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アメリカは、中東へ1000人の増派-----ペンタゴン

US to send 1,000 additional troops to Middle East - Pentagon

RT Home/World News/(2019年6月17日)

(翻訳:新見明 2019年6月20日)

<記事原文>
https://www.rt.com/news/462096-us-troops-middle-east/



©Reuters / Handout

国防省長官代理は中東へ1000人の追加派兵を承認した。この前の湾岸の石油タンカー攻撃に関して、「信頼できる、正確な」情報をもとに、ワシントンはイランを非難する。

月曜日の声明で、アメリカ国防長官代理パトリック・シャナハンは、米中央指令軍(CENTCOM)から要求されていた「中東における陸海空の脅威」に対処するために軍の増強を承認した、と述べた。

アメリカは5月初旬以来、その地域における軍を増強してきた。ワシントンはパトリオットミサイルや核搭載可能な爆撃機や空母打撃群軍をその地域に配備した。そこでは現在1500人の軍隊がいる。テヘランからの増大する脅威が、その増強を正当化した。ワシントンはこの2ヶ月にわたるその地域での多くの事件でイランを非難した。テヘランはその関わりを否定している。


Also on rt.com US planning ‘tactical assault’ on Iran in response to 'tanker attack' — report
(さらに読む)アメリカは「タンカー攻撃」に対してイランへの戦術的攻撃を計画している----報告

 
ニューヨーク国連による最近の報告では、オマーン湾における2隻の外国タンカー攻撃への報復として、ワシントンは「戦術的イラン攻撃」開始を考慮していると述べている。


Also on rt.com Pentagon releases new pictures of the Oman Gulf tanker attack, says they 'prove' Iran's guilt
(さらに読む)ペンタゴンはオマーン湾タンカー攻撃の新たな写真を発表し、「イランの犯罪は証明された」と述べる。


国連声明のほんの数時間後に、ペンタゴンはイランの犯罪を証明するとする新たな写真を発表した。その事件は、日本籍のタンカー「コクカ・カレイジャス」とノルウェー籍の「フロント・アルタイル」が破損させられたが、写真からは標識も旗も船名も識別できない。

イランは、イランがかかわったとする主張をすべて否定した。それは世界中でアメリカの利権を守るために行われてきた「偽旗作戦」の膨大な記録を見ればわかることだと指摘した。
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フアン・グアイドはアメリカの「でっち上げ」―――
アメリカはどのようにベネズエラのクーデター指導者を
つくり出したのか

The Making of Juan Guaidó: How the US Regime Change Laboratory Created Venezuela’s Coup Leader

The Grayzone(Investigative journalism and news website focusing on war and empire
Venezuela  グレーゾーン 2019年2月20日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年6月11日)

<記事原文>
https://consortiumnews.com/2019/01/29/the-making-of-juan-guaido-us-regime-change-laboratory-created-venezuelas-coup-leader/
フアン・グアイドは、ワシントンの政権転覆指導者エリートたちが10年かけて作り上げた産物だ。グアイドは、 民主主義の優れた推進者としてのポーズを取っているが、暴力的な不安定化路線の最前線に何年もその身を置いていた。


ダン・コーエンとマックス・ブルーメンソール

「暫定大統領」を自ら宣言した1月22日以前、フアン・グアイドの名前を耳にしたベネズエラ人は5人に1人もいなかった。 ほんの数ヶ月前、フアン・グアイドは35歳になったばかりだ。 政治的には極右の泡沫集団の中でもぱっとしない存在だった。 この泡沫集団が深く関わってぞっとするような暴力的街頭行動が引き起こされた。 反対派が支配的な国民議会内で所属政党の中ですら、序列としては中程度の人物だった。 この国民会議は、現在、ベネズエラ憲法に規定された「法廷侮辱罪」の宣告を現在受けている。 

しかし、アメリカ副大統領のマイク・ペンスから一本の電話があると、グアイドは自らをベネズエラ大統領と宣言した。 アメリカ政府からベネズエラの指導者とのお墨付きを得ると、それまで無名で政治的にもおよそ「指導者」とは言い難いところいた彼が、突然国際的な舞台に躍り出た。 原油埋蔵量世界一の国ベネズエラの指導者をアメリカが選び出したというわけだ。  

こういったアメリカ政府の意向に呼応して、ニューヨーク・タイムズの編集局はグアイドをマドゥロに対する「信頼できる対抗馬」と持ち上げた。 「ベネズエラを前進させる新鮮な行動スタイルとビジョン」を備えた人物だ、と。 ブルームバーグの編集局は「民主主義の復活」を追求する人物として、彼を手放しで褒め称えた。 ウォールストリート・ジャーナルは、グアイドが「新しい民主的な指導者」だと明言した。 また、カナダ、欧州の少なからぬ国々、イスラエル、そして「リマ・グループ」として知られる一群の右翼ラテンアメリカ政府は、グアイドをベネズエラの合法的指導者として承認した。 

どこの馬の骨ともわからないような人物に見えたグアイドだが、実は、10年以上前からアメリカ政府配下のエリート集団が手がける「政権転覆工場」で念入りに仕込まれて出来上がった「製品」なのだ。 右翼学生活動家の幹部らと共に、グアイドは訓練・養成され、①ベネズエラの社会主義志向政府の弱体化、②ベネズエラの不安定化、そして③いつか権力を掌握する、ことを目指していた。 ベネズエラの政治世界では取るに足らない人物だったグアイドだが、何年にも亘って、彼は「自分は使える人間だ」と、ワシントンの権力中枢に密かに売り込んでいた。



「フアン・グアイドはこういった状況のために創作されたキャラクターです」とマルコ・テルーギはグレイゾーンのインタビューに答えてくれた。 マルコ・テルーギはアルゼンチンの社会学者で、ベネズエラ政治の編年史家としては一流の仕事をしている。 「すべて『工場の論理』で動いています。 グアイドはいくつかの要素を組み合わせた合成品のようなものです。 そうして出来上がったキャラクターとして、彼は嘲笑の対象になったり、やっかいな人物との間を揺れ動きます。 それがウソ偽りのないところです」 

ディエゴ・セケラは、ベネズエラのジャーナリストで、ミッション・ヴェルダトという調査報道メディアにも記事を書いているが、同じ意見だ。 「グアイドはベネズエラ国内より国外で名前が知られています。 特に、アイビー・リーグのエリート大学や、ワシントンの複数のサークルで。 そこで名前が売れた人物ですから、彼が右翼であることは予測がつきます。 また政権転覆計画に忠実な人間と考えられています」との意見を、ディエゴ・セケラはグレイゾーンのインタビューで述べた。 

グアイドは今日、民主主義回復の顔として売り出されているが、政治的な経歴としてはベネズエラで最も過激な反政府グループの最も暴力的な分派メンバーだった。 その最先頭に立って数々の不安定化作戦を展開していた。 このグループのベネズエラ国内での信頼度は低く、ひどく弱体化した反対勢力をばらばらにした責任もあると考えられている。

「こういった過激派リーダー達は世論調査でたった20%の支持率しか得ていない」とベネズエラの優れた世論調査員であるルイ・ヴィンセント・レオンは書いている。 レオンの記事に依れば、グアイドのグループの支持が広まらないのは、国民の大半が「戦争を望んでいないからだ。『国民が望んでいるのは問題の解決』だ」という。 しかし、これこそまさにアメリカがグアイドを選んだ理由である。  アメリカが彼に期待しているのは、ベネズエラに民主主義を!などではない。 過去20年間、アメリカの覇権に抵抗する防波堤となってきたこの国を崩壊させて欲しいのだ。  グアイドは取って付けたように登場したが、それはベネズエラにおける強固な社会主義の実験を破壊しようとする20年越しのアメリカの計画が、その頂点に達したことを示している。

「トロイカ独裁国体制」を標的に

1998年にウゴ・チャベスが大統領に当選して以来、アメリカはベネズエラとその膨大な埋蔵原油への支配回復を目指して闘った。 チャベスの社会主義的計画が実行されると、国富の再分配が行われ、何百万という国民を貧困状態から引き上げることにつながった。 しかし、それはまた国に危険を招くことでもあった。 

2002年、ベネズエラの右翼反対勢力は、一時、チャベスを追放した。 アメリカの支援と承認を受けてのことだ。 だが軍は、大規模な民衆行動の後、チャベスを大統領職に復帰させた。 ブッシュ(子)やバラク・オバマの政権を通して、チャベスは数多くの暗殺の陰謀を生き抜いてきた。 しかし、2013年、ガンの病に倒れた。 彼の後継者のニコラス・マドゥロは三回命を狙われた。 

トランプ政権は、時を置かず、ベネズエラをアメリカ政府による政権転覆リストのトップに引き上げた。 ベネズエラは「トロイカ独裁国体制」のリーダーだとのらく印を押して。 昨年、トランプの国家安全保障チームはベネズエラ軍の高級将校達を使い、軍事政権を樹立させようとしたが、それは失敗した。

ベネズエラ政府に依れば、アメリカは「コンスティテューション(憲法)作戦」というコードネームの陰謀にも関与していた。 この作戦ではミラフローレス大統領宮殿でマドゥロを捕縛することになっていた。 さらに、「アルマゲドン作戦」と呼ばれる陰謀では、2017年7月の軍事パレードで彼を暗殺することになっていた。 それから1年ほどして、亡命中の右翼反対勢力はカラカスの軍事パレードでドローン爆弾を使ってマドゥロを暗殺しようとしたが、失敗した。 

こういった陰謀の10年以上も前に、右翼反対勢力の学生グループが一本釣りされ、既述のアメリカが資金援助する「政権転覆訓練所」の訓練を受け、ベネズエラ政府の転覆と新自由主義的秩序の回復を目指した。

「幾多のカラー革命の種を蒔いた『革命輸出』グループ」の訓練

2005年10月5日、チャベスの人気が頂点に達し、広範囲な社会主義的プログラムをベネズエラ政府が計画していたころ、5人のベネズエラ「学生指導者達」がセルビアのベオグラードに到着、反乱のための訓練が始まった。

学生達がベオグラードに来たのは、CANVAS(「非暴力的行動と戦略応用センター」)のベネズエラ枠からであった。 CANVASの基金は、その大半が「全米民主主義基金」から出ている。 「全米民主主義基金」は政権転覆を促すアメリカ政府の主力部隊としての機能を果たすCIAの出先機関だ。 また、「共和党国際研究所」や「全米民主国際研究所」のような派生機関でもある。 「陰のCIA」として知られる情報会社ストラトフォーのリークされた部内メールに依れば、CANVASは「1999年から2000年にかけての反ミロシェビッチ闘争で、CIAからも資金と訓練指導を受けていた可能性がある。」

を意味する「オトポール」は、学生集団として反政府運動を組織し、ついにはスロボダン・ミロシェビッチを打倒したことで世界的な名声を博した。 ハリウッドばりの広報宣伝も行われた。 

この政権転覆の専門家たちが小さな核となって、活動を展開していた。 その理論的支柱は「クラウゼヴィツの非暴力版」と言われた故ジーン・シャープである。 シャープは、前アメリカ国防情報局(DIA)の分析官であったロバート・ヘルヴェイ大佐との共同作業で、多面的な形態の抗議運動を武装化する戦略的な青写真を描いた。 その標的は、アメリカの一極支配に抵抗する国々である。  


Otpor at the 1998 MTV Europe Music Awards

オトポールを支援したのは、「全米民主主義基金」、「アメリカ合衆国国際開発庁(USAID)」、そしてジーン・シャープが立ち上げた「アルベルト・アインシュタイン研究所」だった。 オトポールを訓練した中心人物の一人であるシシナ・シクマンは、「オトポールはCIAから直接資金援助を受けることすらある」と、かつて語っていた。

前述した「影のCIA」とも言われる情報会社ストラトフォーのスタッフがリークしたメールに依れば、ミロシェビッチを権力の座から追放した後、「オトポールの幹部連中は成長し、スーツ姿となり、CANVASを構想した。 つまり、「革命輸出」グループに変身し、幾多のカラー革命の種を蒔いたのだ。

ストラットフォーのリークメールが明らかにしたのは、CANVASは2005年に「その関心をベネズエラに向けた」ということだ。 それは東ヨーロッパ全体に広まった親NATO勢力による政権転覆作戦につながった反政府運動を訓練した後のことだ。 

CANVASの訓練プログラムを観察して、ストラットフォーはその暴徒的行動の意図を驚くほどに率直に語ってみせた。 「成功するかどうかは、全く保証の限りではない。 また、学生運動はほんの端緒に過ぎない。 これからどれほどの年月がかかるかわからないが、ベネズエラに革命のきっかけを与える努力をしてゆくのだ。 そうは言ってもCANVASの訓練者達は自ら『バルカンの殺戮者達』で経験を積んでいる。」 彼らが手にしたスキルは真っ当なものではない。 学生達がベネズエラの5つの大学で同時デモを繰り広げる様子を見れば、訓練は終了し、実戦が始まったことは明らかだ。

「ジェネレーション2007」政権転覆要員の誕生

「実戦」は2年後、2007年に始まった。 グアイドがカラカスにあるアンドレ・ベロ・カソリック大学を卒業した年だ。 彼はワシントンDCに移り、ジョージ・ワシントン大学で管理・政策運営のプログラムを受講した。 指導教官はラテンアメリカにおける最高の自由主義経済学者の一人であるベネズエラ人ルイス・エンリケ・ベリーズバイティア。 ベリーズバイティアは「国際通貨基金」(IMF)の常任理事を務めたことがあり、チャベスが追放した旧寡頭政権下で10年以上ベネズエラのエネルギー部門を担当した。 

その年、ベネズエラ政府が「ラジオ・カラカス・テレビ」(RCTV)の免許更新を認めなかった後、グアイドは、反政府デモを主導する手助けをした。 個人が所有するこのテレビ局は2002年のウゴ・チャベスに対するクーデターで中心的な役割を果たした。 RCTVは反政府デモを煽り立て、反対派が行った暴力行為を政府支持者の仕業だと虚偽の情報を流し、クーデターが企てられている間、政府寄りの報道を禁止した。 RCTVや他のオリガルヒ(寡頭政治の支配者)が所有するテレビ・ラジオ局が、失敗に終わったクーデターを推し進める時に果たした役割は、有名なドキュメンタリー『放映されない革命』において、時系列で記録された。 

同年、2007年、これらの学生達はチャベスの『21世紀の社会主義』のための憲法国民投票を妨害したことを声高に自慢した。 『21世紀の社会主義』とは「ベネズエラの政治的、社の再組織化のための法的枠組みを設定し、新しい経済発展のための前提条件として組織化された市町村に直接的な権限を与えること」を約束している。 

RCTVや国民投票を巡る抗議運動から、アメリカの支援を受けた政権転覆活動に特化した幹部集団が生まれた。 彼らは自らを「ジェネレーション2007」と名乗った。 

「ジェネレーション2007」の訓練を担当したストラットフォーとCANVASは、グアイドの協力者であり、リバタリアン的な考えを持つ政治的オルグのヨン・ゴイコエチェアを、憲法国民投票を失敗させる「キーパーソン」であるとした。 翌年、ゴイコエチェアはそれまでの奮闘に対して、ケイトー研究所の「ミルトン・フリードマン自由促進賞」が授与された。 副賞は50万ドル。 彼はその金を即座に自分の政治的ネットワークにつぎ込んだ。



フリードマンとは、もちろん、悪名高い「シカゴボーイズ」のゴッドファーザー的人物であった。 この「シカゴボーイズ」をチリの独裁的軍事政権指導者アウグスト・ピノチェトが、自国に導き入れ、過激な「ショックドクトリン」型緊縮財政諸政策を実行した。 ついでながら、ケイトー研究所とはワシントンに本拠を持つ、リバタリアン派のシンクタンクで、創設者はコーク兄弟である。 この二人が共和党への献金では上位2位を占め、ラテンアメリカ全域の右翼勢力への積極的な支援者になった。

ウィキリークスが公表した2007年のメールは、在ベネズエラ米大使であるウィリアム・ブラウンフィールドが国務省、国家安全保障会議(NSC)、そしてアメリカ国防総省南方軍に配信したものだ。 このメールで、彼は「『ジェネレーション2007』が、政治的課題を設定することに手慣れたベネズエラ大統領に、有無を言わさず(過剰)反応」させたことを賞賛している。 「突出したリーダー」としてブラウンフィールドが名前を挙げているのは、フレディ・ゲバラ と ヨン・ゴイコエチェアの二人だ。 ヨン・ゴイコエチェアについては「市民の自由をきちんと擁護できる学生の一人」と賞賛している。

ケイトー研究所などのリバタリアン的な考えに染まったオリガルヒ(寡頭政治派)や、アメリカ政府のソフトパワー的な装いを凝らした組織から潤沢な資金を得て、ベネズエラの過激派集団「ジェネレーション2007」はオトポール戦術を街頭行動で繰り広げた。 その際、下に示したようなロゴをこの集団の目印とした。


“Galvanizing public unrest…to take advantage of the situation and spin it against Chavez”
「大衆の不安を煽り立て、情況を有利に、そしてそれを反チャベスの運動へ!」

2009年、「ジェネレーション2007」の若い活動家達は、それまで見たこともないような挑発的なデモを敢行した。 公道でズボンを下げ、突拍子もないゲリラ的な演劇戦術を展開したのだ。 それはジィーン・シャープが政権転覆マニュアルでその輪郭を描いたものをなぞったものだ。 「ジェネレーション2007」は、JAVUと呼ばれる、自分達と同じような脚光を浴びた若者集団の一人が逮捕されたことに抗議するデモを組織していた。 大学人ジョージ・シッカリエロ・マーハーの著書『コミューンの形成』からの引用:

JAVUという極右グループは「その資金を様々な米国政府関係機関から集めた。 
その資金を使い、過激な反政府街頭行動を繰り広げたため、急速にその評判を
落とすことになった。」 

そのビデオは手に入らないが、その中心的な参加者の一人がグアイドだと、多くのベネズエラ人は認めている。 その告発の真偽は確認されていないが、たとえそうだとしても、決してあり得なくはない。 尻を丸出しにしたデモ隊はグアイドが属する「ジェネレーション2007」の中核メンバーであり、彼らのトレードマーク「Resistencia! Venezuela」のTシャツを着ている。 その写真は下に。


Is this the ass that Trump wants to install in Venezuela’s seat of power?

その年、2009年、グアイドは、また趣向を変えて、公の場に登場した。 彼の属する「ジェネレーション2007」が培ってきた反チャベスのエネルギーをまとめる政治グループを立ち上げたのだ。 そのグループは「民衆の意志」と呼ばれ、指導者はレオポルド・ロペス。 プリンストン大学で教育を受けた右派の扇動的指導者。 「全米民主主義基金」プログラムに深い関わりを持ち、ベネズエラでも最も富裕なある地域(カラカス市)の首長に選出されている。 ロペスは、ベネズエラ初代大統領の直系として、ベネズエラ貴族主義の顔だった。 また、アメリカに本拠を置く「人権財団」の創設者であるトール・ハルヴォルセンはいとこにあたる。 この「人権財団」は、アメリカが政権転覆を狙う国々で、アメリカの支援を受けながら反政府活動をする活動家達のための宣伝業務を行う場として、実質的には機能している。

ロペスとアメリカの利害はきちんと一致しているが、ウィキリークスが発表したアメリカ外交電報では、彼の常軌を逸した傾向が強調されていて、それは延いては「民衆の意志」という組織を泡沫的な組織にしてしまうだろうという。 ひとつの電報に記されたロペスの人物評として「反政府グループ内でも非協調的で...傲岸で執念深く、強い権力志向を持っていると言われることが多い」と描かれている。 他の電報で強調されているのは、彼が街頭での武闘作戦に強いこだわりを持っていることと、彼の「非妥協的なアプローチ」だ。 それがベネズエラの民主的組織の統一と参加を最優先する他の反政府グループ・リーダーとの軋轢となっている。


Popular Will founder Leopoldo Lopez cruising with his wife, Lilian Tintori

2010年までに、「民衆の意志」とそれを背後で支援する国外の諸組織は、数十年に一度という規模でベネズエラを襲った大干ばつを利用することにした。 大量の電力不足がこの国を直撃したのはこの水不足のせいだった。 水は水力発電所には不可欠なものだ。 

グアイドと彼が率いる反政府グループの主要な助言組織であるストラットフォーとCANVASは、到底まともとも取れないような計画を立案した。 ボリバル革命の心臓部に短剣を突き刺すような計画だ。 この企みの成功はベネズエラの電力システムの70%を、早ければ2010年4月までに、壊滅できるかどうかにかかっていた。 

「これは分岐点になり得る。 電力システムが動かなくなれば、チャベスには貧困層を守る手立てがほとんどないからだ」とストラットフォーの内部文書にはきちんと書かれている。 「おそらく国民の不安に火をつけるインパクトになるだろう。 これまでどの反政府グループがやろうとしてもできなかったことだ。 その時点で、ある反政府グループに動いてもらうことが最善となるだろう。 この情勢を活用し、「反チャベス!」と「国民へ必要物資を!」の運動へと舵を切らせるのだ」

この時点までにベネズエラの反政府勢力は、年間4,000万ドルから5,000万ドルという驚くべき額の資金をUSAID(アメリカ合衆国国際開発庁)や全米民主主義基金から受け取っている。 これはスペインのシンクタンクFRIDE機構の報告だ。 この反政府勢力は巨額の預金を持っていて、その口座の大半は国外に置かれていた。

ストラットフォーの描いたシナリオがうまくいかなかったこともあり、「民衆の意志」の活動家とその同調者達は、非暴力の仮面をかなぐり捨て、ベネズエラの国情を不安定化させるような過激な計画に加わった。

暴力的不安定化路線へ

ベネズエラ保安局が入手し、前司法大臣ミゲル・ロドリゲス・トレスが公表したメールに依れば、2010年11月、グアイド、ゴイコエチェア、そして他数名の学生活動家達は、メキシコにある“フィエスタ・メヒカナ”と呼ばれるホテルで5日間の秘密訓練に参加した。 この訓練はベオグラードに本拠があるオトポールが運営したものである。 オトポールは政権転覆の訓練士集団でアメリカ政府の支援を受けている。 この秘密訓練は、メールに依れば、オットー・ライヒの承認を受けていた。 オットーは狂信的な反カストロ派キューバ人亡命者で、ブッシュ(子)政権下の国務省と前コロンビア大統領で右翼アルバロ・ウリベの下で仕事をしていた。 これもメールに記載されていることだが、この秘密訓練でグアイドと参加していた学生活動家達は、断続的で長期的な暴力的街頭行動を通して混沌状態を創り出し、ウゴ・チャベス大統領を放逐する計画を密かに練った。

石油産業の表看板である3人の人物、Gustavo Torrar、Eligio Cedeño、Pedro Burelliがこの訓練の運営費用52,000ドルを支払ったと言われる。 Torrarは自称「人権活動家」であり「知識人」だ。 彼の弟Reynaldo Tovar Arroyoはメキシコで石油・ガスを扱う民間企業Petroquimica del Golfoのベネズエラにおける代表だ。 この民間企業はベネズエラと契約を結んでいる。

Cedeñoは、彼の立場としては亡命ベネズエラ人ビジネスマンであり、アメリカへの亡命を申請している。 そしてペドロ・ブレリはJPモルガンの元重役であり、以前ベネズエラの国営石油会社PDVSAの取締役を務めていた。 彼は1998年ウゴ・チャベスが大統領になるとPDVSAを辞めた。 現在はジョージタウン大学に開設されている「ラテンアメリカ・リーダーシップ計画」の諮問委員会に席を置いている。

Burelliは、自分がこの秘密訓練に関わりを持ったとするメールはでっち上げだと主張し、それを証明するため、私立探偵を雇うこともした。 この私立探偵は、グーグルの記録を見て、ブレリのものだとされるメールが発信されたことは一度もない、と言明している。 

だが今日ブレリは自分の願望を大っぴらにし、ベネズエラの現大統領ニコラス・マドゥロが追放され、さらにはリビヤの指導者ムアンマル・カダフィがNATOに支援された民兵達にされたように、街頭に引き出され、銃剣が肛門に突き刺されるところを見たい、と広言している。



更新:ブレリはこの記事が公開されると本サイト「Grayzone」とコンタクトを取り、自分が「フィエスタ・メヒカーナ」策略に関わった経緯を明確にしたいと言った。 ブレリは「この『秘密訓練』は合法的な活動だ。 ただ、ホテルの名前は違っている」と語った。

オトポールがこの秘密訓練の取りまとめを行っているのか、と聞いても彼は、オトポール/CANVASの仕事は「気に入っている」と述べるだけだった。 また自分はそれに資金提供しているわけではないが、「その動きを見守り、オトポール/CANVASが指揮している活動に参加することをいろいろな国の活動家達に勧めている」

これもBurelliの言葉:「アルベルト・アインシュタイン研究所は何千人もの人間の訓練を公然とベネズエラで実施した。 ジーン・シャープの哲学を幅広く研究し、それを自分のものとしたのだ。 そして、恐らくは、こういった動きがあるおかげでベネズエラでの闘いが内戦に転化しなくて済んでいる」

ホテル「フィエスタ・メヒカーナ」での策略とされているものが、別の不安定化計画へと流れていった。 これはベネズエラ政府が出した一連の文書で明らかになったものだ。 2014年5月、ベネズエラ政府はニコラス・マドゥロを狙った暗殺策謀の詳細を示す文書を公開した。 この文書で反チャベスの強硬派マリア・コリーナ・マチャド(現在米上院議員マルコ・ルビオの懐刀)が名指しで、この暗殺策謀の指導者とされている。 マチャドは全米民主義基金から資金援助を受けたグループSumateの創設者として、反政府集団の国際的な紐帯として動いている。 2005年にはブッシュ(子)大統領を訪問した。 


Machado and George W. Bush, 2005

「今が努力を結集すべき時です。 必要な呼びかけを行い、資金を調達し、マドゥロを抹殺するのです。 そうすれば他の連中は散り散りになります」と書いたメールをマチャドは、2014年、元ベネズエラ外交官のディエゴ・アリアに送った。

マチャドは別のメールで、マドゥロ暗殺計画をアメリカのコロンビア大使ケビン・ウィタカーが承認してくれていると述べている。 「私はもう決断しています。 この闘いを継続し、マドゥロ政権を放逐し、世界の友人達にこの成果を示すのです。 サン・クリストバル市(カラカスから南西約600キロ、タチラ州の州都。反政府運動の震源地でその鎮圧のため数千人の軍が派遣された)に出向き、OAS(米州機構)の前にこの身を晒しても怖いものは何もありません。 ケビン・ウィタカーが支援を再確認してくれています。 そしてこの新しい方策に目を向けてくれました。 我々はマドゥロ政権よりも強大な小切手帳を所持し、OASという国際的安全保障の輪を砕きます。 

グアイドは率先してバリケードへ

2014年2月、学生デモ隊は亡命しているオリガルヒのために突撃部隊として暴力的なバリケードをベネズエラ全土に構築した。 これは反政府勢力が支配する区域を暴力的な要塞にするもので「ガリンバス」として知られている。 国際的なメディアは、この激動を自然発生的な抗議運動で、マドゥロ政権の強権支配に抗するものと描きだしているが、この顛末を指揮しているのは「民衆の意志」であるという証拠は十分あった。

「学生デモ隊の誰一人自分達の大学のTシャツは着ていませんでした。 みんな『Popular Will(民衆の意志)』か『Justice First(まず、正義を)』のTシャツを着ていました」と語ってくれたのは、その時ガリンバスに参加していた人物だった。 「みんな学生集団だったかもしれません。 でも学生自治会は反政府政党の傘下にあり、学生達を指導していました。」

中心人物は誰だったのか、の質問にこのガリンバス参加者は「ええ、ありのまま申し上げれば、 そういう人たちが今政治家になっています」と答えた。

43名前後の人が2104年のガリンバスで死亡した。 3年後、またガリンバスが勃発し、公共インフラの大量破壊があり、政府支持者達が殺害され、そして126名の死者(多くはチャベス派)が死亡した。 政府支持者達が、武装ギャングたちに生きたまま火をつけられたケースもいくつかあった。

グアイドは直接2014年のガリンバスに参加していた。 実際彼は、自分がヘルメットとガスマスクを被り、マスクとヘルメット姿で高速道路を封鎖していたデモ隊に取り囲まれている様子を映したビデオをツイートしている。 このデモ隊は警官隊と激しく衝突していた。 「ジェネレーション2007」に自分が参加していたことを匂わせながら、グアイドは「2007年のことは忘れない。 我々は『学生諸君!』と宣言した。 今我々は『抵抗だ!抵抗だ!』と声を大にして言おう」と宣言した。 

グアイドはこのツイートを消去している。 民主主義のチャンピオンとしての自分のイメージへの気遣いがあったことは明らかだ。



2014年2月12日、この年のガリンバスが最盛期に達した時、グアイドは「民衆の意志」と「まず正義を」の集会でロペスと同じ演壇に立った。 政府に対する激しい非難の長広舌の中で、ロペスは群衆に、検事総長ルイザ・オルテガ・ディアスの事務所に行進するよう強く呼びかけた。 すぐに、ディアスの事務所は、それを焼失させようとする武装したギャング達に攻撃された。 彼女は「周到に計画された暴力行為」として非難した。


Guaido alongside Lopez at the fateful February 12, 2014 rally

2016年テレビに登場したグアイドは「グアヤ」(ガリンバスのひとつの戦術で、鋼鉄線を道路に広げ、バイクに乗った人間に怪我を負わせたり、殺そうとしたりする)で死者が出たことを「神話」だと切り捨てた。 彼のコメントは死者が出るかもしれない戦術をごまかしている。 現にサンチャゴ・ペドロサのような武器を持たない市民達を殺したし、エルビス・デュランという名前の男性を斬首した。 他にもたくさんある。 

こういった人命を無視する冷淡さは、彼の所属する「民衆の意志」党が、多くの大衆の目にそういう組織だとの見方をされることになろう。 それはマドゥロ政権に反対する多くの人々にとってもそうだ。 

「民衆の意志」の取り締まり

暴力と政治的な分極化がベネズエラ全土で拡大するにつれ、政府はその動きを扇動した「民衆の意志」のリーダー達を抑える行動を始めた。

フレディ・ゲバラは、国民会議副議長であり、「民衆の意志」のナンバー2、2017年の街頭暴動の中心的リーダーだった。 その果たした役割のことで裁判にかけられそうになると、彼はチリ大使館に逃げ込んだ。 現在もそのままである。

レスター・トレドは、スリア州選出「民衆の意志」党議員。 2016年9月ベネズエラ政府から指名手配される。 罪状はテロへの資金提供と暗殺謀議だった。 これらの計画は元コロンビア大統領アラバロ・ウリベも加わってのことだと言われている。 トレドはベネズエラを逃亡して、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、米政府支援のフリーダム・ハウス、スペイン議会、そしてヨーロッパ議会へ講演旅行をした。

カルロス・グラーフは、オトポールの訓練を受けた「ジェネレーション2007」のメンバーでもある。 「民衆の意志」の指導者で2017年6月逮捕された。 警察に依れば、彼は釘、強力プラスチック爆弾と起爆装置の入ったバッグを所持していた。 2017年12月27日に釈放された。  

レオポルド・ロペスは、長年「民衆の意志」のリーダーであり、現在、自宅監禁されている。 2014年のガリンバスで13人が死亡したことについて重要な役割を果たしたことを告発されている。 アムネスティはロペスを「良心の囚人」として賞賛した。 彼が刑務所から自宅へ移されたことを「十分な措置ではない」として非難した。 一方、ガリンバスの犠牲者の家族はロペスに対する罪状をもっと増やしてほしいとする請願書を発表。 

ヨン・ゴイコエチアは、コーク兄弟の広告塔で、2016年に治安部隊が逮捕した。 車に1キロの爆発物を積んでいたとされる。 ニューヨークタイムズの論説には、ゴイコエチアが「捏造された」罪状に抗議し、投獄されたのは単に「共産主義から自由な民主的社会への夢」を持っているため、との言い分を載せている。 2017年11月に釈放された。



デイヴィド・スモランスキイは、オトポールの最初の訓練を受けた「ジェネレーション2007」のメンバーでもある。 カラカス市南東部の裕福な郊外住宅地自治体の選挙(2013年)でベネズエラ史上最年少の首長となった。 しかし、最高裁はその地位を剥奪、懲役15ヶ月の判決を下した。 暴力的なガリンバス策謀に責任があるとされたためである。

逮捕されそうになると、スモランスキイは髭をそり落とし、サングラスをかけ、密かにブラジルに入国した。 扮装は神父姿で、手にはバイブル、首にはロザリオをかけている。 彼の現在の住まいはワシントンDC。 米州機構事務総長のルイス・アルマグロに一本釣りされ、ベネズエラの移住者、難民の危機問題に対処するグループを指導している。

今年の7月26日、スモランスキイは「心のこもった再会」と称する会合をエリオット・エイブラムスと持った。 エリオット・エイブラムスと言えば、イラン-コントラの重大事件で有罪とされ、トランプがベネズエラへの特使として送り込んだ人物だ。 エイブラムスの悪評は、1980年代のニカラグア、エルサルバドル、そしてグアテマラで右翼の暗殺部隊を武装化する秘密政策を統括したことを巡ってのものだ。



マチャドは更なる暴力的な脅しをマドゥロにがなり立てた。 もし「命が惜しいなら、マドゥロは自分がもう終わっていることを理解すべきだ」と言明している。

捨て駒

「民衆の意志」は不安定化暴力路線で壊滅し、少なからぬ民衆グループが離反し、運動のリーダーシップの多くは亡命先か監禁状態ですることになった。 グアイドは比較的マイナーな人物だったし、国民議会の輪番制の副議長として9年の任期の大半を過ごしただけだ。 ベネズエラで最も人口が少ない州の一つから声を上げ、グアイドは2015年の選挙で二位となった。 得票率は26%で、辛うじて国民議会の席を確保できた。 実際彼が知られているのはその顔というより、彼の尻だったのかもしれない。 

グアイドは反政府が主流を占める国民議会議長として知られているが、別に投票で選ばれた訳ではない。 国民議会内の民主統一会議を構成する反政府派の4つの政党が議長を輪番制にすることを決めていた。 「民衆の意志」の番だったが、創設者のロペスは自宅監禁の状態だった。 二番手のゲバラはチリ大使館に逃避。 順番ではフアン・アンドレ・メヒアなる人物が次に来るはずだったが、現在やっと明らかになった理由で、フアン・グアイドが議長に選出された。 

「グアイドが頭角を現したことには階級的な理由があります」との見方を示したのは、ベネズエラの分析家のセケラである。 「メヒアは上流階級の人間です。 ベネズエラで最も高額な学費を取る私大のひとつで学んでいます。 グアイドと同じようなやり方で彼を民衆に売り出すことは簡単にはいかないでしょう。 一つには、グアイドの顔つきが、ほとんどベネズエラ人がそうであるように、スペイン人との混血であることです。 いかにも民衆派という雰囲気があります。 同時に、彼はメディアで過剰に取り上げられることはありませんでした。 それ故、どのようにその人物像を作り上げることも可能だったのです」

2018年12月、グアイドは密かに国境を抜け、ワシントン、コロンビア、そしてブラジルへ物見遊山的な視察旅行に出かけた。 マドゥロ大統領就任式で大規模なデモを行う計画を調整することが目的だった。 マドゥロ就任宣誓式の前夜、米副大統領マイク・ペンスとカナダ外相のクリスティア・フリーランドの二人はグアイドに電話で支援の確約をした。 

一週間後、マルコ・ルビオ上院議員、マリオ・ディアズ・バラート下院議員(いずれもフロリダに本拠を置く右翼キューバ亡命ロビー出身の議員)がトランプ大統領とペンス副大統領とホワイトハウスで会合を持った。 二人の要請でトランプは、グアイドが自分を大統領と宣言すれば、それを支持することに同意した。 

国務長官マイク・ポンペオは、1月10日、個人的にグアイドと会った。 これはウォールストリート紙の記事だ。 しかし、ポンペオは、1月25日の記者会見でグアイドの名前を正しく発音できず、 彼を「フアン・グイド」と呼んだ。



1月11日までにウィキペディアのグアイドのページは37回の編集し直しがあり、以前無名だった人物がアメリカ政府の政権転覆野望のための1枚の絵画になっているイメージを創り出す苦労に焦点が当てられている。 結局、このページの編集の監修はウィキペディアのエリート「司書」会議に委ねられた。 この会議は彼を「異議を唱えられた」ベネズエラ大統領と記載した。 

グアイドの人物像ははっきりしないものだったかもしれない。 しかし、彼の急進主義と日和見主義はアメリカ政府の必要性を満たすものだった。 「その駒がなかったのだ」とトランプ政権のある官僚はグアイドについて語った。 「彼という駒が我々の戦略に必要で、それは完全にぴったりと収まった」

元在ベネズエラ米大使のブラウンフィールドがニューヨークタイムズに熱く語ったこと:「彼は、軍と警察に明確な合図を送り、天使の味方で、善良な人間の側にいてもらいたいとの願望を口にする初めての反政府派リーダーだ」 

しかし、グアイドの「民衆の意志」党はガリンバスという突撃隊を形成し、警官と一般市民の死亡事件を引き起こした。 自分が街頭暴動に参加したことを吹聴すらしている。 そして、現在、軍警察関係者の心を捉えるためにはこの血塗られた歴史の消し去る必要性が出てきた。 

1月21日、クーデターが本当に始まる一日前に、グアイドの妻は軍に反マドゥロで立ち上がるよう求めたビデオメッセージを送った。 彼女の演説はぎこちなく、人の心を打つものではなかった。 グアイドの政治家としての限界をはっきりさせるものとなった。 

グアイドは直接的な支援を待つ間も、彼の有り様は以前と何ら変わるところはない。 つまり、利己的な外部勢力の操りに人形なのだ。 「今回の一連の出来事が失敗に終わり、彼が破滅しようと焼け死のうと問題ではありません。 アメリカ人にとって彼は消耗品です」と、セケラは今回のクーデターの首謀者であるグアイドについて語った。

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マックス・ブルメンソールは受賞ジャーナリストで、本の著者でもあります。その中にはベストセラーの『共和党のゴモラ』、『ゴリアテ』、『51日戦争』、『残虐性という支配』がある。彼は一連の出版物に記事を書いたり、多くのビデオレポートや、「ガザの虐殺」などいくつかのドキュメンタリーもある。ブルーメンソールは2015年「The Crayzone」を創設し、アメリカの永続的な戦争状態や、その国内における影響に光を当てるジャーナリスト活動をしている。

ダン・コーエンはジャ-ナリストであり、映画制作者である。彼はイスラエル-パレスチナからビデオレポートや印刷物を配信している。ダンはRTアメリカの通信員でもある。彼のツイートは@DanCohen3000である。

トゥルシー・ギャバード、「際限のない戦争」で
民主党に反旗――消去された映像は拡散

Tulsi Gabbard takes on her own party over ‘endless war’ in mysteriously-deleted viral campaign clip

R T HomeUSA News   (2019年4月30日)

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年6月4日)

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/usa/457870-tulsi-confronts-democratic-party-wars/
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Tulsi Gabbard takes on her own party over ‘endless war’ in mysteriously-deleted viral campaign clip© Reuters / Mike Segar

「トランプをホワイトハウスから追い出しても無駄です。 もし民主党から大統領が選出されても、さらに際限のない戦争を提案するのだから」と民主党候補のトゥルシー・ギャバードは選挙用ツイッターで言明している。 このツイート映像は一度消去された後、
再度投稿された。

「こんなことを言えば面倒なことになるかもしれませんが、でもそれが何でしょう? もしドナルド・トランプを打ち負かしても、いま行われているのと全く同じクローニー・キャピタリズム(縁故資本主義)や企業中心政治をそのままにし、現在の膨大な費用がかかる戦争をもっとやるのだという人物が大統領になったら、同じことです」とギャバードは会場を埋め尽くした支持者たちに問いかけ、万雷の拍手を浴びている様子が映されている。



トゥルシー・ギャバード(ハワイ州選出下院議員)はさらに続ける:「私が受けている最大の攻撃は共和党からではありません。 民主党からです。 主流メディアの人たちからです。 みなさんがいま話題にしている外交政策を取り仕切っている人たちからです。 軍産複合体の利害を代表している人たちからです。」

この映像が拡散したのは、彼女のフィード[伝達装置]からこの映像が不可解に消去されているという報告が複数上がってからだ。 この映像は、アフガニスタンからの移民の女性が涙ながらにフロアーから発言するところからスタートしている。 彼女の希望は、民主社会主義者バーニー・サンダースが2016年の大統領予備選挙に立候補したことだった。 しかし、民主党がヒラリー・クリントンを不正に大統領候補にした時、失望したのだと言う。 「あなたはどうやって自分が所属する民主党と闘うのか?」と彼女はギャバードに問いかける。 


投稿と同時に消去されたと考えられているこのツィートは、週末にかけて拡散した。 支持者たちはギャバードがそのツイートを取り下げるよう民主党から強要された、と推測したのだ。 2020年の大統領戦について民主党全国委員会は、大統領指名を求めるすべての候補者に「忠誠の誓い」に署名することを要求している。 もし指名されなかった場合、民主党が指名した大統領候補者を支持し、第三政党から出馬しないことを誓約させるものだ。 ギャバードがサンダースを推すために、2016年民主党全国委員会副議長のポストを降りたことは有名な話だ。 映像を見る限り、彼女は党の諸原則への忠誠はそのままであると受け取れる。


映像はギャバードの選挙ツィッター上に、日曜日、再投稿された。 なぜ消去されたのか、という疑問は解明されていない。 しかし、それが好都合に進展したことは確実で、だから映像が拡散したということなのだろう。 
https://www.rt.com/usa/457870-tulsi-confronts-democratic-party-wars/
民主党は声高にギャバードの大統領選立候補に反対している。 「アサドの代弁者」とか、「プーチンの操り人形」など、共和党への反論項目に載った言い分を使ってこき下ろしているだけではない。 十代の時、彼女が父親の「伝統的な結婚同盟」という同性婚に反対する運動に関わっていたことを蒸し返している。 彼女はその関わりを公の場で謝罪しているし、それ以降、現在までの数十年間で同性婚に対するスタンスには革命的な変化があったことも言っている。

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20人を越える候補者がいるが、民主党の投票者としては、もしアメリカの介入主義に反対するのであれば、ギャバード以外の選択肢はほとんどない。 サンダースですらトランプ政権のベネズエラ政権転覆作戦にきちんとした反対の声を上げていない。 もうひとり、アラスカ州選出の上院議員だった88歳のマイク・グラベルが国外での戦争に断固反対している候補者だ。 彼の選挙運動は2名の若者(17歳)が取り仕切っている。  

トルシー・ギャバードはアメリカのために準備できていることを証明
したが、アメリカは彼女のために準備できているか。

Tulsi Gabbard has proved she is ready for America. Is America ready for her?

RT Home/Op-ed/ 2019年5月6日

(翻訳:新見明 2019年5月28日)

<記事原文>
https://www.rt.com/op-ed/458503-tulsi-gabbard-henry-wallace/


ジョン・ワイト
ジョンワイトは、様々な新聞、ウェブサイトに書いている。その中には、the Independent、Morning Star、Huffington Pos、Counterpunch、London Progressive Journal、Foreign Policy Journalなどがある。



トルシー・ギャバード議員(D-HI)、2019年4月16日、アイオワ市© Global Look Press / KC McGinnis

トルシー・ギャバードは、2020年の大統領選挙民主党指名争いに名乗りを上げて以来、彼女はアメリカの現実に立ち向かうただ一人の女性候補となった。

このハワイ出身の民主党下院議員は、スピーチに次ぐスピーチ、インタビューに次ぐインタビュー、ソーシャルメディアに次ぐソーシャルメディアで、アメリカの軍国主義を容赦なく告発し続けた。

軍国主義の弊害は、「公式には」12.3%の貧困率、つまり3,970万人の貧困者ということになる。それは告発されるべき比率のホームレス危機であり、50万人以上に影響を与えている。それは世界でもっとも裕福な国で、何千万人の市民が、健康保険を得られないということである。

前述のアメリカを飲み込む危機や、その他の危機を緩和するために使われるお金や資源が、代わりに、軍産複合体というブラックホールに投げ捨てられているのだ。それは公式に認められているだけでも、世界中で70カ国以上の国で、800以上の米軍基地を維持するためであり、国の経済エリートを利するために世界の自然資源や人的資源を搾取するためである。


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さらに読む「暗中模索と変化:アメリカはジョ-・バイデン支配下の国になるのか」


ハワード・ジンの古典的作品『アメリカ人民の歴史』の中で、彼はアメリカ史家マリリン・ヤングを引用している。マリリン・ヤングは1991年の湾岸戦争のあと次のように指摘した。「アメリカはイラクのハイウェイを破壊できたが、自分のハイウェイは建設できない。イラクに伝染病をはびこらせたが、何百万人ものアメリカ人に健康保険を提供していない。アメリカはイラクのクルド少数民族への処置を激しく非難するが、自国の人種問題には対処できない。海外でホームレス[難民]をつくり出すが、自国のホームレスを解決できない。」

ジョー・バイデン副大統領、老練なエリザベス・ウォレン議員、民主社会主義者バーニー・サンダースらの立候補者が居並ぶ中で、トルシー・ギャバードはアメリカ覇権のタブーに挑み、厳しい吟味と激しい批判さえ向けている唯一の立候補者として際立っている。その結果、ワシントン政治家やメディア階級から激しい非難を浴びている。彼らは、ハードパワー(軍事力と経済力)が人類の最終的な希望だという神話に強く縛られている。

民主党大統領予備選挙に彼女を推す最近のフェイスブックで、彼女は自分の立場を簡潔に述べている。「戦争のドラムを鳴らし続けるネオコンやネオリベラリズムにNoと言おう。司令長官として私はアメリカ人民にまず言うだろう。むだな体制転覆戦争をやめよと。新冷戦、軍備競争を終わらせよう。健康保険、教育、インフラ等々で民衆に奉仕しよう。私に加わりませんか。」

トゥルシー・ギャバードは、ホワイトハウスへの立候補を宣言する前でさえ、シリアの紛争になるとただ一人声を上げていた。彼女は批判するだけの人でなく、実際にその国を訪れ、その指導者アサド大統領と会う時間と労力を惜しまなかった。彼女はシリア大統領のことをこう述べた。「アサドはアメリカの敵ではない。なぜならシリアはアメリカに直接脅威を与えていないからだ」と。

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Also on rt.com Don’t ‘feel the Bern’ if you don’t want to get burnt
さらに読む 「もし怪我したくなかったら、”バーニーに共鳴するな”。」


ワシントンの狂ったネオコンのボス、ジョン・ボルトンによってベネズエラのクーデターが煽られて、今日まで行われてきたことについて、ギャバードは1月にこうツイートした。「アメリカはベネズエラから手を引く必要がある。ベネズエラ人に自分たちの未来を決定させよ。我々は他の国に自分たちのリーダーを選んで欲しくない。だから彼らの指導者を我々が選んではいけないのだ。」

彼女は、ロシアとの関係では、制裁と対決の現在の政策を、外交に重きを置き、正常化させることを強く主張している。そして彼女は「新冷戦」と呼ぶものを終わらせるように努力している。

つまり、トゥルシー・ギャバードは、アメリカのネオコンや自由主義介入主義者の体制に対して、恐れず、進んで対決してきた。彼女は反覇権主義、反戦争、平和主義という政治的ビジョンを、大いなる情熱と雄弁をもって明確にしてきた。また、彼女はまた軍隊に所属していた。だから武力信仰がもっとも広まった国で、指導者としてますます欠くべからざる人となっている。

トゥルシー・ギャバードは、人類の進歩や文明のためにアメリカ覇権に反対する少数派であるにもかかわらず、彼女の登場は、狂犬病に陥った帝国の狂った道徳や病に慢性的におかされたワシントンの政治的文化の空隙を輝かしく埋めることとなる。?

このことを求めて、彼女は戦争ではなく平和を求めるもう一人の偉大なアメリカの闘士を思い出させる。アメリカの例外主義に代わって人間的連帯を置き換えることを、国際法や家主権や、自決権を尊重した国連憲章にのっとる原則に置き換えることを呼びかけた人を思い出させてくれる。

彼の名前はヘンリー・ウォレスであった。彼は、1940年から1944年までハリー・トルーマンに代わるまで、ルーズベルトの副大統領として仕えた真の進歩主義者である。ウォレスは20世紀の残りの展望を「一般市民の世紀」として戦争の終結を説いた。彼は愛する者たちが死に、戦争で肉体的にも精神的にも永遠に不具にされたアメリカ人民に寄り添った。しかしワシントンの武器商人や好戦的タカ派は、永久戦争が、ローマの平和に通じる唯一の道だと信じていた。


Also on rt.com Straight-talking Tulsi’s rising star means setting sun for Dem Party establishment
さらに読む「歯に衣を着せぬトゥルシーの登場は、民主党規制体制の日暮れを意味する。」


もし1945年終戦間近のルーズベルトの死に際して、ハリー・トルーマンよりヘンリー・ウォレスが副大統領であったら、歴史はどんなに違っていただろう。

『語られざるアメリカ史』の中で共著者オリバー・ストーンとピーター・カズニックは、ヘンリー・ウォレスが、1946年ニューヨークでルーズベルトの一周忌に際して行ったスピーチを入れている。ウォレスは、ウィンストン・チャーチルの悪名高い「鉄のカーテン・スピーチ」で述べられたソ連との対決方針に応酬している。

ウォレス:「1ヶ月前、チャーチル氏はアングロ・サクソンの世紀として登場した。4年前、私はアメリカの世紀を批判した。今日、私はアングロ・サクソンの世紀をさらに断固として非難する。世界の一般民衆は、文明化されたアングロ・サクソンのもとでさえ帝国主義の再燃、つまり原爆の予兆を許さないだろう。英語話者世界の運命は、世界に奉仕することであり、世界を支配することはない。」

トゥルシー・ギャバードは我々のヘンリー・ウォレスだ。彼女のビジョンは、「覇権」や「帝国」や「支配」という大義のために、冷戦や熱戦によってはぎ取られたビジョンを、相手よりより高い道徳的、倫理的平面(水準)に置かれなければならないというものだった。彼女の真実を広め、戦争屋やタカ派を激しく非難する迫真生は、ウォレスを手本として鼓舞された女性の信条表明である。

ウォレスの時代のように、我々の時代の重大問題は、アメリカがこの異常な真相に聞く耳を持つかどうかにかかわっている。つまりアメリカの外交政策やワシントンの世界への関わり方を動かしている、本当の動機や既得権益に関する真相に気付くかどうかである。

ベネズエラ危機をねつ造し、不安定化工作から
介入の機会を窺うアメリカ

US is manufacturing a crisis in Venezuela so that there is chaos and 'needed' intervention

RT / Home / Op-ed 2019年3月29日

(翻訳:寺島メソッド翻訳グループ 2019年5月22日)

<記事原文>寺島先生推薦
https://www.rt.com/op-ed/455081-manufactured-crisis-venezuela-us-intervention/


エバ・バーレットはフリーランスのジャーナリストで人権活動家。ガザ地区やシリアを中心に活動する。彼女の記事はブログ「In Gaza」で見られる。


政府支持の大集会、3月16日、カラカス© Eva Bartlett

ベネズエラは、現在アメリカの標的となっている。大規模な不安定化を引き起こし、傀儡政権を樹立しようとしている。

アメリカは、過去何年にも亘って、ベネズエラに対して経済戦争を仕掛けてきた。 国力を弱体化させる様々な制裁措置があった。 医薬品を購入するための国の資金力が著しく低下した。 また、バスや救急車等などに必要な交換部品すら買えなくなった。 経済戦争だけではない。 プロパンガンダ戦も途切れることはなかった。 大手メディアからアメリカの有力議員までそれに関わりを持ってきた。

ベネズエラへの「飛行をアメリカ人パイロットが拒否している」というのがAPの記事(2019年3月18日)だ。 アメリカン航空がすべてのベネズエラ便をキャンセルしたというこの記事の中には「安全上の不安」や「世情不安」という言葉もある。 

3月9日、私が搭乗予定だったマイアミ-カラカス便(アメリカン航空)は、カラカス空港には着陸用の電源が十分でないということを理由にキャンセルされた。 奇妙なことに、私は翌日コパ航空に搭乗したが、カラカス空港への着陸には何の問題もなかった。 コパ航空のスタッフの話では、前日の便もちゃんと着陸できた、とのことだ。 

ベネズエラ便のキャンセルの話は、マルコ・ルビオ、マイク・ペンス、ジョン・ボルトン、そして以前は無名で大統領でもなかったフアン・グアイドの声高なツイートをもっともらしく思わせることになる。 

私は3月10日以降、カラカスのあちらこちらを回った。 しかし、大手メディアが伝える「世情不安」などどこにもなかった。 カラカスの市内を歩いて回った。 たいていは一人で。 しかし、身に危険を感じることはなかった。 大手メディアは西側の人々に、ベネズエラでは突然の異常事態への準備をしておくべきだ、と懲りもせず語り続けている。 



事実として、2010年に私が半年過ごしたベネズエラと、今のベネズエラにほとんど差はない。 ただ、ハイパーインフレはあきれるほどひどくなっている。 2010年以降今回の再訪まで私はベネズエラに足を運んではいない。 その間の極右反政府勢力街頭暴力行為を見てはいない。 「ガリンバス」と呼ばれる暴力的街路封鎖、というのがその実態だ。 反政府勢力は人を火あぶりにしたこともある。 他にも人に暴力を振るったり、安全を損ねるような行動があった。

だから、私が思うに、アメリカン航空がベネズエラへのフライトを取りやめたことは、別に安全とか保安上の問題が絡んでいるわけではない。 政治的なものだ。 ありもしない人道危機という空洞化した言説ますます軌を一にしている。 これは前国連特別報告者アルフレッド・ゼイヤスも言っていることだ。 

この14年間ベネズエラに住んでいるポール・ドブソンというジャーナリストに、こんなことが以前にあったかどうか聞いてみた。 あったとのことだ。 しかも、ほぼ同じような状況で。 

2017年7月30日新憲法制定のための制憲議会選挙が行われた時だ。 エア・フランス、ユナイテッド航空やアメリカン航空を含む大手航空会社やのヨーロッパ便が、「保安上の理由」を掲げ、運航をキャンセルした。 大半の便は選挙の4日後運航を再開したが、一部は2週間後にまでずれ込んだ。

そこで、「保安上の理由」があったのか、ポールに質問した。

「ベネズエラで6ヶ月続いていた暴力的街路封鎖(「ガリンバス」)が終結するころでした。 反政府勢力は、どうして6ヶ月前にとか、2ヶ月前にその活動を止めなかったのでしょうか?  「ガリンバス」を止めたのは選挙前日です。 選挙に影響を与えようとしたことは明らかです。 国際的な視線も気にしていました。 この日特別な保安上の理由など皆無でした。 過去6ヶ月にはいくらでもありました。 ですから、実際のところ、何かちゃんとした理由があって活動を止めたわけではありません。 そして選挙を巡るたくさんの問題を引き起こすことになりました。」 



アメリカは危機をねつ造するが、ベネズエラ国民の反応は冷静

2月23日、以前はほとんど名前も知られず、アメリカに後押しされたフアン・グアイドと名乗る人物がベネズエラ大統領を宣言した1ヶ月後、ベネズエラ-コロンビア国境で線香花火的な混乱があった。 アメリカが支援物資トラックをベネズエラに断固運び込むと言ったのだ。

支援トラックは、同日、放火されたが、それはコロンビア側の覆面をした若者達がやったことだ。 西側大手メディアやキューバ系下院議員のマルコ・ルビオの言っていることに耳を傾ければ、ひょっとしたベネズエラ軍が攻撃したものではないかと思うかもしれない。 

もしアメリカの口先だけで言っているに過ぎない心配が、ほんとうに心からの心配であるなら、キューバ、中国、ロシア、そしてその他の国々と同じようにすることもできた。 つまり、国連や赤十字のような適切なチャンネルを通して支援を送ることができるということだ。 アメリカは複数のトラックを強引にベネズエラ国境越えさせようとしたが、それは人目を引くための安っぽいプロパンガンダだったことが分かっている。 それ以上でもそれ以下でもない。

数週間後、突然、まるで狙い定めたかのように、全国的な停電が6日間続いた。 それはベネズエラのインフラとライフラインの大半に影響を与えた。 同じことを、ガザに住むパレスチナ人が少なくとも2006年以来経験している。 この年イスラエルはガザ地区唯一の発電所を爆撃している。 しかも、修理に必要な部品の輸入も許していない。 私はガザに住んでいた時、1日16時間から22時間、何ヶ月も続く停電に慣れた。ほぼ毎日ある18時間以上の停電は今でもガザで続いている。 しかし、それは以前も今も、政権転覆のやからが怒ったりする類いの話ではない。  



この停電についての西側メディアの報道は、タブロイド版ばりのものだった。 何の証拠もなくこの停電で300人の死者が出たと伝え、ベネズエラの人々がカラカスのグアイレ川の泉から水を汲んでいる様子を、汚濁した下水を汲んでいると報道した。 略奪の記事もあった。 (略奪はマラカイボ市の西境では実際起きたが、カラカスでは起きていない。ただし、地方の報道されていない出来事は別だ) そして、総じてマドゥロ政権をすべてのことに責任があると非難している。 

ベネズエラの独立系調査ニュースサイトの「ミッション・ベルダード」のジャーナリストと話をして分かったことだが、略奪の一つはマルカイボ市のショッピングモールで起こった。 しかし、略奪されたのは電子機器であって食料ではない。 別の略奪品は、報道に依れば、ビールとソフトドリンクだった。 人道的危機にある飢えた人々の行動としては奇妙だ。

私がカラカス市現地に入ったのは停電になって3日後。照明の消えたビル、人っ子一人いない通り、そして4日目以降の給水車やATMでの長蛇の列は別にして、他に混乱した様子は全くなかった。 それどころか、私が自分の目で見て確認したのは、ベネズエラの人々が力を合わせ、停電の厳しい影響を何とか切り抜けてゆく姿だった。

私がベネズエラ都市農業省で知ったことの一つに、停電中に野菜や作物をどのように病院や学校に搬入したか、ということがある。 それだけではない。 戦争や偽ニュースの雨風の中にあって、都市農業がどれほど頑張っているかも知った。 一般住宅地に隣接する円形の区画で若い男女が作業に従事し、あふれんばかりのレタス、ハーブ、ビーツ、ほうれん草、そして胡椒を収穫していた。 さらに、まだ作付け段階の区画もあった。 


ベネズエラ北中部バラガス州の最大都市であるカティア・ラ・マール市ファブリシオ・オヘーダのコミューンはカラカス市の西方にあり、100万人を越すバリオ(最貧層の居住地)だが、住民達の話によれば、数年前17トンの収穫があったと言う。 そしてそれを平均市場価格の30-50%安い価格でコミューンに売ったのだ。 

コミューンの指導者の一人の言葉によれば、ウサギを飼育して手頃で入手し易いタンパク源にしているのだと言う。

「私たちは、頑張ってこういったものを自力生産し、コミューン・共同体の役に立てようと思います。 そうしてアメリカが仕掛けている経済戦争に対抗しているのです」と彼は語った。

2日前、ラス・ブリサスにあるカラカス・バリオを訪問して、コレクティヴォ(人民組織)の長であるJaskeherryにコミューン・共同体どうやって停電を切り抜けたのか質問した。 


「該当地域のすべてのコレクティヴォには不測の事態に対応して、人民に支援を与えるべく、自己組織化できる計画がありました。 私の家の冷蔵庫は強力な貯蔵庫と連携しています。 コミューン社会が肉をここに運んでくれ、私はそれを自分の家の冷蔵庫に貯蔵したのです。 約300家族がその恩恵を被りました。 すべてのコミューン・共同体には独自のコレクティヴォ組織があり、同じような支援の活動をしています」 

同じ場所でさらに別の数人から聞いた話だが、混乱が起きない一つの理由は、ベネズエラ人はアメリカ仕掛けの危機に何度も対処した経験があるので、そんな時でも取り乱さなくなった、ということだ。 それはベネズエラ国内を攪乱させ、それをアメリカ介入の口実にしようと企んでいる輩を確実に落胆させただろう。 

ねつ造された貧困。 政府からの支援もあるし、政府への支援もある

私は、カラカスの中産下層階層が住む区域とチャカオと、中産上層階級が住むチャカオとアルティミラ区域の大小スーパーマーケットをいくつか訪ねてみた。 食料はある。 贅沢品も。 ただし、贅沢品はベネズエラの貧困層には手が届かない。

また、棚には何の商品も置かれていない店もある、と言われている。 しかし、まだ私はそんな店を目撃したことはない。 民間企業の方針として商品を買いだめし、ありもしない物資の不足を創り出そうとしたことはよく知られている。 この企業には最大手のポーラーという食品製造会社も含まれている。 

ポーラーのCEOで反政府派の支持者達は、前回の選挙でJaskeherryにマドゥロ対立候補として立候補することを望んだ。 

食料が枯渇しているという話が一旦語られると、こんどは西側主流メディアがそれに尾ひれをつけて報道を続ける。 「人道的危機」もしかり。 最貧層を支援するため、政府はCLAP(=Local Committees of Supply and Production)と呼ばれる食料箱を低価格で配達することを率先して始めた。 コミューン共同体は、この取り組みで、ベネズエラ最貧層6百万の家庭に政府支援食料を配分している。

このシステムは完璧というわけではない。 食料箱がなかなか届かないコミューン共同体もある、という話を聞いた。 しかし、それは地方レベルでの腐敗があったり、コミューン共同体の個人が公正ないしは平等な配分をしていないから、とのことだ。 昨日インタビューをしたCLAPの配分作業に従事している女性も同じ事を言っていた。 

キューバ系アメリカ人の上院議員マルコ・ルビオのような性急な政治家と、自分の考えを持たない主流メディアは、マドゥロ大統領への支持はほぼ皆無、と一生懸命主張している。 しかし、大規模な大統領支持の集会と最近の影をひそめた反対派集会を見れば、その主張には根拠がないことがわかる。

3月16日、2時間、私は「反帝国主義-ベネズエラ政府支持」のデモでベネズエラ人と一緒に歩いた。 映像を撮り、彼らと話をし、選挙で選出された大統領への支持の言葉を次から次へと耳にした。


デモの参加者の多く、あるいは大半はカラカス市の最貧困層コミューン共同体の出身だった。 彼らは肌の色が黒いアフリカ系ベネズエラ人で、主流メディアにその声が取り上げられることはほとんどない。 彼らがマドゥロ政権とボリバル革命の熱心な支持者だから、というのはほぼ間違いない。 

主流メディアのベネズエラ報道をどう感じているか、という私の質問に、現実を描いていない、というのが人々の答えだった。「でっち上げ。 みんなウソ。 全部ウソ。 私たちが認める大統領はニコラス・マドゥロだけ。 フアン・グアイドなどという男はすぐにでも逮捕してほしい」

若い税専門弁護士の話:

「我々がこのデモに参加しているのは、我々の(ボリバル)プロジェクトを支えるためです。 戦争は望みません。 国民のために薬が欲しいのです。 いかなる政府も薬が購入できなくなるような経済制裁はやめて欲しい。 今は国民が必要とする物資を搬入することがとても難しいのです」

まだ大勢が集まっているデモを離れ、私はカラカス市の東部区域へと向かった。 ツイッターで3つないし4つ反対派行動があると地元のジャーナリストが私に語ってくれたどれかに顔を出せないかと思ったからだ。 しかしそんな動きは皆無だった。 

数日後、私はベジャス・アルテス地下鉄駅に行った。 ここでも反政府行動が起きる、との情報が乱れ飛んでいたからだ。 しかし、そんな動きはどこにもなかった。 結局のところ、国民議会の正面で、15人から20人のきちんとした身なりの男女の映像を撮った。 彼らは周辺でぶらぶら立っているだけだった。 反対声明の発表も聞かれず、その動きもなかった。 結局のところ、大半の人間はセキュリティを通り抜け、建物の中に入っていった。 反対声明もなく、その動きもなかった。 彼らからの暴力も彼らに向けられた暴力もなかった。

大人数の政府支持者たちがバイクで到着した。 近くにいた男性が語ってくれたのは、バイクに乗ったこれら男女は平穏状態を維持するために来た、とのことだ。 反対派は挑発行動も口にしており、政府支持バイク部隊はその挑発行動を起こさせないだろう、とも。 (この言葉は先ほどの地元のジャーナリストの言葉とも一致する。 反対派ならびに政府支持者のツイッターでもその趣旨の投稿があった)

カラカス市を一望するアヴィラ山から、タンカーが長い列となって山の泉水を満タンにしているところを目にした。 それはカラカス市周辺、そして市外のたくさんの病院に供給するものだ。

「ベネズエラをコントロールしているのは外国の影響ではない」と言いくるめるアメリカの反語的偽善

アメリカは力ずくで、自分達の影響力を外側からベネズエラに行使してきた。 何年にも亘って。 ワニの空涙を流すアメリカがベネズエラの人々を思っているなどと口先だけで言っても、ベネズエラの人々には何の利益もない。 西側主流メディアの大半は、アメリカがベネズエラに課している非倫理的な経済制裁の多方面にわたる弊害を一言も述べない。

1月下旬、国連人権問題専門家のイドリス・ジャザリはアメリカの経済制裁を非難し、「それはベネズエラ政府の転覆を目指したもの」であり、「軍事的であれ、経済的であれ、強制力を使って主権国家の転覆を求めることは絶対許されない」と明確に非難した。

これに加え、アメリカは最近50億USドルを差し押さえたとウエブサイト「Venezuelanalysis」は伝えている。 この金は医薬品と医薬品を生産するための原材料を購入するためのものだった。 これ以前にもアメリカは多数のベネズエラ資産を凍結している。 明らかに、これらは将来の操り人形大統領としてアメリカが育てあげたフアン・グアイドのための措置だった。

何ら驚くべきことではないが、 ジョン・ボルトンは最近またまたネズエラを脅迫し、トランプが言った「すべての選択肢が用意されている」というセリフを繰り返している。 軍事的介入の脅しだ。 まるで幻覚状態にあるかのように、外国の影響力とベネズエラについてくだを巻き、帝国主義者モンローの主義がまだ死んでいない、などと御託を並べ続けている。

3月中旬に行われたアメリカ平和評議会代表との会合において、ベネズエラ外相ホルヘ・アレアサはあからさまな米国の敵対的リーダーシップについて語った。

「あなた達の政権は『すべての選択肢が用意されている』などということをほぼ毎日口にしています。 そして、軍事的な選択もカードに入っている、というわけです。 だったら、私たちとしてはそれにたいする備えをしなければなりません。

私たちは新特使のエリオット・エイブラムスに言いました。 「クーデターは失敗だ。 で、これからどうしますか?」と。 彼は何となく頷き、こう言いました、『まあ、長い目で見ています。 次は貴国の経済が崩壊することを心待ちにしているということになります』」

マドゥロが、同じ代表団との会合で次のように私たちに語った。

「私たちは外国の軍事介入を望んでいません。 ベネズエラ人は国が独立していることにとても強い誇りを持っています。 トランプ大統領周辺の人々、例えばジョン・ボルトン、マイク・ポンペオ、マルコ・ルビオ、エリオット・エイブラムスなどですが、彼らは毎日毎日ツイッターでベネズエラについて投稿しています。 アメリカやアメリカ人についてではありません。 ベネズエラのことが気になって仕方がないのです。 もう病気と言ってもいいほどです。 極めて危険です。 私たちとしてはそれを糾弾し、止めさせなければなりません」

© Eva Bartlett

私は、シリアを巡って振りまかれた戦争プロパガンダや帝国主義者のレトリックについて過去8年間広範な著述活動をしてきたので、こういった病的なこだわりはよくわかる。 国連特別報告者のアルフレッド・デ・ゼイヤスも最近のインタビューで次のように語っている:

「もし、(あなたたちメディアが)マドゥロを腐敗した人物と呼べば、人々は次第に『あいつは、きっとどこか腐敗しているに違いない』と信じるようになるでしょう。 しかし、1980年代、90年代のベネズエラでは腐敗が蔓延していたことをマスメディアに思い起こさせる人はだれもいません。 チャベス以前、マドゥロ以前のことです。 現在の報道はマドゥロに焦点が絞られています。 マドゥロ政権の転覆が目的だからです」

現在はシリア。 過去にはリビア、イラクなどがあった。 いつも同じ事の繰り返し。 アメリカが支配したいと思う国のリーダー達を悪魔化だ。 馬鹿げたレトリックが毎日企業メディアから噴出される。 言うことはほとんど同じ。 ソーシャルメディア上で反帝国主義的な見方を辛辣な言葉で精力的に述べようものなら、 まるで待っていたかのようにそれをネット上でやみくもに攻撃する輩がいる。 一番気がかりなのは、個人への危害や政府を犯罪視することを意図したテロ行為だ。 

悲しいことに、アメリカは、過去8年間同盟国と一緒にシリアに対して行ってきた同じ汚い戦術を、恥も外聞もなく、取ろうとしているようだ。 テロリストを背後で操ったり、連携したりしてベネズエラを攻撃しようとしている。 実際、昨晩この原稿を仕上げようとしていた時、電気が消えた。 今もベネズエラ全土の多くの地域で停電状態が続いている。

今週初め、ロドリゲス情報相はツイッターで、「今回の停電はグリ水力発電所が攻撃されたため」と発表した。 この発電所はベネズエラの水力発電と電力発送を担う中心的なエリアである。

今日までに、電気はカラカスで一部復旧した。

今日の午後、オートバイに乗せてもらい、少し時間をかけてカラカスのペタレ地区を回った。 ペタレ地区と言えば、ラテン・アメリカ最大の「スラム街」として知られ、バリオ(居住区)が延々と連なる。 カラカス市の中でも最貧地区のひとつであり、最も危険な場所だ。 オートバイに乗せてもらいながら、主流メディアがあると主張する「人道的危機」を捜した。 だが、あったのは野菜、果物、チキン、そして基礎食料品だった。 私が足を運んだところはすべてそうだ。 カラカス市の中心広場から山沿いにあるバリオ(居住区)まで。 7月5日現在の話だが。




カラカス市を見下ろすアヴィラ山の山裾で、オートバイに乗りながら見かけたのだが、ところどころ列を作って水差しで泉の水を集めている人たちがいた。 停電で給水に影響が出たからだ。 またタンクローリー車が何台も連なっていた。 これは市当局が手配したものであり、軍も参加して都市部、郡部へ水を供給することになっている。

ベネズエラ政府は、3月7日の停電も今週の停電も背後にはアメリカがいる、と非難した。 3月の停電については、送電網に対する①サイバー的、②電磁波的、③物理的攻撃の組み合わせだと言明した。(同様の攻撃をアメリカはイランの送電網に行う秘密の計画を持っていると言われている) 今週の停電はグリ発電施設に対する直接的物理的攻撃であり、3箇所の変電施設が炎上した。

明らかにこういった攻撃の目的は、多くの苦しみと鬱屈した気持ちを人々に植え付けることで、カオス(混沌)が存在し、アメリカの介入が「必要だ」という情況を創り出すことだ。

混乱状態は起こっていない。 国民はそれをきっぱり拒否している。
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