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シーモア・ハーシュ:ウクライナはロシアとの戦争に敗れた。

<記事原文 寺島先生推薦>
Seymour Hersh: Ukraine Has Lost in its War with Russia
出典:INTERNATIONALIST 360°  2023年9月21日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年9月23日


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「兄弟の絆」:ウクライナ大統領ウォロディミル・ゼレンスキー、ウクライナの検察総監アンドリイ・コスティン、ウクライナの外相デミトロ・クレバ、米国の気候特使ジョン・ケリー、そして米国務長官アントニー・ブリンケンが、火曜日(9月19日)にニューヨーク市で開催された第78回国連総会でジョー・バイデン大統領の演説を聞いている。/ JIM WATSON/AFP通信提供の写真。


「数週間にわたる高い死傷者数とほとんど進展のない状況、戦車や装甲車両への恐ろしい損失を経て、ウクライナ軍の主要な部隊は、公式には宣言されていないものの、事実上攻勢を中止した。実際、ウクライナ軍が攻勢を続行するよう命じられた場合、軍隊は反乱を起こすだろう。兵士たちはもはや死ぬ気持ちなどない。これはバイデン政権が言っているたわ言とは合致しない。すべてが嘘だ。戦争は終わった。ロシアが勝利した。もはやウクライナの攻勢は存在しない。しかし、ホワイトハウスとアメリカのメディアはその嘘を続けなければならない」。
Seymour Hersh



 調査ジャーナリストのセイモア・ハーシュによれば、アメリカの情報分析者は、ウクライナがロシアに対する反攻を諦めたと信じており、紛争を長引かせている唯一の要因は、ワシントンとキエフが自身の失敗を認めることを拒否していることだと主張している。

 ベテラン記者(セイモア・ハーシュ)は、木曜日(9月21日)、Substackで、匿名の情報源を引用した。この情報源は「自身の初期の軍歴においてソ連への攻撃とスパイ活動に従事していた」。この情報源はウクライナによる反攻の進行について、遅いが着実に進展しているというウクライナ側の説明を否定する、と述べている。

 ハーシュによれば、「すべては嘘だ。戦争は終わった。ロシアが勝利したのだ。ウクライナの反転攻勢はもうない。が、ホワイトハウスとアメリカのメディアは嘘をつき続けなければならないのだ」とこの情報源は語っている、とのこと。

 この感情は、多くのアメリカの情報機関の関係者と共有されており、特にCIAは、ペンタゴンの国防情報局(DIA)とは異なり、前進は継続的に続いているというキエフの主張に懐疑的である、とセイモア・ハーシュは説明した。

 国防情報局(DIA)の分析部門長であるトレント・モールは、今月初め、The Economistに対してウクライナの成功を自慢し、キエフの軍が今年、ロシアの防衛ラインを突破する「現実的な」チャンスがあると主張した。The Economistは、この評価を、ある匿名のアメリカ情報機関上級職の発言と対比させた。この人物は、戦場は5年経っても「あまり変わり映えしないだろう」と述べているのだ。

 ハーシュが引用した情報源は、モスクワとワシントンの両方の指導部を、この危機の際に「愚かな行動」をとったと非難した。ロシアのプーチン大統領は「挑発される形で、国連憲章を侵害」し準備不足の軍事作戦に走った、と彼は主張した。アメリカのバイデン大統領は報復的な代理戦争を仕掛け、「私たちの誤りを正当化するために」メディアを通じたプーチンの誹謗中傷に頼らざるを得なかった。

 「実際のところ、ウクライナ軍が攻勢を続けるよう命じられた場合、軍内で兵士たちは反乱を起こすだろう。兵士たちはもはや死ぬ気などない。これはバイデン政権が口にしているたわ言とは合致していない」というのがこの情報源の結論だ。

 モスクワは、ウクライナに対する作戦が「一方的な侵略行為」であるという米国の主張を否定し、ドンバスの人々が国連憲章に基づいて自己決定の権利を持ち、2014年のキエフでの武装クーデターの後、ウクライナからの離脱を行った際に適切に行動したと主張している。

 ロシア政府は、2022年2月にドネツクとルハーンスク人民共和国の独立を承認した際に、ロシアは合法的に行動したと主張している。数日後、キエフがドンバスへの攻撃を停止せず、自軍を撤退させなかったので、モスクワは攻勢を開始した。
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CIAはウクライナの反転攻勢が失敗することを知っていた―シーモア・ハーシュ

<記事原文 寺島先生推薦>
CIA knows Ukraine’s counteroffensive will fail – Seymour Hersh
https://www.rt.com/news/581411-cia-blinken-counteroffensive-fail/
出典:RT  2023年8月17日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年9月5日


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軍の医療兵が、ウクライナの兵士にアルテモフスク(ドネツク地域)近くの道路で応急手当を行っている。2023年5月11日© AP / ボグダン・クティエポフ


ゼレンスキー大統領の楽観主義は、ホワイトハウスをだまそうとするための『たわ言』だったと、情報機関の関係者はハーシュに語った

 CIAはアメリカの国務長官アントニー・ブリンケンに対して、ウクライナのロシア軍に対する継続的な反攻勢力は失敗するだろうし、キエフは「この戦争に勝つことないだろう」と警告した、とアメリカのジャーナリスト、シーモア・ハーシュは、木曜日(8月17日)、伝えた。

 ブリンケンは「アメリカ、つまり私たちの同盟国であるウクライナがロシアに対して戦争に勝つことはないことを理解している」とハーシュは、匿名のアメリカの情報機関関係者を引用し、自らのSubstackブログに書いた。

 「CIAを通じて彼に情報が伝えられていたのは、ウクライナの攻勢がうまくいかないだろうということだった。それはゼレンスキー大統領によるショーであり、政府内には彼のたわ言を信じる人もいた」と、ハーシュの情報源の話は続いた。ただし、その警告がいつ表面化したのかについては何も言っていない。

 ウクライナの反転攻勢は6月初旬に始まり、キエフは最高の西側装備と訓練を受けた旅団を配置して、南部のザポロージェ州でのドンバスとクリミアを結ぶロシアの陸路を断とうとした。大半の報告によれば、この作戦は失敗であり、ロシア国防省の最新の数字によれば、ウクライナは数村を手に入れるために43,000人以上の兵士と約5,000台の重機材を失ったとされている。

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Read more:Ukrainian leadership split over counteroffensive-Newsweek

 ハーシュの情報筋によれば、CIAはウクライナの(勝つ)可能性について冷静な評価を行い、ウクライナの紛争を終結させるための平和協定仲介をブリンケンは検討していた、と主張している。「ちょうど、ベトナム戦争を終結させるためにパリでキッシンジャーが行動したように」。ウクライナの見通しが暗いことを知りながら、CIA長官ウィリアム・バーンズは、バイデン大統領のウクライナへの無期限の軍事支援政策を支持し、バイデン政権内で高い地位を確保することを目指してホワイトハウスに接近したと報じられている。

 裏でどんな動きがあったにせよ、ブリンケンはキエフとモスクワの平和協定を公然と支持したことはなく、6月には停戦がロシアに有利な「ポチョムキン*の平和」をもたらすと明言している。
*政治や経済において、ポチョムキンの村は、状況を外面的に隠すためのものであり、人々にその状況が実際よりも良いと信じ込ませるためのもの。この言葉は、エカテリーナ2世の元愛人であるグリゴリー・ポチョムキンが、彼女が1787年にクリミアへの旅行中に彼女を感銘させるために建てた偽の移動可能な村の物語に由来している。(ウィキペディア)

 ハーシュは、アメリカの高官たちがウクライナの反転攻勢が成功しないことを知っていると主張する最初の報告者ではない。先月のウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば、アメリカと他のNATO加盟国の軍の指導者たちは、ウクライナがロシアの制空権に対抗する手段を持っていない限り、この作戦は失敗に終わる運命にあることを知っていた。それにもかかわらず、キエフの西側支援国は、報道によれば、「ウクライナの勇気と創意工夫が勝利を収める」と期待して攻撃を開始することを許可した。

 過去2ヶ月にわたり、ゼレンスキーは自国軍が十分な成功を収められないのは西側のせいだと何度も繰り返し非難し、特に戦闘機や長距離ミサイルといった適切な武器を与えてもらえなかったから、と主張してきた。ウクライナの指導部は現在、作戦を続行するか、春に再試行するかどうかで分かれていると、ニューズウィーク誌は水曜日(8月16日)に報じた。同誌によれば、ゼレンスキーは今、「危険性の高い、費用のかさばる失敗を覚悟するか、ウクライナの損失を減じ、政治的に傷の大きい敗北を受け入れるか」の決断を迫られている。

米国はクリミア橋テロ攻撃で「決定的な役割」を演じた(シーモア・ハーシュ)

<記事原文 寺島先生推薦>
US played ‘critical role’ in Crimean Bridge terror attacks – Seymour Hersh
出典:RT 2023年7月27日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年8月8日


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資料写真:ケルチ海峡(ロシア)に架かるクリミア橋の損傷箇所。2023年7月© スプートニク/コンスタンティン・ミハルチェフスキー


ウクライナは第二の攻撃にアメリカの技術を使用したと、ある情報源が有名なジャーナリストに語る。

 ワシントンがウクライナによるケルチ橋2ヵ所への攻撃を可能にした、と木曜日(7月27日)、ピュリッツァー賞受賞ジャーナリストのシーモア・ハーシュが主張した。彼は自身のSubstack上で、「バイデン政権の役割は両方の攻撃において重要だった」と断言した。

 「もちろんそれは我が国の技術だ。そのドローンは遠隔操作されており、半分水中に潜っていた—まるで魚雷のようだ」とあるアメリカの高官は、7月17日に橋を損傷させたドローンに言及してハーシュに語った。

 ハーシュは情報源を明かしていないが、彼の最新の投稿では、最近の出来事(クリミア橋爆破)を「ジョー・バイデン大統領には耳を傾けてもらっていないが、そうしてもらうべきだと感じているアメリカの情報機関の立場にいる人」から見た声だ、と書かれている。

 米国の情報機関がケルチ橋攻撃に対するロシアの報復の可能性を考慮しているかと尋ねられると、ハーシュの情報源は「そこまでは考えていない」と答えた。

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READ MORE::Ukaraine officially claims responsibility of terror attack on Europe’s longest bridge


 「我が国の戦略は、[ウクライナの大統領ウォロディミル] ゼレンスキーが自分のやりたいことを何でもやれるということだ。大人の監視はない」とその情報源は付言した。

 2022年10月初旬、クリミア橋でトラック爆弾が爆発し、3人の市民が死亡した。橋は深刻な損傷を受け、数か月にわたる修復が必要だった。この7月のドローン攻撃では2人が死亡し、14歳の少女は両親を亡くしながらも、かろうじて生き延びた。

 キエフは両方の攻撃を祝福したが、公式には一切の責任を否定していた。しかし、アメリカの情報機関は10月のトラック爆破事件をウクライナの情報機関のやったこと、とすぐに認めた。ウクライナの主要な情報機関であるSBUの長は、先週初めにその爆発を最終的に自分らの手柄としていた。

 ワシントンは、ウクライナに対し、アメリカ供与の兵器をロシア領土に対して使用しないよう求めているとされているが、クリミアだけでなく、ヘルソン、ザポリージャ、ドネツク、そしてルハンシクは実際にはウクライナの領土であり、したがって合法的な攻撃対象であると主張している。ロシアの駐米大使は1月に警告し、これはキエフに対する「完璧な自由放任」であり、紛争拡大の危険性をはらんでいると述べた。

 ロシアは7月の橋攻撃への報復として、オデッサの港施設を標的にした。この攻撃の後、ウクライナが主にEUにトウモロコシとひまわりの種を輸出できるようにしていた、いわゆる黒海「穀物取引」も打ち切った。

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READ MORE:US behind Nord Stream sabotage – legendary NYT journalist


 オデッサの輸出には「麻薬などの違法な物品やウクライナがロシアから入手していた石油」も含まれていたとのことだ。これはハーシュに語った米国高官の話だ。

 ハーシュの情報源はまた、ワシントンがキエフへの支援を強化していると不満を述べた。最近では、パキスタンから10年分の155mm砲弾を購入しようとしているとのこと。ウクライナは「その弾薬が底をついており、不足している」とバイデンはCNNに語り、キエフへのクラスター爆弾提供を一時的な対策として正当化しようとした。

 米国は、「ウクライナのゼレンスキー大統領と彼の仲間が何を考えているのか、まったくわかっていない」とこの高官は付言し、ウクライナの指導者たちは「しがみつく以外に何の計画もない」と断言した。また、彼が推測したのは、アメリカのウクライナ支援は、「ゼレンスキーがバイデンを知っているからであって、バイデンの息子(ハンター)の世話をしていたから、という理由だけではない」という点だ。

西側は武器が闇市場に流れていることを知っている―セイモア・ハーシュ

<記事原文 寺島先生推薦>
West knows Ukraine weapons leaking to black market – Seymour Hersh
Poland, Romania and other countries are being flooded with arms intended for Kiev, the veteran journalist insists
ポーランド、ルーマニアなどの国々に、キエフ向けの武器があふれているとベテランジャーナリスト(ハーシュ)は、主張。
出典:RT   2023年4月23日
<記事原文 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年6月29日



ウクライナの新兵が訓練中に米国製のジャベリン対戦車兵器を持っている。© AFP / Daniel Leal


 ベテランアメリカ人ジャーナリストであるセイモア・ハーシュは、ウクライナの指揮官が西側から供給された武器をポーランド、ルーマニア、および他の国の密輸業者に売っていると主張した。

 このピューリッツァー賞受賞者(ハーシュ)は、「Going Underground」という番組でアフシン・ラタンシとの対談中に、西側諸国は闇市場の取引があることは分かっていると述べた。紛失した武器の輸送に関する何本かの記事が、アメリカのメディアにも掲載されたことがある。

 ハーシュの主張では、彼のデータによると、ウクライナとモスクワの間で昨年2月に紛争が勃発した直後、「我々(米国と同盟国)がウクライナへの戦争用に出荷していた武器が、ポーランド、ルーマニア、国境の他の国々に溢れかえっていた」とのこと。

 「よくあったのは、将軍ではなく、大佐やその他の軍人が、一部の武器の出荷を任され、それを個人的に転売・・・闇市場に送り込んでいた事例」と彼は説明した。

 ハーシュは、昨年、ウクライナに送られた一部の武器、例えばスティンガー肩車式ミサイルが「相当な高度で飛行している航空機を撃墜する」ために使われる懸念が西側諸国であったことを指摘した。

 西側から供給された武器が闇市場に流れることについて、「CBSがそれについての記事を書いたが、後に撤回させられることになった」とハーシュは述べた。



関連記事:西側がウクライナに供給した武器が闇ネットで出回る―RT捜査班

 なぜその記事が撤回されたのかについて問われた際、メディアは「私たちはウクライナ側に立っている。私たちは皆、ロシアを嫌悪している」というアメリカ政府の立場を支持しているためだ、と彼は述べた。

 ハーシュはおそらく、CBSが昨年8月に放映したドキュメンタリー「Arming Ukraine(ウクライナの武装強化)」を指していると思われる。このドキュメンタリーの宣伝映像では、ウクライナ支援NGOであるブルーイエローの創設者であるヨナス・オーマンが、実際には軍事支援の30%しか最前線に届いていないと主張していたが、その宣伝映像は削除され、ドキュメンタリー自体とそれに付随する記事は修正された。

 ロシア高官たちは、西側から供給された武器がウクライナ外に密輸され、その結果として世界各地の安全状況が悪化していることを何度も警告している。

 「キエフ政権向けのNATOの軍需物資が、最終的に中東、中央アフリカ、東南アジアのテロリスト、過激派、犯罪組織の手に渡っています」とロシア外務省の報道官、マリア・ザハロワは、2021年10月に述べた。その時、彼女は闇市場の売上高を1ヶ月あたり10億ドルと見積もった。

 昨年の夏、RTの調査で、西側からキエフに供給されたさまざまな武器が闇ネットで販売されていることが明らかになった。ジャーナリストたちは密輸業者と迅速に交渉し、米国製の特攻ドローンの購入を試みた。しかし、実際に購入を完了しなかったため、売り手が実際に武器を在庫していたかどうかは確認することができなかった。

関連記事:フィンランドの犯罪者らがウクライナから武器を入手ー警察の発表

 「Going Underground」のインタビューの完全版は、月曜日(4月24日)にRTで放送される予定。

世界人口の半数以上がロシアを支持している―セイモア・ハーシュ

<記事原文 寺島先生推薦>
More than half of world’s population supports Russia – Seymour Hersh
The US has lost so much credibility internationally over the conflict in Ukraine, the Pulitzer Prize-winning journalist says
ピューリッツァー賞受賞ジャーナリスト(セイモア・ハーシュ)によれば、ウクライナの紛争によりアメリカは国際的な信頼性を大きく失っている。
出典:RT  2023年6月12日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年6月29日



中央アフリカ共和国の首都バンギで行われた親ロシアの集会。© AFP / Carol Valade


 ロシアとウクライナの紛争に関して、世界の大多数の人々がロシア側に立っており、一方でアメリカの国際的な影響力は低下している、とベテランジャーナリストのセイモア・ハーシュは述べている。

 「特にアフリカ、中央アジア、南アジアの国々において、アメリカ支持からロシア支持に変わった割合は非常に劇的です」と彼は、日曜日(6月11日)、YouTubeで公開されたジョージ・ギャロウェイとのインタビューの中で指摘した。

 「世界の人口の半分以上が、ウクライナ戦争においてアメリカではなくロシアを支持しています。こんなことはいまだかつてありませんでした」とハーシュは述べた。

 ピューリッツァー賞受賞ジャーナリストであるハーシュは、ウクライナ紛争によりワシントンは「世界中で信用を失ってしまった」と述べた。彼は2月に爆弾記事を発表し、アメリカがノルドストリームパイプラインを破壊工作したと非難し、再び注目を集めた。ワシントンはその報道を「完全に誤りであり、完全なフィクションだ」と否定した。

 ハーシュによれば、アメリカの影響力が低下している例として、以前の宿敵であるサウジアラビアとイランの和解が挙げられる。この和解は3月に始まった。



関連記事:西側はウクライナが闇市場に武器を流していることを把握―セイモア・ハーシュ

 「その和解は・・・ウクライナと戦争への反感のために起こった」のであり、バイデン政権にとっては「大きな打撃」だったと彼は述べた。バイデン政権はイランを「憎悪」していたのだ。

 テヘラン(イラン)とリヤド(サウジアラビア)の関係修復の結果、「私たちは(アメリカでは)絶対得られないような、イエメンの解決策を実現することになるでしょう。私たちアメリカは押しだされることになるでしょう」とこの86歳のジャーナリストは付言した。

 世論調査によれば、アメリカ国内でのウクライナへの関与への支持が減少している。それは人々がその経済的な負担についてますます懸念を抱くようになっているため、とハーシュは述べた。

 「この戦争にアメリカはおそらく1400億ドルを費やしましたが、同時にこの政権によって1500万人のアメリカ人が無料の医療保険から外されました。つまり、アメリカでこんなことが起きているなんて、言語道断なことなのです」と彼は付言した。

 ハーシュは、ウクライナの待望の反転攻勢が「失敗に終わる運命にある」との信念を表明した。キエフの軍隊は訓練、武器、そして指揮官が異なっており、効率的に協力することができないように見えるからだ。

関連記事:ロシアとウクライナの間でまだ貿易が続けられているという「狂気」– セイモア・ハーシュ

 ジョー・バイデン大統領は、ウクライナの紛争が「彼の再選の切符だ」と考えているようだ。そして、「私から見れば、アメリカではその点が本当の政治的問題だと思われます」とハーシュは予測した。

ウクライナの隣国は紛争を止めるためにゼレンスキーに金を使って退場させるお膳立てができている―シーモア・ハーシュ

<記事原文 寺島先生推薦>
Ukraine’s neighbors ready to pay off Zelensky to stop conflict – Seymour Hersh
EU nations have privately urged the president of the war-torn country to end the fighting, a US official told the veteran journalist
「ユーロ圏の国々は、戦争で疲弊した国の大統領(ゼレンスキー)に対し、戦闘を終わらせるように個人的に強く薦めた」と、あるアメリカ政府高官がベテランジャーナリスト(シーモア・ハーシュ)に述べた。
筆者:シーモア・ハーシュ(Seymour Hersh)
出典:RT  2023年5月17日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年6月7日


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キエフを訪問中のポーランド、ラトビア、リトアニア、そしてエストニアの首脳とポーズをとるウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領。© AFP / ウクライナ大統領報道部

 ベテランジャーナリストのシーモア・ハーシュは、「内部情報に詳しい」とするアメリカ政府高官の話を引用し、ポーランドがヨーロッパ各国を率いて、ウラジーミル・ゼレンスキーに対してロシアとの紛争を解決する方法を探すよう密かに薦めていると報じた。

 アメリカの情報機関によると、戦闘の終結を望む他のEU諸国には、ハンガリー、ドイツ、チェコ共和国、リトアニア、ラトビア、そしてエストニアも含まれていると、ハーシュは、水曜日(5月17日)、自身のサブスタックに掲載した記事に書いている。

 「ハンガリーはこの問題で重要な役割を果たしており、ポーランドとドイツも同様です。彼らはゼレンスキーを説得するために取り組んでいます」と、匿名のこの政府高官は語った。これらの国々は次のことを明言している、「ゼレンスキーは、平和協定を結んでも現在手にしているものを失うことはない。それが合意を得るための唯一の方法であれば、報酬を支払っても構わない」と。

 「現在手にしているものを失うことはない」と、情報源であるこのアメリカ高官が言っているのは、ウクライナ大統領がイタリアの別荘やオフショア銀行にある利益のことだと、ハーシュは明確に述べた。

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関連記事:ゼレンスキー、ローマ法王の平和構築活動を否定

 しかし、ゼレンスキーはこれまでにその提案を拒否している。また、他のヨーロッパ重要国であるフランスとイギリスは、バイデン政権からの「恩義を受けすぎている」。そしてバイデン政権は、ウクライナのリーダー(ゼレンスキー)を支持する姿勢を崩していない、とこの高官は語っている。

 ピュリツァー賞受賞ジャーナリスト(シーモア・ハーシュ)は、ポーランドと他の国々が紛争を終結させたい主な理由の一つは、ウクライナ難民の受け入れ負担が彼らにとってあまりにも大きくなりすぎているためだ、と述べた。

 その国々にとっての問題は、「どうやってアメリカにゼレンスキーへの支援を停止させるか」であると、ハーシュの情報源(アメリカ政府高官)は示唆している。

 その高官は、「ウクライナが資金難に陥っており、そして・・・次の4ヶ月ほどがきわめて重要であることをアメリカの情報機関はよく認識している。そして東欧諸国は取引について話し合っている」と、主張した。

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関連記事:ホワイトハウスは諜報活動から「切り離されている」 - シーモア・ハーシュ

 ただし、その高官は次のことを付言している:「大統領とホワイトハウスの外交政策補佐官が現実をどの程度知っているのかについて、情報機関は、はっきりとはわかっていない」。

 アメリカは「まだウクライナ人にF-16(戦闘地域に入るとすぐにロシアによって撃墜されるだろう)の飛行訓練を行っています。主流メディアはバイデンと戦争のことしか頭になく、バイデンが話すことは、相も変わらずロシアの大悪魔についてです。そして、ロシア経済は絶好調ということです」と、このアメリカ政府高官は語っている。

 ロシアは何度も述べている通り、紛争を交渉の場で解決する準備はできている。しかし、ウクライナと西側支援国からは、ロシアが合理的と考えられるような提案は届いていない。

 ゼレンスキーは、彼なりの10項目の平和計画を推進しており、それにはロシア軍がウクライナの主張する国境に撤退し、賠償を支払い、戦争犯罪の裁判に服することが求められている。

 モスクワはその計画を「受け入れがたい」として拒否し、それは現実を無視しており、実際にはキエフが外交手段を用いて危機を解決する意思がないことを示していると述べている。

ロシアがウクライナとまだ貿易を行っているという「不可解」―シーモア・ハーシュからの指摘

<記事原文 寺島先生推薦>
‘Crazy’ that Russia and Ukraine still trade – Seymour Hersh
The veteran investigative journalist detailed his claims of corruption in Kiev in an interview aired by RT
熟練の調査記者がRTが放映した対談での主張においてウクライナ政権の腐敗ぶり詳述した。
出典:RT 2023年4月24日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年5月8日


シーモア・ハーシュ© Going Underground

 軍事対立の中ロシアとウクライナ間の貿易は封鎖されているが、互いに製品や事業の貿易は続けられていると、シーモア・ハーシュ記者は語り、この様な関係は「かなり不可解である」と、同記者はテレビ番組「地下に潜る」の聞き取り取材で答えた。

 「石油やカネのやり取りは想像の域を超える規模です」とハーシュ氏はRTが月曜日(4月24日)に放映した聞き取り取材において答えた。さらに付け加えて、ウクライナ政権の汚職の証拠に繋がる話を見つけるのは全く難しいことではない、とも語った。

 ハーシュ氏は、最近自身が記事にした、ウクライナ政府内で大規模な汚職が横行している件についても触れた。同氏の主張によると、CIAは、ヴォロデーミル・ゼレンスキー大統領と側近らが昨年少なくとも4億ドルのカネを横領したと見ているという。そのカネはウクライナ軍がディーゼルを購入するのために米国が支給したものだった。また、ウクライナ政府が購入した高額の燃料は、闇市場を通じてロシアから購入したという。

  「今のウクライナ政権高官らのいい暮らしぶりを見ればよくわかるでしょう。本当にとてもいい暮らしを送っています。高級食堂も営業中ですし、どんなお酒でも買える酒屋も見つかりますし、多額のカネが行き交っています」とハーシュ氏は語った。

 ウクライナ当局には、 物品の調達契約を利用した横領行為を行ってきた長い歴史があり、ロシアとの戦争によっても、その状況は変わっていない、とハーシュ氏は述べた。

「誰もが仲買人のところに行くようになっています。今は、誰もが第三者を関与させるようになっているのです。というのも、そうすれば副業で金儲けをする機会が増えるからなのです。そしてその汚職は信じがたいものです」と同氏は語った。



関連記事:ゼレンスキーとその手下たちは米国からの支援金の4億ドルを横領したーシーモア・ハーシュからの指摘

 CIAのウィリアム・バーンズ局長は、1月のキエフ訪問の際、汚職問題についての問題提起を行っていたと、この訪問について詳しい情報提供者からの話として伝えた。大統領自身が私利私欲を貪っているというウクライナ軍の将軍たちからの不満をゼレンスキー本人に伝えただけではなく、同局長は他にも横領を働いたものが35名いることも告げた。

 後にゼレンスキーは、その中で「最も目立つ」10名を罷免したが、残りの人々については「手を付けなかった」と、ハーシュ氏はバーンズ局長訪問後にウクライナ政府による当局者の取り締まりについて述べた。

 一方で、ロシアは石油や天然ガスの輸送費をウクライナに支払い続けており、これらの石油や天然ガスは東欧経由のパイプラインを通り、ウクライナ領内に運び込まれている。このパイプラインが作られたのは、ソ連時代のことであり、その目的はワルシャワ条約機構加盟諸国の消費者に送るためだった。米国政府はこのようなロシア・ウクライナ間の貿易は、豊富なエネルギーをロシアが「武器として使っている」ものであると見ている、とハーシュ氏は指摘している。

  「この件を笑い過ごしていいのか分かりません。本当にこれは、不可思議な状況ですので」と同氏は最後に述べた。

ペンタゴンの情報漏洩者を追い詰める NYT にシーモア・ハーシュが反発

<記事原文 寺島先生推薦>
Seymour Hersh reacts to NYT hunting Pentagon leaker
The reporter says his former employer, the New York Times, has become completely “pro-Biden”
シーモア・ハーシュの語るところでは、かつての勤務先であるニューヨーク・タイムズは完全に「親バイデン 」になってしまった。
出典:RT 2023年4月23日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年5月7日



FBI捜査官に身柄を拘束された国防総省の情報漏洩容疑者ジャック・テイシェイラ。© AFP / WBZ


 シーモア・ハーシュは、ニューヨーク・タイムズ(NYT)の政府寄りの姿勢と情報源の扱い、そしてペンタゴンの情報漏洩を疑われたジャック・テイシェイラをFBIが追跡するのを助けたやり方について非難した。このベテラン調査報道記者シーモア・ハーシュは、「Going Underground」でアフシン・ラタンシのインタビューに応じた。

 ウクライナ紛争などに関する米国の機密情報データをオンラインゲームの掲示板に投稿していたテイシェイラは、先週 FBI に逮捕された。この逮捕は、NYTとワシントン・ポストが、欧米が出資する「オープンソース調査」団体 Bellingcat と協力して、文書の発信元を突き止め、その正体を公に暴露した後に行なわれた。NYTはまた、マサチューセッツ州にあるテイシェイラの自宅を突き止め、彼の母親と話をした。

 「マスコミのことは勘弁してくれ、マスコミは私にとっては不利な状況だ」と、番組中、この問題について質問されたハーシュは語った。

 ベテラン・ジャーナリストのハーシュは、NYT が情報源の保護に力を入れていた時代に長年 NYT で働き、「多くの賞を受賞した」ことに触れた。



関連記事:ペンタゴンの情報を漏らした者は、考えられているよりも早く機密データの共有を開始した(NYT 紙)


 「CIAがアメリカ市民をスパイしていることについて私が書いた(1974年の)最も重要な記事の1つ、その中に誰の名前も入れなかった」と彼は言った。

 NYT は米大統領を全く批判しないため、完全に「バイデン寄り」であることを示したとハーシュは主張した。ピューリッツァー賞受賞者のハーシュは、他の主要メディアも同様だが、昨年9月にバルト海で起きたノルド・ストリーム・パイプラインの爆発をバイデン政権のせいとする彼の最近の爆弾記事を報道しなかったと語った。主流メディアは「情報機関によって与えられた反論」を掲載しただけだと、86歳のハーシュは付け加えた。

 ハーシュは言葉を続けて、ドナルド・トランプが2017年に米大統領になったとき、トランプはメディアを「恐怖に陥れた」と主張した。「その時メディアはさんざん彼に嘲笑を浴びせかけていた」にもかかわらず、だ。「・・・そしてメディアは再び恐怖を感じている。2024年にバイデンとトランプのいずれかが大統領になっても、我々メディアは一貫の終わりになるかもしれない、と非常に心配している人が大勢いる」と彼は語った。

 このような状況で、「皆さんは(善良な市民として)NYT が FBI 寄りになることにショックを受けることはありえません・・・もちろん、私は(ショックを)受けていますが、みなさんがショックを受けることはありえません」。

 Going Underground のシーモア・ハーシュへのインタビュー完全版は、月曜日(5月1日)にRTで放送されます。

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