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米独、ウクライナのNATO加盟に反対 - NYT紙

<記事原文 寺島先生推薦>
US and Germany against inviting Ukraine into NATO – NYT
NATOは「敗戦の危機にある」キエフを支援する「妥協点」を見つけたい、と同紙は報じている。
出典:RT  2024年4月5日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年4月14日


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写真: 2023年7月12日、リトアニア・ヴィリニュスで開催された2023年NATO首脳会議2日目、メディアの取材に応じるウラジーミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領(左)とイェンス・ストルテンベルグNATO事務総長。ショーン・ギャラップ / Getty Images

米国とドイツは、ロシアの圧力によるキエフの軍事崩壊を懸念しているにもかかわらず、ウクライナのNATO加盟に消極的である、とニューヨーク・タイムズ紙は木曜日(4月4日)に報じた。

同紙は、米国主導陣営の高官たちは、このような大胆な動きは「1945年以来ヨーロッパで最大の陸上戦に巻き込まれる」と懸念しており、NATOは替わりに「妥協点」を探していると付け加えた。

こうした懸念はベルリンとワシントンも共有しているとされ、7月にワシントンで開催されるNATO首脳会議でウクライナとの加盟交渉を開始することに反対している。同時に、両政府はウクライナに対する長期的な安全保障支援の約束を支持している。

水曜日(4月3日)、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、NATO加盟国に対し、自発的な寄付ではなく、ウクライナに「信頼でき、予測可能な安全保障支援」を提供することに重点を置くよう促した。ストルテンベルグ事務総長は、5年間で1000億ユーロ(約1070億ドル)の軍事援助をキエフに提供することを提案したと伝えられている。

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関連記事:NATOはヨーロッパでロシアと対決するためのアメリカの道具 - クレムリン

しかし、複数の西側外交官はNYT紙に、この計画は今のところ「確かなものではない」ように見えると語った。

米国の元NATO大使イヴォ・ダールダー氏によれば、ワシントンはこの構想に暗黙のうちに反対しているようだ。もうひとつのNATO加盟国であるハンガリーは、NATOが紛争により深く関与するような動きには反対だと公言している。

また、NATOがこのような長期にわたる1000億ユーロの拠出を加盟国に強制できるかも不明である。

しかし、ロシアがキエフ軍を押し返し続ければ、ウクライナは「敗戦の危機に瀕している」ため、夏までには「これらのことは問題にならなくなるかもしれない」とNYT紙は述べている。

ここ数週間で、ロシアはドンバスの主要都市アブデフカを解放し、近隣のいくつかの集落を占領した。ウクライナ大統領ウラジーミル・ゼレンスキーは先月、アメリカが軍事支援を再開しない限り、これが最後の撤退にはならないと警告した。米国議会では、共和党議員が国境警備の強化にもっと力を入れるよう要求しているため、共和党の反対で数カ月にわたって支援策が停滞している。

ロシアは、キエフへの西側の武器輸出を非難し、紛争を長引かせるだけだと警告している。モスクワの政府関係者はまた、西側諸国がロシアに「戦略的敗北」を与えるためにウクライナを道具として使っていると非難している。
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ゼレンスキー大統領、最も親密な同志を解任

<記事原文 寺島先生推薦>
Zelensky sacks closest ally
ウクライナ大統領は長年の側近セルゲイ・シェフィール氏と数人の上級顧問を解任した
出典:RT 2024年3月30日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年4月1日


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© ゲッティイメージズ/ポーラ・ブロンスタイン


ウクライナのウラジミール・ゼレンスキー大統領は土曜日(3月30日)、長年の同志で側近のセルゲイ・シェリフ氏を解任した。ゼレンスキー大統領は進行中の政権改造のさなか、この一週間で複数の上級顧問を解任した。

シェリフ氏は、2019年5月に就任し、大統領就任初日からゼレンスキー大統領側近として仕えてきた数少ない政府高官の1人だった。政界に入る前は、ゼレンスキー氏と長年緊密な仕事仲間であり、同氏とともに「クヴァルタル95(地区95)コメディ・スタジオ」を共同設立した。

2021年9月、シェリフ氏は自身の車が未知の襲撃者に襲撃された暗殺未遂事件を生き延びた。車両は多くの弾丸を受け、運転手は負傷したが、シェリフ氏自身は無傷だった。そのとき、ゼレンスキー大統領は、この攻撃は同国の「体制(system)」による報復だ、と主張した。この体制を彼は「打破」しようとしていたと言われていた。

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関連記事:Ukraine’s top general announces commander reshuffle

ここ数日間、ゼレンスキー大統領はフリーランス(自由契約)大統領補佐官3名と全権代表2名(ボランティア運動関連問題を担当するナタリヤ・プシュカレワ氏と軍人の権利に関する問題を担当するアリョナ・ヴェルビツカヤ氏)を解任した。

この解任は、ゼレンスキー大統領が今年初めに始めたウクライナ指導部の再編の一環として行なわれた。この取り組みの最も著名な犠牲者はヴァレリー・ザルジニー元最高司令官で、この役職は先月アレクサンドル・シルスキー氏に代わった。ザルジニー元最高司令官には数か月間ゼレンスキー大統領と対立していたとの噂があり、その後昨年末に前線の状況についての懸念が公になった。

ゼレンスキー大統領、治安責任者を解任

<記事原文 寺島先生推薦>
Zelensky fires security chief
ウクライナ国家安全保障・国防評議会(SNBO)のアレクセイ・ダニロフ議長を解任
出典:RT 2024年3月26日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月28日


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アレクセイ・ダニロフ。© Aleksandr Gusev / SOPA Images / LightRocket(Getty Images)


ウクライナのウラジミール・ゼレンスキー大統領は火曜日(3月26日)、国家安全保障・国防会議(SNBO)のアレクセイ・ダニロフ委員長を解任した。この警備責任者は、好戦的で攻撃的な発言に頼ることで知られている。

関連する法令はウクライナ大統領の公式ウェブサイトで公開されたが、決定の理由は示されていない。

その後、アレクサンドル・リトビネンコ氏が新しいSNBO長官に指名された。同氏は2021年7月からウクライナ対外情報機関の指揮を執っており、それ以前はSNBO副長官を務めていた。

ダニロフ氏は在任中、厳しい発言で知られていた。2023年後半、キエフの人材採用問題についてコメントした際、彼はすべてのウクライナ人が「成長」して戦わなければならないと主張した。

その際、同氏はまた、ウクライナが計画している動員活動は1日や1か月では終わらず、全てが完結するには少なくとも1年はかかる可能性がある、とも述べた。

11月には匿名で西側ジャーナリストらに演説し、ゼレンスキー氏を中傷する当局者の取り締まりを呼び掛けた。ダニロフ氏はまた、メッセージング・アプリのテレグラムを「危険で有害である」と非難した。同氏は11月、このアプリはウクライナ社会に影響を与えようとする人々にプラットフォームを提供していると述べ、完全に禁止する用意がある、と付け加えた。

この元SNBO長官はキエフの西側支援者たちにも批判的だった。同氏は12月、NATOの戦争教本はどれもウクライナ戦争に兵士を準備することができないため、棚上げされるべきだ、と述べた。同氏はまた、キエフへのさらなる武器供与を繰り返し要求し、ウクライナ軍が何らかの後退をすれば、西側諸国自身の「イメージ、権威、団結」を損なうことになる、と警告した。

2024年2月、ダニロフ氏はEUに対し、すべての重火器をウクライナに引き渡すよう要求し、EU自体は今後の紛争においていずれにしても重火器を必要としないだろうから、と付け加えた。

この元当局者(ダニロフ)は先週、中国がウクライナ紛争に関する国際会議をボイコットする可能性がある計画をめぐって、ユーラシア問題担当の中国の李輝特別代表を侮辱した。キエフはこの会議をロシアなしでスイスで開催しようとしていた。ダニロフ氏はこの問題についてコメントしながら、卑猥な言葉遊びを使って中国外交官の名前を嘲笑した。

2023年8月、国が認可した「放送マラソン」というテレビ番組中に、 ダニロフはまた、ロシア人は「アジア人」であるため、ウクライナ人より 「人道的」ではないと主張したことで悪名高くなった。この元SNBO長官はまた、世界中どこでもロシア人を「殺す」と繰り返し約束していた。

ウクライナのバー、モスクワのコンサートホール襲撃事件を嘲笑

<記事原文 寺島先生推薦>
Ukrainian bar mocks deadly Moscow concert hall attack
非常に政治的で物議を醸すメニューを出すことで知られるキエフのバーが、130人以上の死者を出したクロッカス市シティホール虐殺事件を揶揄した新しいスナックセットを販売している。
出典:RT 2024年3月24日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月27日


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オフェンジヴァのバーメニューの「クロッカスシティ」スナックセット。© ofenziva.ps.me


キエフにある「アートバーOfenziva(オフェンジヴァ「攻撃的」の意)」は、モスクワのクロッカス・シティコンサートホールに対する致命的な週末のテロ攻撃を揶揄した新メニューを出し、物議を醸している。この攻撃では少なくとも133人の命が奪われたが、犠牲者の捜索はまだ続いており、死者数はさらに増えることが予想されている。

ネット上のミーム戦争を連想させるこの店は、自らをキエフ初の「ミーム・ミリタリー・アート・バー」と宣伝している。様々なパフォーマーのプラットフォームとして機能しており、そのほとんどが民族主義的な見解を示している。

攻撃直後、オフェンジヴァはいくつかの揚げスナックで構成された「クロッカス・シティ」と名付けられた新しいセットメニューを出した。このバーのウェブサイトのメニュー項目には、攻撃の余波で炎上したこのコンサートホールの写真が添えられている。

このバーでは、ほかにもいくつかのテーマに沿ったメニューを提供しているが、味は常に疑わしいものである。中には、「ナワリヌイ」と呼ばれるさまざまな具材が入った一連のサンドイッチもある。この一連のサンドイッチは、ロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が2月に亡くなった直後に導入された。

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関連記事:Russia mourns concert hall terror victims

「ダリヤ・ドゥギナ」と名付けられたポークステーキも用意されているが、これはロシアの政治活動家で哲学者のアレクサンドル・ドゥギナ氏の娘の死を嘲笑するためだ。彼女は2022年8月に自動車爆破事件で死亡した。その暗殺はウクライナ諜報機関によるもの、とされている。

ウクライナで悪趣味な政治的ユーモアをメニューに取り入れたのはこの店が初めてではない。2014年5月にオデッサで起きた虐殺事件では、国家主義者らがいわゆる「尊厳革命」に反対する数十人の活動家を殺害し、生きたまま焼き殺した。その年、ウクライナのレストランで提供された「ロシアの赤ちゃん」の形をしたケーキの写真がインターネットで衝撃を巻き起こした

このようないかがわしい販売戦略は、モスクワとキエフの間で続く紛争の中でさらに広まり、ウクライナのレストランが展開した物議を醸す商品が繰り返し見出しを飾っている。

ロシア軍、ザポリージャ地域の別の入植地を解放 – 国防省

<記事原文 寺島先生推薦>
Russian forces liberate another settlement in Zaporozhye region – MOD
ロシア政府、攻撃行動の成功によりミールノエ村は確保されたと発表。
出典:RT 2024年3月17日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月21日


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© スプートニク / パベル・リシツィン 


ロシア国防省は、ロシア軍がザポリージャ地方のミールノエ村をウクライナ軍から奪還した、と発表した。

軍は日曜日(3月17日)の声明で、この入植地はボストーク(東部)部隊による「攻撃行動の成功の結果」解放された、と述べた。

英語ではpeaceful(平和な)と訳されるミールノエは、ロシアとウクライナの紛争前の人口は約500人だった。

この村はフリアイポレから南西14キロメートル、ザポリージャの南東77キロメートルに位置する。フリアイポレとザポリージャは両市とも、依然としてウクライナの支配下にある。

同省はまた、過去24時間に行なわれたベルゴロド州でのウクライナの破壊工作員や偵察部隊によるロシア領土への侵入を試みは数回あったが、全て撃退された、と述べた。

関連記事: Long-range strikes, drone warfare and border escalation: Key events of the week in Russia-Ukraine conflict (VIDEOS)

ウクライナ軍はこの1週間、ほぼ毎日この地域でロシアへの侵入を試みてきたが、攻撃はすべて阻止された。ロシア当局によれば、ウクライナ側はこの過程で1500人以上の兵士と、戦車やAPC(装甲兵員輸送車)を含む数十台の軍用車両を失った、という。

ウラジーミル・プーチン大統領は水曜日(3月13日)、国営メディアとのインタビューで、ロシア軍は最近、ウクライナ紛争の「最前線全体に沿って前進している」と述べた。

2月にロシア軍は、ロシア領ドネツク人民共和国にあるウクライナの主要拠点であるアヴディイフカを占領するいっぽう、他の場所にある多数の小規模集落も制圧した。

スコット・リッター: 我々は新生ロシアのほろ苦い誕生を目撃している

<記事原文 寺島先生推薦>
Scott Ritter: We are witnessing the bittersweet birth of a new Russia
ウクライナの怠慢と戦争の後で、ノヴォロシアを再建するのは途方もないことだが、避けては通れない仕事だ。
筆者:スコット・リッター
スコット・リッターは元米海兵隊情報将校で、『ペレストロイカの時代の軍縮: 兵器規制とソ連の終焉』の著者。ソ連ではINF条約を実施する査察官として、また、湾岸戦争ではシュワルツコフ将軍のスタッフとして、そして、1991年から1998年までは国連兵器査察官として勤務。
出典:RT 2024年3月9日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年3月16日


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ヘルソン州知事ウラジミール・サルド(右)とスコット・リッター © Scott Ritter


2月の画期的なインタビュー(10億回以上視聴された)の冒頭、プーチン大統領の即興の歴史レッスンにタッカー・カールソンが困惑して憤慨したことは、ひとつの現実を浮き彫りにした。西側の視聴者にとって、ドニエプル川左岸(東岸)の領土におけるロシアの領有権主張の歴史的正当性の問題は、現在ウクライナも領有権を主張しているが、理解し難いほど混乱している。

しかし、ウラジーミル・プーチンは、何もないところから歴史の教訓を捏造したわけではない。長年にわたってロシア大統領の演説や著作を追ってきた人なら誰でも、カールソンに対する彼の発言は、歴史的観点から見たウクライナ国家の存続可能性と、プーチンがノヴォロシヤ(新ロシア)と呼んできたものとロシア国家との間の歴史的結びつきに関する過去の発言と、口調も内容もよく似ていることに気づいただろう。

例えば、2014年3月18日、クリミア併合に関する発表の中で、大統領は、「(1917年の)ロシア革命後、ボリシェヴィキは、(神のみが知るが)、さまざまな理由から、ロシア南部の歴史的な部分をウクライナ共和国に加えた。これは住民の民族構成を全く考慮せずに行われたことであり、これらの地域は今日ウクライナの南東部を形成している。」

その後、テレビの質疑応答でプーチンは、「皇帝時代にノヴォロシアと呼ばれていたハリコフ、ルガンスク、ドネツク、ヘルソン、ニコライエフ、オデッサは、当時はウクライナの一部ではなかった。これらの領土は1920年代にソ連政府からウクライナに与えられたものだ。なぜか?それは誰にもわからない。これらの領土は、ポチョムキンとエカテリーナ大帝が一連の有名な戦争で勝ち取ったものだ。その領土の中心はノヴォロシースクだったので、この地域はノヴォロシヤと呼ばれている。ロシアはさまざまな理由でこれらの領土を失ったが、人々は残った。」

ノヴォロシヤはプーチンの想像の産物ではなく、歴史的事実から引き出された概念であり、その領土に住んでいた人々の心に響いたのだ。ソ連崩壊後、新生ウクライナの親ロシア派市民は、ノヴォロシヤを独立地域として復活させようとしたが頓挫した。

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この努力は失敗に終わったが、2014年5月、新たにドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国を宣言することによって、より大きなノヴォロシア連邦の構想が復活した。しかし、この取り組みも短命に終わり、2015年に棚上げされた。しかし、これはノヴォロシア構想の死を意味するものではなかった。2022年2月21日、プーチンは特別軍事作戦と銘打ってロシア軍のウクライナ派遣を決定する前夜、ロシア国民に向けて長い演説を行なった。タッカー・カールソンが2024年2月9日に行なったプーチンとのインタビューを見た人は、この2つのプレゼンテーションの類似性に驚いただろう。

大統領はノヴォロシヤについて直接言及はしなかったが、ロシアとウクライナの関係においてノヴォロシヤの可能性と正当性を議論する際の基礎となる、基本的な歴史的・文化的関連性を概説した。

「ウクライナは我々にとって単なる隣国ではないということをもう一度強調しておきたい。ウクライナは我々の歴史、文化、精神的空間の不可欠な一部である。私たちの友人であり、親戚であり、同僚や友人、かつての仕事仲間だけでなく、親戚や近親者でもある。最も古い時代から、古代ロシアの南西部の歴史的領土の住民は、自らをロシア人、そして正教徒と呼んできた」とプーチンは続けた。「これらの領土の一部(すなわちノヴォロシヤ)がロシア国家に再統合された17世紀も、そしてそれ以降も同じだった」。

ロシア大統領は、ウクライナの近代国家はソビエト連邦建国の父であるウラジーミル・レーニンの発明であるという主張を展開した。「ソビエト・ウクライナはボリシェヴィキの政策の結果であり、正当に『ウラジーミル・レーニンのウクライナ』と呼ぶことができる。彼はその創造者であり、設計者であった。これは公文書によって完全かつ包括的に裏付けられている。」

プーチンはさらに、現在の状況に照らし合わせると、不吉なほど先見の明があることを証明する脅しを発した。「そして今日、『感謝すべき子孫』は、ウクライナでレーニンの記念碑をひっくり返してしまった。彼らはそれを非共産主義化と呼んでいる。非共産主義化を望むのか?いいだろう。しかし、なぜ中途半端で止めるのか?我々は、ウクライナにとって本当の脱共産主義化が何を意味するかを示す用意がある」。

2022年9月、プーチンはこれを実行に移し、4つの領土(ヘルソン、ザポロージェ、そして新たに独立したドネツクとルガンスク人民共和国)で住民投票を実施し、そこに住む住民がロシア連邦への加盟を望むかどうかを決定するよう命じた。この4カ国はすべてロシア連邦に加盟した。プーチンはそれ以来これらの新しいロシア地域をノヴォロシアと言うようになった2023年6月、プーチンは「ノヴォロシヤのために、そしてロシア世界の統一のために戦い、命を捧げた」とロシア兵を称えたのには心うたれた。

ノヴォロシヤのために戦い、命を捧げた人々の物語は、私が以前から語りたかったものだ。私はここアメリカで、ロシアの軍事作戦の軍事的側面に関する極めて一方的な報道を目撃してきた。多くの同僚アナリストと同様、私は圧倒的に虚構に満ちた物語から事実を読み解くという極めて困難な作業に取り組まなければならなかった。この点で、ロシア側が現実を反映した情報の公開を控えめにしていたことも、私には何の助けにもならなかった。

2023年12月の訪露に向けて、私はロシアとウクライナの戦闘の真相を自分の目で確かめるために、新たにロシア領となった4つの地域を訪れることを望んでいた。また、ロシアの軍や民間の指導者たちにもインタビューし、紛争についてより広い視野から見たいと考えていた。私は在米ロシア大使館を通じてロシア外務省と国防省に働きかけ、アナトーリ・アントノフ大使とエフゲニー・ボブキン国防部少将に私の計画を伝えた。

しかし、4つの新領土で何が起こるかについて最終的な決定権を持つロシア国防省は、この計画を認可しなかった。この不認可は、私がロシアの視点から紛争を詳細に分析するという計画が気に入らなかったからではなく、前線の部隊や要員に継続的に接触する必要がある私の企画は危険すぎると判断されたのだ。要するに、ロシア国防省は私が自分の監視下で人が殺されることを快く思っていなかったのだ。

通常であれば、私は手を引いただろう。私はロシア政府と軋轢を生むようなことは望んでいなかったし、ロシアの客人であるという現実を常に認識していた。

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<関連記事> ウクライナ紛争に関する西側の「専門知識」は、世界を核災害へと導きかねない

私が一番望まなかったのは、純粋に個人的な理由で自分や他人を危険にさらす「戦争の旅行者」であった。しかし、ノヴォロシヤとクリミアの軍事作戦と地政学的現実について、いわゆる「専門家としての分析」を提供し続けるのであれば、これらの場所を直接見る必要があると強く感じた。私には新しい領土を見る義務があると強く信じていた。幸運なことに、クリミア出身でノヴォシビルスク地方開発公社のアレクサンドル・ジリヤノフ局長が同意してくれた。

それは簡単なことではなかった。

私たちはまず、ロストフ・オン・ドン(ロストフ・ナ・ドヌー)から西に走り、ドネツク経由で新領土に入ろうとした。しかし、検問所に着くと、国防省から入国許可が下りていないと言われた。アレクサンドルは「不認可」にもめげず、車で南下してクラスノダールに向かい、何度か電話をかけた後、クリミア橋を渡ってクリミアに入った。私たちがクリミアから新領土に入る予定であることが明らかになると、国防省は譲歩し、1つだけ譲れない条件、つまり前線には近づかないという条件で、ロシアの4つの新領土を訪問する許可をくれた。

2024年1月15日の早朝、私たちはフェオドシアを出発した。クリミア北部のヂャンコイで幹線道路18号線を北上し、トゥプ・ヂャンコイ半島とチョンガー海峡に向かった。チョンガー海峡は、クリミアと本土の境界をなすシヴァシュ潟水系を東西に分離している。1920年11月12日夜、赤軍がウランゲル将軍の白軍の防御を突破し、ソ連軍によるクリミア半島占領につながったのもここだった。また、2022年2月24日、ロシア軍がクリミアからヘルソン地方に侵入したのもここである。

チョンガー橋は、クリミアとヘルソンを結ぶ3つの幹線道路のうちの1つである。2023年6月にイギリス製のストームシャドウ・ミサイルに、そして同年8月にはフランス製のスカルプ・ミサイル(ストームシャドウの亜種)に、それぞれに攻撃された。どちらの場合も、橋は修理のために一時的に封鎖された。

スパルタ大隊は、2014年2月のマイダン・クーデターでキエフの権力を掌握したウクライナの民族主義者に対抗するドンバスの反乱の初期にまでさかのぼるベテラン部隊である。最前線には近づかないつもりだったが、ウクライナの「深部偵察グループ」(DRG)はM18幹線道路沿いの交通を標的にすることで知られていた。アレクサンドルは装甲を施したシボレー・サバーバンを運転し、スパルタ分遣隊も装甲を施したSUVを持っていた。もし私たちが攻撃を受けたら、待ち伏せしているところを車で通り抜けようとするのが私たちの対応だ。それが失敗すれば、スパルタの兵士たちが出動することになる。

最初の目的地は、アゾフ海沿いの港湾都市ジェニチェスクだった。ジェニチェスクはヘルソン州ジェニチェスク郡の州都で、ロシア軍がヘルソン市から撤退した2022年11月9日以来、同州の臨時首都として機能している。アレクサンドルは朝から電話をかけ続けていたが、その努力が実を結び、私は地元知事のウラジーミル・サルドと会うことになった。

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© RT

ジェニチェスクは文字どおり、人里離れたところにある。ノヴォアレクセーエフカの町に着くと、M18幹線道路を降り、アゾフ海に向かう2車線の道を東に向かった。沿道には武装検問所があったが、スパルタのボディーガードたちは問題なく通過させてくれた。しかし、これらの検問所の対応は冷ややかで、戦争中の地域にいることは間違いなかった。

ジェニチェスクはゴーストタウンと呼ぶのは誤解を招くかもしれない。問題は、人が少ないように見えたことだ。2004年以降、2014年2月のマイダン・クーデターで追放されたヴィクトル・ヤヌコヴィッチ前大統領の政党である「地域党」に賛成票を投じた地域をほとんど無視したウクライナ政府の手によって、この街は放置されてきたのだ。二年近く続いた戦争も同様に、社会的に無視された雰囲気を助長していた。その印象は、曇り空で寒く、水面からみぞれがぱらぱらと吹いているような天候によって倍加された。

ヘルソン州政府が仮庁舎を構える建物に入ったとき、中庭にあるレーニン像が目に入った。ウクライナの民族主義者たちが2015年7月に撤去したものだが、ジェニチェスク市民が2022年4月、ロシアが街を掌握した時点で再び設置したのだ。レーニンがウクライナを創る上で果たした役割についてプーチンが感じていることを考えると、私はこの記念碑の存在と、それを修復したジェニチェスクのロシア市民の役割の両方に、不思議な皮肉を感じた。

知事のウラジーミル・サルドは、仕事への熱意にあふれた人物である。土木技師であり、経済学の博士号を持つサルドは、「ヘルソンブド」プロジェクト建設会社で上級管理職を務めた後、政界に転じ、ヘルソン市議会議員、ヘルソン地方行政官、そしてヘルソン市長を2期務めた。サルドは地域党の党員として野党に転じ、2014年には政権を掌握したウクライナの民族主義者たちによって政界から追放された。

アレクサンドルと私は、ジェニチェスクのダウンタウンにある政府庁舎内のオフィスでサルドと会うことができた。ウクライナの建設専門家から現在のヘルソン州知事への道を含め、私たちはさまざまな問題について話した。

戦争についても話した。

しかし、サルドの情熱は経済にあり、人口が減少したヘルソンの民生経済をいかにして復活させ、その住民の利益に最も資することができるかということだった。軍事作戦前夜の2022年初頭、ヘルソン地方の人口は100万人強で、そのうち約28万人がヘルソン市に居住していた。ロシア軍がドニエプル川右岸(ヘルソン市を含む西側)から撤退した後、2022年11月までに同州の人口は40万人を下回り、経済的な見通しが立たず、人口は減少の一途をたどった。出て行った人々の多くは、ロシアの支配下で暮らすことを望まないウクライナ人だった。しかし、戦争で荒廃したこの地域に未来はないと感じたロシア人やウクライナ人もいた。

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<関連記事>フョードル・ルキヤノフ:ロシアとウクライナの紛争はどのように終結するのか?

「私の仕事は、ヘルソンの人々により良い未来への希望を与えることです。戦争が終わった時ではなく、今がその時なのです」、とサルドは私に語ってくれた。

かつては活気にあふれていたヘルソンの農業部門の復興は最優先課題であり、サルドはモスクワのスーパーマーケットにヘルソンの農産物を提供するための協定締結を自ら率先して行なっている。サルドはまた、この地域を経済特区にし、潜在的な投資家や起業家が優遇融資や金融支援を受けられるようにし、そこで開業する意欲のある企業には組織的・法的支援も行なっている。

この将来構想を実現させた責任者は、ヘルソン地域産業開発基金のミハイル・パンチェンコ理事である。私がミハイルに会ったのは、サルドが住んでいる庁舎の向かいのレストランだった。ミハイルは2022年の夏、モスクワでの地位を捨ててヘルソンにやってきた。「ロシア政府はヘルソンの再建に関心があり、この地域に企業を誘致する手段として産業開発基金を設立した」とミハイルは私に言った。1968年生まれのミハイルは、軍隊に入隊するには年を取りすぎていた。「産業開発基金を指揮する機会が訪れたとき、私は愛国的義務を果たす方法として飛びついた」。

基金の運営初年度、ミハイルは3億ルーブル(現在のレートでおよそ330万ドル)の融資と助成金を与えた(その一部は、私たちが集まっていたレストランを開店するためにも使われた)。最も大きな事業計画のひとつは、1時間に60立方メートルのコンクリートを製造できるコンクリート製造ラインの開設だった。ミハイルはアレクサンダーと私を工場の見学に連れて行ってくれた。そこでは1時間に約180立方メートルのコンクリートを生産する3つの生産ラインに成長していた。ミハイルは、1時間あたり420立方メートルのコンクリートを生産するために、4つの生産ラインを追加する資金を承認したばかりだった。

「それは、大量のコンクリートだ」、と私はミハイルに言った。

「私たちはそれを有効に活用している」と彼は答えた。「長年放置されてきた学校、病院、政府の建物を再建しているんだ。人口を増やしていくためには、社会が必要とする基本的なインフラを活性化させる必要があるんだ」。

しかし、ミハイルが直面している問題は、現在ヘルソンで起きている人口増加のほとんどが軍によるものだということだ。戦争はいつまでも続くわけではない。「いつか軍は撤退し、民間人が必要になる。今は、出て行った人たちが戻ってこないので、新しい人を呼び込むのに苦労している。しかし、戦争以外のきっかけでヘルソン地域の人口が増加する時が来ることを期待して、私たちは建設を続けていく。」そして彼は目を輝かせて言った。「そのためには、コンクリートが必要だ!」と。

ウラジーミル・サルドとパンチェンコの言葉を、私はアレクサンドルがM18幹線道路を北東、ドネツク方面へ向かって走りながら、じっくりと考えた。復興への努力には目を見張るものがある。しかし、ロシアの軍事作戦が始まって以来、戦前の人口の60%以上がヘルソン地方を離れたのだ。

ロシア中央選挙管理委員会の統計によると、2022年9月下旬に実施されたロシア加盟の是非を問う住民投票に参加した有権者は約571,000人。約87%に当たる49万7000人強が賛成票を投じ、12%に当たる6万8800人強が反対票を投じた。投票率はほぼ77%だった。

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<関連記事>セルゲイ・ポレタエフ:ロシア・ウクライナ紛争2周年が近づくにつれ、どちらが優勢か?

この数字が正確であれば、選挙時の有権者数は74万人を超えていたことになる。2022年11月にヘルソン市を失ったことは、2022年9月から私が訪問した2024年1月までの間に起こった人口減少のかなりの原因を説明することはできるが、それが全てではない。

2022年のヘルソンのロシア人人口は約20%、約20万人だった。軍事作戦の開始後、西のキエフに逃れたロシア人の数は無視できるほど少ないと言っていい。ヘルソン州のロシア人人口が比較的安定していたと仮定すれば、人口減少のほとんどはウクライナ人によるものである。

ここの知事であるサルドは認めなかったが、隣接するザポロージェ州のエフゲニー・バリツキー知事は、軍事作戦の開始後、当局が反ロシア的とみなした多くのウクライナ人家族が強制送還されたことを認めている(ロシア人は紛争前のザポロージェ州の人口の25%強を占めていた)。その他にも、戦争による困窮から逃れるためにロシアに逃れた者が大勢いた。

戦争の痕跡はいたるところに見られた。ヘルソンの紛争がドニエプル川を中心とする線に沿って安定したのに対し、ザポロージエはまさに前線地域である。実際、2023年夏のウクライナの反攻の主な攻撃方向は、ザポロージエ地方のラボティノ村からトクマクの町、そして一時的な州都メリトポリに向かうものだった(ザポロージエ市は、今日に至るまで紛争を通じてウクライナの支配下にある)。

私はラボティノ近郊の前線訪問を希望したが、ロシア国防省に拒否された。トクマク近辺に配備されている部隊を訪問したいという私の願いも同様だった。最も近いのは、ウクライナ反撃作戦の最終目的地であるメリトポリ市だった。私たちは、コンクリート製の「竜の歯」と対戦車溝で埋め尽くされた野原を通り過ぎた。その対戦車溝は、「スロビキン線」という最終防衛線を示していた。それは防衛線が設置されたとき軍隊を司令していたロシアの将軍セルゲイ・スロビキンの名を取ってつけたものだ。

ウクライナ軍は攻撃開始後、数日でメリトポリ市に到達することを望んでいたが、彼らはラボティノ南東に位置する第一防衛線を突破することはなかった。

しかし、メリトポリは戦争の惨禍を免れたわけではない。ロシアの軍事兵站を混乱させるために、ウクライナの大砲やロケット弾がたびたびここを標的にしている。メリトポリの通りを車で走り、軍の検問所やパトロール隊を通り過ぎながら、私はこのことを心に留めておいた。しかし、私が目にした一般市民は、自分たちの周りに存在する日常的な戦争の現実に気づかないかのように、自分たちの仕事をこなしていたのが印象的だった。

ヘルソンでもそうだったが、ザポロージエ地方全体が、まるで8月のフランスの首都パリをドライブしているような、街の半分が休暇で不在のような、奇妙な過疎地のようであった。私はバリツキーと人口の減少や、戦時中のこの地方の生活についての疑問について話をしたかったのだが、今回はアレクサンドルからの電話もつながらず、バリツキーはこの地方を離れていて不在だった。

もしできるなら、私は、その日早くにサルドニしたような同じ質問をバリツキーにしたかったのだ。2022年3月の和平交渉で、プーチンはヘルソンとザポロージェの両地域をウクライナに返還する意向を示したようだが、バリツキーは現在、ロシアの一部であることをどのように感じているのだろうか? 彼らはロシアが実際にそこに留まると確信しているのだろうか? プーチンが語るノヴォロシアの真の一部であると感じているのだろうか?

サルドは、2022年4月から5月(ウクライナが停戦合意から手を引いた頃)まで続いたロシア軍の占領による、モスクワ統治への移行について詳しく語っていた。「歴史的にヘルソンはロシアの一部であり、ロシア軍が到着すれば、永遠にロシア領に戻ることに、疑念は私にも他の誰にもなかった」とサルドは言う。

しかし、人口が減少し、バリツキー側が強制送還を認めたということは、実際、そのような未来に憤慨した住民がかなりいたことを示唆している。

この疑問について、バリツキーが何を語ったのか聞いてみたかった。

しかし、現実は仮定の話を扱うものではない。現在の現実は、ヘルソンもザポロージェも今日ロシア連邦の一部であり、両地域にはロシア市民としてそこに留まることを決断した人々が住んでいるということだ。ウクライナ政府が2022年3月に交渉された停戦協定を守っていたら、この2つの地域の運命がどうなっていたかはわからない。わかっているのは、今日、ヘルソンとザポロージェの両領土は「新領土」であるノヴォロシヤの一部だということだ。

ロシアはしばらくの間、ロシアの軍事占領とそれに続くヘルソン、ザポロージェ両地域のロシア連邦への吸収の正当性を疑問視する国々によって、「新領土」の獲得が争われることになるだろう。しかし、これらの地域がロシアの一部であることを外国人が認めたがらないことは、ロシアにとって小さな問題である。クリミアのときと同様、ロシア政府は国際的な反対とは無関係に分割を進めるだろう。

ロシアが直面している真の課題は、2014年にロシアに再吸収された地域であり、過去10年間で経済的な幸運と人口が増加したクリミアと同様に、新しい領土がロシアの祖国に不可欠であるとロシア人に納得させることである。ヘルソンとザポロージェの人口動態の悪化は、ロシア政府にとって、そしてヘルソンとザポロージェの両政府にとって、ある種のリトマス試験紙のようなものだ。もしこれらの地域の人口が再生できなければ、これらの地域は蔓のまま枯れてしまうだろう。しかし、もしこれらの新しいロシアの土地が、ロシア人が欠乏や恐怖のない環境で家族を養うことを思い描けるような場所に生まれ変わることができれば、ノヴォロシヤは繁栄するだろう。

ノボロシヤは現実のものであり、そこに住む人々は状況よりも選択によって市民となっている。サルドやバリツキーのような男たちは、これらの地域を名目だけでなく実際にロシア祖国の一部とするという巨大な仕事に献身している。

サルドやバリツキーの背後には、パンチェンコのような人物がいる。彼らは、モスクワや他のロシアの都市での安楽な生活を捨てて「新領土」に来たのであり、自分たちの富を求めるためではなく、むしろノヴォロシヤの新しいロシア市民の生活を向上させるために来たのである。

そのためには、ロシアがキエフに安住するウクライナの民族主義者たちや西側の同盟国との闘いに勝利しなければならない。ロシア軍の犠牲のおかげで、この勝利は達成されつつあるのだ。

そして、ノヴォロシヤをロシア人が故郷と呼びたくなるような場所に変えるという、本当の試練が始まるのだ。

プーチンは「ウクライナに対してもっと早く軍事対応をすればよかった」と後悔しているが、ウラジミール、申し訳ないが僕はそう忠告していたよ

<記事原文 寺島先生推薦>
Putin Regrets Not Acting Sooner in Ukraine… Sorry to Say, But I Told You
筆者:フィニアン・カニンガム(Finian Cunningham)
出典:ストラテジック・カルチャー(Strategic Culture) 2024年2月19日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月5日


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© Photo: SCF


ロシアは、ウクライナ代理戦争において、米国が主導するNATO枢軸諸国に勝利するだろう。しかしプーチンがもっと早く動いていたら、この勝利はもっと早くに訪れ、血をみることも少なくなっていたはずだ。

先日のロシア報道機関とのインタビューで、ウラジミール・プーチン大統領は興味深い発言をした。それは、ウクライナでの特別軍事作戦を発令するようもっと早く動かなかったことを「後悔している」というものだった。

概して、このインタビューにおいてプーチンは、米国が主導するNATOによる代理戦争において勝利を収めるという見通しに自信を示していた。この紛争はロシア軍が2022年2月24日ウクライナの地に兵を進めてから今週で2年になる。

独立系アナリストや西側報道機関でさえ、NATOが支援するウクライナ政権が、優れたロシア軍によって敗北の瀬戸際に立たされていることを認めている。先日、戦略的に重要な都市アブデーフカが陥落したが、このことはウクライナ政権の最後の崩壊の前触れとなった。

ロシアはかつてウクライナ領だった東部と南部の約2割の領域を支配下に置いている。この領域に含まれるのは、ドンバス地域とクリミアであるが、これらの地域はいまは法的にロシア連邦の一部となった。

しかし、プーチンはこのインタビューで、ロシア軍に対してウクライナ体制への対決をもっと早い段階で命じるべきだった、と率直に語っている。

ロシアの通信社であるタス通信は、プーチンは以下のような発言をした、と報じた。「後悔すべき唯一の点は、この作戦をもっと早く始めなかったことです。そうしなかった理由は、我が国が交渉している相手がまともだ、と思っていたからです」と。

以前「東ウクライナ」と呼ばれた地域に住んでいるロシア人を守り、NATOが支援するウクライナ政権の非ナチ化を進めるために、いつの時点で、ロシアが特別軍事作戦を起こすべきだったかについてプーチンは明言しなかった。

プーチンは2014年と2015年に独・仏・露間で交わされたミンスク合意について触れた。

プーチンはこうも述べた。「あとになって、我が国が騙されていたことが分かったのです。ドイツの元首相(アンゲラ・メルケル)もフランスの元大統領(フランソワ・オランド)も、この合意に従うつもりはなかったことをはっきり公言しています。本当の意図は、時間稼ぎをすることで、より多くの武器をウクライナ政権に運び込むことにありました。そして実際そうしたのです」と。

2014年5月初旬、私は以下のような見出しの記事を書いた。「プーチンはウクライナに軍を派遣すべきだ」と。

当時はとんでもない発言だと思われたかもしれないが、その後の10年間の経過をみれば、私が言っていたことが正しかったことが証明された。

この記事の初出は2014年5月4日ごろで、イランの通信社プレスTVに書いたものだった。当時私はその通信社に定期的に論説を書いていた。(その後、米国による制裁のせいで私はそこでの仕事を失うことになったのだが)。ただし、私がプレスTV通信社に書いたその記事へのリンクが、インターネット上で広く拡散されたようだ。幸運にも、当時その記事は他のサイトでも共有されていたのだ。例えば「ポール・クレイグ・ロバーツ」氏のブログなどだ。ロバーツさんは深く尊敬されている米国人作家であり、知識豊富な専門家である。かつてロナルド・レーガン大統領政権時に財務次官補を務めたこともある人物だ。

私は、5月2日のオデッサでの大虐殺事件について論説を書いた。そこでは40人以上の市民が殺害された。これらの市民はNATOが支援するネオナチ政権に抗議していた。この政権は2014年2月に、CIAが資金を出し、選挙で選ばれた親露大統領に対するクーデターを起こし、政権を掌握した政権だった。反ファシスト抗議者らは、同市の労働会館に避難していたが、そこに親ウクライナ政権勢力が火を付けたのだ。この記事でさらに強調していたのは、当時のCIAジョン・ブレナン長官が、その数ヶ月前と2014年の4月、クーデターの2ヶ月後にキエフを訪問した事実だった。そのことが、現在のネオナチ勢力が政権を握ることにつながったのだ。CIAは、クーデター後、ウクライナ政権によるいわゆる「対テロ作戦」を主導した。NATOが武装させ、訓練を施したこの政権のネオナチ民兵らはドンバス地方のロシア人に攻撃を加え始めた。これらのロシア人たちはキエフでの不法な政権奪取に反対していた。明らかにNATOが仕掛けた内戦により、1万4000人ほどが亡くなり、百万人以上が住居を追われるところまでその内戦は続けられた。

2014年から2022年まで8年間続いた、ドンバスの人々に対する内戦と侵略行為を受け、最終的にプーチンがロシア軍に軍事介入を命じたのは、その二年後だった。

もちろん、西側諸国政府や西側報道機関は、歴史を書き換え、プーチンとロシアによる何の理由もない「侵略」であり、ウクライナ国家の主権をおかし、他の欧州諸国を恐怖に陥れたとして、中傷した。

プーチンが上記の先日のインタビューで述べたとおり、プーチンが軍事侵攻を送らせた主な理由は、ロシア側が独・仏およびその他の欧州諸国にだまされていたことだった。ロシアの指導者である彼は、「ミンスク合意にもとづいてウクライナでの戦争を外交的に解決する」という西側のことばを信じていたのだ。

筆者の手による先述の記事が出されたのは、ミンスク合意が締結される前のことだった。以下はその記事からの抜粋だ。

「現代の状況(2014年5月のウクライナの状況)は、2008年の南オセチアにおける米国が主導した秘密工作と似ている。当時、NATOが支援するグルジア軍は、親露派である南オセチアを弱体化しようとしていた。ロシアは断固としてこれに対抗し、軍を派遣し、NATOの書いた筋書きを粉砕した。と同時米国もしりぞけた。」

「米国は、またぞろロシアを標的にしている。(ウクライナにおいて)ロシアの転覆をねらい、ウソをつき、殺し、脅している。しかしこんなものはでまかせであり、プーチンはこの動きを即座にはねつけるべきだ。現状は非常に深刻なので、西側の繰り出す本気ではない遊びにつきあっていてはいけない。ファシスト民兵や政治家の顔をしたならず者たちのせいで、ウクライナの人々の命が真の危機にさらされている。これらの民兵やならず者を、米国政府はウクライナ政府内部に据え付け、米国政府は、今、その勢力を煽りに煽っている。(オデッサでの)今週末の事件は、危機が差し迫っていることを示す悲劇的な証言となっている。」

私がこの記事の中で、プーチン大統領に迫ったのは、ウクライナに軍を派遣して戦争のさらなる拡大を防ぐことだった。この記事で伝えたかった主張は、(止めるものがなければ)NATOの勢力は暴力的傾向を強め、ロシアにとって脅威になる、というものだった。

この記事を書いている時点で、NATOが支援するウクライナのファシスト勢力により殺害された人々の数は、2014年2月のクーデター後で100人程度だった。2014年から2022年までに、この攻撃は激化し、死者数は1万4千人にふくれあがった。ロシアによるウクライナでの特別軍事作戦開始から2年経って、死者総数はウクライナ軍側では少なくとも50万人にまで膨れあがっており、ロシア側の死者数は不明だ。戦前はロシア連邦であった地域に向かってキエフ政権が発射したNATOの長距離兵器によってたくさんのロシア市民も亡くなっている。さらに、NATOはますます深くこの代理戦争に関わってきており、ロシアにとっての直接の敵対勢力になりつつある。

ロシアが国益を守るためにもっと早く動いていたなら、この戦争による悲劇はもっと抑えられたものになっていただろう。プーチン大統領自身が、もっと早く対応しなかったことに後悔の念を表明している。

プーチン大統領が10年前に私が書いた記事を読んだとは思えない。しかしあの時、NATO軍がウクライナ内で確実な脅威となる前に動いて、NATO軍と相対することを先延ばしていなければ、プーチンはその後起こってしまった破壊や死の大半を回避することができただろう。

これは後知恵で言っているわけではない。さかのぼること2014年には、既に警告音があきらかに発せられていたのだ。ロシアはもっと早く介入すべきだったのだ。今になってプーチンが認めているとおり。

最後にロシアは、ウクライナ代理戦争において、米国が主導するNATO枢軸諸国に勝利するだろう。しかしプーチンがもっと早く動いておれば、この勝利はもっと早くに訪れ、血をみることも少なくなっていたはずだ。

いずれにせよ、少なくとも建設的な学びのひとつは得られた。それは、米国とその手下であるNATOは全く信頼に値しない、という教訓だ。ロシアは常に断固たる態度をとり、ロシアの国益を守り、西側との関係を結んでいかなければならない。その際念頭に置くべきことは、西側というのは生来の裏切り者であり、邪悪な意図を持ち、完全に信用ならない勢力である、という点だ。

ゼレンスキーの末路は近い? 米国はウクライナ戦争の戦後を模索中

<記事原文 寺島先生推薦>
The U.S. Is Planning for the Aftermath of Ukraine War
筆者:ソニア・バン・デン・エンデ(Sonja van den Ende)
出典:Strategic Culture 2024年2月20日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月4日


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ランド研究所によると、アメリカ合衆国には二つの見通しがあるという。一つは、あまり都合のよくない「戦後」でもうひとつは、より都合の良い「戦後」。

米国の政策立案組織である著名なシンクタンクが先日、いわゆるウクライナ戦争の戦後に関する長い報告書を出した。

米国政府とそのNATO同盟諸国が認めなければならないことは、米国が欧州の衛星諸国と共にまたぞろ代理戦争に負けつつある、という事実だ。かつて、アフガニスタン(20年以上もの戦争のあと、まさに第2のベトナム戦争だった)で負け、最近ではシリアとイラクで負け、今度はウクライナ、だ。

欧州のいわゆる「ロシア専門家ら」でさえ、ウクライナが負けつつあることを認めている。

「今年、ウクライナがこの戦争に負ける可能性を排除していません。欧州はロシア軍を見誤ってきました」といわゆる「ロシア専門家」であるベルギーのヨリス・バン・ブレイド氏がベルギーのデ・スタンダード紙の取材に答えた。

ロシアが再び主導権を有しており、ロシア側はこの戦争をやめるつもりはない、と同氏は考えている。「私たちは、欧州をより安全にする歴史的な機会を見過ごしてしまいました」と。

ランド研究所の報告書によると、現在二つの見通しが可能だという。すなわち、いわゆる「厳しい戦後」か「柔和な戦後」か、だ。もちろん、米国は柔和な戦後を迎えるほうを望んでいる。そうなれば、操作を加えたり、クーデターをしかけたり、ロシアのバルカン半島化(分裂ということ)を画策する余地が残されるからだ。ちょうど、ユーゴスラビアで見せたような形で、だ。ランド研究所によると、欧州駐留の米軍の数は2022年2月のロシアによる特別軍事作戦開始以来、10万人に増加している、という。

米国はドイツからリトアニアに攻撃機を移動させ、パトリオット防空設備をドイツからスロバキアとポーランドに移動させ、F-15 戦術戦闘機を英国からポーランドに移動させた。加えて、欧州諸国はルーマニアにF16 戦闘機を送ることになっていることを、先日オランダ当局がほのめかした。これらのF-16戦闘機はロシアの諸都市を攻撃することが可能だ。米国側はこのような戦闘機の配置を戦時緊急時のものであると特徴付け、ウクライナを超えてロシアが侵略の手を拡げ、欧州の米国同盟諸国にまで攻撃を加えることを阻止するためだ、としている。

欧州諸国の指導者層は、ほとんど冷静さを欠く態度を見せ、ロシアは欧州に侵略するつもりであり、手始めにモルドバやバルト諸国、ポーランドが攻められると公言している。オランダやドイツ、フランスは、自国民にロシアが攻めてくる心づもりをしておくよう警告している。先日NATO入りしたスウェーデンもそうだ。

人々は自国の政治家たちが繰り出す妄言により怖がらせられている。徴兵制度が復活されるにちがいない。ドイツは移民者(軍役が可能な約150万人)を徴兵し、これらの移民者にパスポート所得させる準備さえできている。

欧州諸国の指導者層がさらに懸念しているのは、米国の大統領選挙の結果だ。それは、共和党大統領候補であるドナルド・トランプ氏が、NATOをなくし、欧州諸国は自衛するべきだという旨の発言をしているからだ。米国に欧州諸国が見捨てられないかを懸念しているのだ。

先日ブリュッセルで開かれたNATOの会議において、戦争に関する多くの主張がなされた。「私たちが住んでいる時代というのは、想定外のことを想定しなければならない時代です」とオランダのロブ・バウアーNATO軍事委員長が述べた。いっぽうデンマークとドイツの防衛大臣はこの先5年以内のロシアとの戦争勃発について警告した。

米国や欧州の指導者層は、ここ数年、強硬路線が展開されるだろうと見ている。これらの指導者層がその代弁者である企業支配下の報道機関を通じて公言しているのは、ロシアがますます「危機に対してなにもしない」状況になりつつある、という点だ。それゆえ予想される方向性は、強硬路線によりNATOの軍事能力が向上され、ロシアの侵略とされるものを阻止する、というものだ。

ちょうどドイツのバイエルン州で開催されたタカ派の会議であるミュンヘン安全保障会議の年会義が開かれる時期だ。この会議は、プーチン大統領が2007年の会議での有名な演説の中で警告を発した会議だ。そのなかでプーチン大統領が明言したのは、近い将来、単極的世界は終わり、多極化世界が出現する、というものだった。プーチン大統領のこの予測に対して、西側諸国の指導者らから嫌悪の声があがっていた。

ミュンヘン安全保障会議の今年の議題が活発化した理由は、トランプがNATOを弱体化させようとしているという推測によるものだった。欧州のいくつかの国の政治家らからの米国からの支援を求める声が切実さを増した。これらの政治家たちは、ウクライナは武器や弾薬が不足していることを、公言している。戦場によっては、ロシアの戦力が5倍、優れている場合もある。加えて、米国のウクライナに対する600億ドル相当の軍事支援予算案は、先週上院で承認されたが、共和党が多数を占める下院では否決される可能性もある。実際、いまのところそうなるとみられている。

そうなれば、欧州にはその格差を埋める力はない。したがって、米国と西側諸国の代理戦争をさせられているウクライナは敗北するだろう。

ウクライナのウラジミール・ゼレンスキー大統領の出席に加えて、欧州諸国の指導者や圧力団体は、ミュンヘン安全保障会議の場を利用して、ウクライナを支援するよう(金銭を使って)米国の共和党上院議員らや代表者らに圧力をかけている。米国外でこれほど多くの米国政治家が一同に会するのは、今年のミュンヘン安全保障会議の場以外ではないだろう。

ゼレンスキー大統領が会議に出席したことは、事前に予想されていたことだったが、正式に明言されてはいなかった。

昨年、ゼレンスキー大統領は、動画によるあいさつという形で、西側諸国の政治家や専門家らの安全保障政策に関するこの会議の冒頭を飾った。今回、同大統領は、この会議に直接参加するのは、ほぼ2年前のロシアによる特別軍事作戦開始以来、初めてのことになる。同大統領が恐れているのは、自分の地位を守れるかということと、米国やEU/NATOのための代理戦争に敗北しつつあるという事実だ。

ウクライナの役者出の大統領、ゼレンスキーは、この先も欧州からの支援を確実にえられることをのどから手が出るくらい望んでいるのだ。

米国のカマラ・ハリス副大統領が、ジョー・バイデン大統領に代わりミュンヘン安全保障会議に出席することになっている。西側報道機関で駆け巡っているうわさによると、バイデン大統領の認知能力がさらに悪化しており、来ることができないからだ、という。バイデン大統領が11月の大統領選に勝てば、ハリス副大統領が、次の大統領になるのだろうか? それはバイデン大統領二期目在任中、引退が避けられなくなる事態が考えられるからだ。それが、今回ハリス副大統領がバイデン大統領に代わって出席する理由だろう。

プーチン大統領が語ったとおり、次期米国大統領選では、トランプよりもバイデンにかって欲しいと思っている。それは、外交面から考えて、バイデンは、「古典的」政治家であるため、バイデン・ハリスのもとでの民主党政権の方が、理解しやすく、何をしてくるか予想しやすいからだ。トランプは、予想がつきにくく先が見えにくい。

つまりこういうことだ。西側諸国の覇権は瓦解しつつある。「西側連合」は戦争に敗れつつある。西側の権威と経済は負の連鎖におちいっている。特別軍事作戦開始以前からそうだったのだ。

西側諸国を影で操る政治家や支配者層で組織される世界経済フォーラム(WEF)などの反世界的組織(たいてい西側起源のものだが)は、単極世界の喪失という歴史的な損失の埋め合わせのために、あらたな体制を求めている。それが脱化石燃料である。一見気候変動に対応するためのように見えるが、実際は豊富な石油やガス資源を基盤にもつロシア経済を破壊させることにより、ロシアの弱化と孤立化を狙ったものだ。

その実の姿は米国の「家臣」にすぎない、欧州のいわゆる指導者たちは、新たな冷戦をつくりだそうという米国の企みに盲従してしまっている。その冷戦が熱戦に変わってしまう可能性もあるのに、だ。外交努力での解決をはからずに、これらの指導者たちは戦争への道を選んでしまっている。こんな方向性は、(西側主導の)国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」と相容れない。このアジェンダを、西側諸国はグローバル・サウスに押しつけてきたのに、だ。さらにこのアジェンダには、我々は全ての人々の平和と繁栄の実現を希求しなければならない、とある。つまり、これもまたグローバル・ウエストによるウソなのだ。「ウソでかためられた帝国」といっていいだろう。そしていま、西側は自分でついたウソに沈み込まされているのだ。

ロシア軍が「Победа(パべーダ:意味は勝利)」を解放

<記事原文 寺島先生推薦>
Russian troops liberate ‘Victory’
モスクワ軍はパベーダの入植地を解放し、その地域のいくつかのウクライナ軍部隊も撃退
出典:RT 2024年2月22日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月1日


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ロシア、ドネツク人民共和国、アブデーフカのロシア兵。© スタニスラフ・クラシルニコフ; RIAノーボスチ


木曜日(2月22日)に国防省が発表した戦場最新情報によると、ロシア軍はドネツク人民共和国(DPR)の首都近くにある入植地のパベーダを解放した。

Победа(パベーダ:「勝利」という意味)を占領したことに加えて、ロシア軍はドネツクの前線沿いの陣地も前進させ、ドネツクから数キロ離れたノヴォミハイロフカ村とクラスノゴロフカ村近くのウクライナ軍編隊を破った、と同省は述べた。

報告書によると、この戦闘によりウクライナは多大な死傷者を出し、ウクライナ側は410人以上の軍人を失ったほか、西側諸国が供給した兵器を含むさまざまな軍事装備品も失った、とのことだ。

ロシア軍はまた、114の地域で米国製パトリオット対空ミサイルシステムの発射装置と輸送積載車両、その他のウクライナ軍装備品と人員を破壊した、と発表した。

先週、ロシア側は、紛争の初期段階からウクライナ側にとって極めて重要な要塞として機能してきたドンバスの重要拠点アブデーフカの占領を発表した。

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関連記事:Avdeevka chemical plant captured – MOD (VIDEOS)

ロシア軍からの数カ月にわたる計り知れない圧力の後、ウクライナ軍は金曜日(2月16日)、軍隊に町からの撤退を命令し、撤退は多大な死傷者を避けるためだった、と説明した。

しかし、ロシア国防省は、正式な命令が出る前日にウクライナ軍が逃走を開始した、と発表した。同省は、ウクライナ軍人の大規模な集団が重機を残したまま徒歩で町から逃走する様子を映したとされるドローン映像を提示した。

ロシア側は、ウクライナ側が撤退中に1500人以上の兵士を失い、負傷した兵士、軍事装備品、装備を放棄した、と推定している。

ウクライナ紛争に対する楽観論は「時期尚早」または「妄想」だった – ニューヨーク・タイムズ

<記事原文 寺島先生推薦>
Optimism on Ukraine conflict was ‘premature’ or ‘delusional’ – NYT
ウクライナが勝利寸前だという西側の憶測は「絶望と危険回避」に取って代わられた、との報道
出典:RT 2024年2月19日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月1日


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先週、ロシア軍が同市に進軍する中、アブデーフカ郊外に立つウクライナ兵士たち。ヴラダ・リベロワ/ゲッティイメージズ


報道によると、ロシア軍が戦場で戦果を上げ、米国のウクライナ支援継続に対する疑念が高まる中、ウクライナを支援する西側諸国の感情はこの1年で 、楽観的で希望に満ちたものから「不安で行き詰まった」ものに変わったという。

ニューヨーク・タイムズ紙は月曜(2月19日)、西側諸国の態度の変節が明らかに見られたのは、ウクライナの指導者とその支援者らが週末にミュンヘン安全保障会議に集まった際である、と報じた。参加者は、2023年2月に同じ催しを開催した際には「予想していなかった対立」があった、と述べた。

同紙は、「今回の陰気な雰囲気は、ほんの一年前とはまったく対照的だった。参加者の多くは同じ顔ぶれの、情報機関長官や外交官、寡頭政治家や分析家でしたが、当時はみな、ロシアはウクライナで戦略的敗北の瀬戸際にあるのではないか、と考えていた。今回は、2022年2月24日の侵攻前に存在した国境にロシア人を追い返すのに何ヶ月かかるのか、という話も出た」と報じた。

「当時の楽観主義は、良く言えば時期尚早、悪く言えば妄想的であったようです。」

今年のミュンヘンでのこの集会は、ロシア軍がドネツク近郊の住宅地を砲撃するためにキエフ軍が10年近く使用していたドンバスの重要な拠点であるアブデーフカを解放した時期に開催された。この激戦の勝利を背景に、西側報道機関はロシアが開発中だとされる対衛星核兵器に関する懸念を報じていた。

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関連記事:‘Wind is blowing against the West’ – Borrell

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の「敵対者への反撃」能力に対する不安が増大し、ウクライナ最大の武器と現金の供給国である米国が欧州の同盟諸国を見捨てるのではないかとの懸念がさらに増幅した、とニューヨーク・タイムズ紙は伝えた。米下院共和党はこれまでのところ、ジョー・バイデン大統領によるウクライナへの600億ドルの追加支援要請の承認を拒否している。今年の大統領選挙でバイデン氏の対抗馬となる可能性が高いドナルド・トランプ氏は、ウクライナを交渉の座につかせることで紛争を終わらせるよう主張した。

「ミュンヘン安全保障会議の会議時間は1時間にも満たず、会議では、議会がウクライナへの新たな武器の資金提供方法を見つけられないのかどうかや、もしその方法が見つからなかった場合、ウクライナがどのくらい持ちこたえることができるのかという問題には会話が及ばなかった。そして、ドナルド・トランプの名前が言及されることはめったになかったが、彼がNATOから脱退するという脅しを実行するかどうかという見通しが、対話の大部分に影響を及ぼした」とニューヨーク・タイムズ紙が報じた。

関連記事:US and allies trying to avoid Ukrainian military collapse – Politico

西側諸国がすでにロシアに対して「利用可能なほぼすべての制裁」を課していることを考えると、西側諸国政府が何ができるかについてはほとんど議論されなかった、と同紙は報じた。ウクライナのドミトリー・クレバ外務大臣は、ウクライナの西側同盟諸国が十分な速さで武器を生産できていないことを嘆き、「2024年、我が国は国民の命を犠牲にすることで、防衛産業に生産を拡大する時間を与えることになります」と述べた。

「ノルド・ストリーム3」作戦とロシアによるアブデーフカ制圧

<記事原文 寺島先生推薦>
Nord Stream Three” and the Russian capture of Avdeevka
出典:ギルバート・ドクトロー氏の個人ブログ 2024年2月20日
筆者:ギルバート・ドクトロー(gilbert doctorow)
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月24日


ここ数週間ずっと私が文句を言っていたのは、ロシア国営放送ヴェスティ局のニュース番組が、決まりきった内容しか流してこなかったことだ。初めに概説もなしに前線の戦況映像を流し、それからウクライナによる砲撃のもとで惨めな生活を送らされているドンバスの人々について取り上げる。世界のニュースはおおむねすべて無視した放送内容だった。

しかし今晩、ゴールデン・タイムの8時の放送は、これまでとは全く異なる内容だった。はじめに流されたのは、現代で最も大胆な軍事作戦のひとつを成し遂げたばかりの人々へのインタビューだった。その作戦とは、いわゆる「ノルド・ストリーム3」だ。この件にいては、あとで触れよう。この軍事作戦こそ、ウクライナが突然ここ数週間で、アブデーフカ(ドネツク州)を失った理由の説明のたすけになろう。それからこのニュース番組は、この日の午前中に、セルゲイ・ショイグ国防大臣がウラジーミル・プーチン大統領に対しておこなった報告の動画から長い抜粋を流した。この動画には、多くの話題が載せられており、世界各国の諜報機関により詳しく調査されるべき内容だった。当然のことながら、なぜCIAのみがこのことを知っているかに対して疑念を持った。この機会を通して、私が見聞きしたことを皆さんと共有したい。この件に関する情報を私は急いで集めたので、以下に示す記載の中の数字がすべて完全に正しいとは言い難いが、速度と正確さとのせめぎ合いのなかで、今夜、私はあえて情報を伝える速度の方に重きを置く。

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以前私が書いたロシアによるアブデーフカ制圧に関する記事の中で、私が繰り返し強調したのは、砲弾の量において、ロシア側が優位である、ということだった。そして、そのことについては、西側報道機関による報道で見聞きすることになるだろう、とも書いた。 しかし、もう一つ今回の勝利についての重要な側面がある。それは、人並み外れた勇敢さと機知だ。

西側報道機関を耳にしている人ならば誰でも、ウクライナ兵たちの人並みはずれた勇敢さについては、繰り返し耳にしてきたことだろう。その推測は確かに正しい。しかし全く皆さんが耳にしたことがないのは、ロシア兵や軍人たちが信じられないくらい勇敢であることだ。非常に戦意も高く、何のために戦っているかもしっかりとわかっていて、どんな犠牲を払ってでも、自国の利益を守る覚悟ができている兵たちだ。この週末におこった「ノルド・ストリーム3」という冒険は、そのことを完全に示した。さらに、この冒険は、頭脳戦がしっかりと機能して、肉体戦を補完していることをも示すものだった。

この冒険とは、アブデーフカ郊外の陣地から敵陣の真下を通って市街地へと続く、直径1.2~1.5メートル、長さ3キロメートルのパイプを、ロシア軍の旅団全員が通過したことを指している。彼らは、この通路を人知れず、疑われることなく管理し、パイプ・トンネルから出たときには、近くにいたウクライナ軍を圧倒し、19の建物を占領し、そこから戦い続けた。パイプを導管とすることからこの作戦は「ノルド・ストリーム3」と呼ばれているが、その原理は純粋な「トロイの木馬」戦術だった。

ヴェスティ局のインタビューに答えた兵士が主張したように、この作戦は素晴らしい映画になる素質がある。モスフィルム社の製作者の何人かが、この話を取り上げるに違いない。

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プーチン大統領への報告の中で、ショイグ国防大臣は、「アブデーフカの降伏は秩序だった戦略的撤退であった」というウクライナ側の主張は真っ赤な嘘である、と述べた。これはロシア語でいうбегство(逃走)、つまり、ウクライナ軍が装甲兵員輸送車やその他の軍事装備はもちろんのこと、手持ちの武器も置き去りにした無秩序な逃走だった。多くの負傷者も置き去りにした。ショイグ国防大臣は、ウクライナ軍は2月17日と18日の2日間で、アブデーフカで2300人を失った、と推定している。

アブデーフカ自体については、ウクライナ側は、鉄筋コンクリートや防衛線を多用し、ウクライナで最も強固な防衛拠点のひとつとなるよう、9年の歳月をかけて建設と再建を繰り返してきた、と同国防大臣は述べた。

ショイグ国防大臣はさらに、春から夏にかけてのウクライナによる反攻作戦に関する最新の情報機関の結論について語った。いまになってはっきりとした事実は、反攻作戦はすべて米国が計画し、指揮したものであり、米国はNATOの教官を使ってウクライナ人にNATOの軍事教義と技術を植え付けた。その結果、ウクライナは13万人の兵士の死傷者を出す大惨事となった。この体験は、米国とNATOの同盟諸国に衝撃を与えた。軍事教義や技術、ハードウェアのすべてがロシア軍に圧倒され、破壊されたのだ!

ショイグ国防大臣はまた、ドニエプル川東岸(左岸)のクリンキ地区(ヘルソン州)に橋頭堡を築こうとウクライナが繰り返した努力の惨憺たる結果についても報告した。この作戦が絶望的であったため、同じ上陸部隊が何度も繰り返し送り込まれたが、ロシア軍に補給を断たれ、壊滅的な打撃を受けたと説明した。この地域一帯は現在、完全にロシア連邦の支配下にある。

プーチン大統領は、ロシアが地球周回軌道上に核兵器を設置する計画を進めているとの疑惑について、米国政府から上がっている最近の喧伝に話題を移した。プーチン大統領は、これを否定し、こんな話は想像でしかない、と述べた。「我が国はそのような兵器もそのような計画も持っていません」と。プーチン大統領は、このような警鐘を鳴らすのは、米国国会議員を脅して、要求されているウクライナへの新たな予算を可決させるためだ、と考えている。一方、米国政府は、ロシアが開発・配備を進めている、真に脅威的な最先端戦略兵器システムについては何も言わない。具体的には、水中核武装ドローン「ポセイドン」や「サルマット」や「ブレヴェストニク」といったICBM(大陸間弾道ミサイル)など、西側諸国には同等のものがなく、既存の防衛設備や計画されている防衛設備をすべて克服でき、ロシアの真の抑止力を構成する武器についてである。

最後に、プーチン大統領は、最近の自身の発言を繰り返し、ロシアは原則的な問題として、いつでも戦略的軍備制限協議に参加する用意があるが、その協議はすべての要因を考慮しなければならないものだ、と述べた。現在受け入れられない要因は、米国が公然と戦場でロシアに戦略的敗北を負わせようとしていることだ。プーチン大統領が警戒しているのは、米国とその同盟諸国による、同大統領が言うところの終わりの見えない試みだ。その試みの目的は、すべての交渉で自分たちに有利な一方的な解決策を押し付けようとすることにある。

ロシア、アブデーフカで最大1000人のウクライナ人捕虜を捕獲 – NYT

<記事原文 寺島先生推薦>
Russia captured up to 1,000 Ukrainian POWs in Avdeevka – NYT
同紙は、キエフ軍による撤退の「混沌とした」状況がこの高い数字に寄与した、と主張
出典:RT 2024年2月21日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月24日


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2024年2月17日、ドネツク州のアブデーフカ近くに要塞を建設するウクライナ軍人。© AFP / Anatolii STEPANOV/AFP

ニューヨーク・タイムズ紙は、ウクライナと西側の匿名の情報筋の話として、ウクライナ側の先週末のアブデーフカからの混乱した撤退中に、ロシア軍が最大1000人のウクライナ軍を捕らえた可能性がある、と報じた。同紙は、ドンバスにある旧ウクライナ軍の拠点であるアブデーフカからの撤退はウクライナ側にとって「壊滅的な損失」であり、「既に低下していた士気へのさらなる打撃となる可能性がある」と述べた。

金曜日(2月16日)、ウクライナ軍最高司令官に新たに任命されたアレクサンドル・シルスキー将軍は、ウクライナ軍がドネツク郊外から10キロ以内に位置する戦略上重要なこの町から撤退したことを明らかにした。翌日、ロシア国防省はアブデーフカの占領を確認し、その過程でキエフ軍に多大な死傷者が出たと主張した。

ニューヨーク・タイムズ紙は火曜日(2月20日)に、匿名のウクライナ軍人2人の話として、捕虜と行方不明兵士の数は850人から1000人の間であると報じた。同紙は、匿名の西側当局者はこの範囲が正確であると認めた、と主張した。

米国当局者らはアブデーフカの喪失がウクライナにとって戦略的に重要であるとは考えていないとみているが、ニューヨーク・タイムズ紙は「数百人の兵士、特に戦場経験のある兵士が捕虜になったこと」は深刻な問題を引き起こす可能性がある、と報じた。同紙は、ウクライナ軍は何ヶ月も人員不足に悩まされており、ウクライナ側の夏の反転攻勢が失敗したことで既に兵員確保が困難になっている、と指摘した。

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関連記事:Optimism on Ukraine conflict was ‘premature’ or ‘delusional’ – NYT

匿名のウクライナ兵士らは、捕虜の数が明らかに多い原因は計画の甘さにある、と非難した。キエフ軍もまた、先週のモスクワ軍の進軍のあまりの速さに驚いており、ウクライナの精鋭部隊による進軍を遅らせようとする試みも効果がなかったとニューヨーク・タイムズ紙は報じた。

記事によると、異なる無線機器を使用しているウクライナ軍部隊間の通信不良が要因となった可能性があるという。

土曜日(2月17日)、この地域で活動するウクライナ軍の司令官アレクサンドル・タルナフスキー将軍は、撤退は計画どおりに進んだ、と主張した。しかし、同将軍は「ウクライナ軍人の中には捕虜になった人もいる」ことは認めたが、その数は明らかにしなかった。同将軍のドミトリー・リホヴィ報道官は、数百人のウクライナ人捕虜に関する報道を否定し、誤報であるとした。

関連記事:Victory in Avdeevka: How Russia forced Ukraine to retreat from the most fortified city in Donbass

火曜日(2月20日)のロシアのウラジーミル・プーチン大統領との会談で、セルゲイ・ショイグ国防大臣は、アブデーフカはロシア軍の損失を最小限に抑えたなかで占領した、と述べた。同大臣は、ウクライナ軍が退却中に相当数の負傷兵のほか、軍の装備品や装備品を残していった、と主張した。

ドンバスの主要都市アブデーフカが解放される ― モスクワ

<記事原文 寺島先生推薦>
Key Donbass city of Avdeevka liberated – Moscow
ウクライナ軍が敗走する中、ロシア兵が最後の抵抗勢力を掃討している。
出典:RT 2024年2月17日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月21日


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© Kostiantyn Liberov / Getty Images


ロシア国防省は土曜日(2月17日)、ロシア軍がアブデーフカ市を「完全に占領した」と発表した。同省によると、ウクライナ軍約1500人が、武器や装備を残して退却する際に死亡したという。

この占領により、前線はドネツク市からさらに遠ざかり、ウクライナ軍の砲撃から市民を守ることができる。約20km離れたアブデーフカは、2014年以来、要塞化され、このような攻撃の中継地点として使用されていた。

「ロシア軍の継続的な砲撃の下で、ウクライナ武装勢力の散らばった個々の隊列だけが街から脱出することができた」、そして、街が解放されるまでの24時間でキエフは1,500人の兵士を失ったと同省は述べた。逃走した兵士たちは武器や装備を残して逃走した、と同省は付け加えた。

国防省は、「武装勢力を完全に排除するための措置がとられている」とし、ロシア軍は近々、市郊外のコークス工場に立てこもるウクライナ軍を阻止するために動くだろうと付け加えた。

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関連記事:ゼレンスキーがアブデーフカ撤退を説明

ウクライナのウラジミール・ゼレンスキー大統領は、新司令官を任命した後、欧米で訓練された精鋭部隊をアブデーフカに急派したが、同市の保持に失敗し、土曜日(2月17日)に撤退命令が出されたことを認めた。堡塁(ほうるい)がロシアの「中央」部隊にほぼ完全に包囲されているため、ゼレンスキー大統領はこの命令を「絶対に当然のことだ」と述べた。

ロシア軍は、アブデーフカの占領後、「ドネツク人民共和国をウクライナの民族主義者からさらに解放する」ために攻勢を続ける、と同省の声明は結んでいる。

ウラジーミル・プーチン大統領は、アブデーフカでの戦闘に参加したすべてのロシア軍部隊を賞賛し、その解放は大きな成功であり、重要な勝利であると、土曜日の夜、ロシアの「中央」部隊の司令官であるアンドレイ・モルドヴィチェフ大佐に電報で伝えた。

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関連記事:バイデン氏、アブデーフカ陥落の原因を共和党になすりつける

「アブデーフカでの戦闘に参加した、あなた方が率いるすべての部隊に感謝の意を表します」とロシアの指導者は書き、戦闘で特に功績を残したいくつかの編隊や部隊を列挙した。

アブデーフカでのウクライナ軍の敗北は、数週間前からワシントンの当局者や西側のジャーナリストによって予測されていた。今週初め、ホワイトハウスのジョン・カービー国家安全保障会議報道官は、アブデーフカの敗戦を西側の援助が枯渇したせいだと非難した。

この国防総省の高官は、金曜日(2月16日)に行われた記者団への説明で、アブデーフカの状況は「前線に沿った他の多くの場所」でもすぐに繰り返される可能性があり、アメリカの議員たちがキエフへの600億ドルの新たな軍事援助予算案を承認できなければ、「ウクライナの防衛はおそらく崩壊するだろう」と記者団に語った。

これぞソビエト連邦:なぜゼレンスキーはウクライナ軍の新しい指導者としてロシア人の将軍を選んだのか?

<記事原文 寺島先生推薦>
A very Soviet union: Why has Zelensky picked a Russian general as the new leader of Ukraine’s army?
ウクライナ軍の新しい最高司令官はロシアで生まれ育ち、家族は今もロシアに住んでいる
筆者:クリスティーナ・シゾバ(Christina Sizova)
出典:RT 2024年2月14日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月21日


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© RT/ RT


数カ月前から予想されていたウクライナ軍指導部の交代がついに実現した。ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領とヴァレリー・ザルジニー前ウクライナ国軍最高司令官の間で長くくすぶっていた個人的な対立の結果、後任にはアレクサンドル・シルスキー氏が就任した。

シルスキー氏は長い実績を持つ経験豊富な軍司令官だが、その背景が物議を醸している。シルスキー将軍はロシアで生まれ、愛国者の家系に生まれた。

愛国者とは、ロシアの愛国者のことだ。

シルスキー氏がその経歴をつうじて下した軍事的決断でさえ、「虐殺者」や「200将軍」(200は兵士の死体の軍用コード)という呼び名を持つこの将軍が本当に最適な人物なのかどうか、多くの疑念を抱かせる。しかし、専門家が指摘するように、シルスキー氏はウクライナ大統領の政治的ライバルではないため、ゼレンスキー大統領にとっては好都合な選択肢である。

ウクライナ軍指導部にロシア人が就任

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関連記事:Birth of a myth: By replacing his top general, Zelensky has laid a trap for himself

前線でのウクライナ軍の失敗により、ゼレンスキー大統領とザルジニー前司令官の間の緊張は激化した。大統領と最高司令官は昨年の夏の反転攻勢の失敗についてお互いを非難した。当初は意見の不一致についての噂しかなかったが、後に状況が公になった。

1月末まで、ウクライナの報道機関はザルジニー前司令官の差し迫った解任について盛んに議論していた。そのような計画は当局によって公式に否定されたが、マスコミはゼレンスキー大統領の最高司令官解任の意図についての話題を止めなかった。西側報道機関もこの件を取り上げた。

ゼレンスキー大統領自身は、2月5日にRAIイタリアとのインタビューでウクライナ最高司令官を交代させる計画を認めただけだった。同大統領はこの決定について発言し、戦況の明らかな「停滞」のため「再設定」が必要だった、と述べた。

3日後、最初にウクライナ軍と政治指導部の間の対立を引き起こしたすべての課題を「継承」する新しい最高司令官の身元が明らかになった。ゼレンスキー大統領は、これまで地上軍を指揮していたアレクサンダー・シルスキー大将をAFUの新たな最高司令官に任命した。

シルスキー将軍は物議を醸す人物であり、彼の経歴は一般のウクライナ国民の間で多くの議論を引き起こした。

1965年7月26日に、モスクワの東、140マイル以内に位置するウラジーミル地方のノビンキ村で生まれた彼の軍人としての経歴もロシアで始まり、1982年にモスクワ高等連合軍司令部学校に入学した。

1986年、シルスキー氏はウクライナ・ソビエト社会主義共和国に派遣された。そこで彼は、第1連合軍第25師団、第426連隊の電動ライフル小隊の指揮官を務めた。ソ連崩壊後、シルスキー氏はウクライナ国民となった。

兵士であった彼が大佐に昇進するまでに数十年かかった。1993年、彼はウクライナ国家警備隊第6師団の電動ライフル大隊の指揮官を務めた。2年後、彼は連隊長に就任した。2000年から2002年にかけては、キエフ地域のベラヤ・ツェルコフ市に駐屯するAFUの第72独立機械化師団の参謀長および第一副司令官を務めた。その後、この部隊は旅団となり、シルスキー氏は少将として旅団を率いた。

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2023年11月30日、ハリコフ州クピャンスクの国防軍本部にて、ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領とアレクサンドル・シルスキー氏。 © Wikipedia

並行して、シルスキー氏は軍事訓練を続けた。1996年に、彼はウクライナ国防アカデミーを優秀な成績で卒業し、そこで作戦計画と戦術計画を学んだ。9年後、彼はウクライナ国防大学を卒業し、そこで戦略的軍事管理を学んだ。その後、AFU(ウクライナ軍)統合作戦軍第一副司令官に任命された。2011年から2012年にかけては、ウクライナ軍参謀本部軍事協力・平和維持活動主局の第一副局長を務めた。1年後、彼はAFUの中央指令センターの第一副長官に就任した。

同氏は第一副長官としてNATOとの協力を監督し、ウクライナ軍をNATO基準に合わせる交渉においてウクライナを代表した。彼はヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領時代にこれらの活動に従事していた。

ロシアの愛国者の家族

シルスキー氏の家族は 現在もロシアに住んでいる。父親は退役し、母親は合唱団で歌い、ガーデニングを楽しんでおり、兄は警備員として働いている。

82歳の母親、リュドミラ・シルスキーさんはソーシャルメディアに参加しており、ロシアの政治家、故ウラジーミル・ジリノフスキー氏のウクライナに関する言葉や、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の無事を願うもの、ウクライナの現行法をからかうコメントなどの投稿に「いいね」をすることが多い。

リュドミラ・シルスキーさんはロシアの若者に対し、紛争地帯で祖国の利益を守るよう助言した。「ロシアを守ってください」と彼女はテレグラム上のラプリー(RT傘下の動画共有サイト)に投稿した動画で語った。

彼女はまた、第二次世界大戦中にソ連軍として戦い、1941年にレニングラード近郊で亡くなったシルスキー氏の祖父に追悼の意を表し、毎年戦勝記念日の祝賀会で開催される不滅連隊の行進に参加している。

シルスキー氏の父親はジャーナリストらからの質問に抑制的な態度で答えた。息子の任命についてどう感じたか尋ねられた彼はこう答えた。「私もあなた方と同じ思いを持ちました。それ以上のことはありません」と。

また、息子がウクライナ軍で働くことになった経緯については知らない、とも述べた。シルスキー氏の父は、ラプティ上に投稿された動画で「私は関与していない」と述べた。

ニュースサイトのレドフカによると、ウクライナの新軍司令官(シルスキー氏)は家族の愛国心とロシアへの支持を理由に家族と縁を切った、という。ただし、この情報は検証されていない。たとえば、ニュースサイトのマッシュは、シルスキー氏の両親の隣人女性が、将軍は今でもビデオチャットで母親や父親と定期的に話し合っていると語る動画を公開した。さらに、同氏自身もウクライナ軍に不満を持っている、とのことだ。この隣人によると、シルスキー氏が両親を最後に訪問したとき(日付は不明)、軍司令部にいるウクライナ人は「彼らは狡猾で陰険だから」我慢できないと母親に語った、という。



総司令官の兄(弟)オレグさんはタス通信に対し、何年も同司令官と連絡を取っていないと語った。「私は彼と連絡を取っていないし、彼がどこにいるのかさえ知りません。 <...> 私は彼について何も知りません。昔、ずっと昔に、彼はそこ(ウクライナ)に行きました。彼は生涯ずっとそこで暮らしていて、そこで兵役を始めて、今もそうし続けているし、そこに家族もいます」と彼は語った。

メディア報道によると、シルスキー氏の妻と子どもたちの状況もかなり「劇的」だという。 2021年に録画された人気の動画では、現在オーストラリアに住んでいるシルスキー氏の義理の息子アントンさんが義父の私生活について語った。そのアントン・シルスキーさんによれば、義父は家族のもとを去ったという。 2014年、ドンバスで紛争が始まった後、シルスキー氏の家族は当時(ウクライナから)離脱していた地域(ドンバス)での戦闘を思いとどまらせようとしたが、指揮官は「それが政治だ、そういうものだ」とだけ言った。その直後、家族はシルスキー氏との関係を断ち切った。

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関連記事:Ukraine’s top general fired for disobeying US – Politico

アントン・シルスキーさんによると、同将軍がNATOと協力していた時期、義父は通訳の女性と不倫関係になり、家族の元を去ったという。現在、新軍司令官の経歴は秘密を保たれている。アントン・シルスキーさんによると、 義父は以前のすべての知り合いとの連絡を断ち切っている、という。オンライン上の情報には、シルスキー氏の新しいウクライナ人の妻と2人の子どもについてのみ記載されている。ただし、同氏にはイワン・シルスキーさんという、自分はロシア人だと思っている息子がいる。

「私は新しい義父とオーストラリアに行き、今は前の義父とは連絡をとっていません。私の弟は、その人と血が繋がっている実の息子ですが、彼も話はしていません」とアントン・シルスキーさんは述べた。

シルスキー氏の義理の息子によると、シルスキーさんは出世のことばかり気にする人物で、お金が好きだという。「あの人は3つの大学の学位を持っていますが、どの大学も成績優秀で卒業しました。報道機関はあの人は最善の軍司令官だ、と言っています。でも実際のところは、あの人は出世のことばかり考える人です。頭は切れるし、賄賂ももらいません。だからこそ大臣にはなれなかったのです。なれる素質は十分あったのですが」とアントンさんは語った。

アントンさんによると、義父は自分の理想の人物だったが、それが変わっていったのは、シルスキー氏がAFUで出世するために、自分のロシア人としての出自を裏切るようになってからだ、という。しかしアントンさんによると、シルスキー氏は「間違いなくロシア人です」とのことだ。

「私は軍人の家系出身です。だからこそシルスキーのような将軍のことを思うと胸が痛みます。ドンバスで何が起こっているのかをはっきりと分かった上で、こんな(馬鹿げた)ことばかりして、AFUを送り込んでドンバスで戦わそうというのですから。でも、こんな将軍たちが気にしているのは、自分の出世のことだけなのです。彼らの言うとおり、おカネには匂いが残りません。私はあの人のことを理想の人物像だと思っていました。とても賢くて善良な軍人だと思っていました。これらすべてのことが始まった時、私たちは話し合いをしようとしました。あの人は洗脳されたわけではありません。でもあの人はただこう言ったのです。「これが政治なんだ。仕方ない」と。くそったれです。そんなふうにしか考えられない悪党だったんです」とアントン・シルスキーさんは語った。

「200将軍」

シルスキー氏の家庭状況に問題があることに加えて、この司令官が軍で下してきた決断についても、懸念の声があがり、この人物がこの役職の最善の人物なのかも疑問視されている。

軍内部では、シルスキー氏はいくつかのあだ名を付けられていた。「将軍200(200というのは軍内で兵士の死体を指す隠語だ)」や「屠殺者」、「人食人種」だ。こんなあだ名を付けられたのは、シルスキー氏が戦場で戦果をあげるためなら人々を喜んで犠牲にしてきた経歴があるからだ。例えば、同氏はロシア軍に対して、大規模な歩兵による攻撃を命じたが、そのせいでAFUは大きな損失を出すことになってしまった。

2022年7月、シルスキー氏はハルキウ地方の作戦を取り仕切っていた。9月、同氏はその地域での反攻の責任者になった。のちに、同氏はアルチェモフスク(バフムート)でのAFUの司令官に命じられ、そこで「屠殺者」というあだ名がついた。ポリティコ紙の報道のとおり、ウクライナ軍をアルチェモフスクでの「肉弾」に引き入れてしまった責任は、シルスキー氏にあった。

2023年の反転攻勢のあいだ、シルスキー氏はクピャンスク市近郊においてAFUの防衛力を高めようと主張したが、そこはロシア軍が大きく前進している地域だった。シルスキー氏の考えでは、AFUにとっては、南部より北東部が重要である、というものだったが、最終的にウクライナ軍は、東と南に軍を分散させることになった。

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2023年8月24日にウクライナのキエフで行われたウクライナ独立記念日の公式祝賀会で、ヴァレリー・ザルジニー元ウクライナ軍最高司令官と握手するウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領。 ©Alexey Furman/ゲッティイメージズ

さらにシルスキー氏は、デバルツェボでの戦闘にも関わっている。ここでの戦いは、ドンバスで軍事衝突が起こった際に始まったものだ。2015年、AFUの隊員はいわゆる「デバルツェボの大釜」において包囲され、そこで多くのウクライナ兵が亡くなった。この作戦を受けて、シルスキーはボグダン・フメリニツキー勲章第3級を授与された。

軍司令官に任命されたあとの最初の発言において、シルスキー氏は、ウクライナ軍人の命と健康が「今までもそうでしたし、これからもずっと、ウクライナ軍の最優先事項です」と語った。

「ですので、戦闘任務と(必要な戦闘力のための)部隊や副部隊の補充、それと兵たちの訓練の強化という3つを上手く均衡を保つことが、かつてないほど重要になっています」とシルスキー新司令官は述べた。

さらに付け加えて、AFUの計画には「新しい使命」があり、その中には「軍当局にとっての明確かつ詳細な計画の立案」が含まれており、外国から供給された武器を考慮に入れて、「戦闘部隊が必要としているすべての武器を迅速かつ合理的に分配し届ける」ようにしたい、と述べた。ウクライナの政治指導者が求めているのは、戦場での勝利であり、シルスキー氏に圧力をかけてまでも、新たな戦略を開発し、前線での停滞を挽回したいと考えている、とCNNが報じた。

ゼレンスキー大統領のライバルではない

ゼレンスキー大統領がシルスキー氏を選んだのは、シルスキー氏が自分の政治的なライバルになるとは思っていないからだ、とウラジーミル・オレイニク氏がRTに語った。同氏は、「もう一つのウクライナ」という政治団体の一員であり、元ウクライナ最高議会副議長である。オレイニク氏によると、ゼレンスキー大統領とザルジニー元最高司令官のものの見方には決定的な違いがあるため、同意には至らないだろう、とのことだ。

「ゼレンスキー大統領は兵士の命を助けようという気持ちはありませんでした。大統領はただ領地を支配したかっただけでした。というのも、そうならなければ彼ら(ウクライナを支援する西側友好諸国-RTによる補足)がくれるお金が減るからです。軍人として、ザルジニー元最高司令官は、前線の戦況を好転させようとしていました。そしてある場合においては、損失を減らすための撤退も必要でした。というのも、ウクライナ側が兵を失えば、全てを失うことになるからです。この諍いにおいては明らかに、ザルジニー元最高司令官の方に理があるというのは人々の見方です。そうすると、ザルジニー元最高司令官は、この先の大統領選において(ゼレンスキー大統領にとっての)ライバルになってしまいます」とオレイニク氏は述べた。

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関連記事:Zelensky’s new delusion: Why has the Ukrainian leader decided to claim multiple regions of Russia?

2023年12月、オンライン・ニュース・サイトの「ストラナ・ウア」が、「レーティング・ソシオロジカル・グループ」による世論調査の結果を報じた。それによると、ザルジニー元最高司令官の支持率は82%で、ゼレンスキー大統領は72% (ザルジニー元最高司令官を「完全に支持する」ウクライナ国民が63%、「ほぼ支持する」が19%、いっぽうゼレンスキー大統領については、それぞれ、39%と33%だった)。

オレイニク氏の指摘どおり、権力を維持するためには、ザルジニー元最高司令官がますます財閥からの支持を集めている状況であるからこそ特に、ゼレンスキー大統領は、軍最高司令官には「より安全な」候補者を選んだのだ。その選択がシルスキー氏になったのは、彼ならゼレンスキーの大統領職を脅かす存在になることはないからだ。

「いま、ゼレンスキー大統領の最大の目的は、米国大統領選まで、いまの状態を保つことにあります。ウクライナで、アフガニスタンと同じような状況が起きてしまえば、(米国のジョー)・バイデン大統領には選挙で勝てる勝算はまったくありません。シルスキー氏が新軍最高司令官に任命されたのと同氏が閣僚の前で話しをしたのが同日だったのは、偶然ではありません。その中で、シルスキー氏は、入隊受付所の営業時間を延長し、24時間体制にすることを提案した。私たちは、人々が日中に(路上で捕まり、軍隊に)徴兵されるのを見てきました。こういう提案はすべて、米国の考え方とゼレンスキー大統領の計画に合致しています。つまり、ウクライナの人々は国のために死んでいるのではなく、バイデン大統領とゼレンスキー大統領のために死んでいるのです。社会もまた、(シルスキー新司令官が)『死神将軍』であることに気づいています。ウクライナでの議論は続いています。ウクライナ国民は死に瀕しているのです」とオレイニク氏は付け加えた。

クリスティーナ・シゾバ、モスクワを拠点に、政治、社会学、国際関係を担当する記者

ザルジニー最高司令官の解任はウクライナ国内の政治的対立の解決にはならない

<記事原文 寺島先生推薦>
Zaluzhny’s Removal Does Not Resolve Political Standoff in Ukraine
著者:ルーカス・レイロス(Lucas Leiroz)
出典:ストラテジック・カルチャー 2024年2月13日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月17日


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最高司令官は交代したが、ゼレンスキー大統領とザルジニー前最高司令官との間の摩擦はさらに激化する可能性がある。

ヴァレリー・ザルジニー将軍が最近ウクライナ軍最高司令官の職から解任されたことで、同将軍とウラジミール・ゼレンスキー大統領との対立が解消されると期待されていた。しかし、状況はまだ平穏には程遠いようだ。ザルジニー前最高司令官は退任後も強力な指導者であり、近い将来にゼレンスキー氏の地位を脅かす可能性がある。

2月8日、アレクサンドル・シルスキー氏がザルジニー将軍の後任としてウクライナ軍の最高司令官に就任した。この動きにより、長きに渡り待ち望まれていたザルジニー前最高司令官の解任が確定した。一見すると「平和的な動き」に見える。ゼレンスキー大統領とザルジニー前最高司令官は一緒に撮った写真をソーシャル・メディア上に公開し、前司令官はその功績が評価されて栄誉を受けた。

ウクライナのルステム・ウメロフ国防大臣は、ザルジニー前最高司令官の働きに感謝し、次のように述べた。「ヴァレリー・ザルジニー将軍には、ロシアとの大戦中にウクライナ軍を率いるという最も困難な任務の一つが課せられていました(…)しかし、戦争は同じままでは進みません。戦争は変化し、要求も変化します。 2022年、2023年、2024年の戦いは3つの異なる現実です。2024年には新たな変化が起こり、私たちはそれに備える必要があります。新しい方策、新しい戦略が必要です (…) 本日、ウクライナ軍の指導部を交代する必要性について決定が下されました。ヴァレリー・フェドロヴィッチ(ザルジニー将軍のミドルネーム)の功績と勝利に心から感謝しています。」

ただし、いくつかの疑問にはなにも答えていない。ザルジニー前最高司令官の解任は報道機関でたびたび取り上げられ、ウクライナ政府内部に内紛があるのではとの懸念を浮上させていた。その理由は正確にはザルジニー将軍の地位にあるのではなく、政権に繋がる公人としての彼の立場にあった。将軍とウクライナ大統領との間の意見の相違は、新しいもののようには聞こえない。ザルジニー将軍はここ数カ月間、ゼレンスキー大統領に批判的な人物として目立ってきた。同将軍が西側諸国からウクライナ大統領に代わる選択肢として見られることを望んでおり、政治的に自分自身を宣伝する意図があると考えている専門家たちもいる。

2023年初め以降、西側諸国がゼレンスキー大統領の排除を望んでいることを示す証拠が増えていることから、こう見る向きは極めて合理的であると思われる。ウクライナ大統領は、紛争の最初の数カ月間のような「偉大な指導者」とはもはや見なされなくなっている。現在、西側世論の間ではゼレンスキー大統領は弱くて腐敗した政治家とみなされており、そのことがNATOからの継続的な軍事支援を正当化することを困難にしている。この問題を解決するには、西側諸国でより賞賛と共感を呼ぶ人物に置き換えるのも選択肢の一つだ。たとえ戒厳令下であっても、ゼレンスキー大統領に選挙を実施するよう西側からの圧力があったのは偶然ではない。目的は、別の政治家が就任できるようにすることとみられる。

最近、国防総省の内部情報が漏洩し、その中でビクトリア・ヌーランド国務次官と軍将校の間でまさにゼレンスキー大統領の後任を主題とした内容のやりとりがあったことを忘れてはいけない。当時ヌーランド国務次官は、ゼレンスキー大統領が「政治的好感度を急速に消耗しつつある」ため、2024年に選挙をおこなうことで更迭する必要があるとまで述べた。ヌーランド国務次官はマイダン計画を背後で画策していた重要人物であり、ウクライナを最も熱烈に支援している一人であるため、ウクライナ政権内の内紛へ介入することは十分想定内のことだ。同様に、ゼレンスキー大統領とザルジニー将軍との摩擦が頂点に達していた時期にヌーランド国務次官が最近ウクライナを訪問したことは額面通りに受け止めるべきではない。

実際、ウクライナではここ何ヶ月もの間、数人の関係者による「競争」が起こっており、西側陣営への覚えをよくし、ゼレンスキー大統領の後任になろうとする動きが見られる。その競争に最も興味を示しているのは、国会議員や軍人、諜報員らだ。ザルジニー将軍やキリル・ブダノフ国防省情報総局長、シルスキー新軍最高司令官、その他数人のウクライナ将校らは、西側諸国からの支持と同情を得ようと公的活動を強化している。ザルジニー将軍は、最高司令官としての前職を利用して強固な支持基盤を形成する方法を知っていたため、この競争で最も強力な人物の一人だった。

その証拠は、ゼレンスキー大統領との対立中に、ザルジニー将軍がウクライナのネオナチから公に支援を受けていたという事実である。「右派セクター」の司令官の一人は、ゼレンスキー大統領との論争のさなかに、ザルジニー将軍を支持していることを示す写真さえ公開した。諜報活動の専門家らによると、それ以上に、ザルジニー将軍はネオナチを戦場から救い出し、最終的にはウクライナ正規軍と対峙するための一種の「私兵」として使っていた、という。

ネオナチ民兵隊がウクライナでマイダン軍事政権の「ボディーガード」として機能していることを覚えておく必要がある。政治思想的に反ロシア憎悪に傾倒しているこれらの組織は、正規軍よりも2014年のクーデターの目的に対してはるかに忠実であり、だからこそ、ネオナチ民兵隊が長年強化され、マイダン計画を監督に当たってきたのだ。実際には、これらのネオナチ民兵隊は、ナチスドイツにおけるSS(親衛隊)と同じような機能を担っている。

したがって、もし西側諸国がウクライナの国内の衝突において、ザルジニー将軍を支持することを決めたなら、それは西側諸国がファシスト民兵組織の支援を受ける、ということになる。いっぽうでゼレンスキー大統領は、訓練を受けていない高齢者や十代の若者たちの軍隊で妥協しなければならなくなるだろう。実際のところ、ウクライナ大統領はかつてないほど弱体化しているように見える。

ザルジニー最高司令官の解任によってもこの流れは変わらなかった。国内の危機は解決されていない。単に緊張が緩和されただけ、と言っていい。ザルジニー将軍はその職を去ることに穏やかに同意したが、逆に自分の利益のためだけに「舞台裏で」行動するのに十分な権限と自由を手に入れた。つまりザルジニー将軍は崩壊寸前の軍隊から逃れられ、ネオナチの支援を受けることが可能になったということだ。これまで同将軍は、ネオナチ勢力を戦争の前線に送らないよう配慮してきた。ザルジニー将軍は自由の身となり、政界に参入してより高い地位を求めようとしている。

ゼレンスキー大統領は「粛清」を実行しようとしたが、同大統領が達成したのは潜在的な敵を強化することだけだった。

ネオナチが最前線で虐殺されないように守っていたウクライナ最高司令官 – 元CIA分析官

<記事原文 寺島先生推薦>
Ukraine’s top general sparing neo-Nazis from frontline slaughter ex-CIA analyst
ヴァレリー・ザルジニー最高司令官、はウラジーミル・ゼレンスキー大統領との対立で急進的国家主義者の味方を見つけるかもしれない、とラリー・ジョンソン元CIA分析官は語る
出典:RT 2024年2月6日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月11日


ヴァレリー・ザルジニー将軍を描いた落書き。© Andriy Andriyenko / SOPA Images / LightRocket (Getty Images)

ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領は、最高司令官であるヴァレリー・ザルジニー将軍を解任しようとしていると報じられているが、ザルジニー将軍が武装したネオナチの支援を受けていることを考えれば、国の最高軍事司令官よりもゼレンスキー大統領の方が先に職を失うことになるかもしれない、とラリー・ジョンソン元CIA分析官は主張している。

ゼレンスキー大統領がザルジニー将軍を解任しようとして失敗したとの報道が広まる中、ウクライナや外国の報道機関は2人の緊迫した会談の様子を伝え、将軍は自発的な辞任要求を拒否し、大統領は軍上層部からの圧力で解任をためらった、と報じた。 ゼレンスキー大統領はそれ以来、軍司令部の大改革が間近に迫っていると報道陣に語っている。

日曜日(2月4日)、ブラジルを拠点にYouTubeチャンネル『Dialogue Works』のホストを務めるニマ・アルコーシド氏との対談で、ジョンソン氏は「何十万人ものウクライナ人が死んだり傷ついたりしていなかったのであれば」、この続き物のメロドラマは愉快なものになっただろうに、と主張した。


関連記事:Zelensky military purge to extend beyond top general – media

「銃を持った奴が勝つのが通常ですか、最後に確認したところ、ザルジニー将軍はゼレンスキー大統領よりも多くの銃を持っていました」とジョンソン氏は語った。

さらに同氏は、2人を比較して、この将軍を「偉大な人物」と見るべきではない、と述べた。

「私はザルジニー将軍をある種の軍事的天才や本当に善良な人物として紹介したくはありません」とこの専門家は述べた。ジョンソン氏は、同将軍は「ネオナチ思想を信奉するちょっとしたクズ野郎」だと主張した。

「ザルジニー将軍は、最もネオナチ思想に動かされた軍隊、つまりアゾフ部隊とクラーケン部隊を、殺されることになる前線に投入しないように細心の注意を払ってきました。その理由はこの勢力を維持したいからです。これらの部隊の代わりに、将軍は大砲の餌食となる一般の兵士たちを送り込んでいます。」

ザルジニー将軍がウクライナ極右の過激な国家主義思想を共有しているかどうかを、同将軍の公式声明から判断するのは難しいが、同将軍はこれらの組織でかなりの支持を得ている、と考えられている。


ウクライナ軍指導者で民族主義右派セクター組織の著名な構成員であるアンドレイ・ステンピツキー氏が金曜日(2月2日)にソーシャルメディアに投稿した写真には、ザルジニー将軍に名誉身分証明書を与え、同将軍がシュテンピツキー旅団の最初の団員であることを証明する写真が掲載されていた。画像の背景には、ウクライナ民族主義指導者でナチスの協力者であるステパン・バンデラの肖像画があった。

ゼレンスキー大統領は東部の反政府勢力やロシアとの和解を綱領に掲げて2019年に大統領に選出されたが、極右による暴力の脅威を受けて大統領府はその公約を実現しようとする初期の試みから撤退した。

ヌーランド米国務次官、ゼレンスキー大統領に最高司令官を解任しないよう指示– タイムズ紙

<記事原文 寺島先生推薦>
Nuland told Zelensky not to fire top general – The Times
この悪名高いネオコンがワレリー・ザルジニーの職を救おうとしたとの報道
出典:RT 2024年2月9日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月11日


2024年1月31日、キエフの聖ミカエル大聖堂の外にいるビクトリア・ヌーランド国務次官© Sergei SUPINSKY / AFP

米国のビクトリア・ヌーランド国務次官は、ワレリー・ザルジニー将軍解任というウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領の計画に不満を持ち、両者の意見の相違を「滑らかにする」と申し出た、と金曜日(2月9日)のタイムズ紙が報じた。

ゼレンスキー大統領は木曜日(2月8日)、ウクライナのザルジニー軍最高司令官を解任した。ザルジニー最高司令官の解任が近いという噂を伝える声が大きくなり始めた1月末、ヌーランド国務次官はキエフを訪れていた。

ブリジット・ブリンク駐キエフ米国大使、ルステム・ウメロフウクライナ国防大臣との会談で、同国務次官は大統領と軍最高指導者との間の溝を埋める手助けをすると申し出た、とされる。

タイムズ紙はこの会談に詳しい情報筋の話として、ヌーランド国務次官が「ザルジニー軍最高司令官の退任を残念に思っており」、「誤解を解く」と申し出た、と報じた。

この報道によると、ウメロフ国防大臣はヌーランド国務次官に対し、ザルジニー最高司令官がゼレンスキー大統領の公式声明や直接命令に「懐疑的な反応を示し」、いっぽうゼレンスキー大統領は、国防省の背後で武器供与について西側諸国と直接交渉することまでし始めた、と語った。

ゼレンスキー大統領は、ザルジニー最高司令官が2024年の軍事作戦について何の計画も提示しないことに不満を抱いていた、とウメロフ国防大臣はヌーランド国務次官に語ったと言われている。


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ウィーンでの軍事安全保障・軍備管理協議に出席していたロシアのコンスタンチン・ガブリロフ首席代表は、タイムズ紙の報道が出るずっと前に、ザルジニー最高司令官に関する件がヌーランド国務次官訪問の理由であると特定していた。

「ヌーランド国務次官がキエフ入りしたのには正当な理由がありました。それは、何とか事態を整理してゼレンスキー大統領とザルジニー最高司令官の間の対立を解決し、実際に何が起こっているのか、そしてすべてがどのように終わるのかを知ることでした」とガブリロフ首席代表は2月1日、ロシア24テレビチャンネルで語った。同代表はまた、二人の間の状況が「行き過ぎている」ため、和解は「ありそうもない」と予想していた。

公式には、米国はザルジニー氏の後任を支持も反対もしていない。ヌーランド国務次官の訪問から数日以内に、ジェイク・サリバン国家安全保障問題担当補佐官は米国の報道機関に対し、「我が国はその特定の決定に巻き込まれるつもりはない」と語った。

現在、アントニー・ブリンケン米国務長官の次官を務めるヌーランド国務次官は、以前は国務省で欧州・ユーラシア問題を担当していた。2013年12月に同国務次官はウクライナを訪れ、キエフの中央広場で武装デモ参加者にペストリーを配った。その後、選挙で選ばれたウクライナ政府を打倒し、クリミアとドンバスを巡るロシアとの紛争を引き起こした2014年2月のクーデターの数日前に、同国務次官が「その手助けをする」方法について話し合っている様子が録音されていた。

ウクライナの新しい最高司令官の両親はロシア在住

<記事原文 寺島先生推薦>
Parents of Ukraine’s new top general live in Russia
アレクサンダー・シレスキーの家族はいまだにロシアのウラジーミル地方在住
出典:RT 2024年2月9日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月11日



2022年9月14日、ウクライナのハリコフでのウクライナ大統領ウラジミール・ゼレンスキーとウクライナ地上軍司令官アレクサンドル・シルスキー © Getty Images / Metin AktaÅ / Anadolu Agency / Getty Images

複数のロシア報道機関が、ウクライナの新総司令官アレクサンドル・シルスキーの両親と弟がロシアに住んでいると報じた。

木曜日(2月8日)、ウラジミール・ゼレンスキー大統領は、最高司令官ワレリー・ザルジニー最高司令官の後任にシルスキー新司令官を選出したと発表した。この人事がおこなわれたのは、ウクライナ軍の反転攻勢が失敗し、戦場の状況が悪化して数ヶ月たったあとでおこなわれたものだ。

シルスキー大佐は、ロシアとウクライナがソ連の一部であった時代にロシア西部ウラジーミル地方で生まれた。タス通信が明らかにしたところによると、同大佐の兄弟オレグさんは今もその州都ウラジーミル市内に住んでいるという。

オレグさんは記者団に対し、もう何年も近親者であるシルスキー大佐と話をしていないと語った。「私は彼と連絡を取っていません。彼がどこにいるのかさえ分かりません」とオレグさんはタス通信に語った。「私は彼について何も知りません。彼が(ウクライナに)引っ越してから長い時間が経ちましたので」


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ソーシャルメディア・アカウントによると、シルスキーの両親は、第二次世界大戦におけるロシアの勝利の祝賀会に定期的に出席しており、ネット上ではモスクワ寄りの投稿に「いいね!」を押している。シルスキーの母親が「いいね!」を押したとされる投稿には、ウラジーミル・プーチン大統領の健康を願うメッセージが含まれている。

アレクサンドル・シルスキー新最高司令官はモスクワの陸軍士官学校を卒業し、1991年の独立宣言時にはウクライナで軍務に就いていた。同氏は2010年代のドンバス戦争で活躍した。ゼレンスキー大統領によれば、シルスキー新最高司令官は2022年のロシアに対するキエフ防衛と、同年後半のハリコフ攻防戦で大きな役割を果たしたという。

シルスキー新最高司令官はザルジニー前最高司令官に比べ、比較的控えめな態度を保っている。ザルジニー前最高司令官は内外の報道陣としばしば話をし、紛争についていくつかの随筆を書いていた。

元ウクライナ大統領、ゼレンスキー氏に最高司令官の処遇から「手を引くよう」要請

<記事原文 寺島先生推薦>
‘Back off’ from top general – ex-Ukrainian president to Zelensky
ピョートル・ポロシェンコ元大統領は、ウクライナ当局の「組み直し」は一番上から始めるべきだ、と発言
出典:RT 2024年2月7日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月9日


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ピョートル・ポロシェンコ元ウクライナ大統領。© スプートニク/ストリンガー


 ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領はワレリー・ザルジニー将軍に手を出さないでおくべきだとピョートル・ポロシェンコ前大統領が水曜日(2月7日)の議会での激しい演説で述べた。

 ゼレンスキー大統領は先週末、イタリアの報道機関に対し、ウクライナのザルジニー軍最高司令官を解任し、キエフ政権の最高段階の「組み直し」を実施することを検討していると語った。

 ゼレンスキー大統領が「組み直し」を望むなら、まず自分自身から始めてザルジニー司令官は「そのままにして」おくべきだとポロシェンコ氏は最高議会で述べた。同氏が更に要求したのは、同氏が「ヴィクトル・ヤヌコービッチ大統領時代の残党勢力」であると主張する人々を粛清することだった。ヤヌコービッチ政権は、2014年2月に米国支援のクーデターで打倒された政権だ。

 ポロシェンコ前大統領は同年6月に大統領に就任したが、そのときに、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国に対する「懲罰遠征」が拡大された。この2つの地域はクーデター後にウクライナから離脱し、最終的にロシアへの加盟を投票で決めている。

 ポロシェンコ前大統領は2019年の選挙ではドンバス和平を掲げて選挙活動を行なったゼレンスキー現大統領に地滑り的に大敗した。しかし就任後、ゼレンスキー大統領は、完全に方向転換し、ロシアとの対決に向けてNATOの支援を求め始めた。

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関連記事:Zelensky to fire his top general’s deputies – MP

 ウクライナの最高司令官が前線の状況について大統領と意見が対立しており、ゼレンスキー大統領とザルジニー司令官氏の間の緊張はここ数カ月にわたって高まり、状況は日に日に悪化している。ザルジニー司令官の解任が近いという最新の噂では、ザルジニー司令官の功績が「報われて」ウクライナ大使として英国に派遣されるとされ、後任候補としてキリーロ・ブダノフ軍事情報長官とオレクサンドル・シルスキー地上軍司令官の名前が挙がっている。

 ポロシェンコ前大統領はゼレンスキー大統領の人選を批判しながらも、正統なウクライナ正教会(UOC)(同前大統領は「モスクワのもの」と呼んでいる)の禁止を求めた。これは自身が大統領在任中に設立されたウクライナ正教会(OCU)を支援する動きである。

ポロシェンコ前大統領は2014年から2015年にかけてドンバスの反政府勢力から石炭を購入した疑いで、依然として大反逆罪の告発に直面している。同前大統領は、この訴訟は政治的動機に基づくものであり、事実ではないと主張している。同前大統領は現在、定数450の国会で27議席を持つ小規模野党「欧州連帯」の党首を務めている。

 昨年10月に新たな選挙が実施される予定だったが、ロシアとの紛争を理由にゼレンスキー大統領が2022年2月に導入した戒厳令の下で延期されたため、ウクライナ議会は厳密にはその委任期間を過ぎている。

キエフ政権が自国民捕虜を殺すことは日常茶飯事だ。NATOが支援するならず者国家なのだから。

<記事原文 寺島先生推薦>
Kiev Regime Killing Its POWs Is Normal for This NATO-Backed Gangster State
出典:Strategic Culture 2024年1月27日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月3日


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ウクライナとその資金提供者であるNATOは、人の命を軽く見ており、そんな国々は、自由や勝利に値しない。

 キエフ政権は非情にも、合衆国とNATOのためのロシアに対する代理戦争工作を理由に、戦費をたかり、金をせしめる為の戦争により、ウクライナ国民の命を奪ってきた。ウクライナ当局の腐敗した陰謀団にとっては、どんな犯罪行為も裏切り行為も軽すぎるということはない。

 ウクライナ軍が自国の65人の戦争捕虜を乗せたロシアの輸送機を撃ち落としたとしても、別に驚くべきことではない。このナチ政権なら、こんな野蛮な犯罪行為を犯して当然だ。

 水曜日(1月24日)の現地時間午前11時15分、イリューシンIL-76軍事輸送機が、 ウクライナを出て、ロシアのベルゴロド地方に向かう上空で撃墜された。乗員74名全員が亡くなった。その中には65名のウクライナ戦争捕虜と9名のロシア軍人が乗っていた。戦争捕虜らは、その日の午後におこなわれることになっていた、捕虜交換の一環として、ベルゴロド市に向かっていた。報道によると、この悲劇のあと、後ろを飛んでいた80人の捕虜を乗せた次発機は上空でUターンしたという。

 明らかにこの飛行は、ウクライナとロシアのあいだでしっかりと話し合われた取り決めのなかでおこなわれたものだった。これまでもすでに同様の捕虜交換は何十回もおこなわれてきた。その手順は、あまり目立たない形であっただろうが、両国によりきちんと理解され、調整されていただろう。今回の事件は、ウクライナ側がその手順を悪質に逸脱したものであることが伺える。

 ロシアのレーダーは、撃墜されたIL-76を標的にした2発の地対空ミサイルの発射を検出した。これらのミサイルは、明らかにウクライナのハルキウ地方のリプスティ村から発射されたものだった。発射から標的までの距離は100キロに及んだ。そのことから明らかにわかることは、そのような飛距離を持つと思われるミサイルは、米国が供給したパトリオットかドイツのアイリスーTミサイルしかない、ということだ。そのことは、すでにロシア議会でも取り上げられている。

 さらに、フランス国営放送報道によると、今回の撃墜はパトリオットの弾頭によるものだった、という。

 したがって、この犯罪を犯したのはウクライナ当局であることは間違いない。しかも計画的および意図的に自国の戦争捕虜を殺害しようという意図のもとでおこなわれたようだ。

 しかしながら、NATOが支援するウクライナ政権は、これまで何度かみせてきたとおりの悪質な性質を示し、この事件を有耶無耶にしようとした。そしてその点については、西側報道機関が手を貸し、すぐさま撃墜を伝えたロシアの報告に疑念を挟んだ。BBCはロシアが偽情報工作に加担している、とさえ示唆し、ロシア側は「厚かましい嘘をついてきた長い歴史」をもち、捕虜が搭乗していたかどうかさえ疑わしいことを示唆していた。

 国連安保理において、フランスの臨時議長は、ロシアからの緊急会議開催の申し出を却下し、会議の開催を24時間以上先延ばしにした

 これはあきらかに、キエフ政権とそれを操るNATOに、こんな野蛮な行為に対する説得力のある作り話をでっち上げるための息継ぎの時間を確保するためのものだった。

 当初ウクライナ側が主張しようとしていたのは、 IL-76機を標的にしたのは、同機がベルゴロドに弾薬を輸送していたとされていたからであり、標的にするのは正当な行為であると見なせる、というものだった。しかし、このような説明は急いでに取り下げられた。というのも、ロシア軍がこの貨物専用機に、同意された捕虜交換による捕虜も同乗させることをウクライナ側に対して完全に伝えていたことが明らかになったからだ。水曜日(1月24日)の夜の時点で、ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領は躍起になって「ウクライナ国民の命をもてあそんでいる」として、ロシアを非難しようとしていた。このような下品な行為をおこなったのは、自身の政権であることが明々白々になったときにさえ、だ。

 この残虐行為をおこなった不愉快な理由が何なのかは、はっきりとしていない。偽旗作戦による挑発行為を使って、ロシアを非難することが目的だったのか? そうは考えにくい。というのも、キエフ政権内の愚者らでさえ、ロシア側はそのミサイルがどこから発射されたかを簡単に検出し証明できることを分かっていたはずだからだ。

 いずれにせよ、明らかな点がひとつある。それは、ウクライナの腐敗政権が、自国民の命のことを全く気にかけていない、という事実だ。この悪質な軍事政権がご主人様であるNATOのための戦争を長引かせるために犯してきた残虐行為を全て明らかに数え上げることは不可能だ。

 つい先週のことだが、ウクライナのドミトル・クレーバ外相は、自国民はNATOに対する大砲の餌食である、と恥ずかしげもなく公言した。西側の特権階級がスイスのダボスで開いた会議のなかで、クレーバ外相が語ったのは、NATOがウクライナに武器を送り続け、その武器でウクライナが戦争を続けるのは望ましいことだ、とのことだった。つまり、ウクライナ国民が死に続けてもいい、ということだ。

 ゼレンスキーは、軍事支援としてさらに何十億ドルもの資金を乞うために常に世界各国を訪問しているが、その金は自分や彼の妻や彼の取り巻き連中の懐に入れるためのものである。ゼレンスキー政権は、さらに50万人のウクライナ国民を従軍させようとしている。そのことが暗に示しているのは、NATOの挑発により2022年2月に始まったロシアに対する代理戦争により、すでにこれまでに50万人のウクライナ国民が亡くなっている、ということだ。

 親ナチ政権は、西側からの武器供給を集め、この戦争騒ぎを長引かせるため、自国民に対して数え切れない残虐行為を犯してきた。

 2022年4月のブチャでの大虐殺はロシアの手によるものだとして非難されているが、ロシア軍がブチャから撤退した数日後に、処刑されて間もない何百もの死体が路上で発見された。その後同じ月に、クラマトルスクの鉄道の駅にミサイルが打ち込まれ、50人以上が亡くなった。鑑識の結果、そのミサイルはウクライナ軍のものであることが分かった。

 それ以外にも多くの偽旗作戦が繰り出されてきた。例えば、ザポリージャ原発への容赦ない攻撃、カホフカダムの爆破、コンスタンチノフカ市やフロザ市などへの空爆などだ。

 ウクライナ政権は躍起になって、ご主人様である帝国主義諸国のためのこの戦争騒ぎを維持しようとしている。大きく自慢されていた昨年の反撃攻勢は惨敗に終わり、ロシアの優秀な射撃能力に対する「激戦」の結果、12万のウクライナ軍部隊が壊滅された。それでもキエフの操り人形は、和平交渉にこれっぽっちも応じようとしていない。

 ウクライナの多くの戦争捕虜は、生きたまま捕えられ、非情な上官から課された恐ろしい「自殺的使命」から逃れられたことで安堵した、と表明している。いまウクライナ国民は、路上でゼレンスキーの手下らにしょっぴかれ、ほぼ間違いなく死が待っている前線に送り込まれることを恐れて縮こまっている。

 米国が主導するウクライナでの代理戦争は、取り返しのつかない惨敗だ。これはNATOとその従属国であるナチ政権にとって壊滅的な敗北だ。しかし腐敗したキエフ政権は、大規模な贈賄と銭儲けができる状況を続けたがっている。まさに戦争中毒者だ。

 ロシアが関わってきた捕虜交換により、何千人もの捕虜たちが家族のもとに帰ることができた。このような善意により得られたことは計り知れず、感謝されて当然の行為だ。

 さらにこの交換により、ゼレンスキーやNATOのための代理戦争を致命的に弱体化することに繋がることも間違いない。というのも、捕虜たちが群れをなして国に戻って、家族や地域の人々に、自国のならずもの政権がどれだけ下劣で非常なのかを伝えることになるだろうからだ。

 この政権ほど、自国の戦争捕虜を殺す政権はないだろう。結局は、死人に口なし、だ。この政権は、何百万ものウクライナ国民の命を無駄にし、自国を外国に支配される状況に陥れたことに対して償う気配は全く見せていない。この政権にとっては、自国民の戦争捕虜や数名のロシア人が乗っている輸送機を撃墜させることなど、なんてことではないのだ。

 だからこそ、ウクライナとその資金提供者であるNATOは敗北する運命にあるのだ。人の命を軽く見る勢力は、自由や勝利に値しない。

ベルゴロドの軍用機墜落により亡くなった捕虜は、「ウクライナは我々を肉扱いしている」と語っていた

<記事原文 寺島先生推薦>
Ukraine ‘considers us meat’ POW killed in Belgorod crash
交換される予定だった捕虜兵の一人は、ウクライナ政府の軍隊に対する軽蔑について証言していた
出典:RT  2024年1月24日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年1月28日


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ロシア国防省が公開した2022年の動画の静止画に映るウクライナ人捕虜コンスタンチン・ダニルチェンコさん(1978年~2024年)© RT


 水曜日(1月24日)に死亡したウクライナ人捕虜の一人は、2022年に投降した理由についてRTに語っていた。コンスタンチン・ダニルチェンコさんは、ロシアのベルゴロド地方上空でウクライナのミサイルによって撃墜された軍用機に乗っていた。なおこの軍用機に生存者はいなかった。

 ロシア国防省によると、「IL-76機はその日遅くに交換される予定だったの捕虜65人を運んでいた。この軍用機はウクライナのハリコフ州から発射されたミサイル2発の直撃を受け、水曜(1月24日)朝に墜落した。ロシア兵3名と乗組員6名を含む乗員全員が死亡した」という。

 当RTは、墜落した飛行機の乗客名簿の11番にダニルチェンコという名前を見つけた。その名前に聞き覚えがあったのは、ロシア国防省が公開した2022年の動画のためだった。その動画の中で、当時捕らえられたばかりのウクライナ人兵士が投降した理由について語っていた。

 ダニルチェンコさんは動画の中で「生きていたかったからです。私たちは『肉』とみなされており、なぜ私たちの指導部が私たちに対してそれほど冷たいのか誰もが理解しています」とその動画で話していた。

 ウクライナはロシアが戦場で「人海」攻撃をおこなっていると非難している。しかし多くのウクライナ人捕虜によれば、実際にそのような攻撃をしているのはウクライナ側だという。

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関連記事:65 Ukrainian POWs killed in plane crash: What we know so far

 ロシア国防省は水曜日(1月24日)、ウクライナは捕虜の空輸について知らされていたと発表し、ウクライナ側が「テロ行為」で意図的に自国民を乗せた飛行機を撃墜したと非難した。

 ウクライナの報道機関は当初、ハリコフを標的としたロシア軍により、ミサイルを補給していた飛行機が撃墜されたと報じた。これらの報告は、IL-76機がウクライナ人捕虜を輸送していたことが明らかになったとき、静かに削除された。ウクライナ参謀本部は声明を発表し、ハリコフへの攻撃を理由にロシアの輸送機が正当な標的であると述べたが、捕虜の生死について は言及しなかった。

 ウクライナ軍はこれまでにも捕虜を意図的に標的にしており、 2022年8月には米国が供給したHIMARSミサイルをロシア領内のエレノフカにある刑務所に一斉射撃し、マリウポリで捕らえられた悪名高いネオナチ「アゾフ」部隊の隊員50人を殺害したことがある。

 ウクライナ側は過去2年間でどれだけの兵力を失ったかを公式に明言していない。先月、ウラジミール・ゼレンスキー大統領は、戦場での損失を補い、新たな部隊を編成するために50万人の追加兵士を動員する必要があると発表した。今月初め、ウクライナのユーリー・ルツェンコ元検事総長は、国民の入隊を促すため、戦闘による死傷者数(同元検事総長の推定は50万人)の本当の規模を明らかにするよう政府に要請した。


65名のウクライナ人捕虜が飛行機事故で死亡。現在までにわかっていること。

<記事原文 寺島先生推薦>
65 Ukrainian POWs killed in plane crash: What we know so far
ロシアのベルゴロド州でウクライナ人捕虜65人を乗せた軍用機が墜落し、乗客全員が死亡した。
出典:RT  2024年1月24日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年1月26日


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ロシアの大型輸送機IL-76は、ウクライナ国境から約90km離れたベルゴロド州に墜落。同機には、捕虜となった65人のウクライナ軍関係者が乗っていた。ロシア国防省は、この飛行機はキエフ軍によって墜落させられたと主張している。

以下はこの出来事についてこれまでわかっていること。

墜落事故 モスクワ時間水曜日(1月24日)11時15分。ウクライナ人捕虜を乗せたIL-76軍用輸送機が、ウクライナに隣接するベルゴロド州コロチャンスキー郡ヤブロノヴォ村近くの野原に墜落、爆発したとの報道が入った。


関連記事:ベルゴロドでの飛行機攻撃:ウクライナ政府が捕虜を乗せた飛行機を意図的に撃墜したとロシア政府が主張


複数の人が墜落の様子を撮影、そしてその映像をソーシャル・メディアに配信した。

ロシア国防省によると、同機はチカロフスキー飛行場からベルゴロドへ飛行中で、キエフとの捕虜交換のためにウクライナ人要員を輸送していた。捕虜の他に、6人の乗組員と3人の随行員がいた。

ベルゴロド州のヴャチェスラフ・グラドコフ知事によると、この墜落で搭乗者全員が死亡した。しかし、墜落は地上の建造物や人々に損害を与えず、最寄りの村から5~6キロ離れた場所に落下した。

ロシア当局によると、事故当時、さらに80人のウクライナ人捕虜を乗せた別の飛行機も飛行中だったという。アンドレイ・カルタポロフ議員によれば、1機目が墜落した後、2機目は方向転換を指示された。

原因は何だったのか? 事件後、ロシア国防省は声明を発表し、キエフ軍が対空ミサイルシステムを使って飛行機を撃墜したと非難した。同省は、ロシア航空宇宙軍のレーダーがハリコフ州のリプツィ村から2発のウクライナ製ミサイルが発射されたことを記録したと主張した。

同省はまた、ウクライナ側はこの飛行について事前に知らされており、捕虜を運んでいることも認識していたとし、捕虜交換は午後遅くにコロチロフカ検問所で行なわれることになっていたと述べた。

キエフのメディアの報道 事故の直後、ウクライナの報道機関ウクライナスカヤ・プラウダは、ウクライナ軍が飛行機を撃墜したことをウクライナ軍から伝えられ、またこの飛行機がS-300ミサイルを搭載していると考えられるとの情報を(ウクライナ軍から)得ていた、とする報道をおこなった。

しかし、その直後、同報道機関はこの報道を修正し、キエフが飛行機の墜落は認識しているが、ウクライナの捕虜を運んでいたことは確認できなかったとだけ述べた。

一方、アメリカ国営放送ラジオ・リバティなどの西側メディアは、キエフ政府内の情報源から、ロシアとの囚人交換が水曜日(1月24日)に予定されていることを確認したが、それ以上のコメントは発表していない。

キエフの諜報機関 ウクライナ諜報機関のアンドレイ・ユーソフ代表も、捕虜交換が予定されていることは確認した。

一方、ウクライナ戦争捕虜問題調整本部は、「必要なすべての情報を収集・分析している」と述べるにとどめ、計画されている交換については確認することを拒否した。同機関はまた、ロシアがウクライナ社会の不安定化を目的とした「特別な情報活動を積極的に行なっている」とも指摘している。

ロシアの反応 ロシア下院国防委員会のアンドレイ・カルタポロフ委員長は、IL-76は西側のパトリオットかアイリスT防空ミサイルで撃墜されたとの見方を示した。また、キエフとの捕虜交換交渉の中止を提案し、ウクライナを公式にテロ国家、同国政府をテロリスト集団と認定すべきだと主張した。

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関連記事:ウクライナ政府による捕虜搭乗機への攻撃は「狂気の蛮行」とロシア政府

ヴャチェスラフ・ヴォロディン下院議長は、ロシアの議員たちに対し、アメリカとドイツに正式な申し入れを行なうよう呼びかけ、自国の捕虜を殺害するまでになったキエフの「ナチ体制」を積極的に支援することはやめるよう強く説得すべきだ、とした。

また、ロシア国防省は、キエフはモスクワ軍を誹謗中傷するために自国民に対してこのような「テロ行為」を行ない、再び「その本性を現した」と述べた。

ロシア外務省は、この「心ない蛮行」はキエフとの将来の合意の可能性に疑問を投げかけるものであり、ウクライナ当局は自分たちが与えるいかなる保証も結局は守らないことに 「疑いの余地はない」と述べた。

同省はまた、米国とそのNATO同盟国が支援してきたウラジーミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領の政権は、ロシアだけでなく、「国としてのウクライナや、その国民、そして全世界」にとっての脅威であることが再び証明されたと強調した。

元ロシア大統領で現国家安全保障会議副議長のドミトリー・メドベージェフは、IL-76の撃墜は「キエフのネオナチ・エリート」間の内部政治的混乱の結果であった可能性を示唆した。彼は、ウクライナ政府は権力と金を守るために自国の軍隊や捕虜を虐殺し、自国の都市を爆撃し続けるだろうから、「将来的に事態はさらに悪くなる」ことを示唆した。

「ウクライナ当局の専門知識不足を埋めるために西側傭兵が使われていた」―元CIA分析官

<記事原文 寺島先生推薦>
Western mercenaries used to fill Kiev’s expertise gaps, ex-CIA man tells RT
ラリー・ジョンソン氏は、ウクライナで殺害されたフランス戦闘員は秘密兵器の専門家だった可能性があると述べた
出典:RT  2024年1月20日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年1月25日


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ラリー・ジョンソン© RT


 元CIA分析官のラリー・ジョンソン氏は、ウクライナは西側の複雑な兵器システムを操作できる兵士が不足している可能性が高い、とRTに語った。ハリコフでの「フランス傭兵」への攻撃に関するロシアの今週の報道は、フランス政府が供給を計画している秘密兵器技術者志望者への警告かもしれない、と同氏は考えている。

 ロシア国防省の声明に対し、フランスはウクライナや世界の他の地域に傭兵を置いていることを否定した。ロシア政府は、この長距離攻撃でフランス人を中心とする約60人の外国人戦闘員が死亡したと主張した。いっぽう、エマニュエル・マクロン大統領は、ウクライナ当局の戦いを支援するために空中発射型巡航ミサイル「SCALP」を追加供給する計画を発表した。

 「私が強く疑念を持っているのは、フランスの『傭兵』(英国人や米国人がそこに混じっていても驚きませんが)は、前もって軍隊で訓練を受けたのちに、兵器システムの操作を助けるために連れてこられているのではないかという点です」とジョンソン氏は語った。

 同氏は、有能な外国人職員の配備が必要となる可能性のあるウクライナに寄贈された兵器の例として、米国製の長距離対空ミサイル「パトリオット」と英国のSCALP対応ミサイル「ストーム・シャドウ」を挙げた。


 ジョンソン氏は、ウクライナに公然と軍備提供すれば、フランスは自らが標的にされてしまうことになる、と当RTに語り、いま発生していることとソ連を弱体化させようとした過去の米国の行動を以下のように対比させた。

 「米国がアフガニスタンのムジャーヒディーンに対ソ連資金を提供するためにCIAを通じて秘密作戦を実行したときは、ある程度秘密裏におこなわれ、少なくとも米国は紛争に直接介入しているわけではないという素振りを見せ続けていました」とジョンソン氏は指摘した。

 「ロシアは傭兵たちを殺害するという非常に明確な伝言を送ったと思います。つまり、兵士や物資を送りこむつもりならば、殺すぞ、という伝言です」と同元分析官は付け加えた。

READ MORE: French mercenaries dying for a Nazi regime – Russia’s top MP

 ジョンソン氏は、ロシア政府はウクライナの外国援助国を標的にするという点で、もっと大胆な行動を取ることもできたはずで、そうした行動に消極的であることが西側諸国では弱さの表れと受け止められていると考えている。

 「実際は、ロシアが弱腰であるということはないのですが、西側には多くの点でロシアを誤解してきた歴史があります」とジョンソン氏は発言した。

キエフではナイフが抜かれた: ウクライナが戦争に負ければ、エリートたちは互いを食い合うようになるだろう

<記事原文 寺島先生推薦>
The knives are out in Kiev: Once Ukraine loses the war, its elites will eat each other alive
ウラジーミル・ゼレンスキー大統領とヴァレリー・ザルジニー総司令官との権力闘争がこれほど明白になったことはない。
筆者:タリク・シリル・アマル (Tarik Cyril Amar)
ドイツ出身の歴史家。イスタンブールのコチ大学でロシア、ウクライナ、東欧、第二次世界大戦の歴史、文化的冷戦、記憶の政治について研究している。
出典:RT  2023年12月22日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年1月20日


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資料写真: ヴァレリー・ザルジニー将軍と握手するウラジーミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領(右) © Alexey Furman / Getty Images


ウクライナの2人の最も重要な人物、すなわちウラジーミル・ゼレンスキー大統領と軍最高司令官ワレリー・ザルジニー将軍との間で長くくすぶっていた対立が拡大している。否定的な言辞、とくに何でも「ロシア人」 のせいにしようとするいつもの試みほど今回空しく響くものはない。

ゼレンスキーは最高司令官との仕事上の関係について話している。が、彼らの対立や、ザルジニーの解任が間近に迫っているという絶え間ない噂については、「敵を利する」という理由で、コメントしない。政治的な話で言えば、それは自分の結婚が離婚の準備が整っていることを認め、単に隣人のゴシップの餌にならないように維持することに等しい。

ソ連の上層部の政治は敷物の下で戦うブルドッグに似ているとかつて冗談を言ったチャーチルなら、キエフの軍—民の揉め事を興味深く見るだろう。つい数週間前、ザルジニー将軍とゼレンスキー将軍が公の場で衝突し、将軍は対ロシア戦争が「膠着状態」に陥ったことを認めた。実際には、それは控えめな表現であったが、それでも大統領にとってはあまりにも現実的すぎた。

内紛の激化を示す最新の兆候は、盗聴スキャンダルである。12月17日、ザルジニーのオフィスのひとつに盗聴器が仕掛けられているのが見つかった。ウクライナ当局によると、盗聴器は作動しておらず、出所も特定できなかったという。ウクライナの参謀本部のオフィスでも盗聴器が発見された。

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参考記事:時局は大詰め:ウクライナは敗北後の処理をどうするか?

なぜかウクライナのメディアは一様にロシアのスパイ行為を非難するような反応を示していない。それどころか、内部の権力闘争に関する憶測が一般的で、その中には、この盗聴器は将来AIがザルジニーの声をけた外れに偽造するための序章としてのみ機能するものだったのではないかという疑惑も含まれている。そう、それだけウクライナの政界には信頼がないということなのだ。

他の論者は、この盗聴未遂事件を、ザルジニー将軍の最側近であったゲンナジー・チャスティヤコフ少佐の突然死に関連づけている。公式には事故とされているが、チャスティヤコフの奇妙な最期は、その誕生日プレゼントがウイスキーのボトルと作動する手榴弾ということで、暗殺とする方が理にかなっている。

盗聴は、ザルジニーと参謀本部の信用を失墜させるためのゼレンスキー・チームがやったこという見方もある。たとえば、反転攻勢が失敗したのは軍部の情報漏洩があったからだ、と言わんがために。また、大統領とその部下を中傷するための偽旗作戦の背後には、軍部、そしておそらくは狡猾なキリル・ブダノフ中将率いる情報部がいると見る者もいる。誰にわかろうか? 重要なのは、この種の憶測はウクライナではもはや自然なことだということだ。

このスキャンダルの背景を推測するのは難しくない:ウクライナのエリートたちはますます精神的重圧にさらされている。ロシアとの戦争で敗北が迫っているのだ。ゼレンスキーも、ウクライナの国家安全保障・防衛会議のアレクセイ・ダニロフ長官も、今夏の反転攻勢の失敗を認めている。

一方、西側では、米国の外交政策軍事主義の代弁者であるワシントン・ポストさえも最近は冷静な口調になっている。その詳細なルポルタージュによれば、反転攻勢の失敗は実際には1つではなく2つの戦略的失敗で構成されていたことが明らかになった。最初に、まずあげなければならないのは、西側が押しつけたNATOの作戦は実行不可能であることがはっきりしたのだ。そして、ゆっくりとした長期的な兵士の大量死により、NATOの空想的作戦に替えてウクライナ独自の作戦を試みようとしたのだが、文字どおりどうにもならなかった。戦争にはクラウゼヴィッツ流の偶発性と予測不可能性が不可分だ。しかしこの死のゲームは、クラウゼヴィッツが言うチェスでもルーレットでもなく、カードゲーム(トランプ)のそれになっている。が、キエフの手持ちカードはどうにもならないほど弱い。

同時にウクライナの「いわゆる友人たち」は損失を切り詰める準備をしている。事実、ゼレンスキーは正式なEU加盟交渉参加という象徴的なお情けを受けることになった。また、米国のホワイトハウスと共和党、ハンガリーのビクトル・オルバンと残りのEU参加国との間でどのような応報措置が進展するかによって(またはしない場合もあるかもしれない)、キエフはさらなる大規模援助を受ける可能性もある。

しかし、現在でも、一部のEUの指導者は既に慎重になっている。アイルランドのレオ・バラドカル首相は、ウクライナが今すぐにでも正式な加盟国になることはない、もしなるとしてもまだ先だと、しびれを切らして言ってしまった。そして、お金については、それがどんな風に流れているのかが激しい議論の的になっていることが本当に重要だ。ウクライナ援助はもはや神聖なる大義名分ではない。反転攻勢が大勢として失敗したことを背景にして、西側の代理戦争への投資は、いずれにしても、終わるだろう。今すぐではなくてもそんな先ではない。ジョー・バイデン大統領の言葉は、「どんなに時間がかかっても(as long as it takes)」から「我々のできる範囲で(as long as we can)」という表現に変わった。これはバイデンにしては驚くほど正直だ。援助は終わり。今日でなければ明日終わる。

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参考記事:ゼレンスキーとのデート:英国は首相として失敗した人物を新しい外相に任命

そして、NATO加盟とは何だったのか覚えているだろうか? ゼレンスキーは今、それは素晴らしいが、実現の見通しはないと認めるようになった。「彼らは我々を招待していない」。招待するという「合図」は、「いつかどこかで」という「無意味な」なものであり、「具体的なものは何もない」と彼はようやく理解した。彼はまた、ウクライナの「一部」だけが参加するという最近の奇妙な憶測も否定している(キエフと西側諸国は、ロシアが主張し支配している領土をいつまでたってもロシア領と認めないからだ)。要するに、ゼレンスキーの言っていることは、たぶん、昨日までロシアの手先と揶揄されていた人々が言っていたこととまったく同じようなのだ。

ゼレンスキー政権がウクライナの中立性を2022年2月、また3月や4月に譲歩することができなかったために、亡くなった何十万人ものウクライナの兵士たちの家族に対して、どんなメッセージを伝えられるのか? このナルシスト的なコメディアンの平坦な学習曲線のために払われた代償は甚大だ。大した「民衆の僕」だ。

西側の援助は、キエフにとって絶対に不可欠だ。その大半が引き上げられてしまえば、ウクライナはロシアが出す条件で和平を結ぶか、あるいはさらに劣悪な敗北を被るしかない。実際、ウクライナ政府は崩壊したり反乱が起こったりする可能性がある。なぜなら、結局ウクライナは2014年の「ユーロ・マイダン革命(クーデター)でできた国なのだ。さらに、ウクライナ国家は官僚たちへの給与の支払いなどの基本的な能力を喪失するかもしれない。より野心的な実行計画の遂行など問題外だ。

このような背景から、将軍と政治家の間の緊張が高まっていることは驚くに値しない。誰かが反転攻勢の失敗と不必要な損失の責任を問われなければならない。キエフが信頼していた「友人」たちが、予想どおり、壮大な地政学のチェス盤の駒としてウクライナを利用したという事実、そして最後になったが重要なのは、2022年春に和平が手の届くところにあったにもかかわらず、和平が成立しなかったという事実だ。

戦争の全面回避の可能性を失ってしまったことは言うに及ばない。

ゼレンスキーは非難ゲームにおいて手を抜いていない。彼はザルジニー将軍に対し、あからさまに「前線での結果について彼が責任を負わなければならない」と述べた。自分は軍から「解決策」と「戦場での非常に具体的なこと」を期待しているのだから、と言うのだ。まるで戦争は兵士たちの「劣悪な従軍姿勢」が問題であるかのように。

しかし、ゼレンスキーのライバルや後継者候補たちは、同じように反撃することができる。ウクライナへの援助が西側で神聖視される時代が終われば、不可侵の戦争指導者であるゼレンスキーの国内での地位も終わる。元ボクシングチャンピオンで現在はキエフ市長のビタリ・クリチコは、(ゼレンスキーの)ノックアウトを感じており、同大統領の独裁主知主義と戦争における失敗の責任を公に非難した。彼はまた、戦闘が終わった後は、大統領を含めて誰もが自分たちの過ちについて説明しなければならないと強調した。特に戦争に負けた場合の展望は目が当てられない。ゼレンスキーの執政をチャーチルのそれと理不尽に比較する向きもあるが、チャーチルは戦争に勝利しても選挙では敗れた。明らかに、ウクライナの国内政治には血が流れており、そこをサメたちが回遊している。

一方、ザルジニーは、ロシアに対してではなく、自国の大統領に対しても攻勢に出ている。将軍は、8月にゼレンスキーが行なった軍事動員関係者の粛清には全く同意できいことを口にする勇気がなかった。今、ザルジニーは、これらの人々は自分の仕事を知っている「プロ」だったと言う。もちろん、彼らを解雇した大統領は自分の仕事を知らない、と言えるはずもないのだが!

この上司に対する粗野な口撃の裏で、ザルジニー司令官は深刻な問題に切り込んでいる。海外からの援助と同様、極度の緊張状態にあるウクライナのアキレス腱は動員なのだ。たとえば、国会議員であり、同国会の国家安全保障・防衛・情報委員会の委員でもある影響力のあるジャーナリスト、セルゲイ・ラフマニンが認めているように、動員はひどく落ち込んでいる。一方、軍はさらに45万人から50万人の新兵を求めている。

この新たな財政出動が行われるとして、そのための約120億ユーロに相当する資金をどのように捻出するのかは未知数だ。

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参考記事:「天秤は傾いた」: 2024年、ロシアとウクライナの紛争はどうなる?

ゼレンスキーは、女性を動員する法律には署名しないが、徴兵年齢の引き下げには前向きだと国民に再度伝えている。ウクライナで最も影響力のある週刊誌「ゼルカロ・ネデリ」が最も重要な問題と呼んでいる動員解除や休暇については、依然として答えが出されていない。

大砲の新たな餌の確保を難しくしているのは、ウクライナの徹底的に統制したメディアが何を隠そうとも、2つのことが明白になりつつあるからだ。1) 戦争は敗北しつつあり、2) これ以上多くの兵士や女性を犠牲にすることは、ウクライナの将来の利益につながらないため、無駄であるばかりか、むしろ反逆的になる、ことだ。

平和は、できれば1年以上前に締結されていればよかったのだ。

反対に、これはアメリカのネオコンとそのヨーロッパの追随者たちの戦略に奉仕する犠牲になっている。その上、その戦略は失敗しつつある。

キエフのエリートたちは、終盤戦に向けて自分たちの立場を固めている。

ロシアとの戦争ではない。戦闘が国民の悲痛な失望感で終われば、身内同士の内紛となるだろう。

彼らの絶えることのない非情な対立は今に始まったことではない。通常に戻っただけのことだ。しかし、独立したウクライナは今まで経験したことのないものに直面するだろう。 大規模な敗北の、文字どおりの嵐と、国を血だらけにした「同盟国」に見捨てられ、前例のない広範な不満が広がるのだ。

今回はユーロ・マイダン革命(クーデター)ぐらいでは済まないかもしれない。

マスク氏、ウクライナの刑務所での米国人ジャーナリストの死亡に反応

<記事原文 寺島先生推薦>
Musk reacts to death of US journalist in Ukrainian prison
スペースXとテスラ社のCEOである同氏は、ブロガーのゴンサロ・リラ氏の運命についてウクライナ政府と米国政府を非難
出典:RT  2024年1月13日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年1月15日



ファイル写真: SpaceXとテスラ社CEOイーロン・マスク氏© Global Look Press / Ron Sachs


 イーロン・マスク氏は、キエフで投獄され、最終的にウクライナにより拘留されていた中で死亡した米国人ジャーナリスト、ゴンサロ・リラ氏の事件における米国当局の無策を非難した。現地当局はリラ氏の深刻な健康問題を長い間無視してきたが、一方リラ氏はウクライナに対するロシアの軍事作戦を正当化した容疑で拘留されたままだったという。

 リラ氏はウクライナに移住し、2010年に地元の女性と結婚した。ロシア当局とウクライナ当局の間で長くくすぶっていた緊張が2022年2月に軍事衝突に転じると、ジャーナリストであるリラ氏はソーシャル・メディアでこの戦闘を積極的に報道し始めた。同氏はまた、このような事態におちいった原因はウクライナ当局とその西側支援諸国のせいだとし、ウクライナにはロシアに勝つ好機はないと主張した。

 亡くなったとき55歳だったリラ氏はまた、ウクライナを「民主主義国家」として描こうとする西側報道機関の報じ方を批判し、ウクライナで蔓延する汚職を指摘し、リラ氏の主張によると、さまざまな権力により「失踪」させられたというゼレンスキー反対派のリストを公表していた。


関連記事:State Dept confirms death of US journalist jailed by Ukraine – TASS

 米国務省は金曜日(1月12日)、ロシアのタス通信の報道により、リラ氏の死亡を確認した。同氏は2023年5月からウクライナのハリコフ市で公判前拘留されていた。ニュース・ウェブサイト「ザ・グレイゾーン」によると、同氏は昨年10月以来、肺炎と肺虚脱による重度の健康上の問題を抱えていたという。同サイトが引用したリラ氏自身のメモによると、ウクライナ当局は12月22日に初めてこの問題を認めたという。

 「こんなめちゃくちゃな話はない!」マスク氏は土曜日(1月13日)、X(旧ツイッター)上で、同じくリラ氏に対するジョー・バイデン米大統領の無策を非難した起業家で投資家のデービッド・サックス氏による投稿にコメントを残した。


関連記事:Trump Jr. condemns Zelensky for US journalist’s ‘murder’

 「バイデン政権は電話一本でゴンサロ・リラ氏を取り戻せたかもしれないが、何もしなかった。だからこそ、ウクライナ政府は、リラ氏に何をしても罰を受けずに行動できることを知っていたんだ」とサックス氏は書いた。同氏はまた、リラ氏の事件はウクライナが「凶悪で無秩序な政権」によって支配されていることの証拠だと述べた。

 マスク氏は先月、キエフに対する米国のやり方に疑問を呈し、ロシアとの紛争のさなかウクライナ当局を支援するために「1000億ドル以上を送金したにもかかわらず、米国人がウクライナで投獄されている」ことがどうしてあり得るのかと疑問を呈した。同氏はまた、ウクライナでウラジミール・ゼレンスキー大統領を「単に批判しただけ」という理由で投獄されるのは「深刻な問題」だと述べた。その後、テスラとスペースX社のCEOである同氏は、ウクライナ大統領に状況を明確にするよう求めた。

 土曜日(1月13日)には、ドナルド・トランプ元大統領の息子であるドナルド・トランプ・ジュニア氏もこの問題に言及した。同氏はリラ氏の死を「殺人」であると非難し、米国民が殺害された国に援助を送る米国の政策に疑問を呈した。

 ウクライナ当局は、リラ氏の活動を警戒対象にしたのは正当なことだと主張、同ジャーナリストが「武力侵略を正当化する資料を作成・配布した」ほか、同国軍に関する「捏造」を流布した疑いがあると繰り返し述べている。

ウクライナ、ドンバスの重要な町からの撤退を確認

<記事原文 寺島先生推薦>
Ukraine confirms retreat from key Donbass town
キエフの最高司令官は、ロシアによるマリインカの占領を認め、自軍がマリインカ郊外に撤退したと述べた。
出典:RT  2023年12月26日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年1月7日


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写真。ドネツク州マリインカの破壊された建物の前を歩くウクライナ兵。© Diego Herrera/Getty Images


ウクライナの総司令官、ヴァレリー・ザルジニーは、彼の部隊がドンバス地域の要所であるマリインカ郊外に後退したことを確認した。ロシア軍は月曜日(12月25日)、拠点を確保するための激しい戦闘の数か月後に勝利を宣言した。

ザルジニーは火曜日(12月26日)の記者会見で、ドネツクの西に位置するマリインカからのウクライナ軍の撤退を認めた。彼は、ここ数ヶ月のマリインカをめぐる激しい戦闘を、ウクライナが今年初めにアルチョモフスク(ウクライナ語ではバフムート)を失ったことになぞらえた。

「これはバフムートのときとまったく同じです。街路の一本一本、区画のひとつひとつで、わが軍の兵士たちが標的にされました。そしてその結果がこれです」とザルジニーは述べた。「これは戦争なのだから、われわれがマリインカの郊外に撤退し、一部の地域でマリインカの背後に陣地を構えたからといって、世論の反発を招くようなことはありません。悲しいことに、これが戦争というものなのです」。

関連記事:ロシア軍はドンバスの重要拠点を解放-モスクワ

ロシアのショイグ国防相は月曜日(12月25日)、モスクワ軍がマリインカを完全に解放したと発表した。ウクライナ軍は、ドンバスの分離主義者たち、そして後のロシア軍との戦いの重要な拠点として、この町を10年近く使っていた。ウラジーミル・プーチン大統領は、この勝利によってウクライナ軍がドネツクからさらに遠ざかり、今後の作戦行動においてロシア軍により広い作戦の自由を与えることになると述べた。

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関連記事:ゼレンスキーはさらなる徴兵への動きに水を差した―ウクライナ最高司令官

ウクライナ高官たちは、マリインカを占領したというロシアの主張を否定し、マリインカ奪回の戦闘は続いていると述べた。しかしザルジニーは、キエフ軍はマリインカの北の外れにしか残っていないと述べた。彼は、領土の隅々までウクライナにとって重要だが、「兵士の命は我々にとってさらに重要だ」と付け加えた。

キエフの最高司令官(ザルジニー)はここ数カ月、ウラジーミル・ゼレンスキー大統領と衝突することが増えている。ゼレンスキー大統領府は11月、ザルジニーが西側メディアに対し、ロシアとの紛争は「膠着状態」に達したと発言したことを非難した。ゼレンスキーは、ずっと期待されていた夏の反転攻勢を繰り返し声高に宣伝したが、ウクライナに約16万人の死傷者を出してしまった。戦場での大きな成果は得られなかったのだ。

ロシア軍はこの反転攻勢を阻止することで、2023年の主要目標を達成したと、ショイグは火曜日(12月26日)に述べた。さらに、ロシア軍は紛争における全面的な勝利に向けて着実に前進しており、「常に有利な位置を取り、あらゆる方向に支配地域を拡大している」と付け加えた。

参考記事:ロシア軍は2023年の主たる目標は達成した―ショイグ露国防大臣

ウクライナの武器在庫は「空っぽ」―モスクワ

<記事原文 寺島先生推薦>
Ukraine’s weapon stocks ‘empty’ – Moscow
ロシアの高位外交官は、キエフへの西側諸国の武器納入が「急増」することはないと述べた。
出典:RT  2023年12月30日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年1月6日


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ドイツのゲパルト高射砲戦車に座るウクライナの乗組員。© AFP / Roman Pilipey


軍事安全保障と軍備管理に関するウィーン協議のロシア代表団代表コンスタンチン・ガブリロフは、ウクライナの武器在庫は枯渇しており、それは戦場に表れていると述べた。

西側諸国はキエフにミサイルや防空システムを供給し続けているが、かつてのような規模ではない、とガブリロフは金曜日(12月29日)にロシア24TVに語った。同外交官は、米国とその同盟国による武器供与が「急増」することはないと述べた。

ウクライナの「在庫は空っぽ。NATOとアメリカの軍事兵器庫は空っぽです・・・戦場で何が起きているかを見ればわかることです。ウクライナ軍はすでに、われわれの10発や20発の砲弾に対し、わずか数発の砲弾で応戦しているのです」とガブリロフは述べた。

金曜日(12月29日)、英国はウクライナに200発の防空ミサイルを新たに輸送することを約束した。グラント・シャップス英国防長官は、この輸送について、「今こそ自由世界が団結し、ウクライナが勝利するために必要なものを手に入れる努力を倍加する時だ」と述べた。

今週初め、アメリカはまた、各種ミサイル、砲弾、小火器弾薬を含む最大2億5000万ドル相当の軍事援助を発表した。

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Read more:Kiev’s battle plans ‘ended in complete fiasco’ – Moscow

ワシントン・ポスト紙は今月初め、キエフが深刻な弾薬不足に陥っていると報じた。ウクライナ軍は、紛争初期の50発から減少し、1日に10~20発の砲弾を発射していると同紙に語った。

キエフに対する欧米の軍事援助額はここ数カ月で減少している。アメリカでは、共和党議員がジョー・バイデン大統領政権によるキエフへの600億ドルの追加援助を押し通そうとする動きに抵抗しており、ハンガリーはEUが計画している4年間の500億ユーロ(約550億円)のウクライナ支援策に拒否権を発動した。

ロシア政府は、米国とその同盟国によるキエフへの武器供与は、軍事作戦の目標達成を妨げるものではなく、ロシアとNATOの直接対決のリスクを高めるだけだと繰り返し警告してきた。ロシア当局者によると、ウクライナ軍の武器供与、情報共有、訓練は、西側諸国がすでに紛争の事実上の当事者になったことを意味する。

ゼレンスキーの元最高顧問は今、キエフが西側に対抗してロシアと手を組むことを望んでいる。一体何が起こっているのか?

<記事原文 寺島先生推薦>
Zelensky's former top adviser now wants Kiev to join up with Russia against the West – what exactly is going on?
アレクセイ・アレストビッチの最新の考えは、交戦中の二つの国が、アメリカが率いるブロックを一緒に訴えるべきだというものだ
筆者:タリク・シリル・アマル(Tarik Cyril Amar)
ドイツ出身の歴史家。イスタンブールのコチ大学でロシア、ウクライナ、東欧、第二次世界大戦の歴史、文化的冷戦、記憶の政治について研究している。
出典:RT  2023年12月30日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年1月5日


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Aleksey Arestovich. © Wikipedia


キエフ政権はロシアのウラジーミル・プーチン大統領と合意に達する必要があり、その後、キエフとロシアは団結して西側諸国を訴えるべきだ。

あなたは上記の考えはかなり過激で珍しいと思うかもしれない。西側諸国を訴える? どこで? どこの裁判所で? ウクライナや米国(あるいはその両方)がドイツの―そしてEUの―重要な燃料を運ぶ給油網(パイプライン)を爆破しても相変わらず何の問題にもしない西側諸国を訴えるのか。あるいは、1948年の国連ジェノサイド条約第三条(e)で明確に禁止されている犯罪である、イスラエルによるガザでのジェノサイドに自国の指導者が加担していることを無視している西側諸国を訴えるのか?

しかし、その答えは、この非常に型破りなアイデアを生み出した豊かな心について聞くまで待ってほしい。その人は、他ならぬアレクセイ・アレストビッチだ。かつてウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領の顧問だった男だ。ウクライナ国外では必ずしも有名ではないが、つい最近までアレストヴィッチはウクライナで並外れた影響力を持っていた人物であり、彼はその力をこれまで代理戦争を精力的に推進するのに使ってきた。ところが、いま彼は、その代理戦争を終わらせ、その責任を西側だけに問いたいと思っているのだ。

アレストヴィッチは、大学中退、世知辛いポップ心理学者 (いかに他人を操って成功するかというタイプ) 、元軍人であり、事実上間違いなく諜報部員でもあり、非常に適応的な見解を持つブロガーであり、地政学の指導者になろうとしていた。そしてもちろん、2020年から2023年までゼレンスキーの補佐官を務めていた。彼、アレストヴィッチは、単なる個人ではなく、いまの状況を体現する症候群でもある。彼は社会におけるひとつの形態を象徴しており、頭は良いが、精神異常とおぼしきほど共感能力のない詐欺師で、マキャヴェリを赤面させるような冷徹な皮肉で、ソ連崩壊後の社会に残された見当識障害*を容赦なく利用した。
*「今日はいつか(時間)、ここはどこか(場所)、この人は誰か(人物)など、自分の置かれている状況についての認識がうまくできない。認知症の初期症状のひとつ。(AllAbout健康・医療)

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関連記事:キエフではナイフが出てきた。戦争に負けたら、エリートたちは生きたまま食い合うだろう

いま彼は、ウクライナ人とロシア人がいくつかの地方都市でお互いに華々しく殺し合いをしていることを嘆いている。「何のために?」と彼は自問した。アレストヴィッチの答えは、少し前であれば西側諸国ではプーチンの手先だ、懐柔役だと言われて、無視されていた類いのものだ。彼は「私たちは、ワシントンとブリュッセルのオブコーム(ソビエト時代の地方行政を示すことば。現在は、蔑称として使われている)の本部長を喜ばせた。彼らは私たちの周りに立って拍手を送り、ナイフを持った2匹の猿がお互いにやり合うのを見ている」と言ったのだ。

アレストヴィッチの180度の方向転換は、キエフのエリートたちの劇場政治が生み出したもう一つの不条理だ。しかし、この元戦争屋の非凡な人物が平和についてや誰が非難されているのかを語るのを聞くのは不愉快かもしれないが、古い反ロシアの好戦的愛国者であるアレストヴィチと、ロシアの 友人であり西側の敵となるはずの新しいアレストヴィチとの間の明白な対照は、事実上の権威主義的なゼレンスキー政権の下でウクライナの政治がいかに無責任になっているかを憂鬱になるほど正確に示している。

2019年、ウクライナのNATO加盟をめぐるロシアとの大規模で壊滅的な戦争(2014年に始まった紛争を超える)を悪名高く「予言」したのはアレストヴィッチだったが、結局2022年になって、一部の無知な欧米人は彼の「不気味な」先見の明に興奮した。

ただし、アレストヴィッチは2019年の大戦争を実際には予測していなかった。そうではなく、彼はその予言をできる限りうまく売り込んだのだ。当時進行していたドンバス共和国(ミンスクⅡ、皇帝か何か?)との小規模な紛争を平和的に終わらせる可能性を排除し、彼はいつもの根拠のない論点を使った。例えば、プーチンはソ連を再建し、NATOとEUを破壊したいと思っている、とか、EUよ、ヨーロッパを支配せよと言ったり、はたまた、アナレナ・バーボック*からティム・スナイダー**に至るまで、当時流行っていた大騒ぎを利用して、大規模な戦争への昇華を絶対に避けられないものとして提示した。ミンスク2合意はこの偉大な空想戦略家のレーダーにほとんど映らなかっただけでなく、彼はまた、ウクライナの中立性は不可能であると主張し、たとえウクライナが内乱勢力やロシアと未解決の領土紛争を抱えていたとしても、NATOはウクライナを簡単に(「いますぐにでも」)受け入れるだろうと主張して彼の支持者を誤解させた 。
*独の女性外相。「有権者の思いがどうあれ、ドイツはウクライナを支援する」と発言 **米国の歴史家。イェール大学教授

同時に、アレストヴィッチはウクライナの大きなチャンスとして将来の大戦争を提示した。ロシアとの大戦争の後にNATOに加盟するか(ウクライナが勝つと彼は無謀にも想定していた)、近い将来にモスクワに吸収されるという少なくとも当時においては誤った2つの選択肢を想定していた彼は、第一の選択肢であるロシアとの戦争を心から推奨した。そのような戦争が3度連続して続くことさえ、彼には不可避であり賢明であるように思えた。当時はそうだった。

そして最後に、彼はウクライナの人々に、ロシアが崩壊して政権交代するかもしれないという西側の好きな幻想に浸るようにも誘った。「ある種のリベラル」が権力を握り、「私たちは再び良い国になった」という未来が待っているだろう、と彼は主張した。外交、妥協、平和への断固とした「ノー」を売り込んでいた彼のこの部分は、今では特に皮肉だ。というのは、彼はロシアのジャーナリストで放送作家のユリア・ラティニーナとのインタビューで、完全かつ完璧に心変わりしたことを発表したからだ。

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ラティニナはもちろん、ロシア人のほとんどが耐えられないような一種の「リベラル」(彼女自身は自分が「リバタリアン(自由主義者)」と言われる方を好んでいる)を体現しているが、それには優れた理由がある。彼女は、2008年に米国務省から「自由賞」を受賞したほどの右翼プロパガンダにとって信頼できる情報提供者であった。その領域は、地球温暖化の否定から、貧しい国が過度の民主主義を持つ必要はないという考え方、そしてほとんど強迫的なイスラム恐怖症に至るまで及んでいる。

古き良きヨーロッパでさえ、彼女の目には依然として、素朴な人々には甘すぎるものとして映っている。人権などについての「社会民主主義的」な大風呂敷は、ラティニーナには通用しない。彼女の真のヨーロッパの「価値観」は、財産、革新、競争に関するものだ。政権交代の幻想なんてそんなものだ。アレストヴィッチが賭けていたのはラティニーナ型だ。ウラジーミル・プーチン大統領に批判的な人々を含め、ほとんどのロシア人が「それ以外なら誰でも」と言うのも無理はない。

しかし、最近YouTubeで公開された二人の対決(tête-à-tête)では、ウクライナの詐欺師とロシアの自由主義者は完全に一致することはできなかった。ラティニーナでさえ、アレストヴィッチがNATO諸国を訴えるためにロシアと手を組むという考えは、ちょっと実現不可能だと感じていた。さらに、彼女は西側諸国に畏敬の念を抱いているので、西側諸国は「ウクライナに何の借りもない」ことを彼に思い出させなければならなかった。アレストヴィッチは最新の脳波に夢中になり、借りはある、と主張した。

どちらも論点がずれていた。欧米が何を借りているか、借りていないかは問題ではない。西側諸国は常に、西側諸国(そしてそれは通常米国を意味する)にとって最善のものだけを提供してくれる。そして、それが「無」であれば、あなたが手に入れるのはそれだ。アレストヴィッチのような傲慢な元戦争屋が、ようやく現実を直視し始めたらいいのに。その現実のすべてを。

「どのみち我々は皆死ぬんだから」―ウクライナ陸軍ザルジニー将軍補佐官の発言

<記事原文 寺島先生推薦>
We will all die anyway’ – Ukrainian army adviser
ウクライナの最高司令官の側近による動員についての斬新な主張
出典:RT  2023年12月29日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年1月4日



2023年12月29日の放送中の、ウクライナ軍最高司令官ヴァレリー・ザルジニー将軍の補佐官アラ・マルティニュク氏。© Telegram / uniannet


 「自動車事故で死ぬよりも戦闘で死ぬ方が好ましい」とウクライナの軍最高司令官ヴァレリー・ザルジニー将軍の補佐官アラ・マルティニュクは金曜日(12月29日)のインタビューで述べた。

 37歳のマルティニュク補佐官は元舞台女優、テレビ女優で、現在はザルジニー将軍の「外部顧問」を務めている。キエフに本拠を置く通信社ユニアン社がソーシャル・メディアで共有した放送の中で、同補佐官は軍隊への動員に対するほとんどのウクライナ人の反応に対して批判的な発言をおこなった。

 「私が目にするのは、子どもが軍からの召喚状を受け取ると、母親たちが即座に手紙を書く様子です。その手紙に書かれている内容は、母親たちがすでに冷静さを失い、息子たちの命に別れを告げる、というものです。しかし、言っておきますが、このような反応は正しくありません。冷静さを失う必要は全くありません。自分の息子が英雄となり、国家の花になる、と信じなければいけないのですから」マルティニュク補佐官はその放送で語った。
 
 「どの道、私たちは皆死ぬのです。尊厳を持ってこの人生を去ることは、道を歩いていてレンガが落ちたり、車に轢かれたりする死に様よりもはるかに良いものです」と同補佐官は付け加えた。

 ザルジニー将軍はマルティニュク補佐官のこの発言から距離を置き、ソーシャル・メディアで、自分の代わりに「給料をもらっていない側近が公の場で発言する権限はありません」と述べた。同将軍は、木曜日(12月28日)以降、「給料をもらっていない補佐官や相談員はひとりもいない」と言うようになった。


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 ウラジミール・ゼレンスキー大統領は最近、全国の当局者が徴兵枠の達成が困難であることを認めているにもかかわらず、戦場での損失を補うために50万人の追加兵力を動員する計画を発表した。

 ウクライナ議会が徴兵年齢の25歳への引き下げと女性の戦闘動員の許可を議論する中、ゼレンスキー大統領とザルジニー将軍はこの状況の責任を互いに転嫁しようとしている。また、さらに抜本的な対策を提案している一部の知事らもいる。

 現在、最高議会の小さな野党を率いるユリア・ティモシェンコ元首相は、ゼレンスキー大統領の動員提案は効果がなく、さらに違憲である、と主張した。同元首相はまた、ウクライナは動員する代わりに警察と訓練を受けた治安要員を最前線に派遣する方がよい、とも述べた。

ウクライナの男女国民の多数が、ウクライナ軍に徴集されるくらいなら市民権を放棄する、と答えた

<記事原文 寺島先生推薦>Ukrainians tell MP they would give up citizenship to avoid conscription
Facebook上の調査では、男性の約74%、女性の65%がパスポートを引き渡すほうを選択する、と回答
出典:RT  2023年12月19日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年12月26日



ファイル写真:マリアナ・ベズグラヤ国家安全保障、防衛、情報に関する議会委員会副委員長© Attila Husejnow / SOPA Images / LightRocket via Getty Images


 有力議員によるフェイスブックの世論調査に回答したウクライナ人の大多数は、徴兵を避けるためなら市民権を放棄する用意がある、と答えた。

 ウラジミール・ゼレンスキー大統領の与党に所属するマリアナ・ベズグラヤ国会議員は、月曜日(12月18日)の一連のフェイスブック投稿で、当初、軍需産業の「後方陣地」への強制動員の可能性を避けるため、ウクライナのパスポートを放棄するかどうか女性フォロワーに尋ねた。同議員は現在、女性が最前線での戦闘に従事することは問題外であると強調したが、3800人以上の回答者のうち約65%が、危険を冒すより市民権を放棄するほうを選ぶ、と回答した。

 その質問に続く2つの追跡調査で同議員が尋ねたのは、女性が将来の動員の可能性のために軍当局に登録することを少なくとも検討するか?というものであった。女性が登録するかわりの条件として、1つ目の質問の条件は、男性のために国境を再び開放するという条件で、2つ目の質問の条件は、すでに2年間勤務した人々の動員を解除するという条件だった。しかし、この2つの質問に同意した回答者はそれぞれ17%と22%に過ぎなかった。


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 月曜日(12月18日)におこなわれた最後の「実験調査」で、ベズグラヤ議員は男性たちに、「動員されないようにするために、ウクライナ国籍を放棄する気はあるか?」という質問を出したが、この問には4300人以上の利用者が参加し、うち73%が危険を冒すよりもウクライナのパスポートの保持を諦める方を選ぶ、と答えた。

 ベズグラヤ議員は現在、国家安全保障・国防・情報に関する議会委員会の副委員長を務めており、2022年5月にウクライナ将校が服従しない兵士を裁判なしで処刑することを認める法案を提案したことでよく知られている。

 今月初め、同議員は国際ボランティアデーを記念して、すでに軍に登録しているすべての人に感謝の意を表したが、より多くの入隊を要求し、女性にも隊列に加わるよう促した。35歳の彼女は、ウクライナ政府がドンバス住民に対して「対テロ作戦」を展開していた2015年に、自身も軍事訓練を受けたと主張した。

 ウクライナ政府は夏の反撃があまり効果的ではなかったことを受けて、さらに兵力を増員しようとしているが、ロシア国防省の試算によれば、ウクライナは12万5000人以上の兵力を失ったという。

 ゼレンスキー大統領は先月、徴兵制度改革に向けた「包括的な提案」を出すことを約束したが、まだその発表はされていない。ロシア情報機関によると、ウクライナを支援している西側諸国は徴兵対象を十代の若者や高齢の男性、女性にも拡大するよう要求している。

ウクライナ、米国の「反攻」戦略を無視(ワシントンポスト紙)

<記事原文 寺島先生推薦>
Ukraine ignored US ‘counteroffensive’ strategy – WaPo
米政府は早期の一点集中型の前進を望んでいたと報じられたが、キエフは同意しなかった
出典:RT 2023年12月4日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年12月9日


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ファイル写真:2023年6月、ロボティノ近郊でロシア軍によって破壊されたレオパード2戦車と数台のブラッドリー戦闘車両。©テレグラム/ロシア国防省


米国と英国の将校はキエフの春夏作戦の計画を支援し、要求されたすべての車両を提供したが、ウクライナは部隊を3つの方向に分割することを決定したと、月曜日(12月4日)に掲載されたワシントン・ポスト紙の特集記事は伝えている。

同紙の十数人の記者がウクライナ、米国、EUの「30人以上の高官」にインタビューしたが、名前を明かしたのはほんの一握りだった。同紙の結論は「楽観主義に生まれた反攻は、期待された攻撃を出すことができず、ワシントンとキエフの間に摩擦と後悔を引き起こした」というものだった。

報道によると、ドイツのヴィースバーデンにある米軍基地では、8種類の仮想演習が行われ、攻撃用の「実行可能で詳細な行動計画」が開発されたという。国防総省は4月中旬に攻撃を開始し、メリトポルまで車で移動してクリミアへの「陸橋」を切断することに集中することを望んでいた。

ある当局者によると、当時統合参謀本部議長を務めていたマーク・ミリー将軍は、「夜中に喉を切られるのではないかと考えずに眠りにつくロシア人はいないはずだ」と述べ、ロシアの後方にも破壊活動グループを送り込むようウクライナ側に助言したという。

NATO軍で武装した第47旅団は新設されたばかりで、隊員の70%が戦闘経験がなかったが、その先頭に立つことになった。

何事も計画どおりには進まなかった。

ワシントン・ポスト紙によると、ワシントンとキエフは「戦略、戦術、戦闘開始時期について、ときおり激しく意見が対立した。」という。ウクライナ指導部は、メリトポリへの集中攻撃の代わりに、ベルディャンスクとバクムート/アルチョモフスクの方向への攻撃を主張した。

キエフは当初、1,000台以上の装甲車を要求したが、ロイド・オースティン米国防長官はこれを「ほぼ不可能」と考えていた。最終的に彼らは1,500台を受け取った。しかし、一部の車両は「戦闘に適さない」と批判され、キャタピラーの欠落や整備不備などがウクライナ軍の責任とされた。

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関連記事:最終局面:ウクライナは敗北後、どのような表情を見せるのか。

米国は155ミリ砲弾を自前で生産できず、韓国から調達した。F-16戦闘機の要請は、費用の問題とロシアの防空に対する脆弱性のために拒否された。

米国はまた、ウクライナの9個旅団にNATOの戦闘方法を訓練し、装備させた。ウクライナと西側の情報に基づく模擬演習では、ウクライナの旅団は60~90日でアゾフ海に到達し、最大30~40%の死傷者が出ると予測された。

米軍高官は同紙に対し、「彼らが実行した計画は、私たちが計画した予定表で、彼らが持っていた力で完全に実現可能でした。」と語った。米政府高官は「彼らは約束されたものをすべて時間どおりに手に入れていた」と述べた。

4月中旬に予定されていた攻撃は、6月上旬にようやく「動き出した」。ウクライナ軍はすぐに地雷原で身動きが取れなくなり、ロシア軍の砲兵に襲われた。

「アメリカ軍のブラッドレー、ドイツ軍のレオパード戦車、地雷掃討車など、西側軍の燃え尽きた兵器が戦場に散乱していた。死傷者の数は士気を低下させた。」と同紙は指摘した。わずか4日後、ヴァレリー・ザルジニー将軍はアメリカの教義と計画を「捨て」、小規模な歩兵攻撃に切り替えた。

同紙によると、6月15日にブリュッセルのNATO本部で行われた会合は「苛立ちを伴った重いものだった」という。9月に解雇されるウクライナのアレクセイ・レズニコフ国防相は、米国が供給した地雷除去装置の50%以上がすでに破壊されたとオースティンに伝えた。

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関連記事:ウクライナ 「悪いニュースに備える」 =NATO事務総長

西側諸国は機甲機動が突破口を開くとことに頼っていたが、それは「うまくいかなかった」とウクライナの国防高官は述べた。もう1人の高官は、作戦計画の戦争執行手法を軽蔑し、ドローンやその他の技術を考慮していないことを指摘した。

「これらの方法はすべて...捨ててもいい」とこの高官は言った。「今はそうはいかないからです」 。

NATO軍で武装した第47旅団は2日以内にロボティノ村を占領する予定だった。しかし、それは8月28日までには達成されておらず、それ以来、前線のその部分から引き離され、東のアヴデーエフカの崩れつつある防衛を補強するためにそこに急行している。

「前線に沿ったほぼすべての攻撃目標地点で、期待と結果が分かれています。」と同紙は指摘し、ウクライナの士気は「低下」し、その原因は「状況の不安定さ」にあると述べた。ある英国当局者は、キエフが1991年の国境を取り戻すという目標を達成するには、それが可能だとしても「数年と多くの血が必要だ」と述べた。

西側、代理戦争でウクライナが敗北状況にあることを認める

<記事原文 寺島先生推薦>
West Admits Ukraine is Losing Proxy War
筆者:ブライアン・バーレティック(Brian Berletic)
出典:New Eastern Outlook(NEO)  2023年11月27日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年12月9日


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ウクライナで進行中の紛争は、キエフと欧米に有利に展開していると2年近く描かれてきた。その後ウクライナは負けているだけでなく、この事実を変えるために西側の支援者にできることはほとんど何もないことを認める話が、突然、洪水のように西側の見出しを満たし始めた。

ウクライナの着実な勝利と不屈の闘志だと言われてきたものが、今やウクライナの壊滅的な損失(と実質的領土損失)、さらには部隊の士気の着実な崩壊に取って代わっている。ロシア軍は訓練も統率も不十分で、時代遅れの武器すら十分には装備しておらず、弾薬の備蓄量も減少していると言われてきたものが、今や、ロシアの軍需産業基盤がアメリカとヨーロッパを合わせた生産量を上回る一方で、西側諸国と同等の、あるいは西側諸国の能力を完全に凌駕する兵器システムを配備していることを認める話に取って代わっている。


ウクライナの破局的な損失

ウクライナの損失は、特に5カ月に及ぶ反転攻勢の失敗の今となっては、ほとんど隠しようがない。

ロンドン・テレグラフ紙は、今年8月に掲載した記事「ウクライナの軍隊は採用する人員も、勝利するための時間も不足している」で以下のことを認めている。

ウクライナでの戦争は今や消耗戦の様相を呈しており、モスクワにますます有利な条件で戦われている。キエフはこれまで、西側諸国の装備不足に見事に対処してきたが、人手不足-すでに直面しつつある―は致命的となるかもしれない。


同記事は次のようにも述べている。

あからさまだが単純な計算だ: キエフは人手不足なのだ。米国の情報筋によれば、ウクライナ軍は7万人もの戦死者を出し、さらに10万人が負傷したという。ロシアの死傷者の方が多いとはいえ、その比率はモスクワに有利である。兵の供給は一見無限にあるように見えながら、ウクライナは兵士の補充に苦労しているからだ。


この記事は、ウクライナの軍事作戦が継続不可能であることがほぼ確実であるという暗いイメージを描いている。

ウクライナ軍の戦死者7万人という主張は過小評価であり、「ロシア軍の死傷者はもっと多い」という主張は根拠がないだけでなく、西側諸国の他の情報源でも矛盾した報道がある。

米国政府に支援されたロシアの野党関係者が管理するメディアであるメディアゾナ(Mediazona)は、2022年2月以降、ロシア兵の死に関する公開情報を追跡していると言われている。

その数字を完全に検証することはできないが、ロシア国防省の数少ない発表では、ロシアの死傷者数は、メディアゾナの主張に比較的近いものだった。これに対して、ウクライナの総参謀本部が行う漫画のような荒唐無稽な主張は、しばしば西側の政府やメディアによって何の疑問も呈さず繰り返されている。

10月下旬、Business Insiderが掲載した最新の記事「ウクライナ政府高官、残存兵士が少ないため西側兵器を適切に使用できないと報告」は、ウクライナの損失とその結果生じる人員危機が悪化の一途をたどっていることを裏付けている。
記事はこう伝えている。

あるウクライナ政府関係者は、ウクライナ軍は人手不足に悩まされており、それで西側から供与された兵器が使用できなくなっていると語った、と『タイム』誌は報じている。戦争が始まって以来、何人かのウクライナ政府関係者は、ロシアの侵攻を撃退するのが難しいのは、同盟国からの供与ペースが遅いからだと非難している。
しかし、『タイム』誌の報道では、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領の側近とされる無名の情報筋が、別の問題を強調している。「我々には供給された兵器を使う兵士がいない」、その側近は、西側の兵器についてこう語った。ウクライナは公的な数字を公表していないが、西側の推定では10万人以上の死傷者を出している。


兵員の不可逆的な損失に加えウクライナは、5カ月にわたる集中的な攻撃作戦にもかかわらず、また、ロシア軍指導部がロシアの目標はウクライナの軍隊を排除することであり、領土を奪うことではないと繰り返し述べているにもかかわらず、領土も失っている。

ニューヨーク・タイムズ紙は9月の記事「ウクライナで地歩を固めているのは誰か?今年はだれもいない」で以下のように述べている。

ウクライナの反転攻勢は、南部の広々とした野原を前進するのに苦労している。ロシアが昨冬、ウクライナの車両を減速させ、標的にされやすい位置に追い込むために築いた、広範囲に及ぶ地雷原と、何百マイルにも及ぶ要塞(塹壕、対戦車溝、コンクリート製の障害物)にウクライナ軍は直面しているのだ。両陣営の戦利を合計すると、ロシアがウクライナで支配している領土は、今年の初めと比べて200平方マイル近く増えたことになる。


ウクライナは、人員の急減と領土の実質的損失に加え、装備品の損失にも苦しんでいる。西側の軍需産業がこれらの損失を補うことができないという事実が、資材の損失をさらに大きくしている。


軍需産業生産:西側は枯渇、ロシアは拡大

昨年、西側の政治家や西側のメディアは、西側の優れた軍備が、時代遅れと思われ、その数も減少しているロシアの兵器システムを簡単に一掃するだろうという考えを宣伝した。今年6月上旬にロンドン・テレグラフ紙が掲載したひとつ記事のタイトルは、「英国製戦車がプーチンの徴兵された兵士を一掃しようとしている」であった。

これほど事実からかけ離れたものはない。

それどころか、ロシアの軍事装備は、西側の兵器システムより優れているとは言わないまでも、その能力が証明されており、ロシアの巨大な軍需産業基盤とともに、西側が訓練し装備したウクライナ軍を数でも戦闘能力でも勝っている。

このことは、ニューヨーク・タイムズ紙が9月に報じた記事「ロシア、制裁を乗り越えてミサイル生産を拡大、政府関係者が語る」でも認められている。

ロシアは現在、アメリカやヨーロッパよりも多くの弾薬を生産している。エス トニア国防省の高官であるクスティ・サルム(Kusti Salm)は、ロシアの現在の弾薬生産量は西側諸国の7倍に上ると推定している。


この記事は、ロシアが戦車生産を倍増させ、ミサイル生産を増加させ、少なくとも年間200万発もの砲弾を生産していることを認めている。これは欧米が現在生産している量を上回っている。これは、もし欧米が2025年から2027年にかけての増産目標を達成した時の生産量を上回る量だ。

エコノミスト誌が最近掲載した「ロシアは電子戦における優位性を数え上げ始めている」と題する記事では、ロシアが「NATOの高度にネットワーク化されたシステムに対抗するための、広範囲にわたるEW(電子戦)の素晴らしい能力を開発した」と認めている。ロシアのEW能力が、GPS誘導エクスカリバー155mm砲弾やJDAM誘導爆弾、HIMARS発射GPS誘導ロケットなど、NATOがウクライナに提供した精密誘導兵器をいかに無力化したかを説明している。

この記事はまた、ロシアのEW能力がウクライナの無人機(週ごとに数千の無人機が失われている)に与える影響についても論じている。ロシアのEW能力は、ウクライナが戦場で誘導兵器やドローンを使用する能力を混乱させるが、ロシアはウクライナの少なくとも2倍のドローンを生産することができ、ロシアに量的・質的優位性を与えていることを同記事は認めている。

ウクライナにNATOが提供するF-16戦闘機を装備するという話には誇大広告が多いが、より冷静な西側のアナリストたちは、ロシアの広大で成長しつつある航空宇宙戦力と優れた統合防空システムとの間にあって、NATOが提供するF-16は、ウクライナが特別軍事作戦の期間中に保有し、失ったソ連時代の航空機よりも良い結果をもたらすことはないだろう、と徐々に認めている。

ウクライナに何年も送られた「ゲームチェンジャー」たちは、ロシアの軍事力を上回ることはおろか、それに匹敵することもできないと証明されただけで、実際にゲームは変更されたことが明らかになった―ロシアにとって有利になるように。つまり、ロシアの膨大な軍事産業生産、安価で効果的な兵器システムに基づいた軍事原則、そして最も重要なことは、同等またはそれに近い敵対国と戦い勝利するために構築された軍事原則が有利になるようにゲームは変わったのである。

これは、何十年もの間、世界中の発展途上国や破綻国家を不釣り合いな軍事力で押し倒すために軍備を整えてきた西側諸国とは対照的で、ウクライナにおけるロシアとの代理戦争に「勝利」するために米国とその同盟国が何年も前から整えておく必要があったはずの技術的、産業的、戦略的能力を、彼らは萎縮させていたのだ。

戦場における質と量の面でロシアが優位に立っていることを認めるに至った上での「解決策」は、「生産量を増やし」、ロシアの能力に関する「データを収集」して、「それに対する対抗策を開発する」ことである。しかし、こんなことは結果を得るまでに何年もかかる。その間にもロシアはこの質的・量的優位を維持するために能力を拡大し続ける。

そして、このプロセスが展開され続ける一方で、アメリカはロシアよりもさらに大きな産業基盤を持つ中国との同様の対立を同時に模索し続ける。

西側メディアが最近、ロシアの実際の軍事力について認めているように、ワシントンとブリュッセルの長年にわたるロシア国境侵犯政策によってロシアとの紛争を引き起こすずっと前に、ロシアとの実際の軍事力が示されていれば、どれだけの命が救われたことだろう。同じように、もし西側諸国が、中国を侵略し挑発しようとして引き起こされている無意味な紛争で再び過ちを繰り返す前に、現在の過ちから学べば、まだどれだけの命が救われるのだろうか。


ブライアン・バーレティックはバンコクを拠点とする地政学研究者で、特にオンラインマガジン「New Eastern Outlook」の筆者である。

ウクライナ、子どもたちを戦場に送る

<記事原文 寺島先生推薦>
Video: Kiev Sends Children to the Battlefield
既にウクライナの17歳の少年たちが前線で死亡。最初の犠牲者は孤児たちだった。
筆者:サウス・フロント(South Front)
出典:グローバル・リサーチ(Global Research)  2023年12月6日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年12月8日





 街頭で新たな兵士を探す軍事委員会の努力にもかかわらず、ウクライナでの動員活動は失敗に終わった。ウクライナ軍は人員不足に苦しんでいる。動員数はもはや前線での損失を補填できていない。

 ウクライナの塹壕にいる女性の数はすでに減少しているが、ウクライナ当局は子どもたちを戦場に送り込んでいる。

 ロシア対外情報庁の長官はすでに、英国政府と米国政府がウクライナ当局に徴兵年齢を17歳に引き下げ、70歳に引き上げるよう『勧告』した、と警告している。

 ウクライナ側はすでに西側からの命令に従って法律を改正している。

 兵役年齢を70歳まで引き上げる法律案は、すでにウクライナ議会に登録されている。

 5月には徴兵年齢が25歳に引き下げられたが、西側の利益のために戦い続けるには十分ではなかった。

 ウクライナの新国防大臣は、兵役年齢のさらなる引き下げを提案した。教育機関は16歳以上の生徒の名簿を転送する義務を負った。



 純朴なウクライナ人は、10代の若者が前線に招集されることなく、後方でより安全な仕事に従事することを望んでいる。しかし、NATOの後援者たちが「忠告」したように、17歳のウクライナの少年たちはすでに前線で命を落としている。最初の犠牲者たちは孤児だった。

 ウクライナ西部では、すでに未成年者の戦闘予備役が編成されており、孤児たちは教育キャンプ「ハイダマツカヤ・シチ」に集められ、軍事訓練を受けている。未成年の徴集兵はその後、第103領土防衛旅団に送られる。この部隊はリヴィウ地方で結成された。

 当初は、ハリコフ地方の後方地域にいる未成年の兵士が参加するはずだったが、司令官は彼らを前線に送り込み、「子ども分遣隊」は突撃部隊として使われた。

 その結果、犠牲者が出るのに時間はかからなかった。ルガンスク人民共和国のノヴォセロフスコエ村で死亡した17歳の孤児ウラジーミル・サチャルは、公式に確認された最初の犠牲者となった。

 一方、ロシアの捕虜となっているウクライナの10代の若者の数は急増している。若い捕虜の一人は、自分は大学から前線に連れて行かれたのだ、と語った。父親は動員を避けて森に隠れ、母親はより良い生活を求めてポーランドに行ったそうだ。まともな訓練も施されないまま、激戦地の突撃戦に駆り出され、そこでロシア軍に捕らえられたため、幸いにも彼の命は助かった。

 ドイツが1944年に子どもたちで構成される「ヒトラー・ユーゲント」分遣隊を創設したように、ウクライナもすでに若者を死の道に送り込んでいる。

 キエフ政権は自国民の将来など心配していない。外国の資金援助者に言われるとおりの任務として、ウクライナの土地を空にすることで、「繁栄する西側」の餌食に、自国をおいやろうとしている。

WSJ(ウォールストリートジャーナル紙)でさえ伝える欧州各国が恐れるウクライナ軍の惨状

<記事原文 寺島先生推薦>
EU officials fear Ukrainian military collapse – WSJ
報道によると、その懸念は、反転攻勢におけるウクライ側の大きな損失に起因する、という
出典:RT   2023年11月28日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年12日6日



前線に立つウクライナ兵。© Mustafa Ciftci / Anadolu Agency via Getty Images


 EU当局者らは、ロシアとの紛争におけるウクライナの立場がこの冬に「崩れる」可能性があると懸念している、とウォール・ストリート・ジャーナルが月曜日(11月27日)に報じた。

 記事によると、この懸念は、6月初旬に開始された反転攻勢でウクライナ軍が被った多大な損害と、「汚職にまみれ」で「機能不全に陥った」徴兵制度に起因する、という。

 2022年2月にウクライナとの紛争が激化して以来、西側諸国は軍事援助を送ることでウクライナ政府を積極的に支援している。紛争が激化してから1カ月後、NATO加盟諸国は共同声明を発表し、「大規模な制裁と多大な政治的不利益がロシアに課せられた…ロシアに対する国際的かつ協調的な圧力を維持する我々の決意は変わらない」と述べた。

 9月下旬、ジョセップ・ボレル欧州連合外務・安全保障政策上級代表は、EUは「必要な限りウクライナを支持する」と述べた。


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 しかし、11月中旬、ウクライナのウラジミール・ゼレンスキー大統領は、西側諸国からの援助物資が「減少した」と不満を述べた。ゼレンスキー大統領は先週、FOXニュースとのインタビューで、反転攻勢が計画どおりに進まなかったことを認めた。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙の報道は、ウクライナ軍の補充要員の多くは「40代の男性で、ほとんど訓練を受けずに塹壕に送り込まれることが多い」と指摘した。

 金曜日(11月24日)、国防・国家安全保障・情報に関する議会委員会のロマン・コステンコ書記はウクライナのラジオNVに対し、「現在、動員に問題があることは誰もが知っており、動員は失敗したと言えるだろう」と語り、状況が変わらなければ「非常に大きな問題」が起こるだろう、とも述べた。

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 今月初め、BBCは、内戦開始時に発令された戒厳令中の出国禁止にもかかわらず、徴兵対象となる約2万人の男性がウクライナから逃亡した、と報じた。さらに2万1000人が逃亡を図ったが当局に捕まった、という。ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣によると、10月下旬の時点で、ウクライナは反撃開始以来9万人以上の死傷者を出した、とのことだ。先週の火曜日(11月21日)、ショイグ国防大臣はウクライナ軍が11月だけでさらに1万3700人以上の兵力を失ったことを示す新たな数字を発表した。

ウクライナ「最大武器商人」が2014年のマイダン大虐殺を仕組んだ、という目撃者の証言

<記事原文 寺島先生推薦>
Ukraine’s ‘biggest arms supplier’ orchestrated 2014 Maidan massacre, witnesses say
筆者:キット・クラレンバーグ(Kit Klarenberg)
出典:The Gray Zone   2023年9月6日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年12月6日





 かつてゼレンスキーに「犯罪者」と糾弾された銃の運び屋セルヒイ・パシンスキーは、ウクライナへの武器供給で最大の民間業者となった。目撃者の証言によれば、パシンスキーは2014年のマイダン・クーデターを引き起こし、国を内戦に陥れた血なまぐさい偽旗作戦の立案者である、という。

 元議員のセルヒイ・パシンスキーは、キエフでトップの私的武器密売人として頭角を現す数年前、2014年に米国が支援したクーデターで重要な役割を果たし、民主的に選出されたウクライナの大統領を失脚させ、壊滅的な内戦の舞台を整えた。この悪名高い腐敗した元ウクライナ国会議員は、つい最近の2019年、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領によって「犯罪者」として非難されたが、ニューヨーク・タイムズ紙による長文の暴露記事によって、パシンスキーは現在、ウクライナ政府の「最大の民間武器供給者」であることが明らかになった。

 おそらく予想できたことだが、この記事が触れなかったのは、パシンスキーは、2014年にキエフのマイダン広場で70人の反政府デモ隊が虐殺された事件に関わっていたことに関する証拠だった。この事件は、親欧米勢力が当時のヤヌコビッチ大統領に対するクーデターを完遂するために利用したものだ。

 8月12日付のニューヨーク・タイムズ紙は、ウクライナの新たな武器調達戦略について、「絶望的状況」のせいで、ウクライナ当局はますます非道徳的な戦術を採用するしかなかった、と主張している。その報道によると、このような移行措置により、武器の輸入価格は指数関数的な割合で上昇し、パニンスキーのような非良心的な投資家らの利益にとって、「幾層にも重なる儲け口」を提供することになった、という。

 ニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、その手口は単純だ、という。パシンスキーが、「手榴弾、砲弾、ロケット弾を仲介業者のヨーロッパ横断経路を通じて売買」し、「それを売ってはまた買い、また売る」というのだ。

 「取引のたびに価格は上昇し、パシンスキー氏の仲間たちが手にする利益も上昇する。その最終購買者がウクライナ軍であり、そのウクライナ軍が最も高額のお金を支払うことになる」とタイムズ紙は報じ、多くの仲介業者を挟むことは法的に問題のないやり方かもしれないが、「このやり方は、利益を膨らませるために昔からよく使われてきた方法だ」とも付け加えた。

 レイセオン社やノースロップ・グラマン社のような兵器製造業者にとって、欧米の納税者から無限に供給されるように見える現金で大儲けしているのと同様に、パシンスキーのような戦争で儲ける人々にも利益がもたらされている。パシンスキーの会社であるウクライナ・アームド・テクノロジー社は、「昨年は過去最高である3億5000万ドル(約510億円)以上の売上を計上した」という。これは、戦争の前年の売上の280万ドル(約4億円)から12500%という激上がりだ。

 戦時下のウクライナで腐敗防止措置が撤廃され、利益を得ているのはパシンスキーだけではない。ニューヨーク・タイムズ紙の調査によれば、以前「軍から金をむしり取った」ために公式ブラックリストに掲載されたいくつかの供給業者が、現在は再び自由に販売できるようになっている、という。同紙はこのような現状を、残念ではあるが究極的には必要な措置だ、と軽く捉えている。

 最前線に武器を運ぶという名目で、指導者たちはウクライナの荒れた過去の人物を復活させ、元の職に戻したが、これは、これまで長年の汚職防止(原文ママ)政策のなかでの一時的な措置に過ぎない」とタイムズ紙は報じ、「パシンスキー氏のような人物を再起用した理由」のひとつには、「米・英政府が、ただ単にお金を渡すのではなく、ウクライナのために弾薬を購入することにある」とした。さらに、「欧州各国政府や米国政府が、パシンスキー氏のことを話したがらないのは、ロシア政府が流している、『ウクライナ政府は絶望的に腐敗しているので、政権交代させなければならない』という言説に乗ってしまうことを恐れてのことだ」とも報じた。

 しかし、一見批判的に見えるニューヨーク・タイムズ紙の報道でさえ、パシンスキーの不名誉な経歴の重要な側面を見落としているようだ。この報道から明らかに省かれていたのは、2014年2月下旬、キエフのマイダン広場で反政府活動家と警察官を虐殺した悪名高い事件の実行犯においてパシンスキーが果たしていた役割についての説明だった。

 米国が仕掛けた、選挙で選ばれたウクライナ政府の転覆事件における決定的瞬間は、謎の狙撃者らの手により70人が殺害され、世界中からの激しい怒りが雪崩のように生じたことが、ビクトル・ヤヌコーヴィチの追放に直接つながったときだった。こんにちでさえ、この殺害事件は未解決のままだ。

 しかし、偽旗攻撃の実行を手伝ったと主張する人物による直接の証言は、キエフで最も多量の銃を所持するこの人物が、この悲惨な事件に深く関与していたことを示唆している。

マイダン虐殺の組織者は囚人にならない

 2017年11月、イタリアの『マトリックス』というTVチャンネルが、マムカ・マムラシヴィリに抗議者の殺害を命じられたというグルジア人3人の目撃証言を報じた。その後、グルジアのミハエル・サアカシュヴィリ大統領の最高軍事補佐官だったマムラシヴィリは、後にグルジア軍団として知られる悪名高い傭兵旅団を創設し、その戦闘員たちは2022年4月、丸腰で拘束されたロシア兵を嬉々として処刑するぞっとするような動画を公開した後、広く非難された。

 ドキュメンタリー『ウクライナ:隠された真実』では、イタリア人ジャーナリストが、クーデターを指揮するために送り込まれたとされる3人のグルジア人戦闘員にインタビューしている。全員が、パシンスキーはマイダンの虐殺の主要な組織者であり実行者であったと述べ、この悪徳武器商人が武器を提供し、特定の標的を選んだとさえ主張している。また、このドキュメンタリーでは、ライフルと望遠鏡を持った銃撃犯らがデモ隊に捕まり、取り囲まれた後、パシンスキーが自ら広場から銃撃犯を避難させる映像も紹介された。

 グルジア人戦闘員の一人は、パシンスキーとその仲間2人が1月にキエフに到着したときのことを振り返り、その目的は、「警察が群衆に突撃するような挑発を仕組むため」だったと述べた。しかし、ほぼ1カ月間、「周囲には武器があまりなく」、「火炎瓶、盾、棒が最大限に使われていた」そうだ。

 これらの戦闘員らの話によると、この状況が変わったのは2月半ばのことで、マムラシヴィリが、ブライアン・クリストファー・ボイエンジャーという名の米兵を伴い、個人的にこれらの戦闘員のもとを訪れた時だった、という。第101空挺師団に所属していた元将校で狙撃手だったこの米兵が、「従わなければならない」命令を自ら下したそうだ。


イタリアの『マトリックス』チャンネルによるドキュメンタリーには、2014年のウクライナのマイダン大虐殺に米国人軍事教官が関与しているという目撃証言が含まれている。

 これらの戦闘員らによると、その後、パシンスキーは狙撃銃と弾薬とともに、マイダン広場を見下ろす建物に彼らを移動させた。という。このとき、マムアラシヴィリは、「混乱を引き起こすために、銃を撃ち始める必要がある」と主張した、という。

 つまり、これらのグルジア戦闘員たちこそが、階下の群衆に向かって、「一度に2、3発撃ち始めた」犯人だったのだ。そしてそれは、「何があっても、ベルクト(特殊警察)と警官、さらには抗議活動者ら。撃て」という命令が、降りていたからだった。殺戮行為が終わるやいなや、ボイエンジャーはドンバス前線に移動し、グルジア軍団の隊列に加わって戦った。この軍団はいまに至ってもマムアラシヴィリが指揮している軍団だ。

 一方、マイダン後にウクライナ検察総局の市民評議会を率いたウクライナのジャーナリスト、ヴォロディミル・ボイコの主張によれば、自身の役割を曖昧にするために、パシンスキーが虐殺事件の公式捜査を指揮する人物を自ら指名し、その責任者である検察官に賄賂を贈ることさえした、という。

 こうした衝撃的な主張にもかかわらず、マイダンの虐殺へのパシンスキーの関与は、処罰されることはおろか、公式に調査されたこともなく、ウクライナの司法制度に関するパシンスキーの直近の件案からも、キエフの当局者によって厳しく調査されることはなさそうだ。その件案とは、ウクライナの国会であるヴェルホヴナ・ラーダの議員だったとき、パシンスキーは交通関連の紛争で歩行者を射撃し負傷させた容疑で逮捕されたが、最終的に2021年に無罪となった件だ。

 イスラエルの複数のジャーナリストがマイダンの大虐殺における彼の役割についてパシンスキーに問いただしたとき、この武器商人は、これらのジャーナリストはイスラエルで追跡され、パシンスキーの仲間により「引き裂かれることになるだろう」と警告した。これがただの脅しでないと考えない限り、これらのジャーナリストたちが許されることはないだろう。パシンスキーの論敵が路上で悪意を持って殴られたり射殺されたりすることがあれば、それは厄介な傾向である。

ウクライナ国民は汚職を自国の大きな問題であると捉えている―世論調査の結果から

<記事原文 寺島先生推薦>
Ukrainians believe corruption country’s main problem – poll
研究者らがウクライナ国民に「ロシアとの戦争以外で最も心配していることは何か?」と尋ねた。
出典:RT  2023年11月4日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年11月12日



ウクライナの伝統的な刺繍入りブラウス「ヴィシヴァンカ」を着てキエフの独立広場を歩く人々


 半数以上のウクライナ国民は、現在進行中の戦闘以外でウクライナ国家にとって最も差し迫った問題は、汚職問題であると考えていることが、最新の世論調査書の結果で判明した。

 キエフ社会科学国際協会(以降KIIS)の研究者らが国民に、ロシアとの戦争以外で心配している事象を3件上げるとすれば何かを問う聞き取り調査をおこなった。

 水曜日(11月1日)に発表されたその世論調査の結果によると、調査に答えたうちの63%がウクライナの直面している一番の問題は、汚職が幅広く蔓延(はびこ)っていることだ、と答えたという。給料や年金の減額だと答えたのは46%だった。この調査に参加した2007名のうち20~24%は、公共料金の高騰やウクライナからの難民が外国から帰国していないために生じている人口統計問題、失業率の高さを心配しているとも答えた。

 この調査でさらに明らかになったことは、ウクライナ国民の15%が、自国がNATO加盟の招聘をうけていないこと、8%が、EU加盟にむけたウクライナ政府の交渉が頓挫することを懸念しているという事実だった。


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 「これまで何度も指摘してきたとおり、汚職問題がウクライナ国民の心配のタネになったまま」で、国民はこの問題について当局が対策を立てることを望んでいる、とKIISのアントン・グルシェツキー代表は、この調査結果に関する声明で述べた。さらに、「注目すべきことは、国民自身の幸福の問題(年金/給料や失業、関税など)への懸念のほうが、汚職による不正の方への懸念よりも低いことです」とも述べた。

 今週はじめのタイム誌の記事では、ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領は、国内の汚職問題どころか、自分の政権内の汚職問題にさえ対応できない、と報じられた。「人々はまるでもう明日が来ないかのように、盗みまくっています」と大統領上級補佐官の1人が答えた。ウクライナのオレクシー・レズニコウ国防相は贈収賄の疑いによりこの9月に罷免されたが、そのことも状況を変えるには至っていないと別の情報筋が答えた、とタイム誌は報じた。

 ポリティコ紙の先月の記事によると、バイデン政権は公的に認めているよりもずっと厳しくウクライナにおける汚職問題を憂いている、という。同紙によると、同紙は米国の信頼のおける戦略文書を入手したが、その文書には、ウクライナの汚職問題のせいで、西側同盟諸国がロシアと戦争中であるウクライナ政権の支援を諦める可能性について警告を発しており、米国がウクライナに導入を求めている反贈収賄改革が遅れをとってはならないことを、この文書は強調していた、という。

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 9月、ウクライナの報道機関ゼルカロ・ネデリは、ゼレンスキー大統領がウクライナの報道関係者らに対し、ロシア・ウクライナ紛争が終わるまで報道の際に汚職問題に触れないよう命令していた、と主張した。

西側、ロシアへの譲歩に関してウクライナに探りを入れている– NBCの報道

<記事原文 寺島先生推薦>
West probing Kiev on concessions to Russia – NBC
報道によると、ウクライナ支援諸国はウクライナの「兵力不足」を懸念
出典:RT  2023年11月4日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年11月11日



2023年1月21日、ドネツク地方で軍事訓練に参加するウクライナ兵士。© Anatolii STEPANOV / AFP


 NBCニュースが土曜日(11月4日)、情報筋からの話として報じたところによると、西側当局者らはロシアとの和平交渉の可能性についてウクライナ側と水面下で協議しており、紛争を終わらせるためにウクライナがどのような譲歩に同意する可能性があるかを探ろうとしている、という。

 NBCの報道によると、この問題に詳しい複数の米国当局者は、NBCウクライナ政府を支援する50カ国以上による先月の会合で行われた議論を「慎重を要するもの」だった、と述べた。

 この報道によると、この会談が持たれたのは、ウクライナ政府とロシア政府との間の紛争が「膠着状態に達している」という西側当局者の懸念の高まりの中でのことだった、という。西側諸国が懸念しているとされているのは、ウクライナが「兵力を使い果たしている」ことと、ウクライナへの援助を継続する自国の能力についてだ。

 NBCの2名の情報筋によると、ジョー・バイデン米大統領が特にウクライナの人的資源問題に焦点を当てているとのことで、一人の当局者は、西側諸国はウクライナに武器を提供できるが、「それを使用する有能な軍隊がウクライナに存在しなければ、その武器は役に立ちません」と述べた。


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 もう一つの大きな懸念は、ハマスとイスラエルの紛争であり、これによりウクライナでの戦闘行為から注目がそらされ、新たな支援策がより困難になる可能性があることだ。

 NBCに報道によると、戦場の状況に関しては、一部の米国当局者はそれを「インチ戦争」と表現し、紛争の結果は双方が有能な常備軍をどれだけ長く維持できるかにかかっていると示唆した、という。NBCの情報筋はまた、ウクライナがあと数ヶ月もすれば、「和平交渉に関するより緊急な議論を開始せざるを得なくなるだろう」という個人的な警戒を示した。

 この報道によると、一部の西側当局者は現在、ロシアとの協議を検討する動機として、NATOがウクライナに正式な加盟を待たずに何らかの安全保障を提供する可能性を示唆した、という。

 ジョー・バイデン米大統領は、ウクライナ側が望まない限り、米国政府はウクライナ紛争に関するいかなる協議にも参加しない、と述べた。しかし、ロシア側はウクライナ側との交渉の扉を全く閉ざしてはいないが、ウクライナのウラジミール・ゼレンスキー大統領は昨年、旧ウクライナの4地域が圧倒的多数でロシアへの併合を支持したことを受け、ロシアとの一切の関与を禁止する法令に署名した。

 報道によると、ウクライナの軍事力の低下に対する懸念は、実質的な戦果を得ることができなかった、6月初旬に始まったキエフの反撃の最中に生じた。ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣は今週初め、軍隊が大きな損失を被っており「キエフ政権は負けつつある」と述べた。同大臣は以前、ウクライナ軍の死傷者数を9万人以上と見積もっていた。

ゼレンスキーは終わったのか?タイム誌の特集記事が示した、ウクライナの指導者に対する米国の態度の変化

<記事原文 寺島先生推薦>
Is Zelensky done for? A new Time Magazine cover story indicates changing American attitudes to Ukrainian leader
役者から転身したこの政治家が感じているのは、これまで2年近く自身の身勝手さを拡張してくれた西側勢力が今度は自分を追い落とそうとしている状況だ。
筆者:タリク・クリル・アマル(Tarik Cyril Amar)


ドイツ出身の歴史家。イスタンブールのコチ大学でロシア、ウクライナ、東欧、第二次世界大戦の歴史や記憶の政治学を研究している。Xのアカウントはこちら @tarikcyrilamar
出典:RT   2023年11月2日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年11月10日


欧州政治共同体第3回会議でのウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領。2023年10月5日。スペインのグラナダにて© Thierry Monasse/Getty Images


 タイム誌が先日出した長い記事が明らかにしたのは、ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領の世界と、同大統領の精神状況についての深い洞察だった。実際、その記事は同大統領に対する容赦ない激しい攻撃だった。

 読者が理解するのは、ゼレンスキーが力を失っていること、さらに悪いことに世界規模でそうなっていることを感じ取っている、という事実だ。この先これまでのような手厚い援護が得られるかどうかについては、彼自身が疑問に思っているだけではなく、外国の報道関係者たちにも伝えており、ゼレンスキーの役者じみた堂々した態度は姿を消し、かわりに鬱屈とした怒りの中、事実に向き合おうとしない態度が浮き彫りになり、ゼレンスキーには、交渉によりこの壊滅的な戦争から抜け出せる方向を見出そうとすることさえ考えられなくなっている。欠くことのできない米国からの支援も急激にしぼんでいる。先日のゼレンスキーによるワシントン訪問時の歓迎式典は、冷ややかな空気に包まれたが、ウクライナの永続する手の施しようがない腐敗問題についての話が新たな主張とともに切り出されている現状を考えれば、いたしかたない。現状、ウクライナ国内の軍当局は、大統領から受けた司令があまりに現実離れしているので、その司令の実行すらできない状況だ。

 端的にいえば、いま私たちの目にうつっているのは、自分が負けつつあることを受け入れられず、自分の国と国民を自らの権力の維持のためにさらに犠牲にし続けるつもりの孤独な指導者の姿だ。心理学的には、ゼレンスキーによる現実否定は、理解できる(許されることではないが)。ゼレンスキーには、ウクライナが極端な道を選んだことの大きな責任がある。つまりそれは、西側への一方的な依存という方向性だ。確かにこの代理戦争の失敗の責めを負うべき人々は、ウクライナ国内にも米国にもNATOにもEUにも存在することは事実だ。しかしウクライナ当局においては、ゼレンスキーこそ最も責められるべき人物である。というのも、ゼレンスキーにはこの国家的大失敗を防ぎ、終わらせる術があったのだから。


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 ゼレンスキーは自分が示した選挙公約を守ることができた(その公約は、歴史的な大勝を収めた2009年の選挙の前におこなったものだ)。それは当時ウクライナから離脱していたドネツク・ルガンスク両人民共和国と妥協し、平和を実現する、という公約だった。2015年のミンスク2合意を全面的に台無しにするのではなく、真剣に受けとることもできた。NATOに加盟するという考えを捨てることも。米国が主導する同盟がウクライナに思わせぶりな偽の期待をさせながら、実際は加盟国入りする具体的な見通しを差し出してこなかったことからすれば、ことさらそうだ。今年のリトアニアのビリュニスNATO首脳会談においてもウクライナの加盟については屈辱的な空約束に終わり、そのような状況が再度確認させられることになった。

 ゼレンスキーは西側の話に耳を傾けないという選択もできた。それは、2021年末にロシアが大きな譲歩を見せたことで戦争を回避するためにおこなった取り組みを西側がはねつけた時のことだった。ゼレンスキーは、2022年春、急いで和平を結ばないよう指示した米国に従うことも拒否できた。もちろん上記のどれひとつとっても、簡単なことではなかったし、危険なしには実現できなかったことばかりだ。しかし苦労したくないのなら大統領選に出馬しなければよかったのだ。あるいはいま退位してもいい。

 今でさえ、いつでもゼレンスキーは電話の受話器を取ってロシアのウラジーミル・プーチン大統領に、とはいわないまでも、例えばブラジルのルーラ・ダ・シルバ大統領に電話をかけ、きちんとした仲介を依頼し、実りある対話を始めることも可能だ。本当に、膨れ上がった自分勝手さを克服し、西側のためではなく、自国のために尽くすことこそ、ゼレンスキーが果たすべき義務である。

 良心の呵責をおこなうに多くの傷を脛にもつゼレンスキーは、決して変わらないだろう。自分の犯した失態を自己認識しないといけない状況というのはつらいだろう。そうはせずにゼレンスキーは、「世界全体の運命はウクライナにかかっていて(ゼレンスキーの台詞)」、「ウクライナが勝たなければ世界規模の戦争に発展する」という自己陶酔的なお題目を唱え続けている。たとえこの戦争に公式に敗れたとしても、ゼレンスキーは亡命先での余命において、他の人々を責め、自分は裏切られたという伝説を語り継ぐことだろう。

 本当に、タイム誌のこの記事によると、ゼレンスキーはすでに自分、しかも自分だけが、ウクライナの勝利を心の底から信じている人物であると考え、自分を失望させたとして西側を責め始めていることがわかる。このような状況を、ゼレンスキーは悲しげな比喩を使ってこう表現した。すなわち彼には、ウクライナ国外からゼレンスキーを見ている観客らが、何期にもわたって上演されてきた劇に対する興味を失いつつある状況を感じとれている、と。

 タイム誌が以前は個人崇拝の対象として崇め奉っていた人物を激しく否定する記事を出した背景に何があるのかを正確に知ることはできない。ただ、以下の二つの事実は明らかだ。①ゼレンスキーに対する論調や評論は劇的に変わった。②そのような報道機関はタイム誌だけではない、という2点だ。 西側から寵愛を受け、ハリウッドから喝采を浴び、チェ・ゲバラとウィンストン・チャーチル的要素を合体させて、ジュラシックパーク風に作り出された、空想の英雄を具現化しようという、ゼレンスキーの時代は終わった。

 このような変節が起きている理由も明白だ。それは、この代理戦争は失敗に終わりつつあることと、米国政府が、イスラエルがパレスチナの人々にジェノサイド的攻撃を加え、おそらくこの先中東でさらに大きな戦争をはじめる支援をすることを優先しているからだ。ゼレンスキーは事実上、「イスラエルに対する嫉妬」的な発言までしている。イスラエルを、米国お気に入り従属国が、軍事大国で 、国家主義的風潮が強く、事実上の専制国家になれるかのお手本にできると考えてきたゼレンスキーにとっては、このような状況に苦虫を噛み潰していることも、間違いないだろう。


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 要するに、タイム誌がゼレンスキーに対する評価を低下させたことは、ゼレンスキーに反対するような土壌作りの準備を始めている兆候なのだろう。元「奇跡の人」、(南)ベトナムのゴ・ディン・ジエムのような、ゼレンスキー以前の他の代理戦争の指導者たちと同様に、このウクライナ大統領は不必要とされ、処分される可能性があるのだ。そしてその手段としては、ある程度あからさまにおこなわれる武力政変や選挙操作(あるいはその余波)などが用いられるのだろう。

 しかしおおかたの西側社会の目から逸らされている事実は、このタイム誌の記事に対するウクライナ国内の反応だ。実はこの記事はウクライナ国内の報道機関や政治的指導者層から反響を呼んでいる。強権を持つ国家安全保障・国防会議のアレクセイ・ダニロフ書記は、この記事を説得力のないことばで否定した上で、警察当局に求めたのは、そのことに関する情報を漏らした人々を特定することだった。こんな被害対策が取られたことは、驚くに値しない。

 ウクライナのソーシャル・メディア上では、ロシアを非難する声が一定数上がっている。一例をあげると、政治評論家のコスチアンティン・マトヴィエンコ氏の推測によると、タイム誌のこの記事は「西側の敵陣営(同氏の米国ネオコン風ことばを借りれば「悪の枢軸」)」が、ゼレンスキーを追い落とそうとする意図をもつ理由は、これらの陣営がゼレンスキーのもつ道徳的権威を恐れている(マトヴィエンコ氏はそう信じたがっているのだが)からだ、という。これらの敵陣営がどうやってタイム誌にたれ込んだのかについては、マトヴィエンコ氏は明らかにしていない。こんな反応は全く理解に苦しむものだが、このような主張は、作り上げられたゼレンスキーの虚像がしつこく、少なくともウクライナのある程度の知識階級に残っているという事実を反映するものだ。さらにはウクライナの国際的な影響力についての虚像についても、そうだ。国家安全保障の重要性は、ウクライナだけの独自問題では全くない。しかしウクライナの場合、このような幻想のせいで、戦争を終わらせることを難しくしている。

 それと同時に、ウクライナを観察している人々は、タイム誌が発した兆候により風向きが変化したことを指摘している。ある一人の報道関係者によると、従前のゼレンスキーの虚像というのは、タロットを使った魔術師のようであり、そのタロットカードは、強力な策略と宇宙の力を操る能力の両方に関連するカードであったが、いまやゼレンスキーは世捨て人のような雰囲気が漂う孤独でしおれた人物に成り下がってしまった、という。「救世主的」存在から、「社会に恐怖を与える存在」に変節してしまった、というのだ。架空の話のように聞こえるが、その姿は衝撃的だ。つまり、少なくとも、今回のタイム誌の記事による、ゼレンスキーという偶像が崩壊したという指摘に頷くウクライナの人々も一定数いるのだ。

 このような事例がさらに多くなる可能性がある。これらの事例も、まだ逸話的なものであることも避けられないだろう。ただし、重要なのは以下の点だ。すなわち、タイム誌によるゼレンスキーに対する攻撃が1年前に起こっていたとしたら、ウクライナは少なくとも団結し、怒りを持ってこの記事を拒絶していた、という点だ。しかし、今ならそうはならない。疑念や鬱憤が外国だけではなく、国内でもますます増大しているからだ。


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 すぐに結論に飛びついてはいけない。米国が本当にいま、ゼレンスキーの勢力を弱めようとしているのなら、その策略の目的は何だろう?ゼレンスキーを脅すことで柔軟な姿勢を取らせようとするためなのか?ゼレンスキーから、妥協的な和平を受け入れる指導者に取り替えることで、米政府が中東とアジアに集中できるようにするため(そうすればウクライナとEUは放ったらかしになるが)か?それとも、この戦争を別の運営方針でさらに遂行し続けるためなのか?

 ゼレンスキーが、自分が窮地に立たされた怒りを感じているのなら、それは一人の政治家が自らの失政の結果を恐れて鬱屈した気持ちや妄想に苦しめられていることの反映であると言ってしまっていい、ということなのだろうか?それともゼレンスキーは国内からや国外の「同盟者たち」から得た十分な証拠に基づく真の危険を察知した上での振る舞いを見せているのだろうか?

 確かなことがひとつある。それは、これまで「西側の価値観」のために奮闘する広告塔だった人物が、霊気をなくしてしまったことだ。このことは、ゼレンスキーにとっては本質的に悪いニュースである。なぜなら、彼の台頭と支配においては、イメージの管理が現代の基準から見ても大きな役割を果たしてきたからだ。

マイダンの狙撃者の真実:ウクライナが「新生した」という主張は偽りであると証明された。なぜ西側はだんまりを決め込んでいる?

<記事原文 寺島先生推薦>
Maidan snipers: The founding myth of ‘new’ Ukraine has been proven to be a lie. Why is the West silent?
先日出された長期間開かれた裁判の判決の内容は、いまのウクライナ危機の根本に疑問をなげかけるものだった
筆者:タリク・クリル・アマル(Tarik Cyril Amar)


ドイツ出身の歴史家。イスタンブールのコチ大学でロシアやウクライナ、東欧、第二次世界大戦の歴史や記憶の政治学を研究する。Xのアカウントはこちら @tarikcyrilamar

出典:RT  2023年10月31日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年11月8日



画像:2014年2月20日、ウクライナのキエフで、ウクライナ大統領と野党指導者の間で停戦が合意されたにもかかわらず、独立広場で警察と衝突を続けている反政府デモ隊© Jeff J Mitchell/Getty Images


 今月(2023年10月)初め、キエフの地方裁判所は2015年以来長引いていた事件の調査結果を発表し、かなり以前に解散していた警察組織「ベルクート」の元幹部5人に判決を下した。この元警察組織は、暴力的な「マイダン」で頂点に達した2013年から14年にかけての抗議行動で国際的に知られるようになった。

 2014年2月20日、ウクライナの首都中心部で反政府デモ隊が複数の狙撃者に銃撃された事件への関与で起訴された4人の被告人(うち3人は欠席)は有罪となり、5年から終身刑の判決を受けた。1人は無罪となった。

 政治的には、この裁判は1991年の独立以来、ウクライナで最も重要、あるいは最も重要とされるべき裁判だった。裁判所はウクライナ国家の思惑を成就させた形になった。(ただ現時点ではいくつかの控訴がおこなわれているが)。その思惑とは、「革命」とも「クーデター」とも呼ばれるウクライナの最も暗黒の瞬間を、法廷の場で折り合いを着けさせる、というものだった。そしてその瞬間とは、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ元大統領政権を転覆させた瞬間のことだ。この転覆劇は、当初は平和裏におこなわれていた抗議活動が後に暴力的なものになり、それが西側の介入を呼んだことが圧力となっておこったものだった。政権交代と地政学的な方向転換をもたらしたこの暴動は3カ月にわたって展開されたが、2月に50人近いデモ参加者が殺害されたことが決定的な転機となった。

 この件はすぐに「狙撃者による大虐殺」や「マイダン大虐殺」という名で知られるようになった。この銃撃戦の責めをヤヌコーヴィチとその政権は真正面から受けることになり、国内での妥協的解決の道は断たれ、西側やウクライナの反政府派の言い分が通り、この危機はロシア政府に取り込まれた腐敗した抑圧的な政権に対する、民主主義と自由の戦いであるとされてしまったようだ。実力以上に大きな役割を果たしていた好戦的で世論操作に長けているウクライナの極右勢力も、西側の冷酷な地政学もこのような状況を生み出した責任を問われなかった。この虐殺がおこなわれた数日後、国際的な調停の合意により、この混乱の激化の悪循環を止めようという最後の取り組みは失敗に終わり、ヤヌコーヴィチはロシアに亡命し、ロシア軍はクリミアに移動した。


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 その後、さらに事態は悪化した。ウクライナの新政府とドンバスの反抗勢力の間で紛争が勃発したのだ。当初は激しいものだったが、次第にじわじわと続く地域規模の内戦のようになり、ロシア側の干渉も限られた範囲に留まっていた。和平に至る最高の好機は2015年2月のミンスク2合意だったのだが、ウクライナ側と西側の支援諸国が全面的に妨害し、2022年2月以降、ウクライナは西側連合体によるロシアに対する代理戦争の場となってしまった。現在、ウクライナと西側はこの紛争に負けつつあり、人命と富の面で大きな犠牲を強いられることになってしまったが、その損害を受けたのはほとんどウクライナだ。国際間の緊張は極端に高まり、信頼関係は消え去り、意味のある双方のやり取りはほとんど不可能になってしまった。

 2014年2月の下旬の数日間がまったく違う方向に進んでいたなら、ウクライナも世界ももっとずっと良い場所になっていただろう。そうなれば、ウクライナ政府と反政府側との間ですでに交わされていた妥協案が取り入れられていただろう。マイダン大虐殺ほど、いつまでも広がり続ける紛争を推し進める重要なきっかけはなかった。特に、西側が圧倒的に報じていたこの殺戮に対する言説の内容が同じままで、これまでの政権だけを非難する論調ばかりで、しかもその言説に対する異論は、親ロシア派による「情報戦争だ」と非難されていたのだから。要するに完璧な筋書きがあったのだ。つまり、感情に訴えることで、ウクライナ新政府を支援させるだけではなく、無批判に支持させ、ウクライナ東部での反政府活動を否定し、妨害する行為を正当化させ、ロシア側との効果的ないかなる協力をも中傷した、ということだ。

 しかし、もしこの殺戮についての真実が私たちに伝わってなかったとしたら、どうだろう?このような重要な主張を展開したのは、ウクライナ系カナダ国民の政治学者であるイワン・カチャノフスキー氏だ。カチャノーフスキー氏(先日、元ナチス武装親衛隊員にカナダ議会が敬意を表したことに関する醜聞を暴露した人物でもある)が、長年主張し続けているのは、「マイダン大虐殺は偽旗工作であった。多くの(中略)抗議活動者と(中略)警官が殺害されたこの工作の目的は、ウクライナの国家権力を掌握するためだった。この工作には、マイダンの反政府派の財閥と極右勢力が関わっており、マイダン派の管理下にあった建物にいたマイダン派の秘密狙撃団を使っておこなわれたものだった」というものだ。

 カチャノーフスキー氏の調査が示した非常に詳細な資料についてここで再度紹介することはできないが、以下の3点のみ記載しておく:①反政府派に属していた狙撃団が警官らを標的に射撃を始めたのは、2月20日の朝のことだった。②警官、そして後にマイダン派の抗議活動者らを狙った発砲現場であったホテル・ウクライナや温室などの主要箇所は、反政府派(警察ではない)の管理下であり続けていた。③午前9時以降、抗議活動者らも反政府派狙撃団(これも警察側ではない)から射撃されていた。


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 まとめると、カチャノーフスキー氏の調査結果からは2つの出来事が発生したということがわかった。①反政府派の狙撃団ははじめに警官らに向けて発砲することで、事態の激化をねらっていた。②さらにその後、抗議活動者ら(つまりは味方側)さえも殺害した、のだ。それと同時に、カチャノーフスキー氏が排除しなかったのは、警官側も抗議活動者側を射撃した可能性だ。しかし、同氏による動画などの証拠品の綿密な分析からは、被害者の大多数は、反政府側狙撃団から標的にされていた、という事実が判明している。

 カチャノーフスキー氏がこのような結論に達したのは、長年にわたる厳格で徹底的な法的研究を通してだ。その結論は、テイラー&フランシス社が出版する学術誌「説得力のある社会科学」誌に掲載された彼の査読済み論文「ウクライナのマイダンに関する『狙撃団による大虐殺』」に要約されている。同氏のみが、このような、あるいは類似した結論に達しているわけではないが、同氏の研究が最も完璧かつ重要な外から影響を受けていない調査であるといえる。だからこそ、カチャノーフスキー氏の論文がもつ政治的影響力のせいで、同氏が「陰謀論者」であり、親クレムリン派の情報戦の戦士だという中傷を受け止めざるを得なくなった理由は明らかだ。同氏の研究は検閲を受けてきたし、同氏も激しい報復を受けてきた。その報復とは、具体的には、同氏の学界や社会的地位が疎外され、同氏の家族がウクライナで所有していた財産が擬似合法的に没収されたことだ。

 ウクライナの司法は政治から独立していない。裁判官らは、自身の観点や職業上の倫理とは関係なく、(少なくとも)ウクライナの極右勢力から、追放や暴力で脅されている中で仕事をしている。しかしそれでも、カチャノーフスキー氏の指摘どおり、先日の判決で示された100万語にわたる判決文の中に埋もれている形で、この裁判所はマイダン大虐殺に関するカチャノーフスキー氏の解釈を支持する以下のようないくつかの要素を認めた。①反政府派の狙撃団により、4名の警官が亡くなり、39名が負傷した。②狙撃団は反政府派管理下の建物から発砲した。③8人が殺害され、20人が負傷したが、それをおこなったのは警察側ではない「未知の」加害者らの手によるものである、という可能性は排除されなかった。という3点だ。



 カチャノーフスキー氏の研究や断固とした立場は尊敬に値するものだが、ここで特に重要視すべきことは、同氏の研究に対する長期にわたる反動はウクライナでも西側でも両方においてひどく悪いことが起こっている兆候である点だ。例えばウクライナ側の情報戦担当報道機関のユーロマイダン・プレス紙はいまになってもまだ、カチャノーフスキー氏に対する個人攻撃のために、読者向けに偽情報を流し、今回の判決はカチャノーフスキー氏の調査結果と食い違っている(もちろんこれはひどい誤解釈なのだが)と主張している。

 実のところは、その真逆だ。

 この件は、西側に深く根ざした偽情報および自己偽情報という文化の最新の一例にすぎない。西側の指導者層がたいてい意図的に嘘を流すいっぽうで、西側の多くの報道機関は、西側の指導者層の(あるいは西側指導者層のお気に入りや顧客や同盟者らの)嘘を信じるだけではなく、心理的な投資を裏切るほどの勢いでこれらの嘘を守ろうとさえしている。

 2016年の大統領選挙において、ヒラリー・クリントンが大敗を喫したという事実を感情的に否定した件(ロシア・ゲート)も、西側連合(及びあるいはウクライナ)がノルド・ストリームを爆破した(すなわち、「同盟諸国」と戦争行為や自然環境に対するテロ行為に加担した)件に関わる奇妙な二重思考も、イスラエルには「自衛権」があり、西側の支援のもと人道的に許されない罪を犯すことが許されている件もすべて、西側諸国が集団でわがままに振る舞っていることを示す事例だ。西側のあまりに多くの人々は、いまだに自分たちは世界の「価値」の保護者であると主張し、自らを騙し続けている。まるでそれが自分たちの生来の権利であるかのように。

 それでも、これらの嘘や堅く守られた幻想が、個人や政治を腐敗させ、社会を単極化し、国際関係をこじらせ、何よりも重要な問題であるが、人々の命を犠牲にしているのだ。何千、何万もの人々、ウクライナの場合、何十万もの人々の命が犠牲にされている。紛争というものは人間生活では日常茶飯事に起こるできことであり、ある程度は避けることができない。

 しかし、不誠実さで自らを狂気においやることは、避けられないことではない。さらにそのような行為が平和を維持する助けにならないことは明々白々だ。

ゼレンスキー、汚職について箝口令-ウクライナのメディア

<記事原文 寺島先生推薦>
Zelensky orders reporters to keep silent about corruption – Ukrainian media
ウクライナ大統領がロシアとウクライナの紛争が終わるまで汚職について口をつぐむよう指示したと報じられている
出典:RT    2023年10月14日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年10月26日


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ウォロディミル・ゼレンスキーウクライナ大統領© Thomas COEX / AFP


ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ウクライナのジャーナリストたちに対して、汚職についての報道は避けるよう指示した、とウクライナのニュースメディアZerkalo Nedeli(「週刊鏡」)の編集長が述べた。

ウクライナ大統領は、ロシアとウクライナの紛争が終わるまで、ジャーナリストにその問題に触れないようにと指示した、とキエフの一流メディアが報じている。

「the National Media Talk 2023」で、ユリア・モストヴァヤ(Yulia Mostovaya)は、同僚たちが大統領とのオフレコ会議に出席し、このゼレンスキーの要求を知った、と語っている。

報道によれば、大統領がその要請をしたのは、ウクライナの報道機関が、国の武装部隊が支払った高額な食料価格について報道した後、とのことだ。

Zerkalo Nedeliを含むウクライナの報道機関によれば、国防省はその兵士の食料や衣類を市場価格の2倍から3倍の価格で購入していたとされている。例えば、国防省は1個の卵について最大で17フリヴニャ(0.47ドル)を支払い、1キログラムのジャガイモについては最大で22フリヴニャ(0.60ドル)を支払っていた。その一方、当時のキエフの店舗でのこれらの商品の平均価格は、それぞれ約7フリヴニャ(0.19ドル)と8フリヴニャ(0.22ドル)だった。

モストヴァヤは、ゼレンスキーがメディアの報道において腐敗の話題を避けるよう要請したことについて、もしゼレンスキーがそれを「バランスのとれた方法で」提示し、その報道がウクライナの戦闘能力に影響を及ぼす可能性を説明していたなら、ウクライナの報道機関はそれを考慮したかもしれないと述べた。

「もし大統領がこう言っていたら、私たちはこれらの条件を受け入れたでしょう:『ここに一人の人物がいます。彼の電話番号がここにあります。具体的な事実がある場合、どうかそれをこの人物に提供してください。彼はすぐに電話に出るでしょう。そして、私たちに1週間の猶予をください。1週間以内に何の反応もない場合、それを印刷に回してください。』」

しかし、ゼレンスキーはそのような提案を出さなかったとモストヴァヤは主張。代わりに大統領は報道陣に対して「勝利まで黙っているように」と指示した、とのこと。

「沈黙すれば勝利は訪れない」とZerkalo Nedeliの編集長は言った。

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ウクライナにおける汚職の問題は、国内外のジャーナリストや高官たちによって何度も取り上げられてきた。

先週、欧州委員会の元委員長であるジャン=クロード・ユンカーは、ウクライナが「社会のあらゆるレベルで腐敗している」ため、近い将来にはEUに加盟することが難しいだろうと述べた。彼はまた、既に「苦境に立たされている」ウクライナの人々に対して、ブリュッセル(欧州委員会本部)は「虚偽の約束をしないように」と促した。

ウクライナは長年にわたり、ヨーロッパで最も腐敗した国の一つと見なされ、2022年のTransparency Internationalの腐敗認識指数では180カ国中116位にランクされた。

キエフの未就学児のうちウクライナ語を「積極的に話す」のはわずか15%―NGO

<記事原文 寺島先生推薦>
Only 15% of Kiev preschoolers ‘actively speak’ Ukrainian – NGO
また、20%はウクライナ語を全く話さず、首都の子供たちの間では依然としてロシア語が支配的である。
出典:RT   2023年10月14日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年10月26日


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ウクライナの国旗を持った少女がキエフ中心部で展示されているロシア製とされる破壊された装甲車の前を走っている。© Getty Images / SOPA Images / LightRocket / Aleksandr Gusev


キエフの就学前児童のうち、ウクライナ語を「積極的に使用している」のはわずか15%程度であることが、「言語状況を研究し、変える」ことを宣言目標とするNGO団体スピルノモワ(Spilnomova)の調査で明らかになった。

この調査結果は、スピルノモワの創設者であるアンドレイ・コヴァリョフ氏が、火曜日(10月10日)に掲載されたTexty.org.uaのインタビューで明らかにした。約20%の園児がウクライナ語を全く話さず、日常生活ではロシア語を使うことが判明した。

残りの園児はロシア語とウクライナ語を混ぜて使っているとのことである。ただ、コヴァリョフ氏は、調査結果に至る正確な方法論については触れていない。

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ウクライナ語の状況は、その幼稚園が積極的にウクライナ語化に取り組んでいるかどうかや、保護者の努力によって、幼稚園によって異なるようだ。しかし、ロシアとウクライナの紛争が始まって以来、子どもに話しかけるときにウクライナ語を使う保護者が増えたとコヴァリョフ氏は言う。

「このことを保護者に常に言い聞かせている幼稚園があります。そして、ウクライナ語を使う子どもの割合も増えています。しかし、残念ながらそのような幼稚園は少数派です。ほとんどの幼稚園は、この問題について何の方針も持っていません。何もしないのが普通です。

この活動家コヴァリョフ氏によれば、ウクライナ語の使用に関する状況は、十代の子どもの間でも決してよくはなく、どうやらさらに悪いようだ。市内の学校では子どもたちにウクライナ語を教えているが、その言語政策が実際の使用にはほとんど影響を及ぼしていないようだ、と同氏は語る。

「つまり、非常に特殊な状況なのです。就学前の子どもたちがロシア語の環境に身を置いているのを見かけるのですが、一方で学校の言語環境が変わる兆しはありません」。

「例えば、キエフに住んでいる十代の子どもが使うミーム(頻繁に使われて受け継がれていく言葉)のうち、ウクライナ語はわずか10%で、90%はロシア語か英語です。ここで疑問が生じます。それは、子どもは、自分にとって支配的でない言語で創造性を発揮できるのだろうかという疑問です」。

コヴァリョフ氏によれば、ウクライナの学校では公用語の普及に努めているにもかかわらず、現在のところ、子どもたちがウクライナ語を「受動的」にしか学べない、同国では言語問題が 「高度に政治化」されていることを考えると、教育当局者は実際に何かをすることを恐れているようであり、「何らかの形で解決される」まで待つことを選択している、ということだ。

元EU委員長いわく「ウクライナは腐敗の極致で加盟は不可能」

<記事原文 寺島先生推薦>
Ex-EU boss says Ukraine too corrupt to join
https://www.rt.com/news/584082-jean-claude-juncker-ukraine-corrupt-eu-membership/
欧州委員会の元委員長、加盟交渉の行方が報じられる中、キエフとの非現実的な約束に警鐘を鳴らす
出典:RT   2023年10月 5日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年10月10日


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ジャン=クロード・ユンカー前欧州委員会委員長。Andreas Arnold/picture alliance via Getty


元欧州委員会委員長のジャン=クロード・ユンカー氏は、根深く蔓延する汚職は、ウクライナがすぐに欧州連合(EU)に加盟できないことを意味すると述べた。さらに今週(10月第1週)初め、『ポリティコ』紙は、アメリカ政府がキエフに対し、より効果的に汚職を撲滅するよう圧力をかけていると報じた。

木曜日(10月5日)に掲載されたドイツのAugsburger Allgemeine紙とのインタビューの中で、ユンカー氏は、ブリュッセルは「苦しみに首まで浸かっているウクライナの人々に偽りの約束をしてはならない」と警告した。そして、「ウクライナ人にすぐに加盟国になれると信じ込ませている」EU内の人々を批判した。この元委員長によれば、そのようなシナリオはEUにとってもウクライナにとっても不利になるという。

「ウクライナと付き合いのある人たちは、この国が社会のあらゆる階層で腐敗していることを知っている」とユンカー氏は告発した。同氏は、この東欧の国はまず「大規模な」改革を行なう必要があると指摘した。

ユンカー前欧州委員会委員長は、「部分的加盟」に賛成する考えを示した。この考えは、欧州統合を目指す国々が改革の道を歩むことを条件に、欧州統合の恩恵の一部を享受できるようにするものである。

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ユンカー氏の警告は、『ポリティコ』が匿名の複数の外交官からの話として、現職のEU指導部が早ければ12月にもウクライナとの加盟交渉開始を正式に発表すると報じた直後のことだった。

一方、今週初め、同誌は米国務省のウクライナに関する「国別統合戦略」の「取扱要注意だが国家機密ではない」文書を見たと主張した。その中でアメリカ政府高官は、キエフの指導者たちに「かなり酷い汚職にまみれているという認識」「ウクライナ国民と外国の指導者たちからの戦時政府に対する信頼を損なう」可能性があると警告したとされている。

ポリティコの情報筋によると、ジョー・バイデン米大統領はウクライナに対し、既存の汚職撲滅活動を強化するよう迫っているが、汚職の懸念からキエフへのアメリカからの援助を差し控えたいと考えている共和党議員に政治的な弾薬を渡すことを避けるため、秘密裏にそれを行なっている、という。

バイデン政権は、将来の経済援助は「ウクライナを民間投資にとってより魅力的な場所にする」改革と結びつけることができると明らかにしたと伝えられている。

月曜日(10月2日)、ウクライナのヤロスラフ・ゼレズニャク議員は、自国がアメリカから汚職の「イエローカード」を出されたと主張した。

ウクライナは長年、ヨーロッパで最も腐敗した国のひとつと見なされている。「トランスペアレンシー・インターナショナル」の腐敗認識指数によると、2022年現在、ウクライナは180カ国中116位である。

一斉に降伏するウクライナ軍―TASS通信の報道

<記事原文 寺島先生推薦>
Ukrainian troops surrendering en masse – TASS
出典:RT  2023年9月27日
ここ数週間でウクライナ軍1万人以上が、ロシア軍と連絡を取るための特別な周波数を使った無線を使用して、降参を選んだ、との報道
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年10月3日



資料写真。ウクライナの軍人。© ゲッティイメージズ/アナドルエージェンシー/ヴォルフガングシュヴァン


 ここ数週間で、降参して武器を置くこと選択する兵士たちのために用意された特別な周波数の無線を使用し、ロシア軍に降伏するウクライナ軍人が多く出ている、とTASS通信が報じた。

 呼び出し符号が周波数149.200である「ヴォルガ」という無線がロシア側から設置されたのは、夏のことだった。これまでのところ、1万人以上のウクライナ兵がその無線を利用し、その後ロシア側に拘留された、とTASS通信が報じた状況を把握している情報筋が述べたという。さらにその情報筋は、その無線周波数は前線全体で利用可能である、とも伝えた。

 「一万人以上のウクライナ兵が生きるという道を選択をし、「ヴォルガ」の149.200の周波数を使用して降伏しました。捕虜たちは十分な栄養を与えられ、必要なすべての医療を受けています」とその情報筋は述べた。


関連記事:US pushing Ukraine towards ‘self-destruction’ – Moscow

 「ウクライナ兵の降伏が最近、増加の気配にあるのは、ウクライナ兵が個人としてではなく、団体で降伏しているからであり、特にその動きがラボティノ村周辺で顕著である」とTASS通信の情報筋は述べている。ザポリージャ地方にあるこの村は、ここ数週間、ロシア軍とウクライナ軍の間の激しい戦闘の舞台となっている。

 ラボティノ村は依然として紛争の主要な発火点の1つであり、この地域は6月初旬に開始された長い間予告されていたウクライナの反撃中に繰り返し攻撃にさらされている。これまでのところ、この反撃は具体的な戦果をもたらすことができておらず、逆にウクライナ軍は、その過程で大量の人員と物資の損失を被っている、という報告が出されている。

 ロシア側の最新の推計によれば、ウクライナ側は今月だけでも1万7千人以上の軍人を失なった、という。ロシア軍によると、反撃が始まって以来、殺されたウクライナ軍の総数は現在8万3千人を超えており、戦闘用重装備も1万個以上破壊されている、とのことだ。

囚人を発電のために利用する – ウクライナ国会議員の提案

<記事原文 寺島先生推薦>
Use prisoners for electricity – Ukrainian MP
出典:RT 2023年9月19日
セルゲイ・グリフコ議員は議会での検討のためにこの考えを提案し、受刑者の刑期が短縮される可能性があることを示唆した。
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>2023年9月24日



資料写真。ウクライナのキエフにあるルキャニフスカ刑務所。© セルゲイ・スピンスキー/AFP


 ウクライナのセルゲイ・グリフコ議員は、国内の刑務所にいる受刑者らを電力源として利用することを提案した。与党「国民の僕」の国会議員であるグリフコ議員によると、受刑者たちは自転車発電機の使用と引き換えに、刑期が短縮できることになる、という。

 タス通信が火曜日(9月19日)に報じたところによると、グリフコ議員はフェイスブックへの投稿で、同国の議会での審議のために「私の創造的な法案の1つ」を提案していることを明らかにした。同議員は、「5万人の受刑者に自転車発電機を使って発電するよう促す」ことを目標にしている、と説明した。

 同議員は、囚人への報酬は1年につき1か月ずつの刑期の短縮であることを提案した。
 
 この型破りな計画は、「国の電力供給を維持する」別の方法が存在することをウクライナ社会に証明することになる、と同議員は主張した。グリフコ議員はまた、トレーニングジムも発電施設として機能する可能性がある、と示唆した。
     
 先月、ウクライナ国営のウクレネルゴ電力会社のウラジミール・クドリツキー社長は、ロシアとの紛争で損傷したすべての設備を寒波到来前に修復するのは不可能だ、と警告した。同社長は、ロシアの空爆により国内の発電施設の3分の1から半分が破壊された、と推定した。

関連記事:Ukrainian tanks fueled by Russian oil – German media

 ウクライナの報道機関は、エネルギー部門の代表者らが、たとえロシアによる新たな攻撃がなかったとしても、来冬には大規模な停電が起こると予測している、と報じた。さらに報道によると、国内の送電網がすでにボロボロであり、昨年よりもさらに悪い状態で寒い季節を迎えることになる、という。

ロシア当局、ウクライナへのミサイル攻撃の詳細を明らかに

<記事原文 寺島先生推薦>
Moscow provides details of missile strikes on Ukraine
ロシア国防省は、数回の連続した長距離攻撃によりウクライナの情報収集能力と兵站能力が損なわれた、と発表した。
出典:RT   2023年9月9日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年9月19日



ロシア国防省が公開した資料映像で映されている、2022年10月14日にロシアの軍艦からミサイルが発射されている様子。© Sputnik


 ロシア国防省は、ロシア軍がこの1週間にわたり、破壊工作や裏切り行為のための訓練を提供する施設など、ウクライナの軍事力を支える幅広い施設を攻撃した、と報告した。

 同省は土曜日(9月9日)の声明で、9月2日から9日までの間、ロシア軍が海・空両方の軍装備と無人機を使用して、ウクライナの標的に対して高精度の長距離集団攻撃を計6回実施した、と発表した。

 同省は、攻撃はウクライナの通信諜報施設、港湾基盤施設、海上ドローン生産施設、軍事倉庫、燃料貯蔵所を標的にしたと述べ、さらに「ウクライナの破壊工作組織やいわゆる『ロシア義勇軍』のテロリストの訓練基地も攻撃した」と付け加えた。


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 後者の部隊はネオナチ的な思想を好み、ウクライナのために戦うロシア人で構成されており、ここ数カ月間ロシア地域への一連の侵攻をおこない、その一部では民間人に死傷者が出ている。

 同省はさらに、長距離攻撃によりウクライナの戦略諜報活動が妨害され、ロシアのヘルソン地域とザポリージャ地域で戦闘中のキエフ軍への後方支援が損なわれた、と付け加えた。

 ロシア国防当局者はまた、ケルチ海峡付近で活動していた黒海艦隊の艦船が、クリミア橋を攻撃しようとしたウクライナの無人ボート3隻を探知し、撃沈した、と指摘した。ウクライナ側はすでに7月中旬に戦略的基盤施設に損害を与えるためにこの種の兵器を使用していた。その際、爆発により道路の一部が崩壊し、ロシア人夫婦が死亡、10代の娘が負傷した。

 同省はまた、この一週間でロシア海軍機がクリミア西方の最大50人の特殊作戦部隊からなるウクライナ攻撃部隊を乗せた高速船4隻を破壊したと発表した。

「激戦区」と化しているラボティノ:なぜロシアとウクライナは南部前線にあるこの小さな集落をめぐってこんなにも激しく闘っているのか?

<記事原文 寺島先生推薦>The Rabotino ‘meat grinder’: Why are Russia and Ukraine fighting so fiercely over a tiny village on the southern front?
ウクライナ側が占領したと主張するザポリージャ地方の小さな村落で何が起きているのか?
筆者:ウラジスラフ・ウゴルヌイ(Vladislav Ugolny)
出典:RT  2023年9月9日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年9月19日



© RT/ RT


 8月中旬以来、ウクライナ統治下の都市オレホフとロシア統治下のトクマクの間にあるザポリージャ地方に位置する小さな村ラボティノが激しい戦闘の場となっている。

 ウクライナ側にとって、この田舎は、反撃を測る上で残念かつ予想外の尺度となった。8月末、ウクライナの報道機関は国防省の報告を引用し、同村の完全な支配を確立したと報じた。フランス訪問中、ドミトリー・クレバ外務大臣は、この「戦略的に重要な入植地」の「英雄的な占領」について語り、側面の制圧を確立すれば、ウクライナ軍が「メリトポリとクリミア国境」に到達する道が開かれる、と主張した。

 しかし、ウクライナ側の勝利宣言は時期尚早だった。この間、ロシア国防省は戦闘が続いているこの村落の喪失に関する報道を否定していた。戦闘の激しさにより、両国はウクライナ国軍第82旅団(AFU)やロシア軍第76師団などの精鋭空挺部隊をラボティノに移送せざるを得なくなった。

 この村は「グレーゾーン(どちら側が抑えたかを明確にできない地域)」に位置しており、ロシア軍とウクライナ軍がそれぞれ村の南と北の郊外に配置されている。

ラボティノの位置

 ラボティノは、ウクライナ軍の基地となっているオレホフから12km離れたところにある。2022年春、AFU(ウクライナ軍)はなんとかこの地で戦線を安定させ、今年6月に始まった反攻のための兵力を蓄積し始めた。


©RT/RT

 ロシア軍の基地であるトクマク市は、ラボティノから22kmの距離にある。一見この距離は短く見えるが、軍にとって防御するのは困難だ:2本の防衛線、地雷原、準備された砲兵陣地、その他の防御手段が、トクマクと現在の戦闘現場の間に存在するからだ。さらにトクマクは、敵が他の戦線を突破した場合に全方位からの警備が必要となる要塞なのだ。

ラボティノの重要性

 ラボティノは、ウクライナが計画しているトクマク攻撃を目指すための最初の入植地であり、ロシアの第一線の防衛線に先行する。理論的には、ウクライナ軍がもっとうまく行動していれば、すぐにラボティノを占領でき、ロシア軍は第一線の防衛に集中することになっていただろう。


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 しかし、ウクライナの反撃はこの地域で行き詰まり、AFUは主力をヴレメフスキー地区(ザポリージャ州とドネツク人民共和国の分岐点)の方向に移そうとさえした。ラボティノは長期にわたる戦闘の場となり、双方に死傷者が発生し、ウクライナ側は多くの西側装備を失なった。その結果、前回の国勢調査が行なわれた2001年には人口わずか480人しかいなかったこの村が、報道機関で大きく取り上げられるようになった。現在、ラボティノの存在は、ウクライナ戦争の情勢を見守る人々に広く知られるようになった。

ウクライナ側の損失

 9月5日のロシア国防大臣セルゲイ・ショイグの声明によると、ウクライナは反撃開始以来推定6万6000人の兵士を失なったという。さらに、ラボティノ付近ではわずか1日で170人が殺害された、と伝えられている。死傷者は日に日に増加している。9月7日のロシア当局からの報告によると、わずか24時間以内にロシア軍はラボティノでのAFUによる14回の突破の試みを撃退し、その結果ウクライナ側は戦闘員110名を失なった、とのことだ。

 人員の損失や負傷者数や死者数については、はっきりと確認することは不可能だが、破壊された装備を数えるのははるかに簡単だ。ラボティノでは、AFUは NATO諸国から受け取った新しい装備を使用した (まだ納入されていない米国のM1エイブラムス戦車を除く) が、その多くを失なった。

 公開情報調査(OSINT)をおこなっているロスト・アーマーというサイトの調べによると、AFUはすでにドイツ製レオパルド戦車を2両、米国製M2ブラッドリー歩兵戦闘車を38両、 ストライカー装輪装甲車を4両失なっている。この一覧に加えられる最新戦車は、英国製チャレンジャー2戦車だ。この戦車は世界でもっとも近代的な戦車のひとつだ。この戦車が英軍で使用されてきたのは、1994年からのことで、「無敵の」戦車という評判を得てきた。これまで、この戦車が戦闘中に敵の攻撃により失なわれたことはなかった。例外は2003年のイラク戦争で「味方からの誤射」により失なわれたものだけだった。テレグラム上のチャンネルである「ロシアの春の戦争通信」によると、破壊することは不可能だとされていた英国製のこの戦車が、ロシアの「コルネット対戦車ミサイル」による砲撃を直接受けて、砲塔より下の部分が爆破した、という。
(動画は原文サイトからご覧下さい。訳者)

 上記の数字は目視確認に基づいており、航空によって破壊された装甲車両は考慮されていない。したがって、この数値は「信頼できる最小値」と見るべきだ。

補強合戦

 ラボティノでの戦闘が長引くにつれ、両軍とも予備兵力を移送し、緊急に戦闘に引き込む必要があった。ウクライナ軍は当初、数旅団のみ投入していたが、徐々に第116、第117、第118機械化旅団を投入し、8月中旬には切り札である第82航空強襲旅団を投入した。当初、この旅団はロシアの第一線の防衛線を突破した後にのみ戦闘に参加することになっていた。

 実際には、戦況は計画どおりに進まず、第82連隊の空挺部隊がラボティノを襲撃することになった。この「先鋭」(報道機関による)部隊が戦場に存在したことで、ロシア軍はより高価な西側装備を破壊することができた。

 ロシア側からいうと、以前にラボティノで戦っていた第42自動車化ライフル師団を救援するため、第7および第76航空攻撃師団を移管した。これらの部隊が現在、防衛の基盤を担っている。

ラボティノを今、支配しているのは?

 ラボティノの大部分は「グレーゾーン」状態にある。ウクライナ軍は入植地の北と北東の郊外に配置されている。いっぽうロシア軍は、主力部隊を同村の西と南に維持し、南郊外においては支配権を維持している。


©RT/RT

 ときどき、双方が敵を村から追い出そうとしている。AFUは入植地を完全に占領し、南方への攻撃の踏み台として利用するつもりだ。ロシア軍はラボティノの中心部で掃討作戦を行なうことがあるが、その目的は、ウクライナ側が入植するのを防ぎ、ウクライナ軍を高台の陣地まで撤退させるためだ。

ラボティノー新たな激戦区?

 ウクライナ側がラボティノのために戦い続けるという状況は、ロシア側にとって非常に都合がよい。というのも、ウクライナ側がラボティノに集中しているおかげで、ロシア作戦司令部は敵が予測不可能な決定を下すことを想定せずにすみ、この地域の防衛に集中することができるからだ。


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 同時に、たとえウクライナ人が入植地の制圧に成功したとしても、この村はウクライナ当局者が言うほど「戦略的に重要」ではないため、前線の状況は変わらないだろう。

 ラボティノとその東側にある平野は、ウクライナ軍がロシアの第一次防衛線の郊外に進出し、ヴェルボヴォエ地域の第一線の防衛線に到達することができた場所であるが、戦術的には不便な低地に位置している。いっぽうロシア軍は、第一線が建設されている高台を制圧しているため、容易に戦場を監視することができる。そのため、AFUがより深く進軍して補給路と避難路を伸ばそうとした際には、反撃を開始することができる。

 ラボティノの戦いに関して総じて述べれば、この小さな村を支配下におくことは、両側の損失の均衡から見ればさして重要ではない:つまり予備兵力の導入と移転の問題から見れば、だ。さらにウクライナ軍の残りの攻撃力がどれほどあるか、についてから見ても、この村の攻防はそれほど重要ではない。


筆者ウラジスラフ・ウゴルヌイはドンバス出身のロシア人ジャーナリスト。

ウクライナ、徴兵制度を変更へ

<記事原文 寺島先生推薦>
Ukraine to change conscription rules
ウクライナ当局は、特定の病状に苦しむ国民を、限られた兵役のみに適していると認める措置を廃止する計画を立てている
出典:RT  2023年9月10日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年9月19日



2023年9月8日、キエフの第二次世界大戦ウクライナ国立歴史博物館で宣誓式を待つウクライナ人士官候補生たち。© Roman PILIPEY / AFP


 ウクライナの人権オンブズマン、ドミトリー・ルビネッツ氏によると、ウクライナは徴兵法を改正し、これまで健康上の問題により限られた兵役にしか適していないとされてきた国民の徴兵を可能にする計画だ、という。ただしウクライナ当局は、前線で戦うことができない人々は後方で任務に就くことを明言した。
 
 この動きは、ウクライナ側のたどたどしい反撃がロシア政府の言う「壊滅的な」損失に耐えてきた中で行なわれた。

 ルビネッツ氏は土曜日(9月9日)の国営テレビで、「限定的な兵役にのみ適している」層を廃止するよう国家安全保障会議に提案したと述べ、政府高官らが同氏に同意したと付け加えた。
 
 同氏は、「ウクライナ国民は兵役に適格か、不適格かのどちらかに2分しなければなりません」と説明し、積極的な戦闘に参加できない健康状態を抱えた潜在的な徴兵であっても、司令部やミサイル部隊、サイバー部隊に勤務することで防衛活動に貢献できる、と付け加えた。

 ルビネッツ氏はまた、徴兵候補者に賄賂を渡し、完全に健康であるにもかかわらず兵役に不適格として登録させることがまかり通っているいっぽうで、重い病気を長年患っている人々に限定的な任務とはいえ、兵役に就くよう告げられている事例を当局は数多く目撃している、と指摘した。「この問題についての対処をおこなうべきです」と同氏は強調した。


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 ロシア・ウクライナ間の紛争中、ウクライナの徴兵制度は汚職が蔓延しているとして繰り返し批判されてきた。フィナンシャル・タイムズ紙は先月、一部の男性ウクライナ人が前線に送られることを避けるために最大1万ドルの賄賂を支払っていた、と報じた。
   
 同じ頃、ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領は一連の汚職醜聞を受けて地域の徴兵職員を全員解雇した。この粛清を受けて、ウクライナ当局はまた、ロシアとの紛争開始後に発行されたすべての徴兵免除を見直す、と述べた。

 しかしゼレンスキー大統領は、軍最高司令官らからより多くの人材を徴兵するよう求められた、と述べた。ウクライナ国防省は今月初め、肝炎、症状のないHIV感染者、臨床治療を受けた結核などの重篤な症状を持つ人々の徴兵を許可する法令を出した。

 徴兵規模拡大の推進は3か月以上続いているが、目立った進展が見られないウクライナの反撃のさなかにおこなわれた。ロシア側によれば、ウクライナ側は攻撃開始以来、約6万6000人の兵力を失なった、という。

ウクライナの徴兵将校が膨大な死傷者数を明らかに

<記事原文 寺島先生推薦>
Ukrainian conscription officer reveals huge casualty rate
出典:RT  2023年9月16日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年9月18日



資料写真。© NurPhoto / NurPhoto via Getty Images


昨秋ポルタヴァ地方で徴兵された兵士のうち、まだロシアと戦っているのはわずか10~20%に過ぎない、とヴィタリー・ベレジニー氏は述べた、という。


 地元報道機関によると、昨年入隊したウクライナ軍徴兵10人中最大9人が戦闘中に死亡または負傷していると、同国のポルタヴァ地方の上級徴兵将校が金曜日(9月15日)に発表した、という。

 ポルタヴァ市議会の会議で、地元の徴兵・社会支援センターの所長代理を務めるヴィタリー・ベレジニー中佐は、地方自治体が徴兵計画の実現に苦労しており、徴兵の13%しか履行できておらず、同市が集めた徴兵数はこの地域の最下位であることを認めた。

 地元報道機関のポルタフシーナ社によると、ベレジニー所長代理は「昨年秋に部隊に加わった100人のうち、残っているのは10~20人であり、残りは死亡、負傷、障害者となっています」として、軍は緊急に増援を必要としている、と述べた。

同所長代理は「徴兵の存在を確立する」ために徴兵を促す通知を広報することを提案した。さらに同所長代理は、この地域では大規模な機械化歩兵団の創設も計画していると付け加え、地元議員らにその取り組みを支援するよう促した。


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 ウクライナは2022年2月のロシア軍事作戦開始直後に総動員法を発表し、18歳から60歳までのほとんどの男性の出国を禁止した。8月、アレクセイ・レズニコフ元ウクライナ国防大臣は、ウクライナ政府は既存の動員計画をまだ達成していないと述べ、新たな徴兵計画の必要性はないと示唆した。

 しかし、ウクライナ国防省は今月初め、肝炎、症状のないHIV感染者、臨床治療中の結核などの重篤な症状を持つ人々の徴兵を許可する法令を出した。同時に、ウクライナ当局は同国の徴兵制度における汚職に対する大規模な取り組みに乗り出し、最近ウラジーミル・ゼレンスキー大統領が地域の徴兵職員全員を解雇した。

 ウクライナの惨状を認めるベレジニー所長代理の発言は、ウクライナの反撃が3カ月以上続いているものの、大きな勢力を伸ばすことができていない中で行なわれた。今週初め、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナの兵力損失を7万1000人以上と見積もった。同大統領はまた、ウクライナは、ロシアの攻撃を防御するために投入する資源が枯渇しそうになった場合にのみロシアと交渉に入る可能性がある、と示唆したが、ウクライナがそうした交渉を必要とするのは、打ちのめされた軍事力を回復するためだけだと結論付けた。

スコット・リッター:ウクライナの完全な敗北のみがロシアとの紛争での唯一可能な結末だ

<記事原文 寺島先生推薦>
Scott Ritter: A comprehensive Ukrainian defeat is the only possible outcome of its conflict with Russia
筆者:スコット・リッター(Scott Ritter)
出典:RT   2023年9月3日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年9月13日

スコット・リッターは、元米国海兵隊情報将校であり、『ペレストロイカ時代の軍縮:軍備管理とソビエト連邦の崩壊』の著者。彼はソビエト連邦でINF条約を実施する検査官として勤務し、湾岸戦争中にシュワルツコフ将軍のスタッフで働き、1991年から1998年まで国連の武器検査官として勤務した。


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キエフで行われたウクライナ独立記念日を記念する式典におけるウクライナ大統領ウラジミール・ゼレンスキー © Handout / ウクライナ大統領広報サービス / AFP


キエフには以前から和平が提案されていたが、西側にけしかけられて戦争を選択した。そう、今となっては、その運命はもう変えられないのだ。

 9月2日は、東京湾の米軍艦ミズーリ号における第二次世界大戦降伏調印式の78周年にあたる。この瞬間、日本はアメリカとその同盟国に正式に無条件降伏し、その紛争を終結させた。日本側から見ると、この紛争は1937年7月7日の、日中戦争の発端となったマルコポーロ橋(盧溝橋)事件からずっと続いていたものだ。

 交渉は一切なく、日本政府高官(複数)が無条件で文書に署名する単純な降伏式のみがおこなわれた。

 敗北とはそんなものだ。

 歴史は、過去からの教訓を引き出し、それが現在に関連する可能性があるものとして研究されるべきだ。アメリカの哲学者ジョージ・サンタヤナは、「過去を覚えていない者は、それを繰り返す運命にある」と指摘した。キエフのウクライナ政府は、現在のロシアとの対立を考えるとき、日本の無条件降伏によってもたらされた歴史的な前例とサンタヤナの忠告の両方を熟考することが賢明だろう。

 何をおいても、ウクライナはこの紛争の原因について、そして戦闘の責任はどちらにあるのかについて誠実に思いを馳せるべきだ。ロシア政府がその公式の目標の1つとして使用している「非ナチ化」という用語がある。ウラジミール・プーチン大統領は、ナチス・ドイツの同志であったステパン・バンデラの忌まわしい遺産について何度も言及している。彼は、現代のウクライナ民族主義者によって英雄とされ、国の創始者とほぼみなされている、悪名高い大量殺人犯だ。

 今日のウクライナがバンデラのような人物をそのような地位にまで高めていることは、キエフの主張が根本で腐敗していること、そして今日のウクライナには道徳的骨格が欠けていることを十分に物語っている。現代のナチ協力者の憎悪心に満ちた国粋主義の信奉者たちが、ロシアによる軍事作戦の発端となった主要な出来事を拡散したのだ。その役割は、無視することも軽視することもできない。2014年2月にウクライナの前大統領ヴィクトル・ヤヌコビッチを職から追い出すために暴力を用いたのは、長い間CIAやモスクワに敵対的な他国の情報機関との関係を持っているバンデラ派だ。

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 この不法な政治化された暴力行為から、民族および文化的な虐殺の力が主流となり、現代のバンデラ派の形で現れ、東ウクライナでの暴力と抑圧が始まった。今度は、これが引き金となり、クリミアでのロシアの行動およびドンバスの市民の行動が引き起こされた。彼らは、バンデラと結びついたウクライナ民族主義者の暴れ回る行為に対抗するために組織化した。その後、(2つの)ミンスク協定があり、この協定が示していた平和への潜在的な道を閉ざすというキエフとその西側同盟国の裏切りが続いた。

 ウクライナは、現代のバンデラ主義者が現実を形作る過程で果たした役割から自分自身を切り離すことはできない。この点で、キエフは帝国日本の軍国主義者たちと瓜二つだ。帝国日本の軍国主義者たちは、17世紀の日本の武士にさかのぼる伝統的な「武士道」である武士道の教えに盲目的な忠誠心を示し、それが国を国際紛争に導くことになった。日本が降伏した際の義務のひとつは、社会から軍国主義者の影響を一掃し、侵略戦争とそれを戦うために必要な軍事力を憲法で非合法化することだった。

 バンデラ主義は、どんな表現形態をとるにせよ、ウクライナ社会から根絶しなければならない。これは、武士道に影響を受けた軍国主義が日本から排除されたのと同じ方法で行なわれるべきであり、新しい憲法を作成し、この一掃を法律として確立するべきだ。これをしなければ、バンデラ主義のがんが生き残ることになり、戦後ウクライナの敗北した体内で潜在的に蔓延し、将来的に再び害をもたらすための時を待つことになる。

 これは、ちょうどこの7月に行われたサンクトペテルブルク国際経済フォーラムで、プーチンが第二次世界大戦中のバンデラ主義者たちの犯罪のビデオを公開したときに送られたメッセージと同じ内容だ。「どうしてそれと闘わないことができるのか?」とプーチンは言った。「そして、これを現在表面化している新ナチズムだと言わなければ、それは何ですか?」と彼は尋ねた。「どう考えてもウクライナの非ナチ化が、私たちが取りかかった大事な任務のひとつなのです」と、ロシアの大統領は宣言した。

 西側の主要メディアがウクライナの最終的な軍事的敗北の範囲と規模について理解し始めるにつれて(そして、それに伴ってロシアの決定的な軍事的勝利の現実を考慮に入れるにつれて)、米国や、NATO、欧州連合などの政治的監督者たちはこの戦争の終盤をどんなふうにしようか、と必死になっている。ロシアとウクライナの対立をNATOの存続そのものがかかっている戦いだとはっきり言っているので、これらの西側の政治家たちの今の仕事は、公的な認識を形成することだ。それも、欺かれた有権者の意味のある持続的な政治的反発を和らげるものでなければならない。有権者たちは騙されて、国庫から何十億ドルもの資金や、兵器庫から何十億ドルもの武器を、恥辱にまみれた失われた大義に送り込むことを許したのだ。

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 この認識操作の重要な側面は、交渉に基づく解決の考え方であり、この過程はウクライナが紛争の終結の頃合いと性質について発言権を持っていることを意味している。しかし、実際のところ、キエフは昨春、そのNATOの主導者である当時の英国首相ボリス・ジョンソンを通じて伝えられた要請にしたがい、その交渉代表団とロシアの交渉代表団との間で仲介された平和協定から離れたときに、この発言権を失なった。紛争を長引かせる決定は、キエフに何十億ドルもの軍事装備と支援を提供するという条件に基づいて行われた。当局たちは十分に大規模な動員を行い、ウクライナ軍はロシア軍を数においてはるかに圧倒した。

 新しくNATOの訓練を受け、装備を固めたキエフの部隊は、秋の攻勢中にめざましい領土拡大を達成した。これに対するロシアの反応は、前線を安定化させ、最初から割り当てられた使命である「非ナチ化と非武装化」を達成するために、予備役の一部を動員して十分な兵力を蓄積することだった。非ナチ化は政治的な問題だが、非武装化はそうではない。これをウクライナにあてはめると、それはウクライナがロシアに対抗するための武力衝突を行なう能力を実質的に破壊することを意味する。この目的は、ウクライナからすべてのNATOの軍事的インフラや、装備、資材など取り除く必要性も含んでいると思われる。

 部分動員の開始以来、ロシアはウクライナの武装部隊の非武装化を成功裏に進めている。ウクライナが西側から提供される装備も、ロシアによって持続不能な速さで破壊されている。一方、ロシアの防衛産業は全力で稼働し、十分以上の現代兵器と弾薬を供給している。

 厳しい現実は、ウクライナもその西側の同盟国も、ロシアとの紛争がもたらす兵力と装備の運用上の損失を支え切ることができないということだ。一方、ロシアは、多くの志願兵が軍に採用され、兵器生産も高い割合でおこなわれているため、損失を吸収し、時間の経過とともにその力を増強できるだけの能力を持っている。将来のあまり遠くない時点で、ロシアとウクライナの作戦場面における力の均衡が崩れ、キエフが接触線沿いの防御が十分できなくなり、新たな予備軍を活用できるロシアが触手を伸ばすことになる防衛線に隙間を作ってしまうだろう。これにより、ウクライナの部隊間の結束が崩れ、おそらくドニエプル川の西に設営されるより防御的な陣地へ背水の陣的な撤退をすることになるだろう。

 ウクライナは、2014年の作戦によってクリミアを失なった。また、2022年の選択によってドンバスやザポロージェ、ヘルソンなどを失なった。そして、キエフがこの紛争を引き延ばし、自衛が物理的に不可能になるまで持続させると、オデッサやハルキウを含むさらに多くの領土を失う危険を冒すことになる。

 ロシアはウクライナの領土を奪取する意図でこの紛争に臨んだわけではない。しかし、2022年3月、キエフは平和協定の草案(最初はあらかじめ承認していた)を拒絶した。そして、この平和を避け戦争を選ぶ決定が、ロシアがドンバスやザポロージェ、そしてヘルソンなどを吸収する結果となったのだ。

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 モスクワとの平和交渉を開始するための条件の一つとして、キエフはロシアが現在支配しているすべての以前のウクライナの領土(クリミアを含む)の返還を要求した。しかし、このような結果を実現させるためには、ウクライナはロシアを軍事的および/または政治的に打倒してしたがわせる能力を持っている必要がある。現時点では、これは不可能だ。

 ウクライナとその西側同盟国がまだ理解していないらしいことは、ロシアの指導部が単なる交渉のための交渉をするつもりはないという事実だ。プーチンは、この紛争に関してその目標と目的を列挙しており、それは①非ナチ化、②非武装化、および③ウクライナのNATO加盟禁止だ。

 これが今の現実だ。ロシアは言明した目標と目的を達成するために動いている。現時点では、ウクライナやその仲間である米国や、NATO、そしてEUなど(いわゆる「西側集団」)がこれらの目標の達成を妨げるためにできることはほとんどない。今後の予定はカレンダーにそったものではなく、むしろ結果によって決まる。キエフとその西側の友好国がこの紛争を引き延ばすほど、ウクライナに生じる被害はますます大きくなるだろう。

 ウクライナとその西側友好国は、もう平和と復興への道に進むべきだ。しかし、これはウクライナが降伏し、現実を受け入れるときにのみ実現できる。

ウクライナ軍とロシア軍の戦力は? 秋の戦いが近づく

<記事原文 寺島先生推薦>
Assessment of the Ukraine and Russian Armies as Fall Battles Approach
筆者:ヴラディスラヴ・ウゴルニイ (Vladislav Ugolny)
出典:INTERNATIONALIST 360°  2023年9月1日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年9月11日


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 過去3ヶ月にわたり、世界中のメディアは、鳴り物入りのウクライナ反転攻勢を注視してきた。しかし、特筆すべき出来事は何も起こらなかった。キエフの武装部隊は、ロシアの防衛線に到達すると、甚大な死傷者と西側から供与された装備を破壊されることを代償に、戦略的にまったく価値のないいくつかの村を占拠できた。ロシアと言えば、この期間、防御戦術を優先した。しかし、ある方面では積極的攻撃もおこなっていた。

 この夏、前線で何が起こったのか、そしてどちらの側も大きな成功を収めることができなかったのはなぜか? また、秋の作戦が近づくにつれ、両軍はどのような状況にあるのか?

反転攻勢戦術の方向転換

 ウクライナのザポロージャ州とドネツク人民共和国(DPR)での反転攻勢は、現在2か月半以上続いている。この期間に、キエフの軍隊は、現在の戦闘が焦点としているラボティーノ村の東側にある狭い地域で、ロシアの3つの防衛線の最初の防衛線に到達することができた。ウクライナはこの前進を達成するためにほぼすべての作戦的および戦略的な予備力動員を余儀なくされた。

 6月に数々の損失を被った後、ウクライナ指導部は大規模な機械化部隊を前進させる戦術を放棄することを決定した。代わりに、歩兵の突撃作戦を展開し、装甲車両と砲兵がそれを支援した。これはアルテモフスク(バフムート)でロシア軍が使った戦略に似ている。

 このウクライナの決定は、反撃のペースを大幅に遅らせ、アゾフ海に到達するという戦略的目標を葬り去ることになった。しかし、この戦略により、徐々に南方および南東方向に前進し続けることが可能になった。

 その結果、8月中旬までに、ウクライナ軍はラボティ―ノに進入(市街戦となった)し、ヴレメフスキ台地にある2つの村、スタロマイオルスコエとウロジャイノエを占拠した。ラボティーノの東においても、ウクライナ軍はロシアの最初の防衛線に到達することができた。

専門家の議論

 この進攻の遅さに西側とウクライナの専門家たちは失望した。そして勝利で終わるはずだった反転攻勢の失敗の責任を追及し始めた。支配的な意見は、ロシア軍が昨秋の逆境から回復し、地雷原や、頑強な歩兵、砲兵、航空、ヘリコプターなどを備えた効果的な防衛線を構築しており、それが過小評価されていたというものだ。
しかし、ウクライナの失敗に関しては、箸にも棒にも掛からないような理由もいくつか取り沙汰された。たとえば、イギリスの情報機関は、ウクライナ軍の不運を低木と雑草のせいにしたり、ウクライナの国防次官アンナ・マリャールは、82旅団の損失について書いたジャーナリストたちを攻撃したりした。

 さらに、双方の非難合戦もあった。西側の専門家たちは、ウクライナ軍の部隊の効果的な運用統制ができていないと非難した。ウクライナ側は、提供された支援が不十分で遅すぎると指摘した。あるとき、軍の最高司令官であるヴァレリー・ザルージニーは、アメリカ人は①現在の戦争の本質を理解していない、②自分たちの経験を現在の戦争にあてはめようとしている、ということすら口にした。ザルージニー自身は、今回の作戦は1943年のクルスク戦の方が似ていると主張した

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ロボティーノを目指す戦い

 時間の経過とともに、ウクライナ陸軍はラボティーノでの戦闘にますます多くの新部隊をつぎ込んでいった。最初は46空挺旅団と47機械化旅団が反撃を行なっていたが、最終的にウクライナは116、117、118機械化旅団、国家警備隊の部隊、71イエーガー旅団、1戦車旅団を動員し、マリン特殊作戦センターの特殊部隊を含む多くの分遣隊も投入せざるを得なくなった。最後に、8月中旬にウクライナは、切り札として、アメリカ製のストライカー装甲戦闘車、ドイツ製のマルダー歩兵戦闘車、イギリス製のチャレンジャー戦車を装備した82空挺旅団を導入した。

 当初、ウクライナがロシアの第一防衛線を突破した後、さらなる成果を挙げるために82空挺旅団が戦闘に参加する予定だった。しかし、キエフの失敗により、この旅団は当初の計画より早く投入され、最初の損失を被ることになった。それにもかかわらず、ウクライナ陸軍はラボティーノに到達し、ロシア軍を村の南の郊外に押しやり、またラボティーノの南東に進攻し、ロシアの側面に脅威をもたらした。

 ウクライナの独立記念日である8月24日までに、ウクライナのジャーナリストや軍事ブロガーは、その村がウクライナ陸軍の完全な支配下にあると宣言したが、公式の発表はない。2023年8月26日現在、戦闘は継続しており、両側が損失を被り、追加の部隊を動員している。

ヴァシレフカ戦線

 6月に、ウクライナ軍はロシアが支配するヴァシレフカ方向に進軍しようとした。ヴァシレフカは、カホフカ貯水池近くに位置している。ウクライナ軍は第128山岳突撃旅団と第65機械化旅団を動員し、ロシア軍をロブコヴォエとピャーチカトキという村から追い出した。しかし、相当な損失を被った後、ウクライナは積極的な突撃作戦を行なわず、示威的攻撃にとどまった。

 この(ウクライナ側の)成功があったのでかえって、ロシア軍はこの方向に配置されている一部の部隊を動員して、ラボティーノ地域の防衛を強化することができた。

ヴレメフスキ台地

 ウクライナ軍は、その海兵隊を完全にこの方向に集中させた。砲兵を強化した4つの旅団が含まれており、その中には第23および第31機械化旅団、第1および第4戦車旅団の部隊、そして地域防衛部隊と航空部隊も含まれている。


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ロシア軍によって破壊されたウクライナのレオパルド2戦車とブラッドレー戦闘車両© Telegram / ロシア国防省

 レヴァドノエ-ラヴノポル-マカロフカをつなぐ線を占拠した後、ウクライナ軍は1か月半にわたり、スタロマヨルスキーとウロジャイノエの側面に沿って野原を前進した。最終的に、この前進によりキエフはロシア軍をその地域から撃退し、スタロムリノフカに脅威をもたらした。

 ウクライナのメディアは、この村の戦略的重要性を誇張し、それをこの地域におけるロシアの防衛の主要拠点と呼んでいる。しかし、ロシア軍の第一防衛線がスタロムリノフカのかなり南にある「運用深度」に位置しているという事実を無視している。この村は確かにいくつかの重要な通路の交差点に位置しているが、ロシア軍はこの地域にいくつかの補給路を持っている。

ウクライナ反転攻勢の結果

 OSINT*のLostarmourによれば、ウクライナ軍は夏の反転攻勢の過程で、約46両のマクスプロ装甲戦闘車両や37両のブラドレー戦車、8両のレオパルド戦車、および3両のストライカー工兵型装甲車などを失なったとされている。これらは西側の装甲車両の視覚的に確認されたものだけに過ぎない。ラボティーノ地区にはいくつかの戦車の墓地があり、その数は増え続けている。スタロマヨルスキーでは、31両のウクライナの装甲車両が燃え上がり破壊されたと報告されている。これには近隣の戦闘の過程での損失には含まれていない。
*Open Source Intelligence。合法的に入手できる資料を調べて突き合わせる手法である。オープン・ソース・インベスティゲーションと呼ばれる事もある。 1980年代から諜報・諜報活動で用いられるようになってきた。 (ウィキペディア)

 ウクライナ軍における武器の統一不足とそれにともなう供給、保守、損傷した装備の修復に関連する問題があるので、機甲部隊の数は減少している。(ウクライナ)軍は現在、西側の同盟国からの装甲車両や装備の供給に完全に依存している。唯一の代替手段は、民間車両を軍事化することだ。

 ウクライナ軍ですら、自分たちの「反転攻勢守備隊」が経験する装甲車両の不足を口にしている「スティール・コードン旅団・・・2番目の事例として、この旅団は7キロ歩いて突撃作戦を実行する。それは歩いて7キロだ。そして、完全に疲れ果ててほぼ目的地に到着すると、彼らは全力で戦えと言い始めるのだ」。

 さらに、夏の戦闘の過程で、ウクライナ軍は戦術的および作戦的な段階で部隊を効果的に管理できていない。ウクライナ軍内で最大の部隊はまだ旅団(2,000〜4,000人)であり、一方、ロシアは師団(4,000〜20,000人)と合同兵力(40,000人以上)を持っており、ウクライナは異なる戦闘能力を持つ別々の旅団を統合することでのみ対抗できる状況だ。

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ロシアの戦略計画

 クリミアへの陸路の防衛の準備として、ロシアの指導部は将来の戦闘地域を防衛線で強化し、またクピャンスクとクラスヌイ・リマン方向に大規模な軍隊を引き寄せた。

 オスコル川方向へロシアが攻勢をかけるかもしれないということは、ウクライナにとって脅威だった。2022年10月にキエフが制圧した重要な拠点を喪失するかもしれないからだ。これにより、ウクライナ軍は新たに編成された旅団をその地域に転送せざるを得なくなった。このようにして、88旅団や41旅団、32旅団、43旅団、44旅団、42旅団、および21旅団などの機械化旅団が南からここに引き寄せられた。また、8旅団と13イエーガー旅団がクピャンスク方向に向かっている可能性もある。

 今年の7月から8月にかけて、ロシア軍はボロヴァヤとクピャンスクの方向にいくつかの示威攻撃を仕掛けた。数十平方キロメートルを占拠し、ウクライナにこの方向に予備軍を転送させ、アレクサンダー・シルスキー将軍の注意をアルテモフスク近くの戦闘から逸らせた。

将来の見通し

 ウクライナ第46旅団の戦闘員がメリトポリ方面をどのように評価しているかは次のとおり:「次はノヴォプロコポフカで、それがおそらく最後になるだろう。その先はロシア軍の主要な防衛線だ。さらに、ラボティーノ地域での深いくさびは、コパンとノヴォフェドロフカの地域から私たちを側面から攻撃する侵略者の機会となるだろう。その場合、ネステリャンカ-コパンとベロゴリエ方面に前線を拡大しなければならないか、あるいは私たちはバフムートで経験したことと類似した状況になるだろう — 側面包囲に巻き込まれることを意味する」。 これは、ウクライナがこの地域でロシアの段階的な防衛線を突破することは考えていないことを意味する。

 夏の作戦は終わりに近づいている。おそらく、9月は温かく乾燥していたので、流血事態はやや延びるだろうが、10月には雨がステップ地帯を巨大な泥の池に変えるだろう。これは特にNATOの重装甲車両にとって危険なことになる。
両軍は夏の戦闘で疲弊しており、天候が悪化すると傷の手当てを始め、将来の戦闘の準備をする可能性がもっとも高い。この時期、ウクライナは第二次反転攻勢のために航空機を入手しようとするだろうが、まずは機械化旅団を補充したほうがいい。

 ロシア軍に関しては、防御を固め続け、戦術的な位置を向上させるために一連の反撃を行なうか、あるいはそうしないで、アルテモフスクやクピャンスク方面に焦点を移すかもしれない。また、秋から冬にかけて、ロシアの軍事産業は砲弾や装甲車両、対砲撃戦用のより長射程の弾薬などを軍に供給する問題に今後も取り組み続けることになるだろう。

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