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沖縄における米軍基地縮小に向けてーNYTimes社説

Opinion
Toward a Smaller American Footprint on Okinawa
.
日本の島の新たな知事は、米軍が撤退することを望んでいる。今やワシントンと東京が妥協案を見いだすときだ。

ニューヨークタイムズ社説

2018年10月1日

(翻訳:新見明 2018年10月9日)
<記事原文>https://www.nytimes.com/2018/10/01/opinion/okinawa-military-bases.html#commentsContainer


I沖縄県庁は8月、米軍施設建設の埋め立て作業許可を取り消した。(読売新聞、AP経由)

日本は長年、人口密地の古い米軍基地を移転させて、大きな米海兵隊基地を新たに海岸に建設することに、沖縄が同意するよう努力してきた。日本政府は、島にディズニーリゾート建設を支援するという‘ニンジン’を与えようとしてきた。一方で、彼らは鞭も与えようとした。基地に対する地域の抵抗を抑えるために訴訟を起こし、新基地に賛成する候補者を支援した。しかし沖縄は何度も何度も、基地はいらないと答えた。沖縄は明確に米軍負担を相応以上に負担してきていると思っている。

玉城デニーが知事に選ばれたとき、彼のメッセージは特に明瞭に響き渡った。島での他のほとんどの選挙同様、この選挙は少なくとも米軍基地に関する国民投票の面があった。玉城氏は基地反対連合を代表していて、基地賛成の彼の対立候補は、与党自由民主党の全面的支援を受けていた。特に今回の選択で注目されたのは、58歳の玉城氏が、日本人の母と米軍海兵隊の父の子であることだ。その父は彼が生まれる前に沖縄を去った。


玉城デニー氏、中央右。先週、沖縄の支援者と共に

安倍晋三首相に迫られた決断は、最高裁で玉城氏が司法の場に訴える『反対』を全て退けるか、(もっと前にやるべきだったが)沖縄の正当な不満を受け入れ、負担を軽減する、あまり面倒でない方法を探すことだ。

ほとんどの日本人は、中国が力を誇示しているので、日米同盟を支持している。問題は、日本で最も貧しい県に、あまりにも不均衡な負担を強いていることである。沖縄は第二次世界大戦末期の三ヶ月ほどできわめて血まみれの激戦が行われた場所である。いまなお、33の米軍施設があり、在日米軍5万人の半分が沖縄に配備されている。軍事装置と軍隊の集中は、騒音、汚染、致命的な事故、暴行の歴史をもたらした。その最もひどい悲劇は、1995年に12歳の少女が3人の軍人によって強姦されたことである。

この事件があって、アメリカと日本は宜野湾市の中心部に広がる大きな海兵隊空軍基地をよりへんぴな地域に移転させ、いくらかの部隊をグァムとハワイに配置換えすることに同意した。しかし、まだ何も進んでいない。地元の抵抗が新基地建設を阻止した。とても自然豊かな辺野古湾に滑走路を建設することが環境を破壊するからである。

米軍の主張は、沖縄の兵站や陸空軍を日本の他の地域に散在させることは、東シナ海において即応能力を低下させることになるという。しかし、米軍が日本やその地域にもたらす安全保障は、日本の最も貧しい県の市民に、不公平で望まれない、しばしば危険な負担を負わせるという犠牲なしには成り立たない。安倍首相と米軍司令官は、公平な解決を見つけるように共に協力すべきである。
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アメリカの制裁は転換点に! 脱ドル化とアメリカに対する結託

US Sanctions Reach a Turning Point. De-Dollarization and Collusion against the U.S.

カルステン・リーゼ
グローバル・リサーチ 2018年9月20日

(翻訳:新見明 2018年10月10日)
<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/us-sanctions-reach-a-turning-point-de-dollarization-and-collusion-against-the-u-s/5654643

アメリカ制裁体制の決定的瞬間


毎年、アメリカは制裁する新しい国を見つける。毎年、アメリカは約100人を膨大な制裁リストに加える。今アメリカの制裁は転換点に来ている。 

これまでEUは、アメリカとほぼ同じ比率で世界経済を担ってきた。そしてEUは、アメリカが以前より異様な比率で制裁体制を増大させのに従ってきた。アメリカとEUはともに世界経済のほぼ半分を構成してきて、アメリカの制裁は以前は世界経済の他の半分を標的にしてきた「だけ」だった。これまでEUはアメリカの制裁に影響されることはないので、アメリカとの関係を無理に変える理由がなかった。

しかし今は、イランに関して「二次的制裁」がEUの戦略的会社や金融機関にもかなり打撃を与えた。そしてペルシャ湾からのエネルギーも、EUの世界戦略利害に否定的影響を与えている。要するにアメリカの制裁は、最大の仲間であるEUの自由や安保や主権を攻撃しているのだ。

それ故、いまや我々はアメリカが行う制裁体制のために決定的瞬間に至っているのだ。

アメリカ経済は、すでにUSドルで世界のGDPの4分の1以下である。そして2023年には、世界の約5分の1に落ちるだろう(IMF資料)。アメリカ以外が、世界経済の5分の4(今はEUや中国を含む)を占め、はますます先進国グループになっている。そして彼らはアメリカ制裁体制に対して陰で手をつなごうとしている。この結託は共通の利害の結果である。しかしEUは実際は(又は少なくとも)他の主要勢力の反制裁に協調しないかもしれない。 

私達はここで、根本的変化に向かっている世界最強の複雑な政治経済構造のことを話している。

だから私達は より大きな構図を分析する必要がある。現在のそして将来あり得るアメリカの制裁に対して、反制裁の完全な体制が、世界の協力な勢力によってどのように計画されていて、実行されるのかという構図を分析する必要がある。それは全てアメリカに対して向けられたものである(しかし時々アメリカと共謀するかもしれないが)。これらの対抗戦略体制は次のことを含むが、それに限定されたものではない。
 
金融

振替システムはアメリカの銀行を回避するようになり、アメリカの主要「成長産業」の世界的位置を傷つけるだろう。それはEU、中国、日本、インド、その他全てにとって、アメリカの銀行を捨てて、国際的システムの「自国の」銀行を国際的に展開するチャンスとなる。

長期的傾向を見ると、アメリカの金融業は、アメリカ経済を押し上げている実に「唯一」の巨大成長産業になった。アメリカ経済の他のどの部門も、規模や成長率で金融業に並ぶものはない(武器は少し似ているが、金融は規模において飛び抜けているのだ)。だからこれはアメリカにとってとても厳しいことになるだろう。 

アメリカの銀行はこれまで全世界の振替の便宜に中心的な役割を果たしてきた。そして第3国間の多くの振替は、どういうわけか技術的にアメリカを経由して行われている。このシステム構造はもう終わるだろう。中国によってだけでなく、EUや恐らくインドによっても。

アメリカ以外の誰もが、自分たちのお金をアメリカ金融機関によって触れられるのを嫌がるだろう。もしくは彼らのお金がほんの少しでもアメリカに上陸するのを嫌がるだろう。そしてもちろん、EUと中国はこれに対して合法的で技術的な解決策を知っている。

アメリカのクレジット・カード・システムの成長は妨げられるだろう。その代わり中国やEUのカードが、この儲かる急成長の世界市場に割り込むだろう。ロシアはこの傾向に最初に気づいた国で、アメリカのクレジット・カード会社を全て追い出し、中国のクレジット・カード・システムを導入したのだ。EUは、EUのクレジット・カードの役割を強めて、「偶然」(おおっと!?)、EU市場におけるアメリカのクレジット・カードに損害を与えることもありうる。金融センターであるイギリスのロンドンはBrexitの後、EUとアメリカの間の板挟みにあった。もしイギリスがEUの反制裁運動に対抗して、アメリカに味方すれば、EUはイギリスのクレジットカード・ビジネスをEU司法に訴える強い道具を作り出すかもしれない。

READ MORE:Dollar Hegemony in the Empire of the Damned
 「呪われた帝国におけるドルの支配力」


新たな世界IT振替体制は、SWIFT(国際銀行間通信協会)に対するアメリカの影響を妨害し、アメリカの政治的影響力を減じるだろう。SWIFTシステムはブリュッセルに基盤をおいているが、アメリカの強い影響下にある。ロシアはすでにその代替機関を作った。EUはもはや、アメリカがSWIFT振替を通じてEU企業を傷つけるのを受け入れられない。EUはそれ故、SWIFTをアメリカ支配から解放するか、別のEUシステムを作り出すかどちらかの行動を取らなければならない。

ウォール街を避けよ

中国かEUからでさえ将来制裁の危険のない同じローンを借りられるなら、どうしてアメリカでローンを借りる必要があるのか。

サウジARAMCO石油会社のIPO(新規株式公開)は引き延ばされた。未確認情報では、9・11後、アメリカ司法がサウジ資産をねらった恐れが原因の一部であるということだ。すでにその傾向は、世界で最大のIPO(新規株式公開)がアジアに移動いているということに現れている。  

脱ドル化

EUは今エネルギー貿易をドルからユーロに換えようとしている。この傾向は他の国際貿易においてもドルを減少させるだろう。国際貿易における何兆ドルもが、アメリカに戻ってきて、インフレの危機や、経済危機を起こすかもしれない。未確認情報によれば、金はロシア政府や中国政府によってばかりでなく、トルコ政府によってさえ、急いで買い上げられている。

戦略的供給

エアバスがイランに飛行機を届けることができないのは、とりわけ重要な部品をアメリカから仕入れるからである。これは変化するだろう。戦略的供給チェーンは変化し、アメリカの下請け供給業者や輸送媒体(船、飛行機、IT)や技術、サービスパートナーなどを避けるだろう。それは根本的にアメリカの世界的地位を傷つけることになる。私達はここで中古車のことを話しているのではなく、戦略的ビジネス部門のことを話しているのだ。EUと中国はこの反アメリカ調達を、公式の政策として公然と述べてはいないかもしれないが、彼らは「きわめて」効果的に戦略部門においてそうなるように仕向けるだろう。

また食料のような他の戦略部門(アメリカ農業の穀物や大豆)におけるアメリカの出荷やアメリカのエネルギーは、反制裁によって影響を受けるだろう。中国はアメリカ大豆を減らし、その価格を下げる。そのときEUは(これにあまり依存していないので)、アメリカからの寄せ集めの安い余剰大豆を安売りとして使うかもしれない。液化天然ガスをアメリカがEUに大量に送るという考えは、恐らくほとんど言葉だけで、アメリカからEUへの液化天然ガスの総量はかろうじて増加するに過ぎないかもしれない。EUは冷めた計算さえしていて、ガス部門におけるEUは、アメリカよりロシアというもっと運用しやすいパートナーを持つことができる。EUは様々な面で、アメリカよりロシアに、規模の面でも実質的に有利な関係を持っている。そしてロシアが中国と良好な関係を保っているにもかかわらず、ロシアはバランスを保つことに関心があるようだ。

観光と教育

観光は世界で最も急速に成長する産業の一つである。そしてアメリカは文化的影響力を訪問する観光客全てに売る。大学教育は国家研究に財政支援する戦略的ビジネスであるだけでなく、大学はまたアメリカが世界中の世代に将来影響を及ぼす土台でもある。観光客や学生をアメリカ以外の他の場所に送ったらどうか。中国人観光客と学生はアメリカにとってかなり重要であるが、中国は観光客や学生をアメリカ以外にもたくさん送っている。

ビジネスを保護するために国を使うこと

反制裁として、いまEUは中央銀行や国有企業を、資金調達、ビジネス・パートナー、仲介パートナーの面で、イランの扱いをめぐって騒ぎに巻き込んでいる。EUの国有企業統一体に対するアメリカの制裁は、そのときアメリカの(経済)戦争宣言となり、それはEU私企業に対してだけでなく、直接EU国家にたいする戦争宣言となる。

アメリカの武器以外を買うこと

EUはアメリカに依存せず独自の兵器産業を増大させる壮大で野心的な戦略を実行している。EUの兵器製造業の力を増大させるために、EUはアメリカからの兵器輸入を最小限にする必要がある。EUは自分のものを作り、アメリカからの輸入はできる限り少なくしなければならない。サウジアラビアはこれまで世界最大の武器購入国の一つであり、ほとんど全てアメリカから購入している。しかしサウジアラビアとアメリカの指導者間の兄弟愛は冷めてきて、サウジアラビアは兵器購入先の多様性も求められるだろう。そしてサウジアラビアはすでにEUのユーロ・ファイター[戦闘機]さえもっていて、ロシアと萌芽的な武器購入関係にあり、拡大している。

アメリカに対抗する共謀

アメリカの貿易戦争は、アメリカの利害に対抗するEU、中国、インド、世界のその他(イギリスさえ)を結束させている。アメリカによって始められた侵略的で一方的な貿易戦争で、世界のその他の国々は全て、アメリカの制裁体制に対して対抗戦略に共謀するさらなる動機さえ今やもつだろう。

EUはゆっくり反応しているように思われるかもしれない。そしてこれは自信過剰のアメリカの政治家が、EUはできないだろうとか、しないだろうと思いがちかもしれない。しかし私を信じてください、EUは反応するだろう。なぜならこれは戦略的に必須事項なのだからです。EUはアメリカ制裁に災いの前兆を見てきた。彼らは、アメリカ支配からEUの主権を取り戻すためにこれを十分考慮し、計画し、じっくり準備するだろう。EU委員会大統領ジャン・クロード・ユンカーの最近のEUでのスピーチの文章を読んでください。EUがアメリカに対抗する制裁手段を展開するとき、それは大きく、包括的で、「きわめて」効果的になるだろう。

アメリカにとって否定的な変化は続くだろう

アメリカの銀行、金融、米ドルなどに対する代替システムがいったん開発され、成熟したら、それらは決して消えることはないだろう。

アメリカは自信過剰で、自身の世界的な経済的ヘゲモニーの資格を打ち壊そうとしている。そしてそれは結構なことだ。

*

カルステン・リーゼはコペンハーゲン・ビジネス・スクールの科学(経済)修士である。そしてコペンハーゲン大学からスペイン文化やスペイン語の学位を得ている。10億米ドル職責で、デンマークとスエーデンのメルセデスベンツの元副会長で主任財政委員(CEO)であった。着任当時、メルセデスベンツの世界販売組織内で最も若く、ドイツ人以外で最初の最高の地位にあった。

カウ(牛)ボーイからソイ(豆)・ボーイへ:アメリカの消費者は肉まがい、乳製品まがいの消費が増加

Cowboy to soy boy: Americans consuming more fake meat & dairy than ever

RT Business News 2018年9月16日
(翻訳: 寺島メソッド翻訳グループ 2018年10月5日)
<記事原文>
https://www.rt.com/business/438565-americans-fake-meat-milk/


植物性食品産業の顔となっている「グッド・フード・インスティテュート(GFI)」(※)の新しい研究によれば、動物性食品の代替物の販売量は37万ドルを超えたとのことだ。アメリカの小売り総売上高は過去12ヶ月でちょうど2%の増加だったが、植物性食品は同時期17%の伸びを見せた。

    ※[訳者注] The Good Food Institute(GFI): 植物性の肉(フェイク・
      ミート)や植物性の乳製品の普及をめざしている非営利団体でアメ
      リカを拠点としている。同協会のホームページは以下にある。 https://www.gfi.org/

「植物性食品産業は、どちらかと言えば『ニッチ(隙間)市場』だったのが、十分に主流と言える流れに入ったということです」と「植物性食品協会(PBFA)」の専務理事ミシェル・サイモン氏は語った。


サイモン氏の説明によれば、植物性の肉と植物性の乳製品の消費者は今やベジタリアンだけではない。「(以前は)消費の主流にいた人々ですら」「今日市場に出回っている、味もよく、革新的なこの植物性食品に手を伸ばしている」とのことだ。

GFIの研究によると、植物性の「肉」の売上高はこの1年間で23%延びた。昨年は6%の増加だった。植物性製品の売り上げ高はアメリカ国内9箇所の国勢調査地域で二桁の伸びを見せた。

GFIの下した予想は、植物性の肉の世界市場は今後2023年までに63億ドルに達するだろうというものだ。現在の市場規模は46億3千万ドルだ。

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「消費者の目が肉の消費を減らす方向に向く中、植物性の肉を選択する人がますます増えています。 実際、全米12%の一般家庭は現在植物性の肉を購入しています」とGFI企業担当専務のアリソン・ラブシュナック氏は語った。

「昨年からこれだけの増加があったことは決して無視できません。 この傾向がこのまま続いてほしいと思っています」とラブシュナック氏は付け加えた。

GFIの研究報告ではまた「今日の植物性の肉は約10年前の植物性ミルクと同じことになるのでは、という見方がある」ことにも気づいていた。

※[訳者注] 植物性ミルクとは、植物から採れるミルクで、豆乳、アーモンドミルク、ライスミルクなどがある。 

植物性ミルク(18億ドル市場)は「牛乳」アメリカ国内総売り上げ高の13%もの割合を占めている。 これと対照的に植物性の肉の場合は「肉」アメリカ国内売り上げ高の約1%にしか過ぎない。

GFIは指摘しているが、植物性の牛乳はますますごく普通の家庭食品となっており、他の植物性の乳製品も需要がある、ということだ。  こういった「他の植物性の乳製品」は、GFIによると、最大の売り上げ幅を見せた他の製品と肩を並べそうだ。

「シリアの子どもたちを助けてほしい!」ーある母親の血の叫びー

White Helmets stealing children for 'chemical attack' theater in Idlib
ベネッサ・ビーリー
RT Op-Ed   2018年9月17日
(翻訳: 寺島メソッド翻訳グループ 2018年9月28日)
<記事原文> https://www.rt.com/op-ed/438645-children-kidnapped-idlib-syria/


ベネッサ・ビーリーは独立調査ジャーナリスト・写真家
である。彼女は21su Century Wireの副編集長である。


誘拐されたシリア人少年の家族:ワハア、モハメッド・イブラヒム、ロットフェ、ハムザ© Vanessa Beeley

「子どもたちに平和を!子どもたちに遊びを!シリアの子どもたちを『もてあそぶ』のはやめなさい!」これは自分の子どもをテロ集団とホワイト・ヘルメットに奪われ、シリア北西部の都市イドリブに監禁されているある母親の言葉だ。

私がワファに会ったのは彼女の自宅で、夫のモハメド・イブラヒムと二人の息子ハムザ(9歳)、ロットフェ(14歳)も一緒だった。ワファとモハメドは二人とも弁護士で、出会いは同じ大学だった。ワファはしっかりした語り口で、その表情も拉致された11歳の息子アーメドを不安に思う気持ちを振り払うかのように、希望に満ち、楽天的だ。

「アーメドは生まれた時から言葉が不自由だったのです」と彼女は私に語った。「それで拉致されたのだと思っています。抗議も抵抗もできないからです。」

アーメドは1年前自宅からほんの200メートルのところでテロ集団に拉致された。その自宅がどこにあるかは彼女と彼女の家族の安全を守るため、ここで明示することはしない。アーメドが他の子どもたちと一緒にイドリブで拘束されていることはわかっている。その居場所が定期的に変更されるという情報は、未だにイドリブから出られない友人たちや家族からもたらされた。


家族から提供されたアフメドのコラージュ写真© Vanessa Beeley

2018年8月30日、シリア政府の外務大臣ワリード・ムアレム声明を発表した。アメリカの連合軍から資金援助されたホワイト・ヘルメットが44人の子どもたちを拉致し、イドリブにおける化学兵器を使った攻撃の映像を作成するために、その「小道具」として使おうとしている、というものだ。ホワイト・ヘルメットは、仏英米のシリア侵略を早めるためのシナリオを作り出してきた歴史がある。

2018年4月、ドゥーマが化学兵器で攻撃されたという彼らの最新の作り話は化学兵器禁止機関(OPCW)の中間報告によって信頼性に欠けるとされた。シリア政府が、人殺しジャイシュ・アル・イスラム狂信者集団からドゥーマを解放する最後の瞬間にサリンを使用したという扇情主義者たちの言説は、この中間報告の調査結果によって斥けられた。OPCWが採取したサンプルで見つかった塩素成分は家庭で使われるどんな製品からでも抽出できるもので、シリア政府が塩素を使用したという結論にはまったくならなかった。西側メディアと各国政府はOPCWのこの調査結果を無視し、イドリブにおける「化学攻撃」があったとする偽旗をまたもや準備している。そうすればシリア政府がイドリブのテロ掃討作戦中に、シリアに対してさらなる違法な攻撃を仕掛けることができるからだ。   


ドゥーマ神経ガス攻撃に関するOPCW(化学兵器禁止機関)の報告:欧米イデオローグにとっておぞましい見解

ワッファがいちばん恐れるのは、息子のアーメドが他の拘束された子どもたちと一緒に、「化学攻撃」映像の出演者として利用される可能性があることだ。

ワッファの言葉:「アーメドが拉致された時、私は仕事を辞めました。6ヶ月ほど前、友人がトルコからイドリブに来ました。シリアとトルコの国境を越える時、友人は車を止め休憩しました。彼らの息子はアーメドをよく知っています。アーメドの意思伝達の方法は特別です。自分を知っている人ならとても認識しやすい音を出します。友人の息子はアーメドがこの音を出すのを耳にしたのです。彼はアーメドが近くにいるよ、と両親に告げました。」

アーメドのこの存否に関わる話を語る時、ワッファの声は震えた。少なくとも彼は生きている。ワッファとその家族がこの情報を告げられた直後、イドリブ市の東にあるサラキブで、塩素ガス攻撃疑惑が起こった。 

この攻撃疑惑についてOPCWが最近公表した報告の結論はこうだ:
    
「塩素は、機械的な衝撃を与えて円筒から放出されるのだが、それは2018年2月サラキ
    ブのアルタリル近郊で化学兵器として使われた可能性が高い。」


しかし、「現地調査委員会(FFM)」はサラキブに入れないでいる。 この地域を占拠している「穏健的」狂信派に処刑されたり、拉致される危険性があるためだ。 その代わり彼らが全面的に依拠したのは、ホワイト・ヘルメットなどのような信憑性に乏しいニュースソースによってもたらされる「オープンソース[勝手に偽造できる]」の証言や証拠だった。

「サラキブで化学攻撃があったという複数の情報が伝わった直後、アーメドを拘束しているグループから電話がありました。電話口の男が言うには、アーメドを拉致した理由がなくなった、たぶん近々帰宅させるだろう、というものでした」とワッファが私に告げた。

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イドリブの孤児を使って「化学兵器攻撃」の映像を作るホワイト・ヘルメット ― ロシア軍


アーメドを拘束している人間を知っているのか、と私は彼女に訊いた。

「サラキブの事件の直後、何とかイドリブを脱出した数名の女性が私のところへ来ました。彼女たちの話によると、『アル-ナスラ・フロント(シリア駐留のアルカイダ)』が子どもたちを担当しており、ホワイト・ヘルメットが手を貸しているという。私がこのことを報告すると、ホワイト・ヘルメットは私を「シャビーハ[亡霊]」と糾弾しました。「シャビーハ」と言われることは武装グループに捕まれば、死刑宣告も同然です。」 

ワッファにはもうひとり妹がイドリブにいて、その妹が彼女に直接か、ロシアとシリアの間にある人道的回廊地帯を経由してイドリブを離れる人に情報を伝えることができる。この回廊地帯を使ってイドリブ解放の地上戦が始まる前に民間人を避難させることになっている。

「アブアルドゥフール回廊は再び開通するでしょう。しかし、わかっていますが、テロ集団はこの回廊を使ってイドリブを脱出する市民に300,000シリアドル(600$)を請求しています。みんな着の身着のままで脱出するのです。それなのに、この怪物たちは『自由』と『民主主義』をもたらすのだ、と言います。」 

ワッファはイドリブを占拠する外国人戦闘員をこんな風に描写した:
    
「イドリブにいる大半の人は外国人戦闘員を避けます。彼らは非常に過激で危険だか
らです。妹が私に話してくれたのですが、数日前彼女は自分の地区でウイグルの子ど
もたち前を歩いたのだそうです。子どもたちは妹のスカートの裾が高すぎるとなじ
り始めました。ホワイト・ヘルメットも同じだと人々は見ています。彼らは外国
人です。そしていい報酬を得ています。 外国人過激派のように金があります。イ
ドリブの人たちはほとんど子どもたちを学校に行かせていません。ホワイト・ヘル
メットに拉致されることを恐れているからです。」
  

ワッファの説明ではホワイト・ヘルメットは子どもたちを無事帰還させるのに金は要求しないということだった。彼女の家族の話によれば、金を要求することは紛争初期の武装グループのやり方だったそうだ。

「どうして金を要求しないのか? 子どもたちを別の目的で使いたいからです。彼らは自分たちを疑問視する人間を『シャビーハ[亡霊]』と呼びます。西側には自分たちのイメージをクリーンにしておきたいからです。彼らは『人道主義者』ではありません。制服を来たテロリストです。それしか言いようがありません。」

ワッファがひどく恐れているのは、これらのホワイト・ヘルメットを含むアメリカと連携している代理人たちが、事前に映像化しておいた毒ガス攻撃と報道されている出来事にアーメドがもう使われているかもしれない、ということだ。その目的は、シリア政府軍のイドリブ解放作戦が本当に始まったらすぐに、シリア政府とその同盟国を犯罪者扱いにすることにある。 

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「10日前、ある女性が私に会いに来ました。イドリブから到着したばかりでした。 彼女はアーメドが写った1枚の写真を私に見せてくれました。彼はまだ生きていて他の多くの子どもたちと一緒に拘束されているわ、とはっきり言いました。彼女の言葉によれば、攻撃の映像をどの場所で撮影するかによって、ホワイト・ヘルメットは子どもたちをあちこち移動させるのだそうです。子どもたちの拘置場所は常に刑務所です。息子が病気になってないか、怖がっていないか、とても心配です。息子は言葉が話せないのです。まちがいなくアーメドの顔は彼らが作成したビデオ映像や報告のひとつに映しだされるでしょう」とワッファは語った。

私たちがアーメドについて話をしていると、彼の弟のハムザがひどく衝撃を受け、だんだん興奮状態になってきた。

「アーメドの話をするといつもこうなんです。兄がいなくなって、彼の心の中はめちゃくちゃになっています」とワッファは説明した。「今までは、こういったことがあったので、アーメドのことばかり気遣ってきました。でも、これからハムザをもっと守ってあげるつもりです。」

インタビューの間、ワッファは取り乱すこともなく言葉使いにも説得力があった。彼女はあれこれの事実を、熟慮しながら、客観的に語ってくれた。彼女の息子は拉致された。シリアでもっとも残虐な過激派のいくつかのグループに拘束されている。ワッファは気丈でどっしりと構え、恐怖や同情などの感情を一切寄せつけなかった。終始誇り高く、物腰も柔軟だった。アーメドの父親のモハンメド・イブラヒムはさらに物静かで控えめだった。しかし夫婦や子どもたちとの強い絆があるのは明らかだった。この家族は、アーメドがこの試練を切り抜け、自分たちのところに絶対戻ってくるという希望と決意でひとつになっているのだ。 

「イドリブが解放されれば、政府軍は必ずアーメドを私たちのもとに連れてきてくれるでしょう。政府軍は息子を救出してくれます」。ワッファが初めて怒りとイライラの表情を見せたのは、私がこんな要請をした時だった。あなたの祖国は「穏やかな」占領状態にあるのだけれど、実際はどうなのか西側の人たちに詳しく話してみてほしい、と。

「私たちは声を出せません。私たちは忘却されたシリアの民です。誰も耳を傾けてくれません。あの怪物たちは私たちを殺しています。子どもたちを殺しています。私たちの命を盗み、私たちの祖国を破壊しています。そんなことを世界に向かって私たちが語っても誰も耳を傾けてくれません。「穏健派」は自由も民主主義ももたらしません。彼らがもたらすのは流血と恐怖と喪失感だけです。イドリブから彼らの存在をきれいさっぱり無くしてほしい。西側の国々は自分たちが送り込んだテロリストたちを私たちの国から外へ連れ出してほしい。こんな仕打ちを受けるような悪事を私たちは何もしていません。なんで息子が苦しまなければいけないのですか、何のために?お願いですから、こんなことは終わりにして!2011年以前の平和な生活に私たちを戻して!」

この家族に別れを告げようとする直前、私は、ワッファがこのインタビューの中でもっとも力強いメッセージを発したところを映像に収めた。

    
「子どもたちに平和を! 子どもたちに遊びを! シリアの子どもたちを『もてあそぶ』のはやめなさい!」


シリアでは、ますます多くの子どもたちが確実に死に追いやられる戦争に利用されている。こんなことは狂気じみている。ワッファが要求しているのは、西側の人たちがこの事実を認識し、西側諸国の手先となっている狂信派やホワイト・ヘルメット手にかかってシリアの子どもたちがこれ以上苦しまないよう、できることはみんなやってほしい、ということだ。私たちは彼女の心からの要請に耳を傾けるべきだし、その要請に沿った行動を起こすべきだ。私たちが何もしなければ、アーメドや彼と同じ苦しみの道を辿らせてしまう可能性のある他の子どもに、とき遅しとなってしまう。 

朝鮮戦争時のアメリカの爆撃は、第二次世界大戦でのドイツや日本の被害より壊滅的

Prof. Bruce Cumings: U.S. Bombing in Korea More Destructive Than Damage to Germany, Japan in WWII
JUNE 12, 2018

ブルース・カミングス教授
デモクラシー・ナウ 2018年6月12日
(翻訳:岩間龍男、大手山茂 2018年9月19日)
<記事原文>https://www.democracynow.org/2018/6/12/prof_bruce_cumings_us_bombing_in


トランプ大統領と北朝鮮指導者金正恩との歴史的会談が開かれました。これは、わずか数週間前の金正恩と韓国の指導者文在寅の歴史的会談の後のことです。この南北会談では、二人の指導者は朝鮮戦争を正式に終わらせる取り組みをすることに合意をしていました。そして火曜日のシンガポールでのサミットの後、トランプは朝鮮戦争を「極端に血なまぐさい紛争」と呼び、この戦争がすぐに正式に終わることを期待すると述べました。詳しくはシカゴ大学の歴史学者ブルース・カミングスにお話しを伺います。

カミングス教授は、Korea's Place in the Sun: A Modern History(1997) 邦訳『現代朝鮮の歴史―世界のなかの朝鮮』 横田安司・小林知子訳(明石書店、2003年)North Korea: Another Country (2004) 邦訳『北朝鮮とアメリカ――確執の半世紀』 杉田米行監訳/古谷和仁・豊田英子訳(明石書店、2004年)など、朝鮮に関する幾つかの著作があります。
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エイミー・グッドマン: デモクラシー・ナウ、戦争と平和の報道です。こちらはエイミー・グッドマンとファン・ゴンザレスです。今日はシカゴ大学の歴史学の教授ブルース・カミングスさんをお招きしています。カミングス教授は、Korea's Place in the Sun: A Modern History(1997)  North Korea: Another Country (2004)など、朝鮮に関する多くの著作があります。
さてあなたは朝鮮情勢について数十年追ってこられましたね。今日、署名された声明について、あなたが最も驚かれたことについて、お話いただけますか。カミングズ教授、これは、ほんとうのところ、過去の延長線上にあることなのか、初めて過去と断絶する動きなのか、どちらなのでしょうか。

ブルース・カミングス: そうですね、北朝鮮とアメリカの新しい関係について確認された最初の原則はとても重要ですね。つまり朝鮮民主主義人民共和国を国家として承認したことです。                             72年前、アメリカは1946年2月に金日成が権力を握ったことを認めませんでした。それは世界の耳目を集める中央権力掌握でした。アメリカはそれをソビエトの策略だと非難しました。そしてその後ずっと、アメリカは北朝鮮の国家の承認を拒否してきました。北朝鮮のイデオロギーは、自国の威厳を前面に押し出し、他国からの尊敬を欲することと不可分です。ですから声明でアメリカが北朝鮮を国家として承認すると言った第一原則はとても重要だと思います。 アメリカがそれをきちんと実行すれば、の話ですが。

第二に、いいですか、ドナルド・トランプはこんな風に何物にもとらわれない動きをします。彼の朝鮮問題への見方にはとらわれがないのですね。戦争が1953年に終わった後すぐに、あるいは過去60年間のどこかの時期に、平和条約が結ばれなかったことは馬鹿げたことだと、トランプは言っています。そして、その点については彼の言っていることは正しいのです。

しかし、「北朝鮮との外交は可能だ」との立場を取るジャーナリスト、ティム・ショロックが次のように言っていることに異論はありません。「腰が抜けるほど驚いたのは、トランプが軍事演習は挑発的だと言ったことです。軍事演習を中止する、少なくとも一時中断するという言葉は言わずもがなです」と述べているところです。バラク・オバマが大統領で、北朝鮮ミサイルと爆弾実験を含む特別な危機があった時、朝鮮半島にダミーの原爆を落とすために核兵器搭載可能爆撃機を送ろうとしました。ティムが言ったように、しばしば軍事演習には、北朝鮮政権の転覆する試みの計画、元山港に海兵隊を派遣して戦争の初期の段階で平壌(ピョンヤン)を行進する計画、そして朝鮮戦域での核兵器の使用が含まれていました。したがって、これらの軍事演習が中止となったことは大変に重要だと思います。しかし、それはまたその状況について全く知らない人物がいることが露わになったということです。はっきり言うと、それはドナルド・トランプのことです。彼は状況を見て言いました。「ちょっと待て、これは費用がかさむだけでなく、非常に挑発的なことだ」と。

また私はCNBCのホワイトハウス担当記者クリスティーヌ・ウィルキーが次のように言ったことに賛成です。すなわち、サミットの演出は非常に重要だったことです。朝鮮民主主義人民共和国の国旗がアメリカ国旗のすぐ隣にあったこと、ドナルド・トランプが北朝鮮の指導者を、利口な男、偉大な男と述べたこと、これらすべてが重要な演出でした。このようなトランプの声明に対してアメリカではあらゆる種類の中傷があることは分かっています。しかし、明らかにトランプは直に知り合いになる関係が大切だということを知っています。そしてこのことはうまくいったようです。

フアン・ゴンザレス: ブルース・カミングスさん、アメリカと北朝鮮の関係の歴史を知らない多くの視聴者のために、あなたに尋ねたかったことがあります。朝鮮戦争でアメリカが北朝鮮を攻撃した時の破壊のレベルについて話していただけますか。また、中国やベトナムとの国交正常化などアジアで変化が起きたにもかかわらず、どうしてアメリカがある意味で冷戦にこだわった地域として朝鮮は残ってしまったのでしょうか。

ブルース・カミングス:そうですね、まず第2の質問をとりあげてみましょう。それは簡単に答えられる質問です。北朝鮮と韓国のよりよい関係、北朝鮮とアメリカのよりよい関係を望む韓国政府が必要だということです。そして9年間そのような韓国政府はありませんでした。しかし、文在寅が政権の座に就くと、彼は即座に北朝鮮とのよりよい関係を持つつもりだと述べました。そしてクリスティーンが述べていたように、文在寅はアメリカと北朝鮮を引き合わせる本当に重要な導き手でした。

だから、文在寅大統領の押し進める融和的な流れの中でーそのような流れが現在や過去にしばしばあったわけではありませんがー物事が前に進んでいます。しかし、これは初めてのことではありません。このことは90年代にも起きました。金大中が政権の座に就いた時、北朝鮮とよりよい関係を持った時です。しかし、文在寅はかなり経験を積んでいました。彼はもう一人の進歩的な大統領であった盧武鉉(ノムヒョン)の首席補佐官でした。彼は自分が何をしているのか分かっています。だから、主にそのような理由から現在アメリカが北朝鮮とよりよい関係を築く過程にあります。

北朝鮮人は誰でも知っていますが、朝鮮戦争では家族が殺されました。通常は米軍が際限無く投下した焼夷弾によってです。基本的には、第二次世界大戦中ドイツと日本の都市を廃墟にするために使われた焼夷爆弾が北朝鮮にも投下されたのです。この爆撃のせいで北朝鮮には15から16のあまり規模の大きくない都市がありましたが、すべて地上から抹殺されました。アメリカ空軍の統計によれば、北朝鮮の都市での破壊の割合は時には100%であったこともあり、第2次世界大戦でのドイツや日本の破壊の割合より概して高率でした。さらには、ナパーム弾が至る所で使われました。

チャーチルは1953年アイゼンハワーにわざわざ打電し、次のような要点を告げなければなりませんでした。「ナパーム弾を発明した時、私たちは見境無く民間人にそれを使用することなど、まったく念頭にありませんでした」。歴史家たちは見積もっています。ベトナム戦争での死傷者の約40%が民間人だったことと比べると、朝鮮戦争での死傷者の約70%は民間人でした。だからトランプ大統領が言ったように、それはとてもとても破壊的な戦争でした。そしてすべての北朝鮮の人々はそのことをすべて知っています。