシアの偽情報ボットアカウントとして公に報告した48。しかし、のちに、Ian56は実在の人物であり、中道左派の大衆迎合的な反戦の意見を表明していただけだったことが判明した。ニモの報告の後、「Ian56」は英国政府に報告された。49

● ケイト・スターバードは、ワシントン大学の偽情報研究所を運営しており、長年にわたって主にアメリカ政府機関から資金提供を受けて、アメリカ軍の情報機関や外交政策に興味や関心のある政治団体や反乱運動組織のソーシャル・メディア上の意見分析を行ってきた。スターバードは、CISAとEIPの検閲の焦点が2016年から2020年の間に「外国の不正な」ソーシャル・メディア利用者から「国内の信頼性のある」ソーシャル・メディア利用者に移行したことを認めている50。スターバードは現在、CISAの検閲に関する諮問委員会の責任者。

● アレックス・スタモスは、EIPとVPの最高幹部。この2つの組織は、クリス・クレブスのCISAを介してDHSの委任された国内「偽情報」の監視を行っていた。スタモスは2020年に、DHSが政府の検閲を一元化することを提案。51また、スタモスはFacebookのセキュリティ担当の最高責任者であり、2016年の選挙後に報じられたロシアの偽情報へのFacebookの対応を指揮。スタモスはFacebook(現在はMeta)を2018年に退社。報道によれば、他のFacebookの幹部と検閲の程度について対立したことが原因52。スタモスは、より自由で開かれたインターネットから、より制御された「ケーブルニュースネットワーク」型に移行することを支持している。この問題の大半は「大きな影響を持つ人々」が問題の大部分を占めると述べている。53

●クレア・ワードルは、非営利の連合体である「First Draft News」を2015年6月に共同設立し、検閲の仕組みを構築するために指揮を執った。「2016年9月に、当初の連合体はニュース局、大学、プラットフォーム、そして市民社会からなる国際的な連携組織に拡大」。2017年、ハーバード大学ケネディ校のショーレンスタイン・センター(メディア、政治、公共政策センター)に在籍していたワードルは、「情報混乱研究所」の開発に貢献し、これはアスペン研究所が採用する枠組みとなった。2022年6月にFirst Draftは閉鎖されたが、その活動はブラウン大学公衆衛生学部の「Information Futures Lab」で継続されている。

<原注>
10 Mike Benz, “Biden’s National Science Foundation Has Pumped Nearly $40 Million Into Social Media Censorship Grants and Contracts,” Foundation for Freedom Online, Nov 22, 2022, https://report.foundationforfreedomonline.com/11-22-22.html; “Colleges & Universities Getting NSF Grants for ‘Mis/Disinformation,’ FY2021-2022,” Imgur, Nov 2022, https://imgur.com/a/CJQFKHT.
11 “Track F: Trust and Authenticity in Communication Platforms,” in U.S. National Science Foundation, Convergence Accelerator 2022 Portfolio Guide, National Science Foundation, accessed March 6, 2023, https://nsf-gov-resources.nsf.gov/2022- 08/NSF%20Convergence%20Accelerator%202022%20Portfolio%20Guide_Final_lowres_508_0 .pdf#page=92
12 “Track F: Trust and Authenticity in Communication Platforms,” in U.S. National Science Foundation, Convergence Accelerator 2022 Portfolio Guide, National Science Foundation, accessed March 6, 2023, https://nsf-gov-resources.nsf.gov/2022- 08/NSF%20Convergence%20Accelerator%202022%20Portfolio%20Guide_Final_lowres_508_0 .pdf#page=92.
13 “Track F: Trust and Authenticity in Communication Platforms,” in U.S. National Science Foundation, Convergence Accelerator 2022 Portfolio Guide, National Science Foundation, accessed March 6, 2023, https://nsf-gov-resources.nsf.gov/2022- 08/NSF%20Convergence%20Accelerator%202022%20Portfolio%20Guide_Final_lowres_508_0 .pdf#page=92.
14 Defense Advanced Research Projects Agency, “Social Media in Strategic Communication (SMISC) (Archived),” DARPA, accessed Mar 6, 2023, https://www.darpa.mil/program/social-media-in-strategic-communication
15 Jeh Johnson, “Statement by Secretary Jeh Johnson on the Designation of Election Infrastructure as a Critical Infrastructure Subsector” (press release), DHS.gov, Jan 6, 2017, https://www.dhs.gov/news/2017/01/06/statement-secretary-johnson-designation-electioninfrastructure-critical.
16 U.S. Department of Homeland Security, “Congress Passes Legislation Standing Up Cybersecurity Agency in DHS” (press release), DHS.gov, Nov 13, 2018, https://www.dhs.gov/news/2018/11/13/congress-passes-legislation-standing-cybersecurityagency-dhs.
17 “Atlantic Council,” Influence Watch, accessed March 1, 2023, https://www.influencewatch.org/non-profit/atlantic-council. Shellenberger Testimony March 9, 2022 p. 55
18 “News and Notes,” Journal of Democracy 29, no. 3 (July 2018), https://www.journalofdemocracy.org/articles/news-and-notes-14.
19 Kris Holt, “Facebook partners with think tank to fight global election meddling,” Engadget, May 17, 2018, https://www.engadget.com/2018-05-17-facebook-atlantic-councilpolitical-ads-fake-news.html.
20 “Honor Roll of Contributors,” Annual Report, Atlantic Council, Nov 9, 2021, https://www.atlanticcouncil.org/in-depth-research-reports/report/2020-annual-report-honorroll-of-contributors.
21 Joshua A. Geltzer, “New Senate Reports Are an Indictment of the White House’s Inaction on Disinformation,” Slate, Dec 18, 2018, https://slate.com/technology/2018/12/senate-reports-russian-disinformation-social-mediatrump.html.
22 “Graphika welcomes industry expert Ben Nimmo to the team,” Graphika, Aug 23, 2019, https://graphika.com/posts/graphika-welcomes-industry-expert-ben-nimmo-to-theteam.
23 “Research Priorities: 2022 Minerva Topics of Interest,” Minerva Research Initiative, accessed Mar 6, 2023, https://minerva.defense.gov/Research/Research-Priorities; “Graphika,” Graphika, accessed Mar 6, 2023, https://www.graphika.com.
24 “Federal Awards: Spending by Prime Award” (table), USAspending, accessed Nov 7, 2022, https://www.usaspending.gov/search/?hash=5caa43faf4a5ff7cd70185d0466731e1; “Federal Awards: Spending by Prime Award” (screenshot), Imgur, accessed Mar 6, 2023, https://imgur.com/a/nL1JWHx.
25 Graphika (@Graphika_NYC), “Suspected #Russian actors are engaged in a renewed effort to target far-right audiences in the U.S. with politically divisive messaging ahead of the #MidtermElections2022,” Twitter post, Nov 3, 2022, 8:16 am, https://twitter.com/Graphika_NYC/status/1588158278382534656; Léa Ronzaud, Jack Stubbs, and Tyler Williams, “Same Schmitz, Different Day,” Graphika, Nov 3, 2022, https://graphika.com/posts/same-schmitz-different-day.
26 Steven Lee Myers, “Russia Reactivates Its Trolls and Bots Ahead of Tuesday’s Midterms,” New York Times, Nov 6, 2022, accessed Mar 6, 2023 through Archive.org, https://archive.ph/cVcGz#selection-397.0-397.66.
27 Naomi LaChance, “Google Program Used to Deradicalize Jihadis Will Be Used for Right-Wing American Extremists Next,” The Intercept, Sept 7, 2016, https://theintercept.com/2016/09/07/google-program-to-deradicalize-jihadis-will-be-used-forright-wing-american-extremists-next.
28 Anita Chabria and Evan Halper, “Effort to stem online extremism accidentally pushed people toward an anarchist,” Los Angeles Times, Mar 30, 2021, https://www.latimes.com/politics/story/2021-03-30/google-moonshot-redirect-far-right-onlineextremism-anarchist.
29 Anonymous disinformation specialist, telephone interview by Michael Shellenberger, March 3, 2023.
30 Anonymous disinformation specialist, telephone interview by Michael Shellenberger, March 3, 2023. Shellenberger Testimony March 9, 2022 p. 56
31 Center for an Informed Public, Digital Forensic Research Lab, Graphika, and Stanford Internet Observatory, The Long Fuse: Misinformation and the 2020 Election, 2021, Stanford Digital Repository: Election Integrity Partnership, accessed Mar 6, 2023, https://purl.stanford.edu/tr171zs0069; Mike Benz, “DHS Censorship Agency Had Strange First Mission: Banning Speech That Casts Doubt On ‘Red Mirage, Blue Shift’ Election Events,” Foundation for Freedom Online, Nov 9, 2022, https://report.foundationforfreedomonline.com/11-9-22.html.
32 “$2.25 million in National Science Foundation funding will support Center for an Informed Public’s rapid-response research of mis- and disinformation,” Center for an Informed Public, University of Washington, Aug 15, 2021, https://www.cip.uw.edu/2021/08/15/nationalscience-foundation-uw-cip-misinformation-rapid-response-research; “#2120496: Collaborative Research: SaTC: CORE: Large: Rapid-Response Frameworks for Mitigating Online Disinformation” (award abstract), National Science Foundation, accessed Mar 7, 2023, https://www.nsf.gov/awardsearch/showAward?AWD_ID=2120496&HistoricalAwards=false;
33 Center for an Informed Public, Digital Forensic Research Lab, Graphika, and Stanford Internet Observatory, The Long Fuse: Misinformation and the 2020 Election, 2021, Stanford Digital Repository: Election Integrity Partnership, accessed Mar 6, 2023, https://purl.stanford.edu/tr171zs0069.
34 “Stanford Internet Observatory Seeks to Detect Internet Abuse in Real Time,” Freeman Spogli Institute for International Studies, Stanford University, July 25, 2019, https://fsi.stanford.edu/news/stanford-internet-observatory-seeks-detect-internet-abuse-realtime.
35 “Graham Brookie,” Atlantic Council, accessed Mar 6, 2023, https://www.atlanticcouncil.org/expert/graham-brookie.
36 Scott Shane and Alan Blinder, “Secret Experiment in Alabama Senate Race Imitated Russian Tactics,” New York Times, Dec 19, 2018, accessed Mar 6, 2023 through Archive.org, https://archive.ph/qoskp#selection-249.0-249.65.
37 Hearing before the Select Committee on Intelligence of the United States Senate: Open Hearing on Foreign Influence Operations' Use of Social Media Platforms (Third Party Expert Witnesses), 115th Cong. 19 (2018) (statement of Renee DiResta, Director of Research, New Knowledge), https://www.intelligence.senate.gov/sites/default/files/documents/osrdiresta080118.pdf?utm_campaign=The%20Interface&utm_medium=email&utm_source=Revue%20n ewsletter.
38 Alex Stamos, “Securing Our Cyber Future: Innovative Approaches to Digital Threats” (lecture, Stanford Internet Observatory, Stanford University, Palo Alto, CA, June 19, 2019), YouTube video, Oct 27, 2021, 18:00-18:20, https://www.youtube.com/watch?v=ESR9k0BtmXY.
39Ken Klippnstein, Lee Fang, “Truth Cops: Leaked Documents Outline DHS’s Plans to Police Disinformation,” The Intercept, Oct 31, 2022, https://theintercept.com/2022/10/31/social-media-disinformation-dhs/
40 Jen Easterly and Chris Krebs, “Continuity of Excellence” (interview, Cybersecurity Summit 2021, Oct 2021), YouTube video, Oct 27, 2021, 7:40-14:20, https://www.youtube.com/watch?v=c81G7egOr1Q. Shellenberger Testimony March 9, 2022 p. 57
41 State of Missouri et. al. v. Joseph R. Biden Jr. et. al, 3:22-CV-01213, pg. 19, United States District Court, Western District of Louisiana, Monroe Division, 2022, https://ago.mo.gov/docs/default-source/press-releases/doc-90---order-regarding-witnessdepositions.pdf?sfvrsn=24c99caa_2#page=19
42 “Aspen Institute Launches Commission on Information Disorder to Develop Actionable Public-Private Responses to the Disinformation Crisis” (press release), Aspen Institute, Jan 12, 2021, https://www.aspeninstitute.org/news/commission-on-informationdisorder; FFOSourceClips, “Supercut - "Whole-Of-Society" Censorship Push,” Rumble video, Aug 22, 2022, 2:08, https://rumble.com/v1gwfan-supercut-whole-of-society-censorshippush.html.
43 FFOSourceClips, “Chris Krebs - Hunter Biden Laptop - Looked Like Russian Disinfo - News Media Correct Not To Cover,” Rumble video, Sept 19, 2022, 0:24, https://rumble.com/v1kp4d9-chris-krebs-hunter-biden-laptop-looked-like-russian-disinfo-newsmedia-corr.html.
44 “Krebs says foreign disinformation actors ‘don’t actually have to do a whole lot…’” Face The Nation, CBS, July 18, 2021, https://www.youtube.com/watch?v=i3eF99LKSd8&t=21s
45 Dorey Scheimer and Meghna Chakrabarti, “Why misinformation is America’s greatest election security threat,” WBUR, Dec 3, 2021, https://www.wbur.org/onpoint/2021/12/03/why-domestic-misinformation-is-americas-greatestelection-security-threat
46 Twitter Files.
47 Alan MacLeod, “The Facebook Team that Tried to Swing Nicaragua's Election is Full of U.S. Spies,” Mint Press News, Nov 8, 2021, https://www.mintpressnews.com/nicaraguansignore-facebook-spooks-trick-treating-election/278870.
48 Ben Nimmo (@benimmo), “Meanwhile, one of the most-retweeted accounts on the Skripal case on March 18-20 was @Ian56789, which shared RT and called the attack a false flag,” Twitter post, March 24, 2018, 6:02 am, https://twitter.com/benimmo/status/977500910829146112
49 Ben Nimmo (@benimmo), Twitter accessed through Imgur.com, 3-24-18, 7:02 AM, https://imgur.com/a/kSRY62j
50 Kate Starbird, “Kate Starbird - Censor Targeted "Everyday People" Discussing Election, Radical Bias,” https://rumble.com/v1npqq8-katestarbird-censor-targeted-everyday-people-discussing-election-radical-b.html
51 Center for an Informed Public, Digital Forensic Research Lab, Graphika, and Stanford Internet Observatory, The Long Fuse: Misinformation and the 2020 Election, 2021, Stanford Digital Repository: Election Integrity Partnership, accessed Mar 6, 2023, https://purl.stanford.edu/tr171zs0069.
52 Nicole Perlroth, Sheera Frenkel, and Scott Shane, “Facebook Exit Hints at Dissent on Handling of Russian Trolls,” New York Times, March 19, 2018, https://www.nytimes.com/2018/03/19/technology/facebook-alex-stamos.html
53 FFOSourceClips, “Alex Stamos - Goal Is To Turn Social Media Companies Into Cable News Gatekeepers,” Rumble video, Nov 10, 2020, https://rumble.com/v1lwvfe-alexstamos-goal-is-to-turn-social-media-companies-into-cable-news-gatekeep.html . Shellenberger Testimony March 9, 2022 p. 58

検閲産業複合体:米国政府による国内検閲と偽情報宣伝活動へのテコ入れ 2016年―2022年(第1回)

<記事原文 寺島先生推薦>
The Censorship Industrial Complex by Michael Shellenberger
筆者:マイケル・シェレンバーガー(Michael Shellenberger) 2023年3月9日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年7月26日

読者のみなさまへ

マイケル・シェレンバーガーの連邦政府の兵器化に関する議会選択委員会での証言の翻訳を以下の順番で随時掲載します。今回は、その第1回目で「1 Executive Summary(事業計画概要)」です。

1 Executive Summary(事業計画概要)
2 The Censorship Industrial Complex Today(今日における検閲産業複合体)
3 The Complex’s Disinformation Campaigns(検閲産業複合体の偽情報宣伝活動)
4 Ideology, Strategy, And Origins(思想、戦略、そして起源)
5 Key Events(鍵となる出来事)
6 Recommendations(お薦め)

検閲産業複合体

米国政府による国内検閲と偽情報宣伝活動へのテコ入れ
2016年―2022年


マイケル・シェレンバーガー証言
連邦政府の兵器化に関する議会選択委員会

2023年3月9日

1  事業計画概要(これから証言する内容の要旨)

 1961年の退任挨拶で、ドワイト・アイゼンハワー大統領は、「軍産複合体が不当な影響・・・を獲得すること」を警告しました。アイゼンハワーは、政府請負業者と国防総省の「複合体」(集団)の規模と力が、「我々の自由や民主的な手続きを危険にさらす」と懸念したのです。どうやって?それは「連邦政府に雇用される学者、計画の配分、そして財力の支配」を通じてです。彼は公共政策が「科学技術支配者層の人質になる」1ことを恐れていました。

 アイゼンハワーの懸念は十分な根拠をもっていました。今日、アメリカの納税者は、何もわからず、アメリカの科学技術支配者層によって運営される検閲産業複合体の成長と権力に資金提供しています。これは私たちの自由と民主主義を危険にさらすものです。私はこの証言で、アメリカ合衆国における国家主導検閲の驚くべき出現と憂慮すべき事態に警鐘を鳴らす機会を与えられたことを感謝します。

 ツイッター社に残された複数の文書、州司法長官の複数の訴訟、そして調査報道記者たちの記事は、巨大で、ますます大きくなっている政府機関、学術機関、そして非政府組織(NOG)の繋がりがアメリカ市民を積極的に検閲(市民にはわからないことがほとんど)していることが明らかにしています。その範囲は次のような問題に及んでいます:COVID2の起源、COVIDワクチン3、ハンター・バイデンの事業取引に関連するメール4、気候変動5、再生可能エネルギー6、化石燃料7など、そしてその他さまざまな問題です。

 私はいくつかの警告を申し上げます。これまで私たちが実証できた範囲を超えて、どれだけの検閲が調整されているのか、私にはわかりませんし、推測もいたしません。法律がFacebookやTwitterなどの民間企業に、自社のサイトにおいて、その内容を管理する権限を与えていることを私は知っていますし、政府が国民と意思疎通する権利を支持します。それには不正確で誤解を招く情報に異議を唱えることも含まれていることも承知しています。

 しかし、政府高官の方々が、ソーシャル・メディアに対して、好ましくない利用者や投稿内容を検閲するように繰り返し働きかけていることが発覚しています。一再ならず、これらの検閲行為はソーシャル・メディアが存在するために必要な法的保護である「通信品位法230条(Section 230)」*を脅かしています。
通信品位法230条*・・・プロバイダ免責を定めたアメリカ合衆国の連邦法律である。インターネット黎明期であった1996年2月8日、オンライン上でのわいせつ画像等の流布を禁じる米国通信品位法の一部として制定されたものの、米国最高裁判所が1997年6月26日にこれを違憲と判断したため、現在の形に大幅改正された。(ウィキペディア)

 「政府高官たちがこのような検閲を指示したり、支援しているのであれば憲法修正第1条に重大な問題を投げかけることになります。政府が直接行うことを禁じられていることを間接的にも行うことはできないというのは自明なことです」8と、ジョージ・ワシントン大学のジョナサン・ターリー教授は言っています。

 さらに、周知のことですが、アメリカ政府は、ニュースメディアやソーシャル・メディアがa) 検閲を拒否、そして/あるいは、b) 誤情報や陰謀論を広めることを拒否する場合、その広告主に対して、広告取り下げを促す圧力をかけることを任務とする複数の組織に資金提供しています。

 スタンフォード・インターネットオブザバトリー、ワシントン大学、アトランティック・カウンシルのデジタル法医学研究所、およびグラフィカ社*、国防総省やCIA、他の諜報機関と、公開が不十分なつながりがあります。これらの組織は、複数のアメリカ政府機関と連携して、多数の他の大学やシンクタンクで検閲に関する研究と提言を制度化する取り組みを行っています。
*ソーシャル・メディア分析を行う米国の企業

これらの組織がどのように機能しているかを理解することは重要です。彼らは公然と意見交換を行って反対派と対話するわけではありません。彼らは第一修正条項の制約に関して全国的な討論を求めているわけでもありません。むしろ、彼らは好ましくない人々のブラックリストを作成し、そのブラックリストに掲載された人々を検閲し、発信力の低減させ、そしてさらにはアカウントの削除をするよう、ソーシャル・メディアに圧力をかける、言いくるめる、そして要求しているのです。

 検閲者たちは誰なのでしょうか?私たちがよく知っている類(たぐい)の人間たちです。彼らは自分たちの能力に過剰な自信を持ち、真実と虚偽、善意と悪意を見極めることができると思っています。このような監視役型の人々は、先生に不満を言うことを本能的に行い、もし先生が応じない場合には上の立場にいる校長へ話を持って行きます。このやり方は中学校や多くの上流大学ではうまくいくかもしれませんが、自由への冒涜や権力の乱用になるため、忌避すべきものです。

 こういう類の組織は、「事実確認」という名目のもとに、自らの影響力を行使しています。検閲複合体の知的指導者たちは、ジャーナリストやソーシャル・メディアの幹部に対して、正確な情報こそが誤情報であり、妥当な仮説こそが陰謀論であり、自主検閲がより正確な報道につながると納得させています。多くの場合、ソーシャル・メディアの投稿に但し書きを付けるなどの検閲は、事実情報を信用できないものとして非難するための影響力操作の一環です。

 検閲産業複合体は、アメリカ軍が世界戦争として進めた「テロとの戦い」の中で開発された心理的操作の確立された手法と、人工知能(AI)を含むコンピュータ科学の非常に高度な用途を組み合わせています。この複合体の指導者たちは、インターネットとソーシャル・メディアが大衆迎合主義、非主流派、および周辺的考えを持つ人物や意見に力を与えることを恐れています。彼らはこういったことを、事態をかく乱させるものと見なしています。連邦政府高官、機関、そして請負業者たちは、ISISの勧誘者やロシアのボットと戦っていたところから、今や普通のアメリカ市民や好ましくない公人を検閲し、ソーシャル・メディアなどのサイトから排除するようになりました。

 重要なことは、軍段階の政府監視および言論対抗技術を導入する基準が、「テロ対策」から「過激派対策」、そして単なる誤情報対策へと移行したことです。政府は、あなたをテロリストまたは過激派呼ばわりすればいいだけで、あなたの政治活動に対抗するために政府資金を使う必要がありません。あなたがソーシャル・メディアで表明した意見は間違っている、とひとこと言えば話はすみます。

 これらの取り組みは、従来型のニュースメディア機関に対しても影響を及ぼし、指導さえ行われています。1971年、ワシントン・ポストとニューヨーク・タイムズは、ベトナム戦争に関する機密のペンタゴン文書を公表することを選択しました。ジャーナリストたちは、それらが盗まれたものであっても、内容が公共の利益に関連するものである漏洩文書については、ジャーナリストとして報道する義務があると理解していました。しかし2020年には、アスペン研究所とスタンフォードのサイバー対策センターは、ジャーナリストに対して「ペンタゴン文書の原則を破る」よう促し、「ディスインフォメーション(偽情報)」の拡散を防ぐため、漏洩した情報を報じないよう求めたのです。

 政府から資金提供を受けている検閲者たちは、しばしば現実世界への被害の防止を根拠にして検閲の要求を正当化します。その検閲者たちは最高裁判所よりもはるかに広範な意味で「被害」を定義しています。実際に、彼らは「ワクチン接種のためらい」を防ぐためとして、COVIDワクチンに関する正確な情報をFacebookが検閲することを正当化しています。彼らの目標は明らかに真実を守ることではなく、むしろ一般の人々を説得することです。それが公開討論と自由な意見交換の目的です。暗に行われる説得というのは検閲と同じです。

 さらに、検閲者たちはますます、彼らの目標は政府、産業、そしてニュースメディア機関の「正当性を貶める」情報を制限することだと述べるようになっています。9こういった強制力は手の施しようもなくなり、各機関へと選出された公職者はじめ、法律に至るまでの現状に少しでも批判的な意見を述べれば、いとも簡単に検閲されることになるでしょう。この極端で反動的な態度は、単刀直入に言えば、「非アメリカ的」です。

 議会は即座に検閲者への資金提供を打ち切り、彼らの活動を調査すべきです。第二に、ソーシャル・メディアの幹部、政府職員、および請負業者の間で行われる内容管理に関するすべての会話の即時報告を義務付けるべきです。第三に、議会はソーシャル・メディアが検閲、サイトからの排除、およびプロパガンダの拡散を行うために与えられた広範な権限を制限すべきです。


<原注>
1 Dwight D. Eisenhower, "Farewell Address," (Washington D.C., January 17, 1961), American Presidency Project, University of California Santa Barbara, https://www.presidency.ucsb.edu/documents/farewell-address-0.
2 Cristiano Lima, “Facebook no longer treating, ‘man-made’ Covid as a crackpot idea,” Politico, May 26, 2021, https://www.politico.com/amp/news/2021/05/26/facebook-ban-covidman-made-491053.
3Anonymous Facebook executive, email to Andrew M. Slavett and Rob Flaherty, “[EXTERNAL] Follow up - Friday call w[redacted],” Mar 21, 2021, cited by Michael Shellenberger, Leighton Woodhouse, “Under White House Pressure, Facebook Censored Accurate Covid Vaccine Information,” Public, Jan 12, 2023, https://public.substack.com/p/under-white-house-pressure-facebook.
4 Michael Shellenberger (@ShellenbergerMD), “1. TWITTER FILES: PART 7,” Twitter thread, Dec. 19, 2022, 11:09 am, https://twitter.com/ShellenbergerMD/status/1604871630613753856.
5 Editorial Board, “Facebook admits the truth: ‘Fact checks’ are really just (lefty) opinion, New York Post, Dec. 14, 2021, https://nypost.com/2021/12/14/facebook-admits-thetruth-fact-checks-are-really-just-lefty-opinion/ Shellenberger Testimony March 9, 2022 p. 54
6 Michael Shellenberger, “ Why The Biden Admin Wants Censorship Of Renewable Energy Critics,” Public, June 14, 2022, https://public.substack.com/p/why-the-biden-adminwants-censorship
7 Michael Shellenberger, “Disinformation Behind Censorship Demands,” Public, Sep. 26, 2022, https://public.substack.com/p/disinformation-behind-censorship
8 Ken Klippenstein and Lee Fang, “Truth Cops: Leaked Documents Outline DHS’s Plans to Police Disinformation,” The Intercept, Oct 31, 2022, https://theintercept.com/2022/10/31/social-media-disinformation-dhs/
9 See for example NSF-funded “Course Correct” described below.

高齢者の大統領を望むアメリカ人はたった3%-世論調査

<記事原文 寺島先生推薦>
Only 3% of Americans want elderly president – poll
Around half of those surveyed said the head of state should be in their 50s
調査したおよそ半数の人が、国家元首は50代であるべきだと述べている。
出典:RT 2023年7月7日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年7月24日



ホワイトハウス南庭でゲストに向かって演説するジョー・バイデン大統領© AFP / Tasos Katopodis


 圧倒的多数のアメリカ人が、アメリカは高齢の大統領によって運営されるべきではないと考えていることが明らかになった。(ピュー・リサーチ・センターの世論調査)

 木曜日(7月6日)に発表された調査によると、回答者のうちわずか3%が、70歳以上の候補者をオーバルオフィス(大統領執務室)に望んでいる。

 現在のアメリカ合衆国大統領であるジョー・バイデンは80歳であり、これはアメリカ史上最年長の指導者となる。来年の大統領選挙における彼の主な対抗馬は、6月に77歳になったドナルド・トランプ。

 この世論調査の執筆者たちは、国家元首の「理想的な年齢」を尋ねる際、特にバイデンとかトランプの名前を挙げていないと言っている。

 しかしながら、この世論調査によると、アメリカ人は若い大統領に対しても信頼を寄せることが少ないようだ。米国憲法は、大統領になるための最低年齢を35歳と定めており、調査対象者のうちわずか3%しか30代の国家元首を望んでいないと回答している。



 関連記事:バイデンはマスクを着用したまま眠るーホワイト・ハウス

 回答者のほぼ半数(49%)が大統領には50代の人物が適していると考えている。さらに24%の人々が国家元首には60代の人物を望んでおり、17%が40代の人物を選択した。今回のピュー・リサーチ・センター世論調査の結果だ。

 民主党と共和党の間で理想的な大統領の年齢についての見解は類似していた、とピュー・リサーチは指摘している。

 この調査は、2023年6月5日から6月11日にかけて、5115人の成人を対象に行われた。調査対象者は全てピュー・リサーチ・センターのアメリカ・トレンドパネル(ATP)の会員であり、居住地の住所を無作為に抽出して募集されたものだ。

 CNN/SSRSによる先月の世論調査によれば、アメリカ人の36%がバイデンとトランプが2024年の選挙に出馬することに反対している。CNNは、この2人の間の競争は、「歴史的な数のアメリカ人が望んでいない」ものだと述べている。

米国は破綻国家になったのか?

<記事原文 寺島先生推薦> America: A Failed State?
出典:グローバル・リサーチ  2023年7月4日
筆者: チャイタニヤ・ダーベイ(Chaitanya Davé)
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年7月22日





 専門家らによる破綻国家の定義は以下のとおり。「破綻国家とは、適切に機能を果たせないほど、主権国家の政府が基本的な状況や責任を果たせなくなった状態にある国のことである」。他に破綻国家がもつ特徴としては、中央政権の力が弱い、あるいは無効なため、税金を徴収し、国民に対する他の支援を行うことが不可能となり、領内のほとんどの地域において実質的な支配をおこなうことがほとんどできず(この点においては、アメリカ合衆国では当てはまらない)、したがって公的事業が供給できなくなる状況などがある。

 ロバート・ロングリー(Robert Longley)によると:

 「破綻国家とは、主権国家とし果たすべき基本的な機能や責任を果たせない政権のことである。具体的には国防、警察、法廷、教育や経済の安定化などだ。破綻国家が共通してもつ特徴としては、暴力、汚職、貧困、識字率の低さ、基盤施設の崩壊などの進行が挙げられる。さらに、或る国家が適切に機能しているにしても、国民からの信用や信頼度を失えば、破綻国家に陥る可能性がある。

 これらの破綻国家の例としては、シリア、ソマリア、ミャンマー、チャド、イラク、イエメン、コンゴ民主共和国、中央アフリカ共和国、ユーゴスラビア、レバノン、アフガニスタン、スーダンが挙げられる。しかし、これらの国々は皆貧しい国々だ。これらの国々の多くが上記の特徴を示していることは理解できる。だが、これらの特徴が、世界で最も裕福な国でも見られているということが想像できるだろうか?

 米国の例を考えていただきたい。防衛面(実際は、大量破壊兵器といっていいものだが)、を除けば、ほとんど全ての特徴が米国についても当てはまる。米国は、「破綻国家」の評価基準において9割以上、当てはまる。以下の統計がこの主張を支持している。

殺人:1990年から2019年の間に、53万1349件の殺人事件が米国で生じた。この数字は、「発展」国においては最も高い国のひとつだ。

強姦:2019年には、米国で40万6970人が、強姦事件や性的嫌がらせの被害者となった。ドイツの「スターティスタ研究部」によると、米国では2015年以来、年間で平均9万1千件以上の強姦事件が、発生しているという。10万人あたりの強姦発生数は米国が世界で第14位だ。ただし、2021年の「世界人口調査」の報告書によると、発展諸国の間では、米国は、スウェーデン、オーストラリア、ベルギーに次ぐ第4位だ。

麻薬危機:1990年代、製薬諸会社が医療界に再確認した内容は、患者たちが麻薬を使った鎮痛剤を処方しても依存症にはならない、というものだった。そのため、医療薬品供給業者は、一般の人々にそのような鎮痛剤をどんどん処方し始めた。すぐに麻薬様薬品の過剰投与が増加した。NIH(米国立衛生研究所)によると、2019年、米国の5万人近い人々が、麻薬様薬物の過剰摂取で亡くなったという。1999年以来、84万1千人近い人々が、薬物の過剰摂取により亡くなっている。端的に言えば、我が国の政府が何も手を出さない間に、何万人もの米国民が、麻薬様薬物が原因で亡くなっているということだ。その麻薬様薬物を、ジョンソン&ジョンソン社やパーデュー・ファーマ社など数社の製薬会社が積極的に売り込んでいた。人々が亡くなっている間に、これらの製薬会社の重役が、何百万ドルも貯め込んでいたのだ。

囚人の数:「世界人口調査」によると、米国の投獄率は世界最大であるという。世界の囚人人口の約25%が、「自由社会の旗手」たる米国にいる。2019年時点で、米国には約219万人の囚人がおり、10万人あたり437の囚人がいる計算になる。囚人一人につき、6万9355ドルの国費がかかっている。黒人の囚人数は白人の5.8倍で、この体系に人種差別的要素があることが見て取れる。

死刑囚の数: 1976年から2020年の間に1529人が死刑を受けた。2021年上旬で、連邦政府は3人の死刑を執行した。

えん罪が証明され、死刑や服役から解放された人の数:非営利団体の「イナセンス・プロジェクト」によると、DNA鑑定の結果、米国の18人の服役囚の無実が証明され、服役を解かれた、という。これらの人々はそれまで何年も死刑を待っていた状態だった。これらの人々は11の州で有罪宣告を受け、併せて229年間の服役を受けていた。その中には、併せて202年間、死刑を待っていた人々もいる。自分たちが犯していない罪のせいで、だ。そのうちグアンタナモ・ベイ刑務所で、尋問もされないまま17年以上収監されていた囚人もいる。このような状況が米国の司法が置かれた状況だ。我が国の犯罪を裁く体制がどれだけ不公平でうまくいっていないかがよくわかる。

政治犯:政治犯もたくさんいる。多すぎて、ここで挙げることができないくらいだ。これらの政治犯が米国内の刑務所で、政治活動家として収監されている。多くの場合において、人種により容疑がでっち上げられる、疑わしい判決結果が出されている、などの事象が起こっている。もっとも有名な事例が、ジュリアン・アサンジさんの件だ。アサンジさんは、「国家機密」を明らかにしたとして、起訴された。つまり、アサンジさんの事例が示したのは、米国政府は米国政府や米軍の汚い秘密を明らかにしたものは誰でも、この先に別の内部告発者が現れない見せしめのため、米国の刑務所に長期間放り込まれる、ということだ。アサンジさんは、英国の刑務所から米国に搬送されれば、禁錮75年の刑に処されることになっている。もうひとつの例は、エドワード・スノーデンさんだ。スノーデンさんは、米国の汚いヒミツを暴露したために、ロシアへの逃亡を余儀なくされた。他にも、レナード・ペルティエ、ムミア・アブ=ジャマール、リカルド・パルメラなどのさらに多くの政治犯とされた囚人がいる。これらの人々は十分な証拠がない、あっても疑問の多い証拠しかないままで起訴され、何年間も米国の牢獄で時間を過ごさせられている。これが、「自由な世界の旗手たる国家が自国内で見せる姿」だ。

貧困者の数:米国国勢調査局の「2019年人口統計報告」によると、3400万人米国民が貧困状態にあると考えられるという。これは、現在の人口の10.5%だ。これが、世界で最も裕福な国の現状だ。米国の子どもたちの貧困率は14.4%だ。黒人に関しては、18.8%であり、 母子家庭では24.3%だ。2021年の「世界人口研究報告」によると、世界で2番目に人口の多いインドの貧困率は、21.9%で世界第22番。そして世界で最も裕福な国である米国は17.8%だという。これはいわゆる発展諸国においては、(貧困率が18.6%の)英国に続くものだ。

健康保険に入っていない人の数:statistica.comによると、ほとんどの欧州諸国では、国民皆保険が行き届いているが、2021年の時点で、健康保険に入っていない人の割合が、人口の9.6% 、数でいうと2600万~3000万人が、健康保険に入っておらず、400万人の子どもたちが、健康保険がない状態だ、という。

米国による不必要で壊滅的な戦争:TheNews.comによると、1776年以降の243年間のうち225年間、米国は戦争をしてきた。「世界未来基金」によると、第2次世界大戦以来、米国は19回戦争を行ってきたという。具体的には、第2次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク・アフガニスタン戦争などがその例だ。いくつかの報道によると、イラク戦争だけでも、100万人以上の人々の命が奪われ、5兆ドル(700兆円)以上が費やされたという。これらの戦争で亡くなった人々の総計は、1200万人以上に上る。これらの不道徳で不必要な戦争により、何兆ドルもの金が浪費された。最新の戦争であるアフガニスタンでの戦争は、20年以上続けられたのちに、ついに米国が撤退したところだが、4万7千人ほどの人が亡くなり、米国は2兆ドルを費やした。これらの戦争は必要なものだったのだろうか?「はい」と答えるのは、最も無知な人々だけだろう。

化学兵器の使用:米国は、枯葉剤を2100万ガロン(約7700万リットル)散布した。これは最も恐ろしい毒をもつ除草剤だが、これがベトナム戦争時にベトナムで撒かれたのだ。50万人以上の市民が死ぬまで苦しむ障害を負った。今でもその影響で、奇形児や脚のない子どもが生まれている

米軍基地:ポリティコ誌によると、米国は未だに外国の70を超える国や地域において800カ所の軍事基地を有しており、いっぽう英・仏・露は、3ヶ国併せて30カ所の外国の基地を持っている、という。2014年、外国に基地や部隊を維持するのに、年間850億~1000億ドルの費用がかかった。この費用は、いまはもっと多くなっている。なぜ外国に軍事基地をもつのだろうか? 米国内で十分な食べ物を手にできない人々や、貧困状態にある人々が何百万人もいるなかで、なんというとてつもない無駄遣いが行われているのだろう。

他国への不当な介入:2017年までに起こった外国への介入事例が188件あったのだが、「自由世界」の旗手たる米国が、うち1946年から2000年の間に117件の「占拠に対する偏った介入」に加担している。これは、第2次世界大戦以来、9回の選挙で1度は起こっている計算になる。 第2次世界大戦以来、多くの場合、米国は世界中で50件以上の民主主義運動を妨害し破壊するいっぽう、従順な独裁者を支持してきた。米国には様々な国において、投票結果をねじ曲げ、軍事クーデターを支持し、資金を流し、政治上の扇動宣伝を広めてきた歴史がある。面白いことに、これらの恐ろしい戦争や他国での大量殺戮の後で、主要な報道機関が、このような間違いについて論じることはまったくない。すべては通常業務に戻る。すべてのことが都合良く忘れられていく。

不完全な憲法:米国民の多数は子どものころから、米国憲法の尊さや偉大さを盲目的に信じるようにされているが、この憲法には大きな不備があり、民主的なものであるとはいえない。さらに、この憲法では法律上贈賄を認めている。具体的には、大統領候補、上院議員候補、下院議員候補、(各州の選挙候補者も含まれる)に政治上の寄付を行うことを許しているのだ。選挙期間中、このような寄付が、富裕層により何十億ドルも行われているのだ。私たちが選挙で選んだ役員らが、お金をくれた人々の言うことを聞き、主にこれらの寄付者にとって都合のいいような法律を制定したとしても何の不思議もない。 さらに、我が国の不完全な憲法においては、選挙で選ばれていない最高裁判所判事らが、罷免されることなく、死ぬまで任命されている。なんとも恥ずかしいことだ。

壊れた政体:米国の政治体制は崩壊している。二つの政党があるとはいえ、両党とも企業の利益を追い求める政党であり、米国の私企業の重役たちに忠誠を誓っていて、米国民には忠誠を誓っていない。そのため制定される法律のほとんどは、企業の重役、超富裕層、財閥を喜ばせるものだ。

教育を受けていない人々の数: 無教育者の数: 米国教育省によると、16 ~ 74 歳の米国成人の 54%、約1億3千万人が読み書き能力に欠けており、読解力は 小学校6年生段階にまで達していない。バーバラ・ブッシュ家族識字財団によると、この成人の識字率の低さにより、国は年間2兆2千億ドル(308兆円)の損失を被っている可能性がある。国立教育統計センター (NCES) によると、2020年4月29日の時点で、米国の成人の21% (約4300万人) が非識字/機能的非識字*層に分類される。
*文字は読めるが文章の意味を取る能力がないこと

警察によって殺害された黒人の数:Statista.comによると、米国での警察による射殺事件は増加傾向にあるようで、合計371人の民間人が射殺され、そのうち71人が黒人だった。2020年と2021年には警察による射殺事件が1021件発生し、2019年には999件の射殺事件が発生した。黒人の射殺率は他のどの人種よりもはるかに高く、警察の残虐行為が人種差別的なものであることを示している。これらすべての数字は、アメリカの警察が躊躇なく引き金を引くような愚者であるだけでなく、人種差別主義者でもあることを明確に示している。21世紀になった今でも、米国は依然として非常に人種差別的な国なのだ。

銃による暴力:teamenough.org/gun-violence-statistics によると、毎年、アメリカでは 11万5551人が殺人、暴行、自殺または自殺未遂、不慮の銃撃、または警察の介入によって銃撃されているという。米国では毎日106人以上が銃による暴力で亡くなっている。そのうち殺人が39人、自殺が64人、意図のない事故による死亡が1人、意図があったかどうかが不明な死亡が1人死亡である。平均して年間、銃による暴力で3万8826人が死亡、 一命は取り留めたが負傷した人が7万6725人いる。毎年、7957 人の子どもと青少年が銃撃され、1663人の子どもと青少年が銃による暴力で死亡し、864人が負傷している。ABC ニュースが最近報じたように、2023年7月2日の時点で、米国では338件の銃乱射事件が発生した。これまでに銃による暴力で2万1千人が死亡し、1日あたり115人が死亡している。

これは驚くべき数字だ。このようなことは、非常に荒々しい国でのみ起こり得ることだ。それが今の米国なのだ。これほどひどい記録を持つ国は他にはない。このような恐ろしい数字にもかかわらず、銃規制は十分に強化されていない。銃関連の圧力団体である全米ライフル協会などが無駄に利益を得ているということだ。そんな圧力団体の影響力が蔓延(はびこ)れるのは、政治献金という名の合法的贈収賄が我が国の政治家たちに渡されているからだ。

ABCニュースが報じたように、これまでに銃暴力により1万3900人以上が死亡した。しかしこの先、今まで以上に厳しい銃規制が行われるのだろうか? そうは思えない。theguardian.com によると、5月7日の時点で、国内で202件の銃乱射事件が発生している。米国は今や映画「ワイルド・ワイルド・ウェスト」のような国になってしまった。

億万長者の数:フォーブス誌によると、米国の億万長者は世界で最も多く、2021年時点で724人だ。中国では626人、インドは140人、ドイツは136人だ。米国の億万長者の純資産は4兆4千億ドル(616兆円)という驚異的な数字だ。Americansfortaxfairness.org によると、米国の億万長者の総資産は、コロナウイルスの大流行期の最初の約7か月間で 1 兆3億ドル(182兆円)増加した。これは、資産が44%急増したことになる。この資金があれば、米国民3億3千万人全員に3900ドル(55万円)の経済刺激小切手を送ってまだお釣りがくる。

大手報道機関6社が、すべてのニュースを支配:techstartups.comの記事によると、こんにち6社の巨大報道機関が、私たちが読み、目にし、聞く報道のなんと9割をも管理している。もちろん、選択の余地や客観性があるという幻想に包まれた中でのことだが。米国民に統制済みの「ニュース」を常時与えることにより、これらの巨大6社報道機関は、ノーム・チョムスキーのことばを借りれば、「常識」をねつ造しているのだ。米国民の大多数は、米国は世界に対して多くの善を為しており、世界に民主主義や自由をもたらし、世界平和を維持している、と思うよう仕向けられている。さらに、米国の経済体系が最も優れていて、唯一うまくいく方法だ、とも思わされている。しかしこれらすべての言説は真実からほど遠いといえる。社会主義や社会民主主義などの他の経済体系は決して議論になることがない。

これらの巨大報道機関といえば、①G.E.(ジェネラル・エレクトリック)社。コムキャスト、NBC、ユニバーサル・ピクチャズ、 フォーカス・フィーチャーズを所有。②ニュース・コープ社。フォックス・ニュース、ウォール・ストリート・ジャーナル、ニューヨーク・ポストを所有。③ディズニー社。ABC、ESPN、ピクサー、ミラマックス、マーベル・スタジオを傘下に置く。④バイアコム社。MTV、NICKジュニア、BET、CMT、パラマウント・ピクチャーズを所有。⑤タイム・ワーナー社。CNN、HBO、タイム誌、ワーナー・ブラザースを所有。⑥CBS。ショータイム、スミソニアンチャンネル、NFL.COM、ジェオパディ、60ミニツを傘下に置く、だ。2010年のこれら6社の総収入は、2759億ドル(39兆円)に上る。これらの巨大報道機関は、米国民が所有すべき米国の電波を思うがままに支配している。これらの巨大報道機関はすべて、すべての米国民が目にし、耳にし、読み、聞くことを統制しようと目論んでいるのだ。 これらの巨大報道機関の232名ほどの重役が、3億2500万~3億3千万人の米国民の情報整理を統制しているということだ。1983年、米国報道機関の9割は、50社が所有していた。しかし2011年の時点で、報道機関の9割を所有しているのはたった6社になってしまった。 この6社の巨大報道機関が権力を手にした、ということだ。

米国を支配しているのは誰だろう? 米国を真に支配しているのは誰か、お考えになられたことはおありか? その答えは、財閥、巨大報道機関、巨大企業の代表取締役たち、ウォール街の銀行家たちだ。これらの人々が一緒になって、腐敗した政治家たちに対して強大な権力を振るっている。政治家たちは、賄賂をもらい、これらの超富裕層にとって都合のいい法律を四六時中作っているのだ。この国は、一票を1ドルで支払う「民主主義社会」になってしまった。一人一人が平等に一票をもつ、という民主主義社会ではない。億万長者のウォーレン・バフェットがいみじくも述べたとおり、「我が階級(超富裕層)は、99%の市民たちに対する戦争を仕掛けていて、しかも勝利を収めつつある」のだ。


 ここまで書いてきたことを振り返れば、物事を偏見なく見つめられる人々の目に明らかになることは、米国は巨大な課題を有していて、米国が仕掛ける馬鹿げた戦争によって、他国に対して大きな問題を作り出している、という事実だ。米国が犯した最新の罪は、ロシアとウクライナの間で起こさせた「代理戦争」だ。誰にとっても心配の種になるべきことは、こんな恐ろしい状況がいつまで続くか、ということだ。世界規模の戦争のせいで生じている多額の金の無駄遣いに、米国経済がいつまで持ちこたえられるか、ということだ。自分の息子や娘たちが、こんな不必要な戦争に引きずり出されて、人を殺したり、自分が殺されたりする状況に対して、いつまで米国の親が耐えうるか、だ。我々米国民が、私たちが「選んだ」政治家たちが決めたこのような劣悪な状況に耐えうるか、だ。これらの政治家たちは、この国を大惨事や破産にどんどん近づけているのだから。偏見にとらわれず、米国は米国民を守れないという 事実に気づいている人ならだれでも、そう思えるはずだ。米国は破綻国家になってしまった。米帝国は急速に衰退している。破綻は、時間の問題だ。

 米国が国政や外交政策を劇的に変えない限り、米帝国がどんどん弱体化し衰退することは避けられないだろう。そうして、ローマ帝国や大英帝国がたどった運命と同じ歴史をたどるだろう。

*
チャイタニヤ・デイブ(Chaitanya Davé)は化学者、化学技術者、事業家。3 冊の本を執筆している。『人類に対する犯罪:1776年から2007年までの米国犯罪の衝撃的な記録』、『崩壊: 瀬戸際の文明-2010』、『資本主義の破壊の行進: 人間と自然に優しい経済で置き換える』など、政治、歴史、環境に関する多くの記事の著者。インド、ネパール、ハイチ、アメリカ、野宿生活者、その他の貧しい国の貧しい村民を支援する非営利慈善財団の創設者/理事長。連絡先はcahumanity@gmail.com

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