<記事原文 寺島先生推薦>
What Kind of Ukraine Do We Support?筆者:パトリック・パシン(Patrick Pasin)
出典:RT
2023年4月1日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2023年4月14日
「ウクライナ支援」という掛け声が相変わらず花盛りだ。それを推進する人たちは、ウクライナ人がこの戦争以前、殉教者の数が一番多かったことを知っているのだろうか。西側諸国がこよなく愛する人物・・・ゼレンスキー大統領のせいで、だ。
要約すると、報道機関が私たちに隠していることで、私たちがウクライナの人々への誠実で友好的な支援について考えなければならないことは以下のとおり。
赤ん坊のいない国 2021年、死亡者数は出生者数を44万2279人上回った[1]。これは人口約4100万人の中では驚異的な数字で、この年、人口の1%以上がまさに消滅したことを意味する。移住がもたらした影響は言うまでもない。
特別作戦前の前月である2022年1月には、状況はさらに悪化し、死者は約5万7000人、出生者はわずか1万8000人と、死者は出生者の3倍以上となった。
これまでの年月、死者と出生者の格差は小さくなっているが、2014年のマイダン革命以前から、6桁単位の人口減であったことは変わらない。このままでは、特に難民や移民の多くは、ウクライナが終戦時にどのような形になっても戻ってこないので、1~2世代でウクライナ国民はいなくなる。
それに加えて、現在進行中の惨事が加わる。この惨事のなかで、20万人以上の男性が働き盛りの時期に死亡し、もう子供を持つことができないのだ。さらに、10代の若者が前線に送られるなど、虐殺はとどまるところを知らない。ウクライナの人々の存在そのものが、中長期的にどのような影響を受けるか、誰が想像できるだろうか。
米国の戦争実験所 WHOや医師会などの現地当局の数値によると、HIV/AIDS、結核、B型肝炎、そしてC型肝炎の感染率は、ヨーロッパをはじめ世界でも最高水準にある。結核は、薬に強い耐性を持つ独特の形で現地ウクライナに広がっている。[2]
ウクライナは、また、ワクチン接種率が高いにもかかわらず、麻疹の激しい流行に見舞われているばかりか、豚インフルエンザ、ボツリヌス菌、レプトスピラ症、ジフテリアなど[3]、他国では例を見ない割合で、激しい感染に晒されている。
ロシア側が数千人のウクライナ人捕虜に対して行った医療検査では、3分の1がA型肝炎に、4%以上が腎臓症候群に、20%が西ナイル熱に感染していた。[4]
報道機関の軽率な結論は、ウクライナ人は(ロシア人によって)何年もの間、生物学的実験を受けたから、ということになるのだろうか?
現実は反対だ。
米国防総省は2022年6月9日、ウクライナの46の研究所と「協力関係」を築いている(もちろん平和目的であると言っている・・・)[5]。 実際には、米国防総省は「協力」ではなく、1972年の生物兵器条約に違反し、2014年から直接ウクライナの生物兵器研究所を運営していた。このことは2014年のマイダン以降、例えばウクライナの情報機関SBUの元工作員による報告書で、「被験者の死はその行為の一部として許可されていた」ことが明らかになるなど、文書化されている[6]。 この場合、「被験者」は実験用ネズミではなく、ウクライナ人である。
この極めて危険な研究は、ペスト、炭疽、野兎病、コレラなどの致死的な病気の病原性を高めることを目的としていたことも判明している[7]。優先的に特定されたのは、コウモリから人間に感染しうる細菌性およびウイルス性の病原体の研究であり、ペスト、レプトスピラ症、ブルセラ症、そしてコロナウイルスなどの病原体が挙げられる・・・コウモリのコロナウイルス? 何か思い当たることはないか? 「Covid-19」と名付けられた軍事作戦が、2019年11月に資金調達されたことを付け加えておこう。WHOが(報道機関の)見出しに載る3ヵ月前のことだ。[8] 単純な偶然だろうか?
いずれにせよ、ウクライナの市民と兵士が、キエフの共犯のもと、米軍によって、何年もモルモットとして利用されてきたことは間違いない。さらに、これらの生物兵器は私たちに直接的な脅威を与えている。これらの致死的なウイルスが国境線で停止するなんて、誰が保証できるだろうか? こういった脅威から私たちを守るために、欧州委員会や私たちの政府は何をしているのだろうか?
ネオ‐ナチの国 ロイターの推定では、「主流派国粋主義者」あるいはネオナチと呼ばれる人たちは10万人以上いると言われている。彼らがアゾフ(Azov)、アイダール(Aidar)、C14などと名乗ろうとも、2014年以来、ウクライナ人の生活を苦しめており、ロシア語を話す人々だけでなく、マジャール人、ユダヤ人、ロマ、LGBTなどの少数派たちもだ...[9]。

特に、彼らはドンバスにおいて数千人が殺害される事態に関与しており、これは1948年12月9日の大量虐殺の罪の防止及び処罰に関する条約で言われている大量虐殺の特徴を備えている。さらに、これらの死の大隊には、分離主義者の殺害や捕縛に対して最高1万ドルの報酬が支払われていたことが証言で明らかになっている。[10] 民主的で進歩的な価値を、常に我々に売りつけている国での良い金儲けである。
彼らは、また、裁判官を脅すために武装して法廷に入ることも、市長や知事を強要するために行政に立ち入ることも躊躇しない。市民の安全を確保するために、一部の自治体には民兵として給与を支払うよう強要することさえある。ウクライナは正義のない国でもあるので、後述するように、彼らは殺人、強姦、拷問、強盗、ゆすりなど、何でもする権利を持っている。もちろん、警察との共謀の上で。
2022年を振り返って:ウクライナとその後の話 そして、2016年に当局によってアイダール大隊が解散させられたとき、その隊員はキエフの大通りを塞ぎ、内務省を襲撃しようとした[11]。 こうした行為の後、厳しい刑期が待っていると想像される・・・ そうではない! 解散命令は取り消され、彼らはミンスク合意後の他のネオナチ大隊と同様にウクライナ軍に統合され、ドンバスに送られ、犯罪を犯したのだ。
その結果、彼らは我々の・・・同盟国になる。西側諸国は生死をかけてウクライナと同盟を結んだのだから(特にウクライナ人側の生死をかけてだった。少なくとも最初は・・・)。
汚職の国 ウクライナでは汚職が蔓延しているため、この点については1章まるまる必要となる。2015年、CNNは国家予算が約100億ドルかかったと報じた[12]。この現実に騙される国際機関はいない。例えば、欧州監査院は2016年の報告書で、ウクライナに最後に送られた110億ユーロの使途について全く把握していないと述べている[13]。 その一方で、『新旧財閥が引き起こす危険度は依然として高い』とも述べている。汚職などという言葉を使わなくても、その事実はここにはっきり述べている。
それにもかかわらず、EU、米国、IMFなどから、何十億もの資金が流れ込み続けている。変な話じゃないか?
この限りなく寛大な資金の流れを絶やさないために、ウクライナ憲法裁判所(CCU)は、2020年10月27日の劇的な判決で、汚職の問題を決定的に解決した。それは、政府、高官、そして裁判官の資産の虚偽申告に対する責任を免除するものであった。[14]
その結果、キエフの質素な家の所有だけを申告していた裁判官が、フランスのリビエラに豪華な別荘を所有していることが発覚しても、法律で保護されることになった。少なくとも、裁判所の決定はより迅速に行われるようになる:その決定は、支払われる封筒の厚さだけに応じて、ということになるだろう。政治家や公務員にも同じことが言える。汚職の国は、正義のない国にもなっている。そしてその逆の、正義のない国が汚職の国になったこともまた然りである。
それ以来、もちろんウクライナには何十億もの資金が流れ込み続けている。実際、「受け取っている」のはウクライナの指導者たちだけと、我々は確信しているのか?この巨額の資金が、目の届かないところで、西側と山分けされていることは、まったくないのか?西側は、この資金を、ゼレンスキーランドと化したダーナイドの樽(底なし樽)に送り込んでいるのだ。
いずれにせよ、私たちが拠出するこの数百億が、ウクライナの人々や平和のためになっていないことは確かだ。
労働法がない国 戦争が始まると、政府の方針に従わない野党や報道機関はすぐに禁止された。疑いないのは、欧州委員会を喜ばせるための民主的価値の誇示・・・同じくらい心配なことに、当局は2022年8月17日にゼレンスキー大統領が批准した法律5371で、従業員250人未満、すなわち人口の3分の2以上の企業における労働基準法を廃止することを決めたのだ。[15]

これからは、雇用主と「自由に」交渉できる契約しかなく、雇用主は例えば週50時間や60時間、それ以上の労働時間を課すことができる。従業員にはもはや法的保護がなく、労働組合には行動手段がない。ウクライナは、法律上、悪徳社長の楽園と化している。
もちろん、労働者はそのような契約を拒否することはできる。が、すべての企業(多国籍企業は別)がこの例外的な制度の適用を受けているため、この適用のない別の仕事を見つけることなどできるのだろうか。
戒厳令が続く限り、この法律は効力を持ち続ける、という事実が土壇場で追加されたことに注目すべきだ。労働市場を「流動化」させるためだけならまだしも、この法律がもはや効力を持たなくなることを誰が保証できるだろうか。EUの危機が迫っている今、同種の法律が、もちろん被雇用者の利益のために、今後課されないと、誰が保証できるだろうか?
人身売買の国 上記のことは、緩やかに次のことにつながる。しかし、その程度はひどくなる:ウクライナが子供を売る国であることは、数多くの報告書が証明しているのである。例えば、米国務省が発行した「2021年人身売買報告書」(米国務省が発行したものだから、反ウクライナに偏っている疑いは、ほとんどないのだが)は、次のように報告している:
人身売買の情報 [16]
「過去5年間報道されてきたように、人身売買業者はウクライナ国内の被害者を搾取し、人身売買業者は海外のウクライナ人被害者を搾取している。ウクライナ人被害者は、ウクライナ国内だけでなく、ロシア、ポーランド、ドイツなどの欧州地域、中国、カザフスタン、そして中東などで、性売買や強制労働で搾取されている。ウクライナ被害者がEU加盟国で搾取される事例も増えている。[17]
欧州委員会は、その人権価値についてすぐに自慢するが、この惨劇と闘うために何をしているのだろうかと疑問に思う・・・報告書は次のように続く。
「国営の孤児院に預けられた約10万4千人の子どもたちは、特に人身売買の危険にさらされている。いくつかの国営の養護施設や孤児院の職員が、保護されている少女や少年の性売買や労働に加担したり、 故意に放置したりしたことが報告されている」。
たとえその言葉が明記されていなくとも、それはペドクリミナル(小児犯罪)である。「世界の人身売買の被害児童の10人に1人はウクライナからやってくる」。アルテで放送されたこの映画[18]では、「40人ほどの10代の子どもたちが性的目的で地元の政治家に売られている」という事実も知ることができる。この裁判には、マスコミも一般市民も立ち入らないようにされていた。もちろん、何も起こらず、その後、ウクライナの支配者層に美徳が降りてきたと誰が信じられるだろうか。
しかし、ウルスラ・フォン・デア・ライエン、シャルル・ミシェル、ジョゼップ・ボレル、エマニュエル・マクロン、オラフ・ショルツ、ボリス・ジョンソン・・・がこれらの許されない人権侵害を非難するのを誰が聞いただろうか?
では、西側報道機関が日夜喧伝するゼレンスキー大統領とNATOの夢の国をまだ支持したい人はいるのだろうか。彼らのウクライナは、私たちの支援、ましてや私たちが払う犠牲に値するのだろうか?
ウクライナの人々を助け、すでに社会に影響を及ぼしている破局を回避するためには、平和という選択肢しかない。
したがって、戦争に必要な武器や資金を送るのをやめることが急務だ。戦争は、戦闘員の不足ではなく、武器の不足のためにやめなければならない。さらに、指導者たちの狂気を止めない限り、私たちもそこで終わる危険性がある。
*
フランス語からの翻訳:ヤニス・V・ズブローク(Yannis V. Zbroek)
パトリック・パシン(『ウクライナ戦争: 欧米の犯罪的責任-危機を止めるための我々の選択肢』<仏語>の著者兼出版者)
Notes
[1]. 714,263 deaths versus 271,964 births. Source: National Statistics Service of Ukraine.
[2]. Hacker group says US biological labs active in Ukraine, Tass, August 25, 2017.
[3]. EXCLUSIVE: Hunter Biden Bio Firm Partnered With Ukrainian Researchers ‘Isolating Deadly Pathogens’ Using Funds From Obama’s Defense Department, Natalie Winters et Raheem J. Kassam, The National Pulse, March 24, 2022.
[4]. Bioterrorisme américain : Le Pentagone n’a pas eu le temps de détruire les preuves à Severodonetsk, Alexandre Rostovtsev, Polit Navigator, traduction Réseau International, July 20, 2022.
[5]. Fact Sheet on WMD Threat Reduction Efforts with Ukraine, Russia and Other Former Soviet Union Countries, U.S. Department of Defense, June 2022.
[6]. Weapon in a Test Tube – How the United States turned Ukraine into a biological testing ground, Donbass Insider, December 8, 2020.
[7]. Statement by Permanent Representative Vassily Nebenzia at UNSC briefing on biological laboratories in Ukraine, March 11, 2022.
[8]. U.S. Department of Defense awarded a contract for ‘COVID-19 Research’ in Ukraine 3 months before Covid was known to even exist, The Exposé, April 13, 2022.
[9]. Joint Letter to Ukraine’s Minister of Interior Affairs and Prosecutor General Concerning Radical Groups, Human Rights Watch, June 2018.
[10]. https://fr.wikipedia.org/wiki/Ihor_Kolomo%C3%AFsky and Le massacre d’Odessa organisé au sommet de l’État ukrainien, Réseau Voltaire, May 16, 2014.
[11]. La Gestapo ukrainienne… Le bataillon Aïdar fait peur même aux autorités ukrainiennes, Histoire et Société, May 11, 2022.
[12]. George Soros: I may invest $1 billion in Ukraine, CNN Business, March 30, 2015.
[13]. L’UE se demande où sont passées les aides à l’Ukraine, Georgi Gotev, Euractiv.com, December 7, 2016 / Rapport spécial n° 32/2016 : L´aide de l´UE en faveur de l´Ukraine, European Court of Auditors.
[14]. Constitutional Court of Ukraine has struck a blow to anti-corruption reform – NABU statement, National Anti-corruption Bureau of Ukraine (Nabu), October 29, 2020.
[15]. Ukraine’s anti-worker law comes into effect, Open Democracy, August 25, 2022.
[16]. https://www.state.gov/reports/2021-trafficking-in-persons-report/
[17]. Underlined by me.
[18]. Trafic d’enfants au cœur de l’Europe, documentaire réalisé par Sylvia Nagel et Sonya Winterberg, 2019 (ARTE is a French-German TV).
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The original source of this article is Global Research
Copyright © Patrick Pasin, Global Research, 2023