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インドで巻き起こる農民の抗議活動 「農作物の抜本的改革」案の代償は計り知れないものとなる

<記事原文 寺島先生推薦>Farmers’ Protest in India: Price of Failure Will be Immense. “The Plan to Radically Restructure Agrifood”
コリン・トッドハンター著

グローバル・リサーチ
2021年2月7日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年3月5日


 今世界で起こっているのは、ひと握りの巨大企業が、どんな食物を育てるのか、どんな風に育てるのか、どんな農薬を使うのか、誰が売るかを決めてしまっているのが現状だ。この流れの中には、化学物質が添加されている加工度の高い食品も含まれており、その食品が、最終的には業界をほぼ独占している巨大スーパーマーケット・チェーンやファースト・フード店に並べられることになる。これらのスーパーマーケットやファースト・フード店は企業型農業に依存している。

 巨大店舗の棚に並べられている食品の商標は様々あるように見えるが、これらの商標を所有しているのはひと握りの食品会社であり、それに伴い原料の生産は比較的狭い範囲の物に限られている。同時に、選択肢がたくさんあるように見せられていることには、貧しい国々が食品安全保障の犠牲を強いられているから成り立っているのだ。これらの貧しい国々は、農業の生産構造を作り替え、農作物を輸出するために、以下の組織に特別待遇を図るように強いられているのだ。つまり、世界銀行や、IMF(国際通貨基金)や、WTO(世界貿易機関)や、世界規模で展開しているアグリビジネス(農業関連産業)への優遇である。

 メキシコでは、超国家規模の食料販売業者や加工業者が、食料の流通網を押さえ込み、各地域で流通していた食品を追いやり、安価な加工食品を流通させることになっている。そして政府もその動きを直接支援している。自由貿易・投資協定の締結が、この流れに決定的な役割を果たし、さらに、市民の健康が壊滅的な打撃を受けることにもつながった。

  メキシコ合衆国保健省は,2012年に食の安全と栄養に関する報告を出している。それによると、1988年から2012年の間に、20歳から49歳までの女性で太りすぎである人の割合が25%から35%に上昇し、同年代で肥満状態にある女性の割合は、9%から37%に上昇したとのことだ。5歳から11歳までのメキシコの子どもの約29%は太りすぎであり、11歳から19歳までの青年層では35%にのぼることがわかった。いっぽう、学童の10人に1人が貧血の症状を示していた。

 国連の「食への権利」で以前、特別報告者をつとめていたオリビエ・デ・シュッターは、以下のように結論づけている。すなわち、「通商政策によって、長期間、棚で保存できる加工食品や精製食品への依存が顕著になり、フルーツや野菜などの新鮮で腐りやすい食べ物の消費は避けられるようになる」と。さらにシュッターはこう付け加えている。「メキシコで起こっている太りすぎや肥満は避けることができたかも知れない」と。

 NPO法人「グレイン」の2015年の報告によると、北米自由貿易協定(NAFTA)によって、食品加工業への直接投資が行われるようになり、メキシコ国内に世界規模で展開するアグリビジネスやメキシコ国内に全国規模で展開する食品会社を出現させただけではなく、メキシコの小売業界の構造を変えてしまったと言う。(具体的には、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの展開によってである)。

 NAFTAは、外国企業が企業の49%以上の株式を所有することを禁じる法律を撤廃させた。さらには、国内企業の生産割り当て最低ラインを確保する法律を禁じ、外国の投資家が初期投資で利益や運用益を得る権利を拡大した。1999年の時点で、米国企業はメキシコの食料加工業に53億ドルを投資していた。これは12年間で25倍伸びた計算になる。

 米国の食品会社は、メキシコでティエンダ(街角にある店)と呼ばれる零細商店の食品流通網を手中におさめ始めた。このため、栄養価に乏しい食品の普及がすすんだ。それはこれらの企業が、そのような食品の小さな町や共同体に住む貧困層の人たちへの販売を促進したからだ。2012年の時点で、これらの企業による販売網は、ティエンダを押しのけ、メキシコの食品のおもな販売元となった。

 メキシコでは、食の主権が失われたことで、メキシコの人々の健康状態は壊滅的に悪化し、多くの小規模農家たちが生活手段を失ってしまった。それを後押ししているのが、米国からの余剰商品の流入だ。(これらの余剰商品は、米国政府からの補助金によって実際の生産コストよりも安く生産されている)。

 NAFTは、メキシコの何百万人もの農家や、酪農家や、零細小売業で働く人たちを破産に追い込んでいる。そのため、何百万人もが移住労働者として流出した。

インドにとっての警告

 インドの農民たちは、メキシコで起こったことを警告とすべきだろう。インドの農民たちは、新しい3つの農業法案に対する抗議活動を続けている。その法案とは以下の3点を実現させようというものだ。
①契約農業という形態で、農作物を完全に企業の傘下におくこと。
②政府による農民たちへの支援体制を大幅に削減すること。
③輸入食品への依存(後に米国との貿易協定により強化されることになる)を高め、大規模な(オンラインによる)販売を強化すること。

 インドの地方市場や零細小売業者の行く末を知りたいのであれば、米国財務大臣のスティーブン・ムニューシンの2019年の発言を聞けば十分だろう。スティーブンによれば、アマゾン社が、「米国内の小売業を破壊してしまった」とのことだ。

 そしてインドの農家たちの行く末を知りたいのであれば、1990年代の状況を思い出せば十分だろう。当時、IMFや世界銀行は、1200億ドルの融資を行う見返りに、インド政府に農業に対する何億ドルもの支援金をやめるよう助言していたのだ。

 インドは、政府所有の種子供給システムを解体し、補助金を減らし、農業協同組合を停止させ、外貨獲得のための輸出用商品作物の栽培には報奨金を出すよう助言を受けた。その対策の一部には、土地に関する法律の改定も含まれており、それによって農地が売られ、企業用農業用地にまとめられることが可能になった。

 この計画は外国企業が農業分野を取り込むためのものであり、先述した政策にもとづいて、効果的に独立農民たちを弱体化させ、追い出すことになった。

 今日までこの潮流は、ゆっくりと進行してきた。しかし、最近の法改正は、何千万人もの農民たちに致命傷を負わせることになる可能性がある。これこそが、アマゾン社や、ウォルマート社や、フェイスブック社や、カーギル社や、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド社や、ルイス・ドレフュス社や、バンジ社など世界規模で展開している農業技術・種子・農業化学関連企業がずっと欲してきたものを与えることになるのだ。またこの法改正により、インド最大の資産家であるムケッシュ・アンバニや、インド6番目の資産家であるゴータム・アダニに対して、小売業・アグリビジネス・物流における利益を提供することにもなるのだ。

 現在進行中の抗議活動中ずっと、農家たちは催涙ガスを発射され、中傷され、打ちのめされている。ジャーナリストのサツヤ・サガは、こう書いている。「政府の助言者たちが恐れているのは、自分たちが抗議活動を起こしている農民たちに強く対応することができていないように見えてしまうことだ。そうなれば、外国の農作物の投資者からよく思われず、その投資者から農業分野へ大金が流れ込むことが止まってしまう。その大金は経済全体にも使われるからだ」と。

 そのお金は本当に「大金」なのだ。フェイスブック社は昨年、ムケッシュ・アンバニ 所有のジオ・プラットフォームズ社(電子商取引会社)に550億ドルを投資している。グーグル社も、45億ドルを投資している。現時点で、アマゾン社とインドのフリップカート社(ウォルマート社がその81%の株式を所有している)の二社で、あわせてインドの電子商取引誌上の60%以上を支配している。これらの国際的な投資家たちは、現在の農業法改正が廃案になれば、大きな損失を被るだろう。インド政府も同じだ。

 インドが新自由主義経済に門戸を開いた1990年代から、インドはますます外国資本の流入への依存体制が強まっている。政策は、外国からの投資を引きつけ、保持し、「市場の信頼」を維持できるかどうかで決定されてきた。つまり、国際資本の要求を引き受けることによって、政策が決定されてきたということだ。このようにして、「外国からの直接投資」が、モディ政権の究極の目標となっているのだ。

 だからこそインド政府が、抗議活動を行っている農民たちに「強く」出ているように見せかける必要があるのは当然のことなのだ。というのも、国際市場で食品を買うために、外国からの資金を引きつけ、外貨準備金を保持することがいまだかつてなく必要とされているからだ。そのような状況は、インド政府が、農作物の価格を安定させるための緩衝在庫制度をやめ、食に関する政策の責任を私企業に任せるようになってしまうと起こってしまうことなのだ。

 インド国内における農作物を抜本的に改革しようという計画は、農業分野を「近代化する」という偽りの名目で世間に流布されている。そして、この計画を実行するのは、自称「資産創出家」である、ザッカーバーグや、ベゾスや、アンバニだ。確かに彼らは富を作り出した経験は豊富だ。でも、それは自分の資産のためだ。

 任意団体であるオックスファムの最近の記事「不平等なウイルス」によると、ムケッシュ・アンバニは、2020年3月から10月までの間に資産を倍増させた、とのことだ。インドでのコロナウイルス関連のロックダウン措置により、億万長者たちは資産を約35%増やしたのに、2020年4月だけで、1時間ごとに17万人が職を失ったのだ。

 さらにオックスファムの報告によると、ロックダウン措置に先立つ2017年に生み出された富の73%が、1%の富裕層に分配された、とのことだ。いっぽう人口の半数を占める、6億7千万人の極貧層は、たった1%しか富を増やしていない、とのことだ。

 さらに、インドの億万長者たちの資産は、ここ10年でほぼ10倍になっており、彼らの総資産額は2018年から2019年の会計年度のインドの総予算よりも高額だ。

 これらの「資産創出家」たちが、誰のための資産を生み出そうとしているかは明らかだ。「ピープルズ・レビュー」というサイトで、タンモイ・イブラヒムはインドの億万長者富裕層に関する記事を書いている。その記事で、イブラヒムは、アンバニとアダニの2人に深く焦点を当てている。インドにおける縁故資本主義の概略を述べることで、その記事が明らかにしたのは、モディ政権の「資産創出家」たちが完全な自由裁量を与えられ、国庫金や、国民や、環境を略奪することができているいっぽう、本当に富を創出する人々(それはとりわけ農民たちだ)が、生きるための闘いを強いられている、という現状である。

 現在の闘争を政府対農民という構図で見るべきではない。メキシコで起こったことと同じことがインドで起こるとしたら、その影響は農民だけではなく国中で見られるようになる。具体的には人々の健康状態は悪化し、生計手段は失われることになるのだ。

 よく見てほしいのは、インドにおける肥満率がここ20年で3倍になっている事実や、インドが急速に糖尿病大国や心疾患大国となっている事実である。国内家庭健康調査(NFHS-4)によると、2005年から2015年の間に、肥満の人の数は2倍になっており、5歳から9歳までの子ども世代でさえ5人に1人が発育不良状態にあることがわかった。

 しかしこんな状況は、これから先、降りかかる被害の一部に過ぎないだろう。そして、その被害は、農業分野を大金持ちたちに手渡してしまうことから起こるのだ。つまり、億万長者の資本家であるムケッシュ・アンバニゴータム・アダニや(彼らは外国資本に従属し、自国民から搾取して富を得ようという売国奴だ)、ジェフ・ベゾス(世界一裕福な人物)や、マーク・ザッカーバーグ(世界第4位の資産家)や、カーギル一族 (所有資産は14億ドル)や、ウォルマート一族(米国一裕福な一族)に売り渡すのである。

 これらの人々が、インドの農作物分野の富を吸い取ろうとしているのだ。いっぽうで何百万人もいる零細農家たちや、家族経営の小売業者たちの生活はずたずたにされ、さらにはインドの人々の健康状態も冒されているのだ。

 

 

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フィリピンが米国との軍事同盟を辞めると、ドミノ効果を引き起こすかもしれないし、きっとワシントンの反中国音頭は、台無しになる



<記事原文 寺島先生推薦>Philippines quitting military alliance with US may cause domino effect & is sure to spoil Washington’s anti-China drumbeat

RT Op-ed 2020年2月17日 
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Finian Cunningham
is an award-winning journalist. For over 25 years, he worked as a sub-editor and writer for The Mirror, Irish Times, Irish Independent and Britain's Independent, among others.

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ 2020年2月28日>
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フィリピンが米国との軍事パートナーシップを破棄しようとしたタイミングは、米国をかなり狼狽させるものだった。同盟国に、中国に対抗する結集を呼びかけようとしていた時だったので。

東南アジアの一国(フィリピン)は、米国による軍事的「保護」を必要とせず、米国の仲介なしに、中国や近隣諸国と正常な関係を構築できると確信しているようだ。
米国の保護下にある、日本や韓国を含む他のアジア諸国が、フィリピンと同じ結論を下す可能性があり、そのため、「ドミノ効果」が、現状を変えることが起こるかもしれない。

米国防総省のマーク・エスパー長官は、週末にミュンヘン安全保障会議で、世界は、中国を安全保障上の脅威として「見つめ直す」必要があると語った。 しかし、それはフィリピンが中国を見る見方とは異なる。

毎年恒例のミュンヘン会議の数日前、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、1998年に結んだ訪問米軍地位協定(VFA)を終了することを発表した。 正式に協定を終了するには6か月かかる。 この動きは、ドゥテルテが、2016年の大統領選以来進めてきた「中国への接近」のひとつの動きだ。



Also On RT.COM‘It’s about time we rely on ourselves’: Philippines tears up key military treaty with US


この動きは、米国を驚かせたようだ。 しかし、それはドゥテルテが以前行った約束、すなわち、米国と「グッバイ」し、中国とより緊密な経済的および政治的関係を結ぼうという約束を果たしたまでだ。

フィリピンの動きと、ミュンヘンでの反中国の「お経」が、どれだけ食い違っているかを念頭に置き、エスパーは、フィリピンが軍事パートナーシップを廃棄するという決定に不快感を表明した。

「これは、間違った方向だと思います 。今、私たちはフィリピンと二国間で、また、この地域の他の多くの友好国や同盟国とともに、中国にこう伝えようとしています。「国際的なルールに従わなければなりません。 国際規範を遵守しなければなりません 」と」。エスパーは、ヨーロッパに向かう途中、記者団にこう語った。


対照的に、ドナルド・トランプ大統領はフィリピンの動きについてより楽観的な見方を示した。 彼は、フィリピンで毎年行われている多くの合同軍事演習をキャンセルすることで 「 米国は、多くのお金を節約できる」ので気にしないと言った。
トランプの強気な反応は、彼が、外交でいつも見せる、表面上の取引のような態度であることは疑いがない。しかし、国防総省の政策立案者たちが気づいていることだが、より戦略的に深く見ると、フィリピンの基地を失うことは、中国を抑制することを目的とした南シナ海でのパワーバランスにおいて、大きな打撃になる。

「仮想敵国を作る」という考え方は、近年、ペンタゴンの指針として再登場してきた。 いくつかの戦略計画文書は、中国とロシアを明白に地政学的な敵国とみなし、標的にし、これらテロやならず者国家からの脅迫に屈しないよう、説いている。これは、かつての冷戦時代のやり方と同じだ。

危機の原因は、経済的および軍事的に世界支配の野望を維持しようとする米国にある。 米国の一国集中的世界観は、中国とロシアが、米国、欧州、南北アメリカ、アジア、アフリカとのパートナーとして参加する多極的な国際協定とは相容れない。 そのため、両国より優位に立つために、米国は「我々」と「やつら 」を区別する敵対的条件を作り出さざるをえない。「親中」「親露」などとタグ付けをすることで。

  Also On RT.COM Chinese FM after Pompeo & Esper speeches: Replace ‘China’ with ‘US’, and maybe lies become facts?。

この米国の動きは、ロシアが、ヨーロッパ向けに進めている、ノードストリーム2というガスパイプラインのプロジェクトに対抗した動きであるといえる。 米国は、絶えず、ヨーロッパ諸国に、そのプロジェクトをやめるよう、脅している。国家安全保障を盾にしてだ。これは、中国のファーウェイ社に対してやったのと同じ手口だ。
南シナ海では、ワシントンはしばしば、分断させるというやり方で、中国と他の国々との間の領土紛争に介入してきた。 米国のねらいは、中国をその地域における有害な脅威のように見せ、米国が、友好国を「守る」という名目で、軍事力を配置することだ。 しかし、米国が実施するこれらの「航海の自由 」演習の真の目的は、軍事力で中国を包囲することだ。
中国の経済は、年間5兆ドルの商品が出荷される海上貿易ルートである南シナ海に依存している。 東南アジアにおけるアメリカの軍艦と基地は、中国に暗黙の脅威を与え、経済的封鎖を起こすこともできる。米国は、この条件を使い、貿易交渉や政治交渉を優位に進めることができる。

米国の中国を敵視する世界観からすれば、フィリピンが米国との軍事同盟に参加したくないと発表したことは、鼻でわらうような話だ。その同盟は、約70年前、太平洋戦争が終わった1945年にまでさかのぼるのだから。
ドゥテルテ大統領は、長い間、中国を経済的パートナーとして受け入れたいという願望を表明してきた。 彼は、南シナ海をめぐる両国間の領土紛争は交渉を通じて解決できると言っている。

中国は、ドゥテルテの方向転換を歓迎している。 中国はすでに、一連の主要なインフラ整備プロジェクトへの投資で数十億ドルを提供している。 ドゥテルテを批判する人達は、約束された投資が遅れていることを指摘し、ドゥテルテが領土の主張に関して中国にあまりにも多くの譲歩を与えていると警告した。
米国の戦略立案者をさらに悩ませるのは、軍事力を見せつける基地としてフィリピンを失うという兵站面での後退に加えて、「ドミノ効果」 によって、現状に大きなうねりをおこすかもしれないことだ。

Also On RT.COM ‘End that son of a b*tch’: Duterte confirms US-Philippines military collaboration agreement is toast

冷戦時代、ワシントンはドミノ効果による共産主義の広がりを恐れていた。共産主義が広がって、ソ連や中国に触発され、アメリカへの忠誠を捨てることになることを恐れていた。 10年に及ぶベトナム戦争は、米国のそんな不安が引き起こしたのだ。アメリカの影響力が低下するという不安だ。

フィリピンが米国の軍事パートナーシップを拒否することは、アメリカの世界的地位に深刻な打撃を与える。 それは、「我々は保護者である」という米国の自負を大きく損なうものだ。
ドゥテルテ大統領は、国家が真の友好国との対話を通じて協力することが唯一の実行可能な方法であることを正しく理解している。 分断や敵対心を使ったアメリカのやり方には、先がない。

アジア太平洋地域の他のいくつかの国々が、フィリピンが示した新しい方向に注目していることは間違いない。フィリピンの動きが、米国がいう「 間違った方向 」であるわけがない。各国は、フィリピンと同じ道をたどるべきだという答えを出すかもしれない。

「あのくそったれを終わらせてやる」:ドゥテルテは、米国とフィリピンの軍事協力協定は、もうおしまいだと発表した


<記事原文>寺島先生推薦 ‘End that son of a b*tch’: Duterte confirms US-Philippines military collaboration agreement is toast


RT Home News 2020年2月7日
<記事翻訳>寺島メソッド翻訳グループ2020年2月14日

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フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、米軍訓練に対する法的免責を与える「訪問米軍の地位に関する米比協定」(VFA)を「打ち切る」動きをしている。彼の政治的盟友であり、麻薬戦争における戦士であるデラ・ロサ上院議員が米入国ビザの発給を拒否されたことの報復としてだ。
「大統領は、訪問米軍に関する地位協定(VFA)を終了すると述べた」と、デルフィン・ロレンツァーナ国防長官は、金曜日にABS-CBNニュースに語った。「私は、彼に、説明を求めたが、彼は決定を変更しないと言った」。訪問米軍に関する地位協定(VFA)とは、フィリピンで軍事演習を行っている米兵に法的免責を与える協定だ。
先月、元国家検察長官のローランド・デラ・ロサ上院議員のビザを取り消すという米国の決定に激怒したドゥテルテは、米国にその「間違い」を修正するための1か月の猶予を与えていた。政府の他の閣僚達が再考を促しても、それを撤回することもなかった。
「私はあなた方に警告している…もし訂正をしないなら、私は訪問米軍に関する地位協定(VFA)を打ち切る」。 ドゥテルテは先月、こう言った。
“あのくそったれを終わらせてやる”

報道によると、米国は、ドゥテルテの最初の国家警察長官を務めていた時に超法規的な殺人をしたという記録が残っていることを理由に、デラ・ロサのビザの発行を取り消した。警察長官として、デラ・ロサは、大統領の強圧的な反薬物キャンペーンの責任者であった。- それは文字通り「薬物との戦争」で、米国の「薬物との戦争」とは比べものにもならない- 何千人もの死者を出し、世界中から抗議の声が上がった。
テオドロ・ロクシン外務長官は木曜日に訪問米軍に関する地位協定(VFA)の破棄に反対し、こんな主張をした。「2016年以降、我が国は、米国から5億5,000万ドル以上の安全保障援助を受け取っており、諜報活動や訓練を行い、中国の「侵略」を抑止する能力も持ち合わせている。こういったことを踏まえれば、大統領が合意を破棄しなければならないいかなる理由も、米国との協定を覆すには十分ではない。「米国と我が国との間の経済関係の冷え込み」は、ぞっとするような影響を招くだろう。米国との同盟関係の取り消しに手をそめるようなことになれば」。以上が、ロクシンの提案だ。


Also on RT. Com ‘I want to open new fronts with Russia & China as US lived off the fat of our land,’ Philippines’ Duterte tells RT



ロクシンは、また、「米国は、強化防衛協力協定や相互防衛条約を含む、両国間の他の軍事協定を削減するかもしれない」と警告した。「訪問米軍に関する地位協定(VFA)を反故にしてしまうことは、米国と合同で実施する300を超える訓練やその他の演習に影響を与えるだろう」とも。さらに「フィリピン警察や軍が“国家安全保障への脅威”に対抗するためにそのような演習や訓練は不可欠である」と主張した。
ドローンで偽善をとどけた、あのご機嫌な米国が、ドゥテルテ政権は、超法規的殺害を行っていると、再度批判したため、(それは、国務省が、2018年の人権慣行に関する報告書で行ったのと同じような内容だが)ドゥテルテは、助言者のアドバイスをきかず、衝動的な行動をとってしまったのかもしれない。それは、以前、ドゥテルテの麻薬戦争に反対する野党議員の拘留に関与しているフィリピンの上院議員が、米国への入国を拒否されたときと同じくらい頑固な対応だ。
ドゥテルテはまた、米国への依存状態を脱し、台頭する超大国との同盟へ移行することに関心を表明し、「我が国からぜい肉を取り除く」と、米国を非難した。

Also on RT. Com‘I received an invitation to the US. Will I go? No,’ Philippine’s Duterte tells RT

スペイン・カタロニア州の「分離主義者」は非難されるべきだが、
香港の「民主化運動家」は称賛されるべきだ!?
---- オーウェルの小説『1984年』はついに
    自由メディアの指南書になってしまった

<記事原文>Catalonia ‘separatists’ bad, HK ‘pro-democracy protesters’ good: Orwell’s 1984 becomes user’s manual for Western ‘free media’

ジョージ・ギャラウェイ

George Galloway
was a member of the British Parliament for nearly 30 years. He presents TV and radio shows (including on RT). He is a film-maker, writer and a renowned orator.


RT  Home/Op-ed/ 2019年10月15日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ:寺島美紀子 2020年1月31日)


(写真左)2019年10月14日、カタロニア州都バルセロナのエル・プラット空港に通じる高速道路で、抗議運動参加者たちがスペイン警察と衝突©AFP/PAU BARRENA
(写真右)2019年10月6日、香港シャムスイホ(深水土歩)の反政府抗議運動参加者©REUTERS/Tyrone Siu

スペインからの独立をめざすカタロニア州の民主的な州民投票を組織したとして投獄された指導者たちに支持を表明する人たちが、2019年10月14日にバルセロナのエル・プラット空港に続くハイウェイに進撃した。すると、メディアは「分離主義者」が混乱を引き起こしていると大騒ぎをした。ところが、香港で同じ戦術が使われると、それは「民主化運動」となる。

ジョージ・オーウェルの小説『1984年』では、戦争省は平和省と改名された。戦争は平和であり、真実は嘘であり、憎悪が愛なのだ。しかし、ルイス・キャロルのほうが先に同じことを述べていた。

1871年に出版されたルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』では、卵男のハンプティ・ダンプティがアリスに、ちょっと軽蔑するようにこう言った。「おれが言葉を使うとき、それが何を意味するのかは、おれが意図したことだけだ――それ以上でも以下でもない」

アリスは言った。「問題は、言葉にいろんな意味を持たせることができるかどうかだわ」

ハンプティ・ダンプティは言った。「問題は、どちらが言葉のご主人様か。それだけさ」

                     
イギリスの伝承童話『マザーグース』に登場するハンプティ・ダンプティ

ハンプティ・ダンプティが、西側のニュース編集室や、西側の政治家の発言のなかに再びよみがえってきた。いつものごとくだが、それが今シリアで頂点に達しているのだ。

ある人にとっては「テロリスト」でも、別の人にとってはもちろん「自由の戦士」なのだ。今ではそれはもうバカげたことになりつつある。なぜなら、いわゆる括弧つきの「自由」「シリア」「軍」(自由シリア軍FSA=Fighting Syrian Army)は、いまではシリア北東部のトルコ人(トルコ国境沿いのクルド人)襲撃の際におこなった虐殺行為のせいで世界中で非難されているからだ。


Also on rt.com Westerners who propped up Islamist ‘moderate rebels’ suddenly realize they're terrorists as they launch ‘genocide’ of Kurds 西側の人々はイスラム「穏健派反乱軍」を支援してきたのだが、彼らイスラム穏健派反乱軍がクルド人「虐殺」を開始したことで、彼らこそテロリストであると突然に認識するに至った。


現代のハンプティ・ダンプティたちは、今になって自由シリア軍FSAの虐殺行為をペンで猛烈に非難している。問題は、その同じハンプティ・ダンプティたちが、FSAこそシリアの「独裁政権」に対抗して「民主主義」のために戦っている「穏健な反乱軍」「世俗的な兵士たち」だと、これまで強弁してきたことだ。そう強弁しつつ、彼らは銃をテロリストたちに渡してきた。その銃を使って彼らは現在クルドの民間人を射殺しているし、そのことで私たちはいま肝を潰しているのだ。

ユーチューブ上では、自由シリア軍FSA司令官の一人が囚人の心臓をえぐり出して食べていた。そのことを私たちが指摘すると、逆に非難され、ソーシャルメディアから排除されたり、「アサド擁護者」だとか「プーチン擁護者」だとかとの烙印を押されたのだ。私個人は、その両方のレッテルを貼られた。シリアのいわゆる「民主的」反対派とは、オバマ大統領の国務長官ヒラリー・クリントンから褒めそやされた白ヘル集団、すなわちイスラム原理主義狂信勢力の略語にすぎなかった。ところが当時、これは口にすることすら禁じられたのだ。

この悲劇的な茶番劇は、始まると同時に終わりを迎えつつある。ヒラリー・ハンプティ・ダンプティ・クリントンの肝いりでスタートした「民主的シリア連合CDS」が今や「民主的」という言葉を口に出せなくなったからであり、その「連合」を構成する国の多くが世界で最も非自由で最も非民主的なイスラム原理主義の国々だと分かったからだ。

ISIS、ISIL、IELTSなどからIS(イスラム国)へと次々と名前を変えたが、銃やお金や政治やプロパガンダ支援の流れは何も変わらなかった。

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Also on rt.com Protesters shut down key Catalonian transport routes after night of violence (PHOTOS, VIDEOS) 


大手メディアの垂れ流すシリアの嘘物語を概略だけでも示そうとしたが、書くスペースも限られているし、それを思うとイライラしてくる。だから、次にカタロニア万歳、カタロニア讃歌に話を移したい。[註:ジョージ・オーウェルのスペイン人民戦争・カタロニア従軍記『カタロニア讃歌 Homage to Catalonia』を想起せよ]

「民主的」EUにおけるスペインの「民主的」政府は、カタロニアで民主的な州民投票を組織した民主的カタロニア人政治家たちに100年の禁固刑を言い渡した。さらに悪いことに、その政治家たちを支持する、いわゆる「暴徒たち」がバルセロナの空港に押し寄せた! そして商業や休日や貿易が「台無しにされた」。それらは確かに、この「暴徒たち」がおこなった非民主的形式の抗議によって、台無しにされた。

しかし、香港で全く同じ戦術が使われたばあい、デモ参加者は「暴徒」ではなく、破壊者でもなく、 「民主的抗議運動の参加者」なのだ。

香港のデモ隊が、火炎瓶やナイフや銃さえも使って中国の警察と対峙すると、首にナイフが突き刺された警官が悪者となるのだ。フランス警察が文字通りイエローベストの抗議運動参加者たちから武器を取り上げるため、銃で彼らの手を吹き飛ばした。これについては現代のハンプティ・ダンプティでさえも言葉を失ってしまう。だからこそ憲兵によって眼球や手や命でさえもが奪われていることに対しては、メディアに完全な秘密のベールがかけられるというわけだ。


Also on rt.com Hong Kong phooey! Would you like any hypocrisy with that?
  

ジョージ・オーウェルの『1984年』は、ディスト暗黒ピア郷(←→ユートピア理想郷)の世界を描いた小説だ。もし私たちが注意を怠れば、全体主義を維持するために真実の歪曲が要求されることになる、という警告なのだ。

2019年に小説『1984年』は、全体主義を維持する「指南書」となり「台本」となった。世界最悪の偽善者たち――すなわち「自由」主義国の「自由」メディア――は、自分たちが仕える政治的階級から賛同をいただくために、この「指南書」を使った。

ハンプティ・ダンプティが言うように、「問題は、どちらがご主人様か。それだけなのだ」

「香港暴動」の真相

Hong Kong unmasked: The real reasons & instigators behind anti-Beijing riots

Rt. World News 2019年12月1日

(翻訳: 寺島メソッド翻訳グループo.n. 2020年1月7日)

<記事原文>寺島先生推薦 Hong Kong unmasked: The real reasons & instigators behind anti-Beijing riots

RTは、香港の反政府運動が激しさを増す中、騒乱の発端となったもの、それを煽っている深刻な社会的不平等問題、そしてワシントンの諸勢力がいかにして市民の不満を自らの目的のために利用したかについて検証している。

RT Americaのミシェル・グリーンスタインは、自ら暴力的な衝突を目撃し、バリケードの両側の要人と話をした後、この抗議行動の発端と実行者の全体像を描いている。

この夏の蜂起のきっかけとなった議論百出した「送還法案」は単なる口実に使われ、その法案が一体何を目指すものかの理解は大きくねじ曲げられた。 香港島の島民が怒りの対象を何も持っていないというわけではない。 物価高、劣悪な住宅事情、卒業生の雇用見通しの悪化といった平凡な問題で彼らは息を詰まらせているのだ。 「民主主義」の欠落よりもこちらだ。

ALSO ON RT.COM Hong Kong police secure THOUSANDS of PETROL BOMBS, GAS CANISTERS & CHEMICALS as PolyU campus standoff ends

しかし、デモ参加者たちはこの社会的不平等に関して香港当局に異議を唱えることはなく、怒りを中国本土に向けただけだった。 この間やっていることは自分達の都市である香港を破壊し、実質的に中国本土への制裁を懇願することだった。 北京政府を痛めつけることだけが目的で。

香港蜂起の若くて進歩的な指導者たちが、高貴な 「民主派」 戦士として歓呼の声で迎えられ、米国内で諸手を挙げて歓迎されている中、米国政府は、抗議運動をハイジャックし、主な経済的ライバルである中国を悪者扱いし不安定化させている事実を隠そうともしていない。

ALSO ON RT.COM
US to launch new media network to provide Chinese diaspora with ‘alternative’ news – report
Man set on fire by Hong Kong protesters ‘can’t recognize his own daughter’ after 10+ days in coma
Hong Kong protesters hurl PETROL BOMBS at volunteers trying to clear roadblocks and shoot ARROWS at police
Catapulting Hong Kong into democracy? Media glorifies ANARCHY & ‘novel, defensive’ anti-police weapons of protesters


「もとの運動は浸食された。今は、ただの中国政府に対する反抗であり、国家権力の焼き直しだ。」香港最大の労働組合である、香港労働組合連合会の会長スタンリー=ング=チャンペイの言だ。


香港問題とアメリカの大胆さ:
   それは中国への「不安定化工作」の一部だ

Hong Kong and the Audacity of the U.S. Part of a “Destabilization War” with China

ピーター・ケーニッヒ

グローバル・リサーチ 2019年8月26日

(翻訳:新見明 2019年9月8日)

<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/hong-kong-and-the-audacity-of-the-u-s-part-of-a-destabilization-war-with-china/5687191

人々はよく、香港抗議運動とフランスのイェロー・ベストには類似性があるのではと言う。香港は3月31日に始まり、19週になろうとしている。イェロー・ベスト(YV)は先週末の抗議行動で40週目を祝ったところだ。最近、マクロン派が浸透したイェロー・ベスト運動、もしくは第5列*1は、イェロー・ベストが自由を求める香港抗議運動を支持していることをほのめかした・・・。
  
 [訳注]*1 第5列: 本来、味方であるはずの集団の中で敵方に味方する人々、つまり「スパイ」などの存在を
             指す。


ところが、それはよく教育され、よく訓練されたイェロー・ベストには当てはまらない。実際、彼らの多くはマクロンに侮辱されたと感じた。誰のために、こいつ[マクロン]は我々から奪うのだ。そして、まさにそうなのだ。二つの運動に、それらが抗議運動である点を除けば、一片の類似点もない。二つの抗議行動は、大きく違った動機をもち、そして全く違った行動目標であるからだ。イェロー・ベストは全く香港とは関係がない。香港はアメリカに資金援助されたカラー革命と同じなのだ。

イェロー・ベストの指導者は言った。我々はますます全体主義的になるフランス政府に反対して闘っているのだ。フランス政府は、いろいろな種類の税金で、我々の正当な収入をどんどん盗み、フランスの家族に、もうこれ以上生きられないというレベルの最低賃金を押しつけているのだ。労働者の定期的な年金では暮らしていけないのだ。マクロン政権は財源を移転することによって、貧困を生み出している。底辺から上層に吸い上げられ、ほとんど残っていない。だから我々は闘い、抗議をしているのだ。我々はフランスの経済構造とフランスの指導層の根本的変化を求めているのだ。これら全ては、ワシントンに資金援助された香港の抗議行動とは何の関係もない。香港は、ワシントンのために香港人が、中国本土政府に対して抗議しているのだ。

明かではないか。フランスのイェロー・ベストは、彼らが何のために闘っているか知っている。香港の抗議運動は、彼らのほとんどが偽の仮面を付けて、彼らの国、北京に対して少数の指導者に従って闘っているのだ。明らかに抗議行動の多くの者が、親欧米であり、彼らはアメリカ国歌を歌い、イギリス国旗を振っている。それは、彼らの元植民地主義者たちの旗であるのに。

実際、香港を将来にわたって不安定化する資金投入は、イギリスから中国への香港公式返還の少なくとも3年前、1994年に早くも始まっていた。アメリカが香港に第5列のネットワークをつくったのは、1997年の香港の中華人民共和国(PRC)への公式返還よりずっと前のことだ。

ワシントンは、ウクライナのように香港を不安定化するために、多額の資金を注ぎ込んだ。その時、アメリカ国務省は、2014年のクーデターの準備に少なくとも5年前から約50億ドルの資金援助をした。国務次官ビクトリア・ヌーランドが自ら認めるところでは、直接、又はNED(全米民主主義基金)を通して行われたが、それらは、「NGO」ではあり得ない。その資金援助はむしろ、CIAの長期にわたるソフトな武器であり、アメリカ国務省は世界中の「体制転覆」活動に数億ドルを出したのだ。

1991年、ワシントン・ポストは、NEDの創設者アレン・クインシュタインを引用して書いている。

   「今日、我々がしている多くのことは、CIAにより25年前に秘密裏
     に行われた。」

言わずもがな、我々は世界中でその結果を見ている。

まさしくこれが香港で起こったことで、今日まで続き、恐らくこれからも続くだろう。アメリカは手放さないだろう。特に、ほとんどの人が,これら欧米の策謀がどのように行われているか、少なくとも限られた理解しかもたないので、誰が不安定化の種をまいているのか、自分で見て理解しなければならない。22歳の学生、2014年雨傘革命の欧米ヒーロー、ジョシュア・ウォン(黄之鋒)*2は、アメリカ国務省、NED、CIAによって訓練され、資金援助されていた。彼は再び現在の抗議行動の立役者であるが、ジョシュア・ウォン(黄之鋒)は現場の少年であるが、地域のメディア王ジミー・ライ(黎智英)*3は、2014年に「オキュパイ・セントラル」抗議行動(雨傘革命)に自分のお金を数百万ドル使ったのだ。
  
  [訳注]*2 ジョシュア・ウォン(黄 之鋒 こう しほう)(1996年10月13日 - )
        は香港の民主化団体「学民思潮」の元リーダー、香港衆志
         事務局長、香港公開大学社会科学の学生。(ウィキペデア)

  [訳注]*3 ジミー・ライ(黎智英)
        中国を批判する香港メディア「アップル・デイリー」創業者
         1948年、中国広東省広州市生まれ。60年、12歳で香港へ密航し80年に
         アパレル小売りチェーン、ジョルダーノを創業。90年に創刊した雑誌
         「壹週刊」とその母体Next Media(現在はNext Digitalと改称)の経営
         に専念。94年にはアップル・デイリーを創刊。反中国政府、
         民主化支持の姿勢を貫く。(FACTA onlineより)

                  

オリガルヒ(寡頭政治家)は、抗議運動指導者や抗議運動グループに援助するため自分の資金を広範に使っている。ライ(黎)氏はまた、自分の国民党を創設した。それは、曰くありげな外国人嫌いの政党である。しかしライ(黎)氏はトランプ政権ときわめて密接な関係を持っており、多くの抗議運動指導者と共に、香港のアメリカ公使や、ジョン・ボルトン国家安全保障アドバイザーや、他のアメリカ高官とも会った。7月8日、ジミー・ライ(黎智英)氏は、アメリカ副大統領マイク・ペンスとホワイトハウスで会ったのだ。

READ MORE:What Is Happening in Hong Kong?

ライ(黎)は、これら抗議運動グループに火を付け、活性化するためにアメリカ政府の全面的な支援を受けている。しかしどちらというと、抗議行動派には,彼らが望むことの正確な計画や戦略がない。香港島は大きく分断されている。今のところ全ての抗議行動派が本土から分断することを望んでいるわけではない。彼らは中国人であり、ジミー・ライ(黎智英)の急進的な反北京宣伝に嫌悪の情を表している。彼らは彼を裏切り者と呼んでいる。

ライ(黎)氏は1948年中国本土で生まれ、広東の貧しい家庭で育った。彼は小学5年レベルの教育を受け、13歳の時小さな船で香港に密入国した。香港で彼は、織物工場で児童労働者として、1ヶ月約8ドルで働いた。1975年彼は破産した織物工場をわずかなお金で買い取り、ジオダーノを作った。J.C.ペニーやモントゴメリー・ウォード等のように、ほとんどアメリカの顧客としてセーターや他の服を作った。ライ(黎)氏は今日、香港暴動とか抗議行動(彼はそう呼ぶのを好むが)の暴力の背後の陰謀者として彼自身の仲間からでさえ広く批判されている。

抗議行動は「論争になっている」引き渡し条例から始まった。ところがそれは、アメリカのほとんどの州の間で存在している。ヨーロッパ諸国間でも、広く国際的にも存在している。だからこれは異例でも何でもないのだ。しかしその重要性が、欧米メディアやライ(黎)氏自身の地方紙でも構図をゆがめて大きく報道された。もちろん少数派は中国からの完全独立を望んでいる。それは、1997年の返還時にイギリス・北京間で署名された合意に全く反するものである。

2・3日前、アメリカは香港の中国水域に数隻の戦艦を派遣した。それらは大胆にも北京に対して香港港でドックに入れる権利を求めたのである。北京はもちろん拒否し、ワシントンに警告した。我々の国内問題に介入するな、と。もちろんワシントンは中国の忠告に従う意思はなく、一度も従ったことがない。彼らは、例外的な国が命令するのだという観念が植え付けられている。いつもだ。他の誰も敢えて彼らに反対しようとしない。以上。

7月3日、チャイナ・デイリーの報道は鋭い。

    「欧米政府のイデオローグは、彼らが好まない政府に対する
    不安定化工作を決して止めようとしない。たとえ彼らの行動が、
    ラテンアメリカ、アフリカ、中近東、アジアの国々で、貧困や混
    乱を引き起こそうとも。今、彼らは中国で同じ策謀を試みてい
    るのだ。」

アメリカの香港での戦術が、トランプの貿易戦争と結びついているのかもしれない。ペンタゴンがますます大きな存在感を示し、主にインド・太平洋地域で新たな軍事基地建設や海軍を派遣している。オバマの悪名高いアジア基軸政策は、南シナ海へアメリカ艦船の60%を派遣した。

これら全ては中国不安定化工作の一部である。ワシントンは、世界で勃興する中国の経済力を恐れている。特に中国の貨幣制度を。それは経済力や金に基づいていて、欧米のターボ資本主義制度に従ったUSドルやユーロや他の通貨のような名目紙幣ではない。そしてワシントンはドルが覇権を失うことを恐れている。世界準備通貨として、中国の元がドルの役割を徐々に取って代わりつつあるからだ。

香港は基本的に、1842年アヘン戦争の高まりでイギリスによって奪われた。1842年8月29日、イギリス軍事力の圧力下で署名された南京条約で、中国は香港を割譲した。それ故、香港はイギリス帝国直轄植民地となった。1898年、香港総監クリス・パッテンとチャールズ王子は99年間の借地契約に合意し、1997年香港を中国に返すことを誓約した。

香港の人々は、イギリスによって155年も植民地的抑圧を受けたのだから、もう香港の地位を正常化する時だった。絶えずそうあるべきものに、つまり中国の欠くべからざる領土という地位に正常化すべき時だった。1997年の「一国家二制度」合意は、香港を中華人民共和国に返したが、当事者たちは50年間資本主義制度を残すことに合意した。合意はまた、香港への介入や植民地的権利を終えることが規定されていた。いま何が起こっているのか。アメリカとイギリスは島の独立を求めて暴動を策動している。それは1997年割譲条約を全く無視している。

アメリカに鼓舞され、資金援助された抗議行動は、香港・中国の主権条項に異議を唱えるように仕向けられている。完全な「自由」を求める世論を動員することによって、中国からの独立を求めているのだ。

絶えず腐敗した資本主義が50年続いたので、アメリカ・イギリスの帝国主義者が、香港を経済的に支配し続け、それによって中華人民共和国に経済的影響を及ぼすだろう。なんとおかしなことをするのだろう。1997年香港のGDPは中華人民共和国のGDPの27%であったが、今その比率は3%にまで縮小した。中国の急速な発展は、とりわけ一帯一路(BRI)政策で、欧米は1年前頃まで全く無視してきたが、今やアメリカ企業世界にとって重大な脅威となったのだ。

アメリカとイギリス、そして他の西欧諸国が特に関心を示すものは、世界における香港の特別な銀行の立ち位置である。シンガポールや香港を通して、ウォール・ストリートやヨーロッパの主要銀行は、彼らの「倫理的に」汚れた、しばしば詐欺的なHSBC*4と結託して、アジア経済を支配し、影響を及ぼそうとしている。そして特にアジア金融市場を引き継ごうとする中国を阻止しようと試みているのだ。香港は、恐らく世界で最も自由な銀行法があり、そこでは違法な金融取引、マネー・ローンダリング、億万長者への影の投資が行われ、誰も監視していないのだ。香港をできるだけこの特別な国家の地位にとどめ、中国金融市場に影響を与え、支配することは、欧米の目標の一つなのだ。

  [訳注]*4 HSBCホールディングス
   イギリス最大規模の金融機関で、イギリス、アジアなどを基盤にする世界有数の
    銀行持株会社。世界87か国に約7500のオフィスをもつ(2011)。イギリスによる
    東アジア植民地経営の発展とともに成長した銀行であり、香港ドルの発券銀行
    の一つでもある。本社所在地はロ ンドン。

  
しかし欧米がほとんどわかっていないことは、中国や他の東洋の国々(ロシアやインド、パキスタンを含む)が、既に大きく離脱したこと、またはドル経済から離脱する過程にあることだ。そして彼らは上海協力機構(SCO)のメンバーであることだ。それに直視しよう。SCOは世界人口の約半分になり、世界経済生産の約3分の1を占めているのだ。

だからSCOメンバーは、もはや欧米金融市場や金融操作に頼っていない。実際、上海は、この10年で中国の金融ハブになるまでに成長し、中国にとって香港より重要性を増した。介入によって余りに多くの政治資金が失われた。欧米と香港抗議行動派は自分自身を暴動によって腐らせるかもしれない。

しかし、もし中国がこれらのたゆまない欧米の挑発にうんざりして、それらを終わらせたいのなら、中華人民共和国は48時間以内に香港を乗っ取ることができる。そして欧米資本主義の50年を短縮し、香港を中国の全面的な州にすることができる。特権もなく、特別な地位もなく、単なる主権国家中国の一部となる。話はこれで終わりだ。

*

ピーター・ケーニッヒはエコノミストで地政学アナリストである。彼は水資源や環境問題の専門家でもある。彼は、環境・水問題で、世界銀行やWHO(世界保健機構)で30年以上世界各地で働いた。彼はグローバル・リサーチ、ICH、RT、Spputnik、PressTV、the 21st Century、TeleSUR、The Saker Blog、the New Eastern Outlook(NEO)、その他のインターネットサイトに定期的に寄稿している。彼は「爆発 --- 戦争、環境破壊、企業の貪欲に関する経済スリラー」の著者である。また彼は「世界秩序と革命!抵抗のエッセー」の共著者でもある。彼はグローバリゼイション研究センターの準研究員である。

「紛争を望んでいるのか?お前がやってみろ!」
フィリピンのドテルテは、アメリカに挑む。
「艦隊を連れてきて、中国との戦争を宣言してみろ!」

‘Want trouble? You first!’ Philippines’ Duterte dares US to bring its fleet & declare war on China

RT Home/World News/ 2019年7月9日

(翻訳:新見明 2019年7月28日)

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/news/463698-duterte-china-war-usa/

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アメリカ航空母艦ミニッツ© Flickr/US Navy / Seaman Aiyana S. Paschal

「もしワシントンが、フィリピンに中国と戦争させたいのなら、アメリカ軍がやって来て、まず闘うべきだ」とロドリゴ・ドテルテ大統領は非難した。アメリカの同盟国を北京の「餌」として使おうとしているのだと。

「アメリカはいつも、我々を追い詰めて、我々を扇動し・・・、俺を餌にする。フィリピン人はミミズだと思っているのか?」ドテルテは金曜日、レイテ州の演説でそう述べた。メディアが注目したのは日曜日だった。

「じゃあ言おう。あんたが、あんたの飛行機を、あんたの船を南シナ海へ持ってくればいい。あんたが最初に攻撃しなさい。我々は、あんたの後ろで、見ているよ。さあ、やりなさい。闘いましょう」。そして「紛争を望んでいるのですか。よろしい。さあ、やりなさい」と彼は付け加えた。



その発言がなされたのは、マニラの政府が、より強固な中国に対する姿勢を求めるアメリカの要求と、北京の南シナ海における海洋拡大、特にフィリピンが自分のものだと主張する島々のことで、板挟みになっているときだった。

アメリカは、中国が島を増強していることがわかっていた。アメリカ海軍は日本に第7艦隊を配備しているのにと、大統領はコメ加工工場の開設式で、アァンガランの聴衆にそう語った。

「なぜ彼らは第7艦隊をスプラトリー諸島に送らないのか。そして『おい、お前、公海上に人口島を建設することなど考えられない。それは国際法でまさに禁止されている。お前は、我が友人のフィリピンの排他的経済水域内で島を建設していることななるのだぞ』」とドテルテは問うた。「彼らに島をつくらせておいて、いま島はそこにある。全ての銃はそこにあり、全てのミサイルは配備されているのだ。」


Also on rt.com Duterte warns China of ocean grabbing free-for-all amid South China Sea dispute (さらに読む)「ドテルテは、中国に対して、南シナ海の論争の最中に、勝手に海を自分のものにしていると警告する」


先月、フィリピン漁船が中国船と衝突して、沈んだ。22人の乗組員が自力で抜け出さなければならなかった。マニラの軍隊は、それを海の「ひき逃げ」と呼んだ。結局、彼らはベトナム船に全員救助された。ドテルテはその事故を「小さな海難事故」として片づけた。北京に自制を求めたが、事態をエスカレートさせなかった。

「我々は、中国との戦争に決して勝てない」、と大統領は金曜日に説明した。「私は兵士達に、地獄の入り口で闘わずに死ねと命令できない。私はそうできなかった。」

もし彼が20年権力の座に就くことになったら、あらゆる村に「5発の巡航ミサイルと大砲」を配備できるだろう。しかし現実はそうなっていない。ドテルテは中国が「やり過ぎないように」望むと付け加えた。

ドテルテが、アメリカの同盟国に対して厳しい言葉を発したのはこれが最初ではない。5月、彼はアメリカに「親分風」を吹かせすぎる、そして武器取引の約束違反を「尊重しない」と非難した。ワシントンは2016年、フィリピン警察向け2万6千丁のライフル販売を、人道的懸念を表明して中断した。


Also on rt.com ‘US has no honor!’ Duterte slams ‘bossy’ Washington for breach of arms deal
(さらに読む)「アメリカは約束を守らない!」とドテルテは「親分風の」ワシントンを武器取引不履行で非難する。


欧米人権団体によると、ドテルテが就任して麻薬戦争を開始してから、何千人という人々が超法規的に殺されている。アムネスティ・インターナショナルは、人道に対する犯罪としてドテルテに対する調査を求めた。

しかし、月曜日に発表された世論調査は大統領の記録的な人気を示していて、80%が彼の仕事を評価していて、不満を表明しているのは12%だけである。それは2017年の前回の記録より2ポイント高く、今年3月も同様に高い支持率だった。

トランプー金(キム)会談:
大統領が平壌に向けて20歩北朝鮮に入ったことは、
劇的で歴史的な出来事である。しかし「どこまで行けるのか?」

The Trump-Kim Meeting: Mr. President, Your 20 Steps into North Korea Toward Pyongyang Were Dramatic and Historical. But, “How Far Are You Going”?

ジョセフ・H・チャン

グローバル・リサーチ 2019年7月3日

(翻訳:新見明 2019年7月14日)

<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/mr-president-your-20-steps-north-korea-pyongyang-dramatic-historical-how-far-you-going/5682553



6月30日非武装地帯でのトランプ・金(キム)会談は世界をあっと言わせた。それは劇的であった。それは歴史的であった。それは長い間待った朝鮮半島の平和と、悲惨な冷戦の最後の最前線がなくなる一縷の希望を与えた。

不幸にも、アメリカのメディアやシンクタンクや政治グループやその他は、ことの重大性を十分に認識できていないようだ。

私は二つのことを問う。何が二人の世界的指導者が会談を持つようにさせたのか。そして何が会談の成果だったのかという問いである。

会談の目的はトランプと金では異なっている。私達は、金正恩がこの前の2月ハノイサミット会談の失敗で、どれほど屈辱を受けたか、どれほど怒ったか思い出さなければならない。彼は中国を縦断する何週間もかかる辛い旅で、どれほど真剣に彼が核危機を解決しようとしていたか、世界に示めそうとしたことを思い出さなければならない。

しかし彼はトランプに裏切られた。ハノイ会談は、彼の威厳やプライドや彼の指導性を確実に傷つけた。彼は自国の人民の前で顔をつぶされたのだ。

ハノイ会談以来、金は彼の指導性をなんとか回復しなければならなかった。そして核問題の実際の解決や、同時に飢餓や経済発展の問題の解決を見つけなければならなかった。

彼はいくつかの方策を講じた。

まず、彼は交渉チームを安全保障チームから外交チームに代え、外務第一副大臣に指導させた。

2番目に、これは重要だが、金はワシントンを信用しなくなったことだ。彼のトランプに対する不信、特に彼の安全保障アドバイザーのジョン・ボルトンとマイク・ポンペオに対する不信が深まったことだ。

3番目に、金は終わることのない制裁から逃れる希望を捨てたのかもしれないことだ。習近平やプーチンとの会談を通して、金はトランプの制裁にもかかわらず経済的協力関係の保障を得た可能性がある。言い換えれば、金は制裁からの救済は必ずしも最優先事項ではないと結論したかもしれない。このことが金をより強い交渉の立場に立たせたかもしれない。

4番目に、金はトランプとの会談の間、体制保障と国家安全保障に焦点を当てることに決めたのかもしれない。体制保障は連絡事務所の設置、最終的には大使館を設立を通してなされる。

トランプにとって体制保障や安全の保障は、国連がかかわっている制裁の緩和より容易であるようだ。

もし安全保障と同様に制裁や体制保障に関する私の仮定が正しければ、金は重荷を背負うことなく非武装地帯に来たかもしれない。彼は低いレベルの希望を抱いてきたのかもしれない。それゆえ彼は会談の結果に比較的容易に満足できたのだろう。実際トランプとの53分間の会談の後、金はかなり楽しそうに見えた。

5番目に、重要なことはトランプを招待したのは金ではなかったということだ。トランプが金を招待したのだ。この事実だけでも、金の尊厳や彼の指導性やハノイでつぶされた「顔」の回復に大いに貢献している。

つまり金正恩に関する限り、非武装地帯でも会談はかなり成果があったようだ。

トランプに関しては、いくつかの要因が彼に会談のイニシアチブをとらせたようだ。

最初に、ハノイ会談以来、トランプは金との会談の希望を諦めていなかった。多くの場面で彼は金との良好な関係を自慢していた。

2番目に、彼は北朝鮮問題をイラン問題とは違って考えているようだ。トランプはイランに対してずっと好戦的な接近をしている。なぜならイランは中東地域を支配することができ、一方、北朝鮮は東アジア地域を支配する能力はないからである。だからトランプは平壌に向けてより寛大であることができる。


READ MORE:US-North Korea Summit: Hold the Cheers. Inter-Korean Summit to Precede Trump-Kim Meeting?(さらに読む)「米・北朝鮮サミット:トランプ・金会談に先立つ南北朝鮮サミット」


3番目に、核のない北朝鮮はアメリカと親しくなる。そしてそれは中国の抑止政策の一部でもある。

4番目に、北朝鮮は、その地域に残された最後の真に経済的フロンティアであるかもしれない。そしてアメリカは十分な利益を見込んでその経済発展に参加できる。

5番目に、韓国の文在寅大統領の仲介のおかげで、北朝鮮とアメリカのエリートグループの相互不信は、ある程度払拭された。

6番目に、非武装地帯でのサミットは、2回目の民主党大統領選挙討論の大きな衝撃を緩和する絶妙のタイミングであった。非武装地帯のサミットは、完全に民主党討論のメディア報道を侵食した。それ故サミットはトランプにとって重要な政治的勝利であった。

だから、トランプも金もサミット会談を実現する十分な理由があったのだ。

さて、私は「何故サミットの達成したものは何か?」という問いをしている。私達はいくつかの肯定的な可能性を見てもよい。

まず、サミットは直ちに組織されたことを証明した。サミットは最小限のコストで、しかも何度も行えることを証明した。

さらに、二人の指導者の秘密会談は、もともと5分の計画だったが、53分も行われた。金もトランプも双方が会談に満足しているようだ。韓国の核危機の専門家は次の会談の可能性をほのめかしている。

5番目に、金は寧(によん)辺(びよん)の核施設の解体をミサイル発射台解体とともに約束しただろう。そのかわり、金は体制保障と平和解決を求めただろう。制裁の解除はより低い優先順位となっていただろう。

2番目に、トランプは、アメリカによる相応の見返りとして、段階的非核化からなる「小さな取り引き」を容認したかもしれない。つまりボルトンの大きな取り引きは放棄されたことになる。ちなみにボルトンは、非武装地帯の会談が行われていたときモンゴルにいた。これはトランプ戦略の転換を意味する。

3番目に、会談が具体的成果を生み出さなかったことは本当だ。会談は具体的成果を生み出すために組織されたのではないから、当然だ。会談が価値があったのは、それが核対話の膠着状態を打ち破り、対話継続の相互の意思を確認できたことだ。

この点で、会談は成功であった。新しい交渉チームが2・3週間して結成されるだろう。アメリカチームは、マイク・ポンペオ国務長官の下、ステーブン・ビーガンによって行われるだろう。北朝鮮チームは崔(チェ)善(ソン)姫(ヒ)によって率いられる。彼女は李容浩(リヨンホ)外務大臣の下で第二外務副大臣である。

4番目に、会談で両指導者はボトムアップを支えられたトップダウン方法を強めることに同意した可能性がある。ハノイ会談の失敗は、トップとボトムの間のコミュニケーションと調整の欠如のためであったようだ。これからは、トップが交渉チームの仕事をさらに綿密にチェックするようだ。

私の文章を閉じる前に、メディアや政治家、そして顧問団の反応について2・3付け加えたい。これらの人々はほとんど、会談について非常に否定的である。民主党大統領指名候補バーニー・サンダース上院議員や教皇フランシスコを除いて。

彼らの否定的な会談の受け止め方は、二つの主要な非難に基づいている。つまり北朝鮮の存在は信頼できず、独裁国家であるというものだ。

以前、グローバル・リサーチの私の論文で指摘したように、二つの国のどちらが信頼が置けないか不確かである。私達は1994年の米朝枠組合意がアメリカとその同盟国によって破られたことを思い出すべきだ。実際もしアメリカとその同盟国が合意を尊重していれば、北朝鮮はそもそも核兵器を決して開発しなかっただろう。

独裁に関して、アメリカが世界中の数え切れない恐ろしい独裁者を支援してきたことを歴史が物語っている。韓国では、アメリカは朴正煕将軍と全斗煥将軍の無慈悲な独裁政治を支援してきた。アメリカが独裁者達と取り引きしないという主張は、全くの偽善である。

全斗煥将軍の政府は、1980年5月18日何百人という無実の光州市民を戦車とヘリコプターで殺害した。しかしアメリカは全斗煥政権の犯罪者を支持したのだ。

まとめとして、非武装地帯のサミットは行われたことを私は喜ぶ。FFVD(最終的で完全に検証された非核化)は可能だ。しかし、ワシントンは「大きな取り引き」モデルを捨てて、制裁解除や他の補償に見合った段階的非核化を受け入れるべきだ。それが最終的にFFVD(最終的で完全に検証された非核化)や朝鮮半島の永続的な平和につながる。しかしFFVDは北朝鮮の自衛能力を保障するべきだ。

しかし、非核化の試みを成功させるためには、トランプはワシントンのオリガルヒ(少数独裁政治)によって続けられている北朝鮮の悪魔化の罠から自らを解放しなければならない。オリガルヒは朝鮮半島の緊張の現状を、韓国に更に兵器が売れるように永続したがっているからだ。

*

ジョセフ・H・チャン教授は、モントリオ-ル、ケベック大学の統合とグローバリゼイション研究センター(CEIM)の、東アジア観測所(OAE)の共同所長である。彼はグローバリゼイション研究センターの準研究員でもある。

韓国の保守派 -----「南ー南摩擦」と核危機

The Conservatives, “Nam-Nam Friction” and Nuclear Crisis in South Korea

ジョセフ・H・チャン教授

グローバル・リサーチ 2019年2月26日

(翻訳:新見明 2019年3月14日)

<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/conservatives-nam-nam-friction-nuclear-crisis-south-korea/5669716



最近5つの韓国政党党首がワシントンを訪れた(2月12日~14日)。その任務はハノイでの2回目のトランプー金正恩会談の支援をするためである。

しかし、信じがたいのは、4つの政党党首がサミット成功のロビー活動をしたのに、主要な野党保守党、自由韓国党 (LKP)の黄教安(ファン・ギョアン)党首は、北朝鮮を信頼すべきでなく、朝鮮戦争を終わらせるべきでないとワシントンの政治家に説得しようとした。この党は核危機の継続を願っているようであった。

このエピソードは、韓国社会がいかに深く「保守派」と他の住民と分断されているかを示している。特に核危機や南北問題に関して意見がわかれるのだ。保守とその他住民の関係は、相互に疑い、不信、恨み、さらには正に敵意にまで到るのだ。

保守派とその他の住民との摩擦は、「韓国内の南ー南摩擦」と呼ばれる。

これは韓国の深刻な問題である。これは和平過程のみならず、民主主義の将来にとっても、南北経済協力、そして最終的な朝鮮の再統一にさえ影響する。

最初にこの文章では、保守派グループの起源に焦点を当てる。このグループは、日本人に協力した人々によって設立された。だから朝鮮人の目には、保守政府は統治に正当性がなく、人民の信頼もないのだ。

2番目に、保守政権は正当性や人民の信頼に欠けるので、できる限り長く統治する必要があったことだ。保守派は、韓国を58年間にわたって統治したのだ。

3番目に、保守政権をそんなに長く統治させた抑圧的手段やいかがわしい戦術についてである。

4番目に、この章では、朝鮮人民がどのように保守政権と闘ったかを見ることにする。

最後に、第5章ではいくつかの結論を引き出す。

***
1. 親日保守派グループの起源

保守派グループの起源を探るためには、朝鮮が日本に不当に併合された1910年に戻らなければならない。裏切り者グループの反愛国的な行動のために併合が可能となったのだ。このグループは親日で、当時首相の李 完用(イ・ワンヨン)に率いられていた。彼は李朝高宗皇帝の承認なしで併合条約に署名したのだ。

35年間の厳しい日本の植民地統治の間、多くの親日派メンバーは日本に協力し、日本の植民地政府と共謀して権力を乱用した。そして朝鮮人青年を日本やその他の奴隷労働現場に送り、朝鮮人青年を日本の帝国軍隊に勧誘して送り込んだ。また朝鮮愛国者に属する土地や他の不動産を没収したり、朝鮮人の氏名を日本名に変えさせたりした。

日本によってなされた人道に対する最悪の犯罪の一つは、大規模な慰安婦問題だ。20万人の10代の少女は、ほとんど朝鮮人で、捕らえられて日本の軍隊に送られた。そこで彼女らは何年もの間、悲惨な非人間的性奴隷として苦しんだ。親日朝鮮人の中には、これらの少女を性奴隷として働かせるため、日本の警察に協力して探し出し、送り出す者もいた。

親日保守派グループによってなされた最も深刻な犯罪は、日本の抑圧的な植民地主義に対して、朝鮮の独立のために命をかけて闘った朝鮮人愛国者の逮捕に協力したことだった。

協力者達は、自分たちが抵抗する朝鮮人を犠牲にして日本の利害に奉仕していることがわかっていた。

1945年朝鮮は日本の残忍な植民地主義の軛から解放された。通常だったら、朝鮮は日本人に協力した朝鮮人を処罰すべきであった。

しかし、そうはならず、協力者は一人も罰されることはなかった。彼らを罰するために委員会がつくられた。しかしワシントンはそれを許さなかった。1945年から1948年まで韓国を統治したアメリカ軍事政府のもとで、元朝鮮人協力者の多くは、アメリカ軍事政府のために働いた。

1949年、李承晩(イスンマン)は第一次朝鮮政府をつくった。ほとんどの政府高官は元対日協力者だった。警官の約40%は、日本植民地政府下で働いた元朝鮮人警官で組織された。

日本人にただで土地を没収されたことに抗議した3人の朝鮮人が、レールを引き抜いたかどで射殺された。(公開資料より)

朝鮮の愛国者は日本政府に対して主に満州、中国、朝鮮半島で闘った。彼らの多くは中国やロシア軍と共に闘った。彼らの政治的指導者は、1919年中国で設立された朝鮮共和国臨時政府大統領の金九(キム・グ)であった。金九は1945年対日協力者を排除して、独立政府を打ち立てようとして朝鮮に戻った。しかし彼は1949年李承晩(イスンマン)政府によって暗殺された。非常に多くの朝鮮愛国者が暗殺されるか、北朝鮮に逃亡した。

だから、解放後の朝鮮の運命は、元対日協力者の手に握られていた。そして朝鮮社会は明らかに親日協力者と無力な朝鮮人に分断されていた。これが1945年に始まり70年間続いた南-南摩擦である。それは今も続いている。

親日保守派は6つの政府をつくり、6人の大統領がいた。李承晩[イ・スンマン](1948~1960)、朴正煕[パク・チョンヒ](1961~1979)、全斗煥[チョン・ドファン](1987~1992)、盧泰愚[ノ・テウ](1987~1992)、李明博[イ・ミョンバク](2007~2012)、朴槿恵[パク・クネ](2013~1992)である。

これらの大統領はみなその悲惨な任期の終わり方した。一人は学生によって追放され、一人は暗殺され、二人は刑務所に収監された。現在あと二人が刑務所に収監されている。彼らは全て権力の乱用や贈収賄で起訴されたり、現在、起訴されている。

2.長年にわたる保守派政権

親日保守派は、植民地日本人と協力して35年間(1910~1945)統治してきた。そして彼らは1948年以来70年で、さらに58年間、韓国を統治し続けてきた。

皆さんは保守派政権が、どうやって、なぜそんなに長く権力を維持できたのか不思議に思われるかもしれない。それは次の要素で説明がつく。つまり「北風」戦略とクーデターと憲法の改ざんと抑圧的な政策によって権力を維持してきたのだ。

「北風」は選挙戦術であり、保守派によって選挙に勝利するために最大限に利用する。それは2段階がある。一つは選挙2・3週間前に、戦争の恐怖を煽り、国家安全保障を最優先事項とすることだ。そうすることで保守派は、しばしば偽の目撃証言で、北からの脅威をねつ造する。ある場合には、保守派は北に大金を与える代わりに、敵対的行動を頼んだこともあった。しかしその試みはしぱしば失敗に終わった。

READ MORE:Denuclearization of the Korean Peninsula: A Blessing for South Korean People
朝鮮半島の非核化:韓国人民のたまもの


2番目に、保守派はメディア戦略を開始する。彼らは北の脅威から国民を守るのだと選挙民に納得させるのだ。これを証明するために、彼らは保守派軍事政権の長い歴史を自慢する。この戦略は保守派の選挙勝利に非常に有効な手段となってきた。だから北朝鮮が、保守派にとって役に立つ選挙同盟でもあった。

クーデターは、権力を保持する戦術の一つであった。韓国には二つの大きなクーデターがあった。一つは朴正煕が1961年5月16日に行ったもの。もう一つが、全斗煥が1980年12月12日に行ったものである。

憲法の改ざんは、保守派が好むもう一つの政権維持の手段だ。李承晩大統領は1956年憲法を改ざんして、1948年から1960年まで権力に就くことを可能にした。朴正煕大統領は1972年「スシン(維新)」憲法を制定し、1980年に権力を奪取した。そして彼は1987年まで政権にとどまった。

1987年の憲法まで、間接大統領選挙が行われていて、朴正煕将軍と全斗煥将軍は、事前に選ばれた同僚にによって選ばれた。

保守派政権の抑圧的政治は、保守派が権力を維持するもう一つの強力な道具であった。これらの政策の目的は、政府に対する反対派の声を圧殺することだ。これらの抑圧政治は様々な形をとった。つまり、大量殺戮、北朝鮮スパイ容疑のねつ造、警官による攻撃、デモに参加した若い学生を拷問し殺すことであった。それは政府やメディアへの圧力に抗議するデモであった。

どれほど多くの韓国人が、保守は政権によって「アカ」として攻撃され、殺され、投獄され拷問されたか誰にもわからない。しかし数百万人が犠牲者となった可能性がある。李承晩政権下で、20万人以上の無実の韓国人が、済州(チェジュ)や麗水(ヨス)や順天(スンチョン)地域で殺された*。政府は、これらの悲惨な犠牲者を、「共産主義者」とか「アカ」とか「PPal-gaing-ie」と呼んで起訴した。犠牲者の中には、イデオロギーに無関係の子どもや老人も含まれていた。
    *[訳注:李承晩の弾圧
       1948年4月3日 - 済州島四・三事件反乱鎮圧。
       1948年8月15日 - 朝鮮半島南部単独で大韓民国政府樹立を宣言。初代大統領に就任。
      1948年10月27日 - 麗水・順天事件反乱鎮圧。
       1948年12月1日 - 国家保安法を制定。
        1949年6月5日 - 国民保導連盟を組織させる。
       1949年12月24日 - 聞慶虐殺事件。
       1950年6月25日 - 朝鮮戦争勃発。
       1950年 6月 - 国民保導連盟の加盟者や収監中の政治犯など、少なくとも20万人あま
                 りを大量虐殺(保導連盟事件)。](ウィキペディアより)


全斗煥将軍も人民を殺害した。1980年5月18日、光州市民が全斗煥の独裁に抗議して街頭デモを組織した。全斗煥は高度に訓練された空挺部隊を動員し、戦車やヘリコプターで少なくとも1000人が殺された。そして非常に多くの市民が負傷した。さらに全斗煥は、彼の任期中(1980~1987)に山清(サムチョン)教育隊*で大量殺戮が行った。約10万人の若者が、全斗煥政権の政策を支持しなかったり、他の疑わしい理由で大量殺虐が行われた。
   *[訳注:「三清(サムチョン)教育隊事件」とは、1980年に軍事クーデターにより政権を掌握した全斗煥
    元大統領の下で、社会浄化を名分に市民が組織的な暴力を受け、人権を踏みにじられた事件です。暴
    力、密輸、麻薬、詐欺事犯等の社会悪一掃ということで、まともな令状もなく検挙し、検挙者を一方的にラ
    ンク付けしました。そして等級BとCになった4万2千余人を「三清(サムチョン)教育隊」に入隊させ、「純化
    教育」を行いました。1980年8月から81年1月の半年で6万人を越える検挙者があり、無実の市民も多
    数連行されました。教育隊では暴力と過酷な労役が待っていました。88年に被害者たちが真相究明と
    国家補償を求めて立ちあがりましたが、翌年に「三清(サムチョン)教育隊」での死亡者が54名であるこ
    とが初めて国防部によって明らかになりました。被害者たちの長年の要求が実り、04年1月に、「三清
    (サムチョン)補償法」が制定されました。]

  https://www.hurights.or.jp/news/0609/b05.html

これらの大虐殺の真の理由は、腐敗や人権侵害に対する反対の声を、保守派が圧殺するためであった。これらの人々は、「アカ」とか「北と通じている」(Chin-book)とか口実をつけて非難された。言い換えれば、南北の緊張が、人民を抑圧する格好の口実を与えたのだ。

朴正煕や全斗煥の軍事独裁下で、何百万の韓国市民が、「アカ」と「疑われ」、その友人や家族も警察から嫌がらせを受けた。

数え切れない若者が、不当に「アカ」であると告発され、投獄され、拷問され、殺されたのだ。韓国に勉強しに来た10人以上の在日韓国人学生が、朴正煕政権のCIAによって不当に北のスパイとして告発された。彼らはみな後に無罪判決が出たが、これはねつ造されたスパイ事件の典型例であった。

全斗煥政権下で、おびただしい数の学生が拷問され死んでいった。その中には1987年1月14日拷問され死んだ朴 鍾哲(パク・ジョンチュル)*がいた。
 *朴 鍾哲(パク・ジョンチョル、박종철、1965年4月1日 - 1987年1月14日)は、大韓民国釜山直
  轄市出身の学生運動家。治安本部の取り調べ中に拷問により死亡した。その死は6月民主抗争に強
  い影響を与え、韓国の民主化闘争の象徴となった。


 2016年25日、白南起(パク・ナムギ)という名前の老人は朴槿恵政府の汚職に反対する街頭デモで警察の放水銃に撃たれて死んだ。白は10年以上凍結されているコメの値上げを政府に要求しただけであった。

メディアへの圧力は、保守派政府による権力乱用の常套手段であった。李明博政府は、MBCテレビ系列に、何百人というかなり有能なテレビレポーターを解雇させた。彼らが政府の政策に批判的であったという理由で圧力を加えた。


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最も有名なケースは、MBCのChoi Sung-ho(チェ・ソンホ)と李相湖 (イ・サンホ)の解雇である。現在二人は、保守派企業メディアによる大量の偽情報を見破り、素晴らしい仕事をしている。

メディアへの圧力は、朴槿恵政権下でさらに悪化した。彼女の政権は、政権の政策に好ましくない考えをもった1万人の芸術家、映画制作者、画家、その他大勢の個人のリストを作成した。ブラックリストに挙げられたこれらの人々は、常時監視下に置かれ、政府補助金の配分で不利益を被った。

3. 保守派政権の否定的影響

確かに保守派政権は、韓国経済の近代化、工業化、そして急速な発展に重要な貢献をした。特に、韓国経済の離陸過程で朴正煕大統領の強い指導性はよく知られている。しかし、残念なことに彼らは韓国の腐敗文化や南-南摩擦や南北の緊張に大きな責任がある。

韓国保守派政府による58年の支配は、韓国社会に深刻で破滅的な足跡を残した。まず、上で見たように、このグループは日本植民地時代に形成された。彼らの多くは日本の協力者であった。これは彼ら自身が疎外されていて、孤立した状態にあることである。

日本人に協力し、韓国の利益を損ねたため、彼らは国を治める正当性に欠けた。そして彼らは人民の強い抵抗に対処しなければならなかった。このことは彼らに住民が敵対者(敵でないとしても)であると考えさせるに到った。

保守派にとって、北朝鮮は対立者以上であった。北は二つの理由で敵であった。まず初めに、北は共産主義国家であった。二番目に、北朝鮮政府は、親日協力者を敵とみなした愛国者達によって打ち立てられたことだ。だから韓国の保守派は、南の非友好的住民と北の敵対的な相手の両者と対峙しなければならなかった。

このような状況で、保守派の優先事項は、自らの防衛と自らの生き残りに賭けなければならなかった。だから社会正義や国民の福祉は重要なものと考えられなかった。一番の優先事項は、彼らの個人的グループの利害の最大化であった。

そのような状況で、腐敗が広まったのは避けられないことであった。保守派は韓国社会のエリートである。彼らは社会の上流階層である。残りの国民は社会の下層である。古い諺がある。「もし、上流が腐れば、下流も腐る」。保守派の腐敗した風潮は社会のあらゆる部門あらゆる階層に及んだ。つまり腐敗が「文化」になったのだ。

保守派の腐敗として、保守派政権幹部による何百万、何十億ドルにも及ぶ横領が劇的に明らかにされた。

どれほど多くの納税者のお金が、朴正煕大統領や朴槿恵大統領の家族によって奪われたか誰もわからない。それは、海外の不動産に投資され、何十億ドルにもなる可能性がある。

全斗煥大統領や盧泰愚大統領は、何億ドルという納税者のお金を横領したかどで告訴された。                                                
李明博大統領は、何百万ドルの贈収賄で告訴されている。彼はまた悪名高い「4大河川事業」や恥ずべき「海外資源開発外交」を通じて自分が儲けた容疑も受けている。李明博は刑務所で最終審を待っている。こらは彼が15年間にわたって糾弾されてきた最初の裁判である。

腐敗文化は、致命的な損害を社会全体に与えうる。贈収賄による倒産企業の救済は、企業の競争力を弱める。贈収賄のため、危険な犯罪者が刑務所に行かない。kick-knackのため、海軍は沈まない潜水艦を買う。何百万ドルの横領は、警察署長が彼の父親であるため問われることはない。全てこれらは社会を破壊することこの上ない。

しかし私を非常に悲しませることは、腐敗文化と権力の乱用が、人間関係の道義的基盤そのものを揺るがしてしまうことだ。何千年も韓国の個人的関係に行き渡ってきた暖かさ、相互信頼、相互理解がほとんど見られなくなってしまった。お金が人間関係の主要な決定要因になってしまった。

最近では「富は力であり権利である」。お金が神である世界では、人間性は、強き者やお金持ちが、弱き者や貧しき者を軽蔑し、抑圧する。

韓国では、そんなゆがめられた関係は、強者が弱者を虐待することを意味する「カプジル(訳注:パワハラ)」と呼ばれている。2・3年前(2014年12月5日)、カプジルの例として、大韓航空ニューヨーク=ソウル便で大韓航空創設者の娘、趙顕娥(チョ・ヒョナ)の出来事がある。彼女は搭乗スタッフをまるで奴隷のように扱い、侮辱した。問題はスタッフが彼女に出したマカデミア・ナッツの出し方であった。

事実、趙の家族はみんな大韓航空の従業員に対してカプジルを行っていた。残念ながらそのカプジルの行いは保守派を代表するエリートに広まっている。

4. 保守派に対する人々の決起

独裁、権力の乱用、保守派政権の腐敗は、韓国国民が立ち上がらなければ、さらに悪化する。

歴史の重要な局面で、韓国国民は保守派政権に対して街頭に出て闘った。

1960年4月19日、5万人の学生が大統領不正選挙に反対して闘った。これは「4月革命」であった。彼らは李承晩大統領を追放するのに成功した。李承晩はアメリカCIAの飛行機で韓国を脱出した。

1979年10月16日、10万人以上の若者や老人が、朴正煕の大統領職の永続化に反対して釜山-馬山地域で闘った。これは「釜-馬民主闘争」*であった。朴正煕大統領は1979年10月26日大韓民国中央情報部部長によって暗殺された。
   (訳注:釜馬(ブマ)民主抗争は、朴正煕・維新政権下の韓国(第四共和国時代)において最大
   野党であった新民党総裁の金泳三の議員職除名案が大韓民国国会で半ば強引に通過された事件(金
   泳三総裁議員職除名波動)を発端として、金総裁の地元である釜山直轄市(現釜山広域市)と隣接する
   馬山市(現昌原市)で学生・市民が反独裁・民主化を要求した大規模デモである。1979年10月16日から
   20日にかけて発生した。) ウィキペデアより


1980年5月、光州市民は、全斗煥将軍の独裁政治に対して10日間(18日から27日)闘った。これは「5月18日民衆蜂起」だった。1000人以上の市民が戦車やヘリコプターで殺された。そして若い女の子がレイプされた。しかしそれは全斗煥の犯罪体制に対して勝利した。

1987年16日、光州蜂起のあと2・3週間して100万人以上の人々が街頭に出て、新憲法制定のために19日間闘った。維新(ユシン)憲法を終わらせ、直接大統領選挙の新たな政治システムを構築するための闘いだ。この運動が「6月民主運動」*だった。
    [訳注:6月民主抗争は、大統領の直接選挙制改憲を中心とした民主化を要求するデモを中心とした
    韓国における民主化運動の名称で、1987年6月10日から「6・29宣言」が発表されるまでの約20日間
    にわたって繰り広げられた。この民主抗争の結果、大統領直接選挙制改憲実現などの一連の民主化
    措置を約束する「6・29宣言」を全斗煥政権から引き出すことに成功した。]ウィキペディアより


最終的な市民の抗議行動は2016年にやってきた。1700万人以上の市民が、2016年10月から20週間にわたって、朴槿恵政権とその友人たちの腐敗、権力の乱用、有力者の不正取引、高官職の取引、あらゆる種類の違法、不道徳な活動に対して闘った。これが「キャンドル・ライト革命」であった。

朴槿恵は弾劾された。1987年文在寅が民主政権を復活させた。朴槿恵は少なくとも25年間収監される。

5. まとめ

文在寅に率いられたリベラル政権は、朴槿恵大統領の弾劾後、2018年に政権の座についた。

文在寅とともに、韓国はよりよい未来を希望できるかもしれない。つまり、もはや南-南摩擦のない、北と南が協力して共存する、カプジル[パワハラ]ももうなくなり、公共心が取り戻され、お金がもはや「神」とされない未来だ。

しかし保守派は死んだわけではない。腐敗の痕跡はいまだにある。彼らは権力を奪取しようと反撃している。彼らはお金をたくさん持っている。お金は権力を買うことができる。現実的可能性として、彼らは日本の保守派やワシントンのタカ派と共謀して和平プロセスを妨害しようとするだろう。

日本の保守派は核危機を必要としている可能性がある。核危機は選挙で勝たせてくれるからである。ワシントンのタカ派は朝鮮半島の緊張を維持したいと考えている可能性がある。そうすればさらに多くの兵器が売れるからである。韓国の保守派は、選挙で勝てるように非核化を望んでいない可能性がある。同時に兵器売買から裏金が作れるからである。つまり、韓国の保守派は、最も熱心な非核化の反対者でありうる。

たとえ2月末のハノイでの2回目のトランプー金サミットが成功しようとも、保守派は和平プロセスを葬り去ることができる。もし彼らが3年後の大統領選挙に勝利すれば。

それ故、文在寅大統領とリベラル派は二つの選択がある。一つ目は彼らは腐敗の浄化プロセスを通じて保守派を無力にすることができる。これは簡単ではない。よりよい方法はリベラル政権の2期目に勝利することである。これは不可能ではない。

*

ジョゼフ・チャン教授は、モントリオールのケベック大学の統合・グローバル化研究センター(UQAM)にあるEast Asia Obsevatory(OAE)の共同所長である。彼はグローバル・リサーチセンター(CRG)の研究員でもある。

米軍アフガニスタンへ増強は、中国を閉め出すためか? リチウムや豊富なアフガニスタン鉱物資源のための戦い

More American Troops to Afghanistan, To Keep the Chinese Out? Lithium and the Battle for Afghanistan’s Mineral Riches

ミシェル・チョスドフスキー教授

グローバル・リサーチ 2018年11月18日

(翻訳: 新見明 2818年12月3日)
<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/more-american-troops-to-afghanistan-to-keep-the-chinese-out-lithium-and-the-battle-for-afghanistans-mineral-riches-2/5605456

トランプが、アフガニスタン戦争拡大を要求。なぜなのか?それは「世界テロ戦争」の一部なのか。悪者を追跡するためか、それとも何か別のもののためか?

庶民には知られていないが、アフガニスタンは石油、天然ガス、戦略的天然鉱物資源が豊富である。アヘンは言うまでもなく、アメリカの違法ヘロイン市場を潤してきた何十億ドルもの産業である。

これらの鉱物資源には、鉄、銅、コバルト、金、リチウムの巨大な鉱脈を含んでいる。
リチウムはラップトップ、携帯電話、電気自動車用のハイテク・バッテリーの生産で使われる。

トランプの決意の意味するところは、アフガニスタンの豊富な鉱物資源を略奪し、盗むことである。アメリカとその同盟国による16年間の戦争で、破壊された国の「再建」に財政支援するためである。つまり侵略国家に支払われる「戦争賠償」である。


Screenshot: The Independent.

ドナルド・トランプは、16年間の戦争後、再建のために支払う1兆ドルの鉱物資源を狙う。(金、銀、プラチナ、鉄鉱石、銅の豊かな埋蔵量は、経済的独立への道を示すことが出来る。しかし専門家はそれらの計画を「夢物語」と呼ぶ。)

ニューヨーク・タイムズで引用された2007年ペンタゴン内部文書では、アフガニスタンは「リチウムのサウジアラビア」になり得ることをほのめかしている。

        鉱業を発展させるには何年もかかるが、その潜在
        能力が大きいので、政府高官やその産業の経営者
        は大きな投資に値すると考えている。

        アメリカ中央軍司令官デイビッド・H・ペトレイアスは、
        「ここには驚くほどの可能性がある。もちろん多くの
        ”もし”があるが、私は非常に重要な可能性があると
        思う」と述べた。

        「これはアフガニスタン経済のバックボーンになるだろ
        う」とアフガニスタン鉱山・石油省顧問ジャリル・ジュム
        リアニーは語った。(ニューヨークタイムズ、オピニオン
        からの引用)

この2007年の報告が述べていないことは、この資源基盤は、1970年代にさかのぼってロシア(ソ連)にも中国にも知られているということだ。

アシュラフ・ガニー大統領のアフガニスタン政府は、リチュウムを含む鉱山業にアメリカの投資を促すためにドナルド・トランプ大統領を訪れたが、中国は、パイプライン計画や輸送回廊と同様、鉱業やエネルギー開発計画で先頭を走っている。

中国はアフガニスタンの主要な貿易・投資パートナーである(ロシアやイランと並んで)。
その関係は、アメリカの中央アジアにおける経済的、戦略的利害を侵害する可能性がある。

中国の意図は、アフガニスタンと中国新疆ウイグル自治区を結ぶ歴史的ワハーン回廊を通じた陸上輸送を完成することにある。(下の地図を参照)
       
        アフガニスタンの推定3兆ドルの価値がある
        未開発の鉱物で、中国企業が銅や石炭の巨大
        な採掘権を得た。そして数十年間で最初の石油
        採掘譲渡権が、外国人に許可された。また中国
        は、バッテリーから核兵器部品まで広範囲に利
        用されるリチュウムの大きな埋蔵も狙っている。

        中国人はまた水力、農業、建設部門にも投資し
        ている。2国間の国境を横切る76キロに渡る直通
        道路が建設中である。(ニュー・デリータイムズ、
        2015年7月18日)
         
     READ MORE 「戦争はする価値がある」。アフガニスタンの鉱物、天然ガスの巨大な埋蔵量

アフガニスタンの豊富な石油埋蔵量は、中国石油天然気集団公司(CNPC)によって探査されている。 

READ MORE:“The War is Worth Waging”: Afghanistan’s Vast Reserves of Minerals and Natural Gas
資料:鉱業ニュース、2010年8月
        

「戦争はいい商売だ」

米軍基地がそこにあるのは、アフガニスタンの鉱物資源管理を主張するためである。フォーリン・アフェアーズによると「他のどの戦闘地域よりも多くの米軍勢力が、アフガニスタンにいる」。その公式任務は、「テロとのグローバル戦争」の一部として、タリバン、アルカイダ、ISISを追跡することである。

なぜそんなに多くの軍事基地があるのか。なぜ増派が、トランプによってなされるのか。

アフガニスタンの米軍の語られざる目的は、中国を閉め出すことである。つまり、中国がアフガニスタンと貿易・投資関係を打ち立てるのを妨害するためである。

さらに広く言えば、中国国境西側のアフガニスタンに軍事基地を置くことは、中華人民共和国を軍事的に包囲する大きな過程の一部である。つまり、南シナ海への海軍派遣、グアムの軍事施設、南朝鮮、沖縄、チェジュ島などが大きな包囲網となる。(下の2011年地図参照)
    

アジア軸

オバマの「アジア軸」構想で打ち立てられた米国・アフガン安全保障協定の下で、ワシントンとNATO 諸国は、アフガニスタンに永続的な軍事プレゼンスを確立した。それらの基地は、トルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタンと同様、中国、パキスタン、イラン国境に戦略的に置かれている。


しかし、米軍プレゼンスは中国とアフガニスタン間の貿易・投資関係の拡大を阻止することは出来なかった。戦略的パートナーシップ協定が2012年カブールと北京の間で調印された。アフガニスタンは、上海協力機構(SCO)のオブザーバーでもある。

さらに隣のパキスタンは、今はSCOの正式メンバーであり、中国と密接な2国間関係を築いている。そして今ドナルド・トランプは、パキスタンを脅し、長年アメリカの「宣戦布告のない戦争」の攻撃目標であり続けている。

別の言い方をすれば、地政学的連携の変化は、パキスタンの隣のアフガニスタンをユーラシア的貿易、投資、エネルギー軸に統合することとなった。

パキスタン、アフガニスタン、イラン、中国は、石油、ガスパイプライン計画で協力している。トルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタンがSCOの正式メンバーであることは、アフガニスタンをユーラシアのエネルギー・輸送回廊に統合する地政学的基盤を与えている。
中国は、アフガニスタンを一帯一路の一部として西中国の輸送ネットワークにいつかは統合することを狙っている。

さらに中国の巨大国有鉱業会社、中国冶金科株式会社は、「タリバン支配地域にある巨大なメス・アイナック銅鉱床を既にうまく支配している。すでに2010年にはワシントンは、「資源に飢えた中国が、アフガニスタンの鉱物資源開発を支配しようとして、アメリカを苦しめることを恐れていた。・・・ローガル州のアイナック銅山の入札を勝ち取った後も、中国はさらなる要求をすることは明かだ。」(Mining.com)

中国とリチュウム戦争



中国の鉱業コングロマリットは今、戦略物資である世界リチュウム市場を支配しようと争っている。その市場を最近まで支配していたのは、「ビッグ・スリー」コングロマリット、つまりアルベマール・ロックウッドリチウム(ノースカロライナ)、ソシエダード・キミカ・イ・ミネラ・デ・チリ、アルゼンチンで操業するFMCコーポレーションであった。ビッグ・スリーが市場を支配しているが、中国はいま世界リチュウム生産の大きな部分を占めていて、オーストラリア、チリ、アルゼンチンに続く4番目に大きなリチウム生産国である。一方中国のチアンキ・グループは、グリーン・ブッシーズと呼ばれるオーストラリア最大のリチウム鉱山を支配している。チアンキは今ノースカロライナのアルベマールと共同でタリソン・リチュウムの51%の株を取得している。

このリチュウム生産の推進力は、中国の電気自動車産業の急速な発展と関連している。

中国は今「リチュウム界の中心」である。中国は既に最大の電気自動車市場である。ウォレン・バフェットに支援された会社BYDは、世界で最大のEVメーカーであり、中国企業はバッテリーのための最大のリチュウム化学製品を生産している。今中国では25の企業があり、電気自動車の51のモデルを作っている。今年、中国で50万台以上のEVが販売されるだろう。2009年からGMがシェビー・ボルトを10万台売るのに7年かかたのに。BYDは今年だけでEVを10万台売るだろう。(Mining.com, 2016年11月報告)

アフガニスタンのリチウム埋蔵規模は、正確に確かめられたわけではない。

専門家の評価では、まだ利用されていない貯蔵量は、世界リチウム市場に大きな衝撃を与えないということだ。

朝鮮戦争時のアメリカの爆撃は、第二次世界大戦でのドイツや日本の被害より壊滅的

Prof. Bruce Cumings: U.S. Bombing in Korea More Destructive Than Damage to Germany, Japan in WWII
JUNE 12, 2018

ブルース・カミングス教授
デモクラシー・ナウ 2018年6月12日
(翻訳:岩間龍男、大手山茂 2018年9月19日)
<記事原文>https://www.democracynow.org/2018/6/12/prof_bruce_cumings_us_bombing_in


トランプ大統領と北朝鮮指導者金正恩との歴史的会談が開かれました。これは、わずか数週間前の金正恩と韓国の指導者文在寅の歴史的会談の後のことです。この南北会談では、二人の指導者は朝鮮戦争を正式に終わらせる取り組みをすることに合意をしていました。そして火曜日のシンガポールでのサミットの後、トランプは朝鮮戦争を「極端に血なまぐさい紛争」と呼び、この戦争がすぐに正式に終わることを期待すると述べました。詳しくはシカゴ大学の歴史学者ブルース・カミングスにお話しを伺います。

カミングス教授は、Korea's Place in the Sun: A Modern History(1997) 邦訳『現代朝鮮の歴史―世界のなかの朝鮮』 横田安司・小林知子訳(明石書店、2003年)North Korea: Another Country (2004) 邦訳『北朝鮮とアメリカ――確執の半世紀』 杉田米行監訳/古谷和仁・豊田英子訳(明石書店、2004年)など、朝鮮に関する幾つかの著作があります。
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エイミー・グッドマン: デモクラシー・ナウ、戦争と平和の報道です。こちらはエイミー・グッドマンとファン・ゴンザレスです。今日はシカゴ大学の歴史学の教授ブルース・カミングスさんをお招きしています。カミングス教授は、Korea's Place in the Sun: A Modern History(1997)  North Korea: Another Country (2004)など、朝鮮に関する多くの著作があります。
さてあなたは朝鮮情勢について数十年追ってこられましたね。今日、署名された声明について、あなたが最も驚かれたことについて、お話いただけますか。カミングズ教授、これは、ほんとうのところ、過去の延長線上にあることなのか、初めて過去と断絶する動きなのか、どちらなのでしょうか。

ブルース・カミングス: そうですね、北朝鮮とアメリカの新しい関係について確認された最初の原則はとても重要ですね。つまり朝鮮民主主義人民共和国を国家として承認したことです。                             72年前、アメリカは1946年2月に金日成が権力を握ったことを認めませんでした。それは世界の耳目を集める中央権力掌握でした。アメリカはそれをソビエトの策略だと非難しました。そしてその後ずっと、アメリカは北朝鮮の国家の承認を拒否してきました。北朝鮮のイデオロギーは、自国の威厳を前面に押し出し、他国からの尊敬を欲することと不可分です。ですから声明でアメリカが北朝鮮を国家として承認すると言った第一原則はとても重要だと思います。 アメリカがそれをきちんと実行すれば、の話ですが。

第二に、いいですか、ドナルド・トランプはこんな風に何物にもとらわれない動きをします。彼の朝鮮問題への見方にはとらわれがないのですね。戦争が1953年に終わった後すぐに、あるいは過去60年間のどこかの時期に、平和条約が結ばれなかったことは馬鹿げたことだと、トランプは言っています。そして、その点については彼の言っていることは正しいのです。

しかし、「北朝鮮との外交は可能だ」との立場を取るジャーナリスト、ティム・ショロックが次のように言っていることに異論はありません。「腰が抜けるほど驚いたのは、トランプが軍事演習は挑発的だと言ったことです。軍事演習を中止する、少なくとも一時中断するという言葉は言わずもがなです」と述べているところです。バラク・オバマが大統領で、北朝鮮ミサイルと爆弾実験を含む特別な危機があった時、朝鮮半島にダミーの原爆を落とすために核兵器搭載可能爆撃機を送ろうとしました。ティムが言ったように、しばしば軍事演習には、北朝鮮政権の転覆する試みの計画、元山港に海兵隊を派遣して戦争の初期の段階で平壌(ピョンヤン)を行進する計画、そして朝鮮戦域での核兵器の使用が含まれていました。したがって、これらの軍事演習が中止となったことは大変に重要だと思います。しかし、それはまたその状況について全く知らない人物がいることが露わになったということです。はっきり言うと、それはドナルド・トランプのことです。彼は状況を見て言いました。「ちょっと待て、これは費用がかさむだけでなく、非常に挑発的なことだ」と。

また私はCNBCのホワイトハウス担当記者クリスティーヌ・ウィルキーが次のように言ったことに賛成です。すなわち、サミットの演出は非常に重要だったことです。朝鮮民主主義人民共和国の国旗がアメリカ国旗のすぐ隣にあったこと、ドナルド・トランプが北朝鮮の指導者を、利口な男、偉大な男と述べたこと、これらすべてが重要な演出でした。このようなトランプの声明に対してアメリカではあらゆる種類の中傷があることは分かっています。しかし、明らかにトランプは直に知り合いになる関係が大切だということを知っています。そしてこのことはうまくいったようです。

フアン・ゴンザレス: ブルース・カミングスさん、アメリカと北朝鮮の関係の歴史を知らない多くの視聴者のために、あなたに尋ねたかったことがあります。朝鮮戦争でアメリカが北朝鮮を攻撃した時の破壊のレベルについて話していただけますか。また、中国やベトナムとの国交正常化などアジアで変化が起きたにもかかわらず、どうしてアメリカがある意味で冷戦にこだわった地域として朝鮮は残ってしまったのでしょうか。

ブルース・カミングス:そうですね、まず第2の質問をとりあげてみましょう。それは簡単に答えられる質問です。北朝鮮と韓国のよりよい関係、北朝鮮とアメリカのよりよい関係を望む韓国政府が必要だということです。そして9年間そのような韓国政府はありませんでした。しかし、文在寅が政権の座に就くと、彼は即座に北朝鮮とのよりよい関係を持つつもりだと述べました。そしてクリスティーンが述べていたように、文在寅はアメリカと北朝鮮を引き合わせる本当に重要な導き手でした。

だから、文在寅大統領の押し進める融和的な流れの中でーそのような流れが現在や過去にしばしばあったわけではありませんがー物事が前に進んでいます。しかし、これは初めてのことではありません。このことは90年代にも起きました。金大中が政権の座に就いた時、北朝鮮とよりよい関係を持った時です。しかし、文在寅はかなり経験を積んでいました。彼はもう一人の進歩的な大統領であった盧武鉉(ノムヒョン)の首席補佐官でした。彼は自分が何をしているのか分かっています。だから、主にそのような理由から現在アメリカが北朝鮮とよりよい関係を築く過程にあります。

北朝鮮人は誰でも知っていますが、朝鮮戦争では家族が殺されました。通常は米軍が際限無く投下した焼夷弾によってです。基本的には、第二次世界大戦中ドイツと日本の都市を廃墟にするために使われた焼夷爆弾が北朝鮮にも投下されたのです。この爆撃のせいで北朝鮮には15から16のあまり規模の大きくない都市がありましたが、すべて地上から抹殺されました。アメリカ空軍の統計によれば、北朝鮮の都市での破壊の割合は時には100%であったこともあり、第2次世界大戦でのドイツや日本の破壊の割合より概して高率でした。さらには、ナパーム弾が至る所で使われました。

チャーチルは1953年アイゼンハワーにわざわざ打電し、次のような要点を告げなければなりませんでした。「ナパーム弾を発明した時、私たちは見境無く民間人にそれを使用することなど、まったく念頭にありませんでした」。歴史家たちは見積もっています。ベトナム戦争での死傷者の約40%が民間人だったことと比べると、朝鮮戦争での死傷者の約70%は民間人でした。だからトランプ大統領が言ったように、それはとてもとても破壊的な戦争でした。そしてすべての北朝鮮の人々はそのことをすべて知っています。

フィリピンのアメリカ離れ

‘Who are you to warn us?’: Duterte hits back after US warning to stay away from Russian arms


RT Home/World News/  2018年8月20日
(翻訳:大手山茂、岩間龍男)
<記事原文>https://www.rt.com/news/436429-duterte-us-russia-weapons/


Philippine President Rodrigo Duterte © Ted Aljibe / AFP

フィリッピン大統領ロドリゴ・ドゥテルテは、アメリカ政府がフィリッピンにどの武器を購入すべきかを指示したことに対して激しい批判を行った。しかし、ロシアから購入するかもしれない潜水艦がアメリカ国民に対して使われることはない、と発言することでアメリカ国民をなだめた。

ドゥテルテは、先週アメリカ国防省長官補佐官アジア太平洋問題担当のランドール・シュライバーの声明に激怒した。フィリッピンはロシア製の潜水艦や他の兵器を入手することについて「しっかり考慮すべきだ」。さもないとアメリカとフィリピン両政府の同盟関係を危うくするだろう、というのが声明の内容だった。

ドゥテルテは金曜日ダヴァオ市で演説した。「なぜ? あんたは他の国にストップをかけたのかい?なぜ我々にストップをかけるんだい?フィリピンに警告するなんてあんたは何様?」と。これはインクワイアラー紙のネット版で掲載されていた。

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Philippines won’t stop buying Russian arms over US pressure – FM


ドゥテルテはシュライバーに、同じ警告を面と向かって繰り返してみろと挑発的に言った。「公開討論会でもやろう。そこであんたは、わが国の潜水艦入手の反対論を言うんだよ。理由もちゃんとつけて、それを公にするのだよ。」

「それがあんたの望む同盟国への扱いなのかい?それにフィリッピンがどんな時でもアメリカ側にいて欲しい、とあんたは思っているのかい?」とドゥテルテは怒りを投げつけた。ドナルド・トランプ大統領にも同じ質問をぜひしたい、「もし会うようなことがあればだが」と語った。

ドゥテルテは、アメリカがフィリッピンの防衛能力を「遅れた」ままの状態にしようとしていると非難した。 「ベトナムは7隻の潜水艦、マレーシアは2隻、インドネシアは約8隻だ。フィリッピンだけがこの地域で潜水艦が1隻もない」と彼は論じた。 

しかし、ドゥテルテ大統領は次のように述べることでアメリカ政府をなだめた。「わが国はアメリカを目標に潜水艦を使うことはない。中国や他のどの国に対しても敵対的に潜水艦を使うことはできない。なぜならフィリッピンの軍事力は劣っているからだ。」 

ドゥテルテはまた、アメリカが改修したヘリコプターをフィリッピンに売りつけたことを非難した。彼の言によれば、そのうち数機はすでに墜落したとのことだ。ロシアや中国は中古装備をフィリッピンに寄付してくれるだけで、「びた一文の金も請求することはなかった」と言った。

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ロシアとフィリッピンは軍事協力協定を昨年締結し、ロシアはすでに5千丁を越えるカラシニコフ攻撃用ライフルをフィリッピンに無償で提供し、イスラム系反政府勢力との戦闘の一助になっている。

ドゥテルテ政権はまた、潜水艦、パトロール船、ヘリコプターそして装甲車両をロシアから購入することを考慮中だ。

8月初め、フィリッピンの外務大臣アラン・ピーター・カエターノは、アメリカが圧力をかけてもフィリッピンがロシア製武器購入を断念することはないと明言した。これは「われわれが本当に自立的外交を決意しているかどうかの試金石なのだ」から、と。

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アメリカ政府は最近インドとトルコにロシア製S-400防衛ミサイルシステムの購入を控えるよう説得しようとした。が、両政府からは「アメリカの関知する問題ではない」と言い返された。

「私たちはモルモットだった」:アメリカ在住広島原爆被爆者の証言

Us used HIroshima atomic bomb victims as 'guinea pigs', survivor tells RT
RT 2018年8月3日
(翻訳:大手山茂、岩間龍男 2018年8月22日)
<記事原文>https://www.rt.com/news/435030-hiroshima-victims-nuclear-guinea-pi

広島平和記念資料館で原爆のキノコ雲の写真を見学している家族連れ
          © Issei Kato / Reuters

「広島原爆投下の生存者はアメリカ側研究のモルモットでした。そして占領軍は原爆の悲惨さに光をあてようとするメディアの報道を検閲していたのです」とある広島原爆生存者はRTに語った。
セツコ・サーロウ女史は核兵器廃止運動の活動家であり、広島原爆の生存者だ。 彼女はRTのソフィー・シェバナゼ記者のインタビューに対して、「第二次世界大戦後日本を占領したアメリカ軍は核兵器の影響を研究することに関心があって、原爆投下による犠牲者に援助の手を差しのべることはしていません」と語った。

『日本はアメリカの核の傘から離脱すべきだ」・・・広島市長

「アメリカはABCC(原爆傷害調査委員会)という名称の機関を立ち上げました。 みんなとても喜びました。 これでやっと治療を受けられるし、原爆について知識のある専門家が来ると思ったのです。 日本人の医師達はどうしていいかわからない状態だったものですから」とサーロウ女史はシェバナゼ記者の番組「ソフィコ」の中で語った。
「でもABCCの目的はひとつで、それは人間の体への放射線を研究することだったのですね。 放射線で病気になった人に救いの手を差しのべることは念頭にありませんでした。 生存者達は2回モルモットにされたと感じました。 1回目は投下目標だったし、2回目は研究対象でした。」
もっとひどいのはアメリカの占領軍があらゆる手段を使って原爆投下とその恐るべき影響を報道しようとするメディアに圧力をかけたことだ、とサーロウ女史は述べた。
「占領軍はメディアや新聞が占領軍に不都合と思われる記事は一切書いてほしくなかったのですね。 もしどこかの新聞社が広島や長崎での破壊の様子、とりわけ人間への被害を報じるとすればそれは不都合と考えられ、記事の発行にストップがかけられたでしょう。 実際占領軍は検閲を行い、メディア数社は廃社に追い込まれました。 こんなのは民主主義ではありません。」
サーロウ女史によれば日記、写真そして俳句まで何万点という個人的なファイルがアメリカ当局者によって押収され、核戦争の終末がどんな結末になるのかを世界に知らせまいとした、とのことだ。
「アメリカが原爆を製造した科学的な勝利は問題なし。 それは世界中知ることができました。 問題は人間への被害です。 それを世界に知らせるわけにはいかなかったのです。 それが個人的ファイルまで押収したことの理由です。」
(映像は省略)

通貨戦争はエスカレートする: 「オイル元」が、米軍が支援する「オイル・ダラー」に挑戦するとき

The Currency War Will Escalate as China’s ‘Petro-Yuan’ Challenges the U.S. Military-Backed ‘Petro-Dollar’

ティモシー・アレクサンダー・グズマン

グローーバル・リサーチ 2018.6.24
(翻訳:新見明 編集:大手山茂)
<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/a-currency-war-will-escalate-as-chinas-petro-yuan-is-set-to-challenge-the-u-s-military-backed-petro-dollar/5616456

現在進行している通貨戦争に関連して。最初2017年11月に発表。


米ドルとそれに関連した地政学的状況に関して、私の頭をいつもよぎる一つの引用は、トレンド調査研究所の創設者ジェラルド・セレンテの言葉だ。「他の全てが失敗したとき、彼らは戦争へと導く」

米ドルが世界の主要準備通貨の地位を失い続けるとき、世界戦争の現実は避けられないようだ。特に中国、ロシア、イランが、米ドルを回避して、「オイル元」のような他の通貨に肩入れする戦略的動きをしているときはなおさらだ。中国は自分の通貨「元」で石油価格を決定するとした。そのような新たな金に裏付けられた先物契約は、世界経済の力学を変えることになるだろう。中国は今年後半にオイル元を開始する準備をしている。それは結果的に世界準備通貨としての米ドルを脅かすことになるだろう。

第二次世界大戦の終結時、国際経済システムは大混乱していた。だから新しい経済システムを構築するために一つの計画が考案されていた。1944年7月までに730人の代表団がニュー・ハンプシャー州ブレトンウッズの国連金融財政会議に集まって、歴史的ブレトンウッズ協定にサインした。それは国際復興開発銀行(IBTD)と国際通貨基金(IMF)を創設することになる規則体系を作り出す計画であった。IMFの主目標は支払いの一時的不安定を阻止することであった。ブレトンウッズ協定の枠組みは、国家間の貨幣価値を管理することであった。各国は金に換算できる固定価格内に自国通貨の交換比率を保つ金融政策を持たなければならなかった。しかし1971年までにアメリカは米ドルと金の兌換性を終了させた(当時、金の固定率は1オンス35ドルだった)。そしてアメリカが米ドルを法定不換紙幣にすることになり、ブレトンウッズ体制を終わらせたのだ。法廷不換紙幣とは、中央銀行(特に米連邦準備銀行)にお金をどんどん印刷することを認めることなのだ。

そこで中国の動きが重要になるだろう。まず第一に、中国は、ワシントンが勝手にどの国にも経済的制裁を課す能力を徐々に現象させるだろう。そして同時にアメリカの消費者は、輸入品がさらに高価になるので、ゆっくりとの購買力を減少させるだろう。

中国(米国債の最大の保有者)は、石油の最大輸入国である。一方ロシアは世界で最大の輸出国であり、オイル元を使っオイルダラーを回避することに同意した。オイル元は世界中の米ドルのヘゲモニーを脅かしている。ワシントンの大敵である数カ国、イランやベネズエラやインドネシア(現在ワシントンの攻撃目標になっていない)さえも、最近石油取引で米ドルから元への切り替えに加わることに興味を示しているのだ。

大手メディアは、中国がドルを回避し、国際社会でペトロ元を導入する最近の展開を報道している。CNBCの記事、「中国はドルを退位させる大望を抱いている。それは今年の大きな動きとなるかもしれない」の中で次のように書いている。

  
中国は、ドルの世界支配に対抗する大きな動きをするつもりである。それは今年早々になるかもしれない。新しい戦略は、エネルギー市場の支援に積極的に参加することだ。北京はこの数ヶ月のうちに石油価格決定の新たな方法を導入する可能性がある。しかし現在世界市場を支配している米ドルに基づく契約とは異なって、これは中国自身の通貨を使用することになる。もし中国が希望するように、広範な採用があれば、それは世界で最大の通貨としての米ドルの地位に対抗する第一歩となるだろう。

中国は世界最大の石油輸入国だ。だから北京は自国通貨が世界経済の最も重要な商品の価格を決定するのは当然のことだとみている。しかしそれ以上に、ドルから離れることは、中国やロシアのような国にとって戦略的優先事項なのだ。両国とも米ドル依存度を減らし、米国の通貨リスクを減らし、アメリカの経済制裁の影響に歯止めをかけようとしているのだ。


ワシントンはドナルド・トランプ大統領が先頭に立って、もう一つの戦争である北朝鮮と衝突過程にある。アメリカ負債帝国は、生命維持装置としての米ドルの力で、戦争という脅しを使い続けていている。ある場合には世界で、ワシントンの攻撃目標であるイランやシリアやベネズエラと実際に戦争をしている。イランとロシアは、ワシントンから課される経済制裁を避けるために米ドルからすでにゆっくりと移行している。ベネズエラも米ドルに対抗する動きをすでに準備している。ロイターは、マドゥーロ政権が石油輸出の新たな国際決済システムを実施する決定について報道しなかった。しかし「ベネズエラのマドゥーロは中国元を支持し、米ドルを避けるだろう」という見出しの報道は、マドゥーロがベネズエラ、カラカス連邦立法宮殿での憲法制定議会で述べたことを次のように引用した。

「ベネズエラは新たな国際決済システムを実施し、ドルから我々を解放してくれる通貨バスケットを創設するだろう」とマドゥーロは新たな立法府に対して数時間に及ぶ演説で語ったが、新たな制度の詳細は語らなかった。「もし彼らが我々にドルを求めるなら、我々はロシアのルーブルや元やインドのルピーやユーロを使うだろう」とマドゥーロは述べた。


「中国、サウジアラビアへ元での石油取引を“強要”、その米ドルへの影響」とだいされたCNBCのもう一つの最近の記事で、高度流通経済のチーフ・エコノミスト、理事長カール・ワインバーグへのインタビューがあった。それは世界最大の石油輸入国である中国が、サウジアラビアに「オイル元」を強要した場合、アメリカドル体制が近い将来どのように世界の支配力を失うかがテーマだった。

        
中国が「世界最大の石油輸入国」としてアメリカの地位を奪ったので、北京は石油需要において世界で最も影響力を持った国になっている、とチーフ・エコノミスト、理事長のカール・ワインバーグは述べた。

ワインバーグは続けて、サウジアラビアは「このことを無視できない。今後1・2年もたたないうちに、中国の石油需要はアメリカのそれを圧倒するからだ。元の石油価格決定力は、サウジがそれを受け入れるや否や実現するだろう。こういった動きと平行して他の石油市場も歩調をあわせることになるだろう」と述べた。


米ドルは世界の準備通貨としての地位を徐々に失いつつある。そうすると中国との戦争の可能性があるのか。アメリカは、中国への容赦ない警告として、北朝鮮を攻撃するのか。それとも米ドルを救おうとして、中国を紛争に巻き込むのか。サダム・フセインはイラクの石油輸出で米ドルの代わりにユーロでの取引を望んだ。リビアのムアンマール・カダフィはアフリカ大陸で米ドルを退けて、ディナール金貨を使うことを望んだ。イラクとリビア両国によってなされた決定は、米・NATO軍による国家破壊へと導く結果となった。アメリカは中国に対しても同じことができるのか。私はそれを疑わしく思う。なぜなら中国はアメリカのどんな攻撃に対しても防衛できる侮りがたい軍隊を持っているからだ。確かに中国はイラクやリビアではない。それでは長期的に見て、中国に対する戦争はあるのだろうか。アメリカはゆっくりと着実に崩壊しているので、ワシントンは生き残りのためなら何でもするだろう。米ドルが、軍産複合体と、それが世界で仕掛けている破壊的でとてつもなく金のかかる軍事的冒険を支えているからだ。

「オイル元」の開始が、いわゆる脱ドル化の過程を促進するだろう。しかしオイル元がいつか米ドルをひっくり返すことをわかっていない人々が大手メディアにはいる。例えば、ブルームバーグ・ニュースのディビッド・フィックリングは「オイル元の時代はやってこない」と書いていた。 
        
例えば、中国の大連商品取引場で最も取引されている商品、鉄鉱石をご覧なさい。本土の商品市場が最近、過熱気味であるが、ロンドンやニューヨークの主要取引契約よりも気配値にまだ数倍の開きがある。そのため取引はコスト高になり、価格の乱高下も激しく、適正価格発見力も弱くなる。中国は現有の大消費国なのだから、こういった不安定な変動には異論を唱えてしかるべきだ。

考慮すべき生産国もいる。ほとんどの中東の石油輸出業者はドルペグの通貨をもっている。元による価格決定に転換することは、はっきりしないもうけのために予算に外国為替リスクをもたらすことになる。特に中国への原油輸出は産油国全体では20%にも満たないからである。

予定された契約が役に立たないということではない。中国は自分の目的にもっと適した基準を持つことで利益を得るだろう。特に、現地の製油所によって精製される硫黄化合物を含んだ原油を対象とする契約はそうだ。西側主要諸国が結ぶ契約をさせている硫黄分の少ない形質の原油とは事情が異なる。

ただそれが世界を変えるとは期待できない。経済的重心が東へ移動しているのだが、西テキサスや北海との石油コネクションはこれから何年も強いだろう。


「通貨戦争:次の世界危機を作るもの」の著者ジェイムズ・リカーズはこのフィックリングの分析にきっと賛成しないだろう。

        
自国で紙幣を印刷することは中国では高いインフレ、エジプトでは物価高騰、ブラジルでは株式バブルを意味する。ドル紙幣をどんどん印刷することはアメリカ国債の価値が下がり、外国債権者を売却する場合に手取りが少なくなるということだ。このアメリカ国債価値下落はいろいろな経済発展活動分野で執拗者が増えることを意味する。アメリカへの輸出品の値段が高騰し、その結果アメリカ国内で商品があまり売れなくなるからだ。当然インフレということになるが、それは銅、トウモロコシ、石油そして小麦のような一次産業を発展させるときに必要な資材の価格を高騰させる。アメリカが資金援助や関税や資本調整を通じて引き起こすインフレに対して、外国は戦い始めた。通貨戦争は急速に拡大している。


米ドルが失敗しているのは、ワシントンの経済的、外交政策のため、そしてウォールストリート銀行カルテルや多国籍企業や軍産複合体との共謀のためだ。カイザーレポートのマックス・カイザーはRTのインタビューで、なぜ世界が米ドルから離れようとしているかを説明している。

        
世界中の国々は「アメリカの軍事的冒険に“帝国の負債”の一部となって」資金援助することに、うんざりしている。それは世界中で知られている米ドルという負債だ。それ故に、脱ドル化の動きに加わりがちなのだ、とカイザーは述べた。しかしアメリカ金融部門とその軍産複合体は、戦うことなしにドルのヘゲモニーを諦めることはない。ドルがアメリカの基本であり、主要産物であるからだ。そしてアメリカはそのために他のお気に入りの道具を使う。つまり戦争だ、とカイザーは考える。

たぶんアメリカは日中間の戦争を仕掛けるだろう。そして彼らは北朝鮮との戦争を始めるかもしれない。アメリカは、世界準備通貨としての米ドルを守るために何でもするだろう」とカイザーは述べた。「彼らはアフガニスタンでやったように、国々を侵略するだろう。彼らはどんなことがあっても止めない。なぜならこれがアメリカ帝国の土台だからだ。それは土地に基づいたものでも、物質的商品に基づいたものでもない。それは借金経済(賃貸料)に基づいたものだ。それはドルを上陸させ、収入を奪うことに基づいている。そして支払わない国があると、彼らはその資産を解体し、それらを乗っ取る。我々はそれをラテンアメリカや南アメリカで見てきた。このようにしてアメリカは帝国を築いた。」


あなた方が同意しようがしまいが、通貨戦争は始まった。我々は来たるべき数ヶ月、しっかり注意を払うだろう。そして何年か先に米ドルの優越性を維持するためワシントンがどこまでやるか見ることになる。そうなると中国がオイル元へ踏み込む準備をする様子を見ながら、アメリカは北朝鮮との戦争に乗り出すということになるのだろうか。

この記事は元々Silent Crow Newsで発表された。

(さらに読む)「特集記事:通貨戦争、中国ペトロ元の介入」
https://www.globalresearch.ca/selected-articles-the-inception-of-petroyuan/5624061?utm_campaign=magnet&utm_source=article_page&utm_medium=related_articles
                                  

<新見コメント>--------------------------------
ティモシー・アレクサンダー・グズマン「通貨戦争はエスカレートする。“オイル元”が、米軍が支援する“オイル・ダラー”に挑戦するとき」

この翻訳には経済・金融用語がで出てくるのでとても苦労しました。私自身まだ理解できていない点や、不正確な翻訳があると思うので、気づかれた点を指摘してください。

しかし、この記事が石油取引で、ドルに対して中国元が挑戦している動きはとても重要なので翻訳してみました。

アメリカは自分に従わない国に、経済制裁を加え、ドル支配を維持しようとしている。それに対して経済制裁や軍事的圧力を加えられた国々は、生き残りをかけて脱ドル化をはかろうとしている。中国、ロシア、イラン、ベネズエラなどである。

サウジアラビアなど中東産油国はドルで石油取引して、入ってきたお金はアメリカの高額兵器を購入したり、アメリカ財務証券を購入する取り決めがある。その代わりアメリカはサウジアラビアなどの政権維持を保証するのだ。このペトロ・ダラーの仕組みを、経済制裁や軍事圧力を受けた国々が中国元での石油取引をすることによって対抗しているのだ。

この記事の重要なところは、アメリカはドルの一極支配体制を維持するために、戦争をも辞さない段階に来ている点を指摘している点です。サダム・フセインのユーロ石油取引、カダフィのアフリカディナール金貨構想、これらの国は全てアメリカの戦争によって破綻国家とされました。いま中国が元で石油取引をしようとしているが、この場合はイラクやリビアのようには行かないだろう。しかしアメリカは日本など属国を巻き込んで、東アジアや中国周辺で紛争を起こす可能性が高いことは、我々も警戒しておかなければならない。

朝鮮半島、再統一の時がやって来た

ジョン・ワイト
RT Op-Ed(ロシア・トゥデイ論説)
2018年4月27日

ジョン・ワイトは、『インデペンデント』『モーニング・スター』『ハフィントン・ポスト』『カウンター・パンチ』『ロンドン・プログレッシブ・ジャーナル』『フォーリン・ポリシー・ジャーナル』などの世界中の新聞やウエッブサイトで記事を書いている。RTとBBCラジオのレギュラー解説者でもある。現在、アラブの春における西側諸国の役割を調べた本に取り組んでいる。彼のことはTwitter @JohnWight1でフォローできる。



南北朝鮮指導者の歴史的会談で確認されたことは、朝鮮半島の平和的再統一を視野に入れる時がやって来たことだ。

実際のところ、金正恩と文在寅の二人の朝鮮指導者の会談は、世界史的に重要な出来事だ。朝鮮半島では数十年の敵対が続いた後、この苦悩にさいなまれた国においては、平和が長続きせず、戦争となる可能性がずっと高かった。

また朝鮮半島で現在進行している緊張緩和の急展開は、世界をびっくりさせた、というのが正直なところだろう。私たちは疑いなく、わずか数カ月のうちに、はるばる長い旅をやってのけた。そんな時、米国大統領ドナルド・トランプといえば、2018年の始めにツイッターで北朝鮮を脅迫していたのだ。

では、何がこの急激な変化をもたらしたのだろうか。以前にはなかったどんな要因があるのだろうか。朝鮮半島危機にブレーキをかけることになった要因は何であったのか。朝鮮半島情勢は、大惨事に向かって突進している列車やトラックに似ていたのだ。

(さらに読む)
「戦争のない新しい時代:二つの朝鮮が完全な非核化に同意する」
https://www.rt.com/news/425279-koreas-peace-denuclearization-talks/


ここでは、2017年5月の韓国大統領に文在寅が選出された意義を見落とすことができない。これは、彼の前任者である朴槿恵が政治的スキャンダルで失脚し、弾劾された後のことだった。元学生活動家で人権弁護士である文在寅は、「時来たりならば、その人来たらん」という格言を体現したように現れた。

重要なことは、文在寅の外交政策の中心課題は、南北朝鮮の平和的再統一を信念としていることだ。平和的再統一が文在寅の目標なのだ。もしそれが実現するならば、世界核兵器終末戦争の危険に曝された苦悩と対立の時代に、終焉を告げることにになるだろう。

一方、金正恩は、グロテスクな戯画の眼鏡を通して、屈服することを拒否する指導者と、西側では見られてきた。それにもかかわらず、彼は平和と和解への真摯な取り組みを示した。その平和と和解への真摯な取り組みは、その地域での苦しみの遺産を深く理解することと繋がっている。そして、その平和と和解への真摯な取り組みを阻害してきたのは、米国主導の西側帝国主義諸国による数十年にわたる窒息させるような圧力だった。

重要なことは、経済的な封鎖や制裁、そして差し迫った戦争と核による滅亡の脅威によって締め付けられながら、社会が繁栄し発展することは、不可能であるということを、西側のイデオローグたちが知らなかったり、無視を決め込んでいることである。それは、首ねっこを押さえつけながら、正しく呼吸していないことを咎めるようなものだ。

北朝鮮の一般的な描写は、自ら意図的に世界から孤立している国というものである。その国では2500万の人々が、考えることのないロボットにされ、生まれた時からカルト信者のように「親愛なる指導者」に服従し、「親愛なる指導者」をあがめるよう、言語に絶する残酷な制度の下で強制されてきたというものだ。それは、ジョージ・オーウェルの有名な小説『1984』の中で描かれている国や社会に似た世界であり、独裁的、全体主義的暗黒の世界で、広大な獄舎であるというものだ。

しかし、これが北朝鮮事情のすべてなのだろうか。さらに、それは事情の一部ですらあると言えるのだろうか。もしそれが事情のすべて、またはその一部でさえないのならば、北朝鮮の事情は一体どうなっているのか。

記者であり小説家でもあるアンドレ・ヴェルチェクは、国際平和派遣団の1人として、北朝鮮を訪問したことのある人物だ。ホワイトハウスによる北朝鮮への核による威嚇の絶頂期に、ヴェルチェクは、ドナルド・トランプへの公開書簡の中で書いている。

「北朝鮮の人々は、愚かなロボットのように見え、愚かなロボットのように振る舞っていることになっている。北朝鮮の人々は、すべての基本的感情や個性がなく、物事をしっかり見ず、痛みと思いやりと愛を感じることができないことになっている。」

「あなたは真実と現実を見たくないのだ。そして、あなたは他の人たちにも、盲目であることを望んでいるのだ。」

「たとえあなたが北朝鮮全体を粉々に爆破しても、実際には多くを見ることはできず、ほとんど何もわからないだろう。戦艦と潜水艦から発射される自分たちのミサイル、空母から離陸する自分たちの航空機、そして強力な爆発を映し出すコンピューター・グラフィックスの画像を見るだけだろう。そこには痛みもなければ、リアリティもなく、激しい苦痛もないだろう。あなたやあなた方の一般市民には何も分からないだろう」。

今まで、北朝鮮が西側諸国との約束に背を向けてきた国であり社会であったとしても、いったい誰が北朝鮮の人たちを責められるのか。数十年に及ぶ日本の植民地主義と帝国主義によって残された大きな傷、それに続く米国とその同盟国との朝鮮戦争(1950-1953年)で巨大な破壊を被り、それらの大きな傷跡を考えると、誰が北朝鮮の人たちを責められようか。

そして現在、経済制裁や、北朝鮮に向けられた何千ものミサイル、さらに韓国の多くの駐留米軍、沿岸をパトロールする核武装した米海軍戦闘集団のことが考慮されていない。

そのような事態は、アメリカ帝国主義の目的と性質に資するものであるのかもしれないが、それは朝鮮の人々にとっての平和と再統一への願いに反するものであり、彼らの利益と将来にとっては有害なものである。

進歩の敵というのは、民主主義や人権についてもったいぶった話をしながら、その一方で次々と国々を荒廃させている人たちだ。そういう事実に世界が、度も何度も目覚めて気づく時にはじめて、混乱と紛争よりも平和と安定が行き渡るだろう。

金正恩と文在寅の歴史的首脳会談は、私たちに希望を持たせてくれた。その希望とは、朝鮮半島だけでなく世界全体が、戦争の惨禍をかなぐり捨て、その代わりに平和を大切にする準備がようやくできたということだ。

そのような平和こそ、我々が長年待ち望んだことだ。
(翻訳:岩間龍男、新見明)
[記事原文]https://www.rt.com/op-ed/425320-north-south-korea-reunification/


<新見コメント>--------------------------------------
ピョンチャン冬季オリンピックを機に、電撃的な南北融和が図られました。私もその意義を知らせるために英文記事を読んでいたのですが、ちょうどそのとき岩間さんがジョン・ライトの記事を翻訳してくださいました。そして私も翻訳に参加して仕上げることができました。

国内では安倍政権の「対話のための対話では意味がない」などという、無神経な発言が報道されています。そうでなくても進歩的といわれてきた「筆洗(中日春秋)2018.2.13朝刊」でさえ、「化けたぬき」にたとえて北の宥和政策を否定的に報道しているのです。

チョスドフスキーが書いているように「33年間、最大で950近くの核兵器に脅され、しかも経済制裁で苦しめられてきた」*北朝鮮の苦境があるのに、一方的に北朝鮮を悪者にするばかりで、アメリカを非難する声は聞こえてきません。それでは東アジアや日本の平和は訪れるはずがありません。私たちはメディアによるこのゆがんだ理解を糺していくためにも、このような記事を読む必要があると思います。
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-35.html

世界最大の興行権: オリンピックで誰が儲けるのか

Business News

RT 2018年2月9日

トービー・メルビル/ロイター

第23回冬期オリンピックが韓国の平昌で開かれている。これをローマ人(彼ら自身古代オリンピックの大ファンだった)が「誰のためになるか」または「誰が儲けるのか」と糺した視点から見てみよう。
もっと明確に言えば、誰のお金でオリンピックが回っているのかということだ。
現在世界でIOCほどおいしいお金儲けマシーンはない。ドル箱となる名称権やシンボル権を売って。しかしまず一般に考えられている思い違いを検討しよう。

一般通念:
IOCは、やや国連と似ている。つまりIOCは、それぞれの参加国、つまり各国オリンピック委員会によって支払われる料金によって成り立っている。

真実:
IOCは本質的にスイスにある非営利の私的機関である。IOCは自分のことを次のように誇らしげに言う。
   ...全く私的財源による組織として、IOCの商業的協賛事業は、オリンピッ
   ク開催やオリンピックのあらゆる組織運営上で貴重なものである。

一般通念:
IOCとオリンピック主催者は、オリンピックの準備費用や開催費用を分担する。


(開会式の花火、平昌オリンピックスタジアム フィル・ノーブル/ロイター)

真実:
オリンピックは世界最大の興行権である。応募都市は、大会に必要なものがすでに準備できていることをIOCに認めさせなければならない。つまり、すべての関連費用をもつことだ。必要とされるのは、ただIOCの自由裁量なのだ。それと引き替えに、成功した入札者はオリンピック競技を招致する権利が得られる。経費のうまい汁は、いつも各国組織委員会が負担されることになる。競技施設、選手や役員の宿泊、輸送手段、競技期間の食事など、などが含まれるが、それだけではない。
IOCが生む唯一最大の費用は、競技のテレビ放映権でもたれる。

一般通念:
きっと利益は、オリンピック主催者とIOCによって分割される。

真実:
違います。IOCが試合に関連した販売権をほとんどもっていて管理している。現場のオリンピック施設やチケット販売からの収入は分割される。しかしそれらは主要な収入源からすれば小さいのです。販売権からの主な利益は、いつもIOCに直接行きます。

一般通念:
主要な収入源でいえば、競技は主に超国家企業によって引き受けられる。その超国家企業の宣伝を競技場のポスターやテレビで絶えず見ることになるのですね。

真実:
yesでありnoでもある。IOCと連携し、商品にオリンピック競技場の特許権を表示する権利を持つために、オリンピック協賛権(TOP)プログラムを買わなければなりません。現在ほとんどアメリカを本拠とする13の大企業が、「IOCに競技場のために支払っています」。それらはその特権のために年間数億ドルを支払います。

(キム・ホンジ/ロイター)

しかしTOP(オリンピック協賛権)プログラムは、重要なのですが、IOCにとって資金源としては2番目なのです。TOPからのお金はすべてIOCの金庫に直接入りますが、大会主催者はそれには無関係であると述べましたが。
...だからもしチケット販売が収入源の小さなものであるなら、また強力なコカコーラ、P&G、Visaからのお金でさえ、IOCの主要財政源と比較すれば小さなものであるとすれば・・・どうでしょう。誰がIOCの狩猟財政スポンサーなのでしょう。
答えは簡単です。NBCユニバーサルです。そのアメリカのメディア複合企業がIOCにオリンピック競技の全収入のなんと40%あまりを出しているのです。それは単純な数学です。ニューヨークに本部を置く企業が、IOCにアメリカ市場のテレビ放映権として2014年から2020年まで4回のオリンピックに43.8億ドル支払ったのです。もちろん2018年の平昌オリンピックを含めて。もしくは1回平均11億ドル(契約は夏季、冬季オリンピックの区別はありません)を支払ったのです。アメリカ人がローザンヌに進んで送っているお金の額にびっくりしている人々にとって、もう一つさらに印象的な数字があります。2014年早々、NBCとIOCは、2032年までの次の6回のオリンピックに77.5億ドル、もしくはそれぞれの大会に13億ドル支払う契約を延長したのです。NBCがそんな巨大な投資の見返りをどうやって受けるのだろうか(テレビ市場支払われた最高額)。しかし事実は、アメリカ人はオリンピック運動の巨大な「株主」なのです。それは「支配株」と呼ばれるかもしれない。

(オリンピック組織委員会)

しかしそれだけではありません。IOCはヨーロッパの放送局と個別に交渉することにうんざりし、ヨーロッパ全体をひとまとめにして放映権を売り出すことに決めました。ヨーロッパ人は交渉してみましたが失敗して、IOCの好みを満たすことになりました。放映権はもう一つのアメリカ基盤の巨大メディア、ディスカバリー・コミュニケーションズに行ってしまいました。その取引はIOCにとってNBCのように甘い汁ではありませんが、決して不満足な数字でもありませんでした。メリーランド基盤の企業が2018年から2024年の4回のオリンピックに13億ポンド(現在のレートで約16億米ドル、もしくは1種目ごとに4000万ドル)支払いました。
ディスカバリーは当時、ヨーロッパの放送局各社に少しずつ放映権を再販売し始めました。それはヨーロッパ放送局各社をさんざん苦労させました。しかし再び、それは別の話なのです。世界の他社は、NBCやディスカバリーと比べて、ずっと少ないお金を支払っている。それは公的には公表されていませんが。いろいろな概算が示されている。アメリカやヨーロッパ以外のIOCの二つの最大のもうけ口は、日本と中国のテレビ放映権で、オリンピック放映権所有者に2億5千万ドルと各「オリンピックの4年」ごとに1億2千5百万ドル支払っている。概してIOC収入の最近の内訳は次のようになる。
・73%の放映権
・18%のオリンピック協賛(TOP)プログ ラム販売権
・5%の他の収入
・4%の他の権利

次の大会のIOC全体収入は(低く見積もっても)20億ドルと見積もられた。それはIOC幹部が近くのスイス銀行の金庫に入れることになるのだろうか。もちろん違う。大部分のお金は貧困な国々のスポーツ発展やユース・オリンピックのような儲からない競技開催のために援助される。しかしIOCはその文書の中で控えめに述べている。「収入の10%そこそこは機構維持のために使われる」。しかしそれは決して少額ではない。
さらに重要なのは、最近、高額入札者に売られるこれら主要な収入源増大を、IOCが明らかに隠していることだ。入札者が誰であり、入札者がどこから来ているかを。結局それは企業活動と類似し始めている。その中で主要投資家は、運営「もしくはその他」へのさらなる要求を増大させている。「国際オリンピック活動」とはそんなものなのだ。

<記事原文>
https://www.rt.com/business/418322-olympic-games-money-profits/

<新見コメント>--------------------------------
オリンピックがスポンサーの意向で歪められている報道をどきどき見る。

例えばフィギュアスケートが午前中に開催され、転倒する選手がたくさん出たとか、ジャンプで日にちをまたいで競技が行われたとか。
    東アジアの昼間は、フィギュア人気の高い米国の夜にあたり、
    深夜は欧州の夕方になる。最近の五輪はIOCが掲げる「アス
    リートファースト(選手第一)」ではなく、巨額のテレビ放映権
    料を支出する欧米の視聴者を意識した「顧客第一」と言うの
    が実態だ。     (毎日新聞 クローズアップ2018)
https://mainichi.jp/sportsspecial/articles/20180227/ddm/035/050/024000c

これらすべてがアメリカのゴールデンタイムにリアルに放映できるためにあるとは驚きだ。スポンサーの意向だけが優先され、競技するものはそのためにどんな悪条件でも競技しなければならないということだ。

2020年の東京オリンピックも真夏の一番競技環境の悪いときに実施されるという。そして競技時間もスポンサーの意向が反映され、選手にとって無理な日程が組まれるのだろうか。グローバル企業は、株入主のため利益を最大限にすることを飽くなく追求し、それによって犠牲になる庶民のことは視野に入らないようだ。出資比率40%余りのNBCは筆頭株主にあたり、その意向は絶対的であることをこの文章は示している。

もう一つオリンピックの果たす役割がある。日本では北朝鮮核・ミサイル問題が、国内問題(森友・加計など)を国民の視線からそらしたように、オリンピックが国民の目をナショナリズムに向ける役割を果たしていることだ。安倍晋三がかくもオリンピックに熱を上げるのは、国民の目線を国内矛盾からそらすのに大きな役割を果たすからだ。

かつてナチスドイツが第一次世界大戦の敗戦の苦しみの中で徐々に勢力を伸ばし、1936年ベルリンオリンピックでは、国内矛盾から目をそらせ、国民の意識高揚を謀ろうとしたことは有名です。アテネからの聖火リレーが始まったのもこのベルリンオリンピックからだということです。

観戦型スポーツの果たす役割を、私たちは注視しておかなければならない。チョムスキー『チョムスキーの「教育論」』(「観戦型スポーツ」の役割)から見てみよう。
     <スポーツが社会の脱政治的な人々に果たす役割>
     だったら何が残っているのでしょうか。そうです、唯一残って
    いるのがスポーツなのです。そこで、あなたは多くの知識・思考・
    自信をスポーツにつぎ込むのです。そしてそれが、社会におい
    て概して多数の人々が果たす基本的機能のひとつでもあると考
    えます。つまり、本当に重要なことに関係しないように、人々を
    遠ざけるのがスポーツの役割なのです。(p.378)

      「観るスポーツ」が持つ別の役立つ機能がまだ他にもあります。
    一つは、それらは「ショービニズム(好戦的盲目的愛国主義)」を
    築き上げる素晴らしい方法になることです。このような完全に非
    理性的な忠誠心を、まだ小さな頃から育て上げ、それを見事に
    他の分野に移行させるのです。(p.378)

        しかし肝心なのは次の点です。何か意味のない共同体に対す
    る非理性的忠誠心というこの感覚は、権力への従属訓練、すな
    わち「ショービニズム」のための訓練なのです。 (p.379)

      権威主義的態度に対して、実際、これ以上に根本から貢献す
    るものを想像するのは困難です。多くの知能を総動員し、かつ
    人々の関心を他の重要事から遠ざけるという事実を考えると、
    なおさらです。      (p.379)                    

チョムスキーはスポーツの他にも「メロドラマも他の領域で同じ役割を果たしています」と書いています。これらが戦時の危機的状況で使われるばかりか,日常的にも人々の関心を引きつけ、「本当に重要なことに関係しないように」しているのです。ここにもメディアによる民衆の意識操作の典型があることを忘れてはならない。

だから私たちは、超国家企業による横暴な振る舞いに気づくと共に、政権やメディアによる意識操作にも注意しておかねばならない。

北朝鮮と核戦争の危機:朝鮮半島の非軍事化

和平合意を目指して
 
            ミシェル・チョスドフスキー
            グローバル・リサーチ2018.2.22
 
この文章は、マイケル・チョスドフスキー教授が韓国国民会議で発表したものを書き起こしです。2018年2月21日、韓国ソウル(写真左)





1.序論
 
「炎と怒り」はドナルド・トランプによって考え出されたものではない。それはアメリカ軍事ドクトリンに深く埋め込まれた概念だ。それは第二次世界大戦終結以来、アメリカの軍事介入を特徴づけてきた。
 
ホワイトハウスでトランプと彼の先任者トルーマンを区別するものはトランプの政治的話し方だ。
 
しかし私たちは危険な岐路に立っている。外交政策の計算間違いは想像もつかないことを引き起こす。「誤り」はしばしば世界史を崩壊させるものであることを覚えておいてほしい。
 
トランプ政権によって編み出された、核兵器が「平和の道具」だということは作り話にすぎないことは言うまでもなく、アメリカ外交政策の狂気は、想像もつかないことへと導く。中枢の政策決定者は自分のプロパガンダを信じ込んでいる。
 
北朝鮮に対する核兵器の先制攻撃は、第三次世界大戦を引き起こす可能性がある。
 
1月の終わり頃だったか、トランプ大統領は南北相互の対話を認めただけでなく、平壌との直接対話をする決意を述べた。2・3週間後にこの和平構築の言辞は、新たな北朝鮮への軍事的脅威をしゃべりまくることに置き換えられた。

        
戦略的な観点から見れば、アメリカは南北対話を実現させないことに必死だ。アメリカ・メディアによる報道によれば、最近の展開ではトランプ政権内の強力な軍・情報部部門は、冬期オリンピック期間またはその直後に北朝鮮への先制攻撃を迫っていると言われている。
 
その作戦は、ワシントンによって「鼻血」攻撃と名付けられ、北朝鮮のミサイル施設に対して通常兵器か小規模の戦術核兵器攻撃から構成されている。
 
     核兵器が直ちに使われなかったとしても、韓国だけの死者は、
      初日だけで数万人とみられている。そして直ちに中国やロシア
      のような核武装した国を巻き込む戦いとなる。
 
      しかしそんな無謀で野蛮な行動は、ホワイトハウスや安保・
      情報機関の高官によって、しっかり討議され、 準備されてい
      ることだ。計画の過激な性格は軍・外交政策トップグループ内
      でよく知られていて、恐怖や反対を引き起こしている。(ピーター
      ・シンプソン「トランプは北朝鮮に”鼻血”攻撃を考慮する」
       wsws.org, February 6, 2018)
 
「鼻血」とは軍事概念で、戦術核兵器やミニ核兵器は「市民には害がない」、つまり最小限の付随的被害だという考えに基づいている。
 
一方、冬季オリンピックでは朝鮮国内の対話や交渉過程があり、アメリカは交渉をボイコットしている。問題なのは、アメリカ主導の平和に対する戦争だ。
 
2.「さらに使用可能な平和構築」の核爆弾、ミニ核兵器
 
トランプの2018年核兵器構想は、北朝鮮に対する核兵器使用の決意が明確である。最初の先制核兵器攻撃ドクトリンは、2001年ブッシュ政権下で編み出されたが(2002年上院で採択されたNPR2001)、2008NPRは1.2兆ドルの核兵器計画と結びついている。そして「さらに使用可能な」小さな核兵器に焦点を当て、核保有国や非保有国に対する最初の攻撃での使用を目的としている。                    
B61-12戦術核爆弾
「さらに使用可能な」核兵器とはいわゆるミニ核兵器(B61-11, B61-12)に属し、通常の3分の1の爆発力だが、広島原爆の12倍にもなる。これらの「さらに使用可能な」核兵器、つまり核弾頭が付いたバンカー・バスター爆弾は、周囲の市民には害を及ぼさないと言われている。ペンタゴンとは違って、「専門家の意見」によれば爆発は地下で起きるからという。
オリンピックに引き続いて、大規模な米韓合同演習が構想されていることは述べておかなければならない。
 
真に危険なのは、特に米軍情報機関内で押し進められるいわゆる「鼻血」作戦という圧力を考えると、これらの合同演習が実際の戦争に発展しうることである。
 
2018NPRに含まれる朝鮮半島の非核化への試みは、アメリカの煙幕に過ぎない。アメリカは過去67年間、核兵器で朝鮮半島を脅し続けてきたのだ。NPRで構想された朝鮮半島の非核化は、朝鮮人民民主共和国だけに向けられたもので、アメリカの核増強は無関係なのだ。
 
述べておかなければならないことは、北朝鮮が国連総会決議L.41に賛成した唯一の核兵器所有国であったことである。その決議は、「核兵器を禁止し、その全面的除去に向けての合法的な拘束力」として、会議を招集することになっている。
 
さらに使用可能な「平和を創造」するバンカー・バスターというミニ核兵器は、「鼻血」作戦の下で、北朝鮮やイランに向けて考えられている。
 
アメリカの軍・情報機関からの脅威が北朝鮮に向けられているにもかかわらず、現在の状況下では、ペンタゴンは非核保有国に対してもミニ核兵器を選択する可能性がある。
 
歴史的にアメリカは、主要軍事作戦において、同盟国を身代わりにしてきた。軍事的にもアメリカは北朝鮮に対して単独で行動することはないだろう。この点で問題にもなっていることは、米韓合同司令部(CFC)である。それは全韓国軍は文在寅大統領の管轄下ではなく、ペンタゴンの指揮下に置かれているからだ。
 
韓国の戦争拒否は明確でなければならない。米韓合同司令部(CFC)の廃止は決定的に重要だ。韓国軍の参加がなければアメリカが単独で行動する可能性は著しく減少する。
 
3.外交チャンネルの崩壊
 
50年前、1962年10月のキューバ・ミサイル危機を思い起こそう。
 
1962年10月と今日の違いは、両方の指導者、つまりケネディとフルシチョフが核戦争の危険性を正確に意識していたことだ。
 
反対にトランプ大統領は、核戦争の危険に関して誤った情報が与えられている。彼は大量の市民虐殺を避けようともしない。「我々は北朝鮮を全面的に破壊するしか選択肢はないだろう」と言って、金正恩を「自殺任務」をする「ロケットマン」だと責め立てている。
 
1962年10月ミサイル危機と今日の現状を区別するもの:     
    ・今日のドナルド・トランプ大統領は核戦争の結果についてぼん
     やりした考えしかもっていない。
    ・核兵器ドクトリンは冷戦時代には全く違っていた。ワシントンも
     モスクワも相互確証 破壊の現実を理解していた。今日、戦
     術核兵器は3分の1の破壊力であるが、広島原 爆の6倍の威力
     がある。ペンタゴンによればそれは地下で爆発するから、市民
     には無害と分類されている。
    ・外交ルートは崩壊している。
    ・1.2兆ドルの核兵器計画は最初オバマ政権で始まり、現在進行
     中である。トランプはこの極悪非道な計画に追加資金を割り当
     てた。
    ・今日の熱核兵器は広島原爆より100倍以上強力で破壊力があ
     る。アメリカもロシアも 双方が数千の核兵器を配備している。
 
肯定的な面ではオリンピックを機に、南北朝鮮が建設的な対話に入ったことである。さらに、文在寅大統領はまた中国の習近平主席やロシアのウラジミール・プーチン大統領と有意義な討論に入ったことである。韓国へのTHAADミサイル配備は、北朝鮮よりむしろ主に中国に対して使用する意図がある。
 
4.朝鮮民主主義人民共和国は、アメリカにとって安全保障上の脅威なのか
 
ほとんどのアメリカ人が知らないこと、そして世界平和に対して朝鮮民主主義人民共和国の「脅威」と言われるものを判断するとき、特に何が重要なのかは、北朝鮮が1950年代にアメリカ主導の爆撃の結果、住民の30%を失ったということだ。米軍筋によると、集中爆撃の3分の1の期間で北朝鮮人口の20%が殺されたと言われている。
 
    北朝鮮の78都市と数千の村々を破壊し、おびただしい数の
    市民を殺した後、カーティス・ルメイ将軍は述べた。「3年かそこ
    らの期間で、我々は人口の20%を殺した」と。
 
北朝鮮のどの家族も朝鮮戦争の過程で大事は人を亡くした。
 
アメリカは北朝鮮人口の30%を殺したことを一度も謝罪しなかった。アメリカ外交政策の主目的は、アメリカ主導の戦争の犠牲者を悪魔化することにあった。
 
戦後補償はなかった。
 
朝鮮人に対するアメリカ戦争犯罪の問題は、国際社会で一度も論じられなかった。
 
朝鮮戦争の残虐行為の手口は、ベトナム人民に対するアメリカの戦争を用意することとなった。
 
半世紀以上にわたって、ワシントンは北朝鮮の政治的孤立化に寄与してきた。さらに平壌に対するアメリカの経済制裁は、北朝鮮経済の不安定化を狙っていた。
 
プロパガンダが中心的役割を担ってきた。米軍侵略の語られざる犠牲者北朝鮮は、失敗した好戦国家とか「ならず者国家」とか「テロ支援国家」とか「世界平和への脅威」と言われている。アメリカと西ヨーロッパでは、これらの定型化した非難はメディア合意となり、あえて疑問視する者はいない。
 
嘘が真実となる。北朝鮮は脅威として喧伝される。アメリカは侵略者ではなく犠牲者だと。
 
5.歴史的文脈:核戦争では、だれが侵略者なのか
 
米軍資料で確認されたのは、中華人民共和国も朝鮮民主主義人民共和国も、67年間核戦争で脅かされてきた。
 
1950年、中華人民共和国によって派遣された中国義勇軍は、アメリカの侵略に対して北朝鮮をしっかり支えた。
 
中国の朝鮮民主主義共和国との連帯行動は、1949年10月1日の中華人民共和国が成立してわずか2・3カ月後に行われた。
 
ハリー・トルーマン大統領は、中国と北朝鮮に対して核兵器使用を考えていた。特に北朝鮮軍と共に戦うために派遣された中国人民義勇軍(VPA)をあきらめさせる手段として。[Chinese Volunteer People’s Army, 中國人民志願軍; Zh?ngguó Rénmín Zhìyuàn J?n]
 
重要なのは、北朝鮮に向けられた米軍の行動は、中華人民共和国やソ連に対する広い意味での冷戦軍事計画の一部であった。その目的は究極的に社会主義を葬り去り、破壊することだった。
 
1945年9月15日の秘密文書による「ペンタゴンは主要都市に同時に核攻撃をして、ソ連を吹き飛ばすことをもくろんでいた」ことは述べておかねばならない。
 
ソ連の全主要都市は、66の「戦略」目標に含まれていた。下の表は、各都市の1マイル四方[約1.6km2]の地域と、その住民を絶滅させ、殺すために必要とされる原子爆弾の数を示している。
 
モスクワ、レニングラード、タシケント、キエフ、ハリコフ、オデッサを含む各都市を破壊するために6個の原爆が使われることになっていた。
 
「ソ連を地図から消し去る」ために、全部で204個の爆弾が必要とされると、ペンタゴンは見積もっていた。核攻撃の目標は66の主要都市からなっていた。
 
この悪魔的軍事計画の概要は、1945年9月に発表された。広島、長崎原爆(1945年8月6日、9日)のほんの一ヶ月後であり、冷戦開始(1947年)の2年前である。
 
6.北朝鮮に適用された「広島ドクトリン」

朝鮮に関する米核兵器ドクトリンは、1945年8月の広島長崎原爆に続いて打ち立てられた。原爆は主に市民に向けられていた。

「広島ドクトリン」の下での核攻撃の戦略目的は、百万人もの死者を出す「大量の死傷者を生み出す」ことであった。その目的は軍事征服の手段として国家全体を恐怖に陥れることであった。ハリー・トルーマン大統領の言葉では:
 
    「最初の原爆は広島の軍事基地に落とされたことに世界は
    注目するだろう。それは我々が最初の攻撃で(できるだけ)
    市民の死者を避けようとしたからです。」(1945年8月9日、
    ハリー・トルーマン大統領の国民へのラジオ演説)
 
    [注:最初の原爆は1945年8月6日広島に落とされた。二番目
    は8月9日、トルーマンのラジオ演説と同じ日、長崎に落とさ
    れた]

アメリカ政治の長い狂気の歴史では、アメリカの人間性への犯罪に人道的な顔を与えるように仕向けられてきた。1945年8月9日の同じラジオ演説でトルーマン(写真右)は締めくくった。核兵器使用に関して、神は我々の側にある。そして、

 
    「神はそれ[核兵器]を使うように我々を導く。神の道と、神の目的
    に沿って。」
 
トルーマンによれば、神は我々と共にあり、爆弾を使うかどうか、いつ使うかを神が決めるという。
 
    それ[核兵器]が敵でなく、我々にもたらされたことを神に感謝す
    る。そしてそれ[核兵器]を神の道と神の目的に沿って我々が使え
    るように導き給え。」(強調あり)
 
広島から始まるトルーマン・ドクトリンによって、アメリカの核兵器を韓国のために用意することとなった。朝鮮戦争終結からわずか2・3年後、アメリカは韓国に核弾頭配備を開始した。議政府(ウィジヨンブ)と安養邑(アニャンニ)への配備は1956年には構想されていた。
 
アメリカの韓国への核弾頭配備決定は、1953年の休戦協定13条に明らかに違反していたことは述べておかなければならない。休戦協定は、戦争当事国が韓国に新たな兵器を持ち込むことを禁止していた。
 
実際の核兵器配備は朝鮮戦争終結後4年半後の1958年1月に始まった。公式にはアメリカの韓国への核兵器配備は、33年間続いた。その配備は北朝鮮と共に、中国、ソ連にも向けられていた。

 
   
7.韓国の核兵器計画
 
アメリカの韓国核弾頭配備と同時に、かつそれと連携して韓国は1970年代初頭に自身の核兵器開発計画を開始した。
 
公式の話では、アメリカはソウルに核兵器計画を断念させ、「核分裂物質を生み出す前に、1975年4月核不拡散条約に調印するように」圧力をかけたということだ。(ダニエル・ピンクストン「韓国の核実験」CNS Research Story, 2004年9月9日、http://cns.miis.edu.)
 
韓国の核兵器開発は、アメリカの監督下で1970年代初頭に始まり、北朝鮮を脅すためにアメリカの核兵器配備の一部として進められた。
 
欧米は一致して北朝鮮の核開発を非難したが、韓国の核兵器開発計画は一度も問題にされなかった。そして韓国は非申告核兵器保有国と指定されることもなかった。
 
さらに、この計画は公式には1978年に終わったが、アメリカは核兵器使用の韓国軍訓練と共に、科学的専門知識導入を促進した。覚えておいてほしいことは、米韓合同司令部(CFC)の下で、韓国のすべての部隊は、米軍司令官に指導された合同司令部(CFC)の指揮権下にある。これは韓国軍によって設立されたすべての軍事施設は事実上、合同施設であることを意味している。
 
8.北朝鮮に対するアメリカ大陸と戦略潜水艦からの核攻撃計画
 
公式声明によれば、アメリカは1991年に韓国から核兵器を撤去したということだ。
 
この韓国からの撤去は、どうみても北朝鮮に向けられたアメリカの核戦争の脅威を修正するものではなかった。それはアメリカの核兵器配備に関する軍事戦略の変更と関連している。北朝鮮の主要部は、韓国軍事施設からではなく、米国本土と米国戦略ミサイル原子力潜水艦(SSBN)から核弾頭で狙われていたということだ。 
 
9.現在の二重基準
 
北朝鮮が核脅威だと言われるが、非核保有国(ベルギー、オランダ、ドイツ、イタリア、トルコ)は国家管理の下、アメリカ製のB61-11戦術核兵器を持っている。
 
これら5カ国は非申告の核兵器保有国である。
 
トランプの「炎と怒り」はオランダやベルギーに向けられていない。それらの国は国家管理下で40個の核兵器を保有している。欧米安全保障への脅威と広められた北朝鮮の核兵器は10個であることと比較してみよ。


朝鮮民主主義人民共和国は、米軍侵略の暗黙の犠牲者であるのだが、一貫して好戦的国家、アメリカ本土への脅威、世界平和への脅威として描かれてきた。これらの定式化した非難はメディア合意の一部となってきた。
 
核戦争への脅威は北朝鮮からではなく、アメリカとその同盟国からである。
 
北朝鮮に対するこれらの潜在的侵略の継続的脅威や行動は、中国やロシアに向けられ、アメリカの東アジア軍事計画の一部として理解されるべきでもある。多くの点で地政学的観点から、アメリカは北朝鮮を緩衝装置と考えている。究極的目標は韓国軍の支援の下、ロシアや中国を脅かすことである(合同司令部の下で)。言うまでもないが、南北朝鮮の再統一は北東アジアにおけるアメリカの覇権を弱体化させるだろう。
 
さらに、ワシントンの意図は、中国とASEAN諸国を分断させるため、東南アジアと極東の軍事衝突を長引かせることだ。ほとんどそれらの国々は西欧植民地主義やアメリカの軍事侵略の犠牲者である。人道に対する大規模な犯罪がベトナム、カンボジア、朝鮮、フィリピン、インドネシアに対して行われた。皮肉にもこれらの国々は、いまやアメリカの軍事同盟国である。
 
世界的安全保障の脅威となるのが北朝鮮ではなく、アメリカだということに、アメリカや西欧諸国の人々が気づくようになったことは重要だ。
 
10.南北双方の和平合意に向けて
 
1953年休戦協定
 
1953年休戦協定の裏に隠されていることは、戦争当事国の一つアメリカが、たえず北朝鮮に対して戦争をすると脅してきたことである。
 
アメリカは、休戦協定違反を数え切れなほど行ってきた。朝鮮はいまだ戦時体制のままである。何気なく欧米メディアや国際社会で無視されてきたのは、アメリカが半世紀以上にわたって、北朝鮮を狙った核兵器を積極的に配備してきたことである。ごく最近、アメリカは広い意味で中国やロシアに向けたいわゆるTHAADミサイルを配備した。
 
アメリカは未だ北朝鮮と戦争状態にある。1953年7月に調印された休戦協定は、法的には戦争当事国(アメリカ、北朝鮮、中国義勇軍)の間の「一時的停戦」を意味しているので、廃棄されねばならない。
 
アメリカは休戦協定に違反しただけでなく、一貫して平壌との和平交渉に入るのを拒否してきた。それは韓国の軍事プレゼンスを維持し、韓国と北朝鮮の正常化や協力関係を握りつぶすためであった。この段階で、解決は北と南がアメリカの和平交渉拒否に対抗して、二国間和平条約交渉をすることである。
 
再統一を促す南北和平条約を達成する道では、米韓合同司令部(CFC)とOPCON(作戦指揮権)の廃棄が必要とされる。
 
2014年朴槿恵大統領政府は、OPCON(作戦指揮権)協定を「2020年代半ばまで」延長することに合意した。このことの意味は、「衝突の際には」韓国軍は韓国大統領や韓国司令官でなく、ペンタゴンに指名された米国司令官の命令下に置かれるということだ。現在、アメリカはその指揮下に60万人の韓国軍を有している。(つまり在韓米軍司令部(USFK)は、米韓合同司令部(CFC)でもあるのだ。)
 
韓国の国家主権は米韓合同司令部(CFC)機構と同様、OPCON合意の撤廃なしには当然達成され得ないことは言うまでもない。そしてこれは文在寅大統領政権が構想すべきことであるCFC機構の撤廃は和平と再統一に不可欠である。
 
思い起こせば、1978年二国間朝鮮共和国、つまり米軍合同司令部(CFC)が朴正煕将軍(軍事独裁者であり、弾劾された朴槿恵大統領の父)の下で作られた。実質的にこれは1950年に取り決められたいわゆる国連司令部と合同軍機構に関する名称変更であった。李承晩政権の間に、すべての韓国軍はマッカーサー司令官の指令下に置かれていた。
 
「朝鮮戦争以来ずっと、アメリカの四つ星が、戦時に韓国軍と米軍の双方を「作戦司令」(OPCON)するということに同盟国は合意した・・・。」1978年より前にこれは国連司令部を通じて達成された。そのとき以来、それはCFC[米韓合同司令部機構]となった。(Brooking Institute)
 
さらに再交渉されたOPCON(2014年)の下で米軍司令部は、1953年の休戦協定が和平協定に置き換えられない限り、十分有効とされている。
 
もし休戦協定の調印国の一つが和平協定調印を拒否するならば、考えるべきことは南北二国間の包括的和平協定を作ることである。それは事実上、1953年休戦協定を無効にすることになる。
 
求められるべきことは、アメリカと北朝鮮の「戦争状態」(休戦合意の下で)が、協力と交流を伴った包括的南北二国間和平協定の調印によって、ある意味で棚上げされ、撤廃されることである。
 
このソウルと平壌の広範囲にわたる合意は、朝鮮半島の平和を推し進めるだろう。1953年の休戦協定調印国間の和平合意が失敗したとしても。
 
この二国間協約の法的合意はきわめて重要である。この二国間の和解は、結局ワシントンの拒否を回避することになるだろう。それは朝鮮半島の平和の基礎を外国の介入なしで打ち立てるだろう。つまりワシントンが条件をつけて指令することなしで。それは同時に韓国からの米軍の撤退とOPCON合意の撤廃を求めることになる。
 
さらに述べておくべきことは、OPCON合意の下での韓国の軍事化は、新たな軍事基地の開発を含み、主に中国やロシアを脅かす軍事的発射台として朝鮮半島を使うことも意図されていることである。OPCONの下での「戦争の場合」に、全韓国軍は中国やロシアに対して米軍指令の下で動員されることになる。
 
さらにワシントンは最終的に北朝鮮を孤立化させるために、南北朝鮮間だけでなく、北朝鮮と中国間の政治的分断を作り出そうとしている。
痛烈な皮肉として、韓国の米軍施設(済州島を含む)は、軍事包囲網の一部として中国を脅かすために使われている。言うまでもないことだが、広範な東アジア地域と同様、朝鮮半島の永久平和は南北二国間協定で決められたように、OPCONと同様休戦協定も撤廃し、米軍の韓国撤退を追求する必要がある。
 
重要なのは南北二国間の和平会談が文在寅大統領の主導で、外国の参加や介入なしに行われることである。これらの会談は北朝鮮に向けられた経済制裁の撤廃と同様に全米軍の撤退に取り組まなければならない。                        
 

米軍駐留の排除と28,500人の占領軍の撤退は、南北二国間平和条約の必要不可欠な要求事項であるべきだ。
 
11.再統一と今後のロードマップ:あるのはただ一つの統一朝鮮国家だ
 
あるのはただ一つの統一朝鮮国家である。ワシントンは再統一に反対するが、それは統一した朝鮮国家は東アジアにおける米国の覇権を弱めるからである。
 
それは日本も弱体化させる。この点で米国と日本の二国間関係を検討することも重要だ。日本は元植民地権力で、再統一計画に反対するように仕向けられているからだ。
 
再統一は力強い朝鮮国家と地域の力(進んだ科学技術力をもった)を生み出すだろう。それは国家主権を行使し、ワシントンの介入なしで近隣諸国と貿易関係を打ち立てるだろう。
 
この点で述べておかねばならないことは、アメリカの外交政策と軍事計画は、すでに韓国に米占領軍維持を予定した「再統一」のシナリオを打ち立てていることである。同様にワシントンによって構想されていることは「外国投資家」が北朝鮮経済に侵入し、略奪することを可能にする枠組みである。
 
ワシントンの目的は、再統一過程を邪魔することである。Plan Bはアメリカが朝鮮再統一の条件を課すことである。2000年に発表された再統一後のシナリオで、米軍の数(現在28,500人)は増加され、米軍の駐留は北朝鮮にまで拡大されることをほのめかしていた。
 
再統一された朝鮮では、米駐留軍の軍事計画は、北朝鮮のいわゆる安定化作戦を実施することになっている。
 
朝鮮統一は、半島における米駐留軍の削減や、朝鮮における米軍の基本姿勢の転換を求め、そしてその転換は本当にアメリカの任務の変化をもたらすかもしれない。しかしそれは技術的現実の変化であり、アメリカの任務の終わりではない。さらに再統一後の現実的シナリオでは、米軍は北朝鮮の安定化作戦に何らかの役割をもつ可能性がある。朝鮮における再統一後の米駐留軍の正確な規模や編成を予測することは時期尚早だが、朝鮮における米駐留軍がより大きな、長期間にわたる戦略的目的に奉仕することを認識しておくことは早すぎることではない。現在半島における米駐留軍のいかなる減少も賢明ではない。もしあるとすれば、ミサイル攻撃に対する防衛能力の点で、また特に北朝鮮の大量破壊兵器能力の影響を制限するために、米駐留軍の増強を必要としている。やがて、又は再統一に伴って、これらの部隊の構成は変化するし、人的資源レベルは変動するだろう。しかしアジアのこの地域でのアメリカの存在は継続するべきだ。36(PNAC,新世紀のためのアメリカの国防、戦略、軍隊、資源、p.18 強調あり)

 
ワシントンの意図は全く明白である。それは和平プロセスを妨害することにある。
 
さらに理解されるべきは、北朝鮮に対するアメリカ主導の戦争は全朝鮮国民を飲み込むということである。
 
ワシントンは韓国を防衛すると主張するが、アメリカが支援する戦争は北朝鮮にも韓国にも向けられている。
 
それは1945年9月以来、事実上米軍占領下にある韓国をも脅かしている。
 
我々は極悪非道な軍事計画を論じている。アメリカは合同軍事司令部(CFC)の下で、北朝鮮に向けて韓国軍を動員することを求めている。
 
もし戦争が行われたら、アメリカ司令部の下で韓国軍は、朝鮮人民の再統一計画に反対するために使われるであろう。だから米韓合同司令部(CFC)の廃棄は重要なのだ。
 
朝鮮半島の地理を考えれば、北朝鮮に対して核兵器を使用すれば、必然的に韓国も飲み込まれるだろう。この事実は米軍作戦立案者にも知られているし、理解もされている。
 
強調されねばならないことは、アメリカが朝鮮国民に戦争をすると威嚇する限り、アメリカと韓国は同盟国ではあり得ないということだ。
 
「真の同盟」とは外国の侵入や侵略に対して南北朝鮮が対話を通して一つになり、再統一することである。
 
アメリカは全朝鮮国民に対して戦争状態にある。それは平和に対する戦争である。そしてこれが求めるものは次のことだ。
 
韓国と北朝鮮の二者協議の進展は2018年1月9日に始まった。1953年の休戦協定を無効にして、二国間の「和平条約」の条件を設定する仮合意の調印が狙いである。
 
代わりにこの合意は米軍駐留の排除や28,500人の米軍の撤退過程をも設定する。
 
さらに二国間平和交渉に従って、米軍指令下にある韓国軍の米韓OPCON合意は撤廃されるだろう。それ故、全韓国軍は韓国司令部の下に置かれるだろう。
 
二国間協議は、現在進行中であるが、韓国と北朝鮮間のさらなる経済、技術、文化、教育の協力を進展させることも行われるべきだ。
 
OPCONの下、背後でアメリカが操ることなしに、戦争の脅威は対話に置き換えられるだろう。それ故、最初の優先事項はOPCONとCFCを破棄することになる。
 
言うまでもないが、南北朝鮮の統一は、北東アジアにおけるアメリカ覇権を弱めるだろう。
 
それはまた、北東アジアにおける貿易や開発の点で重要な意味を持つだろう。
 
8千万人の統一した朝鮮国民は南北の科学、技術能力を統合し、必ずや強力で自律した主権地域経済力と貿易国家形成へと導くだろう。
 
分断された朝鮮はアメリカの地政学的、経済的利益に奉仕するだけだ。
 
オリンピックの二国間対話は平和の舞台を設定した。
 
いま韓国で展開されていることは、両朝鮮国家の対話が公然と受け入れられたことだ。
 
さらに世論は、ますます気づくようになるだろう。V.ブルックス司令官の合同司令部(CFC)の下、米韓合同軍によって行われるどのような行動も、全朝鮮国民に対する攻撃となるだろう。
 
 
韓国軍は、朝鮮人や朝鮮国家に敵対するために動員されない。意識的キャンペーンも韓国軍隊内で開始されるべきだ。「戦うことを拒否せよ」、そしてドナルド・トランプに任命された「米軍司令官の命令に従うな」。韓国軍司令官の指揮権が求められるべきだ。
 
二国間交渉と同様、オリンピックはついに合同司令部(CFC)を排除する機会を与えてくれた。
 
必要とされていることは、合同司令部から一方的に韓国軍を撤退させるという政府の決定を支持する大衆行動である。つまりCFCの一方的廃棄である。(それは2025年まで延長されている。後に弾劾されることになった朴槿恵大統領によってワシントンの命令で調印された。)
 
目的は平和を達成させるため文在寅大統領を韓国軍の司令官に復権させることだ。
 
このことは、もしアメリカがまだ北朝鮮攻撃を望んだら,韓国軍に頼ることができないということだ。歴史的にアメリカは、汚い仕事をするのにいつも同盟国に頼ってきた。
 
アメリカは南北対話を妨害するために、合同軍司令部(CFC)には手をつけずに、最大限のことをすると私は思う。
 
しかし、これがどう展開するか予測することは難しい。我々は著しく「予測できない」アメリカの政治家と軍事計画立案者を論じているからだ。
 
ミシェル・チョスドフスキー演説原稿。2018年2月21日、韓国ソウル
          (翻訳:新見明) 

(記事原文) https://www.globalresearch.ca/north-korea-and-the-dangers-of-nuclear-war-the-demilitarization-of-the-korean-peninsula-towards-a-peace-agreement/5628390 >

<新見コメント>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
マイケル・チョスドフスキー「北朝鮮と核戦争の危機:朝鮮半島の非軍事化 和平合意を目指して」を「寺島メソッド翻訳NEWS」にアップしました。

前回のチョスドフスキーの「朝鮮の人々に対する米国の戦争:米国戦争犯罪の歴史的記録」では、朝鮮半島の第二次世界大戦後の歴史的経過をたどりながら、北朝鮮が核を含めた軍事的圧力と経済制裁で苦しんでいるだけでなく、韓国もアメリカの軍事占領と経済的収奪(アジア危機等)に苦しんでいるという独自の論理展開を読むことができました。

今回の文章は、平昌オリンピックを機に南北宥和政策が電撃的に進み、今後南北朝鮮の和平会談が実現する状況で書かれました。朝鮮半島が融和への道を歩み始めたとき、どう考えなければいけないかを、チョスドフスキーが考察してくれています。

まず、南北和平合意を結ぶことによって、米韓合同司令部(CFC)を無効化すること。アメリカなしでも南北二国間で和平合意を達成すれば、アメリカが軍事侵攻を進めても、韓国軍は協力しないという強力な武器になる。それは米軍司令官に握られた韓国軍の指揮権を無効にしていく過程である。それが韓国の主権の回復にもつながるということだ。

南北和平協定が結ばれれば、停戦協定は自ずと解消される。そしてアメリカの覇権は弱体化する。また経済、文化、科学技術の交流によってより強い朝鮮半島の統一国家を目指すことができと述べています。

しかしアメリカは南北和平合意を許すだろうか。アメリカは独自の統一計画(Plan B)をもっていて、北朝鮮に軍事的、経済的浸透をはかろうとしている。そのとき文在寅政権は米韓合同司令部(CFC)を無効化して、侵略に荷担しないという選択がとれるかどうかが鍵になる。

最近、「対話」を主張していたティラーソン国務長官が更迭され、ネオコンでキリスト教原理主義者(カルト)のマイク・ポンピオCIA長官が後任の国務長官になった。マイケル・フリン国家安全保障補佐官とティラーソン国務長官の更迭は、アメリカの「闇の国家」(dark states)がトランプ政権を乗っ取ったということだ。それによってアメリカが北朝鮮との対話ムードをぶち壊しかねない動きが心配される。

一方、日本はアメリカの尻馬に乗って「圧力と制裁」ばかりを繰り返してきたが、アメリカが米朝対話を考慮するようになると、日朝会談を模索すると言い出した。宗主国の様子をうかがって、自分の主張をころころ変える様は、まったく原則どころか、品性もなにもない宗主国傀儡政権であることを証明した。

そんなとき、このチョスドフスキーの記事は、今後の朝鮮情勢を考える上で貴重な見解である。

ゾンビの国? 「処刑された」北朝鮮人が生き返る

ロシア・トゥデイ ニュース (RT NEWS) 2018年1月21日


(北朝鮮の指導者である金正恩(キム・ジョンウン)が、新しく改装された平壌の教員養成大学への訪問中に人々が拍手している時、それに応えているところ)

西側メディアによると、北朝鮮の指導者金正恩は、気に入らなくなった人々を処刑することで有名だ。しかし、何人かの人々は死者から生き返る巧みな技を見つけたようだ。

その報道は、いつも金正恩の最近の処刑方法のうわべだけをなぞる。平凡な銃殺隊から、芝居じみたものや漫画ぽいものまである。例えば、敵対者を飢えた犬の群れの食べ物にしたり、火炎放射器で丸焼きにするという。

有名ポップ歌手と「以前の恋人」

報道によれば、北朝鮮の有名ポップ歌手 玄 松月(ヒョン・ソンウォル)は、1年前に、歌手、音楽家、ダンサーの粛清で、銃殺隊によって処刑されたとされていたにもかかわらず、2014年のテレビに出演して、生きていることが判明している。

その芸人は他の11名の人たちと共に殺害されたと報道されていた。その中には、モランボン(牡丹峰)楽団のメンバー、ウナス(銀河水)管弦楽団の代表、そしてワンジェサン軽音楽団の何人かのダンサーも含まれていた。

報道によれば、その12名の犠牲者は、とりわけ、セックスをしているところを録画し、そのビデオを販売したことで告訴されていた。玄 松月(ヒョン・ソンウォル)は、金正恩が恋愛関係にあった人物だと報道されていたが、冬季大会に先立ち韓国のオリンピック開催地を視察するために、最近、土曜日に再びおおやけに現れた。


北朝鮮のポピュラー歌手、オリンピック芸術会場を視察するため韓国に到着する。2018.1.21

参考 玄 松月(ヒョン・ソンウォル)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%84%E6%9D%BE%E6%9C%88

軍の参謀長

2016年に戻り、北朝鮮人民軍総参謀長である李 永吉(リ・ヨンギル)は、「分派活動、職権乱用、汚職」のために処刑されたと報道されている。しかし孤立した国[北朝鮮]から出てきた多くの情報のように、これは偽りだと分かった。

韓国情報将校は、彼の人民軍総参謀長解任を、彼が処刑されたものと考えていたようだ。ところが問題は、2李 永吉(リ・ヨンギル)が死者から明らかに蘇えって、2,3か月後の5月に高官たちの列に加わり、その年労働党大会に出席をしたことだった。

参考 李 永吉(リ・ヨンギル) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8E%E6%B0%B8%E5%90%89

「犬の群れによって処刑された」叔父

もし西側メディアを信じることができるならば、明らかに金は彼の年上の親類に本当に恨みを持っている。そんなわけで、進んで自分自身の叔父を処刑した。2014年の別の粛清では、叔父に120匹の飢えた犬をけしかけて処刑したという。

張 成沢(チャン・ソンテク)は本当に処刑されたようだが、「犬によって引き裂かれた」話は完全にでっち上げで、中国の皮肉っぽいマイクロ・ブロッギングのウエッブサイトで最初に出てきたものだった。

参考 張 成沢(チャン・ソンテク)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%B5%E6%88%90%E6%B2%A2

「依頼に応じて毒殺された」叔母

上で述べたように、金正恩は「彼の叔父を犬の餌にした」ということに加えて、残忍なまなざしを彼の叔母キム・ギョンヒ(金 敬姫)に向けた。

金正恩の父親の妹であり張 成沢(チャン・ソンテク)の妻である金 敬姫(キム ギョンヒ)は、指導者の命令で毒を盛られて処刑されたと報道された。

しかし、再びこれらの報道は偽りであることが判明しました。韓国のニュース通信社聯合ニュース(ヨンハプニュース)が昨年報道したことは、彼女はうつ病からガンまでの病気を治療中だが、しっかり生きているということだった。

参考 金 敬姫(キム ギョンヒ) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E6%95%AC%E5%A7%AB

記事原文 https://www.rt.com/news/416572-north-korea-executed-kim-return/
                                         (翻訳:岩間龍男)

(岩間コメント)-------------------------------------

金正恩政権の下で側近たちが次々と粛清・処刑がされているという情報(*)が流れ、恐ろしい何をするか分からない指導者としてイメージが定着しています。
その中でも、叔父の張 成沢(チャン・ソンテク)の処刑は有名でした。
金正恩の元恋人の美人歌手の玄 松月(ヒョン・ソンウォル)については、ポルノビデオに出演したことで処刑されたと聞いていました。元恋人がポルノビデオに出演するのもスキャンダラスですが、ポルノに出演したぐらいで銃殺刑になるというのもショッキングな情報でした。
北朝鮮や金正恩の報道については、悪意をもって意図的に虚偽の報道や情報が流されているようなので、それぞれの情報がどれが本当でどれが嘘かということについて、私たちは注意しなければならないと思いました。
* 粛清・処刑の情報例 http://www.epochtimes.jp/2017/09/28484.html

朝鮮の人々に対する米国の戦争: 

米国戦争犯罪の歴史的記録

ミシェル・チョスドフスキー

Global Research 13 September 2013

http://www.globalresearch.ca/americas-war-against-the-people-of-korea-the-historical-record-of-us-war-crimes/5350591

(このままクリックしても原文は出てこないので、PC上の検索のところにコピー貼り付けをして原文を呼び出す)
(なお文中の説明で、( )はチョスドフスキーが解説したもの、[ ]は岩間が解説したものであることを区別しました)

ミッシェル・チョスドフスキーの次の文章は、2013年7月27日の朝鮮休戦記念日の記念式典の際に、韓国のソウルで述べられたものです。

 平和へのメッセージ。和平合意と米軍の朝鮮からの撤退に向けて。

序論

1953年7月27日の休戦記念日は、朝鮮の戦没者を追悼する日です。


それは、国の再統一と主権のための歴史的な戦いにおいて重要な日です。

私は、2013年7月27日の休戦記念日の60周年記念式典に参加する機会を得て光栄に思います。

この平和と再統一についての議論に貢献する機会を持てたのは、「反戦、平和、民衆行動」の運動団体のお陰です。

*
休戦協定は紛争を止めるための紛争当事者による合意です。それは戦争の終わりを意味します。

1953年の休戦協定の背後では、紛争当事者の一方、つまり米国が過去60年間、朝鮮民主主義人民共和国に戦争をすると一貫して脅してきたのです。

米国は何回も休戦協定を破ってきました。米国はずっと戦時体制のままでした。西側のメディアと国際社会に何気なく無視されてきたことですが、米国は半世紀以上の間、北朝鮮を標的とした核兵器を積極的に配備してきました。これは休戦協定の13b条項に違反するものでした。

休戦協定は存続しています。しかし米国はいまだに朝鮮と戦争状態です。休戦条約は平和条約ではなく、和平合意は一度も署名されていませんでした。

米国は、休戦協定を利用してきました。その目的は、国連の偽りの命令で、朝鮮の37,000人の米軍の駐留を正当化すると同時に、継続した軍事的脅威の環境を作り出すことでした。この「潜在的な戦争状態」は過去60年間続いてきました。大切なことは、この韓国での米国の駐留には、アジア大陸を永久に根拠地にしようとする米軍のねらいがあることです。

この式典での私たちの目的は、広範囲に及ぶ平和条約を呼びかけることです。その平和条約は、1953年に署名された休戦協定を無効にするだけでなく、朝鮮からの米軍の迅速な撤退と朝鮮国家の再統一の基礎を構築するでしょう。

より幅広い歴史的見地からの休戦記念日

朝鮮に対してだけでなく、ワシントンの「アジア基軸」として、米国が中国とロシアに対して脅威を増大させていることを考えると、この記念式典は特に重要です。例えば、アフガニスタンとイラクの違法な占領、リビアとシリアに対する米・NATOの戦争、イランに対する軍事的脅威、イスラエルに対するパレスチナ人たちの長期にわたる闘い、サハラ以南での米国に支援された戦争と反乱は米軍の脅威の典型です。

1953年7月27日の休戦協定は、米国主導の戦争の歴史で重要な出来事です。1940年代に策定されたトルーマン・ドクトリンの下、朝鮮戦争(1950-1953)は、地球規模の軍事化プロセスと米国主導の戦争のお膳立てをしました。和平合意の観点からの「講和」は、ワシントンの「戦争屋」の行動計画とは直接的に対立するものです。

*

ワシントンは世界規模の軍事行動計画を策定しています。4つ星のウエスリー・クラーク元陸軍大将(退役)(写真右)は国防省高官の言葉を引用しています。

 「私たちは5年間で7か国を排除するだろう。イラクで始め、次にシリア、
  レバノン、リビア、ソマリア、スーダンそして最後にイランだ」1
  (デモクラシー・ナウ2007年3月2日)

朝鮮戦争(1950-1953)は、第2次世界大戦に続いて米国によって着手された最初の重要な軍事作戦でした。いわゆる遠回しに「冷戦」と呼ばれていたものの手始めとして始められたものでした。多くの点でそれは第2次世界大戦の継続でした。日本の植民地支配下にあった朝鮮の地は、日を追うごとに新植民地帝国アメリカ合衆国に譲り渡されました。

ポツダム会談(1945年7月~8月)で、米国とソ連は朝鮮を38度線で分割することに合意しました。

米軍が入ってきた後は、朝鮮の「解放」はありませんでした。全く逆でした。

過去を振り返ってみると、米国軍事政府が1945年9月8日に南朝鮮で創設されました。8月15日の日本の降伏の3週間後のことです。そのうえ、韓国における日本の役人たちは、この軍政移行を保証するために、ホッジ将軍に率いられたアメリカ軍政庁(USAMG)(1945-48)を助けました。ソウルの日本人の植民地統治者たちと韓国の警察官たちは、新しい植民地支配者と結託して働きました。

最初から米軍事政府は、「朝鮮人民共和国」*臨時政府の承認を拒否しました。「朝鮮人民共和国」は重要な社会改革に全力を上げていました。その改革には、土地の分配、労働者の権利を守る法律、最低賃金の立法制定、南北朝鮮の再統一が含まれていました。

    [*訳注 1945年9月6日、建国準備委員会は、全国各地の145の人民
    委員会と連携して、全国人民代表者大会を開き、「朝鮮人民共和国」の
    設立を宣言。主席は李承晩(イ・スンマン、副主)席は呂運亭(ヨ・ウニョン)だった
    が、当時米国に亡命中の李承晩の承認を得たものでなく、国内の活動家
    が勝手に李承晩の名前を使ったものであった。朝鮮共産党(後に南朝鮮
    労働党になる)の朴憲泳(パク・ホニョン)も政権に参加している左右の勢力
    の合作の政府であった。米国はこの政府を認めず、短命の幻の政府に
    終わった。出典:池上彰(2014)『そうだったのか!朝鮮半島』集英社 
    より要約]

「朝鮮人民共和国」は反植民地主義の非同盟国であり、次のことを要求していました。「米国、ソ連、英国、中国との緊密な関係を作ること、そして内政に干渉するいかなる外国の影響力にも絶対反対すること」。

「朝鮮人民共和国」は、アメリカ軍政庁によって1945年9月の軍事法令で廃止されました。民主主義、自由、独立はありませんでした。2

日本が敗北した帝国としての扱いを受けていた一方で、南朝鮮は植民地の領土と同一視され、米国の軍事的支配と米国の占領軍によって管理されていました。

*
米国の都合のいいように選ばれた李承晩(写真左)が、ダグラス・マッカーサー元帥の個人用飛行機で、1945年10月に米国からソウルに連れてこられました。

朝鮮戦争(1950-1953)

朝鮮戦争中とその後に、米軍によって朝鮮の人々に対して犯された犯罪は、現代史の中では先例のないものでした。

さらに、次のことを理解することが大切です。それは、1950年代に米国に支援をされ、米国によってなされたこれらの人類に対する犯罪は、何年にもわたって、世界の他の地域での「殺害モデル」となり、米国の人権侵害を定着させることになったのです。

朝鮮戦争はまた、政治的反体制活動家を標的にした暗殺を特徴としていました。それは、その後、インドネシア、ベトナム、アルジェンチン、グアテマラ、エルサルバドル、アフガニスタン、イラクを含む多くの国々で、CIAによって実行に移されました。

これらの反体制運動家を標的にした殺害は、いつもCIAの指図通りに行われ、米国に支援された傀儡政府や軍事独裁政権によって実行されました。より最近では、民間人を標的にした暗殺が米国議会で「合法化され」、いわゆる「新しい基準」となりました。

(朝鮮戦争の真っただ中の)1952年に初めて出版されたI・F・ストーンの『秘史朝鮮戦争』によれば、米国は意図的に偽りの行動の口実を探し、北側に38度線を超えさせるように駆り立て、ついには全面戦争に導きました。

    「(I・F・ストーンの本は)朝鮮戦争の起源に疑問を投げかけました。米国
    が国連を操り、米国軍部と韓国独裁国家が和平交渉の妨害工作を行っ
    て、戦争を引き出したと証言しまし*た」。3



ストーンの説明では、ダグラス・マッカーサー(写真左)は「平和を回避するためにあらゆる可能なことを行った」ということです。

米国の侵略戦争は、「自衛」を装った先制攻撃として行われます。マッカーサー元帥に関するI・F・ストーンの歴史的な陳述を真似て言うなら、60年後に米国大統領バラク・オバマと彼の国防長官のチャック・ヘーゲルも「平和を回避するためにあらゆる可能なことを行っています」。

敵に「先に発砲させる」ように駆り立てるこのお決まりのやり方は、米国軍事理論としてしっかり確立されています。それは「戦争の口実となる事件」を生み出すことです。それは「自衛」を根拠として、侵略者[米国]に軍事介入する口実を与えます。そのやり方は、1941日本によるハワイ真珠湾攻撃を特徴付けています。真珠湾攻撃は、策略と挑発によって引き起こされました。米国の当局者はその策略と挑発の知識を向上させていました。真珠湾は米国が第2次世界大戦への参戦を正当化するものでした。

1964年のトンキン湾事件は、米国が北ベトナムに戦争をしかける口実でした。その事件の後、米国議会によってトンキン湾決議の採択がありました。この決議はリンドン・B・ジョンソン大統領に共産主義国北ベトナムに戦争を仕掛ける権限を与えました。

I・F・ストーンの分析は、「標準的な話」に異議を唱えています。その標準的な話というのは、朝鮮戦争は北朝鮮が挑発されたわけでもないのに一方的に行なった攻撃で、1950年6月30日に始まり、朝鮮全体にソ連の影響を拡大するためにソ連の指示で行われたもので、完全に韓国、米国、国連を驚かせたものだったということです。

    しかしそれは予期しない驚きだったのでしょうか。少なくとも70両の戦車
    を使って7万人の兵士による同時に4つの異なった地点で開始された
    攻撃が、果たして予期しない驚きだったというのはあり得ることなので
    しょうか。

    ストーンは、韓国、米国、国連から出された報告書を集めます。
    その報告書は6月25日以前に認知されていたことを文書にし
    たものです。米国CIA長官のロスコ―・H・ヒレンロエッター准将
    がその報告書について述べたことが報告されています。「『今
    週か次の週に侵略があり得る状況が北朝鮮にある』ことに米
    国の情報機関は気付いていた」(p.2)と。ストーンは次のように
    書いています。「米国の一流の軍事コメンテーターで国防総省
    の信頼できる友人であるニューヨーク・タイムズ紙のハンソン
    ・ボールドウィンが報告したことは、それら(米国の軍事文書)
    は6月の初旬に38度線に沿って北朝鮮人民軍の際立った集
     結が始まっていることを示しているということでした。(p.4)

    どのようにして何故そんなに早く、トルーマン大統領は6月27日
    までに韓国で米軍に戦闘させることを決定したのでしょうか。
    ストーンが強く主張したのは、朝鮮での戦争とその結果として
    生じる東アジアの不安定化を、米国の国益として見ていた
    人々が米国政府と軍の中にいたということでした。4

フランスのヌーヴェル・オプセルヴァトワール[仏の報道週刊誌]の編集者クロード・ブルデによれば:

    「もしストーンの論文が現実に一致するならば、私たちは軍事史
    全体の最大の詐欺の前にいることになります。罪のない詐欺の
    問題ではなく、恐ろしい策略の問題です。その中では、和平が可
    能な時にそれを阻止するために、意識的に策略が利用されてい
    ます」。5

名高い米国人作家のレオ・ヒューバーマンとポール・スウィージーの言葉では:

    「私たちが達した結論は、(韓国大統領)李承晩は意図的に北朝
    鮮人たちを挑発したということです。北朝鮮人たちが大挙して
    38度線を超えて報復することを李承晩は願っていました。北側
    の人たちは、巧妙に罠にはまりました」。6

1950年6月25日、国連安全保障理事会決議82採択の後、占領国日本で米軍を率いていたダグラス・マッカーサー元帥が、いわゆる国連軍総司令官(UNCOM)に任命されました。ブルース・カミングズによれば、朝鮮戦争は「第2次世界大戦中の帝国日本に対する航空戦と強い類似性がありました。そしてしばしば同じ米軍の指導者たちによって指揮されました」。その中にはダグラス・マッカーサーやカーチス・ルメイ将軍がいました。

朝鮮の人々に対する米国の戦争犯罪

大規模な戦争犯罪が、朝鮮戦争(1950-1953)の最中に米軍によって犯されました。核兵器は朝鮮戦争中に使われませんでしたが、「民間人の大量殺害」戦略が広く行われました。これは第2次世界大戦中に考案されたものでした。罪のない民間人の殺害政策は、第2次世界大戦の最後の数週間に米軍と英軍によってドイツの都市への大規模な空襲と空爆で実行されました。辛辣な皮肉ですが、軍事的標的は保護されました。

軍事的目標を標的とする口実の下で民間人を殺害するこの非公式の政策は、朝鮮戦争の最中に、そしてその後の戦争でも米国の軍事行動を大きく特徴づけるものとなりました。ブルース・カミングズによれば:

*

    1950年8月12日、米軍は北朝鮮に625トンの爆弾を投下しました。2週間
    後、毎日の投下トン数は約800トンにまで増加しました。米国の戦闘機は
    第2次世界大戦の太平洋での作戦よりも多くのナパーム弾や爆弾を投下
    しました。7
  
38度線より北の領土は、大規模な絨毯爆撃にさらされました。その結果、78の都市と数千の村が破壊されました。

    それ(1950年―53年の朝鮮戦争)について消し去ることができないことは、
    北朝鮮に対する米国の空爆の異常な破壊性でした広範囲にわたる。
    継続的な焼夷弾攻撃(主にナパーム弾による)から、核兵器と化学
    兵器を使うという脅し、そして戦争の最終階では巨大な北朝鮮段
    のダムの破壊までありました。その結果、北朝鮮のほとんどすべての
    頑丈な建物が破壊されました。8
  
米国のウィリアム・F・ディーン少将は「彼が見た北朝鮮の都市と村のほとんどは、がれきか雪におおわれた荒
れ地だったと報告しました」。北朝鮮に対する爆撃を調整したカーチス・ルメイ将軍は、あつかましくも次のよ
うに認めました:

    3年かそこらにわたり、私たちは人口のなんと20%を全滅させました……
    私たちは北朝鮮そして南朝鮮のすべての町を焼き尽くしました。9
   
ブライアン・ウィルソンによれば:

    いま信じられていることは、38度線の北側の人々は、1950年から1953年
    の37カ月の長い「熱い」戦争で、800万人から900万の人口のほとんど
    3分の1を失いました。交戦が原因で一つの国が被った死亡率では、
    おそらく前例のないパーセンテージです。10
   
また朝鮮真実和解委員会によって文書で記録されているように、韓国の米軍によって広範囲に及ぶ戦争犯罪がなされました。韓国の情報源によれば、朝鮮戦争の最中に韓国でほとんど100万人の民間人が殺害されました。

    「朝鮮戦争の初期、米国の当局者は監視していて、写真を撮り、彼らの韓国
    の同盟者による大規模な処刑について密かに報告をしました。内密の大量
    虐殺は、1950年半ばの数週間の内に、通常、告訴も裁判もなしで、10万人
    あるいはそれ以上の左翼の人々とその同調者と思われる人々を殺害した
    と考えられています」*。11

    [* 訳注 (上記は補導連盟事件のことを述べていると思われるので、その
    事件について注を加える) 朝鮮戦争の中でも一番の悲劇は、保導連盟
    事件だった。保導連盟とは、韓国が建国された後、共産主義からの転向者
    やその家族を再教育するために設立された国民保導連盟のことである。
    この連盟に登録すれば、共産主義者として処罰されないことになっていた。
    しかし、朝鮮戦争が勃発すると、彼らは潜在的な敵とみなされ、李承晩の
    命令により各地で多数の連盟員が虐殺された。ソウルを占領した北朝鮮
    軍にとっても、保導連盟員は韓国側に協力した存在となり、やはり処刑の
    対象になった。犠牲者の数は20万人から120万人と言われている。
    出典:池上彰(2014)『そうだったのか!朝鮮半島』集英社より要約]
 
第2次世界大戦中に、英国はその人口の0.94%を失い、フランスは1.35%を失い、中国は1.89%を失い、米国は0.32%を失いました。朝鮮戦争の時には、朝鮮民主主義人民共和国は人口の25%以上を失いました。北朝鮮の人口は、朝鮮戦争の前の1950年には約800万から900万人でした。米国の情報源は北朝鮮で155万人の民間人が死亡、215,000人の戦闘で死亡したことを認めています。行方不明兵と戦争捕虜が120,000人、戦闘部隊の負傷者が300,000人でした。12

韓国の軍事情報は、民間人の死者、負傷者、行方不明者の数を250万人と見積もっています。そのうち、およそ990,900人は韓国内の人々です。別の見積もりでは、民間人と戦闘員の朝鮮戦争での死亡者数を350万人としています。

北朝鮮は世界の安全への脅威か?

過去60年間、ワシントンは北朝鮮の政治的孤立の原因の一つとなってきました。ワシントンは、北朝鮮の産業基盤と農業を含む国家経済を不安定化しようとしてきました。ワシントンは、朝鮮国家の再統一の過程を絶えず阻止してきました。

韓国では、米国は政治制度全体にその締め付けを維持してきました。その締め付けは、李承晩の最初の任命から、政府の非民主的で抑圧的な形態を維持してきました。その政府の形態は、大部分が米国の利益に役に立ってきました。

米軍の駐留は、韓国の経済・金融政策に支配的な影響を及ぼしました。

    米国人にとっての重要な質問。米国の侵略の結果、人口の4分の1を失った
    国がどのように米国本土に脅威となるのでしょうか。

そのすぐ近くの国境に37,000人の米軍がいる国が、どのように米国の脅威となり得るのでしょうか。

戦争犯罪の歴史を考えると、北朝鮮の人々は彼らの祖国への米国の脅威をどのようにとらえているのでしょうか。朝鮮戦争で愛する人を失っていない北朝鮮の家族は一家族もありません。

朝鮮戦争は、第2次世界大戦に続いてすぐに行われた米国主導の最初の重要な戦争でした。

米国とNATOの同盟国は、遠回しに「戦後」と呼ばれる途上で、世界の主要な地域で数多くの戦争と軍事介入を行ってきました。その結果、何百万人もの民間人が死亡しましたが、米国は民主主義と世界の平和の守護者として擁護されました。

戦争のプロパガンダ

嘘が真実になる。

現実が逆さまにされる。

歴史が書き換えられます。北朝鮮は脅威として喧伝される。

米国は侵略国家ではなく、侵略の「犠牲者」だ。

これらの概念は、ニュースのネットワークに流される戦争のプロパガンダの一部です。

朝鮮戦争が終わって以来、韓国のニュース・ネットワークに注ぎ込まれた米国主導のプロパガンダは、朝鮮民主主義人民共和国を韓国の安全への脅威として示すことによって、南北朝鮮間の紛争と不和を煽ることに絶えず貢献してきました。

恐怖と威嚇の雰囲気が広がり、韓国の人々に米国の「和平の役割」を受け入れさせます。世論の目から見れば、37,000人の米国の占領軍の駐留は韓国の安全にとっては「必要なもの」としてみなされています。

米軍の駐留は、北朝鮮の侵略に対して「韓国を守る」手段として告知されています。同様に、そのプロパガンダのキャンペーンは、米国の干渉主義の正当性を維持する目的で、韓国社会の分裂を生み出そうとするでしょう。この一連の行為の目的は不和を生み出すことです。うんざりするほど繰り返される「北朝鮮の脅威」は、朝鮮はひとつの国であり、ひとつの国家であり、ひとつの歴史であるという考えを、人々の内面の意識の中で、弱体化します。

「トルーマン・ドクトリン」

歴史的に第2次世界大戦の後に、1948年の国務省の簡単な説明の中で、外交政策顧問のジョージ・F・ケナンによって考案されたトルーマン・ドクトリンが、米国の拡張主義の冷戦の骨組みを確立しました:

この1948年の文書が言っていることは、冷戦時代の「封じ込め」から「先制攻撃」の戦争までの米国外交政策の継続性です。それは丁寧な言葉で、米国は軍事手段を通じて経済的かつ戦略的支配を模索すべきだと述べています。

    そのうえ、私たちは世界の富のおよそ50%を所有していますが、その人
    口は6.3%にすぎません。この不均衡は、私たちとアジアの人々の間で特
    に大きいです。この状況では、私たちは必ず恨みや憤りの対象となるでしょ
    う。来るべき時期における私たちの仕事は、国の安全保障に実害を受け
    ることなく、この不均衡の地位を維持してくれる関係パターンを考案するこ
    とです。そうするために、私たちは感傷主義と空想は捨てねばなりません。
    そして、私たちの注意は、あらゆるところで我が国の直接の目的に集中
    日させなければなりません。私たちは今、利他主義と世界への善行の贅沢
    をする余裕があると言って、私たち自らを欺く必要はありません。(…)

    この状況では、極東に関する私たちの考えを明確に示してきた多くの概念を
    いま放棄した方がいいだろう。私たちは、好かれるとか気高い国際的利他
    主義の信頼できる人としてみなされたいという強い願望を放棄すべきです。
    私たちは、兄弟に対して責任を負う者[聖書の『創世記』に由来する表現]の
    立場に自らを置くことを止めなければなりません。そして、道徳的イデオロ
    ギー的アドバイスをすることをやめなければなりません。私たちは、人権、
    生活水準の向上、民主化というような、極東にとってあいまいで非現実的な
    目標について話すことをやめねばなりません。私たちが直接の支配権の概
    念について扱わなければならない日はそんなに遠くではありません。私たち
    が理想主義的なスローガンによって邪魔されることが少なければ少ないほ
    どよいでしょう。13

影響力のある独立した国際機関としての国連システムを崩壊させる計画は、1946年に国連が始まって以来、米国の外交政策の計画段階にありました。その計画された崩壊は、1946年に定義されたように、トルーマン・ドクトリンの不可欠の部分でした。国連が始まった時から、ワシントンは自分たちの有利になるように国連を支配しようとする一方、国連システムを弱体化させ、最後には破壊しようとしてきました。

ジョージ・ケナンの言葉では:

    「時々、国連は有用な目的を果たしてきました。しかし、概して解決よりも
    多くの問題を生み出しました。そして、私たちの外交努力をかなり拡散する
    ことにつながってきた。そして、重要な政治目的のために国連の多数派を
    利用する努力をする中で、いつの日にか私たちに敵対するかもしれない
    危険な武器と私たちは戯れている。これは、非常に注意深い研究と配慮が
    私たちの側に必要な状況である。」

ワシントンは「国際社会」に公式に関わってきたけれども、国連にはかなりリップサービスをしてきました。近年、ワシントンは機関としての国連を卑劣な手段で攻撃してきました。第一次湾岸戦争以来、国連は主にゴム印[形式的に承認する人]として振る舞ってきました。国連は米国の戦争犯罪に目をつむってきました。国連は国連憲章に違反をして、アングロサクソン系の米国人の侵略者を代表して、平和維持活動を行ってきました。

韓国と東アジアに適用されたトルーマン・ドクトリン

トルーマン・ドクトリンは、第2次世界大戦後の米国軍事戦略の頂点にあたるものでした。それは、1945年8月の広島と長崎への原爆投下と日本の降伏で始まりました。(ハリー・トルーマン、左)

*

東アジアでは、韓国を含む日本の植民地帝国を米国が奪い取ることだけでなく、戦後の日本の占領の中に、トルーマン・ドクトリンが存在しました。(朝鮮は1910年の日韓併合条約の下、日本に併合されました。)

第2次世界大戦での帝国日本の敗北に続き、東アジアと東南アジアの米国の勢力範囲が、日本の「大東亜共栄圏」の地域で確立されました。

米国の勢力範囲には、フィリピン(第2次大戦中に日本によって占領された米国の占有地)、タイ(第2次大戦中、日本の保護領)、インドネシア(第2次大戦中に日本に占領され、1965年のスハルトの軍事独裁政権が確立後、米国の代理国家となる)が含まれていました。このアジアでの米国の勢力圏は、その支配をフランスの元植民地インドシナの所有地に広げました。これには第2次大戦中に日本の軍事占領下にあったベトナム、ラオス、カンボジアが含まれていました。

米国のアジアでの支配権は、主に日本、フランス、オランダの植民地の管轄下にあった国々で勢力圏を確立することに基づいていました。

連続性:トルーマン・ドクトリンからネオコンまで

ブッシュ政権下でのネオコンの政策は、(二大政党の)「戦後」外交政策の枠組みの全盛期として見るべきです。その政策は、現在の戦争と残虐行為計画に基づいていて、それには拷問部屋と強制収容所の設立、そして禁止されている民間人への広範な武器使用が含まれます。

朝鮮、ベトナム、アフガニスタンでの戦争からラテン・アメリカ、東南アジアでのCIAの支援を受けた軍事クーデターまで、その目的は米国の軍事支配と世界経済支配を確保することでした。その目的は「トルーマン・ドクトリン」の下、最初に策定されたものです。60年以上の期間にわたって、ハリー・トルーマンからバラク・オバマまで、著しく政策が違っているにもかかわらず、この世界軍事政策を実行してきました。

米国の戦争犯罪と残虐行為

私たちが論じているのは、犯罪的な米国の外交政策です。犯罪は国の一人あるいは大勢の指導者に付随しているものではありません。それは国家政策全体に付随しているものです。それは、様々な民間機関や軍事機関であり、それと同様に米国の外交政策形成の背後にある強力な企業利益であり、ワシントンのシンクタンクであり、軍事機構に融資をする債権機関です。

この期間は、1950年の朝鮮戦争を初めとして、中東や中央アジアでの戦争に及ぶまで、広範囲に及ぶ戦争犯罪によって特徴づけられます。その結果、1,000万人以上の人々が死んでいます。この数字は、貧困や飢餓や病気で死んだ人々は含まれていません。

戦争犯罪は、米国そして外交政策の組織犯罪の結果です。私たちは単に個々の戦争の犯罪者を論じているのではなく、いろんなレベルの政策立案者たち巻き込んで、戦争犯罪を命令する過程を論じているのです。そこではみな確立された指針とやり方に従っています。

米国の財政的支援を受けた犯罪と残虐行為の歴史的記録に関して、ブッシュ政権とオバマ政権を際立たせているものは、強制収容所、標的を絞った暗殺、拷問部屋が公然と軍事介入の合法形態であると考えられていることです。それが「世界的な対テロ戦争」や欧米流の民主主義の流布を維持しているのです。

朝鮮戦争の歴史的重要性:米国の世界戦争計画

朝鮮戦争はその後に続いた米国の軍事介入のお膳立てをしました。朝鮮戦争は第2次世界大戦後の「軍事的ロードマップ」の最初の手始めでした。半世紀に及ぶ、米国主導の戦争、特殊作戦、クーデター、秘密作戦、米国に支援された反政府運動と政権転覆の「軍事的ロードマップ」です。主権を有する政府を倒すことに力を注ぐCIAの秘密作戦は言うに及ばず、世界戦争の計画が、米国の軍部の地域的指揮系統を通じて、世界の重要な地域で実行されてきました。

この世界的な征服の計画は最初、いわゆる「トルーマン・ドクトリン」の下で確立されました。「トルーマン・ドクトリン」は、国防総省が後に(冷戦のあとネオコンの下で)名付けた米国の「長い戦争」を始めました。

私たちが論じていることは、世界戦争、世界的な征服の過程、軍事化と企業の拡張主義です。企業の拡張主義が推進力です。「経済的征服」が、情報作戦と軍事作戦を伴って実行に移されます。財政的・金融不安定化が主権国家に向けられた経済的戦争の別のメカニズムです。

ジョージ・W・ブッシュの大統領選挙に先行する2,000年に、ワシントンのネオコンのシンクタンクである「アメリカ新世紀プロジェクト」(PNAC)が、米国軍部のための4つの中心任務を規定しました。

   ・米国本土を防衛すること
   ・複数の、同時に起きている主戦場で、決定的な勝利をおさめること
   ・危機的な地域における安全保障環境を作るために「警官」の役割を果たす
    こと
   ・「軍事革命(ハイテク化された軍事技術)」をして、米軍を変革すること

ジョージ・W・ブッシュの国防副長官ポール・ウォルフォイツ、国防長官ドナルド・ラムズフェルド、副大統領ディック・チェイニーは、2,000年大統領選挙に先立って「アメリカ新世紀プロジェクト」(PNAC)に青写真の作成を委託しました。

「アメリカ新世紀プロジェクト」(PNAC)は、征服のロードマップを概説する。

それは、中央アジアと中東の至るところに米国の「前進基地」を直接配置することを要求している。「その目的は、米国の世界の経済的支配を保証するために、いかなる潜在的な『競争相手』も押さえつけ、米国の『自由市場』経済のいかなる代替手段も抑圧することだった」。

戦場と違って、いわゆる「警察機能」は世界の軍事的治安維持を意味しています。それは、懲罰的爆撃と米国特殊部隊の派遣などを含む、様々な軍事介入の手段を使います。「警察機能」はイランに対する米国の戦争計画の最初の局面で考えられました。それらは、いわゆる戦場に「代わるもの」として採用される特殊な軍事介入と確認されました。

この文書には見せかけはありません。その目的は厳密に軍事的なものです。平和維持や民主主義の普及における米国の役割の議論はありません。15 主なPNACの文書は、「新しい世紀のための、米国の防衛、戦術、軍隊、資源の再建」という表題がつけられています。(PNACのウエッブサイトhttp://www.newamericancentury.org)

米軍による韓国占領は東アジアの軍事化

ワシントンは、韓国と北朝鮮だけでなく、北朝鮮と中国の間にも政治的分裂を作り出すことに熱中しています。その目的は最終的に北朝鮮を孤立化させることです。辛辣な皮肉ですが、韓国の米軍施設は軍事的包囲過程の一環として中国を脅すために使われています。同様に、ワシントンは国家間の政治的分裂を作ろうとすると同時に、隣国間での戦争を煽ってきました。(例えば、1980年代のイランーイラク戦争、インドとパキスタンの間の対立)

国連司令部の委任(UNC)

60年後、偽りの国連命令で、米軍による韓国軍事占領が広く行われています。言っておく価値があることは、国連は正式に国連軍司令部を創設したことは決してなかったことです。国連安全保障理事会による正式な決定なしに、米国によってその司令部は作られました。1994年、国連事務局長ブトロス・ガリは北朝鮮外務大臣への書簡の中で次のことを明らかにしました。「安全保障理事会は、その管理下の補助機関として統合軍を設立したことはなく、そのような統括部隊の創設を勧告(1950年)し、その部隊は国連の権限下にあるべきだと明記しただけです」。

米韓合同軍司令部(CFC)

韓国は今もなお米軍の軍事占領下にあります。朝鮮戦争と休戦協定の署名に続いて、韓国軍はいわゆる国連軍司令部の管轄下に置かれました。この配置は、韓国軍のすべての部隊が事実上米国の指揮官の支配下にあることを意味しました。1978年、米国の将軍が代表を務める米韓二国間の合同司令部が創設されました。実質的に、これはいわゆる国連司令部に関してのレッテルの変更でした。今日まで韓国軍は米国の将軍の指揮下にあります。

  米国が韓国軍の戦時作戦統制権を2015年に韓国に返還する時、米韓合
    同司令部はもともと廃止されることになっていましたが、これは韓国の防衛
    を弱体化する可能性があるという恐れがここにきて出てきました。この気持
    ちの変化は、北朝鮮のますます増加する好戦的な言辞の中で出てきました。

    朴槿恵は、状況説明会の時に軍の高官たちに、北朝鮮のいかなる挑発に
    対しても「即座の強力な反撃」を加えるよう述べました。北朝鮮の脅威は
    「かなり深刻である」と彼女は考えていると言いました。そして付け加えま
    した。「国民や我が国に対する挑発があったら、いかなる政治的考慮も
    せず、軍は迅速に強力に反応すべきである」。16

在韓米軍(USFK)

1957年、在韓米軍(USFK)が創設されました。それは「米国太平洋軍に従属する統合軍」と記されています。それは、ロシアと中国を含むその地域の第三国を攻撃するために配備できるものでした。米国防省の最近の数字では、韓国に現在(2013年4月)、在韓米軍の下に37,000人の米軍部隊が駐留していることを確認できます。

米軍によって統合されている在韓米軍は、1978年に創設された米韓合同軍司令部(CFC)とは違うものでした。米韓合同司令部は、米陸軍大将と副司令官である韓国陸軍大将によって指揮されています。(United States Forces Korea | Mission of the ROK/US Combined Forces Command参照)

現在の在韓米軍司令官は、ジェイムズ・D・サーマン大将です。彼はまた米韓合同司令部の指揮官と国連司令部の指揮官を引き受けています。(United States Forces Korea | USFK Leadership参照)

国防省から命令を受けているサーマン将軍は、韓国の大統領、最高司令官である朴槿恵より優位に立っています。

理論上は韓国の指揮下にある韓国軍(陸軍、海軍、空軍)の通常の兵士は、60万人以上の現役兵と200万人以上の予備兵から成り立っています。しかし、米韓合同軍司令部の条項によれば、これらの部隊は事実上、米国の大将が代表を務めている米韓合同軍司令部の指揮権下にあります。

このことが意味していることは、在韓米軍37,000人に加えて、事実上、米国の指揮系統が韓国軍の全実戦部隊に対する管理権を持っているということです。本質的に、韓国はその国軍を統制していないということです。韓国軍は本質的には外国の利益に奉仕しています。

毎年、米韓は北朝鮮に向けられた軍事演習を行っています。これらの軍事演習は、北朝鮮への通常攻撃と核攻撃のシミュレーションを行い、休戦協定と重なる7月下旬にしばしば行われます。

一方、韓国の西海岸と済州島の米軍基地が、軍事的包囲の過程の一環として中国に脅威を与えるために使用されます。米韓合同軍司令部の米韓合意から、米国指揮下の韓国軍が、その地域の米国軍事作戦と連携して配備されます。その軍事作戦は、在韓米軍 (USFK)や米国太平洋軍(USPACOM)と活発に連携しています。

韓国は米国武器産業にとって数十億の大鉱脈です。過去4年間の間に、韓国は世界で4番目に大きな武器輸入国で、「米国がその武器購入の77%を占めています。注目すべきことは、これらの武器は韓国の納税者のウォンで購入され、事実上米軍の管理下にあることです。その米軍は、米国の司令官が代表を務めている米韓合同軍事司令部の統合部隊であることは明らかです。

最近の進展の中で、韓国大統領は北朝鮮への先制攻撃の可能性をほのめかしました。


    ロンドン・テレグラフによれば、朴槿恵は以下のように述べました。「国軍の
    最高司令官として、私は北朝鮮による突発的な挑発について軍の判断を
    信頼するでしょう。それは北と直接対決するものだからです。全く動転せず
    に人々の安全を守る義務を果たしてください」。

    朴槿恵の国防相はまた、平壌に対する積極的な「抑止政策」を約束し、ソウル
    は北朝鮮の核とミサイル基地への先制攻撃を考慮していると提起したようで
    した。19

朝鮮の核問題。誰が誰を脅しているのか?

歴史的背景:広島と長崎:1945年8月6日、 8月9日

マンハッタン計画の下での初期の米国核兵器政策は、「抑止」と「相互確証破壊」 (MAD) *という冷戦の考えに基づいていたわけではありません。

    [* 訳注 米ソ冷戦時代(1960年代)に提唱された核抑止
    理論。米ソ両国が、自国の核戦力の非脆弱性(相手の攻撃
    に対する残存能力)を向上させて相手の先制攻撃から自国
    の核戦力の一部が必ず生き残るようにし、報復攻撃で相手
    を確実に破壊できる第二撃能力を確保することによって、核
    攻撃を相互に抑止することができるとするもの。出典:Weblio
    辞書/提供外務省]

朝鮮に関連する米国の核政策は、1945年に広島と長崎への原爆投下に続いて確立されました。この原爆投下は主に民間人に向けられたものでした。


その戦術的目的は、「大量の死傷者を出す事件」を引き起こすことでした。その結果数万人が死亡するはずでした。その目的は軍事的征服の手段として国全体を威嚇することでした。軍事的な標的は主な目的ではありませんでした。「巻き添えの被害」という見解が民間人の大量殺害の正当化として使われました。広島は「軍事基地」で民間人は標的ではないという公式の口実の下で行われました。

ハリー・トルーマン大統領の言葉では:

    「私たちは世界史の中で最もおそろしい爆弾を発見した。この兵器は日本
    に対して使われることになっている。私たちはそれを使うことになる。軍事
    的標的、兵士たち、水夫たちが標的であり、女性や子どもたちは標的
    ではない。たとえジャップたちが野蛮人で冷酷で無情で狂信的であっても、
    公共の福祉のための世界のリーダーとして私たちはその恐ろしい爆弾を
    古都や新しい首都に落とすことはできない。…標的は純粋に軍事的なもの
    となるだろう。…それはこれまで発見されたなかで最も恐ろしいもののよう
    だが、最も役に立つものになり得る」。20(ハリー・S・トルーマンの1945年
    7月25日の日記)
  
    「最初の原子爆弾が広島の軍事基地に投下されたことに世界は気づくだ
    ろう。それは、最初の攻撃で出来る限り民間人の殺害を避けることを望ん
    だからだ」。
    (1945年8月9日のハリー・S・トルーマン大統領の国民へのラジオ演説)
  
    (注:最初の原爆は広島に8月6日に落とされました。2番目の原爆は8月
    9日に長崎に落とされました。トルーマンの国民へのラジオ演説と同じ日
    でした。)
    
米国政府と軍の高官たちは、広島が軍事基地だと誰も信じていませんでした。トルーマンは自分自身にも米国民にも嘘を言っていました。今日に至るまで、日本への核兵器の使用は、戦争を終わらせ、最終的には「人命を救う」ために必要な犠牲であったとして正当化されています。

広島ドクトリンが朝鮮に適用される:韓国に貯蔵され、配備される米国の核兵器

朝鮮戦争の時、米国は北朝鮮への核兵器の使用を予想していました。1950年6月の朝鮮戦争の開始の10カ月前、ソ連が1949年8月29日に最初の原爆のテストを行ったしばらく後のことでした。必然的にソ連による原爆の所有は、朝鮮戦争の最中には米国による核兵器の使用に対する抑止力として働きました。

朝鮮戦争のすぐに後に、北朝鮮に関する米国の核兵器政策に転換がありました。核兵器の使用は、中国とソ連を含む冷戦の核保有国は介入をしないだろうという前提があったので、北朝鮮に対しては先制攻撃の原則で考えられていました。

朝鮮戦争が終わってからわずか2・3年後、米国は韓国での核弾頭の配備を始めました。議政府(ウィジョンブ)と安養市(あにゃんし)でのこの配備は、1956年には構想されていました。

米国が核弾頭を韓国に持ち込む決定をしたことは、休戦協定の第13項(d)のあからさまな違反であることを述べておかなければなりません。休戦協定では、交戦中の両派が朝鮮に新しい兵器を導入することを禁止していました。

実際の核弾頭の配備は、1958年の1月に始まりました。朝鮮戦争が終わってから4年半後のことです。「5つの核システムの導入がありました。オネスト・ジョン地対地ミサイル、マタドール巡航ミサイル、核爆破資材(ADM)核地雷、280mmカノン砲、8インチ(203mm)榴弾砲」。21(核情報:朝鮮での米国核兵器 参照)

    デイビー・クロケット自走ミサイル[戦術核兵器]は韓国に1962年7月から
    1968年7月の間に配備されました。その核弾頭は最大0.25キロまでの
    選択的核威力を持っていました。その自走ミサイルはわずか34.5キロ
    (76ポンド)の重さでした。戦闘爆撃用の核爆弾は1958年3月に到着しまし
    た。その後1960年7月から1963年9月の間に、3つの地対地ミサイル(ラク
    ロス、デイビー・クロケット、サージェント)が続きました。対空そして地対地
    の二つの任務を持つナイキミサイルが、1961年1月に到着しました。そして
    最後に155ミリ榴弾砲が1964年10月に到着しました。増強のピーク時
    には、950近くの核弾頭が韓国に配備されました。


オネスト・ジョンデイビー・クロケットナイキ・ハーキュリーズ

[写真はウイッキペディアから]

4つのタイプの武器は数年だけ配備されましたが、他のタイプは数十年間、
    配備されたままでした。8インチ榴弾砲は1991年暮れまで配備され、それは
    韓国で米国の核兵器配備の33年間ずっと配備された唯一の兵器でした。
    最後まであった他の兵器は、空中散布式の爆弾(B61核爆弾を最後に、
    いくつかの違ったタイプの爆弾が何年にもわたって配備された)と155ミリ
    榴弾砲核砲弾でした。22

公式には米国の韓国での核兵器の配備は33年間続きました。その配備は中国とソ連と同じように北朝鮮も標的にしていました。

韓国の核兵器プログラム

米国による韓国での核弾頭配備と同時期に、かつそれと連携して、韓国は1970年代初頭に自分自身の核兵器プログラムを始めていました。表向きの話では、米国はソウルにその核兵器プログラムを放棄させ、核分裂物質を生産する前の1975年4月に「核不拡散条約(NPT)に署名をさせるよう圧力をかけた」ということです。23

実際に韓国の核の構想は、米国の監視のもとで最初1970年代の初頭からありました。そして北朝鮮を脅すために米国の核兵器の配備の構成部分として進展していました。

その上、このプログラムは1978年に公式には終わっていたのに、米国は科学的専門知識そして核兵器使用の韓国軍人の訓練を促進していました。そして留意すべきことは、米韓合同軍司令部の合意の下、韓国のすべての作戦部隊は米軍司令官を長とする統合部隊の下にあるということです。つまり、韓国の軍部によって設立された軍事施設と基地は事実上共同施設であるということを意味します。韓国には全部で27の軍事施設があります。24

韓国からの核兵器の公式の撤去

軍事情報筋によりますと、韓国からの核兵器の撤去は1970年代の中頃に始められました。

    鳥山(オサン)空軍基地の核兵器貯蔵場所は、1977年暮れに稼働が取り止
    めになりました。この縮小はその後何年もの間続き、韓国の核兵器の数
    は1976年のおよそ540発から1985年のおよそ150発の砲弾と爆弾に減少
    しました。1991年の大統領の核イニシャティブの時までに、およそ100の
    核弾頭が残っていましたが、そのすべてが1991年12月に引き上げられ
    ました。25

公式声明によれば、米国は1991年12月に韓国の核兵器を引き上げました。

米国本土と米国潜水艦からの北朝鮮に対する核攻撃計画

この韓国からの核兵器撤去は、北朝鮮に向けられた核戦争の脅威を決して修正するものではありませんでした。それどころかそれは核弾頭の配備に関する米国の軍事戦略の変化に関係していました。北朝鮮の大都市は、韓国の軍事施設からより、むしろ米国本土からと弾道ミサイル搭載原子力潜水艦(SSBN)から核弾頭の標的となりました:

    1991年12月の韓国からの(米国)核兵器の引き上げの後に、シーモア・ジョ
    ンソン空軍基地の第4戦闘航空団が北朝鮮に対する核攻撃計画の任務を
    負わされまし た。それ以来、非戦略核兵器での北朝鮮に対する攻撃計
    画は、米国本土の戦闘機の任務となってきました。これらのひとつが北
    カリフォルニアのシーモア・ジョンソン空軍基地の第4戦闘航空団です。

    「私たちは朝鮮シナリオを使って朝鮮での戦争のシミュレーションをしま
    そした。… のシナリオは、…核兵器使用を考慮した国家司令上層部
    による決定をシミュレーションしました。… 私たちは戦術核兵器を航空機
    に搭載するために、航空機、乗組員、(兵器を)積み込む人員を確認しま
    した。…

    15分以内に標的への攻撃能力をもつトライデントD5潜水艦発射弾道ミサ
    イルは、在韓米軍のための「基幹システム」です。弾道ミサイル潜水艦
    と長距離爆撃機からの攻撃です。

    非戦略空中散布式爆弾に加えて、太平洋をパトロールしているオハイオ
    ・クラスの戦略潜水艦に搭載された弾道弾ミサイルが、北朝鮮に対する
    任務も持っているようです。1998年からのドッド監察官の報告は、トライデ
    ント・システムを「基幹システム」としてリストアップしました。そのシステム
    は、米国太平洋軍と在韓米軍によって、「彼らにとって特に重要なもの」
     として見なされています。

    トライデント・システムの主な任務はロシアと中国の標的に対して向けら
    れていましたが、低い弾道のD5ミサイルは、北朝鮮の緊急を要する標的
    に対して、素早く(12-13分)攻撃する特別な能力をもっています。他の
    米国の核兵器システムは、そんなに早く弾頭を目標に向けることはでき
    ません。2、3隻の弾道ミサイル搭載原子力潜水艦は、いつでも太平洋で
    「厳戒態勢」にあります。その潜水艦は、指定されたパトロール地域から、
    ロシア、中国、北朝鮮を警戒しています。


    長距離戦術爆撃機は北朝鮮に対する核攻撃の役割を割り当てられて
    いるかもしれません。しかし詳細はほとんど分かっていません。空軍の
    地図は、北朝鮮へのB2爆撃機の攻撃の役割を提案しています。地面を
    貫通するB61-11核爆弾の指定された運搬装置として、B2爆撃機は
    に北朝鮮で深く埋められた地下施設対する潜在的な核攻撃の任務の
    ための強力な候補です。

B61-11地中貫通型核爆弾(爆発能力は広島型爆弾の3分の1から6倍)、そしてロバスト地中貫通型核爆弾用の運搬装置としてB2ステルス爆撃機は、北朝鮮の標的に対する重要な役割を担っている。最近の新たな性能向上で、8時間以内にB2爆撃機の核攻撃準備を可能にしています。26

    公式には米国の韓国での核兵器の配備は、33年間続いたということで
    すが、多くの核弾頭が韓国に今もなお貯蔵されている証拠があります。

    「当時の韓国政府は核兵器の撤去を正式に発表してきましたが、米国の
    陳述はそれほど明確ではありませんでした。その結果長い間、特に南北
    朝鮮で、韓国に核兵器が残っているという噂が根強く残っていました。
    しかし、1991年の太平洋軍総司令部の機密解除された部分で、核兵器
    撤去については1998年に太平洋軍によって正式に発表されました」。27
    (核情報プロジェクト:韓国からの米国の核兵器の撤去)

最近の報告は、北朝鮮に対して先制攻撃用の核兵器が、韓国に貯蔵されていることをほのめかしています。そのような行為は北朝鮮全体を強烈な核放射線地域にすることになることはよく理解されていることです。

ブッシュ政権の2001年の核戦略見直し:核先制攻撃

ブッシュ政権は、2001年の核戦略見直しで、9.11後の新しい「先制攻撃」核戦争ドクトリンの概要を確立しました。つまり、それは非核保有国に対して「自衛」の道具として核兵器が使えるというものでした。

北朝鮮に向けられた「米国の核攻撃能力の必要性」が、ネブラスカ州オマハの米国戦略軍司令部で世界的な攻撃任務の一部として確立されました。いわゆるCONPLAN8022です。この計画は、中国やロシアだけでなく北朝鮮も含む多くの「ならず者国家」に対して向けられたものでした。

    2005年11月18日、北朝鮮を含む核戦争演習テストの成功後、新しい
    宇宙地球攻撃統括部隊(Space and Global Strike command)がアメ
    リカ戦略軍(STRATCOM)で始動しました。朝鮮に対する現在の米核
    攻撃計画は、3つの役割を果たすようです:第一は戦争行為に前に、
    北朝鮮の行動に影響を与えることを目的とする、伝統的な戦争抑止
     という曖昧に定義されたものです。

    この役割は2001年の核戦略見直しによって、戦争抑止だけでなく、北朝
    鮮に大量破壊兵器追求をやめさせるまで幾分広げられました。

    北朝鮮が50年間核兵器と対決してきた後に、どうして核兵器能力を増加
    させることで北朝鮮が大量破壊兵器(核兵器プログラム)追求を思いとど
    まると、ブッシュが信じたのか、それは謎です。28

核戦争の脅威:北朝鮮対米国

西側のメディアは口をそろえて北朝鮮の核の脅威に焦点を合わせますが、朝鮮の歴史を見直す時、重要なことは核能力が非対照的なことです。

半世紀以上にわたって、米国が核兵器で北朝鮮を脅してきた事実は、西側メディアによってほとんど認識されていません。

どこに脅威があるのでしょうか。

米国と北朝鮮の間の核兵器能力の非対称性は強調されなければなりません。

Arms Control.org[軍縮](2013年4月)によれば、米国は

    「5,113の核弾頭を所有しています。それには、戦術核兵器、戦略核兵器、
    未配備の核兵器が含まれています」。最近の新しい戦略兵器削減交渉(
    START)の声明によれば、米国は5,113以上の核兵器から、「1654の戦略
    核弾頭を、展開されている729の大陸間弾道ミサイルと潜水艦発射弾道
    ミサイルと戦略爆撃機に配備しています」。29
   
その上、アメリカ科学者連盟によれば、米国は500の戦術核弾頭を所有しています。

    2013年4月3日、米国務省は、ロシアとの新しい戦略兵器削減交渉
    (START)のデーター交換で、新しい事実が書かれた印刷物を発行しまし
    た。新しい戦略兵器削減交渉で説明する義務がある配備されている核
    弾頭数と、それぞれの国が持っている運搬システムの情報を共有しま
    した。2010年5月3日、米国国防総省は初めて米国の備蓄品の核弾頭
    (5,113)の総数を発表しました。国防総省は、この備蓄品に機能している
    核弾頭と機能していない核弾頭を含めています。機能している核弾頭は、
    作戦行動可能なものであり、配備されているか配備可能なものです。
    機能していない核弾頭は、「作戦不可能な状態で」維持されているもので
    あり、トリチウムのボトルが取り外されたものです。(情報源:軍縮協会、
    科学者同盟、核分裂性物質についての国際パネル、米国防総省、
     米国務省。)30
    
その一方、同じ情報源によれば、北朝鮮は、

    「大雑把に言って4~8個の核弾頭のための十分なプルトニウムを分離し
    ました。北朝鮮は2010年に遠心分離機の施設を公表しました。しかし、
    核兵器用の濃縮ウランを製造する能力ははっきりしないままです」。31
    (Arms Control.org)

さらに、専門家の意見によれば:

    「北朝鮮が米国や他の誰かに核武装ミサイルを打ち返す手段があると
    いう証拠がありません。これまでのところ、北朝鮮はいくつかの原爆を
    製造し、それをテストしましたが、その燃料と核兵器を小型化し、それを
    ミサイルに搭載する技術がありません」。32
   
アメリカの卓越した核科学者の一人、シーグフリード・ヘッカーによれば、

    「その最近の脅威にもかかわらず、北朝鮮は核の在庫をまだ多く持って
    いません。なぜなら核分裂性物質がなく、核実験の経験を制限してきたか
    らです」。33
   
核戦争の脅威は北朝鮮からではなく、米国とその同盟国から生まれています。

米国の軍事的侵略の暗黙の犠牲者である朝鮮民主主義人民共和国は、戦争に夢中になっている国、米国本土への脅威、「世界平和への脅威」として絶えず描かれてきました。これらの型にはまった非難は、メディアのほぼ一致した意見となってきました。

一方、ワシントンは現在、その戦術核兵器[通常500キロ以下の射距離が短い核兵器のこと]の改良とあわせて、戦略核兵器[威力と射距離が大きい核兵器]の改造に320億ドルをかけています。2002年の上院の決定によれば、これは「周辺の民間人には害のないものである」ということです。

これらの北朝鮮に向けられた潜在的な武力侵略の継続的な脅しと行動はまた、中国とロシアに向けられた東アジアでの広範な米国の軍事的政策の一部と理解されるべきです。

*
(国連安全保障理事会に違反して国連旗を使っている非武装地帯のオバマと朴槿恵大統領)

重要なことは、米国や西側諸国の国中の人々が、北朝鮮やイランよりもむしろ米国が世界の安全への脅威であることがわかるようになったことです。

韓国の経済発展

米軍による韓国の軍事的占領は、朝鮮での米国の経済的・金融的利益を大いに支持し保護しています。1945年の始めから、韓国経済の民主化はありませんでした。搾取的日本の工場システムが、朝鮮財閥によって採用されました。それは部分的には日本植民地支配の副産物でした。

最初は、このシステムは極端な低賃金を基礎にしたもので、朝鮮の生産拠点は、西側市場のために低賃金労働の輸出品を生産するために使われました。多くの点で、初期の朝鮮の生産拠点は、朝鮮労働者の権利の低下のもとでの「産業植民地主義」の形態でした。

韓国財閥(チェイバル)の隆盛は、1970年代に始まった経済成長の素晴らしい実績がその源となっています。財閥は「ひとつの持ち株会社のまわりに集められた」多くの会社の集合体です。親会社はしばしば、ひとつの家族や同族会社によって支配されています。一方、後者は韓国の軍事政府の役人たちと緊密なつながりがありました。

韓国の工業と科学技術革命は、西側資本主義への挑戦となりました。米軍の駐留にもかかわらず、韓国はもはや「従属した」経済を持つ「発展途上国」ではなくなりました。競争の激しい世界市場に入れられて、韓国資本主義は日本と西側諸国の多国籍企業と競争をしていました。

1997年のアジア危機*:韓国に向けられた金融戦争

    [*訳注 アジア通貨危機のこと。1997年にタイから始まり,アジア各国に
    広がった急激な通貨下落とそれによって起こった金融危機・経済危機を
    指す。なかでもタイ,インドネシア,韓国はきわめて大きな打撃を受けた。
    出典:百科事典マイペディア(平凡社)]

韓国は世界資本主義国家に発展していました。韓国は自国の技術基盤と高度に発達した金融システムを獲得していました。韓国は、世界銀行によっていわゆるアジアの虎[1980年代に急成長を遂げたアジアの国のこと]として分類されていました。

しかし同時に、政治的仕組み全体―それはマクロ経済政策の経営を含んでいました-ワシントンとウォール・ストリートによって支配されていました。米国占領軍の軍事的駐留は言うに及びません。

1997年のアジア危機は重要な転換点でした。1997年暮れに、IMFの緊急援助の押し付けが、あっという間に韓国をひどい不況に追い込みました。社会的影響は壊滅的でした。

主要な金融機関による株式市場と外国為替市場の金融操作を通じて、アジア危機は韓国の事業所を弱体化し、むしばむ一因となりました。その目的は「虎をおとなしくさせ」、韓国財閥を解体し、韓国経済やその産業基盤や金融システムに対して、米国の支配と所有権を取り戻すことでした。

1997年暮れのウォンの崩壊は、外国為替市場での「露骨な空売り」[取引の裏付けとなる株式を確保せずに行う株取引] によって引き起こされました。それは金融戦争の行為に等しいものでした。

いくつかの韓国の財閥は、国際通貨基金(IMF)の命令で、バラバラにされ、解散させられ、倒産を引き起こされました。国際通貨基金(IMF)はウォール・ストリートの利益になるように行動していました。

1997年7月から1999年6月の間に、30の最大財閥のうち11の財閥が崩壊しました。

1997年の国際通貨基金IMFの財政的緊急援助に続いて、韓国の国家経済、ハイテク業種、産業基盤の大部分が、米国と西側の資本によって韓国の債権者と取り決められた様々な詐欺的条項の下で、「盗まれ」ました。

西側の企業は爆買いを続け、金融機関と産業資産を超安値で買い占めました。ソウルの株式市場の下落と結びついて、ウォンの通貨の切り下げは、韓国資産のドル価値を著しく下落させました。

国際通貨基金(IMF)は直接ウォール・ストリートの利益になるように行動をして、大宇テウグループ[韓国の大手財閥]の廃止を要求しました。それには問題を抱えたいわゆる12の大宇の関連会社の株の処分も含まれていました。大宇自動車は容易に手に入りました。これは自然発生的な破産ではなく、金融操作の結果でした。価値ある生産的資産を外国投資家の手に移すのがその目的でした。大宇は、国際通貨基金(IMF)の合意の下で、2001年に大宇自動車をジェネラル・モーターズ(GM)に売却することを余儀なくされました。同様に韓国最大の企業である現代ヒュンダイは、1997年12月の緊急援助に従って持ち株会社を編成し直さなければなりませんでした。

1999年4月、現代ヒュンダイは事業部の3分の2を削減することと、「グループを5つの独立した企業グループに分割する計画」を発表しました。この新たな取り組みは、西側債権者によって課せられた債務削減計画一部であり、国際通貨基金(IMF)によって実行されました。それは、いわゆる「プログラム」の下で実行に移されました。そうすることで、韓国の大きな財閥は小型化され、より小さな事業体に分割されることになりました。

その過程で、韓国の大きな持ち株会社のものだった多くのハイテク部門が西側資本に買い取られました。

韓国の銀行取引の風景も「米国投資家」によって引き継がれました。国中に支店ネットワークがある韓国第一ジュイル銀行(KFB)は、不正な商取引でカリフォルニアを拠点とするニューブリッジ・グループによってひどく安い値段で購入されました。34

同様の怪しげな取り引きによって、カーライル・グループは2,000年9月に韓美(ハンミ)銀行の支配権を握ることが可能になりました。カーライル・グループの取締役会には、元大統領のジョージ・ウォーカー・ハーバート・ブッシュ(シニア)、彼の国務長官であったステイト・ジェイムズ・A・ベイカー3世、元国防長官のフランク・C・カールッチがいました。韓美銀行は、カーライル・グループに率いられた共同事業体と、JPモルガン・チェース[世界最大級の持ち株会社]によって奪取されました。韓美銀行は、1980年代にバンク・オブ・アメリカと韓国の複合企業のグループの間の共同事業として、設立されていました。

3年後、シティバンク[ニューヨーク市マンハッタンに本拠を置く米国の大手銀行]は、カーライル・グループから韓美の36.7%の賭け金を獲得し、残っているすべての株を買い占めました。それは「西半球でのシティバンクの最大の取得」と言われました。35

数十億ドルの債務危機の引き金となった1997年のアジア危機に続いて、韓国財閥の破砕と韓国国家資本主義の弱体化を目的としている政府の新しいシステムが韓国で設立されました。言い換えれば、1997年12月の国際通貨基金(IMF)の救済合意の署名は、韓国国家の構造の重要な転換を示しています。韓国の金融規制機関は、韓国以外の債権者の利益に役立つように使われています。

結びの言葉:平和に向けて

米国は今もなお朝鮮と戦争状態にあります。

この戦争状態は米国に支援を受け、南北朝鮮に向けられています。それは、北朝鮮に対する持続的な軍事的脅威(核兵器の使用を含む)によって特徴付けられます。それはまた、1945年9月以来の米国の軍事的占領の下にあった韓国をも脅かしています。

現在は韓国には37,000人の米軍がいます。朝鮮半島の地理を考えると、核兵器の使用は必然的に韓国を巻き込みます。このことを米国の軍事計画者は知っているし、理解しています。「平和条約」に関わる来るべき交渉に先立って強調されなければならないことは、米国と韓国は同盟国ではないということです。

「本当の同盟」は、外国の侵入と侵略に対して南北朝鮮をひとつにまとめ、仲直りさせるものです。

これが意味することは、米国が朝鮮国家全体に対して戦争状態にあるということです。

したがって、平和条約の制定は、平和条約に含まれるべき条件で「合意点」を作るために、韓国と北朝鮮の両者による話し合いの開催を求めています。この平和条約の条件は、いかなる状況においても、米国の侵略者に受け入れさせなければなりません。米国の侵略者は朝鮮半島の軍事的駐留を維持することに関わっているので。

この件について注目する価値があるのは、米国の外交政策と軍事の計画者は、すでに自らの「再統一」のシナリオを確立していることです。韓国で米国の占領軍を維持することが断言されています。同様に、ワシントンが描いていることは、「外国の投資家」が北朝鮮経済に浸透して略奪することを可能にする骨組みです。

ワシントンの目的は、朝鮮の再統一の条件を押し付けることです。2000年に発表されたネオコンの『アメリカ新世紀プロジェクト』(PNAC)は、「統一後のシナリオ」では米軍(現在37,000人)の数は増やさなければならず、米軍の駐留は北朝鮮まで広げられると恫喝していました。再統一された朝鮮では、米国の守備隊の軍事的権限は、いわゆる「北朝鮮の安定化作戦」を実行することになるでしょう。

    朝鮮の統一は半島での米国駐留の削減と朝鮮での米軍の基本姿勢の
    変化を求めるかもしれませんが、その変化は任務の終わりということで
    はなく、本当に変化する技術的現実を反映するものとなるでしょう。その
    上、現実的な統一後のシナリオでは、米軍は北朝鮮の安定化作戦の
    役割を持つ可能性があります。統一後の朝鮮での米国の駐留の正確な
    規模と組織を推測するのは時期尚早ですが、朝鮮での米軍の駐留が、
    より大きな長期の戦略的目的に役立つことを認識することは早すぎる
    わけではありません。現在のところ、半島の現在の米国守備隊で能力
    のいかなる削減も賢明ではないでしょう。それどころか、それらを増強
    する必要があります。特に北朝鮮のミサイル攻撃に対する防御や大規
    模な砲撃能力の影響を制限する能力を増強する必要があります。
    やがて、統一とともに、これらの部隊の構造と人員のレベルは変化
    するでしょう。しかし、アジアのこの地域での米国の駐留は続けられる
    べきです。36 (PNAC、新世紀のためのアメリカの防衛、戦略、軍隊、
    資力の再建、p.18、文中に強調を加えた)

ワシントンの意図は非常に明瞭です。

それゆえに重要なのは、これらの話し合いが、外部の第三者の関与と妨害なしで韓国と北朝鮮の間で行われるべきことです。これらの討議では、北朝鮮に向けられた経済制裁の廃止だけでなく、すべての米国占領軍の撤退に取り組まねばなりません。

米国の軍事駐留を取り除き、37,000人の占領軍を撤退させることは、平和条約の必須条件であるべきです。

平和条約に従って、韓国軍を米国の指揮下に置くという現在の米韓合同軍司令部の合意は、破棄されるべきです。それ以後、韓国軍は韓国国家の指揮の下に入るべきです。

これは抜本的な変化です。というのは、現在の合同軍司令部の合意では基本的に、北朝鮮に対する米国支援の戦争では、米国の指揮権で、韓国軍に戦闘を命ずることができることになっています。それは、韓国大統領と韓国軍総司令官の命令より優先しているからです。

韓国と北朝鮮の間での、経済的、技術的、文化的、教育的協力をさらに発展させるために、二国間協議が取り組まれなければなりません。

経済的主権は中心的な問題です。1997年の国際通貨基金IMFの緊急援助の後に行われた闇取引に対処するべきです。これらの商取引は、不法で詐欺的な買収、韓国のハイテク産業の大部分の所有、そして西側企業資本による銀行取引につながるものでした。同様に、韓国の環太平洋戦略的経済連携協定TPPへの参入の影響も検討されなければなりません。

平和協定には、南北国境の開通も付け加えることになるでしょう。

2000年の6月の第15回南北共同声明に従って、再統一のスケジュールを決めるために、韓国・北朝鮮合同作業委員会が設立されるべきです。

--------------------------------------------------------                                        
ミシェル・チョスドフスキーは、受賞歴のある著者で、オタワ大学の経済学(名誉教授)の教授、グローバリゼーションの研究センター(CRG)モントリオールの創設者であり理事長で、globalresearch.caのウエッブサイトの編集者です。彼は『貧困の世界化』『新しい世界秩序』(2013)『対テロ戦争』(2005)の著者です。彼の最も最近の本は、『第3次世界大戦のシナリオに向けて:核戦争の危険』(2011)という題名です。彼はまたブリタニカ大百科事典の寄稿者です。彼の著作物は20ヶ国語以上で出版されてきました。

ミシェル・チョスドフスキーは、クアラルンプール戦争犯罪委員会のメンバーです。その委員会はジョージ・W・ブッシュおよびその他の者たちを「拷問の罪と戦争犯罪」で告訴を始めました。(クアラルンプール戦争犯罪法廷の判決、2012年5月)

ミシェル・チョスドフスキーはcrgeditor@yahoo.comで連絡がとれます。

(翻訳 岩間龍男)
Notes
1 Interview with General Wesley Clark, Democracy Now March 2, 2007.
2 Martin Hart-Landsberg, Korea: Division, Reunification, & U.S. Foreign Policy. Monthly Review Press. New York, 1998 pp. 65–6). The PRK was abolished by military decree in September 1945 by the USAMG.
3 Jay Hauben, Book Review of I.F. Stone’s “Hidden History of the Korean War”, OmnyNews, 2007, http://www.globalresearch.ca/the-hidden-history-of-the-korean-war/5342685
4 Ibid.
5 Quoted in Stephen Lendman, America’s War on North Korea, Global Research, http://www.globalresearch.ca/americas-war-on-north-korea/5329374, April 1, 2013
6 Ibid
7 Bruce Cumings, Korea: Forgotten Nuclear Threats, 2005
8 Ibid
9 Quoted in Brian Willson, Korea and the Axis of Evil, Global Research, October 2006.
10 Ibid.
11 AssoCIAted Press Report, http://www.globalresearch.ca/us-coverup-extrajudicial-killings-in-south-korea/9518, July 6, 2008
12 Wikipedia
13 George F. Kennan, State Department Brief, Washington DC, 1948
14 Ibid.
15 The main PNAC document is entitled Rebuilding America`s Defenses, Strategy, Forces and Resources for a New Century, The PNAC website is: http://www.newamericancentury.org
16 Chosun Ibo, April 13, 2013
17 See United States Forces Korea | Mission of the ROK/US Combined Forces Command.
18 See United States Forces Korea | USFK Leadership
19 U.S.- S. Korea Military Gameplan | Flashpoints | The Diplomat, April 4, 2013
20 President Harry S. Truman, Diary, July 25, 1945
21 See The nuclear information project: US Nuclear Weapons in Korea
22 Ibid.
23 Daniel A. Pinkston, “South Korea’s Nuclear Experiments,” CNS Research Story, 9 November 2004, http://cns.miis.edu
24 See List of United States Army installations in South Korea – Wikipedia, the free encyclopedia
25 The Nuclear Information Project: Withdrawal of US nuclear weapons from South Korea
26 Ibid
27 The Nuclear Information Project: Withdrawal of US nuclear weapons from South Korea, emphasis added
28 Ibid, emphasis added
29 ArmsControl.org, April, 2013
30 Ibid
31 Ibid
32 See North Korea: What’s really happening – Salon.com April 5, 2013
33 Ibid
34 See Michel Chossudovsky, The Globalization of Poverty and the New World Order, Global Research, Montreal, 2003.
35 See Citibank expands in South Korea – The New York Times, November 2, 2004.
36. Project for A New American Century (PNAC), Rebuilding America`s Defenses, Strategy, Forces and Resources for a New Century, Washington DC 2000, p. 18, emphasis added
The original source of this article is Global Research
Copyright © Prof Michel Chossudovsky, Global Research, 2017

<新見コメント>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「朝鮮の人々に対する米国の戦争: 米国戦争犯罪の歴史的記録」をやっとブログ「寺島メソッド翻訳NEWS」に載せることができました。岩間龍男さんが翻訳されたものですが、私も翻訳しようとしていた英文なので協力し、編集してみました。まだまだ不完全ですのでみなさまのご指摘をいただき、より読みやすい翻訳にしていきたいと思っています。

最新のチョスドフスキーの原稿もGlobal Research(2018.1.23)*に載っていますが、この英文は2013年9月13日のもので、少し前のものですが、現在の北朝鮮をめぐる危機的状況の原因を、歴史を追って解き明かしてくれます。1945年日本の敗戦から、1950年からの朝鮮戦争、その後の韓国へのアメリカの核兵器配備など、北朝鮮核ミサイル実験の脅威を煽り立てるマスコミの言論がいかに間違っているかを歴史的事実をもとに解き明かしてくれています。朝鮮戦争後すぐに、アメリカは停戦協定に違反して韓国への核兵器配備始め、最高で950近くの核弾頭を33年間配備していました。その脅威に対して、いかに北朝鮮が自国を守ろうとしてきたかがよくわかります。

*North Korea and the Dangers of Nuclear War: Towards the Implementation of a Peace Project
「北朝鮮と核戦争の危機: 和平プロジェクトの実施に向けて」
 By Prof Michel Chossudovsky Global Research, January 23, 2018
https://www.globalresearch.ca/what-you-need-to-know-about-north-korea-and-the-dangers-of-nuclear-war/5615328

もう一つ私が興味を抱いた点は、I・S・ストーンが「朝鮮戦争は北が侵攻をしてくるように、南が38度線を越えて挑発して起こったものだ」という視点を取り上げて説明している点です。和田春樹やブルース・カミングを読んでも、朝鮮戦争開始の説明で、南が38度線を越えてたびたび挑発していたことは書かれていますが、それよりも北とソ連、中国との開戦承認に到るまでのやりとりに多くをさかれています。アメリカの開戦に至までの交渉記録は余りありません。

チョスドフスキーはI・S・ストーンの論をさらに敷衍して、日本の真珠湾攻撃、ベトナムのトンキン湾事件も「挑発を仕掛けておいて、相手に攻撃させる」作戦であったように、朝鮮戦争も南の挑発から戦争を起こさせたのだとすると、アメリカが戦争を起こす手口が一貫して理解できます。それをチョスドフスキーは「トルーマン・ドクトリン」から解き明かしてくれます。

イタリアで共産党が優勢であったとき、グラッジオ作戦で犯行が左翼勢力がやったものであるように見せかけ、左翼勢力を追い落としていったように、イラクで大量破壊兵器があると宣伝してイラクを壊滅させていったように、リビア、シリアで独裁政権に対する民主化運動であるかのように装って、アメリカが偽旗作戦で他国を破壊していった例はきりがない。

私たちはこの視点から朝鮮戦争を見直すことが重要であると思いました。そして現在の北朝鮮脅威論がどのようにでっち上げられているかを見極めるためにも、このチョスドフスキーの文章は貴重なものです。

なお翻訳の説明で、( )はチョスドフスキーが解説したもの、[ ]は岩間が解説したものであることを区別しました。

国連安保理の不名誉な日: 制裁決議は北朝鮮を荒廃させ、人道危機を誘発する

 
2017年12月22日安保理決議2397:安保理は北朝鮮にゲシュタポ式の制裁を科す。制裁は北朝鮮の人々を絶滅させるという警告にもかかわらず。
 
Carla Stea
 
グルーバル・リサーチ2017.6.12.28
 


 
以前の北朝鮮への制裁が、北朝鮮人民を荒廃させる人道危機を、特に最も傷つきやすい人々に対して引き起こしているという数多くの証言を無視して、また人々に破滅的影響をもたらすという警告にもかかわらず、12月22日、国連安保理事会は厳しく非人道的な新たな制裁決議を可決した。それはヒトラーのニュールンベルグ法(訳注1)にも比較されるに違いない。
   (訳注1)ニュルンベルク法は、1935年9月15日に国家社会主義ドイツ労働者党(以下ナチ党)政権下の    ドイツにおいて制定された2つの法律「ドイツ人の血と名誉を守るための法律」と「帝国市民法」の総称である。ユダヤ人から公民権を奪い取った法律として悪名高い。<ウィキペディア>  

賛成投票をした安保理外交官たちは、以前の北朝鮮制裁が与えた人道的苦悩に対して全く無知をさらけだし、そして新たな制裁への賛成投票が人道的苦悩を必然的にもたらすことにも全く無関心であることは、典型的な背信行為である。
 
これらの制裁は、北朝鮮の社会主義経済システムを崩壊させるために、北朝鮮を挑発することが狙いである。しかしなぜ中国とロシアがこれらの制裁に拒否権を発動しなかったかという究極的な問題が残されている。二つの国はこの破局を阻止する力を持っているのに。どんな「調整」がなされたのか。アメリカ・ジャガーノート(訳注2)はロシアと中国の近視眼的屈服を引き出すのに成功した。それはユーラシア大陸を完全に不安定化させ、アメリカの永久的軍事配備を可能にし、おそらく核戦争をも引き起こしかねない。確かにロシアが思い起こさねばならないのは、ゴルバチョフが、ソ連がドイツの再統合に合意する見返りとして、アメリカ国務長官ジェイムズ・ベーカーによって保証されたことだ。
 
つまり「NATOはベルリンの東に1インチたりとも拡大しない」と。
   (訳注2)インド神話:Vishnuの第八化身であるクリシュナ(Krishna)に対する呼び名、あるいは抵抗不可能なもの  

いまロシアはNATO基地によって包囲されている。ゴルバチョフはだまされやすかったのか、それとも当てにならなかったのか。ロシア人はしきりに騙されたと思っている。
 
安保理の常任5カ国は、彼ら自体が核拡散防止条約第6条に全面的に違反している。第6条は核兵器の軍事施設を取り除くことを求めている。ところが彼らは「核兵器」の性能を向上するために数兆ドルを投入している。NPT(核拡散防止条約)第6条(訳注3)は、信義に基づいて核兵器廃絶条約をとりまとめることを求めている。この国連条約は今年採択された。しかしロシアと中国は無視し、アメリカ、イギリス、フランスは悪意に満ちたキャンペーンをして反対した。アメリカはNPT第2条にも違反している。彼ら自身NPTに違反しているのに、安保理5カ国永久メンバーは、NPTのメンバーでさえない北朝鮮を非難する権利は絶対ない。
   (訳注3)核兵器国については、核兵器の他国への譲渡を禁止し(第1条)、核軍縮のために「誠実に核軍縮交渉を行う義務」が規定されている(第6条)。しかしアメリカ、ソ連は核開発競争により「誠実に核軍縮交渉を行う義務」の実行どころか核兵器保有数を大幅に増加させた。 

国連安保理決議2397は、安定した進歩的な独立国(イラク、リビア、そして今は北朝鮮)を破壊するという国連の伝統を運命づけられている。
 
国連決議2397の採択前に、国連人権委員会は明らかにした。北朝鮮にすでに科された厳しい制裁が、絶対必要とされる人道援助の配布を妨害している。その結果、人口の70%、1800万人の北朝鮮人が過酷な食糧不足に苦しんでいる。また国際銀行取引を妨害しているこの制裁は、国連現地活動を阻害し、食料、医薬品その他の人道援助の配布を妨げていると。
 
AFP(フランス通信社)によれば、
 
「『支援グループは、北朝鮮向け物資の税関通過に障害が生じている。補給物資の調達や輸送確保にも困っているし、4月以来
160%も急上昇した食料品価格も同様に支障をきしている』と、国連事務次長ミロスラフ・ジェンカは語った」とある。
 
12月9日、NBC(ナショナル放送会社:米国3大放送会社の一つ)のニュース報道では、
 
「専門家によれば、トランプ政権の主な北朝鮮戦略は、北の核プログラムを抑制することはほとんどできないし、飢饉を引き起こすだけだと言う。ホワイトハウスは中国に対して、朝鮮人2500万人への石油供給を止めるように強く迫っている・・・多くの分析家は、そのような動きは北の核やミサイル計画に対してごくわずかな影響しか与えず、逆に農業部門に打撃を与え、大量飢饉にいたる可能性がある」という。
 
ノーティラス安全・持続可能性研究所上級顧問のデイビット・フォン・ヒッペル博士は、石油禁輸の結末は人道的レベルで破滅的な影響があると警告した。
 
「石油停止は、市民が入手できる国内産食料の量を劇的に減少させるだろう・・・北朝鮮の耕地はもっぱら農地である。彼らはトラクター、灌漑用ポンプ、冷蔵庫、そして収穫して腐らないように食物を輸送するトラックに頼っている・・・9月(国連決議2375)で科された現在の制裁レベルでさえ、北朝鮮の穀倉地帯を貧困に陥れるだろう。」
 
10月25日、北朝鮮の人権に関する国連特別報告者トーマス・クインタナは述べた。
 
「私が受けた報告は次のように警告していた。制裁は化学療法を受けるがん患者を妨げる・・・車いすや障害者のための必須用品がいま制限されている・・・人道援助に取り組む人々は多くの必要物資を入手したり、国際的送金をするのがますます困難になっている」と。
 
クインタナがピョンヤンから戻ると、国連の事務次長(政治担当)ジェフリー・フェルトマンは述べた。
 
「私が懸念していることは、北朝鮮のための支援計画が減少していることだった。計画は30%の資金しかない。国連が人道支援計画を行うのに大きな影響が出ている。私は全面的な資金不足を心配していた・・・現場で救命備品を配る国連の能力に影響する。」
 
この人道的災害は偶然でも同時発生でもない。彼らは北朝鮮の人々にさらに致命的な制裁を加えるというこの情報は、12月22日以前に安保理の15人のすべてのメンバーには公にわかっていたはずだ。安保理はこれらの犯罪の共犯者である。彼らが無責任に制裁は人道的例外措置があると自慢していても、これら「人道的例外措置」が驚くほど実施できていないことをどのように説明できるのだろう。またこれら犯罪的かつ致命的な制裁の悲劇的犠牲者が大多数の北朝鮮人民であるという事実をどう説明するのか。
 
罪深い答えが明らかになったのは、イラク制裁の場合で、「人道援助」失敗に関する調査である。それはもう一つの人道的大惨事であり、 50万人以上のイラクの子供たちが飢餓によって死んだのだ。調査ジャーナリスト、ジョイ・ゴードンの『冷ややかな戦争:大量破壊兵器としての経済制裁』(2002年ハーパーから出版)という素晴らしい仕事の中で、ゴードン女史は述べている。
 
「イラクの死亡数のニュースは詳しく実証されてきた(とりわけ国連によって)。ところがメディアでは余り報道されなかった。しかし見えなくされたものは、どのように、そして誰によってそんなおびただしい死亡者数がずっと容認されてきたかという資料である・・・。しかし私がすぐわかったことは、私の質問に答えうる国連のすべての記録は公の調査から隠されてきたということだ。言うまでもないことだが国連はイラク計画に関する公的資料がないのだ。手に入れることができないものは、アメリカの政策が人道的かつ安全性判断をどのように決定するかを示す資料だ・・・イラク制裁の計画は、国連内部で多くの機関が関わっている・・・これらの機関は計画に対する不満がどのように進行しているかを公に議論されないように注意してきた・・・過去 3年にわたる外交官との調査インタビューを通して、イラク制裁行政に関する国連秘密重要資料の多くを私は手に入れた。私はこれらの資料を匿名を条件に手に入れた。彼らが示したものは、アメリカが、その国に入る人道物資を意図的に最小限にするために過去10年間積極的に取り組んできたということだ。そして膨大な人間的苦痛を前にしてもそうしてきた。子供の死亡率の大きな増加や広範囲に広がった伝染病などの苦痛である・・・余り知られていないのは、サダム・フセイン政府が1991年の湾岸戦争前に健康、教育、社会保障政策に過去20年間大きく資源を投入してきたことだ。イラクは無償教育、十分な電力、現代化された農業、そしてたくましい中産階級が育って急速に発展した国であった。」
 
これら北朝鮮制裁への人道的例外措置を怠ったことにうっかり言及した外交官は、ジョイ・ゴードンによって掘り起こされハーパーズから出版された事実に通じていた。それは。そしてこれらの外交官は「人道援助」失敗の本当の原因に気づいている。この失敗は、意図的で計画的な無垢の北朝鮮人殺害であり、殺害がこれらの制裁の目的であるが、制裁は実際には核開発計画になんら影響を及ぼさない。どの文明化された責任ある組織でも、これらの制裁を行う人たちは、計画的殺人犯として告発されるだろう。
 
北朝鮮は侵略者ではない。彼らは残忍な日本植民地主義との闘いに成功した。そして1949年アメリカの傀儡・李承晩軍によるゲリラ攻撃(北を攻撃するため38度線を侵犯した)から自らを守るべく挑発された。それは1950年~1953年の朝鮮戦争を引き起こした挑発であった。今日アメリカ、韓国、日本は絶えざる軍事的脅威によって北朝鮮の生存を危うくしている。
 
1950年~1953年のアメリカ主導の北朝鮮攻撃で3~4百万人以上の北朝鮮人が絨毯爆撃やナパーム弾や細菌兵器や他の大量破壊兵器によって虐殺された。これらの数字は、アメリカのカーチス・ルメイ将軍や北朝鮮人の大虐殺に関わってきた多くの者によって確認された。そして100年以上前にトルコによる100万人のアルメニア人が虐殺された(訳注4)記憶のトラウマが、未だ今日のアルメニア人の生活の中でうずいているように、また70年前ヒトラーによるユダヤ人600万人のジェノサイドが今日のユダヤ人には忘れられないように、アメリカに指揮された国連軍による300万人以上の北朝鮮人虐殺を、北朝鮮は決して忘れることはできない。だから北朝鮮政府はこの繰り返される恐怖から北朝鮮を守る決意をしている。そして最後に残る社会主義国を完全に破壊しようとするもう一つの試みに対してアメリカを思いとどまらせる唯一の武器は核兵器であり、それはアメリカが再度の攻撃を思いとどまらせるものであるかもしれない。
    (訳注4)アルメニア人虐殺 :19世紀から20世紀初頭に、オスマン帝国の少数民族であった
          アルメニア人の多くが強制移住、虐殺などにより死亡した事件

 
それ故、もう一つの虐殺手段である安保理決議2397は、人道的に破滅的な結果をもたらすとの警告にもかかわらず、北朝鮮への石油供給の90%を無慈悲にも停止するのだ。国連決議が求めることは、海外で働く15万人の北朝鮮人が追放され、24ヶ月以内に失職させられ、北朝鮮の貧困をさらに悪化させることだ。国連決議2397は、その他に共和国の経済分野にとって決定的な個人に対する多数の旅行禁止と共に、15人の経済分野の要員や貿易代表のさらなる渡航禁止を含んでいる。
 
韓大成(ハン テ ソン)大使はジュネーブの軍縮会議で次のように述べた。
 
「制裁の目的が、我が国の体制転覆をすることであることは明らかである。アメリカとその追随国家によって主張されているような兵器開発を妨げることでなく、国を分断し抑圧することによって、人道的な災害を意図的にもたらすことである。」
 
12月7日に韓国は、金正恩殺害の「斬首計画」のためドローンやグレネード・マシーンガン(自動擲弾銃)購入でほぼ10億ドルを費やす、と報道された。もちろんこれは犯罪的殺人であるのみならず、国際法違反である。12月10日ロイター通信の報道では、日本とアメリカと韓国はさらに追加の軍事演習を行う予定だという。その前の週に行われた12月4日の大規模な米韓軍事演習に続いてすぐにだ。これは北朝鮮人民や政府の生存への絶え間ない軍事的脅威であり、我慢ならない挑発だ。12月17日、韓国と米軍は北朝鮮進入合同軍事計画を、表面的には大量破壊兵器を廃棄させるためと言って実施した。この「勇者の攻撃」軍事演習は、38度線近くのソウルの北、スタンレー基地で行われた。韓国地域軍アメリカ司令官ビンセント・ブルックスとトーマス・バンダル中将も「雄者の攻撃」軍事演習に参加していた。
 
11月28日までに北朝鮮政府は、ほぼ3ヶ月間なんら核やミサイルのテストをしなかった。すべての安保理決議で求められたこの安定した雰囲気で平和的な交渉を試みる代わりに、逆にアメリカは一連の執念深い軍事訓練をして、北朝鮮に対する軍事的脅威をエスカレートさせた。それ故、米国務長官レックス・ティラーソンが12月15日、北朝鮮は交渉する権利を「勝ち取ら」ねばならないと表明したことはまったく不合理なことである。北朝鮮はほぼ3ヶ月前からどんなテストも停止させてきた。ところが平和交渉を打ち立てる機会をつかむどころか、アメリカは攻撃的に軍事的脅威を増加させたのだ。
 
北朝鮮外務省は、トランプ米国大統領の国家安全保障戦略をこう呼んだ。
 
「我が国を抑圧しようとして、朝鮮半島全体をアメリカ覇権の前線基地に変えようとするごく最近のアメリカ政策であると。トランプは全世界を従属させようとしている」と。
 
国連安保理決議2397は、北朝鮮経済にとって致命的なものとなるだろう。それは大多数の人々を破滅させるが、兵器開発にはほとんど何んの影響もない。
 
最後に12月4日、国連総会は「新しいタイプの大量破壊兵器の開発や製造そして大量破壊兵器の新しい組織網を禁止」する決議を採択した(軍縮会議報告)。北朝鮮は決議を支持して「賛成」投票をした。ところがアメリカは賛成せず「反対」投票をした。また「軍備縮小・不拡散地域における多国間主義の促進」に関して北朝鮮は決議を支持して「賛成」投票をしたが、アメリカは支持せず「反対」投票をした。どちらの国が世界平和にとって脅威であるかは明らかである。それは北朝鮮ではない。
 
今日、ニューヨークは凍るほど寒い。もしアメリカに90%の石油削減が科されたら、おびただしい数の市民が凍え死ぬだろう。北朝鮮の冬はさらに寒い。国連決議2397は北朝鮮人民に耐えがたい死を宣告するだろう。皮肉なことに12月22日は国連の「ホロコースト記念日」である。恥ずべきことに12月22日国連安保理は、21世紀のホロコーストを北朝鮮の人々に科す投票をしたのだ。国連決議2397の可決で、国連安保理はバーバリズムやテロの道具と化したのだ。
 
Carla Steaは、ニューヨーク国連本部のグローバル・リサーチの通信員
 
画像はゾビエンTVより
 
この記事の元原稿はグローバル・リサーチによる。
 
<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/day-of-infamy-for-the-un-security-council-triggering-a-devastating-humanitarian-crisis-in-north-korea/5624185                    
 
<新見コメント>-------------------------------------------
Carla Stea「国連安保理の不名誉な日」を翻訳しました。
これまで北朝鮮のミサイル、核実験を期にアメリカを中心として北朝鮮制裁、軍事的圧力が強化されてきました。しかしそれは1994年の米・朝和平合意を反故にされ、「悪の枢軸」指定を受けた北朝鮮が国家の生き残りをかけて、ミサイル、核実験に踏み切ってきた過程であることを追ってきました。
 
しかし今回は安保理決議2397による経済制裁が、どのように北朝鮮人民を苦しめるかを扱った論文です。石油の90%を遮断され、「人口の70%1800万人が過酷な食糧不足に苦しんでいる。国連による銀行取引停止は、国連現地支援活動をも阻害し、食料、医薬品その他の人道援助の配布を妨げている」と国連人権委員会は明らかにしている。
 
このような制裁が無実の住民を苦しめる例は、イラク戦争時の制裁を対比させることによって一層その惨状が明らかにされている。「50万に以上のイラクの子供たちが飢餓によって死んだのだ」と。「サダム・フセイン政府が1991年の湾岸戦争前に健康、教育、社会保障政策に過去20年間大きく資源を投入してきたことだ。イラクは無償教育、十分な電力、現代化された農業、そしてたくましい中産階級が育って急速に発展した国であった」のにである。
 
もう一つこの記事では書かれていないが、現在の経済制裁の典型例として、サウジアラビアによるイェメン攻撃と制裁を挙げておく必要がある。
   イエメン・ミサイルは、サウジアラビアで誰一人殺害していないが、アメリカ製
   の爆弾とミサイルで、サウジアラビアが何万人ものイエメン一般市民を殺害
   していることを、ヘイリー(国連大使)は、指摘するのを怠った。イエメンを経済
   封鎖して、極めて大規模な飢饉を引き起こしているのは、サウジアラビアだ。最
   近、サウジアラビアは封鎖を解除したと主張しているが、米国国際開発庁すら、
   経済封鎖が変わった兆しは皆無だと言っている。イエメンでは毎日何百人もの
   人々が食料や単純な医薬品の欠如で亡くなっている。
     Moon of Alabama「ヘイリー大使、イエメン・ミサイルの証拠を挙げる説明
     に失敗、サウジアラビア戦争犯罪を無視」2017年12月19日 (火)「マスコミ
     に載らない海外記事」より
      http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/12/post-a098.html
 
このように戦争が起きているところでも、いまだ戦争になっていないところでも、経済制裁がいかに一般市民を死に至らしめていることを忘れてはならない。この安保理決議に対して防波堤となるべき中国、ロシアまで賛成してしまったことは、事態の一層の悪化が懸念される。
 
そして制裁は、戦争に至らないための手段という考えが間違っていることがわかった。実弾は飛んでいないが、死に至らしめる舞台裏の戦争はどんどん進められているのだ。だからこそ、圧力によるのではなく、外交による解決が早急に求められているのだ。 http://blog-imgs-118.fc2.com/t/m/m/tmmethod/20180114104921a80.htm

トランプが北朝鮮との戦争を始めない理由

Mike Whitney
2017年9月8日
Counterpunch

ドナルド・トランプは北朝鮮と戦争を始めないだろう。そういうことはまずないだろう。

というのは、米国にはそんな大規模な作戦を遂行する地上軍はないし、さらに言うならば、北朝鮮と戦争しても戦略的には何の得にもならないからだ。

米国は朝鮮半島にはすでに望んでいる体制を確保している。どういうことかと言うと、韓国は米国の軍事占領下にあるし、その経済・金融システムも米国主導の欧米体制にすっぽりと組み込まれているからだ。

また北東アジアにおいては、半島の戦略的位置は極めて重要な場所になっている。なぜなら、そこには急速に台頭しつつあるライバルである中国とロシアを包囲・支配するために用いる重要な兵器システムを配備できるからだ。

そんな場所で戦争をやって何かいいことはあるのか。

何にもない。ワシントンにとっては、いまのままの状態が最高なのだ。

いや、私にもみなさんの考えが理解できないわけではない。攻撃を指示しているトランプが衝動的なふるまいをする政治的素人ゆえに、気まぐれなことをやらかして北朝鮮と核戦争を始めることだってあるじゃないかと心配していることを。

確かにそんなことも全くないわけではないが、その可能性は限りなく小さい。

というのは、あなた方も気づいておられるかもしれないが、トランプは実際のところは取り巻きの将軍連中に外交政策を手渡してしまっており、その連中は外交政策のシステムを牛耳る有力メンバーと緊密に連携しているからだ。

彼らは巷の「何をしでかすかわからない男」というトランプ評価を利用して大きな効果を生み出している。例えば、「炎と怒り」とか「狙いを定めて装填済み」などと激しい言葉を操ってTHAADミサイルシステムの配備に反対する韓国世論をうまく押しつぶしてしまった。このシステムの特徴は「強力なAN/TPY-2」レーダーを備えていることで、中国国内を偵察することもできるし、その迎撃ミサイルは中国やロシアとの核戦争に際して米軍基地や駐留米軍を守るように設計されている。

THAADの狙っているのが北朝鮮でないことは明白だ。ワシントンにとっては北朝鮮はちっちゃなジャガイモにすぎないのだ。それは「アジア基軸」戦略を実行するために米国が密かに進めている軍備増強の重要な一環なのだ。

一方で、トランプのけんか腰は北朝鮮の態度を硬化させて、弾道ミサイルや核兵器の実験を勢いづけさせている。北朝鮮のそういった対応が韓国との昔からの対立を増幅し、リベラル派である文(ムン)在(ジェ)寅(イン)大統領の宥和政策を損なうことにもなっている。

北朝鮮のふるまいは、同時に、戦術核兵器を配備することをとりわけ強く望んでいる韓国の極右集団を元気づけている。トランプは右翼グループにへつらい南北間の憎しみを煽ることで、南北を統一するという努力に耳を傾けるどころか、米軍の軍事的占領を継続することを正当化するのに一役買っているのだ。

今回の危機が朝鮮半島へのワシントンとの支配を強化し、また一方で米国の黒幕である特権階級(エリート)の利益を拡大したのは明白だ。

私はトランプ自身がこのような計画を自分で考えたとはとても思えない。これは闇の政府(ディープステイト)を操る連中の仕業にちがいない。かれらは彼の気まぐれな性格を自分たちに有利になるように利用することを思いついたのだ。

北朝鮮の核兵器についてもひと言

北朝鮮指導部は核兵器と弾道ミサイルにお金をつぎ込みたいとは思っていない。国民が飢餓の瀬戸際にあるからだ。しかし彼らに他のどんな選択肢があるというのか。あらゆる国家の第一の責任は自国の国民の安全を保障することである。ところが、国家がある国と法律上は戦争状態が終わっていないときにはその責任を果たすことは困難になる。さらにその相手国が過去70年間に50ヶ国もの主権国家を転覆させたり、あるいは転覆させようとした国であるときには、なおさらそれは難しい。

朝鮮戦争は平和条約を締結させて終わったのではなく、休戦協定を結んだだけなのだ。つまり、戦争はまだ継続していて、いつなんどき再び燃え上がるかもしれないのである。 しかもワシントンは北朝鮮との平和協定に署名するつもりはない。というのはワシントンは北朝鮮の政治形態を嫌っていて、彼らを権力の座から追い出すチャンスを虎視眈々と狙っているからだ。この点においてはトランプは彼の前任者と何も変わらない。彼も平壌の指導者を嫌い、またそのことを隠そうとはしていない。

結論はこうだ。米国はいかなる文書での保証も北朝鮮に与えることを拒否している。米国は戦闘を再開しない、国民を殺さない、都市を焼き払わないという保証を与えないのである。そんなふうだから、北朝鮮が自国を防衛する手段を講じるのは当然なのだ。金(キム)正(ジヨン)恩(ウン)もよくわかっている。もし彼が核兵器を攻撃で使用すれば、コリン・パウエルが無頓着に表現したように、米国が「北朝鮮を練炭に変える」ことを。もちろん彼は核兵器を使うつもりはない。というのは彼に領土的野心は全くないし、自国が火の玉に包まれたいという強い願望もないからである。彼の核兵器は将来ワシントンと交渉するときの切り札にすぎないのだ。

残された問題はたったひとつ――トランプには取引する意志がないことだ。なぜなら、数発のお粗末なミサイル発射実験をハルマゲドン風のドラマに仕立て上げた方が米国の地政学的権益に役立つからだ。ワシントンほど危機の活用方法を知ってるものはいない。

ところでトランプは現在の危機にいたる歴史的経緯を少しでも知っているだろうか。1994年に北朝鮮が、米国が彼らの控え目な要求を飲みさえすれば、核開発計画を止めることに同意していたことを。その後、米国がその条件にいったんは同意したものの、それを履行することを怠ったことを。一方で北朝鮮はその規定を遵守していたが、ついには米国の裏切りにうんざりしてプルトニウム濃縮計画を再開したことを。そういった経緯があって北朝鮮はいま核兵器を保有することになっているということを。つまり、米国が約束を破ってその合意を終わらせたということなのである。

これは憶測ではない。歴史的事実なのである。

ここにインディペンド紙の記事の切り抜きがある。それを見ると、いわゆる「核枠組み合意」の具体的な中身がわかる。

北朝鮮は、1994年の枠組み条件下で、米国との政治・経済関係の完全正常化と引きかえに、核開発計画を凍結し最終的に廃止することに同意した。これは下記の4項目を意味していた。

1.原子力の喪失を補うため、米国が率いる共同体が2003年までに北朝鮮に二基の軽水炉を建設する。

2.そのときまで、米国は北朝鮮に年間500,000トンの重油を供給する。

3.米国は経済制裁を解除し、北朝鮮をテロ支援国家リストから外し、おそらくはこれが最も重要なことだろうが、1953年の朝鮮戦争休戦の条件にしたがったままになっている政治的関係の正常化する。

4.最終的には、双方が「核兵器使用の脅威」に対する「正式な保証」をする。

(「1994年のアメリカと北朝鮮との協定はなぜ失敗したのか―そしてトランプがそれから学べること」Independent紙)


これは全くわかりやすい協定内容で、双方の要求が満たされたものだった。北朝鮮は、死活的要求だった国家の安全を保証することに加えて、いくつかの経済的特典を得られる。一方で,米国は、その見返りに、あらゆる核施設を監視でき、それで大量破壊兵器の開発を防げる。全員がそれぞれ望んでいたことを得たはずだった。ただ、ひとつだけ問題があった。米国が最初から怠慢を始めたのだ。軽水炉は基礎段階以上には決して進まず、重油供給はますます不定期になった。それとは対照的に、北朝鮮は協定書をきちんと守るだけでなく、待されていた以上のことまでした。協定が発効して4年後の同記事には次の記載がある。

米国も国際原子力機関も、北朝鮮側には「枠組み合意のあらゆる点において根本的な違反は無い」ことに満足した。しかしワシントンは、自らの誓約についてはきちんと守れなかった。 (インディペンデント紙)

これでおわかりだろう。北朝鮮は約束を守ったが、アメリカは守らなかった。実に単純だ。

上記の事実はしっかり押さえておいてほしい。というのは、マスコミは何が実際に起こって、誰がその責任を負っているのかに関して、間違った報道をすることが普通だからだ。
責任は平壌にあるのではなく、ワシントンにあるのだ。同じ記事を更に引用しよう。

ワシントンは自分の約束を守り切らなかった。軽水炉は決して建設されなかったし、重油出荷は遅延することが多かった。北朝鮮は2008年まで国務省のテロ支援国家リストから削除されなかった。ずっと以前から削除基準を満たしていたのにもかかわらず、である。もっとも重要なことは、米国は朝鮮戦争(法律上は継続している)を正式に終わらせるためのいかなる行動もとらなかったことだ。1953年の停戦協定を平和条約で置き換えれるだけでそれは可能だった。米国が北朝鮮を攻撃しないという「正式な保証」は枠組みが調印されて六年後までなされなかった。(インディペンド紙)

2000年にブッシュが大統領に当選して、事態はさらに悪化した。北朝鮮はブッシュによる「悪の枢軸」演説で名指しされ、「米国が武力を行使するよう備えておくべきならずもの政権」のリストにも載せられた。またペンタゴンは韓国との共同軍事演習を強化し、火に油を注いだだけだった。最終的には、ブッシュは協定をすっかり放棄し、北朝鮮は核兵器開発を再開することとなった。

次に登場したのはオバマだったが、ブッシュよりずっとまともだったわけではない。もちろん世間の評判は違ったが。ネイション誌に掲載されたティム・ショロックの秀逸な記事では、オバマは六カ国協議を妨害しエネルギー支援を中断した。より厳しい「検証計画」を受け入れさせるため北朝鮮に圧力をかけたかったのである。平壌との「直接対話という考え方を放棄し」、「韓国との一連の軍事演習に乗り出したが、これが彼が政権にいる間に規模もテンポも拡大し、今や金正恩との緊張の核心となっている」。

オバマは「紛争調停者」という仮面で自身の残虐行為や侵略を隠すことこそできたものの、北朝鮮との関係は悪化し続け、状況は目に見えてひどくなった。

ショロック記事の以下の抜粋を見てみよう。いったい何が起きたのか、そして、いったい誰が悪いのかについて簡潔な記述がある。

合意された枠組みによって、北朝鮮はプルトニウムによる核兵器開発計画を10年にわたって停止した。これは100発以上の原子爆弾を製造するに足るウラニウム濃縮を行わなかったことになる。「私たちが知らないのは、北朝鮮が1991年から2003年の間まったく核分裂性物質を製造していなかったことだ」。

枠組みはブッシュ政権までは有効だった。1998年に国務省のラスト・デミングは議会でこう証言した。「北朝鮮には枠組み合意のいかなる点においても根本的な違反は無かった」。

平壌は全ての中距離、長距離ミサイルの開発、実験配備を停止する用意があった。

1997年までは北朝鮮ははげしく抗議していた。米国が約束した石油提供をなかなかせず、敵対的政策を止めるという誓約を引き延ばしたからである。

このような経緯があって、平壌は米国には約束を果たす意志はないと確信するようになり、1998年に「他の軍事的選択肢」を模索し始めた。

ブッシュは枠組み合意を破棄した。そして一年前の2002年1月に彼が北朝鮮を「悪の枢軸」のひとつに名指ししたときに引き起こされた関係悪化はさらにひどくなった。そのような状況の中で、北朝鮮は国際原子力機関査察官たちを追い出し原爆製造を始め、2006年に最初の原爆が完成した。そしてそれが今日まで続いている第二次の核危機につながるのである。 (「北朝鮮との外交はかつてはうまく行っていたのだから、いま一度、そうすることも可能だ」、ティム・ショロック、ネイション誌)

 今や水素爆弾を保有している北朝鮮に対して、ワシントンは相変わらず愚かなゲームを演じている。このイカサマ危機は全てワシントンの帝国主義的謀略をおおい隠すために考えられた巨大な煙幕である。トランプは金(キム)のミサイル実験をペンタゴンの軍事的触手をアジアの奥深くまで広げる口実に利用している。米国は世界で最も急速に成長しつつある地域でも支配的な立場につきたいのだ。ワシントンが過去百年間やってきたのと全く同じゲームだ。不幸なことに、連中はこれが大得意なのだ。(2017/12/15))
                           (翻訳:山田昇司)
英語原文
https://www.counterpunch.org/2017/09/08/why-trump-wont-start-a-war-with-north-korea/

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汚い小さな秘密 アルジャージーラのニュース

<朝鮮戦争の読書メモを書いている際に、貴重な資料だったので翻訳しました(翻訳:岩間龍男)>

汚い小さな秘密 Dirty Little Secrets

アルジャジーラ 2010年3月10日

http://english.aljazeera.net/programmes/peopleandpower/2010/03/201031761541794128.html

 この夏は朝鮮戦争開始から60年目の記念日に当たります。血なまぐさい3年間の戦争は、共産主義国の北朝鮮とアメリカに率いられた国連の連合軍によって支援を受けた南朝鮮を対決させました。

 それは冷戦の最初の武力紛争であり、1953年に休戦が合意されるまでに、200万人の兵士と200万人の民間人が殺傷されました。

 60年たっても、いまだに戦争は正式には解決していません。

 両陣営の軍隊は38度線でお互いに対峙しています。その一方で、ワシントンと北朝鮮の首都である平壌の関係は、北朝鮮の核兵器のプログラムをめぐる厳しい論争に支配されています。

 しかし、両陣営につきまとい続ける別の厳しい歩み寄りのない論争があります。

 北朝鮮が主張しているのは、戦争中にアメリカが朝鮮の民間人に対して生物兵器を使用したということです。炭疽菌、腸チフス、腺ペストに感染した昆虫や貝類や羽を含んだ「細菌」爆弾を国中の村々に投下したというのです。

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地獄への道:フィリピン国内のダーイッシュはアメリカのプロジェクト

2017年6月10日 (土)
Federico PIERACCINI
Strategic Culture Foundation
最近の一連の出来事で、フィリピンは急速に混乱に陥っている。フィリピン特殊部隊が、悪名高いフィリピンの組織アブ・サヤフの指導者と目されるイスニロン・ハピロンを逮捕しそこねたことと、一連のダーイシュ系のテロ集団によるマラウィの都市占拠のす早い作戦行動とが同時に起きた。これは、ドゥテルテ政権に対する国内、海外からの圧力のエスカレーションで、彼が外交政策を変更したことに起因している。
続きを読む(Federico PIERACCINI Strategic Culture Foundation)

米国の戦争の脅威が北朝鮮に強迫観念を強いている

http://blog-imgs-102.fc2.com/t/m/m/tmmethod/20170427224433e77.htm

北京の「カンボジア・コネクション」

北京の「カンボジア・コネクション」:
 中国との友好回復、「アメリカの友からアメリカの敵へ」 ジョセフ・トーマス
  グローバル・リサーチ2016.826
http://blog-imgs-100.fc2.com/t/m/m/tmmethod/201702012211524cc.htm

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