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なぜNATO傘下のネオナチ軍事政権は、ロシアでのテロ攻撃の隠し方があんなに杜撰なのだろう。NATOはロシアと戦争をしたがっているのだろうか?

<記事原文 寺島先生推薦>
Why Is NATO’s Neo-Nazi Junta’s Cover-up for Terrorist Attacks in Russia So Sloppy? Does NATO Want War with Russia?
筆者:ドラゴ・ボスニック(Drago Bosnic)
出典:グローバル・リサーチ(Global Research) 2024年3月28日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年4月1日


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クロッカス・シティ・ホールでの300人以上に対する凶悪な虐殺行為(その半数近くが現在死亡)、過去20年間のロシアにおける最悪のテロ攻撃であり、過去5年間で世界最悪のテロ攻撃の1つである。それにもかかわらず、主流のプロパガンダ機関の多くは、これを「銃撃」、おそらくは「銃乱射」、または単に「攻撃」などと呼び、ロシア民間人に対する共感がいかに少ないかを示している。テロ攻撃自体、十分に恐ろしいものだったが、ネオナチ軍事政権とその支持者から発せられた怪物のような歓喜の声が事態をさらに悪化させた。

さらに、ロシア諜報機関は、クロッカス・シティ・ホール・テロ攻撃の真の首謀者が西側諸国政府、特に米国であることを示す気がかりな証拠を発見した。

いっぽう米国側は、ISISが背後にいるという「否定できない証拠」があると主張している。

むしろ興味深いのは、テロ攻撃のわずか数時間後、現地にいたロシア軍ですら詳細を把握していなかったにもかかわらず、米国がどのようにして首謀者がISISであると主張できたのかということだ。誰がノルド・ストリーム・パイプラインを破壊したのか米国は「ほんとうに知らない」が「深海を潜れる謎のウクライナ人組織」であることは分かっている、などと言っていた。

さらに悪いことに、米国21世紀の歴史の決定的な瞬間となった9/11攻撃から23年が経った今でも、米当局は未だにその捜査を終えていない。

政府支配者層が何かを隠していることは「ほぼ間違いないようだ」。しかし、何らかの理由で、彼らは1万キロ離れた場所でのテロ攻撃の背後に誰がいるのかを「即座に見抜いて」おり、彼らのお気に入りの傀儡政権であるゼレンスキー政権とは「まちがいなく何の関係もない」と主張している。

さらに、ロシアがウクライナ・ネオナチ軍事政権への関与について公式声明を発表する前に、米国はこの軍事政権を擁護し始めた。

そして、カマラ・ハリス副大統領を含む問題の多いバイデン政権がキエフ政権の「無実」を「証明」するために全力で戦っている一方で、キエフ政権は数百人の非武装ロシア民間人に対するこの残忍な虐殺を祝うパーティーを開催しようとしている。このような不穏な事件は少なくとも2件あり、ひとつはウクライナのレストランが「クロッカス・シティ・セット」と呼ばれるメニューを出した件で、もうひとつはウクライナのゲーマーが世界的に人気のある「カウンター・ストライクFPS」というテロ組織と対テロ組織が戦うゲームの地図上に、クロッカス・シティ・コンサート・ホールを作成した件である。その場所では、仮想の人質に発砲して放火したり、爆発物を仕掛けて爆破したりすることもできるよう設定されている。

そのような行為への対処は精神科医や臨床心理士に任せるべきだが、ネオナチ軍事政権の最高幹部らの反応は、クロッカス・シティ・ホール・テロ攻撃の真の黒幕が誰なのかを明確に示している。

テロ攻撃を賞賛しただけでなく、犠牲者とロシア全体を嘲笑し、さらにそのような虐殺をすると脅したオレクシー・ダニロフ(現在は元)国家安全保障・国防会議長官だけではなく、SBU(ウクライナ保安庁)ワシル・マリューク長官も、ダリヤ・ドゥギナ氏やマキシム・フォミン(別名ヴラドレン・タタルスキー)氏を含む多くのロシアの公人を殺害したテロ攻撃を組織したことを公然と自慢しており、明らかにクロッカス・シティ・ホール・テロ攻撃にも関与していることをほのめかしていた。

今年初め、GUR(キエフ政権の軍事情報局)キリロ・ブダノフ長官も、ロシアでのテロ攻撃を「ますます深く」進めると脅迫していた。ネオナチ軍事政権の2つの最も重要な諜報機関(SBUとGUR)の高官がそのようなことを発言したとなれば、即座にNATOが支援する傀儡政権全体が罪を問われることになる、ということだ。しかし、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領にとってSBUのマリューク長官かブダノフ長官のどちらかを解任するのは危険であるため、ネオナチ軍事政権の傀儡であるゼレンスキー大統領は、ダニロフ氏のような下級官僚を解任することで自らの痕跡を隠蔽せざるを得なくなっている。ゼレンスキー大統領の側近の一人であるダニロフ氏は当初から非常にタカ派であり、米国主導のNATOと連携して可能な限り多くの破壊活動やテロ攻撃を行なうことを公然と主張してきた。

これは、悪名高きネオコン戦争屋ビクトリア・ヌーランド氏がロシアの特別軍事作戦(SMO)2周年という機会を利用してロシアを脅迫したときに、米国で起こったもう一つの同様の話を思い出させる。

彼女が述べたのは、米当局がキエフ政権に提供したいわゆる「軍事援助」によって、「プーチン大統領は今年、戦場でえげつない贈り物を受け取る」ことが確実になるだろう、ということだった。

その数日後、彼女は国務省を去った。ネオナチ軍事政権だけが彼らの足跡を隠蔽しようとしているわけではないようだが、ヌーランド氏はもう少し狡猾であったようで、クロッカス・シティ・ホール・テロ攻撃の前に逃げた、ということだ。しかし、損な脅迫を行なったのはヌーランド氏だけではない。昨年、元統合参謀本部議長のマーク・ミリー将軍も同様の脅迫を行なっていた。

ワシントン・ポスト紙は、「真夜中に喉を切られるのではないかと心配せずに寝るロシア国民はいないはずだ。ロシアに戻って前線の後ろからの工作を考え出すべきだ」というミリー将軍の言葉を報じた。

この直後、ミリー将軍の身に何が起こったのか?

ご想像のとおり、彼は職を辞した。しかし、ロシア全土でのテロ攻撃は激化し続けている。そのいっぽうで、西側諸国政府は、クロッカス・シティ・ホール虐殺事件を犯したテロリストの扱いを非難することで、その恐るべき偽善をさらに暴露している。米国民ジャーナリストのジュリア・デイビス氏は容疑者らの安否を「懸念している」いっぽう、スティーブ・ホール元CIAロシア工作部長は、これは「ロシアで起きていることと西側諸国で起きていることの価値観の違い」を示していると述べた。そのとおり。明らかな違いがある。それは、米国占領軍が無数のイラク兵士や民間人を拷問した悪名高いアブグレイブ刑務所のような刑務所をロシアは運営していないからだ。

ロシアはまた、数百人(数千人ではないにしても)が不法投獄されている残忍なグアンタナモ湾収容所のような施設の運営もしていない。この収容所には、起訴されることもなく、何十年も独房に閉じ込められている人もいる。

したがって、ロシアが真のテロリストを処罰しているいっぽうで、米国は300人以上を殺傷した大量殺人者の身の安全を「懸念」している。同時に、好戦的なタラソクラシー(海洋帝国)である英国は、外国の侵略者と戦っていた人々、あるいはさらに悪いことに、何もしていない人々を拷問し、投獄している。この点に関しては、ホール氏の指摘は確かに正しい。ロシア政府と米国政府では価値観に大きな違いがある。これらすべては、西側政治とそのネオナチ傀儡が隠蔽工作に従事していることを明らかに示している。

しかし、問題は、なぜすべてがこれほどずさんで明白すぎるのかという点だ。専門家やジャーナリストがこれらすべてに簡単に気づいたのであれば、ロシアの諜報機関や国家機関は間違いなくはるかに多くのことを知っているはずだ。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は先日、最近のテロ攻撃に関する捜査に「協力」するといういわゆる「国際機関」の申し出に言及し、ノルド・ストリームの妨害行為に関する同様のロシアの要請を無視したことを指摘し、その偽善性を強調した。念頭におくべきことは、このテロ攻撃についても、米国から事前に発表されていた事実だ。米国はこのパイプラインが「海の底の金属の塊」になる、と確約していたのだから。言い換えれば、真のテロ実行犯の米国はもはや隠れる気さえなくなっている(いまや姿を明らかにしてからかなり長い時間が経っている)ということだ。

これらすべては、NATOがロシアとの戦争を望んでいることを明らかに示している。

このことを試すかのごとく、先日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、ウクライナ紛争に直接関与するという尊大な発表を行なった。しかし、ヨーロッパの大部分がこの狂気には参加しないと述べているため、NATOは現在、ロシアに先制攻撃を促す方法を必要としている。そうする唯一の方法は反撃を引き起こすことであり、それが世界で最も攻撃的な軍事同盟であるNATOがクロッカス・シティ・ホールでのテロ攻撃を組織した理由だ。このようにして、NATOはロシアに報復を促し、その後ロシアを「侵略者」として提示し、西側諸国政府に「防衛戦争」を遂行する完璧な口実を与えようとしている。それがNATO全体(または少なくとも大部分)の参加を確実にする唯一の方法でからだ。しかし、パンドラの箱は一度開けてしまうと、もう後戻りはできなくなる。
*

この記事の初出はInfoBrics

ドラゴ・ボスニック氏は独立系の地政学・軍事専門家。Global Research に定期的に寄稿している。
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フランスは「戦争の準備」をし、欧州の安全保障構造を脅かしている

<記事原文 寺島先生推薦>
France ‘Prepares for War’ and Threatens European Security Architecture
筆者:ルーカス・レイロズ(Lucas Leiroz)
出典:Strategic Culture Foundation  2024年3月22日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月30日


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マクロン大統領が「欧州の指導者」になろうとして失敗したことで、大陸を全面戦争に導く可能性がある、とルーカス・レイロズ氏は書いている。

フランスは軍事化とロシアとの緊張激化に向けた措置を講じ続けている。ウクライナ領土にフランス軍を派兵するか否かが議論される中、パリの高官たちは「戦争の準備」とされるものについて物議を醸す発言をしており、多くの専門家はフランスとロシアの関係は取り返しのつかない瀬戸際に近づいている、と考えている。このような状況は、明らかにヨーロッパ大陸と全世界に壊滅的な結果をもたらす可能性を生んでいる。

フランス軍のピエール・シル司令官は最近の声明で、フランス軍は戦闘準備が整っており、必要であればいつでも戦争に参加できる、と述べた。彼は今日のフランスが深刻な脅威にさらされていると考えている。この意味で、この国はパリに危険をもたらす国家に対して戦争をする準備をしなければならない、というのだ。

同時に、政府の公式発表はロシア連邦に対してますます攻撃的なものになり続けている。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、ウクライナ紛争への自国の介入を強化する計画を進めており、戦場へフランス軍が直接介入する仮説を排除するとの明言を避け続けている。実際には、フランスはロシアとの直接戦争に確実につながる計画を進めているだけであり、フランスがNATOに加盟している点を考慮すると、これは明らかに世界情勢が多大なる危険に直面していることを意味する。

さらに先日、ロシア諜報機関は、約2000人のフランス兵士が動員され、いつでもウクライナに派遣される準備が出来ているという情報を入手した。これらのフランス兵は、ロシア軍が陣地を強化すると西側諸国が懸念しているオデッサや北部国境などの重要地域に配備されている、と考えられている。フランス政府はロシアの報告書に記載された情報を否定しているが、「必要であれば」ウクライナへの派兵に公的に意欲を示しており、それが緊張が依然として高い理由である。

興味深いことに、ウクライナのドミトリー・クレバ外務大臣は、ロシアはフランスの計画を誤解している、と述べた。同大臣によれば、マクロン大統領の本当の意図は、紛争に直接参加することではなく、「必要に応じて」キエフ軍を地上で訓練できるよう、ウクライナ国内にフランス人の教官を配置することだけだ、という。戦況が激化していることとウクライナが兵站面に問題があることから考えると、このような措置が西側諸国による現在の協力体制とキエフ軍の訓練を継続する最善の方法である、と考える向きもある。

しかし、念頭に置いておくべきことは、マクロン大統領が軍事教官の派遣の計画だけを提案しているわけでは全くない、という事実だ。実際、大統領は声明の中で、戦争への直接介入の可能性を排除していないと述べ、フランス当局が将来的にウクライナ前線で戦うために軍隊を派遣する可能性があることを明らかにした。さらに、たとえマクロン大統領が言い間違えて、その意図が軍事訓練兵の派遣だけだったとしても、フランスが実際にロシアと戦争をすることになるという事実は変わらない。

ウクライナ領内の西側軍は、現在もそして今後もロシア軍から狙われて当然の標的だ。それ以上に、ロシア政府はこれらの敵がウクライナ犯罪の背後にいる真の戦略家であることを理解しているため、西側軍は優先される標的である。ウクライナではすでに西側兵士数名が死亡しており、その中には傭兵として活動していた者もいれば、指導者や意思決定者として活動していた者もいる。しかし、今のところ西側の軍隊が公に駐留されたことはなく、そのおかげでなんとか両者間の緊張においては理性的な抑制が保たれている。

NATO加盟国が、たとえ単なる軍を指導する目的であっても、ウクライナに正規兵を派遣し始めた瞬間から、危機は非常に深刻な、おそらくは取り返しのつかない段階にまで激化するだろう。ウクライナに西側軍が正式に駐留すれば、NATOとロシアの関係において後戻りできない点となり、第三次世界大戦が勃発し、その結果は壊滅的なものになる可能性がある。

この過程において、フランスとヨーロッパが単純に「見捨てられる」という危険性もある。これまでのところ、NATOの主導国である米国は直接の介入には関心を示していない。米国政府にとって最も有益な展開は、米軍を公的に関与させずに、ロシアを「疲弊させる」消耗戦に代理諸国を関与させることである。そういう意味では、フランスがロシアと開戦した場合、フランス当局とそのヨーロッパの同盟諸国に対して、米国が直接支援しない可能性は非常に高い。結局のところ、同盟国が他の国家に対して敵対行為を開始した場合でも、NATOの集団防衛義務は適用されない、ということだ。

実際、マクロン大統領は完全に危険かつ無責任な行動をとっている。ヨーロッパ国民の間で「リーダーシップ」を獲得しようとする利己的な試みの中で、フランス大統領は大陸全体を前例のない安全保障危機に導いている。

西側の諸国民は目隠しをされたまま戦場へ向かっている

<記事原文 寺島先生推薦>
Western Peoples Are Going Into Battle Blindfolded!
筆者:ヒューゴ・ディオニシオ(Hugo Dionísio)
出典:Strategic Culture Foundation  2024年3月23日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月30日


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NATOによる全面的「反選挙運動」が功を奏さなかったのであれば、威嚇やロシア国民に恐怖や疑念、困惑を広めようという戦略もうまくいかなかった、ということだ。

先日のロシアの大統領選は、「報道」の概念や西側の諸国民が情報を入手する権利に対する侵略行為がまったく新しい段階に入ったことを示す機会となった。未だに「報道」機関であるという仮面をかぶっている主流報道機関という独占企業が、今頃になってやっと最悪の状態に陥ったと考える人間がいれば、の話だが・・・。この選挙は過去最悪のものとして知られる恐れがある。

3日間おこなわれたこの選挙までの数日、数週間は、今後起こることの準備運動となった。L’imitation de Napoléon(ナポレオンもどき)マクロンが指揮棒を手にし、ズボンをはいた将軍のように、彼のフランスが軍事的行動としてウクライナに軍を送る、とロシアを脅し始めた。脅しだけに飽き足らず、マクロンはそもそも制限や超えてはいけない線など存在しない、とまで述べた。

フランスが軍を送るのは、ロシア軍がキエフやオデッサ(この二つの都市の間にある地域のことは「口にして」いただろうか?)方面に進軍しようとしたときだけである、と明言した後マクロンはブレーキをかけ、いくつかの防衛戦を後退させた。それは私も含め多くの人たちが考えたことだ。事実は、マクロンはモルドバとの合意文書に署名した。これはウラジミール・プーチン大統領率いる行政府に対する明らかな挑発だ。そして、マクロンはドイツやポーランドの取り巻き連中と会い、この攻勢における協力体制を固めたのだ。

誰かが裏から手を回し、小物ナポレオンが臆病な様子を見せるショルツに激怒しているという情報を報道機関に流したに違いない。具体的には、ドイツ本場本物ソーセージのやり方でタウルスミサイルを送ることに抵抗していることについてだ。そんなことをすれば、キエフ政権はドンバスやクルスク、ベルゴロドで一般市民を殺し続けることになる。ロシア軍人を殺すことについては、これまでになく難しくなっている。

私にはこのl’enfant terrible(手に負えない子ども)についての騒ぎの狙いは、何より選挙を目前に控えたウラジミール・プーチン大統領に向けられたものだと思える。それと同時に、ロシア国民がどれほど自分たちの指導者を支持するかの決意を試そうとしている、とも言える。要は、私の見方になるが、ロシアの人々に彼らの大統領(プーチン)の動きを強調することで事態はエスカレーションするぞ、と脅すことにあった。同時にウクライナにNATOが介入するかどうかは、ひとえに、この官僚的で卑屈な軍隊であるNATO軍が両陣営対決の唯一の責任ある脅威と考える存在、つまりウラジミール・プーチンにかかっている、とも言っている。ロシア国民に対して潜在意識に働きかける(サブリミナルな)脅しをかけていた、ということだ。「独裁君主」で「暴君」で「独裁者」を選んでしまえば、ロシアとヨーロッパ、つまりNATOとの直接戦争がおこる危険が生じるぞ、と。

独占報道機関が出す唯一の疑問は、マクロンがこんなことをするのは、自身の欧州議会選挙にむけた宣伝活動のためではないか、ということだが、実は、ウクライナに軍を送る可能性の是非を問う指標はすでに示されている。BFMテレビがおこなった世論調査によると、フランス国民の57%が、この件に関してマクロンは間違っていると答えた、という。

フランス国民がその可能性を否決したのならば、マクロンがこのような決定を下した理由が国内選挙にあると考えるのには意味がない、ということだ。そしてこの点において、私はマクロンが「この決定は選挙に向けた動きとは全く無関係だ」と自己弁護していることに同意する。「国内では」という意味で! 言い換えれば、このL’imitation de Napoléon(ナポレオンもどき)は、部分的にウソをついていたのだ。その選挙工作は、ロシアの大統領選挙に介入しようという動きに関するものだったのだ。つまり、ロシアが西側でやっていると非難されている動きみたいなものだ。

この騒ぎに先だって、ナワリヌイ事件が奇術師の見世物のように展開されていたが、その狙いはウラジミール・プーチン大統領に反対する勢力が実際の力よりも強大であるという幻想をみせるためだった。その結果生じた状況から、ナワリヌイの死が見世物のひとつだったことを考えると、私はこの腐敗した人種差別主義者のナワリヌイにある種の自由主義的な姿を見ていた人々に、「ナワリヌイは無駄死にだった」という事実を伝えることはつらい。実際、これはマンガのような事例の一種だった。奇術師が自分の奇術を成功させるために、助手を殺してしまうという筋書きだ。悲しいことだ。

紛争や騒乱の脅威も嘘ではないと思わせようと、ロシアの大統領選挙が始まる1週間前から、報道機関による工作が展開された。「自由ロシア軍(FRL)」や「シビル大隊(SB)」という名称の仮想組織が国境を越えロシア国内の2つの村を占領した、という軍事的な動きもあることを含ませて。その後、旗を掲げた多くの写真や動画が公開され、キエフ政権が無関係だと主張する傭兵の大部分が虐殺され、戦闘車両が破壊されたことが確認された。私がカミカゼ作戦と呼んでいるものは何日も続き、この軍事宣伝作戦で1000人以上の兵士が失われた。

ロシアの選挙におけるNATOの広報戦略として特徴づけられたものは、最も致命的で、最も破滅的で、失敗した政治的プロパガンダ作戦として知られることになるだろう。主要人物や「活動家たち」はほぼ皆死んでしまった! この投票率と得票率でプーチンが選挙に勝ったのだから、CIAがあとどれだけのナワリヌイとカミカゼ大隊をしつらえないといけないか、見当もつかない。完全に遅ればせながら、ニューヨーク・タイムズ紙は私たちがずっと前から知っていたことを確認する記事を出した。「すでにウクライナの村々が人手不足になっており、リンゼー・グラハム米国会議員がゼレンスキーに、前線に最も若い兵たちを送る時だと伝えた」という記事だ!

しかし、私たちが向き合わねばならない問題がひとつある。それは、ウラジミール・プーチンに対して(反)選挙運動をおこなうことは本当に危険である、という事実だ。本当に恐ろしいことだ。相当数の宣伝活動家がCIAやキエフ政権の手で死んでいるからだ。となれば、それは何のための運動なのだろうか? 結局、投票率は記録的な高さとなり、ロシア大統領は過去最高の結果を得ることになった。

NATOの「反選挙活動」が功を奏さなかったのならば、脅しや、怖さと疑念と困惑をロシア国民の間に広めようという戦略も失敗した、ということだ。逆効果だった、とさえ言える。ロシア国民は、市民権や責任、勇気と抵抗についての教訓を示してくれた。自国の市民たちが今回のロシア国民のような振る舞いを見せるのであれば、どんな国のどんな市民でも、自分の国に誇りをもてることだろう。投票の方向性に関係なく、こんな風な動きに結集した諸国民であれば、間違いなく自分たちの未来を自分たちの手に掴むことができるだろう。

つまり、この動きは反教育的なサーカスに過ぎなかったのだ。この3日間、今回のロシアの選挙に関してはあることないことが目白押しに語られた。129カ国から1125人の独立選挙監視員がロシアに派遣されていたのに、テレビでは「この選挙は国際的な監視員たちから監視されていない」と報じられていた。まるで西側諸国の選挙では監視がおこなわれていて、さらにすでにネオ・ファシズムへ滑り落ちようとしている西側が、他国に民主主義のお手本を示せる立場にあるかのように。例えばキエフ政権のようにファシストやナチス政権を支持する勢力や、バルト諸国のように外国人を嫌悪する勢力であれば、民主主義の手本になれる資格などまったく失っているといえる。

弾圧に対する非難が殺到し、「ロシアでは投票は強制されている」という主張までされた。最後には、投票者の77%が「(被害者が犯人に対する同情心をもつと言われる)ストックホルム症候群」に陥った、という話を正しいと思わねばならなくなった。これらの投票者は「警告」にも関わらず、プーチンに「はい」と言いたくなってしまった、と。選挙前の数日間、その「警告」は西側諸国の大使館から雨のように流されており、ロシアでテロがおこなわれる可能性があると自国民たちに警告され、群衆を避けるよう助言がおこなわれていた。まるで「もしテロ攻撃があったとしても、それは自分たちがやったのではない」と言いたいかのように。

ナワリヌイの亡霊が再浮上した。この人物をどれだけつかい回せば気が済むのだろう! ナワリヌイは「正午」という作戦により今回の選挙を動揺させることを約束していた。ロイター通信は、投票に並ぶ長蛇の列の写真を撮って、ロシア「反体制派」による平和的な抗議活動と報じた。

「何千人もが!」とロイター通信は報じた。まるで1億人以上の有権者が存在する国で、その数千人が何かの代表となっているかのような報じ方だった。ヨーロッパ各地の大使館では、外交官の追放などのボイコット作戦にもかかわらず、行列はまるで投票への意志とは切り離されたものであるかのように感じられ、多くの場合、メディアでそう報じられた。

キエフ政権により投票箱には液体がかけられ、一般市民が爆撃され、投票所で破壊行為がおこなわれた。これら全てのことは西側民主主義社会の通信社と呼ばれる組織の客観的な分析からは見過ごされてきた。確かなことがひとつある。ロシア国民が今回の選挙を支持したのは、自身のアイデンティティを肯定し、自分たちの利益に反して継続される敵からの侵略に対する戦いと攻撃に向かう真の行為を求めるものであるとしても、注意深くものごとを見られなくなっている西側の諸国民にはその声が聞こえなかったのだ。それでも、西側の諸国民はその攻撃の効果を感じとることになるだろう。

情報独占媒体の「ニュース」報道と同様、西側の諸国民は生活のさまざまな分野において、ロシア国民が繰り出す攻撃の効果に苦しむことになるだろう。具体的には、

① 財源が公共事業から軍事産業に回されることで生活状況が悪化していること、
② 西側の支配者層が流すたった一つの真実と相容れない情報は検閲されるという工作が強められること、
③ 自分たちの権利が抑圧されること、
④ ネオ・ファシズムの促進に拍車がかかっていること、
⑤ 帝国主義のもとでの統治を唯一可能にする枠組みとして、ロシア国民に対する憎しみや外国人嫌悪を持たされていること、
⑥ 西側の諸国民の真の懸念から目をそらせるような陽動作戦が促進されていること、

つまり、平和や食べ物、教育、健康、住居の問題だ。

ロシア国民は西側の侵略から勝利を収め、NATOのサブリミナル攻勢に対して反響の大きい反撃を加えた。いっぽう、西側の諸国民は、現実に目覚めなければ、自分たちが感じている攻撃がどこから来ているのかさえ特定できないような状況に陥るだろう!

もしこの真実に対する攻撃について私が述べたことのすべてを証明するものがあるとすれば、それは西側の諸国民は目隠しをされたまま、戦場に放り込まれることになる!ということだ。

「モスクワのテロ攻撃について西側は嘘をついている」– 英国国会議員

<記事原文 寺島先生推薦>
West lying about Moscow terrorist attack – British MP
ジョージ・ギャロウェイ議員、ワシントンとロンドンはイスラム主義者に責任を押し付けるのが早すぎた、と発言
出典:RT 2024年3月25日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月27日


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英国国会議員ジョージ・ギャロウェイ© Global Look Press / Ian Hinchliffe


モスクワ郊外のクロッカス・シティ・ホールでの恐ろしいテロ攻撃がイスラム国(IS、旧ISIS)によって実行された、という米国、英国とその西側同盟国の主張は「嘘」である可能性が非常に高い、と英国のジョージ・ギャロウェイ議員は日曜日(3月24日)に述べた。

4人の武装集団がロシア首都郊外にあるこのコンサート会場を襲撃し、130人以上が死亡、180人以上が負傷した直後、ワシントンとその同盟諸国が広めた言説に、同議員自身のマザー・オブ・オール・トークショー(MOATS)で疑問を呈した。

米国家安全保障会議のジョン・カービー報道官は、攻撃直後にこの悲劇について発言し、米国政府はウクライナ国民が関与したという「兆候は見られなかった」と述べた。その後、ロイター通信やCNNなど一部の西側報道機関は、ISがこのテロ攻撃の犯行声明を出した、と報じた。

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関連記事:Suspects behind Moscow terrorist attack: What we know so far

「米国や英国などが、モスクワでこの大量殺人を実行したのはISISだけだ、としてすぐに私を安心させようとしたとき、私は彼らが嘘をついていることが自動的にわかりました」とギャロウェイ議員は語った。

さらに同議員は、カービー報道官の発言を含め、一部の西側政治家や当局者による不審で「説明のつかない」動きを指摘した。

関連記事: Three more suspects in Moscow terrorist attack arrested

同英国議員は、米国政府が3月初旬に、モスクワの混雑した場所に近づかないよう国民に呼び掛けていたことを米国当局者が確認したという事実に特に注目した。

カービー報道官は、在ロシア米国大使館が3月7日に警戒警報を発令し、「過激派」がモスクワで差し迫った攻撃を計画していると警告した、と語った。それでも同報道官は、その警告は先週金曜日(3月22日)のテロとは関係がないと、した。「あの警告が今回のテロ事件と関係しているとは思いません」と同報道官は述べた。

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関連記事:US has created ‘Frankenstein’ states – British MP

ギャロウェイ議員はまた、バラク・オバマ元米国大統領がモスクワ攻撃の数日前にダウニング街を突然訪問したという事実も指摘した。「この予告なしの訪問について誰も説明しません」と同議員は言った。

英国報道機関は訪問当時、この元米国指導者が1時間の「表敬訪問」中にリシ・スナク首相とAIを含む幅広い議題について話し合ったと報じていた。

ギャロウェイ議員が言及したもう一つの話には、米国政務担当国務次官ビクトリア・ヌーランド氏が関わっていた。同国務次官は、今年モスクワに「戦場での素敵なサプライズ」があることを約束していたという。ヌーランド氏は1月に「ウクライナがこの先非常に大きな成功を収めることになるでしょう」と述べたが、この問題についてはそれ以上の発言はしなかった。

ギャロウェイ議員はこれらの事実を「米国とそのNATO同盟諸国、そしてその代理奉仕者…つまりウクライナ国家…が実際にこの大量殺人に関与した」ことを示唆する「証拠」として引用した。

「クリミア橋攻撃」についてドイツ軍高官らの電話での漏洩したやりとりの最悪部分はここ。

<記事原文 寺島先生推薦>
Here’s the worst part about the leaked German ‘Crimean Bridge attack’ call
守ると誓った国がどこなのかを忘れてしまった幹部もいるようだ。さらに、騙し方もうまくない。
筆者:タリク・シリル・アマール(Tarik Cyril Amar)。イスタンブールのコチ大学でロシアやウクライナ、東欧、第二次世界大戦史、文化冷戦、記憶の政治について研究中のドイツ出身の歴史家
出典:RT 2024年3月6日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月15日


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© Leonhard Simon/Getty Images


ロシアは2月19日のドイツ空軍高官らの電話での話し合いの音声を暴露した。この話し合いは、基本的に秘密ではない形を取っていた。そして話の内容は、ドイツのタウルス巡航ミサイルが、ロシア側の標的を攻撃できるかについて(今後、この話し合いのことを「タウルス作戦会議」と呼ぼう)、だった。その暴露以来、西側の人々の反応は大きく2つに分かれた。まず、ドイツ国内での主要な動きは、無様な被害対策だった。ドイツの同盟諸国の中では、狼狽が見られたと同時に、ドイツ側がおかしたいくつかの過ちに対する隠し通せない怒りも生じた。ウクライナでの米・英による秘密工作に関する点については、特にそうだった。

同盟諸国からの激しい怒りが目に見える形で現れたのは、報道各紙からの辛口の見出しからだった。例えば、テレグラフ紙はこう報じていた。「ドイツが英軍の秘密をもらしてしまった。すぐに人目につくようなスマホの動画技術を使うなど、冷戦以来ドイツで最悪のセキュリティ違反事例である」と。オラフ・ショルツ首相が「非常に深刻な」問題であるとしたこの問題を閉じ込めようとする、ドイツの恥ずべき努力にはふたつのありきたりの動きがある。一つ目は、すべてをロシアのせいにしてしまうことだ。「なんと悪質な! ロシアが我が国をハッキングした」と。

明らかに、敵勢力が情報を盗み聞きするというよくある事例の是非を問うなどバカげたことに聞こえる。というのも批判しているほうの政府が、パイプラインを破壊したり、軍備を強化することで「同盟諸国」の脱産業化をすることもお構いなしの政府だからだ。こんな泣き言のように聞こえる不平を言うドイツの支配者層は、ますます子どもじみて見える。まさに「*Zeitenwende(ツアイテンベンデ。時代の転換点)」を迎えている新生ドイツ誕生を報告する公共広告だ。そうだ、国家だ。代理戦争の共同遂行者である国家なら特に、機密情報を集めようとするだろう。国の上層部が、簡単にハッキングされて、情報が簡単に漏れるようなオンライン上の情報伝達方法を利用するくらいだらしないのであれば、責められるべきは敵側ではなく自国自身だろう。
*Zeitenwende・・・時代の転換点演説は、2022年2月27日にドイツ首相のオラフ・ショルツがドイツ連邦議会で行った演説である。この演説は、2月24日に始まった2022年ロシアのウクライナ侵攻に反応したもので、ショルツはこの攻撃を「時代の転換点」 と呼んだ。 (ウィキペディア)

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同様に、ドイツのボリス・ピストリアス国防大臣はロシアがドイツの内緒話を暴露したことを「多岐にわたる偽情報攻撃」だとした。実際のところ、同国防大臣にとって不都合な点というのは、「偽情報」の真逆だ。つまり、ドイツでさえこのことを事実であると認めている点だ。このドイツ側の反応が示しているのは、責任逃れをしようとするドイツやウクライナの態度が一本化している、ということだ。それを示すかのように、ウクライナのウラジミール・ゼレンスキー大統領はすでに、いってみれば予防のためだといえるが、自身のまさに崩壊しつつある指導者としての地位に対して、ウクライナ国内でこの先起こる可能性のある反対運動の責めを、ロシアによる「偽情報」のせいにしようとしている。「不思議の国のアリス」に登場する双子よろしく、ドイツというトゥイードルディーとウクライナというトゥイードルダムという双子の兄弟は、どちらも同じ主張をしているのだ。つまり、自分たちの国がめちゃくちゃになった責任はよその国(つまりロシア)に押しつけろ、だ。

今回の大失敗を煙に巻こうとするドイツ側のもう一つの動きは、その漏洩した電話内容について話すことを避けることだ。タウルス作戦会議の内容が要約さえされているのだから、唯一できることといえば、「こんなことは害のない日常的な行為にすぎない」と誤解を招くような主張をすることくらいだ。つまり、「そのあと実際に計画するのは計画者の仕事でしょ、ただ頭の体操的な妄想を語っていたにすぎません」と言い切るのだ。 さらに、「海軍幹部たちはただ命令に従っていただけ」の主張するのだ。(この手口は、ドイツの政治の世界の文化として存在する「古きよき」手法だ)。大臣に説明するための準備をしていただけだ、と主張するのだ。

ここで再びピストリアス国防大臣が登場し、ごまかし作戦の首謀者となり、これらの空軍幹部らは「ただすべきことを果たしていたにすぎません」と述べた。実は、この発言は御里が知れるものになっている。つまり、タウルス作戦会議が、ピストリアス国防大臣の発言のとおり、ドイツの軍人にとっての通常「業務」の一部だったとしたら、すべてのことがもっとずっと悪いことになってしまう、ということだ。

その理由を理解するために私たちがしなければならないことは、多くのドイツ国民が避けたがっていることをすることだ。つまりこの醜聞についての詳細を掘り起こすことだ。

基本は簡単。この会話の録音の長さはほぼ40分。

登場人物は4人。うち2人は高官で要職についているドイツ空軍のインゴ・ゲルハルツ総監と作戦担当参謀次長のフランク・グレーフェ准将。両名とも将軍職だ。残りの2名は官位が下がる(中佐職)宇宙作戦センター航空作戦司令官で、名前はフェンスケとフロシュテッテ(あるいはフロステッテ)という2名も加わっていた。この話し合いでは、タウラスミサイルを使用する可能性について詳しく話し合われていた。使用するのは公的にはウクライナだが、ドイツの参入は避けられないであろうし、おそらく米・英の参入もありえる。そしてその攻撃対象は、クリミア大橋かロシア側の弾薬庫だとされていた。2名(フェンスケ中佐とフロシュテッテ中佐)はそのような作戦は実行可能であることを強調していたようだが、彼の名誉のために言っておくが、1名(グレーフェ准将)は態度を保留し、問題点を指摘しながら、そのような作戦をおこなえばドイツが加担していたことを隠すのは難しい、と語気を強めた。驚くべきことに、空軍の最高位にいるゲルハルツ総監は、彼が「人目を引く」と呼んだ作戦、つまりウクライナ経由でロシア側の標的に秘密のミサイル攻撃をしかける作戦をしない理由を見いだせていない。

もともとの録音音声では、くだけた口調で使われている言葉遣いもたいがい綺麗ではなかった。ちゃんぽんになったおどけたドイツ語(ドイツ人が「Kauderwelsch(カウデルヴェルシュ:ちんぷんかんぷん)」と呼んでいた口調)を使い、文法的におかしな発語も多く、英語から借用したおかしな物言い(たとえば、「to cheat(ズルする)」は「den Trick pullen(トリックを仕掛ける)」という表現を使い、ウクライナ側に「『das Ding zu schiessen(to shoot the thing:それを射撃する)』方法を教えれば、それは実行可能だ」などといった表現)を使っていた。エルンスト・ユンガー(20世紀のドイツの思想家)のような洗練された話し口ではない。

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2つの真逆のまちがった解釈のつじつまをあわさなければならない。一つ目の解釈は、このときの話し合いは、明らかな陰謀には当たらない、というものだ。この話し合いは、一線をしりぞいた幹部らが、ウクライナという代理を使うことでロシアに秘密の巡航ミサイル攻撃をしかける作戦に政界の指導者を引き込もうと公然と話し合う場ではなかった、というものだ。しかしこれも、このタウルス作戦会議について取り繕うとすればせいぜいこんなことが言えるだけだ。そんなものはすぐに乗り越えられてしまう。というのも、私たちが解決すべき2番目に人口に膾炙(かいしゃ)する誤解がここにあるからだ。つまり、「この会議は普通の会議ではなかった」という解釈だ。ピストリアス国防大臣がそのふりをしたがっているとおり、政治からは切り離された軍関係者が軍事的な思考実験として冷静に話し合っていた会議ではない、という解釈だ。(そうとらえても、よくない状況には変わりないが)。実際、この件の本質を最善のひとことで言い当てるとすれば、「どっちつかず」だろう。初歩的な専門家としての分析と大量の偏見や政治、無分別さがまざりあったものである、と考えていただきたい。

おそらくこのタウルス作戦会議のもっとも衝撃的な特徴を一つあげるとすれば、この話し合いの参加者たちがとんでもない不正行為をあたりまえのことである、と考えている点にある。技術的な面以外から、問題があると考えている人は誰もいなかった。事実上、ドイツがロシアを攻撃することについて話し合っているのに、である。ドイツが加担していることが見つからず、否認できれば問題ない、というのだ。まさにこのようなことに軍関係者たちは頭を絞っている。具体的には、攻撃対象の情報の伝達を、安全なデータ回線(今なら皮肉になるが・・・)やポーランド経由で個人国際宅急便を使っておこなう(ドイツはロシアのためにポーランドを標的にしようとしているのか? 邪悪なことを考える者たちよ!)ことなどだ。あるいは、タウルスの製造業者(MBDA社)が隠れ蓑となってドイツ軍が関わっていたことを隠す方法について、だ。このような考え方が、驚くほど残忍なものだが、より重要なことは、彼らの裏切り行為が単なる犯罪行為であり、少年のような無謀な行為である、という事実だ。

戦時においては、何をしても許される、という人もいるだろう。しかしそう言ってしまうことには、二つの間違いがある。一つは、ドイツはロシアと戦争をしていない、という事実だ。そして、この話し合いの参加者らはロシアとドイツが戦争するとは考えていなかった(少なくとも最初はそうだったし、今後どうなるかについては、彼らは興味がなかったようだ)。そして2つ目は、戦時において欺しあうのは伝統的なことであり、戦略における主要な要素であることは間違いのないことなのだが、これらの幹部らが「普通だ」と考えていたこととは別の話だ、という点だ。具体的には、ドイツの戦争相手国ではない、またこの先も戦争相手にならないであろう国に対して戦時中のような秘密作戦を企てるという行為を「普通である」と考えている点だ。このようなことを考えるのは、諜報機関や特殊部隊の仕事だろう(だとしても、良い考えではないことに変わりはないが)。伝統的な意味における軍人がそのような手段について思いをはせること自体、許されること、あるいは「自分たちの仕事(ボリス・ピストリアス国防大臣よ、よく聞け!)」であると考えてはいけないことには、もっともな理由が存在するのだ。

このような考え方がはっきりとわかるのは、タウルス作戦会議の参加者の一人が、ウクライナ軍に対して、ウクライナでドイツ製ミサイルの使い方の訓練をおこなうすべてのドイツ人が、少なくとも「最初に果たすべき使命」は、「我々の支援のもと実行」されなければならない、と語っていたところだ。ドイツ語をよく知らない人にとってみれば、この表現を誤解するだろうし、翻訳だけではなく、もともとのドイツ語での表現でさえあやふやな表現なのだが、この表現をただ単にウクライナ側が支援を必要としているということを繰り返しているだけだ、ととってはいけない。それは間違いだ。この作戦会議の話し合いの文脈を注意して読み取れば、この表現ははっきりと、これらの攻撃に関して、少なくとも計画や目標設定にドイツが直接加わることを遠回しに伝えていることがわかるはずだ。

タウルス作戦会議のもう一つの注目すべき点は、NATO諸国やウクライナにとって機密性が高くかつ不利な情報が平然と飛び交っているところだ。英・米・仏がロシア軍に対する攻撃に深く関わってきたことについては、初めて聞いた話ではなく、驚きもない。驚愕させられるのは、ドイツ将校らが、自国のものではない秘密の作戦についてまで簡単に口にするという軽はずみな行為だ。ウクライナに関していえば、ウクライナ空軍はドイツ空軍の将校らが、「ウクライナにはある種の戦闘機がほとんど(「一桁程度」)しか残っていないという話をしているのを聞いて、びくびくしたにちがいない。ロシア側がそんな状況を逐一つかんでいたことは確かだ。ただしロシア軍将校らが、ドイツ将校らのこの行為に対して、哀れな不信感と冷めた喜びの入り交じった表情で首を振っていたことは想像にかたくない。

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最後になるが重要な点は、現実のことが頭に浮かんだ瞬間でさえ、タウルス作戦会議参加者たちは妄想的な計画をやめようとしなかった点だ。この会議を主宰していた空軍最高位ゲルハルツ総監も、たとえタウルスが配置されたとしても、そのミサイル数は最大100以内に抑えられ、タウルスを使ったとしても、「戦況を変えることにはならない(もちろんウクライナ側が好転するという意味で)」ことを分かっていた。さらに、もう1人の作戦会議参加者、将軍職にあるフランク・グレーフェ准将が強調したのは、クリミア大橋は標的として狙うのは難しい対象であり、攻撃を加えたとしても持ち堪えるのではないか、という点だった。こんな攻撃は、無駄でしかない、ということだ。確かにそのとおりだ。

それなのに、会議参加者の誰一人も、こんな作戦を実行すれば何が最も危険なのかについて思い至っていなかった。グレーフェ准将はマスコミがドイツ軍によるこの秘密作戦の手口を嗅ぎつけることを警戒していたが、そんなことはこの先起こるかもしれない最悪の事態から比べると児戯のようなものだ。タウルスを使ったこの子どもじみた戦略が逆の意味で、「戦況を変える」ことにつながりかねないからだ。つまり、これまでロシアは西側諸国のほとんどが事実上攻撃を加えてきた事実に目をつぶってきたのに、今後は反撃に転じるきっかけになるかもしれないのだ。その対象は、たとえばドイツだ。

この海軍将校らは、ドイツを守ることを誓約したはずだ。しかし彼らがただただ心配しているのは、ウクライナがロシアと戦う助けをどうできるか、という点にあるようだ。そんな作戦を実行すれば、ドイツがロシアの警戒網から逃げたがっていることがばれてしまう危険があるとはいえ、だ。実際面からいえば、このことについてのいちばんの問題は、これらの将校らが、ドイツ国家に忠誠を誓っているのか、ウクライナ(この件に関してはNATO)に忠誠を誓っているのかの感覚の違いが分からなくなってしまっているように見えることだ。2つ目の問題は、ドイツの閣僚や首相、さらには多くの一般ドイツ国民も、その区別が出来なくなっているように見える点だ。そういう意味では、タウルス作戦会議はドイツのウクライナ政策の勝利として歴史に記載されるかもしれない。ただし不毛な政策として。

ウクライナ政府、EUの食品輸入制限を受け入れる用意がある – フィナンシャル・タイムズ紙

<記事原文 寺島先生推薦>
Kiev ready to accept EU restrictions on food imports – FT
2022年以降、EU圏にはウクライナからの安価な農産物が大量に流入
出典:RT  2024年3月6日
<記事原文 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月12日


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RIAノーボスチ紙


ウクライナはポーランドとの論争を終わらせるためにEUとの貿易制限を受け入れる用意があるが、EUに対しロシア食品の輸入を禁止するよう求めている、とフィナンシャル・タイムズ紙が水曜日(3月6日)に報じた。

ウクライナのタラス・カチカ通商代表は、ウクライナ政府は農産物供給の制限を受ける用意があるが、EUはロシアとベラルーシからのそのような商品、特に穀物の輸入も禁止すべきである、と語った。

「おそらく過渡期には、ウクライナとEUの間の貿易の流れに対するこの種の管理された政策は、全ての関係国に必要となるでしょう」とカチカ代表はFTに語った。「ただし小麦に関しては、ポーランドの農家に問題を引き起こしているのはウクライナではなく、ロシアのほうです」と同代表は付け加えた。

EUは2022年、ウクライナからの穀物を世界市場に出荷できるようにするため、ウクライナ産農産物の関税と割当を撤廃した。しかし、供給量の多くが東欧諸国に溢れたため、東欧諸国の市場を不安定にし、地元農民の生活が危機にさらされている。

ポーランド当局は昨年、ウクライナ産農産物の輸入に国境を開放するというEUの決定によって生じた問題を解決するため、ウクライナ産食品を市場から一方的に遮断した。

2月には農民らが国中で一連の抗議活動を開始し、これによりウクライナとのすべての国境検問所がほぼ完全に封鎖され、全国の港や道路で混乱が生じた。また、抗議活動を行なった農民らがウクライナ産穀物を運ぶ列車を襲撃し、約180トンの穀物を地面に流出させた、と報じられている。

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カチカ代表によると、西側の支援者との緊張を緩和するため、ウクライナ政府は6月から卵や家禽肉、砂糖の輸入に制限を課すという西側諸国が提案した措置を受け入れた、という。ウクライナはまた、第三国への移送を除き、各国が穀物の市場を閉鎖することを認めることに同意する意向だ、という。

カチカ代表は、ウクライナの砂糖生産量が2023年に前年比7000トンから50万トンに急増したことを認めた。

「あまりにも早い増産でしたので、誰もが怖がるかもしれません」と同代表は認めた。

いっぽう、抗議活動を行なう農民らの圧力を受けて、ポーランド政府はロシアとベラルーシからの農産物輸入を禁止する必要性についてウクライナ側と合意した。規模ははるかに小さいものの、こうした輸入は衰えることなく続いており、ベラルーシやバルト三国を経由してEUに到達している。

ポーランドのドナルド・トゥスク首相によると、この措置はリトアニアも支持する、という。

トゥスク首相は月曜日(3月4日)、首都ビリニュスで行なわれたリトアニアのイングリダ・シモン首相との共同記者会見で、「欧州共同決定の方が、地域諸国の個別決定よりも効率的であると確信しています」と述べた。

公式データによると、ポーランドのロシアからの食品輸入額は2023年に3億5000万ユーロ(約560億円)で、ウクライナからの輸入額17億ユーロ(18億ドル)を大きく下回っていた。

しかし、FT紙によると、EU全体でロシア農産物を禁止することは、世界市場を混乱させ、発展途上国の危機を悪化させるとして、いくつかの加盟国がそのような動きに反対しているため、実現は困難だという。

「視聴者が多すぎる」 – 英国国会議員がRT禁止の理由を説明

<記事原文 寺島先生推薦>
‘Too many people watched’ – UK MP explains why RT was banned
英国の言論の自由への取り組みは茶番だとジョージ・ギャロウェイ国会議員が主張
出典:RT  2024年3月5日
<記事原文 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月11日


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© RT


英国議会議員に選出されたばかりのジョージ・ギャロウェイ議員は火曜日(3月5日)、英国の報道の自由の状況と、中東とウクライナにおける英国政府の破滅的な政策についてRTと語った。

ギャロウェイ議員は先週のロッチデール補欠選挙で保守党と労働党の両候補を破り、両主要政党の合計の2倍の票を獲得した。リシ・スナク首相は、この結果はこの結果を「憂慮に堪えない」ものであり、「我が国の民主主義そのもの」を脅かすものだと非難した。

しかし、ギャロウェイ議員が指摘したように、彼は合計7回議会に選出されており、その当選回数はスナク首相や労働党のキア・スターマー党首をはるかに上回っている。

「この人たちは偽善者です。彼らが口にする民主主義、人権、法の支配、ルールに基づく国際秩序など、『豚に口紅』(豚のように醜いものを綺麗に見せようと努力しても無駄に終わるだけ_英辞郎)にすぎません。より美しく見せる必要を感じなくなったときはいつでも、そんな口紅は拭き取るでしょう」と彼は主張した。

「金曜(3月1日)の(ダウニング街10番地での)スナク首相の私の選挙に関する演説で明らかなように、選挙結果を取り消すことさえ彼らには不可能ではないのです」と同議員は付け加えた。

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関連記事:George Galloway is not a threat to democracy – only to the elite hypocrites running the UK

英国当局はRTとイランのPressTVを完全に禁止し、中国のCGTNのライセンス更新を拒否し、ベネズエラのTeleSurなどの放送局を遮断した。

「考えてみれば、理由は非常に簡単です。あまりにも多くの人がこれらのテレビチャンネルを見ていたからです。RTの視聴者が多かったからです。英国だけではなく、ドイツではなおさらです。だからRTは禁止されたのです。あまりにも多くの国民がそれを見ていたからです。どこが自由のため、なのでしょう?」とギャロウェイ議員は述べた。

英国における報道の自由の現状を最もよく表しているのは、「私の親友がベルマーシュ最高警備刑務所の地下牢に横たわっていることです」とギャロウェイ議員は語った。

「彼の名前はジュリアン・アサンジです。彼は無罪なのに有罪判決を受けています。それにも関わらず、彼は大量殺人犯やテロリストとともに最悪の人々のための英国最悪の刑務所に拘留されています。罪状は? 出版人として真実を伝えてくれたことです。」

同議員はRTとの対話に対して政府が報復する可能性があることを認めたが、「気にしません」と述べた。

「私は誰とのインタビューにも応じています。私は自由人であり、選挙で選ばれた自由人です。私には話す権利があり、話を聞きたい人になら誰でも話し続けるつもりです。物事を隠しても何も解決しません。国民が異なる視点を見聞きすることを遮ることでは、何の解決にもならないのです。」とギャロウェイ議員はRTの長年の呼びかけ文句である「もっと質問せよ」を思いおこしながら語った。

ギャロウェイ議員がRTの取材に応じるのはこれが初めてではない。同議員はRTに多くの論説を執筆し、議員を離れている期間に「世界を駆け巡るスプートニク」と呼ばれる自身のテレビ番組の司会を務めたこともある。


ドイツはまだ「非ナチ化」されていない – ロシア外務省ザハロワ報道官

<記事原文 寺島先生推薦>
Germany yet to be ‘denazified’ – Zakharova
ヒトラーの亡霊は今もこのEU加盟国につきまとっている、とロシア外務省報道官発言
出典:RT 2024年3月4日
<記事原文 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月6日


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プーマ機械化歩兵戦闘車の前を走り抜ける連邦軍兵士。© ショーン・ギャラップ/ゲッティイメージズ

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は月曜(3月4日)、ロシアのクリミア橋破壊作戦の可能性についてドイツ空軍の将軍らの間で会話が生じた背景にある考え方について何かがなされなければ、ドイツは「悲惨な結果」に直面する可能性がある、と述べた。

RTは、2月19日のドイツ空軍幹部間の通話の録音と書き起こしを公開した。その中では、ウクライナの要請に応じて、タウラス長距離ミサイルを長さ18キロメートルの接続機に対してどのように配備できるかについて話し合われていた。

「我が国は、ドイツは完全には非ナチス化されていない、と理解しています」とザハロワ報道官はソチで開催された世界青少年フェスティバル(WYF 2024)の傍らで記者団に語った。

「何もなされず、この状況をドイツ国民自身が止めなければ、まず第一にドイツ自体にとって悲惨な結果につながることになるでしょう」と同報道官は付け加えた。

これに先立ち、クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、漏洩したドイツ空軍の会談は西側諸国がウクライナ紛争に直接関与している証拠になる、と述べた。ペスコフ報道官は、関与していた軍将校らはロシア領土への攻撃を開始する計画について「実質的かつ具体的に」話し合っていた、と述べた。

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関連記事:LISTEN to complete leaked Crimean Bridge attack recording

ドイツ軍はまた、英国製とフランス製の長距離ミサイルの標的監視員として活動する他の西側軍人がウクライナに存在していることも明らかにした。

クレムリンによると、現在問題となっているのは、ドイツ軍が独自に行動したのか(それであれば文民統制という問題が生じる)、それとも彼らの議論が政府の公式政策に沿ったものだったのか、ということだ。

「どちらの可能性であったとしても由々しき事態です」とペスコフ報道官は語った。

非ナチ化は、第二次世界大戦後、ソ連や米国、英国、フランスの政策であり、ドイツとオーストリアの政治や社会、文化、経済、法廷、報道からナチス思想を除去することを目的としていた。ロシアはウクライナの現政権がナチズムを復興させた、と非難している。

2022年2月に始まったロシアの特別軍事作戦の目的の一つとして、ウクライナの「非ナチ化」がうたわれていた。

米国とそのNATO同盟諸国は、ウクライナに2000億ドル相当の武器や弾薬、物資を送ることで対抗しているが、紛争には直接関与していない、と主張している。

クリミア橋攻撃に関する漏洩音声の全編はこちら

<記事原文 寺島先生推薦>
LISTEN to complete leaked Crimean Bridge attack recording
ドイツ将校らは直接関与の非難を避ける方法でウクライナにトーラス・ミサイルを送ることについて議論していた
出典:RT 2024年3月4日
<記事原文 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月6日


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クリミア橋。© スプートニク / コンスタンチン・ミハルチェフスキー


流出した音声によると、ドイツ軍当局者らは、ロシアの戦略上重要なクリミア橋に損害を与えるウクライナを秘密裏に支援する方法について話し合っていた。彼らはまた、外国軍人がすでにウクライナ国内に派遣されている、とも述べた。

RTは、ドイツとロシアで騒動を引き起こしたこの会話の未編集の字幕付き32分間録音を公開している。

ロシア語版の字幕と音声ファイルは、RTのマルガリータ・シモニャン編集長によって初めて共有された。同編集長はドイツ当局者4人が参加した会話は2月19日に行なわれたと主張し、その録音はロシアの治安当局者から自身に渡された、と付け加えた。

同編集長は、その声がドイツ空軍司令官インゴ・ゲアハルツ将軍と同支部の作戦担当副参謀長フランク・グレーフ准将、ドイツ宇宙軍航空作戦センターの職員2名のものである、と特定した。

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当局者らは、タウラス長距離ミサイルのウクライナへの供給の可能性と、その運用と標的の詳細についても話し合っていた。さらに、ドイツが紛争への直接関与しているとして非難を受ける状況を回避できるよう、もっともらしい否認を維持する方法についても話し合っていた。

当事者らはまた、タウラス・ミサイルでクリミア橋を破壊することが可能かどうかについて議論しており、このミサイルが到達するのは難しく、この橋は何度も攻撃に耐えられるほど頑丈である、と結論づけていた。

流出した音声によると、ゲアハルツ将軍は「(ウクライナでは)私服を着て歩き回っているアメリカ訛りの人々がたくさんいる」とも述べた。この会話は、英国がウクライナに人員を派遣していることをドイツ当局者が認識していることを示唆するものだ。

この録音はドイツとロシアの両国で大騒ぎを引き起こした。ドイツ軍は会話が傍受されたことを認めており、この件について捜査が進められている。

いっぽう、ロシア外務省マリア・ザハロワ報道官はドイツ当局に説明を求め、ドミトリー・メドベージェフ元ロシア大統領は、この録音は「ドイツがロシアとの戦争の準備をしている」ことに疑いの余地はないことを示すものだ、と述べた。

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*音声は原サイトからお聞きください。

アジアから欧州への輸送コストは400%上昇―欧州委員

<記事原文 寺島先生推薦>
Asia-to-Europe shipping costs up 400% – EU commissioner
パオロ・ジェンティローニによると、紅海の混乱で一部航路の輸送日数が最大15日延びた。
出典:RT 2024年2月17日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月5日


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© Getty Images / John Lamb


欧州委員会のパオロ・ジェンティローニ経済担当委員によると、紅海でのフーシ派反乱軍による船舶攻撃によって引き起こされた海運の混乱は、中国から欧州への一部航路の貨物輸送コストを約400%上昇させた。ジェンティローニ委員は、また、こうした航路の輸送日数が10—15日長くなったことにも言及した。

同委員会は、世界で最も重要な貿易ルートのひとつでの危機がEU内でのインフレ率の大幅な上昇につながらないことを願うと言ったが、「さらなる供給の混乱が価格上昇につながる可能性がある」とも語った。

イエメンを拠点とする反乱軍フーシ派は、10月にイスラエルとハマスの戦争が始まって以来、紅海を航行する商業船舶に対して無人機とミサイル攻撃を数十回行なっている。その結果、多くの大手海運会社がスエズ運河の使用を中止し、代わりにアフリカ南部の喜望峰周辺に船を回航させている。

報道によると、この攻撃により、世界のコンテナの平均価格は過去1カ月で2倍になり、一部の目的地の燃料タンカーの料金はここ数年で最高水準に急上昇した。

関連記事:巨大海運会社はグローバルな供給チェーンが危機に瀕すると警告している

先月、EUの外相たちは、貨物船を守るため紅海で海での軍事作戦を開始する仮の合意に達した。ドイツやフランス、そしてイタリアがこの提案をしたのはオランダからの要請に応じたものだ。オランダの商船業界は一連の攻撃で特に大きな影響を受けている。

欧州連合 (EU) のジョゼップ・ボレル最高外交官は、この作戦は2月19日に開始される見込みだと述べた。

ハンガリー、ウクライナ紛争記念日に関するEU共同声明を遮断 – 報道

<記事原文 寺島先生推薦>
Most Japanese companies stayed in Russia – survey
代わって、EUの3人の主要当局者がロシアへの非難声明を発表
出典:RT 2024年2月23日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年3月1日


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ベルギーのブリュッセルにある欧州連合本部。EyesWideOpen / Getty Images


ロシア政府を非難し、ウクライナ政府への「揺るぎない」支援を約束したEU共同声明はハンガリーによって遮断された、と匿名の外交官2名が金曜日(11月23日)、ポリティコ紙とブルームバーグ紙に語った。

シャルル・ミシェル欧州理事会議長の事務所からの電子メールには、加盟国間に「合意がない場合」、声明はミシェル欧州理事会議長とロベルタ・メッツォラ欧州議会議長、ウルスラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長の3名を代表として発表される、とされていた。

この声明はロシアを「全面的な侵略戦争」と「暴力、残虐行為、テロ、破壊」をおこなっている、と非難する一方、ウクライナへの「強力かつ揺るぎない政治的、軍事的、財政的、経済的、外交的、人道的支援」を約束した。

3人の当局者はまた、「緊急に必要な弾薬やミサイルの供給を含め、ウクライナの差し迫った軍事・防衛の供給に引き続き対応する」と誓った。

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関連記事:EU imposes new sanctions on Russia

ブルームバーグ紙とポリティコ紙に語ったある外交官によると、EU内の非NATO加盟国はミサイルに関する文言に「疑問」または「留保」の意思を持っており、EUがガザでの紛争について「沈黙」していることにも批判的だった。当該国の名は明らかにされなかったが、EU加盟国ではあるがNATO加盟国ではないのはオーストリアとアイルランド、マルタだけだ。

ウクライナは最終的にはEU加盟を約束されているが、欧州委員会は加盟交渉の枠組みについて「まだ取り組んでいる」とフォン・デア・ライエン欧州委員会委員長が水曜日(2月21日)に認めた。同委員長は、6月6日から9日に予定されている欧州議会選挙が終わるまでは、大きな動きは起こらないだろう、と付け加えた。

ハンガリーは共同声明に対して拒否権を発動したことについてまだ声明を出していない。ハンガリー政府は、交渉による和平を求めようとしないEU当局によるウクライナ政府への軍事支援を一貫して批判してきた。ハンガリーはまた、ウクライナへの武器の送付や自国領土内での武器の輸送を拒否している。

ウクライナ政府がドンバスに和平をもたらすはずだったミンスク合意を否認したことを受け、ロシア政府は2022年に軍事作戦を開始した。ドイツとフランスの政治家は後に、和平の過程が西側諸国がロシアとの戦争に向けてウクライナに武装する時間を稼ぐための策略であったことを認めた。

ドイツ国会議員、対露政策がヒトラーの二の舞にならないよう警告

<記事原文 寺島先生推薦>
German MP warns against ending up like Hitler
マティアス・モースドルフ議員、ドイツ政府はウクライナ政府に武器を送るのではなく、ロシア政府と話し合うべきだ、と主張
出典:RT 2024年2月22日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月25日


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ドイツのマティアス・モースドルフ国会議員© Global Look Press / Marco Rauch

ドイツ連邦議会外務委員会のマティアス・モースドルフ氏は木曜日(2月22日)の議会で、軍事力のみを頼りにロシアと関係を持とうとする国々は必ず敗北を喫するだろう、と警告した。

同議員が懸念を表明したのは、ドイツ国会がドイツ政府にキウクライナ政府へのさらなる武器の送付を求める決議案を承認しようとしていた中でのことだった。モースドルフ議員はナチスについて言及し、「絶対にはっきりさせなければならないことがひとつあります。それは、10年にわたる(ウクライナ)戦争は、ロシアに干渉する者は1812年のナポレオンのような結末を迎えるか、あるいはさらに悪いことに1945年のような結末を迎えることを我々に教えている、という点です」と述べ、ナチス・ドイツがソ連と連合軍の手により敗北したことに触れた。

右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の議員である同議員は、ウクライナ政府へのタウルス・ミサイル配備に対する「厚かましい要求」が続いていることを踏まえ、同職の国会議員らにこうした歴史的事実に注目してもらいたい、と述べた。

ウクライナは昨年5月、最大射程500キロ(310マイル)で掩体壕(えんたいごう)防御を貫通できるミサイルの正式な要請を提出した。ロシアとの紛争が続く中、ウクライナに対する軍事供与国の第2位として浮上したドイツだが、この特別な要求に応えることには消極的だった。

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関連記事:West ‘only making things worse’ for Ukraine – Russian ambassador

報道によると、オラフ・ショルツ首相下のドイツ政府は、ロシア国境内で兵器を使用する可能性により、ドイツがウクライナ紛争に近づく可能性があることを懸念していた、という。この特定のミサイルの種類に特化した提案は、以前国会が拒否した。

木曜日(2月22日)、保守党「ユニオン」野党連合が提出した新たな提案は480対182で否決された。それでも国会議員らは政府連立3党が提出した別の決議案を採択したが、その決議案の内容は、タウラス・ミサイルの名前は出ていないが、ドイツ政府に対し長距離兵器をウクライナに配備することを求めるものたった。AP通信によると、この武器が届けば、ロシア軍の「はるか後方にある戦略的に重要な目標」への攻撃が可能になるはずだ、とこの決議案には記載されている、という。

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この決議案には法的拘束力はなく、382人の議員が支持したが、284人の議員が反対し、2人が棄権した。

モースドルフ議員は、現在進行中の紛争における他の西側諸国の政策について発言し、政治的または外交的手段を通じて問題を解決する努力が「不足している」と主張した。さらにショルツ首相に対し「(ロシアのウラジーミル・)プーチン大統領に会って話をする」よう呼び掛けた。同議員はまた、ロシアがミュンヘン安全保障会議に招待されていない事実を批判した。

ロシア政府は、現地の状況が整い次第、和平交渉の用意があると繰り返し述べてきた。2022年秋、一連の住民投票を経て、ドネツクとルガンスクの2つの共和国と他の2つのウクライナ領土が正式にロシアに加盟した。

ウクライナ政府は何度もロシア政府との交渉を排除してきた。ウクライナのウラジーミル・ゼレンスキー大統領は昨秋、現クレムリン指導部とのいかなる会談も禁止する法令に署名した。同大統領はまた、独自の和平案を提案し、交渉が始まる前に、ロシア軍が1991年のウクライナ国境内の全領土から撤退することを要求した。クレムリンはウクライナ側の「平和解決策」をばかげているとして拒否した。

2023欧州各地で激しさを増す農民による抗議活動が、ブリュッセルにまで突入

<記事原文 寺島先生推薦>
Farmers Roll Into Brussels as Protests flare up Scross Europe
出典:ストラテジック・カルチャー 2024年2月5日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年2月17日


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フランス、ドイツ、ポーランド、オランダで抗議行動が勢いを増すなか、ヨーロッパの農業関係者の不満が今週、頂点に達した。各国のデモに加え、農民たちは水曜日(2月5日)にブリュッセルに入り、欧州議会前で行動を起こしている。

主要幹線を止めるという道路封鎖を主とした作戦を講じて、農民たちは自分たちの労働環境と収入の劣化を世間に訴えかけている。農民組合の主張は、生産を増やすと同時により厳格な環境問題への対策をとることが求められていることで、自分たちの仕事がほぼできなくなってしまっている、というものだ。

フランス国内のあちこちの農民たちが抗議活動の規模を膨らませたのは、一人の農民が火曜日(2月4日)に亡くなり、その娘が重傷を負った事件を受けてのことだ。抗議活動の一環として農民たちが打ち立てていた道路封鎖に、車両が突っ込んだことにより起きた事件だ。農民たちが強調して要求しているのは、環境に対する規制の問題や(ウクライナなど外国から輸入される作物を国内産のものよりも緩い規制で認めるという)行政による認可、さらにはディーゼル燃料の価格の高騰について、だ。

抗議活動はフランス南部オクシタニア地方から1月18日木曜日に始まり、それ以来全国規模にひろがった。「抗議活動は水曜日(2月5日)に激しくなります」と農民労働活動を主導している全国農業経営者組合連盟(FNSEA)のアルノー・ルソー代表は主張した。

水曜日(2月5日)の早朝、少なくとも200台のトラクターがボルドー環状道路に乗り込んだ。この道路は、パリとスペインを繋ぐ幹線道路だ。そして、通行を阻害した。フランス北部、オードフランス地域圏当局によると、「英仏海峡を繋ぐ様々な経路が妨害されている」とのことであり、特に英仏海峡トンネルとイングランド行きの港が妨害されている、という。

ベルギーでも同様に、収入の減少や複雑な法律、行政の負担に関する懸念が高まっている。ワロン地域農業連盟 (FWA)の発表によると、抗議活動は1月29日の月曜日から始められた、という。「私たちは道路を封鎖するのではなく、道路上にバリケードを張ること(で人々にこの問題の重要性を知らしめること)について話しているのです」と同連盟は断言した。

ベルギーのフランス語圏では、低所得や複雑な法律、過剰な役所仕事などが主な懸念事項となっている。この部門は、この問題が農地で働く人々だけでなく、全住民に影響を及ぼすことを一般の人々に理解してもらいたいと考えている。そのために、公共の混乱を限定的なものにするため、一部の交通が通行できる「透過性障壁」を設ける予定だ。

農民によって戦い方は異なる

欧州圏内の農民たちは、同じ不満を持っていることで団結しているが、農業分野における課題は国によって異なる。フランスやベルギー以外の国々では、それぞれの国において特に不満を持って取り上げられているのは、環境対策や補助金の問題について、である。

ドイツで先週おこなわれた農民による抗議活動は、燃料に対する補助金の削減に反対するものだった。ポーランドやルーマニア、ハンガリーでここ何ヶ月ものあいだ怒りが吹き上がっているのは、EUが取っている措置について、である。具体的には、ウクライナから輸入される穀物が、黒海経由ではなく、ウクライナ国内から直接運ばれることが許される、という措置だ。この措置により、国内市場には安価な穀物があふれ、地元の生産者を切り崩している。

一方、オランダでは、窒素を中心に懸念が広がっている。窒素の排出量を削減しようとする政府の取り組みにより、多くの農業生産者が存続することが疑問視されているのだ。 この問題に関しては、ベルギーのフランダース地方でも同様の怒りを巻き起こしており、国レベルでの気候変動目標に合意するための連続した期限は、農民からの頑強な抵抗のために延期されている。

この記事の初出はbrusselstimes.com

EUの債務問題は時限爆弾

<記事原文 寺島先生推薦>
The EU debt time bomb is ticking
金利上昇、政治的混乱、経済の不確実性が2024年の危機を予感させる
筆者:ロシアン・マーケット(Russian Market)
ロシアン・マーケットは、チューリッヒ在住の金融ブロガー、スイス人ジャーナリスト、政治評論家によるプロジェクト。X @runewsでフォロー
出典:RT   2024年1月19日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年2月2日


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© Getty Images / cherezoff


EUは2024年、多くの加盟国を圧迫しかねない金利上昇の中、債務残高の増大に直面し、微妙な綱渡りを強いられることになりそうだ。年末までに本格的な危機に発展する可能性もある緊迫した状況だ。

EU諸国の中では、フランスとイタリアが、それぞれ約3兆500億ユーロと2兆8500億ユーロの国家債務を抱え、債務危機の先頭を走っている。名目債務額ではフランスがランキング首位だが、イタリアは債務残高対GDP比が高いため、財政状態の持続可能性に懸念が生じている。

欧州中央銀行(ECB)は、特に長年にわたるマイナス金利政策が意図せざる結果を招いたことで、批判にさらされている。2014年から実施されていたマイナス預金金利の廃止決定は、議論を巻き起こした。批評家たちは、特にECBが過去に国債を買い入れてきたことを考えると、利上げそのものが根本的な問題に対処するには不十分かもしれないと主張している。

2022年半ばにユーロ圏のインフレ率が上昇し、同年10月には2桁に達したことを受けて利上げを決定したが、当時は大きな論争を巻き起こすことはなかった。とはいえ、現在進行中の議論は、これらの措置がECBの過去の政策がもたらした広範な経済的課題と潜在的な影響に効果的に対処できるかどうかを中心に展開されている。

特に2010年のユーロ圏危機を振り返ってみると、同じようなシナリオがさらに大きな結果をもたらすのではないかという懸念が生じる。現在の債務水準と、増税や歳出削減といった従来型の対策でそれに対処するという選択肢が一部の国には限られていることが、2024年に時限爆弾が時を刻むのではないかという懸念を煽っている。

債務負担に対処する際、欧州各国政府は、ECBの金利引き上げによる金利コストの上昇という新たな課題に直面する。インフレ見通しが思わしくないことから、ECBは今年中に金利を引き下げるつもりはないと表明している。この観点から、ドイツ、フランス、イタリアは特に脆弱に見える。2028年には金利負担の大幅な増加が予想され、ドイツの金利負担は、2020年は歳入のわずか1%だったが、2.1%に上昇すると予想される。

ドイツは現在、財政的にある程度の余裕があるが、フランスと特にイタリアは困難に直面している。フランスでは、2028年までに政府歳入に占める利払いが2020年の割合から2.9ポイント増加し、5.2%になる可能性がある。イタリアでは、その割合は8.2%とさらに高くなる可能性がある。ジョルジア・メローニ首相率いる政府の努力にもかかわらず、イタリアに対する金融市場への懐疑的な見方が強まっていることは注目に値する。この上昇は、政府の財政赤字拡大見通しの中で10月に顕著に見られ、スプレッド*の急上昇につながった。
*スプレッドとは、売買値幅のこと。

しかし、その後スプレッドはここ数カ月で大幅に低下しており、市場心理の変化を示していることを認識することが重要である。そこで疑問が生じる。この改善は嵐の前の静けさを示す一時的なものなのか、それとも投資家心理の持続的な変化を示すものなのか。

多くのユーロ圏諸国において、慢性的な財政赤字と相まって債務増加率の高騰が続いていることから、こうした追加コストの管理に苦慮している可能性が示唆される。新たに生じる差額を新たな債務で賄うという選択は、債務の悪循環を加速させる可能性がある。

最近の急激な利上げからの緩やかな低下を達成することが、EUの財政安定を維持するために不可欠であることは明らかである。これは、より広範な金融情勢への潜在的な影響を緩和するのに役立つため、望ましい結果であろう。特に懸念されるのは、利払いの負担を最終的に誰が負うのかという問題である。ドイツの納税者は既に実質的な負担を負っている。ユーロ圏各国政府が必要な予算改革を実施する余地は、長期的には減少する可能性があるが、負債の時限爆弾は作動している。
ECBは板挟みに直面している。利下げが早すぎれば、頑迷なインフレが長期化する危険性がある。一方、金利が上昇すれば、一部の主要EU諸国は、払うべき利子を借金で賄うという債務連鎖の罠に陥る可能性がある。

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関連記事:フランスには困難な時期が待っている ― 大臣

2024年に向けて、ECBは薄氷を踏む思いである。欧州連合(EU)の財務相は、債務削減のための明確な計画をまだ示していない。債務残高は安定成長協定で定められたGDP比60%を大幅に超えている。この持続的な水準は徐々に新たな常態になりつつあると見ている専門家らもいる。重債務国の債務削減努力は、今後数年間は極めて重要である。

しかし、EU内の政治的不和が、債務問題に対処するための統一計画を策定する作業を複雑にしている。ドイツは、迅速な債務削減を確実にするため、すべての国に対して適応される明確な予算指針の創設を提唱している。対照的に、フランスとイタリアは、それぞれの国特有の状況を考慮した個別の債務削減路線を主張している。

EU委員会と財務相は、債務上の取り決めについて新たな同意を得るという課題に直面している。これができなければ、新たな借り入れに厳しい制限を設けた以前の規制が再び発動され、対立と不確実性が生じる可能性がある。

一方、EUは各国の債務だけでなく、EU全体としての債務にも取り組んでいる。これは初めてのことだ。コロナ後の復興計画の資金調達は、高金利のため予想以上に高くつくことが判明している。しかし、加盟国は追加費用の負担に消極的で、EU内での負担の分配をめぐる新たな争いが生じている。

全体として、2024年はEUとその財政の安定にとって重要な年になることが示唆されている。債務危機は、政治的不和や経済の不確実性と相まって、EUの将来に深刻な試練をもたらす可能性がある。

「いくらお金を積まれても、移民受け入れは断固拒否する」ハンガリー首相

<記事原文 寺島先生推薦>
‘No money’ can make Hungary accept immigrants – PM
EUからの資金よりももっと大事なことがある、とハンガリーのヴィクトル・オルバン首相は発言
出典:RT 2024年1月19日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2024年1月26日


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© ハンガリー首相報道局 / Anadolu Agency / Getty Images


 ヴィクトル・オルバン首相は金曜日(1月19日)、ハンガリーは移民やジェンダー問題、ウクライナ紛争について、何があっても考えを変えるつもりはないと語った。

 国営放送コシュート・ラジオのインタビューでオルバン首相は、「法の支配」と「人権」への懸念を理由にハンガリー向けの約200億ユーロ(約3兆2千億円)の資金を凍結した欧州委員会当局との現在進行中の紛争に触れた。

 同首相によると、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は先日、ハンガリーに関する欧州連合の問題は移民の受け入れとLGBTQ活動家の学校入学を拒否していることであると認めた。

 「欧州委員会の主張は戯言です。移民やジェンダー、戦争の件については譲歩できません。これらの問題はお金よりも重要で、人生のより価値のある部分だからです」とオルバン首相は語った。

 さらに同首相は、「どんなにお金を積まれても、移民を受け入れたり、私たちの国が奪われるようなことはできません」と付け加えた。また、他の一部のEU加盟国では、大量移民がテロリズムや犯罪の増加、さらには「様々な集団に分断された並行社会」を作り出していると同氏は述べた。

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関連記事:EU-Ukraine aid deal is far off – Hungarian official

 同首相は、LGBTQの課題に関する欧州委員会からの要求は「考えられないことです」と述べ、「子どもの育成、特に性教育は学校ではなく家族と親の責任です」と主張した。

 同首相は、6月に予定されている欧州議会選挙の論戦は「移民、私たちの家族、そして戦争を中心に展開します」とウクライナ紛争に触れながら語った。ほとんどのEU諸国とは異なり、ハンガリーはウクライナ政府への武器の送付や領土内通過の許可を拒否しており、ロシアとの和平を繰り返し求めている。

 ハンガリーはまた、今後4年間でウクライナに500億ユーロ(約8兆円)を供与するというEUの提案に反対し、少なくとも毎年の資金監査を要求した。ハンガリーは7月に欧州理事会の輪番議長国に就任する予定で、欧州委員会はオルバン首相が議長代理になることを「必死に」 避けたがっている、とポリティコ紙が今月初めに報じた。

 欧州議会議員のある一団は、ハンガリーからEU内での投票権を剥奪する手続きを開始した。フィンランドのペトリ・サルヴァマー国会議員によれば、これが「ヨーロッパの生活様式と民主主義を守る」唯一の方法だという。

軍事援助より農業援助を!ついにドイツ農民が立ち上がった!!ビデオを見よ。

<記事原文 寺島先生推薦>
Farmers block Berlin streets (VIDEO)
デモ参加者らはドイツ政府の緊縮策により農場が閉鎖に追い込まれるのではないかと懸念している。
出典:RT  2023年12月19日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年12月24日



2023年12月18日、ドイツのベルリンで、燃料費削減を目的とした国の補助金削減計画に抗議するため、トラクターに乗ってブランデンブルク門に到着する農民たち。© ミケーレ・タントゥッシ/ゲッティイメージズ


 月曜日(12月18日)、ドイツ全土から農民たちがトラクターに乗ってベルリンに降り立ち、ディーゼル補助金や農業用車両に対する減税を削減する政府の計画に抗議した。ドイツ政府は先日、数十億ユーロの財政赤字に対処するため、2024年に向けた緊縮策を発表したところだった。
 怒った農民たちは、ベルリンの象徴であるブランデンブルク門近くの通りを封鎖し、「農民に対する宣戦布告のような政策を掲げるつもりか」、「もう十分だ!」と書かれたプラカードを掲げた。デモ参加者らは、計画されている予算削減により、来年のドイツの農業分野の予算状況が10億ユーロ(約1570億円)近く下げられるのではないかと懸念している。ベルリン警察によると、約1700台のトラクターと6600人の農民が抗議活動に参加したという。

 ドイツ農民協会(DBV)とランド・クリエイツ・コネクション(LsV)ロビーは、緊縮策が実施されればデモを拡大すると脅迫した。DBVのヨアヒム・ルクウィード会長は集会で、「我々は1月8日から、この国がこれまで経験したことのない形であらゆる場所においてデモを展開することになります。私たちはこんな政策を受け入れることはできません。」と発言した。



 ドイツのジェム・オズデミル農業大臣は抗議活動で国営ARD放送のインタビューに応じ、農家にはディーゼルに代わる「代替手段がない」と述べた。

 「節約しなければならない我が国の状況を無視するわけではありませんが、その節約方法は国民がともに取り組んでくれるような方法でおこなわれなければなりません。私たちに食料を供給してくれるのは農民たちです。農業分野への予算削減は...この分野に過大な負担を与えます」とオズデミール大臣は語った。


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 独政府が予算の穴を塞ぐことを余儀なくされたのは、11月に憲法裁判所から、未使用のCOVID-19感染症対策資金600億ユーロ(約9兆4千億円)の再利用の試みは違憲であるという判決が出されたためである。

 オラフ・ショルツ首相内閣が選択を迫られているのは、いわゆる債務ブレーキ(政府赤字をGDPの0.35%に制限する)を停止するか、約170億ユーロ(約2兆7千億円)の節約と減税をおこなうかのいずれか、である。

 ステフェン・ヘベストライト国務長官は月曜日(12月18日)、2024年予算に関する決定はすでに最終決定されており、執行の詳細はまだ検討中だが、審議の再開がされることはない、と述べた。

EU加盟国のリトアニアで、宮崎駿の最新作が「ロシアとの繋がりがある」として上映禁止、との報道

<記事原文 寺島先生推薦>Cinemas in EU state boycott Hayao Miyazaki movie over ‘Russia links’ – media
リトアニアの映画館所有者ら、当該映画配給会社はロシア政府と繋がっている、と主張
出典:RT 2023年12月14日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>2023年12月19日



東京での引退発表記者会見に出席する宮崎駿氏、2013年9月6日©AP / 佐藤淳


 リトアニア国内のすべての映画館が、配給会社とロシアとの関係を理由に、日本の伝説的監督、宮崎駿の最新アニメ映画を拒否する、とリトアニア国営ニュース局LRTが木曜日(12月14日)に報じた。

 宮崎監督の60年にわたる映画監督歴の最後を飾る映画『君たちはどう生きるか』は、年末までリトアニア国内で劇場公開される予定だったが、映画館運営者と配給会社が木曜日(12月14日)に映画の事実上の中止を発表する声明を発表した。


関連記事:Violinist quits to avoid playing Russian music – media

 この声明では、バルト海地域でこの映画の配給権を所有する会社、アートジーン社というエストニアの会社が、「ロシアと関係がある」とされた。声明ではこのことに関する疑惑については詳しく述べられていないなかで、この映画はリトアニアのどの映画館でも上映されないとのことだった。

 「リトアニア映画界は他のバルト三国に対し、この情報に対応し、バルト三国の経済と映画産業に有害となる可能性のあるロシアの行動に対抗し、侵略国家ロシアの事業活動を阻止するよう呼び掛ける」とこの声明は続いた。

 奇妙なことに、この声明によると、アートジーン社がリトアニア国家に対して、「この映画を妨害したとして世界中から中傷されるだろう」と脅迫したというが、この主張に対する証拠は提供されていない。

 ウクライナを最も熱心に支援してきた国のひとつであるリトアニアにとって、このような決定を下すのは珍しいことではない。今年初め、リトアニアのガブリエリュス・ランズベルギス外相が西側同盟国にさらなる制裁とキエフへの軍事援助を求めたのに合わせて、(同国の)シモナス・カイリス文化大臣は、ロシアの文化や芸術、報道機関から「精神的隔離」をおこなう必要がある、と主張していた。

戦争犯罪の罪に問われていた元セルビア大統領ミロシェビッは無罪だった!

<記事原文 寺島先生推薦>
Serbian leader Slobodan Milosevic Found Not Guilty of War Crimes
筆者:ジャン・ソビエスキー3世(Jan Sobieski III)
出典:コンサーバティブ・ペイパーズ(Conservative Papers) 2016年8月6日
ベルグラードから。
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年12月10日


ミロシェビイチ
無実のまま獄中死した、元ユーゴスラビア連邦共和国大統領ミロシェビッチ


 ハーグの旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所(ICTY)は、セルビアの故スロボダン・ミロシェビッチ大統領が1992年から95年にかけてのボスニア紛争で犯した戦争犯罪の責任はないと判断した。

 ボスニア・セルビア人ラドバン・カラジッチ元大統領に戦争犯罪の有罪判決を下し、禁固40年を言い渡した裁判部は、ボスニア紛争中、スロボダン・ミロシェビッチはイスラム教徒とクロアチア人を犠牲にする「共同犯罪組織」の一員ではなかったという驚くべき判決を全会一致で下した。

 また、セルビアの民族主義指導者であるヴォイスラヴ・シェシェリも、1990年代のユーゴスラビア紛争後の戦争犯罪と人道に対する罪の容疑に関しては無罪であるという驚くべき判決が出された。

 この評決は、3人の裁判官のうち過半数の2人の裁判官により出されたもので、検察側にとっても、紛争に巻き込まれた何千人ものイスラム教徒にとっても打撃となる判決となった。

 「ヴォイスラヴ・シェシェリは今や自由の身です」と、2014年に癌治療のためセルビアへの帰国を許可されたこのセルビア人政治家の逮捕状を無効とした後、裁判長のジャン=クロード・アントネッティは語った。

 旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所より最初の起訴者となったシェシェリ氏(61歳)は、裁判の評決に出廷しなかったが、その後の記者会見で、この決定は「法的側面から見て唯一ありえる判決結果」だったと語った。

 「無実のセルビア人が非人道的な処罰を受けた多くの訴訟の後、今回は2人の誠実な裁判官が、政治的圧力よりも名誉を重んじたことを示す判決だった」とシェシェリ氏は述べた。

 この判決により、2年前の選挙で残っていた議席をすべて失ったシェシェリ氏の急進党が、4月24日の選挙でセルビア議会に再び議員を送り込む可能性を高めるきっかけとなる可能性がある。

 強硬派の政治家であるシェシェリ氏は、セルビアに戻ってから健康状態が改善し、民族主義的なスローガンを唱えながら政治集会を開き、セルビアがEU加盟を目指すのをやめてロシアとの関係を強化するよう呼びかけている。

 この判決は、多くのセルビア人が抱いている、自分たちは国連法廷によって不当に標的にされているという印象を払拭する助けになるかもしれない。

 ハーグで、アントネッティ裁判官は評決を読み上げる際、検察側を痛烈に批判し、検察側は過剰で複雑な裁判を起こし、合理的な疑いの余地のないことを支持するような重要な点を立証できなかったと述べた。さらに同裁判官は、シェシェリ氏に28年の量刑を要求した検察側は、確たる証拠を提示することなく、大袈裟に話を広げた、と述べた。

 裁判官たちはまた、シェシェリ氏とその同盟者たちがクロアチア、ボスニア、セルビアの一部からイスラム教徒とクロアチア人の強制移送を組織したこと、そしてそれらの人々が単に紛争からの避難を求めていたのではないことを検察側が立証できなかったと判断した。

 シェシェリ氏らの逮捕は、国際司法の腐敗を露呈した茶番であった、ということだ。

 スロボダン・ミロシェビッチは、全ての西側諸国の報道陣と、事実上すべてのNATO諸国の政治家から中傷された。ミロシェビッチは、「バルカンの虐殺者」呼ばわりされ、ヒトラーと比較され、大量虐殺を起こしたとして非難された。さらに、その虚像を利用して、セルビアに対する経済制裁だけでなく、1999年のNATOによるセルビア空爆とコソボ戦争を正当化した。

 スロボダン・ミロシェビッチが、人生の最後の5年間を刑務所で過ごさなければならなくなったのは、このでたらめな戦争犯罪疑惑から自身とセルビアを守るためだった。それが今になって、その戦争は、ミロシェビィッチが止めようとしていたことが認められたのだ。戦争をめぐるミロシェビッチが直面した大虐殺を含む最も深刻な容疑は、すべてボスニアに関するものだった。ミロシェビッチの死後10年経った今、ICTYは彼が結局有罪ではなかったことを認めたのだ。

 ICTYは、ミロシェビッチの共同犯罪組織への関与を潔白とした事実を全く公表しなかった。ICTYは、2590ページからなるカラジッチ評決文の中の1303ページを使って、その事実をひっそりと記載していたのだ。こんな長文の判決文をおそらくほとんどの人が読む気にならないであろうことを十分わかった上でのことだ。

 スロボダン・ミロシェビッチが非常に疑わしい状況で死亡したことを思い出す価値がある。ミロシェビッチが心臓発作で死んだのは、ロシアでの心臓手術の要請を法廷が却下したわずか2週間後のことだった。彼が独房で死んでいるのを発見されたのは、彼の弁護士がロシア外務省に「毒殺される恐れがある」と書いた手紙を届けてから72時間も経たたないうちのことだった。

 彼の死に関する審判所の公式調査報告書で確認された事実は、「2006年1月12日にミロシェビッチ氏から採取された血液サンプルからはリファンピシンが検出された」というものだった。さらに、「ミロシェビッチ氏は2006年3月3日までその結果を知らされなかった。というのも、ファルケ医師(審判所の主任医務官)は、医療上の守秘義務に関するオランダの法的規定により、困難な法的立場に置かれていたからである」というものだった。

 ミロシェビッチの血液中にリファマイシン(処方箋なして買える薬品)が含まれていれば、彼が服用していた高血圧治療薬が効かなくなり、最終的に彼を死に至らしめた心臓発作になる危険性が高まる。法廷が、数カ月前からリファンピシンのことを知っていたのに、死の数日前までミロシェビッチに血液検査の結果を伝えなかった理由が、「オランダの医療機密に関する法的規定」にあるというのは、信じられないほどいい加減で、卑怯な言い訳だ。オランダの法律には、医師が自分の血液検査の結果を患者に伝えることを禁止する規定はない。それどころか、そのような情報を患者に伝えないことは、医療過誤とみなされる可能性さえある。

 このことから、地政学的に強力な権益を持つ者たちは、ミロシェビッチが無罪になり、自分たちの悪質な嘘が暴かれるのを見るよりは、裁判が終わる前に死んだ方がましだと考えているのではないか、という十分な根拠のある疑念が生まれる。ウィキリークスに流出した米国務省の公文書は、法廷がミロシェビッチの病状や医療記録について、本人の同意なしにハーグの米大使館員と話し合ったことを裏付けている。米大使館にミロシェビッチの医療カルテのことを話したとき、法廷は明らかに医療機密保護法を気にしていなかった。

 ミロシェビッチの死後約10年経って、彼が告発された最も重大な犯罪がこっそりとお咎なしだったと判断されたというのは、納得のいかない結果だ。ミロシェビッチの未亡人と遺児たちには最低でも金銭的な補償がなされるべきであり、セルビアに対しては、ミロシェビッチの犯罪「責任」を問うためにセルビアを処罰しようとした西側諸国政府が賠償金を支払うべきである。いまや法廷が、ミロシェビッチにはその戦争の責任はなく、実際は止めようとしていた、と判断したのだから。


米国、旧ソ連共和国のアルメニアに介入:生物研究所に多額資金を投入しているCIA代行組織USAIDを使って

<記事原文 寺島先生推薦>
‘CIA Cutouts’, Big Money Grants and Biolabs: The Depth of US Interference in Armenia
出典:INTERNATIONALIST 360° 2023年9月27日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年10月12日



アルメニアの首都エレバンのUSAID(米国国際開発局)のサマンサ・パワー長官(左)と面会するアルメニアのニコル・パシニャン首相。2023年9月25日 © AP / Tigran Mehrabyan


米国政府は何百万ドルものお金をコーカサス地方にあるこの国につぎ込んできたが、この国はロシアと同盟条約を結んでいる国だ。



 ナゴルノ・カラバフでの停戦から数日以内に、米国国際開発庁(USAID)のサマンサ・パワー長官がエレバンに到着し、「アルメニアの主権を支持する」ことを約束した。RT は、USAID が親西側の首相の援助を受けてどのようにこの国を再建しようとしているかを検証する。


これまでのいきさつは?

 アゼルバイジャン軍による軍事的猛攻撃に直面した、紛争が生じたナゴルノ・カラバフ州のアルメニア人指導部は先週、武器を放棄し、この領土がアゼルバイジャンに編入されることを認めることに同意した。アルメニアのニコル・パシャニン首相は、アゼルバイジャンの攻撃を阻止できなかったとしてロシアの平和維持軍を非難したが、同首相はすでにこの領土をアゼルバイジャンのものと認識しており、伝統的な同盟国であったロシアから距離を置き、米国に取り入ろうと、米軍と合同軍事演習をおこなったり、ウクライナに援助金を送ったりしている。


USAIDは何をしているのか?

 パワー長官と米国国務省のヨーロッパ・ユーラシア問題担当次官補代理のユーリ・キム氏が月曜日(9月26日)にエレバンを訪問した。国務省の記者発表によると、今回の訪問の目的は、「アルメニアの主権、独立、領土の確保、民主主義に対する米国の支持を確認し、最近のナゴルノ・カラバフでの紛争に起因する人道的問題への対応を支援する」ことだという。

 USAIDのウェブサイトには、昨年USAIDはアルメニアに3370万ドル(約50億円)を支出しており、この金額のほぼ半分は政府および市民社会の取り組みに向けられた、と記載されている。USAIDによると、同組織の目的は、アルメニアを「より包括的で民主主義的で経済的に弾力性のある社会に戦略的に移行させる」ことにある、という。USAIDは米国政府が民間を通して外国支援をおこなう主要な組織である。年間予算が300億ドル(約4兆5000億円)に達するこの組織は、世界100カ国以上で活動している。USAIDの使命は、発展途上諸国に食物や薬品を提供することとされているが、危険な生物学研究に資金提供をしていることについて批判を受けてきており、ロバート・F.ケネディ・ジュニア次期大統領候補からは、「CIAの代行機関」と評されている。USAIDは現在、旅行業者や災害対策業者、広報活動計画をアルメニアで模索中だ。しかし既に米国政府の別の諸機関が何百万ドルも投資し、アルメニア政府や市民社会を米国の意に沿う形で再建しようとしている。


米国の影響

  米国政府の関連サイトによると、現在、国務省は、弁護士を雇いアルメニアの労働諸法の改正を計画しており、150万ドル(約2億2000万円)を投じ汚職を禁じる施策を取り、銃器を用いた演習を架空におこなう装置をアルメニア警察のために購入する、という。この演習装置については、パシニャン首相が、抗議活動者らに対して「強く出る」ために使用する、と誓約している。

 すでに国務省はUSAIDとEU、英国が資金提供したシンクタンク(政策立案所)に3万ドル(約450万円)を支払っており、その目的を「アルメニアでの情報操作工作や政府に対する中傷行為を暴くため」とし、さらにアルメニアの報道関係者らに「喧伝行為」に対応する訓練に必要な資金も提供している。くわえて7万ドル(約1000万円)が投じられ、アルメニアのテレビで米国報道機関が流され、2万5000ドル(約370万円)が「LGBT支援」計画に当てられている。また国防総省も現在、アルメニア国内に「生物学的脅威を減じるための」施設の建築を求めている。国防総省によるこの施設についての説明は不明瞭であるが、 ロシアは、米国がウクライナ国内にある同じような施設を使って生物兵器の研究や製造をしてきた、として非難している。


ロシアの対応

 アルメニアは元ソ連国内の共和国であり、集団安全保障条約機構(CSTO)加盟国だ。この機構は、ロシアが主導する防衛同盟であり、おおざっばに言えばNATOと似た機構だ。 ロシア外相は月曜日(9月27日)、パシニャン首相は西側に視線を向けるという「大きな間違いをおかしている」と警告し、 ロシアとアルメニアには、「安全保障面、開発面において多くの共通の利益がある」が、米国がアルメニアに関心を示しているのは、「ロシアに戦略的な損害を与え」、「ユーラシア地域を弱体化」させるためだけだ、と断じた。

(この記事の初出はRT)



 サマンサ・パワー長官とユーリ・キム次官補代理がアルメニアを訪問した目的は、 ナゴルノ・カラバフ地域からアルメニア人を移動させることを見届け、首相退陣を求める市民による抗議活動に直面しているパシニャン首相を救うためだ!



フランスで『トコジラミ緊急宣言』が発令される

<記事原文 寺島先生推薦>
French authorities acknowledge bedbug ‘emergency’
パリ五輪が迫る中、フランスが長年抱えてきた虫問題がさらなる大問題になりつつある
出典:RT  2023年9月29日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年10月11日



資料写真 © Global Look Press / H. Duty



 フランス政府は来週、公共交通機関において蔓延しているトコジラミ問題を提起する、と同国の交通大臣であるクレマン・ボニュー交通大臣が金曜日(9月29日)に発表した。

 X (旧ツイッター)上での投稿において、ボニュー交通大臣は、交通関連諸組織との異例の会合を招集するとし、その目的を「旅行者向けにこれまで既に取られている措置やこの先とられるであろう措置に対する情報を提供するため」であり、さらには一般市民に「安心を与え、保護するため」とした。

 この異例の会合の発表がおこなわれたのは、パリ市役所がフランス政府に対して公的に不満を述べたことを受けてのことであったが、同市はフランス政府に公共交通機関や公共施設、住居にはびこっているトコジラミに対し対策を打つよう促した。

 市当局の幹部らは、国が特別対策機関を立ち上げ、当局が血を吸う虫と呼ぶこの虫を「厳罰に処す」よう求めた。


関連記事:Parisians must live with rats – mayor

 「本当に国家的緊急事態です。市民が利用する全ての施設におけるパリ特有の問題なのです」とパリ市のエマニュエル・グレゴワ第1副市長は述べ、2024年のパリ五輪が迫る中、このトコジラミ問題は特に重要である、と主張した。

 「トコジラミは公共医療問題であり、そのように報告されなければならない問題です。政府は緊急にすべての関係機関を招集して、この問題を打開するための総括的な対策計画を打ち出さなくてはなりません。フランスが国を挙げて2024年のオリンピック・パラリンピックを主催するのですから」と同副市長は述べた。

 トコジラミはフランスの長年の悩みの種であり、フランス家屋の10軒に1軒がこの虫に侵入されている、と考えられている。トコジラミは柔らかい家具や衣服に寄生することを好み、夜になると、寝ている人々を餌食にして、血を吸う。

 フランスが長年抱えてきたこの虫の問題が、最近、悪化の一途をたどっているようで、オンライン上であげられている多くの動画には、この虫がバスや電車などの公共交通機関で群れを成し、映画館などの公共施設で蔓延している様子が映されている

ウルズラ・フォン・デア・ライエンの「ナチス家系」

<記事原文 寺島メソッド翻訳グループ>
Ursula von der Leyen’s Nazi Pedigree
筆者:エヴァン・ライフ (Evan Reif)
出典:INTERNATIONALIST 360°  2023年2月19日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年9月28日


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ウルズラ・フォン・デア・ライエンとヴォロディミール・ゼレンスキー大統領

彼女の父であるエルンスト・アルブレヒトは、1978年から1990年までドイツのニーダーザクセン州の大統領を務め、その間、社会復帰していないナチスを政府に登用し、左派の赤軍派の信頼性を傷つけるために作られた黒旗テロ作戦を実行した。


 ウルズラによれば、「ヨーロッパの価値観」は、人類の最も高い属性を表しており、自由や、正義、連帯感、そして法の支配など象徴している。

 もちろん、歴史をちょっとでも齧ったことのある人であれば誰でも、これらは婉曲表現以外の何物でもないと言える。つい最近まで、「ヨーロッパの価値観」という言葉は非常に異なるものを意味していた。これらの価値観は、ヨーロッパ人と彼らが征服した者の両方の血の海で、世界の境界を表している。ウルズラのヨーロッパ貴族家族の歴史を見ると、これらの「ヨーロッパの価値観」の真の姿と、支配階級がそれらを世界に押し付けることからどれだけ利益を得たかがわかる。


父の罪

「もし私たちが優れた能力を持つ人々を統治に持って来ることに成功すれば、一党独裁または少数派の支配は、民衆の支配よりも良い秩序を創り出すことができるだろう」 - エルンスト・アルブレヒト

 ウルズラ・フォン・デア・ライエンは、2つの貴族的なドイツの家族の出身。彼女はウルズラ・アルブレヒトとして生まれ、著名なヨーロッパの官僚であり、CDU党(キリスト教民主同盟)の指導者であり、ニーダーザクセン州の元知事であるエルンスト・アルブレヒトの娘だ。この家族はエルンストがほとんどの人生をEUおよびさまざまな前身の組織で働いていたため、国際的なイメージを慎重に育てた。ウルズラは父親から「Röschen(英語でRosieロージー)」という愛称で呼ばれ、幸せな家族の姿は父親の政治広告でよく取り上げられた。

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エルンスト・アルブレヒトと愛娘「Röschen」[資料: welt.de]

 アルブレヒト家は、神聖ローマ帝国の税関監督官としての地位を利用して、19世紀のブレーメンの綿市場を支配した。そこを出発点にして、アルブレヒトという名前はドイツの歴史全体において確固たる存在となった。

 アルブレヒト家の歴史は、ブルジョアドイツ人の典型なのだが、1936年から1945年までの間に謎の溝が存在している。彼らの権力や富がどこから来て、それを得るために何をしたのかという不快な質問を避けるために、アルブレヒト家は多くの他の家と同様に、ナチス政権が存在しなかったかのように振る舞うことを甘んじて受け入れている。私たちは永遠に答えを得ることはないだろうから、もしこの空白を取り巻くものに光を当てることができれば、それが投げかける影が、ウルズラの大のお気に入り「ヨーロッパの価値観」の真の姿を示してくれるかもしれない。

 まず、エルンストが政界で最初に就いた仕事は、同じ貴族であるハンス・フォン・デア・グローベンの指揮下にあった欧州石炭鉄鋼委員会であった。

 この時点で、ハンスは既に長い官僚経歴を持っていた。戦争中、彼はリヒャルト・ヴァルター・ダレ(Richard Walther Darré)の指揮下で国家農業省の副官として働いた。ダレは狂信的なナチ党員で、1926年に最初のファシスト宣伝文を執筆し、1930年にナチ党に加入した。

 彼はすぐにSS(親衛隊)に参加し、その忠誠心と献身心のために、ハインリヒ・ヒムラー(Heinrich Himmler)によって一本釣りされた。ヒムラーは親衛隊長ダレをSSの人種と移住本部長、そして後に国家農業省の長に任命した。ダレは党の主要な理論家の1人であり、農業と人種の事務所の任務を組み合わせて、「東部総合計画」(Generalplan Ost)の基盤を築いた。これは、スラブ系民族全体を絶滅させて東ヨーロッパを植民地化するナチの計画だった。

 ダレはナチスの「血と土地」農業政策の設計者で、新興の土地所有「アーリア人」貴族を創り出そうとした。彼は農地を相続するために「アーリア人証明書」を義務付ける法律を制定し、特にレーベンスボーン*計画という、ナチスによる優生学の執行計画において、新たな「アーリア人」超人の世代を育て、ドイツの「望ましくない血統」を浄化することを目指した。
*ナチ親衛隊がドイツ民族の人口増加と「純血性」の確保を目的として設立した女性福祉施設。一般的に「生命の泉」または「生命の泉協会」と翻訳されることが多い。ユダヤ人絶滅のための強制収容所と対照をなす、アーリア人増殖のための施設である。(ウィキペディア)

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ヒットラーと握手するダレ[資料: collections.ushmm.org]

 ダレの最も有望な信奉者の一人は、ヨーゼフ・メンゲレという名前の医師であり、メンゲレはその部門内で「人種的健康」政策を担当した。メンゲレは後に、アウシュヴィッツ強制収容所での産業規模の医学実験によって、史上最も卑劣な罪を犯す悪名高い「死の天使」となった。メンゲレはその犠牲者として特に子供たちを狙い、数か月間彼らを生かしておいたのは、できるだけ多くのデータを収集するためだった。メンゲレは自分がどこから来たのかを決して忘れなかった。彼は常に「人種的衛生」という考え方について、ダレをその着想の源として引用していたのだ。

 戦後、メンゲレは、「ネズミの道」を利用して、アルゼンチンに逃れ、後にブラジルに逃亡した。その「道」はナチスの戦争犯罪を認めなかったラインハルト・ゲーレン(Reinhard Gehlen)―CIA工作員であり、後の西ドイツ情報機関の長にもなった―によって運営されたものだった。彼はCIA長官アレン・ダレス(Allen Dulles)の個人命令のもとに保護され、ダレスはメンゲレをソ連に対する彼の戦争における有用な同盟者と見なしていた。メンゲレは1976年に自由な身で亡くなり、ブラジルのサンパウロにWolfgang Gerhardという名前で埋葬された。

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メンゲレ。CIAにはヘルムート・グレゴールの名前で知られていた。[資料: wikipedia.org]

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赤軍に解放された後のメンゲレの犠牲者たち[資料: bbc.com]

 ダレは自分の仕事を誇りに思っていた。彼はさまざまな出版物で自分の計画を数千ページにわたり詳細に記述し、ナチス・ドイツ内で彼の考えを宣伝する演説を定期的に行なった。

「電撃戦によって……秋が来る前に……我々は二つの大陸の絶対的な支配者となるだろう……新たなドイツの支配者の貴族階級が創造されるだろう……[その]奴隷が割り当てられ、これらの奴隷は彼らの所有物であり、土地を持たず、非ドイツ国籍者から構成される……実際には、中世の奴隷制の現代版を考えており、我々はそれを導入しなければならないし、私たちの大きな使命を達成するためにそれが急務であると確信している。これらの奴隷には、無知の恩恵のみが与えられる。将来、高等教育はヨーロッパのドイツ人のみが保有することになるだろう・・・」  リヒャルト・ダレ


 ハンス・フォン・デア・グローベンと共に、彼らは「飢餓計画」として知られるものを実施し、征服した領土の犠牲にしてライヒ(ドイツ帝国)を養うことを計画した。何百万人もの奴隷が飢餓の食糧割り当てで働き、文字どおり自分たちを抑圧するナチ機械を支えるために、どんな食糧もドイツ帝国に送ることを強制された。1944年までに、1,500万トン以上の食糧がソビエト連邦から徴発され、これにより1,000万人以上が意図的に飢え死にさせられた。ダレの計画によれば、スラブの「下等人間」は皆、不妊手術を受け、餓死させられた後、ダレの唱える新しい「アーリア人」の貴族階級に取って代わられ、この土地をドイツ帝国の便益のために利用されることになっていた。

 戦後、ダレはニュルンベルクで戦争犯罪の罪で逮捕され、裁判にかけられた。彼は有罪判決を受けたが、彼の犯罪の範囲と規模にもかかわらず、わずか7年の刑を言い渡された。彼はそのうちの3年間しか服役せず、1950年に釈放された。彼は1953年に肝臓癌で亡くなった。この判決は驚くほど寛大だったが、これが最悪ではなかった。ハンス(・フォン・デア・グローベン)は法廷の中に足を踏み入れることは一度もなかったのだ。

 こんなことは、戦後、特別なことでも何でもなかった。アメリカの外交政策を担当したアレン・ダレスなどの「自由主義国際主義者」たちにとって、ナチス政権の犯罪などどうでもよかった。実際、ダレスは1940年代初めからナチス・ドイツとの同盟を主張し、1944年にはナチスの情報機関と会談し、ソビエト連邦に対抗する武器としてナチスを利用するために分離した平和取り決め交渉を行なっていた。

 彼らは、最も極悪なナチスに対する裁判のみを求め、それでもなるべく軽い刑罰で済ませた。ナチス体制の一般党員や、ナチ機械を実際に稼働させ、大陸全体を支配し、抹殺する殺人的な仕事をした数多くの人々は、ほとんど罰せられないままだった。

 ハンス・フォン・デア・グローベンのような人々の場合、彼らは新しい「非ナチ化」された西ドイツ政府の職を得た。見かけは新ドイツとなったが、名前が変わっただけだった。同じ官僚たちは、どんな手段を使ってでも、ソビエト連邦とその人々の破壊を目指して働いていた。かつて大ゲルマン帝国と呼ばれていた国家機構は、今や北大西洋条約機構(NATO)と呼ばれる新しい構造に単純に吸収されたのだ。

 副職に就いたエルンスト・アルブレヒトは、1940年代に彼の上司が担当していた役割を引き継ぎ、今回は「血と土地」が「ヨーロッパの価値観」に変わった。

 エルンスト・アルブレヒトは自身がナチ党員になるためには年齢が数年足らなかったが、長い政治経歴を通じて、彼は自分が何に共感しているかを一点の曇りもなく明らかにした。エルンストは一般の人々に軽蔑の念を抱き、彼が「洞察力を欠いた」大衆の支配ではなく、ドイツにおいてエリート支配を実現しようとした。彼はどんな時でも第三帝国とその殺人者を称賛していたことから、エルンストがどのような人々をエリートと考えていたのかはまったくもって明確だ。

「人民の支配、特に直接の支配というのは、洞察力のある[エリート]の洞察によって決定されるのではなく、国民の過半数に基づく凡庸な平均レベルによって決まるものであると本質的に言える」。 エルンスト・アルブレヒト 『国家、アイデア、現実:政治哲学の概要』

 ドイツの二大政党の一つであるキリスト教民主同盟(CDU)の指導者として、ドイツのニーダーザクセン州政府の指導者としての任期中、エルンストは新ナチス党であるドイツ帝国党Deutsche Reichspartei(DRP)の党員をCDUの上層部に、まんまと引き入れた。DRPはエソテリック・ヒトラー主義として知られるものを実践した。これはヒトラーがヒンドゥー教の神ヴィシュヌの文字どおりの転生であり、ナチズムの「アーリア人」は古代インドに住んでいた同じアーリア人であると主張する奇怪な新ナチズムの一種だ。

 この思想は、フランス生まれのナチススパイで、1951年にナチスの宣伝を繰り返し広めたためにドイツから追放されたサヴィトリ・デヴィ(Savitri Devi)によって創出された。デヴィの最も親しい友人であるナチスのパイロットであり、南米のファシストの武器商人として活動し、ドイツ政府をナチスの独裁政権に変えるために積極的に陰謀を巡らせていたハンス‐ウルリッヒ・ルーデル(Hans-Ulrich Rudel)を介してサヴィトリ・デヴィはDRPに参加した。

 ルーデルとデヴィは、新しい帝国を築くことに成功した場合、ヒトラーは再びヒンドゥー教の神カルキ(Kalki)として転生し、すべての劣等人種を浄化し、アーリア人を「ハイパーボレア(Hyperborea)」という楽園に導くと信じていた。しかし、このため、アルブレヒトのCDUはDRPをほぼ完全に吸収した。なぜなら、DRPがそのままであれば、彼らの選挙支持基盤を浸食する可能性があると懸念していたからだ。ナチスにおもねる戦略はうまく機能し、アルブレヒトのCDUは1976年から1990年までこの地域を連続して統治した。

 エルンスト権力を握ったとき、彼が統治を任せたエリートの一人は、名前をハンス・プフォーゲルという法学者の司法大臣だった。彼は再び、狂信的なナチス党員を一本釣りしたのだ。プフォーゲルは1934年にナチ党の準軍事組織であるシュトゥルムアバイティルング(Sturmabteilung)(SA)に加入し、1937年までにはドイツ国内のナチ党(NSDAP)の地域指導者となった。プフォーゲルは弁護士としての技術を活かして、ナチスの人種的敵対者の殲滅を正当化するのに協力した。彼の博士論文は、ナチスの「人種問題」を解決する方法として、すべての劣等人種の集団安楽死と不妊手術を認める内容だった。

 1978年に彼(のナチス経歴)が暴露された際、プフォーゲルは自身が「スチールヘルメット」という小さな右翼団体に所属し、その団体はナチ党に吸収されたと主張。自分はナチスの過去を持っていないと嘘をついた。2012年にニーダーザクセン州議会が公開した文書は、彼の言葉が嘘であることを証明した。プフォーゲルは自身の博士論文の内容から距離を置こうともまったくしないで、誰もが知っている限り、彼は熱心なナチス党員として墓に葬られた。一方、エルンスト・アルブレヒトはこれに触れることは一切なかった。第三帝国が存在しなかったかのように振る舞う戦略は、アルブレヒト自身が実質的な影響を何も被らなかったことで、再び上手く行った。

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ハンス・プフォーゲル(左から2番目)とアルブレヒト(中央)そして彼の閣僚たち、1977。[資料: ndr.de]

「個人の社会における価値は、その人の人種的な個性によって測られる。社会において存在の権利を持つのは、人種的に価値のある人物だけだ。その人が劣っているために社会に無用であり、あるいは有害である場合、その人は抹消されるべきだ」。 ハンス・プフォーゲル


 エルンストは単にナチスのために働いたり、彼の内閣をナチスで埋め、そしてナチスを彼の党に招き入れただけではない。彼はまた多くの時間をかけ、ナチス支持者を取り込んでいた。エルンストと彼の副大臣たちは、ニーダーザクセン州全域で行われるナチスの退役軍人のイベントに頻繁に出席した。

 アルブレヒトの次官であり、親友であり、ナチスの役人だったウィルフリード・ハッセルマンは、1978年に開催されたナイトクロス協会の晩餐会で基調講演を行ない、ヒトラーの帝国で最も悪質な殺人者たちを勇敢で名誉ある人々として称賛した。そして彼らの勇気は将来の世代にとって「ヨーロッパの価値観」に感銘を与えるものになるだろうと述べた。

 アルブレヒトとプフォーゲルは、セレ・ホール事件として知られる爆弾攻撃にも関与していた。1978年7月25日に、ドイツのセレの刑務所の壁に爆弾がさく裂した。爆弾は望んだ効果が得られず、刑務所に入ろうとした12人の集団は逃げざるを得なかった。犯人たちは逃亡したが、ゴムボートや、逃走用具、ワルサー拳銃、偽造パスポートなどが詰まった1台のメルセデス(車)が見つかり、その中には収監中の左翼過激派シグルド・デブースの写真のついた偽造パスポートもあった。後から、事件全体が赤軍派(RAF)の失敗した脱走計画のように見せかけようとデブースの牢獄に工具が仕掛けられたのだ。

 アルブレヒトは、その攻撃を成功した作戦として賞賛し、それが強盗と殺人を阻止したと主張した(これについての証拠は一切示さずに)。そして、この出来事はデブースや他の収監中のRAFメンバーの待遇を悪化させる正当な理由として使用された。RAFはハンガーストライキで対応し、結局、1981年、それがデブースの死につながった。

 しかし、この話の結末はまったく納得がゆかないものだった。RAFのメンバーは無実を主張し、弁護士や一般市民からの圧力が高まり、最終的に1986年に議会調査が行われ、脱走未遂も強盗も殺人もなかったこと、そしてこの一連の出来事がドイツ連邦警察とニーダーザクセン州警察によって計画され、エルンスト・アルブレヒトの承認を得た偽旗作戦であることが明らかになった。あろうことか、ニーダーザクセン州の警官が爆弾をさく裂させている。しかし、それにもかかわらず、アルブレヒトやその政府には何も起こらなかった。この厄介な出来事はあっと言う間に隠蔽され、デブースの死はアルブレヒト家の利益のために餓死した多くの人々の長いリストの中の1つに過ぎないものとなった。

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エルンストとウルズラ、1982。[資料: diepresse.com]

 エルンスト・アルブレヒトが自国に対してこのテロ攻撃を実行した理由は未だ明確ではない;が、彼がナチスへの共感を示していたことへの報復として、RAF(赤軍派)が彼の愛娘ウルズラを誘拐しようとしているという根強い噂と関連があるかもしれない。ウルズラがロンドン・スクール・オブ・エコノミクスに入学する際、彼女は自分の正体を隠すために「ローズ・ラドソン」という仮名を使った。その名前は無作為に選ばれたのではない。それは、むしろアルブレヒト家の「ヨーロッパの価値観」が世界に押し付けられた別の時代へつながる。


ディクシー・ローズ(アメリカ南部のバラ)

 「数年にわたり、黒人の宗教的および道徳的な指導は私にとって非常に興味深いテーマとなっており、私たちの彼らへの尽力(まだまだ多くのことが残っているが)が海外で誤解されているばかりでなく、正しく評価されていないと確信している。黒人を向上させることは、多くの人々(彼らを教育した経験がない人々)が認識している以上にはるかに骨の折れる課題だ。彼らは生来鈍感で、知力が低いのだが、一般的には優れた記憶力を持っている。そして、この慈善的な作業に従事してきた人々は、自分たちが頑張って与えようとした指示が、覚えてはくれるのだが、曲解され、あらぬ方向に向かってしまうことを嘆かざるを得なくなるのだ」。-ジェイムズ・H・ラドソン*( James H. Ladson), 『黒人への宗教的指導』
*1795年–1868年。サウスカロライナ州チャールストン出身のアメリカの農園主および実業家。彼はジェームズ・H・ラドソン&カンパニー(James H. Ladson & Co.)の所有者で、この主要なチャールストンの企業は米や綿の取引に従事し、200人以上の奴隷を所有していた。(ウィキペディア)

 ウルズラは、彼女の名前をサウスカロライナ州のラドソン家という彼女の家系の別の枝から選んだ。ラドソン家は奴隷商人、農園主、および分離主義者の家族だった。ラドソン家はアルブレヒトやフォン・デア・ライエンのような貴族の称号を持ってはいないものの、ヨーロッパの貴族階級と同様の特徴を備えていた。アルブレヒトの綿のビジネスは、アルブレヒト家をラドソン家と密接に接触させ、その関係は成長し、1902年にメアリー・ラドソン=ロバートソンがカール・アルブレヒトと結婚し、血縁によって2つの家族が結ばれた。

 アルブレヒト家の植民地とのつながりは、彼らがナチスと何の違和感も持たないことの説明になるかもしれない。ナチスとアメリカ奴隷制度の明白な類似点:①人種全体を奴隷化して経済的に搾取する、②大陸の植民地化、③人種の階層性、そして④産業規模での大量殺人。こういった類似点がある他、ナチスはアメリカの植民地制度を熱烈に賞賛していた。ナチスの人種制度は、具体的にアメリカ南部の人種制度が模範にすらなっていた。

 ラドソン家は、17世紀半ばにイングランドから移住してバルバドスで悪名高い道を歩み始めた。1679年、ジョン・ラドソンは新しいカロライナ植民地の最初の入植者の一人となり、チャールストンの外側にプランテーションを購入した。チャールストン市はそれ以来プランテーションを囲むように発展した。当時、バルバドスは奴隷貿易の主要な中継地であり、ここでラドソン家は初めて血と金(かね)のうま味を味わった。

 バルバドスは最初のイギリス植民地奴隷社会だった。この美しいカリブの島は、1630年からイギリスの支配下に入り、その天然資源を容赦なく搾取された。以前のスペインによる頻繁な奴隷襲撃、疫病、および集団虐殺政策により、先住民のアラワク族は絶滅し、島は奴隷が移り住むのに最適な場所になっていた。その温暖な気候と肥沃な土壌は、タバコとサトウキビを栽培するのにぴったりで、それらは後に蒸留してラム酒にされ、世界中で販売された。

 1636年までに、アフリカから島に連れてこられたすべてのアフリカ人とその子孫が、解放の手段がない永遠の動産とされる法律が実施された。1661年には奴隷法が強化され、すべての奴隷が不動産とみなされ、所有者の利益を生み出す唯一の目的のために生かされる存在とされた。奴隷は、第一に財産として考えられた。第二に人間として考えられたが、第一(財産)との間には千里の径庭があった。これらの規則は、奴隷の生命や尊厳を保護するためではなく、彼らを財産としての価値を守るために存在した。

 1630年から1807年までの期間に、約38万人のアフリカ人が自分の家から誘拐され、鎖に繋がれ、バルバドスに送られ、死ぬまで働かされた。そのうち数千人はラドソン家によって西半球中のプランテーションに売却され、その死と苦しみがラドソン家をとてつもなく裕福にした。

 バルバドスの奴隷たちは、ラドソン家のような奴隷所有者の手によって想像を絶する残忍な扱いを受けた。1705年から1735年までの間に、バルバドスに輸入された奴隷の数、そしてそこで生まれた奴隷を合わせて、おおよそ85,000人だった。しかし、島内の極端な死亡率のため、総人口はわずか4,000人しか増えなかった。

 奴隷の反乱や、キリスト教を受け入れないこと、または奴隷からの反抗行為は、他の奴隷たちに対する見せしめとして、有無を言わさぬ最大限の暴力で鎮圧された。この拷問と殺戮はあまりに普通のことだったので、ほとんどの場合は記録に残されなかった。しかし、残忍さについての直接証言の事例もある。その1つは、1654年のフランスの神父で伝道者であるアントワーヌ・ビエ神父の日記だ。

「彼らは自分の黒人奴隷に対して非常に厳しい仕打ちをする。日曜日にプランテーションの境界を越える者がいれば、棍棒で50回打たれる。これらの打撲傷はしばしば彼らをひどく傷つける。もし彼らが他の何らかのやや深刻な違反を犯すなら、際限なく打たれ、時には全身に火を当てられることもあり、それによって彼らは絶望の叫び声を上げる。私は、可哀想な黒人女性(おそらく35歳から40歳くらい)を見た。彼女の体は傷だらけで、それは彼女の主人が彼女に火を当てたことによるものだと彼女が言っていた。身の毛もよだつ話だった。これらのかわいそうな不幸な者たちは、与えられる食事が非常にひどかったので、時折、夜間に数人が脱走し、近隣の農園から豚などを盗みに行く。しかし、もし見つかってしまったら、許されることは絶対ない。ある日、私はアイルランド人を訪ねた。彼は豚を盗んだ哀れな黒人の一人を牢屋に入れていた。毎日、両手を鉄の枷で縛られたまま、監督は彼が血だらけになるまで他の黒人たちに鞭打たせた。監督は7、8日間このように扱った後、片方の耳を切り落とし、焼いてそれを本人に食べさせた」。

 それにもかかわらず、奴隷たちは抵抗した。抵抗行為は、個人的な場所で母国語を話すことから、労働中止、破壊行為、そして組織的な反乱に至るまでさまざまだった。残念ながら、イギリス当局は大規模で武装した警察力を維持し、バルバドスの森林はすべてサトウキビ畑のために伐採されていたため、反乱した奴隷たちはどこにも隠れ場所がなかった。反乱は常に鎮圧され、バルバドスの奴隷たちが解放されたのは1834年になってからのことだった。最初に「ヨーロッパの価値観」と接触してからほぼ200年経っていた。

 サウスカロライナ州で、ラドソン家は富と権力を集約し、最終的には州内で最も影響力のある家の一つとなった。金融や、政治、そして奴隷制などに深いつながりを持っていた。ヨーロッパの貴族と同様に、ラドソン家は他のエリート一家との婚姻関係を結ぶことで自分の一家を強化した。その多くは奴隷貿易に関与していた一家だった。彼らの祖先には、ジェームズ・ムーアという人物もいた。彼はカロライナ州の前知事で、4,000人以上の先住民アパラチー族を虐殺的な襲撃によって奴隷とし、その地位を獲得。最終的にはその部族を完全に絶滅させた。

 1790年代に、ラドソン家はワラッグ家との結婚を通じて奴隷貿易の最高層での地位を確立することができた。ジョセフ・ワラッグは最も多くの奴隷を取り引きする奴隷商人の一人であり、アメリカ大陸で最も裕福な人物の一人だった。彼は奴隷船の船長として出発し、十分なお金を稼いで、チャールストン近くの奴隷市場とプランテーションを購入することができた。1717年から1747年の間に、少なくとも1万人の人々がその住んでいた家から誘拐され、鎖につながれ、「ギニア人」と呼ばれた奴隷船の暗く、過密な船倉に押し込められた。そしてワラッグバラ(サウスカロライナ)にあるワラッグ埠頭でジョセフ・ワラッグ会社によって彼らは動産として売却された。

 イギリスからアフリカへ、アメリカへ、そしてイギリスへと戻る三角貿易として知られる過程で、推定200万人の奴隷が命を落とした。奴隷はまず財産とみなされており、たとえ殺すことになっても、利益を最大化するため、何でもやってのけた。空間を最大限効率的に活用するため、奴隷はできる限り密集して詰め込まれ、しばしば恐ろしい病気の発生や窒息につながることもあった。

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[資料: twitter.com]

私が目にした驚愕の光景を口にし、こんな船は人間を運ぶものじゃない、と非難したが、アフリカの海岸で長い時を過ごし、多くの船を訪れたことのある友人たちは、これが、彼らが見た中ではいちばん真っ当な船の一つだと教えてくれた。デッキ間の高さは時々わずか18インチしかなく、不幸な人々は回転したり、横になったりすることができず、その高さは彼らの肩幅よりも小さいのだ。そして、ここでは通常、首と足が鎖でデッキに繋がれている。このような場所では、苦しみ感と窒息感が強くなりすぎ、黒人奴隷たちはカルカッタのブラックホール*でのイギリス人のように狂乱に陥る。彼らはある時、ボニー川で奴隷船を捕まえた。奴隷たちはデッキ間の狭い空間に詰め込まれ、鎖でつながれていた。彼らは恐ろしい騒音と騒動を聞いて、それが何の原因から生じたのか想像することができなかった。彼らはハッチを開け、奴隷たちをデッキに上げた。彼らは2人、3人と手錠をかけられていた。彼らの多くは口から泡を吹き、最後の苦しみを味わっていた。生きている人が引きずり上げられ、その仲間が死体になっていることもあった。同じ鎖につながれた3人のうち、1人が瀕死の状態で、もう1人が死んでいることもあった。彼らが聞いた騒動は、息も絶え絶えの惨めな者たちが、怒りと絶望の最終段階で、なんとか脱出しようともがく狂乱の声だった。全員が引きずり上げられたとき、19人が回復不能なまま死んでいた。息をする場所を確保しようと、多くの者が互いに殺しあった。男たちは隣の者の首を絞め、女たちは互いの脳に釘を打ち込んだ。多くの不幸な人間たちが初めて手にした機会で船から飛び降り、その耐え難い人生から解放されるケースもあった。
*フォートウィリアム(カルカッタ)の地下牢で、1756年6月20日の夜、ベンガルのナワーブ、シラージュッダウラの兵士たちがイギリスの戦争捕虜を収容した場所で、その寸法は14フィート×18フィート(約4.3メートル×5.5メートル)しかなかった。(ウィキペディア)

1828年および1829年のブラジルに関するロバート・ウォルシュ師の通知文


 ラドソン家はまた、その被害者に対して「ヨーロッパの価値観」を押し付けることにも積極的だった。特に、ジェームズ・H・ラドソン(この家族には複数のジェームズ・ヘンリー・ラドソンがいたが、区別するための接尾辞がだれにも与えられていなかった。ここでは明確にするためにこの人物をジェームズ・H・ラドソンと呼ぶ)は、自身のプランテーションの一つに巨大な礼拝堂を建て、強制的な改宗を通じて奴隷たちに「ヨーロッパの価値観」を押し付けることで知られていた。これは南部に特有のもので、彼らの白人優越主義は家族的な性格を持っていた。奴隷所有者たちは自分たちを、金儲けのために苛酷に扱っているだけなのに、野蛮な黒人に「文明」をもたらす高潔で慈悲深い人間だと考えた。文明とは、「血と土」と「ヨーロッパの価値観」と同様に、単なる血なまぐさい婉曲表現に過ぎなかったのだ。

 実際、地元の新聞は彼を「古いカロライナの紳士の優れた例で、性格が純粋で、りっぱな取引を行ない、長年にわたりジェームズ・H・ラドソン&Co.の長であり、現在はW.C. Bee&Co.の代表である」と評した。「この会社は米と綿の仲介業務を幅広くかつ利益の上がるものとして行なっていた。彼はまた銀行の取締役でもあり、彼の生涯の大部分で、私たちの都市のセント・マイケルズ・エピスコパル教会の主要なメンバーで、キリスト教の美徳と積極的な慈善事業において抜きん出た人物だった」。

 この南部の立派な紳士は、「州の権利」の大義の猛烈な信者でもあった。「州の権利」とは、別の血生臭い婉曲表現でもある。この大義のためには、ラドソン家は人殺しも辞さなかった。実際の「州の権利」の真実は、ラドソン自身の行動によって明らかにされた:彼は南部連邦の大義のために骨身惜しまず働いた。そしてそれは自分の経済的利益を守るためであることは火を見るよりも明らかだった。

 総じて、ジェームズ・H・ラドソンの経済的利益のために、彼自身の息子を含む62万人の人々が死亡し、さらに100万人が負傷し、その多くが生涯不具となった。それに対して、彼は何の影響も受けることなく、奴隷と兵士の血と苦しみによって得たすべての富と名誉を保持し続けた。


どんなバラにも棘がある

「彼女はヨーロッパの深淵な文化を持っており、ブリュッセルで生まれ、ブリュッセルの官僚の娘ですので、彼女には(ヨーロッパ)連合のDNAがあると言えます」 - エマニュエル・マクロン


 ウルズラ・フォン・デア・ライエンの家族の財産と権力がどこから来たのか、そしてそれを得るために彼らが何をしたのかを尋ねることは何ら不当ではない。特に、ウルズラ自身が家族の富とその社会的関係を大いに利用して自身の立身出世を成し遂げていったことを考えればそうだ。彼女の経歴だけを見ても、汚職や、深刻な醜聞、無能、そしておそらくは完全な裏切りの例として独立して成り立つ可能性がある。彼女が政治家として振舞った時期だけを見ても、ウルズラのリンゴがアルブレヒト家の木からさほど遠く離れたところから落ちたわけではないことを示している。(訳注:ウルズラ・フォン・デア・ライエンのいろいろな政治的思惑は、アルブレヒト家がその背景にある、との意)

 ウルズラは2003年に政界入りした。この年、彼女はハノーファー地域選挙予備選でCDUの重要メンバーであるルッツ・フォン・デア・ハイデに技術的な理由で敗北した。これはウルズラの父であるエルンストにとって許容できないことであり、彼は以前の副官であるヴィルフリート・ハッセルマンと共に全面的攻撃を仕掛けた。ハッセルマンはかつてヴェアマハト(ナチス・ドイツの軍隊)の砲兵将校でもあった。

 二人は、ウルズラの選挙運動を行ない、同時に彼女の対抗候補を中傷した。当時、ウルズラは極右タブロイド紙「Bild」に長らく連載を持っていた。これは元ナチ党宣伝担当者CIAのスパイだったアクセル・シュプリンガーによって設立された新聞で、ドイツ法に違反したとして何度も制裁を受けたことがある。このことを通じて、彼女はフォン・デア・ハイデに対する攻撃を効果的に広めることができた。やがて、ドイツ全土が小さな地方選挙の予備選に関する最新の醜聞について読むようになった。

 選挙戦は決定的で、投票の第2局面でウルズラは2/3の多数票で勝利した。それは無風区だったため、ウルズラはCDUの新しい候補として簡単に選出された。これを考えると、ウルズラ・フォン・デア・ライエンと彼女の父の遺産(的影響力)を分けることは不可能だ。

 2年後、ほとんど政治経験がないにもかかわらず、アンゲラ・メルケルによって労働と家族の事務大臣として一本釣りされた。この役割で、彼女は主に視覚障害者向けの社会サービスを削減し、ヘビーメタルのアルバムを禁止しようとしたことで知られている。こんな経歴を積み上げてもさらなる昇進を正当化するとも思われない。

 それにもかかわらず、彼女は2013年に国防大臣に昇進し、これは野党を驚かせる動きだった。ここで、ウルズラ・フォン・デア・ライエンの「ヨーロッパの価値観」が再び形を現し始めた。

 ウルズラの使命は、ドイツ連邦軍(Bundeswehr)の拡大と戦闘態勢の向上であり、彼女はその仕事に熱意をもって取り組んだ。彼女は戦争を声高に主張し続け、ドイツ軍は、彼女がその日に思いついた新たな敵に対抗するには小さすぎて準備が不足しているとの意見を述べた。アフガニスタンや、イラン、中国、ロシア、シリアなど、どの国であっても、ウルズラは一貫してより多くの武器、より多くの戦争、そしてより多くの資金を提唱した。ウルズラはさらに、ドイツ連邦軍の隊列を強化するためにドイツ外人部隊を提案したこともあったが、この提案はあらゆる陣営から恐怖心と非難を持って受け止められた。

 あれよ、あれよという間に、彼女は国防省が外部の支援を必要としていると語り、新自由主義政治クラスのお気に入りで、最も犯罪的なコンサルタント会社のひとつ、CIAとつながりのあるマッキンゼー社を雇った。かつてはスーザン・ライス(Susan Rice)や、チェルシー・クリントン(Chelsea Clinton)、ピート・ブティジェッジ(Pete Buttigieg)といった華々しい人物、そして、疑わしい性格を持った政治家や実業界の重鎮たちが在籍していた会社だ。マッキンゼー社の触手は、世界中の政府や企業にまで伸び、政府、情報機関、大手企業の間の「回転扉」の代表的なものとなっている。

 マッキンゼー社は単なるコンサルティング以上のものだった:マッキンゼー社は国防省を直接的に支配し、コンサルタントのカトリン・ズーダー(Katrin Suder) は国防省内で新たな職位を授与され、武器部門の「改革」を担当した。ウルズラはマッキンゼー社やその他の企業に「コンサルティング」サービスとして約5億ユーロを投入したが、その見返りは完全にゼロだった。選挙で選ばれたわけでもないズーダーは、ウルズラの隣に頻繁にいたため、野党は彼女がウルズラの新しいボディーガードであると冗談を言った。

 この厚かましい汚職事件は「コンサルタント事件」として知られ、その重大さから、左派、右派両方の野党からの質問要求につながり、ウルズラ・フォン・デア・ライエンに対する圧力が高まった。ウルズラは主に質問に答えず、情報提供を拒否することで対応し、最終的には議会に呼び出される前に彼女の不正行為の証拠を隠滅した。証拠がなかったため、調査は失敗に終わった。この事件で、カトリン・ズーダーはウルズラ・フォン・デア・ライエンから連邦軍十字章を授与された。

 このスキャンダルは非常に深刻で、あまりにも厚かましく、不可解極まりないものだった。そこで野党の社会民主党は、ウルズラ・フォン・デア・ライエンを反逆罪で公然と告発し、ドイツの利益ではなくアメリカ政府の利益に従事していると非難した。

フォン・デア・ライエンは連邦国防大臣として、アメリカ大統領の要望に従い、軍事支出の増加を求めた。軍縮ではなく、軍事予算のますます増額と軍備のますますの増強だった。そして、この大臣はコンサルティング企業への高額支出やさまざまな人事決定によりトラブルに巻き込まれ、模範とは程遠い存在だったが、彼女はEU委員会の委員長に就任した。EU委員長は要となる役職であり、アメリカにとっても重要なのだ。

フォン・デア・ライエンの任命は静かに幕裏で行われた。良識ある人であれば、だれ一人、なぜ彼女にこの重要な役職が与えられたのか説明できない。一部の説明として、彼女は東欧の重要な国々の支持を受けていたということが挙げられる。アメリカ合衆国はこれらの国々に大きな影響力を持っているのだ。

最初の重要な危機的な場面で、フォン・デア・ライエンは、即座かつ明確に、イランそのものが中東での対立とイラン将軍の処刑に責任があるというアメリカの立場を表明した。彼女と共に、アメリカが他の出来事についても権利を主張でき、EU内部構造を形成する際に鍵となる役割を果たすことがたぶんできる、ということなのだろう。

―アルブレヒト・ミューラー(Albrecht Müller)、ドイツ社会民主党(SPD)議員。 2021年1月2日


 ウルズラのドイツ連邦軍は、寄生的なコンサルタント階級のための資金調達策謀に過ぎなかったわけではなかった。それはまた、彼女の父が一生をかけて促進した同じ邪悪なイデオロギーの温床でもあったのだ。フォン・デア・ライエン指揮下、ドイツ連邦軍の幹部クラスで極右派やネオナチの共鳴者が急増した。

 ドイツ連邦軍内外からの繰り返しの警告にもかかわらず、フォン・デア・ライエンは実質的に何も行なわなかった。彼女が雇用したマッキンゼー社コンサルタントは軍隊向けの感受性トレーニングコースを作成し、ウルズラは軍の基地を常時公開したが、問題はますます悪化し続けた。最終的に、2018年には、エリートの「特殊戦団」Kommando Spezialkräfte(KSK)特殊部隊から、ドイツの政治家を暗殺し、ドイツ政府を転覆させるための陰謀が発覚した。

 さらなる調査(2019年)により、この特殊部隊はネオナチ公然組織にまとわりつかれているだけでなく、少なくとも3年以上にわたりドイツ政府を転覆しようと積極的に計画していたことが明らかになった。さらに、繰り返し警告を受けながらも、ウルズラ・フォン・デア・ライエンと彼女の雇用したコンサルタント団は、最良の場合何もしなかったか、最悪の場合問題を積極的に悪化させていた可能性がある。

 ある強制捜索で兵器、爆発物、およびナチ記念品の隠し場所がわかった。さらなる監査により、4.8万発の弾薬と約135ポンドのプラスチック爆薬が責任の所在が不明であることが明らかになった。多くのドイツの政治家たちは、どれだけのテロリスト組織がドイツ連邦軍内に存在するのか疑問に思ったままだった。失われた弾薬と爆発物は今も見つかっておらず、結局、国防省はKSKを完全に解散せざるを得なかった。

 それにもかかわらず、ウルズラはNATOの事務総長としてヤンズ・ストルテンベルクの後任としての有力候補と見なされた。ナチスとの同盟の歴史を考えると、彼女の極右とのつながりが無視されたか、それを彼女の利点として数えられたこと―こちらの可能性の方が高いが―は驚きでも何でもないだろう。

 ウルズラが(NATO委員長として)選ばれなかった理由は、彼女が再び昇進の機会を逃したことと、欧州委員会の委員長に選ばれていたことだ。彼女は、自身の政党と野党の両方からほぼ一斉に非難されたにもかかわらず、欧州委員会の委員長に接戦で選出された。フォン・デア・ライエンの上司であり親友でもあるアンゲラ・メルケルは、ウルズラを候補にすらしないドイツ議会の拒否により投票を棄権しなければならなかった。

 しかし、この動きはエマニュエル・マクロンなどの外国の政治家からは歓迎された。彼は笑止千万の声明を出した。「私は、彼女のすぐれた問題処理能力と、特定の利益に囚われない公正な能力を見させていただいた」と述べたのだ。ウルズラは数か月前に外国の特定の利益に完全に従属していると非難されたばかりだった。また、ブルームバーグ紙は、彼女が自分の友人たちのために新しい内閣職をほぼ5年間作り続け、第二の「ミュンヘン一揆」を積極的に起こすことはないにせよ、よく言ってもそれに気づかないふりをしていたこの女性を、「頑強で見通しを持った改革者」と呼んだ。

 ウルズラはこの職を務めた最初の女性であり、ナチスと何らかの関りがある2人目の人物となった:かつてのヴェーアマハト(国防軍)の砲兵士官であり、ナチス法の教授だったヴァルター・ハルシュタインは、若い頃からニュルンベルク人種法美点主張して政治の道を歩み始め、「ヨーロッパの価値観」に生涯にわたって関りを持った。

 ブリュッセルでの新しい活動の場から、ウルズラ・フォン・デア・ライエンの「ヨーロッパの価値観」が世界中に広まった。ウクライナでの戦争勃発後、ウルズラは、より多くの戦争より多くの制裁、そしてより多くの武器を支持する最も力強く、不動の提唱者としてニュースを席巻した。

 ウルズラはウクライナにまで足を運び、最近奪還されたブチャでの有名なシャッターチャンス撮影をした。そこで虐殺の犠牲者たちにワニの涙を流したのだ。その虐殺はロシア軍が自分たちの陣地を砲撃して起こされたと信じさせようとしているが、実際はおそらくウクライナ軍砲兵によって引き起こされたものだった。

 実際には、ウルズラにはこの地域にも家族のつながりがある。ウクライナに最後に「フォン・デア・ライエン」の名前が登場したのは、ウルズラの遠い親戚であるヨアヒムがナチス・ガリシアのゴーティエ*として「ヨーロッパの価値観」をウクライナにもたらしたときだった。ナチスが「ラインハルト作戦」と呼んだこの地域は、ウクライナの民族主義者たちがナチス政権の処刑者として奉仕し、その後アメリカとNATOの努力によって罰せられることなく逃れることができたため、「ユダヤ人がいない」地域となった。
*レオン・ゴーティエは1915年2月1日にブールジュで生まれた。彼は古典を学び、歴史の教授になった。ゴーティエはWaffen-SSでUntersturmführerの階級でドイツのために戦った。彼は1944年秋に東部戦線でフランスの部隊を指揮し、ガリシアで重傷を負った。彼は1946年に強制労働刑にされ、1948年6月2日に釈放され、最終的には広告代理店のHavasで働いた。(ウィキペディア)

 今度は、ヨアヒムの子孫が再び国粋主義者たちと共に立ち、ウクライナと世界の人々に死と破壊をもたらしている。ウルズラ・フォン・デア・ライエンの「ヨーロッパの価値観」のために、まだどれだけ多くの人が犠牲にならなければならないのだろうか?

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この記事の著者エヴァン・ライフは、南ダコタ州西部の小さな鉱山町で、鉱夫と司書の子として生まれました。彼の父親が労働組合の組織者としての苦労や、コミュニティが産業の衰退と闘う姿は、エヴァンの左派政治への深い興味を育みました。これに加えて、彼の歴史への愛情が、彼を堅固な反ファシストとして育てました。執筆や研究、仕事以外の時間には、エヴァンは釣り、射撃、中国料理を楽しんでいます。エヴァンにはwharghoul@gmail.comで連絡が取れます。

中国がアメリカを追い越す― NATO加盟国ハンガリー首相の主張

<記事原文 寺島先生推薦>
China overtaking US – NATO member’s PM
出典:RT   2023年7月22日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年7月30日



ファイル写真 © Global Look Press / ゲンター・フィッシャー


世界の勢力均衡は変わりつつあり、ワシントンはその覇権が終わりつつあることを受け入れなければならない、とヴィクトール・オルバン首相は語った。

 世界はここ数十年で最大の勢力転換に直面しており、アメリカはその主導的地位を中国に奪われようとしている、とハンガリーのヴィクトール・オルバン首相は土曜日(7月22日)に述べた。

 米国が永遠に「勝者」ではあり得ないことを受け入れない限り、それはワシントンと北京の間に大きな対立をもたらす可能性がある、とオルバン首相は警告した。

 「(中国)は製造大国となり、今やアメリカを追い越そうとしている」と、オルバン首相はルーマニアの東部トランシルヴァニア地方にあるバイレ・トゥスナドという町での年次演説で語った。

 ハンガリーの首相は、中国はわずか30年で、西洋が3世紀かけて成し遂げた産業革命を成し遂げたと述べ、アメリカは世界唯一の超大国としての地位に「さよなら」を告げようとしていると付け加えた。

 北京はまた、ワシントンが普遍的なものとして描こうとしている価値観に挑んでいる、とオルバン首相は語った。同首相は、中国はアメリカの価値観を 「敵対的イデオロギー」 とみなしているとし、「その考えには一理ある」とも述べた。



 <関連記事>アメリカはウクライナ紛争を即座に止めることができるはずだ --- ハンガリー

 このような展開は、いつまでも「世界の頂点に立ち続けたい」ワシントンと相容れないことは間違いない、とオルバン首相は警告した。彼は、既存の覇権に挑戦しようとする試みは、人類の歴史上、何度も大きな紛争を引き起こしてきたと語った。そして、「永遠の勝者と永遠の敗者は存在しない」と付け加えた。

 2つの大国の衝突はあり得るが、避けられないものではない、とハンガリーの首相は考えている。世界は新たな均衡を見つける必要があり、対立する2つの当事者はお互いを対等な存在として認めるべきだと彼は言う。主要国は、「今日、アメリカの支配の代わりに、空に2つの太陽があることを受け入れなければならない」とオルバン首相は付け加えた。

 彼はまた、ヨーロッパの将来について厳しい見通しを示し、世界経済における支配的な地位を失おうとしている、と述べた。オルバン首相は、このような事態を招いたのは西側の反ロシア政策だと非難した。EUはすでに「豊かだが、弱い」状態にあり、ロシアへの制裁を断行した結果、競争上の優位性をさらに失うことになると付け加えた。



 <関連記事>弱い国家は滅びる --- オルバン

 様々な制裁によってロシアを世界経済から切り離すことができるという考えは「幻想」だと彼は警告した。EUはすでにその誤った決断の結果を目の当たりにしている、とオルバン首相は言い、「他国が我々の代わりにロシアのエネルギーを購入し、我々はかつてないほど多くのエネルギー代を払っている」と付け加えた。

 オルバン首相によれば、イギリスとイタリアは世界の経済トップ10から脱落し、ドイツは現在の4位から10位に転落するという。制裁に関するあらゆる美辞麗句にもかかわらず、ヨーロッパ経済のかなりの部分は依然としてロシアとつながっている、と彼は述べた。

 モスクワとキエフの対立が続く中、ハンガリーは西側の政策に対する主要な批判者の一人として浮上している。ブダペストはウクライナの停戦と和平交渉を繰り返し要求し、EUがキエフに武器を送っていることを批判してきた。6月、オルバン首相はドイツのタブロイド紙『ビルト』に対し、戦場でのウクライナの勝利は 「不可能」 だと語った。ハンガリーはまた、反ロシア制裁はロシアを傷つける以上にヨーロッパを傷つけていると主張している。

プーチン大統領、ウクライナとベラルーシに対するポーランドの意図を警告

<記事原文 寺島先生推薦>
Putin warns of Poland’s intentions in Ukraine and Belarus
出典:RT   2023年7月21日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>   2023年7月30日



ロシアのウラジーミル・プーチン大統領© Alexander Kazakov ; RIAノーボスチ


ポーランド政府はウクライナ西部の制圧を目指しているとロシア大統領が主張

 ポーランドの支配者層は、NATOの支援のもとの連合を結成してウクライナへの介入を計画しているが、その目的は、ウクライナ西部の一部だけではなく、おそらくはベラルーシをも占領しようというものだ、とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は金曜日(7月21日)、主張した。

 プーチン大統領はロシア安全保障理事会の常任理事国との会合で、キエフ当局は自国民を売り渡したり、ウクライナ領土を「外国の所有者」に引き渡したりするなど、権力を維持するためならどんな手段も厭わない、と述べた。

 ロシア大統領によれば、その第一候補はポーランドだろうとし、同大統領は「ポーランドはおそらく『NATOの傘』の下で何らかの連合を結成し、その後ウクライナ紛争に直接介入しようとするでしょう。その目的はウクライナからより広大な領土を『引き離す』ことにあります。それは、ポーランドからみれば歴史的には自国領だと考えられている領土を取り返すということです。それが、今日のウクライナ西部です」と述べた。

 金曜日の会談中、ロシア対外情報局(SVR)のセルゲイ・ナルイシキン長官も、ポーランド政府がポーランド・リトアニア・ウクライナの安全保障構想の一環として、同地域に独自の軍隊を派遣してウクライナ西部領土を占領することを検討していると主張した。

 ナルイシキン長官によれば、ポーランド当局者らは、ウクライナ側に送られた西側の軍事援助の額に関わらず、「ウクライナの敗北問題は時間の問題だ」という認識を徐々に持ち始めている、という。



 関連記事:ポーランド、ベラルーシ国境に軍隊を配備

 SVRの報告書について発言したプーチン大統領は、そのような連合の真の目的はウクライナ領土を占領することだけである、と示唆した。「見通しは明らかです。もしポーランド軍部隊が例えばリヴォフやウクライナの他の領土に入ったとすれば、その部隊はそのままそこに駐留するでしょう。その後も永遠にそこに駐留するでしょう。」

 プーチン大統領はまた、ポーランド政府がベラルーシ領土の一部の領有権も主張することを「夢見ている」のは「よく知られている」と述べた。

 しかし、ロシアの指導者であるプーチン大統領は、ウクライナには自国の領土を望むだけ売却する権利があるが、ロシアの連合国であるベラルーシに関しては、その一部に対するいかなる侵略もロシアに対する侵略を意味する、と警告した。

 プーチン大統領は「我が国はあらゆる手段を使ってこの動きに対応します」と述べた。

ストックホルムでのコーラン冒涜事件を理由に、スウェーデン大使がバグダッドから追放される

<記事原文 寺島先生推薦>
Western diplomat expelled over Quran desecration
出典:RT   2023円7月21日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年7月29日



2023年7月20日、ストックホルムのイラク大使館前で警察に護送される抗議者のサルワン・モミカ容疑者© Caisa Rasmussen / TT via AP


今週、バグダッドのストックホルム大使館も抗議者らに襲撃された。

 イラク政府は、スウェーデン大使をバグダッドから追放し、ストックホルム駐在の全権大使にイラクへの帰国を命じた。この措置は、スウェーデン政府が、イラク大使館前での活動家らの抗議活動を黙認したことに対する怒りを表明するものだった。この抗議活動の際、これらの活動家は、コーランの写本を踏みつけ、蹴るなどの行為を行っていた。

 イラクのモハメド・シア・アル・スダニ首相府は木曜日(7月20日)の午後、この決定を発表し、この決定を下した理由は、スウェーデンが「聖コーランの焼却を繰り返し許可した」ことに加え、「イスラムの神聖性に対する侮辱と、イラク国旗の焼却を許した」ためだ、とした。

 アル・スダニ首相は外務省に対し「イラク臨時代理大使をストックホルムのイラク共和国大使館から帰国させる」よう指示し、また「バグダッド駐在のスウェーデン大使にイラク領土から離れるよう指示した」という声明を、バシム・アラワディ政府報道官が出した。



 関連記事:コーランを燃やすという侮辱行為を行ったことへの抗議活動として、NATO加盟を申請中のスウェーデン大使館が放火される

 この大使追放劇は、両国間で外交上の問題が生じている最中に起こったものだ。その問題とは、先月ストックホルムで起こった、イラク国籍を持つ男性が、イスラム教の聖典に火をつけることを警察が黙認した事件に端を発する。また、イラク大使館前で行われた集会において見られた同じような行為も許されていたことを受けてのものだ。

 木曜日には大使館で小規模な抗議活動がおこなわれたが、AP通信によると、デモ参加者はコーランを燃やす寸前でその行為を中止したが、代わりにコーランを踏みつける場面が見られたという。イラクの国旗やイスラム教の有力聖職者ムクタダ・アル・サドル師の写真も地面に投げつけられたり、蹴られたりした。

 今週初め、未遂に終わったコーランを燃やす行為に怒ったイラク人がバグダッドのスウェーデン大使館に向かって行進し、建物を破壊して放火した。この事件で外交職員に被害はなかったが、スウェーデンのトビアス・ビルストローム外相はイラク政府が施設の保護を怠ったと批判した。



 関連記事:スウェーデン警察、聖書を燃やす抗議活動を黙認

 イラク当局はその後、スウェーデン大使館を襲撃した人々を非難し、大使館を警備することを誓ったが、「スウェーデンの地で聖コーランを燃やす事件が再発すれば、外交関係断絶は避けられなくなる」と語気を強めた。

 木曜日のストックホルムでの抗議活動直後、バグダッドのメディア・通信委員会は、スウェーデンの大手通信会社エリクソンの営業許可を停止したと発表し、他のスウェーデン諸企業との関係も断つ、と明言した。

NHS(英国国民保健サービス)の離職者数が「記録的数値」になったとの報道

<記事原文 寺島先生推薦>
NHS employees quitting in ‘record’ numbers – media
Nearly 170,000 healthcare professionals left their jobs in England last year, The Observer reports
英国では昨年、17万人近くの医療従事者が離職したとオブザーバー紙が報じた。
出典:RT   2023年7月2日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年7月22日



ロイヤル・ロンドン病院外の救急車、2023年1月29日© Justin Tallis / AFP


 オブザーバー紙は土曜日(7月1日)、2010年以来収集された職場統計の分析を引用して、昨年のNHSイングランド労働者の離職は少なくともここ10年で最高になったと報じた。

 2022年には病院や地域医療事業で4万1000人以上の看護師を含む17万人近くの従業員が離職したが、前年は約15万人だった。

 オブザーバー紙によると、離職には医師や救急隊員から管理職や技術職員に至るまで、あらゆる職業が含まれているという。

 新型コロナウイルス感染症の大流行からまだ立ち直り切れていない医療業界では、しばらくの間従業員の離職が続いており、離職理由として「職場で感じる圧力」、燃え尽き症候群、困難な労働環境、全体的な人材不足に対処しなければならないことを挙げている人もいる。



 関連記事:英国史上最大規模の医療ストライキが始まる

 英国の医療事業は10年以上にわたって低下しているが、それは2010年に政府がNHS予算を抑制したことによる。英国医師協会(BMA)によると、現在742万人が治療を待っており、そのうち37万2000人以上が1年以上待っているという。これらの治療待ちの人々の存在により、将来的には状況が悪化する可能性が高く、医療事業への需要の増大につながる可能性がある。

 リシ・スナク首相は最近、NHSの人員配置危機に対処するための24億ポンド(4200億円)の計画を発表したが、これには医学生のための大学の定員の増加や新たな実習計画が含まれる。当局によると、一部の地域では治療待ちの人々が徐々に少なくなり、ある程度の進展が見られたという。

 NHSイングランドのアマンダ・プリチャード最高責任者は5月、「やるべきことはまだたくさんあるが、NHSが取り組まなければならなかったすべてのことを考えると、これらの進展は注目に値する成果だ」と述べた。

コソボ首相はセルビア人に対する新たな攻撃を計画中 – セルビアのヴチッチ大統領

<記事原文 寺島先生推薦>
Kosovo PM planning new attack on Serbs – Vucic
出典:RT 2023年7月2日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年7月22日



2023年6月21日、セルビアのベオグラードでの記者会見で話すセルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領。AFP/オリバー・ブニック


コソボのアルビン・クルティ首相が、自分自身を「新しいゼレンスキー」だと考えている、とセルビア大統領は語った


 コソボのアルビン・クルティ首相は、ウクライナにおけるキエフ軍の新たな反撃に合わせて、同州の少数民族セルビア人に対する攻撃を開始する準備を進めていると、セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領が日曜日(7月2日)に警告した。

 「クルティはただ新しいゼレンスキーになりたいだけだ。ウクライナの攻撃が始まると、コソボ共和国でもクルティ首相によるさらなる攻撃が起こるだろう。コソボ共和国の人々にお願いしたいのは、念の為、しばらくの間避難することだ。この恐怖がさらに激しくなるのではないか、心配だ」とヴチッチ大統領は記者団に語った。

 コソボでは4月から緊張が高まっている。それは、同州北部のセルビア人が過半数を占める4つの町でアルバニア人の市長が選出されたのだが、その投票にセルビア人が参加しなかった事件があったからだ。これらの市長たちは投票率が4%以下の市長選で勝利したにもかかわらず、クルティ首相はNATO軍の支援を受けて警察と特殊部隊を派遣して、5月にこれらの市長を就任させた。これに対して暴動が勃発し、一度の乱闘でセルビア人のデモ参加者約50名とNATO職員25名が負傷した。

 米国やEUの支持者らからの非難や制裁の脅しにも関わらず、クルティ首相はアルバニア人特殊部隊をコソボ北部に派遣し、十数人のセルビア人を拘束した。一方セルビア当局は、コソボとの国境のセルビア側でコソボ特殊部隊の隊員数名を逮捕した。



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 その後セルビア政府は、拘束したアルバニア人を解放したが、コソボ側は、逮捕したセルビア人を解放していない。ヴチッチ氏はクルティ首相に、彼らだけでなく、過去2年間に拘留されている約100人の釈放も要求している。

 ヴチッチ氏は日曜(7月2日)、「アルビン・クルティ首相の完全に非合理的で反セルビア的な動きを恐れている。このようなことが起こらないように全力を尽くす。ただし、セルビア人民を虐殺の犠牲者にする気はない」と語った。

 セルビア軍参謀総長ミラン・モジシロビッチ将軍は先月、クルティアが指揮するコソボ軍によるセルビア人住民への攻撃を阻止するようNATOに呼び掛けた。モジシロビッチ将軍は、西側諸国が「セルビア人とその生存権を守る」ことに失敗した場合、セルビア軍は「その任務を最大限に遂行する」と警告した。

 NATOは、アルバニア民族分離主義者のためにセルビアに対して78日間の空戦を行った後、1999年にコソボを占領した。国連安全保障理事会決議1244はセルビアの領土一体性を確認したが、コソボの臨時政府は2008年に独立を宣言した。セルビアによる離脱承認拒否は、ロシア、中国、インドを含む世界の約半数の国々から支持されている。

フィンランド経済相、アフリカ女性に対して「温暖化阻止のために堕胎を」と呼びかけた演説で辞任

<記事原文 寺島先生推薦>
Finnish economic minister resigns over ‘climate abortions’ speech
Vilhelm Junnila said he was stepping down to spare the country’s reputation after half a dozen scandals surfaced in just one week
ヴィルヘルム・ジュニラは、わずか1週間で半ダースのスキャンダルが浮上した後、国の評判を守るために退任すると述べた。
出典:RT  2023年7月1日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年7月19日


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© AFP / Eeva Maria Brotherus


 フィンランドの経済問題大臣であるヴィルヘルム・ジュニラは、新人議員として行った演説が再び浮上したことを受けて、金曜日(6月30日)、辞任した。その演説で、彼は地球を救うためにアフリカの女性に対して「気候中絶(温暖化阻止のための堕胎)」をフィンランドが後援することを提案していた。

 「フィンランドが気候中絶を推進してその責任を担うことは正当なことでしょう」とフィンランド党の政治家(ヴィルヘルム・ジュニラ)は、2019年に述べていた。「気候中絶は人類にとっては小さな一歩ですが、人類にとっては巨大な飛躍となるでしょう」なる冗談めいた言葉も交えて。この党は、気候変動と闘うためにフィンランド人は生活様式を大幅に変えなければならない、という考えに反対し、他のヨーロッパ諸国よりその汚染度ははるかに少ないという考えを打ち出している。

 キリスト教民主党の国会議員であるパイヴィ・ラサネン(Paivi Rasanen)は、ジュニラが「人種差別関連」の外に身を置いているとしても、「エコ・ファシスト」の概念を推進していると非難した。彼女は与党の連立相手に対して、エコ・ファシズムも「過激派の運動」であることを思い出させた。

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 関連記事:NATO加盟国、ロシア支援削減でアフリカ支援削減を示唆

 フィンランドの大統領サウリ・ニーニスト(Sauli Niinisto)はこの状況を「たいへんな戸惑いを覚える」と表現した。一方、連立内のもう一人のパートナーであるスウェーデン人民党の党首であるアンナ・マジャ・ヘンリクソン(Anna-Maja Henriksson)は、ジュニラが辞任したことを「賢明な決断」だと称賛した。

 ジュニラは、フィンランドの評判を守るために辞任したと説明した。そして非難の数が増えているにもかかわらず、「党と私が所属する会派の信頼」を保持していると主張した。金曜日(6月30日)の早い段階で、フィンランド国営放送(Yle)は、彼は大学で政治学を学んだと言っているが、その授業を一度も受けていないことを報じた。また、彼のウェブサイトや選挙資料に掲載されている、政界に入る前にポーランドの技術系企業を創設して売却したという主張にも事実的な根拠は見つからなかった、とも。

 ジュニラが先週火曜日(6月27日)に今の職に就任した直後、一人の研究者が「フィンランドのネオナチ人名録」と評した極右団体が主催した2019年のイベントに彼が出席した、とEuronewsは報じた。その後もスキャンダルは積み重なり、水曜日(6月28日)には信任投票が行われ、彼はわずかに95対86で勝利したが、オルポ首相は彼に対して、閣僚として仕事を続けるためには行動を改める必要があると警告した。

 ジュニラは、自身が出席したイベントや、彼の批判者が発掘した一連の「愚かで幼稚な」ヒトラーやナチスのジョーク、その他のコメントについて、公に謝罪した。彼の議会助手に対するいくつかのFacebookメッセージも話題になった。その中には、クー・クラックス・クランのフードを被った雪だるまが縛り首縄を持っているインターネット画像も含まれていた。

 今年選出されたフィンランド政府は、現代における最も保守的な政府と呼ばれている。国会で最も議席を獲得した右派の国民連合党と、ジュニラの極右のフィンランド党によって主導される連立政権によって運営されており、気候への取り組みを軽視し、国際援助を削減し、移民に制限を設け、福利厚生を削減するなどの措置を取っている。これは、元首相サンナ・マリンの中道左派政権からの急激な転換となっている。

ウクライナは700億ユーロ(10兆8500億円)の使途を説明せよ - EU加盟国

<記事原文 寺島先生推薦>
Ukraine must explain how €70 billion was spent – EU state
Hungary will not allow the bloc’s money to keep pouring into Ukraine unaccounted for, Prime Minister Viktor Orban has said
ハンガリーは、EU加盟国の資金が使途不明のままウクライナに流入し続けることを許さないと、ヴィクトール・オルバン首相が述べた。
出典:RT 2023年6月30日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>    2023年7月17日



記者会見するウラジーミル・ゼレンスキー大統領(2023年6月28日、ウクライナ・キエフにて) © AP / Efrem Lukatsky


 ハンガリーは、キエフがすでにEUから受け取った700億ユーロ(10兆8500億円)の使途を説明するまで、欧州委員会がウクライナに500億ユーロ(7兆7500億円)の資金援助を行う計画に反対すると、ビクトル・オルバン首相は金曜日(6月30日)に述べた。ブダペストとブリュッセルは、ウクライナへの現金と武器の供給をめぐって繰り返し衝突してきた。

 ブリュッセルが発表した最新の数字によると、昨年2月にロシアが軍事作戦を開始して以来、EUはキエフに720億ユーロ(11兆1600億円)の経済・軍事・人道援助を与えている。この前例のない資金流出にもかかわらず、欧州委員会は今月初め、キエフにさらに500億ユーロ(7兆7500億円)の融資と助成金を提供すると発表した。

 ロイターの報道によれば、オルバンはハンガリーのラジオに対し、「ひとつはっきりしていることは、われわれハンガリー人は......これまでの約700億ユーロ(10兆8500億円)相当の資金がどこに流出したのかを明らかにするまでは、ウクライナにこれ以上の資金を提供しないということだ」と語った。

 さらに続けて、「そして、我々は、債務返済にかかる費用を賄うために、さらに資金を拠出しなければならないというのは、我々が得る権利がある資金をまだ受け取っていないのに、まったく馬鹿げていて不合理なことだと思う」と述べた。そして、欧州連合(EU)の対外債務の利子負担がインフレの影響で今年は2倍になるという欧州委員会が最近発表についても言及した。




<関連記事> ゼレンスキーの盟友が、ハンガリーのオルバン首相を攻撃 - メディア

 欧州委員会は現在、ハンガリーとポーランドに対し、司法改革、学問、LGBTQ問題、移民問題などに関する両政府との意見の相違を理由に、数十億ドル規模の統合基金の利用を拒否している。欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は昨年、資金の差し止めは、ブリュッセルが加盟国に 「我々との協力」を強いるために使えるいくつかの 「手段」 のひとつであることを認めた。

 ハンガリーは昨年、ブダペストに対して保留扱いにしていた別枠の資金をブリュッセルが解放するまで、ウクライナへの180億ユーロ(2兆7900億円)の資金援助を阻んだ。最近では、ハンガリーのピーター・シジャルト外相が月曜日(6月26日)に、EUのウクライナ向け共通武器基金からの5億ユーロ(775億円)相当の一連の武器支援に対する拒否権をもう1ヶ月延長すると述べた。

 オルバンとシジャルトはともに、ウクライナでの即時停戦と和平交渉を繰り返し要求している。今週初め、オルバンは、戦場でのウクライナの勝利は「不可能」であり、即時停戦と欧米からの武器供与の停止がなければ、ウクライナは「莫大な富と多くの人命を失い、想像を絶する破壊が起こる」と説明した。

ドイツにEUに拠出できる金はもうない―財務大臣

<記事原文 寺島先生推薦>
Germany has no more money for EU – finance minister
With its budget drained by Ukraine, the bloc is reportedly asking its members to contribute more
ウクライナ(支援)で予算が枯渇し、報道によると、EUはメンバー国に対してもっと金を出すよう求めている。
出典:RT  2023年6月16日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年7月1日



クリスチャン・リントナーは、2023年6月14日にドイツ・ベルリンで行われた記者会見に臨む©AFP / ミケーレ・タントゥッシより。


 ドイツは、EU予算にこれ以上金は出せないと、財務大臣のクリスチャン・リントナーは金曜日(6月16日)にディ・ヴェルト紙に語った。ドイツはEU最大の資金拠出国でありながら、経済の縮小に伴い、その削減を余儀なくされている。

 「国家予算の必要な削減を考慮すると、私たちは現在、欧州連合の予算に追加の貢献をすることができません」とリントナーはブリュッセルで記者に語った。また、他の加盟国も同じ認識に至っていると付言した。

 リントナーは、EUが2027年までの長期予算を使い果たしていることを説明した。これは、主にEUがウクライナに対して豪華な一連の援助を提供した結果だ。ブリュッセル(EU本部)の最新の数字によれば、ロシアのウクライナ侵攻が昨年2月に始まって以来、EUはキエフに経済的、軍事的、人道的援助として720億ユーロ(790億ドル)を提供している。

 この前例のない財源枯渇にもかかわらず、欧州委員会は、報道によると、ウクライナ経済を2027年までなんとか維持するためにさらに720億ユーロの一連の追加金融支援を準備しているとされる。リントナーによれば、委員会は来週にも加盟諸国に追加の資金を要求する報告書を公表する予定だ。




関連記事:EUの経済の原動力が低下している理由


 ドイツはEUに対する最大の資金供出国であり、2021年にはEU予算に214億ユーロ(234億ドル)を拠出した。一方、隣国のポーランドは最大の予算消費国であり、2021年には129億ユーロ(142億ドル)を受け取った。

 かつてはヨーロッパの工業の中心地であり、EUで最も強靭な経済と見なされていたドイツは、現在、安価なロシアのガスからの切り離しと高価な緑のエネルギーへの移行の結果、産業の縮小を経験している。ドイツ経済は今年の第1四半期に景気後退し、オラフ・ショルツ首相の政府は今月末に約200億ユーロ(218億ドル)の予算削減を発表する予定だ。

 しかし、予算案の採決は遅れる可能性がある。なぜなら、ショルツとリントナーの連立相手である緑の党の党員らは、支出削減ではなく税金の引き上げを主張しているからだ。

西側はロシア人に的を絞り、第二次世界大戦で米国が日本人にしたような扱いをすべきだ―チェコ大統領

<記事原文 寺島先生推薦>
West should target Russians like US treated Japanese in WW2 - Czech President
“Scrutiny” in the West is “the cost of war,” Petr Pavel said
西側における「監視」は「戦争の代償」であるとペトル・パヴェルは、述べた。
出典:RT 2023年6月15日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年6月29日


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資料写真:ペトル・パヴェルチェコ大統領 © Thomas Kronsteiner / Getty Images


 西側に住むロシア人は安全保障機関によってその動きは緻密に監視されるべきだ、とチェコの大統領であるペトル・パヴェルは、主張している。彼は、第二次世界大戦中のアメリカによる日系人の扱いを戦時の安全保障措置の例として挙げた。

 パヴェルは、米政府が資金提供しているメディアであるRadio Free Europe/Radio Libertyへのインタビューで、木曜日(6月15日)、自説を述べた。

 「戦争が続いている場合、ロシア人に関連する安全対策は通常時よりも厳格であるべきです。西側諸国に住むすべてのロシア人は、過去よりもはるかに厳しく監視されるべきです」と彼は語った。

 チェコの指導者(パヴェル)は、第二次世界大戦中の日系アメリカ人の扱いを「厳格な監視体制」と「安全保障機関による監視」と表現し、それと対比した。

 「それは単に戦争の代償です」とパヴェルは明言した。

 米国と大日本帝国の緊張が高まる中、米国社会では日系人に対する背信の疑いが広がった。この不信感は、西海岸における歴史的な反アジア感情によって火に油を注がれた。

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関連記事:プーチンへの憎悪が米政府高官に「愚かなこと」をさせる―シーモア・ハーシュ

 1941年12月の真珠湾攻撃から2か月後、フランクリン・ルーズベルト大統領は行政命令を発令し、少なくとも12万5,000人以上の、ほとんどがアメリカ国籍を持つ人々が国内各地の収容施設で強制的に生活することを余儀なくされた。この政策は1946年まで継続した。

 ジミー・カーター大統領は、国家安全保障への影響や被害者への救済方法について検討するための委員会を設立した。1983年に発表されたその報告書は、この命令が軍事的必要性によっては正当化されず、人種差別的な偏見と戦争恐慌に根ざしていたと述べている。

 「重大な不正義が日本系のアメリカ人および在住外国人に対してなされた。彼らは個別の審査も証拠もなく、第二次世界大戦中、アメリカ合衆国によって排除・追放・そして拘束された」とその文書には書かれている。

 この結論については一部のメディアによって議論の対象とされた。1983年のワシントン・ポスト紙の記事は、西海岸には「かなりの数」の日本のスパイが生活しており、ルーズベルトがそのように行動する理由があったと述べている。

「パリ市民よ、ネズミと共存すべし」。市長の訴え

<記事原文 寺島先生推薦>
Parisians must live with rats – mayor
Around six million of the rodents are estimated to live in the City of Light
げっ歯類に属するこの動物が、「花の都」に600万匹いるとの推定
出典:RT  2023年6月12日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年6月29日



タンザニアで地雷を発見するよう訓練された嗅ぎネズミ。2004年5月3日© Getty Images / Xavier ROSSI/Gamma-Rapho via Getty Images


 パリのアンヌ・イダルゴ市長は、委員会を立ち上げ、フランスの首都パリ市民が、害獣として根絶させようとするのではなく、ネズミと平和共存できる道を模索する計画を立てている、とパリ当局が先週発表した。

 「市長が出した指針のもと、ヒトとネズミの共存問題についての委員会を立ち上げることが決まりました」と、パリの公衆衛生局のアン・スーイリス副局長が、木曜日(6月19日)のパリ議会の会議で述べた。

 新たに発表された政策では、パリに600万匹いると推定されるネズミに対抗するために導入されていたこれまでの措置とは、かなり違う方向性を示した。 180万ドルの資金を使って行われた2017年の対ネズミ方策では、げっ歯類撲滅政策が取られ、密閉ゴミ箱の土入やパリ中の何千もの箇所で、大規模に殺鼠剤を撒く措置が実施された。

 このネズミ問題は、パリ市内で先日起こった、年金改革法案に反対する抗議活動により悪化したと考えられている。この抗議活動により、パリ市街でのごみ収集が何週間もの間行われなかったためだ。



関連記事:ニューヨーク市長が「ネズミ対策皇帝」を任命

 パリのネズミの数は、パリ市民の人口を凌駕し、ネズミと人の数の比は約3対1になっている中で、新たな措置が考慮されている。スーイリス副局長によると、この委員会により、パリ市民とネズミたちが共存できるための「最も効果のある」施策が考え出されるだろうし、そのような施策は、パリに住む人々にとって「耐え難いものにはならない」だろうとのことだ。

 ただし批判的な意見を持つ人々は、この計画はこのげっ歯類問題に屈服するだけのものに過ぎない、と指摘している。「アンヌ・イダルゴ市長のもとでの対策委員会が落胆することはないでしょう」と政治家のジェフロワ・ブワー氏はツイートした。同氏はパリの「ネズミ蔓延」問題についてしばしば取り上げている。「パリはもっといい街のはずです」とも書き添えた。

 動物の権利を主張する団体からは、この新しい計画は歓迎されている。これまでの管理的なやり方は、「効果も薄く、残忍なやり方」だった、と「パリ動物警察」は述べた。「新たな施策が不可欠です。」

 パリは、この害獣と長年敵対関係にある。ネズミは腺ペストを広めた大きな原因であり、14世紀にはパリ市民の半数が亡くなった。ただし、1870年から1871年の普仏戦争によるパリ封鎖の際には、パリ市民を飢餓から救う救世主となった。

 パリだけが、ネズミ蔓延という長年苦しまされてきた問題に対して新たな措置を取り始めているわけではない。ニューヨークでは、4月に、いわゆる初代「ネズミ対策皇帝」が任命され、 同市のげっ歯類問題対策が講じられている。またフランスのトゥールーズ市では、フェレットを使ってネズミの数を制御可能な程度に抑える一助としている。

欧州委員会の警告:EU加盟国においてロシアが主張する言説の影響力が拡大している

<記事原文 寺島先生推薦>
Influence of Russian narratives growing in EU member states, commissioner warns
Citizens in some member states are siding with Moscow on Ukraine, Brussels’ transparency chief has claimed
ブリュッセル(EU)の透明性担当者は、一部の加盟国の市民がウクライナ問題でモスクワの肩を持っていると語った。
出典:RT 2023年5月16日
<記事原文 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年6月23日

 

資料写真:ベラ・ヨウロヴァ、EU委員会副委員長兼価値と透明性担当委員。© Christian Charisius / picture alliance via Getty Images


 EUのある高官は、ロシアの主張に肩を持つ意見がEU内で増加しており、ますます多くの人がウクライナ紛争をそのような視点で見ていると警告した。EU委員ベラ・ヨウロヴァは、日曜日(5月14日)にドイツの新聞ビルトとのインタビューで、「ロシアのプロパガンダ」が市民に強い影響を与えているため、EU加盟国が「戦略的コミュニケーション」により多くの資金を投入するよう求めた。

 「RTはEU内で引き続き禁止されるべきであり、一方でヨーロッパ諸国に拠点を置く『独立した』ロシアメディアは支援を必要とする」と彼女は述べた。

 現在、価値と透明性委員会の副委員長を務めるチェコの政治家であり、欧州委員会のベテラン議員である彼女は、ウクライナ紛争などの問題におけるロシアの立場の人気の高まりについて懸念を表明した。

 「多くの国で、ロシアが侵略者ではなく被害者であるという物語が台頭しています」とヨウロヴァは語った。「スロバキアでは、50%以上の人々が陰謀論を信じており、その中にはロシアの侵略戦争に関するものも含まれています。これまで、私たちはロシアのプロパガンダの影響を過小評価してきました」。

 モスクワは、ウクライナの紛争はNATOの欧州における無制限な拡大と西側諸国がロシアの警告に耳を貸さなかったことに起因すると主張している。ロシア政府は2021年に事態の緩和を図る最後の試みを行ったが、その懸念は根拠のないものとされ、ウクライナは米国主導の軍事同盟に加入する権利があるとされた。ロシアの視点では、この紛争は西側によるロシアへの代理戦争の一環となる。



関連記事:EUはオンライン上でのさらなる検閲を要求

 EU市民がロシアの立場に同意してしまうのは、「モスクワが数十億ドルをプロパガンダに投資しており、私たちはそれに対抗するためにほとんど何もしていないから」とヨウロヴァは主張した。彼女は加盟国に対して、「戦略的コミュニケーションと偽情報への対抗にさらに投資するよう」呼びかけた。

 ヨウロヴァは、ロシアにとってドイツが特に重要な標的であると述べた。ドイツ国内で「平和運動が浸透している」ことについて懸念していると彼女は語った。

 「武器を供給する者は戦争屋であるとの主張は非常に危険です。こんなことを言えばウクライナへの支援を弱めるだけです」と彼女は語った。

 ヨウロヴァ委員は、EUがRTを検閲することを称賛し、RTは「メディア機関ではなく」、むしろ「戦時プロパガンダの武器である」と表現し、ヨーロッパにその居場所はどこにもない、と述べた。

 「代わりに、独立したロシアのメディアを支援すべきです。その多くはここベルリンや他のヨーロッパの都市にあります」と彼女は語った。

関連記事:クレムリンはワシントン・ポスト紙の「文書漏洩」報道は「100%嘘である」と主張

 ベラ・ヨウロヴァEU委員会副委員長は、EUに「外国メディア」を取り締まるための法律を導入するよう圧力をかけられている、との報道がある。Politico紙によると、同紙は3月の非営利団体の調査で、外国からの資金提供を受けているかどうか尋ねられている。これは「民主主義を守る」ための一連の立法計画に先立って実施された。

ロジャー・ウォーターズがナチス風刺に関する刑事調査の対象となる。

<記事原文 寺島先生推薦>
Roger Waters subject of criminal probe over anti-Nazi satire
The Pink Floyd co-founder performed at a concert dressed in a garb resembling an SS uniform
ピンク・フロイドの共同創設者(ロジャー・ウォーターズ)は、SS制服に似た衣装で演奏した。
出典:RT  2023年5月27日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>  2023年6月21日


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© Twitter / @OGAride

 ドイツ警察は、英国の伝説的ロック歌手であり、ピンク・フロイド共同創設者であるロジャー・ウォーターズに対し、ベルリンでの2つのコンサートでナチズムを美化した疑いについて刑事捜査を開始した。ウォーターズは、そのパフォーマンスはファシズムに対する抗議であると主張している。

 金曜日(5月26日)、複数のメディアが引用した声明で、ベルリン警察はウォーターズが憎悪を扇動した疑いがあると述べ、捜査は彼の5月17日と18日のベルリンでのパフォーマンスに焦点を当てていると述べた。

 ソーシャルメディアに投稿された映像で、ロジャーズはナチスの制服に似た革製トレンチコートを身に着け、それには十字のハンマーと赤い腕章が付いているのが見える。その後、彼は模型銃を取り出し、観客に向けて撃っている。


 「その時の服装から、ナチス政権の暴力的で独断的な支配を承認し、美化し、あるいは正当化する可能性があり、(ナチ)被害者たちの尊厳を侵し、それによって公共の平和を乱しています」と警察は述べた。

 ナチ関連のシンボルは、ドイツでは違法とされており、教育や芸術の目的である場合を除いては使用が認められていない。

関連記事:裁判所がロジャー・ウォーターズのコンサート中止を覆す

 ウォーターズのパフォーマンスは、あきらかに1979年のピンク・フロイドの同名アルバムを原作とした映画「ザ・ウォール」を参照したものだった。このロックスター(ロジャーズ)は、アルバムの主人公であり、ファシストの独裁者としてナチスの集会に演説する幻覚を見る役どころを演じている。

 ウォーターズのコンサートでは、イスラエルの武器会社であるエルビットシステムズとダビデの星のロゴが施されたブタの形をした風船が空中を浮遊した。ショーでは、スクリーンに徐々に現れる人物の名前も表示され、ナチスの強制収容所で亡くなったユダヤ人日記作家であるアンネ・フランクの名前が含まれていた。また、2022年5月にイスラエルの軍事作戦を取材中に殺害されたパレスチナ人でアルジャジーラのジャーナリストであるシリーン・アブ・アクレの名前も表示された。

 イスラエル国連大使であるダニー・ダノンは、ウォーターズはイスラエルをナチスに準(なぞら)えたいのだと語り、ウォーターズを「現代最大ユダヤ人嫌悪者の一人」と表現した。

 金曜日(5月26日)、ウォーターズはこの物議を醸す問題について、Twitter上で「私は自分の政治的な意見に反対する者たちから『不誠実な攻撃』の標的にされた」と書いた。

 「問題とされている私のパフォーマンスは、どこを取っても、あらゆる形のファシズム、不正義、そして偏見に反対する声明であることは一点の曇りもないことです」と彼は語った。さらに、私は一生をかけて、「独裁主義と抑圧に反対する」発言をしてきた、と付言した。

英国警察のテロ対策班がグレイゾーン(独立系メディア)のジャーナリストを拘束

<記事原文 寺島先生推薦>
UK anti-terror police detain Grayzone journalist
Officers interrogated Kit Klarenberg for five hours about his political views and reporting
警官たちはキット・クラレンバーグに対して、彼の政治的な見解や報道について5時間にわたって尋問した。
出典:RT  2023年5月31日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年6月18日



資料写真:ヒースロー空港(ロンドン)の外部をパトロールする武装した英国警察官© Scott Barbour / Getty Images


 ジャーナリストであるイギリス国籍のキット・クラレンバーグは、イギリス当局によって拘束され、彼の政治報道やあるとされるロシアとの関係をめぐって厳しく追及された、とグレイゾーンは、水曜日(5月31日)報じた。

 キット・クラレンバーグは、RTなど様々なメディアに執筆し、イギリスおよびアメリカの暗部情報機関の秘密を暴露することで知られている。その際リークされたもしくは非公開の文書を使用することがよくある。先月、現在滞在しているセルビアのベオグラードからの帰途、彼の飛行機がロンドンのルートン空港に着陸した直後、報道によれば、6人の私服テロ対策官が彼に近づいた。

 グレイゾーンによると、ジャーナリストであるキット・クラレンバーグはその後、警察によって全ての電子機器、銀行カード、カメラのメモリーカードやSIMカードを押収され、指紋とDNAを採取され、写真を撮られ、そして5時間にわたる尋問を受けた。拒否すると逮捕する、との脅しも受けた。

 尋問室で、クラレンバーグは、外国の不動産を所有しているか、なぜセルビアに住むことを選んだのか、そして彼がいくらの家賃を支払っているかなど、様々な問題について追及された、とのこと。また、彼のジャーナリストとしての活動についても質問され、どのメディアに寄稿しているか、グレイゾーンからどれくらいの報酬を受け取っているか、いつどのくらいの頻度で支払われるのか、どの銀行口座に支払われているか、そしてウェブサイト「グレイゾーン」の編集者であるマックス・ブルーメンタールとの接触はどれくらいあるか、といったことが質問された。

 その後、テロ対策官たちはクラレンバーグに対し、ロシアとの関係があるのかどうか、を尋問してきた。具体的には、グレイゾーンがロシアの安全保障機関との合意を持ってハッキングされた資料を公表しているか、クラレンバーグがロシアの諜報員と協力したことがあるか、またはロシアの国営メディアと関係のある人々と連絡を取ったことがあるか、そしてグレイゾーンがロシアからの支援を受けているかどうかについて質問がなされた。

 グレイゾーンによれば、警察はまた、クラレンバーグの所属する政治団体や彼の政治的信念、活動家としての関与、そしてロシア政府やウクライナ情勢に対する彼の意見についても追求した。



関連記事:バイデンの元補佐官タラ・リードが身の危険の不安からロシアへ逃れる

 テロ対策班の質問が出尽くした後、クラレンバーグによれば、自由の身となったが、依然として調査対象であると告げられた。拘束から1週間後、警察は彼のタブレットと2つのメモリーカードを返還したが、1つの古いSDカードは「刑事手続きに関連する可能性がある」との理由で押収されたままだ。

 グレイゾーンによれば、クラレンバーグの突然の尋問は、イギリスおよびアメリカの情報機関の陰謀に関する、彼の世間の注目を集めた報道と関連している可能性がある。クラレンバーグは過去1年間にわたり、トーリー党の国家安全保障強硬派がブレグジットを利用し、ボリス・ジョンソンを首相に据えるという報道を行った。2022年10月には、イギリスがクリミアとロシア連邦を結ぶケルチ橋を爆撃するとされる計画を暴露した。さらに先月、彼は、9/11のハイジャッカーの2人はCIAとサウジアラビアの情報機関が共同で採用した人間であった可能性を示唆する秘密文書について報じている。

警察署や市役所が年金改革に反対する抗議活動中に破壊される(動画)

<記事原文 寺島先生推薦>
Police station, town hall vandalized amid pension reform protest (VIDEO)
French security forces used tear gas to disperse a demonstration in the city of Lyon
フランスの公安部隊は、リヨン市内のデモ行進を分散するために催涙ガスを使用
出典:RT 2023年5月28日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年6月7日

(抗議活動の様子を伝える動画は原文サイトからご覧下さい。訳者)

 金曜日(5月26日)、議論が高まっている年金改革の件も含む政府の政策に反対する集会中に、抗議活動者たちが、リヨン市内でフランスの警察と衝突した。この暴動により、市内で火事が発生し、公共施設や商業施設が破壊された。

 警察や地元当局の推定によると、50程度の左派勢力や労働組合が組織した、いわゆる「豪華大衆祭」に、少なくとも300人が集まったという。この反政府運動は、当初平和的に行われており、「お祭り」やそれに合わせた衣装、歌、さらにはオーケストラの演奏までが予定されていた。

 しかしその後、手がつけられなくない状況になり、抗議活動者らの中には、リヨン市の第1地区にある市役所や、地元警察署を標的にするものも現れたと、地元の県当局は報じた。ソーシャルメディア上で流れた映像でも、暴動者らが石で窓を割り、街中で家具が燃やされ、が映されており、バリケードを張ろうとする姿が映されていた。

 地元警察が催涙ガスを使って、暴動者らを分散させようとする中、一人の抗議者が逮捕された。リヨン市当局は、「過激活動派」が、市内の住民らの「保安を危険な状態にする許されない行き過ぎた行為」を行ったと強く非難し、警察による催涙ガスの一斉射撃があったが、そのような警察の取り締まりのおかげで、住民や建造物が更なる被害を受けることから守られた、とした。



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 第1地区のヤスミン・ブアッガ地区長も、この発言に共鳴し、ツイッターでこう投稿した。「人気のある平和な祭典が、暴力的な人々に乗っ取られ、これらの人々により、略奪や焼き打ちが行われ、地方公共団体の業務が阻害された」と。

 フランスはここ数ヶ月間、全国規模での抗議活動で揺らいでいるが、それはエマニュエル・マクロン大統領が、定年を62歳から64歳に引き上げる計画を立てていることに対するものだ。4月にマクロン大統領は 憲法の特別な規定を用い、投票を行わないまま、自身の改革案を国会の下院で通過させた。このことが国民からの怒りに火をつけた。

 野党からの反発にもかかわらず、フランス憲法評議会は、年金体系を改革するというマクロン大統領の動きを支持した。さらに同評議会は、この件に関して住民投票を実施するという提案を退け、その理由を、憲法上の規定に合致しないためだとした。

元独首相夫人が第二次世界大戦戦勝式典への出席を理由に職を剥奪される。

<記事原文 寺島先生推薦>
Ex-German chancellor’s wife fired for attending WWII victory celebration
So-yeon Schroeder-Kim was dismissed after visiting the Russian Embassy in Berlin to commemorate the defeat of the Nazis
ソー・イオン・シュレーダー・キム氏が職を剥奪されたのは、ナチスの敗北を記念するためベルリンのロシア大使館を訪問したからだった。
出典:RT 2023年5月16日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年5月30日



ソー・イオン・シュレーダー・キム夫人同伴のゲアハルト・シュレーダー元独首相© Getty Images / Sean Gallup


 ゲアハルト・シュレーダー元独首相夫人であるソー・イオン・シュレーダー・キム氏が、事業開発業者のNRW社で職を解かれたのは、同氏が戦勝記念日を祝福するため、ベルリンのロシア大使館を訪問したからだった。

 「シュレーダー・キム夫人はすぐに職を解かれ、当NRWグローバル・ビジネス社との雇用関係は無条件で終了しました」とNRWの報道官は火曜日(5月16日)ドイツの報道機関に述べた。

 同社の説明によると、同社は、韓国代表として勤務していたシュレーダー・キム夫人に、「微妙な問題、特にロシアやウクライナでの戦況について発言すべきではない」、と数回はっきりと伝えていたという。

 今回の措置は、シュレーダー・キム夫人と夫が、5月9日にロシア大使館を訪れ、第二次世界大戦でナチス・ドイツが敗北した78周年を祝う招待会に参加したことを受けてのことだった。この催しには、ドイツの複数の政治家も参加しており、右派大衆主義政党である「ドイツのための選択肢(AfD)」党の共同党首ティノ・クルパラ氏や「気候変動対策とエネルギーに関する委員会」の委員である左翼党のクラウス・エルンスト氏も参加していた。

 シュレーダー氏自身も、ロシア当局との繋がりを維持していることで、反発を受けている。元独首相のシュレーダー氏は、首相の座にいた1998年から2005年までの間、ロシアと良好な関係を構築し、ノルド・ストリームやロシアの国営石油会社であるロスネチフでそれぞれ幹部をつとめていた。



関連記事:独元首相が「ロシアとの繋がり」を理由に党を除名されそうになったが、その危機を回避した

 シュレーダー元首相はウクライナでのロシアの攻撃に対して何度も反対の声をあげてきたが、自身がプーチン大統領と距離をとることにも疑問の声をあげ、「何も良いことをもたらさないだろう」としてきた。ロシア側が軍事作戦を開始した直後、シュレーダー元首相は個人的にモスクワに赴き、プーチン大統領と面会した。それ以来同元首相は、ロシアは今の紛争について交渉による解決を模索していると主張し、 「プーチン大統領と話をする機会」を模索し続けると誓約している。

 元首相の立ち位置は、与党社会民主党(SPD)の他の議員らとは相いれず、先日、同党の複数の党員が、未遂には終わったが、シュレーダー元首相を除名処分にすることを求めたこともあった。しかし昨年、社会民主党は、シュレーダー元首相が持っていた議員特権を剥奪することには成功した。

 現職のオラフ・ショルツ首相政権下で、社会民主党は、ロシアとの繋がりや、ロシア原産のエネルギーへの依存を減らそうとしている。さらにショルツ首相の指揮の下で、ドイツ当局はウクライナ軍に何十億ドルにも相当する武器支援を供給してきた。

米国はノルド・ストリーム破壊工作の役割を「隠蔽」しようとしている(シーモア・ハーシュ)

<記事原文 寺島先生推薦>

US trying to ‘cover up’ Nord Stream sabotage role – Seymour Hersh

出典:RT 

2023年3月22日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2023年4月7日


CIAはパイプライン破壊の代替ストーリーをメディアに提供するよう指示されている、とベテランジャーナリストのシーモア・ハーシュは述べている。



資料写真.ノルド・ストリーム2から流出するガス© Getty Images / Swedish Coast Guard


 ピューリッツァー賞受賞のジャーナリスト、シーモア・ハーシュは、ロシアの海底パイプライン「ノルド・ストリーム2」の破壊にワシントンが関与したことを隠蔽するために、米国が意図的にメディアに偽の記事を提供したと主張した。

 ベテラン記者シーモア・ハーシュは、水曜日(3月22日)に自身の「Substack」上に投稿した記事で、CIAはベルリンの情報機関BNDと共同で、ノルド・ストリーム2の爆破に関する「代替案」をアメリカやドイツのマスコミに提供する偽装記事の作成を任されていた、と主張している。

 「情報機関の言葉を借りれば、バイデンがパイプラインの破壊を命じたという主張を否定するために、CIAは『報道機関を動かす』ことになった」と、ハーシュは外交情報に通じた匿名の関係者を引用して書いている。

 そして、CIAが任務を完了し、ドイツの協力を得て、ニューヨーク・タイムズ紙とドイツの週刊誌『Die Zeit』に記事を掲載したことを指摘した。この記事は、「親ウクライナ派」のグループが行ったとされる「その場限りの『オフレコ』作戦」に言及しており、豪華なヨットを使ってノルド・ストリームに爆発物を仕掛けた、とされている。


関連記事:「明らかに」米国がノルド・ストリームを爆破した(フランスの政治家の発言)


 「それは、アメリカの情報機関がドイツに伝え、あなたの話の信用を失墜させることを目的とした完全なでっち上げだった」と、アメリカの情報機関の関係者がハーシュに語ったと言われている。

 「CIA内部の偽情報専門家は、プロパガンダの作戦は、受け取る側の人間が、望まない真実を矮小化したり置き換えたりできるような話を必死に求めている場合にのみ機能することをよく理解しています。そして、問題となっている真実は、ジョー・バイデン大統領がパイプラインの破壊を許可したということです」と付け加えた。

 ハーシュは2月、昨年9月に起きたガスパイプライン「ノルド・ストリーム1」と「2」の爆発事故に関する爆弾レポートを発表し、ワシントンがこの攻撃を画策したと非難した。ホワイトハウスは責任を否定した。先週(3月第3週))、欧米の複数のメディアが、犯人はウクライナに関係している可能性があると主張した。モスクワは、この報道を 「メディアによる協調的なデマキャンペーン」と断じた。

セイモア・ハーシュがノルド・ストリーム破壊工作について新たな発言

<記事原文 寺島先生推薦>

Seymour Hersh makes new Nord Stream sabotage claim

出典:RT

2023年3月24日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2023年4月7日

ピューリッツァー賞受賞者のシーモア・ハーシュは、米国がパイプラインを爆破したのは、ウクライナに対するドイツの支援不足に不満があったからだと主張した。



エルマウ城(南ドイツ)で行われたG7首脳サミットで、ドイツ首相のオラフ・ショルツ(左)が隣の米大統領ジョー・バイデンに話しかけている© AFP / Lukas Barth


 ジョー・バイデン米大統領がノルド・ストリーム・パイプラインの破壊を命じたのは、ロシアと対立するウクライナに対してオラフ・ショルツ独首相が提供した支援が気に入らなかったらだと、ベテラン調査ジャーナリスト、シーモア・ハーシュが主張している。

 ハーシュは、最初、2月に発表した記事で、ワシントンがヨーロッパの重要なガス供給ルート(ノルド・ストリーム)を破壊したと非難し、金曜日(3月24日)に発表した中国新聞とのインタビューで、さらなる主張を展開した。

 「(米国)大統領は、ショルツ首相が、(キエフに)もっと銃や兵器を投入することに前向きでないことを恐れていた。それだけです。それが怒りなのか、罰なのかはわからないが、結果として西ヨーロッパを通る主要な動力源を断ち切ってしまうことになってしまいました」とハーシュは主張している。

 米国はノルド・ストリーム攻撃への関与を否定しようとしているが、「欧州は、今、危機的状況にある」ので、バイデンは今後数ヶ月で「自分のしたことに対して多くの批判」を受けるだろう、とハーシュは主張した。

 ハーシュは、パイプラインを破壊する「仕事を最初に依頼された人々」は、2021年末ころ、ジェイク・サリバン米国国家安全保障顧問から連絡を受けたと主張した。


関連記事:ノルド・ストリーム2の近くにデンマーク海軍の存在(メディア報道より)


 ロシアのガスをドイツ経由でヨーロッパに届けるために建設されたノルド・ストリーム1と2に爆薬を仕掛ける当初の目的は、「(米国)大統領が(ロシアの)プーチン大統領に『(ウクライナで)戦争をするならパイプラインを破壊する』と言える選択肢を与えるためだった」とハーシュは主張した。




関連記事:米国はノルド・ストリーム爆破への関与を隠蔽しようとしている(シーモア・ハーシュの主張)


 バイデン自身はその姿勢を公然と認めていたが、「残念ながら、欧米のマスコミの人たちは忘れてしまったようだ」とハーシュは述べている。

 モスクワのウクライナでの軍事作戦開始のわずか3週間前、バイデンは2月7日の記者会見で「もしロシアが侵攻したら...ノルド・ストリーム2はもう存在しないだろう。我々はそれに終止符を打つだろう」と警告している。

 ハーシュによれば、バイデンが昨年9月にバルト海底で機雷の爆破を命じることを決めたのは、アメリカの視点から見て紛争が「ウクライナでうまくゆきそうもない」と考えたからだ、という。ハーシュが 「バイデン大統領が熱心に支援したアメリカの戦争」と表現したものは、その時期、「せいぜい膠着状態」だったのだ。

ノルド・ストリーム近辺で発見された謎の物体は何か?

<記事原文 寺島先生推薦>

Mysterious object found in vicinity of Nord Stream explained

出典:RT

2023年3月29日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2023年4月7日

発見されたのは使用済みの発煙ブイであることが判明した、とデンマーク・エネルギー庁が発表した。


© Danish Defence Ministry


 デンマーク・エネルギー庁は水曜日(3月29日)、ノルド・ストリーム2の爆発現場付近で発見された謎の物体を引き揚げ、それが廃棄された発煙ブイであることが判明した、と発表した。

 「調査の結果、対象物は視覚的標示に使用される空の海煙ブイであることが判明した。この物体は危険なものではない」と、同庁は声明で述べた。

 この物体は今月初め発見されたもので、ロシアのプーチン大統領はテレビのインタビューで、昨年9月に破壊工作でパイプラインが破られた場所から約30キロ離れたガスプロム社の調査中に発見されたことを明らかにした。

 デンマークは、パイプライン事業者であるノルド・ストリーム2 AGの代表を引き揚げに参加させた。同時に、同国はロシアに対し、ノルド・ストリーム破壊工作の調査への参加を拒否している。デンマークのラース・ラスムセン外相は、デンマーク、ドイツ、そしてスウェーデンの3カ国が行っている調査は、これらの国の強力な「法の支配」を考えれば十分だと主張している。



関連記事:クレムリンは国連によるノルド・ストリーム調査結果に「遺憾」


 このブイの引き揚げは、国連安全保障理事会が月曜日(3月27日)、パイプラインの爆発に関する国際的な独立調査を求める ロシアが提案した決議案を否決した後に行われた。この決議は、ロシア、中国、ブラジルのみが支持し、他の12名の常任理事国および臨時理事国は棄権した。モスクワの国連常任代表であるヴァシリー・ネベンジアは採決後、「ノルド・ストリーム破壊工作の背後に誰がいるのかという疑念は増すばかりだ」と述べた。

 先月、ベテランジャーナリストのシーモア・ハーシュは、この破壊工作がアメリカ大統領ジョー・バイデンによって直接指示されたアメリカとノルウェーの共同作戦であるとする爆弾的な調査結果を発表した。この工作の最終目的は、ドイツをロシアからの安価なエネルギー供給から永久に切り離し、ウクライナ紛争におけるドイツの支援を強固なものにすることであった。

 ワシントンとオスロはこの疑惑を強く否定し、作り話だと切り捨てた。ロシアの大統領は先週、ハーシュの結論に「完全に同意する」と述べた。

米国スパイの言葉:「親ウクライナ集団」がノルド・ストリームを破壊した(ニューヨーク・タイムズ紙)

<記事原文 寺島先生推薦>

US spies say ‘pro-Ukrainian group’ bombed Nord Stream – NYT

出典:RT

2023年3月7日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2023年4月5日

匿名の工作員が不特定多数の情報を引用し、パイプライン攻撃に対する米国の責任を否定した。



2022年9月28日、バルト海のアットシーで、ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」の漏洩から発せられるガスの放出が確認された。© Swedish Coast Guard via Getty Images


 出処不明の新しい情報によれば、2022年9月のノルド・ストリーム・パイプラインに対する攻撃の背後に「親ウクライナのグループがいたらしい」と、ニューヨーク・タイムズ紙が匿名の米国当局者の話を引用して、火曜日(3月7日)に報じた。

 ニューヨーク・タイムズ紙の匿名の情報源は、「破壊工作員はウクライナ人かロシア人、あるいはその組み合わせである可能性が高い」とし、「アメリカ人やイギリス人は関与していない」と述べている。さらに彼らは、ウクライナのウラジミール・ゼレンスキー大統領や彼の「最高幹部」が関与した証拠もなく、「いかなるウクライナ政府関係者」も攻撃を指示したとは言えないとした。

 匿名の関係者は、誰が「作戦」を指示し、費用を負担したのかについては言及できず、「ウクライナ政府またはその治安当局とつながりのある代理勢力によって、表に出ない形で攻撃が行われた可能性がある」と述べている。




関連記事:西側はノルド・ストリーム爆破の調査結果を隠蔽するつもりのようだ。フランスの一将軍の発言


 バルト海の海底で4本のパイプラインのうち3本をバラバラにした爆弾は、「軍や諜報機関に勤務しているようには見えない」ものの、「過去に政府の専門訓練を受けた可能性がある」経験豊富な潜水士たちが仕掛けた「可能性が高い」と、匿名の関係者は主張している。

 また、バイデン米大統領とその側近はノルド・ストリームへの攻撃を「許可していない」とし、爆破に「米国の関与はない」とも述べた。これらの発言は、米国が爆破を指示し、爆発物を仕掛けたと非難した調査ジャーナリスト、シーモア・ハーシュの先月の報告書に正面から反論している。

  西欧の当局者もこの攻撃が国家によるものだと考えているが、「米国の当局者は、この作戦が国家によるものだと考えていると公言していない」と同紙は指摘した。

 「ウクライナとその同盟国」がパイプラインを破壊する「潜在的には最も論理的な動機」を持っていると考える当局者もいる。同盟国がどこを指しているかははっきりしない。ただ、ポーランドはノルド・ストリームを最も露骨に批判しているし、米国とNATO圏全体は過去1年間に1000億ドル相当以上の武器やその他の援助をキエフに送っている。

 「キエフやウクライナの代理人に責任を押し付けるような調査結果は、欧州の反発を招き、欧米がウクライナを支持する統一戦線を維持することが難しくなる」と、同紙の記者は指摘している。

 ノルド・ストリームの爆発は、ロシア人ジャーナリストのダリヤ・ドゥギナが死亡したモスクワの自動車爆弾テロ事件から5週間後に起こった。米国の匿名スパイは昨年10月、ゼレンスキーではなくウクライナ政府内の「関係者」が犯人だと考えていると同紙に語ったが、誰の名前も挙げることはしなかった。キエフは公式にいかなる責任も否定している。

 「ノルド・ストリーム作戦の後、ワシントンでは、ウクライナ政府の一部が作戦にも関与しているのではないかという、ひそかな憶測―そして心配―があった」と、タイムズ紙は火曜日に報じた。

 同紙の取材に応じた匿名の関係者は、ウクライナ政府が関与している「証拠は今のところない」とし、ジョー・バイデン大統領のゼレンスキーに対する信頼は「着実に高まっている」と述べた。同紙は、キエフが米国に「深く依存している」にもかかわらず、米国の諜報機関が「ウクライナの意思決定に対する視界が限られている」ことは認めた。

ノルド・ストリームにおける環境的大惨事

<記事原文 寺島先生推薦>

Environmental Сatastrophe at Nord Stream

出典:INTERNATIONALIST 360°

2023年3月8日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2023年4月6日



バルト海のネズミイルカ


 ヨーロッパの科学者によると、海底ガスパイプライン「ノルド・ストリーム」の損壊は、バルト海の生態系を破壊することにつながったという。この破壊工作の結果はさまざまだが、自然への累積ダメージは甚大である。

 パイプラインの爆発がもたらした直接的な影響は、海洋動物の死であった。リサーチ・スクエアの調査によると、爆発は海洋環境に「連鎖反応」を引き起こし、タラやネズミイルカを含む特定の魚種や海洋動物の絶滅につながる可能性があるという。

 ネズミイルカは、北半球の海域に広く生息する小型のクジラ類で、その数はおよそ70万頭だ。しかし、バルト海にいるその個体群は、遺伝子的にも外見的にも、他の代表種とは異なっている。その数は500頭強で、実は絶滅の危機に瀕している。

 ネズミイルカは通常、5月と10月にスウェーデン領海のゴバーグズ(Goburgs)と、ミドスジェバンケン(Midsjöbanken)の周辺に集まってくる。これらは爆発地点から約40km東に位置する。この爆発により、半径4km以内の動物が死亡し、50km離れた動物が聴覚障害を負った可能性がある。科学者たちは、バルト海の亜種の動物が1匹でも死んだり怪我をしたりすると、その小さな集団全体に大きな影響を与えることを強調する。

 デンマーク自然保護協会のマリア・ジェルディング(Maria Gjerding)会長は、この状況がバルト海の運命に深刻な懸念をもたらすと指摘した。報告書によると、爆発によって海水の状態が悪化した。この海域は、すでに非常に深刻で危機的な状態になっているのだ。

 WWF(世界自然保護基金)のボー・オクスネビャーグ(Bo Øksnebjerg)デンマーク事務局長もこの考えに同意している。彼は、被害は水中に入り込んだ有害物質によって引き起こされたとも考えている。爆発とそれに伴う噴流によって、有毒物質を含む25万トン以上の汚染された海底がかき回された。ボーンホルム空洞の周辺にいる魚の内分泌系に有害物質が影響したため、タラはかなりの被害を受けたと考えられる。

 有害物質の中には、船体や技術構造物(杭、柱など)の汚れを防ぐための塗料の成分として使われているトリブチル錫(TBT)がある。これも爆発でかき回された海底に長く蓄積されてきた。報告書の作成チームを率いたオーフス大学環境科学部のハンス・サンダーソン上級研究員によれば、TBTは海洋動物の繁殖能力を破壊する。

 つまり、今、バルト海の海洋環境は、まさに生き残るために必死になっているのだ。

 デンマークの社会民主党のマグナス・ホイニッケ環境相は、「一見、影響は局所的なものに見えるが、バルト海はすでに深刻な状況にあり、そのため、我々はもちろん、その影響を強く懸念している」と述べている。デンマーク政府は継続的に監視し、バルト海周辺の近隣諸国と情報を共有することで、影響の全体像を把握し、適切な対応ができるようにすると述べている。しかし、ドイツ、デンマーク、そしてスウェーデンの3カ国は、まだ爆発事故の調査を終えておらず、一般市民や他の国には一切情報を提供していない。したがって、バルト海の生物多様性保全の問題は未解決のままである。

 以前は、ガスパイプラインの爆発が環境に与える影響について、メディアは主に水中や大気中への天然ガスの排出について書いていたことに留意する必要がある。特に水中では、その規模を評価するのは容易なことではない。

 排他的経済水域で破壊工作が行われたデンマーク、スウェーデン、そしてドイツは、流出の規模について異なるデータを発表した。しかし、いずれも大気中への排出を強調している。

 メタンの気候への影響を調べるには、二酸化炭素(CO2)換算するのが一般的だ。地球温暖化係数は、100年または20年の観点で計算さ れる。前者の場合、メタンの「温暖化」効果はCO2の28倍、後者の場合、84倍となる。

 ドイツ連邦環境庁(UBA)は、バルト海の海底に敷設されたパイプラインの爆発により、100年間で750万トンのCO2に相当する30万トンのメタンが放出されたと推定した。これは、同庁の報告書によると、ドイツの年間排出量のおよそ1%に相当する。

 デンマーク・エネルギー庁の数字は少し違う。4つの流出のうち2つは、デンマークのボーンホルム島付近だった。デンマークでは7億7800万立方メートルの天然ガスが計測され、これは1460万トンのCO2に相当し、2020年に同国が排出する全温室効果ガスの32パーセントに相当する。

 スウェーデンは、大気中の二酸化炭素よりもメタンの方が早く減衰するため、20年という予測期間をより正確だと考えている。「この漏洩は、20年間で4000万トンの二酸化炭素に相当する。これは、昨年のスウェーデンの総排出量4,800万トンに匹敵する」とスウェーデン・テレビ・ニュース(Svt Nyheter)はスウェーデン環境保護庁の環境経済学者を引用して書いている。

 ノルド・ストリームの破壊に関連して、もう一つ憂慮すべき事実がある。第二次世界大戦後、ドイツの非武装化に関するポツダム会議の決定により、ドイツの化学兵器はバルト海の底に埋められた。そのうちのかなりの部分が、ちょうど爆発が起こった近くのボーンホルム島の地域にある。3万2千トンの軍需品と1万1千トンの化学薬品が投棄されたのだ。70パーセントがマスタードガス、20パーセントがヒ素を含む物質である。今のところ、これらの危険な埋蔵地に重大な事態は起きていないが、科学者によると、海底が不安定になれば、深刻な事態につながる可能性があるという。

西側はノルド・ストリーム爆破犯人を知っている(タイムズ紙)

<記事原文 寺島先生推薦>

West knows who is responsible for Nord Stream attack – The Times

出典:RT

2023年3月8日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2023年4月6日

 妨害工作の背後にいるウクライナ人容疑者の名前は、「何ヶ月も前から諜報界に流れていた」と、タイムズ紙は指摘している。

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2022年9月27日、バルト海で発生したガスパイプライン「ノルドストリーム2」の漏れから発せられるガスの放出。© Getty Images / Swedish Coast Guard via Getty Images


 西側情報機関は、昨年のノルド・ストリーム爆破事件がウクライナと関係のある人物によって計画されたものであるとほぼ即座に判断したが、キエフとベルリンの間の外交問題を避けるためにこの情報を隠すことを選択したと、水曜日(3月8日)にThe Timesが報じた。

 タイムズ紙によると、スカンジナビアの調査団は、2022年9月、ロシアとドイツをバルト海底経由で結ぶ海底ガスパイプラインが攻撃された1週間後に、それが「あるウクライナ発の民間企業によって」仕掛けられたことを知ったという。彼らはブリュッセルで行われた情報説明会でこの情報を入手したとのことだ。

 「(攻撃の)民間支援者の疑いのある名前は...数ヶ月前から諜報界に出回っていたが、明らかにされていない」と同紙の記事は伝えている。

 タイムズ紙は、名前を公表することなく、犯人はキエフの政府関係者ではないウクライナ人であるとした。また、容疑者は「変わったテレホンカードを残しているようだ」とも指摘しているが、詳細は明らかにしていない。

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関連記事:ノルド・ストリームに関する新しい報道は「組織的なデマ」のように見える(モスクワ)

 
 また、この問題の調査がなぜこのように遅いペースで進んでいるのかについての質問を一切受け付けないよう、調査団は指示されているともこの記事は伝えている。

 タイムズ紙は、NATO当局が「ウクライナがドイツと公然と争いになることから守りたかった」ようだと指摘した。事件当時、ベルリンは同盟国の支援なしに、キエフにレオパルト2戦車を供給することに消極的だった。ドイツは2023年1月に考えを改め、他の西側諸国も戦車納入を約束した。

 この報道は、ニューヨーク・タイムズ紙が火曜日(3月7日)、匿名の情報源を引用して、パイプラインへの攻撃の背後に「親ウクライナ派」のグループがいた可能性があると主張したことを受けたもの。同日、ドイツのメディアは、この事件を調査している捜査当局が、攻撃に使われたとされるヨットが、2人のウクライナ人が所有するポーランドにある会社のものであることを発見したと報じた。

 これらの報道について、クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、この疑惑は「メディアによる協調的なデマキャンペーン」であり、真犯人から注意をそらそうとする試みのように見えると述べている。

 先月、米国の著名なジャーナリストであるシーモア・ハーシュが、ノルド・ストリーム攻撃を画策したのはワシントンであるとする調査結果を発表した。ホワイトハウスは責任を否定しているが、1月にはヴィクトリア・ヌーランド米国務次官(政治担当)が、ノルド・ストリーム2がもはや稼働していないことを知り、ワシントンは「とても喜んでいる」はずだと述べている。

ポーランド大統領、ノルド・ストリームの爆破は欧州にとって「有益」と発言

<記事原文 寺島先生推薦>

Polish president claims Nord Stream blasts were ‘beneficial’ for Europe

出典:RT

2023年3月8日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2023年4月6日

昨年の破壊工作は、モスクワの「支配」計画を混乱させたとアンジェイ・ドゥダは主張する。



資料写真:ポーランド大統領アンジェイ・ドゥダ© Global Look Press / Mateusz Slodkowski


 ポーランドのアンドレイ・ドゥダ大統領が水曜日(3月8日)にCNNで語ったところによると、ロシアのガスをヨーロッパに供給するノルド・ストリーム・パイプラインの破壊は良いことであったという。ドゥダ大統領は、この破壊工作によって、大陸がモスクワの「支配」計画から解放されたと主張し、ポーランドのロシア産ガスへの依存が解消されたと付け加えた。

 この発言は、2022年9月に起きたパイプラインへの攻撃の背後に親ウクライナ派勢力がいた可能性があるというメディアの報道を受けたもの。ドゥダは、こうした主張を裏付けることはできないとしながらも、ノルド・ストリームが消滅すれば、欧州にとって「有益」であると主張した。

 ポーランドはガスパイプライン計画に大反対し、攻撃のおよそ1カ月前の2022年8月には廃棄を求める働きかけまでしていた。ドゥダはまた、このプロジェクトを、ロシアとの関係における欧州の宥和戦略の一部と呼んだ。




関連記事:ウクライナ国民がノルド・ストリーム爆破に関わっていた容疑は「ありえる」とドイツは主張


 今週初め、ニューヨーク・タイムズ紙は、米国の情報筋を引用して、2022年9月の攻撃の背後に「親ウクライナ派」のグループがいたと報じた。同誌はまた、西側の情報機関は妨害工作の背後にいる人物の身元を把握していたが、容疑者がウクライナと関係があるため、ベルリンとキエフの間の対立を避けるためにこの情報を隠すことに決めたと述べている。

 アラブ首長国連邦を訪問中にCNNのインタビューに応じたポーランド大統領は、ポーランドのMiG-29戦闘機をすべてキエフに引き渡すことも提案したが、それはあくまでも国際的連携の一環であるとした。「我々はこれらの戦闘機を提供する準備ができており、ウクライナもすぐに使用する態勢を整えられると確信している」と述べた。しかし、ワルシャワがソ連製戦闘機の数を、まだどれだけ保有しているのかについては明言しなかった。

 ドゥダは、ウクライナのパイロットに米国製F16戦闘機の操縦訓練を行うよう求め、キエフの軍隊はいずれにしても「NATOの水準に達する」ことを熱望していると発言した。「ウクライナ人パイロットの訓練は重要であり、必要不可欠だ」と彼は付け加えた。

 CNNによると、現在、少なくとも2人のウクライナ人パイロットが米国に滞在しており、フライトシミュレーター(模擬操縦訓練装置)を使って、米国製の各種軍用機の操縦を習得するために必要な時間を確認しているという。

ドイツ:「巨大ストライキ」で交通停止―生活費上昇で大幅な賃上げ要求

<記事原文 寺島先生推薦>

‘Mega strike’ hits Germany
Hundreds of thousands of public transport workers walked off the job on Monday, bringing the country to a halt

月曜日、数十万人の公共交通機関の労働者が職場を離れ、国内の動きは停止した。

2023年3月27日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2023年3月28日

独、巨大ストライキ
ドイツ・フランクフルト・アム・マインの主要駅で公共交通機関のストライキ中、携帯電話をチェックする通勤客(2023年3月27日撮影) © AFP / Andre Pain


 月曜日(3月27日)、40万人以上の公共交通機関の職員が24時間ストライキに参加したため、ドイツ全土で空港、バス停、鉄道駅が停止した。労働者たちは、昨年からドイツで急騰しているインフレを補うための賃上げを要求している。

 ストライキは午前0時に始まり、火曜日(28日)の午前0時に終了する予定である。ドイツの主要8空港が影響を受け、ドイツ空港協会は、約38万人の旅行者が足止めを食らったと推定している。ミュンヘン空港は日曜日から完全に閉鎖され、すべてのフライトがキャンセルされ、ターミナルは閑散としていた。


 ドイツ鉄道は月曜日(27日)に、長距離路線はすべて運休し、地域路線は月曜日の夕方までに一部の地域で再開されただけだと発表した。路面電車、バス、地下鉄も全国で影響を受けた。

 貨物列車も停止し、ドイツ最大の港であり、ヨーロッパで3番目に交通量の多いハンブルグを発着する船舶の輸送も停止した。

 このストライキは、いくつかの主要な労働組合が出した賃上げ要求の結果である。約250万人の従業員を代表する公共サービス労組のヴェルディ(Verdi)は500ユーロ(75000円)を下回らない10.5%の賃上げを要求している。ドイツ鉄道とその他のバス会社の従業員約23万人を代表するEVGは、650ユーロ(92000円)を下回らない12%の賃上げを要求している。

独ストライキ その2

関連記事:ドイツは今や、米国産LNG中毒に(ドイツ国会議員)


 月曜日(27日)ナンシー・フェーザー内務大臣は、ロイター通信に対し、政府と労働組合の間で今週中に合意が成立する可能性が高いと述べた。

 公共サービス労組ヴェルディの代表であるフランク・ヴェルネケ氏はドイツのメディアに対し、およそ40万人の労働者がストライキに参加したと語った。ドイツの新聞は、この職場離脱を「メガ・ストライキ」と表現し、このような混乱は過去数十年で最大であるとしている。

 ヴェルネケ氏はドイツのBild紙に、賃上げの確保は生活費の上昇に対応するのに苦労している何千人もの従業員にとって「生存に関わる問題」であると語った。

 かつてヨーロッパの経済大国であったドイツは、工業生産高が縮小し、インフレ率は1990年代半ばから昨年ロシアがウクライナで軍事行動を開始するまでの0~2%の安定した割合から上昇し、2月には8.7%に達した。

 ドイツはウクライナ紛争以前、ロシアのガスと石油の輸入に大きく依存していたが、EUの制裁発動と米国が画策したとされるノルド・ストリーム・ガスパイプラインの破壊により、その輸入はすべて停止された。ドイツ政府は1月、今年の景気後退を辛うじて回避すると発表したが、格付け会社のフィッチは今月初め、ドイツ経済は2023年後半までに景気後退に突入すると予測した。

マクロン大統領の年金改悪に反対する100万人以上のデモで、警察がデモ隊と衝突

<記事原文 寺島先生推薦記事>

Violent protests grip France — RT World News

フランスで暴力的なデモが発生

出典 RT 

2023年3月23日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2023年3月27日


© Twitter

 フランス当局は木曜日(3月23日)、エマニュエル・マクロン大統領の年金改革に反対する全国的な抗議デモを抑えるのに悪戦苦闘した。100万人を超えるデモ隊が全国で街頭に繰り出し、一部の治安筋はパリの政府に対する「暴動」と表現した。

 数万人の労働者がストライキを行い、デモ隊は公共交通機関、学校、石油精製所を封鎖した。デモ隊を追い払うために、警察は催涙ガス、高圧放水銃、閃光弾、警棒などを使った。ソーシャルメディアでは動画が出回り、重装備の警官が非武装のデモ参加者を棍棒で殴っている様子を映し出していた。


 他の映像では、パリの路上でバリケードが燃えている様子が映し出された。ヌーヴェル・アキテーヌの州都ボルドーでは、市庁舎の入り口が燃やされる事態も生じた。

 少なくとも消防士の一部隊が寝返って、デモ隊に合流した。複数の目撃者は、この状況を 「制御不能」と表現している。

 「パリは戦争状態だ、投稿する暇はない、気をつけろ」と、ある独立系メディアはツイートしている。


 150人近い警察官と国家公務員が負傷し、ラルド・ダルマナン内相は23日夜、この状況を「絶対に容認できない」とし、犯人の厳しい処罰を要求したと発表した。

 またダルマニン内相が記者団に語ったところによると、パリでの「略奪と放火」に関する尋問のため172人が拘束され、フランスの首都で190件の火災が発生し、そのうち50件は現地時間午後10時の時点でまだ燃えているとのことだ。 

 内相は、暴力の中でも特にひどいのは「極左」と「ブラックブロック」(黒装束をまとった過激派アナキスト主体の連合体、もしくは抗議の戦術)の無政府主義者であると非難した。

 警察は100万人以上の抗議者が街頭にいたと推定している。

 国民の不満の爆発の引き金は、マクロン大統領が来年から定年を62歳から64歳に引き上げると発表したことだった。マクロン大統領は、国民年金制度の破綻を防ぐために、この変更が必要であると主張している。


 エリゼ宮(フランス大統領官邸)は、1月以来、物議を醸すこの提案を検討しようとしていた議員に相談することなく、この変更を行った。これに対し、デモ隊はマクロン大統領に辞任を要求した。

 水曜日(3月22日)にテレビに出演したマクロン大統領は、自分の唯一の過ちは、この決定の利点を「人々に納得させることができなかった」ことだと述べ、たとえそれが「不評を買う」ことになったとしても、自分は引き下がらないと主張した。


 憲法で保護された抗議する権利はあるが、不満分子が暴力を行使するならば、「それはもはや民主主義ではない」とマクロン大統領は述べた。

 マクロン大統領はコロナウイルス対策としての過酷な封鎖や命令により激しく批判されたが、2022年には容易に再選を果たし、最終的には17ポイント差でマリーヌ・ルペンを破って当選した。なお決選投票では、1969年以来最低の投票率を記録した。

フランス全土で 「年金改悪は止めろ!」 と巨大なデモと集会

<記事原文 寺島先生推薦>

France paralyzed by pension reform protestsThousands take to the streets over the government’s plans to raise the retirement age from 62 to 64.

フランスは年金改革に対する抗議で麻痺状態。定年退職年齢を62歳から64歳に引き上げるという政府の計画に、多数の人々が街頭に繰り出す。

出典:RT

2023年3月7日

記事翻訳 <寺島メソッド翻訳グループ>

2023年3月26日


フランス北東部ランスで、フランス大統領の年金改革に反対するデモに参加する人たち(2023年3月7日) © François NASCIMBENI / AFP


 年金改革に反対する全国的なストライキと集会により、フランスでは、交通機関が大きく乱れ、石油精製所や大学が麻痺しています。これは、労働組合が国を「停止」させるよう呼びかけたからでした。

 定年を62歳から64歳に引き上げるという政府の計画に反対する抗議行動の最新波が6日目を迎える中、労働組合は火曜日(3月7日)に「200万人以上」が集会に参加すると発表しました。ちなみに、これまでで最大のデモが行われた1月31日には、公式発表によると約127万人が参加しました。



 デモ行進は全国各地で早朝から始まり、群衆はレンヌ第二大学やリヨン第二大学など主要な高等教育機関を封鎖したと、ソーシャルメディア上の映像や地元メディアの報道は伝えています。



 フランス西部の都市、ラ・ロッシュ・シュル・ヨンのバス発着所前には、デモ隊がバリケードを築きました。また、パリ近郊のサン・ドニ・プレイエルでは、学生たちがバス発着場を封鎖しましたが、治安部隊に押し戻されました。

 学生団体「挙げられた拳」Le Poing Leveによると、少なくとも100人がフランス西部のレンヌとロリアンを結ぶRN24高速道路を封鎖しました。同団体は、警察が集会を解散させるために催涙ガスを使用したと主張しました。



 労働組合組織である労働総同盟CGT-Chimieは、「すべての製油所」の出口で燃料の輸送が阻止されたと述べました。石油メジャー「トータル・エナジー」(フランスのパリ近郊ラ・デファンス に本社を置く多国籍企業)の経営陣は「フランス通信社」AFPに、影響を受けたことを正式に発表しましたが、同社のスタンドでは「燃料不足はない」と述べました。

関連記事:フランスの抗議デモで火災と衝突が発生(動画あり)

 また、労働組合は公共交通機関でのストライキをすると警告しています。月曜日(3月6日)、フランス国鉄SNCFとパリ交通公団RATPは、フランス国内の列車の移動が「非常に深刻な混乱」に陥ることを公式に発表し、地下鉄の運行も同様となるだろうということでした。

 一方、フランス民間航空総局は、航空会社に対し、パリのシャルル・ド・ゴール空港とオルリー空港でそれぞれ20%と30%の定期便の減便を要請しました。

 年金改革に対する不安は、数週間前から急激に高まっています。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、今後25年間に予想される年金制度の赤字のためにこの構想が「不可欠」であると述べていますが、「エラベ」Elabeの世論調査によると、60%近くがこの改革に反対しており、国民の間でひどく人気がないことが判明しています。

ポーランド前外相、ロシアのガス・パイプラインの破壊を米国に感謝

<記事原文 寺島先生推薦>

Ex-Polish FM thanks US for destruction of Russian gas pipeline
Moscow has called the incidents a 'terrorist attack'

モスクワは一連の出来事を「テロリストの攻撃」と呼んだ。

出典:RT

2022年9月27日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2023年3月17日


© Twitter/screenshot

 米国、ロシア、そしてヨーロッパのほとんどの政府が、ノルド・ストリーム1、2を破損させた月曜日(9月26日)の爆発事故の背後に誰がいるのかについて判断を保留しているのに対し、ポーランドの元外相ラドスワフ・シコルスキはそのようなそんな躊躇いは一切持たなかった。

 シコルスキーは火曜日(9月27日)、バルト海の海域で発生した大規模なガス漏れの写真とともに、「ありがとう、アメリカ」とツイートした。デンマークのボーンホルム島沖で、2つのパイプラインが大きく損傷した。今ではそれを計画的な行為と呼ぶ者が多い。

 シコルスキーはその後、ポーランド語で、ノルド・ストリームが被害を受けたことで、ロシアがヨーロッパへのガス供給を継続したいのであれば、「ブラザーフッド・ガス・パイプラインとヤマル・ガス・パイプラインを支配する国々、つまりウクライナやポーランドと話し合う」必要がでてくる、とツイートし、それを「よくやった」と締めくくった。

 ノルド・ストリーム 1とノルド・ストリーム 2は、スウェーデンとデンマーク当局が後に一連の海底爆発があったと発表した後、月曜日(9月26日)にすべての圧力を失った。ノルド・ストリーム1は、ロシアが技術的な問題であると発表した後、容量を減らして運転され、ノルド・ストリーム2は、ドイツが(運転)認証を拒否したため、加圧は十分だったが運転に至らなかった。

 ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、シコルスキーのツイートが「テロ攻撃であるとの公式声明」に相当するのかどうかの判断に、迷っていた。一方、モスクワの国連副大使ドミトリー・ポリアンスキーは、シコルスキーが 「民間インフラを標的としたこのテロスタイルの背後に誰が立っているのかを明確にした!」と感謝した。



 ポーランドのマテウス・モラヴィエツキ首相は、シコルスキー元外相ほどは踏み込まず、ノルド・ストリーム事件を 「ウクライナ情勢の趨勢を激化させる次のステップに繋がる破壊工作」と表現することを選択した。



関連記事:ロシアのガス・パイプラインが前代未聞の規模の被害を受けた(技師からの報告)


 ただの欧州議会議員ではなく、シコルスキーは元イギリス国籍で、数多くの米国やNATOのシンクタンクでフェロー(特別研究員)を務め、ポーランドの元国防相(2005~2007年)、外相(2007~2014年)でもあった。2014年10月、ロシアのプーチン大統領がウクライナをワルシャワと分割したいと考えているという主張を捏造したことが発覚し、その発言の撤回に追い込まれた。

 シコルスキーは2022年1月にロシアを「連続強姦魔」と呼び、6月にはウクライナのエスプレッソTVで「NATOはキエフに核兵器を与える権利がある」と述べた。彼はアメリカの評論家アン・アップルバウムと結婚しており、彼女もまたロシアを露骨に敵視している。

 シコルスキーがノルド・ストリーム破壊工作について米国に感謝したのに対し、キエフはロシアを非難した。ウラジーミル・ゼレンスキー大統領の顧問ミハイル・ポドリアックは「ロシアが計画したテロ攻撃であり、EUに対する侵略行為」と呼び、最善の対応はウクライナ軍にドイツの戦車を送ることであると主張した。

「武器を送るな、NATOから脱退せよ」 フランスでも各地で大規模な抗議集会

<記事原文 寺島先生推薦>

Anti-NATO protests hit France
Rallies against the US-led bloc and the supply of weapons to Ukraine have been held across the country

反NATOを求める抗議がフランスで起こる。
米国主導勢力とウクライナへの武器供給に反対する集会がフランス全土で開催された。

出典;RT

2023年2月26日

<翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2023年3月14日 


© Twitter / Florian Philippot


 フランスのNATO加盟と、キエフへの継続的な支援に反対する大規模な複数の抗議行動が、日曜日(2月25日)に首都パリと国内の他の場所で行われた。

 2週連続で行われたデモは、パリでの集会に自ら参加したフロリアン・フィリポ氏率いる右派政党「レ・パトリオット」が主催したものだ。

 同政治家は、「平和のための全国行進」と名付けられた日曜日(2月25日)のイベントには、首都パリでの集会に、約1万人が集まった先週よりもさらに多くの参加者が集まったと述べた。フィリポ氏によると、小規模な反NATOデモは、フランス国内の他の約30カ所でも開催されたという。


 デモ隊は、「平和のために」 と書かれた大きな横断幕を持って、パリの街を行進した。デモ隊は、フランスが米国主導のNATOとEUの両方から脱退することを求め、ウクライナへの武器供与の停止を促した。デモ隊はまた、現職のエマニュエル・マクロン大統領を非難し、「マクロンは出て行け!」と唱えた。---- このスローガンは、マクロン大統領の任期中、さまざまな反政府デモ参加者がよく使っていたものである。

 デモ行進の後、デモ隊はフィリポ氏主催の集会を開き、フィリポ氏が支持者とともにNATOやEUの旗を汚す様子が撮影された。このイベントの映像は、同政治家本人がソーシャルメディアで投稿したものである。 


 この政治家は、昨年秋以降、フランスのNATOおよびEUへの加盟に反対する抗議活動を積極的に展開する一方、ウクライナへの武器供給に反対を主張している。2012年から2017年にかけて、フィリポ氏は昨年までマリーヌ・ルペンが率いるフランス最大の野党「国民集会」の副党首を務めていた。国民集会を去った後、41歳の政治家は自身の右派政党「レ・パトリオット」を設立した。

 フランスは、1年前に勃発したロシアとの紛争において、キエフを支持する最前線の国のひとつであった。マクロンは敵対行為の外交的解決を繰り返し求めているが、パリは装甲車や高性能の自走榴弾砲など、さまざまな兵器をウクライナに積極的に供給してきた。

「武器を送るな、賃金を上げよ」 イタリアで平和を願う数千人の集会。

<記事原文 寺島先生推薦>

Thousands rally for peace in Italy

ジェノバとミラノの都市で、キエフへの武器供給の中止を要求するデモが行われた。

出典:RT

2023年2月26日

<翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2023年3月14日


*Ruptly提供。Ruptly GmbH は、ドイツのベルリンに本拠を置く、ビデオ オン デマンドを専門とするロシアの国営ビデオ通信社。ロシアの国営テレビ ネットワーク RT の子会社。


 土曜日(2月25日)、イタリアのジェノバとミラノで、数千人が平和のためのデモに集まった。労働組合員や左翼活動家らは、ローマ当局がウクライナに武器を送ることは、国内法に違反しているなどと主張した。

 ジェノバでの集会には、国内だけでなく、スイスやフランスからも4000人近い参加者が集まったと地元メディアは報じている。

 イタリア共産党の支援を受けた港湾労働者自治労組(CALP)グループが主催したこの抗議行動は、「武器支援をやめ、賃金を上げよ」というスローガンのもとに行われた。

 CALPのリカルド・ルディーノは、「ウクライナの紛争は昨年」 ではなく、「2014年、ドンバスのロシア語を話す住民の虐殺から」始まったと述べたとメディアで報道されている。


 デモ隊はジェノバ港を行進し、ウクライナ向けの武器輸送のための施設の使用停止を要求した。

 CALPの広報担当者ホセ・ニヴォイは、イタリア政府が 「イタリアから戦争状態にある国への武器の輸入、輸出、輸送を禁止した」1990年の法律185に違反していると非難した。

 また、同グループの代表は、志を同じくする 「ヨーロッパの各都市の団体や活動家」とネットワークを構築してきたとのべた。

<関連記事> ドイツのウクライナ政策に数百人が抗議行動

 デモ行進は大きな事件もなく、アナーキストによる数台の車を汚したり破損したり、銀行の窓ガラスを割るなどの破損行為があっただけだった。

 土曜日(2月24日)にはミラノでも抗議デモが行われました。ビデオ通信社Ruptlyは、数百人がスローガンを唱え、ロシアやドネツク人民共和国の旗を振る様子を撮影した。


 イタリアでのデモは、ドイツの首都ベルリンでのデモと同時に起こった。ベルリンでは、著名な左翼党の政治家サハラ・ヴァーゲンクネヒトと作家のアリス・シュヴァルツァーの呼びかけに、数万人の人々が応えた。

 「平和のための蜂起」と名付けられたこの抗議行動は、ウクライナでの敵対行為を終わらせるための和平交渉を呼びかけた。また、参加者はドイツ政府に対し、キエフへの武器輸送を中止するよう要請した。

 ヴァーゲンクネヒトは支持者を前に、オラフ・ショルツ首相が「ロシアを破滅させようとしている」と批判し、土曜日(2月24日)の抗議行動をドイツにおける新しい平和運動の始まりと表現した。

ウクライナへの武器供与に反対するベルリン集会、数万人が参加

<記事原文 寺島先生推薦記事>

Berlin rally against arming Ukraine draws tens of thousands
An estimated 13,000 to 50,000 people attended the event calling for peace talks

和平交渉を求めるこの行事には、推定13,000~50,000人が参加した。

出典:RT 

2023年2月25日

記事翻訳 <寺島メソッド翻訳グループ>

2023年3月2日

ベルリン 1
2月25日の平和デモでスピーチをする左派党の政治家ザーラ・ヴァーゲンクネヒト*(右)と女性権利活動家で作家のアリス・シュヴァルツァー**(左)  Photo: Steffi Loos / Getty Images

*ザーラ・ヴァ―ゲンクネヒトは、1969年7月16日イエナ生まれ。政治家。左派党副党首。11月から左派党連邦議会議員副団長。デュッセルドルフ在住。(出典:ザーラ・ヴァーゲンクネヒト - ドイツ生活情報満載!ドイツニュースダイジェスト (newsdigest.de)
**アリス・シュヴァルツァー(1942年12月3日 生まれ)は、ドイツのジャーナリスト、著述家、フェミニスト、フェミニズム雑誌『エマ(ドイツ語版)』の創刊者・編集長。シモーヌ・ド・ボーヴォワールに出会い、フランスの女性解放運動 (MLF) に参加。(出典:ウイッキペディア)



 数万人のドイツ人が、土曜日(2月25日)、左翼党(左派党)の政治家ザーラ・ヴァ―ゲンクネヒトと作家アリス・シュヴァルツァーが主催する大規模な集会「平和のために立ち上がる」に風雨をものともせず参加しました。

 デモ隊はブランデンブルク門に集結し、ウクライナ紛争を終わらせるための和平協議を求め、ベルリンがキエフへの武器供給を停止するよう要求した。

 ヴァ―ゲンクネヒトは、ドイツ政府が「ロシアを破滅させようとしている」と非難し、平和協議を始めるためにモスクワに「申し出」をするよう指導者に求めた。この集会は、「市民の主導権の始まり」であり、「ドイツにおける新しい強力な平和運動の始まり」であると彼女は言った。



 この集会は、政治的領域を超えた抗議者たちを歓迎し、「誠実な心で」平和を望む者は誰でも歓迎すると宣言したが、メディアの注目を浴びようとするネオナチの挑発者たちは歓迎されなかった。



 主催者は参加者を5万人としたが、警察は1万3千人と控えめな数字を出した。

 ヴァ―ゲンクネヒトとシュヴァルツァーは今月初め、オラフ・ショルツ首相に「武器輸送の拡大を止める」よう求める「平和のためのマニフェスト」を発表した。それ以来、著名な知識人、政治家を含む50万人以上がこのマニフェストに署名している。



 シュルツ首相は、和平交渉を持てない理由は、ロシアが話し合いのテーブルにつかないからだと繰り返し主張している。この紛争が始まって以来、この紛争の平和的解決をモスクワが何度も試みてきたことには目がいかないようだ。


ベルリン 2

© Kevork Almassian on Twitter

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