単なる窃盗事件ではなくロンドンの信用に対する殺害事件だ。英国はベネズエラの正式な大統領マドゥーロ氏に金塊の返還を拒否。
<記事原文 寺島先生推薦>
UK denying Maduro access to Venezuelan gold is not only THEFT, it’s MURDER of London’s reputation as trusted financial center
RT 論説面
2020年7月3日
ジョージ・ギャロウェイ

George Galloway
was a member of the British Parliament for nearly 30 years. He presents TV and radio shows (including on RT). He is a film-maker, writer and a renowned orator. Follow him on Twitter @georgegalloway
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年8月25日

最近のイングランド銀行のいろいろな基準は薄弱になっていて、なぜそんな銀行と取引をしたいと思う人間がいるのかわからない。私ジョージ・ギャロウェイの、英国の銀行と司法に対する評価は「不可の不可の不可」だ。
私がまだ子どもの頃、「イングランド銀行と同じくらい安全」は「よく言われること」だった。それは信頼性と安全性の頂点を示す言い方だった。しかし、ベネズエラのように、そして愚かにも自国の富を英国に委ねる他の南半球の国が、ロンドンの高等法院の判決ではっきり分かったように、イングランド銀行はもはや「安全な金庫」ではなくなっている。
ほぼ10億ドル相当のベネズエラの金塊をイギリス政府は盗んだ。この窃盗は合法化された。そしてこの泥棒たちはマスクをして顔を隠そうともしなかった。
この金塊は当時世界的に承認されていたベネズエラ政府によってロンドンに預けられた。しかし、現在世界的に承認されているニコラス・マドゥーロ政府は、その10億ドル相当の金塊をニューヨークの国連に移送することが認められていない。それはマドゥーロ政府が国連開発計画にコロナウイルス・パンデミック対策費として考えているものだ。
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Venezuela in legal battle to get its gold back from Bank of England
あろうことか、カラカスの街角から連れてこられただけの、フアン・グアイドという名前の男が金塊の合法的な所有者だと「不思議の国アリス」ロンドン高等法院は言うのだ。この男はベネズエラ選挙の洗礼も受けていないし、今では反政府勢力の指導者として選出されることもない。『鏡の国のアリス』のハンプティダンプティではないが、結局のところ、現在、言葉は、イギリス政府が付与したいという意味があれば、どんな意味にでもなってしまう。
ベネズエラで選出されたニコラス・マドゥ-ロ大統領は、世界の大多数の国に承認されている。さらに重要なのは、彼の政府が国連で認知されていることだ。英国政府が高等法院に語ったニコラス・マドゥーロ政権は「認知されていない」というのは真実ではない・・・国連の食堂でも、会議場でもいろいろな議論がなされるが、その中でマドゥーロ政権は毎日認知されているのだ。
さらに、イギリス外交の原則として、領土を実効支配している者は誰であろうと「認知する」、というのがある――その人物が好きか嫌いかは関係ない。しかし、考えてみれば、イギリス政府は以前に一度だけその「原則」に違反したことが実際ある――カンボジアの大量虐殺殺人者ポル・ポトを承認し続けた時のことだ。イギリス政府は、第一の同志ポルポトは国連の席を追われるべきではないという主張を止めなかった。ポル・ポトが実際政権から放逐されてからもずっとそうだったし、カンボジアに死体の山が積み上げられている間もそうだった
どの基準から見ても、マドゥーロはベネズエラを実効支配しているが、フアン・グアイドはそうではない。マドゥ-ロはベネズエラの隅々を支配し、選挙で選ばれた大統領であり、国連や世界のほとんどの国に認知されている。グアイドは選挙で選ばれた大統領ではなく、国連にも世界のほとんどの国にも認められておらず、ベネズエラの領土を1インチたりとも支配していない。しかし、彼は、今、イングランド銀行の金塊の誇らしげな所有者だ。こんなやり口にかかれば、映画『大列車強盗』はほんの些事に見えてしまうし、グアイドに比べたら、映画『バグダッドの盗賊』は素人だ。これは英国の地で行われた中で過去最大の単独窃盗行為だ。そしてこれには表面からは窺い知れない何かがある。
ALSO ON RT.COM

Mystery of the Venezuelan gold: Bank of England is independent of UK govt – but not of foreign govt
ま、その犯行現場はひとまず置くとしよう。ベネズエラのことはひとまず置くとしよう。それでも象牙の塔にいるイギリスの役人たちは、気付くべきだ。今週、高等法院のあるロンドン・ストランドで起きたのは単なる窃盗ではなく殺人だったことを。信頼できる金融センターとしてのロンドンの信用が殺されたのだ。
ロンドンに自国の富を投資している政府は、現在の残高とは言わないが、自分の頭の中は調べてみる必要は確実にある。高等法院の決定は、「カリブ海の海賊」に青信号を与えたことになったからだ。そして次はあなたの番かもしれない。英国政府と決裂すれば、英国政府は今、彼らがつかむことができるあなたの国のすべての富を、あなたの国の野党に手渡すこともやりかねない。それがどんなに自分たちの信用失墜行為だったとしても。
金融基準における丸一日の仕事の成果は「不可の不可の不可」だった。
もし私が全国宝くじに当たったら(私はやらないが)、当たった数百万ドルは絶対にロンドンには預けないだろう。ロンドンの基準は、アリスのようにウサギ穴を今しがた転げ落ち、今後再浮上することは絶対ないだろう。ロンドン・シティは沈没したのだ。
私が若い頃、アイルランド人の祖父に「先生が言っていたんだけど、イギリスは太陽が沈まないほど広大な帝国を持っているんだって」と話したことがある。彼の答えは「それは、神が暗闇の中にいる英国を絶対信用しないからだよ」だった。彼の言葉は真実だということが今では分かる。そしてベネズエラも同様だ。
UK denying Maduro access to Venezuelan gold is not only THEFT, it’s MURDER of London’s reputation as trusted financial center
RT 論説面
2020年7月3日
ジョージ・ギャロウェイ

George Galloway
was a member of the British Parliament for nearly 30 years. He presents TV and radio shows (including on RT). He is a film-maker, writer and a renowned orator. Follow him on Twitter @georgegalloway
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年8月25日

最近のイングランド銀行のいろいろな基準は薄弱になっていて、なぜそんな銀行と取引をしたいと思う人間がいるのかわからない。私ジョージ・ギャロウェイの、英国の銀行と司法に対する評価は「不可の不可の不可」だ。
私がまだ子どもの頃、「イングランド銀行と同じくらい安全」は「よく言われること」だった。それは信頼性と安全性の頂点を示す言い方だった。しかし、ベネズエラのように、そして愚かにも自国の富を英国に委ねる他の南半球の国が、ロンドンの高等法院の判決ではっきり分かったように、イングランド銀行はもはや「安全な金庫」ではなくなっている。
ほぼ10億ドル相当のベネズエラの金塊をイギリス政府は盗んだ。この窃盗は合法化された。そしてこの泥棒たちはマスクをして顔を隠そうともしなかった。
この金塊は当時世界的に承認されていたベネズエラ政府によってロンドンに預けられた。しかし、現在世界的に承認されているニコラス・マドゥーロ政府は、その10億ドル相当の金塊をニューヨークの国連に移送することが認められていない。それはマドゥーロ政府が国連開発計画にコロナウイルス・パンデミック対策費として考えているものだ。
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あろうことか、カラカスの街角から連れてこられただけの、フアン・グアイドという名前の男が金塊の合法的な所有者だと「不思議の国アリス」ロンドン高等法院は言うのだ。この男はベネズエラ選挙の洗礼も受けていないし、今では反政府勢力の指導者として選出されることもない。『鏡の国のアリス』のハンプティダンプティではないが、結局のところ、現在、言葉は、イギリス政府が付与したいという意味があれば、どんな意味にでもなってしまう。
ベネズエラで選出されたニコラス・マドゥ-ロ大統領は、世界の大多数の国に承認されている。さらに重要なのは、彼の政府が国連で認知されていることだ。英国政府が高等法院に語ったニコラス・マドゥーロ政権は「認知されていない」というのは真実ではない・・・国連の食堂でも、会議場でもいろいろな議論がなされるが、その中でマドゥーロ政権は毎日認知されているのだ。
さらに、イギリス外交の原則として、領土を実効支配している者は誰であろうと「認知する」、というのがある――その人物が好きか嫌いかは関係ない。しかし、考えてみれば、イギリス政府は以前に一度だけその「原則」に違反したことが実際ある――カンボジアの大量虐殺殺人者ポル・ポトを承認し続けた時のことだ。イギリス政府は、第一の同志ポルポトは国連の席を追われるべきではないという主張を止めなかった。ポル・ポトが実際政権から放逐されてからもずっとそうだったし、カンボジアに死体の山が積み上げられている間もそうだった
どの基準から見ても、マドゥーロはベネズエラを実効支配しているが、フアン・グアイドはそうではない。マドゥ-ロはベネズエラの隅々を支配し、選挙で選ばれた大統領であり、国連や世界のほとんどの国に認知されている。グアイドは選挙で選ばれた大統領ではなく、国連にも世界のほとんどの国にも認められておらず、ベネズエラの領土を1インチたりとも支配していない。しかし、彼は、今、イングランド銀行の金塊の誇らしげな所有者だ。こんなやり口にかかれば、映画『大列車強盗』はほんの些事に見えてしまうし、グアイドに比べたら、映画『バグダッドの盗賊』は素人だ。これは英国の地で行われた中で過去最大の単独窃盗行為だ。そしてこれには表面からは窺い知れない何かがある。
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Mystery of the Venezuelan gold: Bank of England is independent of UK govt – but not of foreign govt
ま、その犯行現場はひとまず置くとしよう。ベネズエラのことはひとまず置くとしよう。それでも象牙の塔にいるイギリスの役人たちは、気付くべきだ。今週、高等法院のあるロンドン・ストランドで起きたのは単なる窃盗ではなく殺人だったことを。信頼できる金融センターとしてのロンドンの信用が殺されたのだ。
ロンドンに自国の富を投資している政府は、現在の残高とは言わないが、自分の頭の中は調べてみる必要は確実にある。高等法院の決定は、「カリブ海の海賊」に青信号を与えたことになったからだ。そして次はあなたの番かもしれない。英国政府と決裂すれば、英国政府は今、彼らがつかむことができるあなたの国のすべての富を、あなたの国の野党に手渡すこともやりかねない。それがどんなに自分たちの信用失墜行為だったとしても。
金融基準における丸一日の仕事の成果は「不可の不可の不可」だった。
もし私が全国宝くじに当たったら(私はやらないが)、当たった数百万ドルは絶対にロンドンには預けないだろう。ロンドンの基準は、アリスのようにウサギ穴を今しがた転げ落ち、今後再浮上することは絶対ないだろう。ロンドン・シティは沈没したのだ。
私が若い頃、アイルランド人の祖父に「先生が言っていたんだけど、イギリスは太陽が沈まないほど広大な帝国を持っているんだって」と話したことがある。彼の答えは「それは、神が暗闇の中にいる英国を絶対信用しないからだよ」だった。彼の言葉は真実だということが今では分かる。そしてベネズエラも同様だ。
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