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ジョージア国民よ。よそ者が先導するカラー革命からそろそろ「脱出」せよ

<記事原文 寺島先生推薦>

CIA, NED: Georgia and Colour Revolutions: “Oink, Oink, Squeal like a Pig!”

CIA、NED: ジョージアとカラー革命: 「ブー、ブー、豚のように鳴きやがれ!」

筆者: ヘンリー・カメンス (Henry Kamens)

出典:New Eastern Outlook

2023年4月1日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2023年5月5日



この記事の題材となっているのは、1972年の米国映画“Deliverance”(邦題は『脱出』)。ダム建設によって消えてしまう前に川下りをしようと、ジョージア州の奥深い渓谷へ遊びに来た4人のよそ者の男たち。だが、地元民との軋轢の中で 、殺人事件が発生する。「Oink, Oink, Squeal like a Pig!(ブー、ブー、豚のように泣きやがれ)」というセリフは、その4人のうちの一人が強姦された際に、加害者の地元の荒くれ2人組に掛けられたことばである。ジョージア州と同名の元ソ連領「ジョージア」が、外国人勢力により、「カラー革命的反政府デモ」を引き起こされている状況をこの映画になぞらえている。(訳者)




 ようやく春がやってきた。ヨーロッパはとても穏やかな冬だった。 しかし、この3月に、非常に予測不可能なことがある。もちろん天候の話ではない。

 モルドバとジョージアで懸命に活動していた国家民主主義基金(NED)とCIAは、間もなくトルコにもやってくるだろう。自然の成り行きに任せて、地震により政治が影響を受けても、現政権が転覆しなければ、の話だが。それにしても、NATOがトルコの協力なしで、攻撃的な行いを成し遂げられると考えていることを、私はいまだに理解できない。

 以下のようなくだらない迷信をお聞きになったことがあるだろうか?「昔々、火消しをする消防士たちがいたので、火事を起こそうとする人はいませんでした。本は全て焼かれる『華氏451*』の世界で、誰も本を出そうとしなかったのと同じように」。NATOについても同じことが言える。そもそもNATOは最初は防衛組織だったはずだからだ。
*『華氏451』は、フランソワ・トリュフォーの監督による、1966年のイギリスの長編SF映画である。その映画の世界では、漫画以外の本の出版は禁止されていて、見つかった場合、直ぐに焼かれる。 原作はレイ・ブラッドベリのSF小説『華氏451度』で、(本の素材である)紙が燃え始める温度(華氏451度≒摂氏233度)を意味する。

 CIAとNEDがトルコに行くという話は、誰かが広めた噂に過ぎない、というのが私の印象だ。同じような噂がさらに増えているからだ。例えば、イスラエルの政権交代を目指すNGOや団体に、お馴染みの容疑者らが資金を提供しているという。

 世界は狂ってしまったのだろうか。それとも、私が目を覚まして事態を理解したのだろうか。私は今日、ロシア製の園芸用玉ねぎ一式と大きな肥料袋を買った。厳しい冬になるかもしれないので、決意をして将来の計画を立てている。タマネギのおかげで、世界で起こっていることが何層にも重なっていることに気づかされた。むけばむくほど、たくさんのことが分かる。


ジョージアの灯が消えた夜

 あらゆる状況の中で最も皮肉なのは、ジョージアで起きている、政府を変えようとする明らかな努力だ。これは自国製のデモではなく、外部からの侵略的なものである。予想されていなかったわけではなく、予見されていたことでさえあり、さらにそれ以上のことが起こっている。

 2014年のウクライナの再来をジョージアで発生させないような努力がなされていることだろう。しかし、その努力は裏目に出ている。ウクライナは、NATO、EU、ジョージア、モルドバをトランプのカードを積み重ねた家のように崩壊させるかもしれない。西側諸国、特に米国は、ウクライナに過剰な費用をかけてきて、今もかけ続けている。しかし、それは心の底からの善意からではない。一部の識者や多くのアメリカ人が、そろそろ手を引くべきだと考えているのも不思議ではない!そう、アフガニスタン撤退の二の舞になったとしても、だ。

 多くのアメリカ人は、ジョージアを映画『脱出*』の舞台となった場所だと思っている。彼らが知っているのは、「ブー、ブーと、豚のように鳴きやがれ」というセリフだけだ(このセリフがこの映画からの引用だと知っていればの話だが)。しかし、今、自国に掛けられたそのような鳴き声を全て受け止めようとしているのだ。

 首都トビリシでは、民主的に選出された議会が成立させようとした外国人工作員登録法が話題になっている。NEDやCIAなどから資金提供を受けているNGOの勢力が、その法案を認めなかった。

 そこで政府は、EUと米国からの制裁の脅威にさらされながら、少なくとも今のところはこの法案を撤回した。政府の要員たちは、自分たちが次に狙われていることを理解しており、2014年のマイダンでの大虐殺のようなことが起こるのではないかと心配している。

 今は静かだが、アメリカやその仲間たちが現政権を交代させる計画が残っているので、まだ終わったわけではない。ウクライナでの状況はロシアにとって良い方向に進んでいるため、その代替地としてジョージアが必要であり、それが失敗した場合はモルドバが必要なのではないかと私は考えている。

 元米海兵隊員で、ロシア情報や国際トーク番組に頻繁に出演しているスコット・リッター氏は、ジョージアに関するアメリカの現実について書いている

 ほとんどのアメリカ人にとって、ジョージアは食べ物、ワイン、そして楽しいダンスがある国に過ぎない。これが、あなた方ジョージア人が未来を賭けている米国社会の現実です。アメリカ人は、あなたのことを好きでもないのです。

• 私たち米国民は、あなた方の食べ物やワインを必要な時だけ楽しみ、あなた方の文化を単なる好奇心からしか見ていません。
• 歴史が示すように、私たちはあなたたちのために死ぬつもりはありません。あなた方は、私たちの地政学的な目標や目的のためにのみ存在するのです。
• あなた方は、米国がロシアの周辺に設置しようとしている「不安定化地域」の一部に過ぎないのです。
• ちょっと考えてみてください。ジョージアに対するアメリカの目的は、地域の不安定さを生み出すことなのです。
• その代償を払うのは、アメリカ人ではないでしょう(彼らはすでにジョージアとジョージア人を自分のものだと思っているのだから)。

 最後に、ジョージアとジョージア人に対して警鐘を鳴らそう。残念ながら、多くのジョージア人は気づきたがっていないのだ。自分たちがさらに悪い侵略者を招き入れて、その侵略者を支えようとしていることを。スコット・リッター氏が指摘したように、これらの侵略者な、ジョージア人のことを人間としてまったく気にかけておらず、ただ自分たちの大きな目的を果たすためにどう利用できるかしか考えていないのに。


一方、アメリカに戻ると

 この計画の唯一の問題は、西側諸国、特にアメリカ人の多くが、増税、インフレ、懐に入るお金の減少に満足していないのに、なぜアメリカがロシアとの代理戦争に巻き込まれ、自分たちには関係ない、地図で探すのも難しいような中間国、つまりウクライナを利用しているのかが分からないことだ。

 アメリカの好みは、シリアのように、そもそも関与する理由のない戦争に全財産を投じることで、貧しい人々を貧しくし、アメリカ国民をより貧しくさせることだ。そのせいで世界は統制を取れなくなっている。支配者たちは、自分たちのためだけに動き、自分たちが助けるべきはずの人たちのことなど気にも留めていない。

 現地の状況を目の当たりにし、多くの関係者を知っている私たちNEO(New Eastern Outlook)や他の代替報道機関がジョージアの報道機関を巻き込んで、記事や関連インタビューを出すことで、この先何が起こるかをジョージア政府に警告してきたことを私は嬉しく思う。

 特に、ミヘイル・サアカシュヴィリ前大統領が、金融犯罪や人権侵害に関わる多くの罪状を持っているせいで司法から逃亡しているにもかかわらず、なぜジョージアに戻ってくるという大きな危険を冒したのが明らかになったことは重要だった。

 彼は現在、これらの様々な犯罪行為のうちのほんの一部の罪状を理由に、獄中にいる。彼は間違いなくもっと多くの罪に問われているはずなのに、うまく立ち回り、役に立つ愚か者として、時限爆弾の短い導火線としての役割を果たしたのだ。

 サアカシュヴィリの身に起こったことは、彼が10年間アメリカの傀儡政権の執行者として住民を恐怖に陥れたことから考えれば、この国の他の人々がこの先の状況をどう予想するかが見えるだろう。つまり、サアカシュヴィリがアメリカにとっての親友であることから考えられることは、アメリカ国務省は、必要であればジョージアを「マイダン2014」の舞台にできるよう、強く働きかけているということだ。その兆候は幾つかの報道から伺える。


海外からの影響力を高めるための完璧な嵐が吹き荒れる中で

 ロシアに責任を転嫁しようとするのは、すでに秘密がばれてしまっていることを考えると皮肉なものだ。米国大使館の報道声明は、ジョージア国会がクレムリンに触発されたいわゆる「外国からの影響」に関する法案を急遽推進した、というものだった。もちろんこの声明は、何十億ドルも費やして、ロシアがいかなる国にも干渉できないようにし、ロシアの干渉を許さない諸法律を考案してきたまさにその米国が出したのである。国が資金を出し続けるのは、ジョージアなどの国々が、米国の言うことを真に受けている指導者を選び、ロシアの影響力を排除したいと言い出すまでだ。その時、米国がそれまで見世物のように費やしてきた資金が効力を発揮するのだ。

 ジョージアで展開されていることは、台本通りに進んでいるかのようだ。その台本は、NED(全米民主主義基金)が政権交代劇を起こすべく書いたものだ。2014年のキエフや、アメリカの作戦の蜘蛛の巣にかかった他の多くの場所で起こったことと同じ筋書きだ。ただし、多くのジョージア人、特に50代以上の人たち、そして少数ではあるが若い世代の人たちも、「ロシア人と一緒にいたほうがいい」 と思い始めている。


豚は豚

 欧米の多くの真の利害関係者は、銀行の崩壊や体制全体を崩壊させるかもしれない政治的対立などで頭がいっぱいで、外国の紛争地帯で何が起こっているのかの最新情報にまで気が回っていない。ほとんどのアメリカ人(ニクソンが表現したサイレントマジョリティー<声なき多数>)は、ジョージアとはフロリダのすぐ北にあるジョージア州のことだと思っており、ジョージアという言葉から、映画『脱出』で、強姦される役を演じていたネッド・ビーティが、地元の荒くれ2人組に豚のように鳴くことを要求された不適切な瞬間を思い浮かべられる人はもっと少数だろう。

 アメリカ人がジョージアとジョージアの文化について持っている範囲で「知識」は、ジョージア料理とダンス、そして(ソ連の指導者だった)ジョー・スターリンおじさんがジョージア出身だったという事実にくらいの表面的な理解に限られている。アメリカ人の大半は、ジョージアが存在することすら知らない。

 ビートルズの歌で、ジョージアの名前を出したものがあった。なお当時ジョージアは、ロシアの支配下にあった 。ビートルズは、「Back in the USSR」という楽曲で、ジョージアを含むいくつかのソビエト連邦の共和国の名前を歌っていたのだ。この曲以外、ジョージアは、アメリカの大衆文化で全く言及されたことはない。

 私は、旧ソビエト連邦諸国や中東、アジアで起こっていることの多くを身近に感じているので、この地域の歴史の真実に気づかずにはいられない。この地域の歴史とは、記録を見ればわかる通り、戦争や、戦争の脅威や、或る帝国が別の帝国に侵略されることの繰り替し成り立っている。そしてその戦いの勝敗は、どちらの帝国が優れているかではなく、どちらの国の政治的思考様式が長持ちするか、で決せられてきた。

 米軍出身の部内者である私は、どう考えても、ジョージアを中南米のバナナ共和国状態にまで貶めようとする外敵の側にいるはずだ。しかし、私はジョージアの側にいる。なぜなら、この「外国の影響力」が良性であれば、何の影響もないはずであり、ジョージアでの行動に対して責任を負いたくないのは、西側諸国だけだからだ。


熟考すべきいくつか問い

• なぜジョージアの一般的なデモ参加者や若者は、とにかく外国人工作員法に反対するのだろうか?
• なぜ、ジョージア人は、自分たちが入手しているニュースの情報源や資金源を知りたくないのだろうか?

 親西欧であることはかっこよくて、ジョージアの若者は、もっと自立すべきだと主張すればするほど、すべての友人にも自立してほしいと思ってしまう。フランクリン研究所*のようなNGOは、まさに若者たちをこのような方向性に導いてきた。私は、ジョージアから渡米し、高校教育の一環として、米国や外国の市民社会の訓練に参加している15歳の学生を知っている。彼女は、これらのNGOがいかにジョージアからの留学生たちを洗脳しようとしているかを私に話してくれた。ヨーロピアン・スクール**などのIB(国際バカロレア)に対応した教育課程を持つ学校など、超名門校を含む多くの私立学校でも同じことが言える。基本的に、より良い生活を望むなら、アメリカの望むことをしなければならない。しかし、自分の存在理由はアメリカの目的のためでしかないので、アメリカが望む行為をとっても報われることはないのだが。
*フランクリン研究所は科学博物館であり、ペンシルバニア州フィラデルフィアにある科学教育と研究の中心地。アメリカの科学者で政治家のベンジャミン・フランクリンにちなんで名付けられた。
**ヨーロピアン・スクールとは、欧州各地に点在する、多言語および多文化の教育方法を強調する一種のインターナショナルスクール

 平和部隊*は、もはやケネディ時代の理想主義的な取り組みとは全く異なるものになってしまったが、ジョージアにも存在する。またジョージアにはウクライナ民族主義者の第5列(内通者)も存在する。これらの内通者は、ウクライナで傭兵として活躍しているジョージア軍団の支援を受けており、NED、CIA、USAID(米国国際開発局)、クラウド・ファンディングから資金を得ている。
 *平和部隊は、アメリカ合衆国連邦政府が運営するボランティア計画。ボランティアを開発途上国へと派遣し、現地の支援を行うことを目的とする。日本の青年海外協力隊の米国版である。

 サーカシヴィリの背後にいる人々が、非暴力的な方法を使うわけはない。実際、これら背後にいる人々は冷血な殺人者であり、サーカシヴィリが知っていることや、何を言うべきかを全て教えた人々なのだ。 地獄への道は、善意で舗装されているということわざがあるが、善意のもとで描かれた状況を乗り越えることは決してない。ジョージアの場合、それは血で汚されることになるだろう。


ならず者のための学校

 ベテランズ・トゥデイ*誌のジョージア支局長であり、新設されたインテル・ドロップ誌に寄稿したジェフリー・シルバーマンは、同国の公立学校、いくつかの私立大学、公立大学で働いた経験があるそうだ。彼は、米国での修士課程での外交の授業において、どのように国を乗っ取るかを教えられたと述べている。その方法とは、まず、教育や地域の持続可能な経済と文化を破壊し、歴史を書き換え、次に宗教とその指導者を西洋化させることだったという。
* Veterans Today は、アメリカの反ユダヤ主義と陰謀論の Web サイト。

 シルバーマンは20年間、ジョージアの学生が学問的にも道徳的にも徐々に劣化していくのを見てきたといい、「2000年にいた生徒と今の新入生の違いを見れば、年々質が下がっていることが分かります。これは偶然ではありません」と述べた。

 ジョージアは、1941年の有名な映画「カサブランカ」のように、怪しい取引、汚い事業、裏切り行為が行われる場所になり、企業はアメリカの代理戦争の前線基地として事業体を設立する。ここは、多くの目的が果たせる非常に野蛮な場所になりつつあり、まさにグレートゲーム*に再投資されているような状況だ。
* グレート・ゲームとは、中央アジアの覇権を巡るイギリス帝国とロシア帝国の敵対関係・戦略的抗争を指す、中央アジアをめぐる情報戦をチェスになぞらえてつけられた名称。

 2014年、マイダンの狙撃手を雇ったのが誰なのか、そのほとんどがジョージア出身だったことを忘れてはならない。今こそ、西側諸国がウクライナでの報道機関を使った戦争を前例のない規模にまで拡大している様をしっかりと監視すべき時だ。その中で、真実と人類の生存は犠牲にされている。制御不能に陥っていることの予兆は、いたるところで見つけることができる。

 ソーシャルメディア・プラットフォームや一部の新聞においてさえも、この脚本は同じだ。そう、「自由を支援せよ」のいう掛け声の嵐だ。しかしいったい、誰の自由を支援せよというのか?そして誰を犠牲にしようというのか?ジョージアが注意しなければいけないのは、軍国主義化した人々、特にウクライナで戦っていたウクライナ人やジョージア人、その他の外国人ボランティアがジョージアに入ったり自由に移動したりすることを許さないようすることだ。彼らの多くは、NED-CIAが画策したジョージアの政権交代のための訓練を受けているため、彼らを拘留し、審査し、厳重な監視下に置く必要がある。

 ジョージアの逃亡者、犯罪者、幻滅した人、その他の緊張感を求める人たちは、現在進行中のクーデターに参加することで失うものは何もなく、全てを得ることができると、少なくとも彼らはそう思っている!しかし、彼らの明るい明日とは、侵略が行われる度に約束されてきたのに、住民がまだ待ち望んでいて、はやく実現してほしいと米国を非難しているような明日でしかないのだ。

 次のクーデターは、ジョージアの祝日である4月9日に計画されている。FARA法*に反対する人々が最近行った暴力的な抗議行動に対するジョージア警察の対応が「非民主的」だと文句を言ったEU派の子供や大人と思われる人たちは、フランスで今何が起きているのか、ジョージアで次に何が起きるのかをよく見ておく必要がある。
*外国人工作員登録法(foreign agent registration law)

筆者ヘンリー・カメンス(Henry Kamens)は、コラムニスト、中央アジア・コーカサス専門家、オンラインマガジン“New Eastern Outlook” 専属。
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CIAの別働隊がジョージアで色彩革命の脅威をつくりだしている

<記事原文 寺島先生推薦>

CIA Front Threatens Color Revolution in Georgia

筆者:キット・クラレンバーグ(Kit Klarenberg)

出典:Internationalist 360

2023年3月17日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2023年3月31日

グルジア 1
世界中でカラー革命を煽る大富豪ジョージ・ソロス(左)、USAID長官サマンサ・パワー(右)


 2023年3月の第2週、ジョージア(旧名グルジア)の首都トビリシで、数千人が街頭に繰り出した。そして「海外からの収入が20%を超えるNGO」に「外国代理人」としての登録を義務付ける法律案に激しい憤りをぶつけた。

 彼らは警察と激しく衝突し、あらゆる場所に反ロシアの落書きをし、反乱的で好戦的なスローガンを唱え、EU、ジョージア、ウクライナの国旗をあたり構わず目立つように掲げた。EUと米国の当局者は、これらの広く報道された光景にぴったりするような、敵意あるコメントが絶え間なく流した。

 悪名高い戦争タカ派でUSAID(米国国際開発庁)長官のサマンサ・パワーは、ジョージアの国会議員に「外国代理人」法の提案を「取り下げ」よう呼びかけた。そして、この新法は「欧州-大西洋地域に関わるジョージアの将来像とジョージア人が経済的社会的その他の願望を実現する能力・技量を深刻に脅(おびや)かすものである」という、不可解な宣言をした。

 ジョージアの提案する外国代理人法は、欧州=大西洋に関わるジョージアの将来像と、ジョージア人が経済的社会的その他の願望を実現する能力・技量を深刻に脅(おびや)かすものである。私はジョージア議会に対し、これらの法案の取り下げを要請する。―サマンサ・パワー (@PowerUSAID) 2023年3月2日

 米国務省のネッド・プライス報道官は、外国代理人法に賛成したジョージアの議員に対し、威嚇的にこう警告した。「トビリシが期待している欧州=大西洋地域との将来関係が危うくなった場合」、その責任をおまえたちが負うことになるぞ、と脅迫したのである、さらに、この法律は「ジョージア人が自分たちのために描いた将来像、そして私たち米国が仲間として、その実現を援助し続けることを決意している将来像」と「一致しない」と断言した。

 ワシントンが外国代理人法に猛反対するのは驚くべきことではない。ジョージアのメディアや人権団体を含めた数千の団体は、過去30年間にわたって、全米民主化基金(NED)と米国国際開発庁(USAID)から資金提供を受けてきた。ちなみに、サマンサ・パワーは現在、USAID長官である。この隠しようもない事実、だが今まできちんと知られてこなかった事実を、これ以上に暴露するような改革は、今後、難しい問題を引き起こすだろう、その法案は、これら数千の団体の自立性と、これらの団体がこれまで追求してきて邪悪な目的について、答えることが難しい問題を提起するからだ。

 これらの数千の団体が米国からの資金提供の実態を隠蔽しなければならないことは、これらのNGOが公然とトビリシでの抗議活動の最前線に立っていることによって、十分に証明された。この法案が成立すれば、NEDから資金提供を受けているNGOの多くが、その海外資金を公開しなければならなくなるわけだから、ソーシャルメディアを使って不服の声を上げたのも当然だ。

 トビリシの国会議事堂前に集まった数千人が議事堂を襲撃する直前に、幸いにも、ジョージア政府は外国代理人法を撤回した。NEDとの関係を法律で公然と認めなければならなくなることを、抗議者たちが全面的に拒否した理由は何だろうか。

 NED(全米民主化基金)は1983年に設立されたのは、アメリカの諜報機関CIAが数々の恥ずべきスキャンダルに巻き込まれ、世間を騒がせた後のことである。このNEDの設立には、当時の中央情報局(CIA)長官であったウィリアム・ケーシーが中心的な役割を果たした。ケーシーは、「敵国政府を不安定化させ崩壊させるための武器となるような、海外の反政府グループやメディア、その他の反政府活動家に資金を提供する公的な仕組み」を構築しようと考えたのである。裏工作によって「敵国政府を不安定化させ崩壊させる」ことは、これまでCIAの専売特許であったものだが、もはやそれができなくなったからだ。それでそのことを可能にするような公的仕組みをつくろうとしたわけである。

 かくしてつくりあげられたNED(全米民主化基金)は、非常に狡猾な組織でありながら、ほとんどその実態は明らかになっていない。だから、この組織のおかげで、帝国アメリカは、いつでも外国政府を屈服させ、その政府が内外の問題でワシントンの承認する道から少しでも外れることがあれば、必要に応じて、その政府を完全に転覆させることができる。グルジアの2003年の「バラ革命」は、その見事な実例を提供している。


CIAは「落書き」アーティストにまで金をばらまく

 NEDは発足後すぐに東欧の共産主義撲滅に乗り出し、ポーランドの「連帯」のような活動家組織とその運動を支援した。しかし、ユーゴスラビアは今世紀に入るまで、NEDの干渉をかたくなに拒み続けた。2000年12月のワシントンポスト紙の非常に正確で詳細な調査報道は、次のような事実を詳細に描き出した。すなわち、それより2カ月前の10月に、ユーゴスラビアのスロボダン・ミロシェビッチ大統領をついに追放した自然発生的「草の根」反乱は、実はCIAの前線部隊であるNEDやUSAIDが密かに資金と指示を出していたのである。

 ミロシェビッチ大統領を貶(おとし)めるために、チューインガムや炭酸飲料を販売していた米国の広告業のプロたちが、キャッチーなスローガンや人目を引くPRその他の今までにない宣伝方法を考案していた。また事前かつ現地で大規模な世論調査が水面下で実施され、そのため無数の市場調査用の消費者グループが結成された。それは売り込み戦略を路上で検証し完全に成功させるためだった。一方、国会議員候補者や活動家たちは、ジャーナリストの質問に答え、ミロシェビッチ支持者の主張に効果的に反論するために、あらかじめ「指示されたとおりに」行動する術を密かに指導された。

 学生活動家集団オトポール(Otpor、セルビア語で「抵抗」の意)にも、広範な訓練と支援が提供された。彼らは破壊的ではあるが非暴力的な手段によって政府権力を弱体化させる様々な方法を学んだ。たとえば、ストライキの組織化、シンボルを巧く使って大衆に宣伝する方法、「恐怖克服」の方法、その他。

 USAIDは、学生活動家が国中に反ミロシェビッチの落書きをするために5000本のスプレー缶を提供した。またオトポールは、ワシントンからの資金で、「世論調査、ビラまき、有料広告など、幅広い高度な広報技術」も採用した。その宣伝文言はすべて米国が資金提供した世論調査に基づいていた。だから「どんなときでも国民に何を言うべきかわかっていた」と、このグループの活動家の一人は自慢げに語った。

 「私たちの方法は、企業の販売戦略を政治に活用することだった。つまり政治運動もマーケティング部門を持たなければならないということだった。コカ・コーラをモデルにしたんだ」と、2005年にオトポールの指導者が明かした。


グルジア 2
2001年3月30日、セルビアのベオグラード。獄に捕らわれたスロボダン・ミロシェビッチ大統領のポスター。「彼を収容するのはいつになるか?」という、「人民運動オトポール」の宣伝文句が付けられている。Darko Vojinovic|AP


 CIA、NED、USAIDなどの米国政府機関によって、わずか1年の間に、公然かつ隠然と、合計数千万ドルが反ミロシェビッチのために投入された。当時、ユーゴスラビアの人口は約1000万人で、実質的に国民1人に数ドルの資金が割り当てられたことになる。

 ユーゴスラビアの平均月給が30ドル以下であったことを考えると、この資金は実に巨大な意味をもち、政権交代の足がかりとなる人員を簡単に集めることができたのである。同じことをユーゴにしたと考えると、人口比で勘定すれば、ベオグラード(セルビア政府)が米国の大統領選挙に影響を与えるために何十億ドルも費やすようなものだ。もちろん、そんなことはアメリカで合法であったり容認されたりするわけではないが。

 オトポールの成功は目覚ましく、大手メディアでの知名度も上がり、オトポールはビデオゲーム「もっと強い部隊、A Force More Powerful」の開発を始めた。プレイヤーは「実際の紛争で成功した方法を用いて、独裁者・軍事的占領者・腐敗した支配者に対抗する方法」を学ぶことになる。「最近の歴史から着想を得た」「12通りの別々の筋書き」を通してである。このビデオゲームは「非暴力抵抗運動や反対運動の活動家や指導者が使う」ことを意図しており、メディアや一般市民が変革の技術をより広く学ぶことを期待したものだった。

 オトポールによる変革の手順・見取り図は、2006年3月に発表され、その後数年以上も、繰り返し世界中に輸出された。NEDが提供したのである。この国際貿易の最初の輸出先はがジョージアだったというわけである。


政権転覆集団「クマラ(グルジア語でウンザリの意)」なんか、もうウンザリ・・・

 シュワルナゼは1970年代初頭から共産党第1書記としてグルジアを統治していた。その後、ソ連のベテラン政治局員となり、ミハイル・ゴルバチョフ政権では外務大臣・重要な改革派として冷戦終結に大きな役割を果たした。特に、アフガニスタン戦争の終結、ドイツの再統一、ヨーロッパからの赤軍の撤退、アメリカとの核兵器条約の交渉などである。

 ソ連崩壊後の1992年にシュワルナゼがグルジア大統領に就任した背景には、「ロシア支援のアブハジアと南オセチアの離脱運動」と「独立したばかりのグルジア共和国の装備不足の軍隊」が激しく対立する流血の内戦があった。この混乱を立て直すため、1992年3月、シェワルナゼは、グルジア国家評議会議長に選ばれた。最初は親露派であったが、1995年8月新憲法が採択され、11月大統領に選出されてからは反露派となり、彼の統治下でモスクワとトビリシの関係は概して良好ではなかった。

 一方、欧米諸国との関係は極めて良好であった。彼が指揮・監督した大規模な民営化は、アメリカやヨーロッパのオリガルヒを潤し、1997年の民法改正は外国資本の何千ものNGOの創設に道を開いた。トビリシは瞬く間に、米国の資金援助と軍事援助の最大の受益者のひとつとなった。シュワルナゼが大統領になってから10年目(2002)の終わりには、シュワルナゼはNATOと戦略的相互関係を結び、EUへの加盟を希望していることを明らかにした。

 2000年、オープンソサエティ財団の支部設立のためにトビリシを訪れたジョージ・ソロスは、シュワルナゼの個人的な賓客として歓迎された。ソロスは、当時のグルジア司法大臣ミヘイル・サアカシュヴィリにも会っている。サアカシュヴィリは国務省の奨学金で留学した米国のエリート大学を卒業した人物だ(そのエリート大学にはコロンビア大学も含まれている)。

 それから間もなく、若きサアカシュヴィリは鮮やかな転身を図って司法大臣を辞め、オープンソサエティ財団の支援を受けて政党「国民運動」を設立した。TV局ルスタビ2(Rustavi-2)を含む野党メディアへの、従来からあるソロスの資金提供も同様に強化された。そして、これらのメディアはシュワルナゼに対する批判的な発信をおこなった。それは、シュワルナゼ大統領をとりわけ醜く描いた風刺漫画や国家汚職に関する集中的な調査という形をとったのである。このようすを、トロント・グローブ・アンド・メール紙は、2003年2月、ソロスがグルジア政府を「打倒するための煉瓦を積み始めた」と、報じている。

 NEDとオープンソサエティ財団の支援を受けたグルジアの活動家ギガ・ボケリアは、2003年、「自由協会、リバティ・インスティチュート」を創設したNGOオトポールと会うためにセルビアに遣された。その結果、オトポールの代表者は、グルジアの首都トビリシに飛び、そこでシュワルナゼを平和的に打倒する方法を数千人に教えた。

その教えを受けて、彼らは、自分たちの「革命」集団を結成した(カッコ付きの「革命」集団で、実は政権転覆工作集団)。クマラとして知られるこの団体は、オトポールがミロシェビッチ大統領を追い落とした名声と宣伝戦略を大いに利用した(Kmara、グルジア語で「もういい、ウンザリ」の意)。NEDとオープンソサエティ財団の大規模資金が即座に流れ込んだ。

 この資金注入により、クマラは2003年11月のグルジアの大統領選挙に向けて、さまざまな宣伝物と戦略を開発することができた。投票前の10日間、TV局ルスタビ2はミロシェビッチ打倒のための米国のドキュメンタリー映画『独裁者打倒(Bringing Down a Dictator)』を繰り返し放送した。
訳注:Bringing Down a Dictator 2002年。セルビアの指導者スロボダン・ミロシェビッチの非暴力的敗北についての56分のドキュメンタリー。学生主導のオトポールの貢献に焦点を当てている。

グルジア 追加 1

 「最も重要だったのは映画だった」と、この国民運動の代表者は後に語っている。「映画を観せられたデモ隊は皆、ベオグラード(セルビアの首都)での政権転覆戦術を暗記していた。だから皆、何をすべきか知っていた。これはセルビアの政権転覆を丸写ししただけで、その音量を大きくしただけだった」

 選挙は、公式発表では親シュワルナゼ派の政党連合が勝利した。しかし、NEDの依頼でおこなわれた出口調査では、「公式結果は不正であり、野党勝利が明らかである」との情報が、すぐに、しかも投票が終わる前に流され始めた。トビリシの国会議事堂には、全国から集まった大勢の反政府活動家たちが、カッコ付き「革命」集団クマラが費用を負担したバスで押し寄せた。

 外にはスピーカーと映画スクリーンが設置され、TV局ルスタビ2がNEDによる反対世論の調査(出口調査)を最も顕著に伝える道具となり、若い活動家たちによる抗議活動の様子も映し出された。クマラが率いる全国的なデモは数週間にわたっておこなわれ、2003年11月23日には、活動家たちがバラの花を振り回して国会を襲撃し、運動は最高潮に達した。翌日、シュワルナゼは辞任した。

グルジア 3
ジョージ・ソロス(GEORGIA SOROS)の模擬葬儀:サアカシュヴィリのお面をかぶったジョージアのデモ隊が、ジョージ・ソロスの人形の入ったUSドルが貼られた棺を運ぶ(2005年12月14日、トビリシ)。ジョージ・アブダラゼ|AP
(訳註:ソロス資金のおかげで大統領になったサアカシュヴィリは、独裁者となり、エリートの腐敗と貧困問題は依然として解決されなかった。)



「ひどく期待はずれ」な革命

 2004年1月、サアカシュヴィリは大統領に就任した。その後10年間、彼はグルジア経済をさらに「自由化」し、残存する国営産業の民営化を加速させ、広範な反腐敗活動を主導し、国防費をGDPの9.2%という驚異的な水準にまで高めた。

 米国政府関係者やTI(Transparency International国際透明性機構)、世界銀行などの団体は、サアカシュヴィリがグルジアを最もビジネスのしやすい国のひとつにし、2003年から2013年にかけて70%の経済成長を遂げ、その間に一人当たりの所得は約3倍になったと評価した。しかし、帝国アメリカの機関誌「フォーリン・ポリシー」でさえ、「バラ革命」の結果は「ひどく期待はずれ」だったと認めている。遠大な変革は「実際には実現せず」、「エリートの腐敗は依然として続いている」からである。

 サアカシュヴィリが大統領を退任するまでにグルジアの貧困はわずかに減少しただけで、人口のおよそ4分の1は依然として絶対貧困率以下で暮らしていた。さらに言えば、グルジアは権威主義そのもので、民主主義のかけらもなかった。実際、サアカシュヴィリの支配は、多くの点で、シュワルナゼにはなかったような独裁主義であった。

 例えば、サアカシュヴィリは「超大統領」機構に代わって、さらに権限を集中した「超々大統領」機構を導入し、主要な分野で彼に一方的な権力を付与した。この権限を使って、自分の政策に反対する政党を追放しようとするなど、独裁的な策略が目白押しであった。

グルジア 5
バラク・オバマ、ミハイル・サアカシュヴィリ、デイヴィッド・キャメロン。
2012年5月21日、シカゴで開催されたNATOサミットで、サアカシュヴィリ(右)、英国のキャメロン首相と話すオバマ大統領。パブロ・マルティネス・モンシヴァイス|AP


 さらに深刻なのは、ザルブ・ジュバニア首相のような不審死への関与も疑われていることだ。サアカシュヴィリはグルジアの治安部隊に指示して、オリガルヒのバドリ・パタルカツィシヴィリなどのライバルを暗殺させたことで知られ、サアカシュヴィリの命令で刑務所は拷問とレイプの政治的温床となった。サアカシュヴィリの在任中、同国の受刑者数は4倍の2万5千人に達し、国民一人当たりの受刑者数はヨーロッパのどの国よりも多くなった。

 2012年10月の大統領選挙では、サアカシュヴィリの死に物狂いの不正工作(NEDの必死の支援があった)にもかかわらず、彼は政権を失った。それ以来、政党「グルジアの夢、ジョージアンドリーム」率いる連合がこの国を統治している。国内の反対派および海外のキエフ支持者は、ジョージアのこの政党が親クレムリンであると非難している。NED出資の「恥の連合、Shame Network」は最近の反政府運動の先陣を切った。

 しかし、実際には、「ジョージアンドリーム」党は、EUおよびNATOへの加盟を推進しながら西側との関係を強化、そしてモスクワとの共存を維持するという微妙なバランスを常に取ってきた。ロシアのウクライナ進攻の後、これを維持するのはますます難しくなり、トビリシに対して、はるかに大きく豊かで強力な隣国、すなわちジョージアにとって最大の貿易相手国の一つ、ロシアに制裁を課し、キエフに武器を送るようにという欧米の圧力が常に高まっている。

 2022年12月、イラクリ・ガリバシビリ首相は、同年2月24日以来、キエフからロシアにたいする「第二戦線」を開くよう繰り返し要請されたがそれを拒否したことは、温かくは迎え入れられなかった、と述懐している。

 トビリシ(ジョージア政府)が全面衝突を避けたいのは当然で、それは特に2008年8月のロシア=グルジア戦争における悲惨な敗走のためである。この戦争は、サアカシュヴィリが米国の後押しでアブハジアと南オセチアの民間人陣地を攻撃し始めたことに始まる。わずか5日間であったにもかかわらず、20万人もの人々が避難し、数百人が死亡した。

 政権党「ジョージアンドリーム」が特に外国代理人法を導入しようとしたのは、ロシアにたいする「第二戦線」を開いてロシアに制裁を加えることを従順に受け入れる政府のつくろうとするNEDの画策を阻止するためではなかったか考えられる。


あえてクーデターと呼ぶ?

 控えめに言っても、NEDとUSAIDの指紋は、2014年2月のウクライナのマイダン・クーデターの至るところに付着していた。カッコ付きの「革命」(すなわち政権転覆・クーデター)のあらゆる段階で、両団体が資金提供した個人や組織が主役を演じていた。

 オレフ・リバチュク(Oleh Rybachuk)は、マイダン・クーデターに至るまで、何年も、USAIDが資金提供したいくつかの反対派集団を引き回してきた人物だが、洗脳して騒動を起こしてきたことをあからさまに語っている。その2年前のマイダン・クーデターについても、キエフの10年前の「オレンジ革命」についても、「もう一度やりたい、是非やりたい」と言っているのだ。その資金を提供した大富豪ジョージ・ソロスも、2014年5月、自身のオープンソサエティ財団がマイダン関連の事件で「重要な役割を果たした」とCNNに語っている。

 しかし、現在のところ、メディアは、マイダン・クーデターを煽動したことに対して米国が果たした役割を無視するか、あるいは、それはロシアの「偽情報」だとか陰謀論だとして、この命題を否定している。ウクライナ紛争が始まって以来、欧米のジャーナリストたちが躍起になって否定しようとしているのは、この騒動が(普遍的に受け入れられるものではないにせよ)圧倒的人気を博した「民衆反乱」以外の何ものでもなかったいう意見である。ミロシェビッチやシュワルナゼらの打倒にワシントンが果たした役割を自慢するような主流メディアは、明らかに以上のような事実を抹殺している。

 このような動かしようのない事実の抹殺は、世界中でNEDやUSAIDに対する敵意が高まり、政府がこれらNEDやUSAIDの活動を制限したり全面的に禁止したりしようとする動きが広まっているからだろう。特にワシントンが特に敵意を抱いている政府が、そのような動きに出るのは当然だろう。だからこそ、NEDやUSAIDの存在理由と活動方法のおぞましい実態を、欧米のジャーナリストが語らなくなっただけでなく、激しく否定すらするようになった。

 だから結局、大手メディアは、敵国と目されている国の指導者の言うことは真実であると認めることができなくなったのである。その代表例が、2015年7月の英紙ガーディアンの報道である。ガーディアン紙は、モスクワが外国代理人法に基づいてNEDを禁止し国外追放した件では、驚くべきことに、NEDの活動を説明するために自分で事実関係を調べるのではなく、NEDのウェブサイトから引用した短い文章を丸写しただけだった。その一方、2004年11月、その同じガーディアン紙は、その年のウクライナの「オレンジ革命」はNEDとUSAIDによる完全な画策だったということを、とくとくと自慢げに説明していたのである。

 したがって今や、強い政治的圧力をかけて海外での騒乱に外国が介入しているという主張は、大手メディアでは、ほとんど常に反撃の対象となっている。つまりデモ参加者には「行為主体性」があり、彼らの訴えは「正当な不満」だとアピールし反撃する。要するに、彼らは外国勢力によって指示されたとおりに行動しているわけではなく、抗議の内容も正当な不満であり外国勢力による入れ知恵ではないというわけである。しかし、最近トビリシで起きた扇動的な出来事では、このような訴えはまったく空虚に響く。米国政府高官の非難や声明と軌を一にして、外国代理人法の比較的些細な規制改正にこれほど大きな関心が組織的に沸き起こったことは想像を絶することだ。

 しかし、今のところ政権交代の流れは再び明確になっており、今回の抗議行動は単なる警告射撃に過ぎないように思われる。政府がこれほど簡単に屈服したのは、NEDが支援する現地の人的資産(NGO)によって革命が勃発する切迫した危険性を認識したからにほかならない。しかし、アメリカ帝国をなだめることができたとはいえ、脅威がなくなったわけではない。NEDがトビリシで活動する限り、この脅威は日常的な存続の危機であり続けるだろう。

写真|イラスト:MintPress News

キット・クラレンバーグは、政治や認識の形成における情報機関の役割を探る調査ジャーナリストであり、MintPresss Newsへの寄稿者でもある。これまでにThe Cradle、Declassified UK、Grayzoneに寄稿している。Twitter @KitKlarenbergでフォローしてください。

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