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新型コロナは英国の大学制度の致命的欠陥をさらけ出し、取り返しのつかない崩壊を招いている

<記事原文 寺島先生推薦>Covid-19 has exposed the fatal flaws in Britain’s university system and hastened its inevitable decline
リサ・マッカンジー著

Dr Lisa McKenzie is a working-class academic. She grew up in a coal-mining town in Nottinghamshire and became politicized through the 1984 miners’ strike with her family. At 31, she went to the University of Nottingham and did an undergraduate degree in sociology. Dr McKenzie lectures in sociology at the University of Durham and is the author of ‘Getting By: Estates, Class and Culture in Austerity Britain.’ She’s a political activist, writer and thinker. Follow her on Twitter @redrumlisa.

RT 論説面

2021年12月11日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2021年1月30日




 今回のパンデミックのせいで、大学生たちはうつ病になり、大学のスタッフは燃え尽き症候群になってしまった。そして今回のパンデミックスか明らかにしたのは、高等教育制度における無数の課題だ。私自身大学講師の1人ではあるが、こう言わざるを得なくなっている。「この制度は全く崩壊の危機にある」と。

 今学期の授業日も残すところあと少しになったが、英国での大学講師としてのキャリアを10年以上持つ私からしても、今年度ほどキツい1年はなかった。

 9月以来、大学も大学生も、ニュースのネタから外されることはなかった。9月には、学生のあいだでのCovid-19の感染率が上がり続けていることがニュースになっていた。それから10月になると、ニュースの話題は、学生間の感染率の高さが、大学のある都市の人々に広がっていったことに移った。当時私はある記事を書いたのだが、その内容は、「感染が広がったことについて、頼むから学生たちを責めないでください。責められるべきなのは大学と政府です。両社の対応が悪く、危機に対する見通しも持てていなかったのですから」というものだった。

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 そして学期末を迎えた今、学生たちの精神状態についての新しい調査結果によれば、多くの学生たちはうつ病に苦しんでいることがわかっている。今私たちの頭をよぎるのは、マンチェスター大学で起こった、学生たちが学生寮に閉じ込められたという記事の見出しだ。さらにノッティンガムでは、学生たちに対して何千ポンドもの罰金が課された、という事件もだ。国のあちこちで学生たちが、自分たちは刑務所に入れられるかもしれないと噂している。というのも、大学が警察署を構内に入れて、立ち入り禁止の大学構内へ入ろうとする大学生たちを効果的に捕まえようとしているからだ。

  想像にかたくないことだが、家族から離れて寮に一人閉じ込められている学生たちも、自宅で監禁状態になって必要な機器が不足している中、なんとかオンライ授業を受けようと苦心している学生たちも、心の中は不安でいっぱいのはずだ。

 国中の同業者たちからも聞いたし、私自身実際に目にしたことでもあるのだが、自分のスマホを使ってオンライン授業を受けようとしている学生たちもいるようだ。というのも、彼らはラップトップのpcを持っていなかったり、大学からの学習ファイルを完全に受け取れる機器を持っていないからだ。学生支援センターも、都市封鎖措置やCOVIDによってもたらされたこれまでになかった課題に対応できる十分な資材を持っていない。

 大学の学習支援センターのサイトをひとつでも見れば、大学当局も苦心していることが一目で分かる。私たちは、学習に関する支援や、精神的な支えが必要だという学生たちからの声に応えることに潰されそうになっている。大袈裟な話でも何でもなくて、本当にみんなが燃え尽きそうになっている。今私たちに必要なのは、英国市民6000万人のためのワクチンだけではなくて、6000万人の精神状態を支える糸なのだ。

 こんなときに、大学で働いているすべての労働者たちに、大学の副総長から、これまでの苦労に感謝の意を伝えるメールが届くそうだ。ごめんなさい。はっきり言おう。今欲しいのは「ありがとう」じゃない。そんな言葉をもらっても嬉しくないし、それでは全く足りない。

 今明らかになっている課題は、初めからあったものだ。長年にわたり蓄積されてきたものだ。大学側は、大学が行う事業を、物を売る行為と同じだと考えているのだ。何百万ポンドも使って販売戦略を行い、「ビジネス」をめぐって世界中の大学と競争している。(申し訳ないが、ここでいうビジネスとは学生たちのことだ)。

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 大学の所在地の地方公共団体も学生から得られる収入に大きく依存するようになってきている。賃貸住宅業者も、いや近年では国際的に展開している不動産開発業者でさえも、世界各国から来る学生たちのおかげで大きな利益を得ている。このような構造だからこそ、学生たちも、大学当局で働く人々も、学生支援に関わる人たちも、上手く利用されているのだ。大学は今やハゲタカ資本主義が作り出した現代における「闇の悪魔の工場」に姿を変え始めたのだ。もはや大学はかつての「学び舎」ではない。

(訳注:「闇の悪魔の工場」とは17世紀の詩人ウィリアム・ブレイクの“ミルトン”という詩の一節。この詩は英国の愛国歌として親しまれている)


 何十億ドルもかけてこしらえたきらきらした大学キャンパスは17世紀のウィリアム・ブレイクの時代の「闇の悪魔の工場」には見えない。「ショッピング・モール」に見える。今その大学は使われず、構内は空っぽで、情け容赦ない借金が、学生たちや大学で働く人々のクビの周りにかけられている。ここ英国では、卒業生たちは、学生時代に借りた3万ポンド強のローンの頭金が返せるくらい稼げる会社に就職できるよう苦労しているのだ。こんなむだにぴかぴかした大学の建物の建築費の支払いが、国民一人一人に回されているのだ。というのも、きっと大学は今回の危機で生じた借金返済の救助を国に頼むだろうからだ。

  今回のパンデミックの結果明らかになったのは、すでに大学内部でくすぶっていた課題だけではない。もちろんそんな課題のせいで大学は今にも崩壊しようとしているのだが、もっと大事なことがある。それは、教育は公共の福祉として国民に提供されるべきもののはずだということだ。仕事を得るために証明書を授与する機関ではないのだ。

 昨年、私は労働組合の一員として、14日間というこれまでにない日数をかけて行われたストライキに参加した。そのストライキで要求したのは、給料や労働条件の改善であり、高等教育の本質がますます危うい状況に置かれていることについての抗議するためだった。その結果、私のキャリアに傷がついてしまった。この10年間で私たちが目にしてきたのは、大学当局は物価の上昇や、政府からの補助金の減額や、想像できないくらいにふくれあがった学生が負っている借金などに苦しんでいるのに、大学のキャンパスは五つ星ホテルのように改装され、副総長や経営者は多額の報酬を受け取っているという構図だ。いっぽう、大学の警備員や清掃職員や食堂で働いている人々は、雀の涙のような給料でかつかつの生活を強いられている。

 Covid危機が私たちに示したのは以下の3点だ。
 ①私たちの社会が実はどれほど病んだ状態にあるのか
 ②私たちが公共の福祉として受け取るべきものが何とわずかなものか
そして、
 ③市場資本主義に身を任せれば、どれだけ私たちの社会基盤が脆弱なものになるのか
だ。

 

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EUよ、我々には問題が生じた。共産主義が崩壊して30年、東欧は自由民主主義に対する信頼を失いつつある。


<記事原文 寺島先生推薦>Brussels, we got a problem! 30 years after collapse of communism, Eastern Europe is losing its faith in Liberal Democracy


RT 論説面 2020年6月27日

ロバート・ブリッジ

Robert Bridge is an American writer and journalist. He is the author of the book, 'Midnight in the American Empire,' How Corporations and Their Political Servants are Destroying the American Dream. @Robert_Bridge

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年8月10日

 

 新しい政治体制を始めてから30年、中欧と東欧の国々は今支配者層やメディアや自由民主主義に疑いの声を上げている。これらの国々は以前のようなより権威的な政治体制に戻るのだろうか?

 1991年のソ連崩壊を受けて、以前のワルシャワ条約機構加盟国は自由民主主義という星にむかって歩みを進めた。それは、共産主義であれば手に入らない自由や解放が得られると期待したからだ。そして、間違いなく、多くの人は新しい政治体制からたしかな利益を得た。しかし、二つの全く違う政治体制を体験した中欧と東欧の国々の大多数の国民から見ると、おそらく自由民主主義体制の負の遺産の方が目立つようである。

 グローバル・セックという調査会社が行った世論調査の結果、CEE(中・東欧)10カ国(バルト三国、オーストリア、ポーランド、チェコ共和国、ハンガリー、スロバキア、ブルガリア、ルーマニア)の市民が、それぞれの国の自由民主主義体制をどう感じているかが明らかになった。その結果はかんばしいものではなかった。

 自由民主主義とそれに対する不満
 まずは民主主義体制に対する市民の声を見てみよう。大多数の市民は自由民主主義体制の完全な普通選挙や複数政党制については、肯定的な意見を持っている。一方、それぞれの国で民主主義が機能しているかについて満足しているのはたった40%だった。オーストリア市民(今回の調査の中で唯一元共産主義国家ではない国)が一番高い86%という満足度を示したが、他の国では、残りの国々の結果を見ると、ブルガリアはたったの18%の満足度だった。残り8カ国もすべて5割を切っていた。

 特筆すべきは、この調査が明らかにしていることが、回答者が自由民主主義体制をどう見ているかと、回答者の生活における幸福感とが強く相関した結果がでているということだ。平均すると自由民主主義体制を支持すると答えた回答者のうち83%が自分の生活に満足している、という結果が出ている。この結果からいえることは、資本主義にどっぷりつかり、自由民主主義体制のおかげで利益を得る材料を得ることが出来た人にとっては、彼らが享受している自由民主主義体制がもつ欠点に目をつぶったり、欠点が目に入らないかもしれないということだ。

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 しかし、政党に対する信頼についての質問の結果は、そんなによい結果ではなかった。平均して72%以上の人が自国の政体を信頼しておらず、CEE諸国のほとんどの国々で、伝統的な政党に投票しようという熱意は下がっていることが分かった。国民の態度がそうなっている理由は、それぞれの国によって様々であり、その理由は、ある国においては、EUとの長年の不和が影響しているのかもしれない。

 例を挙げると、ポーランドの「法と正義」党は最近欧州司法裁判所から怒りを買った。それはポーランド政府が、政府に反対する判事を懲戒処分に出来るという「尋常でない権力」を最高裁に与えたことに対してだった。EUの言い分は、このような動きはEUの民主主義路線とは相容れない、とのことだった。ポーランド政府の言い分は、平たく言えば「放っておいてくれ!」だった。

 EUが見せたもうひとつの力技は、欧州議会がハンガリーに制裁を加えたことだ。ハンガリーがNGOやメディアを厳罰に処したことが理由だと報じられている。国家主義政党である右派フィデス党の党首であるハンガリー政府のオルバーン・ヴィクトル首相は、EUのこの措置に対して「せこい報復だ」と吐き捨てた。彼の言い分は、不法移民がハンガリーを経由して西欧に抜けるのを遮ろうとしたことに対する制裁だ、とのことだった。

 この種の小競り合いが頻繁におこることで、親EU派陣営とEU懐疑派陣営の間の摩擦を増やすことになっている。そして、EU諸国はEUの民主主義推進政策に同意することに疑問を持たざるを得なくなっている。というのも、EUのやり方が日に日に民主的でなくなっているように見えるからだ。実際のところ、EUの持つこのような否定的な一面こそが、英国民がEUを離脱することにつながったといえる。



移民危機がさらに不信を煽っている
 強調すべきことは、不法移民がCEE諸国にとっての主要な関心事になっているということだ。そして、今回世論調査が行われた国々の中で、オーストリアだけが最近の移民危機の影響を直接受けているのだが、その結果によると、移民受け入れを拒否し続けている国々よりも、オーストリアの方が移民に対する懸念は少なかった。この世論調査をまとめた執筆者たちは、反移民政策をとっているCEE諸国こそが自国を「より閉鎖的で不寛容な国にしている」と結論づけている。

 皮肉にもこんな結論を出すということが、今多くの東欧諸国で行き渡っている政治に対する冷めた態度の説明になってしまうのだ。世論調査をまとめた執筆者たちが見ようとしていないのは、移民政策は各国で自由に決定すべきかどうかという根本的な問題だ。そんなこともなしに、「不寛容な国」だと決めつけているところに問題がある。結局のところ、すべてのCEE諸国がオーストリアのように移民の流入に対応できるような受け入れ体制をもっているわけではない、ということだ。

 もうひとつ考えるべきなのは、今見るべきなのはスウェーデンにおける移民政策だけだ、ということだ。例を挙げると、スウェーデンには、いわゆる「立ち入り禁止区域」となっている移民者の居住地が散在する。規制なしに移民を受け入れるとこのような高い代償をはらうことになってしまうのだ。このような何百万人もの移民者を自由にうけいれた失敗例から学ばずに、結局は移民者を地域に同化させることがほとんどできないままになっているEUの失政が、自由民主主義体制に対する猜疑心をあおることになっているのだ。

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メディアによる操作
 世論調査で報道分野も激しく批判されていることは別に驚くようなことではない。世論調査が行われた国々の中で、ラトビアだけが、大手メディアを信頼していると答えた回答者が主流派だった。他国では、回答者たちは、国家や少数の支配者層がニュースや情報を裏で操作していることを指摘していた。総合的に考えると、メディアに対する信頼の欠如のため、多くの人々は、ニュースや情報を得るために「代替メディア」を探すことを強いられていることが分かった。現状を把握するため、いわゆる「陰謀論」に手を伸ばす人もいるようだ。

 この世論調査は新型コロナウイルス流行蔓延中に行われたため、調査の結果、もう一つの頭が痛くなる現状が明らかになったとも言える。それは、回答者の半数以上が「身の安全を守るという名の下に自由を犠牲にする」ことを肯定していることだ。 これはゆゆしき問題である。というのも、今も昔も、自由民主主義の肝心要は、自由や自己表現の尊重であるからだ。しかし今日、自分の身の安全を気にする人がとても多くなっていて、自由民主主義は自分の身の安全の妨げになる、と考える人が多くなっているようだ。

 西側諸国の政府が、中欧や東欧で広まっている雰囲気を懸念しているのには、もっともな理由がある。それは、西側の大多数の資本主義諸国も、自国でも同様の厳しい問題に苦しめられているからだ。英国がEUから離脱しようとしているのも、米国が人種間の対立を鎮圧しようとしているのも、西側諸国が手に負えない状況に陥っている現れなのかもしれない。

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 当然の事ながら、このような社会の雰囲気は「自由民主主義」とういう名の政治体制に傷をつける。そして西側諸国の中には、自国の問題を解決する際、今までよりも非民主的な政治手法を試さざるを得なくなる国々も出てくるかもしれない。考えて見てほしい。例えば、今米国で起こっている抗議活動のせいでいくつかの都市では警察を解体しようとしているところも実際出てきている。避けられないことだが、このような思いもつかないような実験は、きっと最終的には失敗する。そして、政府は状況を打破するために、おそらく軍や戒厳令を使うことになるだろう。無法地帯で苦しんでいる市民たち、(実際もう既に ワシントン州シアトル市ではそのようになっているのだが)、 人々は諸手を挙げてこんな強行的な解決方法を歓迎するだろう。市民の安全と平和を守る手段であるならばなんでもよくなるだろうから。

 今月(7月)、元ロシア大使のマイケル・マックフォール氏はワシントン・ポスト紙でこう書いた。「西側諸国が政治体制上の一番の敵国であると目している中国が、独裁的で政府主導の政治体制で発展を遂げ、いまや世界のトップに立とうとしているが、中国のやり方が、自由民主主義とは違う選択肢になっている」、と。多くの西側諸国が困難な課題に直面している中で、 中国のような政治体制に急激に変革しようという国々が出てくるように思われるのだ。もちろん、そのような変革が行われいような努力は払われるであろうが。

 結論として、自由民主主義は本当に市民の利益に奉仕するものであり、特権階級として知られる一部の人たちに奉仕するものではないという信念があるならCEE諸国の市民たちはきっと安全でいられる。しかし、この自由民主主義政治体制は、社会のピラミッドの頂上を跨いで座っている人たちだけにしか奉仕しないことが、ますますはっきりしてきている。例を挙げると、何百万人もの難民たちがヨーロッパ大陸に流入することで、利益を得るのは誰だろう?ブリュッセルのEU本部が、離れたところから直接手を下さない方法で、各国への支配力を強める政治体制で得をするのは誰だろう?ただのうわべだけの変革ではない本当の変革が、現在自由民主主義政治体制を管理している西側機構におこらない限り、この後の未来に起こることは世論調査の結果が変わることではない。大規模な抗議活動が街中で発生する、そんな未来だろう。

「過去の栄光へのあこがれ?」他の過去の帝国の住民と比べて、英国民は帝国主義にノスタルジーを感じていて、33%の人が、植民地にされた国にとっても、よかったことだったと答えている。

<記事原文>
Yearning for past glory? Brits more nostalgic for empire than other post-colonial powers, 33% think colonies ‘better off’ – survey

RT UK News 2020年3月11日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 
2020年3月18日

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大英帝国のかつての植民地は、帝国の一部であったことで「より裕福になった」のだろうか? 答えは、「イエス」だ。新しい世論調査で、回答者の3分の1以上が、そう答えている。つまり、英国人は帝国の過去に憧れる傾向があることがわかった。かつて植民地を所有していた他の国々と比べて。
 

ネット上の調査機関YouGovによると、英国人の3分の1上がいまだに、最盛期には地球のほぼ4分の1を占拠していた大英帝国に「誇り」を感じているそうだ。かつての帝国への誇りが、英国民より強かったのは、オランダ国民だけだったことをその調査は明らかにした。

しかし、「帝国のおかげで、植民地がより裕福になった」と信じている人だけではなくて、フランス国民、スペイン国民、イタリア国民、ドイツ国民、日本国民よりも、今でも帝国の存続を望んでいる人が、英国民の中には、多そうだということが分かった。


countryhttps://www.theguardian.com/world/2020/mar/11/uk-more-nostalgic-for-empire-than-other-ex-colonial-powers …

興味深いし、おそらく想定内のことであるが、保守派は、労働党支持者のほぼ2倍の割合で帝国に親近感を感じているそうだ。やや皮肉なことに、「EU離脱派」の中には、「英国の国境支配権を取り戻す」ためにブレグジットを主張する人たちが多いのだが、彼らは、反離脱派の二倍以上に、植民地を有した帝国を懐かしく思っていることがわかった。

先月、保守党議員ジェームズ・アーリーは、こう言った。
「ブレグジットは大英帝国が“反撃する”つまり、EUの“束縛から解放する”チャンスだ」と。―これは、本当に不適切なものの言い方だ。

Also On RT. Com 2020031811163904b.jpg
What would it take for the UK to apologize for centuries of atrocities carried out under the British Empire?


しかし、期待したようには上手くは、いかなかった。ブレグジットが、世界の舞台で影響力のある主要国の一員として英国が再出発できるチャンスになることを期待していた人達にとっては。むしろ、逆のことが起こっているようだ。ブレグジット後、英国が、国際的な影響力を失い、ますます孤立しているように見える。

英国とオランダの結果は、ドイツとベルギーのものとはまったく対照的だった。1871年から1918年までの帝国時代についての質問について、「誇りに思っている」と答えたドイツ国民はわずか9%。同様に、ベルギー国民は、「帝国主義が植民地を悪化させた」ことを、他の国民と比べて、最も多く認めた。




多くの国民が、「植民地が大英帝国のおかげでより裕福になった」と考えている理由は、以下のような事実に基づいていると言える。つまり、英国が自らの過去と、大英帝国が植民地に対して行った暴力や奴隷制や食糧不足や分裂という負の遺産を国民がきちんと受け止めていないという事実だ。

キングス・カレッジ・ロンドンの歴史学の教授、ジョン・ウィルソンは、ガーディアン紙に、「ベルギー、フランス、イタリアなどの国々では、過去の植民地であるコンゴ、アルジェリア、エチオピアなどに対して、彼らが何をしてきたかについて、オープンに議論されてきたが、英国では“そのような論議は行われてこなかった”」と語った。
Also On RT. Com20200318111653b58.jpg

Deaths caused by British Empire should be condemned just like deaths under Stalin



今回の調査での明るい見通しは、若い回答者が帝国を誇りに思う傾向が少なかったことだ。64歳以上の人は、18~24歳のグループの2倍以上、帝国に誇りを持っていることがわかった。ウィルソンは、その理由は、教育システムが改善されているからかもしれない、と述べ、「残酷な真実から目をそらすな」という考えに基づいた教育課程もでてきた、と指摘した。

理由はどうあれ、クリケットと英語で世界を文明化しようという慈悲深いイギリス帝国という神話は、今日の多くの英国人の心の中にいまだに生き残っているという事実が明らかになった。

英国メディアがフランス「イエローベスト」運動より
イラン反政府デモの報道に力を入れている。 なぜ?

記事原文<寺島先生推薦> ‘Don’t look there, look here!’ UK media much more excited about Iran protests than those in neighboring France‘Don’t look there, look here!’ UK media much more excited about Iran protests than those in neighboring France

RT Op-ed 2020年1月13日 Neil Clark

翻訳<寺島メソッド翻訳グループ o. n. 2020年1月20日〉



イランは英国から数千マイルも離れているが、権力エリートたちの支持があるため、テヘランの反政府デモは、ドーバー海峡一つ挟んだだけのフランスの反政府デモよりもはるかに広範な報道がなされている。

何人のイギリス人がイランを訪れたことがあるのだろうか?何人がイランに住んだことがあるのだろうか?どれだけの人がイランに別荘を持っているのだろうか?

そんなに数は多くないと思う。フランスとはかなり対照的だ。2018年には、イギリス人が訪れた国に関する調査でフランスがトップになったことが明らかになった。イギリス人の76%は人生のどこかの時点でフランスに行ったことがある。英国政府のウェブサイトによると、毎年約1700万人のイギリス人がフランスを訪れている。

私が前回フランスに行ったのは10月だった。それから、フランスに居住しているイギリス人がいる。2017年、19万人の英国生まれの人々がフランスに住んでいた。多くのイギリス人にとって、プロバンスに一年(あるいはそれ以上)に居住することは夢の世界の出来事ではない。

さて、ご自分が英国のニュース編集者だと思ってみてほしい。英国のテレビ視聴者は、遠く離れたイランよりも、彼らがよく知っているフランスでの大規模な反政府デモに関心があると考えるのが妥当ではないだろうか?

しかし、現実はそうなっていない。 今週末のイランでの反政府デモ(過失から起こったウクライナの旅客機撃墜に対するもの)は、BBCのニュース速報やトップ記事として日曜日に一日中流されたが、フランスのデモや年金改革をめぐる全国的なストライキについての報道はほとんどなかった。

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フランス人は自分が気に入らないことにはすぐに 「ノン」 と言うことで知られているが、彼らの基準からしても、そこで起きている抗議行動は通常の枠を越えていると言い方でも捉えきれないものだ。 「イエローベスト」によるデモは、2018年12月から毎週末にフランス全土で行われている。

先週末は デモ発生から61週目に当たる「アクト61」 だった。パリではデモ隊が警察に石を投げつけたり、通りにバリケードを築いたり、ゴミ箱に火をつけたりしていた。警察は催涙ガスと暴力で対応した。

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同時に、年金支給年齢を62歳から64歳に引き上げることを予定したマクロン大統領に反対するゼネストは31日目を迎えた。これを受け、マクロンはこの引き上げ案を一時取り下げた。この話の教訓は、直接的な行動が有効だということだ。

しかし、繰り返し強調しておくが、英国海峡を越えたところで起きているこれらの出来事はいずれも、英国の主要ニュースに値するとは見なされなかった。英国からのスコットランド独立を要求するために、グラスゴーで何千人もの人々が行進したことも同様の扱いだった。そのことも言っておかなければならない。びっくりしない方がおかしい。

そういったニュースの代わりに、私たちが日曜日に目を覚まして耳目に触れたのは、何千マイルも離れたイランでの反政府(いや「反体制」 )デモに関する広範な報道だった。「識者」と呼ばれる評論家達も同じようにイランに焦点を当てている。テヘランでの週末の抗議行動について発信されたツイートや声明の数と、フランスでの「イエローベスト」運動とデモへの無関心を比べてみてほしい。

「驚き」は、報道レベルの「開き」(わざと韻を踏んだわけではない)だけではない。「驚き」はそれぞれの抗議行動がどう受け止められたか、だ。イランの「反体制」街頭抗議運動は、12ヶ月前のベネズエラや香港での抗議運動と同じく、明らかにたいへん大きな支持を受けている。ドナルド・トランプは、支持を表明し、ガチガチのネオコンであるジョン・ボルトンは興奮を隠せず、「体制変換が進行中」とツイートしている。

しかし、「イエローベスト」運動はこういった「エリート層」の支持を得ていない。それどころか彼らはぼろくそに言われている。彼らは 「反ユダヤ主義」 で、極左で極右であると非難されてきた。実際を言えば、イエロー・ベストは信じられないほど民主的な草の根運動であり、不正な現状に怒りを感じるすべての人に開かれている運動だ。運動全体には有機的な繋がりがあり、どの政党や派閥の支配下にもない。それが権力エリートが恐れている理由だろう。「イエローベスト」抗議運動を、英国の支配者たちは我々に真似してほしくないと思っているため、それはほとんど報道されておらず、報道されてもしぶしぶだ。
むしろ彼らが望むのは、我々が石油の豊富なイランでの市民騒乱を応援することだ。イラン政府を弱体化させるものは何であれ、それが彼らの強欲で覇権主義的な利益に役立つことを彼らは知っているからだ。これらの権益は、イランが保有する膨大な原油・天然ガスの埋蔵量を確保することにとどまらない(推定530億バレルの新しい油田が発見されたのは、昨年十一月のことだった)。それはまた、中東を完全に支配するためのネオコンの計画に抵抗するテヘランとダマスカスとヒズボラの抵抗の軸を打ち砕き、パレスチナ人を支持する独立した主体を 「排除」 することでもある。

強調しておかなければならないが、本稿の趣旨はイランの抗議者や彼らが街頭に出てきた理由を批判することではない。「フランスではなくイランに視線を!」と我々に語りかける輩の隠された意図に光を当てることが本稿の趣旨だ。イラクの大量破壊兵器に関するでっち上げ事件があった。ニュース編集者たちは再び権力者の操り人形に成り下がっている。同じことの繰り返し。



 

英国議会選挙における「まぬけ」首相ボリス・ジョンソンの勝利は
メディアのプロパガンダ戦略の結果
――ロジャー・ウォーターズの分析と呼びかけ(ビデオ映像)

記事原文<寺島先生推薦> Corbyn was ‘smeared’, Johnson is a ‘buffoon’: Roger Waters says information war won big in UK elections (VIDEO)

RT U.K. News 2019年12月21日

翻訳 <寺島メソッド翻訳ニュース o.n. 2020年1月20日>



労働党に対するボリス・ジョンソンの勝利は、プロパガンダの力を示すものだとロジャー・ウォーターズはRTに語った。 ロックバンド「ピンク・フロイド」のリーダーでもあるロジャ-・ウォーターズは、手遅れになる前に体制に立ち向かおうと世界中の人々に呼び掛けた。

英国議会で今回トーリー党が多数派を占めたのは、英国のエリート層による大規模な情報戦争の結果である、とウォーターズはRTのインタビュー番組の「Going Underground」のホストであるアフシン・ラタンシに語った。さらに同氏は、ニュースや情報の操作が「私たちの生活の中で最も重要なもの」になっていると指摘した。

ウォーターズは、労働党党首ジェレミー・コービンがメディアに「信じられないほど叩かれ」、世論調査でジョンソンの数値を上げる道を開いたと言った。首相を「のろまでバカ」と表現し、選挙結果がさらなる混乱の兆しであることを示唆した。

主流メディアは非常に裕福で権力のある人々によって所有されている。その結果、彼らはあらゆるものをコントロールしよう
としているのかもしれない。単に選挙だけでなく、すべてのものを。


彼は、誤った情報は「部屋に陣取った象(わかっていても口に出したくない重要問題)」であり、世界の本当の状態について若者を教育するのを助けるのは不屈のジャーナリスト(例えばジュリアン・アサンジ)の責務だと主張した。 言い方は暗いが、ウォーターズは流れは変わっているという楽観的な見方を示し、世界中の「兄弟姉妹」が「新自由主義的」支配者達に反対の声を上げることを求めた

牛肉はどうなる?
Tescoの「完全菜食主義広告」に向けられた英国農民の怒り。
しかしスーパーマーケット業界も、長年農民を搾り取る。

What’s the beef? British farmers rail against Tesco’s VEGAN advert, but supermarkets have been squeezing them for years

RT Home UK News 2019年10月18日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループo. 2019年12月13日)

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/uk/471251-farmers-tesco-vegan-ad/


© Reuters / Toby Melville

英国の小売大手Tescoの新しい「完全菜食主義」支持広告は、英国の農民を憤慨させた。 しかし、トレンドの変化、収益の低下、そしてスーパーマーケット自体が長年にわたってこの産業の存立を脅かしている。

ひとりの小学生の女の子が、「パパ、もう動物は食べたくない」とTescoの新しい広告「カールのすべてが変わる鍋料理」で言う。 カールは人一倍子煩悩なので、彼の代表的な料理のソーセージを植物ベースの代替品に取り換え、テスコの「植物シェフ・レンジ」のおかげで家族は再び幸せにというわけだ。

National Farmers 'Unionは、この広告に反対し、「肉を一つの食物群として悪魔化している」と反対している。肉は本来タンパク質が豊富で、「鉄、亜鉛、必須ビタミンの優れた供給源」であると彼らは言う。

「肉の悪魔化によって生計が危険にさらされている農民にとって、感情に先走った言説やまったく無神経な説教は、更なる打撃となった」と、酪農農家のノリーン・ウェインライトは、テレグラフ紙のコラムに後日書いている。

実際、近年の嗜好傾向の変化は、英国の農家に一連の打撃をもたらしている。 2018年の調査は、英国人の7%が完全菜食主義者で、14%がベジタリアンであると推定している。 赤肉の消費量は過去10年間で約10%減少し、ある牛肉製品の需要は昨年だけで7%減少した。 酪農産業も脅威に晒され、牛乳の消費量は1970年代以来3分の1に減少、5人に1人の顧客が豆乳やオート麦牛乳などの代替品を選択している。

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人間は雑食動物であり、植物ベースまたは肉ベースの食事で健康的に生きられる。 もっとも、完全菜食主義者は肉にのみ含まれる必須栄養素を補う必要はあるが。 しかし、食事の好みはさておき、経済的要因により、英国の農民は、肉離れが今後ちょっと進むだけで破局に至る可能性がある。

ほとんどの英国牛肉生産農家は赤字操業で、EUからの補助金に依存し、収支トントンの状態だ。 この生命線は、EUから離脱すればすぐに引き上げられてしまう可能性がある。 世界市場で、英国の牛肉生産者は北米でよく見られる産業方式との競争を余儀なくされている。北米方式は、牛に大量の成長ホルモンと抗生物質を投与してから屠殺する。 そして大特価で販売するからだ。

その結果、英国の牛の頭数は近年着実に減少している。 一方10箇所を越す「メガファーム」が出現して、牛乳パックや肉パックに頻繁に描かれていた田舎の牧草地に取って代わった。 規模の経済性だけで利益を上げているこれらのアメリカ式仕様上飼養場では、最大3,000頭の牛の群れが飼育され、その多くは草のない囲い地で長期間飼育されている。

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個々に、100万羽以上の鶏または20,000頭以上の豚を飼育している何百もの同様の事業も、英国の田舎で一般的になっている。

英国のスーパーマーケットも、小規模農家を廃業させる上で重要な役割を果たしてきた。 それは視聴者の気分をよくする完全菜食広告が流されるずっと以前からのことだ。 英国の買い物客の要求は高い健康基準と環境保護を考慮した英国産牛であり、しかもリーズナブル価格を求めている。 スーパーマーケットはこれを提供し、農民からは生産コスト以下で買いたたき、輸入の脅威を利用してコストを抑えていると、『ラベルの裏側』の著者フェリシティ・ローレンスは、ガーディアン紙に書いている。

「サステイナブル・フード・トラスト」の政策担当部長、リチャード・ヤング氏は、「メガファーム」から牛肉を調達することで、スーパーマーケットは「牛肉の小売価格を、従来の農家が生産できる価格よりも下げることができる」と言っている。 「しかしその結果、彼らは廃業するのですが。」

Tesco、Sainsbury’s、Morrisons、およびAsdaはすべて、「メガファーム」から肉を調達している。
したがって、英国の農民は四面楚歌の状態だ。 完全菜食主義者には、自分達の農産物は殺人であると言われ、環境保護主義者からは、母なる地球を破壊して生計を立てていると言われる。 より少ない金で、より多くの製品を搾り出そうとするスーパーマーケットに対して、英国の農民が脅威を感じるのは当然のことだ。

放映されたひとつの他愛もない広告は、大ごとには見えないかもしれない。 しかし、すでに生命維持装置をつけられた業界からすれば、そんな広告でも、農民には「重大な苦悩」を引き起こしているとする主張は、大袈裟な言い方でないかもしれない。

スエーデンの幼稚園で完全菜食の試行!
地球保護のための肉食禁止?

Ban meat to save the planet? Swedish preschool conducts mandatory vegan diet ‘experiment’

RT 31 Oct, 2019 04:27 / Updated 8 days ago

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループo. 2019年11月)

<記事原文>
https://www.rt.com/news/472252-sweden-preschool-no-meat-climate/


 1歳から6歳までの乳幼児を預かるスエーデンの市町村子ども保育センターでは、一つの「実験」として食事メニューから肉料理をすべてなくそうとしている。 この地球をよりよい場所にしようとの考えからだ。

 今後2週間以内に、ウメオ市(スエーデン北東部)のギターレン幼稚園が、市町村立の幼稚園として初めて、完全に肉を断った給食を出すことになる。 「完全菜食」メニューの「試行的取り組み」をスタートさせようとするこの決定は、ギターレン幼稚園が1年以上に亘って取り組んでいる、大がかりな環境プロジェクトの一環としてのものだ。

「考えれば考えるほど、このプロジェクトは優れていると思えました」と地元紙フォルクブラーデットの記者に語るのはこの幼稚園で教師をしているマルカス・サンドストローム氏だ。 「持続可能な発展が(私たちの)出発点です。 そして肉は気候に影響力があります。」
 この実験で一番論議を呼んでいるのは、朝食ないし昼食にどうしても肉を食べたいという子どもにも例外を認めないというところだ。 スナックとして肉類を食べることすら認めていない。 

ALSO ON RT.COM Better hungry than eating meat? UK school goes veg-only, no packed lunches… or freedom of choice
https://www.rt.com/op-ed/468689-vegetarian-school-children-meal/

 「現在ベジタリアン食を食べたい人は特別食を申請します。 当幼稚園としてはベジタリアン食以外を特別食として扱うことにしました」とサンドストローム氏は説明した。 しかし、給食配送側としては、そんなやりくりは不可能だ、とのことだった。 それで幼稚園としては「やむを得ず」肉を完全に給食メニューから外すことにしたのだった。 もっと柔軟な解決策を模索することはしなかった。 

 幼稚園は栄養士を招き、菜食だけで子どもが必要とする栄養分はすべて吸収できることを科学的に証明してもらおうとまでした。 しかしながら、エクスプレッセン紙によれば、この完全菜食にはミルク、チーズないしバターなどの酪農製品や卵、そして週に1回は魚を食べることが必要だ。 
 
 「実験」は、計画としては1月まで。 その時点で、「実験結果」の評価を行う。 しかし、幼稚園としては、この方式をそれ以降も続けたいと考えている。 

 「当幼稚園としてはこの方式が永続的なものになり得るという信念と期待を持っています」とサンドストローム氏。 ただ、「それを一挙に実行ことは少し過激」だとは認めている。 何事であれ、まずは「適正な評価です」と氏。 氏の言によれば、幼稚園の動きに親たちの反応は前向きであるし、子ども達も「強い関心を持っているようだ」とのこと。

ALSO ON RT.COM First it was the cow farts, now asthmatic patients are killing the environment, says new study
https://www.rt.com/uk/472187-asthma-inhalers-climate-change/

 「モルチズサービス」(学校、子ども保育センター、そして社会奉仕施設に食事を提供する責任を持つ市町村単位の食事配送サービスのひとつ)も、この動きを「前向きな動き」と歓迎している。 もし合意が得られ、親たちに十分な情報が与えられるのであれば、親たちはこのプロジェクトにブレーキをかけるようなことは絶対に望まないだろう、とも。

 一見牧歌的な感じもするが、ギターレン幼稚園側は、今回の措置は現代の政治的潮流とは一応きちんとした一線を画している、ということを強調しておきたいと感じていた。 「当幼稚園としてはっきりさせておきたいと思っているのは、今回の措置に政治的なものはまったくないということです。 当幼稚園がそうしたのは、気候問題に前向きな一打を与えると信じているからです」とサンドストローム氏は語った。 

 ギターレン幼稚園の父母は前向きであっても、ツィッター上の反応は否定的だ。 多数意見としては、今回の幼稚園の措置を、全体的に、「子どもの健康を(脅かす)気候問題への警告」と捉えているし、その他の意見としては、環境に対してプラスの効果がある、との幼稚園側の思惑には、はっきり首を傾げたものだ。

ALSO ON RT.COM Meat is back on the menu, & scientists who want to ban cows for the sake of the planet are outraged
https://www.rt.com/news/470189-meat-study-harvard-environment/

 今回の動きは同時に、スエーデンで最大発行部数を誇る日刊紙「ダーゲンス・ニーヘーテル」が熱い議論に火をつけた。 同紙はギターレン幼稚園の措置に対する批判意見、賛成意見の双方を特別連載記事として掲載したのだ。 もっとも、そういった考えをひねり出したのはスエーデンのこの幼稚園が最初というわけではない。 以前、イギリスとフランスの学校が完全菜食主義をもっと厳格に守らせることを選択し、肉と魚を全面的に禁止、子どもたちに自前の弁当すら持たせなかったとの報道があった。 もちろん、すべて気候問題のためだ。 




ロンドンの凋落:犯罪が首都を破壊しているのに、
メイとカーンは時間を空費している

London has fallen: May & Khan fiddle while crime destroys capital

ジョン・ワイト

RT Home / Op-ed /  2019年7月16日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年8月21日)

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/op-ed/464301-poverty-crime-gangs-london/

ジョン・ワイトは様々な新聞、ウェブサイトで執筆しています。インディペンダント紙、モーニング・スター、ハフィントン・ポスト、カウンターパンチ、ロンドン・プログレッシブ・ジャーナル、外交政策ジャーナルなどです。


(left top) (left bottom) (right)
(左上)© Pool via REUTERS/Yui Mok;
(左下)© Global Look Press/ZUMAPRESS/Gustavo Valiente;
(右)© REUTERS/Simon Dawson


テレサ・メイがダウニング街(首相官邸)を去ろうとしているとき、イギリスが、これほどまでに衰弱し、崩壊し、指導者がいないように見えたことは一度もない。

ロンドンは、世界の主要な都市の一つとして、多文化主義、活力、事業、チャンスの指針に長くなってきた。そのロンドンで、巨大に広がった団地の通りに、死が忍び寄っている。暴力団同士の抗争で、主に10代の少年や若者の当事者の命が、殺し、殺される致命的シナリオで減少している。一方、首都警察は街の管理力を失ったという結論が、今や避けられなくなっている。首都警察自身の統計によれば、今年1月から6月までで次のことがわかる。 

• 125,190件の窃盗

• 108,084の暴行

• 9,998件の性的暴行

• 24,918件の公的秩序妨害

• 21,906件の薬物違反

• 40,409件の強盗

同じ6ヶ月期間になされた殺人の数は67人である。それは上記の暴力団抗争で殺された人々がかなりの割合を占め、衰える兆しのないナイフ犯罪騒ぎの犠牲者である。

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Also on rt.com ‘Unarguable link’: Sadiq Khan blames Tory cuts on rise in youth stabbings in London
(さらに読む)「‘議論の余地もない関連性’:サディク・カーンはロンドンの若者刺殺の増加の原因は、保守党が予算を削減したことだと非難する


それらは非常に核心を突いていると石に刻まれるに値する言葉で、サディク・カーンロンドン市長は最近宣言した。貧困と若者の暴力犯罪の間には関連があると。それは、太陽に晒すことと日焼けの関係を言うのと同じことだ、と。              

サディク・カーンが、ロンドンにおける法と秩序の壊滅的崩壊の責任があるにも拘わらず(いずれにしろ彼は市長だから)、大半の責任は、10年に及ぶ保守党の緊縮財政にある。緊縮財政とは、人間を絶望に陥れる巨大な実験であり、今後も続く厄介な用語である。

そしてとても贅沢に教育された、裕福な過激派からなる保守党の管理層の中で、現在テレサ・メイ首相は、手を血に染めている。今日それでも彼女は、内務大臣だったときに導入した大規模な警察官削減と、ナイフによる犯罪の蔓延との関連を、厚かましくも否定している。その削減は、イギリスとウェールズの第一線の警官が2010年より2万人少ないというレベルまで達した。

私達にあるのは、典型的で完全な騒乱だ。保守党の緊縮財政下、賃金は下がり、物価は上がり、公共サービスは完全に(最低限度まで)削減され、警官の数も削減された。原因と結果に取り組むのにアリストテレスである必要はない。それについては古代ギリシャの哲学者は何世紀も前に、サディク・カーンが喚起したことを理解していたのだ。つまり「貧困は、革命と犯罪の親である」と。

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Also on rt.com What’s the story Sadiq Khan? Oasis legend Liam Gallagher slams London mayor over knife crime
(さらに読む)「サディク・カーンの話は何なのだ? 元オアシスのリアム・ギャラガーは殺傷事件に関して、ロンドン市長を酷評する


ロンドンを飲み込んでいる暴力犯罪の危機を一層ひどくしたのは、ブレグジット(EU離脱)である。EU離脱は、国の政治指導者の全てのエネルギーと焦点を集めている。3年後の結果はカオスの極みである。イギリスは、第二次世界大戦以来直面してきた最も深刻な政治危機で、国の政治家や支配階級が国の舵取りができずに、政府機能麻痺に陥っている。

EU離脱は、まさに本当の意味で諺に出てくる壁の中のレンガだということがわかってきた。つまりそのレンガを取り去れば全体構造が崩れ落ちるということだ。イギリスは、植民地時代後に国民が団結できるというアイデンティティを失った。ただし、前述の第二次世界大戦の時、そして女王や他の王族のメンバーが、動物園の技をするように仕込まれたアザラシのように登場すると、儀式の旗を振るいつもの行事の時は、別としてもである。アイデンティティを失った国、これが2019年のイギリスだ。

どの都市やどの国の暴力団文化は、主流文化を反転させたものだ。暴力団文化は、社会的に無視され疎外されたコミュニティから若者を吸収することに、主流社会が失敗していることを示している。そして主流社会から拒絶されたことの反応として、これら若者達は、代わりに、主流社会の価値観もモラルも社会慣習も法律をも拒絶する。

怪物コディとしてよく知られているロサンジェルスの伝説的な暴力団の親分コディ・スコットが書いているように、「原則は尊敬であり、それは全ての人間関係に絶対不可欠な要をなすものである。だからゲットーやスラムでは30倍に拡大する」。彼はさらに多分こう続けただろう。何も持たない人々への尊敬は、それがない人間は、生きる価値がないというというところにまで高められる。一方、何も持たない人々への尊敬を犯そうとする者達は、生きる価値がないと見做される。

一方、「尊敬を欠く」ことの原則に関して、保守党のボリス・ジョンソンとジェレミー・ハントの指導部争いをご覧なさい。誰が勝とうが自動的に次期首相になる。党の18万人の党員だけの投票でそうなることは、民主主義の蹂躙である。


Also on rt.com Shock in south London after pregnant woman stabbed to death in broad daylight
(さらに読む)「妊婦が白昼刺されて死亡。南ロンドンの衝撃


さらに悪いことには、どちらがダウニング街(首相官邸)に入ろうと、すぐドナルド・トランプの懐に滑り込むだけである。次期保守党の首相は、アメリカ覇権の祭壇でひざまずくだろう。私はそれがどんなものかちょうど垣間見たところだ。ワシントンの命令で、イギリス海兵隊は、最近イランの石油タンカーに乗り込み拿捕したのだ。イランのタンカーは、ジブラルタル海峡で仕事をしていたときだ。

ロンドンは凋落した。在りし日の帝国の首都は今やどこにもないし、何もない。その基盤が崩れている時、力と権力の見せかけを取り繕おうとしているだけだ。かつて世界の4分の1に広がった帝国に敬意を表して、ロンドンに定着した堂々とした像や記念碑は、今や突然、かつて壮大だったが、今は見捨てられたテーマパークの展示品ように見える。

コソボ戦争 ----「人道的介入」、もしくは
ユーゴスラビアへの宣戦布告なき戦争
----すべてはここから始まった

The Kosovo War: “Humanitarian Intervention” or Undeclared War Against Yugoslavia?

By Dragan Vladic
ドラガン・ウラディッチ

グローバル・リサーチ 2019年3月14日

(翻訳:新見明 2019年4月28日)

<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/the-kosovo-war-humanitarian-intervention-or-undeclared-war-against-yugoslavia/5671466



コソボ解放軍(KLA)とセルビア勢力の間の武力紛争は1992年、コソボ解放軍が非アルバニア人のセルビア警察を攻撃したときに始まった。セルビア警察はコソボに住んでいて、アルバニア人はセルビアに忠実であった。この低レベルの紛争は、1996年、コソボ解放軍が難民キャンプや他の市民や警官を襲撃し、何十人という無垢の死者を出したときにエスカレートした。すべてこの時点でに、コソボ解放軍はテロ組織と見られていた。

アルバニアで共産主義が倒れ、この国が無秩序に陥って、多くの軍事物資貯蔵施設が略奪され、トラック何台分もの兵器が、隣のコソボにこっそり持ち出された。麻薬や人身売買など増加する犯罪行為や、海外で働くアルバニア人への強制的徴税もコソボ解放軍に資金供給されていた。

コソボ解放軍のテロ活動の増加は、セルビア警察や軍の激しい抵抗にあい、市民が死んだり、家を追い出されたりした。続く国連決議1160、1199、1203は、1998年のホルブルック-ミロシェビッチ合意と共に、セルビア勢力の削減と紛争以前の状態への撤退を要求していた。セルビア政府はこれらの要求にほとんど従った。しかしその要求は様々な理由のため十分守られなかった。コソボ解放軍は武装解除せず、決議に従わず、テロ活動を増加させた。コソボ解放軍は、意図的に市民を危機にさらして、セルビア軍を絶えず挑発していた(サチ、BBCから引用)。彼らはわかっていた。「さらに多くの市民が殺され、国際介入の機会はますます大きくなった・・・」と

オルブライトとコソボ解放軍指導者ハシム・サチ

彼らは再びセルビア勢力が前に保持していた位置を再占拠し、ある時点で、コソボの40%まで支配した。コソボ解放軍は数百もの外国人傭兵やムジャヒディンによって再強化され、CIA、DIA、MI6、ドイツ情報局BNDからの支援を受け始めた。

ハシム・タシとマドレーヌ・オルブライト、1998年

オルブライトとKLA指導者ハシム・タシ


コソボ解放軍(KLA)は、またオサマ・ビン・ラディンやアルカイダによっても支援されていた。コソボ解放軍が国連決議やホルブルック=ミロシェビッチ合意に従わず、コソボ解放軍は停戦破棄に大部分責任があるにもかかわらず、戦争行為がかなり減少したとき、ほとんどすべての難民が元の生活場所に戻ったのだ。

最も重大な事件は、1999年1月15日に起こった。ラチャクの虐殺と言われる事件は、コソボ調査委員長ウィリアム・ウォーカーによって、不当に、しかも意図的にセルビア勢力のせいにされた。ウォーカーは、以前エルサルバドルの虐殺隠蔽にかかわっていた人物だ。

セルビア勢力が45人の無垢の男女や子ども達を虐殺したという主張は、セルビア、ベラルーシ、フィンランドの法律専門家によって退けられた。法律専門家が発見したことは、これらの人々は、近距離から虐殺されたり、殺されたのではなく、彼らのほとんどが手に火薬の残滓があり、実際、彼らはコソボ解放軍の戦闘員であったことであった。

報告はまた述べている。死者の中にはたった一人の女性と一人の青年がいただけであり、明らかではないが、一人だけが近距離から撃たれた可能性があると。これは決定的事実であるにもかかわらず、報告は直ちに公表されなかった。

この後、ランブイエ交渉が続いた。それはユーゴスラビア政府も他のどの政府でも受け入れがたい最後通告であった。このコソボ調査委員会が撤退した後、NATOの人道的介入、いやむしろ侵略が始まり、78日間続いたのだ。

数多くの学者たちや、コソボ国際委員会、そして政治家たち、特にNATO諸国から来た人々は、NATOの介入は民族浄化やジェノサイドや新たなホロコーストを防ぐと共に、地域の平和や安定のために正当化されると主張している。彼らは、国連憲章7条、国際人道法、世界人権宣言に基づいて主張している。フォークは次のように述べている。

    コソボ戦争は正しい戦争であった。なぜならそれは旧ユーゴスラビアの
    セルビア主導による「民族浄化」の事態を避けるためにおこなわれたの
    だから・・・それは正しい戦争であった。国連の認可なしで不法におこな
    われたにもかかわらず。そして、おびただしいコソボやセルビアの市民
    の死傷者を出したやり方にもかかわらず。だが、NATO側の死傷者のリ
    スクを最小限に抑えられたのだ。

しかしその他多くの学者達は、NATOの介入は違法で不必要であったと主張し、論証した。ニュールンベルグ戦争犯罪裁判所の元検察官ウィリアム・ロックラーは、次のように述べている。

    空爆戦争[1999年]は、国連憲章の基本条項や他の規定や条約に違反し、
    それらをズタズタにしている。ユーゴスラビアへの攻撃は、ナチがドイツ人
    に対する「ポーランドの虐殺」を防ぐために、ポーランドを攻撃して以来、
    最も厚かましい国際的侵略である。アメリカは国際的合法性や体裁を守
    る振りを捨て去って、狂った帝国主義の道を開始したのだ。

NATOの行動が一方的であったので、NATOの介入は違法であり、安全保障理事会を避けたので、それ故、国連憲章の各条項に違反していた。特に2条(3)、2条(4)、53条である。またNATO憲章第一条にも違反している。ランブイエ合意はウィーン条約の条約法(1969年)にも違反したのだ。セクション2:条約条項51と51条に対しても無効である。

NATO当局は、これは人道的介入であると主張した。しかし合同軍司令官マイク・ショート将軍は、NATOの介入は実際ユーゴスラビア連邦共和国に対する戦争行為であることを認めた(BBC, -)。

    同盟国の中には、戦争ではないと思っている人々もいることを私は
    認めるが、司令官として・・・私の心の中では戦争をしていた。そして
    私の管轄下の人々もそうであった・・そしてそれが我々の仕事のや
    り方である・・・。

これは宣戦布告なき戦争なので、NATO諸国が参加する憲法やジュネーブ協定52条2にも違反していた。NATOは何度もこの憲章を破った。そして学校や病院やテレビ、ラジオ局、橋、工場、多くの都市の住宅街、水道施設、電気施設を爆撃し、戦争犯罪を犯した。グルデリツァの列車やジャコビッツァ近くのアルバニア難民輸送隊の場合、意図的に市民を狙って、75人から100人の難民が殺された。さらに、スペイン人パイロット、アドルフォ・ルイス・マーチン・デ・ラ・ホーズ大尉は、NATOの攻撃に従事していて、NATOが意図的に一般住民を標的にしていたことを認めた。BBCによれば、これはハビアー・ソラナとクラウス・ナウマン大将が、他のNATO諸国に相談することなく決定した。ハイデンはこれは意図的な行動であったと述べている。 

    ウォールストリートジャーナルの4月27日は、NATOは、「単なる軍事的
    目標よりも、政治的目標」を攻撃することに決定したと報道した。4月25
    日のワシントンタイムズの報道では、NATOは、「市民生活に直接かか
    わる発電施設や水道システム」を爆撃する計画であると報道した。

NATOのジュネーブ協定違反は、中国大使館を爆撃すると同様、ミロシェビッチ大統領の私邸を爆撃して、彼を暗殺しようとしていたことだ 。

さらにリットマンは述べる。

    「あらゆる手段が軍事力不足で(そして特に外交手段)が使い果たさ
    れたことがはっきり証明されない限り、軍事力の使用が必要だとは言
    えない。」

ランブイエ交渉はリットマンの声明にあまりにも沿わない。ユーゴスラビア政府はすべての政治的合意項目を受け入れた。そして合意の軍事面においても交渉の用意があった。しかしNATO合意の「付帯条項B」が、最終日前のある日、非交渉事項としてユーゴスラビア代表団に提示された。これは事実上NATOがユーゴスラビアを占拠することを意味し、当然受け入れられなかった。しかしユーゴスラビア政府は、さらに軍事的提案に関して交渉する準備があった。このことを証明するために、ユーゴスラビア政府は(1999年2月23日)、セルビア議会決議(1999年3月23日)と同様、ユーゴスラビアは国連指揮下の国際部隊を受け入れると宣言した。しかしNATOはランブイエ合意の軍事部分をすべて従うことを要求した。そしてアメリカ国務省高官によれば、「アメリカは意図的に、セルビアが受け入れがたいさらに高い要求をした。その高官によれば、セルビアは少しの爆撃を受け入れるほど道理をわきまえていた」。キッシンジャー博士は明らかに次のように述べている。

    ランブイエ文書は、セルビアにユーゴスラビア全体にNATO軍駐留を
    認めさせるものであり、それは挑発そのものであり、爆撃を開始する
    口実にすぎないというものだった。ランブイエはあどけないセルビア
    人がとうてい受け入れられない文書である。それはあのような形で
    決して提出すべきでないひどい外交文書であった。    

その上、多くの学者や政治家が、セルビア人を民族浄化や虐殺にかかわった犯人と見なしていた。確かに、セルビア落下傘部隊や取るに足らない犯罪者によってなされた殺人、略奪行為、無垢の市民への仕返しがあった。しかしながらこれらの残虐行為を、ユーゴスラビア政府は支持しておらず、NATOやメディアが報道するようなものとはほど遠いものであった。国連事務総長が1999年3月17日に国連に報告したところでは、コソボの状況は、コソボ解放軍の絶えず執拗な攻撃と、それとは不釣り合い名ユーゴスラビア当局の軍の使用であった。コソボ調査委員会報告は次のように述べている。期間中に・・・

    1999年1月22日と3月22日、NATOによって国連に伝えられたとこでは、
    この期間にすべての死者はセルビア人が27人、コソボアルバニア人が
    30人であった。別の調査ではアルバニア人の死者合計は5ヶ月間
    (1998年10月16日から1999年3月20日まで)で46人であり、1週間に平
    均2人である。対照的に1999年3月25日から6月10日まで11週間の
    NATO戦争では、NATOは1500人の一般市民を殺し、8000人が負傷
    した。これは1週間あたり平均136人の死者であり、戦争前の総死亡
    者数の30倍になる。

NATO介入の前に、双方の側で約10万人の難民がいた。しかし、爆撃が始まった後、この数は急速に80万人以上に拡大した。10万人のセルビア人や、アルバニア人、その他が中央セルビアに移動したことを含めて。ここでの問題は、セルビア人がコソボから彼ら自身の住民を民族的に浄化したということだろうか。真実は簡単で、難民のほとんどが、NATOの爆撃と、コソボ解放軍(KLA)とセルビア勢力の闘いが激化したことによって去って行ったということである。軍司令官であり、元ユーゴスラビアの国連軍の長官サティッシュ・ナビエールが認めるところでは、ユーゴスラビアにコソボを民族浄化する意図はなかったということである。同様に、カリントン卿は次のように断言した。

    NATOがセルビア爆撃によってしたことは、実際コソボのアルバニア
    人をマケドニアやモンテネグロへの流出を引き起こしたと私は思う。
    爆撃が民族浄化を引き起こし、・・・コソボにおけるNATOの行動が
    誤っていた・・・我々がしたことは、事態をさらに悪化させたことだ。

NATO介入前の時期に、OSCE視察団のフランス人メンバーであるジャック・プロドームは、「その間、彼は自由にペック地域を移動できた。彼も彼の同僚も組織的迫害や集団的、又は個人的殺害、住居への放火や退去とされるものは見なかった」と述べた。

また、セルビア人勢力が、「馬蹄作戦」によってアルバニア住民をコソボから浄化する計画をもっていたという報告があったが、それは後にドイツ情報部のプロパガンダであることが判明した。コソボのアルバニア人集団殺害のその他の主張では、アメリカ国務省大使のシェッファーの主張があり、14歳から59歳までの22万5千人のコソボのアルバニア人が不明であったというものだ。またイギリス外務大臣フーンの主張は、100件以上の虐殺で、1万人以上の人々がセルビア勢力によって殺されたというものであった。さらにセルビア勢力が、トレプカの立坑を使って、殺されたアルバニア人の捨て去り、またアルバニア人をかまどで焼いたという主張もあった。

これらすべての主張は、後にFBIやフランス、スペインの法律家によってナンセンスであり、NATOのプロパガンダであるとして退けられた。ウォールストリートジャーナルの報道では、1999年11月までに約2100人の死体が見つかり、これらにはセルビア軍、コソボ解放軍、NATOの爆撃で殺された人々や、自然の原因で死んだ人々も含まれているとされた。実際、最大の集団墓地は、マリセボ野町近くで発見され、コソボ解放軍によって切断された24人のセルビア人や非アルバニア人の死体があった。

最後に、NATOの侵略による人的、経済的、環境的コストは膨大なものであった。コソボを含めたユーゴスラビア連邦での人的損失の全体は、2500人で、そのうち557人の市民が殺され、12500人が負傷した。経済的損失全体は、25億ポンドのNATOの損失で、ユーゴスラビアの荒廃した経済やインフラにとっては300億ドルから1000億ドルの損失であった(。

環境への損失は計り知れない。例えば、NATOの爆撃機は、意図的にパンセボの科学工場群を狙って、約10万トンの高濃度の有毒で発ガン性化学物質や、8トンの水銀を落とし、空気や土壌、そして地下水やダニューブ川を汚染した。ノビ・サッドでNATOは150の石油タンクを破壊し、12万トン以上の石油派生物を流出させた。それは何日にもわたって燃え続け、地下水やダニューブ川に流出させた。クラグジェバックやボールで、NATOは変電所を破壊し、50トン以上の高濃度有毒ダイオキシンを流出させ、広範な地域を汚染した(cited in Djuric, 2005:4)。コソボと南セルビアではいくつかの地域が繰り返し劣化ウラン弾で爆撃された。10トン以上の劣化ウランが、ユーゴスラビアに投下されたという調査もある。スルブリャックの2005年初頭の報告(Djuric, 2005:4)では、肺や骨髄、肝臓、その他の器官のガンを患っている人々の率は、コソボのある地域では2004年の同時期より120倍高いということだ。

全体的に、NATOの「人道的」介入は、決して人道問題についてではなかった。これはユーゴスラビア主権国家に対する不当な侵略であり、宣戦布告なき戦争であり、国連憲章やジュネーブ協定違反であった。NATOの介入は、全住民にさらに大きな苦痛をもたらした。それはユーゴスラビア経済やインフラを破壊したが、同時にユーゴスラビアの環境や周辺諸国を荒廃させた。それはまたコソボのアルバニア人とセルビア人、その他の非アルバニア人との対立を激化させ、共存の可能性を減少させた。このことが証明されたのは、NATOがコソボを占拠し、アルバニア難民やコソボ解放軍がコソボに戻ってきた後、25万人の難民が出国したことでも明かである。それはまた、イスラム過激派の考えが元ユーゴスラビアの他の地域に広がり、サンジャクや南セルビアやマケドニアをさらに不安定化させた。ロシアはまたMATOの行動を警戒するようになり、軍事支出を増大させ、軍拡を再スタートさせた。

NATO侵略の本当の理由はつかみ難い。多くの著者が考えるところでは、この介入は冷戦後のNATOの新たな役割や信頼性を打ち立てることだったと言う。他の著者はこれを経済的拡大と同様、アメリカ帝国主義と覇権主義の結果で、フレミング(1999年)は、「市場をこじ開ける一つの方法として、それを起こしたのだと言う。他の者は又、これは東方に向けたアメリカの戦略的拡大の一部であり、それは共産主義に対する長年の闘いであり、世界におけるロシアの影響力を減少させる試みであるという。ユーゴスラビアは、当時まだヨーロッパで共産主義が支配する唯一の国であり、それ故ロシアの影響下にあったのだ。」

NATO介入がなされたのは、正義のためで、それ故ヨーロッパの中央で人道的大惨事を阻止する試みであったと考える者も確かにいる。しかし、すべての状況に対する彼らの理解は、コソボ解放軍やNATOの巧妙なプロパガンダであり、メディアの錯乱であり、現場の状況を十分理解していないために、ねじ曲げられたものである。

*
(訳注:文中の注や、脚注はすべて省略しました。必要な方は原文を参考にしてください。)

崩壊の瀬戸際にあるヨーロッパ

Europe on the Brink of Collapse?

ピーター・ケーニッヒ

グローバル・リサーチ 2019年1月17日

(翻訳:新見明 2019年2月21日)

<記事原文>https://www.globalresearch.ca/europe-brink-collapse/5665679


帝国のヨーロッパ属国城は、崩れかかっている。我々のすぐ目の前で。しかしだれもそれを見ようとしない。EUは隷属国家の複合企業体だ。トランプはEUを時代遅れだと批判する。トランプは属国が自分をどう思おうと気にかけていない。彼らが崩壊するのは当然だ。彼らEU属国は、28カ国グループからなり、人口は5億人である。推定19兆ドル相当の連合経済で、アメリカとほぼ同程度の経済規模だ。しかし重要な局面では、ほとんどワシントンの命令に従ってきた。


EUはワシントンの命令で、28カ国のEUメンバーに何の危害も加えていないロシアやベネズエラやイラン、そして無数の国々に制裁を加える命令を受け入れてきた。EUは屈辱的なNATOの軍事負担を受け入れてきた。そしてモスクワや北京に向けて高度な軍事基地を作り、ロシアと中国を脅してきた。ブリュッセルの外交政策は、基本的にNATOに引っ張られているのだ。

最初から明らかなことだが、ワシントンの気まぐれなルールに従わないロシアやその他の国々に課されてきたアメリカの制裁は、直接に、又はEUを介してなされるが、ロシア以上にEUに経済的打撃を与えてきた。これは特にいくつかの南ヨーロッパ諸国に当てはまる。南ヨーロッパ諸国の経済は、他のEU諸国よりも、ロシアやユーラシアの貿易に依存してきたのだ。

「制裁」の被害は、実に面倒なことになった。トランプが一方的に(イランとの)「核合意」破棄を決定し、イランとともに、イランと取引する者はだれでも、厳しい制裁を再び課す決定をしたのだ。ヨーロッパの石油・ガス大企業は大損害を被り始めた。その時、ドイツ主導のブリュッセルが、アメリカに従えないと、ブツブツ文句を言い始めた。さらに彼らはヨーロッパ企業を、主に石油・ガス大企業を支援し、彼らがイランと行ってきた契約を続けるとさえ言い始めた。

しかしそれは遅すぎた。ヨーロッパ企業は、ブリュッセルのEU政府の弱々しく、信頼の置けない言葉に自信を失っていた。多くの企業は長期契約を破棄し、そして核合意のあと更新したイランとの契約を破棄した。ワシントンによる処罰を恐れブリュッセルの保護を期待できないためだ。問題は英仏石油大企業トタルで、供給先をイランから、もちろんワシントンが意図したアメリカにではなく、ロシアに変えたが、すでに手遅れだった。属国はゆっくりと自殺の道を歩んでいる。

人々はもううんざりしている。ヨーロッパ人の半分以上が、ブリュッセルの毒牙から抜け出たいと思っている。しかしだれも彼らに要求しない。だれも彼らの言うことをきこうともしない。そして、それが「民主主義」(原文のまま)の中心地なのだ。だから人々は、反乱を起こしていて、至る所で抗議しているのだ。様々な形で抗議行動が起こった。ドイツでも、フランス、イギリス、ベルギー、オランダ、イタリア、ハンガリー、ポーランドでもだ。リストを上げれば切りがない。そしてそれを総称して、新しいフランス革命にちなんで「イエロー・ベスト」と呼ばれているのだ。

一連のアメリカのドイツやドイツ企業への攻撃(ドイツ企業総体への攻撃)の最近のものは、、もし彼らがノルド・ストリーム2を運用するなら、ドイツ企業に制裁を課すというアメリカ大使リチャード・グレネルの最近の脅しである。ノルド・ストリーム2は1,200kmのパイプラインで、ロシアのガスをヨーロッパに運び、2019年末までに完成予定である。それは実質的に、ロシアのヨーロッパへのガス供給能力を2倍にするものだ。それに対してワシントンは、ヨーロッパに、アメリカのシェールガス・石油を買うように求めている。そして特にヨーロッパを、経済的にかつ財政的にアメリカの勢力圏に保つことを狙っている。それはワシントンからの離脱をどうしても避け、明白に、かつ論理的にロシアとの同盟を回避するためだ。この試みは、ひどい失敗に終わるだろう。様々なドイツの大臣が(ハイコ・マース外務大臣を含め)、声だかに決意を込めて、アメリカの覇権的提案に反対している。さて、諸君はワシントンの主人を喜ばせるために懸命の努力をしてきて久しい。もう従属のくびきから解き放たれるときだ。

フランスではこの1月12,13日の週末に、イエロー・ベストが、独裁者マクロンに対して9回目の抗議行動に入った。彼の緊縮政策と、少なからず彼の労働者階級に対する卑劣な傲慢さに対して立ち上がっている。最近のマクロンの公式声明は卑劣な傲慢さを証明している。(仏語より翻訳)
「あまりにも多くのフランス人は、この国が陥っている苦悩を弁明しようとする"努力"を少しもわかっていない。」

イエロー・ベストとフランス人の大多数は、マクロンの退陣しか求めていないのだ。抗議する人々は一貫してフランス内務大臣クリストフ・キャスタネによって過小評価されている。先週末の公式人数は国内5万人のデモであったが、実際の数字は少なくともその3倍はあった。フランスの公式発表はイエロー・ベスト運動は減少していると、フランスの内外で考えられているという。そうではない。逆に彼らはフランス全土でデモを展開している。マクロン体制の暴力的制圧にもかかわらず。

RTの報道では、マクロンの命令で攻撃はさらに暴力的になり、フランス市民の抗議行動を押さえるために軍に鎮圧させている。何千人もが拘束され、何百人もが警官の暴力によって負傷した。それにもかかわらず、運動は大きな民衆の支援を得て、「イエロー・ベスト」の考えはヨーロッパ中に広まっている。この広がりは、もちろん主流メディアではほとんど報道されることはない。

実際、フランス人の80%がイエロー・ベストと彼らの「市民イニシアティブ国民投票」の考えを支持している。その国民投票で、市民は一般大衆の投票によって市民が自らの法律を提案することができるようになっている。RIC(市民イニシアティブ国民投票)は、実質的にフランス議会を回避し、フランス憲法にも書かれるだろう。同様の法律は、1848年以来、スイスでも存在し、スイス市民によって定期的に運用されている。それは直接民主主義の方法で、自分たちを民主主義と呼ぶどの国も、憲法に組み入れなければならない。

イギリスは、混乱状態だ。緊縮財政に反対する人民集会によって組織された何千人かが、ロンドンの通りに出て話している。そして衰えた保守政権を置き換えるため総選挙を要求している。彼らはフランスのジレ・ジョーヌ(イエロー・ベスト)に連帯して闘っている。イギリスの多くの抗議運動もよく目につくイエロー・ベストを着用している。

これは、これまで長く続いき、益々大きくなる「ブレグジット」の大失敗と直接関係している。つまりイエスかノーか、そしてどうやってという点で。この時点で、イギリスの将来がどうなるか誰にもわからない。プロパガンダと反プロパガンダは、人々をさらに混乱させる運命にあり、混乱した人々はたいてい「現状」にしがみつきたくなる。ある欧州議会メンバーによって組織された親「残留」プロパガンダの動きさえある。想像してみよう!主権について話そう。ブリュッセルが、ブリュッセルの命令下で残留したいかどうか、イギリス人に決定させることができないとするなら。

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ああ、イギリス人は大きく別れている。しかしまた、外国のプロパガンダによって揺り動かされた段階は過ぎた。イギリス人の大多数が、2016年6月に、とりわけEU離脱の微妙な問題において明確に決定した。テレサ・メイはブレグジット過程を見事に台無しにした。多くのイギリス人は、彼女が交渉したことは、「交渉なしの離脱」よりもさらに悪いものであると感じている。このことは多分、選挙で選ばれていないEU「指導層」の黙認のもとで起こった。EU指導層は、イギリスに離脱して欲しくないし、ワシントンの厳しい注文のもとで、イギリスにEUにおける重要なアメリカの防波堤の役割を必要としているのだ。

2019年1月15日、イギリス議会は、交渉されたブレグジット状態を受け入れるか、それとも「交渉なしの」ブレグジットを選ぶのか、もしくは「リスボン条約」第5条の下でのさらなる交渉の拡大を要求するのかに関して投票するだろう。(リスボン条約は、公的な投票なしで28カ国国家元首によって導入されたが、それはEU憲法に反する導入である。)他の選択肢は、総選挙であり、そこで新しい指導者を決める。又は法律的に2年後に可能な2回目の国民投票をすることである。後者の場合、厳しい社会不安を引き起こしがちである。すでに、イギリスでしばしば見られたように残虐な警察の圧力によってである。そのような場合、ただ内乱が回避されることを望む。

何週間もわたって、イエロー・ベスト運動はベルギーやオランダに広がった。同様の理由で、緊縮財政、つまりベルギーやオランダの主権に対するEUの独裁に対して大衆の不満があるのだ。先週の土曜日、ベルギーのイエロー・ベスト運動の一人が、トラックにひかれ、殺された。当局はそれを事故として報告した。

ギリシャの場合、主流メディアの報道は、すべて「うすのろ(?)」だ。ギリシャは回復していて、ここ何年かで始めてプラス成長をして、解放された資本市場にも再投資できるようになっていると報じている。ギリシャはもはや、腹立ち紛れの悪名高いトロイカ(欧州銀行、EC委員会、IMF)に依存していないと。しかし現実は全く違っていて、ギリシャ人のほぼ3分の2は、未だ生存レベルかそれ以下の状態をさまよっている。公的健康保険には加入できず、治療も受けられず、公立学校にも行けない。何度も年金を引き下げられ、ほとんどの公共資産や公共サービスはわずかな資金で民営化された。ここ何年か、基本的に何も変わっておらず、少なくとも大多数の人々にとっては良くなっていない。トロイカは国際的にはギリシャのイメージを偽って高めるために、ギリシャの民間資本市場を開放させていて、そして洗脳された民衆に向かっては「うまくいっている、我々トロイカはよくやった」と言うのだ。

何もうまくいっていない。人々は不幸だ。不幸以下だ。彼らは怒っている。彼らはアンゲラ・メルケルの最近のアテネ訪問に対して抗議デモをした。そしてその抗議運動は警官隊によって暴力的に制圧された。これでどんなことが期待できるのか。これがヨーロッパの現状だ。意気地のない属国のかなり抑圧された状態なのだ。

1月16日水曜日、ギリシャ議会はアレクシス・ツィプラス首相に対する信任投票をするかもしれない。公式の表面的理由は、マケドニアの名称に関する論争と考えられるが、その問題は実際、ずっと以前に解決している。真の理由は、果てしない緊縮財政により長期にわたって疲弊しきった大衆の不満である。緊縮財政は、貧困層から最後の1ペニーさえ吸い取るのだ。有名なイギリスの健康ジャーナル「ランセット」によれば、ギリシャの自殺率は急上昇している。だれもそれについて語らない。ツィプラスは、信任投票で生き残れるのか。もし生き残れなかったら、早期に選挙があるのか。ツィプラスの後をだれが引き継ぐのか。「民主主義」という言葉にだまされてはいけない。ギリシャ内外のエリート層は、いかなる政策変更も許さない。その時、人民のジレ・ジョーヌ(イエロー・ベスト)が起こるかもしれない。国内不安。もうたくさんだ。

イタリアでは、五つ星運動と少数派右翼の兄弟レガ・ノルテ(北部同盟)の連立は、レガ(同盟)のマッテオ・サルビニ副首相兼国務大臣によって極右に引っ張られている。サルビニ氏が明らかに取り仕切っている。そして同盟は、ブリュッセルに強く反対しているので、ブリュッセルがイタリア予算にルール違反の罪を課そうと試みている。しかし、その同じルールが、全てのEUメンバー諸国には等しく適用されていない。例えば、マクロンはフランスのロスチャイルドの代理人だが、予算制限に関しては、特権を持っている。サルビニの反ブリュッセル、反EUスタンスは秘密ではない。彼は多くのイタリア人の支援がある。イタリアのイエロー・ベスト運動は無視できない。
 
帝国の属国城は崩れかかっている。それも静かにでさえなく。

それから、旧ソ連衛星国ハンガリーとポーランドが右翼政権に変わった。彼らは、ハンガリーの反移民政策や、ポーランドにおける司法制度整備に関する議論にブリュッセルの介入をありがたく思わない。この国の行動に賛成しようがしまいが、放っておいてくれ。両者のケースは明らかにこれらの国の主権への干渉である。ヨーロッパ司法の強い警告にもかかわらずポーランドは実際、司法改革過程で首になった判事を黙認し、復帰させた。ポーランドのNATOびいきとブリュッセルのNATOの影響力の行使は、ポーランドの決定を逆転させるかもしれない。それにもかかわらず、ハンガリーと同様、ポーランドの一般大衆の不満は強いままである。移民や司法は単なる表面上の口実である。途方もない氷山の一角である。現実はもっともっと深いレベルの問題である。これらの国々はどちらもかつてソ連によって手錠をかけられていたことを思い出させる。「自由」はブリュッセルによって、命令されるものではない。

*

私達が留意しなければならないことは、大中東や西欧世界として知られているものの組織的・意図的な不安定化と破壊の三つの局面である。洗脳された西洋人にとっては、東方、つまりロシアや中国は、同時に厳かに渡り合う挑戦者となっている。いやむしろ、ロシアや中国の軍事力や情報能力について知っている人々にとっては、じっと我慢しながら渡り合う相手である。

破壊を伴った不安定化工作が、三つの局面からなる。まず、中東から始まり、ほとんどの場合、欧米同盟国による無差別殺害によって絶望的なこの世の地獄になる。つまり、帝国の操り人形や外国人傭兵によって、何百万人が殺され、ヨーロッパを不安定化する難民の止めどない洪水となった。それが2番目の局面である。それは真っ最中である。それは私達のすぐ目の前で起きているが、私達はそれがわからない。

それはイエロー・ベストであり、緊縮財政であり、不平等の増加であり、失業であり、公共部門が金融制度のよってゼロにまで搾り取られることである。そして、警官や軍隊によって大衆運動が抑圧されることである。それは人民の惨めな無気力さを反映している。それは街頭での「もうたくさんだ」に通じている。それは全ては必要とされていたことだ。カオスが多ければ多いほどいいのだ。カオスの中の人民は容易にコントロールできるのだ。

ここで第3の局面に移る。ラテンアメリカである。それは既に3・4年前に始まっている。「民主主義」という帝国の毒牙から逃れるため、何十年も苦闘してきた国々が、帝国の裏庭で偽選挙や議会「内」クーデターによって鎮圧されてきた。南端のアルゼンチン、チリ、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイはボリビアを除いてやられてしまった。ベルー、コロンビア、エクアドル、遙か遠くのガイアナまでネオリベラリズム、つまりネオ・ナチに隠れたワシントンの支配者に牛耳られている。しかし、ベネズエラ、キューバ、ニカラグア、そして今はメキシコもまだ屈服していない。そしてこれからも屈服しないだろう。

ティエリー・メイサンは『カリブ海の来たるべき悲惨な破壊』で素晴らしい分析を書いている。ペンタゴンは、ラムズフェルド、セブロスキーの計画遂行を未だにどれほど追求しているのかを見てみよう。今度は「カリブ海諸国」の破壊を狙っている。友人とか政治的敵など考慮していないと、ティエリー・メイサンは見ている。彼は続けて予測する。経済的不安化期間かと軍事的準備期間の後、実際の作戦が、今後始まるだろう。まずベネズエラ攻撃が、ブラジル(イスラエルが支援)、コロンビア(アメリカの同盟国)、そしてガイアナ(言い換えればイギリス)によって行われる。その次にキューバやニカラグアが狙われるだろう。ジョン・ボルトンによればそれらが「暴政のトロイカ」だそうだ。

言えることは、将来この計画がどの程度実行されるかだ。最初からその野望は、崩れゆく帝国の実際の能力を超えている。

*

一つの共通分母となるものを考えると、現在の欧米金融制度が廃されねばならない問題なのである。凶暴な民間銀行である。私達は、野蛮で大破壊を引き起こし、制御不能の金融制度の中に生きている。一連の果てしない貪欲は、どんどん突き進み、堅い鋼鉄の壁にいつぶつかるかもしれない。いつかはぶつかる。それは単に時間の問題だ。詐欺的ピラミッド・システムによって限りなく絞りとられるのにうんざりして、辟易している。それはアメリカとドル支配体制によって打ち立てられている。そしてグローバル化した民間巨大銀行によって維持されている。

私達は、経済発展とは何の関係もない民間銀行システムに生きている。しかし、民間銀行システムは、我々消費者を貪欲に支配して、あらゆるものが私達がコントロールできない借金やお金の形で売られている。私達が重労働によって稼いだお金にもかかわらず。それは私達が経済と呼ぶものに付加価値を加えた事実にもかかわらず。いや、このシステムは完全に個人を尊重しない。それは銀行システムを生きながらえさせる必要があるとき、私達のお金を盗もうとさえする。それは「運用」し、基本的に横領する自由さえある。私達のお金が民間銀行に入ったら、私達はそれを管理できなくなる。そして、いいですか、よく考えてください。民間銀行はあなたや私のためにではなく、株主のためにあるのだ。しかし何百年もの教化を通して、私達はそれに慣らされていて、私達自身のお金を借りるために利息を求められ、何もしないで利益を待つに過ぎない媒介者を通してだ。それが、「当たり前」になったのだ。

それではいけない。このシステムは廃止されなければならない。早ければ早いほどよい。民間銀行は根絶され、地域の公共銀行に置き換えられる必要がある。その地域公共銀行は、地域経済の生産力に基づいた地域通貨で運転される。資源の窃盗を助け、地域社会のセーフティ・ネットを空洞化させるグローバル化概念を取り除き、進歩のための緊縮財政という外観の全てを取り除くのだ。もう私達は、もっとよく知るべきだ。進歩のための緊縮財政はない。あったことも一度もない。この詐欺的IMF-世銀概念は一度も、どこでも機能したことがない。

私達は私達のお金を脱ドル化しなければならない。私達のお金を脱デジタル化しなければならない。そして人々の成長の目的のために公共銀行システムを通じて共同出資しなければならない。現在一つの良い例がある。ノースダコタ銀行[訳注]だ。ノースダコタ銀行は、2008年とそれに続く危機を通して米ノースダコタ州を助けた。経済不況のかわりに経済成長をもたらした。アメリカの他の地域や西欧世界の失業が急上昇したのに対して、ほとんど完全雇用を成し遂げたのだ。私達は、自立した経済を背景に、自立したお金で共通の富を築く必要がある。

帝国とその属国がひどく崩壊しているので、彼らはその基礎からぐらついている。私達が当然で、「正常だ」と思ってきたこと再考すべき時だ。つまり詐欺的ペテンの通貨制度を、何の裏付けもない、経済でもない、金でさえない通貨制度を再考すべき時だ。私達は、全く名目法の紙幣で生活している。民間銀行によるマウス・クリックで作られた名目紙幣だ。そしてそれが我々を負債の奴隷とさせる。

もうたくさんだ。イエロー・ベストは理解した。彼らは詐欺を増殖させ続けるだけの「マクロン」を排除したいのだ。崩壊がだんだん大きくなっているとき、考え直し、再出発するときだ。帝国のヨーロッパ属国は、ばらばらになり、ワシントンや覇権戦争やお金製造機を奈落に落とそう。

*

この記事は元々New Eastern Outlookで発表されたもの。

ピーター・ケーニッヒはエコノミストで地政学アナリストである。彼はまた水資源や環境問題の専門家である。彼は30年以上世銀や世界保健機構(WHO)で環境や水資源分野に関して世界中で働いてきた。彼はアメリカやヨーロッパや南アメリカの大学で講義している。彼はグローバル・リサーチの常連寄稿者である。ICH, RT, Sputnik, PressTV, The 21stCentury, TeleSUR, The Vineyard of The Saker Blog, the New eastern Outlook(NEO), その他インターネットサイトにも寄稿している。彼は『内破:戦争、環境破壊、企業の貪欲に関する経済スリラー:世界の世銀30年の経験と事実に基づいたフィクション』の著者である。彼はまた『世界秩序と革命---抵抗者からのエッセー』の共著者である。彼は「グローバリゼーション研究センター」の研究員である。 


[訳注:ノースダコタ銀行は下記のサイトを参照]
 ROCKWAY EXPRESS
http://rockway.blog.shinobi.jp/%E7%B5%8C%E6%B8%88/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%80%E3%82%B3%E3%82%BF%E5%B7%9E%E3%81%AE%E5%B7%9E%E6%9C%89%E9%8A%80%E8%A1%8C%E3%81%AE%E6%88%90%E5%8A%9F%E4%BE%8B
るいネット
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=238679

ジレ・ジョーヌ(イエロー・ベスト) 2019年:
フランスの民主主義は死んだのか、それとも生きているのか?

Gilets Jaunes in 2019: French Democracy Dead or Alive?

ダイアナ・ジョンストン

グルーバル・リサーチ 2019年1月12日

(翻訳:新見明 2019年1月18日)

<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/gilets-jaunes-2019-french-democracy-dead-alive/5665302



もしくは、埋もれたのか、それとも生き返ったのか?というべきか。なぜならパリの政治、金融、メディアの権力中枢とは無縁の多くの庶民にとって、民主主義は既に死にかけていて、彼らの運動はそれを救うための試みだからだ。かつてマーガレット・サッチャーが「他に代わるものがない」と宣告して以来、欧米経済政策は、金融市場の利益になるようにテクノクラートによって作られている。そしてその利益は庶民にトリクル・ダウンするだろうと主張する。おこぼれは大部分干上がっていて、人々は必要や願いが満たされるかどうかなどと考えるのにうんざりしている。そして願いは「わけありの」エリートによって全く無視されてきた。

エマニュエル・マクロンの新年の国民向け演説は、次のことを完璧に明らかにした。マクロンは、ジレ・ジョーヌ(イエロー・ベスト)抗議運動にわずかなパン粉を投げつけ、説得力がない中傷をした後、強行策をとる決意をしたのだ。

フランスは動乱期に入っている。状況はきわめて複雑だが、これが一体何であるのか把握するのに役立つ点がいくつかある。

方法

イエロー・ベストは、人目を引く目立った場所に集まる。例えばパリのシャンゼリゼや、他の都市の中心街や、小さな町外れの交通量の多い環状交差路などである。伝統的なデモとは違って、パリの行進は非常に緩やかで、自然発生的である。人々はただ歩き、お互いに話している。指導者もいなければ演説もない。

リーダの不在は、この運動につきものである。あらゆる政治家やデモに好意的な政治家でさえ信頼されておらず、だれも新しいリーダーを求めていない。

人々は自分たち自身で集会を組織し、苦情や要求のリストを明らかにする。

ドムレミーから車で30分行ったロレーヌ地方のコメルシ村は、ジャンヌ・ダルクが生まれたところであるが、そこで住民が集まって、彼らの宣言を6人が代わる代わる、節ごとに読んでいる。そんなところから彼らが指導者や特別なスポークスマンを求めていないことがはっきりする。彼らは時々言葉に詰まるが、テレビの語り手のように公衆の前で話すのに慣れていないのだ。コメルシでジレ・ジョーヌの第2アピールは、1月26日、27日の「集会の中の集会」に他の人もコメルシに来るように呼びかけている。



要求

去年の11月17日、イエロー・ベストを着て街頭に最初に出た人々は、表面的にはガソリンやディーゼル税値上げが、フランスの田舎の生活を直撃するものとして反対していた。「世界的都市」を大切にする余り、フランス政府は小さな街や村、そこに住む人々を犠牲にして次々に政策を行ってきた。もう我慢がならない状態だった。運動は急速に根本的問題に移った。つまり生活に関わる問題での人々の発言権だ。一言で言えば民主主義である。

何十年もの間、左派政党も右派政党も、選挙期間のスピーチがどんなものであれ、いったん権力の座につくと「市場」によって命令された政策を追求する。このため人々は全ての党や政治家を信用しなくなり、彼らの要求を聞いてもらえる新しい方法を求めている。

燃料税の問題は、要求項目が多くなるとすぐに忘れられた。運動の評論家は、非常に多くの要求を達成することはきわめて難しいと言う。人々の要求に注意を払っても無駄である。なぜなら愚かな人々は、あらゆる事を求めるからである。そして全くその反対のことを求めることもある。

その異議申し立ては、最も重要な唯一の要求「市民イニシアティブ国民投票(CIR)」として素早く表明された。

国民投票

この要求は運動の良い面を表している。「ねばならない」リストをつくるより、GJ(ジレ・ジョーヌ)は単に人々が選択できるように求めていて、国民投票は選ぶための手段だ。その要求には一定数の署名がいる。選択する国民投票の権利を得るには、多分70万人、あるいはもっと多くの署名者を必要とする。「市民イニシアティブ国民投票(CIR)」の権利はスイス、イタリア、カリフォルニアで存在する。その考えは、よくわかっている専門家はみな恐れる。もし人々が投票するなら、人々はあらゆる種類の愚かな事に投票するだろうと、知識人は身震いして見ている。

マルセーユ短期大学の温厚なエティエンヌ・シュアール先生は、何十年も国民投票を中心に、直接民主主義をどのように組み立てるか考察してきた。イエロー・ベストによってそのときが来た。国民投票は、感情的で即席の決定を避けるために、長い討論と考察の時を持たなければならない。そのような国民投票は、特定の利権によって左右されない、誠実で、独立したメディアを必要とする。法律を作る政治家は国民投票によって表明された国民の意思を尊重することが求められる。このことは全て、人民の憲法制定会議を必要とする。

国民投票はフランスの痛いところで、全てのジレ・ジョーヌ運動の力強い静かに横たわる大義である。2005年シラク大統領は(彼の観点からは愚かにも)、きっと承認されるだろうとEU憲法の批准を国民投票に求めた。政治家階級は、2・3の例外を除いて、全力で訴えた。新憲法の下で、新たな世界権力として繁栄する未来を求めよう。さもなければヨーロッパは第一次、第二次世界大戦に逆戻りしてしまうと。しかし普通の市民は、自主的に勉強する大きな運動を組織した。グループごとに膨大な法律資料に目を通し、それらがどんな意味で、何を意味しているかを解明しようとした。2005年5月29日、フランス人は68%の投票率で、55%が憲法に反対投票をしたのだ。パリだけがかなり賛成投票が上まった。

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3年後国会は、つまり全政党の政治家たちは、同じ内容の条文を実質的に採用することに賛成投票をした。それは2009年にリスボン条約となった。

明確に表明された人民の意思は打撃を受け、多くの者が力を落として政治から離れていくという幻滅を味わった。しかし今、それらが戻ってきたのだ。

暴力
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最初から政府は暴力で対応してきた。運動を暴力的だと非難するため、明らかに暴力行為を誘発するように意図されていた。

警察隊は、ロボットのような装備で、平和的なイエロー・ベストのグループを取り囲み、阻止した。催涙弾の煙で覆われ、フラッシュ・ボールのゴム弾をデモ隊に直接撃ち込み、何百人も怪我をした(公式の数字はない)。大勢が視力を失うか手が動かなくなった。政府はこれについて何も述べていない。

抗議行動の三日目の土曜日、この警察隊はデモを止めることが出来なかった。そして許可された命令のもとでか、大勢の暴力団やブラック・ブロック(不明の黒衣の集団)が運動に侵入して、器物を壊し、店を破壊し、ゴミ箱や駐車した車に火をつけ、世界のメディアにイエロー・ベストは暴力的で危険であるイメージを与えた。

これらのあらゆる挑発にもかかわらず、ジレ・ジョーヌはきわめて冷静で、確固としていた。しかし感情を害し、やり返そうとする人もいないわけではなかった。

ボクサー

8回目の土曜日、1月5日にプレキシガラスで保護された警官が、セーヌ川の橋のジレ・ジョーヌを暴力的に攻撃した。そのとき大柄な男が怒って群衆の中から出てきて、反撃した。彼はげんこつを握り、一人の警官を殴り倒し、他の者を退却させた。この驚くべき場面は撮影されていた。イエロー・ベストは彼を止めようとしたが、「ランボー」は止まらなかった。

これはクリストフ・デティンガーで、フランス系ジプシー、ボクシング元ライト・ヘビー級フランスチャンピオンであることがわかった。彼のニックネームは「マッシーのジプシー」である。彼は現場から消えたが、登場する前にビデオをセットしておいた。彼は警官が女性や他の無防備な人々を攻撃しているのを見て私がとった、「対応はまずかった」と彼は述べた。彼は運動が平和的に進められるように願っていた。


デティンガーは7年の拘留が迫っている。1日以内に彼の弁護資金は116,433ユーロ集まった。政府は拒否した。どんな法的理由かわわからないが。いま彼のための嘆願が回っている。

中傷

マクロンは大晦日のスピーチで、人々を叱った。「あなた方は、少し働いて、たくさん儲けることはできない」。まるで彼らがみな、ヨットでのんびり過ごし、株価が上がったり下がったりするのを眺めて過ごすのにあこがれているかのように言う。

それからマクロンは戦いを宣言した。

「最近、私は考えられないことを見て、受け入れがたいことを聞いた」。明らかに、デモ隊と共鳴しようとする2・3の反対派政治家を指して、「人民のために話している」振りをしていると激しく非難した。「しかし、憎むべき暴徒のスポークスマンは、選ばれた代表、警察、ジャーナリスト、ユダヤ人、外人、そしてホモを追いかけているだけなのだ。それは単なるフランスの否定だ。」

「ジレ・ジョーヌは誰も追いかけない。警察が彼らを追いかけているのだ」と、人々は組織的に運動を歪曲するチャンネルの撮影隊に対して、実に誇らかに声を上げたのだ。

運動からは一言も外国人やホモに反対する声は聞こえてこなかった。

キーワードはユダヤ人

飼い犬をおぼれさせたい人は、その犬が狂犬病だと言って非難する。(フランスの諺)

フランスの諺では「犬をおぼれさせたい人は誰も、犬が狂犬病だと言う」。今日、成功を台無しにしたい人、ライバルに対して仕返しをしたい人、個人の面目を失わせたい人、もしくは運動を破壊したい人は誰でも、彼らは反ユダヤ主義だと言って責めてくる。

だから、民主的運動の高まりに直面し、「反ユダヤ主義」カードを切ることは不可避だった。それはほとんど統計的に確かなことだった。何十万人の不特定多数の中で、ユダヤ人を否定的に言う者が一人や二人いるかもしれない。それはかまわない。タカ派メディアは見張っている。わずかな出来事も、運動の本当の動機がホロコーストの復活にある事を示すために使われる。

この穏やかな反語的な小歌が、フランスのある交差点で演じられ、「よい」体制が「悪い」普通の人と対比されていた。それはYouTubeで大ヒットだった。それは運動の雰囲気をよく醸し出している。「優しい人、意地悪な人---ジレ・ジョーヌ」。



この陽気な人々が、反ユダヤ主義だと責められるのに時間はかからなかった。なぜか。批判が皮肉にも二人の最も有害なジレ・ジョーヌ批判者に向けられたからである。それは68年5月革命世代のダニエル・コーン・ベンディットと、古い「新哲学者」ベルナール=アンリ・レヴィである。新たな世代は、彼らに我慢ならない。しかし待て、彼らはたまたまユダヤ人だ。ああ!反ユダヤ主義だ!

抑圧

政府スポークスマン、ベンジャミン・グリボーが、「政府転覆」を望む者たちを「扇動者」とか「暴徒」と描いたが、そのデモに対決するため、エドアルド・フリップ首相は、デモの権利をうまく「保護する」新たな法律を公表した。その主要な方策とは、時間や場所の公式許可を得ないデモの組織者を厳しく罰することである。

事実警察は既に、33歳のトラック運転手エリック・ドルエを、運動の被害者を弔う小さなキャンドルセレモニーを開いたことで逮捕した。その他に情報が得られない逮捕がたくさんいる(ついでながら、祝日にわたって、いくつかの都市の周辺のチンピラたちが、駐車した車を燃やす儀式を行った。特別な公表とか弾圧があったわけではなく。それらは労働者階級の人々が仕事に行くために必要な車だった。パリの富裕層の高価な車が破壊されて反感のタネをまいたわけではなかった。)

1月7日、「哲学者」で元青年・教育・研究大臣のリュック・フェリーは、とても上品ぶったラジオ・クラシックでインタビューをされた。彼は宣言した。「警察はこの暴力を終わらせる事が出来ない。それは耐えがたいことだ。聞いてくれ。奴らがかわいそうな倒れた警官を蹴っているのを見るなんて、もうたくさんだ!今回だけでも警察に武器を使わせてくれ。もうたくさんだ!・・・思い起こせば、我々は世界第4位の軍隊をもっている。このくだらないことを終わらせることが出来るんだ」と。

フェリーは、「改革」を推し進めるためにマクロンに共和党と連立を組むように呼びかけた。

先月、「市民イニシアティブ国民投票」に反対するコラムで、フェリーは書いた。「現在の専門家に対する非難やエリート主義に対する批判は、この時代の最悪の惨事である」と。

アンティファ

アンティファ・グループは、人々が集まるところはどこでも、「ファシスト」を根絶するために無差別の捜索するかもしれない。先週の土曜日ボルドーで、イエロー・ベストはアンティファによる攻撃と闘わなければならなかった。

今はっきりしたことは(実にいつもそうだが)、自称「反ファシスト」が現状の番犬である事だ。彼らのたゆみない「ファシスト」探しで、アンティファは動く者は何でも攻撃する。結局、彼らは不況を守っているのだ。そして奇妙なことに、アンティファの暴力は、黙認されているのだ。より平和的なデモ隊を侮辱し、攻撃し、逮捕する国家や警察によって。

メディア

疑ってかかれ。少なくともフランスでは、主流メディアはしっかりと「秩序」の側、つまりマクロン側にある。そして外国メディアは、国家メディアが書いたり言うことを反復しがちである。また一般的に、フランスの場合、英語メディアはしばしば正しく理解していない。

終わりに

まだよくわからない。これが革命ではないかもしれないが、運動は「体制」の本質を暴露した。権力は、「市場」に奉仕するテクノクラートの手にある。つまり金融資本の権力である。このテクノクラート社会は人間社会を再編することを願っている。それは我々自身の社会や全地球の人々を、資本主義の利益に奉仕させることを願っている。それは「グローバリゼイション」計画で、経済制裁や、圧倒的なプロパガンダや、軍隊(NATO)を使う。それは人々の同意なしで、人々の生活を方向づける。マクロンはこの体制の体現者である。彼は、有名なエリートによって選ばれて、EUに押しつけられた「市場経済」に指示された方策を実行する。マクロンは諦めることができない。しかし人々はいま進行していることに目覚めた。彼らはやめないだろう。どれほど学校システムが劣化しようと、フランス人は今日よく教育され、人々があるべき合理性を持っている。もし彼らが民主主義を勝ち得ないなら、民主主義は不可能である。

続く・・・

*

ダイアナ・ジョンストンは『愚か者の十字軍: ユーゴスラビア、NATO、西欧の幻想』の著者である。彼女の新著は『カオスの女王、ヒラリー・クリントンの不運』である。『ダイアナ・ジョンストンの父ポール・H・ジョンストンの思い出「MADから狂気まで」』は、彼女のコメント付きでクラリティ・プレスから出版された。彼女の連絡先はdiana.johnstone@wanadoo.fr.  ダイアナ・ジョンストンはグローバライゼイション研究センターの研究員である。

フランスの「黄色いベスト運動」は全EU諸国労働者の勝利

France's Yellow Vest movement strikes a victory for working people across the EU

ジョン・ワイト

RT Op-ed 2018年12月5日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年1月11日)

<記事原文>(寺島先生推薦)
https://www.rt.com/op-ed/445661-yellow-vest-victory-working-class/



ジョン・ワイトは様々な新聞やウェブサイトに寄稿している。その中には、the Independent, Morning Star, Huffington Post, Counterpunch, London Progressive Journal, and Foreign Policy Journalなどがある。 
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© AFP / Abdulmonam EASSA

フランスの「黄色いベスト運動」はどこからともなく噴出したように見えるかもしれないが、この成果に至るまでには時間がかかっている

カール・マルクスは言った。「人間は自分自身の歴史をつくる。 しかし、それは人間の自由意志からではない。 自分で選んだ環境のもとではなく、すぐ目の前にある、与えられ、維持されてきた環境の下でつくるのである。」  

そして、ここ数週間、「黄色いベスト」を着て抗議に立ち上がり、パリの中心部を占拠している数千人もの人たちが、更にはフランス国内の数百万もの普通の労働者も含めて、この間ずっと対決し続けているのは、破綻し、機能しなくなった新自由主義経済モデルがもたらしている深刻な現実に対してである。 それに輪を掛けて事態を悪化させているのが、フランス大統領エマヌエル・マクロンを中心とする新自由主義経済推進者たちの動きだ。 彼らは新自由主義の名で粉飾された、深刻で悲惨な現実(ディストピア)に人々が覚醒しないようにしているのだ。

フランス政府が燃料税の提案を保留する決定を下したことは、フランス国民の勝利だった。 人間の尊厳を保った生活の質を求める権利のために戦い、争うのはフランス国民の数世紀に及ぶ長い伝統なのだ。 

マクロンが、自分の信奉する新自由主義の神の言いなりに、国民を無視する態度は尋常ではなかった。 そんなマクロンを実力行使で譲歩させた黄色いベスト運動は、全EU諸国の労働者に大きな貢献をすることになった。 つまり、不正を前にされるがままというのは、更なる不正を招き寄せるということにしかならない、ということを思い起こさせたのである。  

マクロンは当初、譲歩は認めない(つまり、彼は以前しっかり譲歩をしていたことになる)という「ケーキを食べさせておけばいい」的なトンチンカンな大言壮語を身の程知らずにも国民に対して言明していた。 つまり、「燃料の価格が上がることに不満を言う人間は、汚染や子どもたちが苦しむ現状に不満を言う人間と何ら変わらない」と。どう転んでも、マクロンは自ら大統領職を辞任するか、次の大統領選で国民の審判を仰ぐかのいずれかだ。 

明々白々なのは、上位100の会社や企業だけで世界の71%の排出に責任があるという事実に、現在のエリゼ宮(大統領府)の占
拠者たちは良心の咎めをあまり感じていないらしい、ということである。マクロンは、経営者や富裕層の減税、そして年金削減と所得最底辺層の福祉削減などの施策を最近続けざまに行い、そういった会社や企業の気まぐれな関心に熱心に奉仕している。

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‘Out of touch’: Protesting French people want to be heard – but gov't does not listen


更に、そういった会社や企業に巨額な恩恵的資金が制度的に流れ込み、世界の一流銀行や金融機関が優遇されていると言われている。他でもない、2008年の世界的金融危機と世界規模の不況を引き起こした張本人は銀行だった。このことは、一転して、金融危機には責任のない庶民が、緊縮財政という形での経済的戦争に直面させられる事態となった。 

上に述べた汚点を明らかにすることでしか、体制側のメディアが執拗に吐き出す新自由主義的なプロパンガンダの霧の中を切り進む道はない。 メディアそのものが問題に取り込まれた存在と見られるようになってからだいぶ時間が経っている。 メディアの元々の役割は富裕権力層のお抱えではなく、労働者の顔に降りかかった塵を払うことだったはずだ。 

マクロンは、自分を世界の舞台で闊歩する巨像のように思っているかもしれない。しかし、彼以外の人間には安っぽいナポレオンにしか見えない。そんな人物が欧州軍を話題にする様子は、新自由主義が年月をかけてこしらえ、誕生させた政治家の典型の姿にすぎない。 現在の危機に至る前にも、彼の支持率は地を這うほど低かった。それでも、同じように贅沢な他の指導者たちと変わらず、現実世界には無頓着なだけなのだが、それを何故か強力な指導力と思ってしまうのだ。

そういったことは、実際のところ、問題のはぐらかしにしかなっていない。 つまり、他とは隔絶された西側の新自由主義支配層に寄生する輩が、自分たちに甚大な損害をもたらす経済的独裁の帰結に、一体、いつ目覚めるのかという問題だ。 もっとも、そんなことがあるとすれば、の話だが。

ここイギリスではトニー・ブレアが「反ブレグジット(=反EU離脱)」運動の事実上のリーダーとして担ぎ出されるという許しがたい光景が展開している。 中東に石油とマッチを持ち込んだ人間が、しかもこの国のブレグジット運動の中心ではハエほどの重さしか持たない人間が、金ぴかの豪邸とテレビ局を往復する車のお抱え運転手に指示を出す以上のことができる、と信じる人がいるということがびっくりだ。

アメリカに目を向けてみよう。 政治的には死んだはずのヒラリー・クリントンの棺桶の蓋がこじ開けられた。 犯人は現実を理解していないワシントンのリベラル派の体制である。 2016年の選挙でトランプが当選した後、地球を離れ、今でも宇宙のどこかで漂っているはずの連中だ。

トランプは、クリントンやオバマが長い年月アメリカ国民の食卓に提供してきたものを政治的受け継いでいる、という事実をアメリカのリベラル派が直視しないことは破局的な事態だ。 トランプが通常のビジネスをいやいや妨害するという話ではない。 自由の国アメリカで大麻の合法化に未だ反対する強力な議論が存在するのと同レベルの話だ。  

ドイツ西部の町トリーアが生んだ聖人カール・マルクスに話を戻す。 次の一節は19世紀の古典である『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』で、21世紀の各国政府が資本という神を祀る祭壇に額づく現実を詳細なテクニカラー版で描き出している。

「ボナパルト(=マクロン)はすべての階級に恩恵を施す長老として登場したいと思っている。 だが彼が一つの階級に恩恵を与えるには、もう一つの階級からむしり取ってこなければならない。」

黄色いベスト運動は、むしり取られるだけのフランスの労働者階級の時代が過ぎ去ったことを知らしめた。

一方、緊縮財政が大虐殺の大半を引き起こしてきたヨーロッパのこの国、つまりイギリスのことになると、フランスの運動に呼応して「黄色いベスト運動」に応えようとするものが何もない。 そんなところを見ると「フランスではエリートは人民を恐れるが、イギリスでは人民がエリートを恐れる」という古い諺が真実性を帯びてくる。 

2010年に保守党が権力を握って以来、イギリスの国中で、新自由主義支配層によってその腸(はらわた)がくり抜かれ、首には鉄環を巻き付けられたようになってしまった地域社会において、フランスの蜂起に呼応して聞こえてくるのは、今のところ飢えた子どもたちの腹鳴だけだ。 2018年には400万人以上の子どもたちが飢えているというデータがある。

さて、いくらイギリスが覚醒しにくいライオンだとしても、いつかは目を覚ます必要がある。 イギリスが覚醒したら、さて?

フランスの反対派は、マクロンのイエロー・ベストへの譲歩を拒否する。「市民革命」を求める声も

French opposition rejects Macron’s concessions to Yellow Vests, some demand ‘citizen revolution’

RT Home/World News/  2018年12月11日

(翻訳: 新見 明 2018年12月16日)
<記事原文>
https://www.rt.com/news/446122-macron-concessions-yellow-vests-reactions/

© Reuters / Philippe Wojazer

マクロンのイエロー・ベストへの譲歩は、抗議運動や反対派政治家をなだめるのに失敗した。例えば、(左翼党共同党首の)ジャン・ルュック・メランションは、富の公平な分配が達成されるまで「市民革命」を継続するべきだと訴えた。

フランス大統領マクロンがイエロー・ベスト運動メンバーによる大規模な抗議行動に応えて、「社会・経済的非常事態」を宣言し、国民の苦境に取り組むため大幅な譲歩を約束したすぐ後に、左翼反対派政治家のメランションは、次の土曜日に革命を継続すべく草の根運動を呼びかけた。

我が国の市民革命の第5段階が大動員の要素となると思う。

最低賃金100ユーロ増加、時間外手当の非課税、年末手当のマクロンの約束はフランス国民の「かなりの部分」には何の影響ももたらさないだろう、とメランションは言った。
しかしLa France Insoumise(不服従のフランス)は強調した。立ち上がるかどうかの「決定」は、行動している人々次第である。

「私達は本当の富の再分配を求めている」と元大統領候補でMouvement Generation(青年社会主義者運動)の創設者であるブノワ・アモンはBFMテレビに語り、マクロンのお金持ちを利する一連の政策を非難した。


社会党第一書記のオリビエ・フォーレも、戦う労働者に対するマクロンの譲歩を、彼は全般的路線を変化させることはないと批判した。

国民連合(旧国民戦線)党首マリーヌ・ル・ペンは、一定の税制改革を歓迎しながらも、大統領の統治「モデル」が「野蛮なグローバリゼーション、金融経済化、不公平な競争主義」に基づいており、イエロー・ベスト運動の社会的・文化的影響に取り組むのに失敗したと批判した。

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マクロンはフランスの「経済非常事態」を告げ、小さなサラリー増加を約束する(RT com ビデオ)


「立ち上がれフランス」議長ニコラ・デュポン=エニャンは、マクロンのスピーチは「大きな茶番」であったと、フランス大統領の「偽善」を非難した。

しかし多くの者は、「不合理な政府に対して立ち上がれ」というメランションの呼びかけが、67歳の反対派政治家が「楽天主義」とか「ポピュリスト」であると非難し、社会的抗議運動を自分のためにハイジャックしようとしていると見ていた。

さらに約54%のフランス人が、イエロー・ベスト運動は彼らの目標を達成し、そして運動をやめたいと思っている、とオピニオン・ウェイの調査は示している。調査回答者の半数がマクロンの反危機政策は疑問があると考えているが、別の49%は大統領は抗議参加者の要求に取り組むのに成功していると見ている。月曜日のマクロンのスピーチの後、回答者の約68%は特に最低賃金の増加を歓迎し、78%が減税を評価した。

先月の年金削減や燃料税増税に対するイエロー・ベスト運動は、ソーシャル・メディアを通して組織され拡大した。それはフランスの強力な労働組合や公式の政党の支援なしで広まった。そのような社会のあらゆるレベルからの大衆動員が、政府から予期せぬ譲歩を引き出した。それは組合が過去30年以上にわたって失敗してきたことだ、と述べる者もあった。

ジュリアン・アサンジ、近日中にエクアドル大使館から強制退去か?―グレン・グリーンウォルドの報告

Ecuador's president to hand Assange over to UK during London visit – Greenwald
Published time: 21 Jul, 2018 22:57
Edited time: 23 Jul, 2018 09:44
<記事原文>https://www.rt.com/news/433783-wikileaks-assange-ecuador-uk/
(翻訳:大手山茂 2018.7.24 編集:岩間龍男2018.7.30)    

FILE PHOTO © Pete Maclaine / Global Look Press

エクアドルのレーニン・モレノ大統領は、イギリス当局と近々合意をまとめて(すでに合意した可能性もある)、ウィキリークスの創始者であるジュリアン・アサンジの亡命保護措置を解除することになると、グレン・グリーンウォルドが報告している。

モレノ大統領のイギリス訪問は、7月22日から28日にかけてのヨーロッパ歴訪の一環だ。彼の訪問は公式なものではないと言われており、イギリス政府高官と会うことはない。 その代わり、イギリス政府が共催する「世界障害者サミット」(7月24日)には参加することにはなるだろう。

しかし予測されていることは、モレノ大統領がこのイギリス訪問を利用して、「エクアドルがジュリアン・アサンジの亡命保護措置から手を引く合意をまとめること」だと、「インターセプト」の共同編集者であるグレン・グリーンワルドが報告している。グリーンウォルドは、エドワード・スノーデンがリークした機密文書を基に、アメリカの監視プログラムの詳細を真摯に報道し続けるジャーナリストとして世界中に知られている。グリーンウォルドは長年ウィキリークスに対しても、また彼のブログに情報を寄せてくれる数々の内部告発者たちにも支援と弁護活動をしてきた。                                                  

     Ecuador to hand over Assange to UK ‘in coming weeks or days,’ own sources tell RT's editor-in chief
モレノ大統領は「この合意をまとめるまで(その手続きが完了していないにしても)あと一歩の所にいる」とグリーンウォルドは書いている。そのニュースソースは匿名だが「エクアドル外務省と大統領官邸に近い情報提供者」からのものだとしている。さらに「この合意の下、ウィキリークス創始者ジュリアン・アサンジはロンドンのエクアドル大使館から退去を強制され、イギリス当局に身柄を引き渡される可能性がある、それも早ければ今週中にも」とグリーンウォルドのレポートは続く。

グリーンウォルドのレポートに先立って、RTの編集長であるマルガリータ・シモニャンは、彼女自身のニュースソースを引用、エクアドルがアサンジをイギリスに引き渡す準備が「ここ数週間、あるいは数日中」に整うと語っていた。グリーン・ウォルドによれば、そのような進展によって、アサンジは「最善のシナリオ」でも少なくともあと一年投獄されることになるだろう。これが意味していることは、「なんらかの罪で告訴されたり、まして有罪判決も受けていないのに」、アサンジが10年近く拘禁されてきたことになるということだ。

スウェーデン政府はアサンジのレイプ疑惑調査を2017年5月には取り下げていたので、アサンジがイギリス国内で現在直面している唯一の刑事訴訟案件は、「不出頭」に対して出されている2012年の逮捕状が未執行になっている件だけだ。それは、アサンジがイギリスでの保釈条件に従わず、エクアドルから亡命を認められ、ロンドンのエクアドル大使館に逃げ込んだことだ。

こういった違反にたいする刑期は3ヶ月だとグリーンウォルドは語っている。しかしイギリス当局がアサンジに対する罪名を「法定侮辱罪」に内々引き上げる可能性を心配している。そうなれば刑期は最大2年まで延びる。さらにイギリス当局がアサンジの身柄をアメリカに引き渡さないという保証を与えることはまず考えられない。アメリカはアサンジを秘密文書漏洩で刑務所送りにしようと待ち構えていることを隠そうともしていない。

機密文書の公表は専門的に見ればアメリカに在住する何人にも適用される犯罪である。しかし司法省の官僚達はこれまでその罪状で訴追することにあまり乗り気ではなかった。そのような事案は、逆に自分達が報道の自由、つまり憲法修正第1条「言論の自由」条項に違反していると告発される可能性を心配したからだ。

しかしトランプ政権はそのような心配はまったくないと表向き言明している。 マイク・ポンペオがCIA長官在任中に語った言葉:

    「(ウィキリークスは)憲法修正第1条が正義の盾になっているとみなしている
    ようだ。 ・・・・ 彼らはそう信じてきたが、どうやらそれは間違っている。」

ジュリアン・アサンジの迫害は、西欧的価値がもはや存在しないことの証明だ

The Persecution of Julian Assange Proves that Western Values No Longer Exist

ポール・クレーグ・ロバーツ博士
グローバル・リサーチ 2018年6月24日


西欧は、決して「民主的価値」について語ることをやめない。西欧の政治的論理では、民主主義が機能するのは、言論の自由と報道の自由によってである。市民とメディアは、しっかり発言することによって、政府に説明責任を果たさせることだ。

このリベラルな伝統とは、ある「犠牲者団体」と指定された者が、傷つけられたと訴えることができるからと言って、使えない言葉や用語がないことを意味する。政治的矯正と銘打ってなされる言論の自由への侵害は、今や大学や公立学校システムやグーグルのようなアメリカ企業やアメリカ人の文化適応習慣に制度化されていて、言論の自由の衰退を示している。政府も「テロ戦争」で、令状なしのスパイ活動や大量の監視や反対派への取り締まりを正当化して、言論の自由を侵害した。

報道の自由は、言論の自由よりもさらに劇的に衰退した。ペンタゴン・ペーパーのニューヨークタイムズが消え去ったのは第1期ジョージ・W・ブッシュ政権の時で、ブッシュ政権が令状なしのスパイ活動をしているという話を、新聞が握りつぶした時だった。ニューヨークタイムズは1年間その話を握りつぶし、ブッシュが難なく再選を果たし、政府にスパイ活動を既成事実として合法化する時間を与えた。

(さらに読む)「ウラジミール・プーチンは正直に語る。『世界を戦争へと導く』西欧の政治的嘘とは好対照」
https://www.globalresearch.ca/vladimir-putin-speaks-honestly-refreshing-contrast-to-western-political-liars-who-drive-the-world-to-war/5486141?utm_campaign=magnet&utm_source=article_page&utm_medium=related_articles
今日メディアはロシアやトランプを悪魔化し、ワシントンやその属国の戦争犯罪を正当化する宣伝省だ。

だから、ロンドンのエクアドル大使館にジュリアン・アサンジを6年間監禁していることにメディアは何の騒ぎも起こさないのだ。

ウィキリークスはニュース組織であり、他の自由報道となんら変わるところがない。ジュリアン・アサンジはオーストラリアとエクアドルの市民だ。彼はアメリカ人ではない。だから反逆罪は当たらない。しかし、ワシントンは彼に対してそのような事件をでっち上げるために、陪審を使ったと考えられる。

エクアドルの新大統領は、前任者ほど強力でも、善人でもない。モレノはワシントンの圧力でエクアドル大使館の生活をできるだけ耐えがたいものにしている。イギリス政府はアサンジを引き出して、イギリスの手に取り戻そうとしている。イギリス政府は、ワシントンの圧力に応えて、彼の保護施設を認めず、彼が大使館から離れることを阻止している。

この事件に「民主的価値」は存在しない。それはミンツェンティ枢機卿に対するソ連の扱いと同じである。自由を踏みにじっているのはモスクワではなくワシントンなのだ。

オーストラリア政府は他の全ての属国と同様、ワシントンに従ってアサンジ救出に何もしていない。ワシントンの利益を法や市民の利益より優先しているのだ。

今週オーストラリアでアサンジを支援して抗議行動が行われた。しかし西欧政府は今のところ市民の行動を無視している。革命とはほど遠いものが、西欧政府に説明責任を回復させることはあり得ないことを示している。

「西欧民主主義」は矛盾語法となった。マイクヘッドのこの記事は、西欧エリートが言論の自由や報道の自由や真実や市民的権利を軽蔑していることを示している。

*

この記事は元々ポール・クレイグ・ロバーツ政治経済研究所で発表されたもの。

ポール・クレイグ・ロバーツ博士はグローバル・リサーチの常連寄稿者である。
(翻訳:新見 明)

<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/the-persecution-of-julian-assange-proves-that-western-values-no-longer-exist/5645184
<新見コメント>--------------------------
ポール・クレイグ・ロバーツの「ジュリアン・アサンジの迫害は西欧的価値がもはや存在しないことの証明だ」をアップしました。

前回RT記事「ジュリアン・アサンジの救出に動く人気女優 」をブログに掲載しましたが、今回のPCRの記事はジュリアン・アサンジの状況をさらに詳しく論じたものとして重要なので翻訳しました。
    http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-47.html

エクアドル新大統領モレノがワシントンの圧力に屈していること、アサンジの出身国オーストラリは救出に何もしていないこと、そしてアメリカ人ではないのにアメリカで反逆罪が訴えられていることなど矛盾に満ちた状況が書かれています。

アサンジの窮状に対して西欧のメディアが何も伝えない。西欧の言論の自由や報道の自由が衰退していることを訴えている。

ポートン・ダウンの科学者は確認できず:スクリパル事件で使われた神経剤がロシアで作られたかどうか

RT Business News
 2018年4月3日



画像/Global Look Press

イギリスの科学者達は、ロシアが神経剤A-234(「ノビチョク」とも)を作ったかどうか証明できなかった。そのノビチョクは、セルゲイ・スクリパルとユリア・スクリパルをソールズベリーで毒殺するために使われたとされている。

モスクワが、その攻撃には無関係だと主張した数週間後、高度秘密陸軍基地ポートン・ダウンの科学者達は、そのサンプルをロシアと結びつけることができないとした。しかしテレサ・メイ政府は繰り返しクレムリンを非難し、ロシアに制裁を課した。それには外交官23人の追放が含まれている。



ポートン・ダウンの防衛科学技術研究所(DSTL)所長ゲーリー・アイケンヘッドはスカイニュースに語った。「我々はそれがノビチョクであることを確認できた。それは軍用レベルの神経剤であった。」

「我々は正確な出所を確認できなかったが、科学的情報を政府に提出した。そして政府は結論を出すために、他の多くの資料をそのとき利用した。」

二重スパイのセルゲイ・スクリパルズと33歳の彼の娘は、3月4日ウィルシアの公園のベンチで倒れているのを発見された。

ダウニング街(イギリス政府)は直ちにロシアを非難し、多くの厳しい制裁リストを挙げた。最も厳しいものは30年にも及ぶ。ヨーロッパ諸国はイギリスに説得されて、外交官を追放し、彼らをモスクワに帰還させるように求められた。

今、科学者達はロシアとの関連を確定できないと言っている、とアイトケンヘッドは付け加えた。「この特殊な神経剤が何であるかという科学的証拠を与えるのが我々の仕事であり、それが特殊な族(ノビチク)であり、軍事用であることを確認した。しかしそれがどこで作られたかを述べることは我々の仕事ではない。」

ノビチョクの解毒剤はわかっておらず、二人のスクリパルに誰が投与したのかはわからないと、アイトケンヘッドは述べた。その物質は「きわめて複雑な方法で作り出され、国家レベルの能力で可能なものである」と彼は示唆した。

OPCW(化学兵器禁止機構)は、ロシアの要請で委員会が午前中にハーグで開かれたと述べた。

(さらに読む:ロシアはスクリパル事件でOPCWに13の質問をした)

ロンドンのロシア大使、アレクサンダー・ヤコベンコは、ロシアは情報を知らされていないと繰り返し述べた。

ロシアは、テストできるようにサンプルを求め、調査が許されるべきだと主張した。しかしヤコベンコによれば、大使はイギリスの報道を通じた情報しか得られていないと述べた。

<記事原文>
https://www.rt.com/uk/423075-porton-down-skripal-proof/

フランス大統領選挙の主要問題: 国家主権とフランスの未来

ダイアナ・ジョンストン(グローバルリサーチ2017.4.21)

2017年フランス大統領選挙はヨーロッパの政治状況に重大な変化をもたらしている。従来の左翼右翼の対立から、欧州連合(EU)というグローバリズムと国家主権との間の対立へと転換してきている。
続きを読む(http://blog-imgs-106.fc2.com/t/m/m/tmmethod/20170624192427e9f.htm)

GLEXITへの行進ーグローバリゼーショからの離脱

http://blog-imgs-102.fc2.com/t/m/m/tmmethod/201703300009146f4.htm

スーザン・ジョージ:TTIPと新たなヨーロッパの運動

http://blog-imgs-102.fc2.com/t/m/m/tmmethod/20170330000954b52.htm

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