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みなさんよ、持つべきものは敬意だぜ!アメリカはよ、標準英語教育を捨てて、黒人言語を良しとしたんだ!

< 記事原文 寺島先生推薦>Y’all show some respeck now! America gives up on teaching ‘standard English’ in favour of ‘Black language’ instead


RT 論説面 2020年9月3日


マイケル・レクテンウォルド

Michael Rectenwald

is an author of ten books, including the most recent, Beyond Woke. He was Professor of Liberal Arts at NYU from 2008 through 2019. Follow him on Twitter @TheAntiPCProf

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 
2020年9月25日


 学者たちが、英語は「言語による反黒人人種差別」だと批判したことを受け、米国の主導的な言語研究協会は「黒人の学生たちが、正式な英語を気にしないでもいいようにしろ」という要求を承認した。もちろん「正式な英語を使うこと」についても、だ。

 大学における作文とコミュニケーション協議会(CCCC)は公式見解を発表し、大学の教室において「教員たちは学術用語や標準英語の使用をやめ」、「黒人英語」を教えるよう要求した。

 この声明には、「今回はただの表明じゃないぜ。黒人英語正当化の要求だ」というタイトルがつけられている。この声明は米国の英語学の教授たちが提起した長い文章であり、同じ文の繰り返しも多く、いくぶん冗長な文章である。そして、この声明が要請しているのは、高等教育における言語の使用と教育に関するものであり、その中には「標準英語」の排除や「教員や研究者や学者たちは黒人英語に敬意を払うべきだ」という内容も含まれている。

 この声明は、その草案起草者たちの言葉によれば、BLM(黒人の命も大事だ)抗議活動や暴動、さらには新型コロナウイルスの流行(彼らは、その流行は不均等な形で黒人たちに悪影響を及ぼしたとしている)を受けて出されたものだ。その声明では、言語使用の多様性に関してすでにCCCCが発表した25以上の表明や議決をあげているが、この声明の草案起草者たちの主張は、これらの表明や議決だけでは以下のことを推進していくには全く不十分であるとしている。それは、「黒人の言語に対する気づきを高め、意識や言語(いずれか一方か両方)に関する自立心を涵養し、白人優勢主義を払拭し、言語による反黒人的な人種差別を除去すること!」の推進である。

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 この表明が単なる一握りの「黒人言語学者」による「要求」ではないのかと邪推する人が出ないように、 8月3日CCCCは公式にこの議決を承認した。 つまり、英語教育については、米国で重鎮的な位置を占めるこの協会が、「黒人学生はもう“標準英語”について、さらには標準英語を使用することについても悩まなくてもよくなる」ということを認めたことになる。

「黒人英語」(例えば“ain’t” や“put some respeck on”など)を申し訳程度にちりばめてはいるが、この声明自体は学術用語で書かれていて、専門用語や上から目線の言い方が必要以上に多用されている。これこそ学術論文が不人気な理由なのに。

 さらにこの声明は、「全ての学生が、黒人英語の研究家や専門家から学ぶ機会が保証されるべき」という要求を行っているが、そうなると明らかに「黒人英語」が使用できるのを黒人だけに制限することにつながる。黒人以外の人たちが「黒人英語」を使用することが、「文化の盗用」と見なされ、禁じられることになるからだ。そうなると明らかに、「黒人英語」が歴史上初めて、以下のような言語となってしまう。すなわち、ある人がその言語を覚えたいと思っても使えるようになること許されず、その言語を現在話している集団から、他の集団の人が話すことを望まれなくなる言語になるということだ。その人の肌の色が適切な色でない限りは。 

 学者たちだけが既得特権を持つと思われても仕方がないだろう。その特権とは、学者たちだけが「学術用語」を学び使いこなせるようになるという特権だ。その学者たちの教え子たちはそんな力をつけようとすることさえ許されず、推奨されないというのに。学者たちはそんな教え子たちを「単一の言語しか知らない言語学者か!」や「文化の枠にとらわれている!」などと叱責しないのだろうか? なぜ彼らの教え子たちがジョン・ミルトンのような白人作家の作品を理解することを遮られないといけないのか?そして トゥパック・シャクールのような黒人作家の作品の学習に制限されないといけないのか?こうなってしまうと、学者たちの黒人の教え子たちが、どこまで能力をつけられるかの先が知れてくる。 

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 実際、「黒人言語学は標準英語や標準英語以外の多様な英語使用を排除して教授され、また奨励されるべきだ」という前提は、文化や言語の均一主義を生み出してしまう。その均一主義を言い換えれば、「黒人は皆同じような話し方をすべきだ」や、「黒人は“白人”英語に触れてはいけない」ということになる。そうなれば学生たちが、英語のすべての文体を理解し使いこなすことなどとうてい不可能なことになってしまう。

  こんな要求は、意図的な人種隔離を生み、表現の貧困化にしかならない。そう、まさにハーレム・ルネッサンス派の作家ラルフ・エリソンが嘆いていたことと同じだ。エリソンは、アーヴィング・ハウが「エリソンのような黒人作家は“抗議活動小説”だけ書いていれば良い」と言ったことに対してこう批判していた。「ジム・クロ-南部よりひどい囲い込みだ!」



 

 

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HBO Maxが、人種差別主義と闘うために『風と共に去りぬ』を配信中止―――そして私は、率直に言って、みなさん!強い関心を持っているのですよ。


<記事原文 寺島先生推薦>
HBO Max has pulled ‘Gone With the Wind’ from its service in order to fight racism and, frankly my dear, I DO give a damn!


RT 論説面 2020年7月10日

マイケル・マッカーフリー

Michael McCaffrey is a writer and cultural critic who lives in Los Angeles. His work can be read at RT, Counterpunch and at his website mpmacting.com/blog. He is also the host of the popular cinema podcast Looking California and Feeling Minnesota. Follow him on Twitter @MPMActingCo

<記事翻訳 寺島翻訳グループ>

8月10日


 動画配信サービス会社HBOマックスは映画『風と共に去りぬ』を人種差別的だと判断し、その配信をとりやめた。その理由というのは、どうやら、視聴者というのは自分の考えもなく、頭が悪すぎるからそんなものを観せるわけにはゆかない、ということのようだ。

 ここ数週間、「Black Lives Matter(黒人の命は大事)」のプラカードを持ったデモ隊が通りを埋め尽くす中で、私は「人種差別はウイルスである」という言葉をよく耳にした。それが本当ならば、この新しい映像配信会社HBOマックスはまさにその治療法を見つけたことになる。

 HBOマックスが世界から人種差別を根絶するためのシンプルで残酷なほど効果的な治療法は、1939年の名作『風と共に去りぬ』の配信サービスを停止したことだ。・・・とりあえず・・・少なくとも「歴史的背景を踏まえた議論をした上で」この映画を再配信できるようになるまでは。」人種差別主義者たちよ、聞こえたか!

 マーガレット・ミッチェルの同名小説を原作とした『風と共に去りぬ』は、皮肉なことにアフリカ系アメリカ人のハティ・マクダニエルが史上初の助演女優賞を受賞するなど、アカデミー賞10部門を受賞した。また、この映画は史上最高の興行収入(インフレ調整後)を記録しており、広く史上最高の映画の一つと考えられている。


 しかし、この映画の許せない罪は、南北戦争や復興期のアメリカ南部を舞台に、黒人奴隷が慈悲深い白人の主人を慕う、幸せで充実した待遇を受けた集団として描かれていることだ。

 ありがたいことに、HBOマックスの迅速な行動は、アフリカ系アメリカ人は今日よりも幸せで幸運な奴隷時代にはるかに良い暮らしをしていたという、最近ではどこにでもあるように思われるこの非常に人気のある理論に終止符を打つことになるだろう。

 私の切なる願いは、HBOマックスやハリウッドの天才たちが、今こそ、社会的問題への気づきの一線を越えていたり、私たちの繊細な感性を傷つける過去の有名作品にも目を向けてくれることだ。

 例えば、『スターウォーズ』シリーズはすべて、「覚醒の炎」の中にただちに放り込む必要がある。その同性愛嫌悪はこの映画に出てくるC3POにはっきり表現されており、それはゲイであることを決して表には出さないすべてのゲイ・ロボットの、神経を逆撫でするような、典型だからだ。

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 北米・カナダの山中に棲むという巨大な毛深い人間に似た動物であるサスクワッチ(=Bigfoot)社会の構成員が『スターウォーズ』に出てくるチューバッカを見たらどう思うだろうか?チューバッカは明らかにサスクワッチの流れを汲むものであるのにそれを否定し、また自分を「森林惑星キャッシークからきたウーキー族」などと呼んでいるのを見たらどう思うだろうか?チューバッカの言葉は一貫して喉声で未発達なのに、手にしている石弓はレーザー仕込みになっている。そんな姿を見て誰がサスクワッチのことを思い浮かべるだろうか?

 スティーブン・スピルバーグの『シンドラーのリスト』も退場しなければならない。歴史的には正確かもしれないが、それは問題ではない。何故なら、反ユダヤ主義者が、あんなものをナチスのポルノぐらいにしか見ていないことはバレバレだからだ。まさに吐き気がするほどの映画であり、こんな邪な理由で何かを楽しもうとする連中に、私は、はっきり言って我慢がならない。・・・いや、その点に関しては、理由は真っ当だな。

 ナチスと言えば、『サウンド・オブ・ミュージック』も、本当のところは、ナチス寄りに感じられる。特に、画面いっぱいに笑顔で歌っているあの白人たちを見ると、だ。・・・だからこれもゴミ箱行き。

 歴史の研究をしているから私には言えるのだが、
『ドクトル・ジバゴ』はロシアがテーマだ。・・・うーん・・・主流メディアとハリウッドを見てはっきり分かるのは、彼らがロシア人とナチスを同一視していることだ・・・だからこのクソ映画も焼却!

 私の歴史に関する膨大な知識から言えば、1956年の名作『十戒』は今すぐアメリカのスクリーンから追い出す必要がある。この映画がどれほどエジプト人を否定的に描いているか分かだろうか?それは、正真正銘、私にはイスラム嫌いにしか見えない!

 『タイタニック』は抹消されるべきだ。理由は白人しか登場しないからだけではない。クルーズ船業界の悪い面に光を当てていることもその理由だ。いいですか、諸君!企業だって人ですよ(法人なんだから)。

 『ターミネーター』シリーズもそうだ。この映画はスカイネットのネガティブな描写でテクノロジー業界を本当に誹謗中傷している。テクノロジーが悪意のある勢力として見られることを、シリコンバレーの人たちはどう感じると諸君は思うのか?

 テクノロジー業界といえば・・・フェイスブック創業者マーク・ザッカーバーグの気持ちを考えるならば(もし彼に感じるという能力が少しでもあれば、の話だが)、『The Social Network』は未来永劫に亘って禁止されるべきだ。

 『ブギー・ナイツ』は、とんでもない巨根の持ち主を否定的に描いていて、個人的にはとても不快だった。だから、これもボツ!

 では、『市民ケーン』はどうだろうか?確かに少年ケーンと彼が大好きだった橇(そり)を型破りに描写しているが、他方メディアを所有する億万長者層(HBOマックスはこの層の成員)を本当に軽く扱っている。それが私には我慢ならない。・・・これも焼却処分!

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Destroy EVERYTHING! Will culture police keen to purge historical racism turn to museums, galleries and libraries next?

 実際、その程度はどうあれ、少しでも人を不愉快にさせる映画は、その理由は問わず、すべて禁止する必要がある。それだけでなく、すべてのコピーは焼却し、その灰は風の中にまき散らさなければならないと思う。そうすれば、あらゆる種類の憎しみや偏見は永久に宇宙から根絶されるだろう、未来永劫に亘って。・・・アーメン。

 HBOマックスに関して言えば、私たちは同社の英断に敬意を表し、全員、跪くべきだと思う。同社は私たちを私たちが持つ脆さと愚かさから救ってくれたのだ。選択の自由という重荷を取り除いてくれたのだ。映画『風と共に去りぬ』を、「文脈」など一切お構いなしに上映禁止にすることで。

 要するに、マルチン・ルーサー・キング・Jr、マルコムX、そしてネルソン・マンデラは、すべて失敗したが、HBOマックスは見事に成功したということだ。人種差別は今、最終的かつ不可逆的に「風と共に去った!」

動画:群衆が取り壊し、火を着け、それから唾を吐きかけたのはコロンブスの銅像だった。その後、銅像は近くの湖に投げ込まれた。


<記事原文 寺島先生推薦>

WATCH: Crowd tears down, sets alight, then SPITS ON Columbus statue before throwing it in nearby lake


RT USニュース
2020年6月10日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年7月31日   


 米国で人種差別や警官の残虐行為に反対する抗議活動が続く中、抗議活動者たちが取り壊し、火をつけ、水没させたのは、奴隷制度の歴史上もう1人の悪名高い人物だった。そう、クリストファー・コロンブスだ。

 何千人もの抗議者たちは、6月9日の夜、リッチモンド市のバージニア・バード公園に集まり、そこで何人かが演説を行った後、現地時間午後8時30分ころ、2メートル50センチほどの背丈のコロンブスの銅像をロープを使って取り壊した。警察は止めに入らなかった。

 さらに、火もつけられたようであり、怒りに身を任せた群衆は銅像を近くの湖まで引きずっていき、湖の暗い深みに沈んでいく銅像に唾を吐きかけた。その様子を目撃者が動画におさめていた。







  「我々は、奴隷制度の本当に開始された所から始めないといけない。我々はこの大陸に最初に足を踏み入れた人から始めないといけない」

 この行為に参加していた活動家のチェルシー・ヒッグス・ワイズさんはこう語った。




 
 銅像があった場所にはこんな但し書きが残された。「コロンブスこそ大虐殺を起こした人物の代表だ」。クリストファー・コロンブスの銅像が米国南部に初めて建てられ、除幕式が行われたのは1927年12月のことだった。






 先週、バージニア州知事のラルフ・ノーサム氏はリッチモンドにある、南軍の将軍だったロバート・E・リーの銅像を移動させ、倉庫に置くと明言した。ミネアポリスの警官が取り調べ中に起こしたジョージ・フロイドさん殺害事件に伴い、国中で人種差別に反対する人達の感情が高まっている中でのことだ。

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RT.COMGeneral Lee statue to be removed from Virginia’s capital, Richmond
 

 今月(6月)初旬、南軍の大将でありアラバマ州バーニングガム市の創設者であるチャールズ・リンの銅像も取り壊され、顔面が剥ぎ取られた。

 歴史上の抑圧者や奴隷商人たちの銅像を取り壊そうという動きは今世界中で急速に起こっている。ベルギーではレオポルド王の銅像を撤去して欲しいという請願書が大きな注目を集めている。

 同じく、英国では大論争が巻き起こされ、ある銅像のひとつが取り壊されもうひとつは撤去された。さらに多くの銅像が、抗議者たちや政府によって移動させられたり壊されたりしている。

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London landmarks under review after toppling of Bristol slaver statue, says Mayor Sadiq Khan    

 

 

Covid-19時代の暴動は、白人エリートによって露骨に略奪をされた「言葉を聞いてもらえない人たちのことば」である

<記事原文 寺島メソッド推薦>
Riots in Covid-19 era are the ‘language of the unheard’, looted bare by white elite

RTOp -ed 2020年5月30日
ポール・ストリート

By Paul Street, the author of numerous books, including They Rule: The 1% v. Democracy (Routledge, 2014) and The Empire's New Clothes: Barack Obama in the Real World of Power (Routledge, 2011).



 ミネアポリスでの警官による黒人殺害事件は、大規模な抗議活動を引き起こし、米国の差別の根深さを明らかにした。経済危機や「法的に認められた」支配者階級による略奪がCovid-19の蔓延の中増加しているのだ。

 ミネアポリスの白人警官による46歳の黒人ジョージ・フロイド氏の殺害は、暴力的な抗議活動の波を引き起こした。これは、「人種差別的な警察による残虐行為がまた起こった」ではすまない何かに根ざしたものだ。

 悲しい事だが、21世紀の米国で無防備の黒人が白人の警官に殺害されたことによって起こった大規模な黒人の抗議活動について、新しいことは何もない。大規模な行進や警察や一部では州兵との衝突が、以下の殺人事件を受けて起こっている。「警察が殺害に加わった」エリック・ガーナー氏殺害事件(2014年7月、ニューヨーク市)、マイク・ブラウン氏殺害事件(2014年8月、ミズーリ州ファーガソン市)、ウォルター・ラーマー・スコット氏殺害事件(2015年4月サウスカロライナ州ノースチャールストン市)、フレディ・グレイ氏殺害事件(2015年4月バルチモア市)、フィランド・カスティール氏殺害事件(2016年7月ミネソタ州ファルコンハイツ市)キース・ラモント・スコット氏殺害事件(2016年9月、ノースキャロライン州シャルロット市)。

お馴染みの大規模な混乱
 しかし、フロイド氏の殺害事件については、通常の「黒人の命も大事だ」という演説や行進や衝突を超えるものとなった。ミネアポリスでは、4日4晩市民による暴動が続き、100を超える建物が破壊され略奪された。この混乱には、小売店舗から生活必需品やその他の商品を窃盗する(「略奪」)ことや、フロイド氏の殺害の共犯である4名の警官の管轄内である警察署の焼き討ちを含む放火も行われた。

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WATCH protesters return & FACE OFF with riot police at White House after causing lockdown


 ミネアポリス市の白人市長が、その殺害に対して謝罪をせざるを得なくなり、ミネソタ州の知事は、反乱を鎮圧するために国家警備隊を配備したことで「制度的人種差別者」の烙印を押されることになった。ドナルド・トランプ大統領は、SNSを使って国家承認の大量殺人で脅した。「略奪が始まれば、発砲も始まる」とツイートしたのだ。このツイートに関してはツイッター社が「暴力的な脅威にあたる」と警告を表示した。トランプのツイートは、1960年代以来の黒人の抗議活動を取り締まる南部の人種差別主義者の言葉から取られたものだ。

主流メディアの誰も認めたくないことだろうが、略奪は米国では通常の高度に組織化された支配階級の活動だ。最近党派を超えて承認されたコロナウイルス流行蔓延による2兆2000億ドルの企業救済金(米国の圧倒的多数派である労働者階級に対するすずめの涙ほどの救済金と抱き合わせで可決された)がその一例だ。左派の活動家ドグ・ソロン氏が、私にこんな手紙をくれた。「どれだけ、金持ち連中が略奪してきたか、つまり、税金や補助金を横取りしてきたことか。何兆ドルにもなろう。なのに本当の抗議活動は全く起こらないのか?」(全くなしだ。少なくともオバマ政権と民主党市政が2011年の秋、「ウォール街を占拠せよ」運動を押さえ込んで以来は。)

「彼の名を言え!ジョージ・フロイドだ」運動はフェニックスからコロンバス、デンバー、メンフィス、ロサンゼルスなどの全米各市に広がり、何千人もの人々が街の中心部に集まり・州都で行進を行っている。発砲事件が、多数の都市で発生し、 ルイスビル市では、警官による26歳の黒人女性ブリアンナ・テイラーさんの殺害事件に対して群衆が蜂起した。コロンバスの中心街では、抗議者たちが主要幹線道路を占拠し、オハイオ州議事堂の窓を割り、小売店の入口を壊しダナーゼネラル社の子会社であるDGXストアに侵入した。

 最終的には、抗議者たちは首都に到達し、封鎖されたホワイトハウスで催涙ガスが抗議者たちに撒かれた。なぜ、今回のジョージ・フロイド氏の殺害に対してこのような激しい市民による暴動が尋常ではない形で長く続いたのだろうか?個人の所有物の破壊のいくつかは、今回の抗議活動とは考え方が異なる白人の米国人の団体により先導された。セント・ポールのある警官が挑発者となって、オート・ゾーンの商店街の窓を割ったことを疑う人もいる。右派の白人国家主義者やネオナチの人たちが、彼らがずっと主張してきた「人種間の戦争」に火をつけようと活動している可能性もある。左派の無政府主義者たとや反ファシズム主義者たちが、混乱や反抗に火をつける機会を掴んでいる可能性もある。

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経済的な絶望
それでも、驚くべき多数の米国黒人が、激しい市民による暴動に参加しているということには納得できる理由がある。フロイド氏の殺害は、白人警官が被害者であるフロイド氏の首を8分に渡り跪かせて起こった事件だったのだが、この事件はニューヨーク市警の悪名高い全国的な醜聞になったエリック・ガーナー氏殺人事件の戦慄を思い起こさせた。ガーナー氏と同じくフロイド氏も中年男性で、暴力的な行為は無かったのに罪を問われ、「息ができない」と懇願する中、残忍な白人警官から無慈悲の攻撃を受け窒息死させられた所を動画で撮影された。

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絶望的な経済
 小売店舗の略奪は、市民の権利や人権の問題であると同時に絶望的な経済の問題でもある。米国におけるcovid-19及びコロナウイルスが火をつけた経済不況は、すでに深刻に貧困化が進み激しく差別された黒人の共同体に、特別で悲劇的な苦しみを与えている。
黒人家庭の資産の中央値は 17,600ドルだ。一方白人家庭では 17万1,000 ドルだ。国内の黒人の失業率と貧困率はずっと前から少なくとも白人の2倍高い。米国の実際の失業率は20%かそれ以上
に達しているが、国内の黒人居住地区(ゲットー)では仕事がない人の割合は、それよりも確実にずっと高いと言える。そして米国の黒人たちは、仕事があっても、彼らの仕事は不均衡に給料が安く医療保険もついていない仕事に集中している。こんなことは、Covid-19が身の周りで 特別な損害を引き起こしている今、全くちょっとした問題ではないのだ。

 こんな状況なのに、国内で1番上の存在である今の米国大統領が、ずっと以前からの人種差別者であり、新しい独裁主義的な白人国家主義者なのだ。その大統領が、国内の白人警官のほとんど全員に、有色人種の共同体と当たるときは、「強くなれ」と発破をかけているのだ。「強くなれ」とは、「打ちのめせ」、「傷つけろ」、「殺せ」の隠語だ。

 マーチン・ルーサー・キング・ジュニアが、1960年代中頃に起こった人種差別に関す暴動を振り返って語った言葉が、2020年の「彼の名を言え」運動に対してもよく当てはまる内容なのだ。キングはこう言った。「暴動は、言葉を聞いてもらえない人たちの詞だ...アメリカ合衆国が聴き逃している言葉だ。黒人の貧しい経済状況は、ここ数年悪化の一途をたどっている。」

黒人による暴動は、犯罪だ。しかしそれは白人による略奪が原因だ。

 街に繰り出す黒人の暴動者たち(彼らは、トランプや彼に続く略奪者たちとは全く違ったように捉えられているが)は、白人の批判者たちが主張しているように、法律を遵守していないと言えるだろうか?

 「そうだ」とキングは1967年のカナダの国営放送ラジオで答えた。そしてこうつけ加えた。暴動者たちの違法行為は、「派生的なものだ。白人社会の政策立案者たちが行っているより大きな罪がうみだしたもの」 で、「その人たちが差別を創り上げ、スラム街と永遠に続く失業と無知と貧困を創り上げたのだ」とキングは強調した。「白人は黒人居住地の決まりを守らない。毎日毎日、白人は社会福祉の法律に違反し、貧しいものたちからなけなしのものを奪い取る。白人は、建築の基準や法律を堂々と無視する。白人警官は法律をあざけっている。白人は、雇用の平等、教育の平等、公共サービスの支給の平等を侵している。スラム街は白人社会が小手先で作り出した残忍な体制だ。」
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暴動者たちは暴力行為に参加していたのか?「そうだ」と1967年にキング牧師は答えた。彼らの攻撃は「驚かされるほどの暴力だ。しかし暴力の向けられた矛先は人ではなく資産であった」と。 キング牧師はそのことをこう見ている。「資産というのは白人が力を持っているという社会構造の表れだ。そのことを暴動者たちは理解して、攻撃し、破壊しようとしているのだ」。その資産を「聖なるもの「だと考える者たちに対して、キングはこんな主張を投げかけている。「資産というのは、生活のための存在するものとして意図されたものだ。どれだけ我々が権利や敬意で取り囲まれたとしても、資産は個人の尊厳には勝らない」

 ミネアポリスやコロンバスやその他の場所でしめされた「略奪」や資産に対する冒涜行為に対して反射的に嫌悪感をもつ米国人たちは、半世紀以上前のキングの審判を思い出した方がいい。 窓や建物を破壊したり、日用品を購入することなしに流用したりすることは小さな犯罪だ。人を殺したり何百万人もの有色人種を居住地に押し込めたりすることと比べたら、小さな犯罪だ。その居住地では、貧困や仕事のない人たちや病気があちこちに拡がり、さらに死を引き起こすような恐ろしい病気の蔓延と経済不況が、尋常でない激しさとともに拡がっている。

 ウィリアム・C・アンダーソン氏はこう記している。

 「私たちが関心を持つべき強盗行為とは、絶望を生み出すような体制が原因で行われる窃盗だ。そのような絶望の中では、困っている人々は、権利として保証されるべきものを自ら奪い取りに行かなければならない。」

 資産が黒人の生命より大事なわけがない。法律も同じだ。


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