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歯に衣着せぬトゥルシーの登場は、民主党既存体制の落日を意味する

Straight-talking Tulsi’s rising star means setting sun for Dem Party establishment

RT Op-ed 2018年11月23日

(翻訳: 新見明 2018年12月7日)
<記事原文>
https://www.rt.com/op-ed/444719-tulsi-gabbard-anti-dem-establishment/


フィニアン・カニンガム(1963年生まれ)は、広く国際問題に関して書いていて、その記事はいくつかの言語で出版されている。元々北アイルランドのベルファスト出身で、彼は農業化学の修士であり、イギリス、ケンブリッジ王立化学会の科学担当記者として働いた。その後新聞ジャーナリズムの仕事に就く。20年以上にわたって彼は主要なニュース・メディア組織で編集者かつ著述家として働いてきた。その中にはミラー・アイリッシュ・タイムズやインディペンダントなどがある。今はフリーランスのジャーナリストとして東アフリカに基盤を置いていて、彼のコラムは、RT、スプートニック、Strategic Culture Foundation、Press TVに登場する。


トゥルシー・ガバード © Getty Images / Tom Williams

カショジ記者殺害でサウジアラビアを許すトランプ大統領に対して、トゥルシー・ガバードが痛烈な批判を浴びせたが、それがガバードを2020年大統領選挙の旗手にする見込みをさらに高め、民主党支配層に揺さぶりをかけた。

今週37歳のハワイの代議員が、トランプを「サウジアラビアの売女」と非難した。トランプが、ジャーナリスト、ジャマル・カショギの残忍な殺害に関してサウジ体制を擁護したのを受けてのことだ。米国・サウジ関係はとても重要で、石油王国支配者との断絶は避けなければならない、とトランプは述べた。

トランプは10月2日イスタンブールのサウジ領事館でのアメリカ在住ジャーナリストの残忍な殺害に関して経済的、戦略的な利害を優先したが、それは今週アメリカの政治家やメディアによって広範に軽蔑されることとなった。しかしガバードのトランプへの酷評は、恐らく最も痛烈で記憶に残るものだった。

それは一種の戦闘的な一撃で、進歩派や知識人からも支持され、彼女を注目させることとなった。アメリカの選挙民は長い間、既成政治に対する"自称"挑戦者によって裏切られてきた。しかしトゥルシー・ガバードは、ホワイトハウス奪取への大衆反乱を起こせる希望を与えている。

2012年ガバードが議会に始めて選出されて以来、彼女は徐々に、自身を国民的な人物に高めてきた。「社会主義者」バーニー・サンダース上院議員や、彼の若き民主党の支持者に支援されて、ガバードは2020年、トランプが再度立候補するとき大統領候補として益々期待されている。

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(左)トゥルシ・ガバード(民主党、ハワイ)© Reuters / Brian Snyder; (右)ドナルド・トランプ米大統領© REUTERS/ Leah Millis「サウジアラビアの売女となるな」とトゥルシ・ガバードはトランプに言うが、批評家は非難する。


彼女は既成の民主党に揺さぶりをかけることができる進歩派ニュー・ウェイブの一人と見られている。彼女が既得権益に対して恐れずものを言うので、それが党のボスと彼女が仲違いしたときでも、支持者がガバードの周りに集まる。

2016年、彼女は民主党全国委員会を辞任した。そのとき、大統領立候補者指名でバーニー・サンダースに対してヒラリー・クリントンが有利になるようにした、と彼女は訴えた。ガバードはその次にサンダースを支持して、さらに民主党全国委員会をいらだたせた。既存の党に対する彼女の立場は、若者や党の進歩派の中で多くの賞賛を獲得した。彼らの多くは、自身を「社会主義者」と公然と名乗っている。

ガバードが党のヒエラルキーに挑戦したのはこれが最初ではない。オバマ政権の間に、彼女はしばしばナショナル・テレビショーに出演して、オバマのシリア軍事介入政策を糾弾し、反政府軍グループをワシントンが支援していると非難した。彼女は一貫してアメリカの海外での戦争や体制転覆の陰謀を非難してきた。

ガバードはイラク戦争に2度派兵された退役軍人として、彼女のアメリカの軍事的冒険主義への批判は、誰も反駁できないほどの影響力をもっている。

去年、彼女はシリアを訪れ、バシャール・アサド大統領と会見した。そこで彼女は「事実を発見する任務」でやってきたと語った。彼女の旅に対するアメリカメディアの批判にひるむことなく、ガバードはそれ以来、シリアのテロを打ち破るシリアとロシア軍の努力を称えている。彼女はまた、アサドの政府軍が化学兵器を使ったという欧米メディアの主張を批判し、トランプがシリア軍による化学兵器使用を口実に、その報復として空爆を命じたことを糾弾した。


またrt,comによると、証拠もない「アサドの化学兵器攻撃」宣伝を拒否して非難されるガバード議員


現在、下院の多数を占める新たに選出された他の民主党下院議員とは違って、ガバードは外交政策問題に経験と専門知識がある。彼女は下院の外交問題委員と軍事委員を勤めてきた。だから彼女の主張は確かなものだ。

ある議会聴聞会で、ガバードは元NATO司令官フィリップ・ブリードローブに、ロシアがアメリカ大統領選挙に介入したという主張で、アメリカの偽善について教えた。彼女は将軍に、アメリカはロシアを含めて80以上の国に、数十年にわたって選挙に介入してきたことを思い出させた。

女性議員が今週、カショギ殺害に関してサウジアラビアを許したトランプを激しく攻撃したが、彼女の歯に衣着せぬスタイルは一貫していた。

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イドリブ県のアルカイダのヌスラ戦線のメンバー、2015年5月28日© Ammar Abdullah
トゥルシ・ガバードは、トランプのアルカイダに関するやっかいな二枚舌を非難する。


以前ガバードは、サウジアラビアへの武器販売をアメリカがやめるように求めた。サウジアラビアが中東のテロリストグループを支援している、と彼女は非難した。また彼女は、テロと結びついた国々へアメリカが支援することは違法だとする法案を議会に提出した。

オバマやクリントンの軍事介入に対する彼女の遠慮ない批判が、ある意味でトランプがガバードに注目した理由だった。トランプの大統領選挙後まもなく、ハワイ選出の民主党員は、当時の側近スティーブ・バノンによって設定されたトランプタワーでの会談に招かれた。そこでの話では、トランプ政権の国務長官のポジションさえ申し出があった。共和党内閣の中の民主党員だって!

話は何も実現しなかった。しかし今週のサウジアラビアに関するトランプへの厳しい叱責は、ガバードが権力に対して真実を述べることにやぶさかでないことを示している。たとえかつて彼女がトランプ陣営に誘われた事があったとしても。

しかし彼女は短気で、ずけずけものを言うので、民主党幹部はガバードに反発するかもしれない。彼女の呼びかけである財政改革運動やウォールストリートへの規制強化の呼びかけが、ワシントンの年度ごとに膨らむ巨大な軍事予算の削減要求と同様、党の内外で進歩派を結集させるのも当然なことだ。しかし民主党議会重鎮の多くには、軍産複合体と結びついたロビー・グループからたらふく資金が流れている。ガバードが新星であることは、重鎮らが政治家として日暮れであることを意味している。党機関の運営を考えると、2016年クリントンとサンダースの総崩れで見られたように、2020年に大統領立候補者としてガバードの評価は高まる可能性がある。

これは党内の緊張とディレンマを意味する。あまりにもしばしば民主党体制は共和党と共にワシントンを独占している政党と見られている。多くの普通の民主党支持者や自称支持者にとっては、党は進歩的に任務を放棄して、労働者階級の利害のために戦うことをせず、税の再分配を通して大企業支配と戦うことや、新帝国主義戦争に反対することをしてこなかったのだ。


Also on rt.com A brave new US Congress or same old hypocrisy?
rt.com勇敢な新米国議会なのか、それとも同じ古い偽善なのか。


民主党が進歩的計画を放棄したことが、2016年の大統領選挙でトランプがヒラリー・クリントンに勝利した要因であったことはよく議論されることだ。クリントンはウォール・ストリートの代理人としてまたペンタゴンの操り人形と見られていたのだ。

それでもアメリカ政治の進歩派左翼にはガバードを警戒する声がある。彼らは、彼女の元社会主義的保守主義を指摘し、ゲイの権利や中絶に反対していることを批判する(彼女はカソリックとして育ち、今はヒンズー教徒であるが)。左派の批評家はまた過去の「トランプやバノンとのいちゃつき」を潜在的に右翼ナショナリストの傾向があるとして警戒する。

しかしそのような批判は、多くの普通のアメリカ人投票者にとって形式的なことに見えるかもしれない。

Liberal-pro stationのラジオホストであるティム・ガットーは、ガバードが2020年大統領選挙で勝利できるものをもっていると考えている。民主党を多数の投票者にふさわしいものに変えることによって可能になる、と。

ガットーは述べた。「退役軍人として、私はアメリカのシリア介入と中東での終わりなき戦争に反対の声を上げるトゥルシー・ガバードに拍手を送る。私は彼女がエリート層に対してアメリカ人民を擁護し続ける真の進歩主義者であると信じる」と。

彼は付け加えた。「ガバード議員は、未だ予備役にあるにもかかわらず、アメリカの外交政策に反対の声を上げた。もし彼女が民主党首脳部に抱き込まれなかったら、そのとき彼女はアメリカ進歩的左翼にとって、大統領選挙でこの国を正気に戻す最大のチャンスである」と。
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世界最悪の5大企業

World’s top 5 ‘most evil’ corporations

RT Business News/ 2018年3月3日

(翻訳: 新見明  2018年11月25日)

<記事原文>https://www.rt.com/business/420349-five-most-evil-companies/

アマゾンの創設者・CEOのジェフ・ベゾスは、南インドの都市バンガロールのショッピング・モールでトラックの上に立ってポーズをとる。© Abhishek N. Chinnappa © Reuters
アマゾンのほとんどの企業はきらめく評判のおかげで成功を収めている。しかしいつもというわけではない。RTビジネスは、インターネットで最も嫌われている企業を見つけるために徹底的に調査した。

モンサント

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 モンサントは、紹介する必要もないがCCTやエージェント・オレンジの製造会社であり、世界最大の殺虫剤とGMO種子の製造会社である。モンサントは、殺虫剤や除草剤に耐性がある種子を遺伝子組み替えによって作り出した最初の企業として知られている。モンサントの除草剤は何百万エーカーの作物を枯らしてしまうので非難されている。またその化学薬剤はガンや多くの健康障害を引き起こす製品としてブラックリストに加えられた。

アップル


かつてマイクロソフトを嫌う機種愛好家のお気に入りであったアップルは、最近雇用者を酷使したり、不当な低賃金で告発されている。また資金をオフショアに隠したり、税金を支払わなかったりしている。また健康や環境規制を犯したり、市場での独占状態を悪用していることでも告発されている。そして、そう、意図的に古いiPhoneを遅くしたり、製品が儲かるように高値を付けたりしている。

ネスレ

世界最大の食品飲料水企業ネスレは、生活の質を高めることに努力し、健康な未来に貢献していると言う。しかし奴隷労働を含むおびただしいスキャンダルに巻き込まれている。この多国籍企業は世界でもっともボイコットされている企業の一つである。様々な国の工場で労働者の権利が侵害されていると報告されているからだ。

フィリップ・モリス

アメリカの多国籍タバコ製造会社の製品は、アメリカ以外でも180カ国以上で売られている。フリップ・モリスは、世界最大ブランドの一つであるマールボロを所有している。1999年にはフリップ・モリスはチェコ共和国の役人に、喫煙は市民が早く死ぬので保健コストを減少させ、実際に経済の助けになると説明して言い寄った。

マクドナルド

アメリカのファスト・フード会社マクドナルドは1940年に設立された。会社は毎日イギリスの全人口より多くの客に提供している。しかしひどい労働慣行を行ってきた長い歴史がある。また健康問題を引き起こすジャンクフードを提供することで絶えず攻撃されている。マクドナルドのバーガーはそれ自体では分解しないことを研究者は解明した。

きわめて極悪な企業のトップリスト([ ]内は訳注、ウィキペディア、コトバンク等より)

ゴールドマン・サックス [アメリカ合衆国ニューヨーク州に本社を置く金融グループ。
           株 式・債券・通貨・不動産取引のブローカーであり、貸付・保険
           ・投資銀行業務にくわえ、プライベート・バンキングも行う。
           GPIF年金運用委託先の一つ]

JPモルガン・チェイス [アメリカ合衆国ニューヨーク州に本社を置く
          銀行持株会社である。商業銀行であるJPモルガン・チェース
           銀行や、投資銀行であるJPモルガ社ンを子会として有する。
           JPモルガン・チェース銀行は米国外を含む商業銀行業務を、
           JPモルガンは米国外を含む投資銀行業務を分担している]   
    
エクソンモビル  [アメリカ合衆国テキサス州に本社を置く、総合エネルギー企
           業である。石油メジャー最大手であり、スーパーメジャーと呼ば
        れる6社の内の一社である]

ハリバートン  [資源サービスグループ(Energy Services Group)
          で、ESGは石油と天然ガス探査及び生産設備を製造する。また、
          イラク戦争後のイラクにおける運輸事業などの各種復興事業や、
          海外に展開するアメリカ軍のケータリングサービスの提供も行う
           など、様々な事業を展開している]

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ
          [イギリスのロンドンに本社を置く、タバコ製造・販売企業。略称BAT        
           又はBA。ロンドン証券取引所、JSE上場企業。 代表的な銘柄に
          ラッキーストライクなどがある]

ダウ・ケミカル [アメリカ合衆国ミシガン州ミッドランドに本拠を置く世界最
           大級の化学メーカー。 1897年に漂白剤と臭化カリウムの製造
           メーカーとして誕生した。1999年にはユニオンカーバイドを930億
           ドルで買収し、デュポンに代わり世界最大の化学メーカーとなっ
           た]

デュポン   [世界最大の米国の化学工業会社。1802年デュポン・ド・ヌムール
          が建てた火薬工場に発し,20世紀初めには米国火薬工業の支配
          権を確立,第1次大戦で巨利を得て化学工業全般に拡大,第2次
          大戦では原爆製造に当たり,戦後原子力産業に進出。この間,
          1939年のナイロンはじめ合成繊維,合成樹脂の新製品を積極          
          的に開発,大手石油会社Conocoを所有,モルガン財閥,ロック
          フェラー財閥に次ぐ有力財閥である]

バイエル [ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州レバークーゼンに本
          部を置く化学工業及び製薬会社。アスピリンやヘロインなどを送り
          出した世界的な医薬品メーカーとして知られる]

マイクロソフト [アメリカ合衆国ワシントン州に本社を置く、ソフトウェアを
         開発・販売する会社である。1975年4月4日にビル・ゲイツとポール・
         アレンらによって設立された]

グーグル     [インターネット関連のサービスと製品に特化したアメリカの多
         国籍テクノロジー企業である。検索エンジン、オンライン広告、クラウド
         コンピューティング、ソフトウェア、ハードウェア関連の事業がある]

フェイスブック [アメリカ合衆国カリフォルニア州メンローパークに本社を置
          くFacebook, Inc.が運営する世界最大のソーシャル・ネットワー
          キング・サービスである]

アマゾン   [アメリカ合衆国・ワシントン州シアトルに本拠を構えるECサイト、
         Webサービス会社である。アレクサ・インターネット、A9.com、
         Internet Movie Database などを保有している]

ウォルマート   [アメリカ合衆国アーカンソー州に本部を置く世界最大のスー
          パーマーケットチェーンであり、売上額で世界最大の企業である]


経済金融に関するさらなる話は、RTビジネスサイト

中間選挙の結果をどう捉えるか?

What Do We Make Of The Midterm Election?

Paul Craig Roberts
- PaulCraigRoberts.org - https://www.paulcraigroberts.org - 
    (2018年11月7日)
(翻訳: 寺島メソッド翻訳グループ 2018年11月22日)
<記事原文>https://www.paulcraigroberts.org/2018/11/07/what-do-we-make-of-the-midterm-election/

中間選挙の結果について、私の意見を求める声が読者からあります。

CNNが番組で流した選挙結果の地図を見てみます。北東海岸、西海岸の狭い地域、南西部と南部のヒスパニック、そして黒人の居住地域を除くと、アメリカ全体としては圧倒的に共和党に票が流れました。

私見です。アメリカ中部で票が共和党に流れたのは「哀れな人々」(2016年大統領選におけるヒラリー候補の言葉)がトランプを守りたかったからです。理由は二つあります:
    ①一つはトランプが経済的苦境に陥った人々に語りかけたことが理由です。
      そもそもアメリカの企業が海外に仕事を輸出し、アメリカの労働者と中産
      階級の首を締め上げた結果生じた経済的苦境でした。
    ②もう一つは民主党が「アイデンティティー政治」を取り込んだことです。そ
      の結果民主党は白人をヘイトの対象とする政党になってしまいました。と
      りわけ異性愛だけをよしとする白人男性へのヘイトです。彼らは、自分た
      ちが少数者集団、ゲイそして女性たちの犠牲者だと考えています。そんな
      彼らが白人を問題視する民主党に投票するはずがありません。

クリントン夫妻の時代以前、民主党は労働者階級を代表していました。民主党は実業界を代表する共和党の動きを牽制する政党だったのです。それでいろいろなことのバランスが保たれていました。ところが、クリントン夫妻の時代になって異変が起こりました。民主党選挙区の人たちの仕事を海外に移そうとする共和党の動きにOKサインを出したのです。自分たちの選挙区を売り払った代償として、クリントン夫妻が得たものは共和党の金庫です。それを民主党も使えるようにしました。民主党も共和党も今ではウォール街や軍産複合体に操られています。  

労働者階級は、民主党に見捨てられたため、今では共和党に投票します。

民主党の選挙区に、行き場のなくなった労働者階級は、もはや含まれません。民主党は方向をヘイトに向けました。民主党は現在「ヘイト政党」です。民主党はアイデンティティー政治の「犠牲者グループ」にヘイトを教え込んでいます。この動きで一般の白人は民主党の犠牲者になっています。かくして、民主党は白人票を失い、「犠牲者」の票を獲得することになります。 移民が増えれば結局は「犠牲者」票が確実に一般白人票を上回るでしょう。その場合、民主党のアイデンティティー政治支配下でアメリカの一般白人は、今度は犠牲者グループとなります。実際多くの民主党員が語っていることに注意を払えば、それが彼らの意図するところだとわかります。 

2、3時間前から種々のレポートに目を通していますが、民主党員の75%はトランプを弾劾したいと考えています。理由についての記述は何もありません。私が思うに、その唯一の理由はヘイトです。トランプは「女は男のおもちゃ」と考える億万長者白人男性の典型です。 

これで事情はお分かりでしょう。

特筆すべきはトランプが今回は共和党で当選しましたが、出馬は民主党からでした。彼はロシアとの和平賛成派でした。労働者階級の仕事を何とかしようとしていました。平和と職の安定は民主的なスローガンです。しかし、民主党はトランプを嫌悪しました。何故ならトランプは抑圧的な白人男性の典型だからです。この理屈に合わないヘイト感情が民主党を軍・安保複合体との同盟関係に誘導しました。この軍・安保複合体はロシアとの和平に強力な異を唱えています。和平は彼らの予算と権力を脅かすからです。民主党は「闇の国家」と手を携えながらロシアとの和平を妨害しました。そして第三世界からアメリカへ大量の移民が流入することを支持しました。そんなことをすれば労働者階級の経済的な基盤はますます危うくなります。目的は第三世界からの移民票を獲得し、失った労働者階級の票を埋め合わせることです。

この第三世界からの移民にあてがわれる仕事は、アメリカ中産階級労働者層の収入に依存していることを、民主党ははっきり言って分かっていません。この収入が消滅すれば、第三世界からの移民はもはや存在しない仕事のためにやって来ません。彼らは生活の糧を失ったアメリカ人が支払っている社会保障費の恩恵を受けに彼らはやって来るのです。 

アメリカの一般的白人が罪の意識に屈して崩壊しない限り、民主党は終わりだと思うのです。今回の中間選挙は民主党の有終の美となりました。

だからと言って未来がバラ色というわけでもないでしょう。民主党の動きのせいでトランプは世界に対して攻撃的なスタンスを取ることになりました。アメリカはこの攻撃をとうてい支持できません。トランプの「いじめっ子」的性格の旗は降ろすことが可能なのでしょうか?トランプは、イスラエルと深い繋がりをもつユダヤ教徒の娘婿を排除することなのできるのでしょうか? 

そんなことはできそうもありません。そんなことをすれば、彼はエルサレムへのアメリカ大使館移転や他の決定を撤回せざるを得なくなるでしょう。そして彼や娘婿クシュナー大統領上級顧問とイスラエル首相ネタニヤフとのいろいろな近しい関係は、もし彼がアメリカはイスラエルのコントロールから自由だと言明すれば、音を立てて崩れ去りますし、それは外交上の問題ばかりでなく、彼の家族問題ともなるでしょう。 

トランプがイスラエルに対して従属的姿勢を取ることは奇妙です。そんなことをしてもユダヤ人民主党員から得られる政治的利点は何もないからです。中間選挙においてユダヤ人の票は圧倒的に民主党に流れました。トランプがアメリカ大統領として初めて、おそらくは国家元首としてただ一人、エルサレムをイスラエルの首都として認定しても関係ありませんでした。  

ユダヤ人で下院の権力の座に登り詰めた民主党員のアダム・シフは、トランプ大統領の調査を手ぐすね引いて待っていると発言しています。シフはトランプの首根っこを掴まえる自信がありそうです。実際、ユダヤ人はアメリカの人口に占める比率は極小であるにも拘わらず、議会で最重要な委員会の5つのポストを占有しています。
    ①Jerrold Nadlerは司法委員会
    ②Eliot Engelは外交委員会
    ③Nita Loweyは歳出委員会
    ④Adam Schiffは諜報特別委員会
    ⑤John Yarmuthは予算委員会

アメリカの歴史の中で最もユダヤ的な大統領であるトランプが国内のユダヤ人の標的にされていることをどう説明したらいいのでしょう?たぶんこうです。ユダヤ人は非ユダヤ人社会を崩壊させることにより強い関心を抱いているのです。ユダヤ人にとって、その偏執狂的な見方では、非ユダヤ人社会は脅威です。トランプがイスラエルの中東政策(=「パレスチナ人ジェノサイド」)を全面的に支持していることなど眼中にありません。

ドナルド・トランプ以前のアメリカの大統領がこれほど完璧にイスラエルに身売りしたことは一度もありません。トランプはあのちっぽけで、取るに足らないイスラエルという国に対してそんなことをしているのです。 

トランプが「偉大なアメリカを再び!」を実現することはあり得ません。アメリカをイスラエルに従属させていては無理です。

ボストンでの最近の番狂わせ、進歩派の波が民主党を襲う

Boston the latest upset as progressive wave sweeps Democratic party

RT  Home/US News/
2018年9月5日

(翻訳:新見明 2018年10月25日)
<記事原文>https://www.rt.com/usa/437723-ayanna-pressley-boston-victory/
アヤンナ・プレスリー、予備選勝利を祝う
© Brian Snyder © Reuters

アメリカ中で、若い非白人の候補者たちが、多くは極左的綱領を携えて、民主党を作り直している。しかしリベラルなボストンでは、進歩主義は目新しいことではない。 

話は見慣れたものになりつつある。若い黒人女性が、資金が少なく、事前調査で負けていたにもかかわらず、長年その地位を楽に維持してきた年配の白人男性を打ち破る話である。



(マイク・キャプアーノ)
進歩派民主党員アヤンナ・プレスリーが、火曜日のマサチューセッツ州予備選挙で10期連続現職のマイク・キャプアーノを破った。
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フロリダ知事選挙は、バーニー・サンダース派対トランプ派の闘いになる。


(アンドリュー・ギラム)
また先週このことの前に、民主党のタラハシー市長アンドリュー・ギラムが、リードするグウェン・グラハムを破って、フロリダで最初の黒人知事候補となる偉業を成し遂げた。

(グエン・グラハム)


共和党マイク・キャプアーノは、20年のベテラン議員だが、火曜日夜、最初の予備選挙で彼が就任して以来始めて敗北を認めた。44歳のアフリカ系アメリカ人女性のプレスリーは、国民皆保険を与えることや、移民法の執行や本国送還をやめさせ、学生ローンを廃止し、最低賃金を引き上げるなど進歩的な綱領を掲げて運動した。

プレスリーはオカシオ・コルテスの推薦もらっていた。オカシオ・コルテスは今年の夏に民主党全国委員会議長トム・ペレスに、彼女は「党の未来だ」と宣言させた。党は、気の抜けた体制主義のヒラリー・クリントンやその同類が牛耳っていたが、左派的に変わってきているのだ。

(アヤンナ・プレスリー))


プレスリーはオカシオ・コルテスと多くの点で立場を同じくするが、彼女自身は社会主義者と称するまでには至っていない。しかし主流メディアは彼女の勝利を、古き民主党保守に対する若き進歩派の勝利と描くが、プレスリーのボストン地区は、深くリベラルな地区で、彼女やキャプアーの綱領も左派的に鋭く傾斜した。

(オカシオ・コルテス)


キャプアーノはイラク戦争や愛国者法に反対投票をし、全員のためのメディケアや福祉都市を、それらが主流の考えになる前から支持した。彼はまた、去年からのトランプ大統領弾劾に関しては考えが揺れている。そして両候補とも、重要問題に対しては同一歩調をとることを認めた。

オカシオ・コルテスとは違って、プレスリーの民主党内での地位上昇は慣例にそったものである。プレスリーは、ジョン・ケリー上院議員や共和党員ジョウ・ケネディの職員として働き、ボストン市委員会で最初の黒人女性として選ばれた後、2015年民主党活動家グループEMILY Listによって「ライジング・スター」賞を与えられた。そこで当時大統領候補だったヒラリー・クリントンと並んでグループの受賞祭典セレモニーでスピーチをした。

キャプアーノは、自分の議員経験の豊富さや、国のお金をボストンにもたらす事が出来る能力を売り物に選挙運動をした。一方プレスリーは自分を活動家候補として売り込んだ。彼女は黒人女性として自分のアイデンティティを頼りに、多様な人種がいる地区を代表するにふさわしいことを訴えた。

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プレスリーの選挙運動は、「構造的人種差別」を問題にした。そして彼女の勝利演説で、政治や政府に反映されない人々のおかげで勝利できた、と支援者たちに語った。

彼女はまたすぐさまトランプ大統領を非難した。「われわれの大統領は、人種差別主義者で女性嫌悪性で、本当に共感に欠けた人である」と支援者に語った。「ワシントンD.C.に登場するときだ。我が民主党員が、我々と共に戦うことを私は希望する。そして共和党員は、我々の道に立ちはだかる・・・ 変化はやってきている、そして未来は、我々みんなのものである。」

彼女の地区で共和党員の対立候補がいないため、11月プレスリーの議会への道は確実である。民主党は、体制派も進歩派も含めて、下院23議席を取り返す必要がある。

民主党内「進歩派」の大きなうねり

Party at war with itself: DNC facing insurgency from its progressive base

RT Op-Ed 2018年9月13日
Dave Lindorff

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2018年10月23日)
<記事原文>https://www.rt.com/op-ed/438371-democrats-liberals-progressive-election/


デイブ・リンドルフはアメリカの受賞ジャーナリストで、元ビジネス・ウィークのアジア特派員。共同所有のジャーナリストニュースサイトThisCantBeHappening.netの創設者でもある。


シカゴ民主党全国委員会会合の外で抗議集会、2018年8月23日 © Scott Olson / Getty Images

ベテラン民主党議員マイケル・キャプアーノ氏(マサチューセッツ州)が最近惨敗したことは、有権者がリベラル派にうんざりし、もっと進歩的な候補者を求めていることを示している。

民主党の指導層は中道保守派で構成され、彼らはウォールストリートの大銀行、兵器産業そして医薬・医療業界からの献金を喉から手が出るほど欲しがっている。 その彼らが仰天したのは、無名で若いプエルトリコ人女性のアレクサンドリア・オカシオ・コルテスが、6月、ブロンクス・クイーンズ選挙区で10期務めた現職を予備選で打ち破ったことだ。 指導層をびっくりさせたのはそればかりではない。 アメリカ国内の様々な州議会、地方予備選で左翼と社会主義者の候補者が次々と勝利したのだ。

しかし、彼らの驚きは、今、激怒に変わっている。 先週ボストンでAyanna Pressleyが勝利を収めた。 彼女は社会主義者に支援された市会議員で、またしても10期目の現職、ただし今回は古典的なリベラル主流派国会議員である共和党のMichael Capuano氏に打ち勝った。

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ボストンの最近の番狂わせ、進歩派の波が民主党を襲う。


もし民主党の活動家たちが、彼らこそ選挙で自党への投票を期待できる層だが、筋金入りのリベラル派に見切りをつけ、超急進派、あろうことか社会主義者を支持したということになれば、1992年の選挙でビル・クリントン民主党候補が「第三の道」を掲げて以来、党を主導してきた新自由主義的な考え方である「コーポラティズム」の土台が揺らぐことになる。

党首脳部の昨今の苛立ちは隠しようもなくなっている。

8月23日、民主党全国委員会(DNC)はシカゴで3日間の会合を持った。 この会合の主要な議題は11月6日に予定されている議会選挙をどう勝利につなげるのか、ではなかった。党内左翼・進歩主義者たちの影響拡大をどう弱め、ストップさせるか、だったのだ。

最優先議題は止まらない進歩派の数々の勝利のことだった。 進歩派はこの間2つの特別選挙で勝利を物にしている。 ひとつは任期終了前に辞職したか、死亡した議員の補欠選挙、もうひとつは11月の議会選挙の州議会、連邦議会の党候補者を決める予備選においてである。

進歩派の応援を受け、さらには独立系社会主義者で2016年の大統領予備選でヒラリー・クリントン上院議員と闘ったバーニー・サンダース上院議員が生み出した運動から資金を仰ぐことまでしている候補者達がすべて、これらの補欠選挙、予備選挙で勝利しているわけではない。しかし、一部の候補者は党指導層がひやっとする所まで行ったし、オカシオ・コルテスを先頭に、勝利した候補者は数としては十分だ。近々のことでは、社会主義者ラシダ・トレイブがいる。彼女は予備選で勝利し、長年下院議員(デトロイト州選出)を務めたジョン・コニャーズ氏に取って代わり民主党指名候補となった。このことで党指導層の内心は穏やかでなくなった。進歩派は、さらに、ベテラン民主党上院議員(カリフォルニア州)ダイアン・ファインスタインを、州予備選の支援をしないことで、同議員を狼狽させることまでやってのけた。

オカシオ・コルテスの場合、憤慨した党指導層(バラク・オバマ前大統領も含む)は勝利した彼女への支援を拒否した。一部の党指導層は予備選で大敗したクローリーが第三党として11月の選挙に出馬するという思いつきを軽く考えていた。クローリーのこの思いつきは進歩派の大きな怒りを買った。なぜなら、そうなればこの選挙区の有権者の圧倒的多数が民主党支持であるにも拘わらず、みすみす共和党に議席を譲る危険性が出てくるからである。(この思いつきは必要最低支持票も得られずボツになったようだ) 

しかし、事態は一つの党が真っ二つに分裂する方向に進んでいる。一方は進歩派の活動家を基礎とするグループ。このグループが望んでいるのは、
    ① 国民的なヘルスケア
    ② 化石燃料の使用を減らす積極的行動と国の経済の基盤を非炭素エネル
      ギー源に切り替えること
    ③ 国の永久戦争経済体制を終結し、オカシオ・コルテスが言っている「平和
      経済」に転換すること
    ④ 国の最低賃金を少なくとも時給15ドル(現行のほぼ2倍)にすること
    ⑤ 企業が選挙候補者を支援することはやめること 
もう一つのグループは硬化し、老齢化した党のエリート層で、党が選出した役員の多くがこの中に含まれる。彼らは進歩派グループが掲げる上記の要求のどれひとつも望んではいない。ただ、企業や金持ちから巨額の献金を集めるという点では足並みを揃える。そして多くの場合、同じ献金者が共和党の候補者たちにも巨額の融資をしているのだ。  

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数週間前、DNC(民主党全国委員会)は、まだ2ヶ月も経っていないのに、化石燃料産業から民主党への献金を禁止する決議を撤回する票決をした。これには進歩派の活動家たちも激怒した。「環境行動グループ350」の共同創設者であるジェイミー・ヘン氏が、この撤回について怒りを込めて書いている:「こんな風にふにゃふにゃと企業に擦り寄るから、民主党は選挙に勝てないんだ。」

ジャーナリスト、メディア批評家、そして草の根運動の進歩的活動組織である「RootsAction」の創設者の肩書きを持つジェフ・コーエン氏は民主党内のこの抗争の説明として、次のように語っている。

    「2つの民主党があるようです。ひとつは党内エリート層です。彼らは献金企
     業と企業メディアとの繋がりがあるので、要職に就き党を支配しています。
     もうひとつは進歩的造反層で、民主党有権者の大半(共和党、民主党のい
     ずれも支持しない無党派層を含む有権者の大半を含む)を代表しています。 
     経済・社会政策の大胆な変化を強く望んでいます。この2つの党派が今激
     しく戦っているわけです。」

彼はこう予言しています。「1月、民主党内進歩的造反派は議会で議席を獲得することになるでしょう。これは前代未聞のことです。オカシオ・コルテス(ニューヨーク州), トレイブ(デトロイト州), イルハン・オマール(ミネソタ州)そして プレスリーらが新人として当選することになるからです。」

コーエン氏のグループは民主党の指導層の会議が行われているシカゴのホテルの外でピケを組織した。その会議で、恐らくこのピケに狼狽したのだろう、指導層は2020年の次期大統領候補指名プロセスにおいていわゆるスーパー代議員の投票は党大会の第一回投票では誰も行わない票決をした。2016年には714人ほぼすべてのスーパー代議員が党大会でクリントンに投票することになっていたので714票はすべて、州予備選が始まらない内に、彼女の票となった。それはそのまま彼女の総得票数に加算された。メディアは予備選挙の期間中、サンダース候補支援者に投票を手控えさせ、彼の総得票と予備選代議員の数が伸びないような役回りを演じた。結果は民主党員にとっては目を覆うばかりのものだった。共和党ドナルド・トランプが大統領に当選したのだ。それも当然のことで、サンダースが大統領候補者になっていたら、トランプに圧勝しただろう、というのが当時の世論調査だったのだのだから。

スーパー代議員の決定は進歩派活動家にとって小さいが重要な勝利だった。何故なら次回の党大会の大統領候補指名は、党の指導層ではなく、予備選有権者と党員集会の参加者が決めた大統領候補を代議員が投票することがベースになるからだ。

一方、州レベルで言えば、相当数の進歩派(中には公然と社会主義者を名乗る者も)候補者がこの選挙シーズンで予備選を勝ち抜いた。たとえば4人の社会主義者が選出され、民主党候補としてこの11月ペンシルバニア州議会に立候補する。ペンシルバニアは2016年の大統領選において僅差でトランプ氏に勝利をもたらした州だ。登録有権者数で言えば、民主党が共和党を上回っているにもかかわらず、だ。
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民主党が2016年に政権を取れず、僅差ではありながら上下両院で多数派になれなかった理由は、候補者に本気でやる気がなかったからだ、と党内進歩派は言う。ヒラリー・クリントン大統領候補しかり。議会候補者たちもその選挙資金を、銀行、軍事産業、ヘルスケア産業、通信業界、さらには化石燃料業界からの献金に頼り過ぎていたため、結局は「票は私たちに!私たちは共和党でもトランプでもありません!」みたいな、すかすかな選挙運動になってしまった、というのが進歩派の議論だ。

直近の経済不況で仕事を無くしていたブルーカラー層は怒り、いら立ち、怯え、何かもっと前向きで心が奮い立つようなものを探していたのだ。その多くは、長年民主党に投票していたにも拘わらず、民主党に背を向け、2016年にはトランプと彼が支援する議員候補者に票を入れた。海外に流出した仕事を「取り戻す」というトランプの公約が現実になってほしい、というはかない期待を抱きながら。一方、進歩派の多数はクリントンの歯切れの悪い「漸進的変化」という言い方に絶望するか、あるいは彼女の陣営の卑劣な攻撃に腹を立て、緑の党に票を入れるか、きっぱり棄権する決定を下したのだった。クリントン陣営は、民主党全国委員会(DNC)の黙認の下、進歩派バーニー・サンダース候補の造反的な選挙運動を弱体化させる動きをしていた。こんな事情があり、トランプは、ウィスコンシン、ミシガンそしてペンシルバニアのような、通常は民主党州と言われるいくつかの州で、僅差だが、決め手となる勝利を手にすることができた。
 
進歩派グループの心に今あるのは、民主党はもっとずっと左よりに政策の舵を切る必要があるという自分たちの主張が証明出来るかもしれない、という期待だ。そのためにはこの秋、中西部とおそらくは南部も含め、民主党支配層に属する候補者が敗北した州で、選挙に勝つ必要がある。  

大きな試金石はテキサス州となるだろう。テキサス州の世論調査では、民主党進歩派のベト・オルークが共和党現職の上院議員テッド・クルーズと互角状態で、11月には勝利する可能性が十分にある、となっている。しかし、DNCの巻き返しもあり、予備選で進歩派の有力候補が予備選で敗退している。それはより保守的な現職、あるいは一番の対立候補に潤沢な支援資金が流れたからであり、またジョー・バイデン前副大統領やオバマ前大統領のような党指導者をより保守的な候補者の選挙応援に積極的に投入したからである。(オルークの場合、民主党は彼の立候補を支援しなければ、来年上院で多数派を取り戻すことなど望みうべくもない)

こういったことがすべて11月にどういう展開になるかはまだわからない。もし進歩派が言うように、民主党へ票を投じてくれる基盤となる人たちが望むのはもっと左寄りのきっぱりと反対を口にできる民主党であり、①医療費の社会負担、②最低賃金の引き上げ、③国の軍国主義政策と、国内で必要とされる社会的支出を犠牲にしたペンタゴン予算の止まることを知らない増額を止めること、などを前面打ち出すことを待っているのだ、というのが本当ならば、秋の選挙で進歩派候補者は大勝利を収め、民主党の伝統的保守派は、現職の一部も含め、敗北の憂き目をみることになるだろう。

それがどんな風に民主党の上下両院多数派奪回へのインパクトになるのか、現時点では予想は難しい。